マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてポイントとコインを獲得すれば理解も深まります。
アンテリアラインの柔軟性
足趾から頸部まで身体の前面を通るキネティックチェーン全体を、効果的に伸長するための方法を、理学療法士であるアダム・ウルフが、静的~動的へとシンプルにわかりやすく解説します。
女性のフィットネスにとって最も重要な5つのエクササイズ
前回の記事で、なぜ男性と女性に違いがあるのかを確証することが重要であると考えました。女性たちも“強い”はずであるということから、男性が好むようなワークアウトプログラムを強引にでもしなければならないと感じる必要はありません。女性は女性として強くあるはずですが、トレーニングにおいて何をすることに時間を費やすのか、ということに影響を与え得る違いがあるのです。そういう理由で今回、女性がフォーカスすべきである5つの最良のDVRTアルティメイトサンドバッグトレーニングドリルに関する投稿をしようと思ったのです。 なぜDVRTアルティメイトサンドバッグトレーニングなのでしょうか?まず、ただ単に物を上下に動かす、ということを超えた方法で、人々を強くすることができる最良のツールであると私が考えているからです。人生は、あらゆる方法で我々に強くなることを要求しますが、ほとんどのフィットネスプログラムは未だに、単に矢状面で動くことだけをあまりに強調しすぎています。 私が、DVRTアルティメイトサンドバッグトレーニングの教育をこれほど強調しているもう一つの理由として、適切な目的を持ってDVRTトレーニングを行っていると、身体や動きについて学習できることに驚かされるからです。よりハードにトレーニングさせるためにエクササイズを与えるのではなく、より良く動けるようにさせるために、正しい動きを見つけるのです。 私の前回の投稿(ここから読むことが出来ます)についえ考えるとき、女性のフィットネスでは以下のようのことに取り組むことが必要であると述べていました… コアの強さ 片脚の安定性/筋力 3面すべてにおける動き 身体全体を統合する方法を教えるドリルを使用すること もちろん、これらのコンセプトは誰にとっても良いものであるでしょうが、女性の身体の構造や生理学に起因して、これらは女性のフィットネスに関して特に重要になります。では、どこに時間を割くべきなのでしょうか?どのエクササイズを本当に努力してマスターするべきなのでしょうか?そうですね、これらの考えに見合う、そしてトレーニング時間を最大限に活用することができると私が考えているのが、これら5つです。 負荷をかけたデッドバグ なぜ多くの人が、通常リハビリを連想するであろうエクササイズから始めるのでしょう?女性についての前回の投稿を読めば、リハビリの基礎であるコアエクササイズをするべき女性が多くいるのです。それは妊娠が原因であれ、高いヒールを履いていることが原因であれ、多くの女性のコアは働いていません。それによって姿勢が崩れているため、多くの女性が腰を痛める位置になってしまう傾向があります。 骨盤の基礎の制御がしっかりできているのかを確認するための、最初のステップになるため、負荷をかけたデッドバグは有用です。このドリルで、脊柱をニュートラルに維持できていない人がどれだけ多くいるのかにショックをうけるでしょう。では、なぜこのビデオで見せるように負荷をかけるのでしょうか?私たちはほとんどの場合2つのことをする必要があるためであり、それは、適切な“ブレーシング”がどのようなものであるのかを感じさせることと、特定のパターンに繋げる方法を教えることです。このケースでは、広背筋、コア、そして殿筋のつながりです。
スクワット時の膝外反を避ける
スクワットのボトムポジションで、膝が外反したり、骨盤が過度に前傾したり後傾したりすることを防ぐために、効果的に利用できるドリルをDr.キャシー・ドゥーリーがシェアします。是非お試しください。
高抵抗インターバル
ジョール・ジェイミソンのコンディショニングコーチ認定コースの実技カラの一場面。クライアントやアスリートを対象に、トレッドミルを使用した高抵抗インターバルの実践方法をご紹介します。 高抵抗インターバル (High Resistance Intervals - HRI) 最大努力での 5-6 秒のワーク後、60 秒のレスト、または心拍数130までの低下(どちらか早く達成できた方で) 10-20 反復 上り坂のランニングがベスト 高抵抗でのバイクスプリントも可能
ラテラルラインの柔軟性
矢状面での動きを更に向上させるためにも不可欠な前額面での動きの自由さを実現するためにも、身体側面の組織の柔軟性を引き出すことが重要です。理学療法士アダム・ウルフがご紹介するシンプルなアプローチを是非お試しください。
ローデットキャリー
