マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてXPとKoinを獲得すれば理解も深まります。
腹横筋、それが問題ですか?なぜ私達は、腹横筋にこだわるのでしょう?(パート1/2)
私達が、理学療法士や他の医療従事者を対象にコーキネティックのコースを開催するときはいつでも、腹横筋と腰痛という同じテーマが浮上してきます。このことが、私にこのテーマについてのブログを書かせる動機づけになりました。 多くの医療従事者が、効果的な腰痛戦略として教えられたものを疑問に思い、葛藤していると感じています。単純にコアや腹横筋に働きかけることが、簡単で効果的な戦略なのであれば、慢性的な腰痛など存在しないでしょう。多くの腰痛は、治療介入なしに自発的に消えていくのが真実です。腰痛は、身体が痛みの起こらない他の動作戦略を発見すると共に、断続的に戻ってきたり、他の部位へ移動したりします。これは、その状況をなんとかしようとして身体が代償したり、その疼痛閾値を修正したりする能力であろうというのが、私の謙虚な意見です。 このブログの焦点は、研究や議論を席巻する傾向にあるタイミングの問題ではなく、腹横筋が何をして、何をしないかにあります。私は、列車がいつ駅に着くかよりも、着いた後にどうするのかに気をもんでいるのです!Hodges (1998)の研究では、症状のある人と症状のない人での腹横筋収縮の違いは、約20ミリ秒、もしくは約1/50秒でした。ごく僅かな違いです。このようなごく僅かな遅延において、私達はこのタイミングの問題を意識的な収縮で修正するすることができるのでしょうか、それともこれは意識的な制御の域を超えているのでしょうか? もう一つの疑問は、私達はそれぞれ単一の筋肉を、意識的に動かすことができるのかということです。身体において、筋収縮が単独で起こることはありません。収縮は、関節の動作と安定に関与している筋肉の領域において、運動単位を支配している脳によって発生します。この神経支配は、関節の角度、スピード、努力のレベルの変化につれて変わります。これは、身体の筋活動を全体的に眺める際のとても複雑な見解を、極めて単純にしたものかもしれません。 機能的周期運動の間、意識的な活性化が起こることもありません。私達の運動パターンは、意識の域を超えて設定、もしくは発達しています。これは、私達が生活の中での他の問題に気をもんだり、夕食で何を食べるかについて悩むことを可能にしています。身体や環境に作用している力に起因している私達の骨の動きは、骨の捻転や移動を制御するために、筋肉の反応を引き起こします。これらの反応は、通常、求心性収縮的に筋肉を短縮する前に、骨の動作を制御するため、筋肉を遠心性収縮的に伸ばします。筋力を作り出すために、固有感覚系を介して潜在意識的な引き金を提供しているのます。そして、これは意識的な活動よりも、とても効率的なシステムなのです。この過程は、全身の全ての筋肉で発生し、最も重要な心臓も同様で、潜在意識的に発生します。 そして、このことが私に、私のよき指導者であるデビット・ティベリオ博士が常に筋肉について、“もし筋肉のスイッチが入っていないなら、何がスイッチを切ったのか?”と尋ねていた問いかけを思い起こさせます。 この質問に答えるためには、私達は筋肉の付着部と、筋肉が機能的動作において何をするのかをより理解しなければなりません。 腹横筋は、肋骨と骨盤に付着しています。これは、単純に腹横筋は、身体の主要な発動力である両腕、両脚の動作の影響を受けていることを意味しています。また、腹横筋の線維は、横行配列があり、収縮をすることで前部と後部の付着部同士をお互いに近づけ、体幹を回旋させます。実際、腹横筋は2つの部分に分けられます。Cresswell AGおよびその他 (1999)は、体幹回旋運動時の“左右の腹横筋間の活動における相互パターン”を記録しました。片側の遠心性収縮的伸長と反対側の求心性収縮的短縮は、首尾一貫しています。では、なぜ私達は腹横筋を回旋筋として見ずに、等尺性であり続ける傾向のある筋肉として見るのでしょうか?Hodges (1998)の素晴らしい研究では、腹横筋を評価するために、参加者は異なる腕の動作を行うことを要求されました。最も腹横筋の反応を引き起こした動作は、肩の外転でした。この外転の力は脊柱を同側に回旋させ、この脊柱の回旋への反応として、固有感覚反応と腹横筋の活動を引き起こします。これは、腹横筋の回旋する性質を示しています。このケースにおいては、研究自体は良いものであったにも関わらず、エクササイズ戦略を立てる際の、私達の解釈が間違っていたのかもしれません。
的確に構成されたウォームアップはパフォーマンスにどれだけの違いを生み出すのか?
