パフォーマンスのための理学療法:なぜ私たちの職業は進歩する必要があるのか

理学療法は、けがのリハビリに始まり、けがの予防、さらにはパフォーマンスの向上に及ぶまで広範囲に広げることができます。人々が自身の身体を最大限に活用できるように本当の意味で手助けするには、私たちはそれら三つ全てに焦点を当てる必要があります。 しかし、私たちの多くはそうはせず、そしてもしあなたがその一人であるなら、かなりチャンスを逃していると思います。 これがなぜ起こるのかは確かではありませんが、もし推測するのであれば、私達を躊躇させる2つの主な考えがあるのではないかと思います。 大多数の理学療法の専門家は、けがのリハビリに集中しており、これには私たちの大学のカリキュラムや職場の環境をも含んでいますが、これによって、人々が自身の機能とパフォーマンスを最大限にさせることを手助けするという私たちのポテンシャルを実に制限しています。 私たちはほとんどの時間を「パフォーマンス」ではなく「機能」に注目することに費やしています。 おそらくこれはただの専門用語かもしれませんが、私が学校に通っていた時とキャリアの序盤において「機能」は人々の日々の生活における活動のことであり、そして「パフォーマンス」はスポーツのことでした。そうではありませんでしたか?少なくともそれが私の認識でした。 私はこの定義に、これ以上ないくらい同意できませんでした。私が今どのようにこれらを定義するかを次に書きます: 機能とは活動です。もちろん、これはお風呂に入ったり服を着たりといったことを含むこともできますが、ランニングやジャンプ、投げる、そしてスポーツをすることも一般的には機能であると言えます。 パフォーマンスとはそのような機能をいかにうまく行えるかということです。 パフォーマンスとはアスリートだけが行うものではありません。私たちは皆、私たちが自身の身体を使って行いたいあらゆる機能を実行しなければなりません。これはおそらく、理解しなければならない最も重要なコンセプトであり、そして私のチャンピオンパフォーマンススペシャリストのコースを受講し終わった人たちが最も役に立ったと言った主なことの一つです。 パフォーマンスのための理学療法へ移行する必要性 多くの理学療法士にとって最も一般的なパフォーマンスのスペクトルの視点と、私が推測するものを次に挙げます。どこかの時点で、自分自身のベースラインを定めたでしょう。多くの人はそのベースラインを元に、パフォーマンスを復元または向上させることのどちらかに集中します。 私たちは傍観して、誰かがけがをするのを待ち、それから彼らがベースラインへ復元するのを手助けするのです。 ところで、そもそも、彼らのベースラインがけがをした理由の一部であったらどうしますか? もし、彼らの機能をベースラインに戻すことにだけ集中したのであれば、彼らのパフォーマンスを最適化し、そして向上させるための機会を完全に逃しています。 これが、非常に多くの人がけがの再発や慢性的な痛み、そして手術の失敗が起こる理由の一つだと考えずにはいられません。人々をベースラインに戻すことは十分ではなく、彼らのキャパシティを増加させ、ベースラインを向上させなくてはならないのです。 すでに周知のように、筋力不足やモビリティの問題、そしてアンバランスさなど、多くのことがけがを起こしやすくします。 ソーシャルメディア上で、非常に多くの理学療法の方法が事実的に非効果的か一時的のどちらか、またはその両方であるという批判が最近増加しています。まさにその通りでしょう。 しかし、もしかしたら、理学療法の方法が問題なのではなく、全体の計画なのではないでしょうか?もしかしたら、私たちはただ機能を復元することだけに集中しすぎていて、パフォーマンスを最適化し向上させることには十分でないのではないでしょうか? もし、頭上への肩の可動域の制限があり、ジムでオーバーヘッドプレスを行うたびに肩に痛みがあるのであれば、その痛みは理学療法で大きく軽減できるでしょう。しかし、オーバーヘッドプレスを再び行えば痛みが戻ってくる可能性が高いとは思いませんか?痛みを軽減し、以前のベースライン(適切ではない)に戻しましたが、彼らのモビリティを最適化してはいません。 彼らの長期的な見通しはあまり良くないですよね? パフォーマンスのための理学療法の目的 パフォーマンスのための理学療法の目的は、機能を取り戻すだけでなく、身体のキャパシティを増加させることです。 単に以前のベースラインへ戻すだけでは充分ではありません。私の見解では、それは「これまでの」理学療法です。パフォーマンスのための理学療法は機能を取り戻すだけではなく、さらにパフォーマンスを最適化し向上させようとします。私にとって、それが重要な違いなのです。 もしパフォーマンスの最適化をスペクトルに加えるのであれば、このようになるでしょう: しかし、これだけでは十分ではないと思いますし、もっと良くすることができると思います。 もし、パフォーマンスを取り戻す、または向上させようとしているのであれば、パフォーマンスを最適化しようともするべきです。現実的に、この二つのコンセプトには重複する部分があります。 これは、二つの方法で私たちの焦点を変化させます。 これらのコンセプトは全て重複することを示しています。私たちはパフォーマンスを取り戻して最適化でき、そしてパフォーマンスを最適化して向上することができます。それらを個別の要素と考えるのは、理想的ではありません。 私たちの思考プロセスを後ろ向きから前向きな視点へと変化させます。終着点が単にベースラインへと戻すだけではなく、最適化することでもあり、うまくいけば彼らのパフォーマンスを向上させルことであると理解していれば、けがのリハビリのプロセスについてのあなたの全体的な見解を初日から変化させます。 私たちの職業にはパフォーマンスのための理学療法が必要である 良いニュースがあります。 理学療法士は診断とけがの治療にとても優れています。理学療法士のけがの評価と治療を可能にする評価と診断のスキルは、その人の機能とパフォーマンスのレベルを評価することにも容易に応用することができます。 考えてみてください、けがをしている人と健康でパフォーマンスを向上させたい人とを評価することの違いは何でしょうか? スペシャルテストです。それがおそらく答えでしょう、違いますか? スペシャルテストは特定のけがの診断を容易にするように作られています。もし、このスペシャルテスト、または一連のテスト、が陽性であれば、そのけがをしているのかもしれません。 しかし、スペシャルテスト以外のもの全ては、その人の機能のレベルを本質的に評価します、違いますか?筋力、モビリティ、バランス、動作。これらは、ある人の完璧なパフォーマンス療法とトレーニングプログラムを作るために評価できる全ての項目です。その後、私たちはこれらの特性の一つ一つを最適化し向上させるために取り組むことができるのです。 あなたはどのようにこれら全てを組み合わせますか?けがを治療して身体を最適化するのです。 それには、あなたの考え方を変化させるだけで良いのです。

