マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてポイントとコインを獲得すれば理解も深まります。
疼痛の理論
Bridging the Gap From Rehab to Performanceより抜粋 私達が身体の痛みへの対応方法を理解しようと研究を深く掘り下げると、痛みの発生経路のメカニズムを説明するいくつかの潜在的に矛盾する理論があることに気づきます。 神経線維:身体は、中枢神経系が情報を解釈するために、外界からの情報を伝達する求心性神経線維の広大なネットワークで構成されています。神経線維の直径はさまざまで、神経の絶縁性および保護性の鞘である髄鞘の量もさまざまです。このような異なるサイズと絶縁性のため、情報が末梢から中枢神経系に移動する速度は、刺激される求心性神経に応じて異なります。つまり、中枢神経系に異なった時間で情報が到達するのです。 痛みには多くのシステムが関係していますー いくつか例を挙げれば、末梢神経、中枢神経、自律神経、解剖学的な構造系、大脳辺縁系、心血管系などがあります。私たちが理解していない脳の領域はまだあり、すべてを網羅する決定的、かつ包括的な疼痛モデルはありません。 とはいえ、これらは最も人気のあるいくつかの理論の概要となります。 特異性理論 マックス・ヴォン・フレイは、1895年に最も初期の疼痛理論の1つである特異性理論を開発しました。この理論は、個々の疼痛受容体が脳内の特定の疼痛中枢に信号を送信し、それから、熱いフライパンから手を素早く引き離すというような、適切な運動反応の指示を送り返すと述べています。この理論は、特定の疼痛システムがあるという仮定に基づいています。 この概念の単純な分かりやすさは心が和むのですが、反証されています:脳には特定できる疼痛中枢はありません。この理論はまた、痛みの心理的側面や、私達の以前の経験によってさまざまな疼痛刺激に対して過敏になっている側面を認識していません。 パターン理論 1920年代後半から1930年代初頭に、ジョン・ポール・ナフェとヨハネス・シャイダーは、痛みを感知して反応する確立したシステムはないが、疼痛受容体は他の身体システムと共有されていることを示唆しました。この理論では、脊髄において刺激の特定の組み合わせが形成され加算した場合にのみ、脳が疼痛信号を受け取り、これは、反応のプリセットパターンの遂行につながります。 パターン理論の問題の1つは、脳の役割を過小評価しており、単に受容体からのメッセージの受信者と見なしていることです。今では、身体が痛みにいかに対処するかについて、脳ははるかに複雑で動的な役割を果たすことがわかっています。 ゲート理論 この疼痛研究の次の題目は、感覚制御理論です。これは、ゲート制御の考えに基づいています。 1965年にロナルド・メルザックとパトリック・ウォールによって開発されたゲート制御理論は、ドアに指をバタンと挟んだとき、その指を逆の手で包んだり、口に入れたり、撫でたり、痛みを和らげるために何らかの行動をとるという考えです。 熱、冷たさ、感触、痛み、振動などのすべての末梢感覚は、末梢神経の刺激によって伝達されます。この神経の刺激は脊髄に伝達され、十分に顕著であれば、情報は処理のために脳に伝達されます。痛み感覚は、A-デルタ繊維およびC-繊維としても知られる侵害受容器の疼痛線維によって運ばれます。これらの信号は、脊髄の後角に送られ、2次ニューロンを刺激してから、外側脊髄視床路を介して脳に送られ解釈されます。この方程式に何らかの触感を加えると、A-ベータ繊維も刺激されます。 タッチのセンセーションもA-ベータ繊維を介して脊髄へと伝わり、脊髄後角の抑制介在ニューロンを刺激し、A-デルタ繊維およびC繊維によって刺激された求心性情報を介して脳に伝わる痛みのセンセーションを低減します。より“少ない”痛みを感じるのです。これは、私達がドアで指を挟んだ後に、素早く指をぎゅっと掴んだり撫でたりする理由であり、脳によって知覚される痛みのセンセーションを実際に低減させます。 ゲート制御理論は多くのシナリオで非常に理にかないますが、侵害受容器(痛みの感覚受容器)が刺激されていないのに、それでも人がまだ痛みを感じる場合を説明しません。 条件付き疼痛調整 条件付き疼痛調整理論は、あなたが兄の仕打ちで経験したかもしれません。幼いときに腕が痛いので泣いていたことを覚えているかもしれません。あなたの兄はその逆の方の腕を叩き、「よくなった?もう腕が痛いこと考えていないだろ。」と言いました。 この例は、痛みが痛みを抑制すると述べている条件付き疼痛調整理論を要約しています。 2つの侵害刺激が同時に適用されます。2つ目の刺激は最初の刺激と同じ領域にありますが、同じ場所ではありません。 2つ目の刺激は後角によって処理され、最初の侵害刺激を抑制することができます。この理論は持ち堪えており、痛みを軽減するための様々なテクニックを適用する場合、単にその領域の近くに触れることが、正確な場所と同じ程度に効果がある理由なのかもしれません。 痛みの神経マトリックス 他の痛みの理論は、痛みの発生部位に位置する局所組織と末梢神経に重要な役割を割り当てています。対照的に、痛みの神経マトリックスの観点は脳の役割を強調し、中枢神経系(CNS)の構成要素に焦点を移します。この理論では、痛みは実は脳の出力であり;末梢侵害受容刺激以外の痛みに対する複数の影響が重要です。 痛みの神経マトリックスは、痛みの感覚を作り出すという脳の決定を強調し、末梢組織からの入力を減少させますが、末梢神経系の関わりを否定しません。末梢神経への不快な刺激は、痛みの感覚を作り出す上で依然として大きな役割を果たしますが、全体像を提供するものではありません。 