胸椎のモビリティ

胸椎のモビリティを多面的に多方向的に向上させるためのエクササイズを、理学療法士のアダム・ウルフがご紹介します。このビデオで使用しているサスペンショントレーナーは別ブランドの製品ですが、TRXサスペンショントレーナーを使用して同様のエクササイズを効果的に実践することができます。

アダム・ウルフ 4:23

テニス選手の安全性とローボックスドリル

SAQのスペシャリストであるリー・タフトが30年近く前に紹介し始めた、低いボックスやステップを使ったドリルで、アスリートの膝を守るために注意すべきポイントについてリー自身が解説をします。ボックスの高さと着実の姿勢に注目してください。

リー・タフト 2:48

下部スパイラルライン

東京で開催されたアナトミートレイン・ファンクション&ストラクチャーコースからの抜粋。トムが、スパイラルラインの下部を構成する下肢の構造がどのように股関節にコネクトし、歩行時の足部の動きをコントロールしているかを解説します。

トム・マイヤーズ 5:24

足首のモビリゼーション

足首のモビリティーを高めようと、様々なモビリティードリルを繰り返してもなかなか効果が長続きしない。。。。問題は本当に足首にあるのでしょうか?解決方法の一つのアイデアをマイク・ロバートソンがシェアします。

マイク・ロバートソン 3:04

呼吸

今日は呼吸することについて少し時間をかけて考えてみましょう。 呼吸をするとき、あなたは呼吸中に部位全体が拡張しているように感じますか? 理想的には、そうであるべきなのです。呼吸は三次元で起こるべきです。しかし人によってはそうなりません。 クライアントが呼吸をするのを見るとき、彼らは呼吸とともに上下に動いているでしょうか?それとも内外に動いているでしょうか? 理想的には、内外に動いているべきです。私たちは上下呼吸にならなくてもいいはずなのです…少しそうなりはしますが、すべてがそうではありません。 上手に呼吸をするためには、可動性のある肋骨と可動性のある胸椎が必要です。もしその可動性を持っていなければ、どこか別のところで呼吸をしなくてはなりません。身体はたとえ何があろうと呼吸をしようとします。肋骨と胸椎が固定されるとき、何が起こるでしょうか?私たちは肋骨の一番上あるいは首で呼吸をし始めます。クライアントのうち何人の肩が、ただ呼吸をするだけのために動いているでしょうか?クライアントが座っているときに、呼吸している彼らの肩甲骨の上にあなたの手を置いたら、その手は上下に動いていくでしょう。これはよくありません。 理想的には、少しの横方向の動きが見られます。一定数のクライアントが当てはまるでしょうが、もし挙上しか見られないのであれば、何かがおかしいのです。 呼吸は私たちの行動や情動により影響され、そして呼吸が私たちの行動や情動に影響を与えもします。呼吸は自然な活動ですが、呼吸は感情によって変化します。呼吸の活動―ガス交換―は、私たちがそのことを考えることなく起こっています。もし痛みを抱えていれば、それが私たちの呼吸を変化させます。悪い姿勢のようなことが呼吸を変化させる原因にもなり、またその反対に、呼吸の問題が悪い姿勢の原因となることもあります。 呼吸はガスの交換です。身体は酸素を蓄えておくことができないため、私たちは常に酸素を交換しなくてはなりません。幸運なことに、これは私たちが考えなくてもよいことです。自動的に起こります。私たちが注目することのない、シンプルなガス交換です。呼吸は身体の酸素需要に左右されますーエクササイズをするとき、活動によって酸素レベルのニーズは異なります。 呼吸は、私たちが何をしているかによっても影響を受けますーエクササイズをしているか、あるいは座っていたり休んでいるか。呼吸は私たちが怒っている、不安になっている、あるいは幸せであるときに影響されることもあります。マインドは呼吸に影響を及ぼし、そして呼吸はマインドに影響を与えます。 考慮すべき異なる呼吸パターンが存在します。もしあなたがただ座っていて、呼吸をするのに首の筋肉を使わなくてはならないなら、これは恐らく問題でしょう。 あなたが心拍数を最大心拍数の75―90%まで上げるとき、呼吸は変化します。心拍数がそれほど高くなるときには、胸式呼吸をするでしょう。呼吸パターンについて話すと、胸式呼吸が間違っているということではありません;人がリラックスして座っているときに胸式呼吸をしているということが間違っているだけなのです。高強度でワークアウトしているとき、それは息をするための素晴らしい戦略です。 私たちには肋骨呼吸及び横隔膜呼吸があります;どちらか一方が正しいあるいは間違っているということはありません。どちらにもバリエーションがあり、どちらが最適なのかは、その瞬間私たちが何をしているかによります。 呼吸を一つの運動療法として考えてください。私が呼吸について話すとき、それはRDLまたは片脚スクワットについて話していることと何の違いもありません。