腕立て伏せ パート3/4

腕立て付せのテクニックエラー:欠陥と手がかり ここまで腕立て伏せの様々なバリエーションについて説明してきました。ここでは、ジムでよく目にするフォームやテクニックのエラーについて細かく見て行きましょう。 脊柱のニュートラルな状態の欠如 脊柱のアライメントをニュートラルに保つことは、クライアントやアスリートを指導する中で直面する大きな課題の一つです。全くニュートラルな状態に入れない人もいれば、セットの途中でニュートラルな状態を保てなくなる場合もあります。 下記は、クライアントが理想的なポジションをとれる(そして維持する!)ように、どこでニュートラルなポジションが崩れてしまうかによって、私が使い分けている指導方法です。 首 私が、脊柱のニュートラルな状態を保つことができない人に最初に行うことは、塩化ビニールパイプを背中に置くことです。これにより、即時にフィードバックが与えられ、問題を正すことができます。 セット中、疲れているときは特に、頭や首が前方向に「さまよう」人がいます。クライアントに合わせて、頭や首を後ろに「引く」という指示を好んで使っています。 もうひとつ効果的な指示方法としては、「長い首」というのがあります。頭を後ろに引き、脊柱からまっすぐ伸ばした線上に頭が位置するよう意識できるからです。 上背部 上背部でよく起こる問題は、動きの終了時でフォームが乱れるか、トップポジションへの到達の仕方が不適切なことです(両方とも後述します)。 上背部を極端に丸めることで腕を伸ばそうとすることがよくみられます。これらの動きは全く違うものです! 何かにリーチしようとするとき、多くの人が、ただ背中を丸めているだけであることが多いのですが、そうではなく、脊柱のアライメントが、よりニュートラルで、上背部の後弯を保った状態で、腕と前鋸筋を使ってリーチをするのです。 塩化ビニールパイプはここでも効果的に働きます。もしパイプが常に上背部にだけ接してしまっている人がいたら、リーチの方法を教えてあげてください。 腰部 ここでも塩化ビニルパイプが大活躍します。ほぼニュートラルなポジションがとれているけれど、コア、および腹筋群がたるんでいるとします。さてどうしましょう? この場合の、一番いいキューイングの方法は、息を強く、完全に吐ききる方法を教えることです。こうすることにより、コア、および腹筋群が働き、腰椎の前弯が減少します。そこから先は、とにかくコアの活性を保つことが大事です。 指示の方法がもっと必要ならば、息を吐いて、肋骨を下げ、また息を吐いて骨盤を引き上げるように指示します。 開始時、および、終了時を適切に行えていない 上背部に関してよくある大きな問題は、クライアント、またはアスリートが、誤った動きの終え方をしていることかもしれません。 肩甲骨が、いつも後ろでギュッとしぼめられている状態の人を見かけると思いますが、これは望ましいことではありません。 ここでの考え方、指示の方法は単純です。脊柱のニュートラルな位置を保った状態で、地面から自分自身を「押し」あげてほしいのです。 下記は、これを行うために使えるいくつかの異なる指示方法です。 リーチする 押し離す 地面から押し離す 腕を長くして・・・など クライアント/アスリートが、あなたの指示にしたがって全てを行っているのに、それでも完璧に見えないことがあります。もしこういった状況なら、プログラムの中に矯正エクササイズを取り入れ、身体の後面に空気を送り込み、後方縦隔(上背部など)を空気で満たす方法を教えるべきです。 膝が曲がっている 他に良くありがちな問題として、膝を曲げてしまうということがあります。この場合、矯正方法は簡単です。脊柱/骨盤のアライメントをニュートラルに保った状態で膝を伸ばすように指示してください。 広背筋の過剰動員 私たちは、より大きくて強い広背筋が全てという段階を通り抜けてきました。 広背筋には確かに役割がありますが、全てのウエイトトレーニングで広背筋を使いたくはありません。(概要が知りたい方は、この記事を読んでください:広背筋:味方か敵か?) 広背筋の過剰動員は、肘が身体にとても近い状態で、身体を床に向けて下ろしているときによく見受けられます。 そうではなく、動きを通して、肘を少し広げた状態に保つことを意識してください。もう一度言いますが、身体に対して35-45度の角度が良いでしょう。 肘が広がりすぎている 身体の真横で肘がすぼめられている状態を避けるべきであるように、肘が90度の角度に広がるのも避けるべきです。 あなたと同じジムに通う、70歳のボディビルダーがどう言っていようが関係ありません。肘を広げることで、大胸筋や三角筋を、より効果的に働かせるのに役立つかもしれませんが、それは長期にわたる肩の健康状態と引き換えです。ちょうど良い肘の角度を見つければ、それでいいのです。 (余談:もし70歳のボディビルダーからのクレームメールがいっぱい来たら感心します。どうか一生嫌ったりしないで下さい!) 肩甲骨をお互いに「引き寄せる」 広背筋の過剰動員と同様に、トレーニングを行う際に、肩甲骨を後ろに「引き寄せる」ことをクライアントに教えることも、肩に負荷がかかり、問題になる可能性があります。 この前提は必ずしも悪いわけではありません。主要な機能に関する指示を与えたり、伸張性の動きを促進するために短縮性の動きを教えることは理解しています。 問題は、多くの人の、その方法なのです。 身体が下がると共に、肩甲骨が自然に近づいてくるようにするのではなく、クライアントが即座に肩甲骨をくっつけて、腕立て伏せのボトムポジションに到達する前に、動きの遊びをなくしてしまう、ということが起こりがちです。 肩甲骨を既に最大限に後退させてしまっているため、その後の可動域は肩関節(関節窩上腕関節)の受動的抑制により産み出されます。 これを行ってしまっている人がいたら、私の指示はシンプルです:アスレチックに。笑われるかもしれませんが、10回に9回はこれで大丈夫です。 こういった人は通常、肩甲骨を引き寄せることを考えているので、リラックスするように促し、考えずアスレチックに、と言えば問題は解決するのです。 ボトムポジションでの 前弯の増加 最初は、コアや腰椎のポジションが完璧でも、動作のどこかで、特に動作の一番下の位置で姿勢が崩れてしまうことがよくあります。 息を吐ききることについては上述しましたが、セットを通してニュートラルなポジションを保つためには、ただ単に、より強い腹筋が必要です。 下記の記事は、私の好きなコアエクササイズをカバーしています。もし基本的なコアトレーニングを必要としているなら素晴らしい効果を発揮するでしょう。エクササイズをバランスよく行い、私が説明している通りに行うよう心がけてください。 地面を基盤としたコアトレーニング シュラッグ vs リーチ 先ほども少し話しましたが、ここではより深くみていきましょう。 トップポジションでは、クライアントやアスリートにリーチをしてほしいのです-ここでの目標は脊柱のアライメントをニュートラルに保ち、肩甲骨が後ろ側から外側へすべるようにすることです。 しかし、もし前鋸筋が弱かったり、この動きをどう行うかを理解できていなかったりすれば、リーチをする代わりに肩をすぼめてシュラッグしてしまうことはよくあります。 これを直すためには、一旦エクササイズをやめさせて、話す時間を設けます。どのような動きを感じて欲しいかを説明し、立った状態でそれを見せます。これは単純に腕を長く伸ばしてもらい、胸を張った状態で、前鋸筋を感じることができるかを聞く、というような単純なことでもあり得ます。 私が求めている感覚が、どのようなものかがクライアントにわかれば、またエクササイズを試します。感覚がわかっていても、負荷がある状態ではできない、という場合には、負荷を減らして、エクササイズの難易度も下げる必要があります。 こういったときこそ、インクラインの腕立て伏せが役立ちます。インクラインの腕立て伏せは、ほぼ同じ動きでありながらも負荷を減少します。 心配な場合は、塩化ビニールパイプを使って、脊柱のニュートラルな状態を強調し、トップポジションでリーチをさせるようにします。もしシュラッグしてパイプがお尻を離れてしまったら、まずはトップポジションの取り方を、わかるまでしっかり時間を使って教える必要があるかもしれません。