この理論は、幻肢痛、線維筋痛症、非特異性腰痛、および侵害受容刺激は存在しないが痛みの感覚が持続する他の慢性疼痛状態をより良く説明することができます。 痛みの意味合い ロリマー・モーズリーは疼痛の理論に影響力のある人物であり、この非常に複雑なトピックに関する、楽しくて簡単な概要のために、彼のビデオ、Pain 「痛み」を強くお勧めします。モーズリーは、痛みは意味合いを保持していると説明しています:個人的な。私が経験する痛みは、同じような侵害受容刺激と同じ診断があったとしても、あなたが経験する痛みではありません。痛みは生理的なものよりも心理的な現象かもしれません。 たとえば、私達が浜辺を歩いていて、二人とも鋭いものを踏んだとしましょう。二人とも顔をしかめますが、私は歩き続けることができるかもしれません。しかし、もしかしたらあなたは以前に足を切ったことがあり、その傷が感染し、入院して2週間抗生物質を摂取する必要があったかもしれません。あなたは私に車まで抱きかかえることを要求するか、助けを呼ぶことを要求するかもしれません。私たち双方にとって同じ経験ですが、鋭い何かを踏んだ刺激を解釈するための異なる基準枠をを伴っています。 同じ診断を持つ人を扱うときは、痛みの認識が大きく異なる可能性があることを念頭におく必要があります。診断の客観的所見に基づいて、ある人の痛みを判断することはできません。時には壊滅的な傷害を負いながら、最小限の痛みを感じる人もいれば、軽度のハムストリングの緊張があり、重度の苦痛で脚を引きずる人もいます。 痛みは主観的で個人的なものです。 2人の人の間で同じ侵害受容刺激が同じ知覚感覚または経験をもたらすと推測することはできません。
肩の問題を解決する
肩に問題を抱える人にとって、ただの柔軟性ではなく、サポートする調整力を備えたモビリティーを向上させることはとても重要です。ジョシュ・ヘンキンと共に、トラビス・ジョンソンが、TRXサスペンショントレーナーやDVRTのシステムを利用して、肩周辺の組織のモビリティー向上のためのドリルをご紹介します。
ローデットキャリーの負荷
ストレングスプログラムを評価する時、一般的にトレーニングには2つのギャップがあります。ほとんど普遍的なものとして、トレーニー(トレーニングを練習する人)はスクワットを適切な深さで行うことができません。そして、シンプルにゴブレットスクワットを追加するだけで、トップパフォーマーからホームジム熱狂者、大型施設での運動愛好者に至るすべてのトレーニーにとって驚くべき効果があります。 もう一つのギャップはローデットキャリーになります。プラウラーを押す、スレッドを引く、ファーマーウォークをすることが、身体を締めることから運動能力を上げることまで、様々な問題の答えとなります。これらは大多数のアスリートにとって画期的なものなのです! ファーマーウォークは、それ自体で、握力、コア、歩行、そしてあなたが行うことができるすべてをトレーニングすることができます。しかし、そこには問題があります:負荷です。 我々のジムにおいて、負荷は、真剣な討論を多く行っているトピックになります。高校2年生の女性は片手に45ポンドを持つことができますが、これは総自体重を有に超えています。それぞれの手に自体重の重さを持つことを主張する人もいれば、片手に自重の半分を持つことを主張する人もいます。大きな差です。重くし過ぎるとエクササイズを失敗させ台無しにしてしまいます。しかし、軽すぎることも答えではありません。「童話:ゴルディロックスと三匹のクマ」のように、我々が欲するのは“まさにちょうどよい”なのです。 軽すぎることの欠点は、遠くまで、それもとにかく、かなり遠くまで行くことができてしまうことです。このテストを使用している大多数の人々が発見したことは、重量を重くしすぎる失敗のほうがより効果的であるらしいということです。 マイク・ウォーレン・ブラウンは、本当にたくさんの人々がファーマーウォークの負荷を把握しようとする問題を抱えていると指摘しています。我々は理にかなう答えにたどり着きました:私の著書である「Mass Made Simple:マスメイドシンプル」の中で使用しているスクワットの数字を個人の標準として、ジムや大きな集団、チームではトラップバーの数字を標準として使用することです。 トラップバーファーマーウォーク(マスメイドシンプルでのスクワット標準) 体重が左、負荷が右 135ポンド以下:135ポンド 136−185ポンド:185ポンド 186−205ポンド:205ポンド 206ポンド以上:225ポンド 我々は、実際のファーマーバーを使用して片手に自重の半分の負荷をかける実験し、とても効果的でしたが、多くの人々が特別なバーを持っていないため、普遍的な再現性がないことが分かりました。 ケトルベルも効果的であり、より多くの人が持っています。自体重(片手に半分)を追求しますが、多くの場所でその重さに十分なベルがないことに留意してください。 ケトルベル(片手にそれぞれ) 体重が左、負荷が右 135ポンド以下:24kgを2つ 136−185ポンド;32kgを2つ 186−216ポンド:40kgを2つ 216ポンド以上:48kgを2つ 負荷をかけて、歩く。そうです、とてもシンプルなのです。
肩甲骨の上方回旋
投手にとって、肩甲骨の上方回旋がなぜ重要なのか?投球に必要な肩の動きのメカニズムと肩甲上腕リズムの関わりを、野球選手のケアのスペシャリストであるエリックが、分かり易く解説してくれます。
投手の肩屈曲制限
メジャーリーグの選手達から絶大の信頼を得るエリックが、投手の投球側の肩の屈曲の制限の要因とその影響に関して、機能解剖学的な情報を含め、分かり易く解説します。
ジャンプスクワットをトレーニングするために最適な負荷とは? パート2/2
