マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてポイントとコインを獲得すれば理解も深まります。
プロフェッショナルの成長:プロセス vs. アウトカム
何度か、ニューバランスのエリアコードゲームズで、カリフォルニア州ロングビーチに足を運んだことがあります。全国の高校野球のトップ選手230人が一堂に会するイベントです。2016年、私はオープニングセレモニーの一部として講演を行いました。 簡潔に伝えたい、そんな思いから、プロセスとアウトカムを区別することの重要性を強調することにしました。これは、クレッシースポーツパフォーマンスで指導するアスリート全員に叩き込むように試みていることですが、すべてのプレーヤーにとって重要な差別化であると感じています。 アウトカムとは、(他にもっと良い表現がないのですが)結果です。それは、4打数4安打であったり、オールスターチームに選ばれたり、期末試験で「A」を取ったりすることです。また、ネガティブな場合もあり得ます:4打席0安打であったり、チームから外れたり、期末テストで落第したり。結果のみの中に成長があるわけでは決してなく、成長とはすべての仕事を終えた後に起こるものです。残念ながら、私の経験では、非常に多くの人々、特に若くして大きな成功を収めた若いアスリートたちは、結果志向になりすぎています。彼らは、そこに至るまでのプロセスを認識するのではなく、成功の喜びを味わうことに時間とエネルギーを費やし過ぎています。 これに対して、プロセスとは、アウトカムにつながるすべての習慣や行動を構成するものです。これら4打席の前に、ケージでスイングの微調整をした時間なのです。そのオールスター選考の判断よりも前の、あなたの努力や態度なのです。そして、最終的な試験の準備度(または準備不足度)に結実するのは、あなたの学習習慣です。 驚くなかれ、結果重視の育児は、プロセス重視の育児よりも劣ったアプローチであることを示唆する証拠があります。結果を褒めるよりも努力を褒める方が一層良いのは、そのような努力の積み重ねが、子供に将来のあらゆる場面で頑張ることを思い出させてくれるからです。Tボールの頃からの倫理と振る舞いは、税金納付のシーズンがきた時、会計士としてのあなたの仕事を何十年間も助け続けてくれるものですが、20年前のトロフィーが、大人になってから困難な状況に陥ったときに、あなたを助けてくれるとは思わないでください。 しかし、興味深いことに、このメッセージは、私が長年フィットネス業界に関して行ってきたいくつかの会話と重要な類似性を持っています。実際、その年の夏、シカゴで105名のトレーナー、ストレングス&コンディショニングコーチ、リハビリの専門家を集めて肩のセミナーを開催した際に、詳しく取り上げたのを覚えています。 イベントのまとめの段階で、何人かの若いトレーナー達から、「どうして今の私があるのか」と聞かれました。実際、ある人は「私が10年後にあなたのようになるためにはどうすればいいのか」と質問した人もいました。私はこれらの質問に答えることが難しいと感じていました。というのも、私は成功について考えることがほとんどなく、正直なところ、自分が成功したと決めるには早すぎると思ったからです。さらにより有意かもしれないことに、私は、5年後(10年後は言うまでもなく)の自分の姿を鮮明に描くことができないのです。自分がどこに向かっているのかがはっきりしないのに、新進気鋭のフィットネスプロフェッショナルに、10年後の自分がどうありたいかを語ることができるでしょうか? そう考えると、私の答えは必然的に曖昧になるのが常です: プロセスを受け入れ、結果は成るに任せること。 問題は、フィットネス業界の特徴として、これらのプロセスのどれもが明確に定義されていないことです。別の言い方をするなら、この分野の多くの仕事が完全に基礎となっている厳密な基盤がないのです。このような業界はあまり多くありません。 例えば、私の妻は検眼医ですが、医師になるまでに学部教育4年、その後検眼学校4年(臨床ローテーションを含む)、そして医師会試験を経ています。カリキュラムが決まっていて、そのカリキュラムで重視される分野の能力を判断するための指標があったのです。そして、その熟練した技術を確立した後も、アンナはさらに1年間、角膜とコンタクトレンズを専門とするレジデントを経験しました。ある日突然、自分は検眼士であると宣言してキャリアをスタートさせることはできませんが、パーソナルトレーニングでは、参入障壁が全くないため、そういうことをする人が多くいます。 では、この教訓を、本当に偉大になりたいと願うフィットネス関係者にどう生かせばいいのでしょうか。まずは、キャリアを築くための土台となる最低限の教育を重視することが必要だと思います:基礎の上にキャリアを構築することができるのです。 NFLのストレングス&コンディショニングコーチとして成功するために必要なスキルセットは、臨床運動生理学の場で心臓や肺のリハビリテーションを行うために必要なものとは明らかに異なりますが、これらの領域(そしてその間のすべて)には多くの共通点があることは確かです。ここでは、フィットネスに携わるすべての人が、確かな土台を作るために知っておくべきと思うことをいくつか紹介します: 1. 解剖学、キネシオロジー、バイオメカニクス:構造が機能を決定します。良い動き(機能)を作る、維持する、あるいは再確立するためのプログラムを構成する前に、良い動き(機能)が何であるかを知る必要があるのです。 2. 生理学:クレブスサイクルを暗唱できる必要があるとは言いませんが、エネルギーシステムの発達、運動に対する内分泌反応、さまざまな疾病状態が運動に与える影響、クライアントが服用しているさまざまな薬物の役割、その他多くの生理学的考察について明確に理解している必要があります。 3. コーチング・アプローチ:率直にいきましょう:私は、まず他の複数の資格のあるコーチのもとでインターンシップを経験した人でなければ、誰かをトレーニングすることは許されないと思います。マッサージセラピストは、独立する前に何百時間(時には何千時間)もの時間をこなす必要があります。私は、悪いフィットネスの専門家は、悪いマッサージセラピストよりもずっと早く人を傷つけることができると主張します。優れたコーチは、効果的なコーチングの指示を提供するだけでなく、最も効率的な方法でそれを行う方法を理解しています。そのためには、あらゆる分野の個人を指導し、期待通りにいかなかったときに微調整していくしかないのです。 4. 対人関係:私はいつも、フィットネスのプロを目指す人たちが、一般的な運動科学のカリキュラムの中で、心理学の正式なトレーニングをほとんど受けていないことに驚いてきました。そして、正直なところ、「典型的な」大学の博士が教室で教える心理学の授業は決して軽蔑的な意味ではなく)、何十年も顧客を抱えている成功したパーソナルトレーナーや、何世代も大学のウェイトルームで繁栄してきたストレングス&コンディショニングコーチから学ぶものとは、かなり異なる可能性が高いと思います。モチベーションというのは、非常に複雑なテーマです。私のキャリアの中で何度も、クライアントが入ってきて、(下記のような言葉)でセッションを始めたことがあります:「そう、離婚するんですよ。」リバースランジとブルガリアンスプリットスクワットのどちらを選ぶかは、ちょっと二の次になルカもしれませんよね? これらが私にとって意味したこと この4つの基礎的な教育プロセスを見ると、私はこの業界に入ったとき、#1、#2ともに本当によく準備できていたと感じます。学部の学生時代の経験として肉眼的解剖学のクラスがあったことは考え方を大きく変えてくれましたし、また、キネシオロジー、バイオメカニクス、運動生理学の教授達にも恵まれ、単純な暗記を超えるような授業を受けることができました。 しかし、最初の頃、私はコーチングのアプローチに苦労しました。私は早口で、指示を数多く出しすぎてしまい、多くの選手を混乱させてしまったようです。コネティカット大学の偉大なコーチたちの仕事ぶりを見て初めて、私はもっと明瞭で簡潔であること、そしてアスリートにとって複雑なものをシンプルに見せることを学んだのです。 成長期の夏休みに8年間テニスクラブで働き、複数の年齢層の会員と常に交流していたためか、対人関係は自然に身に付いていたようです。しかし、実はこの3~4年、これが私の最大の勉強分野であり(特に今は雇用者を抱えているので)、リーダーシップ、コミュニケーション、モチベーション、および関連分野に関しては、常にオーディオブックを聞いています。 あなたにとってこれらの意味するのは フィットネスの分野では、誰もが特有な準備をしています。技術指導は上手でも、コミュニケーションは苦手な人もいます。トレーナーの中には、そのきれいな動きを支配する正確な解剖学的構造を知らなくても、動きをきれいに見せるコツを知っている人もいます。専門家の中には、根本的な生理的変化を説明できなくても、優れた結果を出している人もいます。こうした成功(結果)があるからといって、常に改善(プロセス)を求めるべきでないというのではなく、ぜひ「自己監査」をして、最大の成長分野を見極めることをお勧めします。 このような知識不足の多くは、本やDVD、オンラインのメンターシップ・プログラムなどで補うことができます。しかし、私は、4つの構成要素の情報を拾い、それらがどのように組み合わされているかを確認できる、最も速い学習方法は常に対面指導であると信じています。インターンシップやメンターシップは、リアルタイムで応用やフィードバックがあるため、この点において素晴らしいものです。セミナーも素晴らしいものです。特に、講義と実践(実習)の両方がある場合は、なおさらです。
治療に関する議論が嫌いな理由
私がネットで見る、あるいは関わるのが最も嫌いな議論は、治療に関するものです。治療が大事なのはわかりますが、これは本当にセラピストの間で最大の争点になっているようです。このテーマは、確かに人々が非常に熱くなり、あえて言うなら、少し身構えているような気もします。これは、議論、あるいは議論になりがちな不確実性の大きな領域です。議論の展開によっては、「何もかも」うまくいかないように思えたり、「何でもかんでも」うまくいくように思えたりして、少し不満や失望を感じることがあるでしょう。 しかし、ここからが私の問題なのです... 私が本当に不思議に思うのは、なぜ人は、問題を抱えた人をどう扱うのかではなく、問題をどう扱うかに熱狂し、アイデンティティを形成してしまうのか、ということです。これらの論議は、クライアントとのセッション中に起こる他のすべてのことを考慮しているようには決してみえません。もし、あなたが治療によって自分を定義し、それが「うまくいかない」としたら、そしてそれはかなりの割合の人にとってそうだとすれば、それから一体どうするのでしょうか? 私としては、これこそが、誤用されがちなBPS(Biopsychosocial/生物心理社会的)モデルのポイントだと考えています。BPSモデルは、問題そのものよりも、問題を抱えた人について考えることを意図しています/していました。 私は痛みを治療するのではなく、痛みを持つ人を治療するのです。それは、痛みがその人の人生や感じ方に大きな影響を与えることを認識すること、つまり、彼らの身に起きていることすべてに対する考えや気持ちを理解することです。それは、私がどのような介入、治療、モダリティなどを使って痛み(またはその他の結果指標)を治療するかということではなく、治療の全プロセスをどのように進めるかということなのです。 これは、もう少しリサーチ・リテラシーを高めるための良い理由になるかもしれません。治療のエビデンスをめぐっては、多くの大きな意見があり、実際に何がどの程度効果があるのか、そして更に重要なことに何が実際に効果があるのか、に関するバランスのとれた見解を得ることは難しいかもしれません。また、臨床で起こることと、コントロールされた研究で集団レベルで起こることは異なるかもしれないということも覚えておく必要があります。これは、研究を臨床に取り入れる際に常に問題となることです。私の臨床実践では、エビデンスを指針にしながらも、必要に応じて変化し、その人に合わせていくようにしています。 医療との出会いの中で、人々が経験するプロセスを考えたとき、アウトカムには実にさまざまなものが関わっているはずです。 それらは下記のようなものかもしれません: アセスメント(病歴&身体所見) コミュニケーションスタイル 私たちの説明と安心感 私たちが提供するサポートとガイダンス 行動変容の実施 治療はセッションのほんの一部に過ぎないことが多く(私にとっては)、これら他のことの全ては、頻繁に治療の寄せ集めの中に関与し、結果に影響を与える可能性があるのです。 実際、私たちがコントロールすることのできない多くのことが結果に影響するため、結果のうちどれだけが実際に私の治療なのかは、よくわからないことが多いのです。私たちに影響を与えるものの多くは、私たちが存在するシステムや社会に根ざしているのです。特定の治療法の結果にこだわるのではなく、私たちがコントロールできること、例えば、その人とどのようなプロセスを経て、どのような働きかけをするかということに、もっと関心を持つべきかもしれません。私は、適用されるものが何であれ、盲信するよりも、その方がずっと安心です。 ある人は健康状態を、ある人は手技を、ある人は基本的な安心感を、またある人は自分の動きに自信を取り戻すことを、あるいは上記のすべてを組み合わせて必要とするかもしれません。痛みの複雑さや人々の個体差を考えれば、なぜすべての人がたった一つのものを必要とすると期待できるでしょうか?