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腕立て伏せ パート2/4

腕立て伏せのバリエーション ここまでで、適切な腕立て伏せの方法についてカバーしました。ここからはバリエーションとプログレッションについて見ていきましょう。 当たり前ですが、通常の自重の腕立て伏せのみでは、長い間、モチベーションを維持し、やり続けることは難しい。ですから、ここでは、これから先何年も、腕立て伏せをより難しく、面白くできる様々なバリエーションについて説明します。 標準的な腕立て伏せ 下記のビデオは、標準的な腕立て伏せの例です。何も面白いところはありませんが、適切に行うことができれば、投資に対する大きな効果が得られます。 このエクササイズの最大の利点は?どこでもできて、器具も全くいらないことです。 足を高くした状態での腕立て伏せ 腕立て伏せを漸進させる簡単な方法は、単純に足を高くすることです。これにより、相対体重が増し、上半身およびコアにより過負荷をかけられます。 このバリエーションのもう一つの利点は、肩甲骨の上方回旋が少し増すことです。肩甲骨を後退、下制した常態で固定してしまいがちな人にとっては、心地よく、とても役立ちます。 足の位置を高くすればするほど、より多くの体重を押し上げる必要が出てくるので、最初は少しから始めましょう。IFAST(訳注:著者のトレーニング施設)では、4インチから6インチ(10cmから15cmほど)のボックスから始めて、だんだん高さを上げていきます。 Xベストを用いた腕立て伏せ 標準的な腕立て伏せを簡単にアレンジする別の方法として、何らかの外的負荷を加える方法があります。 背中にプレートの重りを乗せることもできますが、これは扱いづらいて、やりにくかったりします。 それに対して、ウエイトベストは準備も簡単で、動きの間中、同じ負荷を保つことができます。これに鎖やバンドを加えるはかっこいいですし、トップポジションでかかる負荷の調整ができますが、それは必要ないかもしれません(特に初期の段階では)。 とにかく、Xベストのような外的負荷を加えることは、標準的な腕立て伏せをよりレベルの高いものにする方法として有効です。 鎖抵抗の腕立て伏せ 次にバンドや鎖を用いて負荷を与えるバリエーションです。腕立て伏せを行ったことがあれば分かると思いますが、腕立て伏せで一番楽な部分は、てこが有利な状態にあるトップポジションです。 基本的に、ボトムポジションから上がってくることができれば、トップポジションまで持っていくことができます。では、この動きをどうやってより難度の高いものにできるでしょうか? また、自然な筋力曲線をよりきれいに描くにはどうしたらいいでしょう? 簡単です。腕立て伏せのトップポジションで負荷を与えることのできる器具を使えばいいのです。 鎖抵抗の腕立て伏せでは、身体を下げていくにつれ、鎖が重なり合い、負荷が確実に減少します。床を押して戻ってくるときには、その重なりがほどけて、トップポジションで大きな負荷がかかります。 忘れてはいけないのが、鎖を使用すると、テスタステロン、攻撃性、カッコ良さが27.8653%上昇するということ。これは証明された、科学的事実です。 バンド抵抗を加えた腕立て伏せ 鎖抵抗のバリエーションと同様に、バンド抵抗の腕立て伏せは、動きのトップポジションで与える負荷を調整することができます。 鎖抵抗のバリエーションは、移行/抵抗が少し微細であるのに対し、バンド抵抗は、負荷を与えるという観点ではより積極的に行うことができます。 ここで間違えないように気をつけてください。たとえ小さいバンドでもトップポジションで更なる負荷を与えるという点で、大きな役割を果たします。 腕立て伏せからダウンワードドッグへ そうです、私もついにやりました-私のウェブサイトでヨガのポーズを紹介しています! 冗談抜きで、ルルレモンで全身を固める必要なしに、この素晴らしいエクササイズの利点を享受できます。 腕立て伏せからダウンワードドックを行うと、通常の腕立て伏せの利点に加え、2つの補助的な利点があります。 押すときに、肩甲骨の上方回旋が促され、リーチのメカニクスが得られる。これは肩、および上背部に良い効果をもたらす。 トップポジションに押し上げるときに、ポステリアチェーン全体に素晴らしいストレッチ/モビリゼーションとして働く。(私のように)伸展位で固まってしまっているアスリートがいるなら、屈曲を体系的に促すことは、とても有効である。 コーチングに関しては、とてもシンプルです。トップポジションに力強く上がってくる、でも完全に上げる代わりに、臀部を高く上げて、「V」の字を作ります。 トップポジションでは、床を押し離して、能動的にリーチするという意識を持ち、膝はまっすぐ、踵は地面に向けて押すように指示します。 これは、ヨガのインストラクターが教える方法と100%同じではないでしょうが、私の指導方法に関する批判メールがたくさんこないことを祈りましょう。私はこの動きが好きですし、トレーニングとして行うにも、エクササイズプログラムの中のウォームアップとして行うにも、素晴らしいエクササイズだと思います。 インクライン腕立て伏せ IFASTでは、「女の子」腕立て伏せを行わないことをご存知ですか? まずそもそも、この言葉は失礼だと思います。多くの男子、男性も従来の腕立て伏せを適切に行うことができませんが、だからといって彼らに「女の子」腕立て付せをやらなければいけないと言うのでしょうか。 そんなはずありません。 次に、この腕立て伏せは、指導するのがバカらしいエクササイズだと思います。(つま先の代わりに)膝をつけば、てこを効果的に短くし、コアの安定性に対する要求が減少します。 最後に、これも重要なことですが、「膝をついた」バリエーションは、理想的な脊柱/骨盤のニュートラルな位置を維持するのがとても難しいため、このバリエーションは封印することにしました。 私は腕立て伏せを指導する際には、いつもインクラインの傾斜を使います。指導するのが簡単で、ポイントも伝えやすい上に、漸進させるのも非常に簡単だからです。強くなって、より安定してきたら、単純に止め具の位置を少し低くして傾斜を低くしてしまえばいいのです! ここで、指導者として注意するべきことは、アスリートの足の位置をラックから適切な距離にセットアップすることです。アスリートの胸の下部がバーに触れる位置まで下がることが理想ですが、同時につま先で立ち、脊柱のニュートラルなポジションを維持できるようにします。 最後に、これはバーをつかんだ状態でのバリエーションですので、私がこれを指導するときは、小指をパワーリングに置いた状態で始めて、徐々に調整していくようにしています。 腕立て伏せから片手支持にする 片足のトレーニングが非常に有効であることは周知の事実ですが、片手のトレーニングはどうなのでしょう? 腕立て伏せから、片手支持にすることには、多くの利点があります。 働かせている側の腕/肩の負荷が増す 中背部と肩(特に回旋筋腱板)の安定筋群の活性が高まる コアと胴部の安定性に対する要求が高まる このエクササイズを行うための準備は、標準的な腕立て伏せと同じです。足幅を通常より少しだけ広く取って支持基底面を大きくするようにしましょう。 動きの開始時と終了時に、床またはバーから片手を離します。この動きと呼吸を伴わせるようにして、手を上げて、床から身体を押し離す時に息を吸い、息を吐いて、手を戻す、そして、両手をつき、次の回を行います。 不安定な基盤での腕立て伏せ 「安定性」対「強さ」というテーマに即して、不安定な基盤で行う腕立て伏せは、安定性とコントロールを一つ上のレベルに引き上げます。 動きの始め方は、標準的な腕立て伏せと同じですが、今回は手を不安定な基盤を提供する器具に置きます(IFASTではブラストストラップ、TRX、ジャングルジムなどを使っています)。 動き自体は、標準的な腕立て伏せと全く同じですが、あちこちにぶれてしまうため、難易度は格段に上がります。 そのため、私たちが行うときは、まず、インクライン腕立て伏せのような胴/身体の角度になるように高い位置から始めて、徐々に角度を下げていくようにしています。 メディシンボールを使った腕立て伏せ 腕立て伏せのバリエーションの最後は、昔からあるものですが、楽しい、メディシンボールを用いるものです。ここではまた、動物的強さではなく、安定性とコントロールに重点を置いています。 不安定な基盤を提供する器具のバリエーションと同様に、身体の下に不安定な表面を作れば、安定筋群の機能にかかる要求は高まります。この場合、コアや肩により大きな負荷を感じるでしょう。 まず、標準的な腕立て伏せのポジションを取りますが、手を床に置く代わりに、同じ大きさの二つのメディシンボールを用意し、それぞれのボールに手を置きます。動きの実践方法は標準的な腕立て伏せと同じです。 もし、二つのメディシンボールを用いるのは、不安定性要素が高すぎるという場合には、ボール一つを片手の下に設置した状態で始めてください。セットの半分をその状態で行い、半分終わったら、腕を入れ替えて、目的の回数をこなします。