何が起こったのか?(続き) 内部(関節)出力 研究者たちは、股関節におけるパワーに対する有意な二次傾向が存在しており、それは1RM の42%の最大値に至るまで増加し、その後減少しているということを発見している。研究者たちはまた、膝関節、足関節におけるパワーは一次傾向に従い、負荷の増加に伴い有意に減少していたということを発見している。 様々な関節の出力は非常に異なるため、絶対値から成るグラフよりそれを見て取ることは非常に困難である。ゆえに私は値を各関節における1RMの0%の出力の割合として表した。これはデータを示す科学的な方法ではないが、傾向における差違をみるためにはこれ以上にわかりやすい方法は無いだろう。股関節のパワーは42%までは曲線状となっているが、膝関節および股関節のパワーは直線的に減少している。 このグラフは一見乱れているように見えるが、股関節のパワー(最も濃い色のグラフ)を切り離して考えると、膝関節および足関節のパワーは同様の反応を示し、負荷の増加と共に、ただ減少しているということがわかる。 研究者たちはどのような結論に達したのか? 研究者たちは、ジャンプスクワットの際の下半身の各関節における出力は、外部負荷に比例して変化するわけではないという結論に至った。研究者たちはまた、負荷の増加に伴い膝関節及び足関節における出力は減少するが、股関節における出力は1RMの42%の負荷に至るまで増加すると結論付けている。さらに研究者たちは、1RMの特定の割合の負荷を使用することは、使用する負荷により、股関節、もしくは膝・足関節のパワーの優先的な向上につながる可能性があるという結論に至った。これは下記のグラフにおいて見ることが可能である。 上のグラフは、股関節及び膝関節のパワーの相対的貢献が、使用する負荷により変化するということを示している。1RMの0%においては、膝関節のパワーは股関節のパワーに比べより一層顕著であり、1RMの42%では、両関節は同様の貢献をしているようである。さらに負荷が増加するにつれ、股関節のパワーは膝関節パワーに比べより急速に減少しており、膝関節の相対的貢献が再び増加している。ゆえにジャンプスクワットにおいて1RMの42%にてトレーニングを行うことは、股関節伸展のパワーを最大化するようであり、一方1RMの0%にてトレーニングを行うことは、膝関節のパワーの相対的貢献を強調するようであり、脚部の筋肉のこの側面をより効果的に強化するようである。 制限要素は何か? 上記のように、エクササイズにより最適なパワーは幅広く異なっているため、関節のパワーもまたエクササイズにより異なるようである。ゆえにこの研究はジャンプスクワットのみの分析であったということが制限であり、ヘックスバージャンプスクワットやオリンピックリフトのバリエーション、またはその他の爆発的なリフトでは異なる結果が得られたかもしれない。 実践的な意義は何か? 総合的な下半身のパワー向上に対して 最適な単一の負荷よりも、広範囲の負荷を用いてジャンプスクワットをトレーニングする方が、より優れているかもしれない。単一の負荷にてトレーニングすることにより、股関節のパワーは最大値に至るまでトレーニングされないようである。1RMの0%および1RMの40%というように、少なくとも2つの負荷が好ましいであろう。 アスリートの垂直跳びを向上させるために アスリートは、股関節主導もしくは膝関節主導どちらかのジャンプスタイルを持つ傾向にある。ゆえにアスリートが好むジャンプスタイルにおけるパワーを向上させることに役立つ、適切な種類のジャンプスクワットの負荷を割り当てることは、彼らの垂直跳びのパフォーマンスを向上させるために重要である可能性がある。 特定のスポーツに対するパワー向上のために ジャンプスクワットに対する負荷を選択する前に、そのスポーツにおいて必要とされるパワーを特定することが重要であるかもしれない。例えば、最大パラレルスクワットにおいては膝関節トルクよりも、比較的より高いレベルの股関節トルクが関係しているということを考慮に入れると、パワーリフターにとって、約40%のジャンプスクワットの負荷において股関節のパワーを鍛えることは、1RMの0%の負荷において膝関節のパワーを鍛えることよりもより有益であるかもしれない。しかしながら、ここにおいてもこれは各個人のスクワットのスタイルに依存するようである。
ジャンプスクワットをトレーニングするために最適な負荷とは? パート1/2
ジャンプスクワットは、あらゆる種目のアスリートに対し、爆発的なパワーを向上させるために付加される、ほとんどのストレングス&コンディショニングプログラムへにとって人気のあるエクササイズである。また、大抵の研究者やコーチたちは、ジャンプスクワットの出力に対する最適な負荷が存在し、それは通常バックスクワットの1RMの0%である(無負荷、つまり自重のみ)ということを知っている。しかしながら、全体的な総脚力は1RM の0%において最大であるかもしれないが、それが股関節、膝関節、足関節のパワーが同じ負荷においてすべて最大であるということを意味しているわけではない。この論説ではクリス・ベアスリー(@SandCResearch)が、まさにこの論点を調査している研究論文の再考察を行う。 研究論文:ジャンプスクワットの際の身体および下半身の動力学に対する負荷の影響、モワール、ゴリー、デービス、グアーズ、ウィトマー、スポーツ生体力学、2012年 背景 パワーはスポーツパフォーマンスの重要な決定要因であり、エクササイズ、レップ及びセット数、回復期間、また1RMに対し使用する負荷により変化する。 使用される負荷に関して研究者たちは、一般的にこれはエクササイズにより幅広く異なるということを発見している。従来のレジスタンスエクササイズに関してシーゲル(2002年)は、スクワットの1RMの50-70%の負荷における最大出力、およびベンチプレスの1RMの40-60%の負荷における最大出力を報告している。