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野球シーズン中のストレングスとコンディショニング

野球選手のシーズン中のストレングスとコンディショニングについて、ここ数週間で、何十件ものメールやFacebookのポスト/メッセージ、ツイッター、電話などを受け取りました。このテーマについて考えをまとめるのは、困難を伴う作業でしたが、同時に嬉しく思いました。なぜなら、これらの問い合わせが寄せられるということは、つまりシーズン中のストレングスとコンディショニングが、極めて重要であることをやっと関係者が理解し始めたということを示しているからです。 これを受けて、シーズン中の投手と野手のストレングスとコンディショニングへの取り組み方を概説していきます。当然、選手には個人差もあり、スケジュールも異なるので、皆さんにとって上手くいくように手直しを加えていく必要があるでしょう。 私が「あえて実施しないこと」にみなさんが驚かれるかもしれないので、参考までに述べておきます。シーズン中のストレングスとコンディショニングにおける私の方針は、下記の項目において他の多くの人とは異なります: 1.私は、フィールドでバンドやチューブを使うことをあまり好みません。一言で言えば、週2回の「従来の」回旋腱板エクササイズ(主に外旋)と週2回のリズミックスタビリゼーションの練習にこだわる傾向にあります。他にも、複合上半身ストレングスエクササイズ(特に水平プルと垂直プルエクササイズ)や、減速キャッチ、コアスタビリティドリル、下半身ストレングスエクササイズ、軟部組織アプローチ、モビリティードリルなどを含めた、他のすべてのプログラムと併用しながら、腕の健全な状態を維持するために必要なことを、できる限り実施します。すでに投球量や強度、頻度を増やしているのに、それ以上どうしてバンドを使った回旋腱板エクササイズをプログラムに加える必要があるでしょうか? 回旋腱板はもう酷使されているのです。血液循環を良くする目的で、かつ、とてつもなく軽い負荷でない限り、日課としてチューブサーキットを行って回旋腱板をさらにダメにする必要はないのです。 多くの投手達(野手も同様に)は、シーズン中に腕を酷使していると私は確信します。それは、投球時の腕にかかる遠心性の莫大な負荷に充分な理解がないまま、次から次へとプログラムを追加するからです。シーズン中に、回旋腱板エクササイズのおかげで健全を保てると主張するコーチに、私は反論するでしょう。それは、オフシーズンに終わらせることができなかった単なる準備不足だろうと。 2.私は、シーズン中にはあまりメディスンボールトレーニングを使用しません。 シーズン中の選手は、すでにバッティングや投球、スプリンティングなどを行うことでスペクトラムの「絶対速度」の活動領域に限りなく近づいているはずだからです。もし、「不本意」で過剰なパワートレーニングが行われているならば、むしろスペクトラムの反対端に留まっておいた方が良いと思います。オフシーズンならば、スペクトラムの中間域により多くの時間を費やすことができるでしょうが。 先ほどメディスンボールは、あまり利用しないと言いましたが、シーズン中に若干使用することもあります。たいてい、選手のスイングや投球とは左右逆に行います。つまり、右打ちの選手は左手でメディスンボールを投げることになります。また、オーバーヘッド練習も軽く行います。これは、この可動域内でのパワーを維持するためです(それに伴った胸椎と肩の屈曲モビリティーも行います)。 3.私の担当する選手には、長距離ランは行いません。すでに仕上がっているのですから、わざわざ一からやり直す必要はないのです。この時点では、私は単に選手に磨きをかける仕上げ作業に徹します: 野球選手に長距離ランをさせるコーチがいたならば、それは手抜きまたは無知(もしくは両者)以外のなにものでもないでしょう。 4.シーズン中のトレーニングは、まさに“less is more”(控えめの方がより効果的)と“quality over quantity”(量より質)という言葉がぴったりです。シーズン中のストレングストレーニングのプログラムが35−40分以上続くことはまれで、だいたい10−14セットで十分です。ただし、フォームローラーを使用したり、モビリティードリルをしたりして、それよりも長い時間ジムにいる選手もいます。 5.シーズン中のストレングストレーニングのプログラムとして、第1週目には量と強度は低めに設定しますが、その後上げていきます。初期の筋肉痛を抑えるためにも、私は通常量と強度をプログラムの第1週目では低くしておくのです。それから、エクササイズに慣れてきた頃、第2−4週(または、プログラムがやや長めに設定されていれば第2−6週)で徐々に上げていきます。 6.ストレングスエクササイズの選択種目は、シーズン中に変えますが、基本は同じです。総合的な複数関節のストレングスエクササイズを多く取り入れるという基本はそのままですが、いくつかの修正は加えます。 シーズン中には、私は垂直プル(プルアップ/チンニング)よりも水平プル(ロウ)を利用します。一年を通してかなりの量の垂直プルをしてきていますが、シーズン中は週1回、それ以上は決して行いません。なかには、難易度を上げるためにかける負荷により、肘を壊す選手もいます。肘を傷めず効果を出すには、クロスオーバー・リバース・フライをプログラムに組み込めばよいのです。