私の職場では、目に見えている…あるいは見えていない動作パターンを促進するか抑制するかのどちらかの目的で、呼吸は運動療法として使われています。 呼吸は運動を促進します。 運動は呼吸を促進します。 呼吸は安定性を促進します。 安定性は運動を促進します。 それはまさに一つの大きな輪なのです。 息を吸いこむと、肩関節屈曲及び肩甲骨の挙上が起こります。息を吐き出すと、肩甲骨の下制および相対的な腕の伸展が起こります。明らかに伸展状態にはなりませんが、屈曲はより小さくなります。 トレーニングでは時折、昔からの古い“力を入れるときに息を吐く”という考えに至りますが、それはそのような方法である必要はありません。私たちは、可動性あるいは運動を促進するために呼吸を使うことができ、呼吸を促進するために運動を用いることができるのです。何が起こっているかによって、運動を抑制あるいは促進するために呼吸を使うことができます。 呼吸は安定性を促進します。横隔膜を見ると、肋骨上に付着しているのが見えるでしょう。横隔膜は上は第6胸椎から下は第3腰椎まで付着しています;腱中心は横隔膜周辺全域に渡り付着しています。 横隔膜は、呼吸器として、そしてスタビライザーとして機能しなくてはなりません。しかし、それは脊柱に動いてほしくないということではないということを覚えておいてください。もし脊柱が動くように作られていなければ一つの長い骨になっていたでしょう。しかしそうではありません;脊柱は24個の動かせるパーツです。 脊柱は動くように作られています。肝心なのは、それが股関節あるいは肩がすることのできない何かの代償パターンとして動くように作られているのではないということです。股関節を伸展したり肩関節を屈曲したいとき、私は背中を使ってその状態にさせなくてもそれらの動きができるはずなのです。 肋骨の位置と腰椎・腸腰筋・股関節の間の直接的な解剖学的コネクションは、すべて繋がっています。これらを孤立させることはできません。呼吸をしながら、横隔膜が両面テープのようになっていると考えてください。息を吸うと、横隔膜は引き下がり、肺が酸素で膨らみます。息を吐くと、横隔膜は上に上がり、肺に二酸化炭素を放出させます。横隔膜は胸郭に影響を及ぼすだけでなく、腹部にも影響を及ぼします。それは当然ながら胸椎と腰椎に影響を及ぼすでしょう。 疑いもなく、横隔膜は私たちが呼吸トレーニングで行っていることの非常に重要な部分です。 ここで、私たちはこれらの解剖学的コネクションを改めて見てみなくてはなりません。斜角筋は第一および第二肋骨に付着し、もしある人が斜角筋を主な呼吸ツールとしてつかっているならば、上の2つの肋骨の挙上が見られるでしょう。 神経血管束は、動脈と共に腕神経叢から出ています。もしこれらの2つの脊椎が挙上されれば、これは脊椎と鎖骨の間のスペースを減らし、胸郭出口症候群の症状を生むでしょう。 スペースが減り、神経血管束を侵害することがあれば、血液循環の問題や腋下の知覚異常につながります。大抵これら斜角筋は、呼吸によって少々過活動状態になっています。心拍数を上げるとき、これらの筋肉は必要ですが、私たちが何もせず座っている間は必要としないのです。これらの筋肉を呼吸の主働筋として使っている場合、他の問題を引き起こす可能性があります。 横隔膜は肋骨から背中に渡って付着しています。悪い呼吸パターンを見かけるとき、身体はその他のニーズよりも呼吸を優先しています。ある人が安定性を失ったとしましょう。この人が呼吸をするときはいつも、背中が少し動きます。これが奇異呼吸です。 横隔膜は、腱中心から上へ下へと動かなくてはなりません。もしそれが起こらなければ、腱中心は固まり、背中と肋骨が大きく開いてしまいます。そこで私たちは腹筋を背中の筋肉、そして横隔膜と繋げるために、息を吐く動作を使うことができます。予備呼気量を使うことができるのです。腹部周辺の安定性をしっかりと促進し、横隔膜をスタビライザーとして働かせるために、あの心地の悪い呼気を使うことができるのです。 呼気動作は、スタビライザーとして、そして呼吸器としての横隔膜の機能を助けています。しかしもし腹部を固めてしまえば、うまく呼吸ができないでしょう。もし腹筋を発火させれば、横隔膜は動けません。膨らむことができないのです。 腱中心が呼吸運動中に上下運動するものとして通常に機能することができるように、横隔膜の遠位端で緊張を得る方法を見つけ出さなくてはなりません。呼吸運動に伴う安定性―呼吸でその安定性を得なくてはなりません。 酸素供給の自然な活動と呼吸以外の目的のための呼吸運動を区別しなくてはいけません。呼吸は身体の酸素需要次第です。 呼吸は私たちの行動や情動に影響を与え、私たちの活動や情動に影響されます。 呼吸作用は自動的に行われます;呼吸は意識的に行われます。 呼吸は運動を促進します。 運動は呼吸を促進します。 呼吸は安定性を促進します。

