自重トレーニングのよくある俗説

人々がトレーニングについて話をしているのを聞くと、その人達がそれぞれのタイプのフィットネスをどのようにみているのかを知ることができます。その人達のフィットネスに対する先入観、偏見、信念は、通常そこで話されているトレーニングの目的や、具体的にどのようなトレーニング方法を使うのかということに反映されます。とりわけ最近私の目を引いたのは自重トレーニングでした。 もちろん,私自身は自重トレーニングの大ファンですが、自重トレーニングとウェイトトレーニングとの間には妙な比較があるようです。私はこのポストを通じてこれらの多くの誤解をなくしたいと思いました。そうすれば皆さんが、自重トレーニングとウェイトトレーニングの両方から、どのように効果を得るのかを学ぶことができるからです。 俗説1 自重トレーニングはウェイトトレーニングよりもアスレチックである 真実:どんな形態のトレーニングであっても、どのようにそのテクニックを使うかによってその効果は異なってきます。体操選手はもちろんすばらしいアスリートであり、広範囲にわたって自重トレーニングを行っています。しかし、私たちが指導しているDVRTアルティメイトサンドバックトレーニングには、皆さんをアスレチックにするための多くの方法があるというだけではなく、皆さんをより動きやすく、強く、そしてパワフルにする様々な角度やプログレッションを用いています。 もし皆さんがボディービルディングのような方法やあるいはパワーリフティングのような方法でウェイトトレーニングを行うとしたら、そこには制限があることに気づくかもしれません。ボディービルディングでは筋肉を孤立して鍛えますが、これはファンクショナルトレーニングやパワーリフティングとはかけ離れています。このような方法で、強化することはできますが、そのほとんどが最も強いポジションでのトレーニングとなり、身体の可動性やその他の動きの面においてのチャレンジとはなりえません。 多くの人が、自重トレーニングは、ウェイトトレーニングよりもずっとアスレチックだと感じる理由は、自重での動きの多くは、どのように全ての身体の部位を統合して同時に動員するのか、どのように安定性と強度を組み合せるのか、そして、どのようにパワフルなエクササイズに移行するのかを学ぶことを必要とするからでしょう。 ですが、もし皆さんが、私たちが指導するDVRTアルティメイトサンドバックトレーニングの方法を実際に行えば、DVRTには自重トレーニングとの沢山の共通点があることに気がつくでしょう。 DVRTアルティメイトサンドバックトレーニングは、徐々に漸進させることができ、自重トレーニングでは不可能な要素を導入することができます。私たちがトレーニングする地面は常に安定していますが、アルティメイトサンドバック自体は、安定させることも不安定にすることも可能です。 私たちが不安定なアルティメイトサンドバックを用い、不安定な身体ポジションでトレーニングをする場合、私たちは小さな筋肉群を統合して、より高いレベルで働かなくてはならないのです。 DVRTアルティメイトサンドトレーニングシステムのさらなる例として、片側性のポジションと荷重位置を組合わせて使うこと、様々な角度と高さで回旋を生み出すこと、そして、動きの3つの面すべてを同時にトレーニングすることができます。これら全ては自重トレーニングにおいて、いくらか制限されうる要素と言えます。 俗説2 自重トレーニングは、どのように身体を使うかを教えてくれ、ウェイトトレーニングはただ、どのようにウェイトを持ち上げるかを教えてくれる 真実:筋力トレーニングの適切な方法を理解していたとしたら、どのようなトレーニングの方法をとろうとも、基本原則は共通であるということがわかるでしょう。もし人々がただエクササイズの違いだけではなく、基本原則によってトレーニングの違いを本当に理解していたとしたら、と考えます。 ほとんどの人は、何故自分たちがそのエクササイズを行っているのか説明することができず、よく「コアを鍛えている」や「パワーをつけている」とか「ファンクショナルストレングス」など曖昧な情報を復唱するだけです。多くの場合、これらの表現は、私たちにトレーニングにおけるしっかりとした方向性を与えてはくれず、何故数多くあるエクササイズのなかから、ある特定のエクササイズを使っているのかを説明することはできません。 DVRTアルティメイトサンドバックトレーニングでは、アルティメイトサンドバックを様々な方法で、どのように持つかによって左右非対称な荷重をかけたり、立位でのトレーニング、動きの角度などのアイデアに目を向けています。私たちはきつい自重トレーニングのドリルを次から次へと行うのではなく、むしろ自重トレーニングに近いところにあるコンセプトを用います。 腕立て伏せのバリエーションを使うのはなぜなのでしょうか? 異なったタイプのプランクのバリエーションがいかに、コアのスタビリティとストレングスに関する異なったタイプの戦略に一致するのでしょうか?これらの問いかけに答えることができるようになれば、全てのトレーニングはよりクリアにそしてより効率的になることでしょう。 俗説3 自重トレーニングは、最も多様性に富むコストパフォーマンスの良い筋力トレーニングの方法である 真実:自重トレーニングは多くのオプションを提供してくれる一方、厄介な制限もあります。皆さんはどのようにしてロウイングのような水平方向に引くトレーニングを行いますか? 特に、片脚でのトレーニングをするための柔軟性と可動性が充分でない場合、どのようにして身体後面のトレーニングを行いますか? これらのような場合のほとんどにおいて、人々は、フロアスライダーやジムリング、サスペンショントレーナー、アブローラーなど、他の小さな器具を加えると言ったりします。この時点で既に、実際は、自重トレーニングには器具が必要なのだということになります。突然、自重だけを使うというアイデアが現実的ではなくなってしまうのです。コストパフォーマンスについても、自重トレーニングの難易度を漸進させるために、他の道具が必要となれば変わってきます。 自重トレーニングは、思っている程漸進的ではありません。どちらかといえば、1つのエクササイズから次のレベルの間にはとても大きなギャップがあります。皆さんが、誰かを長期にわたってコーチするとしたら、漸進のためのオプションがより多くあることが、その人を成功させるのにとても役立つだろうということに気づくことでしょう。それでは、自重トレーニングの漸進オプションを、DVRTアルティメイトサンドバックトレーニングと比べてみましょう。 自重トレーニングの漸進方法 スピード 身体の安定性 てこの作用 動きの全ての面でどのように動くかを学ぶことは、DVRTアルティメイトサンドバックトレーニングにおいて最も重要なことの一つです。 それではDVRTアルティメイトサンドバックトレーニングにおける主な漸進方法を見てみましょう: USBを持つ位置 身体の安定性 てこの作用 スピード 器具の安定性 負荷 動きの面 体積 このように分解してみると、DVRTアルティメイトサンドバックトレーニングには、自重トレーニングの倍以上のオプションがあることがわかります。多様性はこれらの違ったシステムに対する私たちの理解によるようですね。 私の目的は、皆さんの自重トレーニングを行う気をそぐことではありません。DVRTアルティメイトサンドバックトレーニングと自重トレーニングを組合わせて包括的なシステムにすることが最終的な答えだと思います。しかし、エクササイズがどのようにマッチするのかわからないからといって、ただ、色々なエクササイズを一緒に行ったり、ただ難しいからという理由で行うというようなことはしないでください。基本原則と動きがどのように共に働くのかということを、基礎から理解して行うならば、飛躍的に向上した結果を得ることができるでしょう。