多くのコーチやアスリートは、スポーツ前のウォームアップの内容に対しあまりこだわりを持っていない。しかし最近のいくつかの研究では、いくつかのスポーツにおいて、的確な内容のウォームアップはパフォーマンスに対し大きな影響を及ぼし得ると示している。この研究はボブ・スケルトンのスピードに及ぼす影響を論証している。 研究論文: エリートボブ・スケルトン選手のためのウォームアッププロトコールのデザイン、クック、ホルドクロフ、ドローア、キルダフ、スポーツ生理学&パフォーマンス、2012年 *** 研究者たちは何を行ったのか? 研究者たちは、様々な異なるウォームアップの内容をコントロールされたウォームアップ、すなわち現在アスリートによって行われている標準的なウォームアップと比較し、その後実施されるスケルトンのパフォーマンスに及ぼす影響を評価しようと考えた。彼らは、イギリスオリンピックチームへの選抜に参加した6名(男性3名、女性3名)のスケルトン選手を集め、下記のようなウォームアップを実行した。 テストの35分前に終了する、20分間のアスリート自身のウォームアップを標準化したバージョン。これは、復路をウォーキングとした往路20mのジョギングとスキップを3セット、20mの最大下速度でのスプリントを3セット、20mのスプリントフォームドリルを3セット、20mのレッグスイング、クイックランファストフィート、ハイニーを2セット、10mの最高速度でのスプリントを3セット、30秒の混合体操(プレスアップ、デッドバグ、プランク)、2分のダイナミックストレッチから構成されていた。 より多くのスプリントドリルとスプリント、そしてより短いインターバルにより、ボリュームと強度が増したコントロールウォームアップのバリエーション。 2番目のバリエーションと同じだが、テストの35分前ではなく15分前に終了。 2番目のバリエーションと同じだが、それぞれ10分の2つのセグメントに分けられ、1つ目はテストの40分前に終了し、2つ目は15分前に終了。 4番目のバリエーションと同じだが、受動的に熱を保持するため、保温用の衣服を2つのウォームアップ間とテストまでの間に使用。 *** 何が起こったのか? 研究者たちは、3番目のウォームアップのバリエーションが最も速く、次に5番目、4番目と続くことを発見した。5番目のバリエーションはアスリートに最も人気があり、6名のアスリートに渡り全体で3.5%の向上がみられた。 *** 研究者たちはどのような結論に達したのか? 研究者たちは強度、継続時間、体温の全てがより良いウォームアップを生み出すことに有益であるという結論に達した。彼らは、2番目とほぼ同じだが、テストの35分前ではなく15分前に完了するという3番目のウォームアップバリエーションが最良だと結論付けた。しかしながら、5番目のウォームアップバリエーションは同じようなパフォーマンスの向上につながり、さらにこれはアスリートの間で最も人気があった。 *** 実践的な意義は何か? アスリートとコーチに対して スポーツのコーチは、特に寒い環境においては、的確な構成のウォームアップがエリートアスリートのパフォーマンスに非常に大きな違いを生み出すということに気づくべきである。 パフォーマンスイベント間際に終了し、より強度の高いウォームアップはよい良いパフォーマンスにつながる。 それに加え、寒い環境での熱の保持はパフォーマンスに明らかな差異を生み出すため、保温衣類の使用は有益である。 ***
ストレッチは筋力強化に対し逆効果なのか?
多くのコーチが、怪我を防ぐ為にウェイトトレーニングの前にストレッチを取り入れ、多くのボディービルダーが、ストレッチは筋肥大を助長すると信じ、セット間にストレッチを行う。しかしながら、この研究は、この方法が逆効果であるかもしれないと示している。 研究論文:静的ストレッチの筋力パフォーマンスと基底血清IGF-1レベルに対する慢性的影響、バストス、ミランダ、バーレ、ポータル、ゴメス、ノバエス、ウィンチェスター、ストレングス&コンディショニングリサーチジャーナル2012年 *** 研究者たちは何を行ったのか? 研究者たちは、レクリエーション程度にトレーニングを行っている30名の参加者を集め、下記のような3つのトレーニンググループへランダムに振り分けた。 ストレングストレーニング前に静的ストレッチを行った、事前ストレッチと呼ばれるグループ。 ストレングスエクササイズのセットの間、エクササイズ実施直前に、ある特定の同じ筋肉に対し静的ストレッチを行った、中間ストレッチと呼ばれるグループ。 トレーニング前、及びトレーニング中に全くストレッチを行わずストレングストレーニングを行った、ノーストレッチと呼ばれるグループ。 研究者たちは、10週間に渡るトレーニング期間の前後に、IGF-1レベルと様々なエクササイズ(ベンチプレス、ラットプルダウン、レッグエクステンション、レッグカール)の8RMを測定した。 *** 何が起こったのか? 研究者たちは、テストを行った4種類のエクササイズ全ての8RM強度において、2つのストレッチグループとノーストレッチグループとの間に著しい統計的な違いがあることを報告した。それに加え研究者たちは、ノーストレッチグループにおいてのみIGF-1の発現量が増加し、2つのストレッチグループのいずれにおいてもその著しい増加は見られなかったことを報告した。 研究者たちは、2つのストレッチグループ間における違いは確認しなかった。