マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてXPとKoinを獲得すれば理解も深まります。
ウォームアップ パート4/4
新しいウォームアップエクササイズ 身体を効率的に動かすために必要な全てのことをカバーしてきたところで、これら全ての要素をあわせて、素晴らしいウォームアップを作っていきましょう。 これからご紹介するウォームアップは、私とチームが一般的な用途向けに作ったものです。もし特にどこか弱い部分、制限や機能不全がある場合には、何よりも先にまずそれらを改善する必要があります。 あなたの身体が総体的によく動き、主要なものをすべて網羅しているウォームアップを求めているのであれば、これから紹介するウォームアップを気にいっていただけるでしょう! ストレート・レッグ・レイズ トレーニング対象:床に伸ばした脚の股関節伸展、持ち上げる脚の膝関節の伸展、コアの安定性と活性化 方法:自分で選んだゴムバンドを使用し、腹筋群が働くように、バンドを引っ張ります。多くの場合、まず、コア・腹筋が働くように、また同時に腰部の筋肉が働かないように、大きく息を吐くよう指示します。 コアを働かせ、つま先を顔の方に引き上げます。片方の脚をまっすぐにし、踵を地面に押しつけながら、反対の脚をまっすぐのまま持ち上げます。この動作の間、必ず両方の膝をまっすぐにロックし、腰が反らないようにしてください。 ゴブレットスクワット トレーニング対象:膝関節、足首、股関節の可動性、コアの安定性。 方法:ケトルベルの取手部分をつかみ、胸の前で持ちます。足を腰幅~肩幅に開き、つま先を少し外側に向けます。 そのまま下にしゃがみ、膝を外側に押し出します。腰の自然なカーブを失わない範囲で、できるだけ深くスクワットし、またスタートのポジションに戻ります。 捻りを加えたリバースランジ トレーニング対象:軸脚側の股関節の安定性、後ろ脚の股関節の可動性及び伸展、胸椎の回旋。 方法:まっすぐに立ち、頭の後ろに両手を置きます。大きく一歩後ろへ足を踏み出し、膝が肩と股関節の真下にくるようにします。 このバックランジのポジションになったら、そこから身体を軸脚の方向へ回旋し、そしてスタートのポジションへ戻ります。 ハーフニーリングローテーション トレーニング対象:軸脚の股関節の安定性、後ろ脚の股関節の可動性及び伸展、胸椎の回旋。 方法:前側の脚と股関節をそれぞれ90度に曲げ、後ろ脚の膝が股関節の真下にくるように、90/90のポジションになります。両手は頭の後ろへ置きます。 背筋を伸ばし、前脚の方向へ身体を回旋します。 グルートブリッジ トレーニング対象:股関節の伸展と臀部の活性化。 方法:膝を曲げ、足の裏をしっかりと床につけて仰向けになります。少し息を吐き、これから腹部を殴られるかのように、コアを固めるようにします。 コアを固くしたまま、腰を反らせることなく、股関節を伸展します。この時、肩、股関節、膝が一直線になるまで腰を持ち上げるのが理想ですが、股関節屈筋群が硬かったり、臀筋が弱かったりする場合は、腰が反らない程度に骨盤を持ち上げるようにしてください。 1秒そのままホールドし、そこからスタートのポジションに戻ります。 ブルームスティック ペックモビライゼーション トレーニング対象:軸脚の股関節の安定性、後ろ脚の股関節の安定性及び伸展。胸椎の回旋、大胸筋の柔軟性、前面の筋膜のスリング、及びスパイラルラインのストレッチ。 方法:右脚が左脚の前になるように、スプリットスタンスで立ちます。右手はPVCパイプの上に置き、左手はパイプの真ん中におきます。 コアを少し働かせ、左手を使って右手を上方、後ろ側に押し出すようにします。ストレッチに集中するよりも、意識的に右の肩甲骨を腰の後ろのポケットに入れるイメージをします。1秒ホールドし、そしてスタートポジションに戻ります。 腕立て伏せからダウンドックへ トレーニング対象:肩甲骨の上方回旋、前鋸筋の強化、スーパーフィシャルバックラインの筋膜ストレッチ、身体の後ろ側へ空気を送り込む。 方法:両手を肩幅より少し広く開き、つま先を床につけて腕立て伏せの姿勢になります。コアを働かせながら腕立て伏せを行い、そしてすぐにヨガのダウンドックのポーズに移行します。 ダウンドックの姿勢では、背中に深く大きく息を送り込むようにしてください。両膝をまっすぐにし、アクティブに踵を地面に押しつけて、身体の後面のストレッチを増進させます。 もし全ての動きを行うことができないようであれば、腕立て伏せを行わず、ただ腕立て伏せのスタート姿勢からダウンドックの姿勢に移行してみましょう。 前腕のウォールスライド トレーニング対象:肩甲骨の上方回旋、下部僧帽筋の強化と運動制御。 方法:右脚を前にしてスプリットスタンスを取り、右足のつま先を壁につけて壁に向かって立ちます。両肘を90度に曲げ、肩の前の壁につけてください。 前腕を斜め上に向って壁の上で滑らせていき、両腕が10時と2時の方向になったところでとまります。腕を滑らせてながら身体を壁に近づけていき、腕を滑らせ終わった時に胸が壁につくようにします。そして、両腕を壁から少し浮かせて、肩甲骨を下に押し下げるようにしながら(肩甲骨を後ろのポケットへいれるようなイメージで)戻してきます。 この運動を行う際、顎と肋骨をさげるように意識すると良いでしょう。首が伸展したり、腰部が反ったりしないようにします。 グロイナーとオーバーヘッドリーチ トレーニング対象:後ろ脚の股関節伸展の可動性、軸脚の股関節屈曲の可動性、胸椎の回旋、身体の前面の筋膜スリング、及びスパイラルラインのストレッチ。 方法:肩の真下に両手を置き、つま先を地面につけた腕立て伏せの姿勢になります。右股関節を屈曲し、右足首が右手のちょうど外側にくるようにします。 そこから、左手を地面に押し付けるようにして、右手を天井に向って伸ばします。後方の膝をまっすぐに保ち、臀部を締めるように意識すると良いでしょう。 サイドライニング ローテーションリーチ トレーニング対象:胸椎の回旋、胸筋、広背筋、肩甲下筋のストレッチ、下部僧帽筋の強化と運動制御。 方法:右側を下に横になり、左膝を曲げてフォームローラーの上に置きます。左腕を持ち上げ、斜め後ろ、2時の方向まで伸ばします。 ここで、大きく息を吸い込み、そして吐き出します。息を吐き出す時、肩甲骨を下に向って押し下げ、肩の前面をストレッチするよう意識します。 プルバックバットキック トレーニング対象:膝関節の屈曲と伸展、軸脚の股関節の安定性。 方法:まっすぐに立ち、左のお尻の方へ向けて左膝を曲げます。左手で足の甲をつかみ、大腿四頭筋にストレッチを感じるように少しずつ後ろへひっぱります。 この運動を行う際、軸脚がぞんざいにならないようにしましょう。地面についている足を介してまっすぐに立つように考えます。インターンのメドースは左脚が軸脚のときは上手くできていますが、右脚が軸のときはそれほどでもないようです。 だめですね~メドース! ウォールアンクルモビリゼーション トレーニング対象:足関節の背屈。 方法:右脚を前にしてスプリットスタンスをとり、右足のつま先を壁につけます。両手を壁において、バランスを取ります。 三脚の足を保ち、徐々に右膝をつま先の前へと動かします。もし楽に膝が壁についてしまったら、可動性のトレーニング効果を得られるまで、足を1インチずつ後ろへ引いてゆきます。常に足を三脚のポジションに保つようにしてください。
ウォームアップ パート3/4
