臨床テストプロセス(CAP)の説明

“計測なくして管理はできない” LAのスポーツ&スパインで私達は、全てのテストとエクササイズにFMSのスコア0~3を使います。Pr. ヤンダは私に “全てのエクササイズはテストである” と教えてくれました。 静的(例:姿勢)や動的機能(例:動作)を評価する際、そのポジションや動作に痛みがあるかどうかをチェックします(スコア=0)。もし痛みがないのであればその動作に顕著な代償作用を伴っているか(スコア=1),軽度の代償か(スコア=2)、又は完璧(スコア=3)であるかを評価します。スコアリングの定義はFMSとグレイ・クックの書籍からそのまま適用しています。 クリニックやジムでは、トレーナーと医療専門家の間でスコア1と2の違いにおいて “一致した”基準が設定されているでしょう。これはチームワークと”頭のトレーニング”のためにも良い機会です。もし皆さんが、介入やプログレッションの為には何が大切かをチームとして理解していれば、それはとても有効なものとなるでしょう。 テストはエクササイズがその患者/クライアント/アスリートにとって悪影響になると判断する前に、どの程度の代償動作まで許すのかというあなたの見方に反映されます。当然 “完璧なチェック”を求めているわけではありません。レベットは “完璧な動作パターンを教えるのではなく、問題を引き起こす原因となる欠点を修正しなさい。” と言っています。 どこで “鍛えるか、家に帰るか”を生かすのか? その点を考慮するならば、どのタイミングでその人が次のステップに進むのかを理解する必要があります。これは効率化へのキーとなるのです。例えばその人が筋力強化に進む準備ができているにも関わらず、私達がまだモーターコントロールに力をいれているのならば、これはその人の進歩を妨げていることになります。より良くないのは、もしも彼らのVAS(痛みのスコア)が仮に7/10から3/10に軽減したのでADLやスポーツ活動に復帰し、私達がムーブメントパターン能力(ピラミッドの土台)の為にモーターコントロールのトレーニング「だけ」をしていたら, 許容量(ピラミッドの真ん中)増加のためにストレングス&コンディショニングトレーニングが必要な彼らにとってはリスクになるかもしれないということです。 トレーニングピラミッドは私の新しいファンクショナルトレーニングハンドブックの基礎になっています。どんな人でも ー アスリートでなくても ー 耐久性はストレングス&コンディショニングから養われます。 従来の考え:多ければ多い程良い? アスリート達は皆、競技においてのトレーニングの重要性を理解しているのでタフで屈強です。もちろんこれが ”機能不全を鍛えて良い”理由にはなりません。ですから、どのくらいのモーターコントロールがあれば十分なのかという明確な基準が必要なのです。Pr ヤンダは動作パターンの質を見て代償動作を見極める先駆者でした。より多くを詰め込むこと(i.e.セット数、レップ数、負荷)は良い結果には繋がらないばかりか、使いすぎ症候群へと繋がる誤ったパターンを強化することになるでしょう。 厳密な線引きは所属するクリニックや施設次第ですが、基本的な部分ではオフィス内で意見を共有すべきです。最終的には全て結果次第です。エクササイズの流れは個別化されなければいけません。決して “少なすぎて遅すぎ”ても “多すぎて早すぎ”でもいけません。変化を与える為にはストレスが必要です。変化を起こして目標を達成することは患者やクライアント、アスリートに極上の充実感と満足感を与えてくれるのです。ハードなトレーニングと十分なリカバリーをモットーとすべきです。 なぜプロセスが重要なのか? EXOSのニコル・ロドリゲスは私達に “モーターコントロールとパフォーマンスを向上させる為には、トレーニング/スポーツ現場においてリアルタイムで対処すること” が必要であると言っています。これがプロセスです。臨床テストで何が機能を向上させて感度を低下させるのかは誰も知りません。だからテストが必要なのです。しかし、これは基本のルールがないという意味ではありません。もしポジティブパッシブ、あるいは非荷重テストでモビリティの低下が疑われたのであれば、そこで短縮した部位を最初にリリースすることは良い “基本原則”になります。 例としてあげると: スクワットの際の足首のモビリティー制限 ブリッジにおける短縮した股関節屈曲筋または大腿直筋 上肢の挙上の際の硬い上部胸椎の後湾などを含みます 共同筋もまた不適切なムーブメントパターンの原因となります: 上肢挙上の際の過剰な肩のシュラッグ動作 下肢の伸展の際の過剰な脊柱起立筋群 頭部を挙上する際の過剰な胸鎖乳突筋の活動 患者の一人一人はユニークであることから、機能的で結果に基づいたアプローチをすることは大切です。エビデンスに基づいたアプローチは重要ですが、あくまで一般的で全員にあてはまるわけではありません。これらは何をすべきかより、何をしてはいけないかを教えてくれるものです。ジムやクリニックではN=1、つまり各個人への対応が必要です。これには個々のアクティビティ/パフォーマンスのゴールや足りない能力、またはスタビリティ不足に対応できるファンクショナルアプローチが最良です。 テストを鍛えない (グレイ・クック) “全てのエクササイズはテストである”ことから、テストをトレーニングすることに流されがちになります。しかし、上記のスクワットの例で述べたように、正しいスクワットのメカニクスをキューイングするよりも、足首の可動域を向上することがキーになるかもしれません。 もしエクササイズを試してスコアが1だった場合、そこで弱点のリセットに繋がるより生態学的に有効な動作に着目します。 例えば: シングルレッグブリッジで抗回旋に問題があれば、パラフプレスを行うかもしれません。 不安定なシングルレッグデッドリフトでは、股関節後方の関節包を伸ばすかもしれません。 T4の伸展制限があればスクワットをさせるかもしれません。 スクワットに問題があればデッドリフトをさせるかもしれません。 これは決してテストを鍛えてはいけないという意味ではありませんが、リアクティブに “剝ぎ取る”のみです。 例えば不安定なオーバーヘッドスクワットならばゴブレットかウィンドウパンスクワットをするでしょう。 覚えておいてほしいのは、これらはただのガイドであって、セオリーよりも結果が重要だということです。ですが、多くの問題解決策は沢山のムーブメントパターンとスポーツ動作のキネティックチェーンを理解した時に浮き彫りになってきます。 要求と能力の溝を埋める 評価 –コレクト –再評価のプロセスは、患者/クライアント/アスリートのゴールに対しての謙虚な姿勢と献身性が要求されます。デ・カルモが言うように私達は詳細な既往歴からその人が要求されている活動は何かを学ばなければなりません。そこから、私達のテストで彼らの可能性(能力&ポテンシャル)が何かを学ぶべきなのです。この “小さな成功の積み重ね”作業こそが運動能力向上の最善の基準なのです。 パフォーマンストライアングル: -要求の分析 -要求を満たす為のアスリート達の能力の分析 -上達への手助け ~シモン・ド・カルモ チームスカイ(イギリスのサイクリング)で、パフォーマンス向上における最先端にいるデイブ・ブレイルスフォードの言葉です。 “成功の積み重ねが終わる事はありません。それら全ては継続的な成長により作られているのです。そこに終わりはありません。” 未来を予想するのは損をするギャンブルである タレブの著書、「アンチフラジャイル」によると、特定の災害を予測することはできませんが、壊れやすい物を識別してより強固にすることはできます。 患者やアスリート達は、彼らが壊れやすいと考えれば、そうなってしまいます。身体の防衛反応は正常なものですが、しばしば身体に記憶されてしまいます。これが逃避反応を誘発して、痛みに対する弱さや再受傷に対する恐怖への解決策を妨害してしまうのです。 医療的な “赤旗”を消去できたら、私達のゴールはハードウェア –構造的な問題や過去の怪我、ではなくソフトウェア –機能的な問題、が本当の “サイレントキラー”であることを証明する為の機能的検査を提供することです。これによって、人々を安心させ、不必要な介入や結果として起こる医原病を避けることを助けます。 分類, または診断においての最初の基本的な役割は、主に病理を扱うか、又は機能不全を扱うかどうかである”–レベット’94 “技能を学べば、芸術を習得できるでしょう” あなたの “チーム”全員が、どのように評価とコレクティブエクササイズを高いスキルで遂行できるかを把握していることは重要です。加えて、1と2のスコアの基準に賛同できれば同じ目線に立てるでしょう。 一度ハイクオリティの技術と方法を得れば、目標に達成する為のサービスに組み込むことができます(1を2に変換することで昨日は向上し、感度(スコア0)は減少するでしょう)。私達は決して “プロトコルの言いなり”ではありませんが、患者やアスリートの立場に立った個人プログラムは評価の過程によって決定されます。 ゴールは、スコア1(痛みの無い機能不全)からスコア2への移行で、そこから痛みのサイン(スコア0)の感受性を検査します。これによって患者/クライアント/アスリートはDr.レベットの言葉 “症状を治療する者は道に迷う” の真の意味を学ぶのです。さらに驚くべきことは、機能的な “リセット”は身体の構造的、又はハードウェアの問題がその人の痛みや動作制限の全ての原因でないことを証明しているということです。多面的なファンクショナルアプローチはモータープログラムに “入り込んで”私達の身体を最適化させます。 これはコレクティブエクササイズアプローチでもなければ用心深いトレーニングでもありません。 皮質の可塑性は剰余適合を引き出す入り口となるのです。ATCのグード・バン・リッセムが言うように “多様性がCNSの潤滑剤となるのです”。

