プログラムデザインQ&A:プログラムデザインに関する質問への答え パート2/2

シンプルで効果的なプログラミングデザインに定評のあるストレングスコーチ、マイク・ロバートソンがプログラミングに関する質問に答えるビデオのパート2。トレーニングに慣れていない低体力の人への注意点、そして彼がミクロ・バリスティックと呼ぶものについて解説をしてくれます。

マイク・ロバートソン 4:13

プログラムデザインQ&A:プログラムデザインに関する質問への答え パート1/2

トラビスは10年以上前に、マイク・ロバートソンのトレーニングプログラムをクライアントとして継続して購入していた経験があります。シンプルに、実行しやすく、効果的なトレーニングプログラムのデザインをするための秘訣をマイクがシェアしてくれます。時間枠をいかに使うか?そして回復中の期間にどうするのか?

マイク・ロバートソン 5:06

呼吸とブレーシングの方法

ストレングスコーチのマイク・ロバートソンが、スクワットを行う際の呼吸とブレーシングのための効果的なキューイングと、ベルトを効果的に使用する方法をご紹介します。

マイク・ロバートソン 4:02

ケトルベルレッグトレーニング(パート1/2)

先日私は大好きな選手の一人である、比類なきアスリート、ダニー•オロークと議論を交わしていました。 毎年オフシーズンになると、彼と私は9ヶ月に及ぶ過酷なMLSのシーズンの為の準備と、彼をより高いレベルに導くためのトレーニング計画を立てます。 彼はとても思慮深く知性があり、私達の議論を通して彼はとてもシンプルな質問を投げかけてきました: “去年と比べて何か新しかったり、違ったことはやりますか?” 私は自分のアプローチ方法はとてもありきたりだと思うようにしているのですが、彼の質問は過去1年を振り返り、私自身何か変化や微調整、進歩があったのかを考えさせてくれました。 私のなかでの大きな変化の1つは、アスリート達のエクササイズ選択により重点を置き、細部までこだわったことです。ごく単純に、彼らにとってスポーツパフォーマンス、動きの質、理想を言えば、その両方において、最大限に効果のあるエクササイズを選びたかったのです。 そして私自身、より頻繁に使っていることに気づいたものの一つは、前方荷重のケトルベルエクササイズです。 では、なぜプログラムにこれらのエクササイズを取り入れることを検討すべきなのかをお話してから、私が気にいっている、ケトルベルの脚のトレーニングのお薦めを幾つか紹介して締めくくりましょう。 なぜケトルベルで脚のトレーニングなのか? なぜ私がこれらのエクササイズをとても気に入っているかを取り上げる前に、1つはっきりさせておきましょう。 ええ、ケトルベル主義者の方はこれを書いている私に嫌悪感を抱くでしょうね。 私はクリーンやスナッチ、ロングサイクル、またはこういった種目について書くつもりはありません。 そうではなく、私が描写しようとしているエクササイズは実際とても基本的ではありますが、荷重のされ方を修正し、向上させるためにケトルベルを使います。 ですから、私自身も従来のケトルベルエクササイズの大ファンではありますが、常識や日常のトレーニングから抜け出すために、このトレーニングツールの使い方においてとても柔軟に考えてほしいということをお願いしたいのです。 というわけで、ここにこれらのエクササイズを試すべきだと感じる3つの理由があります。 1. 大腿四頭筋を鍛える いいですか、皆さんがポステリアキネティックチェーン(または略してP-チェーン)について話したがっているのは知っていますが、あれはもう2008年の話です。 現在では、“クールな“ 子供達は皆トレーニングにおいて体幹も、そしてアンテリアキネティックチェーン(またはA-チェーン)も同様に鍛えているのです。 冗談ぬきで、大腿四頭筋は競技能力向上が目的でも、より見た目重視の場合であっても関係なく、1つのキーとなる筋肉群でしょう。 2. 前方コアの関与を増加 多くのクライアントを評価する際に、前方コアと後方コアの筋群で深刻なアンバランスが確認できることは明らかです。 より詳細にみれば、このアンバランスは呼吸の吸気筋群と呼気筋群の間でみられます。 そして私の指導に隠し事はありません ー 私は “Postural Restoration Institute/PRI ” に強い影響を受け、そのアプローチ法は、私のクライアントやアスリート達への指導法を変えました。 というわけで、私は誰もが沢山の前方コアトレーニングをする必要があると強く感じています。あなたが以下のエクササイズ行う際、脚を高度に発達させるだけでなく、コアも同様に発達させることができるのです。 3. 広背筋の動員を抑える これは前のポイントからは少し外れますが、もし私達のほとんどが伸展位、又は吸気のポジションで生活しているということに同意していただけるのであれば、過度な伸展を伴わない動作で脚を鍛えることができるエクササイズを選ぶべきです。 広背筋は注意しておかなければならない筋肉です。この筋は、肩関節に作用するのみでなく、腰椎や下背部にも関与します。 広背筋が硬ければ、それが骨盤の前傾を引き起こして腰椎前弯を増加させえるわけですから、それにたいしてアプローチすることは私達のプログラムデザインでは非常に重要になります。もう一度言いますが、広背筋に関しては1つ記事を書いていますので(広背筋:味方か敵か?),時間がある時に是非チェックしてみてください。 しかしここですごいのは、前方荷重のケトルベルエクササイズは、肩関節の外旋を減少し、広背筋にスイッチが入り、悪い姿勢に引き込む可能性を抑えられることです。

マイク・ロバートソン 2034字

ケトルベルレッグトレーニング(パート2/2)