関節ごとのウォームアップ:胸椎&肋骨から関節窩上腕関節 胸椎と肋骨 主な必要性:胸椎、腰椎屈曲、肋骨及び胸壁先端部の拡張 上記にあげた「主な必要性」は議論を呼ぶに違いありません。この混乱しがちなエリアを、トレーニングに関する実践的な考え方で、バックアップしてみましょう。 胸骨は最近よく知られるようになった関節の一つであり、それにはちゃんとした根拠があります。 胸椎が最適な位置にあることは、より良い肩の生体力学のためにとても重要です。 最近よくみられるのが、平坦過ぎる胸椎をしている人たちです。胸椎は本来なだらかな後弯を持っているべきであることを忘れないでください。肩甲骨もなだらかにカーブしていますから、胸椎に自然なカーブがあることは重要なのです。 要約してみると。 少しカーブをしている肩甲骨が、少しカーブをしている胸椎の上にのっていれば、そこには自然な安定性が生まれるでしょう。 しかし、平坦過ぎる胸椎の上に、少しカーブしている肩甲骨がのっているとすれば、肩は不安定になってしまいます。 肩甲骨は上背部に直接付着しているのではなく、筋肉によって接合されています。ですから、上背部が平坦になりすぎると、肩の痛みや機能不全の起こるリスクが増してしまいます。 長年にわたって、私たちは、胸椎にもっと伸展を、ということを話してきたのですが、今では、胸椎により屈曲を、という話をしています。 どういうことでしょう? 私たちは、評価の技能のみでなく、適切な矯正エクササイズの処方においても、より明確になってきたのだと思います。 胸椎や肋骨はそれぞれ独自の構造を持っています。もちろん相互に働きますが、それぞれの働きも持っています。 私たちが「過度の胸椎後弯」として分類していたのは、片方もしくは両方の胸壁が落ちくぼんでいる平坦な胸椎です。 伸展を得るためにフォームローラーの上で身体を捻る代わりにするべきことは、胸椎に本来あるべき屈曲を取り戻すことで、ニュートラルな状態に戻し、片方もしくは両方の胸壁の凹みを埋めていくことです。 このように考えてみてください。もし、前面の胸壁に充分な広がりがなければ、私たちがいつも話しているような、前肩で丸まった姿勢になってしまうでしょう。 パンクしたタイヤのように、タイヤに空気を入れ直して充実させることがゴールなのです。 あなたが胸壁を充実させることができれば、自然な胸椎のカーブを取り戻し、改善し、肩甲骨がのるための、安定した基礎を作ることとなります。 要するに。 ウォームアップにおけるゴールは、胸椎のポジションを最適化し、胸の上部を空気で満たすことなのです。 もしあなたの上背部が平坦すぎる場合は、自然なカーブを取り戻す為に、胸椎の屈曲を得る努力をする必要があります。私たちは通常、丸まっている上背部に対して、呼吸に重きをおいたエクササイズをします。この話題に関しての詳細なポストを書くまでの間、下のビデオリンクをお役立てください。 首 主な必要性:ニュートラルであること 首はとても繊細な関節であり、パーソナルトレーナー、ストレングスコーチとして、あまり踏込み過ぎた話をする事は避けたいと思います。 肝心なのは、もしあなたがコーチやパーソナルトレーナーで、首が痛いと訴える人が来た場合には、できるだけ早く理学療法士を紹介することです。 良いアライメントと適切なウォームアップにおいては、私はいつも首をニュートラルな位置にすることに注目します。もし頭部前突姿勢の人がいたら、「顎を引いて」「頭を後ろに引いて」と指示するとよいでしょう。 私が個人的に好きなのは、ビニールのパイプを背骨に沿わせて置き、背骨の上から下までニュートラルな位置を自分自身で見つけてもらい、それから望む動きを指導していくという方法です。 トレーナーの観点から言えば、首はとてもシンプル。ニュートラルな位置にもっていき、そこで維持するだけなのです。 肩甲骨 主な必要性:安定性と上方回旋 胸椎から外側へと進んでいくと、次に登場するのは肩甲骨です。肩甲骨は胸椎の位置に対して「奴隷」的な存在です。もし胸椎が良い位置にないのであれば、まずそれを改善する必要があります。 胸椎のアライメントが良いと仮定したとき、肩甲骨の2つの主な必要な要素は、安定性と上方回旋です。 まず上方回旋から見ていきましょう。 肩甲骨のスムーズな上方回旋を駆動する3つの筋肉は: 上部僧帽筋繊維 下部僧帽筋繊維 前鋸筋 肩甲骨上方回旋 上部僧帽筋が長くなっている場合は、胸壁先端部の拡張不良によることが多いようです。 胸壁を空気で満たすことができれば、上部僧帽筋の位置や長さは改善されます。 一方、前鋸筋と下部僧帽筋は弱い場合が多いようです。これは下記のようないくつかの要因によるものだと思われます。 適切でない運動プログラム これらの筋肉群に強化が必要だということへの一般的な無認識 正しくない基本姿勢やポジション 私たちはウォームアップ中、腕立て伏せや前腕ウォールスライド等の運動により、これらの筋肉群に何回も働きかけます。 関節窩上腕関節、肩関節 主な必要性:回旋、反射的な安定性 最後になりましたが、おろそかにできないのが、関節窩上腕関節、つまり肩関節です。 この関節も、股関節のような球関節であり、可動性に関してとても重要な役割を担っています。 もちろん私は肩関節の可動向上ドリルをウォームアップの中に取り入れていますが、それがやり過ぎになってはいないことに気づかれるでしょう。 解剖学を理解すると、肩関節の可動性は、胸椎と肋骨のアライメントが整っていることのみではなく、肩甲骨が安定していることが前提となっていることに気づきます。 肩の十分な可動域を取り戻すと、安定性も回復します。そして、セラバンドを使って内旋、外旋の運動に無駄に時間を使う必要もなくなります。回旋腱板が、トラクタービームのように肩を肩甲骨へひきよせる為に作用するという、真の肩の安定性が実現するのです。
ウォームアップ パート2/4
関節ごとのウォームアップ:足部から腰椎 それでは、トレーニングのみではなく、ウォームアップの観点からも必要な、身体のひとつひとつの関節の検証をしてみましょう。 足部 主な必要性:安定性とコントロール 足はまさに、地面からのフィードバックの起点です。もし足が、不十分な情報や間違ったフィードバックを身体に送ったり、不安定だったりしたら、自身のパフォーマンス能力を十分に発揮することができないでしょう。 私は過去に裸足でのトレーニングやミニマリストシューズを多大に支持してきましたが、最近になって少し考えが和らいできました。 ミニマリストシューズや裸足でのトレーニングは、足や踵骨の安定性がある人には良いでしょう。そうでない場合には、ミニマリストシューズが一番良い選択肢とは言えないかもしれません。 こんなことを書くと非難されるかもしれませんが、私達は、皆それぞれにユニークな個体差があり、一概に裸足でのトレーニングが全ての人に良いとは言えない、ということを理解していただくことができればと思います。 ここでのポイントは、皆さんがどのようなタイプのシューズが必要なのか、どの部分にサポートや強化が必要なのか等を見つけ出すということです。このテーマだけで1つの記事になる内容ですから、2013年に行うべき事リストに、このテーマに沿って記事を書くことを加えておくことにしましょう。 とはいえ、その他にもう一つ大切なステップがあります。正しい選択のシューズを履いたらそこでマジックが起こるわけではないのです。 うーん、もしかしたら。でもおそらくその結果にはがっかりすることでしょう。 ただマジックが起きるのを期待するのではなく、正しい選択のシューズを履いたうえで、私たちが三脚足と呼んでいるものに注目する必要があります。三脚足とは、第一中足骨骨頭、第五中足骨骨頭、踵骨に均等に体重が分配されている状態を指します。三脚のように3つの接地点を持っているという事です。 適切なシューズとニュートラルな足に注目することができれば、地面から上に向って、身体のポジションはより素晴らしいものになるでしょう。 足首 主な必要性:背屈 100人の人の足首の可動域をIFASTにてテストした場合、80-90%の人に背屈の低下や制限が見られると思われます。 何故そのような結果が出るのか?これがここで本当に問いかけるべきことです。 私たちのジムで見られる大きな問題の1つは、足首の可動域が狭い人は、姿勢に関して1~2つの問題を抱えているということです。 身体の重心が前よりにある 身体後面の組織のトーンが非常に高い これは何故なのでしょう? コアの安定性の乏しさ、硬い股関節屈筋群、そして骨盤の前傾のすべてが関与し得ます。 その原因を哲学的に理論的に突き詰めることもできるのでしょうが、結局のところ、問題を解決しないことには足首の可動制限は改善されません。 これから足首の可動性を良くするドリルを紹介しますが、もし姿勢に問題があるようでしたら、まず何よりも先にそれを改善することが必要です。 