スー・ファルソニ 3721字

バーベルよ 安らかに眠れ? パート1/2

以前の私は、バーベル一辺倒で、それに勝るトレーニング器具なんてないと思っていました。重い負荷でスクワット、プレス、デッドリフトを行えば、どんな事にでも立ち向かえる準備ができると本当に信じていたのです。それは私が読んだ “本物” のストレングストレーニング本や専門家たちも言っていたことで、それを疑いもしませんでした。とりあえず、背中にでっかい重りを乗せてスクワットができたり、バーベルに重いプレートを付けて、オーバーへッドで持ち上げられたりすることができれば、それこそが強さの証明だと思っていました! 私は、この基準を、ただ自分のものだけでなく、私のクライアント達にとっても大事な指標にしていました。でも正直なところ、フィットネス業界に携わってきた15年間の間で、“できるだけ重いデッドリフト・スクワット・プレスをこなせるようになりたい!”という目標をもったクライアントなんて、ほんの一握り以下だったと思います。 体重を減らしたい、背中の痛みを軽減させたい、フィットネスレベルを高めたい、もっと高く跳べるようになりたい、速く走れるようになりたい・・等という要望は沢山ありましたが、私はなぜか、彼らのトレーニングにおいても、バーベルを優先的に使用していました。どこかで、バーベルを使うことが、これらの目標への経過を正確に測る良い指標になると、そう決め込んでいたのです。 私自身に、全ての責任があるのではないと思います(多少はあるかもしれないですけど)。数々の優秀なコーチの元で学びましたが、彼らはこれが一番効率的な方法だと謳っていたし、それに異論を唱える権利は、自分にはないんじゃないか?と、私自身の身体が悲鳴をあげはじめるまでは、そう思っていました。 自分の身体の柔軟性の不足や、バランスの悪さに気づいていなかったわけではありません。むしろ、人並み以上に気づいていました。ただ、バーベルで持ち上げられる重量さえ増えれば、それらの問題は大したことではなく、適切な高負荷のウェイトトレーニングを行うことで解決できると自分に言い聞かせていました。探そうと思えば、問題なんていくらでも出てくるし、それらは別に重要じゃないと、そう思っていたのです。 ストロングマンに関わるようになってから、私はある事にすぐ気づきました。それは“重さ”とは相対的に “エリート” であることを意味するという事。 私は自分の強さがトップレベルからほど遠いことに気づき、競争に勝つためにはさらに重いウェイトをあげる必要があると思いました。間違ってはいませんよね? ただ問題は、上げるウェイトを増やしていけばいくほど、腰椎の椎間板の炎症が悪化していくことでした。やがてトレーニングの進歩は滞り、重量をあげるのが困難になり腰部の痛みを緩和する事に追われ始めます。 過去にないがしろにしていた数々の問題や、バランスの悪さが原因で問題が悪化していたことが明らかになり、それらを修正していく事が回復の方法となりました。私はストロングマンで成果を出すために、定番ではないタイプの新しいウェイトトレーニングを始めていました。シングルレッグのトレーニングや、ケトルベルスイング、アルティメイトサンドバッグを用いる回旋トレーニングや、それを使って様々なポジションからパワーを生み出すトレーニング。このプログラムの成果は、一言で言えば素晴らしいものでした。 この後に、バーベルリフティングを行った時、私は以前よりも力強くなっていて、補助用具着用の必要性も減っていました。そして前よりも身体の動きが良くなっていて、その分、腰部の痛みは少なくなり、そのケアに費やす時間も減りました。