クレイグ・リーベンソン 4353字

サイドラインでの肩外旋エクササイズ注意点

サイドラインでの肩外旋のエクササイズは、回旋腱板の後ろ側の筋活動のために効果的なエクササイズです。このエクササイズのセットアップでよく見られがちな間違いのポイントをエリックがシェアします。

エリック・クレッシー 2:13

ケトルベルトレーニングの生体力学 パート2/2

ケトルベルエクササイズの動力学 序論 ケトルベルエクササイズにおける動力学(力、負荷、モーメント)の評価はいくつか存在する。一般的には2つの分野の研究がある。第1に、一部の研究者のグループは、ケトルベルトレーニングはある場合においては痛みを軽減し、他の場合には痛みを生じ得るという事例報告(マクギルおよびマーシャル、2012年)を基に、ケトルベルエクササイズの脊椎負荷、およびそれに続く可能性のある腰痛に対する影響に興味を持った。この点において1つの研究が、ケトルベルトレーニングのプログラム後における、臨床的に関連する首、肩、および腰の痛みの軽減を報告している(ジェイおよびその他、2011年)ということは興味深いことである。第2に、他の研究者たちのグループは、ケトルベルエクササイズが従来のエクササイズと同様の力、パワー、及びインパルスを生み出すのかどうか、また力の方向(垂直対水平)が異なるのかどうかを調査した(レイクおよびローダー2012年b、レイクおよびその他、2014年)。今日、水平力生成はスプリントパフォーマンスにおいて非常に重要であると広く認知されているため(ランデルおよびその他、2010年の総説を参照)、力の方向は、スプリンターを指導するストレングス&コンディショニングコーチにおいて特に重要である。 脊椎負荷 一般のケトルベルスイングにおける脊椎負荷の特質は、主にせん断および圧迫負荷の間の大きな差違のため、従来のレジスタンストレーニングエクササイズにおいて報告されているものとは大幅に異なるようである。マクギルおよびマーシャル(2012年)は、圧迫負荷はスイングの下の部分において3,195Nであり、せん断負荷は461Nのみであったということを報告している。ケトルベルスナッチにおける圧迫およびせん断負荷は、スイングにおいて報告されていたものと非常に類似しているということが発見されている(マクギルおよびマーシャル、2012年)。 力およびパワー 序論 アスリートは優れたパフォーマンスのために高いレベルの筋力を必要とする。しかし彼らはまた、この力を迅速に使うことができる必要がある。ゆえに、パワーはスポーツ特有の速度において力を産出する能力を示す能力であるため、アスレチックパフォーマンスを決定するために筋力よりも重要であると考えられることが多い。アスリートにおいてパワーを発達させるための最も一般的なバリスティックレジスタンストレーニングエクササイズは、バーベルジャンプスクワットである。ジャンプスクワットは、バーベルを持ちながら床から離れるため、アスリートに相当量の床反力を迅速に発生させることを要求する。大きな力と組み合わさったこの速い速度は高い出力と関連するために、ストレングス&コンディショニングコーチは、彼らのプログラムの中で常にバーベルジャンプスクワットを使用している。 ケトルベルスイング:出力 ケトルベルスイングとジャンプスクワットの出力を比較することは、アスリートの発達におけるケトルベルトレーニングの実用性を評価する一つの方法である。レイクおよびローダー(2012年b)は、16kgから32kgの負荷におけるヒップヒンジケトルベルスイングの際の出力を調査し、1RMの0-60%の負荷におけるジャンプスクワットと比較した。ジャンプスクワットの際の出力は、予想していた通り無負荷において最大化し、一方ケトルベルスイングの際の出力は32kgにおいて最大化した。ケトルベルスイングとジャンプスクワットの出力の比較は、ジャンプスクワットの出力がより大きい傾向にあった(3,281 ± 970対3,468 ± 678W)にもかかわらず、この2種類のエクササイズの間に有意な差違はないということを特定した。ゆえにケトルベルスイングはパワーベースのプログラムに含むものとして適切であるかもしれないということが示唆されている。 ケトルベルスイング:パワーのために最適な負荷 ほとんどの研究は、通常のバーベルジャンプスクワットの際、出力を最大化する負荷は一般的に無負荷であるということを報告している。(例:コルミエおよびその他、2007年)。これは最大動的出力(MDO)仮説に通じており、下半身の筋肉は、高負荷と比較し、無負荷(例:体重)の垂直跳びにおいて、最大出力を産出するように発達したということを示唆していると提議している(ヌッツォおよびその他、2010年)。興味深いことに、ヘックスバーデッドリフトジャンプを行うことにより重心の位置をずらすことは、この負荷を1RMの約20%まで増加するようである(スウィントンおよびその他、2012年、ターナーおよびその他、2014年)。さらに、それぞれが出力に最適である負荷を使用した場合、通常のバーベルジャンプスクワットと比較し、ヘックスバーデッドリフトジャンプを使用した出力はより大きいようである(スウィントンおよびその他、2012年)。なぜヘックスバーデッドリフトジャンプが体重よりも重い負荷において出力を最大化するのかは明確ではないが、動作の際の関節角度の位置と関連がある可能性がある。明らかに、ケトルベルスイングが無負荷において最大出力を産出することは起こりそうにない。にもかかわらず、出力を最大化する明確な負荷はいまだ明らかではない。レイクおよびローダー(2012b)は、より重いケトルベル(32kg)は軽いケトルベル(16kg)と比較し、ヒップヒンジケトルベルスイングエクササイズの際により高い出力を産出するということを発見している(3,281 ± 970対2,371 ± 708W)。さらに重いケトルベルはより大きな出力を含むのかどうか(またパワーのための最大負荷はどこであるのか)は明確ではない。この分野の研究は、(1RMの割合に適合しないため)ケトルベルの相対負荷を測定するための標準の欠如により妨げられてしまうようである。 ケトルベルスイング:インパルス 一部の評論家たちは、エクササイズの特性を決定するために、出力は他の短期の力学的変数ほど有益ではないと示唆している(クヌッドソン、2009年)。この点においてインパルスは、適用された力の程度および時間の両方に関する情報を提供するとして、より優れた測定値であるということが提議されている(クヌッドソン、2009年、レイクおよびローダー、2012年a)。インパルスは、スポーツパフォーマンスに転換するエクササイズに関し幅広く研究されてはいないが、それが線形運動のベクトル変化を生み出すものであるということに留意することは重要なことである。特にスプリントの推進力は異なる能力を持つアスリートを識別する能力を持っていると考えられている(ベーカーおよびニュートン、2008年、バールおよびその他、2014年)。ゆえにケトルベルスイングおよびジャンプスクワットの際のインパルスを比較することは、アスリートの発達におけるケトルベルトレーニングの有益性を評価するもう一つの方法である。レイクおよびローダー(2012年a)は、16kgからの32kg負荷におけるヒップヒンジケトルベルスイングの際のインパルスを調査し、1RMの0 – 60%の負荷におけるジャンプスクワットのインパルスと比較した。ジャンプスクワットの際のインパルスは、1RMの40%において最大化し、一方ケトルベルスイングの際のインパルスは、32kgの負荷において最大化した。ケトルベルスイングの際の最大インパルスとジャンプスクワットの際の最大インパルスの比較は、ケトルベルの方が優れているということを明らかにした(276 ± 45対231 ± 47Ns)。これは、ケトルベルスイングはジャンプスクワットと比較し、より大きな推進力の変化を伴い、スポーツ特有の妥当性を持つ可能性があるということを示唆している。より重いケトルベルがより大きなインパルスの生成を含むかどうかは明確ではない。 ケトルベルスイング:加力の方向 ケトルベルスイングの際の床反力の水平および垂直要素は、ジャンプスクワットの際のものとは異なる。レイクおよびローダー(2012年a)は、ケトルベルスイングは、ジャンプスクワットと比較し、水平力の要素がかなり高かったということを観察している。これは、ケトルベルがスイングの初めにおいて股関節伸展により水平前方へ勢いよく放り出されるためであるかもしれない。ゆえにヒップヒンジケトルベルスイングは、スプリントのような水平推進力を産出するための股関節伸展を含む特定のスポーツ動作への適用があるかもしれない(ランデルおよびその他、2010年を参照)。それゆえヒップヒンジケトルベルスイングはアスリートにおけるスプリントパフォーマンスを発達させるために有益である可能性がある。 ケトルベルスイング:スナッチとの比較 ケトルベルスナッチもしくはケトルベルスイングのどちらの方が、ストレングス&コンディショニングの専門家による使用により適しているのかどうかを評価するため、レイクおよびその他(2014年)は、各エクササイズの機械的要求を比較した。彼らは、2つのエクササイズは、水平および垂直要素の機械的要求に関し、非常に類似していたということを発見している。特に彼らは、ケトルベルスナッチと比較し、ケトルベルスイングは有意により大きな水平動作、水平パワー、水平制動および推進インパルス、そして水平制動および推進床反力を含んでいたと記述している。これは、ケトルベルスイングは、スプリントのようにスポーツ特有の速度における水平力の産出を必要とする適用に対し、より優れている可能性があるということを示唆している。 ケトルベルに関する結論 ケトルベルは、他のエクササイズと比較し、関節可動域の異なるポイントにおける最大筋活動を含むようであり、有益な補足のトレーニング方法である可能性がある。 ケトルベルスイングは、内側ハムストリング力、股関節伸展における大臀筋の最大活動、およびより大きな水平力産出というようなスプリント能力を向上するために有益であるいくつかの特性を示している。

