スピード、アジリティー、クイックネスのトレーニングに関する7つの考え パート2/2

5. よりよく動くには、スピードと同様に、「読み」が大事である. 新進の野球の選手たちの多くと話すと、彼らは「60ヤード(約55m)走のタイム」を気にしているようです。6.5秒以下で走ることができれば、エリートレベルのスピードだと考えられるでしょう。6.6‐6.7秒の間は優秀、6.8‐6.9秒の間は平均、そして7.0秒以上は平均以下と考えられます。こういった数字は、高校のイベントなどでのランキングで、定期的に計測されていますが、高校以降のレベルではあまり行われていません。 そのため、メジャーリーグでは、選手がどのくらい「速い」のかを表す、はっきりとした指標がないのです。正直に言って、メジャーリーガーたちの60ヤード走を計測すれば、かなり残念な結果になるでしょう。野手では、6.8‐7.1秒を出す選手が多くいて、6.7秒以下の選手は、各チームのロースターにせいぜい2、3人でしょう。試合の結果に影響するようなスピードを持つ選手は、考えられているよりも少なく、ビリー・ハミルトンやジャコビー・エルスベリーのように、ベースの走り方や、良いジャンプの仕方、野球というゲームを知ることによって、ベースランナーとして有能になった選手がたくさんいます。 ベースランニングは、運動競技的努力であるとともに、芸術ですから、スピード、アジリティー、クイックネスのドリルをいくら沢山行ったとしても、試合を知り、状況を適切に読んで、それに応じて動くことを理解していなければ、望むような効果を得ることは難しいでしょう。これは、陸上競技以外の全てのスポーツに当てはまることだと思います。 6. 良質な動きのトレーニングプログラムには、コーチングと競争のミックスが必要 速くなりたければ、指導重視のトレーニングと競争要素の入ったトレーニングの両方を行う必要があると思います。指導という観点では、より質の高い動きを教えなければいけません。そうでなければ、ただ間違ったパターンを更に植え付けることになります。これは、調整が狂っている車を、できるだけ速く運転しようとしているようなものです。 一方で、何も言わず、ただアスリートを速く走らせ、互いに競争させることにも意味があると思っています。短距離走のトップ選手たちの多くは、個人ではなく、グループでトレーニングを行います。同じことが、NFLコンバインの準備にも言えます。選手たちは、互いに刺激し合うことで、良くなるのです。時間を計測したり、ミラードリルを行うことは、トレーニングの中で競争心を掻き立てる方法としてとても有効です。 理想的には、動きのトレーニングセッション全てにおいて、競争要素も指導を与える時間も少しずつ取り入れることが大事です。私の施設に通うプロ選手の典型的な一週間では、スピード、アジリティー、クイックネスにより重点をおいたトレーニングをする日は、水曜と土曜と決まっています。水曜日は、指導よりも競争に重点を置き、選手たちは一緒に短距離走を行います。土曜日は、指導面に重点を置き、室内で30ヤード(約27m)、またはそれ以下の距離での練習を行います。動画をたくさん撮り、ほとんどの場合は、一回に一人ずつしか走らせません。シーズンが近づいてくると、指導重視のセッションを月曜日のストレングストレーニングの前にも取り入れるようにしています。 7. 動画は試合を変えた 動画−より具体的には、スローモーション動画−は、動きのトレーニング指導の仕方を劇的に変えました。胴体の傾きや、脛のポジションなど、適切な角度の指導に多くの時間を費やすことができ、動画を止めて、その瞬間、瞬間にどういったポジションを取っているかを見せることで、アスリートは、これまでよりも格段に早く、新しいスキルを習得したり、磨き上げたりすることができるようになりました。もしまだスピード、アジリティー、クイックネスのドリルを動画撮影したことがないのでしたら、ぜひこれから始めてください! 一つだけ注意点として、動画がセッションの「流れ」を妨げることがないようにしてください。注意していないと、セットの間ごとに5−10分間、ビデオを見て、話しあうことになってしまいます。動画をリソースとして使うことは大切ですが、動画に頼りすぎて、トレーニングの質を妨げないよう注意しましょう。

エリック・クレッシー 1852字

スピード、アジリティー、クイックネスのトレーニングに関する7つの考え パート1/2

スポーツの結果の大部分は、スピード、アジリティー(敏捷性)、クイックネス(俊敏性)によって決まります。これらの運動能力は「試合を変える要素」であり、講義や文章で扱うにも面白い題材です。そこで、この投稿では、スピード、アジリティー、クイックネスについて、詳細に注目してみたいと思います。 1. シューズは重要である スピード、アジリティー、クイックネスのトレーニングについて議論する際は、まず始めにシューズから考える必要があります。なぜなら、シューズは、あなたが地面に対して、どのように力を発揮したり、抑えたりしているかに直接的に影響するからです。 重いスニーカーでは、自分を速く「感じる」のが難しいでしょう。 かかとをかなり持ち上げたシューズを履いているのなら、動きのトレーニングをする際、ポステリアチェーンを効率的に動員するようにしましょう。 最後に、おそらくこれが最も大切かもしれませんが、外側に十分なサポートがないスニーカーでは、方向変換に苦労するでしょう。これは、市場に出回っている、足に対するサポートが最小限のスニーカーに伴う非常に大きな問題となっています。アスリートは、エクササイズを完璧に行うために十分な神経筋コントロール能力を持っているのにもかかわらず、方向変換の際に足をひねってしまいます。この点から、私は、ニューバランスの最新のミニマス(最小限のサポートのみ備えた靴)のデザイン会議に参加できてとてもよかったと思っています。 最先端のトレーニングプログラムや細かい指導テクニックを気にする前に、適切なシューズを履いているかどうかを確認してください。 2. 個人差を軽視しない 動きのトレーニングをする際に、全てのアスリートが同じような指導方法を必要としていると考えるのは間違いです。アスリートはそれぞれ異なる身体を持っており、頭の中で考えている「理想的な」ポジションからは、僅かにズレているのです。当然のことながら、四肢や胴体の長さも関係ありますが、関節の構造も影響しているでしょう。たとえば、骨の形や、関節包の変化、大腿骨頭の後傾などにより、股関節の内旋が不十分な人は、よりつま先を外側に向けたアスレチックスタンスから始める必要があるかもしれません。 何が「普通」であるかを理解することは大切ですが、「普通ではない」ことは必ずしも不適切というわけではありません。 3. 速い人を強くする方が、強い人を速くするより簡単である これは何年も前に聞いた文章なので、正直なところ、これをどこから聞いたのかは覚えていません。でもそのときに、この文章がいかに真実を語っていることか、気付けていたらよかったと思っています! 多くのアスリートは、もともと反射能力に恵まれています。たとえ、「充分な筋力」がなくても、伸張−収縮サイクルをとても上手に使って、素晴らしい運動動作を発揮します。こういったアスリートは、単純に、強化すればさらに成長します。 その反対に、筋力は豊富にあるのに、その力を瞬時に発揮することができないアスリートがいます。こういったアスリートは、筋力強化や維持よりも、スピードトレーニングに、より多くの時間を費やす必要があります。 上記であげた二つのケースを比べると、一つ目の速いアスリートを強くする方が、強いアスリートを速くするよりも、断然早く成果を出すことができます。これには、多くの要因が関わっていますが、結局のところ、リラックスすることを教えるのが難しいというのが一番の要因だと考えています。 最初から速いアスリートは、「偶然に」不必要な筋緊張をしない方法を知っているように感じます。一方で、最初から強いアスリートは、何をするにも、とにかく力でねじ伏せようとします。証拠が欲しければ、私(またはパワーリフターならだれでも)がゴルフする姿を見てください! 4. 成長の過程では、動きの質が低下するが、その低下は適切なトレーニングにより抑えることができる 子供が思春期に入り、成長期が始まると、競技場、氷上、コート上で、動きが全くコントロールできていないアスリートを見るのも珍しいことではありません。筋肉や腱の成長をはるかにしのぐスピードで、骨が成長し、瞬く間に可動域の制限が生まれるといった理由のほかに、重心が支持面からより高い位置に移動し、不安定な環境を作り出していることを考慮する必要があるでしょう。 12歳から15歳くらいの間に起こる、この劇的な変化こそ幼少期にトップレベルだった子供が、高校や大学でもトップレベルになれるわけではない理由です。リトルリーグのオールスターになったからといって、メジャーリーグのオールスターになれると予測できるわけではありません。 良いお知らせもあります。効果的なトレーニング原則を用いることによって、成長期に起こる、運動能力の低下を食い止める、または最小限に抑えることができます。当然ですが、複数のスポーツを行い、様々な動きを伴う運動を行うことは重要です。さらに、モビリティーのトレーニングを取り入れ、適切な動きの質について指導することもできます。最後に、軽視してはいけないのが、ストレングストレーニングです。10~15パウンド(4.5~7kg)の筋肉量を若いアスリートの下半身につけることができれば、重心は支持基底面に近くなり、より安定した環境を作り出せます。もちろん、こういったトレーニングにより得た筋力は、動きの質の改善という観点でも多いに役立ちます。だからこそ私は、11歳から12歳の間は、たとえ週に1、2分だとしても初期レベルのストレングストレーニングプログラムを始めるのに適切な時期だと考えています。