そして一番興奮したのは、伝統的なストロングマン用トレーニングを行っていないにも関わらず、私の競技成績は向上していたということなのです。 状態が良くなっていくにつれて、再度バーベルでのトレーニングを強調するべきではないかと思い始めました。自分の行ってきた事を振り返り、“なんでそんな事をする必要があるんだ?”と気づくまで、危うく私は、もと来た道に引き返すところでした。強くなりながら、実際に体調も良くなる方法を見つけたというのに、そこでなぜ、痛みと固さを残すトレーニングを優先させる必要があるでしょうか? この気づきによって、自分がクライアントをどう扱っているかを、再分析することにもなりました。果たして私はクライアントにとって最良のトレーニングを提供していたのか、それともストレングス&コンディショニング界で正当化されるような事しか行っていなかったのか? 私のプログラムは私自身のコーチとしての成長を促すものではなく、保身や、周りからの受け入れられやすさを重視していたことがはっきりとしてきました。 自分の行っていたことを掘り下げて理論付けようとすればする程、バーベルの頻繁な使用を正当化することが難しくなっていきました。尊敬していたコーチの方々には、私が経験していた深みにはまってしまっている人も、あるいは、私が発見したのと同じ方向性に向って進み始めている人もいました。 トレーニング用具は非常に大事である、これが真実です。私達は皆、実用性でも経済的にも、もっとも効率の良い用具を使用し、そして何よりも重要なこととして、クライアントを目標を近づけ成功へと導きたいのではありませんか? バーベルには、トレーニング用具として幾つもの問題があります: 多くの人にとって、通常、最も畏怖の念を抱かせるトレーニング用具である。 他のトレーニング用具に比べ、筋肉のバランスの崩れや左右非対称性が現れにくい。 基本的には一つの面での動きしか鍛えられない。 高負荷を加えられる唯一の理由は、身体の梃子が一番強く働くポイントから動かすからであり、最も安定感が高く、その他の強化のための用具と比較して、安定のために他の筋肉群を使う必要性が低い。 トレーニングを漸進させる選択肢が少なく、通常負荷重量が主な漸進の方法である。 “ジョシュ・・・君は何を考えているんだい?”と呆れながら、僕の戯言とも取れる発言に首を振る読者の皆さんの顔が、目に浮かぶようです。 数多くの偉大なリフター達はバーベルによって鍛えられたのではないのか? もちろんそうなのですが、人々が、自分自身を、長年様々な方法で、その肉体に磨きをかけたエリートレベルのリフター達と同様に比較しようとするのは、面白いですよね。そして特に “エリートリフターは” などと語りたがる人に限って、自分はエリートから程遠い傾向にあるように感じます。失礼ではありますが、あくまでも傾向として、ということですよ! 私たちは、しばしば趣旨を履き違えてしまうことがあります。アスリートやクライアント、もしくは私たち自身にとって、 “昔ながらの”トレーニングが、最も適したものなのでしょうか?そもそも“昔ながらの”とは一体何か? ここに、かなり”昔ながら”のジムの写真がありますが、この中にスクワットラックとバーベルがあるジムなんてないことに気付きましたか?ここで “昔ながら” をどう定義するのか考え、その上でその言葉を一つの基準として使うのであれば、その当時に特出していた動きの文化を、私たちに受け入れる準備が、今、できているのでしょうか? “昔ながら“という言葉の定義は実に曖昧で、自分が楽しんで行ってる事に当てはめて使う事は簡単です。ただ、それを使うのであれば、“昔ながら”が本当に意味することに対しての準備が必要なのです!(パート2/2はこちらへ)