同様にコーミア(2007年)は、ジャンプスクワットに対する最適な負荷は1RMの0%、スクワットに対しては1RMの56%、またパワークリーンに対しては1RMの80%であったということを発見している。 パワーを測定する際、ほとんどの研究は外部負荷に対し働く力に焦点を当てており、それは身体とバーベルの変位特性を参照することにより測定される。しかしながら、個々の関節もまた独自の出力を備えており、バーベルエクササイズに対する様々な関節トルクの相対的貢献が、負荷の増加に伴い変化するのと同じように、これらは外部負荷に正比例して変化するわけではない可能性がある。 研究者たちは何を行ったのか? 研究者たちは、ジャンプスクワットの際、股関節、膝関節、及び足関節における出力が、外部負荷の変化により同様に影響を受けるかどうかを調査したいと考えた。そこで彼らは、前年の間に定期的にレジスタンストレーニングプログラムに参加しており、また、フットボール、サッカー、野球を含むスポーツに携わっていた、レジスタンストレーニングを行う12名の男性を集めた。 研究者たちは、2つのテストセッションにおいて被験者からの様々な測定値を記録した。最初のセッションにおいて被験者は、1RMのパラレルバックスクワットを行った。次のセッションにおいて被験者は、彼らのバックスクワットの1RMの0%、12%、27%、42%、56%、71%、85%に相当する負荷のジャンプスクワットを、セット間に2-3分のレストを入れながら行った。 テストの際、研究者たちはフォースプレートを2台使用し床反力を測定した。彼らはまた、様々な主要な解剖学的指標に付けられた16の逆反射マーカーの動きを観察するようデザインされている、3次元(3D)動作分析システムを使用し、バーベルと関節の動きを測定した。 何が起こったのか? 強度テスト 研究者たちは、被験者のバックスクワットの平均1RMは181.8 ± 40.4kgであったと報告した。彼らはこれを平均体重と比較し、それが体重の1.81 ± 0.32倍であるということを発見している。ゆえに被験者たちは、決してストレングスアスリートというわけではなかったが、比較的よくトレーニングされていると見なされた。 ジャンプの高さ 研究者たちは、下記のグラフで示されているように、平均のジャンプの高さは負荷の増加に伴い有意に減少したということを報告している。これは予期されていたことであり、以前の研究結果と一致している。 外部出力 研究者たちは、下記のグラフで示されているように、平均の外部出力は負荷の増加に伴い有意に減少したということを報告している。これもまた、予期されていたことであり、以前の研究結果と一致している。 内部(関節)トルク 研究者たちは、股関節、膝関節、足関節におけるモーメントは、負荷の増加に伴い全て有意に増加したということを発見している。彼らは、股関節、膝関節、足関節のトルクの増加における有意な差違は記述していない。下記のグラフで示される通り、全ての関節トルクは同様に増加しているようである。 この結果はブライアントン(2012年)およびロレンツェッティ(2012年)による近年の調査と対比するものであった。両者はスクワットの負荷の増加に伴い、股関節および足関節のトルクは膝関節トルクに比べ、より急速に増加するということを発見している。
セラピストと膝関節内側の痛み
金曜日の朝、私はストレスフルな状況に置かれていました。片手に40ポンド(約18kg)のケトルベルを持ち、もう片方の手で50ポンド(約23㎏)のスーツケースを引きずりながら、空港内を走り回っていたのです。 この非効率的な荷重と支持されていないシステムが速度と合わさったとき、私がめったに経験しないあることが現れました:膝関節内側の痛みです。 ああ!たしかにーセラピストは完璧ではありません。 私は痛みを恐れはしませんー痛みで落胆することもありません。痛みはある種のギフトであり、知覚された脅威や不耐性がある可能性を警告する、システムの求心性表現なのです。 その島にはしっかりしたリハビリテーションの専門家がいなかったため、私は自力で何とかしなくてはなりませんでした。 私は、膝の痛みを抱える患者にいつも行う基本的なチェックリストを、一通り行いました。私はいつも、まずは局所的な部分から始め、それから全体的に、という順序でチェックします。 利用可能な運動面上において、膝及び股関節で大腿骨は何をしているか? とりわけ膝において、大腿骨が動きを持たない面で大腿骨が動こうとしているか? 足部―特に後足部―は、それら運動面に対し何をしているか? コアと反対側の肩は、それら利用可能な運動面と正常に同期して動いているか? 股関節では大腿骨は3つの運動面を持つため、私はまず股関節での大腿骨を評価しました。私は前額面上、すなわち横方向の動きに制限があることに気が付きました。 そこで同じ前額面上において膝で動きを出そうと、大腿骨が固定点を作り出したのだと悟りました。 唯一の問題は、膝は前額面では動かないということです。膝には前額面上の機能はありません。そのため、膝を前額面上で動かそうとすると、脛骨内側顆及び大腿骨内顆を走行する腱(それらの腱は滑液包によって骨から離されている)を傷める傾向があるのです。 これらの腱はすべて膝を屈曲させるため、膝関節屈曲の終末可動域は非常に痛むでしょう。また、ここには伏在神経膝蓋下枝があるため、この神経の炎症により、膝関節前方や膝蓋骨の下に広がる膝関節内側の痛みを生じる可能性があります。 さっそく私は仕事に取り掛かりました。 片脚の膝を立てたハーフ・ニーリングになり、膝関節を前額面上に固定した状態で、股関節の大腿骨内転に取り組みました。 