ジョシュ・ヘンキン 3488字

ハーフニーリング・バンドY

アスリートにありがちな伸展姿勢を修正するために、投手達の肩甲骨上方回旋の動きを改善するために、エリック・クレッシーが活用しているラバーバンドでのYのエクササイズ。セットアップ時の注意点をエリックが丁寧にカバーします。

エリック・クレッシー 3:06

より良いパフォーマンスと回復のための呼吸ストラテジー パート2/2

動きと回復を改善する3つのシンプルな呼吸エクササイズ マイク・ロバートソンです。 私は、今しがたパフォーマンスとリカバリーにおいて呼吸がどれほど大切かについて話し終えたビルと共に、IFASTの共同経営者です。 私はおよそ18年前に健康及びフィットネス業界での仕事を始めました。これまでに、すべてのメジャースポーツのプロアスリートと働く機会に恵まれ、彼らのパフォーマンス、及び健康を、次のレベルへと進める手助けをしてきました。 でも、堅苦しいことはこのくらいにして、みなさんがここにいる真の理由に戻りましょう:動きを改善し、回復を促進するための呼吸の使い方です。 ビルは、なぜ適切な呼吸のメカニクスが、最適な動きと回復にそれほど重要なのかをとても上手に説明してくれました。 次のステップは、適切な呼吸のメカニクスを教えるために、あなたのプログラムに特定のエクササイズを取り入れることです。不思議に聞こえるかもしれませんが、多くの人々 -あなたが見ているクライアントやアスリートを含め- は、効果的ではない呼吸をしています(少なくとも理想的ではない)。 ビルが上述したように、良いニュースは、呼吸は、健康、フィットネス、パフォーマンスプログラムなどの構成要素と同様に、鍛えることができるということです。 ここで、今すぐに始められるエクササイズを紹介します。 ベア呼吸 床に四つん這いになる 手は肩の真下、膝は股関節の真下に位置する 床から身体を離すように、肩甲骨の間にストレッチを感じるまで、腕を通じて床を押す 脛が床と平行になるように、床から膝を持ち上げる このポジションを保ち、鼻から吸って、口から吐く、充分な呼吸を3-5回する 数秒間、リラックスして自然な呼吸をする 上記を3-5回繰り返す 壁呼吸 壁を背にして立ち、足は腰幅に開いて、壁から10-12インチ(25-30cmくらいのところに位置する) 骨盤を後傾し、壁に対して下背部を平らにする 上背部を前方へ丸めながら、両手を前方へ最大限伸ばす このポジションを保ちながら、3-5回呼吸をし、リラックスする 3-5回繰り返す 前腕プランク呼吸 床にうつ伏せになる 手のひらを床に向けて、人差し指と親指でダイアモンドの形を作るようにして、手を顔の下に位置する。 前腕を通じて押し、肩を前に押して、胸とお腹を床から持ち上げ、体重が前腕と恥骨のみに乗っているようにする この上向き姿勢を保ちながら、鼻から吸って、口から吐く、完全な呼吸を3-5回します スタートポジションに戻る これを3-5回繰り返す。 これらの回復呼吸エクササイズにおける素晴らしい点は、ほぼいつでも行うことができることです。 これらのエクササイズは、動的なウォームアップやクールダウンに取り入れるのも非常に簡単で、ジムの以外の場所、自宅でも行うことができます。ビルが述べたように、こういった種類の呼吸を数分行うと、副交感神経系を活性することができるため、より緩んで、リラックスした状態になることに気がつくでしょう。 日常のルーティンの中にこれらのエクササイズをいくつか組入れてみてください。すぐに違いを感じることができるでしょう。