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腕立て伏せ パート1/4

私がトレーニングを指導しているクライアント、および、アスリートは皆、トレーニングプログラムの中に腕立て伏せを取り入れています。 むしろ、やらない理由はありますか? 腕立て伏せは、あなたの目標が強くなることでも、体脂肪を燃やすことでも、競技力を高めることでも、何にでも役立つ素晴らしいエクササイズです。 では、皆さんが次回のトレーニングプログラムに腕立て伏せを組み込みたくなるかもしれない理由のいくつかを紹介しながら、腕立て伏せ探求の旅を始めましょう。 腕立て伏せを行う利点 腕立て伏せをプログラムに組み込むべき理由はたくさんありますが、ここでは短いリストで紹介します。 上半身の強化 腕立て伏せは、ベンチプレスほど称賛されていませんが、疑いなく上半身の筋力向上に貢献しています。 目標が、純粋に上半身の筋力向上であるならば、ベンチプレスの方が優れています。これを覆すのは難しいでしょう。しかし、もしあなたが、身体を総合的に使う能力、空間の中で効果的に身体を動かす能力を求めているのなら、腕立て伏せの方がより良い選択肢となります。 そして、負荷、不安定性、てこなどの様々な可変要素を考慮するときに、腕立て伏せには、その目的を果たすことのできる多種多様なバリエーションがあります。 コアの安定性 十分なコアの筋力と安定性を持ち備えたクライアントやアスリートに出会うことは稀です。トレーニングを始めたばかりの若いクライアントであれ、プロのアスリートでさえも、大抵はとてもがっかりします。 そのため、私は常に、セッションの最後に行う典型的なコアトレーニングエクササイズに加えて、プログラムの中により多くのコアトレーニングを入れる方法を模索しています。 腕立て伏せを様々なバリエーションとプログレッションで行うことにより、ワークアウト中にコアに頻繁に負荷をかけることができ、より素早い反応を得ることができます。 上半身と下半身、コアを一体化する 先ほど挙げたポイントをさらに詳しく見ていくと、腕立て伏せは、上半身、コア、下半身を統合し、連動した一つの動きにするのにとても優れた働きをします。 既に述べたように、ベンチプレスでは、コアはある程度しか使われませんが、腕立て伏せでは、コアの筋力が(弱かったり、不安定なため)標準レベルに達していなければ、エクササイズの制限要素となり得ます。 さらに、アスリートは、上半身の筋力だけではなく、コアと下半身を固めた状態で、上半身から力を発揮できる能力が必要です。そのため、私は、腕立て伏せはベンチプレスよりも優れていると思っています。 このトピックについて語るなら・・・ ベンチプレスの代替案 肩が悪いのであれ、なんらかの理由でウエイトトレーニングをかたくなに避けているのであれ、腕立て伏せは、ベンチプレスの代用として使えます。 私のところには、肩に不安定要素を抱えるアスリートがたくさん来ますが、これらは能動的不安定性よりも受動的/構造的な問題によるものが多いようです。手術を受けでもしない限り(この手術は、スポーツパフォーマンスの向上には全く必要がありません)、ベンチプレスは彼らのプログラムの焦点になるべきではありません。 そのため、こういったアスリートには、腕立て伏せのバリエーションを使うのです。 リーチの方法を学ぶ 最後に、これも大切なポイントですが、私がベンチプレスよりも腕立て伏せを選ぶ重要な理由の一つは、腕立て伏せをすることにより、クライアントやアスリートが、リーチの方法を学べるからです。 ベンチプレスでは、肩甲骨を後退、下制させた状態で固定し、安定性を高めることが目標です。これは、ベンチプレスには非常に有効ですが、肩の力学という観点からみると、必ずしも理想的ではありません。 一方で、腕立て伏せでは、前鋸筋を使ってリーチをする方法を学ぶことができます。正しい呼吸法と組み合わせれば、この動作は、上背面(あるいは両肺間の後方縦隔)を含む身体の後面を、効果的に開放することができます。 ここまで、腕立て伏せをトレーニングに取り入れる利点を複数説明してきました。ここからは、腕立て伏せのセットアップの方法、パフォーマンスについて順を追って見ていきましょう。 セットアップの方法 床に伏して、手をセットする 最初の部分は簡単です-床に伏して両手を肩幅より少し広いくらいに離して床につきます。 両手の幅を広く取りすぎると、肩に過剰なストレスがかかる一方、狭すぎると関節が詰まって動きづらくなり、嫌な感じがします。多少の個人差はあるでしょうが、まずは肩幅より少し広く取って、そこから調節するようにしてください。 トップポジションでのニュートラルな姿勢 次のステップは、腕を伸ばして、つま先立ちになり、実際にスタートポジションに入ることです。 トップポジションでは、脊椎のアライメントをニュートラルにするようにします。つまり、下記の3点が一直線になった状態です。 後頭部 上背部 臀部/仙骨 このビデオでは、この概念についてあまり馴染みのない方向けに、脊椎のニュートラルポジションを確認する簡単な方法について説明しています。 ここでもう一つ気をつけるべきことは、腰部のポジションです。塩化ビニールパイプとの3点接触を保った状態で、腰椎には小さなカーブが保たれるべきです。 私が指導をするときは、腰部とパイプとの間に指を差し込むようにしています。正しい姿勢が取れていれば、指関節辺りまで手を差し込むことができます。スペースがそれ以上ある場合は、腹部や胴部をより活性する必要があります(後ほど詳細について述べます)。 膝をまっすぐに これは言葉通り簡単です。脊柱のニュートラルなポジションが取れたら、骨盤と膝もニュートラルな状態にします。 動きを始める前に、膝を固定してください。身体を上から下まで一枚の板として考えるといいかもしれません。全身の筋肉を使って、一枚板がスムーズに動くイメージです。 息を吸って、リーチする ここまで来れば、準備はほぼ完璧、早速エクササイズを始めて、回数を重ねていきたいところでしょう。 次の部分は、これまでにやってきたこととはちょっと違うかもしれませんが、必ず試してみてください。 トップポジションで、腕を遠くへ伸ばすイメージを持って、息を吸ってください。ここで息を吸う目的は、上背部に空気を入れることです。アスリートに指導をするときには、「腕を長くする」、「地面からできるだけ離れるように手を押す」ことを考えさせるようにしています。 息を吐いて、固める 最後に忘れてはいけないのが、ここで身体から余分な空気を吐き出すことです。息を吐ききって、腹部をしっかり固めます。これにより、コアが安定し、下半身と上半身を連動させるのに役立ちます。 ここまで、準備について詳しく見てきました。ここからは、適切な腕立て伏せを行う方法について見て行きましょう。 腕立て伏せの実践 地面に向かって身体を下げる 動きを開始するには、単純に地面に向かって身体を下ろしていくことから始めます。 私は昔、アスリートに、広背筋で引く、またはアクティブに肩甲骨を後ろに絞る/狭める、といった指示をしていました。 振り返ってみると、これはあまり良い考え方ではなかったと思います。広背筋の使い方について指示をすると、肘を身体に近すぎる位置に保とうとしてしまい、人によっては、肩全体を通して、上腕骨が前方へスライドしてしまいます。(これにより肩の前方に痛みが起きることがよくあります) また、身体を地面に向かって下げていくときに、身体の後ろ側で筋肉を収縮させるように指示することは、動きを不自然にし、肩に過度の緊張を与える可能性があります。 つまりは、シンプルに下げるということから始めればいいのです。 矢印を作る これは、一つ前にあげたポイントと同時に意識する必要がありますが、身体を下げるときは、肘と胴体の作る角度が35-45度くらいになっていることが理想です。 (心配しないで下さい-右の素晴らしい図については後ほど感謝してもらえれば大丈夫です。そうですよ、私が矢印を描きました。素晴らしいでしょう?) もし肘の角度が大きく広がっていたら(90度くらい)、肩に膨大なねじりとひずみの力がかかってしまい、ご存知のように、それは良いことではありません。 しかし、角度を狭くしすぎれば、広背筋で「引く」という指示と同様に、上腕骨頭を前方へ動かし易く、肩の前側に痛みを引き起こします。 この、上から見たときに矢印を作ることをイメージする方法は少し前に聞いたのですが、役に立っています。胴と脚は矢印のまっすぐの線、上腕が矢印の向きを決める二本の線を描きます。 機能的可動域を使う 私は、「機能的可動域」を信じています。現時点で、最大の可動域を通して動きを行うのに必要な可動性や安定性を有していなくても大丈夫です。 でも、エクササイズは正確に行ってください! 腕立て伏せの場合、コアを収縮させた状態で保ち、動きを通して、身体を板のように固めておくことに集中します。動きのどのポイントにおいても、腹部が下がったり、コアの筋肉が緩まないようにしてください。もし十分な可動域を通してエクササイズを行うことができないのであれば、小さめの動きに留めるか、エクササイズのレベルを下げてください。 押し上げる コアの収縮を保てない、あるいは、脊柱のニュートラルな状態を保てないと感じるところまで身体を下げ、それから地面を押して身体を戻し始めます。この位置は、人によって違うので、毎回床に鼻をつける必要性などはありません。 引き締めた状態を保つ 地面を押して上がってくるときに、ここまでに意識してきたポイントを保つようにしてください。肘は35-45度の角度、コアを引き締めて、脊柱はニュートラルな状態、等々・・・ トップに到達 - 繰り返し 動きの頂点では、少なくともアクティブにリーチするという意識を持つ必要があります。胸を広げ、引き上げて、上背部をすぼめないようにします。 そこから、また呼吸サイクルを通して(リーチするときに息を吸い、再び始める前に完全に吐き出す)、目的の回数だけ繰り返します。

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スプリントに関する5つの提案 パート2/2

(パート1/2へこちらへ) つづき #3 - リラックス 元パワーリフター、そしてリカバリーおたくとして、 “緊張”は友達といえます。 いたってシンプルにいうと、自身をより硬く、そして小さくまとめることができれば、より多くの重りを動かすことができます。 より多くの重さを動かすことができれば? いたって簡単:これでより素晴らしい人生がおくれます! ですが、スプリントと速く走るということは、ウェイトリフティングとは別ものです。ゴールは速く走ることであり、硬く走ることではありません。 加速期の初期はより長く地面接地が必要となり、これによって慣性に打ち勝って進んでいくことができます。この場合、 “筋肉を固めて走る”ことは、そこまで致命的な問題ではありません。 しかし、トップスピードにさしかかった時、またはトップスピードに入りそれを維持する時、固めた筋群はスピードを上げるどころか、ブレーキをかけてしまいます。 私はアスリート達に対して物事を必要以上に複雑にすることは大嫌いなので、アスリート達には単純に “速く、そして柔らかく”走るようにアドバイスをしています。 どんな種類のスピード系トレーニングであれ、走る直前にリラクゼーションドリルを入れることを私達は心がけています。これは私達がアスリートに走っている時感じてほしい感覚を、キューイングなしに強化することができると考えています。 #4 - 勢いの重要性 強くなることは加速期にとって重要です。繰り返しになりますが、地面接地は長くなり、そのぶん筋が力を生み出す時間を長く保てます。 しかし40、60、そして100ヤード/メートルダッシュのトップスピードでは、力を生み出せる時間は最小限となり、これが勢いがとても重要になる理由なのです。 勢いを強化するためには、ウェイトルームにおける意識をシフトする必要があります。最大筋力向上のトレーニングはあなたを強くし、加速期において効果を発揮しますが、私達にはトップスピードでより勢いや力を生み出す何かが必要なのです。 もしアスリートがトップスピードを強化する必要があるのならば、ウェイトルームでの高重量筋力トレーニングよりも、トレーニングの焦点をより反応速度や弾力特性系(プライオやジャンプ)にあてると良いでしょう。 プライオメトリックや様々な種類のジャンプトレーニングは、より腱や反応性、そして伸張反射を利用することに大きな焦点をあてています。それに対して、ジムでの筋力トレーニングは、より筋肉と純粋な筋力に焦点をあてているのです。 さらに、片脚でのバウンドはアスリートがより素早く力を発揮することが要求されるため、スプリント能力に即座に活用することができます。 一年中このトレーニング法を続けたくはありませんが、キャンプ前に1サイクル、あるいは2サイクル程度の反射的で爆発的なトレーニングの導入は、アスリートの全体的な爆発力やトップスピードにおいて、とてつもなく有益となるかもしれません。 #5 - ビデオを活用する! あなたはどうかわかりませんが、チャーリー•フランシス、ダン•パフ、ブー•シュナイダーといった陸上界の伝説的人物達 – 彼らは、近い将来私が彼らの仕事を引き継ぐ心配などする必要がなさそうです。 私は進歩していますが、スプリントトレーニングとコーチングについては間違いなく自分が理想とするレベルには、まだほど遠いのです。 ゲームプランを、ウェイトルームから陸上トラックに移す時の大きな懸念のひとつは、アスリート達がいかに速く動けるかです。 コーチとしてもしあなたがゆっくり観察することに慣れていて、リフティング動作を細かく分析するなら、何が起きているかを判断する時間は充分にあります。 しかし誰かが40、60、100メートルをフルスピードで走っているとしたら?これは全くの別問題です! そんなわけで、私は可能な時は、できるだけビデオを使うことが最良の手段だと考えています。アスリートがどう見えるか、また彼らの身体の位置がどのようになっているかを見るために映像を撮るのです。 それらは最適であるのか? 何に取り組みたいのか?またはアプローチしたいのか? そして何が明らかに、マイナスとなって彼らを妨げているのか? 自転車の乗りかたを覚える時、いきなり2輪車に飛び乗って走り出すような学び方をしないように、スプリントのコーチングにも“補助輪”をつけることを恐れないでください。 物事をゆっくりと確実に判断するためにビデオを使って、何が実際に起こっているのかを確認してください。 やがて繰り返し見ていくうちに、 “実際の時間”においても、見たいものがすぐ見えてくることに驚くことでしょう。 まとめ 最初にほのめかしたように、フィジカルコーチのゴールはプログラム作成と、様々な身体的資質を指導する能力のバランスがとれることです。 そしてもし素晴らしいアスリートを生み出したいのであれば、より速く走れる手助けをします。そして競技会が『良い』アスリートと『素晴らしい』アスリートを識別するキーポイントになるでしょう。