もしかしたら、本当は、今以上の足首の可動性が必要なわけではなく、持っている可動域をひきだす必要があるだけだったという結果に至るかもしれません。 膝 主な必要性:膝の屈曲、伸展 私は以前にも、膝関節について、じっくりと話をしてきましたが、ここでもまた話させていただきます! 膝は顆状関節であり、多くの人が思っているような蝶番関節ではありません。膝の主要な動きは屈曲と伸展ですが、膝関節には、少しですが回旋の動きの許容もあります。 多くの人がそれぞれの関節ごとのトレーニングに熱中しているにも関わらず、膝関節の重要性を見失いがちになっています。 しかしながら、シェルボーン医師(世界有数の前十字靱帯に関する権威)は、膝関節の不十分な伸展は膝の変性の主要な要因だと言うでしょう。 皆さんは、後でご紹介するウォームアップの中に、コアを働かせたSLRが入っていることに気づくでしょう。この運動では、必ず両膝をまっすぐに伸ばし、大腿四頭筋を使って膝関節の裏側(腓腹筋やハムストリング等)を伸ばすようにします。 何はなくとも、正常で左右均等な膝関節の伸展と屈曲は必要です。それだけでも長い間、膝を健康に保つことができます。 股関節 主な必要性:多面的な可動性と安定性、股関節の伸展、股関節の分離 股関節はほぼ間違いなく、私たちの身体の中で最も大切な関節です。球関節として、沢山の自由な動きを楽しむことができます。その股関節の可動性を失い始める時に、問題がうまれます。 更には、可動性を失い始めた時、その他の好ましくない問題が次から次へと起こり始めます。 股関節の動きの乏しさは、脳への適切ではない情報伝達を引き起こします。 変更された情報は、運動制御の乏しさと安定性の乏しさを引き起こします。 そして運動制御と安定性の乏しさは、強さに対して直接的に影響を及ぼします。 皆さんに教えられる事が他に何もなかったとしても、股関節は身体全ての動きにとってとても重要な関節だということは覚えていてください。可動性は不可欠なものではありますが、安定性(そしてのちには強度)も重要なポイントです。 90/90(片膝立ち)のポジションは、私達皆が取り組むべきものです。片膝立ちのセットアップでは、コアの安定性、前脚側の股関節の安定性、後ろ脚側の股関節の股関節屈筋の伸長性を発達させています。 骨盤 主な必要性:安定性、ニュートラルであること 骨盤はよく忘れられがちな関節です。しかしならが、一歩引いて見てみると、骨盤のアライメントがその上下の運動連鎖を駆動していることに気がつきます。 もしあなたの骨盤が前傾していたとしたら、腰椎は伸展し、股関節は内旋します。 その一方、もしあなたの骨盤が後傾していたら、腰椎はフラットになり、股関節は外旋します。 動きの質を最適化するためには、骨盤をニュートラルにし、そのポジションを安定させ、コントロールする必要があります。 股関節屈筋群や大腿四頭筋がとても硬い人は、立位の場合、比較的ニュートラルなポジションになることができるのにも関わらず、ランジやスプリットスクワットをしようとするとできないということが多々あります。 でも心配しないでください。もしあなたがそうだったとしても、ウォームアップでそれを解決するようにしますよ。 腰椎 主な必要性:安定性、ニュートラルであること 腰椎は常に注目される話題です。 人口の80%の人が生涯のうち、どこかの時期に腰痛を経験するということや、どこかの教祖めいた人が腹筋を割る商品について語るのを聞くと、何故まだ私たちが腰痛について話をしているのかも納得できます。 スチュアート・マックギル博士は脊椎のニュートラルなアライメントの必要性を支持する素晴らしい業績を残しています。マックギル博士の活動に注目されている方であれば、彼が、負荷のかかった腰椎屈曲、腰部における繰り返しの伸展、屈曲のサイクルを避けることを全面的に推奨している事をご存知でしょう。 どちらの動きも椎間板ヘルニアにつながることが示されており、明らかに良くないことです。 しかし、私は多くの人達が、行き過ぎの傾向に向ってしまうのも見てきました。これらの人たちは屈曲を避けることに集中するがあまり、それに過剰に反応しすぎて腰椎を過伸展させて動いていたります。 残念なことに、どちらにしてもやり過ぎはよくないのです。 大事なことを言い忘れていましたが、一旦このニュートラルなアライメントを確立したら、様々な可動範囲出の動きの中で、それを安定させコントロールできるようにしてください。スクワットやデットリフトであっても、通常の運動の中の動きであっても、ニュートラルで安定している脊椎を維持することが大切です。
ウォームアップ パート1/4
ウォームアップは最適なワークアウトへの大切な始点です。 ウォームアップなしでもワークアウトはできるのでしょうか? そうですね。 腕をまわし、脚をスイングしただけですぐに運動をはじめることは可能ですか? おそらく。 しかし、あなたの目標がジムやフィールド、コートでの動きを向上させることだとしたら、時間をかけて確立され証明されたウォームアップの原理を使うことが必要です。 それでは始めましょう。 何故ウォームアップをするべきなのか? 世の中に出回っている最近のウォームアップには下記のようないくつかの問題点があげられます: 必要な全ての関節を網羅していない 必要な関節全てを網羅しているとしても、それぞれについて全ての必要な動きや、行いたいと思う動作パターンがカバーされていない 重要なキーポイントとなる要素(動きや生理学等)をカバーしていない。 ウォームアップになっていない。 効率的に行われた場合、ウォームアップには下記のような非常に多くの利点があります: アライメントと姿勢の向上 滑液の粘性の低下(関節の調子が良くなります!) 筋肉の温度の上昇と、それに伴う柔軟性、伸長性の向上 カテコールアミンの放出(エピネフリンやノアエピネフリンなど) 神経系伝達の増進 難しい言葉はいておくとして、正しいウォームアップは身体を整え、柔らかくし、速く走り、高く跳び、または、重い物を持ち上げる準備をしてくれるというということです。それを踏まえると、私は正しいウォームアップは3つの大きな要素から成り立っていると感じます。 より良いウォームアップへの3つのステップ 賢明で包括的なウォームアップは3つの主要な分野を網羅しています リセット レディネス 特異性 様々なウォームアップのプロトコールやプログラムを調べてみようとすれば、沢山の素晴らしい情報が見つかります。ただ、それらのうちに、包括的と思われるものがないのです。もっと具体的に言うと、全てのプロトコールにおいて、何かが欠けているように見受けられるのです。それでは、前に述べた3つの分野について、何故それらがウォームアップに含まれていることが大切なのかみてゆきましょう。 #1リセット もしあなたがIFASTに来たら、最初にすることは必要に応じてリセットをすることです。リセットとは何なのだろう?と思うかもしれませんね。 よくぞ聞いてくれました! リセットとは最適な姿勢やアライメントを取り戻す為に使われる独特の運動や動きのことです。 多くの場合において、股関節、骨盤、肋骨等の構造がきちんと整っておらず、それによって動きが低下してしまいます。 そして周知のとおり、乏しい動きは乏しい運動制御と安定性につながります。 もし皆さんの身体が、ちゃんと動くことができず、不安定だとすれば、ワークアウトに含まれる筋力、パワー、持久力といったその他全ての素晴らしい能力を発揮するのは至難の業でしょう。 それゆえ、身体が整い、準備万端であるために、リセットは何をするよりも前にまず行われるべきものなのです。 リセットはとても特定なものであり、どのリセット運動が最もあなたに適しているかをここで伝えるのは不可能です。しかしながら、私たちが最も好むものの一つにスクワット ハング リセットがあります。これは肋骨をリセットし胸部の右側に空気を送り込むよう作用します。 これは私達がジムで使っているリセットのうちのひとつにしかすぎず、総括的な評価なくしては、あなた自身がどのリセットを必要としているのか言い当てるのは難しいでしょう。 一旦身体が最適な状態に整えば、今度は実際にウォームアップに集中することが出来ます。 #2レディネス レディネスは私たちのウォームアップの中の次の要素です。 