ジョシュ・ヘンキン 3233字

ハムストリングスの働き(ビデオ)

ギャリー・グレイが、重力下でのハムストリングスの本当の働きを解説します。学校で学んだ重力の影響とは無関係なハムストリングスの働きと、その実際の機能は異なったもの。歩行時や走行時のハムストリングの働きを解説しています。

グレイインスティテュート 5:59

股関節内側の3Dモビリゼーション

股関節内側の筋筋膜の複合体は、パワフルなエリア。そのパワフルさを充分発揮するための3Dモビリゼーションをレニー・パラチーノがご紹介します。

レニー・パラシーノ 3:35

バンドの抵抗を加えたデッドバグ

昔からあるエクササイズのひとつであるデッドバグに、エクササイズバンドの抵抗を加えることで、呼吸とコアの活性化を組み合せた素晴らしいエクササイズになりました。基本のベーシックな動きを新鮮に指導することができます。

マイク・ロバートソン 2:41

無理な力を要しないスピード、アジリテイ、クイックネスの向上

リアクションタイム(反応時間)、スピード、アジリティ(敏捷性)、クイックネス(素早さ)の向上のためには、本当に何が必要かをしっかりと考えてみましょう。 世の中に出回っているどのようなスピード・アジリティドリルを実践したとしても、そこにトレーニングのコンセプトの理解が伴わなければ、能力向上は望めません。 アスリートのスピードの向上に、ニュートンの第 3 法則「作用反作用の法則」を応用します。 科学関係の書物を紐解き、スピード・クイックネス・アジリテイに関する科学を猛勉強するべ きでしょうか。そんなことはありません!ただアイザック・ニュートン卿の第3 法則「作用反作用の法則」を考えればいいのです。単純に言えばすべての動きには、作用と反作用があるという事です。ではこれをスピード・クイックネス・アジリティにどのように応用すればいいのでしょう?アスリートが動作を急速に方向転換する時、またはスターティング・ブロックをスタートする時、進行方向の逆に作用する素速い力が生じます。 この例の場合、生み出された力は足を通して地面やブロックに向かい、それと同じ大きさの力が足に返ってきます。 足が力を発揮している対象物が安定していて、潰れてしまったりすることがなければ、作用、反作用の力は同じであるはずです。 それでは、この理論をスピード・クイックネス・アジリティ、または概してあらゆる方向での運動動作にどのように応用すればいいのでしょう?ニュートンの作用反作用の法則を利用するためにアスリートが実行すべきテクニックが幾つかあります。 第一のテクニックは、地面からの反力をできるだけ迅速に利用するために、膝や股関節の深い屈曲による力の吸収を避けるようにすることです。 例えば、バスケットボール選手が、ボールを持つ選手に対してシャッフルをしながらディフェンスを行う際に、ボールを持った選手が急速に方向転換をした場合、ディフェンスの選手はボールを持つ選手と同じ方向へ移動するために、進行方向とは逆の方向の地面に向って素早く力を発揮する必要があります。 もしディフェンスの選手が腰をかなり落としたり肩を左右、あるいは前方に向かって揺らしてしまったら、方向転換の速さに劇的な影響を与えます。 地面からの反力は、股関節の屈曲や肩の揺れによって吸収され、消散してしまいます。 アスリートは地面からの反力利用のために、安定した関節を使って力を加えることを学ぶ必要があります。 この解説で、アジリティやクイックネスの向上のために、低レベルで、素早く反応する、多面的なプライオメトリックスの重要性が理解しやすくなるではないでしょうか。 第2 のテクニックは、角度をつけて力を地面に加えることで体をより効率的に進行方向へもっていく方法で、加力角度の適用として知られています。 