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スプリントに関する5つの提案 パート1/2

(パート2/2へこちらへ) もし何かを理解したいのであれば、自らの学んだことを他者に指導することが必要だと強く信じています。 マイク•ロバートソン* という名前を聞いて最初に思い浮かぶものが、たとえ“スプリント”ではなくても私は気にしません。 (*備考:私の人生の新しいゴールのひとつとして、できる限り自分を第三者として紹介すべきだと思っています。その方が楽しいということに加え、自分自身を “うぬぼれ”させてくれるからです!!) 団体競技をするアスリート達のフィジカルコーチとしてのゴール設定は、筋力やパワー、スピードやコンディショニングなど身体の多面的な要素のプログラム作りやコーチングに長けていることです。 なぜなら団体競技のコーチの最終的なゴールは、万能のアスリートを育てることであり、1つの身体的要素において突出したアスリートを育てることではないからです。 今日は、わたしがスプリントトレーニングに関して長年にわたって学び、そして活用してきた5つのことを皆さんにシェアさせて頂きます。楽しんでください! #1 - ドリルを“位置関係”に活かす ニック•ウィンケルマンはスプリントに関して、私がとても多くの事を学んだ一人です。 限られた情報や交流のなかで、彼はドリルを動作の “位置関係”としてアスリート達に伝えることについて言及しました。 例えば, 私が仕事を共にした、ある若いアスリートはスプリントの加速期で充分な身体の傾斜を得られず苦しんでいました。 スタート時に身体を真っすぐ起こしてしまう傾向が、彼のスピードを落とし、ウェイトルームで作り上げた素晴らしい筋力を活かすこともできませんでした。 これに対抗するための私のゴールは、加速期に私が彼にとらせたいポジションを感じてもらい、そしてそれをより良く理解させるためエクササイズを少量に絞ることでした。 このケースでは、ウォールドリルと重い負荷でのプロウラースプリントに取り組みました。彼はすぐにウォールドリルを習得しましたが、根本的な課題は修正できませんでした。 一方で、プロウラースプリントは即座に効果を現しました。 これによって、より自然な体幹の傾斜を得ることができ、そしてよりきれいに前足部(爪先ではなく)で地面を蹴れるようになりました。 しかし、ここでの本当の価値は私が彼に優れたドリルを提供したしたことではありません。一度正しいポジションをドリルで覚えたことにより、私が加速期で彼にして欲しかったポジションの “位置関係”を得ることができたのです。 これはいくら強調しても足りないくらいですが、スプリントに関しては、あなたの引き出しにある全てのドリルやエクササイズを全て使うことが重要なのではありません。 そうではなく、ゴールとはアスリート達の身体力学においてあなたがアプローチしたい特定の問題や欠点を見つけることであり、そこから課題を克服するための、より正しい(優れた)方法として“位置関係“を提供できるドリルを見つけることなのです。 #2 - 腕が脚を動かす 次から説明する3つのポイントはすべて、ある意味関連性があり、コーチである私にとって大きな収穫となっています。 腕は脚を動かします。 もしアスリートがジムでのワークアウトに時間を費やして強化できるなら、それをトラック(競技場)で活かすために、全ての重点を脚に置くのは簡単です。 そして重点を全て脚に置いた時、スプリントは軽くて、俊敏ではなく、ずっしりと,“分厚く”見える傾向になります。 これを修正するためには、焦点をすべて脚ではなく腕に向けることが手助けとなるはずです。 力強い腕の振りは加速期の素早い動きを可能にするだけでなく、腕へのシンプルな合図によってアスリートが硬くなり、脚に力が入りやすくなりがちなトップスピードで集中し直すことができるのです。 これは私の良き友であり、アイ ファーストでの同僚であるタイ•テレルとのディスカッションでより確固たるものになりました。 タイはアスリート達に “その場走り“をさせ、脚は一定のスピードを保ちながら徐々に腕のスピードを上げさせようとするとします。 ごく単純に、それはできないことなのです。なぜなら腕と脚は密接に繋がっているからです。 コーチングにおいて、時に、アスリート自身が気づいている問題を修正するのではなく、その逆を行うことが重要になります。 脚よりも腕の修正に焦点をあて、アスリートのタイムを縮められるかどうか試してみましょう。

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片脚トレーニングにおける5つの利点 パート2/2

#3 – 抑制 私がスプリットスタンスエクササイズを好んで使用するもう1つの主な理由として、抑制があります。 我々のゴールはコアを“シリンダー”のようなポジション安定させることです:胸郭下部が下がり、骨盤は上を向きます。この姿勢では、横隔膜と骨盤底がお互いに向き合い、身体全身で空気の流れを最適な状態にすることができるポジションになります。 しかし、多くのアスリートは、開いたはさみような姿勢で歩き回っています。胸郭下部は上方向に広がり、骨盤は前傾したポジションにあります。 私たちはこの状態を過剰膨張とも呼びますが、さらにシンプルには、伸展位姿勢とも呼びます。 これは筋肉的にも問題を引き起こします。股関節屈筋群や背中の筋肉群は常に“オン”の状態になり、身体に次の呼吸を引き込もうとします。 この伸展位姿勢に取り組むためには、呼吸の機能不全自体のみでなく、異なった身体のポジションにおいても、“シリンダー”を選手が維持できるようにチャレンジすることにも目を向けなければなりません。 正しく行えれば、スプリントスクワット、ランジ、後ろ足挙上/ブルガリアンスプリットスクワットのようなスプリットスタンスのエクササイズは“後ろ”脚の大腿直筋を抑制し、我々のエクササイズのなかでも、それらを効果的なものにしています。 ここでのフォーカスは、その実行です。かなり高頻度で、選手に足を大きく前後に開かせているのを目にしますが、それでは選手をさらに伸展方向に導いてしまいます(前方関節包も伸張しますが、その話については後日にします)。 そうではなく、中程度の幅に足を開き、前足裏全体を感じつつ、同時に肋骨を下に、骨盤を上向きの位置に維持できるようにします。 これは信じられないくらい単純なことかもしれませんが、選手にこの方法を正しく行わせることができれば、想像している以上にかなり厳しいチャレンジになるでしょう。 #4 – 環境 ずいぶん前にIFASTにおいて、ニック・ウィンクルマンがウォールスプリントドリルをなぜ好むのかについて話をしていました。そのドリル自体がかなり好きだということではなく、選手に加速時の姿勢を教えるための環境を造り出してくれるからだということでした。 個人的に片側性のエクササイズが好きな理由の1つとして、低負荷の環境でアスリートをコーチングできる機会を与えてくれるということあります。 スクワットやデッドリフトのような高重量のトレーニングに関しては、使用している重さのほうにすぐに夢中になってしまいがちです。 技術が正確であったとしても、動きを教える最良の機会を与えてはくれません。 一方で、片側性エクササイズは通常低負荷であり、特異的な姿勢やポジション、あるいは、概念(例えば、重心を改善する)でエクササイズすることができ、選手にすでに備わっている運動能力をより引き出させることが可能になります。 例えば、“足裏全体”という概念について話すことが最近多くあります。これらのパターンは、システムのなかで身体に組み込まれているために、スクワットやデッドリフトのような大きな動きのパターンのなかでチュ木するのはかなり難しいものです。 しかし、クライアントにオフセットのスクワット(ビデオももうすぐ発表です!)、あるいは、ステップアップを行わせることで、彼らに簡単にその概念を獲得させることができます。 コーチとしての私の目標は、まずアスリートの動きを上達させることであり、片側性エクササイズはそれを達成するための絶好の機会なのです。 #5 – 可変性 運動能力の向上に関して、スポーツは3つの面における動きで行われるということは皆知っています。 しかし、ウエイトルームにおいては、スクワットやデッドリフトのような高重量で複合的なトレーニングに夢中になりがちです。 これらが、選手を大きく強くするための素晴らしい方法であるということは紛れもない事実です。 しかし、だからと言ってこれらが、ウエイトルームでするべき唯一のエクササイズであるということではありません。 つまり、多面での動きが起こるスポーツをするのに、ジムに行ったときには、なぜ1つの面(例えば、矢状面)での動きのみを選手にトレーニングさせるのでしょうか? 片側性のエクササイズは、動きの可変性や、多様な姿勢、ポジション、動きの面で自由に動くという能力を維持・体現させてくれます。 このことについての私の考えは:スポーツでは混沌としたことが起こります。誰かが私達に向かって走ってきて、妙な身体のポジションになってしまったり等。 こういった場面で、事態はかなり悪い方向に、急速に向かうことがありえます。 もしあなたが、矢状面でのトレーニングしか行っていないのであれば、かなり堅くこわばり、可動域の制限もあるでしょう。ハイレベルのパワーリフターを想像してください。彼らはパラレルのポジションからさらに下がって特異的な姿勢をとるのに“十分”な可動域を持っていますが、でも、それだけです。 この堅さや可動域制限は、彼らが、そのスポーツでの成功のために作り出した、特異的適応です。 しかし、アスリートは単なる強さだけではなく、様々な身体能力を必要とします。必要なときに曲げられる能力、多面で自由に動ける能力などを必要とするのです。 基本的に、動きに関しては、ある程度の余裕(あるいは、エラーの余地)が必要になります。 動きの可変性向上と安定性と制御の向上を組み合わせた時、片脚、スプリットスタンストレーニングの最大限の利点を得る事ができることは間違いないでしょう。 まとめ 片脚・スプリットスタンスのエクササイズには数々の利点があり、選手により高いレベルでのパフォーマンスを発揮させ、同時に、彼らの健康維持のための質を向上させてくれます。 質の高いプログラムの鍵は、両側性と片側性トレーニングの組み合わせ方を見つけることで、選手に両方のスタイルのトレーニングの効果を獲得させることです。