エビデンスに基づいた臨床 - 好きですか、嫌いですか? パート2/2
どのような課題があるのでしょうか。(つづき) イエスかノーかの二者択一ではない もう一つの問題は、この“効果がある”という概念です。これは、フリクエンティスト・アプローチのような、仮説を受け入れるか拒否するかという考え方に由来していると思われます。簡単に言うと、2つの二者択一があるわけで、仮説を受け入れるか拒否するかで、効果があるかないかが決まるのです。 P値はこのような判断をするためにしばしば使われてきましたが、ありがたいことに、今回のような判断の目的にはあまり適していないので使われなくなってきました。P値は、仮説の正しさよりも、統計モデルの正しさについて示してくれます。統計情報は、それを生成するために使用された方法や、なぜ方法論は論文から得られた結論に大きな影響を与えるかという理由次第なのです。 データだけではない また、患者さんの話も、私たちが意思決定をする際に用いるべきエビデンスの重要な部分です。二重盲検法や無作為化法ではありませんが、私たちの助けを必要としている目の前にいる人の体験談です。患者さんの話は、患者さんの話の信頼性の低さを指摘するためによく使われる、彼らがどのような治療を受け、どれだけ成功したかということだけではないのです。 ひとつの論文ではなく数多くの文献を 腰痛を例にとると、このテーマに関するエビデンスは膨大なものになるでしょう。ですから、偏見を裏づけしてくれるようなお気に入りの論文だけでなく、上記のことも考慮する必要があります。こっちの論文がそっちの論文に勝るというのは、トップ・トランプのゲームのようなもので、EBPの本来の活用の仕方ではありません。 前へ進もう EBPを受け入れるか否かを決める前に、EBPとは何か、EBPは何を教えてくれるのかについて、自分なりの考えをまとめておく必要があるかもしれません。この分野における自分なりのアプローチや哲学は何でしょうか?おそらく、この分野や他の分野に関する個人の哲学は、時間をかけて自分自身の哲学を確立するというよりかは、他の人の哲学に影響されることが多いのではないでしょうか? 私の見解は?そうですね、EBPは、目の前の患者さんに対して確固たる答えを与えてくれるわけではありません。2週間後、6週間後、12週間後に何が起こるかを正確に予測することはできませんし、多くの場合、なぜ起こったのかという理由を正確に教えてくれるわけではありません。制御できないことや測定できない事はたくさんあります。しかし、より広い集団レベルで偏りの少ない方法であれば、問題に関する確率や見解を理解するのに役立ちます。自分の患者が反映されていそうなサンプリングが行われ、適切な方法が用いられていれば、何が最も起こりやすいかという予測やパラメータを得ることができるはずです。 統計学者がフィッシャースタイルの仮説検定から、信頼区間を重視した効果推定に移行しつつあるように見えるのは、まさにこのためです。また、私たち人間として当然持っている先入観をある程度制御するのに役立ちます!無作為化や盲検化などは、研究手法の批判として非常に無遠慮に適用されることがありますが、メリットもあります。 EBPが完璧でなく、またすべての答えを提供していないからといって、単純に否定されるべきではありません。それはまさに私たちをここまで導いてきた二者択一的なアプローチであり、EBPを受け入れるか否かは、答えではありません。もし、私たちがアプローチ方法や介入を試す立場でなかったら?と想像してみてください。リハビリの無法地帯になるでしょう。要は、EBPの本質とそこで問われているテーマに関する現在把握できる最良のデータを理解することを含んだエビデンスの賢明な使用に尽きるのです。エビデンスは、多くの場合、私たちに何をすべきかを正確に教えてくれないかもしれませんが、その価値は、何をすべきでないかを教えてくれることにあり、私はこのことに大きな価値があると考えています。 確実性ではなく見込み つまり、研究をベースにすることは、私に意思決定の出発点と絞り込みの方法を教えてくれます。研究を単に拒否してしまえば、理想的なヘルスケアとは決して言えない多くのでたらめなものに置き換えられてしまうのです。EBPはすべてに答えてはくれませんが、私が理解するにそもそもそういうものなのです。 私たちは、セラピーを、研究論文で予測されるような確定されたプロセスではなく、情報に基づいた試行錯誤であると捉える必要があります。研究は情報に基づいた部分であり、応用や結果はもう少し流動的で試行錯誤の部分が多いのです。 結論 このような議論では妥協点に落ち着くあたりに真実が存在するのかもしれません。研究やエビデンスを受け入れ過ぎたり、頼り過ぎたりすると、研究とは何かという大事な点を見失ってしまいます。しかし、完璧ではないという理由で研究を否定したり、効果がないと“証明”されていることが有効であるといった対極的な立場は、前進ではなく、むしろ後退することになってしまうのではないでしょうか。そうではなく、研究が何をもたらし、何をもたらさないかをよく理解した上で、研究を賢く利用することに立ち戻ろうではありませんか。
エビデンスに基づいた臨床 - 好きですか、嫌いですか? パート1/2
最近、エビデンスに基づいた臨床(EBP)に対する反発があるようですが、その問題の一つは、エビデンスに基づいた臨床とは何か、そうでないものは何かについて、実際かなり大きな誤解があるのからはないかと私は考えています。 この反発は、EBPがあまりにも限定的で、すべてに答えを見出せないという考えと、自分たちの実践において“エビデンス”をあまりにも重視しすぎてしまうこともできるという考えを中心に展開しているようです。おそらく十分な批判的評価がなされず、厳格で柔軟性に欠けた視点になっているのでしょう。私の意見では、過度な経験的見解は、EBPがすべての疑問に答えを提供してくれず必ずしも100%正しいわけではない、という理由でEBPを単に拒否するのと同じくらい問題があると認識する必要があります。 ですから、EBPをよりよく理解する必要があるのではないでしょうか? ‘エビデンスに基づく’ということで、何が‘効果的’で何が‘効果的でない’のかについて確信が持てるようになるわけではありません。個体間で一貫した結果をもたらす厳格なプロトコルということでもありません。誰かの意見や経験だけではなく、科学的なプロセスに基づいて、詳細な情報を得た上で意思決定をする方法なのです。 明らかになってきたこととして、このようなトピック(ここではEBP)がセラピストの業界で話し合われる際、二者択一的で部族主義的なアプローチになっているということがあります。あなたはエビデンに基づいたセラピストですか?あなたはマニュアル(手技)セラピストですか?あなたはエクササイズを主に行うセラピストですか?痛みの科学を追求するセラピストですか?このようにレッテルを貼ることが他者を一般化し、非難するために使われているようです。 EBP(エビデンスに基づいた臨床)とBPS(生物心理社会モデル) もしかしたら、ただもしかしたらですが、この議論はEBPについてではなく、EBPがどのように使われているかということなのかもしれませんね。EBPは、Sackettが提案したような“賢明な”方法で使用されなければ、かなり鈍いツールとなります。EBPは生物心理社会モデル(BPS)に似ていて、ステップバイステップ(段階を追って)で実行する方法というよりも、哲学や考え方のようなものなのです。 EBPとBPSの両方とも、従来の臨床的な方法/モデルよりもはるかに概念的で広範であり、それは素晴らしいことでもあれば、困ることかもしれず、臨床の応用性を明確に提供しないことがしばしば批判されています。私が思うに、EBPとBPSの両方のアプローチの最大の欠点は、臨床的な意思決定を正当化するためにある領域だけを意図的に選択してしまうことです。EBPの3つの領域、すなわち研究データ、臨床経験、患者の意向は、3つが揃って使われるべきで、3分され臨床上の決定を支持したり正当化したりするためではありません。Housmanは、統計学の利用について、彼の有名な格言で指摘しています。 “酔っぱらいが灯りを求めるためでなく、体を支えるために街灯にしがみつくように統計学を使う人がいる” EBPの基準を満たすために患者の意向を利用することは、EBPがこのように変容してしまった良い例です。患者の意向は、単にどのような介入を受けるべきということだけではありません。患者が関わる必要のありえる判断は、介入以外にもたくさんあります。“患者が鍼治療を希望したので(単に一例として)、鍼治療を行いました”ということは、EBPの要件を満たしているため、使用する正当な理由にはなりますが、そうではなく、治療過程におけるより広い視野を伴った患者の視点という言葉を使った方がもっと適切かもしれません。 どのような課題があるのでしょうか。 EBPを好意的に受け取る一個人として、EBPに関して存在する問題や課題、そしておそらく誤解に直面することが重要です: EBPは単に明確な答えを与えてくれるものではありません エビデンスはしばしば不明確で矛盾していることがあり、臨床の成功への明確で間違いのない道筋を示すものではありません。このことは、研究のエビデンスを利用するプロセスの一環として受け入れなければなりませんね。残念ながら、これはEBPを拒否する人たちの原因の一つにもなりえるかもしれません。 出版されたからと言って、それが“真実”になるわけではありません 論文の結論に書いてあるからということで、それが非難や批評を超えて、魔法のように確固とした真実となるという考え方は、おそらくEBPの使われ方の大きな欠点でしょう。これは、セラピストが様々なソーシャルメディア上でパブメドの論文抄録をやり取りし合う事態につながるかもしれません。時には(おそらく頻繁に)その論文を読みもしないで。しかし同じように、自分の偏見に合わなければ、問題点を見つけるために徹底的に探すでしょう。 答えはしばしば望んでいるほど広範ではない もしかすると臨床医は、EBPが現時点で提供できること以上のことを望んでいるのかもしれません。例えば、本当に大きな疑問に対して、1つの論文で完璧な答えを欲しがるようなものです。よくある例としては、“エクササイズは手技療法よりも効果があるのか”という問題があります。この質問は、あまりにも範囲が広すぎるため、これまで一度も訊ねられたことがありません(私たちも欲しがっている答えかもしれませんが)。どのような状態に“働きかける”のか、“効果”をどのように測定するのか、研究対象者、エクササイズや手技療法を行う方法などを定義しなければなりません。
肩の健康:解剖学及び傷害の概要 パート2/2