ジョール・ジェイミソン & マイク・ロバートソン 1416字

より良いパフォーマンスと回復のための呼吸ストラテジー パート1/2

数年前、私は取り除くことができないと感じる慢性的な肩の痛みを抱えていました。 私は、その肩の痛みを治すために、よくある方法をいろいろと試しました:アクティブリリース、様々な種類のマッサージ、電気刺激、その他考えられることの全てを。そのどれもが、短期間の痛みの緩和をもたらす以外は、ほとんど役に立ちませんでした。 数日後には、元の状態に戻ってしまいました。 数ヶ月後、私はビル・ハートマンとマイク・ロバートソンのセミナーを受講していました。彼らに、私が肩に抱えている問題、知り得る全ての治療法を試したこと、それでもまだ痛みがあることを説明しました。 ビルの答え?より良い呼吸をすること。 彼は、私をテープルの上に載せ、素早い評価をし、一連の呼吸エクササイズと数種のモビリティードリルを紹介しました。「よし、じゃあ立ち上がって、肩を動かして、どう感じるか教えて」 私は立ち上がって、肩を動かしました、すると…痛みがなかったのです。 もちろん、私は一連のエクササイズが効いたことに感動しましたが、それまでに試した全ての方法と同じような結果になるだろうと思っていました:一時的な緩和をもたらしても、数日後には痛みが戻ると。しかし、数日が経っても、数週間が過ぎても、痛みが戻ってくることはありませんでした。 ビルは、何ヶ月も私に取り憑いていた、時には物凄く痛み、眠ることさえできなかった障害を、たった数分で改善することができたのです。 それは、私が初めて呼吸の大切さに触れた機会であり、ビルとマイクは、他にほんの数名しか意識さえしていない健康とフィットネスの側面をカバーしていることがわかりました。 過去数年にわたり、私は、パフォーマンス、回復、一般的な健康においてさえも、呼吸がどれほど重要な役割を担っているかについて学んできました。適切に呼吸をする方法を学ぶことから、文字どおり全ての人が恩恵を受けることができます。もしあなたがコーチまたはトレーナーなら、これはあなたのクライアントにとっても人生を変え得るものでもあるのです。 これこそが今日、より良いパフォーマンスとリカバリーのために適切に呼吸をする方法について、深く話すために、私がビルとマイクを招待した理由です。 ビルとマイクは、インディアナポリスフィットネス&スポーツトレーニング (IFAST)という、メンズヘルスマガジンによるアメリカのジム、トップ10に、過去6年間で3回ランクインしている施設を所有しています。 ビルから始め、その後にマイクから聞きますが、まずここに、呼吸ストラテジーがどのようにリカバリーを改善できるかを説明する短い動画があります。 現在のパフォーマンスとリカバリーのモデルは破綻している(人間はなぜ機械ではないのかの理由) 皆さんこんにちは、ビルです。IFASTフィジカルセラピーのオーナーとして、またインディアナポリスフィットネス&スポーツトレーニングの共同経営者として、私は、他の形式の治療では改善できなかった痛みを持つ人々の解決方法を見つけています。 プロアスリートから一般の人々まで、彼らが皆、調子の良い、痛みのない身体を取り戻し、パフォーマンス及び健康を最適化できるように取り組んでいます。 今日の私の目標は、呼吸がどのように動きやリカバリーに影響するのかに対して簡潔な概要を与え、局所から全体の回復へとつながるパフォーマンスモデルを提供することです。 パフォーマンス(または動き)と回復となると、コーチやトレーナーの多くは、決定的要素として筋系に注目する傾向があります。大抵はこんな感じです: パフォーマンス、または体組成(あるいは両方)を向上するために、より大きく、より強く、より調整され、よりパワフルにしたい筋肉に適切な刺激を与えます。 ワークアウトや競技の間に十分な休息を取り、関わった筋肉の修復に必要な栄養素を身体に与え、必要な時にまた仕事ができるように準備します。 少なくともこの大半を正しく行う事で、物事は、あなた、またはあなたのクライアントやアスリートにとって良い方向に向かいます。単純でしょう? この通りなら素晴らしいです。問題は、人間は機械ではないという事です。個々のパーツの集合として身体を見ることができるほど、単純ではないのです。 パフォーマンスと回復を、筋系に対して純粋に局所的なものとして捉える事は、単純に不十分なのです。 実際には、身体は多くのサブシステムにより繋がっていて、それぞれが、パフォーマンス、回復、そして全体的な健康に対して重要な役割を担っています。筋系の動きと回復を最適化しようとすることは、パズルの一つのピースにすぎないのです。 動きと回復のためのより良い、より完全なアプローチは、一つのスーパーシステム – または「ヒューマンシステム」に集約するそれぞれのサブシステムを考慮し、統合されたモデルを通して物事を見ることです。 これらのサブシステムそれぞれが、他のサブシステムのパフォーマンスの成果とそこからの回復の両方を管理し、促進する能力に影響を与えます。 動きと回復の最適化における最初のステップは、すべてが筋系に始まり、筋系で終わる時代遅れのモデルから脱却し、身体の様々なサブシステム全てを考慮した、統合されたモデルを採用することから始まります。 すなわち、私たちは、個々の部分の寄せ集めとして身体を見ることをやめ、相互に連結し、共に働く、密着したシステムの集合体として身体を見ることを始めなければなりません。 この転換ができたら、次のステップは身体の様々なサブシステム全てが大切であると理解することですが、私は、そのうちの一つが他のすべての土台であると考えています。 (効果的に)呼吸をしていない時に悪いことが起こる 健康とパフォーマンスの「パズル」の最も大切な二つのピースである、動きと回復を最適化することにおいて、適切な呼吸の仕組み以上に大切なものは他にありません。 呼吸は、他の全てのサブシステムが健康に働くための土台であるにも関わらず、動きとリカバリーという側面において、最も十分に使われておらず、最も軽視されている部分です。 カレル・ルウィット博士はかつて言いました:「呼吸が正常化されていなければ - 他のどの動きのパターンも正常化できない」 呼吸が不十分だと、少なくともある程度は、他の全てのことが良い状態ではなくなります。適切な呼吸はそれほど大切なのです。 呼吸を正しく行うことができれば、身体の他の全ての「システム」が、最適な動きと回復を促進するために共に働く原材料があることになります。 動きやパフォーマンスという観点からすると、これは当然であるべきです。 もし、効果的に、効率的に呼吸をしていないとすれば、最も基本的な要求が酸素の効果的な活用である運動において、どうして良いパフォーマンスが期待できるのでしょうか? 呼吸の流れの力学的効果、及び、呼吸がどのように動きを損ない、あるいは促進するのかについては、いくら強調してもしすぎることはありません。不十分な呼吸パターンにより、姿勢や動きの質が損なわれ、やがてエクササイズや競技における非効率的な動きにつながり、パフォーマンスは、本来行うことのできるレベルから明らかに減少します。 呼吸は、筋骨格系のポジションを変えることにより、動きのパターン、姿勢、痛み、またパフォーマンスに影響し、肺の膨張不足、または過膨張につながる気流の制限を招き、動きを制限する力学的障壁を作り出します。 すなわち、まさに本当の意味で、パフォーマンス及びエクササイズ時に最適に動くことができることは、効果的に呼吸ができる能力に起因しているのです。 回復も同様に、悪い意味で影響を受けます。最適な回復について本当に理解するためには、筋肉を通り越えて、神経系を観察しなければなりません。 神経系の回復は、動動系への出力をもたらす能力の再獲得に関わる強力なインフルエンサーです。しかし、健康を維持する能力と同様に、こういった局所における適応が起こることを可能とする、幾つものサブシステムの反応に与える影響にも基づいて考慮をしなければなりません。 神経系が慢性的な疲労を抱えていると、あなたが計画したトレーニングプログラムやコンディショニングプログラムがどんなに「効果的」であるかに関わらず、「トリクルダウン(流れ落ちる)」効果により、成果は最適状態には及ばなくなります。 例えば、強力に活性された、硬直した、適応しにくい神経系は、他のシステムの能力にも同様の低下をもたらす可能性のある広範囲の影響を持ちます。 自律神経系が無理を強いられ、交感神経系優位な状態に居続けると、ストレスホルモン過多となった血液循環が、エネルギーの修復メカニズムが効果的に働くのを遅らせるかもしれません。これにより、消化が阻害され、必要なエネルギーや栄養素の吸収が制限されることにもなりえます。 忘れないでください:全ては相互に繋がっているのです。 「交感神経支配」にあることは、免疫システムが炎症を管理する能力を弱め、軟部組織が肥大化する能力や、順応して再建する能力を低下させます。 やがてこれは、腱などの組織の退化を招き、最終的に怪我につながります。 簡潔にまとめると、過度な負担、過度なストレス、疲労にさらされた状態のために、神経系が、より「交感神経支配」状態にあればあるほど: 身体が動きを促進することに対して非効率的になります(例 ワークアウトや競技時のパフォーマンスが、「理想的な」生理学的環境下で可能なパフォーマンスに及ばない)。 身体が、ワークアウトセッションや競技の後に回復プロセスを促進する能力が低くなります(つまり、身体は低いレベルの疲労状態に居続け、次回のワークアウトや競技でのパフォーマンスが代償されます。またそれが長期にわたって続くと、全体的な健康にもマイナスの影響を与えます)。 身体により多くの「ストレス」がかかると、神経系への要求はより大きくなります。神経系に過度に負担をかける要因となるものには下記が含まれます: 貧しい睡眠習慣 長引く健康問題(たとえ「少し」でも) 悪い食事の選択による必要栄養素の欠如 やる気に満ち溢れた、忙しい、「絶対諦めない」タイプの人であること フィジカルトレーニング/コンディショニング(そうです、核心的な部分ではエクササイズは身体にとって「ストレス」です) 望ましくない呼吸パターン もちろん、これらストレスの環境的、行動的側面のそれぞれに取り組むことは大切ですが、もし私が、これらに「優先順位」を作らなければならないとすれば、良い呼吸のパターンを発達させることが常に最上層にくるでしょう。 回復に関して言うと、適切な呼吸は、神経系をストレスにさらされた交感神経支配状態から、より修復的な、回復基盤の副交感神経支配状態へと移行することを可能にします。結論はこうです:エクササイズや競技時に最適に動き、かつ回復を促進するためには、あなたの神経系状態を確認しなければなりません。 良いお知らせ? 呼吸は、筋肉や、他の健康及びフィットネスの構成要素のように「鍛える」ことができます。より良い呼吸のメカニクスを発達させることにより、時間とともに、無理を強いられてきた神経系の結果を望ましい状態に変えることができます。 練習をすれば、効果的な動きと回復プログラムの一部として、クライアントやアスリートは、パフォーマンスを維持するために、練習のセットの繰り返しの間に回復を促進することができるとともに、健康と長期間という観点から、より良い回復をする能力を向上することができます。