下記のグラフは4つ中3つのエクササイズにおいて強度が増したことを示している。 *** 研究者たちはどのような結論に達したのか? 研究者たちは、10週間に渡るトレーニングプログラムの結果として、3つのグループ全てにおいて8RM の強度は増したものの、2つのストレッチグループにおいては、ノンストレッチグループに比べ、強度の増加が著しく低かったという結論に至った。 *** 制限要素は何か? この研究には下記のような2つの重要な点において制限があった。 この研究は、30秒間のストレッチを行った場合のみが調査された点において制限があった。他の研究では、ストレッチを保持している長さ(15秒に対し45秒)によりパワー産出に対する即時的影響に違いがでることが発見されている。故に、より短い時間でのストレッチでは、筋力の増強に対し同じような有害な影響は出ないかもしれない。 スプリントトレーニングやジャンプトレーニングにより何が得られるのか、というように、ストレッチがアスレチックパフォーマンスに対し同じような影響を及ぼすのかどうかということは知られていない。 *** 実践的な意義は何か? 全ての人に対して ストレッチのルーティーンがトレーニング前、もしくはセット間に行うことによって、ストレングストレーニングによる筋力増強度は、低下するであろう。 ボディービルダーや身体形状向上に対して セット間に徹底的にストレッチを行うボディービルディングのルーティーンは、筋肉を増強し肥大させるというゴールに対し逆効果である。
肩帯のシリーズ#4B 肩甲骨後退/前突
(肩帯のシリーズ#4Aはこちらへ) 肩の健康のために重要な肩甲骨の健全な動き。胸椎、肋骨のポジションを整えた後は、肩甲骨の後退、前突の動きをよりスムーズにするエクササイズを行いましょう。
肩帯のシリーズ#4A 肩甲骨上方回旋
(肩帯のシリーズ#3はこちらへ) (肩帯のシリーズ#4Bはこちらへ) 肩の健康のために重要な肩甲骨の健全な動き。肩甲上腕リズムにとって欠かすことのできない、スムーズな肩甲骨の上方回旋を促すための、簡単なエクササイズをご紹介します。
異なる種類のトレーニングは前十字靱帯 (ACL) 損傷の生体力学的危険要因に異なった影響を及ぼすのか? パート2/2
何が起こったのか? 関節角度可動域の変化 研究者たちは、プライオメトリックグループが、膝関節の屈曲可動域と内旋可動域の著しい減少を示したことを発見した。一方、コアスタビリティのグループは、膝関節の屈曲可動域の著しい減少と、膝関節内旋可動域の著しい増加を示した。下記のグラフは両方のトレーニングプログラムによる変化を示している。 特に顕著であった結果は、両方のトレーニングプログラムが膝の屈曲可動域を減少させ、プライオメトリックトレーニングのみが膝の内旋可動域を減少させ、そしてコアトレーニングプログラムのみが膝関節の内旋可動域を増加させたことであった。 この膝関節屈曲に関する結果は、両方のトレーニングがより小さな可動域の中で減速が起こる「硬い」着地を行うことにつながり、より大きな関節負荷によってACL損傷のリスクを増加させる可能性がある、ということを暗示していることから、少々懸念されるものである。プライオメトリックトレーニングプログラムに関して、これは、プライオメトリックトレーニングは著しい最大膝関節屈曲可動域と最高膝関節屈曲可動域までの時間への減少につながるというレファート(2005年)の発見とは異なることとなる。しかしながら、ポラード(2006年)は、プライオメトリックトレーニングは、女性サッカー選手において膝関節屈曲可動域の大幅な減少にはつながらないということを発見している。 膝関節内旋可動域の結果は、プライオメトリックトレーニングプログラムが前額面の関節可動域の減少に対して有益であったのに対し、コアトレーニングプログラムは大いに有害であった、ということを示唆している。以前にも数人の研究者たちが、コアトレーニングの下肢の飛び降り着地の生体力学に対する影響についての調査を行ったが、チャペル(2008年)が統括的な神経筋トレーニングの一部としてコアスタビリティトレーニングを使用し、膝関節の内旋可動域の増加に対しての傾向は、強いものの、特に有意ではないと報告している。これらの発見は、ACL損傷の危険性のあるアスリートに対しては、コアトレーニングのみでは十分ではなく、レジスタンストレーニングやプライオメトリックなどの他のトレーニングも一緒に行うべきであると示唆している。 それほど有意ではない傾向に関して、この結果は、コアトレーニンググループに関しては唯一の大きな変化が股関節で起こっているということを示している。コアトレーニンググループは、股関節の屈曲と内旋可動域において、大きいが非有意な減少を示した。これらの変化は次のセクションで報告されている著しい関節モーメントの変化に対応しており、それ故興味深いものである。 関節モーメントの変化(トルク荷重) 研究者たちは、プライオメトリックグループが膝関節の屈曲と外転モーメントの著しい減少を示し、コアスタビリティグループが、著しい股関節の屈曲と内旋モーメントの減少を示したと観察した。下記のグラフは両方のプログラムの結果としての全ての変化を示している。 両方のトレーニングプログラムは膝関節屈曲関節モーメントの減少につながるが、プライオメトリックプログラムのみが膝関節外転関節モーメントの著しい減少につながった。