肩関節安定性 肩関節の安定筋群は、バーベルがぐらつかないようにするためにデザインされているのではありません。それはより、バランス・運動感覚・固有受容器の機能のためなのです。 安定筋群は関節をまとめるのを手助けする筋肉です。再度述べることになりますが、肩甲上腕関節は身体で最も可動性のある、最も不安定な関節です。球関節の構造はあなたが思い描くかもしれないものとは異なりますす;それは、ティーの上に乗っているゴルフボールのようなものなのです。肩関節の結合組織は、周辺の筋肉からの助けを借りて安定性を得ているのです。 ベンチプレスをしているとき、ローテーターカフの筋肉は、まるでゴルフボールをティーに乗せた状態でキープするように、関節をまとめようと必死に頑張って働かなくてはなりません…強要されている間中ずっと。 肩の問題の大きな要因 棘上筋はしばしば、何らかの形で肩の機能が働かないときに犠牲になります。しかしながら、棘上筋のエクササイズをただやるだけでは意味がなく、損傷部位を悪化させる可能性もあります。肩の問題の要因は、次のいずれかの組み合わせによるものでしょう: 硬い手首 硬い胸筋 硬い広背筋 硬い僧帽筋 過度の胸椎後弯 弱い僧帽筋下部 硬い菱形筋 弱い前鋸筋 弱い外旋筋群 硬い肩甲下筋 硬い斜角筋 …あるいは、単に関節をインピンジメントされるポジションに動かしてしまうエクササイズをしているのでしょう。たとえば、アップライト・ロウは基本的にトップポジションで、腱を刻み擦り切っています。バランスの崩れた肩はやがて不健康な肩になり、あなたをあらゆるスポーツや活動から遠ざけてしまうでしょう。 硬さを軽減する バランスの崩れの問題全体において、胸筋をストレッチすることは答えのまる半分です。硬い胸筋は、上背部の筋肉を強化する努力を台無しにしてしまうでしょう。 上背部をフォームロールすることは、胸椎をゆるめるのに役立つと思います。 脊柱上部を伸展させる筋肉を発達させることも役立つでしょう。十分な量のオーバーヘッドエクササイズを行い、水平面でのロウイングに一生懸命取り組みましょう。すべての種類のロウイングが役に立つというわけではありません;広背筋エクササイズとしてではなく、背部全体のエクササイズとして行えるものが良いでしょう。これはロウイングでチーティングすることを意味しているのではなく、まったくその逆です。最良なのは、恐らくストリクト・バーベルロウ(オリンピックコーチのグレン・ペンドレー氏になぞって時々ペンドレースタイル・ロウと呼ばれる)でしょう。 もしあなたが腕を挙上させるときに、前鋸筋を収縮させ肩甲骨を前方に動かしてあげて、腱にいくらかのスペースを作らなければ、オーバーヘッドポジションは関節に対して本当に酷なものとなります。もし胸椎の伸展不足によって猫背になっているのならば、これは良くありませんね。これらすべてがどのように一緒に働くのかわかりますよね? 運動の連鎖 理学療法士が肩甲上腕リズムと呼ぶ肩甲骨と腕の協調された動きは、健康な肩の機能の重要な一部です。肩甲上腕リズムは、関節のスペースが可動域のある地点で失われてしまわないようにします;つまり、これがインピンジメントを防ぐのです。 何の症状や問題もない天性のアスリートにおいて、これは考えることなくただ起こることです。もしけがやバランスの崩れがそのパターンを乱してしまったら、あるいはそのパターンを取り消す運動に励んだとしたら、それを元の状態にするためには再学習が必要です。 特にあなたがたくさんベンチプレスをし、オーバーヘッドエクササイズをあまりやらなければ、あるいは腕立て伏せか一般的な運動、またはこのパターンを存続させる肉体労働さえもしなければ、ベンチプレスはこのパターンを本当に失わせてしまうものの一つです。 ベンチプレスでは、肩甲骨はベンチに対して押しつぶされ、あなたが何をしようとあまり動きはしません。もし肩甲骨を固定すれば、ベンチプレスがもっとできますが、そこにある考えはあなたの肩を健康にするためではなく、ベンチプレスをもっとするためなのです。 ご覧の通り、ベンチプレスはわたしたちがいかにパワフルなエクササイズをやりすぎてしまうかという一つの例であり、時間の経過に伴って、それはわたしたちの動き方に組織的な問題をもたらします。ベンチプレスをするときに固定された肩甲骨のイメージを打ち砕くのは大変です。 教訓はシンプルです:ベンチプレスを制限しましょう。せめてベンチプレスを減らし、水平ロウ(基本的にベンチプレスと逆の動き)やオーバーヘッド・プレスを行いましょう。 肩のインピンジメント 肩峰の種類 もしあなたが両側に長く続く問題を抱えているならば、肩関節の骨である肩峰がより鋭利な形状をしている可能性が非常に高いでしょう。もしこれが事実ならば、それがインピンジメントのこすれる痛みを起こしやすくしているのです。わたしたちは皆いくらかのインピンジメントを抱えていますが、より鋭い肩峰を持つ人たちは、痛みまたはその肩峰による損傷を抱える傾向がより高くなり、このような人々はインピンジメントを引き起こすエクササイズを避けるよう注意すべきです。 タイプ1は最も肩峰が開いている種類です;タイプ2はわずかに閉じているもの;タイプ3はもっとも閉じているもので、理学療法士たちが「くちばし状」と呼ぶものです。くちばし状の肩峰は、関節のスペースが損なわれるときに、骨のとがった部分がノコギリのようにローテーターカフの腱を傷めつけるので問題です。これは誰にとっても起こりうる問題なのですが、骨が平均よりも長かったり、とがっている場合はより深刻な問題となります。 インピンジメント もしあるエクササイズで毎回肩の同じところがポキッと音を立てているならば、それは大抵インピンジメントですー結合組織が誤った方法で摩擦し、骨の突起または結合組織のその他の擦過傷の上を滑っています。腱は骨の上を滑りながらぴんと引っ張られ、それが骨の角や縁の上を通る際に嫌な音を立てるのです。擦過傷は腱で悪化し、徐々にけがを引き起こします。 このままエクササイズをし続けるというのは良いことではありません。もし痛むのであれば、中断しましょう。もしクリック音を立てるのであれば、やめてください。医療専門家に肩を診てもらいましょう。理学療法だけでインピンジメントを解消できる可能性は十分にあります。もしあなたが軟部組織を損傷する前にそうすることができれば、それに越したことはありません。 内旋筋群が硬い、あるいは外旋筋群が弱いとき、肩はインピンジメントを起こす位置に引っ張られてしまいます。内旋筋群とは、胸筋、広背筋、そして肩甲下筋です―これらは大抵ストレッチが必要です。一般的に強化が必要である外旋筋群には、棘下筋、小円筋、そして棘上筋があたります。多くの場合、胸骨に向かってのロウイングに一生懸命取り組むだけで、インピンジメントを和らげることができるでしょう。とりあえずロウイングに一生懸命取り組んでみることをおすすめします。 関節を広げ、骨を腱から離してくれるいくつかのこととは: 胸筋、広背筋、そして僧帽筋をストレッチすること 外旋筋群、僧帽筋下部、そして前鋸筋を強化すること 胸椎の可動性を出すこと インピンジメントを引き起こすもう一つの厄介な問題は、腕と正しく協調して動いていない肩甲骨です。前鋸筋と僧帽筋下部を鍛えることは、健康的な動作の基盤を提供しますが、わたしたちは正しい方法で動くことを学ぶ必要もあり、もし悪い習慣が染みついていたらそれはなかなか難しいかもしれません。インピンジメントは、動作中に骨が正しい位置から外れるときに起こります。それがインピンジメントというもので、骨の間に軟部組織が挟まってしまうのです。もし骨がうまく動いていたら、それらが軟部組織を挟むことはないでしょう。 棘上筋は骨の間の小さい隙間を通っています。もしあなたが肩の弱さや硬さ、あるいはバランスの悪さを抱えているならば、骨は棘上筋を傷める位置に引っ張られてしまいます。それがインピンジメントです。 胸椎の可動性がないときーそれが硬いときや伸展できないときー肩はまたしても悪い位置に引っ張られてしまいます。上背部には胸椎を伸展させる深部筋群があります。フォームローラーでローリングすることは、その部分を動くようにさせるための良い一歩です。 インピンジメントは、動作中に骨が正しい位置から外れてしまうときに起こります。多くの場合、軟部組織の損傷は、ローテーターカフ筋群の起始部の腱の損傷です。 インピンジメントを避けるために多くの人々がやるべきことは: 弱い部分を強化する 硬い部分をストレッチする 腕の動かし方を再習得する そして危険なことを避ける。 しかしながら、硬いと感じるものが硬化ではないかもしれず、それをストレッチすることが新たにより大きな問題を引き起こすこともあるため、医療の専門家からの指導を得ることは重要です。 肩をけがしているとき 肩のけがは、トップダウン(身体上部からの連鎖)で運動に影響を与えます。肩のけががあるときは、歩行またはランニングを含め、どの身体運動も通常通りではありません。 たとえあなたが強いとしても、あなたが肩をけがする方法はたくさんあるのです…特にあなたが強ければなおさらかもしれません。 強く安定した肩の発達には、ローテーターカフの4つの筋肉以上のものが必要です。肩をけがしたからといって、ローテーターカフが弱いと単純に結論付けることはできません。いくらかのローテーターカフの問題は避けられないものかもしれませんが、多くのこと、あるいはもしかしたらほとんどのことは予防することができるでしょう。もし肩の機能を修正しインピンジメントを解消することができれば、あなたは非常に多くの問題から自身を守ることができます。 肩の痛みを持ち、手術を必要とするのはほんのわずかな人々であり、多くの人達は良い治療計画ですぐに効果が現れます。大事なことを最初に ー痛みを悪化させることは何もしないように!痛むならやらない、のです。 次に大事なことは、専門家に診てもらうこと。アスレティックトレーナー、理学療法士、医師、またはカイロプラクターは、まず診てもらうのにふさわしい人たちです。 アスリートを治療する良いカイロプラクターや理学療法士の間での総意は、よくある肩の問題に対し保存療法はとても効果が見られるということです。そしてこれらの治療家の何人かは、非常に基本的な休息、ストレッチ、そして筋力強化による治療でそのような結果を得ています。
肩の健康:解剖学及び傷害の概要 パート1/2