ジョール・ジェイミソン & マイク・ロバートソン 4989字

ストレングス&コンディショニングのプログラムを考えすぎないための5つの方策

私は頻繁にインスタグラムのストーリーの質問コーナーを実施していて、時々、返答に絞り込むことができる少量の文字数からなる15秒のタイムリミットを超えるような詳細な返答を求める質問を受けることがあります。この質問はその例の一つです: より多くのことを学ぶにつれ、アスリートへのプログラムを作ることにより多くのストレスを感じます。これについて良い助言はありますか? まず初めに、これは新しいトレーナーだけでなく、経験のあるコーチにとっても信じられないほど一般的な問題であることを認めます。知識という呪いは本当に存在するもので、本来それほど高度なものが必要ではないあなたのクライアントのためのプログラムを書き上げるときに、イライラしてキーボードをたたいてしまうことにつながります。 私が見つけた助けとなる5つの方策を紹介します。 1. 一番大きな石を明らかにして丸で囲みましょう。 評価の全ての覚え書きを書き上げた後、読み直して私が最も優先度が高い項目と考える2,3個に丸をつけます。もしかしたら、それは非常に制限された頸椎の可動域であったり、かなりひどい片脚の筋力かもしれません。もしそれが80 bpm台の安静時心拍数であれば、もしかしたら有酸素能力にとことん取り組む必要があるかもしれません。とにかく、最終的に最優先事項を明確にして強調したとき、プログラムを書き始めることは簡単になり、「黙って座って考えすぎない」方向へといくらかの勢いをつけることができることがわかりました。 2. まず質のいい運動を考えましょう。 関節が効率的に動く(ニュートラルの位置から動く)とき、他の多くのシステムに影響を与えます。有酸素から無酸素のエネルギー供給方法へ移行するときにより長い時間がかかります。長さ−張力の関係性が筋力とパワーを向上させるために最適化されます。回復を最適化するためにリンパ系がより効率的に働きます。事質的に、効率的に動くということは「トリクルダウン効果」と同じなのです。 このような下流効果が、私たちが提供するウォームアップをかなり誇りに思う理由です。それらはただ体温を上げるだけではなく、それよりも、悪い硬さを減らし、良い剛性を向上させるはずです。例えば、壁に背を向けた肩の屈曲のドリルでは、広背筋や肩甲骨の下方回旋筋、腰椎の伸展筋の悪い硬さを減らします。同時に、前面のコア、首の深部屈曲筋及び肩甲骨の上方回旋筋の良い剛性を確立させます。

エリック・クレッシー 2124字

運動制御の身体構造への影響

ベン・コーマックのセミナーから、股関節の運動制御と構造の評価のデモをご紹介します。運動制御を向上させることで、身体構造の制限と思われるかもしれないことが、実際に変化向上する様子をご覧ください。