私は足部をチェックし、よくコントロールされた後足部の回内によってこの動きが適切に支持されていることを確かめました。 それから、夫と一緒に長い散歩に出かけました。散歩中、膝を屈曲させすぎないようにしながら、股関節を3つの面上でうまく動かすことに集中しました。 翌日、私の不快感は95%なくなり、(膝関節屈曲を多く含む)ピストル・スクワットを再開させました。 評価と認知は、バイオメカニクス的な不一致によって生じる痛みを本当に改善することができます。 自分自身―またはほかのだれかーの膝の痛みを評価するセラピストのために、あといくつかヒントを挙げましょう: 股関節と足部がうまく動いているか、そして膝が動かないはずの面に入ろうとしていないかを確認しましょう。 股関節をしっかり意識してゆっくり歩くことにより、膝関節及び足部に対する股関節の動作パターンをより良くすることができます。 痛みを打ち消そうとしないでください。身体の現在の許容範囲を自分に教えるためのガイドとして、痛みを用いましょう。 膝関節の滑液包に直接圧力をかけないようにしましょう。滑液包にはすでに十分な圧力がかかっています。触ると痛いからと言って、それをわざわざ押す必要はないんですよ! 膝関節内側の痛みを、『内側半月板の痛み』と呼ぶのはやめましょう。内側半月板は線維軟骨性で、侵害受容器(痛みの受容器)はほとんどありません。あなたや患者の不快感が強いのは、滑液包炎または滑膜炎が原因である可能性がはるかに高いでしょう。 膝関節やその滑液包、そして伏在神経膝蓋下枝の解剖学的構造を見てみましょう。滑液包炎は、10段階中最も高い10程度の痛みを示すかもしれませんが、その診断は深刻なものではなく、良い動作によって比較的簡単に改善できるものであることを理解しましょう。 評価及び修正を裸足で行うことを検討しましょう。足部のダイナミズムが膝の動作にどのように影響するか、よく見てください。 すべての診療評価ツールを駆使して、原因となるものを特定しましょう。膝や膝の痛みの症状以外のものに目を向けることを恐れてはいけません。おかしくなんかありませんよ!
地面を基盤としたコアトレーニング パート2/2
地面を基盤としたコアエクササイズ 一週間少し前に、IFAST(著者のトレーニング施設)で、新しい遠距離のクライアントのトレーニングを見ていました。彼女には、まず矢状面の動きを習得してもらいたかったため、常に仰向け/地面を基盤としたコアエクササイズを、かなり多くプログラムに取り入れていました。
地面を基盤としたコアトレーニング パート1/2
「スポーツは立ってプレイするものだ!」 「立っていなければ、機能的ではない!」 「生活は3次元 - 回旋動作を忘れるな!」 ある程度の期間トレーニングを続けている人ならば、上記の一つ(あるいは全て)のようなを言葉を聞いたことがあるでしょう。 誤解しないでください – これらの文章には間違いなく正しい部分があります。 でも全てが正しいわけではなく、これは誰にでも当てはまることです。 では、なぜ地面を基盤としたコアトレーニングが多くのアスリートにとって良い考えであるのか、そして、ジムで今日から使えるエクササイズをいくつか紹介していきます。 コアトレーニングのプログレッション 私たちすべてにとって、最終的な目標は、実生活に役立つ「コア」エクササイズをすることです。 スクワット デッドリフト オーバーヘッドプレス これらについては議論の必要はないでしょう。でも、次のような疑問が浮かびます: クライアントは身体的にこのエクササイズをする準備ができているのか? クライアントはコアを安定させるのに最適な方法を身につけているか? 股関節屈筋や脊柱起立筋を主要筋として使い、伸展位に固まってしまっていないか? この状況は、「オープン」や「はさみ」姿勢と呼ばれるもので、身体の後面の筋群のみを使っているだけではなく、身体を安定させようとして、脊椎の後面(椎骨と椎間板)を押しつぶしてしまうため、理想的ではありません。 あなたやあなたのクライアントがこれに当てはまるのなら、コアを安定させる技術をしっかり築く必要があります。 典型的な、プログレッションの段階は下記のように表せます。 伏臥位/仰臥位 ・ 四つん這い ・ 片膝立ち/両膝立ち ・ 直立 見ればわかる通り、最終的な目標は立つこと、または、スクワット、デッドリフト、オーバーヘッドプレスのように垂直姿勢でのコアエクササイズを行うことです。同様の記事をこちらからも読むことができます。 でも、もしこれらのエクササイズにより痛みが生じるとしたらどうでしょう? あるいは単純に、効率が悪く、全然進歩できていないとしたら? そのときは、進めてきた段階を逆戻りするときだと思います。 片膝立ち、および、両膝立ちの姿勢は、代償動作を避け、最適な安定性のパターンを築かせるための素晴らしいポジションです。こちらは、両膝立ちのポジションや、片膝立ちのポジションが良く分からない方のための短いビデオです。 これでも上手くできない人がいます。指導をする際に、しつこくポイントを指導し続けなければならず、それでもなおできないという場合には、四つん這いのポジションに戻ります。 もし、四つん這いのポジションでもできないとしたら?それが、最初の一歩:うつ伏せと仰向けのエクササイズに戻るときです。 なぜうつ伏せや仰向けでのコアエクササイズをするのか? うつ伏せや仰向けでのコアエクササイズは、地面を通じて、外部からの安定性がかなり得られるため、理想的です。 考えてみてください。立位では、身体が空間のどこにあるかを感じることができる唯一の「外部」からの手がかりは、足です。足で感じることができなければ、身体がどこにあるかわかりません! 上記で紹介したプログレッションを逆向きに遡っていくと、身体が空間のどこに位置しているのかを理解するのに役立つ、外部から得られるフィードバックがどんどん増えていきます。 