肩とは 肩の健康についてのどのような考察も、まず肩が非常に複雑な関節であることを認識する必要があります。そのデザインにより、肩は身体の中で最も可動性のある最も不安定な関節になっており、とても小さな変化でその力学的機能は変わってしまい、問題を引き起こすこともあります。 関節を安定させ支える筋肉は、主にローテーターカフ、そして肩甲骨安定筋群、菱形筋、僧帽筋、そして前鋸筋でありー一般的に肩甲帯と呼ばれるものです。胸骨と接する鎖骨、肩甲上腕関節(肩の球関節)、そして肩甲骨によって、まさにヨーク(くびき)のようになっています。 ローテーターカフ ジムでトレーニングする人達の大部分に向けた肩の健康に関するイントロは、チューブを使ったローテーターカフの内旋及び外旋エクササイズを行うための指示で構成されています。ローテーターカフを強化することは大抵良いアイデアなのですが、だからと言ってそれが理想的な肩のメカニクスを保証しているわけではありません。弱いローテーターカフで適切な肩のメカニクスは得られませんーローテーターカフの働きは必要なのですが、それだけで十分ではないのです。 よくローテーターカフが腱としてみなされるのを目にするでしょうが、ある問題の根本的な原因としてローテーターカフの筋肉を除外してはいけません。事実、骨が腱を擦り減らして生じる損傷のほとんどは、もともと筋肉の問題によるものなのです。 ローテーターカフの構造がどのように負傷するのか ローテーターカフの筋群は2つの理由で痛めつけられます。まず、それらが大きな仕事を持つ小さな筋肉であるということ。そして二つ目は、もし肩が適切に機能していなければ、それらの筋肉は関節に文字通り削られてしまうような位置にあるということです。この研削がインピンジメントと呼ばれます。もしある動きの中で、特定の位置に達するといつもコツンという音やポキッという音が聞こえるのであれば、それはインピンジメントかもしれず、対処するのが賢明です。時間がたつにつれ、小さな摩滅が大きな問題を引き起こしうるのです。 強いローテーターカフは、かかる負担によってけがをすることなく自分たちの仕事をより良く行うことができ、肩が適切に動き続ける手助けをしてくれるでしょう。しかし強い外旋筋群だけでは、健康な肩の動きは保証されません。 もしあなたの胸筋が柔軟でなければ、あなたは問題を抱えることになるでしょう。そして肩甲骨をコントロールする筋肉ーつまり菱形筋、僧帽筋中部及び下部、そして前鋸筋は、十分に強くなければなりません。 たとえすべてが強く、十分に柔軟性を持っていても、協調する運動パターンがうまく順序だっていなければ、あなたはなお問題を抱えるかもしれません。このことを考慮してください:もしローテーターカフをけがしたら、強化をするのは待つ必要があります。医師の診察を受け、手術の必要な断裂がないことを確認しましょう。もし受動的運動が必要であれば、理学療法士のところへ送られるかもしれません。 どのようにローテーターカフを強化するか ローテーターカフについて、理学療法における最新の思考には、良い機能を取り戻すためにいくつかのステップがあります。第一に個々の筋肉の治癒、筋力と可動域の回復、そしてそれらを神経学的にうまく発火させることです。それを行うのが、それらのチューブによるアイソレーション・エクササイズです(わたしたちが理学療法から拝借したエクササイズですね)。 次のステップは、これらの筋肉が全身と協調して働けるようにする運動パターンを再習得することです。コンパウンド・エクササイズ(複合エクササイズ)が良く、安定性に付加的要求をするエクササイズは大いに役立つかもしれません。 突き詰めていくと、多くの人々は、安定筋群の十分な筋力を維持するために直接的な運動をしなくてはならないでしょう。一例をあげると、もしあなたが肘を外側に張り出すロウイングをしていなければ、あなたはローテーターカフをあまりターゲットにしていないかもしれません。たとえしているとしても、大きな主働筋群が安定筋群を上回って、結局それらが分担した以上の働きをしてしまい、ローテーターカフは使われないままになる可能性が非常に高いでしょう。ロウイングによって、ローテーターカフの4つの筋肉すべてが肩を十分に支えられるほど鍛えられるという確率は低いのです。 とるべき方法は2つあります:一つは、ローテーターカフの筋力を定期的にテストし、十分な筋力と可動域が様々なポジションすべてに備わっているかを確認することです。そして、必要に応じて弱点を克服するエクササイズをしましょう。もう一つは、ただいくつかのローテーターカフのエクササイズを行うことです。一週間におよそ10分間程度ですから、それをちょっとずつやるというのは十分簡単ですね。 ローテーターカフの筋力は、通常直接的なローテーターカフ・エクササイズでどれだけの重さを使えるかを見てテストされます。理想的には、他との関連を無視して数字を見るよりもむしろ、統合的な上半身エクササイズの筋力と比較しましょう。 ローテーターカフの外旋エクササイズは、健康な肩を守るためのごく一部にしかすぎません。それらは、ジム仲間が毎トレーニングセッション前にチューブをつかんでウォーミングアップするという、あなたが期待するような万能の策ではないのです。 基本的な肩の健康 関節の可動性と安定性の観点から肩を見るとき、肩甲骨には安定性が必要な一方で肩甲上腕関節は可動性を要するため、私たちは肩甲帯の考えを分けなくてはなりません。 主要な部分に硬さがあるとき、肩はあなたの手、腕、そして胸郭に適切な動きを提供するために安定性を諦めます。肩の安定性なしでは、けがへと一直線です。あなたが肩関節から離れた身体の部位の柔軟性を得るまでは、健全で強くなるためのあなたの努力は、ある程度までしか効果がないでしょう。基本的な肩の機能を確実なものにするために、最低でも適切な柔軟性を得るまで、手首、胸筋、広背筋、そして肩甲下筋をストレッチし、そして生涯を通していくつかの基本的なストレッチをすることを計画しましょう。 幅広い種類のエクササイズを用いて、ローテーターカフと肩甲骨をコントロールする筋肉を鍛えましょう。もしあなたの使っているエクササイズが望ましい結果を出していないのであれば、他のエクササイズを試しましょう。胸筋や上腕二頭筋と同じくらい、上背部の筋肉や肩の安定筋群の筋力強化に頑張って取り組みましょう。 前鋸筋からのインプット 肋骨の背部に対し平らであるべき肩甲骨が突き出てしまっている翼状肩甲骨は、弱い前鋸筋、あるいは習慣的に怠けている前鋸筋が原因です。前鋸筋は肩甲骨を引き下方回旋させますが、それが正しく働いていないとき、肩甲骨縁は上に持ち上がり突き出てしまうのです。前鋸筋を定期的に鍛えることは必要不可欠です。 ウエイトトレーニングをする人たちの間では、何が前鋸筋を働かせるかについて多くの誤解があります。たとえば、前鋸筋も使うエクササイズとして長い間考えられてきていたプルオーバーは、前鋸筋を使ったとしてもそれほどではありません。プルオーバーをしているときに前鋸筋を収縮させることはできますが、それは前鋸筋をそれほど使う動きではないのです。反対に、前鋸筋を本当に発達させる基本的な運動とはオーバーヘッド・プレスで、できれば立位で行うのがよいでしょう。 ベンチプレスをすることは、前鋸筋の機能不全の一因となることがあります。通常水平面で押すとき、前鋸筋と胸筋、三角筋、そして上腕三頭筋は一緒に働きます。肩甲帯は腕に沿って前方に伸展されます。ベンチの上に寝転ぶとき、ことはうまくいかなくなるのです。肩甲骨は体重とバーの重さを合わせた重量の下敷きになってベンチの上で押しつぶされ、自由に動くことができません。加えて、ベンチプレスの「ゴール」は、バーをできるだけ高く上げることではなく腕をしっかり伸ばすことですから、前鋸筋は肩甲帯を伸展させるために使われないということになります。 これをさらに説明するものとして、前鋸筋はボクサー筋と呼ばれることがあります。最大のリーチとパワーのために、腕と肩甲帯の協調された完全伸展が自然と要求されるボクシングでは、この筋肉が非常に発達するのです。 前鋸筋をもとの状態に戻すには、大抵アイソレーション・エクササイズが第一段階です。最良のエクササイズは恐らく、インクラインベンチあるいは立位で、バーをオーバーヘッドで持って行うシュラッグでしょう。もしあなたが片側に問題を抱えているなら、そのエクササイズを二つのダンベルまたはケトルベルを用いて行うか、あるいは片手ずつ行うのは理にかなっています。 もう一つの良いエクササイズは、プッシュアップ・プラス、あるいは肩甲骨プッシュアップと呼ばれるものです。これは通常のプッシュアップのようですが、背中のてっぺんができるだけ高くなるようにプランクポジションを超えてプッシュします。通常のプッシュアップを試し、それからプッシュアップ・プラスをしてみると、プレスと肩の完全伸展との間の違いを感じるでしょう。プッシュアップのポジションになり、そして肘をロックしたまま、肩の後方をできるだけ高く持ち上げることを繰り返します。それはシュラッグのようです;動きは肩甲帯のみで起こりますす。これは肩甲骨の安定性のための優れた導入的コレクティブ・エクササイズです。 前鋸筋が機能的であるとき、オーバーヘッド・プレスは、恐らくその筋肉を強く健康に保つのにふさわしいものでしょう。
一般のクライアントたちに対し、シンプルで効果的なコンディショニングプログラムを作成する方法 パート3/3
ステップ4:適切な量と強度を用いる。 疑うことなく、週ごとに適切な量と強度を用いることは、効果的なプログラミングにおいてもっとも重要でありながら、同時に努力を要する部分でもあります。これが極めて重要な理由は、エネルギー恒常性と呼ばれるコンセプトのためです。 エネルギー恒常性は、脳が身体に起こるすべての他のことより優位に、エネルギーの生産と利用を調節するという原則です。体のエネルギー通貨であるATPのコンスタントな供給なしでは、数分以内に細胞もあなたも死んでしまうでしょう。脳が働きのすべては、生存を中心に働き、これが決して起こらないようにしているのです。 脳はエネルギー生産とエネルギー消費の両方をしっかりと調節し、運動やトレーニングはその日にどれくらいのエネルギーを消費したかの大きな構成要素になります。脳がエネルギー恒常性の危険を感じ取った場合(例えば、過剰なエネルギーが使われたとき)、脳の最初の反応は、運動と消費を続けるモチベーションを下げ、同時に食欲とより多くのカロリーを摂取する欲求を上昇させることです。 近年のありとあらゆる高強度トレーニングにおいて、よりよい結果を得るためのキーは単純にもっとやることだと考えることが非常に多くみられるようになりました。より多くの量、より高い強度=よりよい結果…あるいは、そう考えられています。 このアプローチの問題は、しばしばプラトーに陥ることと、典型的な一般のクライアントにとっては単に長期的に持続することが不可能なトレーニングプログラムを作ってしまうことです。 遅かれ早かれ、過剰な量と強度が用いられ、エネルギー恒常性は困難になり、そして脳はモチベーション低下と残念な結果で抵抗することになるのです。 このようなことが起きないようにするためには、まずはじめに、効果的でなおかつ持続可能な週ごとのトレーニングプランを作成することです。用いられる的確な量と強度は様々な要素によって変わりますが、クライアントの現在のコンディショニングやフィットネスレベルに基づいて、非常に多くのクライアントに対して当てはまるシンプルなガイドラインがいくつかあります: 低いコンディショニングレベルのクライアント:30~45分間のアクティベーションゾーンを週3~4日、20~30分間の閾値ゾーンを週1日。 中程度のコンディショニングレベルのクライアント:45~60分間のアクティベーションゾーンを週3~4日、30~40分間の閾値ゾーンを最大週2日まで、15~20分間の酸素摂取ゾーンは週1日以上行わないこと。 高いコンディショニングレベルのクライアント:60分間のアクティベーションゾーンを週2~3日、30~45分間の閾値ゾーンを最大週1~2日まで、20~30分間の酸素摂取ゾーンは週2日以上行わないこと。 これらのガイドラインを頭において、効果的かつ持続可能な週ごとのトレーニングプログラムを構築することは、比較的複雑ではありません。異なるゾーンを週のどの日に集中するのかを決めて、それに従ってワークアウトを計画しましょう。 もちろんストレングストレーニングも組み入れられる必要がありますから、この記事の中で私が設計した原則を使って行いましょう。 