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片脚トレーニングにおける5つの利点 パート1/2

片側性(片脚)トレーニン対両側性(両脚)トレーニングの討論は、ほぼ10年近く繰り広げられてきました。 あるグループでは、片脚トレーニングと両脚トレーニングは(すべての点において)同等であるとかなり本当に信じているコーチがいます。 一方で、選手に片脚スクワットやルーマニアンデッドリフトのようなサーカスのスタントをさせることなど考えもしないというコーチもいます。 だからなんなのでしょう? 片脚やスプリットスタンスのエクササイズは、トレーニングで一番大切なものでしょうか? そうでないのであれば、プログラムにどんな役割を持っているのでしょうか? 私の経験に基づくと、運動能力向上プログラムにおいて、これらのエクササイズの役割は確かにあります。片脚、あるいは、スプリントスタンスでのエクササイズをプログラムに含むべき5つの潜在的な理由をここに挙げます。 (注:読み進むにつれ、手短に表現するために、シングルレッグとスプリントスタンスエクササイズをそれぞれ“片側性”エクササイズと言及していきます。科学的に100%正しいのはわかっていますが、より良い執筆のためにその名前を使用することを許していただけると幸いです。) #1 – 筋力 まずはこれを片付けておきましょう。 両側性と片側性のエクササイズにおける筋力向上の効果を比較することはできません。それはまるでリンゴとオレンジを比べているようなものです。両脚でのエクササイズが常に勝るのです。 私は過去にこのことについて広範に話しています:基本的なバイオメカニクスは、両側性のエクササイズから片脚、あるいは、スプリンットスタンスのエクササイズに移行すれば、即座に主動筋の出力が低下することを教えてくれます。 支持基底面が狭くなるということは、主動筋の出力が下がり、固定筋の機能が上がるということを意味しています。 さらに、両側性のエクササイズでかかる負荷は、スポーツの活動中に見られるものにかなり似ています。そのため、今はその討論は一区切りさせようと思います。 しかし、そこにはメリットがありますから、それぞれの脚を独立して強化するという考え方を捨てることはしません。 運動制御プログラムは独特なものなので、片脚の状態で身体を強化する事は間違いなく有益であると考えます。 しかし、おそらくより重要な事として、私たちは完全な左右対称の生物ではないということは周知の事実でしょう。 身体内部構造、傷害、積み重ねてきた代償動作、あるいは、それぞれのスポーツのバックグラウンドによって、私たちは左右非対称なのです。 片側性トレーニングのもっとも大きな利点の1つは、それぞれの脚で独立して筋力強化することができるということなのです。両側で行うトレーニングと同程度の筋力をつけることができないとしても、それだけで価値がないということにはなりません。 そして事実、次の4つのポイントがスプリットスタンスや片脚エクササイズをするべきだと考える本当の理由になります。 #2 – 安定性 前述の通り、両側性から片側性のエクササイズへ移行すると、支持基底面(BOS)は小さくなります。 支持基底面が小さくなることで起こる問題は、高重量を動かすことができないということです。主動筋の出力が下がり、固定筋の機能が上がります。 次のシナリオを想像してみてください: あなたが背中にバーベルを背負って高重量のスプリットスクワットをしています。セットアップしようとすれば、常時倒れないようにバランスをとる努力をします。 セットアップを“ちょうどよく”しようとして、頻繁に足の位置を直そうとするでしょう。 まず、このことがまさに両側性のエクササイズと同等の負荷をこれらのエクササイズではかけることができないということです。ここでの主な目的はおもりを上げることではありません。ばたんを倒れないようにすることが目的なのです。 しかし、ここにこのエクササイズの本当に利点があります。 スプリットスタンスや片脚でのエクササイズをすることで、効率よく身体を安定させ、制御する方法を身につけさせることができます。 これはまた片側性のトレーニングに関して、特に早い段階では負荷に主な焦点を当てるべきではない理由です。繰り返しますが、負荷をかけたいのであれば、スクワットやデッドリフトのバリエーションのような両側性の高重量のトレーニングを使用します。 そうではなく、安定性と制御に焦点を当てたいのです。高重量のスクワットやデッドリフトのように魅惑的ではありませんが、選手の動きが良くなり、回復力が上がれば、結果は明白でしょう。 私の意見ですが、コア、股関節、膝関節、足関節、足部を効果的に安定させる方法を身につけることが、片側性トレーニングの大きな利点であり、見落とすべきではないのです。