全てのウォームアップが生体力学、動きの質、そしてアライメントに重点を置くことができ、置くべきである中、ここでよい生理学を稼働させる必要性も忘れてはいけません。 思いつきの健康体操、ジャンピングジャック、バービーなどの昔ながらのウォーミングアップは、ただ身体組織を温めてトレーニングをする準備をするだけで、正しい動きを教え込むには理想的ではないかもしれません。 トレッドミルでの5-10分間の早歩き、バイクでのサイクリング、もしくはコンセプト2ロウワでのロウイングを行うことには何の異論もありません。 しかしながら、そこで終了することなく、さらにより大きな可動域へと動いてゆき、トレーニングで使うだろうと思われる全ての関節にアプローチするよう最善を尽くします。 このあとで、包括的なウォームアップをご紹介します。皆さん、ラッキーですよね! #3特異性 ウォームアップの最後の要素は具体的な内容です。 もし、これから走る、あるいは競技で功績を残したいのだとしたら、間近の課題に向けて準備できるよう、フォームを整えるランニングドリルや強度の低いプライオメトリックが必要でしょう。 もしウェイトトレーニングを行うのならば、希望の負荷の重さに達することが出来るようにテクニックを重視した軽いセットを行うでしょう。 ここでのゴールは動きのパターンの準備をし始めることでパベルがよく使う表現である“Greasing the groove “、つまり、溝に油を注して動きのパターンを向上させる、ということなのです。 もしあなたの最終ゴールが単にウェイトリフティングをすることならば、下の「よくある質問」のセクションでとても有効である具体的なウォームアップの方法を紹介します。 ボーナス:受動的ウォームアップ 夏に、もしくはジムの中がとても暑いとき、いかに早くウォームアップができるか感じたことはありますか? それではその反対ではどうでしょう。とても寒いジムの中で、あるいは、ただでさえ寒い冬にとても寒いジムの中でトレーニングをしたことはありますか? もし迅速にウォームアップをしたいのならば、身体を温かく保つために受動的な方法を使ってください。 とても早くて簡単ではありますが、トレーニングをするときにもう一枚服を着るだけです。私の場合冬にはスウェットパンツ、短パン、コンプレッションショーツ全てを着ることも良くあります。 全てが必要だからと言うわけではなく、全てを着ていることがウォームアップを促進させ、セット間でも寒くなることがないからです。 そのほか、パワーリフティングの選手が使っていた古くからのトリックは、温かくなるクリームや塗布薬です。これらのものは実際筋肉を温める程深く浸透してゆかないとまだ審議はされていますが、事例証拠によればこれらもオプションではあるとしています。 最後にもう一つ大切なこととして、トレーニングの前に温かい紅茶やコーヒーを飲むことは、単にカフェインの上昇によいと言うだけではなく、ウォーミングアップを促進させると感じています。
プログラムとコーチングを向上させる4つの方法
コーチやトレーナーとして、我々はより良くある為に日々トレーニングツールを探し求めています。 それはもしかすると新しいタイプのプログラミングかもしれませんし、 噂に聞く新しいエクササイズかもしれません。 または大人気のエクササイズに対する、ひと味違った形でのコーチングやキューイングかもしれません。 要するに、私達コーチは、より良い結果が残せるものであれば出来る事は全てやってみるということです。 私はこれを16年間やってきましたし、少なくとも通常レベルの成功を収めてきました。 加えて、私は指導方法及びトレーニングの連続体の全貌をみてきました – 業界に入りたての若いトレーナーやコーチから、私達の業界の真のレジェンド達との会話や仕事まで。 もし、何がエリートレベルの指導者と駆け出しの新米を分けるか、を絞り込まなければならないとすれば、ポイントは以下の4項目でしょう。 あまりピンとこないかもしれませんが、有能な一流指導者であれば誰でも、プログラミングや指導法向上のために、これら4項目を導入しているということを保証します。 楽しんで読んで下さい! #1 – 一流の指導者はシンプルであることを目指す 私達が最初にプログラムを作り始める頃、それは控えめに言ってもかなり圧倒されるものでしょう。 以前に自分がプログラムに沿った経験があるので、何がプランに含まれるかはある程度分かっています。 加えて最近指導法やピリオダイゼーションに関する文献を10冊くらい読んだばかりなので、そこで得た知識も盛り込みたくなりますよね。 更に更に、 最近見た新しいエクササイズ15種類を、あなたが使ってみたくて仕方なかったら...これは盛り込むしか無いですよね! こうなった場合、一体これら全部をどうやって調和させたらよいのでしょうか? 答えは簡単です—全部を削って出来る限りシンプルにするのです。 私が初めて自分のパワーリフティングのトレーニングプログラムを作ったとき、そのプログラムは本来必要な内容の10倍の長さになってしまいました。 そして当時、ベストが380、250、そして480だった彼(当時の私)にとって、アドバンスプログラムは1番必要なかったものだったのです! 私達がスピードやアジリティー、プライオメトリックスやリフティング等についてトレーニングを考える時、ゴールはプログラムをいかに複雑に作成できるかということではありません。 ゴールはプログラムの中にどれだけ沢山の“ツール”を詰め込むことでもありません。 目の前に置かれた作品に対して、同僚達が“おぉ”とか“あぁ”とか言ったとしても、余分に称賛を得られるわけでもありません。 結局のところ、私達が評価されるのは作ったプログラムが結果をだすことのみです。 私は、簡単かつシンプルであればある程、より優れたプログラムを作れると強く信じています。 生理学の観点から見ても、簡単でシンプルなプログラムは、どのような適合を目指しているのかを、身体が真に理解し反応することを可能にしてくれます。 プログラミングの初期にはしっくりこない段階があってもOKです。 事実、誰もが経験します。これはある意味儀式のようなものです。 しかし常に自分のプログラミングを見直し、無駄を削ぎ落とし、更に効果的にする方法はないかと問いて下さい。 そうした結果、きっとあなたは自分の作成した中身の詰まった無駄のないプログラミングに驚く事になるでしょう。 #2 – 一流は基本を熟知している 私がこの業界で働き始めたころから、このようなタイトルの記事をよく見かけます; “キレてるハムストリングを作る8つの方法!“ “コアを締める5つの新しい運動!” “ふくらはぎを肥大させる4つのエクササイズ!” 私も結構執筆をしますから、これらの売り文句の意味は理解してます。人々の注意力は長く続かず、キラキラ派手やかなものに惹かれる昨今、雑誌やオンライン記事等も人々の目を引くものでなくてはなりません。 しかし長年に渡り私は世界中何千もの方々とお仕事させて頂く機会に恵まれてきました。 本物の人々と仕事をする、クオリティーを重視している本物のコーチやトレーナーの皆さんと。 新米で駆け出しの方、ちょっと自分の道が見えてきた方、そして経験豊富な上級者の方もいらっしゃいます。 もし私が彼ら皆に1つアドバイスをするとしたらこんな感じでしょうか: トレーニングに関しては、基本を熟知することを目標にしよう。 これをただ読んだだけで先に進まないでください。しっかりと心に留めてください。 ジムにおいて、基本の動作パターンを真にマスターする事を目標にしてください。 スクワット、デッドリフト、プッシュアップ、プルアップ、ランジ、プレスなどは、プログラムとしてあまり魅力的には映らないかもしれません。 Youtubeやインスタグラムに投稿しても、視聴数は2万もいかないかもしれません。 でもこれは保証します: 基本のリフティングをプログラムに取り入れ、それを高いレベルで指導するならば、あなたの指導しているアスリートは必ず結果を出すでしょう。 例とポイント:もし5年前に、ビッグ3(スクワット、ベンチプレス、デッドリフト)を教える事に自信はありますかと聞かれていたら、私は“あたりまえだろ”と自信ありげに答えていたでしょう。 