エリック・クレッシー 2449字

腕が痛い?ありがとうリトルリーグ、AAU、フォールボールコーチ パート2/2

投球するたびにアスリートは危険に晒されているかもしれませんが、痛みの出現パターンは異なります。手をやけどすれば、すぐに気づきます。投球傷害は出現するまでに時間がかかります。投球するたびに、尺骨側副靭帯に微小なダメージをおっているかもしれません。そして、それが完全に再生される前に再び投球します。あるいは、肩関節内旋の低下と肩甲骨の運動不全を無視し、何年もかけてそれらが悪化しているかもしれません。最終的に、手術台の上で関節唇、または、腱板の修復術を受ける時まで。これらの問題は、10代のころに痛みがあれば(あるいは、痛みがなければ発見されないまま)、保守的に管理されるかもしれないのですが、子供が18、19歳になると、肘や肩の手術をうけることが自動的に“社会的に容認”されるようになってしまっているようです。 もちろん、これは、9−14歳をみているコーチのみに当てはまるわけではありません。高校や大学でも“犯罪的”な投球数カウントをみることがあります。彼らは、9−14歳の選手よりも身体的にかなり成熟しているでしょうが、だからといって、短期的・長期的な結果を除外していいということではないのです。 ですから、最年少のレベルで一流のコーチが必要になるのです。投球のメカニクスを教えることと同じくらい、あるいはそれ以上に、“投球を管理する”ことを理解しているコーチが必要になる理由もここにあります。そして、1年のなかで、年齢別に、それぞれのタイミングで、それぞれの子供たちがなにをできるのかについて、コーチが大きな視点で理解することが必要になるのです。 両親は、若い投手に対してプロアクティブである必要があります。もしコーチが投球イニング数をカウントしていなければ、そして、9歳の子供がカウントできることを期待できないのであれば、両親が率先してそれをする必要があります。17−21歳で傷害を起こしてしまった子供を持つ両親にたくさん出会ってきましたが、そのほとんどが振り返ってみると、小さいころに投げすぎてしまったことに対してコーチに怒りをもっています。あとから考えても後の祭りですが、先見の明が腕を救うのです。何か言うことを恐れないでください。コーチの仕事の仕方について口を出しているわけではないのです。ただ子供を守っているのであって、夜ドアの鍵を閉めたり、歯を磨いたかどうか確認していることと同じなのです。 競技年の計画に関しては、9−14歳の子供が、1年で4−5ヶ月野球をプレーすることに問題はなく、残りの7−8ヶ月では、少なくとも2種類の違ったスポーツに専念させるべきです。長期的な運動神経の発達のための、基本的な“3のルール”で、3つのスポーツを4ヶ月ごとで行います。子供たちは1年を通してストレングストレーニングをすることができます。 15−16歳では、変更を加えて、2つのスポーツをさせて良いと思います。7−8ヶ月野球に費やしても良いですが、準備をしっかりと行わせることにフォーカスすべきです。11月にキャッチボールを始め、3月に高校のシーズンが始まり、7月の終わりまでサマーボールでプレーするかもしれません。8月から11月までを秋のスポーツに費やし、フォールボールをすべて不参加にしましょう。ロッキー5を製作するよりもさらに悪い考えですから。もちろん、子供たちは1年を通してストレングストレーニングを行います。 17歳以上では、野球に特化したいのであれば、それで問題ないと思いますが、1年間野球をすべきであるという意味ではありません。私は、1年で(多くても)8−9ヶ月しか子供に投球しないよう実際に提唱しています。それはほとんどのプロ選手が投球している期間と同等です。違うとすれば、1年でシーズンがすこし早く始まること。高校のシーズンは通常プロ野球が始まる数週間前に始まります。プロ選手は10月半ばに終了し、11、12月の間は全く投球しません。“特別”な高校生は8月に終了し、9月と10月はオフになります(繰り返しですが、フォールボールは救命ボートの落とし戸の ほども役に立ちませんから)。1年を通してストレングストレーニングを行います。 オフシーズンにショーケースでプレーすることが1銭にもならないことに気づくでしょう。思いがけぬ不備ではないのです。どうしても参加したいのであれば、6月から8月上旬の間で1つ選んで参加してください。 メジャーリーグベースボールの“スカウト革命”の次の目玉は、選手が若いころ何をしていたのかを注意深く分析することであると確信しています。若手をドラフトで指名するなら、プロ野球に入る前にオーバーワークしていないか知っておきたいのです。大学野球会でも、推測に基づいて、このことが起こっていることをすでに目にしているでしょう。北部出身の選手が、南部でプレーする機会がより多くあります。理由は、才能ではなく、北部の選手はあまり腕を消耗していないだろうという推測で、コーチがリクルートをするからです。 この記事にいら立つ方もいるかもしれません。子供達は1年を通してプレーしたいのです。親は子供に幸せにしたいし、子供がプレーしているところを見て楽しんでいます。子供はチョコレートが大好きで、親は子供が幸せなところを見たい。しかし、それは子供が制限なくチョコレートを食べるということを意味している訳ではありません、そうでしょう?節度を強調するために、今週はイースターのキャンディーをしまって、長期的な健康に注意するでしょう。 コーチたちはコーチングを楽しんでいますし、勝ちたいのです。そして彼らはこのようなコメントを個人攻撃に受け取としるかもしれません。なぜなら彼らが9歳の子供に1年で120イニング以上投球させ、今になって肘の手術を受けるしてしまった張本人だからです。選手に1試合で160球以上投球させて、あと3年で肩の手術を受けるだろうということがチームにわかったために、ドラフトのチャンスをつぶしてしまッ他大学のコーチかもしれません。間違っていることを認めることはとても難しいことですが、間違いを認め、その間違いから何かを学び、それを将来の子供に活かすことはさらに難しいことでしょう。しかし、これはさらに価値のあることなのです。 この投稿は誰かの気分を害することを意図したものではなく、腕のケアについて考えた場合、間違いなく最も考慮すべきであると私が考える問題(投球量)に光を当てています。身体的な準備に関しては、我々はすべて正しく行うことができますが、特に身体がまだ強くない年齢で、あまりに多く投球しすぎてしまえば、それは全て意味をなさなくなってしまいます。