お気に入りのケトルベル脚エクササイズ 広背筋が脊柱を固定する影響を軽減させたり、大腿四頭筋やコアを強化するということの有無に関わらず、私は前方荷重のケトルベルエクササイズの大ファンなのです。 きっと以下のエクササイズには1000通りのバリエーションがあるでしょうが、私の主要なエクササイズは以下の3つです。トレーニングからより多くを得られる手助けとなるであろう、いくつかのコーチングのポイントを加えています。 2-KB フロントスクワット 私が2個のケトルベルでのフロントスクワットを最初に行ったのは、何年も前にロシアンケトルベルチャレンジ(RKC)インストラクターコースを受講した時でした。 当時の私のトレーニングはまだパワーリフティング色がとても強かったので、その時はこのエクササイズを本当に理解していたか定かではありません。 しかしながら、私の焦点がよりアスリートのトレーニング、よりバランスのとれたアスリートを育てることに傾いてきたと同時に、これが私の、特にトレーニングプログラム初期に組み込む主要エクササイズのひとつになりました。 身体の正面にケトルベルを2つ抱えます。肘を一定の角度まで下げて保ち、指先をしっかり組むのを好みます。 足幅は骨盤~肩幅に開きながら、足趾も軽く広げます。このポジションから単純に後方に向かって座るようにしますが、前額面で足部、膝、股関節は常に一直線となっていることを確認してください。 下背部のポジションが崩れない範囲でできるだけ深くスクワットし、足裏全体をしっかり“感じながら”下がってきてください。しっかりコントロールし、大腿四頭筋と臀筋を使って下から立ち上がってくることを意識してください。 トップポジションは高い位置で終えて、次のスクワットのためにリセットしてください。 2-KB スプリットスクワットとリバースランジ 私は明らかにシングルレッグやスプリットスタンス動作の信者ですが、2-KB のバリエーションはこれらを次のレベルへと導いてくれます。 私は常にスプリットスクワットやランジで前方荷重でのバリエーションを使うことを好みますが、バーベルの場合は以下の2つの理由で望ましくないと考えています。 扱いづらく、 特に混んでいるジムでは場所をとり過ぎてしまう。 肘を上げる動作(フロントスクワットで行う動き)が広背筋を引っ張り、腰背部の過伸展/骨盤前傾を増加させる。 2-KBバージョンのスプリットスクワットとランジは理想的な体幹のポジションをキープし、前方コアに負荷をかけ、おまけに大腿四頭筋も強化します。 ケトルベル2つを身体の正面にセットし、スタビリティーとコントロールを高めるために指先を組み合わせます。 もしあなたが90-90ポジションでのスプリットスクワットを行うのであれば、腹筋群/コアのスイッチを入れる為に息を吐き、真下に下りていくようなイメージをもってください。 足底部はすべて床に接地させ、足元から押し上げてくるような意識でスタートポジションに戻ります。 リバースランジに関しては、90-90ポジションでステップバックしてくることを目指します。これは明らかによりダイナミックで失敗しがちですが、90-90ポジションのおおよその見当がついていれば問題ないといえるでしょう。 2-KB ステップアップ 最後になりましたが重要なものとして、2-KBステップアップがあります。 ランジ/スプリットスクワットと同様、前方荷重のステップアップのバリエーションはとても気に入っていますが、同じ問題点の餌食になってしまう気がします。 繰り返しますが、バーベルの代わりにケトルベルを用いた場合、これらの問題を改善して様々な動きを獲得することができるのです。 ステップアップのコーチングは比較的簡単ですが、実際行うのはもちろん簡単ではありません。ケトルベル2つを身体の正面でラックポジションに固定し、指先を組み合せます。片足はボックスの上に乗せ、足部/膝/股関節は一直線に保ちます。 この位置から、足底全体を意識し、そして中足部から押し出すようにしながらボックスの上に立ちあがります。 コントロールしながら下がります、再び足底全体を感じながら、 足部/膝/股関節を常に一直線に保って後方に下がっていきます。 最後のキューイング/技術のポイント ここで使えるキューイングはもちろん数えきれない程ありますが、できるだけシンプルにしたいと思います。 ここまで、ケトルベルそのものがあなたのコアと体幹を良いポジションに導いてくれるという前提のもとに進めていますが、残念なことに常にそうであるわけではありません。 まず、コアと骨盤のポジションを正しい位置におくために息を吐き、そこから息を少し吸うことで(正しいポジションをキープしながら)スタビリティーを向上させる必要があります。 まとめ ケトルベルでの脚のトレーニングが、全てをカバーするトレーニングというわけではなく、そんなことを言うつもりもありません。私の心に根付くパワーリフティング魂はまだ従来のスクワットやデッドリフトのバリエーションを好み、それが変わることは決してないでしょう。 しかしながら、私は特定のクライアントに対して特定のトレーニング効果をもたらすために、これらのケトルベルのバリエーションを使うメリットは大いにあると考えています。 もし過去にこれらを試したことがないのであれば、次回ジムで試してみてください、あなたのトレーニングに大きな影響を与えるでしょう!

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ハムストリングの肉離れはもうおしまい!