より大きな膝関節外転関節モーメントはACL損傷の重要な危険要因であり、このことはプライオメトリックトレーニングがACL損傷予防に対し有益であるかもしれないということを示している。 コアトレーニンググループは、大きいが非有意な股関節の屈曲可動域と内旋可動域の減少を示し、これらの非有意な変化は、同等の股関節の関節モーメントの著しい変化に対応していた。このことは、コアトレーニングにおける股関節の関節角度可動域の変化は、統計的には有意ではないものの、意味深いということを示唆している。 それに加え、重要なこととして、より大きな股関節の内旋関節モーメントはACL損傷の非常に大きな危険因子であり、このことはコアトレーニングがACL損傷予防に対し有益な役割を果たし得るということを示している。 以前の研究評価では、8週間に渡る股関節主導と膝関節主導のエクササイズは膝関節の屈曲可動域の変化につながるが、股関節の屈曲可動域にはつながらないと記述されている。当時は、これはおそらく研究期間が短すぎたか、もしくはエクササイズの介入が股関節における変化をもたらせるのには十分でなかったからであろうと考えられていた。同じ事がこの研究においても起こる可能はあったが、股関節の関節角度可動域では著しい発見がなかったにもかかわらず、関節モーメントでは著しい変化がみられたことはとても興味深いことである。 研究者たちはどのような結論に達したのか? 研究者たちは、シーズン中、高校の女子アスリートへの4週間のトレーニングプログラムの実行は、関節モーメントと関節角度を変化させ、その結果がドロップジャンプの着地の際に現れていたという結論に至った。研究者たちは、プライオメトリックトレーニングは主に膝関節の関節角度と関節モーメントの変化につながり、コアスタビリティトレーニングは主に股関節と膝関節両方の関節角度と関節モーメントの変化につながると結論付けた。 関節角度の動きに関しては、両方のトレーニングプログラムは膝関節屈曲可動域の減少につながり、プライオメトリックトレーニングのみが膝関節内旋可動域を減少させ、コアトレーニングのみが膝関節内旋可動域を増加させた。コアトレーニンググループは、大きくはあるが非有意な股関節の屈曲可動域と内旋可動域の減少を示した。 関節モーメントに関しては、プライオメトリックグループは著しい膝関節屈曲と外転関節モーメントの減少を示し、コアスタビリティグループは股関節の屈曲及び関節内旋モーメントの著しい減少を示した。 プライオメトリックトレーニングは、膝関節の前額面と横断面の関節角度動作と関節モーメント(膝関節内旋可動域と膝関節外転関節モーメント)を減少させるという点において有益であった。また、コアトレーニングプログラムは股関節の横断面の関節角度動作と関節モーメント(股関節の内旋可動域と内旋モーメント)を減少させるということにおいて有益であった。 両方のプログラムは矢上面での関節可動域動作(膝関節屈曲可動域)を減少させるという点で有害であり、コアトレーニングプログラムもまた、(非有意ではあるが)股関節の屈曲可動域減少と膝関節の内旋可動域の増加につながるという点で有害であった。 それゆえ研究者たちは、プライオメトリックとコアスタビリティの両方がACL損傷予防に大切な役割を果たすと結論付けた。しかし、「柔らかい」着地をするために膝関節屈曲可動域を増加させ弊害を相殺するためには、プライオメトリックとコアスタビリティプログラムの両方をレジスタンストレーニングと一緒に行うべきである、と薦めるのが賢明であると思われる。 *** 制限要素は何か? この研究には下記のような点において制限があった。 被験者はランダムにそれぞれのグループへ振り分けられたわけではなく、異なるスポーツからのアスリートがそれぞれのグループを構成していた。 被験者はレジスタンストレーニングを行っているアスリートではなかった為、よりトレーニングされた人たちでは異なる結果が得られたかもしれない。 被験者はすべて女性であった為、男性では異なる結果が得られたかもしれない。 ここでテストされたのはコアトレーニングとプライオメトリックトレーニングの介入のみであり、レジスタンストレーニング、ストレッチ、アジリティなどのACL損傷予防プログラムとして一般的な他のトレーニング方法がこの研究には組み込まれていなかった。 研究者たちは様々な筋肉の筋電図活動や筋力を測定しなかったため、筋力、及び筋活動の増加や減少があった場合、同じような変化が起こるのかどうかを解明するのは困難である。 *** 実践的な意義は何か? ACL損傷の危険性のあるアスリートに対して: 特定の神経筋制御疾患がないアスリートは、コアトレーニング、プライオメトリックス、レジスタンストレーニングの組み合わせをACL損傷予防プログラムへ組み込むべきであり、1つのトレーニング方法のみに限るべきではない。 常に膝関節が外反しているアスリートは、股関節の内旋、膝関節の外転関節角度動作、関節モーメントを減少させるため、より一層コアトレーニングとプライオメトリックスをワークアウトに組み込むべきである。 特に「硬い」着地をする危険性のあるアスリートや、ジャンプの着地時に膝関節の関節可動域が少ないアスリートは、更に多くのレジスタンストレーニングをワークアウトの中に組み込むべきである。
異なる種類のトレーニングは前十字靱帯 (ACL) 損傷の生体力学的危険要因に異なった影響を及ぼすのか? パート1/2