しかし5年経った今の私は,ビッグ3への見解や、いかに行われるべきかに関して全く違う見解を持っています。 あなたがどれだけ優れていてどれだけ経験があっても、常に基礎を教えることは上達できるものです。 #3 – 一流は“効率性がカギ”であるのを知っている 実質的のものよりも他のことに価値を見出しがちな今の時代において、忘れられていることの1つが“効率性”というコンセプトです。 これは上記の私の論点と直接的に合致します。1つの動作パターンがとてもうまく出来たり、プライオメトリックスの漸進ではなく、常に注目されているのはプログレッションです。 次のことへ進む。 そして更に次へ —なぜならそうできるから! そうする時、私たちは、効率性とモーターコントロールを犠牲にしなければなりません。 これでは、我々は本当の意味でマインドとボディのコネクションを発達させることはできません。 結局のところ、私達はクライアントやアスリートとのトレーニングをごまかしているのです。 これがトレーニングプログラムの始めに、よくアスリートに私が熟知しているエクササイズからスタートさせる理由です。 もちろん信頼関係を築き、彼らにジムで自信を与えたいのですが、それ以上に、早い時期に、彼らをとてつもなく効率的にしたいのです。 グレッグ・ロビンスは、このことを私達のポッドキャストでも示唆してくれています。グレッグの要約をすると: なぜ上手く指導できないエクササイズやトレーニングツールをわざわざあなたのプログラムに取り込まなければならないのでしょう これはまた私の初期プログラムの多くが、とてもシンプルに見える理由かもしれません。 結局のところ、もし私が高重量のバックスクワットをせず、高強度のスピードやパワーを捨て、もし低強度の有酸素ばかりやっていたら、一体どうやって何かを獲得することができるのかと思いますね? 実際のところ、私はクライアントを内側から再構築しているのです。 彼らの身体のパーキングブレーキをオフにし、それによって彼らの持つ真の可動性、運動能力やコンディショニングが滲み出てくるのです。 トレーニングを頑張りすぎて、プログラムから得ることがあまりに少ないアスリート達を頻繁に見かけます。 最初の時期に削り落とし、より効率的にすることに注目をすれば、長期的な結果は価値のあるものになることを保証します。 #4 – 一流は“要となるキュー“を活用する この夏の私の目標は、一週間に一冊の本を読む事です。先週からチャールズ・デュイッグの「ハビット」を読んでいます。 この本で、彼は要となる習慣というものについて触れています。要となる習慣とは、他の似たような習慣に対して連鎖反応を作り出す習慣です。 例としては: オフシーズンの始め、アスリートはトレーニングを何もしません。 家では食べたいものを食べ放題です。 一晩中夜更かししてはNetflixでドラマを見たり、FIFA2016プレイステーションゲームの技を磨く事に一生懸命です。 オフシーズンのトレーニングが開始された途端に状況は一変します。 身体により良いものを食べ始めます。 リカバリーを高める為に早く寝るようにもなります。 トレーニングは、この場合においての要となる習慣です。トレーニングが始まれば、他の要素もうまくかみ合い始めるのです。 コーチングにおいても同じ現象が起きます。これを私は “要のキュー”と呼んでいます。(何をしたかわかりますか?) コーチとしての私のゴールは、セッション中はキューイングの数をできるだけ少なくすること。 アスリートには、わずかなミスをしてもらいたいのです。そうすれば彼らの身体が自身にあったムーブメントパターンを見つけ出すことが出来ます。 ですから、私は彼らに起こる些細なことを全て修正することはありません。 しかし、もし私が10個の問題を連鎖反応で一気に修正できるような1つの “要のキュー”を見つけられたらどうでしょう? それが私の求めるキューイングなのです。 まとめ 人生においてあなたが出来る最良のことは大衆が進む道を見極め…そして逆の道を行きなさい、と言われます。 新しいエクササイズや複雑なプログラムに誘惑されたり、過剰なキューイングをするよりも、全てのことの無駄をなくすことをゴールにしましょう。 あなたのプログラムをシンプルかつ効果的にして下さい。 ごく少数のエクササイズ(スピード、プライオメトリック、リフティングに関わらず)を、完璧なテクニックを用いて活用して下さい。 最後に大切なことは、思慮深いキューイングで、数々の問題を一挙に解決することをめざすということ。 もしこれが出来れば、全てのクライアントやアスリートに最良の結果を提供することが目の前にあることを保証します。
地面を基盤としたコアトレーニング パート2/2
地面を基盤としたコアエクササイズ 一週間少し前に、IFAST(著者のトレーニング施設)で、新しい遠距離のクライアントのトレーニングを見ていました。彼女には、まず矢状面の動きを習得してもらいたかったため、常に仰向け/地面を基盤としたコアエクササイズを、かなり多くプログラムに取り入れていました。
地面を基盤としたコアトレーニング パート1/2
「スポーツは立ってプレイするものだ!」 「立っていなければ、機能的ではない!」 「生活は3次元 - 回旋動作を忘れるな!」 ある程度の期間トレーニングを続けている人ならば、上記の一つ(あるいは全て)のようなを言葉を聞いたことがあるでしょう。 誤解しないでください – これらの文章には間違いなく正しい部分があります。 でも全てが正しいわけではなく、これは誰にでも当てはまることです。 では、なぜ地面を基盤としたコアトレーニングが多くのアスリートにとって良い考えであるのか、そして、ジムで今日から使えるエクササイズをいくつか紹介していきます。 コアトレーニングのプログレッション 私たちすべてにとって、最終的な目標は、実生活に役立つ「コア」エクササイズをすることです。 スクワット デッドリフト オーバーヘッドプレス これらについては議論の必要はないでしょう。でも、次のような疑問が浮かびます: クライアントは身体的にこのエクササイズをする準備ができているのか? クライアントはコアを安定させるのに最適な方法を身につけているか? 股関節屈筋や脊柱起立筋を主要筋として使い、伸展位に固まってしまっていないか? この状況は、「オープン」や「はさみ」姿勢と呼ばれるもので、身体の後面の筋群のみを使っているだけではなく、身体を安定させようとして、脊椎の後面(椎骨と椎間板)を押しつぶしてしまうため、理想的ではありません。 あなたやあなたのクライアントがこれに当てはまるのなら、コアを安定させる技術をしっかり築く必要があります。 典型的な、プログレッションの段階は下記のように表せます。 伏臥位/仰臥位 ・ 四つん這い ・ 片膝立ち/両膝立ち ・ 直立 見ればわかる通り、最終的な目標は立つこと、または、スクワット、デッドリフト、オーバーヘッドプレスのように垂直姿勢でのコアエクササイズを行うことです。同様の記事をこちらからも読むことができます。 でも、もしこれらのエクササイズにより痛みが生じるとしたらどうでしょう? あるいは単純に、効率が悪く、全然進歩できていないとしたら? そのときは、進めてきた段階を逆戻りするときだと思います。 片膝立ち、および、両膝立ちの姿勢は、代償動作を避け、最適な安定性のパターンを築かせるための素晴らしいポジションです。こちらは、両膝立ちのポジションや、片膝立ちのポジションが良く分からない方のための短いビデオです。 これでも上手くできない人がいます。指導をする際に、しつこくポイントを指導し続けなければならず、それでもなおできないという場合には、四つん這いのポジションに戻ります。 もし、四つん這いのポジションでもできないとしたら?それが、最初の一歩:うつ伏せと仰向けのエクササイズに戻るときです。 なぜうつ伏せや仰向けでのコアエクササイズをするのか? うつ伏せや仰向けでのコアエクササイズは、地面を通じて、外部からの安定性がかなり得られるため、理想的です。 考えてみてください。立位では、身体が空間のどこにあるかを感じることができる唯一の「外部」からの手がかりは、足です。足で感じることができなければ、身体がどこにあるかわかりません! 