最終ステップ:個別化と漸進の熟練者になる 過去10年間、世界中の数えきれない世界級のコーチやトレーナーたちを観察したり一緒に話したりする機会をもち、彼らが皆行っていることで、他の人たちと一線を画していることに一つ気づきました。 彼らが他の人々が知らないようなトップ・シークレットのテクニック、方法、またはエクササイズを使っているというのではありません。そうではなく、彼らはどのように各トレーニングセッションを個別化するか、そして経時的にアスリートやクライアントがどのように絶えず漸進していくかを理解しているのです。 もしあなたが真剣に現場に出ようとしていているならば、これらの二つのスキルを完璧にマスターしなくてはなりません:個別化と漸進です。 これらはあなたが周りに差を付ける能力です。 注意を払い適切な質問をする。各セッションを始める前に、クライアントに調子はどうか、よく眠れたか、食生活はどうか、ストレスレベルはどのような感じか、などを聞きましょう。ウォームアップの間は、彼らのボディーランゲージに注意を払いましょう。疲れて見えますか?よく話しますか?もしくはほとんど何も言わない状態でしょうか?最良のコーチやトレーナーたちは、見て、聞いて、そして知り、あらかじめ計画していたワークアウトを確固として行うのではなく、むしろこの情報を用いてトレーニングセッションを個別化するのです。 テクノロジーを味方につける。どのように効果的にテクノロジーを使うかを知ることは、結果に非常に大きな影響を与えうるあなたのコーチングに一つ層を加えることができます。テクノロジーの役目は、あなたが得られることがなかった情報を提供することであるべきです。その情報を用いることで、より精通したトレーニング判断をすることができます。心拍変動のような強力なツールは、あなたにクライアントの回復に関する識見を与え、量や強度を個別化する手がかりとなります。PUSHバンドのような他の高技術ツールは、バーのスピードやパワーについての有効な識見を与えることができます。テクノロジーは無くなるものではなく、もしあなたがクライアントに出来る限り最善の結果を得てほしいと考えているのならば、テクノロジーを取り入れ、あなたの強みとして用いることを学びましょう。 プログラムを変更することを恐れない。しかし変更する理由を持ちましょう。現場に出たての経験の少ないトレーナーたちは、しばしば流れにまかせてワークアウトを作成実行し、本来の計画やプログラムがないことがあります。平均的なコーチたちは、トレーニングプログラムを作成するために時間を割き、その文字通りに沿って実践します。最高のコーチやトレーナーたちは、データによって補強された彼らの識見や経験を用い、何が働き何が働いていないのかを判断し、その上で必要に応じて変更をします。トレーニングプログラムは道路地図のように考えられるべきですが、もしクライアントを正しい方向に導いていないのであれば、左折することを恐れてはいけません。ただなぜあなたがそうしたかを理解しましょう。 各セッションの中での小さな漸進に注目する。もしあなたが一般のクライアントについてきてほしいと思うならば、避けられない真実として、彼らは漸進をみなければならないということがあります。彼らは一生懸命働いて得たお金と大事な時間をあなたに投資しているのです。もし結果が行き止まり、何も起こっていないと感じるようであれば、彼らが去るのは時間の問題です。私たちは皆、結果が直線であることはほとんどないことを知っています。しかし漸進は、たとえそれが小さな程度であっても、各ワークアウトの中で様々な形で得られるのです。たとえそれがこれまでよりたった5パウンド多く、2回多く、またはもう1セット多く持ちあげられただけでも、どのような漸進の感覚でも、まったくないよりよいのです。ワークアウトを通して、そして最後に、得られた漸進を振り返り、各ワークアウトから次回にかけていつも小さな進歩を得る努力をしましょう。 次に行うこと 1. コンディショニングは誰にでも重要だと理解する。心循環系疾患や脳梗塞、そしてその他の病気の疾患率が空前の高さにある中、フィットネスの専門家がどのように効果的なコンディショニングプログラムを作成し指導するかを理解することは必須です。 2. 成功するコンディショニングプログラムを作成するための4つの主なステップに従う: 心拍数(もしくはHRV)を計測し、12分間コンディショニングテストを実施し、運動後60秒間の心拍数回復を計測することで、コンディショニングのベースラインを確立する。 モチベーションと従順を高めるために、成果のゴールと過程に駆動されるゴールの両方を立てる。 目標心拍数ゾーントレーニング、具体的にはアクティベーションゾーン、閾値ゾーン、そして酸素摂取ゾーンを取り入れ、コンディショニングプログラムを個別化する。 クライアントを次に挙げるフィットネスレベルごとにグループ分けをし、適切な量と強度を用いる:低、中、高レベル。
一般のクライアントたちに対し、シンプルで効果的なコンディショニングプログラムを作成する方法 パート2/3
ステップ2:スタートから正しいゴールを定める。 一旦ベースラインが確立されたら、次のステップはそれらのベースラインの数値を使ってクライアントのための具体的なゴールを定めることです。ここで用いる戦略は、二つの種類のゴールを含んでいます:成果に基づくものと、過程に駆動されるものです。 成果に基づくゴール 成果に基づくゴールはまさにその通り、クライアントが達成したいと願う具体的な成果のことです。効果的な成果に基づくゴールを定めるために2つの重要な要素があります:まず成果に基づくゴールは、あいまいでおおざっぱというより、計測が可能で具体的である必要があります。『コンディショニングを改善する』というゴールを立てる代わりに、より良いゴールは、『安静時心拍数を67ではなく62にする』や『12分間テストで1.2マイルではなく1.5マイル走れるようになる』というようなものになるでしょう。 クライアントにこれらのゴールをワークシートやワークアウトバインダー、もしくは毎回トレーニングセッションに持って行く何かに書かせましょう。このような、具体的な目標を達成するための計測可能で成果に基づくゴールのタイプは、クライアントのトレーニングに対するモチベーションをより維持する傾向にあります。 (ここでもう1つのポイントは、ゴールがクライアントにとって実現することが現実的であることを常に確かめることです。実現不可能なゴールを立てることほど、大きなモチベーションキラーはありません。ですから、何が達成可能で何が達成不可能かについて、現実的でありましょう。実現不可能だと知っていながら、相手が聞きたいと思っていることを伝えることは決してしないことです。) 過程に駆動されるゴール もう1つ定める必要のあるゴールのタイプは、過程に駆動されるものです。これらのゴールのタイプは、しばしば見過ごされています。なぜなら、皆求めている成果にただ集中したいからです。 過程はクライアントのゴールにたどり着くための道すじであり、日々クライアントをゴールに向かって駆動するものです。その過程には、週何回のトレーニングセッションが行われるべきか、どのような種類の栄養戦略に沿うべきか、などのことがらが含まれています。クライアントがゴールを達成するためになされなければならないトレーニングや栄養、また生活習慣に関係するすべてのことは、過程の一部として見なされるべきです。 一般のクライアントにとって、3つの最も重要な過程の要素は: 必要とされる週当たりのトレーニングセッションをこなすこと 適切な量の高品質の食事をとること、そして 十分な睡眠を取ること クライアントに、『毎週5日、60分間のトレーニングを行う』や『毎晩最低8時間の睡眠をとる』というような過程に駆動されたゴールを立てさせることは、単にどこに向かって行きたいのかということよりもむしろ、実際どのようにたどり着くかということに確実に集中させることに成功するでしょう。 ステップ3:『目標心拍数範囲トレーニング』でコンディショニングプログラムを個別化する。 コンディショニングにおいて、もし人々がしばしば困惑するものが一つあるとしたら、それは心拍数ゾーントレーニングでしょう。すべての異なる心拍数モニター、そして異なる専門家や器具製造会社による様々なゾーンの体系を見ると、なぜそれほど困惑するのか容易に理解できます。 本当は、多くのこれらのゾーンに基づくシステムは30~40年前に開発されたもので、ほぼ時代遅れなのです。 繰り返しますが、最善の戦略は物事をシンプルに保つことです。そして私からのアドバイスは、よく使われている5つのゾーンを避け、その代わりに3つのゾーンのみに絞ることです。多すぎるゾーンを用いてそれぞれのゾーンが何をするかを説明しようとし、それを中心にプログラムを構築しようとすることは、99%の時間をかける価値があるというよりもむしろ問題です。 一般の人たちのコンディショニングプログラムを立てるために、私は典型的に下記の3つのゾーンを用います: ゾーン1:アクティベーションゾーン。この第一のゾーンは最も低い心拍数で、心拍出量やテンポ・インターバルのような低強度の方法を用いるときに主にいるゾーンです。より多い量を用いることが可能なように、心拍数が十分低いものでありながら、低すぎて実際のトレーニング効果がなくならないようにするということです。各個人の年齢やフィットネスレベルにもよりますが、このゾーンはほとんどの人にとって通常約120~150の間にあります。フィットネスレベルの低い人たちは、もちろん範囲の下の方寄りにトレーニングをし、フィットネスレベルの高い人たちは、範囲の上の方寄りにトレーニングをする必要があるでしょう。およそRPE(自覚的運動強度)6くらいのペースで行いましょう。このペースでは会話をし続けることが可能なはずです。 ゾーン2:閾値ゾーン。このゾーンはアクティベーションの上にあり、おおよそ、その人の無酸素性作業閾値範囲くらいまでを指します。もしクライアントが正しく12分間テストを行ったのであれば、最低でもテストで行ったエクササイズに関しては、あなたはこの範囲がどこに当たるか大体の見当が付くはずです。 個人の閾値を推定するもう一つの方法は、RPE(自覚的運動強度)を用いて、運動中に話す能力を見ることです。もしその人が閾値ゾーンにいるならば、彼らは会話のやりとりを維持することはできなくなるペースで運動しているはずです。いくつかの単語をつなぎ合わせたり質問に答えたりはできるはずですが、もしそれ以上のことができるのであれば、彼らの心拍数は低すぎるということです。 閾値ゾーンはRPEの7~8あたりで、平均的なフィットネスレベルの人たちのほとんどに対しては、一般的に心拍数150代から160代半ばほどでの運動になります。もちろん、もっと高いフィットネスレベルや閾値を持つ人々はもっとより高いところになることもあり得るでしょうが、一般のクライアントの中ではまれです。 ゾーン3:酸素摂取ゾーン。これは心血管系全体が最大量の酸素を身体中に送るため最大限に働く、最も高いゾーンです。この地点にたどり着くには、たくさんの量の筋肉量が使われ、数多くの筋繊維がすべてが活動し酸素を要求していることが必要です。このことは、酸素摂取ゾーンが最大心拍数の90%以上であることを意味します。 最大心拍数が200である人の場合、酸素摂取ゾーンは180から最大200までとなります。このくらい高い心拍数でのトレーニングは非常に疲労するため、RPE(自覚的運動強度)は9~10となるでしょう。 一般のクライアントに対して必要な酸素摂取ゾーントレーニングは、ほんのわずかな量です。(そしてまったく体力のない人には、酸素摂取ゾーントレーニングをする必要はまったくありません。)また、クライアントがこのゾーンにいるときには常に適切なテクニックに注意を払うことが、安全と効果的なコンディショニングの発達の両方にとって重要です。
