ニュートラルネック

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地面を基盤としたコアトレーニング パート1/2

「スポーツは立ってプレイするものだ!」 「立っていなければ、機能的ではない!」 「生活は3次元 - 回旋動作を忘れるな!」 ある程度の期間トレーニングを続けている人ならば、上記の一つ(あるいは全て)のようなを言葉を聞いたことがあるでしょう。 誤解しないでください – これらの文章には間違いなく正しい部分があります。 でも全てが正しいわけではなく、これは誰にでも当てはまることです。 では、なぜ地面を基盤としたコアトレーニングが多くのアスリートにとって良い考えであるのか、そして、ジムで今日から使えるエクササイズをいくつか紹介していきます。 コアトレーニングのプログレッション 私たちすべてにとって、最終的な目標は、実生活に役立つ「コア」エクササイズをすることです。 スクワット デッドリフト オーバーヘッドプレス これらについては議論の必要はないでしょう。でも、次のような疑問が浮かびます: クライアントは身体的にこのエクササイズをする準備ができているのか? クライアントはコアを安定させるのに最適な方法を身につけているか? 股関節屈筋や脊柱起立筋を主要筋として使い、伸展位に固まってしまっていないか? この状況は、「オープン」や「はさみ」姿勢と呼ばれるもので、身体の後面の筋群のみを使っているだけではなく、身体を安定させようとして、脊椎の後面(椎骨と椎間板)を押しつぶしてしまうため、理想的ではありません。 あなたやあなたのクライアントがこれに当てはまるのなら、コアを安定させる技術をしっかり築く必要があります。 典型的な、プログレッションの段階は下記のように表せます。 伏臥位/仰臥位  ・ 四つん這い ・ 片膝立ち/両膝立ち ・ 直立 見ればわかる通り、最終的な目標は立つこと、または、スクワット、デッドリフト、オーバーヘッドプレスのように垂直姿勢でのコアエクササイズを行うことです。同様の記事をこちらからも読むことができます。 でも、もしこれらのエクササイズにより痛みが生じるとしたらどうでしょう? あるいは単純に、効率が悪く、全然進歩できていないとしたら? そのときは、進めてきた段階を逆戻りするときだと思います。 片膝立ち、および、両膝立ちの姿勢は、代償動作を避け、最適な安定性のパターンを築かせるための素晴らしいポジションです。こちらは、両膝立ちのポジションや、片膝立ちのポジションが良く分からない方のための短いビデオです。 これでも上手くできない人がいます。指導をする際に、しつこくポイントを指導し続けなければならず、それでもなおできないという場合には、四つん這いのポジションに戻ります。 もし、四つん這いのポジションでもできないとしたら?それが、最初の一歩:うつ伏せと仰向けのエクササイズに戻るときです。 なぜうつ伏せや仰向けでのコアエクササイズをするのか? うつ伏せや仰向けでのコアエクササイズは、地面を通じて、外部からの安定性がかなり得られるため、理想的です。 考えてみてください。立位では、身体が空間のどこにあるかを感じることができる唯一の「外部」からの手がかりは、足です。足で感じることができなければ、身体がどこにあるかわかりません! 上記で紹介したプログレッションを逆向きに遡っていくと、身体が空間のどこに位置しているのかを理解するのに役立つ、外部から得られるフィードバックがどんどん増えていきます。 うつ伏せや仰向けのポジションは、外部からのフィードバッグがたくさん得られるだけでなく、外部からの安定性も得ることができるため、その際たるものです! 上記で述べたプログレッション(垂直姿勢、両膝立ち、片膝立ちなど)は、赤ん坊が最初の一年で経験する成長の過程にも当てはまります。私は、この分野の専門ではありませんので、詳細ついては、ビル・ハートマンやグレイ・クック、チャーリー・ウェイングロフらに任せたいと思います。 ここでのポイントは、まず矢状面の動きを習得することです。たとえば、テーブル上で、クライアントやアスリートを評価するとき、股関節の内旋が不足していたとします。 従来のアプローチでは、単純に内旋を増やすためのストレッチをして、動きを取り戻そうとします。これは、可動域は増えるかもしれませんが、靭帯や関節包のような受動的な制限を取り払った代償としてかもしれません! 私たちはよく、可動域の制限を見ずに、動きを制限している悪いスタートポジションだけを見てしまっています。 そこで、ストレッチをする代わりに、まずエクササイズの開始位置を変える、または、「リセットする」ことを試みてみます。これは、骨盤や腰椎をより理想的な位置に持っていくためです。こうすることにより、すぐに可動域が変わるのであれば、まずポジションを正す必要があるということがわかります。 かなり遠まわしな言い方になりましたが、関節(この場合、骨盤と腰椎)を通じて、理想的な矢状面の機能がなければ、前額面や水平面の可動域を十分に得ることは難しいでしょう。 次回の記事では、コアの前面を発達させるのに有効な、仰向けのエクササイズに重点をおきます。多くのクライアント(およびアスリート)は、様々な角度の、腰椎伸展/前傾がありますが、コアの前面が強く安定していれば、これを正し、伸展をうまくコントロールすることができるようになります。

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地面を基盤としたコアトレーニング パート2/2

地面を基盤としたコアエクササイズ 一週間少し前に、IFAST(著者のトレーニング施設)で、新しい遠距離のクライアントのトレーニングを見ていました。彼女には、まず矢状面の動きを習得してもらいたかったため、常に仰向け/地面を基盤としたコアエクササイズを、かなり多くプログラムに取り入れていました。