エリック・クレッシー 3058字

野球シーズン中のストレングスとコンディショニング:高校野球

今日は、シーズン中における、高校野球選手向けのトレーニング方法を取り上げていきます。ここでは、野手(捕手を含める)と投手に分類して話を進めていきます。 野手/捕手 私達は、野手と捕手には全身のストレングストレーニングを通常週2回実施しています。しかし、何人かの選手には、より短時間かつ高頻度のトレーニングセッションを行うことにしています。これにあてはまるケースとして、トレーニングをより多く行う方ったほうが調子のよくなるジムラッツ(年中トレーニングに精を出している人々)や、または十分な試合時間が与えられておらず、発達することを強く希望している選手達等が挙げられます。 このような選手達は、ウォームアップや練習中のゴロの処理やスプリントですでに動作トレーニングを十分に行っているため、通常彼等のプログラムに動作トレーニングをそれ以上追加する必要はありません。 彼等は投球や打撃において大量の回旋動作を行っているので、メディスンボールトレーニングの量も抑えるようにします。しかし、フォームローラーやモビリティーのトレーニングは毎日欠かさず実施します。 投手 高校生投手の多くが、投球をしていない時は野手としてプレーする二刀流であるため、彼らのトレーニングは難しいものになります。一般的な方針として、定期的に登板する選手に対しては、捕手、遊撃手、三塁主でのプレーは投球数が増加するため避けるように推奨しています。若い選手で一週間毎の投球回数が3イニング以下の場合は、野手と同じようにトレーニングを行いますが、トレーニング日のうち最低一回は必ず投球翌日に実施します。私がこのアプローチを気に入っているのは、24時間のブロックにストレスをまとめることで、さらなる回復を促すだけでなく、選手が私達と共にモビリティードリル、軟部組織へのアプローチ、そして徒手ストレッチを行わなければならないようにすることで、登板後の可動域を”正常化”することができるからです。

エリック・クレッシー 1746字

野球シーズン中のストレングス・コンディショニング:大学野球

今日は、シーズン中の大学野球選手の管理について話をしていきます。 大学生と高校生の管理の仕方には、特に、野手/捕手と1週間ローテーションの先発投手に関しては、確実にいくつかの類似点があります。主な相違点としては、大学野球のスケジュールは、週末の試合(金曜日-土曜日)が基本で、時折週半ば(通常は火曜日か水曜日)に試合がある一方で、高校野球のスケジュールはそれよりも変動的であるということです。結果として、大学野球選手のほうが、ウエイトトレーニングをする日が確定される傾向にあります。ポジション毎に見ていきましょう。 野手/捕手 私は、月曜日(週末試合の翌日)に最も厳しいウエイトトレーニングをさせることを好みます。別のウエイトトレーニングの日程は、水曜日か木曜日になります。このスケジュールでは、全体的なトレーニング効果を減少させることなく、試合前、火曜日か金曜日に1日の休養を、コーチが選手に与えることができます。野手は月曜日に全身のウエイトトレーニングを行い、水曜日-木曜日、または、木曜日-金曜日に下半身のウエイトトレーニングと上半身のウエイトトレーニングを連続して行うことを好むことも分かっています。これは、選手の好みと、試合に出ているイニング数に依るところが大きいでしょう。 投手 我々は、大学生先発ピッチャーと高校生で週1回の先発ピッチャーを、まったく同じように管理しています。ここでは、方法を変える必要はありません。 しかし、リリーフ投手に関しては、大学のストレングス・コンディショニングコーチを悩ませます。彼らのスケジュールは予測不能です。水曜日、金曜日、日曜日に投げるかもしれません。または、土曜日だけ投げ、6日間はオフかもしれません。どうするべきなのでしょうか? 混沌としている場合、そこに枠組みを与えるようにと、私は言います。それが、正に私がリリーフ投手を管理する方法です。多くの選手は、彼らのルーティーンワークの中で、少なくても1つは確定していることを好むことに気づきました。そしてその1つがストレングス・コンディショニングセッションでありえるのです。そのため、リリーフ投手はみな、たとえ、不定期な週半ばの試合である、木曜日の夜に投げなければならないとしても、月曜日と木曜日にウエイトトレーニングをするとしましょう(そのセッションの量は少なくすることができます)。沢山の数の新しいエクササイズを与えたりさえしなければ、筋肉痛を起こさせることも、パフォーマンスを下げることもないでしょう。プロ野球界には、投球をする日であったとしても、いつもウエイトトレーニングをするリリーフ投手がいて、実際に多くの投手が、投げる当日にすでにウエイトトレーニングを行っているときは、マウンドで調子が良いと報告しています。どちらにしてもムーブメントトレーニングとして、当日にトレーニングを行う必要があるでしょうし、ウォームアップ中にスプリントをすることに不満をいう人はいません。 さらに、リリーフ投手が特に長いイニングを投げ、数日間は投球しないということが分かっていれば、先発投手と同じようにケアをし、試合後12時間以内にウエイトトレーニングを行わせます。その週の間に、追加のストレングストレーニングセッションを追加することもあるでしょう。

エリック・クレッシー 1444字

登板と登板の間の新しいトレーニングモデル:パートA (1/3)