気候も良くなってきて見込めることは: ジムに何かに取り付かれたかのようにトレーニングを始める人が増える 多くの人が「身体を鍛えるために走る」そして 地元の整形外科クリニックに、新たなハムストリングの肉離れが山ほど! というのは冗談ですが、私は実際にこういう状況を目にしてきました。 去年、私たちがインディイレブン(National American Soccer Leagueに所属するプロサッカーチーム)のサポートを始めてから、少なくはない数の扇子達がハムストリングや鼡頸部の肉離れを受傷しました。 ここで疑問となるのが、なぜハムストリング挫傷が起きるのか、です。 そしてそれと同じくらい大切なのが、どのようにこの肉離れの原因となる問題に働きかけ、再び肉離れが起きないようにするのか、です。 ここで、IFAST(著者のトレーニング施設)での私たちの活動に大きなインパクトを与えた哲学と考え方を提供する、ポスチュラルリストレーションインスティチュート(PRI)について言及しておかなければなりません。 もしまだPRIについて調べたことがなければ、今がその時です。ですが、ここではこのくらいにしておいて、ハムストリングについて語りましょう! ハムストリングの謎 還元主義者になって、ハムストリングの肉離れが起きる理由は一つしかない(筋力が不十分、柔軟性が貧しい、など何でも)と言うのは簡単ですが、ただそうではないのです。 実際には、ハムストリングの損傷のほとんどは、複数の理由から起こっています。下記は損傷の要因となりうる影響の一例です。 ハムストリング挫傷の既往歴 加齢 ハムストリングの遠心性収縮力の弱さ(多くの場合、未熟なスタートポジションと同時に起こる) 疲労 私は理学療法士ではありませんし、テレビでそんな真似をすることもありません。私はパフォーマンスコーチですから、急性のハムストリング損傷のリハビリ方法ではなく、ハムストリングの肉離れに対する予防の側面を中心にお話します。 ここでは、あなたのアスリートがハムストリングを損傷する可能性を減らすために、4つの方面からのアプローチを紹介します。 解決策#1−姿勢とポジションを改善する より健康なハムストリングを保つための最初のポイントは、姿勢とポジションの改善です。 姿勢からでは、痛みや機能障害を予測できないと言ってくる人もいるでしょうが、それは、ある意味では確かに正しいでしょう。 鍛えあげられた、深い腰部のカーブを持ち、骨盤が前傾した人で、全く痛みの徴候がないアスリート達もいます。 でもこうも言えます。今問題ではないからと言って、今後も問題にならないとは限らないと。 むしろ、問題にならない可能性の方が低く、そのままの状態を続ければ、あるいは、コアや骨盤の前面の安定性を向上させなければ、それは、ハムストリング(または鼡頸部、大腿四頭筋)の肉離れが起きるのを待っているようなものです。 IFASTにトレーニングに来たら、まず最初に、骨盤の位置を正しい位置に戻すことから始めます。個々の評価をすることの良さは、その人に効果的な、的確なアライメント調整のエクササイズを考えることができることです。 もう一つ注意ですが、ここでの目標は、必ずしも「完璧な」姿勢(それがどういったものであれ)になることや、骨盤の前傾を取り去ってしまうことではありません。 爆発系のパワーを要するアスリートには、伸展は必ずしも悪いことではありません。伸展は、より速く、より力強く、より爆発的な力を発揮するのに役立ちます。 これは、抑制と均衡のシステムであり、アスリートが伸展をコントロールできるようにする必要があるのです。姿勢やポジションを改善することは、伸展のコントロールに大いに役立ちます。 解決策#2−ハムストリングを強化する ポジションが改善されたら、次は実際にハムストリングを強化します。 サッカー界に属している人には、ノルディックハムストリングカールは有名でしょう。 サッカー界に属していない人にとっては、ノルディックハムストリングカールは、ただ単に、遠心性収縮のみのグルートハムレイズでしょう。多くのアスリートは、グルートハムレイズマシンにアクセスがありませんから、パートナーに足首の上に座ってもらう方法で、身体をコントロールしながらゆっくり下げるようにして行います。 しかし、ノルディックハムストリングには、ほとんど議論されていない二つの問題があります: ほとんどのアスリートは、肉体的にこの動きに対する準備ができていない ほとんどのアスリートは、このエクササイズを正しく行っていない 私たちは、昨年から、インディイレブンで、ノルディックハムストリングを用い、とてもいい結果が得られています。事実、去年のシーズン終了時には、ハムストリングの問題を抱えていた選手は一人しかいませんでした。 でも、私たちは、何も考えずに、すぐにノルディックハムストリングをやらせたわけではありません。私たちがチームのトレーニングを始めたのは、競技シーズンが始まってからでしたから、なおさらです。 どんなバージョンであれ、グルートハムレイズを行ったことがある人なら、それが簡単な動きではないことは知っているでしょう。