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広背筋:味方か敵か?パート1/2

広背筋はよく深く崇拝される筋肉のグループです。 ほとんどの男性はあの“先細りしたVの型”でムキムキに見られることに夢中です。 女性にとっては、自分の体重を動かせるという事がとても力づけられることのようで、IFASTを訪れる女性には、懸垂をできるようにゴール設定している方が非常に多いのです。 しかし、全ての広背筋はキレキレでなければいけないのでしょうか? そして、もし広背筋を取り囲む前後にある他の筋肉とバランスをとらなければどうなってしまうでしょう? それでは広背筋通りを旅して、何が学べるかみてみましょう! 広背筋の解剖学と機能 広背筋は身体の中で最も大きな筋肉グループのひとつです。付着部位のひとつは上腕骨の前面にあり(上腕の骨)、他の付着部は、胸腰筋膜を横切り、腰部、骨盤上部、そして仙骨になります。 もしインターネットで、広背筋が行うことの情報を調べてみようとすると、おそらくこのような事を見つけるのではないかと思います。 肩の内旋 – 腕/手を内側にまわす。 肩の伸展 – 頭上の位置から腕を下/後ろに降ろす。 肩の内転 – 腕を身体の中心線に向けて動かす。 しかしこれらは非常に限られた考え方です。多くの場合我々は筋肉が遠心性(筋肉の伸長時)において行うことよりも、単に求心性(筋肉の短縮時)に注目しすぎてしまっているのです。 上記のものは全てその通りなのですが、広背筋はこうでもあると言えます: 肩の外旋に抵抗、もしくはコントロールする。 肩の屈曲に抵抗、もしくはコントロールする、そして 肩の外転に抵抗、もしくはコントロールする。 しかしこの見方でさえも、広背筋が行うことを公平に表してはいません。単純に腕の動きをみるのではなく、広背筋が骨盤や腰椎に与える影響を見てみてはどうでしょうか? 広背筋の腰部や骨盤への連結により、腕を頭上にあげた時(懸垂やオーバーヘッドプレスを行うような時)、あなたは広背筋をストレッチ、もしくは伸長させています。 もしあなたが腰部や骨盤を適切にコントロールできないとしたら、何が起こるのでしょうか? もし広背筋が固すぎたら? 答えは単純:骨盤が前傾し、腰椎前弯が増加します。 皆さんお分かりでしたよね?そうだと思いましたよ! あなたは機能不全ですか? 腰椎前弯のクライアントやアスリートは、一般的に広背筋も固いですが、どうすれば、これを確実に知ることができるでしょうか? 不十分な頭上への挙上 もし手軽な評価方法を自分自身に行いたいのであれば、これを試してみてください。鏡に対して90度の角度で立ち、腕をできるだけ高く持ちあげてください。 コアや腰椎の位置を犠牲にすることなく、腕を完全に頭上に挙上(~180度)させることができるべきなのです。 もし、頭上への挙上ができたけれど、腰をそらしたり、届かせる為に肋骨下部を広げたりしたのであれば、申し訳ないですが、あなたにはやらなければならないことがありますよ。 次の質問は必然的に “どうしてこんなことになったのか?”、もしくは“こんなことになるのに、一体何をしたのか?”となります。 明らかな最初の選択はプログラミングでしょう。背面上部と広背筋を鍛えるのに多くの時間を費やしてきた殆どの人は、その部分が固くなっています。これはかなり明らかなことでしょう。 しかし、時には、広背筋は道連れになっていることで固くなるということもあります。 もしあなたが、腰椎の伸展を強調したリフト(デッドリフト、グッドモーニング、RDL、バックスクワット、など。)を非常に多くの回数行っているとしたら、広背筋はそれらの副産物として固くなり得ます。 こう考えてみてください。もしあなたが、常時骨盤前傾で、腰椎前弯が強調されているとすれば、どこかの時点で、あなたの身体はこれが普通だと判断するようになります。ですから脊柱起立筋が固く短くなるのと同じように、広背筋も固くなり得るのです。 最後に、もし呼吸が上手に出来ないのであれば(股関節屈筋群/傍脊柱筋優位の戦略を使っている)、繰り返しになりますが、常に悪い位置に置かれている副産物として広背筋は短縮位に固められてしまっているのです。 その上で20,000回の呼吸を一日に行うわけです。もし呼吸に問題があるのであれば、明らかにこれも対処をしなければならないことになります。 あなたが機能不全かどうかに対して、より良いアイデアを持つことができたところで、今度は、少し構造のバランスが大事であるということについて話をしましょう。 良い状態の広背筋が悪くなるとき 最近、肩のモビリティーがとてつもなく悪いクライアントが沢山、私のジムを訪れています。 最も明らかな例としては元IFASTのインターンであるパトリック・カスティリャ、またの名を”パット ザ ラット(広背筋のパット)です。パトリックは、どんな時でも15-20回の懸垂ができました。さらに彼は、インターンを終える頃には、ベルトなしで500パウンドのデッドリフトも行っていました。 彼は明らかに強いわけですが、彼の動きの質は、望んでいるものには、まだ何かが足りませんでした。 このインターンシップの終わりに向けて、我々は彼の肩のモビリティーを取り戻すことに、朝の時間全てを費やしました。エリック・オッターと私はアセスメントルームにこもり、彼の肩のモビリティーを再発達させる為にできることを全て行いました。 そして、テーブルの上で、彼は全てのモビリティーを取り戻しました。私達は全ての多様な肩の可動域を通して彼の肩を動かしましたが、彼は大丈夫だったのです。 しかし、彼が再び床の上に立ち、活動的に彼自身を安定させる為にコア/体幹を使い始めると、すぐに彼はそれを“失って”しまいました。 この話の教訓はこうです: 大きく、固い広背筋を埋め合わせる、強く安定した腹筋がなければ、あなたはトラブルにまきこまれる。

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広背筋:味方か敵か?パート2/2

コア/体幹の安定性を伴った肩の動きを鍛える私のお気に入りのエクササイズのひとつは、昔からあるダンベルのプルオーバーです。 ここでのゴールは肋骨を広げたり、これ以上ない位に脊柱をそらせることではありません。私達は1960年代のボディビルディングについて話している訳ではないのです(全世代通じて最も優れた体格の持ち主もいますけれどね!)。 その代わり、下に記述している二つのバリエーションは広背筋を抑制したり/もしくは伸長したりするだけでなく、コアと腰椎を通じて安定性を保ちながら行うことができます。 ダンベル、もしくはケトルベルを手に持ち、仰向けになります。もしスリーマンスポジション(3ヶ月ポジション)を行っているのであれば、股関節と膝を屈曲させて、腰部をリラックスさせましょう。もしもサポートバージョンで行っているのであれば、足をエアレックスパッドの上に置くか、せめて足を臀部にできる限り近づけましょう。 スタートポジションから、力強く息を吐き腹筋を働かせます。他の指示としては、首の後ろ側を伸ばすというのがあります。ゆっくりとケトルベル/ダンベルを頭上に降ろしていき、背中は平らで腹筋が働いているように気をつけます。 もし動きのどこかで、背中が反ったり、伸展させたりしている感じがある際には動きを止め、再びスタートポジションに戻ります。 私はこれをレップで行ったり、ストレッチされた/中間点の位置で(ビデオで示されているように)3−5秒停止するといった、よりゆったりとしたレップで行ったりします。大きな呼吸を1、2度行いスタートポジションに戻ります。 これらのエクササイズは腹筋を直撃するだけでなく、本来のオーバーヘッドのモビリティーも向上させることができます。 広背筋をトレーニングする ひとたび上記のエクササイズをマスターしたら、懸垂に戻る時です。 広背筋をムキムキにしたければ、懸垂を行わなければならないということは皆知っていることです。これは説明する必要もありませんよね。 でもこれは、私がクライアントをスタートさせる典型的な方法ではありません。 何よりもまず、私が懸垂を教える時は、さほど広背筋の発達具合は気にしておらず、僧帽筋下部の強さと発達を気にします。 非常にシンプルなことですが、私は単に顎がバーを超えるようなことはして欲しくありません ー 胸がバーに触れるようにして欲しいのです! ゴールは単に広背筋を発達させることではありません。僧帽筋下部の筋肉も発達させて、どのようにして肩甲骨を下制するのかも教えたいのです。 複雑にきこえるかもしれませんが、実はそうではないのです。 残念ながら、多くのクライアントは、僧帽筋下部が強くないために、バンドを使ってアシストする懸垂のバリエーションですら行える状態ではないので、私は更に一歩後退させた形で行います。こういった場合には、片膝立ちと両膝立ちが素晴らしいバリエーションになります。 片手の片膝立ちで行うラットプルダウンの場合、この順番でおこなうことでいくつかの利点があります。 引く角度はより肩に優しくなります。真のオーバーヘッドの動きに対して、45度の角度に保つことができれば、モビリティーは、さほどの問題ではなくなります。 “肋骨を落として”という指示だしを染み込ませ始めることが出来ます。オーバーヘッドの動きを行う時、肩にモビリティーの問題があるのでしょうか?それとも腰部/骨盤の安定性の問題でしょうか?前提として、これらの両方の問題があるのです ーですから両方改善しましょう。この指示が役に立ちます。 適切な肩甲骨の動きを教えることができます。本来の肩甲骨の下制は多くのクライアントにとって未知のコンセプトですから、45度の角度から始めることで、そのギャップの橋渡しを行います。これは “後ろに引いてから下に下げる”というような動きになります。 そして最後になりますが、より安定性があります。 両膝立ちのことを私はしばしば”コアアイランド(コアの島)”と表現します。ですから、初期段階で(片膝立ちを通じて)もう少し外的安定性をもたらすことは悪いことではありません。 ひとたび片膝立ちバージョンをマスターしたら、両膝立ちに移行しましょう。この漸進を嫌がる人もいるかもしれませんが、これはやりがいのあるエクササイズだと思います。正しくコーチングされ、指示出しをされていると仮定すれば。 ここで着目する重要なことは以下を含みます: 腰椎/骨盤がニュートラルとなるように強く息を吐くこと、 エクササイズを通して肋骨を下げること(特にトップポジションに戻る時)、そして 中間点で肩甲骨を引き寄せること。. 漸進の全行程は以下のようになります: 片手、片膝立ちのラットプルダウン 両膝立ちのラットプルダウン バンドでアシストされた懸垂 ネガティブチンニング(懸垂) 懸垂 この漸進の順番に沿って行うことで、広背筋を発達させるだけでなく、更に重要なこととして、僧帽筋下部も鍛えられます。 要約 あなたのゴールがスポーツのフィールドで獣のようになることでも、開いた口が塞がらないような肉体を手に入れることであろうと、それがまるで自分の仕事であるかのように懸垂をやりまくることであろうと、広背筋は素晴らしい筋肉グループです。 しかしながら、広背筋をチェックするために不可欠な腹筋と僧帽筋下部も同時に鍛えることなく、素晴らしい広背筋を作り上げることは、あなたをトラブルに巻き込むことになるでしょう。 どうぞ可能な限り、強く、そしてマッチョになってください。しかしその過程で、健康を維持するための細かいことも追加してみてください。そうすれば、あなたの身体はあなたに感謝してくれるでしょう!