エリック・クレッシー 2789字

腕が痛い?ありがとうリトルリーグ、AAU、フォールボールコーチ パート1/2

私は自分の書くものに関してポリシーを持っています: 仮に物議をかもすことになり、潜在的に読み手にマイナスの反応を与えるようであれば、私はその議題に対し24時間“待ち”ます。その間に、公共にむけて私が書いた何かが、より良い結果を招くのか、つまり、彼らの失敗を短期的に認識させてしまったとしても、長期的に助けることができるか否かに関して熟考します。 過去に私の野球コンテンツのページを多く購入したことがあれば、野球ボールを投げるということが非常に不自然であり、全くもって危険な動きであるという事実を隠そうとはしないことことが分かっているでしょう。それはすべてのスポーツの中で、飛び抜けて最速の動作であり、毎日身体的に準備不足のアスリートが外に出て、スピードガンを光らせようとするたびに、あるいは単にキャッチボールをするたびに危険に晒されます。 驚くことでもありませんが、準備不足の身体に、間違いなく地球上でもっとも危険なスポーツ(パンプロナの人々、スペインは私と議論するでしょうが、それは別の日のブログで紹介します)に挑戦させれば、アスリートは怪我をします。“あまりアスレチックではないアスリート”がハイリスクのスポーツに参加しているからだけでなく、リトルリーグオールスターチーム、AAUチーム、フォールボール、プライベートピッチング機関、野球ショーケース業界の激増のおかげで、彼らが常に高い頻度で試合に参加しているため、腕の傷害(若年層のスポーツ傷害のような)は指数関数的に増加しています。2006年のオルセンらによる素晴らしい研究(野球業界に関わっている人はすべてこれを読むべき)によると、手術適応の傷害と“1年でより多い月投球する、1年でより多くの試合に投球する、1試合でより多いイニング投球する、1試合でより多く投球する、1年でより多く投球する、試合前のウォームアップ投球をより多く行う”こととの間に強い相関があること、また青少年期におけるショーケースへの登場との間にも強い相関があることが明確に証明されました。このメッセージはとても明確で:特に若いうちに多く投球しすぎると、結果的に傷害が起こってしまうということです。 残念なことに、多くの人々は研究の数値をぼんやりと眺めていて(仮に彼らがそれらを読むことがあるとすれば)、“使い過ぎが悪いことである”というメッセージは受け取ったとしても、本当の使い過ぎが実はなんであるのか分かっていません。特に、それが年齢別であるからです。幸運なことに、2011年2月にフレイシグらの研究で、9歳から14歳で1年に100イニング以上投球すると、肘や肩の手術のリスク、または、完全にリタイヤするリスクが3.5倍高くなることが示されました。 このことを背景に当てはめて、まず最初に質問します:リトルリーグシーズンに100イニング投球させることが、どれほど困難か認識していますか?4月の第1週に野球(リトルリーグ)が始まったとしましょう。そして、なんとか7月の終わりまで続く夏のシーズンをプレーするとします。これは4ヶ月シーズンになります:私が成長過程で慣れ親しんだものとまったく同じです。。 イニング投球数に関するメジャーリーグベースボールリーダーを見ると、リストの上部に載っている選手は1ヶ月で約35イニング投球しています(それぞれ4-5回先発)。言い換えると、世界中でもっとも優れた野球リーグにおいて、高いパフォーマンスを発揮する、骨格的にも成熟した投手が、1年の最初の4ヶ月でおおよそ平均140イニング投球していることになります。しかし、11歳の選手にそれと比類するイニング数を投げさせることを大丈夫であると、実際に考えている親やコーチがいるのです。高学年の選手に比べて、低学年の選手はいつもイニングでの投球数が多くなってしまうことに、特に問題があります。というのも、彼らにはあまりよい作戦がなく、打たせてとるかわりに全員三振を狙うことに固執してしまうからです。 これがどれだけ大変が考えてみてください。メジャーリーグの投手は5日間ローテーションで投げます。リトルリーグの試合は多くて2週間に1回です。4ヶ月間で週に1回しか投球できないなら、すべての試合で完投したとしても(念のために言うと、私は推奨しません)、ようやく100イニングに到達するくらいです(16回先発×7イニング=112イニング)。ちぇっ!シーズンがコントロールされていれば、子供たちに投げ過ぎをさせることは、実際には困難なのです。 ですから、その代わりに、彼らはシーズンを加えているのです。AAUチームに1つ(あるいは7つ)参加します。フォールボールでプレーすることで、各週末に7イニングずつ多く投げることができます。土曜日の大学キャンプにどんどん参加し、できるだけハードに投げるように。そうすれば、外気温25度の日曜日はさらに悲惨になります。フォールボールが終わったらすぐにブルペンでピッチングコーチにみてもらってください。1月の最初の週にあるショーケースになるべく早めに登録してもらってください。バンドトレーニングといくつかの適当なストレッチをしていれば大丈夫でしょう。その通り。。。良い考えですよね。。。 傲慢に聞こえてしまうリスクもありますが、私は自分のしていることに自信があります。私は自分の人生を野球選手が健康にいられることに捧げています。彼らは、クレッシーパフォーマンスのクライアントの85%を占めていますし、毎オフシーズンに数百万ドル稼いでいる投手と一緒に働き、9歳から50歳以上の選手を見ています。私は、ストレングス&コンディショニング、リハビリテーション、そして、試合内外のスキル専門トレーニングにおいて、最も優秀な人々に囲まれて最善を尽くしています。メジャーリーグの歴史のなかで、最初に胸筋下上腕二頭筋腱固定術の世話をしました。私は一流のピッチングコーチが周りにいても投球メカニクスについて話しますし、ストレングス&コンディショニング、スローイングプログラムを作成しますし、ストレッチをしますし、それ以外にもなんでもします。オフィスには素晴らしいセラピストが二人いて、マッサージ、ART,グランストン、カイロプラクティック調整、それ以外の様々なマニュアルセラピーを行い、近くには、難しい症例を手がける優れた理学療法士がいます。そこまでしても、私が、我々が、あるいは、他の地球上にいる誰もがコントロールできない唯一のことは何でしょうか? アスリート、その両親やコーチによる不適切な判断 そして、疑う余地もなく、それが子供たちが傷害を起こす主な原因なのです。私たちが、あらゆるストレングストレーニング、モビリティワーク、そして軟部組織のトリートメントを行ったとしても、使い過ぎてしまえば役に立たないでしょう。私は時間を戻して、歴史を変える方法が分かっているほど聡明ではないのです。彼らが変化球を投げていたのか、その投球メカニクスは完璧であったのか心配していますか?すでにかなり多くのイニングを投球してしまっているのであれば、それも関係ないでしょう。

エリック・クレッシー 2984字

なぜカフェインを摂り放題にしているのか? パート2/2

あなたにとって幸運なことは、貴重な教訓を私の失敗談から学ぶことができることです。 1. 短期間の利益は長期間の痛みを伴う 私は2~3ヶ月の間トレーニングセッションの効果をだすために“偽物のエネルギー”で自らを奮い立たせていました。そしていつの間にか、一ヶ月間散々なトレーニングセッションを送るという結果に自分を追いやってしまったのです。やはり一年を通して “常に良い状態”を保つべきなのです。 2. 沢山の若手アスリート達がしていること! 10代アスリート達の沢山の食事日記に目を通してきましが、彼らには大抵足りない部分が多くあります。ほとんどの子供がスポーツドリンクや炭酸を飲み過ぎて、水はほんのわずかしか飲みません。果物と野菜はかなり不足していますし、加工された炭水化物をとりすぎています。身体を維持する良い脂肪は全くない状態です。 こういった欠点に関わらず、多くのヤングアスリートは常に “より良い運動前のサプリ”を探し回っています。恐らく、本当に恐らくですが、もしこういったアスリート達が正しく食べて十分な睡眠がとれれば運動前のサプリメントの必要は無くなるでしょう。 双子の子を持つ、疲れきった34歳の起業家が、この道を辿るのと、回復力があり、未成熟な16歳がウェイトルームやフィールドで力を発揮する為に刺激が必要だと思うのは別物なのです。 3. コーヒーは危険な坂道である 立派なダイエット計画を立てたのに、言い訳を見つけて身体に悪い食べ物を選択する友達が過去にいませんでしたか? “えっと、あなたはサツマイモが僕にとって良質な炭水化物だと言っていたから、普通のジャガイモも同じように良いと思うのです。それに、もしもジャガイモがオッケーなら、自家製のフライドポテトも大丈夫ですよね。ちなみに、もし自家製のフライドポテトがオッケーなら、自分の好きなファーストフードレストランのフライドポテトもオッケーですよね?” 自分次第でいくらでも正当化することは可能です。コーヒーの場合、2型糖尿病、パーキンソン、アルツハイマー、心臓血管系の健康、ある特定の種類の癌や、その他多くの健康面において、健康上メリットとなる可能性があることはわかっています。もちろん、許容範囲内での話です。毎日1ガロン(3.8リットル)のカフェイン入りコーヒーを飲んでも、先程述べた疾患により強力に効くということはありません。加えて、コーヒーと同じ健康効果を手軽な興奮剤であるエナジードリンクやマウンテン・デユーに期待してはいけません。 4. どんな形であれ、カフェインの過大評価には細心の注意を払う必要がある どういったわけか、フィットネス業界のなかでカフェインはとても愛されています。なぜならストレングスやパワー系の動作から持久系のスポーツまでの数々の肉体的チャレンジにおいてパフォーマンスの向上が証明されているからです。こういった効果のいくつかは、日常的な摂取によってアスリートがカフェインに対して鈍感になった時に弱まってしまうのですが。 当然のことながら、私達は一日中エナジードリンクに依存する多くのアスリート達やフィットネスの専門家達を見ています。彼らはいつでも交感神経システムを刺激して、トーンダウンや回復モードに切り替えなければならない場面でも常に “活動”モードになっているのです。 興味深いことに一杯のコーヒーは朝のルーティン、サプリメント、そして社会的な飲み物として捉えられています。恐らくそれが、なぜこんなにも多くの人々が過剰にカフェインを摂取するのかを解説してくれるのかもしれません。彼らはその3つ全てを毎日欲しているのです。 忘れないでほしいのは、私はカフェインの適度な消費を推奨しているのであって、完全に断つ事ではありません。私自身毎日コーヒーを飲んでいますし、特に禁止する予定もありません。 5. 感じようが感じまいが、ストレスはストレスである もしあなたが12月と1月の頃の私に、調子はどうかと尋ねたとすれば、 “びっくりする程良い”と答えていたでしょう。私はアップダウンが全くない男で、A型パーソナリティであるにも関わらず、滅多に “ストレス”を感じることがありません。興味深いことに、自分の人生で生理的に最もストレスのかかる時期において、ほとんどの場合ひどい不快感を感じずに(多量のカフェインに頼って)乗り切ってきました。もちろん、最終的には自分にはね返ってきます。アスリート達の場合、過剰なストレスに出来るだけ早く気づく必要があります。そうすればトレーニング量を減らしたり、リカバリーの割合を増やしたりできるのです。 6. 良い状態は簡単に忘れてしまう 私は約15年間、自分のトレーニングにもかなり真剣に取り組んできたので、身体感覚と調和がとれていると思っています。 加えて、私は沢山のハイレベルなアスリート達、特に野球選手と仕事をしています。エリートアスリートのほとんどは信じられないような運動認知感覚をもっていて、少しの “違和感”でも感じ取ることができるのです。 興味深いことに、アスリートにとって“落ち込む”ことは決して珍しい事ではありません。私達は、野球という世界的な球技のなかのトップの0.001%にも関わらず、フォームの安定にもがく沢山のMLB投手を見てきました。また、長い期間怪我に悩まされて動き方が変わってしまう選手もいます。小さな事柄が大きな変化を起こすことがあります。時には、かなりの大きな変化が起きていることに気づかないことさえあります。 私は4~5ヶ月間かなりの不調を抱えていましたが、育児と終わらせなければならない仕事への責任感でそれを忘れることができました。加えてトレーニングを欠かすことはあり得なかったので、自分は大丈夫だと効果的に納得させられたのです。他に何が言えるでしょうか?知的な人間も、友達やクライアントに対応している時のようには感情的に切り離すことができないために、自分自身の健康管理に関してしばしば大きな過ちを犯してしまいがちです。 自分をこの状態から引きずり出すのには、最悪な感じがする数日が必要でした。2ヶ月後、びっくりする程に回復し、質の高いトレーニングセッションを再開することができたのです。これは私にとって大きな人生経験となりました。そして私のアスリートに対する接し方にも間違いなく何かの影響を与えることでしょう。ただ、周りに経験してもらいたい試練では全くありません! 次にあなたが3杯目のコーヒー、又は午後のエナジードリンクに手を伸ばす時にはもう一度よく考えてくれることを願います。そして、その行為は恐らくあなたが人生の他の局面において、目先にとらわれた決断をただ隠す為のものだということに気づいて下さい。