うつ伏せや仰向けのポジションは、外部からのフィードバッグがたくさん得られるだけでなく、外部からの安定性も得ることができるため、その際たるものです! 上記で述べたプログレッション(垂直姿勢、両膝立ち、片膝立ちなど)は、赤ん坊が最初の一年で経験する成長の過程にも当てはまります。私は、この分野の専門ではありませんので、詳細ついては、ビル・ハートマンやグレイ・クック、チャーリー・ウェイングロフらに任せたいと思います。 ここでのポイントは、まず矢状面の動きを習得することです。たとえば、テーブル上で、クライアントやアスリートを評価するとき、股関節の内旋が不足していたとします。 従来のアプローチでは、単純に内旋を増やすためのストレッチをして、動きを取り戻そうとします。これは、可動域は増えるかもしれませんが、靭帯や関節包のような受動的な制限を取り払った代償としてかもしれません! 私たちはよく、可動域の制限を見ずに、動きを制限している悪いスタートポジションだけを見てしまっています。 そこで、ストレッチをする代わりに、まずエクササイズの開始位置を変える、または、「リセットする」ことを試みてみます。これは、骨盤や腰椎をより理想的な位置に持っていくためです。こうすることにより、すぐに可動域が変わるのであれば、まずポジションを正す必要があるということがわかります。 かなり遠まわしな言い方になりましたが、関節(この場合、骨盤と腰椎)を通じて、理想的な矢状面の機能がなければ、前額面や水平面の可動域を十分に得ることは難しいでしょう。 次回の記事では、コアの前面を発達させるのに有効な、仰向けのエクササイズに重点をおきます。多くのクライアント(およびアスリート)は、様々な角度の、腰椎伸展/前傾がありますが、コアの前面が強く安定していれば、これを正し、伸展をうまくコントロールすることができるようになります。
コンディショニングでミトコンドリアの魔法を解き明かし、代謝を最適化する方法 パート2/2
ゾーンベースの心拍トレーニングの価値 量、強度、回復のバランスを取る最も簡単な方法は、すべてのメタボリックトレーニング中に心拍計を使用することです。 心拍数ゾーンは、1980年代前半から定常状態の代謝トレーニングの指針として用いられてきました。特に持久力の世界では、その傾向が顕著です。 ここ2、3年、「ゾーン2トレーニング」についての議論が活発になっています:これは過去15年近くに渡り私が広範囲に著述している重要なトピックです。 これは良いニュースです、メタボリックトレーニングは、単に高強度のインターバルを何度も繰り返すだけではありませんから。 しかし、遺伝や代謝、体力のレベルに応じて「ゾーン2」が異なることは一般的に理解されていますが、それが高強度トレーニングのやり方に反映されていないのが現状なのです。 定常状態トレーニングに限らず、あらゆるタイプのトレーニングは、自分自身の遺伝、代謝、フィットネスレベル、回復力に合わせて構築する必要があるために、これは問題になります。 それが、私がゾーンベースド・インターバル・トレーニング(ZBIT)という枠組みを作った最大の理由なのです。このモデルは、様々な強度のメタボリック・トレーニングを適切に行うために、より効果的で、より個別化されたアプローチを提供するために設計しました。 スタートポイントとして、低強度から最大心拍数まで、12種類のZBITメソッドを作成しました。 ゾーンベースド・インターバル・トレーニング(ZBIT)メソッド 3つの心拍数ゾーンは、私のモーフィアス・トレーニング・システム(詳しくはこちらをご覧ください)に基づくものです。 なぜ、高強度のみでなく、それ以上のものが必要なのでしょうか? 先ほど引用した研究とは別に、すべての心拍数ゾーンで幅広い強度と量を取り入れることが重要である理由はたくさんあります。効率的な代謝エンジンを構築し、パフォーマンスと長寿の両方を推進するためには、すべての細胞や組織の中にあるミトコンドリアを開発する必要がある、というのが最大のポイントの一つです。 低強度では、主に遅筋繊維と支持組織のミトコンドリアをターゲットにしています。強度を上げ、より多くの筋繊維を動員するようになると、より多くのミトコンドリアが適合し改善するために必要な代謝ストレスを受けることになります。 また、トレーニング中に直接働く筋肉以外にも、脳や心臓、肺などにあるミトコンドリアも、メタボリックトレーニング中はしっかり働いています。また、これらは容量も異なり、細胞の種類に特化して作られているため、様々な量や強度に反応します。 メタボリックトレーニングがパワフルなのは、筋肉だけでなく、全身の様々な細胞にポジティブな影響を与える可能性があるからだと考えることには価値があるでしょう。 メタボリックトレーニングや一般的な運動が、認知機能、健康な免疫システム、病気の予防、健康寿命の延長などと密接に関係しているのは、このような理由からなのです。 メタボリックトレーニングの量と強度がどれくらい必要かは、膨大な数の変数に依存しますが、それでも一般的なガイドラインを示すことができます。 数千人のモーフィアスユーザーの50万回以上のワークアウトとデータポイントを分析した結果、フィットネスレベルが異なる複数のセグメントの人々に共通する点があることがわかりました。 12週間にわたり心拍変動が増加し、安静時心拍数が減少した人は、代謝エンジンが改善したことを示すポジティブな兆候であり、一貫して以下の範囲のどこかに収まっていました: ブルーゾーン:200~300分/週 グリーンゾーン:40~50分/週 レッドゾーン:11~14分/週 もう1つ、私たちのデータが示した非常に重要な教訓は、12週間の間に測定値が悪化した人は、改善した人よりも高い強度で過ごす時間が長かったということです。 