マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてXPとKoinを獲得すれば理解も深まります。
ストレングストレーニングプログラム:プルアップはそこまで重要か?(パート2/2)
(前編からの続き) 3. 広背筋の上腕骨付着部位は、肩後方の重要な集中エリアになります。 – 肩の後方部は、身体のなかの閉所恐怖症のエリアです。広背筋、大円筋、小円筋、棘下筋、上腕三頭筋長頭、三角筋後部の腱があり、すべてが一つの小さいエリアに向かって走行し、お互いが重なり摩擦を生じさせながら、それぞれの力を協同させます。(そのような部位のことを筋筋膜研究家のルイージ・ステコは“収束域”と呼んでいます)。 広背筋が、そこに関与している筋肉のなかで、もっとも大きく強いということは疑う余地もありません。広背筋の腱がもっとも長いため、その部位において、やっかいな組織になりえる最強の候補になっています。問題は、筋肉・腱は同じように変形しないということです。むしろ、組織の質がよいとたくさん動きますし、密集しているとほとんど動きません。そのため、肩後方部がかなり密集している状態でプルアップをしようとすると、前述したとおり、胸郭上で上腕骨と肩甲骨が上手に協働するのではなく、肩全体を一緒に動かしてしまいます(上腕骨伸展・内旋と肩甲骨下制)。肩後方が硬く、すべての動きに広背筋を使おうとしてしまう人が、座位ケーブルローを行うと、このような感じになります。どれだけ肘を身体の後方に引き上げ、肩甲骨が前傾しているか、また、また、このビデオがどれだけ古いか注目してください。私には、自分が体重120ポンドの12歳の少年のように見えます。 長い間、このようにローイングを行っていると、最終的には肩前方を痛めてしまいます。しかし、この立位片手ケーブルロウをみてください。上腕骨頭(球)は関節窩(受け口)と良いアラインメントを保持できていて、肩甲骨は胸郭上で動いています。肩甲骨が一緒に動かない限り、上腕骨は伸展しません。 4. 広背筋が過活動すると、肩峰下スペースが減少します。 – 広背筋は上腕骨を伸展、内転、内旋させます。オーバーヘッド動作を正しく行うためには、上腕骨の屈曲、外転、外旋が必要になります。つまり、健康なオーバーヘッドの動きに対して、広背筋は、まさに拮抗筋であることが分かるでしょう。痛みのないオーバーヘッド動作のために重要な筋肉が何かを考えた場合、それらは後方回旋腱板と僧帽筋下部であるはずです。“顕著な”伸展パターンを呈している場合、この2つの筋肉よりも、広背筋のほうが強くなっています。 これはテストです:仰臥位になり、膝を曲げ、腰を平坦にし、上肢を頭の上で自由に垂らします。そして、誰かに頭のほうから下肢に向かって写真を撮ってもらいます。背中が前弯することなく、その動きのすべてで痛みがなく、完全に屈曲することができれば“合格”です。痛みがある、あるいは、この写真のようであっては“不合格”になります。 あなたの写真がこのように見え、オーバーヘッドでのトレーニング(特に、オーバーヘッドプレス)を痛みなく行うつもりであれば、過度に短くなっている広背筋に打ち勝つために、充分な後方回旋腱板と僧帽筋下部の機能(充分な硬さ)をもっていることが望まれます。そうでなければ、肩を屈曲させると、代償動作として腰椎伸展を伴い、頭部前突姿勢になるでしょう(このビデオでは左肋骨に顕著な浮き上がりもみられます)。 充分な前方コアの安定性と、深部頚部屈筋群の活動が必要であると言い換えることもできますが、それらはまた別の日にブログに載せたいと思います。 締めくくり この投稿は長くなり過ぎてしまい、正直に言うと、最後の1300字くらいは多くの人を怒らせるために書いてしまっているかもしれません。しかし、我々がクレッシーパフォーマンスで、今でもかなり多くのプルアップ・チンニングをトレーニングに取り入れていることを知れば安堵するでしょう。事実、それらは主力なトレーニングです。しかし、そこにはいくつかの修正点があります: 1. プルアップがかなり強化されると、リスクと報酬比率のバランスが少し崩れてしまいます。負荷を上げていくのではなく、セットと回数を増やしていくほうが良いでしょう。組み合せたエクササイズで使用するよりも、重い負荷での頻度を減らす方がよいでしょう。 2. 肩後方と肘全体に一定期的なマニュアルセラピーを行い、組織の質を最善にしておきます。