エリック・クレッシー 2867字

なぜカフェインを摂り放題にしているのか? パート1/2

今回は少し個人的なお話をさせてもらいます – そして最後には素晴らしい学びもいくつかありますので、辛抱強く目を通して下さい! 沢山の方々がご存知のように、2014-2015の秋冬はクレッシーファミリーにとって、かなりクレイジーなシーズンとなりました。まず9月の始めに、妻と私はフロリダ州のジュピターに新しく建設されるクレッシースポーツパフォーマンス施設の準備の為にフロリダに引っ越したのです。数ヶ月に及ぶ準備の後、施設は11月の始めについにオープンしました。 施設や自宅管理のため定期的にマサチューセッツに帰ることもできず、別の州に施設をオープンすることは容易な事ではありませんでした。これに加えて私の普段の義務であるジムやネット上での仕事の管理、ビジネスコンサルティングがあり、ジムでは自分自身のハードトレーニングを継続していたのです。 更にややこしいのは、この引越は、私の妻が双子を妊娠中に起きた出来事だということです。。。当初の出産予定日は12月17日でしたが、彼らは約3週間早い11月28日にこの世に生を受けました。2人共とても元気ですが、当初は時に酸素補給や栄養チューブが必要な新生児集中治療室(NICU)で過ごす時期もありました。 言うまでもなく、秋と冬は一日が長く沢山の “長時間労働”があります。この長時間労働に慣れてはいるものの、この長時間を生まれたての双子達の為に毎晩2~3時間しかとれない睡眠で過ごすことには全く慣れませんでした。 私は、プログラムとトレーニングをただ増やし続けることはできないと、よくアスリートに話しています。もし新しい何かを入れたら、たいてい他の何かを減らさなければいけません。そしてもし何も減らさずに増やすことのみ強く求めるのならば、マッサージ、睡眠、またはその他多くのオプションのどれであれ、リカバリー方法に時間を費やす準備をしなくてはなりません。例えその時間がなかったとしてもです。その時間をどう使いますか? Caffeine - and a lot of it.

エリック・クレッシー 2272字

投球傷害:広背筋筋挫傷は起こるべきであるのか? パート3/3

動きの質 近年私が見ている投手のなかで、単なる投球ストレスの増加以上に、広背筋挫傷に共通してみられることがいくつかあります。 1. 僧帽筋下部が広背筋よりも弱い 僧帽筋下部は肩甲骨の後傾(少し後ろに傾く)を促し、上方回旋を助けることにとても重要な働きがあります。この2つの機能は、投球時のレイバック期に肩甲骨を正しい位置へ置くことに必要不可欠です。 反対に、広背筋は肩甲骨を“全体的に”下制する効果を持っています;広背筋は肩甲骨を下方に引きますが、後傾や上方回旋には貢献しません。これは、回旋腱板痛があり、肩甲骨の挙上(シュラッグ)代替パターンを強く持っている一般成人には役に立つでしょうが、大事な時に球関節の一致を“ぴったり”させるために、肋骨のの上で肩甲骨を持ち上げ、回りこまそうとする投手にはとっては実際に問題となります: そのように、広背筋と僧帽筋下部は肩甲骨の制御を“競合”していると言えます−そして、広背筋は横断面積と複数の付着部があるため、大きな優位性を持っています。広背筋は、たとえ意図していなくても、トレーニングし強化することがより簡単でもあるのです。 このような目的で、投手に腕のケアドリル中に“下と後ろに”とキューイングが出されていることを良く耳にします。僧帽筋下部を活性させることで後傾するよう改善するという意図は非常に良いのですが、結果は大抵違います。選手が僧帽筋下部が活動していると実際に感じる位置まで実際に後傾させなければ、わかりません。そうではなく、肩甲骨をさらに下制させ、それが広背筋優位戦略を助長してしまいます。それが、ジムに来た最初の日に、ほぼすべての投手に下制と後傾の違いを教えるりゆうなのです。 2. 回旋腱板が広背筋よりも弱い 前述したように、広背筋は肩においてとても多くの機能的な役割をもっています。広背筋の付着部が骨頭ではなく、骨幹部にあるため、広背筋は関節窩において骨頭の位置を直接的に制御することはあまりできません。事実として、投球のレイバック時に関節窩上で骨頭を前方(に向かって)へ滑らせることに貢献するため、実際は間接的に投球肩を不安定にさせます。この前方への滑りは回旋腱板の筋肉によって相殺されます。 動きを評価するときにはいつでも、私たちは骨運動学(全体的な運動−屈曲、伸展など)と関節運動学(関節内の微細な運動−回転、ロッキング、滑りなど)の両方を考慮しなければなりません。 理学療法士であるShirley Sarmannが何度も述べていることをわかりやすく言い換えれば、筋挫傷、または、使い過ぎた筋肉を見るときは常に、機能不全な協同筋を探すことです。この場合、広背筋と大円筋の協同筋は回旋腱板になります。広背筋が疼き始める前に問題が浮上するのは、上腕二頭筋腱、関節唇、関節包、あるいは、腱板自体であることが多いため、回旋腱板の弱化の結果として広背筋筋挫傷が起こると、我々はあまり考えることがありません。 3. 大抵は広背筋優位のリフティングを多く行っている経緯がある 野球界において、投球は広背筋優位です。呼吸も広背筋優位です。コアの安定性も広背筋優位です。そこに広背筋優位のリフティングを多く混ぜれば、特にシーズン中に、事態は良い方向へは向かいません。では、そのことについて話していきましょう: 私は、広背筋が“弱い”優秀な投手に会った事がありません。 私は相対的と絶対的計測の両方の観点から話をしています。相対的に言えば、選手に会って、“よし、50ポンドのベストを着て懸垂を行えば、必ずもっと強く投げられるし、健康になる。回旋腱板と僧帽筋下部が強すぎるね”などといったことは一度もありません。絶対的に言えば、広背筋の筋力と球速の関係性を調査した研究をまだ見た事がありません。強くなることが球速のアップに繋がらない、収穫逓減のポイントがあると強く信じています。さらに言えば、実際に向上を妨げることもあるかもしれず、傷害のリスクも上がるかもしれません。これには、肘の炎症も含まれます。重いウエイトでのプルアップやチンアップは、仕事で投球をすることがないウエイトリフターの肘内側にさえ、かなりのストレスを与えます。 エリートレベルの垂直跳びをするために、800ポンドのスクワットをする必要がないのと同様に、(でも200ポンドしかスクワットをできないのであれば、恐らくそれほど高くは飛べないでしょうが。)広背筋は強く投げるために十分な強さがあればいいのです。 さらに言及すべき事実として、デッドリフト、ファーマーズウォーク、ダンベルランジ、そして、おもりを手に持って行うそれ以外のすべてのドリルでは、実際にかなり広背筋にテンションがかかります。腕を身体の側面に置くと、広背筋はほぼ完全に短縮位になります。そして広背筋は、かなりの外部負荷に対してコアを安定させるためにかなり激しく働きます。 覚えておいて欲しい事は、ストレングストレーニングプログラム全体で、どれだけ広背筋優位の動作をアスリートに行わせているのかを、批判的に検証しなければならないということです。私の経験則から言えば、オフシーズンのプログラムでプルアップを行う“権利を得る“ためには、アスリートは肩の完全屈曲と十分な腱板の筋力を持っている必要があり、シーズン中のプログラムではプルアップ、あるいは、プルダウンは行わないということです。水平に引く動作を様々なバリエーションで行うことで、必要なことのすべてをまかなうことができます。 4. 選手は大抵、あったとしても、それほど多くのマニュアルセラピーを受ける事なく、多くのイニングを投げたり、登板し続けています。 NASCARsは普段乗る自動車に、より多くの維持費をかけることを要求します。その車の限界まで走らせるのであれば、オイルやタイヤをより頻繁に交換したほうがよいでしょう。同じ事が高いレベルで投球している腕にも言えます。マニュアルセラピーは、可動域を維持、あるいは、改善させ、登板間にしっかり回復させることによって、大変革をもたらします。 広背筋と大円筋は投球動作時にかなり酷使されるので、多様な軟部組織へのアプローチでそれらの“柔軟性”を維持し続けるために、定期的なルーティーンとしてマニュアルセラピーを受けることは重要です。カッピング、グランストンテクニック、アクティブリリーステクニック、鍼治療、その他の伝統的なマッサージなどにかなり良好に反応するアスリートを見てきました。人それぞれではありますが、すべての人に必要なのです。 また、言及すべきこととして、広背筋のトリガーポイントは、実はその他の部位の不快感と関係している可能性があります。マサチューセッツにあるCressey Sports performanceのマッサージセラピストであるChris Howardは下記のように記述しています: “広背筋のトリガーポイントは、肩甲骨の内側縁、下縁から肩後方、上腕三頭筋の内側から薬指、小指に至るまで痛みや不快感を放散します。トリガーポイントは痛みを引き起こすだけでなく、神経症状にも似ていて、その関連部位に感覚異常や痺れを引き起こします。この記事で特に興味深いのは、それらが活動性、あるいは、潜在性であるに関わらず、トリガーポイントは筋肉の活性パターンを変化させる能力を持っているということです。言い換えれば、肩甲帯の筋肉にトリガーポイントが存在すれば、通常の活性パターンが変化し、小さな筋肉の誤使用に繋がる可能性があります。” 5. 前方コアのコントロールが不十分である 広背筋が固くなれ(あるいは、短くなる)ば、前方コアのコントロールがさらに必要になります。 コアがコントロールされていなければ、広背筋は最終可動域である肩完全屈曲位に達するチャレンジをされることがありません。オーバーヘッドの動作時に肋骨から骨盤を固定するのに十分な固さを加えることを学ぶことが、腰部を保護することに繋がることは明白ですが、広背筋を“より健全”にさせるという効果も付加されます。 6. 引く動きを広背筋優位の動きに変えている。 この点について一からやり直すよりも、少し前に私が撮影した詳細なロウイングテクニックのビデオを確認してみてください。特に、1、2、4、6番のポイントはかなり広背筋が優位になっている個人に顕著に見られます。一回で複数の間違いを見つけられないこともよくありますが、まずこのビデオをすべて見る事をお勧めします。 7. 肩関節屈曲を失っている。 筋肉が基本的に短いのであれば、筋挫傷を起こしやすくなるでしょう。1−6のポイントを長期にわたって満たしていない人には良く見られます。 予防 数年前に、ACL予防プログラムの熱狂の中心にいたMike Boyleは“ACL傷害予防とは、ただ良いトレーニングをすることだ”という大胆な声明を発表しました。要するに、アスリートに包括的で、よく考えられたプログラムと、正しいトレーニングテクニックを保証する確かなコーチングで良い動きを教えることができれば、ACL傷害の発生をかなり大きく減少させることができるのです。私は大いに賛成ですし、投手における広背筋筋挫傷予防トレーニングも、ただ良いトレーニングをすることだと主張します。 定期的なマニュアルセラピーで組織の質を維持し、日々のフォームローリングで補う。 アスリートにプルアップをする権利を獲得させる。 シーズン中にプルアップ、または、プルダウンを行わない。 回旋腱板、僧帽筋下部、前方コアが、広背筋に負けないように強化すること。 デッドリフト、ファーマーウォーク、そして、ダンベルランジやスプリットスクワットのようなドリルのやり過ぎを認識する。これらは素晴らしいエクササイズで、意義のあるものですが、何であってもやり過ぎは問題になります。 適切なトレーニングテクニックを確保する。特に、全く使うべきでないときに、広背筋を過度に使用しないようにする。 劇的に球速や運動量が上がっている選手を注意深く観察し、あまりに急速に投球数を増やすことを避ける。 絶えず投手からのフィードバックをもらい、軽度の広背筋痛であっても、それが完全な傷害になる前に発見する。 アスリートが一旦大円筋や広背筋筋挫傷を患ってしまうと、事態がかなり難しくなってしまうことは明白です。これがこの記事の本当に大事なポイントです:いつもの通り、予防がもっとも最良のトリートメントなのです。