上記で紹介したプログレッションを逆向きに遡っていくと、身体が空間のどこに位置しているのかを理解するのに役立つ、外部から得られるフィードバックがどんどん増えていきます。 うつ伏せや仰向けのポジションは、外部からのフィードバッグがたくさん得られるだけでなく、外部からの安定性も得ることができるため、その際たるものです! 上記で述べたプログレッション(垂直姿勢、両膝立ち、片膝立ちなど)は、赤ん坊が最初の一年で経験する成長の過程にも当てはまります。私は、この分野の専門ではありませんので、詳細ついては、ビル・ハートマンやグレイ・クック、チャーリー・ウェイングロフらに任せたいと思います。 ここでのポイントは、まず矢状面の動きを習得することです。たとえば、テーブル上で、クライアントやアスリートを評価するとき、股関節の内旋が不足していたとします。 従来のアプローチでは、単純に内旋を増やすためのストレッチをして、動きを取り戻そうとします。これは、可動域は増えるかもしれませんが、靭帯や関節包のような受動的な制限を取り払った代償としてかもしれません! 私たちはよく、可動域の制限を見ずに、動きを制限している悪いスタートポジションだけを見てしまっています。 そこで、ストレッチをする代わりに、まずエクササイズの開始位置を変える、または、「リセットする」ことを試みてみます。これは、骨盤や腰椎をより理想的な位置に持っていくためです。こうすることにより、すぐに可動域が変わるのであれば、まずポジションを正す必要があるということがわかります。 かなり遠まわしな言い方になりましたが、関節(この場合、骨盤と腰椎)を通じて、理想的な矢状面の機能がなければ、前額面や水平面の可動域を十分に得ることは難しいでしょう。 次回の記事では、コアの前面を発達させるのに有効な、仰向けのエクササイズに重点をおきます。多くのクライアント(およびアスリート)は、様々な角度の、腰椎伸展/前傾がありますが、コアの前面が強く安定していれば、これを正し、伸展をうまくコントロールすることができるようになります。
腰痛を抱える人のトレーニングのための7つのコツ パート2/2
#4 胸郭を解放する 何年もかけて、私が発見したことの一つは、腰部に問題を抱えている人々は、多くの場合、胸郭の動きが少ししか(あるいは全く)ないということです。 私は、この発見に関して全ての賞賛を貰いたいところですが、私の豆サイズの脳の中でこの考えを具体化させたのは、実は2016年のフィジカルプリパレーションサミットでのビル・ハートマンの話でした。 まずはじめに、「胸郭」という単語を恐れないでください。こちらが定義です: “哺乳類の首と腹部の間の身体部分。肋骨に囲まれた腔、胸骨、背側椎骨を含み、循環と呼吸の主要器官を内包する;胸” つまり基本的に、胸と上背部のエリアのことです。 胸郭を解放する際、私は一般的に、胸郭の動きを大まかに二つ考えています: 胸郭を回旋する(より横断面の動き) 胸郭を屈曲する(より前額面の動き) この描写に関して、より詳細または技術的にすることができる人は確実にいると思いますが、レーナード・スキードのように、私はシンプルな男なので、これで行きます! 私達が胸郭を回旋について語る際、腕の動作はより水平に注目しています(前後と考えてください)。 片膝立ちのオルターネーティングケーブルプレスは、素晴らしい例です。私たちの目標は、下半身とコアを固定し、胸郭を通して、上から回旋を引き出すことです。
腰痛を抱える人のトレーニングのための7つのコツ パート1/2
私は、このトレーニングというものを20年近く行ってきて、皆さんに一つ言えることがあります: あなたとトレーニングをするほぼ全てのクライアントやアスリートは、何らかの問題を抱えています。 実際、痛みや問題が全くない新しいクライアントやアスリートのトレーニングを行うことは、近所のコーヒーショップでハリー・ポッターに会うようなものです。 それってすごいことじゃないですか?もちろんです! 美味しいアメリカーノを飲みながら、悪のヴォルテモート卿を打ち負かすことについて話したくない人なんていないでしょう? しかし残念ながら、それは(もしあったとしても)滅多にないことなのです。 膝や股関節、肩の機能不全を抱える人々が間違いなくある程度いる一方で、腰部の問題ほど、トレーニングによる成果を押しつぶす怪我は他にないように感じています。 腰部に関する問題は、確かに扱うことが厄介になり得ますが、同時に、それがあらゆるリフティングのキャリアの終了宣告になるべきではありません。 事実、その背景となる可能性のある全ての問題に重点を置いた、全体的なトレーニングプログラムをまとめるときには、クライアントを今までよりも、そしてそれが怪我をした後だとしても、より大きく、より引き締まった、より強い身体にすることができると、私は強く信じています。 先にも述べたように、私はもう長いことこういったトレーニングを行っていますーそれは、私に十分すぎるほどの失敗をさせてもくれました。 今から述べるのは、腰痛を抱えるクライアントやアスリートのトレーニングを助けるだけでなく、そのプロセスを通して、彼らが限りなく良く動き、良く感じることを助けるために、私が長年使ってきた7つの策略です。 はっきりさせておきたいので(そして個人的な責任のために)、これを言わせてください: 腰部に深刻な問題を抱えているクライアントやアスリートがいたら、真剣なトレーニングプログラムを始める前に、資格ある医学の専門家に許可をもらってください。 ではさっさと本題に入りましょう、腰痛に対してどのようなトレーニングができるかについて! #1 矢状面から抜け出せ 私にはパワーリフティングをしていた経歴があり、全ての人がプログラムの中に健全な量の爆発的な、複合的リフトが必要だと強く信じています。 スクワットであれ、デッドリフトであれ、ベンチプレスであれ、これらのリフトは、あなたの強さを増し、筋肉を構築し、体脂肪を削ぐことに役立ちます。 しかし、私が全てのクライアントやアスリートにこれらのリフトのバリエーションや派生的なものを学んで欲しいと思っていても、場合によっては、それが困難な戦いになるとわかっています。 クライアントがやってくるときは大抵、彼らは矢状面の扱い方を理解していません。身体を安定させるための彼らの唯一の戦略は、膝、股関節、そしてもちろん腰部に問題を引き起こし得る、伸展です。 そのため、伸展ベースの戦略に陥ることを許してしまう両側性のスタンスのエクササイズはやらせずに、動きの3面で安定させることを強いるスプリットスタンスやシングルレッグのエクササイズをやってもらいます。 これは、腰部に問題を抱える人に対して、複数の良いことをしてくれています: 動きの3面全てで安定させることを強いる スプリットスタンスのエクササイズの場合、股関節屈筋群の緊張および硬さ(伸展を促進する)を和らげる スプリットスタンスおよびシングルレッグのリフトでは、外的負荷を減らす傾向にあり、それが症状の緩和につながる ここで私は、あなたがクライアントやアスリートにスクワットやデッドリフトをさせることはできないとは言っていません。先に述べたように、私の目標は、最終的には全員がこれらのリフトの何らかのバリエーションを行うようにすることです。 でも初期段階で、誰かが両側性のリフトに相当苦しんでいるとしたら、問題の周囲から取り組み、スプリットスタンスやシングルレッグのエクササイズを使うことを考えてください。 #2 直立姿勢を保つ フロントスクワットは高重量でできるのに、次にヒンジをさせると、クリスマスツリーのように腰が点灯するクライアントやアスリートを抱えたことはありますか? もちろんありますね。 私たちは皆あります。 広い、一般論を述べるのは好きではありませんが、多くの場合、腰部は圧倒的に、剪断力よりも圧縮の力をうまく扱っています。 次のパートは少しわかりにくいかもしれませんが、最善を尽くして簡単にします… 脊柱をまっすぐに保つ時(プレート、ゴブレット、2つのケトルベルを持ったフロントスクワットでするように)、脊柱の椎骨は互いに積み重ねられています。重力が下に引くことを考えると、胴体が直立していれば、力は脊柱を通してまっすぐ下にに向かいます。 