(パートA2/3はこちらへ) 登板と次の登板の間における投手のマネージメントは、野球トレーニング界でも最も意見が分かれるトピックです。登板と登板の間に、複数回の投球セッションを好むピッチングコーチもいれば、ブルペンは1回で十分と主張するコーチもいます。また、アスレチックトレーナーの間では、投球セッション後にアイシングをすべきか否かで議論されます。私の専門領域に特定すると、投球の合間に投手がどのようなランニングプログラムを行うのが適切か、異なる見解があります。 自慢するわけではありませんが、私はたいへんな読書家です。しかし、そんな私でも、特に投手のためのランニングプログラムについて、論理的に主張または批判したものを読んだことがありません。そういうこともあって、この論考を書くことにしたのです。 その点を考慮して率直に言えば、投手に長距離ランニングをさせることは、私の好みではありません(さらに言えば、投手以外の圧倒的多数の選手も同様です)。おそらく多くの投手コーチは、この記事を読んで、常識の逆を言う私のことを罵っているのではないでしょうか。みなさん、是非この話を最後まで読んで欲しいと思います。なぜ長距離ランニングが、活動方針として望ましくないのかを、9つの項目にまとめ下記で説明します。そして、次回の投稿では、私たちが実施し、プロ、大学、高校レベルで大きな成功を収めている投球と投球の間に行う新しいトレーニングモデルを概説します。 理由その1:免疫への配慮 ストレングス&コンディショニングコーチとして、私にとって最も優先順位の高いのは、選手の健康を維持すること。これは、筋骨格系の健康のみならず、身体の健康全般を指します。2006年に発表された優れたレビューの中で、グリーソン氏は次のように述べています。「運動後の免疫機能低下は、運動が継続(および)持続された時に最も顕著であった」。興味深いことに、このレビューでは、「これら症状の多くは、感染発症が原因ではなく、上気道の炎症に起因する(1)。」と記されています。つまり、登板と登板の合間に長距離ランニングをすることは、選手控室で病気を引き起こし蔓延させることになるのです。 1ストライク。 理由その2:内分泌への考慮 オフシーズン中に、私がトレーニングしたマイナーリーグの選手からのメールの一部をご紹介しましょう: 昨日は、これまでの選手生活で最もハードな一日でした。日曜日の試合が終わり、11:30pmに部屋に戻ったあと、少なくとも12:30amまで眠れませんでした。それから、3:30amにモーニングコールがあり、6:15am発の飛行機に間に合うように空港行きのバスに乗り込みました。1時間半の乗継時間のあと、11:00amに次の町に到着しました。スリープインというホテルまで車を走らせ、臭い部屋に到着し、少しだけ睡眠をとったものの4:00pmには球場に集合しなければなりませんでした。 これは、多くのプロ投手(特にマイナーリーグ)にとってごく普通の出来事です:夜遅く寝て、朝早く起き、深夜便で移動し、長距離バスに乗り、その結果、完全に睡眠パターンが狂ってしまうのです。容易に想像できると思いますが、このような移動をしていると食事も理想的ではなくなります。とりわけ、選手控室の食事が、グルメでも健康的でもない場合には。大学レベルとプロレベルの球技選手の多くは、アルコールを過剰摂取しています。これは、睡眠と組織の質に直接影響するということも言っておきましょう。 つまり基本的に、彼らの睡眠時間はでたらめで、食生活もひどく、アルコールを過剰に摂取しているということです。そして、スポーツの中でもシーズンが最も長いのです。事実上、テスタステロンと成長ホルモンの分泌を低下させ、ホルモン環境を乱す、あらゆる原因を作り上げていることになるのです。率直に言えば、自転車のサドルにまたがりながら「ゴールデン・ガールズ」(アメリカのホームコメディー)の再放送を見て、エストロゲンの錠剤を飲み下しても、同じようなホルモン反応が表れるでしょう。この状況ならば、足底筋膜炎を発症させずにすむはずなのです。 その結果、代わりに何が行われるかおわかりですか? 長距離ランニングです! そうです、持久力の必要な選手の低テスタステロン値と高コルチゾール値を生み出す、長距離ランニングです。これは、四角い車輪の車に最新型のエンジンを搭載するのとおなじこと:誤ったテストのために勉強するようなものです。 ランニングプログラムのマイナス効果に反作用する運動能力向上薬を使用して、何になるのだろうと疑問に思わされますね! 2ストライクです。 理由その3:モビリティへの配慮 以前のニュースレターでも書きましたが、長距離ランニングの問題のひとつに、本当の意味で股関節屈筋群を活性化するのに十分な股関節の屈曲が得られないということがあります。特に大腿直筋は、十分に動員されますが、股関節が90度以上屈曲するときに主に活動する大腰筋の活性化はほとんどありません。同様に、股関節の伸展もほとんど行われないのです。 概して、ジョギングのような反復性運動を長時間行うことで、投手の股関節は動きを失っていくのです。それはまさに、ストライドと、ひいては速度を生み出すのに選手が必要としている動きなのです。 率直に言えば、私が指導しているなかで、ジョギングのストライドでの関節可動域の不足のために、最も顕著な下肢の機能障害が見られるのが、ランナーなのです。そして、彼らは実際誤った運動パターンで距離を重ねていくわけです。人間の身体は、ジョギングではなくスプリントをするためにできていると私は固く信じています。 3ストライク、バッターアウト! 参考文献 Gleeson, M. Immune systems adaptation in elite athletes. Curr Opin Clin Nutr Metab Care. 2006 Nov;9(6):659-65. Komi, P.V. Stretch-shortening cycle. In: Strength and Power in Sport (2nd Ed.) P.V. Komi, ed. Oxford: Blackwell, 2003. pp. 184-202. Hennessy L, Kilty J. Relationship of the stretch-shortening cycle to sprint performance in trained female athletes. J Strength Cond Res. 2001 Aug;15(3):326-31. McCarthy JP, Agre JC, Graf BK, Pozniak MA, Vailas AC. Compatibility of adaptive responses with combining strength and endurance training. Med Sci Sports Exerc. 1995 Mar;27(3):429-36. Ouelette, H, Labis J, Bredella M, Palmer WE, Sheah K, Torriani M. Spectrum of shoulder injuries in the baseball pitcher. Skeletal Radiol. 2007 Oct 3. Fleisig, GS. The Biomechanics of Baseball Pitching. Spring 2008 Southeast ACSM Conference.

エリック・クレッシー 2463字

登板と登板の間の新しいトレーニングモデル:パートA (2/3)