マイク・ライノルド 3087字

スコーピオンフロッグロール

フロッグロールというローリングパターンを練習したことがある方には馴染みがある伏臥位からのローリングパターンに、スコーピオン=サソリのようなリーチをプラスしたローリングで、股関節の前側を気持ちよく伸長してみてください。

オリジナルストレングス 3:49

何もしないと決める前にもう一度考える必要性

急性:慢性トレーニング負荷の割合の持つ真の意味を理解するために、そしてアスリートに対してのトレーニングプログラムに関する変更を決断する場合、単に急性:慢性トレーニング負荷の計測データのみでなく、考慮する必要があることとは何なのでしょうか?

ティム・ギャベット 4:48

TRX ヨガ:フロー

TRXサスペンショントレーナーを使用する全く新しいタイプのヨガのプログラムを開発したクリスタル・セイが、TRXヨガのイントロと、2つのポーズをリンクしたフローの例をキューイングとともにご紹介します。サスペンショントレーナーを使うことで、コアが反射的に働き、全く新しいセンセーションを経験することが可能になります。

TRXトレーニング 4:25

TRX ヨガ:フライングピジョンプログレッション

TRXヨガのプログラム開発者であるクリスタル・セイが、エカパーダ=フライングピジョンと呼ばれるポーズの3つのプログレッションを、段階ごとに丁寧に指導します。コアへのチャレンジとなるポーズを、より安全に実行するためのキューイングを確認しつつ、段階に沿ってチャレンジしてみてください。

TRXトレーニング 7:41

20分間のケトルベルフロー

20-25分程度しか時間がないけれども全身を使った効果的なトレーニングをしたい!そんな時ありませんか?ケトルベル1つを使うだけで、様々な関節の動きとムーブメントパターンをカバーし、心拍数を上げてくれる効率的なケトルベルの動きの組み合わせをぜひお試しください。

ファンクショナル・トレーニング・インスティチュート 2:59

サイドキックとゲットアップのキャリーオーバー

テコンドーのサイドキックのような、格闘技の動作における体幹の回旋パターンを解決するために、ゲットアップの動きの一部を活用したトレーニングを利用することができます。キャシー・ドゥーリーが提案するハーフウインドミルのドリルを試してみてください。

キャシー・ドゥリー 4:32

最悪の場合のシナリオに向けての準備

アスリートのリハビリから試合や競技への準備をする際、最終的にアスリートを準備させるべき状況とは、どのようなものなのでしょうか?ただ平均的なデマンドに向けの準備のみでは不足するとすれば、キャパシティーをどこまで構築していく必要があるのでしょう?