ストレングス・コンディショニング・リサーチ 4233字

ケトルベルトレーニングの生体力学 パート1/2

目的 一般的なケトルベルエクササイズのアスレチックパフォーマンスへの最適な転換の方法を確立するために、その生体力学を評価すること。 ケトルベルエクササイズの背景 序論 ケトルベルエクササイズの種類 ケトルベルエクササイズはバリスティックにもノンバリスティックにもなり得る。ケトルベルエクササイズは、筋力よりもパワーを発達させるためにより有益であるようであるということを考慮に入れると、ノンバリスティックエクササイズと比較しバリスティックケトルベルエクササイズは、アスリートに対しより有益であるようである。最も一般的なバリスティックケトルベルエクササイズの種類はスイングとスナッチである。 ケトルベルスイングの種類 ケトルベルスイングには、ヒップヒンジスイングおよびスクワットスイング(マシューズおよびコーエン、2013年による総説を参照)の2つの主な種類がある。これら2種類の特性は、下半身の筋肉の関与に関して異なると考えられている。ヒップヒンジスイングは、デッドリフトと同様の筋動員のパターンにつながると考えられている一方で、スクワットスイングはスクワットと同様の筋動員のパターンを含むと考えられている(マシューズおよびコーエン、2013年による総説を参照)。ゆえにヒップヒンジスイングは主にハムストリングスおよび大臀筋に働きかけると考えられており、スクワットスイングは大腿四頭筋および大臀筋を鍛えると考えられている。ゆえにヒップヒンジスイングは、よりスポーツ特有の速い速度においてハムストリングを鍛えることが可能であるため、ストレングス&コンディショニングコーチにとって非常に有益である可能性がある。 ケトルベルエクササイズの筋電図検査(EMG) 序論 筋電図検査(EMG)は、筋肉における神経活動もしくは随意活性化のレベルを検出するために使用する方法である。随意活性化は、筋動員の程度および運動単位の発生頻度の両方による影響を受け、疲労していない筋肉における筋力と密接に関わっている。研究者たちは、単発のトレーニングセッションにおけるエクササイズの際の筋肉内の筋電図活動は、その筋肉における潜在的な長期的適応を示しているということに概ね合意している。ゆえに筋電図検査の研究は、どのようにケトルベルエクササイズが運動能力の発達において、もしくは一般的なエクササイズとして最適に使用されることが可能であるのかということを評価する有益な方法を示している。 ハムストリングスの筋電図活動 序論 今日までに2つの研究のみが、ケトルベルエクササイズの際のハムストリングスの筋電図活動を報告している(マクギルおよびマーシャル、2012年:ゼイビスおよびその他、2013年)。マクギルおよびマーシャル(2012年)は、スクワットスタイルケトルベル片手スイング、キメを伴うスクワットスタイルケトルベルスイング、スクワットスタイルケトルベルスナッチ、ケトルベルラックキャリー、およびケトルベルボトムスアップキャリーの際の大腿二頭筋の筋電図活動を評価した。各エクササイズに対し、若年で健康であるがトレーニングされていない男性被験者は、16kgのケトルベルを使用した。ゼイビスおよびその他(2013年)は、ヒップヒンジケトルベル両手スイング、およびケトルベル以外の様々なエクササイズの際の大腿二頭筋および半腱様筋の両方を評価した。若年で健康なレジスタンストレーニングされている女性被験者は、彼女たちの筋力レベルに応じ、各エクササイズに対し12Kgもしくは16Kgのケトルベルを使用した。大腿二頭筋の筋電図活動は、最大随意等尺性収縮(MVIC)の93 ± 31%に到達し、一方半腱様筋の筋電図活動はより高いレベルであるMVICの 115 ± 55%%に達した。対照的に、マクギルおよびマーシャル(2012年)は、ハムストリングスの筋電図活動は、股関節の筋組織(大臀筋および中臀筋)と比較し、スクワットスタイルケトルベル片手スイング、キメを伴うスクワットスタイルケトルベルスイング、スクワットスタイルケトルベルスナッチ(MVICの32.6%、39.7%、および29.8%)において比較的低かったということを発見している。これらの差違は、使用されたケトルベルスイングの種類の結果であるようである(マシューズおよびコーエン、2013年による総説を参照)。 内側および外側ハムストリングス ケトルベルスイングの際の半腱様筋(内側ハムストリング)の筋電図活動は、大腿二頭筋長頭(外側ハムストリング)の筋電図活動と比較し、より大きかったようである(ゼイビスおよびその他、2013年)。ゼイビスおよびその他(2013年)は、ヒップヒンジスタイルケトルベル両手スイングの際、大腿二頭筋の筋電図活動はMVICの93 ± 31%に達し、半腱様筋の筋電図活動はMVICの115 ± 55%というさらに高いレベルに達したということを報告している。ハムストリングスはスプリント能力のために重要であり、またスプリントの動作も外側ハムストリングの筋電図活動と比較し、より高い内側ハムストリングの筋電図活動を含むため(イェンハーゲンおよびその他、2007年、ヒガシハラおよびその他、2010年)、ケトルベルスイングは、最適なハムストリングの発達のためにスプリントプログラムに含む価値があるかもしれない。 ハムストリングス内の部位 研究者たちは、高い股関節屈曲角度におけるケトルベルスイングの際、ハムストリングスの筋電図活動は最大である一方で、(ノルディックカールのような)他の多くの一般的に行われるハムストリングスエクササイズの際、筋電図活動は低い股関節屈曲角度において最大であったということを観察している。(ゼイビスおよびその他、2013年)。これは、ケトルベルスイングは他のエクササイズとは異なる場所における局所肥大をもたらすかもしれないということを意味している可能性がある。局所肥大は、既定のエクササイズパフォーマンスの際、筋活動が起こる場所に依存していると考えられている。例えばワカハラおよびその他(2012年)は、レジスタンストレーニングワークアウトの際の上腕三頭筋のある部分における筋電図活動は、長期のプログラム後における同一の場所の局所肥大と関連があったということを報告している。更に同じ筋肉をターゲットとした異なるエクササイズは、その筋肉の異なる場所における筋電図活動をもたらすと考えられている(メンディグーシャおよびその他、2013年)。実質的に、ケトルベルスイングを使用しハムストリングスを鍛えることは、その筋肉の他の部分における局所発達を強調し、それにより部分的な弱さの無い全体的により優れた筋肥大を確保することにより、その他のエクササイズへの有益な補足を提供することが可能である。 大臀筋の筋電図活動 序論 今日まで1つの研究のみが、ケトルベルエクササイズの際の大臀筋の筋電図活動に関する報告をしている(マクギルおよびマーシャル、2012年)。マクギルおよびマーシャル(2012年)は、スクワットスタイルケトルベル片手スイング、キメを伴うスクワットスタイルケトルベルスイング、ケトルベルラックキャリー、およびケトルベルボトムスアップキャリーの際の、大臀筋の筋電図活動を評価した。各エクササイズに対し、若年で健康であるがトレーニングされていない被験者は16kgのケトルベルを使用し、マクギルおよびマーシャル(2012年)は、大臀筋の筋電図活動は他の筋肉と比較し、スクワットスタイルケトルベル片手スイング、キメを伴うスクワットスタイルケトルベルスイング、スクワットスタイルケトルベルスナッチにおいて比較的高く(MVICの76.1%, 82.8%,58.1%)、またスイングはスナッチと比較し、より高い筋電図活動を示していたということを発見している。 大臀筋内の部位 ケトルベルスイングは、股関節の完全伸展に近いスイングサイクルの後半において、大臀筋の最大電図活動を含むようである(マクギルおよびマーシャル、2012年)。一般的に使用されているほとんどのレジスタンストレーニングエクササイズは、おそらくより深い角度における大きな股関節伸展モーメントにより、最大股関節屈曲において大臀筋のより大きな筋電図活動を含んでいるため(カテリサーノおよびその他、2002年、エスカミーリャおよびその他、2002年)、これは重要な発見である。実質的に、ケトルベルスイングを使用し大臀筋を鍛えることは、その筋肉の他の部分における局所的な発達を強調し、それにより部分的な弱さの無い全体的により優れた筋肥大を確保することにより、その他のエクササイズへ有益な補完物を提供することが可能である。更に、大臀筋は、より大きな股関節屈曲において収縮する場合と比較し、股関節の完全伸展において収縮する場合により大きな筋電図活動に達することが知られている(ウォーレルおよびその他、2001年)。ゆえにケトルベルスイングは、より大きな股関節屈曲において最大収縮を含むジャンプスクワットと比較し、高速で大臀筋を鍛えるためのより優れたエクササイズであり得る。