たとえ、3−5回を2−3セットでも数日間の筋肉痛になることもあります。 そのため、私たちは8週間をかけて、ゆっくり、でも確実にハムストリングの筋力と弾性を構築しなければなりませんでした。 次に、全てのエクササイズと同様に、アスリートのためにプログラムを作るだけではなく、実際にどのように指導をするかがそのプログラムをより効果的に(あるいは、効果的でなく)します。 アスリートにノルディックハムストリングを行うときは、まず「腹筋を働かせろ」と指示します。そのために、アスリートには、息を吐いて、肋骨を下げ、骨盤を肋骨の下に置くイメージを持たせます。 こうすることで、骨盤がよりニュートラルな位置に戻り、ハムストリングが力を発揮するのに良いポジションに持っていくことができます。 動きに対して、アスリートのハムストリングを、正しい段階を踏みながら準備し、そこにより良いコーチングスキルを加えれば、結果としてアスリートはより健康になれると保証します。 解決策#3−コアを安定させ、強化する ハムストリングの怪我の予防には、ハムストリングの強化が大切なのは明らかです。骨盤の後部を「引き下げる」ことが、骨盤のアライメントをよりニュートラルな状態に戻します。 しかし、指導者が重視していることが、これだけになっていることが多いと思います。後面と同じくらいに、骨盤の前面をコントロールすることも重視するべきです。 アスリートが、上から下まで伸展のポジションにあるとすれば、骨盤の前面は前に傾いています。 骨盤の前面が前に傾いていると、腹筋は伸びた状態になり、力を発揮できません。 ここで覚えておいてください。アスリートは、花崗岩を彫ったような腹筋を持っているかもしれません。特に腹直筋、いわゆる6パックの筋肉は。 でも、見栄えのいい腹筋と、骨盤と腰部のポジションをコントロールできる腹筋は、ほとんどの場合、二つの全く異なるものなのです。 ここで必要なのは、前側から骨盤のコントロールを助ける腹斜筋(内腹斜筋と外腹斜筋のどちらも)と、腹横筋です。 どうすればよいかって?その質問を待っていました! まず、全ては息を吐くところから始まります。ノルディックハムストリング同様に、息を吐ききることで、肋骨の下部が下がり、骨盤が肋骨の下に「収まり」ます。 このポジションで行うと、私が今までに紹介した全ての腹筋エクササイズ(レッグロワーリング、デッドバグ、プランクなど)は、さらに効果的になります。 (これが私のお気に入りの入門レベルのエクササイズです:グランドベースのコアトレーニング。) 一方で、これらのエクササイズを伸展のポジション(吸気の状態)で行うと、ピントのずれたエクササイズを行うことになってしまいます。 解決策#4−疲労を撃退する 私のよき友人であり、ビジネスパートナーのビル・ハートマンが良く言うのは: 「疲労は全てを変える」 一番大きな問題は、疲労が姿勢やポジションに影響することであり、悪い姿勢やポジションは、代償動作へとつながる可能性があります。 サッカーでは、ハムストリング損傷の発生は、それぞれのハーフの終了間際で増加することが示されています。 ジムでいくら正しいことをして、骨盤の位置を戻し、ハムストリングを強化し、コア/骨盤を安定させても、疲労に勝てなければ、怪我をしてしまうのです。 このことについては、これだけで別の投稿にできますので、このエントリーでは詳しくは触れません。しかし、私は、アスリートの健康を保ちたいのなら、エネルギーシステムのトレーニングと発達の組み合わせが必要だと、固く信じています。 私の一般的なお薦めは、まず、低強度の基盤を作り、それから、より高強度の方法で、有酸素の枠を広げることです。 戦略的な見解からすると、全てのスポーツにおいて、賢い置き換えパターンがあれば、大きな違いを生むことができます。 つまり、これだけは覚えておいて欲しいのですが、全体的なハムストリングの健康を考えるプログラムは、適切なコンディショニングの議論なしには語れないということです。 ボーナス解決策#5−ハムストリングのストレッチをしない! 私たちはみな、どこかの時点で、「ハムストリングストレッチ」や「固いハムストリング」という流行にはまったことがあると思います。 なぜなら一見、これは理にかなっているからです。ワイヤーケーブルよりも固かったら、ストレッチをする必要がある。そうですよね? 骨盤のポジションについては、うんざりするほど話してきました。今日、これだけは確実に理解して欲しいのですが、 姿勢とポジションは重要です。 もしあなたが伸展状態(骨盤の前傾、深い腰椎のカーブ、前側への体重移動、など)にあるアスリートを指導しているのなら、彼らのハムストリングは伸ばされた、神経的に弱ったポジションにあります。 ストレッチがどんな影響を与えるかわかりますか。 その通りです、ハムストリングを長く、弱くするのです。 では、ハムストリングを強化し(骨盤をニュートラルな位置に戻し)て、ストレッチをする(骨盤を前傾状態に戻す)意味はあるのでしょうか? その答えはあなたに委ねますが、もうその答えはおわかりでしょう。