少なくとも、スティックを使い、フォームロールをたくさんするようにしてください。 3. 前方コアと深層頚部屈筋群を強化し、肩屈曲を、腰椎過伸展と頭部前突姿勢で代償しないようにします。 4. 僧帽筋下部を強化することで、広背筋の筋力が強くなりすぎないようにします。僧帽筋下部が真直ぐに引くように作用するので、私は135度外転位でのウォールスライドを好みます。“臀筋をしめ、コアを固定する”よう必ず指示してください。そうすることで、胸郭上で肩甲骨が動くとき、腰椎伸展(“ひどい伸展”)の代償を起こさないようにさせます。頭部前突姿勢も起きないように注意してください。 テーブルの端で行う仰臥位シングルアームレイズも人気です。ただ、“臀筋をしめ、コアを固定し、頭を前に出さない”と必ず指示を出し続けてください。 5. 広背筋に充分な長さを保持する。私は、ウォームアップでは、肩の屈曲を獲得する目的で、ベンチ胸椎モビリゼーションと側臥位での内外旋を好みます。 静的ストレッチでは、パワーラックを使って行う広背筋のストレッチが効果的です。 そのストレッチでインピンジメントしているような感覚があれば、少し戻り、反対の手で肩甲骨を安定させ、ゆっくりと壁に沈み、安定させながら広背筋をストレッチしてください。 上腕骨伸展をさせることで、広背筋と共同筋である三角筋長頭の硬さをとることができるので、この典型的なオーバーヘッドストレッチも効果的でしょう。 6. 水平プル(ロウイング)強化のエクササイズも多く取り入れてください。そして、正しいフォームで行ってください。この目的は、上腕骨と肩甲骨を胸郭上で同時に動かすことであり、固定した肩甲骨上で上腕骨を伸展にぐいぐい引っ張ることではありません。 7. 肩屈曲がうまくできず、頭部前突姿勢や腰椎過伸展の代償が起きてしまう場合は、プルアップを始める前に、その根本的な問題を解決してください。我々は、プロ野球選手のシーズン終了後4-8週間はプルアップやチンニングを行いません。回旋腱板、僧帽筋下部、前方コアの筋力を構築するための時間が必要だからです。“可・不可テスト”として、壁の前に立ち、肩を屈曲するエクササイズを好んで使います。背中を平単に維持して肘を曲げずに、親指を壁につけることができれば、プルアップを始めることができるでしょう。 8. まずなによりも、身体の声に耳を傾け、プルアップ・チンニングで痛みがあるのであれば、中止してください。
胸椎のモビリティーとバックスクワット(ビデオ)
バックスクワットのバーの上に、手を楽に置き、正しい姿勢で無理をせずにスクワットが行えるためには、胸椎の可動性が十分にあることも重要です。エリック・クレッシィが、異なったタイプのトレーニーをモデルに、姿勢の違いを解説します。
トラップバーデッドリフトVSバンド(ビデオ)
エリックが、メジャーリーグの選手達のオフシーズン後半によく使うエクササイズ、トラップバーを使用したデッドリフトに、長いループ状のゴムバンドをプラスして、強化のみでなくスピードの要素もトレーニングする方法をご紹介します。
足は狭く 膝を外へ(ビデオ)
スクワットを指導する時に、良く耳にする”膝を外へ”というキューイング。どのようなケースにも当てはまるものなのでしょうか?このキューイングをより効果的に使うためのポイントを、エリック・クレッシィがシェアします。
評価において重要な10項
“推測するのではなく、評価する”とういう考え方の重要性を、私はとても強く信じています。しかし、最適なストレングス&コンディショニングプログラムを提供するためには、評価に対して正しくアプローチすることが極めて重要になります。この主題に関する、10個の考え方をご紹介します: 1. 評価とは、あなた自身を区別化する簡単な方法です。 セミプライベートトレーニングやブートキャンプの時代であっても、参加前スクリーニングにまったく注意を払わないコーチや関係者が、未だに数多く存在しています。一方で、評価を省くことでクライアントに傷害を起こさせると議論ができるように、私たちの業界には悲しい注釈もあります。また一方で、経験豊富なコーチやトレーナーにとって、評価とは、簡単にこの業界に入ってくる人たちと自分たちを区別化する素晴らしい機会にもなります。評価しているのでなければ、ただ推測しているだけなのです!あなたのクライアントやアスリートについてもっと知ることに優先順位をおくべきです。 2. 綿密な評価には部分的なものと全体的なものを取り入れる 私の見るところ、すべての評価は特定的か全体的かのどちらかに分類することができます。