ストレングス・コンディショニング・リサーチ 3867字

グラウンドからスタンディングエクササイズの効果

フィットネス業界では、死亡リスク予測に心血管系の改善を用いるのが一般的ですが、死亡リスク予測のための筋骨格系の改善に関する情報は限られています。 脚力は死亡率予測のために試みられていますが、いくつかの交絡変数があり、普遍的に適用できるものではありません。 同様に、椅子の立ち座り試験も、脚力試験より実用的ではあるものの、死亡リスクを一貫して予測するのは困難な多くの制限要因があります。 前回の記事で、傷害リスクの指標として筋力、柔軟性、神経支配力を比較したところ、神経支配力の欠如が最も良い指標であることがわかりました。 しかし、筋力や柔軟性の不足からくるケガがないとは言い切れません。 ブラジルの研究者チームによって考案された「Sit and Rise」テストは、European Journal of Preventive Cardiologyに掲載され(こちら)、どのくらい長く生きられるかの予測、またはより正確にはどのくらい長く生きられないかの予測に役立つことが証明されています。 テストは簡単で、立った状態から床に座り、また手を使わずに立った状態に戻る(可能であれば)というものです。 テストの点数は、床に触れて補助(手や膝)をした回数でカウントされます。 ブラジルの研究では、51歳から80歳までの2002人の男女が平均6.3年間追跡調査されました。 両手と両膝を使わないと立ち座りできない人(中高年を問わず)は、支えなしで立ち座りできる人に比べて、6年以内に死亡する確率が約7倍も高かったのです。 テストによって測定された彼らの筋骨格系の体力は不足していました。 そして、筋骨格系のフィットネスは、とても重要であることがわかったのです。 "有酸素運動による体力が生存率と強く関係していることはよく知られています。"と、研究著者であるリオデジャネイロのガマ・フィリョ大学のクラウディオ・ジル・ソアレス・デ・アラウージョ教授は述べていますが、"我々の研究は、身体の柔軟性や筋力、協調性を高いレベルで保つことも平均寿命に好ましい影響を与えることを示している "ともしています。 その影響は十分にあり、立位から座位への移行を練習する価値はあります。 では、そのためにどのような練習をすればいいのでしょうか。 ジムでは「床から立位へ」の練習をする機会が多く、個人の最終目標に関係なく、どんなルーティンにも取り入れることができます。 以下に、私のお気に入りの「床から立位へ」のエクササイズをいくつか挙げておきます。 ターキッシュ・ゲットアップ ターキッシュ・ゲットアップは、私の一番のお気に入りです。 途中でウエイトを上に保ちながら、寝転んだ状態から立ち上がるまでの一連の動作を正確に行うものです。 この動きは、多くの筋膜ラインと立ち上がりのバリエーションでよく使われるポジションを強化するものです。 さらに、片腕の使用を制限することで、制約に基づく学習の手がかりとしても非常に有効です。 この動作には負荷がかかり、実行が少し難しいので、各ステップの最適なポジションを指導してくれる良いコーチを見つけるようにしてください。 FTIのマスターファンクショナルトレーナープログラムは、各ステップを丁寧に説明し、また、誰かに指導する方法も教えています。 90/90 ゲットアップ(バランスボール使用) この動作では、バランスボールを前方負荷として使用し、コアの筋群の共収縮を増幅させ(引き締め)、その結果股関節の可動性を大きくすることを可能とします。 大腿骨を内旋・外旋させた90/90の姿勢で座ることで、股関節の可動性を高めています。 このエクササイズを実践することで、床でぎこちない姿勢から立ち上がるときにも、背骨を股関節の上にうまく積み重ねることができるようになるのです。 バトルロープ・プリズナー・ゲットアップ バトルロープ・プリズナー・ゲットアップは、マスター・ファンクショナルトレーナープログラムで教えているもうひとつの素晴らしい動きです。 ハーフニーリングポジションを間に挟んで、膝立ちから立ち上がる基本的なドリルです。 さらに追加される複雑なポイントは、ロープのために作られた波とステップのタイミングを合わせることです。 これは、心拍数を上げ、代謝反応を得るための革新的な方法であると同時に、床から立位への移行を改善するという大きな目的も兼ね備えているのです。 アンダー・スイッチ・トゥ・スタンディング 肩や股関節など、あらゆる部位に効果的です。ただ、脚をもう一方の脚の下に掃くように動かすことを確実にしてください。 よくある失敗は、脚をもう片方の脚より上げてしまうことです。 ストレート・レッグ・オーバー・スイッチ・トゥ・スタンディング この運動は、前の運動と非常によく似ていますが、より股関節の伸展と、脚をまっすぐに伸ばす力が必要です。 この場合は片方の脚をもう片方の脚の上に持ち上げます。 グラウンドベースの動きは、時にツイスターゲームのような分かりにくさを感じることがありますが、そこでマジックが生まれるのです。 様々な動きを習得することで、地面から立ち上がる際の動きの道筋が豊富になります。 脳が知っている立ち上がり方の数は、多ければ多いほどいいのです。 結論 効果的で目的を持ったフィットネスコーチになるための術は、クライアントが望むフィットネス目標を達成するためのプログラムを提供する能力であり、同時に、人生に必要となる、心配のない機能的な身体を開発することです。 グラウンド・トゥ・スタンディング・ドリルで筋骨格系のフィットネスを向上させることは、まさにそのための一つの方法なのです。