マイク・ロバートソン 4645字

チームスポーツコンディショニングテストをやり抜く方法

過去数年にわたり、チームスポーツのコンディショニングテストは私の悩みの種となっています。 最初に言わせてもらうと –早期におけるスポーツの特定化や、誰もが栄養学のエキスパートになってしまうこと、そしてその他諸々のことと共に悩みの種なのです。 本題から外れましたが… まず何よりも、こういったテストは大抵馬鹿げていて、全くもってスポーツに特化していません。 友人であるモーリス(アリゾナカーディナルスのフィジカルコーチ)が度々述べているように、フットボールは非乳酸系-有酸素的スポーツです。 ですが私はもう一歩踏み込んでみたいと思います - ほとんどすべてのチームスポーツが実際は非乳酸系-有酸素的スポーツなのです。 言い換えると、非乳酸系(又はクレアチン-リン酸系)に負荷をかけて高強度運動を起こし、そこから30、60、または90分にわたるエネルギー供給と補給の為に有酸素系へと引き継ぐのです。 これらのテストは、高校生や大学生世代のアスリート達と同じ馬鹿げたテストを強制させられるプロフェッショナルレベルにおいて、より憤りを感じさせられます。 良き友人であるビル・ハートマンは“プロのアスリート達は良いコンディションで姿を現すためにお金をもらっている”と言っています。 これ以上の言葉は思い浮かびません。 ここでの大きな問題は、ほとんどのチームのコンディショニングテストは、かなり解糖系のものであるということです。アスリート達は連続して25秒,30秒,45秒,あるいは60秒間も、セット間のわずかな休憩だけで走り回っているのです。 広範囲に及ぶ解糖系のトレーニングで、あなたはフィールドやコート上で役立つこととは真逆となる心臓やミトコンドリア、そして毛細血管においてトレーニングの順応性を作っているのです。 残念ながら、沢山のコーチ達がいまだにその選手が “適切”なのか不適切なのか、チームの一員になれるかなれないかを判断する為に古典的なエネルギーシステム/コンディショニングテストを使っているのです! それゆえ、私のコーチとしての仕事の1つは、アスリート達を助けるためにそのシステムをうまく操作することなのです。 いたってシンプルに、私は彼らにトレーニングキャンプを迎えた際にスポーツに適した状態で各々の競技で活躍してほしいのですが、テストを乗り切るための十分なエネルギーもまた与えなければなりません。 以下の要点は最も一般的なコンディショニングテストに勝ち抜く為のトレーニングブロックを設定する1つの方法です。頑張ってください! 最初に読んでください! 今日提供することはとても高強度で、解糖系に注目したトレーニングブロックです。これはアスリート達にとっては悲惨なものになるでしょう - 間違いありません。しかしあなたがこのブロックに頭から突っ込む前に、まずこれを理解しておいてください: 有酸素トレーニングは基本であり、実際チームスポーツアスリート達のエネルギー供給においてそれが現れます。 有酸素系エネルギーシステムは全てを支え、高強度での爆発からアスリートを回復させる手助けとなり、最終的にはより優れたアスリートになる手助けとなるでしょう。 このようなブロックから最大限の効果を得る為には、心拍出運動、高強度の連続したトレーニング、酸化リフティング等を通して有酸素系を成長させることに時間を割く必要があります。 有酸素系の準備が整い働きはじめたら、そこからが解糖系に目を向けるタイミングなのです。 もしあなたがタバタのリサーチに目を通したなら、参加者の無酸素能力の向上は6週目でピークを迎えることに気づくと思いますが、この増加のほとんどは実際には最初の3~4週間で迎えているのです! それゆえに、このブロックを短期間に保つ理由は2つあります。 これは80/20の原則です –最小限の努力で最高の結果をだす、そして アスリート達を無酸素の方向に無理に追い込むことはしません。私はそれよりも実際のスポーツで役に立つ非乳酸系—有酸素系で軸となる適応を維持しながら、テストをパスするのに十分な変化を得るようにするでしょう。 これで基本の部分はカバーしたので、どうやってトレーニングブロックを設定するかについて話しましょう。 解糖系ブロックを構築する 乳酸系や解糖系トレーニングに関しては、私が基本的に取り入れる“3タイプ”のトレーニング法があります。 乳酸パワー – 25秒-35秒の非常に高強度な運動。実施後完全回復を行う(10分が望ましいが、時間を考慮すると5分が実践的)。 乳酸許容量 – これもまた高強度ですが、持続時間が長い(90-120秒)。完全回復を伴う、または繰り返して行われる。 乳酸反復 – これは基本30-60秒範囲での運動と30-90秒の回復で、数回にわたり繰り返されます。 というわけで、私はストレングス/パワーセッションの後のまとめとして大抵一週間に3つの乳酸系のセッションを指導します。 月曜 – 乳酸パワー 水曜 – 乳酸反復(テストに特化) 金曜日 – 乳酸パワー 乳酸許容量トレーニングは滅多に必要にはなりません。アスリートにとって最悪な経験であるだけでなく、そのスポーツにおいてほとんど見返りのないレーニング耐性を作ってしまうからです。 かわりに、テストのほとんどは25-35秒内の短時間での運動を伴っていますので、乳酸パワートレーニングのほうが遥かに特化しています。ここでの目的はアスリートを本当に最大限のペースで追い込むことです。そうすれば、テストは最大下になるのです。 これをストレングストレーニングの観点で考えてみてください:もし一人がベンチで315ポンドを上げて、もう一人が250ポンド上げたとすると、どちらがより多く225ポンドを上げられるでしょうか? エネルギーシステムのテストへの応用ということに関しても違いはないのです: 目的は乳酸パワーを使ってアスリートを追い込み、テストで求められるよりも、より激しく速くトレーニングをすることです。結果として、テストの中での一連の運動は最大下になるのです。 ですから私達は2日間を乳酸パワーの為に使い、1日はテストの為のトレーニングに費やしているのです。 これもとても重大です。なぜならいくつかのテスト(120秒を繰り返すようなテスト)は直線的であり、より純粋にスピードが要求されます。もう一方で、コーンドリルは方向転換の繰り返しであり、使うエネルギーシステムは同じかもしれませんが、組織への負荷という観点では全くの別物となるからです。 コーンドリルは間違いなく四頭筋に負荷をかけますから、テストの為の日を、テストに特化しているか確認することを忘れないで下さい(もしくは少なくとも組織に特化していること)。 ここでもうひとつ乳酸系トレーニングのマイナスの副作用を軽減できるいいことがあります: アスリートに心拍系をつけさせ、テスト中に心拍数を測ってください。私は彼らの心拍数が無酸素性作業閾値に達するまで走らせてから、テストを終了します。 そしてもし彼らが必要とするトレーニング量に届かずもがいているとしたら、無酸素性作業閾値に達するまで走らせて、もう一度繰り返す前に5-7分の休憩を与えて下さい。こうすることでアスリートをトレーニング中完全に潰すことなくボリュームを獲得できるでしょう。 これで3日間のトレーニング日を決定しました。今度はこれをどうやって4-5週間のトレーニングブロックに当てはめるか見てみましょう。 トレーニングウィーク このトレーニンブロックは、最大限の効果を引き出す為に高強度で維持されなければならないため、とても負荷と強度がかかることを頭に入れておいてください。 ですので、アスリートをキャンプに送り出す前にトレーニング量と負荷を減らすことを計画する必要があります。決して彼らを疲れて疲弊した状態でキャンプに送り出したくはありませんから、送り出す前に“リフレッシュ”させる計画をしましょう。 ここに理想的なトレーニングブロックとはどういったものかを記します: 第5週-乳酸週その1 第4週-乳酸週その2 第3週-有酸素系ミニブロック* 第2週-乳酸週その3 第1週-乳酸週その4(週の半分) ゼロ週目-キャンプに参加優勢を極める (*もしあなたがブラデミール・イズリンの手法を手本にするのなら、有酸素向上のトレーニング効果は30日+/−5日であると彼は明言しています。そういったことで、有酸素システムを “繋げて”おくために有酸素のミニブロックをこのフェーズの間に投入したいのです。ミニブロックではより非乳酸運動{8秒又はそれ以下}、心拍出、高強度での連続運動、または豊富なテンポでの走りをより考慮します。) この最後のブロックは9~12の解糖系セッションから成り、詳細な概要によって決まります。確固たる有酸素エネルギーシステムを構築する為に、全ての低強度運動をあらかじめ完了させていると仮定すれば、これはアスリート達の間近に迫ったテストへの準備には十分過ぎる程でしょう。 まとめ 理想としては、全てのスポーツ(そしてフィジカルコーチ)が運動生理学だけでなく、そのスポーツの特異性や要求をしっかりと理解することです。 ですがそれまでは、かなり厄介なコンディショニングテストをなんとか切り抜けなければなりません。 フィジカルコーチとして、 何よりもまず彼らのスポーツに不可欠で要求されることをアスリート達に準備させることが私達の仕事なのです。  ですがもしチームスポーツのコンディショニングテストをうまくやり抜かなければならない場合、上記のプランは間違いなく役立つことでしょう。