側方へのシャッフルを行う際、力を発揮する脚(シャッフルで移動する方向へ身体を押そうとしている脚)の角度は、身体を持ち上げる動きを起こしてしまわないように、股関節より内側に入り過ぎない、また、足の滑りを避けるためには、股関節に対して外側に大きく開き過ぎてしまわないようにポジションを取る必要があります。 動作の停止・方向転換に関して言えば、加力角度はもっと重要でもあります。体を停止させる脚の角度は、有効に力を操作するために正しくなければなりません。 作用反作用の理論に関して私がアスリートたちに教えたい最後のテクニックは、腕の動作による影響です。 直線にダッシュしたり加速する時はよく見られますが、側方に動く時も腕の動作は同じぐらいに重要な要素です。 直線的なスプリントで腕が適切に使われている時、膝からのドライブと腕の動きの間には調和のとれた動きがあります。 腕の動きが活発であればあるほど膝の駆動力も上がります。 当然ながら、柔軟性の乏しさ、身体の前に腕が交差するような腕の振りや、その他の生体力学的欠陥はスピードの妨げとなります。 腕を前後に短い振り幅で揺らせば、膝を上げる高さも制限されます。この動作は歩幅とスピードに多大な影響を与えます。 更に重要なことに、腕のドライブの乏しさによって膝を高く引き上げるドライブ力が欠如すると、地面を押す脚の動きに、そして地面からの反力にも直接的に影響がうまれてしまいます。 地面を押す脚の力に直接的に影響を与えているのは反対方向に向かう反対側の膝のドライブであり、そしてこれら全てはうまく調整された腕の動きからもたらされるのです。 アイザック・ニュートン卿がどのぐらい早く走ることができたのか知りませんが、走るスピードに関しては確実に多大な影響を及ぼしました。指導を行うアスリートには地面に向って最大限の力 をできるだけ素早くかけるよう指導することが重要です。その方法によって、より速いスピード の迅速なアスリートを輩出することにつながるでしょう。 作用反作用の法則を教えるための単純なドリルを 2 つ下に記載します。指導中のアスリートが、次の科学の試験でいつもよりいい成績をとるかもしれませんね。 1. 555 シャッフル・ドリル コーンを 5 ヤード(約 4.5 メートル)の間隔で置きます。 アスリートに足をシャッフルしながらスタート地点のコーンからもう一方のコーンへ動き、スタートにもどりまたもう一方へ動いて止まるように指示。 ここで注目しているのは力を発揮する脚の加速、骨盤が左右同じ高さを保っていること、躊躇なく素早く停止・方向転換ができることです。 重心のかかる足がどこに位置するか観察してください。クイックネスに関してどのように矯正すれば良いかが解るでしょう。 2. 前・後方の疾走 コーンを2つ 8 ヤード(約7.3 メートル)間隔に置いてください。 アスリートを最初のコーンからもう一方のコーンまでできるだけ加速して走らせます。 向っているコーンに到達する直前にコントロールしながらゆっくりと停止し、そこからスタート地点に向ってコントロールしながら後ろ向きに走って戻ります。 スタートのコーンに着いたらアスリートは早く停止して方向転換し、加速しながらもう一方のコーンへ走ります。10 秒間続けてください。 このドリルでは、前向きと後ろ向きの走行の切り替えに注目をしてください。後ろ足の加力角度は、躊躇したり滑ったりすることなくストップ、スタートができる充分な角度であるべきです。 肩は、脚、股関節と一直線になるように前方に傾けるようにします。 もしアスリートの軸足がしっかりとしていなかったり、肩のポジションがよくない場合は、スタートがもたつくくため、即座に認識することができます。