レジスタンストレーニングのプログラムは、アスリートがより「柔らかく」ジャンプから着地するようサポートすることで、ACL損傷の危険性を減らすことができる。 しかし、コアスタビリティプログラムやプライオメトリックプログラムもまた、ジャンプ着地時の生体力学を改良することにより、ACL損傷の危険性を減らすことができるのだろうか?だとすれば、いったいどのようにして? この研究は下記のことを解明するために行われた: 女子高校生アスリートにおける、異なるエクササイズトレーニングの介入と飛び降り着地の生体力学、 ピーファイル、ハート、ハーマン、ハーテル、ケリガン、インガソル、2013年アスレチックトレーニングジャーナル 背景 非接触のACL損傷は、男性よりも女性アスリートにより多く見られる。実際に研究では、同じスポーツを行った場合、女性は男性よりも3−4倍ACLを損傷する可能性が高いであろう、と示されている(例:グリンドスタッフ2006年)。 ジャンプ着地時の、いくつかの生体力学的特徴は、ACL損傷に対してより危険性が高いと認識されており、それらのいくつかは男性よりも女性において多くみられる。横断面や前額面における股関節や膝関節のより大きな関節角度可動域や、股関節と膝関節における関節モーメント(例:より大きな膝関節の外転、股関節の内転、股関節と膝関節の内旋)は、アスリートをより高いACL損傷の危険性にさらす可能性があると考えられている。 更に、膝の外反は、股関節の内旋、内転、及び膝関節の外転を含むため、しばしば明らかな危険要因と考慮される。一方、矢状面での股関節と膝関節のより大きな関節可動域(より大きな股関節屈曲及び膝屈曲)は、柔らかい着地を可能にすることによりACL損傷の危険性を減少させると考えられている。 必然的にほとんどの障害予防プログラムは、スポーツの動きの際、これらの生体力学的条件が満たされてしまうことを減少させるよう構成されている。 このようなプログラムは多くの場合、神経筋制御を向上させるために、バランス、下半身の強化、プライオメトリック、アジリティトレーニングを含んでいる。しかしながら、このようなプログラムの様々な要素の有効性を評価することは困難であり、どの側面が飛び降り着地の生体力学を良い方向へ変化させるのに有益であり、どれが不要であるのかは明確ではない。 以前の研究評論において私たちは、レジスタンストレーニングが実際に膝の屈曲の度合いを増加させるということを見てきた。これはレジスタンストレーニングがACL損傷の予防プログラムに有益であるということを示唆している。以前のある研究では、プライオメトリックも同様に有益であるかもしれないと示している。 例えば、レファート(2005年)は、8週間に渡り、下肢の関節角度の動きに対する、プライオメトリックトレーニングプロクラムとレジスタンストレーニングの影響を調査し、両方のプログラムが、初動での股関節の屈曲可動域、最大股関節屈曲可動域、最大膝関節屈曲可動域、そして最大膝関節屈曲可動域までの時間の著しい増加につながると発見した。また彼らは、両方のプログラムが、最大膝関節屈曲モーメントと最大股関節屈曲モーメントの減少につながるとも記述している。 これは、私たちが、レジスタンストレーニングが矢状面での下肢の関節角度可動域と関節モーメントにもたらす効果と同じような効果を、プライオメトリックトレーニングに期待することができるかもしれないということを示唆している。 *** 研究者たちは何を行ったのか? 対象者は誰か? 研究者たちは、ドロップジャンプの際の下肢と体幹の生体力学に対する、4週間のコアスタビリティトレーニングと、同じく4週間のプライオメトリックプログラムの効果を比較しようと考えた。そのため彼らは、3地域の高校から14.8 ± 0.8歳の23名の女子を集めた。被験者はランダムに分けられたのではなく、コントロールグループとスタビリティグループはラクロスとサッカーチームの選手により構成され、プライオメトリックグループはラクロス選手のみで構成された。 何が行われたのか? グループは4週間に渡り、追加トレーニングなし(コントロールグループ)、追加のプライオメトリックトレーニング(プライオメトリックグループ)、もしくは、追加のコアトレーニング(コアスタビリティーグループ)を行った。研究者たちは、20分間の、機材を使わずに行うプライオメトリックトレーニングとコアスタビリティトレーニングをデザインした。 プライオメトリックトレーニングの構成要素は何か? プライオメトリックプログラムは、柔らかく、バランス良く、コントロールされた動きでの、テイクオフと着地のフォームに重点を置いた、両脚、片脚でのジャンプとスキップのエクササイズのシリーズにより構成されていた。最初の2週間のエクササイズは、前後の片脚ラインジャンプ、側方への片脚ラインジャンプ、ハイスキップ、ディスタンススキップ、ブロードジャンプ、タックジャンプ、交互の片脚ラテラルジャンプから構成されていた。 続く2週間のエクササイズは、フォワード片脚ホップ、ホップ~ホップ~着地、スクワットジャンプ、片脚最大垂直跳び、片脚幅跳び、ブロードジャンプ、垂直跳び、180度ジャンプ、片脚ラテラルジャンプから構成されていた。 コアスタビリティトレーニングプログラムの構成要素は何か? コアスタビリティプログラムは腹部、腰椎のスタビライザーと股関節の伸筋、外旋筋、外転筋のコーディネーションを向上させることを意図していた。