一般のクライアントたちに対し、シンプルで効果的なコンディショニングプログラムを作成する方法 パート1/3
史上最高の名レスリングコーチの一人であるカール・ゴッチは、かつて「コンディショニングは君のホールドだ」と言ったことがあります。これは、良いコンディショニングは相手に対して強力な武器になる、という意味です。 しかし、もしあなたが対戦相手に向けてトレーニングをしていなかったらどうでしょうか?もしあなたが、ただビーチで見た目がよくなりたい、または病気や障害なく長生きをしたいだけだったら? それでもあなたはコンディショニング(俗にいう『カーディオ』)が必要でしょうか?もしそうであるなら、できるだけ最善の結果を得るためにとる最善の方法はなんでしょうか? それがまさに、この一般の方々のための究極のコンディショニングガイドで私たちがお話することです。 『カーディオ』から更に先に進む時が来た:なぜ非アスリートにコンディショニングが重要なのか 大事なことをまず第一に:コンディショニングはアスレティックパフォーマンスだけなくそれ以上のものです。たとえば、コンディショニングはあなたやあなたのクライアントを助けることができます: 炎症を低減する。高いレベルのコンディショニングは、身体の持つ最高の抗炎症経路の一つである迷走神経の機能向上を促進させることで、炎症を抑えます。 長生きする。最高のコンディショニングである長距離選手たちは、運動をしていない人たちに比べて最長7年も長生きすることが示されています。 体脂肪を燃やす。コンディショニングは脂肪の燃焼炉であるミトコンドリアの数とその質を向上させ、体組成の改善を支えます。 病気のリスクを下げる。数多くの研究によって、有酸素能力と最大酸素摂取量は、心肺系疾患や脳梗塞、そして他のよく見られる致死性の高い病気のリスクを減少させることが示されています。 記憶力の向上。コンディショニングは認知力を向上させ、記憶力の低下を防ぎ、意思決定に関連する脳の領域における機能のサポートの手助けをすることができます。 唯一の問題は、多くの人々(多くのフィットネス専門家を含む)が適切にコンディショニングをトレーニングしていないということです。彼らは終わりのない高強度のインターバルをするか、もしくはまったく何も行わないかのどちらかです。 しかしながら、心肺系疾患や脳梗塞、その他の病気の上昇を考えるとき、コンディショニングはまさしく生か死かの問題となりうるのです。特に、フルタイムの仕事をもって働き、ストレスに溢れ混沌とした生活を送っている一般のクライアントを指導する時に。 私はすべてのフィットネス専門家が、どのように基本的なコンディショニングプログラムを作成し指導するかを理解すべきだと信じています。私が、一般のクライアントに対して用いる最も効果的なストラテジーだと見つけたものをシェアしたい理由はこのためなのです。 ステップ1:コンディショニングのベースラインを確立する。 一般のクライアント、アスリート、また他のどのような人に対しても、すべてのコンディショニングプログラムを始める最初のスタートは、コンディショニングのベースラインを確立することです。これはしばしば見過ごされる非常に重要なステップですが、このベースラインなしでは、コンディショニングが改善したかどうかを知る真の方法はありません。つまり、クライアントは恐らく進歩がまったくないように感じてしまうために、彼らにとってフラストレーションがたまりやすくなってしまうということです。 コンディショニングをテストし計測するいくつかの異なる方法は存在しますが、一般のクライアントに対しての鍵は、ものごとをシンプルに保つということです。 過度に複雑な、難しい、あるいは時間のかかるテストは、ほぼ不必要であり、シンプルな解答より更に意義深い情報を与えてくれるわきでもありません。 1. 安静時心拍数と(もしくは)バイオフォースHRVスコアを計測する:安静時心拍数と心拍変動は、一般的なコンディショニングの最良の生物測定指標であり、最大酸素摂取量やその他の有酸素的フィットネスの計測値と非常に良く相関します。さらにいいことに、それらの計測は非常に素早く簡単です。時間の経過とともに、安静時心拍数やHRVの傾向は、コンディショニングが向上していることを示す強力な指標です。もし心拍変動になじみがなければ、ここをクリックするとより多くの情報が得られます。 2. 12分間運動能力テストを行う:12分間中に行える最大の運動量は、単に全体のコンディショニングレベルの優れたパフォーマンス指標であるだけでなく、この後詳しく触れますが、目標心拍数範囲を決めるのに非常に役に立ちます。テストを正しく行うための二つの鍵は、適切なエクササイズを選択することと、始める際に正しい説明を与えることです。 フィットネスレベルの低い人たちには、バイク、エリプティカル、またはほかの低強度の運動を選択すべきです。フィットネスレベルが平均またはそれよりも高いレベルの人たちには、ランニングが一般的に選択されます。いったんエクササイズを選択したら、クライアントには、運動している間正しいフォームとテクニックを維持できる中で、できる限り最大ペースで臨むように伝えるべきです。テクニックを維持することは、コンディショニングの非常に重要な要素なので、テストはクライアントがこの環境の中でどれくらいの運動を行うことができるのかを反映すべきです。 3. 平均心拍数と60秒間後の心拍数回復を記録する:12分間テスト中に心拍数の二つの計測値を見ることは、多くの貴重な識見を提供することができます。まず、12分間を通しての平均心拍数は、クライアントの無酸素性作業閾値のおおよその値を与えることができます。その値は正確なものではありませんが、そもそも閾値という単語自体、少々紛らわしいのです。本当は、閾値は常に一つの数字というよりも範囲なのです。テスト中のクライアントの平均心拍数は、この範囲の傾向に関する一般的なアイデアを与えてくれるでしょう。 テストが終わった直後、クライアントを座らせて、60秒の間に心拍数がどれだけ低下するか、60秒間の心拍数回復を記録します。これはクライアントの全体的なコンディショニングレベルの効果的な計測であり、包括的な健康とウェルネスに非常に重要となる副交感神経機能のレベルと関わっています。
動作に基づいたアプローチを用いる際に、私が犯した10個の間違い
1. 動く方法が一つしかないと考えること。 以前に私は、‘正しい’運動に関して魔法のような青写真を持っていましたが、事例に基づいた運動のデータに着目すればするほど、(今では退屈な趣味の一つですが)私達すべてが異なる動き方をするということを認識するようになりました。 運動に関する研究はしばしば、異なる対象者から得たデータや同じ対象者から得た同じ運動の多重反復を平均化してしまいます。これは、個体それぞれが一般的に非常に異なる運動をするということを隠し、特に周期運動中に、同一個体がある運動を反復する度に、異なる運動をするということをも隠してしまいます。Bernsteinは、これを“反復なき反復”として雄弁に述べています。 ほとんど実証されていないデータによる‘正しい’運動の理論的モデルは数多くありますが、それらはすべて正しいのでしょうか?何が‘正しい’のかに関する数多くの異なるモデルがあるということは、唯一の正しい方法など無いということを本質的に示しているのかもしれません。 異なる生体構造と異なる運動経験を持っているにもかかわらず、なぜ私達全てが同じ動きをすべきなのでしょうか?私の考えでは、私達がそうすべきで、そうするであろうと期待することは狂気の沙汰だと思います。 2. その一つの動く方法を定義してしまっている。 もしあなたが、誰かが十分な論理的根拠なしに‘最適’、‘標準的’、もしくは‘効率的’な運動を提案することに対してうれしく思うのであれば、もちろん、それはご自由に。かつて、それは私にとってうれしい事でしたが、今はそれほどではなく、これは信頼できる確かなデータという観点から、何を必要とするかによって決まるのかもしれません。 ソーシャルメディアで読んだ私の最近のお気に入りの一つは、“90%の人達は、Xを間違った方法で行っている”です(罪のある人を保護するために、そこに掲載されている内容は省略します)。もしこれが真実であったならば、その実験は恐らく間違っていたでしょう。ほとんどの人達がXをある特定の方法で行ったのであれば、恐らく、それはただ正常であるということです! 現代的な運動データや着想に基づいた運動理論は、厳しい基準に基づいたモデルというよりもむしろ、かなりの正常変動において‘最適’と考えられるものに関して、幅広いパラメーターを定義する傾向があります。 動作はしばしば、疲労時や痛みを伴う際に変化し、‘最適’を定義することをさらに困難にします。 3. 最適な’運動からの逸脱が痛みを引き起こすと考えること。 これも、しばしばうたわれているのを目にしますが、それを支持するデータはほとんどありません。‘’は、‘’を損傷することからの典型的な例です。これを示唆するデータがありますか?損傷が起きていることを示唆する炎症マーカーのような兆候はありますか?私は、特定の定義された‘マイクロムーブメント’は‘マイクロトラウマ’の尺度に関連していることを強調しているいかなる証拠をも進んで取り入れます。 もし私達が、身体が適合できるマクロムーブメントを持っているならば、なぜマイクロムーブメントがそんなに問題なのでしょうか? また、あなたはいったいどうやってそれを知るというのですか?私達はしばしば、人々の運動を痛みが発生した後にだけみる為、痛みが発生する前にどんな運動なのかはわからないのです。 4. 痛みは単一の運動障害に起因する。 可能性としては、そうではありません。私達は、想像できる最善の方法で動くことができるかもしれませんが、やりすぎるかもしれませんし、早過ぎるかもしれません。身体に加えられた外部負荷や速度は、‘誤った’運動から発生する内部負荷よりも一層重要かもしれません。それと同時に、その反対も当てはまるかもしれません。 痛みは多因子的なため、運動の‘問題’が人の痛みの唯一の原因であるというアイデアを否定しなければならないのです。 5. 望ましい結果を‘正しい’動き方を実現することで手に入れること。 あなたがこれまでにクライアントに対してしてきたことの詳細とは無関係で、気分が良くなるかもしれない多くの理由があります。 彼等はあなたのことを信頼しているから。 