リー・タフト 2896字

バーベルよ 安らかに眠れ? パート2/2

先週の投稿記事は、今まで書いた記事の中でも、一番の反響をよんだものかも知れません!バーベルが、最も恩恵の少ないトレーニング器具のひとつかもしれない、という提案をしたところ、皆さんから、まるで気が変になったかのような反響をいただきました!!! 私はストレングストレーニングの歴史を何も知らないとか、他のトレーニング器具を批判することはおかしいとか言われたりしましたが、一番驚いたのは多くの人が私の意見に賛同してくれたことでした。 この件に関して、私の論点に異議を唱える人が、どのような視点から議論を展開しえるであろうか、を考えてみたいと思います。 “あなたはストレングストレーニングの歴史を知らない” バーベルというトレーニング器具は、1900年代にようやく注目を集め始め、その地位は、1930年代にボブ・ホフマンがヨークバーベルを設立した時に確立されたのが現実です。これは、フィットネスが初めて本格的にマーケティングされ始めた時期でもあります。確かにその前にも、ユージーン・サンドウのような方がフィットネス関連商品を売り出そうと試みたこともありましたが、バーベルは、フィットネス業界を永遠に変えることとなります。 1900年代には、マイロバーベルカンパニーが “バーベルを使えば、あなたの身体はスーパーマンになれる!”という謳い文句で売り出していました。今ではよく一笑に付してしまうような、テレビショッピングの初期の形式です。 この時代以前には、私たちが良く知っている、オリンピックリフティングというスポーツの形は存在しませんでした。リフター達は“クリーン”を行っていましたが、それには様々な異なったスタイルがあり、今の時代のように細かいルールも設定されていませんでした。片手のバーベルクリーンやスナッチ、そのほかにも色々な“力技の芸当”をバーベルを使って行っていました。しかし、バーベルが、他のトレーニング法よりも優れている、といったような認識は、ほとんどありませんでした。ヨーク氏が状況を変えるまでは。 現代のコーチがよく引き合いにだす、これらのストロングマン達は、レスリングやハンドバランシング(腕で体重を支える自重トレーニング)、そして色々な形・重さのウェイトや、ダンベルを用いたトレーニングに長い時間を費やしていました。実は、このストロングマン達の驚異的な重量を持ち上げる能力は、ハンドバランシングのようなトレーニングの結果によるものであり、高重量でのオーバーヘッドプレスなどの影響は少ないのです! 過負荷を与えるための方法のひとつとしても、バーベルは用いられました。しかし、現代によく見られるような負荷として、ではなく、動きが一番重要であり、これらの動きのパターンに負荷を加えるために、バーベルが時々使われた、という程度です。 その上、バーベルだけを使用したり、それを中心にトレーニングプログラムが組まれたことはまずありませんでした。しかしそれはオリンピックリフティングやパワーリフティングなどの競技が主流となる前までの話です。オリンピックリフティングという競技の、米国における普及の功績は、ヨークバーベルにあるとも言え、当時は非常に影響力のあるスポーツの一つでした。 そうです、バーベルを中心としたスポーツが人気を集めるようになったのです。これらのバーベル主要な道具として使う競技において、そのトレーニングにバーベルを使わないのは馬鹿げていますが、問題は、これらのオリンピックリフティング、パワーリフティングの元アスリート達が、他のスポーツのコーチになったときに起こりました。 その人たちの偏見や先入観はトレーニングプログラムにも現れ、競技目的のリフティング能力が、アスリートとして卓越した能力の指標となるには長くかかりませんでした。私たちは、状況によって、それぞれの目標や、誰がコーチを務めているのかを理解し、その上で特有なトレーニングメソッドやテクニック、そして器具が、なぜ高い評判を得ることになったのかを考える必要があります。 1900年代の前にも身体能力の向上を得ることは可能でした。でもバーベルなしでどうやって? “ジョシュ、最大筋力を鍛えるためにはバーベルが必要だよ” リフティング系の競技が、ストレングス&コンディショニングのプログラムに多大な影響を与えたことは明らかです。