(パートA1/3はこちらへ) (パートA3/3はこちらへ) なぜ長距離ランニングが、活動方針として望ましくないのか? 理由その4:伸張-短縮サイクルのマイナス効果 伸張-短縮サイクル(SSC)を説明するために、ここで私は少しオタクっぽくならざるをえません。最も簡単な例えを使うとすれば、仮にゴムバンドを誰かに向けて飛ばそうとしたとき、あなたは、ゴムを撃つ前にゴムを伸張しておきますね。筋も同じように作用します;筋が短縮(求心性作用)する前に、伸張(遠心性作用)することによって弾性エネルギーを蓄えます。そうすることによって、筋はより多くの力を発生します。逸話風ですが、投球速度の25-30%は、弾性エネルギーによるものだと推定されると聞いたことがあります。つまり、いかに有効に伸張-短縮サイクルを利用するかということです。 私達の筋肉がゴムバンドと違う点は、その弾性を実際トレーニングでき、腱が弾性エネルギーをより効率よく吸収し、一時的に貯蔵、放出できるようにすることで、より速く走ったり、より高くジャンプしたり、より強く投げたりできるようになるのです。それが、プライオメトリックスやスプリント、メディスンボールを投げたりするトレーニングが驚くほど効果的であることの理由なのです。 コミ氏(2)によると、伸張-短縮サイクルには、次の3つの要素が必要です: 1.遠心性局面の前の、タイミングを計った筋の予備活性化 2.短く速い遠心性要素 3.伸張(遠心性)局面と短縮(求心性)局面の素早い切り替え(最低限の遅延)。償却局面として知られる期間が短ければ短いほど、(熱としての)弾性エネルギーの散逸は少なくて済む。 率直に言えば、#1はうまくいきます。しかし、#2と#3においては、運動時間が長くなるにつれて、SSCの重要性が急速に減少し、まさに長距離ランニングとは逆の動きをしていることになります。事実、垂直飛びでは、最大300mまでのスプリント能力しか予測できません(3)。 言い換えれば、エクササイズが長引けば長引くほど、弛緩させるというより力づくになってしまうのです。ホームベースに向かって、力づくで投球する選手について我々は何を知っているのでしょうか?実は、彼らは投球特有の動きを損なうので、強くは投げられず、腕のむち運動も完全には行えません。 私は、高度の最大酸素摂取量(VO2max)を示す選手より、垂直飛びのうまい選手の方を評価します。長距離ランニングは、バウンスよりも足を引きずる状態にしてしまいます。そしてこれは、慢性的なオーバーユース状態という意味でも深く影響しています。 1ストライク。 理由その5:ストレングスとパワーの減少 投球運動がどんなに身体にストレスをかけるかの一例として、投球の加速期に上腕骨が7,500°/秒内旋するということがあります。これだけの速度を出すのに、かなりのストレングスとパワーを使いますが、同様に重要なのは、直ちに減速するためにも、多くのストレングスとパワーを費やすということです。この加速を可動最終域で抵抗し制御するのに十分なストレングスとパワーを作り出すだけでなく、素早く力(パワー)を生み出す必要があるのです。そのために、投手のコンディショニングは、長距離ランニングをまったくしないストレングスとパワー系の選手のコンディショニングと似ていると思われるかもしれません。 ところが、ほとんどの投手は週に数回ランニングをしています。マラソンランナーが時速153kmの球を投げるのを見たことはありましたっけ?。 さらに、コーチ達は、ウェイトトレーニング器具を使用する機会がなかったラテンアメリカの選手を担当することがよくあります。これは、知られざる潜在的な可能性の扉を大きく開くものです。彼らは強化を図るため、より多くの時間を費やすことができたはずだったにもかかわらず、長距離ランニングに時間を使ってしまったということは、より速く走るようになるのではなく、より長い距離が走れるようにしか調整していないために、選手の成長を大きく阻害しているのです。ただオイル交換をするだけではなく、必要なのはエンジンにもっと馬力を注入することなのです。 若手選手に初めてウェイトトレーニングを導入すると、8-10週間後には運動能力が向上するという大きな変化が見られます。初期段階で上級投手に優れたトレーニングを導入すると、その有効性の大きさにも驚くことでしょう。その理由は、多くの投手は野手とは違って、(言葉は悪いですが)一芸に秀でたポニーのようなものなのです。投手は、いやらしいカットボールや強烈なドロップカーブ、奇妙なアームスロットでのスライダーの投げ方を知っています。ですから、投球以外ではそれほど運動能力に優れていなくてもOKだったわけです。アウトをとるかもしれませんが、ケガのリスクが増大するので、チームとしては長期にわたって一か八かのギャンブルをしているようなものなのです;脆弱であまり動けない身体は、まるで長距離ランナーのように、最も早く故障します。さらに、素早く(かつ力強く)筋を動員することは、足首の捻挫やACL断裂のような急性損傷の予防のため、また関節複合体を素早く硬くし安定させるために、きわめて重要です。ストレングスとパワー系の選手は、この点に関して持久力競技の選手より上手くできています。 2ストライク。 理由その6:不適切な強度 少なくとも私にとって、とても画期的な研究(マッカーシーら、1995)は、最近のストレングストレーニングと持久力トレーニングの「両立性」につて注目していました。伝統的に、持久力エクササイズがストレングストレーニングのプログラムに追加されると、ストレングスとパワーの増加傾向が減退していくことが、大きな問題になってきました。私が、他の記事で記述したように、研究者らは、ストレングスとパワー喪失は、持久力エクササイズの強度が、予備心拍数(HRR)の75%を超えるとき初めて問題になってくるということを発見しています。長距離ランニングをする投手達の大多数は75%以上のHRRで走っていることは、保証してもいいでしょう。 この記事の結論でも私のおすすめを述べますが、どのようなスタイルのランニングを実施するにも、ずっと上(つまり、ほぼ最強度のスプリント)または下(安全のため予備心拍数の70%)をキープすることが秘訣であると、私は強く感じます。ゆっくりでもなく速くもない中間を避けることが肝心なのです。この中間が、選手を本当の意味での「ゆっくり」にさせてしまうのです! そして理想的には、低強度エクササイズが、可動性の向上に利する方法となり得るのです。 3ストライク、バッターアウト! 参考文献 Gleeson, M. Immune systems adaptation in elite athletes. Curr Opin Clin Nutr Metab Care. 2006 Nov;9(6):659-65. Komi, P.V. Stretch-shortening cycle. In: Strength and Power in Sport (2nd Ed.) P.V. Komi, ed. Oxford: Blackwell, 2003. pp. 184-202. Hennessy L, Kilty J. Relationship of the stretch-shortening cycle to sprint performance in trained female athletes. J Strength Cond Res. 2001 Aug;15(3):326-31. McCarthy JP, Agre JC, Graf BK, Pozniak MA, Vailas AC. Compatibility of adaptive responses with combining strength and endurance training. Med Sci Sports Exerc. 1995 Mar;27(3):429-36. Ouelette, H, Labis J, Bredella M, Palmer WE, Sheah K, Torriani M. Spectrum of shoulder injuries in the baseball pitcher. Skeletal Radiol. 2007 Oct 3. Fleisig, GS. The Biomechanics of Baseball Pitching. Spring 2008 Southeast ACSM Conference.