彼等はあなたのことが気に入っているから。 彼等はあなたに話を聞いてもらっていると感じているから。 彼等は関連のある手助けを得ているから。 彼等は単に動くようになったから。 彼等は耐えられる範囲で動いているから。 彼等は今までにない新しい入力を得ているから。 時間を費やしてきたから。 実際、それが何であれ、入力を変化させれば、痛みの出力に影響を及ぼすかもしれません。期待と状況もまた、人の経験を大きく変化させるかもしれません。 6. 体内で起こっていることを知っていると考えること。 ある人達は‘正しい’筋肉の発火パターンを得ること、またある人達は正しい関節運動学と姿勢を、私は正しい生体力学的反応を。もし誰かが向上したとすれば、それは私がそれらを変えたからです! 実際には、実験室設備無しに体内で何が起こっているのかを知る方法は無く、99%の人達は彼らの日常の労働環境の中で、実験室設備へのアクセスがありません。そのようなことを定義しようと試みることは、捉えどころのないことだと証明されていて、また、研究の際に、変化はしばしば望ましい結果とは関係がありません。 7. 動くことを理解しないことは、その動きよりもより重要かもしれない。 私達は本当に、人々の気分が良くなることが、彼等の運動の変化における実際の変化に起因すると考えることができるでしょうか?全員が変化の前と後での違いを計測しているでしょうか?私達の計測は本当に信頼性があるでしょうか?それが問題なのでしょうか? これは、少し‘強化’に似ています。私達はしばしば、人々が以前にどのくらい強かったか、いかなる治療効果が筋力における実際の変化に起因しているのかを知りません。それはただ、痛みが弱まるにつれて、人々は強さと動きを取り戻すだけなのかもしれません。 人々を動かせることは、実際に恒久的に運動出力を以前の疼痛レベルから変化させるというよりもむしろ、動くことにより脳に入力を提供し、抑制を減少させる、あるいは局部的な生理学的効果を作り出すということかもしれません。私達はただ知らないだけなのです。 そして、筋力や柔軟性の向上などを目的としたエクササイズとは無関係なエクササイズを用いることで腰痛が軽減したことを示唆する証拠があります。 8. 運動の問題を発見する必要性。 私は、問題を見つけられないと、俳優のStan Laurelのように、よく自分の頭を掻いていました。そして今、私は、特に誰かの運動がかなり良い場合に、運動‘テスト’が、プラス面を強調したり、以前の考えを打破するために使用されることもできると認識しています。 もし私の運動に‘欠陥’があり、更なる損害と痛みを引き起こすかもしれないと考えるならば、私はただ動かなくなるでしょうし、特に英知を理解していると思われる人がそう言うのであれば尚更です。これは、私の運動に対する許容範囲のレベルが落ちて、私自身が体調不良で傷つきやすくなるということを意味しているのかもしれません。Louis Giffordが私達に思い出させてくれるように、安心させることは強力な鎮痛剤であり、うまくいけば活動誘導剤にもなるのです。 “あなたは非常にうまく動いています。ただもう少しだけ行う必要があるかもしれません”というように、前向きに運動を捉えることは、人がどのように運動の行為と運動量を知覚することに多大な影響を与えるかもしれません。また、エクササイズに基づくパラダイムから活動に基づいたパラダイムへの移行は、特に人々がエクササイズに好ましくない関係性を持つ場合や、エクササイズを間違って行う可能性が更なる損害を引き起こす場合にも有益かもしれません。 9. 運動の心理的影響を無視すること。 これには大きな影響力があります! どのように私達が運動、あるいは特定の身体部位から動かすことを知覚するのかは、どのように私達がその運動を実現するのかという現実より重要かもしれません。特に、それが動くことを辞めることになるきっかけであったとすれば尚更!思い込みと実際の結果との間にある違いを強調することは、考えを変えるのに極めて重要で、もし私達が 運動経験を通して身体的にそうすることができるのであれば、さらにいっそう強力です。 人々が彼等の問題に対して運動/動くこと/エクササイズの関連性を理解する手助けをすることはまた、実際に彼等にそれを実行させる大きな手助けにもなりますし、もしこれがあなたの運動における介入の大部分ならば、更なる身体的影響から恩恵を受けるでしょう。 10. 運動トレーニングは、厳格で‘正しい’必要がある。 誰かの運動のマイクロマネジメントを通して、適切なフォームを獲得すること、あるいは適切な組織や構造をターゲットとすることはしばしば、‘動き’に焦点を合わせたものに必要不可欠な要素です。 私のこれまでの9個の間違いに注目すれば、動きを用いること、特に治療的に用いるには、変化に富んでいて、楽しいもので、いくらか関連性があるべきだと理解させてくれることでしょう。
治療がなぜ効くのか知っておくべき3つの理由
マッサージの後、一体なぜ気分が良くなるのでしょうか? または、鍼治療の後、フォームローラーストレッチの後やカイロプラクティックの矯正、キネシオテープ、モビリティドリル、ハムストリングのストレッチの後どうして身体が楽になるのでしょうか? これらの質問にぴったりの答えがいくつかあります。そしてこの記事で指摘したいのは、興味深いことに、セラピストがそのことについて知らないケースが多く見受けられるということ。あるいは、気にもしていないということです! もしかしたら、セラピストはすでに正しい答えを聞いたことがあるにも関わらず、現在科学的に明らかになっていることからかけ離れた、間違った答えを好んでしまうのかもしれません。 よくない説明に関して言えば:フォームローラーに癒着を剥がしたり筋膜を溶かしたりする効果は恐らくないでしょう。カイロプラクティックのマニピュレーションも、“ずれた”関節を元に“戻す”わけではありません。深部組織のマッサージは、毒素や“コリ”を取り除きません。鍼は、ツボや経絡に到達するのではありません―ランダムなところにうった鍼も同様に効果があります。偽手術は、本当の手術の様に成功することもあります。運動制御エクササイズでは、運動制御自体は変化しなくても、しばしば痛みが軽減するこがあります。 ここで、上記のような治療が症状を改善できないと言っているのではありません。ただ、宣伝されているようには作用しないということです。また、すべてが単なるプラセボ(これは明確な意味の提示がないと混乱する用語ですが)であるということでもありません。 一般的に、セラピストのあいだには、自分たちが“組織の問題”を治すのだという考えが根強くあるようです。そして彼らは、身体のもっと複雑なシステム、たとえば神経系、免疫系、自律神経系などにある問題を無視する傾向があります。これらは、小さな入力にでも非常に敏感に反応し、身体がどのように動くか、また感じるかということに大きく影響します。理由として、おそらくこれらの器官は表面上見えにくく、捉えづらいのと同時に、彼らが学生だった頃に教育課程で教わったことではないからかもしれません。 私はロルファーとしてトレーニングを受けていた頃、ロルフィングは筋膜を変えることにより効果があると教わりました。ですからみんな、治療ベッドから立ち上がると、背が高く体が緩んだ感じがする、痛みが軽減した感じがするなどと言っていました。筋膜に何か良い変化が起きたと思っていたからです。 しかし、徒手圧迫に反応する筋膜の変形性能について調べた結果、これはあまりふさわしくない説明であるという結論に至りました。より適切な説明は、神経系に関連づけることです。神経系は、ボディワークによる新奇な知覚情報など、新たな知覚情報に反応する筋の緊張や動きのパターン、知覚、痛覚感受性を継続的に調節しています。 自分の受けた教育の大前提が正しくないというのは、もちろんちょっと残念なことです。しかし、良いニュースとしては、それらの治療で人を治すことができないという意味ではないということです。それとこれとはまったく別の問題です。私の心構えも同様でした。そう、筋膜に関してではないにしても、人を助けてあげられないということではないのです。 ただ多くのロルファーたちにとって、これは筋膜に関わることでなくてはならないのです。また、カイロプラクターにとっては、サブラクセーションでなければならなく、霊気家にとっては、エネルギーについてでなければなりません。その他の人たちにとっては、姿勢である必要があったり、コアストレングス、筋の不均等、動きのパターンであることもあります。 もちろん、“治療がどう効くかなんて気にしない。効果があることだけ知っていれば、理由なんてどうでもいいでしょう?”と言う人は多くいるでしょう。 あなたの治療がなぜ効くのかを知っておくべき理由が3つあります。 1. どのように効果があるのか知っていれば、もっと効果を上げることができます。 これは当然のことです。的が分かれば命中しやすくなります。 では、ストレッチやマッサージが筋を弛緩させることによって可動域を増やす効果があると仮定しましょう。(妥当な仮説ですね? そして、研究によって裏付けられています!)。 しかし、もしそれが癒着を強制的に剥がすとか、物理的に組織を伸ばすことによって効果があると思い込んでしまうと、クライアントがリラックスしているのかどうかという焦点を狂わせます。 私は、だれかを施術している時、いつもこう訊ねます“どう感じますか?”そうすると、筋膜だけが重要であると思っているクライアントからよく返ってくる反応は、“私がどう感じているかは心配いりません。かなりの痛みに耐えられるので、必要があればどんどんやってください”。 そして、独りで考えるのです:“そうではなく、あなたがどのように感じているか知る必要があります。なぜなら、それがこの施術の主な目的のひとつですから”。しかし、もし私の目的が筋膜や筋のコリを取り除くことであれば、きっと私は彼らがどう感じようと気にしないでしょうが、効果をあげることもできないでしょう。 2. 予期せぬ結果 首に痛みがある人がカイロプラクターを訪れたとしましょう。そこで、首が“ズレ”ていますから、ポキッとやって元に“戻し”ましょうと言われ、あっという間にすっかり良くなったとします。そこで、痛みが軽減したのはアライメント(配列)が整ったことによるものと思い込んでしまって何が悪いのでしょうか? 短期的に見れば、害を及ぼさないのかもしれませんが、長期的にとらえると、誤った思い込みがいずれは問題に発展し、悪影響を及ぼすかもしれません。 首の痛みが再発したとします。クライアントは、また首が“ズレ”てしまったに違いない、もう一度ポキッと戻さなくてはならないと思うでしょう。そうなると、そのクライアントはエクササイズや休息、動きに気をつけるなど、他の解決方法を見落としてしまいます。もし、その首の痛みが継続してしまったら、きっと自分の首はズレやすく不安定であると病的な思い込みを抱くようになるかもしれません。ノセボ効果にもなりえます―― より大きな痛みを起こし、健康的な動きさえも避けるようになります。 これに似た誤解を持つクライアントを多く見てきました。これは明らかに時間とお金を無駄にし、不安や混乱をかきたてます。 