対照的に、前屈したり、ヒンジを行う時は、重力は同じく下に引っぱりますが、脊柱は地面に対して平行になります。この場合、椎骨は、互いに”滑る“ことがないように働きます - 椎骨は脊柱の本来の位置を保つために剪断力に対抗しています。 繰り返すと- ほとんどの脊柱は、最初は剪断力よりも圧縮の力を好みます。 これこそが、私が腰部に問題を抱える人にプログラムの初期でスクワットをさせるとすれば、上体を起こした状態で行うバリエーションに留まる理由です。プレートやゴブレットスクワットは、どちらも始めるのにとても良いものです。 #3 本物の腹筋を構築する クライアントやアスリートから下記のような言葉を何度聞いたかわかりません: “私はただ腰が弱いんです。” いや。 いや。 いや、いや、いや、いや、いや、いや。 復唱してくださいーあなたは弱い腰を持ってはいません。 脊柱および骨盤のポジションが悪いと、腹部は安定性を作り出すのに最適ではない位置に置かれ、腰部の筋肉(脊柱起立筋、多裂筋など)が通常の役割以上に働くことを強いられます。 今では、私はこのトピックに関しては、覚えられないほど多くの記事を書いていますので、私のコアトレーニングへのアプローチに関してより学びたい場合には、是非ともこちらの記事を読むことから始めてください。 とにかく、あなたが抱えるクライアントやアスリートが腰部に関する問題に苦しんでいるのなら、プログラミングの初期の段階で、安全に成功するためのコアトレーニングエクササイズを見つけてください。
ケトルベルアームバーの正しい方法
ケトルベルを使ったエクササイズである、アームバーは、肋骨や胸椎を開くのみでなく、胸筋から反対側の股関節までの筋膜のラインもリリースできる効果的なエクササイズです。正しく安全なケトルベルアームバーの実践方法を、マイク・ロバートソンがご紹介します。
より良いパフォーマンスと回復のための呼吸ストラテジー パート2/2
動きと回復を改善する3つのシンプルな呼吸エクササイズ マイク・ロバートソンです。 私は、今しがたパフォーマンスとリカバリーにおいて呼吸がどれほど大切かについて話し終えたビルと共に、IFASTの共同経営者です。 私はおよそ18年前に健康及びフィットネス業界での仕事を始めました。これまでに、すべてのメジャースポーツのプロアスリートと働く機会に恵まれ、彼らのパフォーマンス、及び健康を、次のレベルへと進める手助けをしてきました。 でも、堅苦しいことはこのくらいにして、みなさんがここにいる真の理由に戻りましょう:動きを改善し、回復を促進するための呼吸の使い方です。 ビルは、なぜ適切な呼吸のメカニクスが、最適な動きと回復にそれほど重要なのかをとても上手に説明してくれました。 次のステップは、適切な呼吸のメカニクスを教えるために、あなたのプログラムに特定のエクササイズを取り入れることです。不思議に聞こえるかもしれませんが、多くの人々 -あなたが見ているクライアントやアスリートを含め- は、効果的ではない呼吸をしています(少なくとも理想的ではない)。 ビルが上述したように、良いニュースは、呼吸は、健康、フィットネス、パフォーマンスプログラムなどの構成要素と同様に、鍛えることができるということです。 ここで、今すぐに始められるエクササイズを紹介します。 ベア呼吸 床に四つん這いになる 手は肩の真下、膝は股関節の真下に位置する 床から身体を離すように、肩甲骨の間にストレッチを感じるまで、腕を通じて床を押す 脛が床と平行になるように、床から膝を持ち上げる このポジションを保ち、鼻から吸って、口から吐く、充分な呼吸を3-5回する 数秒間、リラックスして自然な呼吸をする 上記を3-5回繰り返す 壁呼吸 壁を背にして立ち、足は腰幅に開いて、壁から10-12インチ(25-30cmくらいのところに位置する) 骨盤を後傾し、壁に対して下背部を平らにする 上背部を前方へ丸めながら、両手を前方へ最大限伸ばす このポジションを保ちながら、3-5回呼吸をし、リラックスする 3-5回繰り返す 前腕プランク呼吸 床にうつ伏せになる 手のひらを床に向けて、人差し指と親指でダイアモンドの形を作るようにして、手を顔の下に位置する。 前腕を通じて押し、肩を前に押して、胸とお腹を床から持ち上げ、体重が前腕と恥骨のみに乗っているようにする この上向き姿勢を保ちながら、鼻から吸って、口から吐く、完全な呼吸を3-5回します スタートポジションに戻る これを3-5回繰り返す。 これらの回復呼吸エクササイズにおける素晴らしい点は、ほぼいつでも行うことができることです。 これらのエクササイズは、動的なウォームアップやクールダウンに取り入れるのも非常に簡単で、ジムの以外の場所、自宅でも行うことができます。ビルが述べたように、こういった種類の呼吸を数分行うと、副交感神経系を活性することができるため、より緩んで、リラックスした状態になることに気がつくでしょう。 日常のルーティンの中にこれらのエクササイズをいくつか組入れてみてください。すぐに違いを感じることができるでしょう。
より良いパフォーマンスと回復のための呼吸ストラテジー パート1/2
数年前、私は取り除くことができないと感じる慢性的な肩の痛みを抱えていました。 私は、その肩の痛みを治すために、よくある方法をいろいろと試しました:アクティブリリース、様々な種類のマッサージ、電気刺激、その他考えられることの全てを。そのどれもが、短期間の痛みの緩和をもたらす以外は、ほとんど役に立ちませんでした。 数日後には、元の状態に戻ってしまいました。 数ヶ月後、私はビル・ハートマンとマイク・ロバートソンのセミナーを受講していました。彼らに、私が肩に抱えている問題、知り得る全ての治療法を試したこと、それでもまだ痛みがあることを説明しました。 ビルの答え?より良い呼吸をすること。 彼は、私をテープルの上に載せ、素早い評価をし、一連の呼吸エクササイズと数種のモビリティードリルを紹介しました。「よし、じゃあ立ち上がって、肩を動かして、どう感じるか教えて」 私は立ち上がって、肩を動かしました、すると…痛みがなかったのです。 もちろん、私は一連のエクササイズが効いたことに感動しましたが、それまでに試した全ての方法と同じような結果になるだろうと思っていました:一時的な緩和をもたらしても、数日後には痛みが戻ると。しかし、数日が経っても、数週間が過ぎても、痛みが戻ってくることはありませんでした。 ビルは、何ヶ月も私に取り憑いていた、時には物凄く痛み、眠ることさえできなかった障害を、たった数分で改善することができたのです。 それは、私が初めて呼吸の大切さに触れた機会であり、ビルとマイクは、他にほんの数名しか意識さえしていない健康とフィットネスの側面をカバーしていることがわかりました。 過去数年にわたり、私は、パフォーマンス、回復、一般的な健康においてさえも、呼吸がどれほど重要な役割を担っているかについて学んできました。適切に呼吸をする方法を学ぶことから、文字どおり全ての人が恩恵を受けることができます。もしあなたがコーチまたはトレーナーなら、これはあなたのクライアントにとっても人生を変え得るものでもあるのです。 これこそが今日、より良いパフォーマンスとリカバリーのために適切に呼吸をする方法について、深く話すために、私がビルとマイクを招待した理由です。 ビルとマイクは、インディアナポリスフィットネス&スポーツトレーニング (IFAST)という、メンズヘルスマガジンによるアメリカのジム、トップ10に、過去6年間で3回ランクインしている施設を所有しています。 ビルから始め、その後にマイクから聞きますが、まずここに、呼吸ストラテジーがどのようにリカバリーを改善できるかを説明する短い動画があります。 現在のパフォーマンスとリカバリーのモデルは破綻している(人間はなぜ機械ではないのかの理由) 皆さんこんにちは、ビルです。IFASTフィジカルセラピーのオーナーとして、またインディアナポリスフィットネス&スポーツトレーニングの共同経営者として、私は、他の形式の治療では改善できなかった痛みを持つ人々の解決方法を見つけています。 