最初の2週間のエクササイズは、アブドミナルドローイン、サイドプランクニーベント、サイドライングヒップアブダクション、サイドライングヒップエクスターナルローテイション(クラムシェル)、クランチ、手を頭へ置いての腰椎伸展、手を腰に当ててのウォーキングランジから構成されていた。 その後の2週間のエクササイズは、アブドミナルドローインをしながらのハムストリングブリッジ、四つん這いでの外旋と外転を合わせた股関節伸展、肘を対角の膝につけるクランチ、両腕を真っ直ぐに伸ばしたままでの腰椎伸展、両腕を頭上に挙げてのスクワット、ボールを投げながらのランジから構成されていた。 研究者たちは何のテストを行ったのか? 4週間に渡るトレーニングの前後に、研究者たちはジャンプの際の体幹側屈角度、股関節の屈曲、内転、及び内旋角度、膝関節の屈曲、外転、内旋角度、股関節の屈曲、内転、内旋、外旋関節モーメント、膝関節の屈曲、外転、内旋モーメントを含む数々の変数をテストした。 ***
側方歩行システム(ラテラル ゲイト システム)
私は、競技スピードや複数方向へのスピードについて、“ナチュラリスト”のアプローチに基づき多くの記事を書いてきました。 私は、我々のアスリートから学ぶ、という考え方を強い信じています。これが意味することは見る、聞く、そして学ぶというコーチングアプローチを適応させていく、ということです。 この記事では、私が側方歩行システム(ラテラル ゲイト システム)と呼ぶシステムについて学ぶことになりますが、この記事の前提は、指導するアスリートを見て学ぶことによって、より良いコーチになることを奨励するということです。 あなたは、彼らの言語化された、そして非言語のフィードバックも取り入れ、計画を立てることを学ぶ必要があります。 指導するアスリートに、何をするべきかを理解させる為に必要なコーチングを完了した後に、観察というプロセスが始まるということを理解しておいてください。 結果として、彼らがどのようにパフォーマンスをするかを見ることができます。もし彼らがスキルで苦戦しているのであれば、それはスキルをどのように遂行するかを理解していないのか、もしくは単に運動プログラムが発達するまで練習をする必要があるのかを見分ける必要があります。これがコーチングの腕の見せ所なのです。 側方歩行システム(ラテラル ゲイト システム) 側方歩行システムとは基本的にラテラル シャッフル時に起こる足部と脚部の動きのことです。これは前額面での循環動作です。 競技スピードの側面の多くのように、側方メカニズムは、身体が最も効率的に動くかということよりも、私達が、こうあるべきであると考えることのために誤解されてしまっています。 バスケットボール選手がオフェンスの選手を守る為に横方向に動き、オフェンスの選手のスピードが、ディフェンスの選手がシャッフルできる程度に遅い時(もしスピードが速すぎると、ディフェンスはクロスオーバーという別のスキルを使用します)、ある運動生理学的有利性が働くのを確認できます。 スタートブロックから飛び出したスプリンターのように、最終的には速いスプリントスピードに到達します。シャッフルを行っているバスケットボールの選手はより速く動く為に地面に向って力を生産するよう、継続的に脚を使わなければいけません。 ここにあるいくつかの力学的なポジションは、ほとんどのコーチが指導するものとは正反対になりますが、身体の本能的調整と利点において100パーセント自然なものです。 選手が右にシャッフルをしている時、左脚はパワーレッグとなり、身体を押し出します。 接地直前に足部は背屈し、強く踏み込まれ、身体を右に押し出す為に踏み出されます。足部が地面から離れ、脚部が伸展するやいなや、足部は臀部(股関節)の下に引き戻され、再び踏み込み、押し出す準備をします。もし左脚(押し出す脚)の足指を宙に描くとしたら、それは横に倒れた卵形をしています。 リードする脚は、この場合では右脚ですが、動きのスピードに関して能動的に参加することになります。この前額面でのシャッフルの動きにおいて、ハムストリングは内転筋よりも、より強く働くために、つま先は外に開き、踵は下に引っ張って引き戻す為に使われます。リードする脚は、決して臀部の下で交差することはなく、短い距離において引き込むのみです。足が臀部の下にくる直前になるとすぐに、引き上げられ、“更に地面を掴む為に”循環されます。この引く動作が効果的となるのは、リードする脚が引くと同時に、後ろ側の脚が質量中心/臀部をリードする脚の上に押し出すというタイミングで働くからです。もしもリードする脚が、単独で引かなければならないとすれば、動きは遅くなり、効率的ではありません。 足が臀部(股関節)の下方に接近する時があります。これは正常なことで、脚にその役割を完遂して欲しいのであれば、起こるべきことなのです。そうでなければ、押す動作と引く動作が完了しないために力は減少してしまいます。 もしディフェンダーが素早く止まらなければならないなら、リードしている足は、ほんの一瞬で方向を変え背屈することになります。これにより足首は背屈し、減速時に身体の重みを吸収する為の準備ができるのです。足首が背屈する必要があるもう一つの理由は、方向転換をする際、新たな方向への加速を始める為に即座のプッシュオフが必要となるからです。もし足が外に向いていたら(底屈)、力強いプッシュオフを作り出す下半身のストレッチ反射がなくなります。 