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まずは矢状面

“人生は3D!” “スポーツをするためには回旋が必要!” “本当のトレーニングは前額面、横断面上で始まる!” もしこのセリフを以前にいくつか(あるいは、すべて)聞いたことがあるなら私を止めてください。 今日の投稿の目的は、トレーニングをつまらなくするためではありません。この目的はあなたができないことを伝えることでもないのです。 むしろ、皆さんがプログラムに、より画期的なものをとり入れる前に、するべきことを伝えることを目指しています。 学校にいくと、まず、足し算や引き算といった算数の基礎を習います。 それらをマスターしてから、今度は代数学、幾何学、微積分などのより難しい分野に移っていきます。 つまり、これら算数の基礎は、より高次元の数学において習うことを適切に用いるために、前もって知っておく必要がある必須条件なのです。 そして、われわれのトレーニングにおいても、必須条件があるというのが私の意見です。 とても単純なことですが、最も基本的である、矢状面での動きをマスターしていないクライアントがほとんどであるのに、なぜ私たちはこれほど多くの時間を前額面、横断面上でのトレーニングにあてているのでしょう? 各面上での動きの簡易入門 この投稿を書き始めてから、各面上での動きについてあまり良く理解していない方もいるだろういうことに気づきました。皆さんが理解していると推測するのではなく、簡単な説明が役に立つのではないかと思います。 矢状面 ― 前後で起こる動き。スクワットやデッドリフトなどを考えてください。 全額面 ― 左右で起こる動き。ラテラルランジ、または、サイドステップを考えてください。 横断面 ― 回旋を伴って起こる動き。メディスンボールエクササイズやロシアンツイストを考えてみてください。 では、ここでもっとも重大は誤解の一つは、トレーニング効果を得るためには示された面上で実際に動かなければならないということです。 例えば、前額面上でトレーニングをしたいなら、ラテラルランジをしなければいけないとトレーナーやコーチから言われるかもしれません。 しかし、一般的なランジやスプリットスクワットをするとき、あなたは自分の膝をコントロールし、膝が左右に振れないように、または、内や外に回旋しないようにしているという事実があります。つまりそれは、文字通り、前額面と横断面上の動きをコントロールするようにトレーニングしていることになります。 すべてのエクササイズは矢状面、前額面、横断面上での動き、または、安定性の要素を持っているということを主張したいと思います。 高重量のランジにおいては、すべての面上での安定性が必要になると言えるでしょう。 重要なのは、スクワットやデッドリフトのようなパワフルな動きでは、矢状面での動きに焦点が当たっているものの、それらの動きには、常に前額面、横断面上における安定性の要素が幾らかあるということです。 これに対して、スプリットスタンスや片脚支持でのリフト動作では、矢状面での動きになるものが多いとしても、バランスをとるために、前額面、横断面における安定性がより必要になります。 なぜ矢上面が先なのか。 ここで、ちょっと私に調子を合わせてみてください。新しいクライアントがあなたのところに現れます。クライアントの姿勢を評価し、骨盤の顕著な前傾と腰椎の前湾増加を見つけます。 前額面、横断面における動きの制御の仕方に関する、素晴らしい週末のコースに参加したところです。そこでは、すべての3Dの素晴らしい動きをプログラムに組み入れる方法も習いました。 さて、どうしますか? これをすぐにトレーニングに活用したくなる要求に抵抗してほしいと、切に願います。その代わり、第一に、直すべき必要があるところを直してほしいのです。 機能的な観点からこのことを考えてみてください。 骨盤の前傾や腰椎の前湾がある場合、その人がどのように回旋をおこし、また、コントロールするかに関する数多くの側面を変化させます。 骨盤の前傾は大殿筋を伸長し、そのため、外旋の力を効果的に発揮できなくなります(または、内旋のコントロールを効果的にできなくなります) 内側と外側のハムストリングス、内転筋と外転筋などのアンバランスを見つけるでしょう。 “コア”を安定させるために、腰椎周りの筋肉を能動的に動員する(動的安定性)のではなく、腰椎自体が働いてしまいます(静的安定性)。 これらは、ほんの幾つかのことですが、更に大きなことに繋がっていきます: 矢状面で上手に動けなければ、前額面、横断面上でも上手に動くことができないと断言できます。 前後に上手に動けることは、左右、または、回旋を伴った動きを上手に行うための必須条件になります。 トレーニングのスペクトラムのどこに位置しているかにかかわらず、これは非常に重要なことです。 傷害予防の観点から考えると、骨盤や腰椎をニュートラルに近い状態にすることは腰や股関節、膝へのストレスの軽減につながります。 パフォーマンスの観点から考えると、スポーツパフォーマンスに関する2つの重要なエリアを解き放ったことになります:強く安定したコア、可動性がよく、大殿筋が駆動する股関節。 しかし、スポーツに関してはとはどういうことでしょう? おそらく皆さんがこの質問をするでしょうから、今からそのことについて話しましょう。 もし選手(減量したいクライアントとは対照的に)が上記の姿勢でやってきたとしたら、すぐにトレーニングの仕方を変えたりはしません。 考えてみてください:ウエイトルームで人々をトレーニングするもっとも大きな理由は、修正が必要なところを修正するためかもしれません。 もし彼らが前額面、横断面で上手に動いていないとしても、改善させることを望んで、その面で彼らをトレーニングし続ける必要があるのでしょうか? 実際に改善をみることはできるでしょうか?もちろん見られます。単純にだれかの動きを適切にトレーニング、または指導することは、示された動きを改善することに役に立つでしょう。 しかし、私は、まず最初に、彼らの矢状面における姿勢、アラインメント、安定性を改善することができれば、それ以外のことは、ほんの少し、あるいはまったく指導しなくても改善されてくることを知っています。 このことが、私がトレーニング初期にポジションの後退を使うのが大好きな理由の1つです。両膝立ち、片膝立ち、四つ這い、または、仰向け、うつ伏せであっても、矢状面でコントロールさせることで、それが異なった姿勢やポジションに影響していくことを知っています。 まとめ トレーニング(クライアントや選手のトレーニング)を段階的に考え始める。 その段階の一つは動きの面であり、矢状面の安定性と制御が基本になります。 最初に矢状面の動きをマスターする。そうすることで、それ以外の2つの面上での動作が上手になり始めることに驚かされるでしょう。