ティム・ギャベット 5:44

クロスオーバーステップを決して指導してはいけない

様々なスポーツのシーンにおいて、クロスオーバーステップが不自然で非効率であるのはなぜなのでしょうか?沢山のコーチたちが指導し続けているクロスオーバーステップを、決して指導してはいけない!というリー・タフトが、その理由をバイオメカニクスをベースに解説します。

リー・タフト 3:30

SLAP損傷とは一体何か?上方関節唇損傷についてあなたが知っておくべきことトップ5

SLAP損傷は、肩関節関節唇の上方部分の怪我です。SLAPという単語は、上方関節唇(Superior Labrum ) の前方から後方にかけて(Anterior to Superior )の損傷を略したものです。これは肩関節傷害で非常によく見られる診断です。SLAP損傷には、重症度や治療ストラテジーが異なる多くの様々なバリエーションがあります。過去において、外科医はすべてのSLAP損傷を手術したがりましたが、私たちは手術なしでもうまくいくものもあることを学びました。事実、いくらかのSLAP損傷は心配する必要さえないのです。 SLAP損傷がどのように起こるのか、そして病理学的には一体何が起こっているのかを理解することは、これらの肩関節傷害を適切に診断し治療するために非常に重要です。 SLAP損傷の分類 図で見られるとおり、上腕二頭筋長頭腱は上方関節唇に直接付着しています。上腕二頭筋腱が付着する上方関節唇に起こりうる怪我には、いくつものバリエーションがあります。 700件の肩関節内視鏡の遡及的検討(レトロスペクティブレビュー)に続いて、Snyder et al: Arthroscopy 1990は、上腕二頭筋腱に関わる上方関節唇損傷を4つのタイプに識別しました。彼らは、解剖学的位置を参考に、これらのSLAP損傷をまとめてこのように名付けました:前方から後方にわたる上方関節唇。これが当初の定義でしたが、私たちがSLAP損傷についてもっと学び続けていくと、それらは必ずいつも前方から後方にかかっているというわけではないのです。しかし、知っておくべき最も重要なコンセプトは、SLAP損傷は上腕二頭筋腱付着部付近の上方関節唇の怪我であるということです。 タイプI SLAP損傷 タイプI SLAP損傷は、関節唇がしっかりと関節窩に付着した状態で、上方関節唇のみが擦り切れているものを示すとされています。これらの損傷は通常自然に起こる変性です。今のところ、活動的な人たちの大部分がタイプI SLAP損傷を持っていると現在は考えられており、多くの外科医は大抵これを病理的だと考えてさえもいません。 タイプII SLAP損傷 タイプII SLAP損傷は、上方関節唇と上腕二頭筋長頭腱起始部が関節窩から剥離し、上腕二頭筋腱及び関節唇が付着している部分が不安定になっているという特徴があります。これらはSLAP損傷の最もよく見られるタイプです。私たちが外科医から「SLAP損傷」を治療するようにという処方箋を受け取るとき、彼または彼女は、十中八九タイプII SLAP損傷、そして関節唇と上腕二頭筋腱の縫合手術について話しています。 タイプII SLAP損傷の異なる3つのサブカテゴリーが、Morgan et al: Arthroscopy ’90によってさらに識別されています。彼らは関節内視鏡評価を受けた一連の102人の患者のうち、37%に前方上方部の損傷が見られ、31%に後方上方部の損傷、そして31%に前方及び上方部を合わせた損傷が見られたと報告しました。 これらの発見は、私の患者の臨床的観察とも一致しています。患者のタイプや受傷機転の違いが、わずかに異なるタイプII SLAP損傷をもたらすのです。たとえば、オーバーヘッドアスリートの大部分に後方上方部の損傷が見られる一方、外傷性のSLAP損傷を持つ人々には通常前方上方部の損傷が見られます。これらのバリエーションは、患者の既往歴及び受傷機転に基づき、どのスペシャルテストを行うか選択する際に重要です。 タイプIII SLAP損傷 タイプIII SLAP損傷は、上腕二頭筋停止部が付着している状態での、関節唇のバケツ柄状断裂によって特徴づけられます。半月板と同じように、関節唇は損傷し関節の中に入り込んでしまいます。ここで重要なコンセプトは、タイプIIとは異なり、上腕二頭筋腱は付着しているということです。 タイプIV SLAP損傷 タイプIV SLAP損傷では、関節唇が上腕二頭筋腱にかけてバケツ柄状に断裂しています。