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コアトレーニングにおける5つの最大の失敗 パート1/2

皆さんはどうかわかりませんが、私は失敗をすることを愛しています。 そうですね、愛しているというのはちょっと強すぎる表現かもしれません。その瞬間には失敗をしたくないと思いますが、失敗をしていないとすれば、それは良くなるために最善の努力をしていないからだと確信しています。 ここで紹介している多くの記事は(ビデオ、セミナーなども含め)、私が長年をかけて学んできたことに注目しています。 そして多くの場合、これら学習の機会は私が起こしてきた失敗から直接来ています。 この記事では、コアトレーニングにおける私の5つの最大の失敗を紹介します。私の失敗を正直に述べることで、あなたがアスリートと共により良い結果を得ることに役立てば幸いです! 失敗1 仰向けのコアトレーニングの多用 私がコーチとしてのキャリアをスタートした1999年、2000年ごろ、腹筋運動のサーキットが全盛期でした。やるべきことは、5−10個のコアトレーニングエクササイズを選び、仰向けになって我を忘れるまで、脊柱を曲げたり、伸ばしたりすることでした。 幸いなことに、私はこのようなトレーニングからはすぐに手を引きましたが、それは必ずしも本当の意味で教訓を得たためという訳ではありませんでした。 コアトレーニングを考える時、私たちはとてもよく、下記の要件を満たしていないと「コアのトレーニング」ではないと思ってしまいます。 仰向けの状態で行い セッションの最後に行う 「セッションの最後」という部分のことはまた別の機会に述べます。ここでは「仰向けになる」という点を見ていきましょう。 私は、コアトレーニングは重要であると思ってきました(知られている?)し、常にプログラムの中にコアトレーニングを沢山取り入れようとしています。その一番手っ取り早い方法の一つが、仰向けのコアエクササイズを沢山組み込むことです。 こういったエクササイズから得られる利点はあるでしょうか。もちろんです。床ベースまたは仰向けのコアエクササイズの利点は無数にあります。 地面からの外的安定を沢山得ることができる。アスリートのコアが弱い場合、外的安定は初期段階において成功体験を得るのに有効です。 地面の上で背中を感じることができる。アスリートによっては、視覚によるキューや、1001個ものキューはいらないかもしれません。アスリートによっては、ただ感じることができればいいのです。こういったアスリートには、床ベースのコアトレーニングはとても重要になり得ます。 プログレッション及びリグレッション(段階を上げたり下げたり)をする方法が沢山ある。私のことを少しでもご存知なら、私が時間をかけてゆっくりアスリートを育てていくのが好きなことを知っているでしょう。私がこのタイプのエクササイズのバラエティーをかなり沢山持っているという事実は、アスリートにとって幸運にも不幸にもなり得ます。 「マイク、言っていることはどれも素晴らしいと思う。でもいったいなぜ仰向けでのコアエクササイズは良くないの?」 仰向けのコアエクササイズが良くないわけではありません。ただ何事もそうですが、やりすぎになる(または限定的に使われすぎる)ことがあります。 さらに、あえて反論するとすれば、これらのポジティブな要素をネガティブにすることもできるのです。 では、先ほどと同じリストを逆転させてみましょう。 外的安定性。アスリートが適切な姿勢・ポジションを取ることができるようになったら、外的安定性を取り除きたいと思います。地面から与えられた安定性に頼るのではなく、自分で安定性を作り出す方法を学んで欲しいのです。 地面の上で背中を感じることができる。多くのアスリートは、常に脊柱の伸展筋の緊張が高くなっており、背中側に空気を取りこむことに苦労しています。最初は、アスリートに背中を「感じて」欲しいのですが、これは空気の流れや背中側のさらなる拡張を阻害してしまうことにもつながります。背中から得る運動感覚は初期段階では重要ですが、いずれは先へ進むことが大切です。 プログレッション及びリグレッション。プログレッションとリグレッションは素晴らしいことです。これができなければ私は完全に路頭に迷ってしまいます。しかし同時にそればかりに注目し、A.アスリートを退屈させてしまう、B.進行がゆっくりになりすぎる、といったリスクもあります。 4番目のポイントでカバーしますが、すべての発達段階において、そのアスリートに適切な負荷を与えて段階を高められていることを確かめる必要があり、ただあるエクササイズからあるエクササイズへと移行するだけではダメなのです。 失敗2 股関節屈曲のトレーニングをしていない 私が長年にわたって犯していた重要な失敗は、股関節屈曲のトレーニングをしていなかったことです。 これらすべての失敗において、一番大きな問題はパフォーマンスです。もし体幹や骨盤が不安定でお粗末な股関節屈曲運動を行っているとすれば、そのエクササイズからはほとんど何も得られないでしょう。 しかし、アスリートにとって股関節屈筋群の強さは、強く安定した体幹とともに不可欠です。 ほとんどすべてのスポーツにおいて見られる加速の動きを考えてみてください。胴部を傾けて、地面に対して下方向、及び後ろ方向に最大限の力を発揮することが大事です。 加速において、股関節を力強く屈曲し、脚を下方向、後ろ方向に押し出せるポジションに持っていくため、体幹は強く安定している必要があります。もし体幹が弱すぎたり、不安定だったりすると、エネルギーが失われ、ここで求められるピストンのような脚の動きができなくなります。 股関節屈筋の筋力が不足していると、伸展をする際の反動や爆発力の発揮ができません。股関節の屈曲が頼りないアスリートで、その後の脚の伸展を力強くできる人を見たことがありません。安全性とコントロールのために、関節の両側のバランスが取れていることが必要です。 他に、絶対に股関節屈筋の使い方を学ぶ必要があるのは、スウェイバック姿勢のクライアントです。 スウェイバック姿勢では、骨盤が後傾しているかのように見えます。しかし、おそらく長年をかけて起こってきたことは、骨盤の伸展を行いすぎて、肩と足に対して骨盤が相対的に身体の前にずれてきてしまった結果です。 フォースカップリングを考えてみると、実質的には身体の前側にあるすべての組織、特に腹筋群と股関節屈筋群が伸ばされて弱くなります。 彼らの屈曲のパターンを再構築するためには、安定した骨盤上で効果的に股関節を屈曲する方法を学ぶ必要があります。私がこの症状に対して行うのに好きなエクササイズは、アイソメトリックのマウンテンクライマーとバンドを使ったジャックナイフのバリエーションです。

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コアトレーニングにおける5つの最大の失敗 パート2/2

失敗3 是が非でも脊柱の屈曲を避ける 私たちの多くは、「脊柱屈曲」という言葉を聞くと無意識に身がすくんでしまいます。 私たちは脊柱屈曲と聞くと即座に、アスリートが地面から鉛筆を拾うために体をかがめ、自然発生的に椎間板が後方に脱漏し数ヶ月動けなくなることを想像します。 こういった思考の多くは、スチュアート・マックギル博士と脊柱の生体力学に関する彼の素晴らしい研究成果に起因しています。マックギル博士は、負荷がかかった状態における可動域最終域での屈曲は、怪我をするにはもってこいの方法であるため避けるべきだと説きました。 でも大抵のことと同様に、私たちは良いことであってもやりすぎてしまう傾向にあります。私のダグ・キージャンとのポッドキャストを聞くと、彼が数年前、いかに脊柱の屈曲に対して神経質であったか、神経質すぎて、歯を磨いている時でさえ、文字通り常に伸展位に固定しようとしていた!ということに関して冗談を言っていました。 おかしな話ですが、同時にこれは特別な例ではなく多くの人に見られることだと思います。 脊柱屈曲は悪いことではありません。脊柱屈曲は、脊柱の屈曲だけではなく、体全体を通じての屈曲を取り戻すのに役立ちます(これは最近の多くのアスリートが苦しんでいることです)。 屈曲はまた、胸郭と横隔膜を再配置してくれます。横隔膜が適切な位置にあると、呼吸を助けてくれますが、そうでなければ、より姿勢維持に関わる筋肉になりがちです(この洞察はPRIのおかげです)。 ここで覚えておいて欲しいのは、屈曲をすることができ、それを維持することができるからといって、何度もその動作を繰り返すわけではありません(クランチや「腹筋サーキット」のように)。 また、負荷のかかった状態で行うというわけでもありません。例えば、ジムで最大負荷のデッドリフトを、背中を丸めた状態で持ち上げることを認めているわけではありません。 伸展位に体を固定するのと同様に、それでは極端な方向にいきすぎてしまいます。 脊柱屈曲の可動域を得ること、維持することに最善を尽くしてください。結果として、あなたのアスリートはより高いレベルで、より長い期間、競技を続けることができるでしょう。 失敗4 プログレッションの選択肢が少ない 先にほのめかしたように、過去の私は、コアの特定の分野の発達にかなり固執してしまう傾向にありました。 長い間、私は仰向けのコアトレーニングが大好きでした。アスリートが週に三回ジムでトレーニングをするならば、毎回違う種類のエクササイズを行っていました(例えば、日毎に レッグロワーリング、デッドバグ、PNFパターン、を行うなど) しかし目標は、仰向けになっている状態でのコアの筋力がどれほど素晴らしいかを見ることではありません。目標は、彼らのスポーツにおいて、いかに能力を発揮できるかを見ることです。 そのため長年をかけて私が一生懸命取り組んできたのは、プログラムにプログレッションを組み込むことでした。この方法の一つは、トレーニングプログラムを通じて様々なレベルでコアへのチャレンジすることです。 例えば一般的なプログラムは下記のようになります 1) 高重量の両側性トレーニング 2A) スプリットスタンスエクササイズ 2B) 上半身のエクササイズ 3A) 補助的な肩、股関節、胴部のエクササイズ 3B) 孤立化したコアエクササイズ より特化したプログラム(いくつかのキューや解説) 1) ダブルケトルベルフロントスクワット(肘を遠くに伸ばすことに注目し、腹部のポジションの位置を決め、保つ) 2A) ハーフニーリングチョップ(スプリットスクワット、ランジパターンを築く。ただしコア、股関節、骨盤の安定性を確立することが先決) 2B) 3点ダンベルロウ (ベンチなどに置いた方の手を遠くへリーチし、腹筋を稼働する) 3A) トールニーリングランドマインプレス(息を吐きながら、骨盤を上げ、腹筋を安定など) 3B) フロントプランク(肘を遠くにリーチ、3点接地など) お分かりのように、これらのエクササイズは全て、ある程度コアを発達させると同時にセッションを通して複数の姿勢とポジションを取り入れています。(垂直、ハーフニーリング、うつ伏せ、四つ這いなど) 最後の問いかけは、「孤立化した」コアエクササイズを全て使ってしまったらどうするのか? これはあなたがそのアスリートと複数年にわたって関わってきたとすれば、よくあることです。この場合、どこかの時点で「基本に戻って」再起動することに何の問題もありません。 もしあなたが、アスリートが長い間にわたって、プランクやデッドバグのような単純なエクササイズの実行を向上させられないと思っているとすればそれは間違っています。 それは良い本を、時間をかけて読み返すようなものです。本自体は変わりませんが、あなたは人間として変化していますから、本を読んで得られることは毎回違います。 トレーニングもそれと同じで、時間を遡って、それぞれすべてのエクササイズの価値を十分に引き出すことを恐れないでください。 失敗5 ウォームアップにトレーニングの背景を考慮したコアトレーニングをいれていない これは私が一番最近行っていた失敗であり、しばらくは繰り返したくない失敗です。 上記のプログラムの例を見ると、トレーニングセッションを通して複数の方法でコアを刺激しているのがわかると思います。 しかし、非常に大切なこと(私が失敗していたこと)は、ウォームアップの中にトレーニングの背景を反映したコアエクササイズを含んでいなかったことです。(ここでフィードバックをくれたタイ・テレルに感謝します−大変役に立ちました!) そもそも背景とはどういう意味でしょう? セッションでは、アスリートが鍛える動きや質をそのまま反映しているエクササイズを選ぶようにしてください。 例えば、パワーリフターがその日スクワットを行うとすれば、ウォームアップには、より多くのトールニーリングエクササイズを取り入れます。 トールニーリングは平行スタンスのコアトレーニングエクササイズであり、スクワットをする際に、体幹、臀部、骨盤をより適切なポジションに位置するのに役立ちます。 アスリートが直線的な加速に取り組むのなら、マウンテンクライマーやステップアップチョッピング、リフト系のパターンが役立つでしょう。 こういったエクササイズをトレーニングセッションの前に行うと、セッションがより生き、その日のトレーニングにおける姿勢・ポジションでコアを使うことができます。 私のことを少しでもご存知であれば、私が「かっこいい」のが好きでないことを知っているでしょう。エクササイズの選択となると考えすぎになることが多く、そのプロセスの中で動きや運動制御、あるいはその両方にマイナスの影響を与えてしまうことがあります。 しかし、トレーニングセッションの前に、アスリートに対して適切なコアの姿勢とポジションに関していくらかの背景を与えていれば、非常に大きい利益を得られるでしょう。