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強い膝の3S パート1/2

8年前、膝に怪我を負ったことにより、私の身体に対する考えは劇的に変化しました。 若く健康的な時は、それを当たり前のように受け止めてしまうのかもしれません。 しかし、もしもあなたが身体の関節になんらかの問題を抱えた経験があるならば、身体をきちんと動かせて、気分良く居られることの重要性にすぐに気づくのではないでしょうか。どの関節であっても、そしてそれが軽度の怪我であっても、日々の生活における身体機能に、かなり大きな影響を与えうるのです。 最近あまり話をすることはありませんでしたが、私は人々の膝の機能を向上させることに対し、以前と変わらぬ情熱を持ち続けています。そして過去数年間に、膝の機能を最適化することについて、何かしら有益なことを学んだと思います。 長い前置きでつまらなくしてしまうよりも、早速記事の主要部分に触れていきましょう。もしあなたが防弾仕様の膝を望んでいるなら、あなたは適切な場所にきているのです! 私は、誰かの静的姿勢のアライメントを見るだけで、その膝について多くのことを把握することができます。 多くの人が膝だけに目を奪われがちですが、私は、膝を気持ち良く動かすための基盤があるかどうかを判断するためには、膝よりも上位と下位の部分に着目する必要があると考えています。 新しいクライアントの静的姿勢を見る際に、下記の関節をすべて見るようにします: 腰椎 骨盤 股関節 膝 足首と足部 全身は継ぎ目のない、結合した単位として活動しているので、膝の機能は膝の上位と下位の部位の問題により大きく影響を受けます。 アラインメントを向上させるため、私は、健康な膝の”3S”というアイデアを使ってみたりしています。その3Sとは: 矢状面で積み重ね (STACK) 前額面で滑らせ (SLIDE)、そして 水平面で回旋する (SWIVEL)、ことです。 それではこの3つについて、もう少し深く触れていきましょう。 #1 – 膝を積み重ねる 足首、膝、股関節を矢状面で正しく積み重ねることが、最適な膝の機能を得るための最初のステップです。 もし、骨盤が前傾していて、股関節がかなり屈曲してしまい、膝が真っすぐに伸びない状態であれば、間違いなく膝を痛めることでしょう。 膝は馬鹿な関節だ、というのは、私が何年も使い続けている表現です。股関節と足首・足部の複合体は、膝の位置を決定づけるのみでなく、何が出来るかということも決定つけます。 このようにも考えられます: 私たちは皆この言い習わしを聞いたことがあるでしょう。「母の機嫌が悪ければ、皆の機嫌も悪い」 これを膝に例えると、「あなたの股関節と足首の機嫌が悪ければ、膝の機嫌も悪い」 股関節伸展と膝屈曲の不足 これに関しては、膝の強化エクササイズに関するブログでも既に広範囲に記述をしましたが、ここでもう一度まとめてみましょう。 目標は、骨盤、股関節、膝、足首をそれぞれの上にしっかりと積み重ねることです。 これら全ての関節で、充分な可動域と筋力、矢状面でのコントロールができればハッピーな膝を得る基礎を築くことになります。 残念なことに、何年もの間私がみてきたクライアント達は股関節の伸展の制限を克服するのに苦労してきました。私のクライアントの多くは股関節の屈曲筋と腰椎の伸展筋をそれぞれ毎日2万回呼吸するために使っているわけですから、股関節の伸展を充分に得るのは簡単なことではありません。 呼吸にフォーカスを当て、改善させるということはIFASTにおいて大きく流れをかえるものでした。 3、4年前、私たちは適切なことを沢山おこなってはいたものの、呼吸は失われたリンクとなっていたのです。 もしあなたが真剣に股関節の伸展を改善させようとしているならば、まずは呼吸の改善をしなければなりません。もし呼吸が改善できないとしても、ある程度までは漸進するかもしれませんが、最終的には、達成可能なことへの限界がきてしまいます。 座ってこの記事を書いていると、より頭の中がはっきりしてきます。この過程は段階的に進んでいきくのです。 呼吸のパターンを改善させます。そうすることにより股関節の屈曲筋や紡脊柱筋を呼吸のために使わなくてすむようになります。まずこれがによって基礎が築かれます。 股関節の屈曲筋と傍脊柱筋を、フォームローラーで弛めたり、ストレッチしたり動かします。呼吸が最適化されているために、これらもより効果的になります。 最後に臀筋、ハムストリングス、体幹の前面を強化します。 私たちは常に2と3は行っていましたが、1を最初に入れることにより、その後のアプローチのための確かな基礎を手に入れることができるようになりました。 そしてもっと重要なことは、根底にある問題を取り扱うことで、あなたが実現使用としている変化そのものをより定着させることを可能にします。 股関節の伸展は重要ですが、膝の伸展もかなり重要であるということを強調したいと思います。 膝に問題があるクライアントの評価において、膝の可動性がとても悪いケースがとても多くみられます。 膝関節では5-10度の過伸展が得られるべきであり、そのエンドフィールは柔らかくあるべきです。 膝に問題がある人達は可動域が充分にないだけでなく、エンドフィールが硬くスムーズではありません。 膝の伸展制限はいくつかの問題に起因します: 骨盤のアライメントの悪さ(過度の後傾あるいはスウェイバックの姿勢) 大腿四頭筋の筋力不足 ハムストリングスの硬さ ふくらはぎ(腓腹筋)の硬さ または スーパーフィシャルバックライン(筋膜)の硬さ もちろんそれ以外にもあるでしょうが、要点はわかっていただけたと思います。要因は沢山あり得るのです! 誰かがこのような状態を呈している、その理由は何かということを100%間違いなく知りたいと思いつつも、最終的に、私の一番のフォーカスは、その人の膝の伸展を何としてでも取り戻す、ということにあります。 私が膝伸展に制限を持つ人を指導する場合、下記の様式を導入したいと思います:

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強い膝の3S パート2/2

#2 – 膝を滑らせる 矢状面での動きを習得してしまえば、次に前額面での動きに進む必要があります。ある人の膝のアライメントを横から見たときには良くて、正面から見ると明らかに前額面、水平面での機能不全があるというケースがよくあります。 これは以前IFASTで私達が指導していたクライアントの写真です。 この若い男性は「ハムストリングスの固さと成長期痛」があると有名な膝専門医に診断されましたが、あくまでその評価は膝の関節にのみ焦点を当てたものでした。 ハムストリングスの固さと成長期痛? もし一歩下がって大局的に見ることができれば、彼には、私達が取り扱い、改善することができるアライメントの問題があることに、皆さん同意されることと思います。 前額面を見る際には、骨盤と股関節の真下に膝関節がくるようにすることがゴールになります。 もしそれが前額面だけの問題であれば、股関節外転筋群と内転筋群のバランスをとることができれば充分でしょう。簡単に説明すると、前額面での機能障害は2つのカテゴリーのうちのどちらかに当てはまります。 外転筋群の硬さ/短縮、内転筋群の伸張/弱さ 内転筋群の硬さ/短縮、外転筋群の伸張/弱さ 例えば、あなたの左の股関節の外側が硬いと、左の股関節の外転筋群が身体を右側に押し出します。そして、これが左股関節の内転筋群を伸張させます。右側では逆のことが起こります。 この問題に気づけば、私達のスタンダードなツールボックスが 適切な筋肉の状態を取り戻す為の基礎(軟部組織ワーク、活性化ドリルなど)を築くことを助けてくれます。 しかし、重りを持つような、楽しいことを実際にする場合に何が起こるでしょうか? 自然な考えとしてはもっと片脚での運動を行う、ですよね? 何といっても、片脚での運動は前額面と水平面での発達を最大化してくれますよね? これは正しいことなのですが、そして、それがまさしく何故私がそこからスタートしない理由なのです。 片脚の運動は安定性の必要性を最大化します。支持基底面が大変小さいために、身体は安定性を自ら“作りだす”ことを要求されるのです。 しかし、もしあなたがその安定性を持っていない、もしくはたった今習得したばかりであるとすれば、片脚での環境は難しすぎるか早すぎるというケースになるでしょう。最適な安定化のパターンを使う代わりに、古くて効果的ではない元のパターンに頼ってしまうことでしょう。 私は、進む段階のスピードを落として、正しい動きができるようになることを確かめたいと思います。 あなたが前額面での機能不全に取り組むにあたり、両脚平行の姿勢から始めることは助けになるでしょう。 両脚スクワット 両脚でのRDL 両脚でのデッドリフト 両脚の姿勢で効果的に両方の脚を使い始めることができれば、片脚での安定とコントロールに段階的にチャレンジしていきます。 片脚での運動にすぐさま飛び移るのは、大惨事の元です。自身の身体に対する安定とコントロールの能力を越えてしまい、思っているような効果は得られないでしょう。 前額面での機能不全に取り組む際には、片脚トレーニングにもっと段階的でスムーズに移行する為に下記の図表をガイドラインとして使用してください。 両脚スタンス・腰幅のスプリットスタンス・インラインのスプリットスタンス・片脚 #3 – 大腿骨と脛骨を回旋する 最後にはなってしまいましたが、大腿骨と頸骨のアライメントを整えられるように、そしてそれらが股関節に対してニュートラルであるように、私たちは大腿骨と頸骨を回旋する必要があります。 これは、ポスチュラルリストレーションインスティチュート(PRI)のインピンジメントと不安定性の講習を受講を終えたときに「なるほど」と思ったことです。 PRIの方々は膝関節を通じてアライメントを最適化することに重点を置いていますが、彼らの考えは、半月板や膝蓋大腿骨間の問題について多くのことを説明できると思います。 このように考えてみてください: 頸骨に対する大腿骨の捻れ 同側の脚において、もし大腿骨が内旋し、頸骨が外旋すれば、膝に対して大きなトルクがかかります。 膝には多少の回旋の容量はありますが、立位の状態で回旋するべきではありません。 頸骨大腿骨関節にトルクが発生すれば、半月板の怪我の受傷発生率は高まります。これを裏付けるリサーチ資料は持っていませんが、常識的に考えれば分かることだと思います。 ですから、私たちは頸骨と大腿骨のアラインメントを揃えるため、頸骨と大腿骨を(相対的に)回旋させる必要があります。 大腿骨と腓骨のアラインメントが揃ったら、次のゴールは、これらを股関節に対してニュートラルにすることです。 膝蓋骨を見ると、大腿骨の滑車溝に固定されていることが分かります。”膝蓋骨のトラッキング”について聞いたことがある内容に関わらず、私たちの多くが、膝のアラインメントのずれを見た時に、大腿骨の位置を戻すことのみに重点を起きがちなのではないでしょうか。 膝蓋大腿骨関節を評価する際には、大腿骨の位置と膝蓋骨の位置の間に、逆の関係性がある事に注意しなくてはいけません。 正常な膝のアライメント 対 膝の外側の “トラッキング” 大腿骨を内旋すると、膝蓋骨は自然に外側に"追従=トラッキング"します。その逆もまたしかり。大腿骨を外旋すると膝蓋骨は内側に追従します。 股関節に対して大腿骨を真っ直ぐにすることが重要であるとされるのはこのためです。そうしなければ、あなたはいずれ膝蓋大腿骨関節の問題に悩まされることになるでしょう。 残念ながら、具体的なアドバイスの紹介となると、一つのブログ記事の範疇を越えてしまいます。今回は、大腿骨と脛骨の回旋によって、お互いのアライメントを整えそれを股関節に対してニュートラルにできれば、膝を長期に渡りハッピーにできる、とだけ言っておきましょう。 まとめ 皆さんのゴールが、競技場を制圧する、高重量のスクワットやデッドリフトを行う、あるいは、ただ単に痛みなく身体を動かす等、どのようなものであったとしても、3Sアプローチに沿うことは、あなたの膝の機能を最大化させてくれるでしょう。

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エネルギーシステムトレーニングにおける10の助言と秘訣 パート1/2