ファンクショナル・トレーニング・インスティチュート 2448字

HRVと心拍数に関する究極の入門書 パート2/2

HRVはどのように測定すべきでしょうか? これは非常に重要なテーマで、HRV測定はストレスに非常に敏感であるため、安静時に測定することが絶対的に重要であるということを知っておく必要があります。 そして、その方法には一般的に2つの方法があります: アクティブ測定:2.5~5分のテストを開始し、デバイスがHRVを計算する間、じっとしている必要があります。 これは、モーフィアスのようなHRV専用機器を使うことが多いでしょう。 パッシブ測定:あなたのデバイスが、あなたの知らない間にバックグラウンドでHRVを監視しています。 これは、アップルウォッチなどの腕時計型のデバイスを使うことが多いでしょう。 パッシブ測定は労力や注意を必要としないため、より便利な測定方法といえます。 しかし、標準化された条件(横になっている、安静にしているなど)で収集されているわけではありません。 昨日の朝と今夜の夕食後の体重を比べようとするようなものです。 その違いに意味があるのかどうか、知る由もないのです。 寝ているときに一晩中計測する機器はどうでしょうか? 問題は、これらの機器はすべて、睡眠中に定期的にHRVの短いスナップショットを収録するだけだということです。 電池の消耗が激しいので、一晩中連続して測定することはありません。 一方、アクティブ測定は、毎朝同じ時間に体重計に乗るのと同じことです。 このため、パッシブな測定では、アクティブな測定に比べて、日々のそして長期的なHRVの測定精度が大幅に低下します。 しかし、残念なことに、多くのHRVアプリや機器では、パッシブな測定が行われています。これは、ほとんどの人がHRVをアクティブに測定する努力をしないと想定しているからです。 ですから、現在60年以上にわたって行われているHRVの研究は、事実上すべてアクティブな測定によって行われており、パッシブな測定はほとんど行われていないことも、決して教えてくれません。 むしろ、精度が低くても、より簡単で何もする必要がない機器やアプリを売りたいのでしょう。 もちろん、これに関する問題は、HRVをトラッキング画面上の単なる数値ではなく、ツールとして使いたいのであれば、正確さがすべてであるということです。 運動中にHRVを測定すべきなのか? これが、心拍数とHRVの大きな違いです。 心拍数は、有酸素能力、相対強度、経時的な向上を測定するための有用なトレーニング ツールですが、トレーニング中の HRV は、その... 意味を持ちません。 それは、心拍数が100bpm以上に上がると、心拍数の変動がゼロになるからです。 交感神経(ストレス)系が働きっぱなしで、副交感神経(リカバリー)の系活動はほとんど計測できないのです。 つまり、ワークアウト中や休息以外の何かをおこなっている時のHRVを見ることには、何の価値もないのです。 HRVの変化にはどのような意味があるのでしょうか? 冒頭でお話したように、HRVは主に、日々の体内のストレスと回復のバランスを測るためのツールです。 しかし、多くの人が言われていることとは異なり、HRVが増加したからといって、必ずしもより回復しているとは限りません。 なぜそうではないのか? 最初にトレーニングによってストレス負荷が増加する時、交感神経系が活性化し、HRVを低下させます。 回復すると、副交感神経系が高まり、トレーニング前のレベルをオーバーシュートし、ベースラインに戻ります。 回復の副交感神経サイクルのどこにいるかは、HRVを測定するタイミングと、回復の早さによって決まります。 ですから、目覚めたときにHRVが大きく跳ね上がっていたら、おそらく完全に回復してはいないでしょう。 回復過程の途中であり、HRVがまだベースラインに戻っていない可能性があります。 日々のHRV測定値の変化を解釈する際には、ストレス-回復サイクルの状況を考慮する必要があります。 モーフィアスのようなアプリは、HRVをリカバリースコアに変換することで、あなたに代わってハードワークを行ってくれます。 HRVは、どれくらいハードな運動ができるかを予測するものなのでしょうか? これはよくありがちな混乱するポイントです:日々のHRVは身体の能力を計るものではありません。 パフォーマンスを予測するものではありません。 リカバリースコアが低くても、ジムで自己記録を出すことは可能です。 では、HRVは何を伝えているのでしょうか? HRVは、エネルギーを消費し、さらなるストレスを生み出すコストを予測しているのです。 その意味するところは、次のとおりです。 回復力が低いときに高負荷のワークアウトを行うと、回復力が高いときよりもベースラインまで回復するのに非常に時間がかかることになります。 回復力が低下すると、労作、再生、修復のためのエネルギーのリザーブが枯渇してしまいます。 さらにエネルギーを使えば、さらに消耗することになるのです。 はじめに、これは身体の回復、適応、向上に時間がかかることを意味します。 回復できる範囲を超えて無理を続けると、やがて身体は回復不全に陥ります。 そこで、慢性疲労やケガ、免疫力の低下といった症状が頭をもたげてきます。 短くまとめるならば:HRVはあなたに何ができるかを教えてくれるわけではありません。 しかし、何をすべきかの指針を助けてくれます。 身体からの客観的なフィードバックに基づき、より良いトレーニングの選択をすることを助けてくれます。 回復力の低い日に無理をすることはできるのですが(やむを得ない場合もあります)、そうすると代償を払うことになるということを、多くの人はすぐに学ぶことになります。 トレーニング、栄養、睡眠などに関するすべての決定の影響をリアルタイムで確認することは、目標に向かって前進し続けるために、量、強度、回復をうまく調整するための唯一で最も重要な方法なのです。 HRVと心拍数、どちらを使うべきですか? この記事のここまでで、HRVと心拍数は用途が異なるため、どちらも価値があることがお分かりいただけたかと思います。 日々のHRVは、回復を推定するのに役立ちます トレーニング中の心拍数は、トレーニングの強度と相対的なストレスを測定するのに役立ちます トレーニング中の心拍数回復により、体力が向上しているかどうかを把握することができます 平均 HRV と平均安静時心拍数は、どちらも有酸素能力を測定するのに役立ちます。 最終的には、心拍数とHRVの両方を、トレーニングやライフスタイルについてより良い判断を下すためのツールとして活用すべきです。 これらはモニターしやすく、自分の身体が何を伝えようとしているのか、内側から知ることができる信頼性の高い方法です。 まだ心拍数やHRVを測定していない方は、ぜひモーフィアスをチェックしてみてください。 リカバリーとトレーニングを追跡するために必要なすべてを、完全なシステムで提供します。

ジョール・ジェイミソン 3070字

HRVと心拍数に関する究極の入門書 パート1/2

20年余り前、私は初めて心拍変動に出会いました。 それは私の既成概念を吹き飛ばすものでした。 当時、フィットネス・テクノロジーはありませんでした。 フィットビットはありません。アップルウォッチはありません。 モバイルアプリはありません。 自分の身体がどれだけのストレスを受けていて、どれだけ回復しているのかを知ることができる、ましてやそれを実際に行なっている技術など見たことがありませんでした。 それだけでなく、HRVは40年以上にわたる科学的な研究に基づいており、1961年に宇宙で人類初の実験が行われたことも知りました。 HRVを深く掘り下げ、自分自身やトレーニングする人たちに使い始めると、この種の技術は、フィットネスと健康そのものの未来だと確信するようになったのです。 初めて、トレーニングに関する当て推量を大幅に排除できるようになったのです。 より良いトレーニングを行うための、本物のデータを手に入れたのです。 コーチとして、これはまさにゲームチェンジャーでした。 今日、フィットネス界では、HRVはほとんどどこでも見られるようになりました。 かつてないほどに、HRVを計測すると称するデバイスも数多く見られるようになりましたが、多くのフィットネス機器と同様に、パワフルなツールになり得るHRVもまた、スクリーン上の数字に過ぎないことが多いのが問題です。 というのも、HRVとは何なのか、ましてや、トレーニングの成果を上げるためにHRVをどのように利用すべきなのかについては、まだ多くの混乱があるためです。 多くの人は、心拍数と心拍変動の違いについて、明確に理解しているわけでもないのです。 実のところ、HRVあるいは心拍数のような数値の本当の意味を知らなければ、向上を助けることにつながらないことはほぼ確実なのです。 そこで今日は、心拍数とHRVの基本について、混乱と誤解を解くお手伝いをしたいと思います。 この2つの指標は何なのか、フィットネスについて何がわかるのか、そしてトレーニングの指針としてどのように活用できるのか、紐解いていきましょう。 まずは簡単なところから...。 心拍数とは? 心拍数とは、簡単に言うと1分間に心臓が拍動する回数(bpm)のことです。 心拍数は標準的な指標であるため、機器ごとに簡単に比較することができます。 例えば、アップルウォッチの心拍数とトレーニングアプリ「モーフィアス」の心拍数が一致しているかどうかを確認することができます。 しかし、この数字が一致しないときはどうするのか。 残念ながら、すべての心拍計が高精度なわけではありません。 この精度の差は、モニターが使用しているセンサーの種類に起因することがほとんどです。 心拍数を計測するセンサーには、主に光学式と電気式の2種類があります。 光センサーは、皮膚を通過する光の量を測定し、脈拍を追跡します。 この方法は、常に肌に触れている必要があり、特に高強度では動きが乱れる可能性があります。 胸ストラップなどの電気センサーは、心臓の拍動に伴う電気信号を測定するため、2つの方法のうち、より正確な測定が可能です。 心拍数で何がわかるか フィットネスに関して、心拍数の測定は2つの方法で使うことができます。 有酸素能力の一般的な指標として安静時(朝一番に) ワークアウト中 一般的に、安静時心拍数が低いほど有酸素能力があると言われています。 安静時平均心拍数が時間の経過とともに減少している場合は、有酸素能力が向上していることを示す良いサインです。 トレーニングに関して言えば、心拍数の最も良い使い方は、適切な強度でトレーニングしているかどうかを確認することです。 例えば、心拍計を使えば、回復期のトレーニングで無理をしないようにすることができます。 ワークアウトの強度は、最大心拍数に対する相対的な心拍数の高さで計ることができます。 ここで重要なのは、毎回のワークアウトでどれだけ自分を追い込めるか、あるいはポイントを稼ぐための手段として使うのではなく、自分の強度を調整するためのツールとして使うことです。 モーフィアスは、日々の回復度合いに応じて、各個人個別の強度の異なる心拍ゾーンを提供してくれるので、このようなトレーニングに使用することを強く推奨します。 トレーニング中に心拍数を使用するもう一つの方法は、心拍数回復と呼ばれるものをモニターすることです。 心拍数回復とは、一定時間運動した後、心拍数がどれだけ早く回復するかということです。 例:20秒間の最大努力インターバルの後、心拍数が何bpm下がるか。 これにより、トレーニング中に有酸素性、無酸素性のどちらのエネルギーが生産されているかを知ることができます。 心拍数が下がるのに時間がかかる場合には、より無酸素的であり、疲労が早くなります 心拍数の低下が早ければ、より有酸素的で、エネルギー出力をより長く維持することができます ワークアウト中の心拍数の回復をモニターし、コンディショニングが時間とともに向上しているかどうかを確認できます。 HRVとは? HRVは、(心拍数のような)1分あたりの拍動数ではなく、心拍間の平均的な時間的変動を測定するものです。 心臓はメトロノームのように安定して拍動していると思いがちですが、安静時にはそうではありません。 さらに複雑なことに、HRVを測定する方法は複数存在します。 HRVスコアを生成するための計算方法はさまざまであり、数値は多くの場合、時間領域と周波数領域のいずれかにおいて異なるスケールでプロットされます。 このように、HRV値の生成方法が異なるため、システム間で数値を比較することは意味がないのです。 HRVは実際に何を教えてくれるのでしょうか? HRVは、交感神経(ストレス反応)と副交感神経(回復反応)のバランスを示すものです。 HRVの数値が高いほど、体は回復のために多くのエネルギーを使っていることになります。 つまり、日常的には、HRVは主に、身体にかかるストレスの総コストを見ているので、回復力を推定することができるのです。 HRVが上下に大きく変化することは、最近身体が大きなストレスを受けていることを反映しており、そのため回復力が低下している可能性が高いと考えられます。 しかし、HRVの日々の変化が小さいということは、体が比較的安定しており、最近あまりストレスを受けていないことを意味します。 そのため、回復力は高くなる可能性が高い。 この概念を理解することが重要です。 HRVは回復を直接測定するものではありません。 その代わり、ストレスや回復・修復の過程で起こる身体からのシグナルを測定しているのです。 これらの信号から、その時々の身体の状態を知ることができます。 一方、長期にわたるHRVの平均値 は、平均安静時心拍数と同様に、有酸素能力を示す強力な指標となります。 しかし、平均安静時心拍数が低いほど有酸素能力が高いのに対し、平均HRVが高いほど有酸素能力が高いという相関があります。 ですから、時間の経過とともにHRV平均値が増加すれば、コンディショニングが改善されているサインといえます。 このため、HRVは有酸素能力が向上しているかどうかを評価するのに有効です。 しかし、運動能力とは別に、有酸素能力は寿命や健康寿命の長さと強く相関しています(Teramoto and Bungum, 2010; Mandsager et al, 2018)。 だからこそ、トレーニングの理由に関係なく、HRVを平均値を高めることは価値ある目標なのです。