例えば、改善が見られたフィットネスレベルが中程度の人は、レッドゾーンで過ごす時間が週15分弱でした。一方、数字が下がった人は、同じゾーンに20分近くも滞在していました。 さらに、もともと最も高レベルの体力の人は、最も少ない時間(1週間あたり11分強)を最も高い強度で使っていたのです。 先ほどの論文や、20年以上にわたる私のコーチとしての知見を総合すると、高強度に関しては、多くを達成するために必要なのはほんの少しであり、多ければ良いというわけではない、というシンプルな真実が浮かび上がってきます。 ピースを組み合わせる:ミトコンドリアがあなたを助ける方法 ここまでのところで、もしあなたがまだ何らかの形でメタボリック・コンディショニングを一貫して行っていないのであれば、行うべきだということを納得していただけたと思います。 パフォーマンス、健康、長寿を大切に考えるなら、メタボリックコンディショニングは、単に筋力トレーニングの最後に加えるだけのものではありません。 たとえあなたのゴールが、単に筋力やパワーをつけることが目的であったとしても、そのためにはミトコンドリアが駆動する効率的でハイパワーな代謝エンジンが必要なのは明らかでしょう。 生命の根幹にあるのは、環境に適合する能力であり、それはミトコンドリアの魔法とその働きから始まります。 適合力が低下し始めると、すべてが衰え始め、老化現象が貨物列車のように加速していきます。多くの点で、老化とは、順応性が徐々に失われ、私たちの細胞の完全性が失われ、真に生きる能力が失われることにほかならないのです。 加齢とともに筋肉量や筋力が低下するのは、単にウエイトルームにいる時間が短かったからではなく、代謝能力が低下すると、筋肉量を支える能力も失われるからだという研究結果もあります。 筋肉は維持するために代謝的費用の高い組織であるため、代謝機能が低下すると、私たちの身体はそれを補うために筋肉量と筋力を落とし始めるというのは理にかなっています。 これはストレングストレーニングが重要でないということを意味するのではなく、間違いなく重要なものではあるのですが、生物学の全体像と水面下で起こっていることを理解することは、正しいトレーニングやライフスタイルを決定する上で非常に重要な鍵なのです。 世の中の研究やアドバイスの多くは、パズルのごく小さな1つのピースしか見ていないのですが、私達はすべてのピースがどのように組み合わされているのかを知る必要があります。 それが私がスタートし始めた理由なのです。 今後もご期待ください...
コンディショニングでミトコンドリアの魔法を解き明かし、代謝を最適化する方法 パート1/2
正直なところ、大学時代は生物学、生理学、有機化学の授業をこなすだけで精一杯でした。 テストに合格できるように、情報を暗記したのです。そして仕事に戻って、筋力トレーニングや身体組成の改善に関するあらゆることを学びました。 クレブスサイクルのようなものと、トレーニングの方法との間に、何の関連性も見いだせませんでした。 もしタイムマシンで当時の自分に話しかけられるとしたら、バカだなぁと自分に言い聞かせていることでしょう。 健康やフィットネスに関する本当の答えは、筋肉雑誌の記事や、トレーニングに関するほとんどの本にさえも載っていないということを理解するのに、何年もかかりました。 それらではなく、答えは私が当時ほとんど無視していた細胞生物学や生化学の教科書のページの奥深くに見つけられるものなのです。 なぜなら、DNAが環境(トレーニングも含む)とどのように相互作用して、私達の健康やパフォーマンスへと駆させるのか、あるいは遠ざけているのかを本当に理解することで、身体の真の可能性を引き出すことができるからです。 私は、大学の教科書でほとんど読み飛ばした科学と、世界のトップアスリートたちが人生で最高のシェイプになるのを手助けした方法、ひいてはそれがあなたの健康とフィットネスにとってどういう意味を持つのか、それらの点を結びつけることに全力を尽くすつもりです。 私達の知る生命の起源が、トレーニングのあり方にいかにつながっているのか 15億~20億年前のどこかで、酸素を使ってエネルギーを生み出すことができる古代のバクテリアの一種が、そうでない原始的な単細胞に飲み込まれました。細胞によって消化されるのではなく、細菌が常駐するようになり、私達が知っているような生命が可能になったのです。 そして、この細菌は時を経て、現在ミトコンドリアとして知られるものへと進化していきました。現在、あなたの身体には約1,000万億個のミトコンドリアが充満しています。合わせると体重の10%程度を占めています。 ほとんどの細胞には数百から数千個のミトコンドリアがあり、最も多いのは心臓の細胞で、1細胞あたりおよそ5,000個のミトコンドリアを持っています。 さらに興味深いのは、ミトコンドリアはもともと独立した細菌であったため、細胞核とは別に独自のDNAを持っていることです。 ミトコンドリアは生命維持に欠かせない存在であり、多くの人が知っているよりもさらに多くの理由があります。ミトコンドリアは、健康からパフォーマンスまで、あらゆる面で最も重要なカギを握っています。 それは、多くの人がミトコンドリアを単に「細胞の発電所」と考えているにもかかわらず、真実はもっと興味深いものだからです。 確かに、あなたが生み出すエネルギーの大部分はミトコンドリアで生成されますが、ミトコンドリアはそれ以上の働きをしています。 