エリック・クレッシー 4439字

投球傷害:広背筋筋挫傷は起こるべきであるのか? パート2/3

投手への影響 広背筋の機能解剖を理解することで、野球ボールを力強く投げることに広背筋がどれだけ必要不可欠であるかを認識することができます。要するに、広背筋が下肢と上肢をつなげることで力が伝達され、最終的に腕の速度と球速に繋がるのです。 驚くことではありませんが、Gowanらによる1987年の研究では、投球の加速期における広背筋の筋活動は、アマチュアの投手よりもプロの投手のほうが概ね高かったことが観察されています。驚くことではありませんが、経験豊富で実績のあるアスリートは、大きな仕事(腕を加速させる、それがすべてのスポーツでもっとも素早い動きに繋がる)をするために大きな筋肉(主動筋)をどのように使えばいいのかを知っています。アマチュアの投手は実は、加速期に小さい、安定筋である腱板、上腕二頭筋、そして三角筋後部にかなり頼り続けます。これは安全でも効果的な長期戦略でもありません。 若年層のアスリートで広背筋挫傷をめったに見ないのは、おそらくそのためでしょう;広背筋を効果的に使用するには、90マイル以上で投球しなければならず、普段使われない筋肉を挫傷することはありませんから。若年の選手たちは、腱板痛、上腕二頭筋腱異常、あるいは、上腕の近位成長板問題を抱えることが多いのです。 “広背筋の使いすぎ”は、投球の加速期だけではありません。投球のレイバック時(極度のコッキング あるいは、最大外旋)に、広背筋と大円筋は(肩甲下筋や大胸筋のように良く知られているものも含み)、上腕骨(上腕)が身体から離れるのを防ぐために遠心性に作用しているいくつかの筋肉のうちの2つになります。 この遠心性のプレストレッチはまた、弾性のエネルギーを蓄え、その後の加速期に解放され、球速を産み出すことを助けます。ほとんどの筋挫傷は、それが急性であれ慢性であれ、遠心性の活動期に筋肉や腱がストレッチされる時に起こります。ハムストリングス挫傷は通常、スプリントのスイング期の最終時に起きます。中年の男性は背屈した足首で着地し、ふくらはぎが最大にストレッチされている時にアキレス腱を断裂します。広背筋と大円筋は投球のレイバック期に最もオーバーストレッチされます。 慢性の場合、アグレッシブな遠心性ストレスに繰り返し晒されることが、筋肉の短縮に繋がる可能性があります。Reinoldらは(2012)肘伸展と肩内旋の点から、これを証明しました。連続体の“固い”側の端にいる傾向にある投手はまた、シーズンを通して肩の屈曲と“真”の外旋を失っていくというのが私のこれまでの経験です。これは、広背筋の硬さ、あるいは、短縮にかなり大きく関係しており、研究では、投手の肘の傷害リスクの増加と関連があるということが証明されています。 投球時における広背筋の特別な役割だけでなく、コアの安定化や呼吸補助筋としての役割のために、広背筋は日々の生活でかなり使用過多になっているということもまた、認識しなくてはなりません。そして、日々の暮らしで腕を頭上にあげ、肩を外旋する時間を多くとらないのであれば、一日中広背筋を完全に伸ばしきることはありません。慢性的に筋肉を短縮させ、酷使し、そして、すべてのスポーツのなかで最も早い動作である投球をすることは、筋挫傷のレシピのようなものです。しかし、広背筋なしでは、強く投げることはできないのです。 なぜこれらの傷害は治癒にそれほど時間がかかるのか? 傷害のメカニズムを確立するために、投手の広背筋挫傷ではなぜリハビリテーションがそれほど長くかかるのかについても考慮することが、とても重要になります。単なる“他の筋挫傷”と広背筋挫傷を区別する主な4つの理由があります。 最初に、先ほども触れましたが、早期に診断がでないことがあります。これは、アスリートが単にその問題を通常の筋肉痛として無視するか、“上腕二頭筋腱炎”としてケアを受ける事が原因で起こり得ます。あるいは、医師が広背筋傷害で肩前方の症状は起こることを認識していないかもしれません。最後に、典型的なMRIでは、傷害そのものを完全に見過ごすかもしれません。これらすべての要素が、潜在的にアスリートを間違ったリハビリへと導いてしまいます。 2つ目に、私の経験では、これらの傷害の多くは外傷的というよりも、遥かに慢性的に起こります。広背筋挫傷を患った投手の既往歴を深く掘り下げていくと、長引く筋肉痛や不快感を数週間、数ヶ月、あるいは、数年抱えながら投球していることがしばしばあります。最終的には、我慢できなくなり、ピッチングのパフォーマンスに重度な影響を与え始めます。かなり長い期間をかけて蓄積された問題であれば、一夜で解消することはないでしょう。 3つ目として、先ほど機能解剖学の考えでも述べましたが、広背筋は多面的な動きにかなり関わっています。過去に、多面的に重要な役割を担う筋肉は、リハビリテーションの過程でどれほど扱いづらくなるのかについて理論化したことがあります: 大腿(大腿直筋)を挫傷しても、大抵は素早く回復するでしょう。腹斜筋を挫傷すれば、もっと厄介です。違いは何でしょう?大腿直筋は実際、矢状面のみでの動きですが、腹斜筋は矢状面、前額面、横断面での過剰な動きの制御に大きな役割があります。筋肉の作用が複雑であればあるほど、傷害は重度になり、リハビリも長期になります。ハムストリングも矢状面以外の役割があり、同様に扱いづらくなってしまいます。 4つ目として、上腕骨(上腕)近位部は、身体の他のすべての部位よりも瘢痕化が早いようであり、これは投手が直面する遠心性のストレスにより、特に投球肩に当てはまります。肩甲骨に付着している筋肉は17個あり、それら筋肉のほとんどが肩関節(球関節)を横切っています。恐らくより重要な事として、これらのうち8個の腱は、広背筋と大円筋の停止部のかなり近くに付着しています。かなり小さな場所で8個の腱が動き、多くの遠心性ストレスを経験すれば、最終的にはざらざらした線維性沈着物が形成される結果になるでしょう。 傷害のリスク 広背筋の問題が慢性あるいは外傷的な契機であるにせよ、1つのテーマは常に真実のようです:投球によるストレスが劇的に増加した後、症状が現れる。 リリーフ投手が段階的な投球数の増加なしに先発ローテーションに入ったことにより、広背筋挫傷を起こすことを、多くの場面で見てきました。 他の例では、1回のオフシーズン中に球速がかなり上がった後に、広背筋を痛めるということがあります。これは通常、ひと冬の期間に、球速が84から94マイルまで上がった高校生のようなケースです。友人であり、ミルウォーキーブリュワーズのピッチングコーチであるDerek Johnsonは、“腕は臀部で支払えなかった額を小切手で書くようなものだ”と言っています。 たった1回の登板での異常なほど多い投球数の結果起こることも、たまにはあるかもしれません。次の登板までに回復できず、次の登板が最終的な一撃になってしまいます。典型的な“腕の振りが早い”(90mph 以上)投球で、高校生投手が連続して100球以上投球しているときは、たとえ7日間のローテーションであっても、事態は悪い方向に向かい始めることが多いというのが私の経験です。これは大学生の試合ではそれほど頻繁に起こらないのですが、実際、16-19歳の年齢層の投手の運動能力や筋力の向上に関して、かなり明確で重要なことが起こっていると考えています。 最後に、広背筋の問題は、高校生や大学生の先発投手がプロの世界に入り、7日から5日のローテーションに変わった時に特に共通してみられるようです。回復の期間や能力の重度な欠損が、劇的なストレスの増加に繋がるのです。典型的な全力の90%で投球することを学ばなければならないと、多くの選手が長年話しているのを聞いています。