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アスリートが怪我をする3つの理由 パート2/2

#2 – ブレーキが効かない 私達が矢状面で固定されたとき、それはモビリティや高さを変えることを制限するだけでなく、私達を常に推進の状態においてしまいます。 試してみましょう: 立ち上がって腰のアーチを作り、胸を膨らませてください。どちらに体重移動しましたか? 感じてわかる通り、伸展は私たちの身体を前へと推進させます。繰り返しますが、これは私達に加速し、速く走り、高くジャンプすることを可能にします。 ですが、もしあなたのゴールが減速であったならばどうでしょう? 大きく切り返す為に、力を吸収し、そしてそれからまた爆発するとしたら? お分かりの通り、ポイント#1とポイント#2は密接に関係しています。もし曲げられないのであれば、あなたの身体は力を吸収できる状態ではありません。 それどころか実際はどんどんと悪化していくのです。なぜならジムでこなす膨大なトレーニングや競技場でのトレーニングは、ただこれを強化してしまうからです。 私達は持っているすべての能力や価値を数値に置き換えます – 40ヤード走がより速いか、より高い垂直跳びか、またはスクワットの新記録を樹立するかどうかなど。 悲しい事ですが、“コーチ達”が定めた価値観は、力の吸収に対してほとんど(または全く無い)力を注がず、力を生み出すことに力を注いでいるのです。 私達が取り組んでいるスピードと筋力、そしてパワーはもちろん価値のあることですが、専門家としてもっと自分に問いかけてみるべきではないでしょうか。 ただの数字や生産ではなく、それより速く、強く、そして回復力のあるアスリートを作り上げる為のプログラムはどうやって組み立てればよいのでしょうか? どう修正するか!! 私達の第1のゴールは屈曲を取り戻すことです。もし曲げられなければ、あなたの身体はいつでも推進状態になってしまうのです。 簡単な答えはバイオメカニカルシステムに働きかけてリセット、呼気を取り入れ、そして賢明なプログラム設定をすることです。繰り返しますが、大きな目標は、ストレスの軽減と全ての身体システムを高いレベルで働かせることです。 次のステップは減速と力の吸収を、年間通して強調することです。 ムーブメントの質が向上する(屈曲の向上を通して)につれて、身体が表現するムーブメントは全く別物になる可能性は高いでしょう。 あなたのスクワットはより “スクワット化”していき、より直立したものになっていきます。 あなたのヒンジはより “ヒンジ化”して、よりハムストリングに効きやすく、そして負荷がかかりやすくなります。 このように、アスリートが空間のどこに位置しているかを “感じる”手助けとなるように、ゆっくりとコントロールして動きに集中できる、ある程度の時間が必要なのです。 運動制御が向上したら、スピードを高める減速ベースのエクササイズに移ります。 スクワットをする代わりに、高所からの着地をしても良いかもしれません。 ラテラルランジの代わりに、ラテラルのジャンプ&ストップをしても良いでしょう。 ここでのゴールは、これらのムーブメントの質とコントロールの要素にスピードを追加することです。 アスリートがゆっくりとコントロールした状態でのパフォーマンスができて力を吸収できたならば、そこからは自由にアスレティックムーブメントをフル活用します。 これだけは強調してもしきれません– アスリートを正しく鍛える為に、最初のステップに時間をかけて下さい。 手順を飛ばしてはいけません。 焦ってはいけません。 正しいスタートを切れば、その先の何年もの間、アスリートのハイレベルでのパフォーマンスが約束されるでしょう。 #3 – 乏しい作業能力 アスリートが怪我をする最後の理由はシンプルです: 作業能力に乏しいのです。 それは前述の問題の延長として見ることができます。 アスリートはストレスを受けて矢状面で固定されます。 そして曲げる能力を失い、力の生産という状態に固定されてしまいます – 事実上力の吸収能力の破綻です。 この伸展ベースのパターンに固定されることで、私達を無酸素系エネルギー代謝(有酸素系代謝に対して)への過剰な依存へと導くことにもなります。 アスリートに全ての責任があるときもあります。 もしもアスリートがオフシーズンに何もせず、過体重とコンディション不良の状態でキャンプに現れたのならば自分以外誰も責めることはできません。 ですが、もしアスリートが努力したのに、取り組んでいるアプローチが失敗だったならば、その責任はコーチにのみあります。 近年のコーチングにおける大きな問題は、生理学と競技スポーツで必要とするエネルギー回路への理解の不足です。 有酸素エネルギーシステムは、以下のような重要な役割があるにも関わらず、近年ないがしろにされがちです: エネルギーを長い時間作り出せる(バスケットボール、サッカー、ラグビー、オーストラリアンフットボール等)、 無酸素系エネルギーを補給してくれる為、必要な時には素早く、そして爆発的になれる。 これこそ私が昔からジョール・ジェイミソンの熱烈な支持者である理由です。ジョールは様々なエネルギー経路と各々のシステムの能力を最大限に引き出すことにおいて素晴らしい功績を収めています。 どうやって修正するのか? エネルギーシステムトレーニングに真面目に取り組むことはあなたを成功に導くことにおいて、とてつもなく大きな一歩となります。ゲームの質を向上させる為に必要なステップを踏む事は称賛に値するでしょう。 マイナス面といえば:この議題を手短に解説するのは十分ではないということ位です! 代わりに、以前に執筆したエネルギーシステムの記事をチェックする事を強くお薦めします。 さらに、ジョール・ジェイミソンの記事もチェックしてみたください。ジョールが何度も繰り返して言っているのは、疲労した時もムーブメントの全体性/質を維持するということです。 忘れないでほしいのは、アスリートが疲れた時、彼らはたいてい矢状面に “ディフォルト化”してしまうということ。そして矢状面に依存するにつれて、より無酸素化していくのです。 より無酸素化するにつれてどうなるのか?どこに向かうかお分かりになりますね- 悪循環の始まりです。 許容能力を高めることだけでなく、同時に、質の高いムーブメントを維持しながら行うことにも注目をしましょう。 まとめ この記事は予想よりだいぶ時間がかかりましたが、これは2つの理由によるものです: これはとても幅広いトピックでテーマを絞る事は困難でしたし、 できる限り明確に伝えたかったからです。 トレーニングに関して、絶対というものは存在しません。 これは白か黒かではありませんし、善か悪かでもありません。全てグレースケールで、連続性があり、教育と知識に基づく推測なのです。 ですが、ここで述べた3つの理由は、間違いなく近年みられる傷害率において役割を果たすはずです。 そしてもしも我々が専門家として成長することに真摯で、その過程でできるだけ多くのアスリートを助けたいのであれば、身体作りにおけるこれら3つのエリアを可能な限り深く掘り下げて見る必要があります。 アスリートに曲げ方を教えて下さい。 力の吸収方法を教えて下さい。 そしてアスリートに競技特有の作業能力を与えて下さい。 もしこれができれば、次の世代のアスリートは、競技生活中もその後もより回復力を持つようになることを約束します。