そこでほとんどのコーチに “何故” この特殊な動きを行って鍛えるのかと聞くと “パワーを発達させるため” とか “強くなるため” などという、ひどく曖昧で、ちゃんとした答えにもなっていない返事が返ってきてしまいがちです。 バーベルトレーニングとまったく無縁な方法で、パワーを向上させたり”強くなる”ことは可能です。例えば、バーベルを一度も触ったこともないような男子体操選手が、自分の体重の二倍もの重さをベンチプレスを上げることができます。これによって、”パワーを発達させる”とか ”強くなる”というのは、バーベルに関するフォーカスに関しての論理的なポイントにはならないことを物語っています。 シングルレッグや上半身トレーニングのパワーが、多くのコーチや研究によって再認識されて以来、バーベルを用いたトレーニングの立場はさらに弱まってるように思えます。 ストレングス&コンディショニングジャーナルによって行われた研究では “両脚で行うジャンプに比べ、片脚ジャンプはスプリントパフォーマンス能力とより密接な関係にある” (J Strength Cond Res. 2010 Dec;24(12):3200-8)と表明されています。この研究は、アメリカ大学一部リーグに所属する女子サッカー選手達を対象に行われました。 バーベルでのトレーニングが、”パワー”を生み出すトレーニング法であると思っている方は、この科学誌に書かれてる内容を読んでみましょう。 “スプリント能力を例とした場合、スクワットやジャンプスクワット等のように、垂直方向に向かって、脚の筋肉に両側性の筋収縮を含むエクササイズが、パフォーマンスに与える影響は、最小限である。しかし、片側性のエクササイズや、全身の水平面での動きを含むプライオメトリックストレーニングは、スプリント加速能力に大きな影響を及ぼし、運動パターンと収縮速度の特殊性の重要性を物語っている。”。(Int J Sports Physiol Perform. 2006 Jun;1(2):74-83.ストレングスとパワートレーニングのパフォーマンスへの移行.) この両方のケースでは、パワー値を最も表すといわれるスプリント能力は、私たちが思っていたほど、両側性のリフトトレーニングには影響されないことが示されています。 ここで気づいていただきたいのは、私たちが “必要” と謳い、行い続けてることの根本には、主流から外れてしまうことへの怖さ意外には、しっかりとした基礎がないということです。残念ながら、改革というのは、人が変化を恐れず、よりよい方策を求めた時にのみ起こりえます。バーベルでの最大負荷のリフトが、その人が重いバーベルを持ち上げる能力以外、実際に向上させることが少ない、ということに気づき始めている今、より効果的で成功につながるプログラムを作成する方法は、他にも沢山あるということを理解するべきでしょう。 ストレングスコーチのチャールズ・ステーリーは、“全てのものには代価がある、しかし全てのものに利益があるとは限らない” という素晴らしい表現をしています。成功するプログラムを作る鍵は、コストの削減と利益の最大化にあります。 今の時代のストレングス&コンディショニングでは、その目標達成のための多くのオプションが存在しています。それが私たちのプログラムの本質であり、自分の楽な居場所から踏み出し、他人と違っていることを恐れない人達のために、示すことがきることを望んでいます。 私が、皆さんに、この記事から得て欲しいポイントとは?私たちは、クライアントへの実益を重視した、プログラム編成と結果測定の方法を開発することを必要としています。 果たしてバーベルは悪しきトレーニング器具なのか? そうではないのですが、バーベルトレーニングを必要以上に重要視し、過大評価してきた風潮は、私たちの成長の妨げになってきました。これからの記事では、動作、パワー、力、そして安定性の構築のためには、もっと効率的で効果的な方法があることをお伝えしていきたいと考えています。

ジョシュ・ヘンキン 3636字

TRX®トレーナーに聞こう/手首の痛み(ビデオ)

TRX®スポーツ医学サスペンショントレーニング部門の責任者であるブライアン・ベッテンドーフが、手のひらをついたプランクのポジションでの手首の痛みを改善するためのヒントをご紹介します。

TRXトレーニング 2:15