エリック・クレッシー 3311字

投球傷害:広背筋筋挫傷は起こるべきであるのか? パート1/3

先週、プロ野球投手における広背筋と大円筋挫傷の既存調査をメタ分析した研究に出くわしました。集積したサンプルサイズは小さいですが(総数30人のアスリート)、1つのはっきりとしたテーマがあるものでした: 広背筋挫傷はリハビリの悩みの種になりうる。 これらの研究では、1人の投手のみ、その問題のために手術を受けましたが、29人の投手は保存的な治療を受けていました。保存療法のグループでは、投球に戻るまでにかかった平均日数は100日であり、手術したケースでは140日かかりました。恐らく、より重要なのは、研究者が”保存療法グループの5人の患者は、合併症や治療・リハビリテーション中の後退に苦しんだ“と言及していることです。 これらの研究において、サンプルサイズについても注意しなければなりません。彼らは大きなグループから抽出された訳ではありませんし、多くの研究者は、“投球に戻る”ということと“元の調子に戻った感じがする”ということの間にどれだけの違いがあるのかということを識別できていないでしょう。私が知っている、手術を受けた選手の中での一般的なコンセンサスは、試合で100%の状態であると感じるまでには8−10ヶ月かかるようだということです。 考えてみましょう:仮に3.5-5ヶ月ケガのため戦列を離れ、さらに100%に戻るまでにさらなる時間を要するとすると、正にシーズンすべてを棒に振るようなものです。メジャーリーグレベルでは、故障者リストの時間で多くのお金を無駄にしているだけでなく、マイナーリーグでは成長するための時間の多くの失っていることになります。 事態をさらに悪化させていることとして、広背筋挫傷の診断は少々難しいこともあり、リハビリテーション過程で遅れがでることもあるということです。スポーツ医であり、Vanderbilt大学の整形外科&リハビリテーション学科の准教授であるDr.Deon Scottによると、“広背筋挫傷の診断を下すことはそれほど単純なことではなく、特に、医師の検査に制限があり、MRIの検査にかなり頼っていると、誤診をすることが多くなります。標準的なMRIでは、傷害部位を捉えられるほど遠位までは映らないかもしれません。関節造影図ではさらに範囲が小さくなり、誤診に繋がります。”過去に彼が診察した急性の広背筋傷害の1つについて、“広範囲の肩のMRIで、急性の浮腫と血腫が骨—靭帯間に見られ、見逃しようがなかった”と言及しています。要するに、注文をする医師が、肩の傷害においては局所的な画像診断方法の使用を試そうとするかもしれませんが、上肢の傷害も検知できるよう、広範囲で映すようにするべきなのです。 Source: By Anatomography (en:Anatomography (setting page of this image)) [CC BY-SA 2.1 jp], via Wikimedia Commons 私が見たプロ選手の1人で、手術が必要な広背筋挫傷の確定診断を受けるのに2年間も苦労した選手がいました。最初に、関節唇損傷のため、肩前方痛が起こっていると考え、関節唇の“お掃除”手術を施術しましたが、症状に変化はありませんでした。より興味深いのは、鏡視下で介入しているにも関わらず、広背筋断裂を発見することさえなかったということかもしれません。5ヶ月後、別の外科医が広背筋修復術を行いましたが、広背筋は骨からかなり重度に剥離していました。 ここで最初に覚えておいてほしいことは、あなたが投手であり、肩に痛みがあるのであれば、投球傷害を多く診ているスポーツ医に必ず診てもらう必要があるということです。広背筋挫傷は診断を下すことが難しいこともあり、最も善意に満ちた医師でさえも、広背筋傷害を探そうという発想がないかもしれません。これは特に、その症状が腱の損傷時に見られる肩前方の痛みとして現れることが多いということによります。上の図で付着部が鮮明に描写されているのを見る事ができますが、後で機能解剖学について話すときに、このことについてより深く見ていきましょう。 研究の記事を熟考し、実際に私のスタッフメンバーの数人と討論をした結果、Cressey Sports Performanceに定期的に来られているクライアントでは、実際に1人も広背筋挫傷が起こっていないということが分かりました。私たちはたくさんの投手を見ています。自慢するために(あるいはジンクスとして)言っている訳ではなく、むしろ、その成功が残している手がかりに光をあてるために言っているのです。このことも、この記事の後半で見ていきましょう。 とは言っても、この記事のアイデアが、傷害が起こり、回復するための手助けが必要になり我々の元へやってきた多くのストレスフルな投手たちと仕事をした経験に、大きく基づいているということを言及しなければなりません。失敗(このケースでは傷害)も手かがりを残すのです。 これらの観察と広背筋挫傷予防の対応策のすべてに触れる前に、広背筋と大円筋の機能解剖について論じることが非常に重要であると考えます。そして、その延長として、広背筋傷害のリスクの“最悪の状況”に関する仮説をまとめるために、生体力学の研究と受傷したアスリートの事例観察に沿って、機能解剖を理解することがどれだけ必要であるかについて議論していきましょう。 機能解剖学 広背筋とは、多くの機能的意味合いを持つ大きな筋肉です。 広背筋は胸腰筋膜(腰部)に付着し、上腕の結節間溝(上腕の前部)に至るまで走行しています。そのため、投手の肩前方痛—上腕二頭筋、回旋腱板腱傷害または断裂から関節唇傷害、前方関節包傷害、胸郭出口症候群に至るすべて−の識別疾患として考慮しなければなりません。 興味深いこととして、この長い解剖学的な走行コースには、たくさん解剖学的な差異が存在しています。少ない割合ですが、広背筋が腸骨(骨盤の頂上)に付着していることも実際にあります。半分以下の人では、肩甲骨に直接的に付着しています。肋骨や椎骨への付着部の数も人により様々です。 広背筋の肩における機能—伸展、内転、内旋、水平外転—については皆知っていますが、この拡張的な機能解剖的側面を考慮すると、他にも考慮すべき重要な役割がいくつかあることを認識しなければなりません。 広背筋はコアの重要な安定化筋であり、かなり使用過多になりやすく、アスリートを“全体的な伸展”パターンに引き込んでしまうこともあります。ここでは強度の骨盤前傾と腰椎伸展が認められますが、上腕の伸展位にも注意しましょう(間接的な頭部前方突出姿勢への影響も)。 仮に肩甲骨に付着している人で−肩甲骨エリアを“交差する”ことの間接的な影響で、広背筋は肩甲骨下制にも貢献しています。 最後に、異常な伸展傾向の姿勢は、正常な横隔膜の機能(ZOAの喪失を介して)にも影響を与えるであろうということも理論上想定されるでしょう。広背筋は呼吸(吸筋)補助筋でもあるため、実際に自らが作った問題を補わなければならないとも言えます。Postural Restoration Institute(PRI )での有益な経験と私自身の事例観察が明確にこの理論の支えになっています。 Source: PosturalRestoration.com 事実上、大円筋を“小さな広背筋”としてみることができます。同じ肩甲骨から上腕にかけての機能的関係性と動作を共有していますが、胸郭や腰椎には直接的な影響はありません。