ベン・コーマック 12:09

SLAP損傷とは一体何か?上方関節唇損傷についてあなたが知っておくべきことトップ5

SLAP損傷は、肩関節関節唇の上方部分の怪我です。SLAPという単語は、上方関節唇(Superior Labrum ) の前方から後方にかけて(Anterior to Superior )の損傷を略したものです。これは肩関節傷害で非常によく見られる診断です。SLAP損傷には、重症度や治療ストラテジーが異なる多くの様々なバリエーションがあります。過去において、外科医はすべてのSLAP損傷を手術したがりましたが、私たちは手術なしでもうまくいくものもあることを学びました。事実、いくらかのSLAP損傷は心配する必要さえないのです。 SLAP損傷がどのように起こるのか、そして病理学的には一体何が起こっているのかを理解することは、これらの肩関節傷害を適切に診断し治療するために非常に重要です。 SLAP損傷の分類 図で見られるとおり、上腕二頭筋長頭腱は上方関節唇に直接付着しています。上腕二頭筋腱が付着する上方関節唇に起こりうる怪我には、いくつものバリエーションがあります。 700件の肩関節内視鏡の遡及的検討(レトロスペクティブレビュー)に続いて、Snyder et al: Arthroscopy 1990は、上腕二頭筋腱に関わる上方関節唇損傷を4つのタイプに識別しました。彼らは、解剖学的位置を参考に、これらのSLAP損傷をまとめてこのように名付けました:前方から後方にわたる上方関節唇。これが当初の定義でしたが、私たちがSLAP損傷についてもっと学び続けていくと、それらは必ずいつも前方から後方にかかっているというわけではないのです。しかし、知っておくべき最も重要なコンセプトは、SLAP損傷は上腕二頭筋腱付着部付近の上方関節唇の怪我であるということです。 タイプI SLAP損傷 タイプI SLAP損傷は、関節唇がしっかりと関節窩に付着した状態で、上方関節唇のみが擦り切れているものを示すとされています。これらの損傷は通常自然に起こる変性です。今のところ、活動的な人たちの大部分がタイプI SLAP損傷を持っていると現在は考えられており、多くの外科医は大抵これを病理的だと考えてさえもいません。 タイプII SLAP損傷 タイプII SLAP損傷は、上方関節唇と上腕二頭筋長頭腱起始部が関節窩から剥離し、上腕二頭筋腱及び関節唇が付着している部分が不安定になっているという特徴があります。これらはSLAP損傷の最もよく見られるタイプです。私たちが外科医から「SLAP損傷」を治療するようにという処方箋を受け取るとき、彼または彼女は、十中八九タイプII SLAP損傷、そして関節唇と上腕二頭筋腱の縫合手術について話しています。 タイプII SLAP損傷の異なる3つのサブカテゴリーが、Morgan et al: Arthroscopy ’90によってさらに識別されています。彼らは関節内視鏡評価を受けた一連の102人の患者のうち、37%に前方上方部の損傷が見られ、31%に後方上方部の損傷、そして31%に前方及び上方部を合わせた損傷が見られたと報告しました。 これらの発見は、私の患者の臨床的観察とも一致しています。患者のタイプや受傷機転の違いが、わずかに異なるタイプII SLAP損傷をもたらすのです。たとえば、オーバーヘッドアスリートの大部分に後方上方部の損傷が見られる一方、外傷性のSLAP損傷を持つ人々には通常前方上方部の損傷が見られます。これらのバリエーションは、患者の既往歴及び受傷機転に基づき、どのスペシャルテストを行うか選択する際に重要です。 タイプIII SLAP損傷 タイプIII SLAP損傷は、上腕二頭筋停止部が付着している状態での、関節唇のバケツ柄状断裂によって特徴づけられます。半月板と同じように、関節唇は損傷し関節の中に入り込んでしまいます。ここで重要なコンセプトは、タイプIIとは異なり、上腕二頭筋腱は付着しているということです。 タイプIV SLAP損傷 タイプIV SLAP損傷では、関節唇が上腕二頭筋腱にかけてバケツ柄状に断裂しています。この損傷では、タイプII SLAP損傷で見られるのと同じように、上腕二頭筋腱及び関節唇が付着する部分に不安定性も見られます。これは基本的にタイプII損傷とタイプIII損傷の組み合わせです。 この分類システムの複雑なところは、タイプIからIVのスケールは漸進的により重症となるというわけではないという事実です。たとえば、タイプIII SLAP損傷はタイプII SLAP損傷よりもより大きいまたはより重症である、あるいはより病理的だということではありません。 さらに複雑なことに、Maffet et al: AJSM ’95は、彼らの712件の関節内視鏡のレトロスペクティブレビューの中で識別されたSLAP損傷のうちの38%は、以前Snyderによって定義されたIからIVという専門用語を用いて分類することができなかったと記しました。彼らは、SLAP損傷の分類スケールを、タイプVからVIIという種類を加えた合計7つのカテゴリーに拡張することを提案しました。 タイプV SLAP損傷は、前方上方関節唇にかけて前方関節包のバンカート病変が見られるという特徴がある。 タイプVI SLAP損傷は、前方あるいは後方の上方関節唇のフラップ状断裂を伴う上腕二頭筋腱付着部の断裂を含む。 タイプVII SLAP損傷は、中関節上腕靭帯の下方領域を含む前方SLAP損傷の延長として説明される。 これらの3つのタイプは、通常SLAP損傷に伴う合併症を含んでいます。彼らは追加的な分類を提供してくれたものの、この専門用語は受け入れられず、あまり使われていません。たとえば、多くの人々はタイプV SLAP損傷をバンカート損傷を伴うタイプII SLAP損傷というでしょう。 それ以降、私が知っているだけでも少なくとも10個のさらに多くの分類タイプが文献で説明されてきましたが、心配はいりません、誰も実際にそれらを使ってはいませんから。 SLAP損傷の分類についてあなたが知っておくべきことトップ5 SLAP損傷の分類についてあなたが知っておくべきことは: タイプIからIVのSLAP損傷だけ考えましょう。そしてタイプIV以上のあらゆる分類システムは、単にSLAP損傷に加えて付随する怪我があることを意味しているのだと理解しましょう。 タイプIとタイプIII損傷を分解して一緒のグループにすることができます。どちらも関節唇の変性を含みますが、上腕二頭筋腱は付着しています。したがって、これらは不安定なSLAP損傷ではなく、手術で縫合されるものではありません。これは手術(ただの単純な創面切除術)や理学療法を容易にしてくれます。 また、タイプIIとタイプIV損傷を分解して一緒のグループにすることもできます。どちらも上腕二頭筋腱の剥離を含み、上腕二頭筋腱を安定させる手術が必要となります。タイプIV損傷はより極めてまれであり、バケツ柄状断裂の縫合および創面切除術を含むでしょう。 タイプII損傷は、あなたもクリニックで見ることがあるでしょうが非常によくあるタイプで、外科医が「SLAP縫合」について話しているとき、ほとんどの場合はこのタイプを言及しています。とは言いながらも、タイプII SLAP損傷がかつて予想されていたよりも一般的である可能性があることから、それらを縫合しないという傾向が見られます。これはオーバーヘッドアスリートにおいて特に当てはまります。 私たちは皆タイプI SLAP損傷を持っているかもしれません。それは基本的に単なる関節唇の擦り切れや変性です。