特定的な評価とは、単関節可動域( ROM )評価から、医師・リハビリテーションスペシャリストが使うような痛み誘発テストまで含まれるでしょう。肘の伸展可動域や痛みを誘発するようなある特定のテストなどのように、その評価では限定されたものを見分けます。 反対に、全体的な評価では、身体全体の動きを見て、複数の関節を同時に評価します。例としては、オーバーヘッドスクワットや腕立て伏せなどがあります。 問題は、どちらの種類の評価でも抜け落ちるものがあるということです。例として、すべての可動域テスト(特定的)を見事にパスする関節が不安定な若いアスリートに、オーバーヘッドランジウォーク(全体的)をさせてみると、ローンチェアーのように身体を前に折り畳んでしまうのを見ることもあるでしょう。
TRXディープスクワット+広背筋ストレッチ
テーブルやベンチを使ったディープスクワットのポジションで行う呼吸と広背筋ストレッチよりも、更に胸椎が強く後弯している姿勢の人にとって効果的なTRXサスペンショントレーナーを使用した同様のエクササイズでZOAを高める方法をエリックがご紹介します。
脊柱伸展回旋を伴う内転筋ストレッチ
ただのストレッチに飽きてしまうことがないように、モビリティーのドリルでは、動きを組み合せてバラエティー豊かにすることを心がけているエリックが、脊柱の伸展回旋と股関節の内転筋ストレッチを組み合せた動きをご紹介します。
ヘイデンジャンプ
ヘイデンジャンプやスケーター等、様々な名前で呼ばれる側方へのジャンプに関しての注意点を、エリック・クレッシィが簡潔にまとめてくれています。動きの多面性に注目しつつ、着地を確実にすることを目指して試してみましょう。
壁を使ったスクープトス
壁を使ったメディシンボールのスクープトスの実施の方法を、エリック・クレッシィがわかりやすくまとめたビデオクリップ。回旋のコントロールと、可動性の共存が鍵となります。
壁に背をつけた肩屈曲
壁を背にして立った状態での肩関節の屈曲パターンのエクササイズを行う際、特に気をつけるべき姿勢のパターンと、それぞれのパターンに対して効果的なキューイングの方法を、エリック・クレッシィが、シンプルに的確にシェアします。
胸椎モビリゼーションと代償パターン
単純なエクササイズの様に見えるベンチを使った胸椎のモビリゼーションドリル。起こりえる様々な代償動作を考慮した上でのコーチングの重要ポイントをエリックがシェアするビデオです。
高重量トレーニング VS. コレクティブエクササイズ 〜 バランスをみつける
Q: ストレングストレーニングで効果を高めるために、どうやって “テクニック/フォーム/コレクティブ/か弱いトレーニング” と高重量トレーニングとのバランスをとれば良いのでしょうか?両極端な例を見ることもありますが、なにがこの2つのバランスに影響しているかについてとても興味があります。 A: これは大変素晴らしい質問ですし、5年以上このサイトに書き込んでいますが、過去一度も答えたことが無いことに実際驚いています。 私にとっては、これは全て各アスリート/クライアントの5つの要因に基づいています:ストレングストレーニングの経験、怪我の既往歴、目標、トレーニングにかける時間、そしてトレーニングセッションの構造です。 ストレングスとコンディショニングに制限がある人の場合、セッションのほとんどは入門レベルのストレングスエクササイズに費やされます。高重量でのトレーニングをあまり気にしなくて良い理由として、初心者は1RMの40パーセントの負荷でのエクササイズでも、かなりの筋力増加が可能だからです。アスリートがより熟練するにつれてテクニックに割く時間は減り、筋力の増強とコレクティブエクササイズに時間を費やすようになります。最終的にアスリートが多くの筋力を得た時、スクワットを20ポンド重くすることに費やす時間と努力を別のどこかに費やすべきかどうかを良く考えなければなりません – コレクティブな運動か、低負荷でのパワートレーニングなのか、または新しいエクササイズを導入するのか。効率的に、その人の最も大きな適合のチャンスを見つけてそれを引き出します。 もし数々の怪我の既往歴がある人の場合であれば、このルールは当てはまりません。こういった人に対しては、コレクティブエクササイズに、より時間をかけるのみでなく、ストレングストレーニングの選択も精密化する必要があります – その人のトレーニング経験に関係無く、新しいストレングスエクササイズを追加するためにより多くのテクニックワークをしなければならないということかもしれません。 