ミトコンドリアは、ATP(身体のエネルギー通貨)を生産する主要な場所であるだけでなく、以下を含む、全身の様々な重要な機能を担っています: テストステロンやエストロゲンなどのステロイドホルモンの合成 コルチゾールのようなグルココルチコイドの合成 細胞核と直接通信して遺伝子発現を制御 炎症プロセスおよび免疫機能の制御 カルシウムシグナリングと筋収縮の制御 フリーラジカルの生成 長寿に関連するサーチュイン酵素の活性化 細胞の成長・増殖 細胞死(アプトポス) 熱生産 なぜ、細胞の一つの構成要素が、代謝や生命維持に不可欠な多くの機能を駆動しているのでしょうか? 一言で言えば、「効率」です。 エネルギーの生産と、エネルギーの使われ方(エネルギー消費)の調節を、細胞の同じ構成要素の中で結びつけることは、非常に効率的です。 それが、ミトコンドリアを代謝のパフォーマンス、健康、長寿の重要な一部とします。 ミトコンドリアは、単なる無心なエネルギー生産工場ではありません。 そうではなく、常に細胞核に指示を出し、調整し、協力して、入ってくるすべての情報を統合し、身体全体でエネルギーを消費する方法を調節しているのです。 これが、ミトコンドリアをストレス反応管理の中心的な存在とし、遺伝子が環境と相互作用し、自分という人間を形成する方法を管理するものとします。 このプロセス全体と、その役割を果たす様々な遺伝的経路は、ある特定のタスクを達成するための終わりなき努力の一部です:環境におけるストレスに常に適合することで生命を維持するというタスクを。 この適合は、様々な形で行われます。 身体にかかるストレスの種類と時間によって、これらの適合は、筋力、免疫力、認知力などの重要な機能を駆動する、より効率的で高エネルギーな代謝につながる非常にポジティブな変化まで様々なものがあります。 あるいは、身体が耐えられる限界を超えた慢性的なストレスに直面すると、逆の方向に進んでしまうこともありえます。 ストレスが大きすぎると、時間の経過とともに、代謝やミトコンドリアの機能不全、筋力や筋肉の低下、炎症の増加、様々な一般的疾患のリスク増加などの問題が発生します。 だからこそ、超強力なミトコンドリア・マシンを作ることが、心身のあらゆるパフォーマンスを向上させるだけでなく、人生のストレスから身を守る唯一最善の方法となるのです。 といったところで、そのマシンを確実に作る方法についてお話しましょう。 ミトコンドリアの量と質を高めるために、メタボリックトレーニングが重要な理由 過去20年以上にわたり、研究とフィットネスにおける私自身の個人的な経験の両方において、メタボリックコンディショニングが、より長く健康的な生活とより良いパフォーマンスを推進するためのミトコンドリアマシンを構築するための、唯一で最も強力かつ重要なツールであることを一貫して示しています。 なぜなら、このようなトレーニングは、細胞が運動するために必要なエネルギー量を劇的に増加させるため、細胞に高い代謝ストレスを与えるからです。 次に、このストレスは、代謝効率とエネルギー生産能力を向上させる遺伝子発現の変化をもたらすシグナル伝達経路を誘発します。 驚くなかれ、ミトコンドリアはこのような変化の中核を様々な方法で担っているのです。 メタボリックトレーニングは、細胞内のミトコンドリアの数を増やすことは多くの人が知っていますが、その質も高めるということはあまり知られていません。 これは、ミトコンドリア品質管理(MQC)と総称される、以下のような複雑なプロセスによって起こります: ミトコンドリアの融合が進み、筋繊維にまたがる細長いミトコンドリアの広大なネットワークが形成される(下図参照) ATPの大部分が作られる電子伝達系(ETC)の効率を向上させる遺伝子を制御するサーチュイン酵素の活性化 機能低下したミトコンドリアのマイトファジー(分解・リサイクル)の増加 画像の出典はこちら:Rafael A. Casuso, Jesús R. Huertas, The emerging role of skeletal muscle mitochondrial dynamics in exercise and ageing, Ageing Research Reviews, Volume 58, 2020, 101025, ISSN 1568-1637 これらの変化は、ミトコンドリアのマシンをより良く、より高性能にするものです。同じエネルギーを作るのに、より少ない酸素で済むようにします。 これはまた、必要なときにエネルギー生産をさらに高いレベルに引き上げる能力を持っていることを意味します。この能力は代謝予備と考えることができ、フィットネスの目標が何であれ、非常に価値のあるものです。 またさらに、より良いインスリン感受性、脂肪酸化の促進、炎症レベルの低下、DNA損傷(核とミトコンドリアの両方)の減少など、長寿やパフォーマンス向上のためのさまざまな利点が得られます。 しかし、ここで重要なのは、これらの非常に重要な変化は、代謝性ストレスの量を適切に設定することによってのみ起こるということです。 スーパーミトコンドリアを作るのに威力を発揮する代謝ストレスも、やり方を間違えると逆にミトコンドリア機能不全を引き起こすことがあります。 最近の論文では、高強度のメタボリックトレーニングを、身体が回復できる量以上に行った場合に、どのようなことが起こるかを調べています。 研究の最初の3週間、研究者達は高強度トレーニングの量を増やし、同時にミトコンドリアと代謝機能全般に関するさまざまなマーカーを測定しました。 4週目には、回復のためにボリュームを大幅に減らしました。 この図からも明らかなように、高強度のメタボリックトレーニングが多ければ多いほど良いというわけでは決してありません。身体が必要とする量には上限があり、それを超えるとミトコンドリアや代謝全体に影響が出ます。 そのため、ミトコンドリアと代謝性能を高めるためには、全体的に適切な量の代謝トレーニング、すなわちボリュームと強度の配分を得ることが絶対に重要なのです。