マイク・ライノルド 3223字

悪い姿勢は腰痛を起こす? パート2/2

なぜ、痛みと姿勢には関連性がないのでしょうか? 上記のエビデンスは驚きであり、常識を覆すものです。なぜ痛みと姿勢に関連性はないのでしょうか? 姿勢が痛みにさほど関係ないのはどうしてなのか、少なくとも説得力のある理由をここに3つ挙げます。 1. 時間の経過とともに組織はストレスに適応する 悪い姿勢が痛みを発生させるという仮説は、特定の部位に過剰な機械的負荷がかかるという考えを基にしています。これが微小損傷を起こし、時間の経過とともに累積されます。これにはうなずけますが、組織には負荷への適応力があることが考慮されていません。 ウェイトリフトで負荷のかかる筋が強くなるのと同様に、特定の姿勢によって、関節や靭帯、腱も局部的なストレスに耐えられるように適応するのです。[1] 2. 組織の損傷と痛みはイコールではない 姿勢が痛みとは関係のない二つ目の理由として、悪い姿勢が組織の損傷を生むことがあっても、組織の損傷と痛みは同等ではないということがあります。 痛みを伴わない多種多様な組織損傷の罹患の研究は数多くあります。これらは、背中や肩、膝に痛みを伴わない人のかなりの割合 (20-50%) が、椎間板の膨隆や回旋腱板の断裂、半月板損傷などを患っていることを一貫して示しています。[2] つまり、30歳以上の人のMRIを撮影すると、それがどの部位でも、たとえ痛みのない部位であったとしても、著しい損傷を見つける可能性は非常に高いのです。 なぜでしょう? 痛みは複雑で、組織の損傷は痛みを起こすひとつの原因にすぎません。[3] よって、姿勢が何らかの形で長期的な組織損傷を起こしたとしても、必ずしもそれが痛みという結果になるとは限らないのです。 3. 人それぞれ “悪い”と思われる姿勢が痛みとは関係がないという三つ目の理由は、身体の構造が人それぞれ異なるからです。実際に人の骨格を見てみると、骨の形や脊柱の弯曲にかなりの差異があることが分かるでしょう。非対称性や不規則性は当たり前であり、例外ではありません。 ある程度、骨のサイズや形が、立ったり座ったり動いたりするために最も効率の良い快適な姿勢を決定づけるのです。ですから、ある人にとっては“機能不全な”アライメントでも、別の人にとっては最適なのかもしれません。 このような個体差があるわけですから、自分の姿勢を他の理想的なモデルと比較し矯正しようとすることは、本質的に問題があります。 姿勢を心配する代わりに何をするべきか 上記のエビデンスでは、痛みの治療や予防の方法として、ある理想的なモデルに合わせて静的姿勢の誤差を見つけ出そうとすることは、時間の無駄かもしれないことを示唆しています。 では、姿勢がそれほど重要ではないとすると、休息時や運動時の身体のアライメントについて全く気にする必要はないということを意味しているのでしょうか? 答えは“ノー”だと私は思うのです。 1. 大きな力が加わる時には正しい姿勢がとれているか確認 姿勢についての研究が、生体力学とフォームの良さはどうでも良いということを示していると誤解しないでください。激しい運動は、単に座ることや立つこととは異なり、適切なアライメントで行うことに、さらに注意を払う必要があるでしょう。 動かず座っているときや立っている間、関節にかかる機械的負荷はとても小さいものです。しかし、身体は長年の間、一日何千回もこのような習慣的な負荷を受け、そしてそれに対応するためにうまく順応します。 一方、高重量のデッドリフトなど負荷の大きいエクササイズでは、機械的負荷が非常に大きく、これら特定の負荷に身体が順応する機会もあまり多くなかったことでしょう。 高重量のデッドリフトでは姿勢やアライメントが重要になります。ジャンプから着地する時や、スプリントやウェイトリフトなど大きな機械的負荷が加わるような運動をする時にも重要です。これらの場合、身体にかかる負荷を分散させ、ケガのリスクを減らし、パフォーマンスを向上させるためにも、生体力学と脊柱のアライメントが理想的であるかを意識的に努力し、または確実にするために指導することが賢明です。 2. 動きを改善しよう 立位や座位が外見上どうであるかよりも、どのように動くかがより重要です。職場で胸が凹み丸くなって座っていても心配いりません。しかし、オーバーヘッドリーチやローテーション、オーバーヘッドプレスなどの機能的な動きができるように、胸部の完全な伸展可動域を保つことを忘れないようにしてください。 3. 姿勢のバリエーションを広げよう 同じ姿勢で何時間も座ったり、何時間も立ったりしなくてはならない人は多いものです。もし、これがストレスや痛みを生むようであれば、姿勢を少しだけ変化さるようにした方が、常に“完璧”な姿勢をとるよりも快適であり得策です。姿勢を変化させることによって、体重を支持するストレスをいつも同じ部位に集中させるのではなく、いろいろな部位に分散させます。頻繁に休憩をとり、常に動いているようにしましょう。ある特定の姿勢が腰痛を悪化させる場合、他の選択肢を試してみましょう。 良い姿勢なんて忘れよう:良い動きのことを考えよう まとめると、静的な姿勢を理想に沿うように変えようと心配しすぎないことが肝心です。悪い姿勢が腰痛の誘因ではなさそうです。その代わりに、快適な姿勢をとり、常に動き、身体の機能を向上するように努力し、負荷の高いエクササイズを行う時はアライメントやフォームを正しくするようにしましょう。 参照文献 1. http://en.wikipedia.org/wiki/D...'_law 2. http://www.bettermovement.org/... 3. Melzack, Katz (2012) Pain. Wiley Interdisciplinary Reviews: Cognitive Science Volume 4, Issue 1, pages 1–15, January/February 2013. http://onlinelibrary.wiley.com...