エリック・クレッシー 2870字

登板と登板の間の新しいトレーニングモデル:パートA (3/3)

(パートA2/3はこちらへ) なぜ長距離ランニングが、活動方針として望ましくないのか? 理由その7:子守りをするのはだれも好きではない 端的に言えば、ランニングは子守りをするようなものです。捕手は実際、野球で最も持久力を要求されるポジションですが、捕手に、追加で走らせたりはしませんよね?その理由として、ブルペンでボールを受け、バッティング練習をする他にも、投手の扱いやフィールドではコーチ代わりとしての責任もすべて負っているのです。 約10年前、私のビジネスパートナーは、1部リーグの投手でした。そこで、私がこの議論を持ちかけた時、彼は微笑み、うなずき、そして、「私が投手だった頃、私たちが練習したことといったら、フライを捕球する練習とポールダッシュのみだったよ」と言いました。そんな中で、57%の投手は試合シーズン中に肩のケガに苦しんでいました(5)。この数値には、肘や腰、下肢のケガは含まれていないのです! メジャーリーグでは、全選手に占める投手の割合は49%ですが、その投手だけで、リーグ全体の故障者リストの68%を占めています(6)。ランニングでは、このような問題を予防することはできず、かえって悪化させてしまいます。 1ストライク。 理由その8:長距離ランニングは既存するバランス異常を無視する いくつかの理由から、野球はリスクのあるスポーツと言えます。シーズンがかなり長く、オーバーヘッドスローをし、片側優位性が最も顕著である競技です。スイッチヒッターや右打ち左投げ(または左右その逆)であれば、少しは対称である傾向にはありますが、打つのも投げるのも同側であれば、最も顕著な問題が起こり得ます。数多くの賢い人達のなかでも、最も注目すべきグレイ・クックは、こうした非対称性こそが、ケガにつながりうる最も大きな要因であることを述べています。長いシーズンを終えた投手を担当する場合、最初の目標は、下記の可動域不全の問題に取り組むことです: 1.前脚の股関節伸展(股関節屈筋群の緊張) 2.前脚の股関節内旋(股関節外旋筋群の緊張) 3.前脚の膝屈曲(大腿四頭筋の緊張) 4.投球側の肩内旋(ローテーターカフと関節包の後面の緊張) 5.肩甲骨の後方傾斜(小胸筋と肩甲挙筋の緊張) 6.投球側の肘伸展(肘屈筋群の緊張) カフェインをガブ飲みしても、水で顔を洗っても、また、どんなによく考えても、長距離ランニングでこれらの問題にどう向き合えるのか、私には理論的根拠を見つけられません。結局のところ根拠はどこにも見つかりませんでした。それよりも、ジョギングはほとんどの選手にとってマイナス効果であると実感しました。長距離ランニングやジョギングに割く時間があるならば、投手はフライを捕球する練習をした方が賢明です。とりあえず、フライを追いかける時には横への動きが加わりますから。 2ストライク。 理由その9:とにかくつまらない! 私は、選手の関心を引きつけるコーチが最良のコーチだと確信しています。現役選手だった私の経験の中でのベストコーチは、毎回のトレーニングセッションを楽しみにさせてくれた人でした。そんな訳で、もうお分かりかもしれませんが、長距離ランニングを心待ちにしている選手は、長距離ランナーしかいないんですよ! 皆さんが指導している球技選手達の多くは、ランニングを何か悪いことをしたら課せられるひとつの罰と捉えているでしょう。彼らも私が感じているぐらい嫌いだと思います(そこまでではないかもしれませんが)。実を言うと、もしそれが選手としての成長を妨げるものだと気がついたら、もっと嫌いになるでしょう。 3ストライク バッターアウト イニング終了 結論 現状維持を非難するにも関わらず解決方法を自ら提案しない人のことを、私はどうも好きになれません。この点を考慮して、次回の投稿では、引き続き登板と次の登板の間にどのように取り組むかについて、私の個人的な見解をまとめる予定です。 参考文献 Gleeson, M. Immune systems adaptation in elite athletes. Curr Opin Clin Nutr Metab Care. 2006 Nov;9(6):659-65. Komi, P.V. Stretch-shortening cycle. In: Strength and Power in Sport (2nd Ed.) P.V. Komi, ed. Oxford: Blackwell, 2003. pp. 184-202. Hennessy L, Kilty J. Relationship of the stretch-shortening cycle to sprint performance in trained female athletes. J Strength Cond Res. 2001 Aug;15(3):326-31. McCarthy JP, Agre JC, Graf BK, Pozniak MA, Vailas AC. Compatibility of adaptive responses with combining strength and endurance training. Med Sci Sports Exerc. 1995 Mar;27(3):429-36. Ouelette, H, Labis J, Bredella M, Palmer WE, Sheah K, Torriani M. Spectrum of shoulder injuries in the baseball pitcher. Skeletal Radiol. 2007 Oct 3. Fleisig, GS. The Biomechanics of Baseball Pitching. Spring 2008 Southeast ACSM Conference.

エリック・クレッシー 1733字

登板と登板の間の新しいトレーニングモデル:パートB (1/2)