ジョール・ジェイミソン 3337字

ピッチングがうまく行かない時:立て直すための5つの戦略

投手は、コマンド、球速、「配球」、あるいは実際の痛みや筋肉痛など、さまざまな理由で苦労することがあります。歴史的に、このような厳しい状況に陥ったとき、選手はまずメカニクスに目を向けるように仕向けられてきました。そしてしばしば、状況を深く検討する前に、メカニクスの面で不必要な修正が行われることがあります。それを理解した上で、本日の記事では、その他の「大局的な」考察を簡単にご紹介したいと思います。 1. 健康 簡単に言うと、怪我をすると、動作パターンが変わります。そうすると、投球の準備の仕方も変わり、ひいては投球の仕方も変わってきます。 ピッチングパフォーマンスの最適化に関して言えば、痛みに関する難しい点は(これはクレイジーに聞こえるかもしれませんが)、それをカバーすることができることです。抗炎症剤や鎮痛剤は症状を覆い隠し、投手が長期間にわたって悪いパターンで過ごすことを許してしまうのです。 2. 動きの質 アスリートには、症状がないにもかかわらず、かなり良くない動作パターンを持っている場合があります。このような選手の目標は、明らかに、メカニクスを修正することなく、痛みが出る前に、動きの質を最適化して改善を図ることです。 3. 疲労 疲労は、急性的(試合中)にも慢性的(シーズン中)にも、投手の一貫性に著しい影響を与える可能性があります。また、これは栄養状態、初期作業能力、睡眠の質、環境条件、その他多くの要因によって影響を受けるため、より深く掘り下げる必要があるテーマです。疲労は、メカニクスだけでなく、準備運動で達成しようとしている運動学習にも影響を与えることが分かっています。 4. 外的要因 寒い気候の中でひどいピッチングをする(そして具合悪く感じる)人がいます。また、本当に暑くて湿度の高い日が問題な人もいます。 整備されていないマウンドで投げることは、最も優秀な投手であってさえもその効果を最小化することがあります。 下手な捕手に向かって投げたり、下手な審判の前で投げることは、投手の成功に劇的な悪影響を与えることがあります。 これらの要因のうち、修正できるのは一部だけですが、重要なのは、このリストとは異なるカテゴリーに困難が起因していると自動的に判断しないように、それらを認識できるようになることなのです。 5. 感触 これはおそらく、最も主観的で説明しにくい問題でしょう。ある日、ある週、ある月の特定の投球に対して「感覚」を持てないことがあるのです。若いレベルでは、それは通常、私が概説した最初の4つの要因のうちの1つにおける二次的なものです。しかし、より高度なレベルでは、ほとんどちょっとしたランダムな変動のせいだとみなす必要があるでしょう。どんなに優れた投手でも、投球ごとのスピン量や球威にかなりのばらつきがあるものです。 この「感触」の議論は、ある投手が1回の登板で苦労したからといって、赤ちゃんをお風呂の水と一緒に捨ててしまうようなこと、つまり良くないことと一緒に良いことも失ってしまうようなことはしたくないということを思い出させてくれるものだと思います。誰かがマウンドで苦しんでいるとき、傾向を探り、多くの質問をすることです。 まとめ これらの要因は、単独で存在するわけではありません。例えば、身体的な問題(例:肩の痛み)が、メカニカルな問題(例:低いアームスロット/ボールルリリース時の前腕の角度)になることもあるのです。さらに、胸郭出口症候群は、健康、動きの質、感触、疲労の領域にまたがる状態として見なされるでしょう。 メカニカルな修正を行うタイミングと場所はありますが、その道を進む前に、まずこれらの要素をチェックしてください。私たちは、すべての投手に対して、このような順序立てた開発アプローチを適用し、最も深いパフォーマンスの改善をもたらす「大きな石」を早い段階で特定することを目指しています。

エリック・クレッシー 1675字

筋肉を増強することができるか?