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RFEスプリットスクワットの方法

ブルガリアンスプリットスクワット、またはリアフットエレベーテッド( RFE )スプリットスクワットを呼ばれるエクササイズは、片側性の下半身強化のエクササイズとして人気があります。このエクササイズを安全に効果的に指導する為のポイントをマイク・ロバートソンがシェアします。

マイク・ロバートソン 2:21

RDLのしてはいけない方法

RDL、ルーマニアンデッドリフトは、オリンピックリフターやアスリートどちらとっても定番のエクササイズです。 普遍的に人気があるのは、より難易度の高いリフト(フルデッドリフト、クリーンなど)を指導するためのツールとして使えるというだけではなく、ハムストリングを強化し、股関節を適切に屈曲、伸展させることを教えることができるからです。 しかし、RDLは初心者に教えるのに、最も難しいエクササイズの1つであると死ぬまで言い続けなければならないでしょう。 単に股関節を後ろに押しだしながら、脊柱をロックするという考えが、ほとんどの人にとって信じられないほど難しいものであり、その為に今日は、このブログ全てを、このエクササイズに費やすことにしたのです。 まずは、正しいRDLの方法という基本から見ていきましょう。 RDLの行い方 まず、身体の前で腕を伸ばして、バーベル、ダンベル、またはケトルベルを掴みます。体幹は上にまっすぐに伸ばし、足は大体股関節幅から肩幅に開き、膝を弛めます(若干屈曲する)。 このスタートポジションから、脊柱をしっかりと安定させたまま股関節を後ろに向って押すようにします。背骨を一旦セットしたら、動かしてはいけません。 ハムストリングに微かな伸張感を感じるまで股関節を後ろに押し、今度は股関節と骨盤を前に押し出して、スタートの位置に戻します。 RDLの正しい方法を確認したところで、今度はリフトを教えているときに最も良く見かける6つの問題を見ていきましょう。 RDLのしてはいけない方法 #1 – 膝の位置 RDLにおける膝の位置は、かなり微妙です;多くのアスリートは、体幹やバーを動かしながら、膝は緩めた状態で保持するという概念に苦労するようです。 よく見る最初の問題は、膝をロックしてしまう、さらに悪い場合には、過伸展させてしまうことです。 背骨をロックすることを理解すると、同じように、膝もそこでロックしてしまうのです。 それとは対照的に、かなり膝を曲げているアスリートを見るのもそれほど稀ではありません。 多くの理由で膝の過度な屈曲が起こり得ます: ハムストリング・ポステリアチェーンの硬さ ハムストリング・ポステリアチェーンの弱化 身体への気づきが乏しい など 準備の時に、若干膝を“揺らして”、あるいは、“緩めて”とアスリートに助言することが多く、そこから、膝を動かさないようにして、体幹と股関節を膝に対して動かします。 #2 – 背中の位置 膝は簡単に(ある程度)修正できることが多いのに対して、背骨・背中は、複雑で解決困難です。 呼吸の仕方がかなり良くない人が多く、そのせいで背骨があらゆる異常な姿勢や位置に押しやられてしまっています。 我々ストレングスコーチやパーソナルトレーナーにとって残念なことは、誰かにRDLを教える時、そのすべてが我々に跳ね返ってくることなのです。 誰かにRDLを教えるとき最初に気づく問題は、腰部に過剰なアーチができてしまうことです。 だいぶ昔に、最小限の股関節の動きで、バーが膝を超えてしまう女子高生バスケットボール選手がいました。ただ単に、彼女は腰部を激しく反り返させることで、それだけの可動域を得ていたのです。 一方で、“ニュートラル”がどのように見えるのか、感じるのか全く分からず、動き始めるとすぐに腰椎が屈曲したり背骨が丸まってしまう選手もいます。 これを矯正するために、私はまず塩化ビニール(PVC)パイプを頼りにしています。 同じことを繰り返す老人の様に聞こえるでしょうが、PVCパイプを使わず、選手に空間における身体の正常な位置の運動感覚的理解をさせようとしても、うまくいかないでしょう。 PVCパイプを背中に置き、3つの接点を見てみましょう(実際には4点): 頭の後ろにPVCが当たっている、 上背部にPVCが当たっている、 仙骨・おしりにPVCが当たっている、そして 腰椎とPVC管の間に指の幅程の小さい隙間がある。 3点の接触があることで、頂点から下までがニュートラル・まっすぐであることを確かめることができ、腰椎とPVCパイプの間に小さな“隙間”があることで、過度に屈曲、伸展していないか確かめることができます。 (このビデオをご覧ください。) #3 – 首の位置 首の位置について話をすることなく、腰の位置の話をすることはできません。これら2つは密接に繋がっているのです。 腰が過度に屈曲する、あるいは伸展するように、首もそうなってしまいます。 ここで気づく大きな間違いは、首の過伸展でしょう。腰の位置を矯正し始めると、このことが良く起こります;1つの場所の伸展を取り去ろうとすると、どこか違う場所を伸展することで、代償をしてしまうのです! このように考えてみてください―もしも、安定性を産み出す唯一の方法がアーチを作ることだとすれば、とにかくアーチをしたくなるでしょう。これはパターンであって、身体はそう動こうとするのです。 つまり、これを頸部で矯正することなく腰部で矯正しても意味がないのです。そこで、PVCパイプが役に立ち、参照ポイントを与え、それに従うことで“あごを下げる”、あるいは、“あごを引く”ことに繋がります。 一方で、頚部の位置が悪いと(深部屈曲筋の弱化や呼吸補助筋群が強いため)、首を屈曲しようとするか、首を前に突き出してしまう傾向があります。 ここでもまた、頭と首を管パイのほうへ“引く”ことを指導できるので、PVCパイプは驚くほど効果があります。かなり違和感を感じるでしょうが、以前よりもしっかりと動きを感じることが多いでしょう。 それともう一つ―この動作を改善すると、“頭を後ろに”という指示が頚部の過伸展に繋がるかもしれないことに気づくでしょう。これを修正するには、まず“頭を後ろに”から始めて、“それからあごを引く”というふうに続けなければならないかもしれません。 #4 – 膝の位置(再び) 最初の3つのポイントは矢状面に焦点をあて、90度横から選手を指導します。では、前後から見て、何を矯正できるか、または、するべきか見ていきましょう。 膝の位置というのは、もう1つの大きな問題ですが、今回は前額面(左右)と水平面(回旋)の観点から見てみます。このことについて以前言及したことはないのですが、ここで言うと:矢状面と横から見えることをまず矯正します。矢状面の動きを改善せずに、前額面、水平面を思い通りにすることはできません。 前や後ろから選手を指導するとき、膝が内に入っていたり(外反)内側に回旋している(内旋)をみることは稀ではありません。 これは、間違ったスタートポジションのためかもしれません。選手に足を大きく開いて立たせれば、これが起こるでしょう。まず足を直します。 もし足幅が適切であれば、通常、股関節、または、外側ハムストリングの弱化が原因であることが多いでしょう。もし膝が内に入っているようなら、膝を外へ“押し出す”よう選手に指示します。もし膝が内側に回旋しているのであれば、膝を外へ“回す”よう指示します。 このコンセプトがよく分からないようであれば、ウエイトを下ろし、ボトムポジションで保持することをさせるでしょう。私は、彼らの前に片膝をつき、実際に膝がどの位置にあるのか示し、あって欲しいと思う場所へ動かします。 これは、ぱっとひらめく瞬間であることが多く、正しい位置へ導くことで、正しく使えていなかった筋肉が活動し始めることが多くあります。 #5 – 股関節のシフト アスリートRDLを教える時、股関節のシフトはよく見る間違いの一つです。 股関節のシフトが起きてしまう理由はたくさんあります: 片側の股関節・大腿の弱化 片方の股関節後方関節包の硬さなど 当然ですが、最初にこれを修正するように指導を試みます。反対の股関節へ押し出すといった、単純な指示をする、あるいは手を使って適切な位置へと指示します。 しかし、精魂尽き果てるまで徹底的に指導し、指示しなければならないのであれば、おそらくそれは筋骨格系の問題以上のものであり、RDLを行う前に、修正エクササイズや特別な強化・ストレッチをする必要があるでしょう。 #6 – バーの位置 最後になりますが、大切なこととしてバーの位置があります。他のすべてのことを正しく行えていても、バーが身体に近い位置になければ、扱える重さには限界があり、背中に過度のストレスと負荷がかかってしまうでしょう。 スタートポジションから、バーは大腿の前をスライドして下がるべきです。ボトムポジションであっても、バーは前方に離れてはいけません(右側の写真のように)。こうなってしまうとかなり不利なポジションになってしまいます。 これを直すためには、広背筋を働かせ、動きの全体を通して、バーを身体に向って“引く”ようイメージします。このイメージは、リフトの下げる段階のみでなく、スタートポジションに戻ってくる時更に、役立つかもしれません。 結語 まぁそんなわけで:RDLの方法のみではなく、RDLのしてはいけない方法。 多くの人にとって神経学的に複雑な動きではあるますが、効果的だと感じなければ教えはしないでしょう。 時間をかけて、このエクササイズを正しく指導する方法を学んでください。そうすれば、選手はより多くのことを、この素晴らしい動きから得ることを保証します。

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スポーツパフォーマンストレーニングについてのランダムな考え