(パートA1/3はこちらへ) (パートB2/2はこちらへ) この連載記事パートAにおいて、私は投手の長距離ランニングに関して間違っているすべての事柄について討論しました。パートBでは、各登板の間で、投手がコンディションニングをどのように統合することが最善なのか、私の考えの概要を述べたいと思います。この記事では、先発投手の管理に焦点を当てていきますが、リリーフ投手の管理についても、完全に違うというわけではなく、もう少し“柔軟に対応する”必要があるだけということが分かっていただけると思います。 この記事を紹介する最も良い方法は、年の始まりから偶然に起こる一致について論じることであると思います。あるプロ投手からEメールを受け取りました。彼は、このメールで、私が登板間における先発投手のストレングス・コンディショニングの考え方のいくつかを概説できるかを尋ねてきました。というのも、彼は試合の優秀選手で、伝統的でない方法を試していたため、彼の大学時代のピッチングコーチが、彼の得た情報を求めてきたのです。そのメールへの返事として、この記事で述べるすべてのことに加えて、長距離ランニングがどれほど悪い選択なのかということに関してパートAで概説していることのすべてを伝えました。 偶然の一致は、1、2週間後の最新版のストレングス・コンディショニングリサーチ誌を手に取って初めて分かりました。その雑誌には、“大学生野球選手における、パワーと持久力トレーニングの非両立性”というタイトルの研究が掲載されていました。 これらの研究の中では、大学生のピッチングスタッフを8人ずつ2つのグループに分け、シーズンを通して、それぞれのグループで、トレーニングプログラムの中のランニングの部分以外は、まったく同じことを行いました。週に3回、“スプリント”グループでは15-60mのスプリントを10-60秒の休息で、10-30回行いました。持久力グループでは、週に3-4回、大体20-60分程度、中強度から高強度のジョギング、または、サイクリングを行いました。 シーズンを通して、持久力グループのピークパワーの出力は平均39.5ワット減少していったのに対して、スプリントグループでは平均210.6ワット増加していきました(1)。つまり、基本的に、すべてにおいて私は正しかったということであり、それについて自慢するつもり満々です。この連載のパートAでは、ただ単に私の考えのすべてを正当化しました;今度はそれらを枠組みにまとめていく時期でしょう。 いくつかの前提Q&A パートAへの反応として、さらなる詳細を知りたい一人の大学投手コーチからEメールをいただきました。以下が彼の質問であり、私の見解です: Q:1週間に1-2マイル(1.5~3km程度)のランニングは長距離ランニングになるのでしょうか? A:まさかとお思いでしょうが、私は、投手にとって、150m以上はすべて、“長距離ランニング”であると考えます。私はここ2年間、野球選手に60ヤード(約55m )以上走らせたことがありません。60ヤード走る場合でさえ、加速されていくわけですから、その距離の約50%しか、全力、または全力に近いスピードでないということです。 Q:1分休息、30秒間のポール走10本は長距離と考えますか? A:ポール間を30秒で走り、1分間休む(1:2 運動:休息割合)としましょう。フィールドに出て、投球をする場合、1秒間の最大努力と20秒間の休息になります(1:20 運動:休息割合)。これは100mの短距離走者が、1,500m走者のようなトレーニングをするのと同じことになります。 Q:試合で9イニングを投げきるために、持久力は必要ではないでしょうか? A:もし持久力がすべて同等に作られるのであれば、ランス・アームストロングはニューヨークかボストンマラソンで優勝してしまいませんか?持久力は技術に対して、大変特異的です。さらに、ほぼ完全な休息を挟んで、20-25回以上それぞれで最大パワーを発揮することと、休息なし、または、最小限の休息で、最大下パワーを発揮することの間には大きな違いがあります。 Q:過体重の人はどうでしょうか?何をするべきですか? A:太った人は文鎮、用心棒、相撲力士、または、大食いチャンピオンのはずです。彼らが、D1かそれ以上のレベルで選手として成功したいのなら、つべこべ言わず、悪い食生活を止めましょう。数年前、質の悪い食餌を補うために追加のコンディショニングを実施することを決してしないと自分に誓いました。 Q:インターバルトレーニングについてどのように考えていますか? A:インターバルトレーニングは脂肪燃焼のために、心拍数定常トレーニングよりも優れていることは分かっていますが、考慮すべき重要なことは、それがそのスポーツ自体に特化していなければならないということです。 参考文献 1. Rhea MR, Oliverson JR, Marshall G, Peterson MD, Kenn JG, Ayllón FN. Noncompatibility of power and endurance training among college baseball players. J Strength Cond Res 2008 Jan;22(1):230-4.

エリック・クレッシー 2113字

登板と登板の間の新しいトレーニングモデル:パートB (2/2)