エリック・クレッシー 3261字

ストレングストレーニングプログラム:セット数とレップ数はどのくらい? パート2/2

ストレングストレーニングプログラム:セット数とレップ数はどのくらい?パート2 この記事では、ストレングスエクササイズに最適なセット数とレップ数を決定する方法に関するQ&Aレスポンスの後半を紹介します。最初の投稿を見逃した場合は、「ストレングストレーニングプログラム:セット数とレップ数はどのくらい? パート1/2」を必ずチェックしてください。ここでは、要因の7-13をカバーします。 7.筋肉の不均衡を修正しようとしているかどうか - 悪い姿勢を修正する時、上半身の筋肉の不均衡が著しい人には2:1のプルとプッシュの比率を使用します。セット数を増やすことに加えて、より高レップのスキームを使用することもできます。より多くのボリュームを蓄積するには、次のような簡単な方法があります。 A1)チェスト・サポート・ロウ - ニュートラル・グリップ:4×8 A2)ローインクライン・バーベル・プレス:3×6 効果的に、姿勢のバランスを重視したトータルセットが増えているだけでなく、1セットあたりのレップ数も増えています。 8.クライアント/アスリートの神経効率の良 - 一部のアスリート(特に、遅筋繊維優位傾向があるアスリート)は、常に、ストレングスエクササイズのセット数をより多く行う必要があるようです。これは、高校サッカーであろうとランニングに特化したキャリアであろうと、それまでの持久力トレーニングの歴史によって影響を受けており、高域値の運動単位に利用効率を低下させています。同じことが女性アスリートにも当てはまり、ストレングスエクササイズにおいて、常に少し余分なボリュームが必要なようです。まるで男性ほど迅速に最大値まで上げることができないかのようです。セットごとにレップ数を増やす必要は必ずしもないと思いますが、間違いなく1-2セット追加することを検討する必要があります。 9.代謝トレーニングのメリットを達成しようとしているかどうか - 一部のプログラムでは、代謝抵抗トレーニングと呼ばれるコンセプトを使用して、心血管系コンディショニングを改善し、エネルギー消費を増加させて、脂肪をより速く燃焼させることができます。一般的に、このようなプログラムでは、このトレーニング効果を引き出すためにより多くのセット数とより高いレップ数が必要です。 10.怪我のクライアントに対処しているかどうか - これらの人々では、セット数とレップ数を低く抑え、徐々にそれらを戻したいと考えています。したがって、「通常の」クライアントは、トレーニングストレスを与え、軽減するために、上下に変動しているかもしれませんが、怪我後のクライアントは、特定の時間における負荷能力に合わせてセット数とレップ数を徐々に増加させていきます。 とはいえ、トレーニング効果を維持し、彼らの気が変になってしまうのを防ぐのに十分な量を与えることを認識しておく必要があります。肩の痛みを持つ人の例を使うなら、プレスの動きを減らす必要はあるかもしれませんが、水平プルのセット数とレップ数のボリュームをかなり上げることができます。 11.他に何をしているのか - Smolovスクワットプログラムの基本的なメゾサイクルは次のようになります: 月曜日:4×9 水曜日:5×7 金曜日:7×5 土曜日:10×3 確かに、これは非常に多くのワーク(そして非常に特化したワーク)ですが、かなりの数のリフター達がこれを使用してかなりの成功を収めています。ただ、ちょっといいですか?「その他のこと」のために多くのセット数とレップ数を追加してみれば、失敗するでしょう...悲惨にも。すべてのことを同時に特化することはできないのです。ストレングス&コンディショニングプログラムの1つの側面でセット数とレップ数が上昇した場合、それらはどこか別の場所で低下させる必要があります。 12.筋肉痛が懸念されるかどうか - シーズン中のアスリートは、どんな犠牲を払っても筋肉痛を避けたいと考えています。一番簡単な方法は、ストレングスエクササイズを変えるのを避けることですが、ほとんどのアスリートはシーズンを通して同じことを何度も何度も繰り返すことにうんざりしてしまうので、これは実際には実現できません。したがって、私達は、シーズン中のトレーニングにおいて、新しいストレングスエクササイズを置き換えることには戦略的に注意深くある必要があります。これをスムーズに進めるための1つの方法は、新しいトレーニングプログラムの最初のラウンドでセット数とレップ数を低く保つことです。シーズン中にフロントスクワットをしていたとしましょう。おそらく次のようになります: 第1週:1×3レップ 第2週:3×3レップ 第3週:3×3レップ 第4週:2×3レップ(デロード) これが最後のポイントへと導くことになります...。 13.アスリートがシーズン中であるかどうか - アスリートがシーズン中である場合、少ないほど効果的です。私は、シーズン中のトレーニングセッションの後にアスリートがリフレッシュした気分でジムを離れることを好みます。そのため、セッション中の8-10セットのストレングスエクササイズだけで、トレーニングを完全に終わらせるかもしれません。オフシーズン中は、より多くのセット数とレップ数を獲得できます。 ストレングストレーニングプログラムでセット数とレップ数を決定するために頭に浮かぶ主な考慮事項は、これでまとめとなります。もちろん、考慮すべきことはまだまだ他にもあります。最後に付け加えておきたい推奨は、多種多様なコーチ達による様々なプログラムをできるだけ多く見直すことです。あなた自身のプログラムを書くのに役立ついくつかの重要な傾向を拾える可能性があるでしょう。