これらは側方歩行システム(ラテラル ゲイト システム)の際に注意しておくべき、ほんのいくつかのキーポイントになります。他にも注意しておくべきキーポイントはこちらです: 骨盤を同じ高さに揃えておく。 肩が回旋し、横に振れないようにする。 背中はまっすぐに、丸まらないようにする。 動きの良き観察者であることは重要です。そうすることで、アスリートが繰り返し同じ間違いを起こしている時にシンプルな修正を加えることができます。アスリートが適切なポジションにいなければ、通常、より遅く、非効率的な動きとなります。 プライオステップとヒップターン(腰の回旋)のコンセプトについて、かなり頻繁に議論をしたことがあります。これらは、より伝導力のある加速角度を見つける必要がある際に、身体が請け負う2つの先天的な能力です。 プライオステップは足部の再編成であり、アスリートはアスレチックスタンスやポジションから素早く飛び出し、更なるクイックネスを提供する効率的な加速ポジションに移行することができます。 ヒップターン(腰の回旋)は同じコンセプトになりますが、アスリートが後退するとき、または後ろ向きに進む時に行われます。ヒップターンの時、足部は腰が回旋すると同時に力強く床に踏み込まれます。 この腰の回旋により脚部と足部は適切なプッシュオフの角度となり、アスリートが身体を開き、後退することができるようになるのです。 戦略として、逃げるため、攻撃するため、もしくはあらゆる方向でスピードを作り出す為の非常に爆発的な素早い動きにおいて、身体は非常に効率的である、という要点を強調する為に、プライオステップとヒップターンについて言及しました。私達はコーチとして、身体が示していることをもとにして、より良い仕事をしていく必要があります。 宿題 次回、バスケットボールの試合や横方向に動くアスリート達を見る際に、いくつかの点に注意してください。もし選手達が母指球に乗っているのであれば、彼らは可能な限りのパワーを生み出すことができません。彼らの足が素早く動いているように見えたとしても、それは彼らができる限り速く動いていることにはならないのです。 これからさらに このトピックに関しては、近い将来更に書いていくつもりです。なぜ身体がある特定のことを行うのかを、評価する時間を作ることができれば、動きをより良く理解することができます。 もしも身体が効率的でないことを行っているとしたら、通常、そのアスリートが身につけてしまった悪い習慣や姿勢の問題を持っているからです。そういう時に、教え、問題をその場で解決することが、私達の仕事なのです。私にとっての楽しみは、ここからスタートします。
腰痛の解決法(ビデオ)
多くの人が悩む腰部の痛み。症状がでているのは腰部だとしても、その原因は、身体の他の部分にあることがほとんどですよね。多くの人が経験する腰痛を緩和する為に使えるディストラクション(伸延)を、より3Dにダイナミックに、実際の機能ににた環境で行う方法をご紹介します。
ストレングスとは何か?パート3/3
NHL(全米アイスホッケーリーグ)の選手達はシーズン中、組織のモビリティー、安定性を確実にするためにどのようなことをしているのでしょうか?スクリーニングの取り入れ方や、軟部組織のコンディショニング、動きのトレーニング等、他のスポーツにも共通する要素もありそうですね。
肩帯のシリーズ#3 胸椎の伸展や回旋のモビリティー
(肩帯のシリーズ#2はこちらへ) (肩帯のシリーズ#4Aはこちらへ) 肩の健康のためのシリーズ第三弾では、胸椎の伸展や回旋のモビリティーを高めるための簡単なドリルの数々をご紹介します。是非お試し下さいね。
脳、動作、痛み!(セクション II・パート3/3)
皮質地図 私達の大脳皮質の中には、身体の領域の皮質再現があります。この皮質再現は、脳の多くの領域に存在するニューロンのネットワークであり、身体領域のひとつと関連しています。最も良く理解されているのは、体性感覚/運動領域です。 足には足の領域が、手には手の領域があるのです!。身体からの感覚情報は、それが関連している領域に投射されます。1930年代にペンフィールド博士は、最初に皮質領域の地図を作った時、これらの領域をホモンクルスもしくは、小人にして表現しました。 Merzernichの1984年の有名な研究では、猿の第3指を切断する前に、脳の地図に手を描き、そして、切断の62日後に再び脳の地図を描きました。 彼は、第2指と第4指が、以前は第3指に関連していた領域に入り込んでいることを発見しました。これは、“使わなければ失われる”の例なのです! これは、偉大なる神経科学者ラマチャンドランによって研究された幻肢痛のようなコンディションに大きな影響を与えています。身体の部分が切断されても、その部位の皮質再現は残存します。身体局所的に組織された隣接領域は、この残存している領域に入り込んでいきます。これは、手首を司る領域は前腕領域の隣にあり、前腕領域は肘領域の隣にあるというようなことを意味しています。よって、腕の肘から下が身体的に切断されていても、残存している腕領域は、以前は腕の感覚フィードバックによって占有されていた皮質空間に入り込んでいる、肘からの感覚フィードバックを受信することになります。 Flor およびその他(1997)は、慢性腰痛の患者において、体性感覚皮質(S1)内の腰部領域は、下腿領域に入り込んでいて、この拡張の度合いは、痛みの慢性化に密接に関連していることを発見しました。 この感覚変化は、私達の運動能力にも大きな影響を与えています。