エネルギーシステムトレーニング(以下EST)はフィットネスと運動競技育成業界で常に注目を集めるトピックですが、 残念ながら、ESTに関して、非常に多くのことが誤解されていると思います。 余分な脂肪を落としたい人、”ひきしめたい”人、単純に見た目にも気分的にもセクシーになりたい人は、解糖系/無酸素トレーニングこそが本当に必要なすべてであると思い込むのは当然でしょう。 白黒はっきりした発言が最高のキャッチフレーズを作り出す背景も相まって、誤った情報のレシピが出来上がってしまうのです。 下に述べることは、よりESTを有効に行う為の、10のとっておきの助言と秘訣です。楽しんでください! 1 自分の身体が、人類史上最も効率的で効果的な機械であると考える。 身体に大きくなれと言えば、身体は大きくなります。強くなれと言えば、身体は強くなります。 同様のことがエネルギーシステムトレーニングにもあてはまります。 もしあなたが有酸素機能の向上を目的としたトレーニングをしているのであれば、身体は有酸素性エネルギー供給機構の効率を上げるために、できる限りの全てを行います。 より多くの有酸素系酵素 より大きな左心室 筋レベルの酸素活用能力の向上等です。 逆もまた然り。宗教的に無酸素性エネルギー供給機構のトレーニングに取り組めば、あなたの身体は無酸素的な面において効率が高まるでしょう。 これはかなり退屈に見えて、実は強力な主張です。いかなる形式のエクササイズも、身体に信号を送り、それが適応を引き起こすことを私達は覚えておかなければなりません。 2 有酸素性エネルギー供給機構と無酸素性エネルギー供給機構はお互いに直接競合している。 身体は非常に賢く、私たちが課したトレーニングに常に適応していることに同意することができれば、私達は一度にすべてのことはできないのだと気づき始めるでしょう。 仮にあなたがとても強度の低いエクササイズを、あるいは、より有酸素域でエクササイズを行ったとします。これにより、身体が有酸素性のエクササイズに対してより効率かつ効果的になるように、様々な適応が身体に現われるようになります。 しかしもしあなたが無酸素的にトレーニングを行った場合、身体は正反対の方向に進みます。 右の図でもわかる通り(エリートアスレチック育成セミナーで行ったプログラムデザインのレクチャーより抜粋)、同時に全ての身体要素をトレーニングする事があまり良いアイデアでないことがわかります。 単純に、我々が達成しようとしている適応はお互いに直接競合しているのです。 有酸素トレーニングは有酸素系酵素を発達させ、無酸素トレーニングは無酸素系酵素を発達させます。 有酸素トレーニングはミトコンドリアを作りだし、無酸素トレーニングはミトコンドリアを破壊します。 有酸素トレーニングは副交感神経を刺激し、無酸素トレーニングは交感神経を刺激します。 お互いの機能を同時に発達させるのではなく(初心者に対してのみ効果的)、ピラミッドの土台から築き上げることに集中しましょう 3 有酸素的土台の無い状態で、解糖系/無酸素的発達に集中してはいけない。 私が思う大きな問題の一つに、選手達が常に解糖系の高強度のエクササイズでエネルギーシステムを爆撃してしまうことが挙げられます。 エネルギーシステムの発達をピラミッドのように考えてください。一番下には低強度(有酸素性)エクササイズ、次に中強度のエクササイズ、そして一番上に高強度(解糖系/無酸素性)のエクササイズが続きます。 もしも頂上だけに特化するなら、土台を広げることはできません。これにより最終的には高強度の運動を持続して行う能力を制限してしまいます。 逆に、もしも”土台”作りにしっかりと時間を費やせば、高強度のトレーニングを行う際の基礎を身につけることができます。 これは、解糖系及び高強度の運動を通年行うことが得策ではない理由の一つにしか過ぎません。レスラーや総合格闘技選手のように、作業-休憩比が逆であっても、最初に基礎を固めることはプラスに働き、試合が近くなりにつれより高強度の勝負や練習に移行していくことができます。 4 ”8秒間無料でエネルギーが手に入る” チャーリーフランシス これはクレアチンリン酸系に言及していますが、簡単に言えば、ATP-CPの蓄えが全て使われるまで、8秒間は無料でエネルギーを手に入れることができるという意味です。それ以後は有酸素系/解糖系エネルギー供給機構がその役割を引き継ぎます。 ちなみに、チャーリーフランシスは非常に賢い人物でした。 5 全てのエネルギー供給機構は同時に動員される。 生理学を学んだ時、エネルギー供給機構は順番に動員されるものだという印象をおそらく受けたのではないでしょうか。皆さんの場合は違うかもしれませんが、私はそうでした。 はじめに、乳酸性及びATP-クレアチンリン酸機構が6-8秒間動員されます。 そこでエネルギーが枯渇したら、無酸素性/解糖系エネルギー供給機構が最長2分間動員されます。 その後、有酸素性エネルギー供給機構の動員が活発化します。 残念ながら、実際にはそのようになりません。 それどころか、すべてのエネルギー供給機構は同時に動員され、かつエクササイズの強度によって上方または下方制御されているのです。. つまり、あなたが必死に30秒または1分間動いている間、無酸素性/解糖系エネルギー供給機構は多くの作業をこなしているかもしれませんが、実は有酸素性機構もそれと同じくらい必死に働いているのです。

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エネルギーシステムトレーニングにおける10の助言と秘訣 パート2/2