トッド・ハーグローブ 2352字

悪い姿勢は腰痛を起こす? パート1/2

悪い姿勢は腰痛を起こすとか、腰痛を治すには姿勢を改善しなさいという意見を、恐らくみなさんは聞いたことがあるのではないでしょうか。理学療法士やカイロプラクター、パーソナルトレーナーなどからのこのような意見を、インターネットの至る所で見つけることができます。Googleで“姿勢と痛み”と検索すれば400万件もヒットします。 こんなに多くの姿勢監視員がパトロール中ですので、遅かれ早かれ権威ある監視員にあなたの姿勢も注意を受けるでしょう。 たとえば、比較的背中が丸く(後弯)なっているとしたら、“上位交差症候群”があると言われるかもしれません。これは、肩が前方へ丸まり、胸が凹み、頭が前方に出ているというパターンです。一般的な“矯正”としては、胸のストレッチと左右の肩甲骨の間の筋群の筋力強化があります。 また、腰の反りが比較的大きい(前弯)としたら、“下位交差症候群”があると言われるかもしれません。これは、骨盤が前方に傾き(骨盤前傾)、腹部が前に出っ張っているというパターンです。多くの人が推薦する矯正としては、腹部と臀部の筋力強化と股関節屈筋群のストレッチ、そして1日を通して腹部を凹ましたりコアを活性化し続けるというものです。 ほかにも頻繁に耳にする考え方として、非対称性が痛みを生むということがあります。たとえば、セラピストは骨盤のアライメントの捻りや歪みを見つけ出し、矯正しようとします。なぜなら、それが背骨を回旋させたり曲げたりしてしまうことを心配するからです。また、一方の下肢長がもう一方より長いことなどを気にするセラピストもいます。それは、その下肢長差が骨盤の左右の高さを変えてしまうからです。 これらの考え方には直感的な訴求力があり、また、数多くの専門家たちから提唱されています。しかし、これらにはエビデンスの裏付けがあるのでしょうか? 姿勢を分析したり、理想的なアライメントとされるものと比較し歪みを矯正することに時間を費やすべきでしょうか? これらの疑問に答えることに役立つ、いくつかのエビデンスをみてみましょう。たいていの書籍や論文からは知り得ないことかもしれませんが、痛みと姿勢測定との関係に注目している研究が数多くあります。しかし、ほとんどの研究で関連性は一つも見つかっていません。では、みてみましょう。 研究によって姿勢と痛みの関係に何があるか分かったのでしょうか? 腰痛と姿勢の関連性を探るリサーチでは、一般的にいくつかの異なる研究設計を使います。 横断研究では、研究者らは被験者となる人を、腰痛ありと腰痛なしのグループに分けます。そして、下肢長差や骨盤の傾斜、腰椎、胸椎、頸椎の弯曲度など骨盤と脊柱のアライメントを計測する方法として、X線画像や放射線写真などを使用します。これらの計測後、研究者らは、腰痛ありと腰痛なしのグループで姿勢に顕著な差があるかどうか調べます。 前向き研究では、研究者らは腰痛なしのグループの姿勢を分析し、ある特定の姿勢の被験者が将来的に腰痛を発症する可能性が高いか低いかを調べます。 これらの研究の結果が完全に明確ではないにしても、ほとんどの研究では、悪い姿勢が腰痛を起こすという主張を裏付けしていません。下記に代表的な所見をまとめます: 下肢長差と腰痛の関連性はなかった。 [1] 重度、中度の腰痛と腰痛なしの3つの男性グループの合計321人において、腰椎前弯や下肢長差に顕著な差はなかった。[2] 頸椎の弯曲の測定値と頚部痛に関連性はなかった。[3] 腰痛ありと腰痛なしの600人を対象にした腰椎の前弯と骨盤の傾き、下肢長差、腹筋とハムストリングと腸腰筋の長さにおいて顕著な差は見られなかった。[4] 非対称性の姿勢、胸椎の過剰後弯、または腰椎の過剰前弯をもつ10代の若者において、姿勢が“良い”他の同年代の若者と比べ、大人になってから腰痛を発症する傾向はなかった。[5] 妊娠中に腰痛の弯曲がより増加した妊婦に、より腰痛を発症する傾向はなかった。[6] 無理な姿勢を強いられる職業に従事している人だからといって、腰痛レベルが高いということはなかった。 [7] 脊柱アライメントの測定値と痛みとの間に関連性があるという研究はあるものの、この法則には例外がある。[8, 9] エビデンスの重要性を示す代表的なものは、おそらく痛みと姿勢の関連性を扱った54件以上もの研究を分析した2008年のシステマティックレビュー[10]でしょう。しかし、研究の質は全般的に低く、また矢状面(前後)における脊柱のアライメント測定と痛みの関連性を支持するようなエビデンスにはなりませんでした。 上記のリサーチでは、姿勢と痛みの間に何らかの相関性が存在するとしても、それは弱いことを示唆しています。腰痛との相関性因子として、エクササイズや仕事への満足感、教育レベル、ストレス、喫煙などが顕著に影響するという研究が数多く発見されていることを考慮すれば、この結果は特筆すべきものです。[11] もし痛みと姿勢の相関性が存在するとしても、因果関係を証明するものではありません。痛みが悪い姿勢の原因となっていて、その逆ではないのかもしれません。これには、かなり真実味があります。腰痛を起こすような溶液を注射された人は、無意識のうちに違う姿勢をとろうとするようです。[12] 驚きですよね!! さらに、もし悪い姿勢が腰痛に関与しているにしても、姿勢は矯正されるものであると結論付けるには無理があります。しかも、“悪い姿勢”を正すことで腰痛が軽減されるという保証もありません。 参照文献 1. Grundy, Roberts (1984) Does unequal leg length cause back pain? A case-control study. Lancet. 1984 Aug 4;2(8397):256-8. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/6146810 2. Pope, Bevins (1985) The relationship between anthropometric, postural, muscular, and mobility characteristics of males ages 18-55. Spine (Phila Pa 1976). 1985 Sep;10(7):644-8. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/4071274 3. Grob, Frauenfelder et al. (2007), The association between cervical spine curvature and neck pain. Eur Spine J. 2007 May; 16(5): 669–678. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2213543/ 4. Nourbakhsh, et al. (2002) Relationship between mechanical factors and incidence of low back pain. J Orthop Sports Phys Ther. 2002 Sep;32(9):447-60. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pu... 5. Dieck, et al. (1985) An epidemiologic study of the relationship between postural asymmetry in the teen years and subsequent back and neck pain. Spine (Phila Pa 1976). 1985 Dec;10(10):872-7. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pu... 6. Franklin, et al. (1988) An analysis of posture and back pain in the first and third trimesters of pregnancy. J Orthop Sports Phys Ther. 1998 Sep;28(3):133-8. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pu... 7. Lederman (2010) The fall of the postural–structural–biomechanical model in manual and physical therapies: Exemplified by lower back pain. CPDO Online Journal (2010), March, p1-14. http://www.cpdo.net/Lederman_The_fall_of_the_postural-structural-biomechanical_model.pdf 8. Chaleat-Valleyed, et al. (2011) Sagittal spino-pelvic alignment in chronic low back pain. Eur Spine J. 2011 Sep;20 Suppl 5:634-40. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21870097; 9. Smith, O-Sullivan, et al. (2008) Classification of sagittal thoraco-lumbo-pelvic alignment of the adolescent spine in standing and its relationship to low back pain. Spine (Phila Pa 1976). 2008 Sep 1;33(19):2101-7. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18758367. 10. Christensen, et al. (2008) Spinal curves and health: a systematic critical review of the epidemiological literature dealing with associations between sagittal spinal curves and health. J Manipulative Physiol Ther. 2008 Nov-Dec;31(9):690-714. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pu... 11. Papageorgeoui, et al. (1997) Psychosocial factors in the workplace--do they predict new episodes of low back pain? Evidence from the South Manchester Back Pain Study. Spine (Phila Pa 1976). 1997 May 15;22(10):1137-42. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pu... 12. Hodges, Moseley (2003) Experimental muscle pain changes feedforward postural responses of the trunk muscles. Exp Brain Res (2003) 151:262–271 http://cdns.bodyinmind.org/wp-...

トッド・ハーグローブ 2371字

股関節内旋筋としての外側広筋

外側広筋の筋繊維の方向を考えれば、外側広筋が関わる関節の動きはより立体的であることが理解しやすくなりますが、股関節の内旋、外旋と言った動きにどの程度関わってくるのか?骨盤の前傾や後継との組み合わせでどのような変化があるのか?考えたことはありますか?