私達の感覚情報は、運動野に到達する前に感覚野を通って流れていきます。このように、私達が感じていることは、直接的に私達の動き方に影響します。同様に、私達の動き方は、私達の感覚野に影響します。この場合もやはり、“使わなければ失われる”でありえるのです。 トーマス・ハナは、私達が身体の特定の部位を、自発的に動かしたいように動かす能力を喪失している状態を‘感覚運動記憶喪失’という造語で表しました。そういった人達は、しばしば弛緩することも収縮することもできず、姿勢の変化を作り出せない不変の姿勢で行き詰った状態でいます。これは、習慣的な動作や姿勢、損傷後の持続的な防御運動パターンによって発生します。姿勢を変えるためや、これらの身体の部位を動かすために関連する神経経路は、その無活動さによって消失していきます。 “感覚地図からの一定で正確なフィードバック無しには、運動地図は役目を果たすことができません。そして、相互退化のフィードバック・ループがセットアップされます。感覚地図が悪化すると運動地図も悪化し、そして、感覚地図がより悪化します。” ~“身体は、独自のマインドを持っている”とサンドラ・ブレイクスリーとマシュー・ブレイクスリー夫妻は述べています。 Zヘルスのデビッド・バトラーとコブ博士の両者は、この地図のぼやけと不鮮明さを痛みの原因、もしくは痛みの結果として挙げています。脳は、感覚性不一致の場合、地図の鮮明さの減少が大きなインパクトを与えるために、不正確な地図を“脅威”として知覚することができます。 この再構成は、痛みに直面した時にも発生します。よって、過去の外傷や痛みの既往が、神経可塑性を通して、将来の動作に影響を与えます。オーストラリア人神経学者のロリマー・モズレーは、慢性痛を持つ患者においての神経皮質の変化と、それがどのように運動調節に影響するかの研究を行っています。 ”痛みが持続する際に発生する変化の一側面として、一次感覚皮質における痛みを伴う身体部位の固有感覚的表現があります。これらの表現は、脳が動作の計画を立て、遂行するために使用する地図であるため、運動調整に影響を与えるかもしれません。身体部位の地図が不正確になると、運動調整は阻害されるかもしれません。皮質性固有感覚の地図の実験的な混乱が、運動計画を邪魔するということが知られています。” ~ロリマー・モズレー:サウス・オーストラリア大学の臨床神経科学の教授、及び健康科学学部の理学療法科の教授。 私たちは皆、生きている間に、皮質レベルで運動能力を損ない、再構成するような軽傷と重傷の両方を経験するため、この影響は重要です。ケガによるリハビリテーションは、通常、疼痛反応の除去に関連しているのであり、ケガに関連している動作の欠如や神経可塑性の変化を修復するものではありません。これが慢性障害/慢性痛の状況をもたらす可能性があります。痛みが治まっても、疼痛反応の間に誘発する局所の防御運動パターンが持続するかもしれません。そして、これは全体の運動パターンを変化させ、機能に関連した運動連鎖内の、他の領域に影響を及ぼす可能性があります。 感覚運動不一致も、痛みに起因しています。私達は、これを以前に考察した小脳内の入力機構と結びつけることができます。マックカーベ (2005) は、ラマチャンドラン (1995) の、動作意図と固有感覚フィードバック間の不調和によって引き起こされる組織損傷の欠如における痛みについての非公式の推測について検証しました。この研究では、運動指令と固有感覚フィードバックを阻害するために、鏡が使用されました。確かに、この研究には視覚系が関与しているため、感覚と運動の調和を考察する際、及び小脳の入力と出力を見る際には、これを考慮に入れなければなりません。 Zヘルスのコブ博士は、脅威と身体への痛みの要因としての感覚不一致についても考察しています。例えば、私達が頭部位置の傾斜や回旋を起こす視覚の優位性を有していれば、小脳内で情報が統合される際に、視覚系情報は前庭系情報と食い違っているということになるかもしれません。視覚系から本来の位置と仮定される頭部の位置は、前庭系からの本来の位置ではありません(頭が傾斜しているため)。それぞれの発信源からの情報は、相反しています。これは、感覚間不一致と脳内の‘脅かされた’状態をもたらす可能性があります。 “神経障害痛のような感作、阻害された神経系において、感覚運動不一致は痛みに寄与、もしくは痛みを維持する可能性があります。” 〜Moseley and Flor 2012年 痛みは複雑な問題ですが、ただ固有感覚フィードバックもしくは、侵害受容フィードバックに関連しているだけではありません。 この非常に簡単なブログの範囲で収まらない程、痛みには多くの脳に基づく根拠があり、痛みに関して研究すべき脳の領域が他にも多くあります(免責事項完了)。そのような一つの根拠は、侵害受容線維から入力の無い身体上の組織への損傷という明らかな脅威です。 次のパートでは、蓄積されたパターンに基づき脳が行う予測と、脳が受信する感覚情報の知覚について考察します。この予測は、いかなる組織損傷も存在しない場合でも、痛みを引き起こすかもしれません。このように、痛みが当然ではないかもしれない状況でさえ、身体は組織への脅威を予測することができます。そして、感覚情報の処理の中枢性感作についても考察します。以前に脅威、もしくは痛みの閾値を超えていないかもしれない信号は、中枢性閾値の低下として解釈されます。