その人のトレーニングの目標も、コレクティブ/高重量トレーニングのバランスに影響を与えます。もしも私が単に運動でQOL (生活の質) の向上や健康維持を求めている人のトレーニングをするのであれば、高重量リフティングの面ではより慎重に、そして控えめにするでしょう。しかしながら、もしもその人が強くなるために生まれてきたジムで1番強い存在になりたい人であれば、それを実現する為に高重量でトレーニングをしなければなりません。ですから、2つ目のシナリオでは大抵の場合、より多くのコレクティブエクササイズが要求されますが、これは“控えめな” 人達にとってはあまり興味を持たないであろう目標を達成する為に、トレーニングでも進んでリスクを背負う人達の場合です。とは言っても、これはストレングス志向の人達に下手なテクニックでトレーニングさせても良いということではありません。そうしてしまえばあなたは専門家というより、訴えられてしまうような非倫理的な役立たずになってしまうでしょう。 トレーニングにかける時間も沢山の人達が見落とす大事な項目の1つです。ごく単純に、もし一週間に2回しかトレーニングに来れない人の場合、私はそこまで多くの時間をコレクティブエクササイズには費やさないでしょう。調子の悪いローテーターカフよりも、肥満で糖尿病をもっているほうが死亡率は高いのです。私は喜んで彼らの多忙なスケジュール (実際は彼らが主張する程忙しくはないのですが) の合間にできる追加のコレクティブエクササイズを提供しますが、彼らが動く必要がある時は決して甘やかしません。 最後の要素は、アスリートやクライアントの問題というよりもトレーニングモデルに関してですが、トレーニングセッションをどう組み立てるかです。クレッシースポーツパフォーマンスでは、アスリート達はフォームローリングからセッションをスタートして8~10種目のダイナミックエクササイズでのウォームアップへと進みます。アスリートの多く(特に若いアスリート達は)は、これ自体が充分なコレクティブエクササイズであり、セッションの残りの時間は、技術的な指導と彼らにとって安全な筋力向上のエクササイズに費やされます。蓄積された疲労やダメージを持つ人たちには、ストレングストレーニングのみで得られることよりも、より多くのコレクティブエクササイズが必要になります –ですからセットの間に補助種目 (追加のモビリティーワークなど) を組み込み、セッションの最後に追加のコレクティブワークを行います。時間は限られているので、最初のうちはストレングストレーニング、またはメタボリックコンディショニングを減らさなければならないかもしれません。それによって最初の“難関”を乗り越える為の早期のコレクティブ作業に取りかかれます。信じて下さい:これは“短期間の効果と長期間の痛み”ではなく長期的な成功への土台となるのです 最後に触れておきたいポイントが2つあります。最初に、私の経験上、多くの経験豊富なリフターやアスリートはコレクティブ系の運動と高負荷のトレーニングを分けることで良い反応を示します。彼らがトレーニングに姿を表した時、既にかなり気合いが入って準備万全かもしれず –ウォールスライドや大腿直筋のストレッチに5分間費やすことはしたくないはずです。 彼らには、ヘビートレーニングの準備に十分なウォームアップをすることが賢明で、そのあとに、動作の非効率性に着手する為に別のセッションを加えます – フォームローリング、マッサージ、モビリティドリル、アクティベーション、あるいは何か他のことを。または、それらをハードワークが終わったセッションの後に加える事も可能です。 2つ目は、多くの人達にとって最大筋力は、かなりコレクティブ的です。身体のあるの部位の筋力向上は、別のエリアでの過剰なストレスを軽減することができます。これの良い例は、正しいヒップヒンジテクニックを覚える為にボックススクワットやデッドリフトを活用すること、つまりポステリアチェーンの働きの向上で、前膝痛を持つ人の大腿四頭筋への負担を減らすことです。このように、その他の全ての要素も同様で、強い筋群は劣化しにくい傾向にあります。 もちろん、他にも沢山考慮することはありますが、これによって、少なくともストレングストレーニングプログラムにおいてのより良いバランスを見つける正しい方向へと向かうことができるでしょう。