あのマイク・ロバートソンが、私の考えるスポーツパフォーマンスの秘訣のいくつかに賛同してくれました。下記の“MR”から始まる段落はマイクで、“EC”は私の考えです。お楽しみください! 1. MR:オーバーヘッドアスリートに指導する時、特殊バーに親しんでもらう。 一般的なアスリートについて言えば、彼らはパワーリフターではないことは明らかです。強くあるということは、彼らの役に立つでしょうか? もちろんそうです。しかし正直に言えば、どれだけ強くなれるかを気にしている人は誰もいません。床からのデッドリフトができるからといってボーナスポイントを獲得するわけではありませんし、バーベルを背負う理由が必ずしもあるわけではありません。IFAST(インディアナポリス・フィットネス&スポーツ・トレーニング)では、アスリートたち、特に野球選手たちに特殊バーの利用を熱心に薦めています。 トラップバーは、私に言わせれば天の賜物で、(相撲デッドリフトやコンベンショナルデッドリフトと比較して)可動性の需要が減らせて、指導は驚くほど簡単です。技術を損なうことなく比較的早くウェイトを増やしていくことができます。 一方、バーベルを背負わないからといって、スクワットをしないということではありません! 野球選手(またはオーバーヘッドアスリート)をトレーニングするのであれば、セーフティスクワットバーは非常に役に立ちます。なぜなら、彼らにとって手首や肘、肩は稼ぎ頭で、これらの部位を損傷するような危険に曝したくないからです。セーフティスクワットバーのフロントスクワットは、手首や肘、肩を使ってバーを“ラック”させることなくフロントスクワットのパターンが体得できるので、初心者には最適です。野球選手のトレーニングには、コツをつかむために1~2ヶ月間はまずこのバリエーションから始めます。それから、スクワットパターンに少し負荷を加えたい場合、セーフティーバーを前後逆向きにすれば、上肢に負荷をかけないままバックスクワットに漸進します。簡単に言うと、オーバーヘッドアスリート、そしてどんなアスリートでもトレーニングするのであれば、質の高いトラップバーやセーフティスクワットバーに投資してください。きっと後で私に感謝しますよ。 2. EC:幅跳びを絶賛する理由を教えてください! どういうわけか、アスレチックパフォーマンス業界の評価では垂直跳びテストのみに注目されますが、私の臨床経験によると、幅跳びの方が断然、実際のアスリートの成功に結びついています。ブレット・コントレラスも、ストレングストレーニングのプログラムにヒップスラストや他の負荷をかけたグルートブリッジといったバリエーションを加えることの論理的根拠として、これについて言及しています;水平(垂直ではない)の力の発生は、スポーツにおいてとても大きな意味を持っているのです。 とは言うものの、一部のコーチがトレーニングプログラムに幅跳びのバリエーションを組み込むことに消極的な理由のひとつは、関節に多少負担がかかることと、トレーニングセッション後に数日間、筋肉痛を誘発する傾向があるからです。これは、緩衝性の高い着地面(芝生など)をアスリートに提供することやバンドの抵抗を加えた幅跳びを採用することにより、簡単に解決できます。 3. MR:プッシュアップは回旋腱板の機能向上に貢献することを認識する! プッシュアップは、多くの理由から私たちのトレーニングプログラムを構成する重要な要素です。プッシュアップでは、(伝統的なベンチプレスに比べ)前鋸筋を高度に発達させることができます。前鋸筋は上半身において非常に重要であるにもかかわらず見逃されやすい筋のひとつであると、私は強く感じています。前鋸筋の強化は、さまざまな点で役に立ちます。特に、肩甲骨の上方回旋において顕著ですが、前鋸筋がどのように胸椎後弯を改善するかに関してはあまり知られていないようです。 これは実に大きなテーマなので、簡潔にまとめてみます。かつて多くの人の胸椎が過剰に後弯していると言っていた時代がありました。しかし、それが本当なのか私にはよく分かりません。たぶん私たちが目にしているのは(たいてい)、胸壁が広がらないことで胸椎が真っすぐになり、肩が前方へ丸くなった姿勢かもしれません(PRIに感謝)。 私たちは前鋸筋の肩甲骨付着部(または動き)に注意を奪われてしまいがちですが、前鋸筋は胸郭前方にも付着しています。もし、肩甲骨を一カ所に固定し前鋸筋を収縮させたら、肩甲骨が胸郭を引っ張って、胸椎の後弯がより正常に近づきます。そこで、みなさんはたぶんこう思うことでしょう。なぜ後弯は必要なのか?と。伸展がもっとあった方が良いのでは? 胸椎には後弯(またはやや丸みを帯びた上背部)が必要です。なぜなら肩甲骨も同様にカーブしているからです。側位からの肩甲骨を観察して理解してください。 もしカーブした肩甲骨が平らな上背部についていれば、肩の受動的安定性を失うことになります。肩甲骨の安定性を失うということは、実質的に肩全体の安定性を失ってしまうということです。回旋腱板は肩甲骨に付着しているので、平らな胸椎に肩関節(球関節)を安定させようとすることは、大砲をカヌーから打つようなものなのです。 前鋸筋を強化したくなりましたね? もっとプッシュアップを取り入れて、正しく行いましょう。腕だけで行ってはいけません。肩甲骨も動かすようしましょう。床を押す時に肩甲骨は脇の下に向かって回旋します。

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広背筋の活性化

デッドリフトの重量が重くなった時に、重りを引き寄せようとしてもバーが前方に持っていかれてリフトがうまく行えなかった経験はありませんか?パワーリフティングの経験豊富なマイク・ロバートソンが広背筋活性のコツをシェアします。