(パートB1/2はこちらへ) パートB1/2のQ&Aへの回答が、下記のポイントへの段階設定となります。 秘訣は、長いトレーニングを低強度(70%以下の心拍数)のままで行い、それ以外のトレーニング(これにはスタートトレーニング、アジリティ、60ヤード(約54m)までのスプリントが含まれます)を最大努力の90%か、それ以上の強度で行うことです。この件についてさらなる情報が欲しい方は、パートAのMcCarthy他の研究1を参考にしてください。 理想的には、低強度の運動はかなり大きな関節可動域を含むこと。(詳細は以下に) 試合の状況で、投手が15ヤード(約13m)以上走ることはほとんどないということを忘れないでください。 ストレングストレーニングと可動性トレーニングは、重要性の基準においてランニングよりもかなり重要です。 投球に特化したスタミナをつける必要があるなら、その目的を達成する最良の方法は、単純に投球練習をし、徐々に投げる球数を増やしていくことです。その過程を促進するための何かを補足する必要があるなら、メディシンボールメドレーを追加することができます。それは、正しく実施することができれば、左右のアンバランスを解消させることにも、とても役立ちます。しかし、適切なオフシーズンの投球プログラムとシーズン初期の適切な投手の管理は、投球に必要とされる特異的な持久力を養うことであるべきです。 5日間のローテーション 5日間のローテーションの場合、これが典型的なプログラムの立て方です。動的柔軟性と静的ストレッチングは毎日行うものであることを心にとめておいてください。 0日目:登板 1日目(あるいは、可能であれば登板直後):難易度の高い下半身ウエイトトレーニング、腕立て伏せのバリエーション(軽め)、水平の引く動作(軽め)、回旋腱板トレーニング。 2日目:動きのトレーニングのみ、10-15ヤード(約9-13m)のスタートトレーニング、アジリティトレーニング、トップスピードスプリント(50-60ヤード)(約45-54m)を中心に行う。 3日目:ブルペン投球(通常は)、片脚トレーニング、難易度の高い上半身ウエイトトレーニング(シーズン中は垂直に引く動作は控えめに)、回旋腱板トレーニング 4日目:低強度の動的柔軟性サーキットトレーニングのみ 5日目:次回の登板 注意: もし登板間隔が5日に伸びた場合、一般的には3日目のウエイトトレーニングを2回に分け、4日目には同様に動きのトレーニングを行います。 登板の間に、多くの人が(私を含め)1回以上投球練習を提唱すると思います。単純化するために、私はこれらを含めていません。 このルールの例外も当然あります。たとえば、回復が困難である場合、2日目をすべてオフにし、3日目のブルペン投球後とウエイトトレーニング前にスプリントトレーニングを行います。4日目をかなり軽めにすることに加えて、ローテーションの中に1日の完全休養日を加えます。 7日間のローテーション 7日間のローテーションでは、積極的にトレーニングを行うために、より柔軟に選択肢を選べる余裕があります。というのも、特に、登板の間に2-3回の投球練習をすることができるため、シーズン中でも、大学野球において大きく成長できる場合があるのは、こうした理由があるからです。重複になりますが、動的柔軟性と静的ストレッチングは毎日行います。これを単純化するため、土曜日の先発投手を管理すると仮定します。 土曜日:登板 日曜日:難易度の高い下半身ウエイトトレーニング、軽い回旋腱板トレーニング 月曜日:動きのトレーニングのみ、10-15ヤード(約9-13m)のスタートトレーニング、アジリティトレーニング、トップスピードスプリント(50-60ヤード)(約45-54m)を中心に行う。 火曜日:低強度のレジスタンストレーニングサーキット(1回の最大挙上の30%以下)、長めの動的柔軟性サーキット 水曜日:全身ウエイトトレーニング 木曜日:動きのトレーニングのみ、10-15ヤード(約9-13m)のスタートトレーニング、アジリティトレーニング、トップスピードスプリント(50-60ヤード=約45-54m)を中心に行う。 金曜日:低強度の動的柔軟性サーキットのみ 土曜日:再登板。 もちろん、時として、移動により、このスケジュールが狂わさせることもありますが、幸運なことに、大学生投手は間に6日間あるので、もとのスケジュールに戻すために、柔軟に対応することができます。 締めくくり おわかりの通り、私は量より質を重要視します。ほとんど週で2回しか選手にスプリントをさせませんし、3回以上は確実にさせません。これは、各登板間のトレーニングに関しての唯一のアプローチではありませんが、私達が指導する選手達にとって、最も効果的なものであることを確認しています。 参照 1. Rhea MR, Oliverson JR, Marshall G, Peterson MD, Kenn JG, Ayllón FN. Noncompatibility of power and endurance training among college baseball players. J Strength Cond Res 2008 Jan;22(1):230-4.