マイケル・ムリン 2:46

筋膜101

筋膜とは、何か?身体全体を包み、組織に内在し、全てを通り過ぎている大きなネットワーク、筋膜のネットワークに関してアナトミートレインの著者、トーマス・マイヤースがわかり易く解説をしてくれます。

トム・マイヤーズ 6:16

スポーツにおいて子供たちを比較すべきではない理由

青少年のスポーツにおいて私が目にしている、憂慮すべきトレンドの一つに、最も年齢の若い子供たちが他の子供たちと比較されることがいかに多いか、ということがあります。これはスポーツへの参加を収益化するプログラムや、技能の向上や確認に責を担うコーチたち、そして自分の子供が落ちこぼれることを心配する両親たちの間で見られる問題です。 最終的にプロのアスリートになっていくであろう12歳の子供の発達過程に関わっていることから、私はこの問題について話をするにあたってある意味ユニークなポジションにあります。そして、更に重要なことに、私は3人の娘の父親でもあります。年長の2人、リディアとアディソンは7歳の双子です。 双子の両親として学ぶ最も重要なレッスンは、人々は常にとんでもなく陳腐な「ダブルトラブル」という言い方を面白いと思って使うということ。それを一旦やり過ごせば、2つめのレッスンは、より実行可能なものです:双子同士を決して比較してはならないということ。 これは彼女たちが子宮内にいた時でさえ明白でした。私達が超音波の診察に行くと、リディアはど真ん中の前側にいて、私達は彼女の顔はガラスに押し付けられているよねとジョークを言っていたくらいでした。一方で、常に「隠れている」アディソンを見つけるのには、技師の力と時間を要する必要がありました。ある時の超音波検査では、彼女の足の裏しか見えなかった時もありました。 彼女たちが生まれた時、オリーブ色の肌でブルネットのリディア(彼女の母親似)が出てきて、ストロベリーブロンドで色の白いアディソン(父親である私同様サンバーンしやすい肌)が出てきました。 リディアは泣き叫びながら世界を相手に戦う準備をして生まれてきました。アディソンは、少し苦労して、NICUで酸素供給と栄養チューブをつけたまま4日間過ごす必要がありました。リディアは元気いっぱいな赤ちゃんで常に母親を求め、アディソンは超メローで、母親がリディアを抱っこしている間、通常は父親の腕の中にいるような赤ちゃんでした。 18ヶ月になった時点で彼女たちは入れ替わりました。リディアはルールに従う子になり、アディソンは態度が悪くなってきたのです。リディアは、私達が用意した食べ物はなんでも食べましたが、アディソンの味蕾は、約5種類程度の食べ物以外の存在を認識することを拒否していました。 リディアはアディソン(少し背が高く体重も重かった)よりも5ヶ月早く歩き始めました。アディソンはリディアよりもスイミングをより早く覚えました。リディアはバットを右利きで、アディソンは左利きでスイングします。アディソンがまだサイトワード(一文字ずつ発音しなくても見た瞬間に認識できるようにしておくべき基本単語)を覚えている間に、リディアは本を読み始めました。これに対してアディソンは、リディアよりも数学が得意でした。 リディアはより速く、アディソンはより強い。リディアは意図を持って傾聴し、テニスやソフトボールや体操のような、より「徹底したコーチング」スポーツを選択しました。これに対してアディソンは、ソフトボールの試合のフィールドなどではボーッとしていて、草を蹴りながら隣のフィールドを眺めていましたが、音楽やアートやダンスといったクリエイティブなことにおいては本領を発揮していました。 私は、アスリートを発達させることを仕事としています、そして躊躇うことなく言えるのは、私の子供たちが来週楽しんで行うのはどのスポーツなのか、更に今から何年も先に楽しむのは何なのかなんて、全くわからないということです。私達の双子は、受胎から今までの人生を99%ともに過ごしてきていますが、今の彼女たちは全く異なっていて、彼らが現在のポイントに至るまでに数々の予測不可能なことの繰り返しを目撃してきています。 私達はスポーツでの成功をうまく予測することもできません。私達は、子供たちがどのスポーツを楽しむのかさえも予測できないのです。どれだけ多くのプロアスリートたちが天才児とか中学レベルのスポーツで目立つような存在でなかったか、皆さんは驚かれるでしょう。現実として認めましょう:思春期は数多くのコーチたちを実際よりもより賢く見せてくれるものです。 言い方を変えるなら、私達にコントロールできる「唯一」のことは、彼らがスポーツに参加している際の、彼らの経験をより豊かなものにすることだけなのです。何が効果的なのか? まず最初に、結果よりも努力を讃えること。チームメイトや友達と何かを行うことに起因する楽しさと、その反復が、重要なことです。私の指導するリトルリーグのゲームから、ある特定のスコアを伝える話はできませんが、物事を深刻に受け止めすぎる嫌なコーチについてなら本を書くこともできます。振り返ってみれば、このコーチは野球に関してもあまりよく理解していなかったようです。 2つめに、目新しさを賞賛すること。新しいことは、子供たちをワクワクさせ、また若い年齢で様々なスポーツに参加することは、後に特化したスキルを構築することができるかけがえのないアスレチックな基礎を培う固有受容感覚の豊富な環境を提供します。この幅広いアスレチックな基礎は、運動面における多様性、動きのスピードと関わる力などを含みます。これらの経験が合わさることで、アスリートに複数の関節にストレスを分散することや特定の部位のオーバーユーズ障害を避けることを教えてくれるのです。 3つめに、スキル獲得に関しては、ランダムな練習は長期的にブロックされた練習よりもより良い結果を生み出すことを理解すること。様々なドリルを組み込んで、それらの順番や継続時間を変化させて、そしてそれらを楽しい競技にまとめていくようにします。 4つめに、インシーズンとオフシーズンの期間を認識すること。このシーズンの変動は、子供たちが特定のスポーツに退屈してしまうことを防ぐのみでなく、ストレス因子に対する段階的な露出も促進することになります。10歳児が、年間12ヶ月間野球のボールを投げ続けるというのは、とんでもないアイデアです;異なる方法での発達を促しつつアクティブな状態を維持するためにサッカーやバスケットをプレーするのは素晴らしい方法でしょう。 5つめに、子供が十分に成熟をしてきたら、できるだけ早めに基礎的なストレングストレーニングプログラムに参加させるようにすること。これは彼らの怪我のリスクを低減させるとともに、様々なアスレチッククオリティに「徐々に浸透する」効果を持つことでしょう。ここでも、他の全てのことと同様に、楽しいものである必要があります! まとめとして、子供たちを比較しないこと;比較するのではなく、彼らは皆それぞれにユニークで、異なる方法で、異なるスピードで発達するということを理解します。青少年のスポーツは、ゲームへの情熱を吹き込み、コミュニティの感覚を楽しみ、エクササイズとの生涯を通したポジティブな関係性を育てることに尽きるのですから。

エリック・クレッシー 2947字