私は、カイロプラクターのクライアントについてだけ指摘しているのではありません。 いつでも常にストレッチをしているヨガ愛好者を見たことがあります;ピラテス愛好者はいつでも安定化エクササイズをし、コレクティブエクササイズ愛好者は筋の微細なアンバランスにこだわります。関節モビリティーの信奉者は、関節が常に滑液で満たされていなくてはいけないという思い、ひっきりなしにモビリゼーションをします。さもなければ、ほんの少し動かないだけでも筋膜、いわゆる“ケバケバ”がはびこって身体が固まってしまうと感じるのでしょう。サビは決して休むことがないのです! このような病的行動のすべては、過去に効果があった特定の療法がなぜ有効であったのかについて誤った思い込みをしていることがそもそもの原因であるようです。これらの思い込みは、神経系の感受性を一時的に調整することとは対照的に、“組織の問題”を完治したという考えに執着しているのです。 要するに肝心なことは、その思い込みがいくら小さくても、ウイルスのように増殖し、感染し、そして耐性のある害虫のように突然変異して、結果として発病することがあるということです。他の人にまん延させないしないようにしましょう! 3. 真実は重要 真実の実用的な適用は即座にはっきりとわかるものではありませんが、真実には本来の価値があります。知識は、私たちにとってもクライアントにとってもすべての社会において常に強い存在です。 人間が慢性痛を患う理由や、その最適な治療方法は、厳密にはまだ分かっていません。 その知識がまだはっきりとしていなくとも、もう学ぶ必要がないということではないのです。誤報や混乱を回避するために進む一歩一歩は、真実に近づく一歩なのです。 現実を受け止めましょう! 真実はよいことであり、無知は最低なことです。それを示す賢人の言葉があります。 "すべての悪は知識の欠如から起こる" -- David Deustch(デイヴィッド・ドイッチュ) “間違っているかもしれない答えを出すより、解らないまま生きて行く方がずっと興味深いと思う。” -- Richard Feynman(リチャード・ファインマン) "知らないことが問題をおこすのではありません。よく知っていると思ったことがそうでないときに問題が起きるのです。" -- Mark Twain(マーク・トウェイン) “真実はあなたを開放してくれますが、最初はイライラさせられるでしょう。” -- Joe Klaas(ジョー・クラース) 思慮深く、懐疑的で、エビデンスに導かれることを恐れない、私の投稿の読者と私のソーシヤルメディアコミュニティーのみなさんに感謝します。
スクワットで内側広筋のアクティベーションを強調することはできるのか? パート2/2
スクワットにおいてROMは内側広筋にどのように作用するのか? 全体的に見て、スクワットでの内側広筋と外側広筋のアクティベーションレベルは、少なくともエクササイズの全ROM(可動域)に渡り計測した場合、非常に似ています(Signorile et al. 1994; Wilk et al. 1996; Ninos et al. 1997; Mirzabeigi et al. 1999; Escamilla et al. 2001a; Andersen et al. 2006)。 しかし、内側広筋と外側広筋のアクティベーションレベルは、エクササイズのROM全体の各パートでも似ているのでしょうか? そのようです。 内側広筋と外側広筋のアクティベーションは、膝関節角度の変化に伴い互いに一致して変化するように見えます。例えば、バーベルバックスクワット中の大腿直筋、外側広筋、内側広筋のそれぞれが各々のピークEMG振幅に達する点は、89-95度の間の同じ膝関節角度になるときなのです(Escamilla et al. 2001a)。 そしてその他の関節角度における各大腿四頭筋のアクティベーションの間には、ほとんど差がないようです。例えば、Andersen et al. (2006) は、バーベルバックスクワット中に膝関節角度10度から100度の間を10度間隔で内側広筋及び外側広筋のEMG振幅を計測し、そして各関節角度における両者の比率を計算しました。比率は膝関節角度の増加では変化せず、およそ1:1のままでした。これは、内側広筋を外側広筋よりアクティベートされた状態にするスクワットの膝関節角度はないことを表しています。 同様に、Ninos et al. (1997) は、バーベルバックスクワットでは異なる膝関節角度に渡り内側広筋のアクティベーションが外側広筋と全く同じような反応を示し、やはりボトムポジションでピークアクティベーションに達することを示しました。 下の図で、膝関節屈曲角度の変化に伴う内側広筋と外側広筋の平行した変化を見ることができます: つまり、内側広筋はスクワットにおいて外側広筋と根本的に違うことは全くしておらず、ボトムポジションでその他の大腿四頭筋よりも相対的により重要であるということは決してないのです。 これは、膝伸展において、膝関節角度が内側広筋の優位なアクティベーションにどのように影響するかを調べ、何も効果がなかったとする詳細な研究によって支持されています(De Ruiter et al. 2008)。 従って、内側広筋がスクワット中のボトムポジションにおける筋力のために特別重要であるという可能性は低そうです。 そもそも内側広筋は優位にアクティベートされることができるのか?(パート1) 私が先に説明したように、理学療法の研究者たちは、しばしば内側広筋を外側広筋のアクティベーションよりもより大きく増加させることができるエクササイズやテクニックを特定しようと試みてきました。 これは、膝蓋骨のトラッキング不良が膝前面痛のバイオメカニクス的一因であることが明らかにされ、内側広筋と外側広筋が膝蓋骨を異なる方向に引っ張ると思われることから、これらの筋肉のバランスが膝蓋骨のトラッキング不良を左右するかもしれないからです。また、内側広筋の選択的筋委縮は、歴史的に膝前面痛に苦しむ人々において見られてきたため、内側広筋を鍛えることが問題を解決するだろうと考えられてきました。 二つの分野の新しい調査がこのセオリーに水を差しました。 第一に、非活動性筋萎縮は膝の痛みを持つ人々の内側広筋だけではなく、大腿四頭筋の全てに渡り見られました(Giles et al. 2013; 2015)。 次に、外側広筋と内側広筋は実際神経支配の大部分を共有しているようです(Laine et al. 2015)。これは内側広筋を外側広筋と別々にアクティベートさせることを難しくさせるだけでなく、実際現実的には不可能なのです! 実際に、たくさんの異なるエクササイズを調べてきた研究者たちは、膝関節伸展動作を含むエクササイズにおいて内側広筋のアクティベーションを外側広筋のアクティベーションよりも大きく増加させることは、スタンスの幅、股関節の角度、あるいは足の角度をどう変えるかに関わらず、非常に難しいと結論づけました(e.g. Cerny, 1995; Laprade et al. 1998; Mirzabeigi et al. 1999; Tang et al. 2001)。 例えばスクワット中の等尺性股関節内転のような、いくつかの研究で外側広筋の振幅に比べより大きな内側広筋のEMG振幅を引き起こすように見られたもっとも有望なアイディアのいくつかでさえも(Hyong, 2015)、実際は誤った種類の電極を使ったことにより起こった単なる人工的産物なのかもしれません(Wong et al. 2013)。 従って、20個以上のそのような研究のレビューが、恐らく大腿四頭筋が同じような神経支配を共有しているために(Laine et al. 2015)「下肢の関節の向きを変えることは…内側広筋のアクティベーションを外側広筋以上に優位に増強しない」と最終的に結論付けていることは驚くべきことではありません(Smith et al. 2009)。 そもそも内側広筋は優位にアクティベートされることができるのか?(パート2) もしもなんらかの理由で、あなたが内側広筋のアクティベーションを外側広筋のアクティベーションよりも増加させようとすることが可能であるとまだ信じており、それを試してみようと断固として決めているならば、次のテクニックの一つを試してみることもできるでしょう: ワブルボードのような、より不安定な表面を使用してスクワットをする(Hyong & Kang, 2013; Park et al. 2015) より遅いスピードでスクワットをする(Yoo, 2015) これは異論が多いが(De Ruiter et al. 2008)、膝関節完全伸展前の膝関節伸展ROM最後の30度を強調するエクササイズあるいはテクニックを用いる(ことも可能である)(Duffell et al. 2012) 筋電図に基づいたバイオフィードバックを採用し、内側広筋に注目する(Ng et al. 2008) スクワットで前額面の膝の距離を縮めやすくするために視覚的フィードバックを採用する(Hwangbo, 2015) なぜ内側広筋を優位にアクティベートしようとするのか? しかしながら、最終的には、もしあなたのゴールが脚のサイズの増進、またはスポーツでもっと上手になりたいかのどちらかであるならば、内側広筋をターゲットとする計画的な努力をすることはほぼ確実に必要ありません。 もしあなたの主なゴールが脚の肥大であるなら、長期間の試行によって示されているように(Fonseca et al. 2015)、スクワットは大腿四頭筋のうち3つの単関節筋全てを極めて効果的に使います。その一方で、スクワットは二関節筋である大腿直筋にはさほど効果的ではないため、あなたはただスクワットをするだけではいけません。大腿直筋のために別なエクササイズを加えなくてはなりませんが、ニ―エクステンションはとても良い選択です。 もしあなたの主なゴールがスポーツでもっと上手になりたいということであれば、スクワットはそのゴールのためにも大いに役立つでしょう。これに加えて、あなたの主な考慮はポステリアチェーンをもっとも効果的に発達させる方法を見出すことであるでしょうが、時間が迫ってきていますので、それについては別な日にお答えしましょう。 結論 スクワット中に内側広筋のより大きい相対的アクティベーションを狙うことは、恐らくワイドスタンスの代わりにナロースタンスを用いても、平らな表面でスクワットをする代わりに踵を高くしても不可能でしょう。スタンスの幅は大腿四頭筋のどの筋肉のアクティベーションにも効果がなく、踵を上げることは恐らく全ての大腿四頭筋に全く同じように影響を及ぼします。これは多分大腿四頭筋が類似した神経支配を共有しているからであり、それらの筋肉を個別にターゲットにすることは非常に困難です。 加えて、スクワットのボトムポジションでは、全ての大腿四頭筋があなたを深い位置から抜け出させるためにとても一生懸命働いています。しかしながら、上記の分析に基づき既に予測されるように、内側広筋が他のどの大腿四頭筋よりももっと重要であるということはないのです。 参照 Alves, F. 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