よく「オリジナルストレングスで筋肉をつけることはできるのか?」と聞かれます。 答えは「はい」ですが、それほど単純ではありません。 ああ、この質問を受けた時に私に何が聞こえているかというと、それは「トレーニングにOSを使えば見栄えが良くなりますか?」と聞こえているのです。「OSをやれば、分厚い筋肉を構築してアーノルド・シュワルツェネッガーのように見せることはできますか?」とは聞こえていません。 とにかく、この質問をする人は通常、人生の中で従来の筋力トレーニングに飽き飽きしている時期にあるので、こう尋ねているのです。彼らはそれにうんざりしているか、別の観点から筋力トレーニングを見始めています。さっきも言ったように、トレーニングの様式としてOSを使うことで、筋肉を鍛え、「良く」見える、強い、または壮健さを高めることができます。しかし、これは実際には数多くの変数を伴う階層化されたアプローチなのです。 オリジナルストレングスス自体が動きの基礎を築き、身体的な目標をより簡単に、より達成しやすくします。OSは、従来の筋力トレーニング、さらには筋量増大トレーニングでさえもより実りあるものにします。また、オリジナルストレングスは、あなたが本来持っている未開拓の強さを身体が自然に表に出したり、解放したりすることも可能にします。あなたはそれほど強く見えなくても、驚くほど強いということもありえます。これはかっこいいかもしれません。 しかし、筋力トレーニングの唯一のリソースとしてOSを使用して、力強く見えるようにするには、OSを使用して筋肉を獲得するには、筋力トレーニングの原理原則を適用する必要があります。 身体に挑戦しなければなりません。適合を生み出すには、十分なストレスをかける必要があります。これは、負荷と時間によってテンション(筋緊張)を増大させたり、タイムアンダーテンション(筋緊張の持続時間)を作ったりすることで実現できます。これは、レパードクロールを10分間行ったり、200ポンドのスレッドを引きずりながらレパードクロールするか、あるいはその両方を意味するかもしれません。必ずしも 1 つの方法があるわけではありませんが、肝心なのは、身体が反応するチャレンジを作り出す必要があるということです。 執拗な労働倫理が必要なのです。これは扱いにくい変数です。OSで筋肉を鍛えるというように、様々なことができると強く思います。ですから答えは「はい」ですが、私はある個人の労働倫理を知りません。彼らがどれだけ何かを望んでいて、どれだけそれに向かって努力しているのか、私にはわかりません。彼らが毎日喜んで実行するかどうかはわかりません。 特定の方法で食べる必要があるかもしれません。身体的な目標があれば、それを達成するために特定の方法で食べる必要があるかもしれません。あるものを食べる量を減らしたり、他のものを多く食べたりする必要があるかもしれません。望ましい身体的目標は、多くのことがうまくいって成り立つことです。すべてが重要です。ある決まりきった動きよりも重要です。 あなたはそれができると信じなければなりません。これは私の頭の中では労働倫理に関係していますが、何かを成し遂げたいのであれば、自分ができると信じる必要があります。自分ができることを知る必要があります。知識と努力が一致していれば、間違いなくOSで筋肉を鍛えることができます。しかし、そうであれば、あなたが決めた他のことでも間違いなくできるのです。 身体はマインドに従うと信じます。マインドがそこになければ、身体が従うべき目標はありません。しかし、マインドが目標に注目していれば、身体はエネルギーをほとんど無駄にすることなく従うだけかもしれません。実際、望ましい結果にマインドが向けられていれば、ワークの倫理観や作り出す必要のある課題にかかる労力も少なくて済むかもしれません。また、マインドが望ましい結果に向けられている場合は、食生活に余裕があるかもしれません。あなたのビジョンを使ってください。 ここでは表面をカバーしているだけですが、要点は理解していただけると思います。オリジナルストレングスを筋肉の発達トレーニングシステムとして使用することで、確実に自分が欲しい身体を作ることができます。しかし、それには単にOSを実行するだけ異常のことが関わります。あなたは「はい」または「いいえ」を決定する変数要素なのです。 実のところ、私はこれに気付くのに30年以上かかったのですが、あなたは欲しい身体を既に持っているのです。あなたの身体は完璧です。あなたがしなければならないのは、あなたがすでにそれを持っていることを認識し、それが現れてくることを許すことです。 これは深い話になるか、まったく奇妙なことになるかもしれませんが、私は人生のほとんどにおいて完璧な身体のアイデアを追いかけてきました。その過程で私は自分の身体を痛めつけ、完璧という考えを盲目的に追求することでそれを無視してきました。自分が持っていないと思っていたものを欲しがるということは、本質的に自分の身体にそれが好きではないことを伝えることでした。あなたがそれに満足しているかどうかはあなたの身体が知っている、私を信じてください。とにかく、私は自分の身体の感嘆すべき素晴らしさを理解することを、それを愛し、楽しむことを学んでいます。その過程で、私は、自分がずっと欲しかった身体が間違いなくここにあることに気づきました。 私が言いたいのは、自らの身体をを愛するということです。欲しいものはすでにあるのに、まだ気づいていないだけかもしれません。自分の中にある素晴らしさを理解して、自分を軽蔑するのではなく、愛をもって身体的な目標に近づけば、結果はずっとやりがいがあり、楽しいものになるでしょう。嫌悪感や欠けているというレンズを通して自分自身を見る場合、あなたは本質的に「私はあなたに満足していない」と身体に伝えていることであり、これは最終的に多くの苦しみを引き起こします。しかし、繰り返しになりますが、トレーニングの手段としてOSを使うことで筋肉を鍛えることもできますが、メソッドよりもアプローチの方がより重要かもしれません。

オリジナルストレングス 2624字

腰痛を抱える人のトレーニングのための7つのコツ パート2/2

#4 胸郭を解放する 何年もかけて、私が発見したことの一つは、腰部に問題を抱えている人々は、多くの場合、胸郭の動きが少ししか(あるいは全く)ないということです。 私は、この発見に関して全ての賞賛を貰いたいところですが、私の豆サイズの脳の中でこの考えを具体化させたのは、実は2016年のフィジカルプリパレーションサミットでのビル・ハートマンの話でした。 まずはじめに、「胸郭」という単語を恐れないでください。こちらが定義です: “哺乳類の首と腹部の間の身体部分。肋骨に囲まれた腔、胸骨、背側椎骨を含み、循環と呼吸の主要器官を内包する;胸” つまり基本的に、胸と上背部のエリアのことです。 胸郭を解放する際、私は一般的に、胸郭の動きを大まかに二つ考えています: 胸郭を回旋する(より横断面の動き) 胸郭を屈曲する(より前額面の動き) この描写に関して、より詳細または技術的にすることができる人は確実にいると思いますが、レーナード・スキードのように、私はシンプルな男なので、これで行きます! 私達が胸郭を回旋について語る際、腕の動作はより水平に注目しています(前後と考えてください)。 片膝立ちのオルターネーティングケーブルプレスは、素晴らしい例です。私たちの目標は、下半身とコアを固定し、胸郭を通して、上から回旋を引き出すことです。

マイク・ロバートソン 3154字

腰痛を抱える人のトレーニングのための7つのコツ パート1/2

私は、このトレーニングというものを20年近く行ってきて、皆さんに一つ言えることがあります: あなたとトレーニングをするほぼ全てのクライアントやアスリートは、何らかの問題を抱えています。 実際、痛みや問題が全くない新しいクライアントやアスリートのトレーニングを行うことは、近所のコーヒーショップでハリー・ポッターに会うようなものです。 それってすごいことじゃないですか?もちろんです! 美味しいアメリカーノを飲みながら、悪のヴォルテモート卿を打ち負かすことについて話したくない人なんていないでしょう? しかし残念ながら、それは(もしあったとしても)滅多にないことなのです。 膝や股関節、肩の機能不全を抱える人々が間違いなくある程度いる一方で、腰部の問題ほど、トレーニングによる成果を押しつぶす怪我は他にないように感じています。 腰部に関する問題は、確かに扱うことが厄介になり得ますが、同時に、それがあらゆるリフティングのキャリアの終了宣告になるべきではありません。 事実、その背景となる可能性のある全ての問題に重点を置いた、全体的なトレーニングプログラムをまとめるときには、クライアントを今までよりも、そしてそれが怪我をした後だとしても、より大きく、より引き締まった、より強い身体にすることができると、私は強く信じています。 先にも述べたように、私はもう長いことこういったトレーニングを行っていますーそれは、私に十分すぎるほどの失敗をさせてもくれました。 今から述べるのは、腰痛を抱えるクライアントやアスリートのトレーニングを助けるだけでなく、そのプロセスを通して、彼らが限りなく良く動き、良く感じることを助けるために、私が長年使ってきた7つの策略です。 はっきりさせておきたいので(そして個人的な責任のために)、これを言わせてください: 腰部に深刻な問題を抱えているクライアントやアスリートがいたら、真剣なトレーニングプログラムを始める前に、資格ある医学の専門家に許可をもらってください。 ではさっさと本題に入りましょう、腰痛に対してどのようなトレーニングができるかについて! #1 矢状面から抜け出せ 私にはパワーリフティングをしていた経歴があり、全ての人がプログラムの中に健全な量の爆発的な、複合的リフトが必要だと強く信じています。 スクワットであれ、デッドリフトであれ、ベンチプレスであれ、これらのリフトは、あなたの強さを増し、筋肉を構築し、体脂肪を削ぐことに役立ちます。 しかし、私が全てのクライアントやアスリートにこれらのリフトのバリエーションや派生的なものを学んで欲しいと思っていても、場合によっては、それが困難な戦いになるとわかっています。 クライアントがやってくるときは大抵、彼らは矢状面の扱い方を理解していません。身体を安定させるための彼らの唯一の戦略は、膝、股関節、そしてもちろん腰部に問題を引き起こし得る、伸展です。 そのため、伸展ベースの戦略に陥ることを許してしまう両側性のスタンスのエクササイズはやらせずに、動きの3面で安定させることを強いるスプリットスタンスやシングルレッグのエクササイズをやってもらいます。 これは、腰部に問題を抱える人に対して、複数の良いことをしてくれています: 動きの3面全てで安定させることを強いる スプリットスタンスのエクササイズの場合、股関節屈筋群の緊張および硬さ(伸展を促進する)を和らげる スプリットスタンスおよびシングルレッグのリフトでは、外的負荷を減らす傾向にあり、それが症状の緩和につながる ここで私は、あなたがクライアントやアスリートにスクワットやデッドリフトをさせることはできないとは言っていません。先に述べたように、私の目標は、最終的には全員がこれらのリフトの何らかのバリエーションを行うようにすることです。 でも初期段階で、誰かが両側性のリフトに相当苦しんでいるとしたら、問題の周囲から取り組み、スプリットスタンスやシングルレッグのエクササイズを使うことを考えてください。 #2 直立姿勢を保つ フロントスクワットは高重量でできるのに、次にヒンジをさせると、クリスマスツリーのように腰が点灯するクライアントやアスリートを抱えたことはありますか? もちろんありますね。 私たちは皆あります。 広い、一般論を述べるのは好きではありませんが、多くの場合、腰部は圧倒的に、剪断力よりも圧縮の力をうまく扱っています。 次のパートは少しわかりにくいかもしれませんが、最善を尽くして簡単にします… 脊柱をまっすぐに保つ時(プレート、ゴブレット、2つのケトルベルを持ったフロントスクワットでするように)、脊柱の椎骨は互いに積み重ねられています。重力が下に引くことを考えると、胴体が直立していれば、力は脊柱を通してまっすぐ下にに向かいます。 対照的に、前屈したり、ヒンジを行う時は、重力は同じく下に引っぱりますが、脊柱は地面に対して平行になります。この場合、椎骨は、互いに”滑る“ことがないように働きます - 椎骨は脊柱の本来の位置を保つために剪断力に対抗しています。 繰り返すと- ほとんどの脊柱は、最初は剪断力よりも圧縮の力を好みます。 これこそが、私が腰部に問題を抱える人にプログラムの初期でスクワットをさせるとすれば、上体を起こした状態で行うバリエーションに留まる理由です。プレートやゴブレットスクワットは、どちらも始めるのにとても良いものです。 #3 本物の腹筋を構築する クライアントやアスリートから下記のような言葉を何度聞いたかわかりません: “私はただ腰が弱いんです。” いや。 いや。 いや、いや、いや、いや、いや、いや。 復唱してくださいーあなたは弱い腰を持ってはいません。 脊柱および骨盤のポジションが悪いと、腹部は安定性を作り出すのに最適ではない位置に置かれ、腰部の筋肉(脊柱起立筋、多裂筋など)が通常の役割以上に働くことを強いられます。 今では、私はこのトピックに関しては、覚えられないほど多くの記事を書いていますので、私のコアトレーニングへのアプローチに関してより学びたい場合には、是非ともこちらの記事を読むことから始めてください。 とにかく、あなたが抱えるクライアントやアスリートが腰部に関する問題に苦しんでいるのなら、プログラミングの初期の段階で、安全に成功するためのコアトレーニングエクササイズを見つけてください。