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アスリートが怪我をする3つの理由 パート1/2

最近のアスリート達はかつてない程に高い割合で怪我をしているように思えます。 そして、更にもっと悲しいのはこういった怪我が一時的なものではなく、より深刻になってきているということです。 信頼できるデータを見ましょうか? 2016年シーズンのNFLの7週目において、40件のACLの損傷と32件のアキレス腱の断裂があったのです! 私は、傷害には様々な要因があると信じています。たとえばもし誰かが膝に大きなQアングルをもっていたとしても、これはACLを痛める唯一の理由ではないということです。 または誰かの“四頭筋:ハムストリング”の筋力比が良くないものであったとしても、それのみがハムストリング損傷を起こす結果となる唯一の理由ではありません。 生まれてからずっとスポーツを見続けて、この業界で16年働いてきた今、明らかに傷害率の上昇に関係する、いくつかの共通した手がかりを皆さんにお伝えすることができます。 そして怪我をいくつかの主要なエリアに “ボックス”として分類することが出来るでしょう。 アスリートは屈曲と “曲げる”能力を失いました。 アスリートは力を吸収したり縮小したりする能力を失っていて(i.e. “ブレーキング能力”に乏しい)、 スポーツのニーズや要求に見合う許容能力を備えていないのです。 これらのボックスをそれぞれ細かく見ていきましょう。そしてより強く、健康で回復力の高いアスリートを築く手助けとなる答えを提供していきましょう。 #1 – 曲げられない ランニングバックが切り返し動作で突進してくるのを想像しましょう。 ラインバッカーが彼を押さえつけてきます。ベストな選択としてしっかり踏ん張り、切り返して逆の方向に進むことを選択しました。 そこで彼はより強く切り返しに向かいますが、彼の身体のシステムは力を吸収するのに必要な股関節、膝、そして足首から曲げるということを許してくれません。 ですから曲げるかわりにブレーキをかけてしまい...この場合、ACLを断裂してしまったのです。 これは基本的なバイオメカニクスの域を超えた事象です。人間として、私達は絶えず変動する状態にあるのです。 私達の身体は、周りの環境や刺激にたいして常に解釈と適応をおこなっています。その間も、ホメオスタシスを維持する為に小さな微調整を繰り返しているのです。 ここで残念なお知らせがあります:私達は近年、過去にないくらいのストレスや不安、そして慢性的な炎症を起こしているのです。 これらのストレスや炎症は、バイオメカニクスの観点からみて、私達の身体にどのような影響を及ぼしているのでしょうか? 過剰なストレスや炎症は交感神経反応を引き起こします:闘争—逃走モードに入り、自分達を矢状面で固定することで生き抜く為の身体の準備をするのです。 もし森で熊に遭遇したら、この交感神経反応は必要になりますし、矢状面で自分達を固定したくなるでしょう。 呼吸が激しくなり、心拍数も上がり、血流は筋へと向かいます。そして身体を固め、速くまっすぐに走ることによってその状況から逃げ出すのです! そして森の熊から逃げ出し、万事うまくいったとしても(またはジムでパーソナルベストをだしたとしても)、その交感神経のシステムを一日中シャットダウンできなければ、それは非常に大きな問題になります。 自立神経系をラジオのボリュームノブに例えましょう。もしあなたがヘビメタのパンテラを聞きながら高重量の負荷を扱うのならば、ノブのボリュームを11まで引き上げたいでしょう。 しかし、もしあなたがアル・グリーンを聞きながらガールフレンドとゆっくりと落ち着きたいのであれば、11というボリュームは全く適していません。 ダイアルを4か5に合わせるべきでしょうね。 驚くほどのことではないですが、これは身体活動においても同じような仕組みなのです。善し悪しではなく、状況が重要となる“適切なタイミングと適切な場所”があるのです。 伸展は加速したり、真っすぐ速く走ったり、または相手を押したりする為に必要です。 屈曲は減速したり、高さを変えたり、モビリティを出す為に必要です。 もし曲げるという能力を失ってしまうと、高さを変える能力を失ってしまいます。 この単純なトリックを試してみて下さい: 立ち上がってスクワットスタンスをとってみてください。肩の横に手をおいてバックスクワットするようにして、下がりながら胸をつきだして腰のアーチを作って下さい。 空気を吸い込み、できるだけ深くスクワットをしてください。どれだけ深く下がったかを測るだけではなく、どう感じるかもチェックしてみてください。 それでは逆をやってみましょう。手を前方にだして遠くに伸ばします。肋骨を下げるように息を吐いて下さい。 ここで出来る限り深くスクワットします。そして先程同様深さと感覚をチェックしてみて下さい。 かなり違いますよね? 私があなたの可動性を上げたのでしょうか? もしくはあなたが最初からもっていたモビリティにアクセスすることができたからでしょうか? これをスポーツに置き換えてみましょう。バスケットやベースボールコーチはいつも “腰を下げろ”とアスリートに叫んでいます。 ですが、もしアスリートが単にこれをできないとすれば? もし彼らがかなりストレスを受けていて、つまり、かなり伸展していて彼らのシステム自体がそのタスクを遂行できないとしたらどうでしょう? どれだけアスリートを怒鳴りつけても意味はありません。奥に潜んでいるストレス要因にアプローチして、システムに働きかけて屈曲を回復させない限り、求めている姿勢をとらせることは不可能でしょう。 どう修正するのか! ではどうやってこれを修正していくのでしょう? 根底にある問題に取り組む代わりに、私達はアスリートを見て単純にこう言います: “この選手は硬すぎる-だからモビリティトレーニングが必要です。一ヶ月程ヨガをやらせれば良くなるはずですよ。” これでは破裂した大動脈に対してバンドエイドを貼るようなものです;くっつくはずがない! この交感神経優位/バイオメカニクス的に伸展したパターンにアプローチする1番簡単な方法は選手に曲げ方を教えること。そして曲げ方を教える1番簡単な方法は息の吐き方を教えることです。 呼気は屈曲を引き起こします。これは身体に、下部肋骨と骨盤の理想的な関係を回復させ、“闘争—逃走”モードから抜け出すことを可能にします。 更に、一旦屈曲が起きると、身体にもう一度オプションを与えることができます。これはアスリートに矢状面から抜け出し、そして(願わくば)前額面と水平面の動作を回復することを可能とするのです。 ですから息の吐き方と屈曲を学ぶことはとても素晴らしいスタートです。ですがここから更に深く掘り下げなければなりません。 私は担当する全てのアスリートと、パフォーマンスピラミッドについて話し合いの場を設けるようにしています。 私は、彼らの基礎となるピラミッドの1番下のレベルに重点を置くようにしています。 栄養があり力の源となる健康的な食事を摂っているか? しっかりと深い眠りにつけているか? ジム以外でのストレス要因にしっかり対処できているのか? 早い時期に、これらの問題に取り組むことができないと屈曲して曲げる能力にマイナスの影響を与えるだけでなく、リカバリー全体に悪影響を及ぼします。 曲げる能力の欠如は大きな問題であり、次にあげる要素にも直接影響を与えます。

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多忙な人のための4×15アスレティックワークアウト パート1/2

事実#1:現代の人は皆忙しい。 事実#2:事実#1は恐らく変わることはない。 事実#3:例え事実#1と#2を受け入れたとしても、素晴らしいトレーニングセッションを行う方法を探す必要がある。 長年、“完璧な”ワークアウトの概念について頭を悩ませてきました。 もし1.5-2時間のトレーニングをする時間がなければ、トレーニングする価値は全くなかったのです。 しかし、人生においてトレーニング以外(例えば子ども、仕事など)のことが自身のトレーニングよりも優位を占めるにつれ、すぐに何かを変える必要があることに気づきました。 無制限でトレーニングできる時間を持っていた日々は単に過ぎ去り、私は自身のトレーニングセッションと共に、トレーニングに対する考え方を進化させることが必要になりました。 4×15ワークアウトは、今や2年間断続的に取り組んできたものです。それは一つ一つのトレーニングセッションの組み合わせ方法ではなく、身体の準備に関して、素早く簡単に大まかな項目すべてを確認する方法です。 では、4×15ワークアウトとは何でしょうか?質問してくれてありがとう。 要するに4×15のワークアウトとは 結局のところ、私はほぼ毎日、60分トレーニングする時間があればラッキーです。 昔は、そのうちの10分間をウォームアップに使い、残りの50分でウエイトを持ち上げていました。 しかし、私の考え方が進化するにつれ、トレーニングも進化していきました。 今では、単にウエイトを挙げるということではなく、あらゆるアスレティシズムを持つということです。 見た目も感覚も良いということ。 そして、日々の生活における需要に見合うエネルギーを持っているということ! つまり、すべての時間と労力をウエイトリフティングにフォーカスする代わりに、シンプルかつ柔軟であり、動きやパフォーマンスに関してそれぞれの大きな項目すべてをチェックできるシンプルな枠組みを作ったのです。 私の中では、次の4つの項目があります: 可動性と動きの準備 スピードとパワーの向上 筋力、そして コンディショニング では、これらすべての項目をどのように組み合わせるのでしょうか? 結局のところ、1時間はそれほど長い時間ではありません。 しかし、物事を適切に組み立て、ジムについてすぐにフォーカスを持って取り組めば、たった60分でも多くのことをすることができるのです。 これら4つの項目をチェックするために、4×15のワークアウトを4つのトレーニングブロック、またはセクションに分け、それぞれに15分ずつを割り当てました。 このような感じです: ブロック#1−ウォームアップ、リセット、可動性トレーニング ブロック#2−スピードとパワーの向上 ブロック#3−ストレングス ブロック#4−コンディショニングとリカバリー 恐らく、皆さんも、すでにこれに似たような感じでトレーニングを組み立てているでしょう。もしそうであれば、素晴らしいです! もっとも大きな要素は、不必要を少しずつ省くことであり、何が何でも60分ですべてのワークアウトを終了させることなのです。 一方で、それらのエリアのうちの1つか2つのみにフォーカスしているのであれば、このプログラムがアスレティシズムのすべての項目をどのようにチェックすることができるのかを気に入ると思います。 プログラムの概観がわかったところで、この枠組みを使って、どのようにあなた自身に、クライアントに、アスリートに素晴らしいワークアウトを作成するのか見ていきましょう。 ブロック#1−ウォームアップ、リセット、可動性トレーニング 幾分“古い”リフターとして、私はこのようにお伝えします: この段階において、ウォームアップをすることや身体的にトレーニングの準備をすることに交渉の余地はありません。 昔は2つ3つの可動性ドリルで身体をゆるめ、動く準備ができましたが、年齢を重ねるに連れて確実により多くの過程があります。 私にとって、これは通常2~3個のポジショナル呼吸ドリル、あるいは、始めるためのリセットが含まれます。そうすることで、空気を必要な場所へ送り、その日身体をどのように動かしていくのかの目安を与えてくれます。 そこから、余分を省いた残りの時間を使って、可動性と動きのサーキットを始めます。 15-20分の孤立化したウォームアップをするよりも、しっかりと全身を動かし、振動させることのできる効率の良い組み合わされた動きが必要であると強く信じています。(私の膨大な量の投稿であるウォームアップが理解を助けてくれるでしょう) 最後に重要なこととして、可動性とパフォーマンスの“ギャップを埋める”エクササイズと可動性のドリルをよく一緒に行います。つまり、単にニーハグを行う代わりに、ニーハグとAスキップを組み合わせて行うのです。 ただラテラルランジをするだけでなく、ラテラルランジに続けて、ラテラル・ディフェンシブシャッフルを行います。 このようにウォームアップを組み合わせることで、素早く終了できるだけでなく、アスレティックボキャブラリーの再構築もできるのです。

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