6. パワー/容量の連続体を重視する 最近、数多くの賢いコーチ(パトリック•ワード、ムラーデン•ヨバノビッチ等)が、パワー/容量の連続体について論じています。まだ馴染みがない方のために、ごく簡単な概要をここで説明します: 全てのスポーツ及びエクササイズは、パワー/容量の連続体のどこかに位置します。連続体の左側に属するのは、重量挙げやオリンピックリフティング、投てきといったパワー優勢型のスポーツです。 本質的には、一度にスピード/筋力/パワーを強力に発揮した後、しばらくの間休憩することになります。 連続体の反対側に属するのは、持続性があるが、スピード/筋力/パワーの出力が比較的低いスポーツ及びエクササイズです。トライアスロン、マラソン選手がこのケースに当てはまります。(写真はムラーデン•ヨバノビッチ提供) これらは明らかに連続体の両極端な例であり、大部分のチームスポーツはこれらの中間に属します。 右の図はジョー・ケンと私がEADSコースのために作製したものです。ここでは、私達は上の図の中心部分を抜粋し、それ自体を連続体にして表しました。 野球は長時間の休憩または回復をはさみ、かつ非常に爆発的であるため、最も"パワー"優位のチームスポーツであるといえます。 対極に位置するのはサッカーです。間違いなくパワー/スピード/筋力の要素も強いのですが、サッカー選手は同時に非常に多くの容量を必要とします。最終的には、開始15分間でどれだけよく見えても意味がなくー80分、85分、90分経過した際に走ることができなければ、大変なことになるのです! ひとたびパワー/容量の連続体を理解し、重視するようになれば、対象がどのような選手でも、ESTのプログラム作製は非常に容易になります。 7. 有酸素トレーニングは回復のために優れている。 有酸素トレーニングの最大の利点の一つは、回復を促進し、改善させることです。有酸素トレーニングはセットやエクササイズ間の効率を怪物並みにするだけでなく、ワークアウト間の回復も同様に促進する効果があります。 これをもう一歩前に進めてみましょう。私は回復を促すために、オフ日に行う有酸素/低強度のトレーニングが気に入っています。 それが心拍出量であれ、プールでのセッションであれ、もしくは高強度の連続性のトレーニングであれ、私、は積極的回復は受動的な手段よりも好ましいと固く信じています。 これは筋力パワー系のスポーツ選手には当てはまらないとお考えですか? よく考えてみてください。 ルイ•シモンズは、そり引き走と全身準備運動(GPP)をトレーニングプログラムに取り入れてから、彼の重量挙げ選手達のパフォーマンスの劇的な変化に気づきました。 それが積極的回復要素によるものであっても、心拍出量が向上した結果であっても、副交感神経、及び迷走神経の緊張度が改善した結果であっても、またはそれらすべて(と他の要素)によるものであっても、効果があるのは事実なのです。 8. 本当の解糖系及び無酸素性トレーニングは恐ろしい。. 人々がタバタプロトコールや高強度のトレーニングについて話していることを耳にするのは滑稽です、というのも大部分の方がそれに似ても似つかぬ運動をしているからです。 まず初めに、本当の意味でのタバタプロトコールトレーニングは、最大酸素摂取量の170%で行われます。これは途方も無く高強度であり、大部分の人が今まで(今後も決して)直面することがないものでしょう。 しかし、これをもう一歩前に進めてみたとして、極端な高強度で30、60、または90秒間行う運動はまさに、実に恐ろしいものです。このような種類のワークアウトを選手に書かなくてはならない時、私は一瞬沈黙してしまいます。なぜならその恐ろしさを本当に知っているからです。 もし私が信じられないのであれば、ジムに行き、ウォームアップをし、エアーダインバイクに乗って30秒真剣に、全力で漕いでみてください。 そしてその後の気分を私に教えてください! 9. あなたは心臓を変化させることができることをご存知でしたか? 筋肉を発達させることと同様、心臓も鍛えられる事をあなたはご存知でしたか? 筋肉が、漸進的により重い重量でトレーニングをしていくことで肥大するように、ESTを賢く行えば、特有の適応を心臓に引き起こすことが実現可能です。 まず、低強度のエクササイズは心臓の左心室のエキセントリック的な伸張/ストレッチを促進します。 長期間に渡って行うことで適応が起こり、一回の脈拍でより多くの血液を効果的に左心室に送り込めるようになります(1回拍出量の増大)。 そしてより多くの血液を一回の脈拍で動かすことで、心臓は脈拍数を抑えることができ、心拍数を減少させることができます。 簡単に言えば、より心臓を効率化することができるのです。 しかしもう一つ良い事があります。私達は、ミトコンドリアが我々の身体の細胞の発電所であることを知っています。高強度のエクササイズ(60秒以下)を最大心拍数で行った後、5分以下の休憩をとることで心臓内部にミトコンドリアを作り出す刺激を与えることができるのです! これは凄いことではないでしょうか? これだけは覚えておいてください。私達が行う全てのエクササイズが、何らかの適応を促進するのです。 10. ESTは楽しく続けることが重要 最後にはなりましたが、大切なこととして、EST トレーニングはかなり厳しいものにもなり得ます。 また、それは非常につまらないものにもなり得ます。 私が提供できる最大の助言の一つは、新鮮さを保ち続ける努力をするということ。 もちろんスポーツや動作に特化した作業が必要な時もありますが、質の高い適応を得るために、夢中になって楽しみながら、全体的に取り組むべき時も同様に必要なのです。 例えば、心拍出量向上のトレーニングをする際の手段をトレッドミル、バイク、クロストレーナーでのエクササイズだけに限定しないようにしてください。 メディスンボールを投げたり、プロウラーを押したり、またコレクティブやモビリティードリルを行うサーキットトレーニングを作ってみましょう。 簡単に言えば、より楽しく、夢中になればなるほど、長続きし、恩恵を受けられるようになるのです。

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絶対に欠かせない長時間・低強度の心血管系運動 パート1/4

聞きたくないかもしれませんが、ぜひ聞いてください。 きっと、皆さんのプログラムに、低強度のコンディショニングトレーニングを組み入れる必要がある可能性は高いはずです。 長時間・低強度の心血管系運動には計り知れない効果があります。 発達した心血管系機能。 より深い安眠。 より少ないストレスと不安。 皆さんには2つの選択肢があります。近年提唱されているホットで人気のあるコンディショニングの「定番」への挑戦になるかもしれません。 すぐさま「コメント」欄へスキップして、私を激しく非難する。そして、お気に入りの教祖的人気の指導者が提唱する方法を信じ続けるか、または、 このポストを完読し、皆さんが実施しているトレーニングにどのように関連しているかを考え、低強度の心血管系運動をプログラムに取り入れることを検討する。 選択するのはあなたです。 まずは話の背景から: 私は、NSCA(ナショナルストレングス&コンディショニング協会)から思いがけなく「パフォーマンストレーニングジャーナル」への投稿の依頼を受けました。 記事にはいくつかの規定がありました: 750−1000語の範囲でなくてはならない。 あまり「科学」に偏りすぎない。 コンディショニングに焦点を絞る。 この規定そのものが、いくつかの問題となったのです: 750-1000語とは、私がこれまでに書いた長めの記事の序文と同じぐらいの単語数しかありません。私が有償で書き上げる原稿は、何万語もあり、750-1000語では、ウォームアップにもならなければ、自分の意見を裏付けることさえできません。 引証しなくてはならなくても、妥協案が見つかりません。科学が好きな人は科学を要求します。すべてに関して引用や参考文献を求めます。コーチ方法の結論だけを知りたいという人は、リサーチのことなんかほとんど気にしていません。それは、どうせ読んでも分からない暗号のような論文や記事を著者が当然数多く参考にしているだろうと仮定しているからです。私見ですが、これは、往々にして、リサーチが「やり過ぎ」または「少な過ぎ」てしまい、どうにもうまくいかない状況のようです。 最後に大事なことですが、すべてのことを狭い範囲の要点に絞り込まなくてはなりません。最初、ここIFAST(著者のトレーニング施設)で実践されているコンディショニング評価を網羅しようとしましたが、これを適当な範囲まで減らさなくてはならない(編集方針に適合させなければならない)ことに、すぐに気がつきました。 そして記事が出て一日も経たないうちに、ツイッターに抗議のつぶやきを受け取りました。名前を聞いたことも、会ったこともない人物から、心臓の左心室を過度にトレーニングすることができるなどと、訳も分からないことを書いている等等とね。それでも彼の絶え間ない突っ込みのおかげで、私がここに本当に長いブログポストを書くことになったわけですから、皆さんはラッキーです! じつは、理由は他にもたくさんあるのですが。 人から賢いと思われようが、賢くないと思われようが、私はまったく気にしませんが、皆さんには是非好ましい成果を遂げてほしいのです。 フィールドスポーツにおいて、慢性的に交感神経優勢の選手が、解糖系エネルギー供給機構にばかりに頼り、試合で3、4分も経たないうちにガス欠になるのを見るとやりきれない気持ちになります。「一生懸命がんばる」だけではない他のコンディショニング方法やエネルギーシステムの育成方法も存在することを、そんなコーチや選手に理解してほしいのです。 ひとつのエネルギーシステムトレーニング(たとえば、高強度インターバルトレーニング、略してHIIT)が、すべての解決策であるという考えにはうんざりしています。20:10(20秒間の高強度運動:10秒間の休息)タバタ式インターバルを2回行えばガンが治ると思っている人だっているにちがいません。 (注:皆さんが良く行う、ただ単に20:10インターバルを8回繰り返すのは、タバタ式ではありませんが。) 残念ながら、すべての基準をカバーする、万能な唯一のコンディショニング方法はありません。その代わりに、有酸素系の基礎を発達させ、高強度と低強度の混合方法を時間をかけて実施すれば、より回復力のある、より良くコンディショニングの整った選手を育てることができます。 では、なぜこれらのことがそれほど重要なのか、生理学の基礎から始めましょう。 長時間・低強度の心血管系運動の効果 有酸素トレーニングはひどく非難されています。 しかし、有酸素トレーニングは、皆さんが考えているようなものではないということを主張したいと思います。 ここでは、長時間運動について焦点を絞りお話ししましょう。総合格闘技のアルティメイトMMAコンディショニング教本でジョエル・ジェイミソン氏は、このタイプのトレーニングを心拍出量向上トレーニング、または略してCO向上トレーニングと呼んでいます。 CO向上トレーニングだけが、有酸素系エネルギー供給機構をトレーニングする唯一の方法ではありませんが、たいへんパワフルで多くの効果が見込まれます。 ATP生成の増加 もし、生理学の基礎の授業を取ったことがあれば、身体のエネルギー生産は最終的にATPとなることをご存知ですね。ATPは、私たちの筋肉を収縮させるための「燃料」のようなものです。ですから、これなしでは、私たちの身体は役に立たなくなってしまいます。 人体には3種のエネルギーシステムがあります: ATP-クレアチンリン酸系 無酸素(解糖)系 有酸素系 この3つシステムにはそれぞれ明確な短所と長所があるというのが、すばらしいところです。 ATP-クレアチンリン酸系は、一工程しかないので最も速くエネルギーを産生できます。 その一方、ATP-クレアチンリン酸は、たった6-10秒間しか燃料を供給できません。これでは、ダメですね。 有酸素系は、スペクトラムの反対端に位置づけることができます。有酸素系では、エネルギー供給速度が最も遅くなりますが、スタートすると驚くほど生産的で回路を一周するだけで36ものATPをどんどん作り出します。 有酸素系エネルギー供給機構のもうひとつのメリットは、それがエネルギーをすべて出し切るまで、身体は何時間でもこの機構に燃料を頼れるということです。 ATP-クレアチンリン酸系と有酸素系の中間的存在に無酸素(解糖)系があります。エネルギー産生が速い(ATP-クレアチンリン酸系のように)というメリットがありますが、長時間継続する容量がありません。 この他の欠点として、高強度の無酸素運動は、精神的にも身体的にもまさに過酷です。 結論を言えば、長時間継続するような運動ができるようになりたければ、しっかりとした健康的な有酸素系エネルギー供給機構が必要なのです。 回復の向上 もし、長時間エネルギー産生が欲しい、または必要であれば、有酸素系エネルギー供給機構システムが担当であることは明白です。 しかし、そんなことはすでに広く知られていることで、多くの人達がまだ気づいていないのは、頑強な有酸素系エネルギー供給機構が、強度な反復運動後やトレーニングとトレーニングの間でもより速やかな回復を可能にすることです。 トレーニング中に交感神経系が高まりますが、これは常に活性化させたりスイッチを入れたりするべきものではありません。そうなってしまうと、回復を妨げ、睡眠に影響を及ぼすでしょう。