マイク・ロバートソン 2771字

殿筋…

活発なライフスタイルを送っているのであれば、いくつかのことを当たり前だと思い始めます。 休暇は大きな問題を提起しているようです。 私には、いくつかの警告サインがあります: プールやビーチで、自分がより多く着込んでいることに気づくかどうか 目的地から50フィート以上離れていて、スーツケースにローラーが必要になるかどうか 氷を得るために上の階に階段であがるのが、暑く息切れするような休暇の経験の考えになっているかどうか —>これは、フィットネスの基本を振り返る時間かもしれません。 直近の旅行において、これらの問題は起こりませんでした。しかし、友人のエドナにはこれが起きたのです。エドナは過去数年で体重が増加してきており、その心配事のおかげで、私たちはプールの近くで討論を行いました。そして、コンディションが悪くなってしまうほとんどの人と同じように、彼女には1つの大きな問題があり、それを持ち続けています。 もし私がフィットネスの魔法の杖を持っているなら、それぞれの人に殿筋のセットを与えることでしょう。私は、簡単な評価をエドナに行いました:彼女の両手を持ち、両脚の間にスクワットするよう促しました。彼女は、そのポジションをとることができないだけでなく、前傾になり、身体をかなり前に倒さなければならず、私が彼女を引っ張って、立位に戻りました。 殿筋は人体にとっての大きなエンジンです。我々霊長類の祖先と比較し、殿筋が文字通り我々を人間にしてくれています。殿筋を無視すると、単にお尻が垂れ下がるだけでなく、殿筋を無視することがパワーの低下、スピードの低下、率直に言うと、年老いた見た目を招きます。殿筋を再び目覚めさせましょう。 理想的には、もしスクワットを深く高負荷で行っているなら、デッドリフトとファーマーウォークを行うことで、臀部の活動をより強調することになります。スクワットを学び直す必要があるならば、まず第一に殿筋を見直しましょう。私には、フィットネス年齢を計ることができる3つのテストとその理論があります: 立位ロングジャンプで少なくても身長分跳ぶことができるか? バーに少なくとも30秒間ぶら下がれるか? 30秒間ディープスクワットのポジションに入っていられるか、また、援助なしに立ち上がれるか? 3つとも可能であれば、できる限りこれら「3つのイエス」を継続してください。 殿筋を目覚めさせる最初の鍵は、スクワットのやり方を思い出すことです。1つの大きな概念があります:アコーディオンのように脚の上にスクワットするのではなく、脚の間にスクワットすること。私は、2つのドリルを使ってこのことを教えます。まず、背筋を伸ばして立ち、手をまっすぐ下に伸ばし負荷を持ちます(必要なものは軽いダンベルだけです)。両手は脚の内側に置きます。そして、両手、両前腕、そして上腕が左右の太ももを離すのを感じながら下にしゃがむことで、両脚の間に「スペースを見つける」ことができます。 この皮膚と皮膚のコンタクトによって、自信をもって脚の間に身体を滑らせていくことが行えるようになります。私はこれをポテトサックスクワットと呼びます、なぜなら、それはまるで重たい袋を床にゆっくりおろしていくように見えるからです。この1つのシンプルなエクササイズが、多くの人にとって未来のスクワットへの道を照らしてくれることになるでしょう。 もちろん次は、ゴブレットスクワットです。このエクササイズは、何年も前、65名の14歳のアスリートのグループに、深く、確実なスクワットを教えることを試みた際に私が考案したものです。これは、とても単純です:胸の前でウエイトを持つ。そして、右肘を使って右膝を外に押します。そして、左肘を使って左膝を外に押します。胸を高く保ちます。おめでとう、ディープスクワットしていますよ。 私の知っている臀筋に効かせるもっとも良い方法は、サーキットで鍛えることです。私はスクワットにプロパープッシュアップを混ぜて行うことを好みます。ジム・ジョーンズから教わったプロパープッシュアップはシンプルです:普通のプッシュアップですが、胸が地面に着いた時に、両手をTの位置に広げ、プッシュアップする際に一般的なプッシュアップのポジションに戻る、と言うところのみが異なっています。毎回床まで胸を降ろし、Tポジションをとります。 以下を試してください: ゴブレットスクワット10回/プロパープッシュアップ10回 ゴブレットスクワット9回/プロパープッシュアップ9回 ゴブレットスクワット8回/プロパープッシュアップ8回 ゴブレットスクワット7回/プロパープッシュアップ7回 ゴブレットスクワット6回/プロパープッシュアップ6回 ゴブレットスクワット5回/プロパープッシュアップ5回 ゴブレットスクワット4回/プロパープッシュアップ4回 ゴブレットスクワット3回/プロパープッシュアップ3回 ゴブレットスクワット2回/プロパープッシュアップ2回 ゴブレットスクワット1回/プロパープッシュアップ1回   もし本当にお尻を目覚めさせたいのであれば、ジムで我々が行なっている「バンズ&ガンズ」という複合型を試してください。 これを2-5セット行います:  床でのヒップスラスト25回 ゴブレットスクワット10回 ケトルベルスイング15回 足首にミニバンドを巻いたラテラルウォーク(基本はできなくなるまでか、スペースがなくなるまで) 多くの旅行で、 私は道具なしでこのワークアウトを行います。場所をとらないので、大抵ミニバンドは荷物に放り込みます。ホテルの部屋で行います: ヒップスラスト25回 「フリー」ゴブレットスクワット10回(ウエイトなし) スイング15回(ウエイトがない場合、我々はそれを「ストップ&ポップス」と呼び、スイングの頂上でのプランクを強く意識しています。) ミニバンドを使用したラテラルウォーク この中で、セット数を覚えておくために「カウンドダウン」としてゴブレットスクワットを使用することができます。最初のセットでは、10回行う、そして2セット目は9回、、、1回になるまで行います。量を落としたいのであれば、10-8-6-4-2を試してください。   スクワットをマスターし、厳しくトレーニングすれば臀筋を活性し続けることができます。ビーチにいる人々からあなたが離れていくとき、彼らもまた、その光景に感謝するでしょう。

ダン・ジョン 2727字