プロアスリートから一般の人々まで、彼らが皆、調子の良い、痛みのない身体を取り戻し、パフォーマンス及び健康を最適化できるように取り組んでいます。 今日の私の目標は、呼吸がどのように動きやリカバリーに影響するのかに対して簡潔な概要を与え、局所から全体の回復へとつながるパフォーマンスモデルを提供することです。 パフォーマンス(または動き)と回復となると、コーチやトレーナーの多くは、決定的要素として筋系に注目する傾向があります。大抵はこんな感じです: パフォーマンス、または体組成(あるいは両方)を向上するために、より大きく、より強く、より調整され、よりパワフルにしたい筋肉に適切な刺激を与えます。 ワークアウトや競技の間に十分な休息を取り、関わった筋肉の修復に必要な栄養素を身体に与え、必要な時にまた仕事ができるように準備します。 少なくともこの大半を正しく行う事で、物事は、あなた、またはあなたのクライアントやアスリートにとって良い方向に向かいます。単純でしょう? この通りなら素晴らしいです。問題は、人間は機械ではないという事です。個々のパーツの集合として身体を見ることができるほど、単純ではないのです。 パフォーマンスと回復を、筋系に対して純粋に局所的なものとして捉える事は、単純に不十分なのです。 実際には、身体は多くのサブシステムにより繋がっていて、それぞれが、パフォーマンス、回復、そして全体的な健康に対して重要な役割を担っています。筋系の動きと回復を最適化しようとすることは、パズルの一つのピースにすぎないのです。 動きと回復のためのより良い、より完全なアプローチは、一つのスーパーシステム – または「ヒューマンシステム」に集約するそれぞれのサブシステムを考慮し、統合されたモデルを通して物事を見ることです。 これらのサブシステムそれぞれが、他のサブシステムのパフォーマンスの成果とそこからの回復の両方を管理し、促進する能力に影響を与えます。 動きと回復の最適化における最初のステップは、すべてが筋系に始まり、筋系で終わる時代遅れのモデルから脱却し、身体の様々なサブシステム全てを考慮した、統合されたモデルを採用することから始まります。 すなわち、私たちは、個々の部分の寄せ集めとして身体を見ることをやめ、相互に連結し、共に働く、密着したシステムの集合体として身体を見ることを始めなければなりません。 この転換ができたら、次のステップは身体の様々なサブシステム全てが大切であると理解することですが、私は、そのうちの一つが他のすべての土台であると考えています。 (効果的に)呼吸をしていない時に悪いことが起こる 健康とパフォーマンスの「パズル」の最も大切な二つのピースである、動きと回復を最適化することにおいて、適切な呼吸の仕組み以上に大切なものは他にありません。 呼吸は、他の全てのサブシステムが健康に働くための土台であるにも関わらず、動きとリカバリーという側面において、最も十分に使われておらず、最も軽視されている部分です。 カレル・ルウィット博士はかつて言いました:「呼吸が正常化されていなければ - 他のどの動きのパターンも正常化できない」 呼吸が不十分だと、少なくともある程度は、他の全てのことが良い状態ではなくなります。適切な呼吸はそれほど大切なのです。 呼吸を正しく行うことができれば、身体の他の全ての「システム」が、最適な動きと回復を促進するために共に働く原材料があることになります。 動きやパフォーマンスという観点からすると、これは当然であるべきです。 もし、効果的に、効率的に呼吸をしていないとすれば、最も基本的な要求が酸素の効果的な活用である運動において、どうして良いパフォーマンスが期待できるのでしょうか? 呼吸の流れの力学的効果、及び、呼吸がどのように動きを損ない、あるいは促進するのかについては、いくら強調してもしすぎることはありません。不十分な呼吸パターンにより、姿勢や動きの質が損なわれ、やがてエクササイズや競技における非効率的な動きにつながり、パフォーマンスは、本来行うことのできるレベルから明らかに減少します。 呼吸は、筋骨格系のポジションを変えることにより、動きのパターン、姿勢、痛み、またパフォーマンスに影響し、肺の膨張不足、または過膨張につながる気流の制限を招き、動きを制限する力学的障壁を作り出します。 すなわち、まさに本当の意味で、パフォーマンス及びエクササイズ時に最適に動くことができることは、効果的に呼吸ができる能力に起因しているのです。 回復も同様に、悪い意味で影響を受けます。最適な回復について本当に理解するためには、筋肉を通り越えて、神経系を観察しなければなりません。 神経系の回復は、動動系への出力をもたらす能力の再獲得に関わる強力なインフルエンサーです。しかし、健康を維持する能力と同様に、こういった局所における適応が起こることを可能とする、幾つものサブシステムの反応に与える影響にも基づいて考慮をしなければなりません。 神経系が慢性的な疲労を抱えていると、あなたが計画したトレーニングプログラムやコンディショニングプログラムがどんなに「効果的」であるかに関わらず、「トリクルダウン(流れ落ちる)」効果により、成果は最適状態には及ばなくなります。 例えば、強力に活性された、硬直した、適応しにくい神経系は、他のシステムの能力にも同様の低下をもたらす可能性のある広範囲の影響を持ちます。 自律神経系が無理を強いられ、交感神経系優位な状態に居続けると、ストレスホルモン過多となった血液循環が、エネルギーの修復メカニズムが効果的に働くのを遅らせるかもしれません。これにより、消化が阻害され、必要なエネルギーや栄養素の吸収が制限されることにもなりえます。 忘れないでください:全ては相互に繋がっているのです。 「交感神経支配」にあることは、免疫システムが炎症を管理する能力を弱め、軟部組織が肥大化する能力や、順応して再建する能力を低下させます。 やがてこれは、腱などの組織の退化を招き、最終的に怪我につながります。 簡潔にまとめると、過度な負担、過度なストレス、疲労にさらされた状態のために、神経系が、より「交感神経支配」状態にあればあるほど: 身体が動きを促進することに対して非効率的になります(例 ワークアウトや競技時のパフォーマンスが、「理想的な」生理学的環境下で可能なパフォーマンスに及ばない)。 身体が、ワークアウトセッションや競技の後に回復プロセスを促進する能力が低くなります(つまり、身体は低いレベルの疲労状態に居続け、次回のワークアウトや競技でのパフォーマンスが代償されます。またそれが長期にわたって続くと、全体的な健康にもマイナスの影響を与えます)。 身体により多くの「ストレス」がかかると、神経系への要求はより大きくなります。神経系に過度に負担をかける要因となるものには下記が含まれます: 貧しい睡眠習慣 長引く健康問題(たとえ「少し」でも) 悪い食事の選択による必要栄養素の欠如 やる気に満ち溢れた、忙しい、「絶対諦めない」タイプの人であること フィジカルトレーニング/コンディショニング(そうです、核心的な部分ではエクササイズは身体にとって「ストレス」です) 望ましくない呼吸パターン もちろん、これらストレスの環境的、行動的側面のそれぞれに取り組むことは大切ですが、もし私が、これらに「優先順位」を作らなければならないとすれば、良い呼吸のパターンを発達させることが常に最上層にくるでしょう。 回復に関して言うと、適切な呼吸は、神経系をストレスにさらされた交感神経支配状態から、より修復的な、回復基盤の副交感神経支配状態へと移行することを可能にします。結論はこうです:エクササイズや競技時に最適に動き、かつ回復を促進するためには、あなたの神経系状態を確認しなければなりません。 良いお知らせ? 呼吸は、筋肉や、他の健康及びフィットネスの構成要素のように「鍛える」ことができます。より良い呼吸のメカニクスを発達させることにより、時間とともに、無理を強いられてきた神経系の結果を望ましい状態に変えることができます。 練習をすれば、効果的な動きと回復プログラムの一部として、クライアントやアスリートは、パフォーマンスを維持するために、練習のセットの繰り返しの間に回復を促進することができるとともに、健康と長期間という観点から、より良い回復をする能力を向上することができます。