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絶対に欠かせない長時間・低強度の心血管系運動 パート2/4

長時間・低強度の心血管系運動の効果(続き) 心臓の効率性 ここから、COタイプトレーニングに特有な肝心の詳細に入っていきます。 先ほども言いましたが、COとは、心拍出量のことでしたね。つまり、トレーニングのターゲットは主に心臓なわけです。私より賢い人達は、末梢系の適応(たとえば、筋肉、酵素、毛細血管化など)よりも、中枢系の適応(たとえば心臓)を追求していると言うでしょう。 低強度トレーニング(一般的に120-150回/分)をする場合、最大量の血液が心臓の左心室へ流入します。 強制的に左心室に血液を送り込むと、血液は心臓壁をストレッチするに十分なだけ、そこに留まります。時間の経過と共に、適応が起こります。つまり、単純に左心室はストレッチされ、大きく、そして広くなるのです。 心臓壁をストレッチすると、心臓の拍動ごとに、より多くの血液を取り込み、送り出すことができます。これを専門用語で、一回拍出量と言います。つまり、一回の心臓の拍動によって拍出する血液量のことです。 これらすべてのことが、心臓の効率性を上げるのです。拍動ごとに血流を増やせたら、心臓はこれまでのように速く拍動する必要がなくなるのです。 なので、心拍出量向上トレーニングは、一回拍出量を増加させ、安静時の心拍数を下げるのです。 すばらしいでしょう? 高強度エクササイズの実施が心臓に与える効果は、やや異なります。心臓が大きく広くならない代わりに、心臓壁が厚くなるのです。 考えてみてください。心臓が速く拍動するということはつまり、心臓はできる限り速く、そして力強く血液を心臓に戻し、送り出そうとしているということです。 よって、心臓への適応は、高強度エクササイズと低強度エクササイズとでは大きく異なるのです。この適応は、心臓への影響だけではなく、広範囲にも影響をもたらします。 続けて読んでくださいね。 自律神経の転換 私たちのクライアントと選手を評価する上で重要な事柄のひとつは、副交感神経または交感神経のどちらが優位になっているかということです。 手っ取り早い入門として、いくつか覚えておきたい事項を挙げておきます: 交感神経 ― 硬く緊張した筋肉、不安感、闘争・逃走反応など 副交感神経 ― 落ち着き、リラックス、休息と消化など クライアントや選手が、副交感神経または交感神経どちらが優位(心臓の適応に伴って)になっているかを調べる簡単な方法のひとつとして、安静時の心拍数チェックがあります。 もし、常に心拍数が60回/分より高い場合、交感神経がより優位であると言えます。想像できると思いますが、安静時の心拍数が高ければ高いほど交感神経がより優位になります。 もし、常に心拍数が60回/分より低い場合、副交感神経がより優位であると言えます。 COスタイルのトレーニングは、交感神経を鎮めるのに役立ち、それによって落ち着き、リラックスできるようにします。CO向上トレーニングをほんの数週間プログラムに取り入れた結果として、どれほどリラックスし、よい睡眠がとれたかを、数多くのクライアントと選手が、コメントしています。 高強度運動のトレーニングとトレーニングの間のリカバリー 優秀な選手はすべて、長時間にわたってハードに動かなくてはいけない時間があり、解糖系を使います。 これが問題なのではありません。実際、いずれどこかの時点で起こることだからです。 問題は、解糖系で回り始めてしまったら、そこから抜け出すことができるのか?ということ。 有酸素系の発達が不十分な選手が、試合中に1度か2度ハードにいくと。解糖系から絶対抜け出せなくなるというケースが多いようです。 なぜ彼らが疲労しガス欠になってしまうか、これで説明がつきます! 発達した有酸素系エネルギー供給機構は、嫌気的代謝をなるべく使わないですむようにするだけではなく、高強度(無酸素)エクササイズ後、素早く有酸素系機構に戻します。

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