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プレシーズンへの準備

トレーニングプログラムの作成や評価において、私以上に自分に厳しい人はいないかもしれません。 私は過去数年において、全てのレベルのアスリートにそれなりの成功を収めたと信じていますが、それは私がいつも次のレベルに進む為の調整や改善を行わないという意味ではありません。 どんな時でも改善したかったエリアの1つは “認識”のトレーニングブロック、又はアスリートをキャンプに送り出す直前のトレーニングブロックです。 よく考えると、ここが大変重要なポイントとなります。私の選手であるジョー・ケンが: “見た目も良く、感覚も良く, プレーも良い”と表現したがるように、アスリートには、キャンプインの際、俊敏で爆発的,そしてコンディションが整っていると感じてもらいたいのです。 プレシーズンに入ったら、オフシーズン中にコーチとして仕事を果たしたこと(もしくは果たせなかったこと)全てが明るみに出てくることでしょう。 あなたのアスリートは、より効率的に動けているでしょうか? 彼らの身体の組織は、繰り返されるスプリントや方向転換に対応できるでしょうか? 彼らがコンディショニングテストだけでなく、練習や試合で要求されることにも対処できる指導ができたでしょうか? 今年、私はIndy Eleven (MLSサッカーチーム) の8人の選手をオフシーズン中のかなりの期間において指導しました。ある選手は6週、またある選手は8週、そして他は12週間に及ぶトレーニングを引き受けました。私のオフシーズンのトレーニング哲学をご存じない方の為に簡単に概要をご紹介しましょう。 オフシーズンの始めは、私のアプローチのなかでも、より一般的なことに重点を置きます。目標は動作の効率性、基本的なスピード/筋力/パワー、そしてコンディショニングベースの確立です。この時期には沢山の選手教育も同時に行います。 プレシーズンが近づいてくると、トレーニングはより専門的に変わっていきます。ここでのゴールは、アスリート達にキャンプで課されるであろう過酷さとストレスへの準備をさせることです。 この記事では、選手がトレーニングキャンプで結果をだすことを目的としたオフシーズン最終段階でのトレーニングブロックにおける私のメインアプローチ法を紹介させて頂きます。このアプローチは明らかにサッカー向けではありますが、基本的な考え方の過程を理解し、そこから実際の何らかのスポーツに想定していただければと思います。 ではいきましょう! 方向転換/エキセントリックストレス トレーニングキャンプの最初の1~2週間はアスリート達が筋肉痛になることは皆さんごも存知でしょう。 では、それはなぜでしょうか? もし選手がオフシーズンの期間中全く何もしなかったら、答えはごく単純ですが、もしその選手がハードトレーニングをしていたのならば、この筋肉痛が和らいでも良いはずではないでしょうか? コーチとして、私達は力の産生に大きな重点を置きすぎてしまい、時に力の吸収を見逃してしまうことがあると思います。この練習中に何百回と繰り返される着地とテイクオフのエキセントリック運動のストレスを選手達に準備させるべきなのです。 従って、コンディショニングセッション及び私のスピードとアジリティーセッションにおける1つのゴールは、アスリート達に多くの方向転換をさせることです。 下半身の組織耐性/回復力 次に重点を置くエリアは下半身の着地やテイクオフだけでなく、サッカーに不可欠な莫大な量のランニングにも対応させることです。 もちろん外に出て彼らを沢山走らせることは出来ますが、ここでの難しいポイントはシーズン中にも嫌という程走る事です。もしもプレシーズンとインシーズンを考慮すると、あなたは一年のうち9~10ヶ月間走る選手を担当していることになるのです! 代わりに、私はフィットネスを維持するのに必要な量だけ走らせ(詳細は以下)、  下半身の組織の耐性を作る為に低負荷のプライオメトリックをさせるでしょう。 私にとってこのコンセプトは、”IFAST”で受けたジョール・ジェイミソンのコンディショニングコーチコースで確立されました。有酸素系プライオメトリックトレーニングは、私が正しい使い方を知らなかった為に一度も使ったことのなかった1つの有酸素アプローチの1つでした。 低負荷でのプライオメトリック運動を提供することで、アスリート達がキャンプ中だけでなくシーズンを通して、彼らの下半身を健康に保つことができることを期待しています。 エネルギーシステムトレーニング キャンプが間近に迫ったらコンディショニングを始める時期になるでしょう。もしも選手がこれに繋がることを何もしていなければ、だいぶ出遅れていることになります。 これがオフシーズンのアスリート達への基本的なメニューです: ブロック1- 心拍出量、高強度サーキット、テンポ/酸化系リフティング、非乳酸系パワー ブロック2- 有酸素系パワー(広範囲)、非乳酸系パワー/能力、瞬発系の反復 ブロック3- 有酸素系パワー(高強度)、 瞬発系の反復、テストへの準備 ご覧の通り、ブロック3は全ての複合です。最も高強度な運動をおこない、乳酸系トレーニングもおこなわせますが、より重要なこととして組織に特異的なコンディショニングにしなければなりません。 ここが全ての内容をまとめるポイントになります。方向転換はフレッシュな時だけに重要なわけではありません。疲労している時どうやって方向転換するのか?も重要です。 より重要なことは、これを長時間壊れずに続けることが出来るかということです。 これが一般的なコンディショニングと特異的なコンディショニングの溝を埋めるポイントなのです。これはただ運動/回復比を操作するだけではなく、アスリートが自分達の競技を模倣しながらトレーニングできるのです。 ハムストリングのコンディション サッカーチームは軟組織の怪我を原因に、平均して年間10人の故障者をだしています。私が思うにふりわけはこんな感じでしょう: 7人のアスリートはハムストリングの肉離れで、 2人は大腿/又は鼠径部の肉離れ、 そして残りは下腿の筋であるふくらはぎの肉離れです。 この数字は正確ではないかもしれませんが、メッセージは明確です–ハムストリングを良い状態にする為に取り組まなくてはなりません! もしハムストリングの肉離れの予防に対する包括的な要約が必要ならば、この記事を読んでみて下さい。プレシーズンの終盤では、既に基盤を築いているので (良いポジショニング、腹筋、ハムストリング作業等) この時点ではただ付け加える程度です。 スピードとパワー 承認の時間:ずいぶん昔、私は若いアスリートにキャンプの準備の為のトレーニングをしていて、キャンプが始まる一週間前に高負荷でスクワットとデッドリフトを指導していました。 彼女が黙々とレップをこなす姿を見ながら “一体なぜ僕たちはこれをしているのだろう?彼女の競技にどう活用できるのだろう?”と自分に問いかけていたことをハッキリと思い出します。 筋力は明らかに彼女の問題点でしたが、これは私のコーチとしての分岐点といえる瞬間でした。 プレシーズンが近づくにつれて、基本的なレベルのストレングスはすでに強化されているはずです。ストレングスは間違いなく私がアスリートに求める要素ですが、キャンプに入る際には彼らに軽さ、素早さ、そして爆発力を感じて欲しいのです。 認識トレーニングブロックにおいて、スピードとパワー強化に最も比重を置いていることがわかるでしょう。全ての分野において強化はしますが、ここは特に成果を得たい部分なのです。 つい先週、多くの選手達が、かつてない程に速くて爆発的であると言ってくれたことで、これが私にとって確固たるものになりました。 これはただの事例に過ぎないかもしれませんが、自分が正しい道を歩んでいる事を教えてくれます。 コンペティション 最後になりましたが、最終のトレーニング期では試合を最も重要視します。 これはトレーニングセッションで開始したスピードとアジリティーで最も顕著でした。 より良いムーブメントパターンと、加速や方向転換等を構築するのに優れた戦術指導にオフシーズンのかなりのボリュームを費やすことができたのです。 しかし、誰かをより速く、爆発的にする一番の近道は競争させることです。これが本当に100%の努力が保証できる唯一の方法であり、彼らがあなたの築いたコンセプトを実際の “ゲームスピード”で使えるようになるのです。 最後に、これがトレーニング効果を得る最良の方法というだけでなく、選手達にとっても大いに楽しめるやり方でもあります。選手は競技を愛していますし、彼らをその気にさせてシーズンへの準備を迎えさせることができるのです。 まとめ 最後の認識ブロックを通じて、あなたも私の基本的な概念を掴んだはずです。

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