この損傷では、タイプII SLAP損傷で見られるのと同じように、上腕二頭筋腱及び関節唇が付着する部分に不安定性も見られます。これは基本的にタイプII損傷とタイプIII損傷の組み合わせです。 この分類システムの複雑なところは、タイプIからIVのスケールは漸進的により重症となるというわけではないという事実です。たとえば、タイプIII SLAP損傷はタイプII SLAP損傷よりもより大きいまたはより重症である、あるいはより病理的だということではありません。 さらに複雑なことに、Maffet et al: AJSM ’95は、彼らの712件の関節内視鏡のレトロスペクティブレビューの中で識別されたSLAP損傷のうちの38%は、以前Snyderによって定義されたIからIVという専門用語を用いて分類することができなかったと記しました。彼らは、SLAP損傷の分類スケールを、タイプVからVIIという種類を加えた合計7つのカテゴリーに拡張することを提案しました。 タイプV SLAP損傷は、前方上方関節唇にかけて前方関節包のバンカート病変が見られるという特徴がある。 タイプVI SLAP損傷は、前方あるいは後方の上方関節唇のフラップ状断裂を伴う上腕二頭筋腱付着部の断裂を含む。 タイプVII SLAP損傷は、中関節上腕靭帯の下方領域を含む前方SLAP損傷の延長として説明される。 これらの3つのタイプは、通常SLAP損傷に伴う合併症を含んでいます。彼らは追加的な分類を提供してくれたものの、この専門用語は受け入れられず、あまり使われていません。たとえば、多くの人々はタイプV SLAP損傷をバンカート損傷を伴うタイプII SLAP損傷というでしょう。 それ以降、私が知っているだけでも少なくとも10個のさらに多くの分類タイプが文献で説明されてきましたが、心配はいりません、誰も実際にそれらを使ってはいませんから。 SLAP損傷の分類についてあなたが知っておくべきことトップ5 SLAP損傷の分類についてあなたが知っておくべきことは: タイプIからIVのSLAP損傷だけ考えましょう。そしてタイプIV以上のあらゆる分類システムは、単にSLAP損傷に加えて付随する怪我があることを意味しているのだと理解しましょう。 タイプIとタイプIII損傷を分解して一緒のグループにすることができます。どちらも関節唇の変性を含みますが、上腕二頭筋腱は付着しています。したがって、これらは不安定なSLAP損傷ではなく、手術で縫合されるものではありません。これは手術(ただの単純な創面切除術)や理学療法を容易にしてくれます。 また、タイプIIとタイプIV損傷を分解して一緒のグループにすることもできます。どちらも上腕二頭筋腱の剥離を含み、上腕二頭筋腱を安定させる手術が必要となります。タイプIV損傷はより極めてまれであり、バケツ柄状断裂の縫合および創面切除術を含むでしょう。 タイプII損傷は、あなたもクリニックで見ることがあるでしょうが非常によくあるタイプで、外科医が「SLAP縫合」について話しているとき、ほとんどの場合はこのタイプを言及しています。とは言いながらも、タイプII SLAP損傷がかつて予想されていたよりも一般的である可能性があることから、それらを縫合しないという傾向が見られます。これはオーバーヘッドアスリートにおいて特に当てはまります。 私たちは皆タイプI SLAP損傷を持っているかもしれません。それは基本的に単なる関節唇の擦り切れや変性です。

マイク・ライノルド 3223字

Kaori's Update #45 - どこでも実践可能なゲットアップ

様々な動きの要素が含まれたゲットアップのムーブメントパターンには、数々のメリットが含まれています。外出を控えて自宅にこもりがちな日々が続いてしまいそうな今日この頃、限られた場所でも効果的に実行できるゲットアップ、是非試してみてください!

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スプリントすることなくスプリントする方法

スプリントやバウンドといった弾みのある運動を行う際に、関節へのストレスが大きいのではないか?と避けてしまうようなことはありませんか?楽しく、身体の弾性リコイルの能力を維持するためにも、大切なバウンスをする能力を維持するための安全なアプローチをご紹介します。

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