エリック・クレッシー 2468字

ストレングストレーニングプログラム:セット数とレップ数はどのくらい? パート1/2

Q:これは何時間もの回答を伴う含みのある質問であることは理解していますが、ストレングス&コンディショニングプログラムの作成に関わる様々な方法と哲学について、納得がいくようにしたいのです。プログラム開発を議論する書籍の様々な記事や章を読んだことがあり、現在の職場でのプログラムを見て、新しいアスリートのための基本的なものを書くことができます。エクササイズではないのです、私は沢山のエクササイズを熟知しているし、新しいものを見るのが大好きです。私の問題は、セットとレップ、そしてそれらがいつ変化し、そしてその理由であり、私はプログラムの実際のプログレッションを把握することができないようなのです。 セットとレップを決定する際に、どのような哲学(もしあるなら)に従い、どのような基本ルールが最も重要であると思いますか? A:かなり含みのある質問ですね!プログラミングでより良くなるための最良の方法は、単に大量のプログラムを書き、何がうまくいくのか、そして何がうまくいかないのかをみてみることです。しかし、セットとレップに関するあなたの特定の質問に関して、何を利用するかの選択は、下記によって決定されます: 1.セッションの継続時間 - クライアント/アスリートが1時間しかいなくて、他のことを成し遂げたい場合には、4レップを6セットを行うことはできません。NCAAがアスリートとの週あたりの時間数を限らせており、スポーツコーチとストレングス&コンディショニングコーチがこの時間を共有しなければならないため、これは、特に大学のストレングス&コンディショニングプログラムでは大きな問題です。加えて、これは、クライアントが30、45、または60分のブロックでトレーニングすrっような個別トレーニングセットアップのパーソナルトレーナーにとっての課題です。 私は過去に、いかにして、私たちのビジネスモデルが私たちのトレーニングモデルを決定することを決して許さないかについて何度か書いてきましたが、このセットとレップの質問はその理由の1つです。クレッシー・スポーツ・パフォーマンスでは、スライド制の開始と終了を可能にするセミプライベートトレーニングで全て行っています。これにより、問題のセットやレップに関係なく、クライアントと行う必要のあるすべてのワークを行うことができます。同様に、この2部構成のシリーズの残りの部分で見るように、ホワイトボード上にすべての人のために標準化された1つのプログラムを持っていないのはそのためであることが理解できるでしょう、CSPのクライアントは全て、独自のニーズを持っているために、独自のプログラムを持っているのです。 2.競合する要求 - プログラムに追加したい多様性(プライオ、コンディショニング、メディシンボールワークなど)が多ければ多いほど、ストレングストレーニングで行うことができるボリュームは少なくなります。私達の持つ時間とリカバリー能力は限られているので、いつも追加し続けることはできません。 私にとっての良い例は、野球のオフシーズンの間に起こることです。彼らが戻ってくる時のリフティングのボリュームは高く、投球はなし、動きのトレーニングは週に2回、メディシンボールは軽いものです。最初の1ヶ月後、メディシンボールのワークが上昇し、リフティングが少し下がります。 そして、1月の初めに、メディシンボールとリフティングのボリュームが下がり、投球ボリュームが増加します。その後、メディシンボールのワークをほぼ完全に取り除き、シーズンが近づくにつれて週3回の動きのトレーニングを行い、投球は強度が高まり、彼らはより多くの打撃を行います。したがって、単にエクササイズ次第なのではなく、全体像次第なのです。 3.エクササイズの選択 - より多くのセットを行う場合は、カールではなくデッドリフトのような「価値のある」エクササイズでそれを行いたいと思うでしょう。さらに、特定のエクササイズは、他のエクササイズよりも高いレップ数に適しています。例えば、疲労によって技術的な失敗が起こることが多いため、フロントスクワットを6回以上行うことは決してありません。また、クリーンを15レップのセットもやりたくありません! 通常、誰かが後続のセットでのウエイトをすでに減少しているのにフォームが崩れ続けるようなら、特定のエクササイズを中止して、次のエクササイズに進むのも良いことです。疲労している状態でもテクニックが完璧なままでいられる他のエクササイズで、エネルギーはより良く使われるでしょう。 4.トレーニング年齢 - 一般的な経験則として、経験が豊富であればあるほど、より多くのセットとより少ないレップを必要とするでしょう。私自身のトレーニングキャリアのこの時点で、私が5セットで強くなるということはありません。 これに対して、初心者は一般的に理解するためにより多くのセットとレップを必要とします。初心者に対して、すべてを15レップで3セット行うべきだという意味ではありませんが。私はスクワットとデッドリフトのバリエーションを5レップの4セットでかなり教えていますが、負荷はリフターが通常10-12レップを行うことができるほど軽いものです。言い換えれば、それは単なるテクニックの練習なのです。 5.トレーニング目標と問題になっているクライアント/アスリート - 1RMの90%を超える高重量の1レップを行うことは、人々が強くなるのを助けるのに理想的かもしれませんが、一部の集団でこのような高い割合で働くことは、リスク/報酬の比率を歪めます。高齢者であろうと、怪我をしている人であろうと、スクワットを5ポンド増やすよりも怪我をして失うことのほうが多いアスリートであろうと、個々の状況を考慮に入れる必要があります。ウエイトをリフトするのは、生活の質を向上させるためであり、リフトしたウエイトの重さについて話すためではないことを、私は常に人々に思い出させています。 6.疲労を負わせたいのか、それとも取り除きたいのか - ローディングウィークでは、ボリュームはより高くなります。しかし、デロードしているのであれば、そのボリュームは減少します。初心者のストレングストレーニングプログラムを除いて、ボリュームは決して数週間連続して同じであってはなりません。

エリック・クレッシー 2655字

見過ごしているかもしれない評価

ストレングス&コンディショニング業界に入ってくる新人には、“評価しないのであれば、それはただ単に推測しているにすぎないのです”といつも伝えています。シット&リーチテストをして、体重計に乗せるというような単純なものではありませんが。このシリーズでは、評価の過程においてもっともよく見過ごされるいくつかの部分に焦点を当てていきます。見過ごしてしまいそうな3つの評価は下記の通りです。 1.過去のスポーツ/トレーニング負荷: もしあなたがクライアントの求めていることを達成させるようサポートを試みるのであれば、彼らが今までどのような状態であったかということをしっかりと理解することが重要です。例えば、今までにオーバーワークをしたことがあるクライアントであれば、ボリュームの少ないプログラムに、良く反応するでしょう。あるいは、ボリュームの多いウエイトトレーニングを経験したことがないアスリートが筋肉量を増やしたい場合、いくつかの“控えめ”なセットと補助的な運動を追加することが役に立つでしょう。 これは、プロの投手にとっても非常に重要な議論となります。仕事量の多い先発投手(過去8-9ヶ月の間で200イニング以上の過度の投球をしている投手もいる)は、シーズン中に40イニング以上も投球していないかもしれないリリーフ投手よりも、投球練習を開始するまでに長い時間が必要になります。先発投手は1月1日まではオフシーズンの投球プログラムを開始しないかもしれませんが、リリーフ投手はその時期までに、すでに8週目のトレーニングをしていることになるかもしれません。 仕事容量の構築に関する議論は、ストレングス&コンディショニング分野で頻繁に行われていますが、スポーツコーチもまた、アスリートの実際にスポーツの中で、仕事容量の構築を追求しているという事実を見逃していることが多いと思います。現在、これら2つのことは互いに相容れないことである必要はありませんが、皆が常に高い運動量を強いてしまえば、事態は急速に悪化してしまうでしょう。 2.大腿四頭筋と内転筋の長さ: 正直に認めましょう:かなり多くの人々は十分なトレーニングをしていませんし、定期的にトレーニングをしている人の大多数も、可動性の必要性に注意を向けていません。結果として、かなり小さい関節可動域で、全体のトレーニングプログラムが行われており、これでは大幅な関節の可動域を獲得することはあり得ません。これが最もよく現れる2つの部位は、大腿四頭筋と内転筋の長さです。 踵がお尻についているとき、大腿四頭筋は最大限に伸張しています。日常生活の中で、誰かがこのポジションにいる場面をどの位頻繁に見かけますか? 股関節が外転している時、内転筋は伸ばされています。日常の活動のなかで、氷の上で転ぶ以外に、このポジションを最後にとったのはいつですか? これら2つの部位の状態に関して素早く簡便な評価をしたいのであれば、これら2つの評価を試してみてください(評価と矯正DVDから借用): 腹臥位膝屈曲: 骨盤や腰が動くことなく、少なくとも120°の膝自動屈曲の可動域をもっているべきです。 仰臥位外転: 腰椎や骨盤の代償動作、あるいは、股関節回旋なしに、少なくとも45°の外転可動域をもっているべきです。 私は通常、クライアントがトレーニングを開始するときに、トレーニング表に沿ってこれらをチェックしますが、フィットネスの専門家でない読み手の方々にとっても、これらは自分でできる優れたチェック方法になるでしょう。また、これらのテストで基準に達していなかった場合は、まずこれら2つの写真のストレッチをしてみてください。 3.シャツを脱がせる: これは、当然女性のクライアントにできませんし、男性のクライアントに対しても、彼らが快く受け入れてはくれないかもしれないという事実に注意を払う必要はあります。とはいえ、単なるTシャツだけで、どれだけ多くの上肢機能不全が覆い隠されてしまうかには驚かされます。例として、この左利きの投手の肘内側部痛は尺骨神経炎と診断され、抗炎症薬を処方され、医師が彼のシャツを脱がせて、肩と首を評価することもなく、家に帰されてしまいました。 言うまでもなく、彼の左側の肩甲骨はかなり下制していて、尺骨神経症状は、連鎖部位の更に上位に起因していると疑うのも、拡大解釈ではないでしょう。腕神経叢・尺骨神経がどのように鎖骨の下を走行して、肘のほうにまで伸びていっているのかを注意して見てください。 肩甲骨と鎖骨を下に押せば、簡単に神経(血管構造)は圧迫され、胸郭出口症候群が出現することになるのはとても良くあることですが、オーバーヘッドで投球をするアスリートにとって、診断が充分にされていないコンディションでもあります。より先進的な上肢の整形外科医は、最近この症状をより頻繁に診断するようになってきています;肘の問題は常に肘の問題ではないのです。 シャツを脱ぐことで、多くのことが見えるということを学びました。あなたのクライアント・アスリートにとってこれがまさに当てはまるのであれば、是非取り組んでみてください。

エリック・クレッシー 2231字