エリック・クレッシー 2129字

野球シーズン中のストレングス・コンディショニング:プロ野球

今日は、プロ野球選手にとって最適であると考えるセットアップについてお話します。世界中のすべての野球選手のなかで、メジャーリーガーは少数派になりますが、シーズン中のストレングス・コンディショニングプログラムに対するプロ野球選手の反応は、本当に多くのことを私たちに教えてくれます。 プロ野球選手は身体の摩耗、損傷を最も多く蓄積している人達で、だからこそ、効果的なプログラムが必要になります。彼らはほぼ毎日プレーしますし、春のトレーニング、レギュラーシーズン、ポストシーズンを含めれば、年間で200日以上プレーすることもしばしばあります。そのため、プロ選手を健康で、かつ、高いレベルでプレーさせ続けようとさせるなら、要求を満たしつつも、疲労を管理できることが本当に必要となります。 ポシションごとにみていきましょう。 野手 野手はもっとも好みの幅が大きい傾向にあります。まず、毎日終日何時間も立ち続けなければならず、完全に疲労しダラダラしている選手がいます。 一方で、毎日なにか、それがウエイトトレーニングであれ、メディスンボールトレーニングであれ、スプリントであれ、あるいは、それらの混合であれ、なにかを実施したいという選手も知っています。信じられませんか?ここに、週5日トレーニング(3-4回ウエイトトレーニング、1-2回動きのトレーニング)を実施したメジャーリーグの内野手から受け取った素晴らしいメールがあります。 エリックさん、あなたが私にしてくれたすべてのことに私はありがとうと言いたいです。この18年目のプロシーズンが、疑いようもなく、どのシーズンよりも、もっとも素晴らしかったと感じています。あなたのプログラムを実施することで、シーズン全体通して、力強く、爆発力を維持することができました。シーズン終了後もこれがベストであると感じました。小さい故障や筋肉痛もなく、これもすべてあなたのプログラムに従ったおかげだと思います。今シーズンの私の成功に、あなたがどれだけ貢献してくれているか言葉にすることができません。 私たちは、長年のキャリアを持つ、30代後半の選手について話をしています。彼はより多くのことを実施することで、より良く感じられたのです。シーズン中の選手にトレーニングさせることを怖がらないでください。もし、トレーニングさせなければ、最終的には故障してしまうでしょう。 もちろん、これはとても珍しい例です;選手の多くは、全くなにもトレーニングをしないか、上記の例のようにトレーニングをするかの中間でバランスを見つけるのが最良でしょう。私はウエイトトレーニングをする時間と日にちに関して、野手には最も幅広い選択を与えます。一日の早い時間帯、あるいは、試合後に実施することもできます。多くの場合、1週間に3回、連続せずに、全身のウエイトトレーニングを課します。また、実施日に、15セット以上行うことは決してしません。3回のウエイトトレーニングの中で1回は、ほぼ上半身とコアのトレーニングのみです。ウエイトルームに入り、トレーニングをして、帰ります。 しかし、選手の中には、1週間で上半身と下半身のセッションを2回ずつに分けることを好む人もいます。それらは短いセッションですが、選手がフォームローラーや可動性のドリルを頻繁にできるという点で良いと思います。 捕手 高校や大学の例では、捕手を野手のプログラムに含めていました。しかし、1週間に4-5試合出場する場合、事情は変わってきます。我々はこれをプログラム作成時に考慮します。 まず最初に、シーズン中捕手にはスクワットはさせません。信じてください、彼らは十分スクワットをしています。シーズン中はデッドリフトの種目と、片脚エクササイズをより多く実施します。 次に、機会があり、十分なエネルギーが残っているなら、捕手には、試合後にウエイトトレーニングを実施させることを勧めます。投手や野手なら試合前にトレーニングを実施しても良いのですが、3時間もの間フルスクワットを行う前に、下半身のウエイトトレーニングを詰め込むことは、それほど魅力的ではありません。一晩前にトレーニングを実施できるのであれば、回復する余地があるでしょう。 3つ目に、1週間に2-3回のストレングストレーニングセッションで十分であると考えます。下半身のトレーニングを行うのは、それらのうち2回のみ。筋力を維持するために必要であろうと想像する量よりも、かなり少ない量で充分で、シーズン中の捕手には、両脚と片脚エクササイズをそれぞれ数セット行うことで効果を得られます。 また、捕球をしないオフの日にウエイトトレーニングを多く実施させることは好きではありません。1週間に1-2日しか捕球をしない日がないのであれば、完全回復にその日をあてたほうが良いでしょう。言い換えれば、トレーニングのストレスをまとめるようにして、可能であれば24時間の“回復の時間”を持つべきなのです。 先発投手 プロ野球の先発投手は、プロスポーツの中で最も安定したスケジュールで仕事をしているでしょう。予測可能で、下記のスケジュールに従えば、1ヶ月に12回ウエイトトレーニングを実施することができます。 0日目:投球 1日目:下半身の高強度ウエイトトレーニングと、軽めの上半身トレーニング。 2日目:動きのトレーニングのみ 3日目:高強度の上半身トレーニング、軽めの下半身トレーニング 4日目:低強度の動的柔軟性サーキットトレーニングのみ、あるいは、すべて休養 5日目:次の登板 もし中5日での登板であれば、3日目のトレーニングを上半身(3日目)と下半身(4日目)に分け、5日目を休養にすることができます。 人生は厳しい?ってわけでもないですね。 リリーフ投手 リリーフ投手にしていることは一言では言い尽くせませんが、挑戦してみましょう。 すべてのリリーフ投手は3回のストレングストレーニングの“オプション”があり、彼らに送っているそれぞれのプログラムには、動きのトレーニングの日が1日あります。 長めのオプション(全身のストレングストレーニング:15-17セット) 動きのトレーニング 短めのオプション1(全身だが、下半身に重点をおく:8-12セット) 短めのオプション2(全身だが、上半身に重点をおく:8-12セット) これが、彼らに伝えている通りの内容です: ”20球以上の投球であれば、通常の1日目を実施し、次の2日間は、2日目のメニューを実施します。お分かりだと思いますが、48時間は投球しません。そして、短めのオプション1、休養、短めのオプション2へと続きます。” ”20球未満の投球であれば、すぐ短めのオプション1を実施し、2日目のメニュー、短めのオプション2、そして、休養になります。連続して登板することを考える場合に有効です。その夜に、少し投球するかもしれないという場合でも、その日の早い時間帯に短めのウエイトトレーニングを実施することもできます。量はかなり少なめにして、疲労しないようにします。” ”中継ぎ、またはロングリリーフになるならば、トレーニングのほとんどは、1日目のメニュー、2日目のメニュー、短めのオプション1、休養、短めのオプション2というようなオプションになるでしょう。身体の状態を確認し、必要であれば休養をいれてください。ただ、少なくとも、1週間に2-3回はジムでトレーニングをするようにしてください。” ”1打者だけのリリーフや、クローザーであれば、短いオプションを多く実施するようしてください。” これらは理にかなっているのではないかと思います。- 私たちの選手達はこのメニューをとても気にいっていますし、 “知る人ぞ知る”聡明な投手コーチ達の何人もの人達がこれらのプログラムを実践して素晴らしい成功をおさめているのですから。 これで、シーズン中のストレングス・コンディショニングシリーズのまとめとします。これらのプログラムを試行し、それらが効果的であるように修正していくのに長い時間がかかりました。しかし同時に、一人として同じアスリートいませんし、可能である限り、必ずプログラムをその選手に合うように調整するようにしてください。

エリック・クレッシー 3536字

スポーツパフォーマンストレーニングに関する6つのランダムな考え

1.アスリートの最大挙上重量(1RM)と、パワーリフターの1RMは区別するべきであると思います。 実際に高重量を挙上することが彼等のスポーツであるわけですから、最大重量を扱う技術においては、パワーリフターに少し余裕があるかもしれません。アスリートはリフティングを行うということ自体の他に、競技パファーマンスの向上や、健康維持を目的としてウェイトトレーニングを行います。それを踏まえ, 私達は、完璧なテクニックで挙上することができないのであればウェイトトレーニングを行うべきではないとアスリートに常に念を押しています。というのも、得るもの対してリスクの比率が高すぎるのです。 2.私達は、頭上からのメディスンボール投げと叩き付けを、アスリートに多く取り組ませています。 この運動を矢状面のみで行うことで、多くの指導者が、このトレーニングの効用を幾らか逃してしまってあいるところを度々目にします。リリースポイントに到達するまでに、胸椎の回旋も要するバリエーションを組み合わせてみましょう。これは私達のお気に入りの一つです。:

エリック・クレッシー 2430字

本当に足首の可動性制限があるのか?(ビデオ)

スクワットがうまくできない、深く沈めない、上体が前傾する等の問題があるときに、足首の背屈制限があるから、と決め込んでしまいがちではありませんか?その他の要素の可能性を示唆したエリック・クレッシィのビデオです。

エリック・クレッシー 3:56

良くある腕のケアの間違い(ビデオ)

ロウイングのエクササイズを行う際に、肩甲骨を固定して動かす、というような指導を行ってしまうことはありませんか?上腕骨と共に、肩甲骨が動くことの重要さを、再確認できるビデオです。

エリック・クレッシー 2:37