下記は、グレイ・クックとダン・ジョンがケトルベルキャリーのドリルのシリーズを紹介したライブイベントからの抜粋となります。”ローデットキャリー”がいかに作業能力や姿勢の統合性に関連するかを解説しています。 作業能力 グレイ・クック:作業能力はウエイト重量に加えて時間も関わります。 これらのローデッドキャリーにはいくつかの基準があります:そのポジションをコントロールする必要があること。選択されたケトルベルをまず右手で持ってオーバーヘッドで歩きます。 しばらくその状態で歩き続けますが、自らの意思でベルのポジションを変えることができます。毎回ポジションを変えるたびにその前のポジションよりも楽なポジションに変えるように。 止る必要がないように。このウォークが12~15分の長さになったとしても、会話ができる程度の持久力負荷になるように。 コーチとして気づいたこととして、話ができる程度の負荷であれば聞くことができるけれど、呼吸が激しくなるような負荷では私の言っていることを何も聞き取れなくなってしまうということ。話し続けることはできるけれど、意味がなくなってしまいます。 ローデッドキャリー この部屋の両端に、それぞれ1人ずつ2人のケトルベルインストラクターがいます。オーバーヘッドキャリーがうまくできていなければ、彼らはあなたに”下ろせ”と言うでしょう。ラックポジションに下ろすということです。 もしあなたのラックポジションがうまくできていなければ、彼らはあなたに”下ろせ”と言うでしょう。スーツケースキャリーに下ろすということです。 それがもうできなくなったら、左のオーバーヘッドに変えて、それから左のラックポジションへ、そして左のスーツケースキャリーへ。 言われてポジションを変えるよりも、早めのタイミングで変えられる方が良いと思います。そうすれば、目に見えてわかるよりも前に、自分自身の統合性の不足を自らが認識しているということになるからです。80%程度の努力を費やした時に、ベルのポジションを一つ下げるようにします。 もしコーチ達にポジションを下げるように3回指示をされたら、それはあなたが負荷を持った状態でのアライメントの統合性への気づきに欠けていることを意味します。 もしベルをオーバーヘッドでキャリーするのがうまくできないようであれば、右のラック、右のスーツケースキャリー、左のラック、左のスーツケースキャリーで距離をカバーしなければなりません。 オーバーヘッドの際、肘はまっすぐ伸ばすように。手首もまっすぐ伸ばすように。それが感じられなければ下ろしてください。このドリルはクオリティーをコントロールできて初めて効果的なものです。 持久力、コアの安定&姿勢 ダン・ジョン:オーバーヘッドとラックポジションからのみでも、上半身のモビリティーの問題が少しわかりますね。身体と腕の間にトランプが挟めるようでなければ。タイトでなければね。上腕二頭筋は耳についているように。でもそれができないとすれば何故できないのか?と。 グレイ: ウォームアップの間に言い続けたのは”押し下げろ、押し下げろ”ということ。どのポジションであっても、ケトルベルを地面にひきおろすように。身体の横でキャリーする際にも地面を押すようにしますが、かと言ってアライメントは崩さないようにします。 こういうことが起きるのです:持ち上げようとすればウエイトは重くなり始める。 私がオーバオヘッドでキャリーをする時、天井に向けて持ち上げようとはしていません。統合性を持って頭上で運ぼうとしているのです。ラックポジションの時、お盆に乗せたドリンクを運ぶようにするのか、それとも自分の中心に向かって引き寄せるようにするのか?引き寄せるのです。肩をパッキングして引き寄せて引き下ろす。 これは西洋のフィットネスの大きな問題の一つです:キャリーの許容量を得る前にものを持ち上げようとしてしまうこと。 リフトしたい重さのウエイトをキャリーで運んでみましょう。負荷がかかった状態でアライメント維持して統合性を維持してキャリーします。 私たちがリフトよりもキャリーをしっかりと行えば何が起こると思いますか?コレクティブエクササイズを探さなくなる。 これは持久力を向上させ、コアのスタビリティーを向上させ、姿勢を向上させます。 ここからバランスがスタートするのです。キャリーから;デッドリフトではなく、ベンチプレスではなく、シングルレッグデッドリフトではなく、ターキッシュゲットアップではなく、スイングでもプッシュプレスでもなく。 バランスは作業能力からスタートします。 統合性をもったアライメントは良いバランスです。このための必須条件として床の上でのバランスビームがありますが、ここでは負荷をかけた状態での統合性を持つアライメントが良い反証でしょう。 ローデッドキャリーの観察 ダン:私たちの観察では、筋量の多い人達は、ベルをMr. ユニバースのようにホールドしようとして、ローデッドキャリーのラックポジションに手こずっているようです。アライメントがうまく支えるのではなく、早めに姿勢を崩してしまう。 他にも、多くの人達が、特に衝突するスポーツに関ってきた人達がオーバーヘッドキャリーに苦労するのに気づくでしょう。彼らはミリタリープレスや片腕のプレスはOKかもしれませんが、歩き始めた途端にちょっとしたスパイラルが起こるのです。これによって問題への洞察が与えられます。プログラムにウエイターウォークを取り入れる必要がありそうですね。 グレイ:これを一度も行ったことがない新しいグループは、キャリーを通常10~15分程度行えるでしょう。 最初に、これらの皆さんが距離をカバーするのにOKであるように私は何をしましたか?彼らにボトムアッププレスをさせましたね。”好きな重さのベルを手にとって”とは言いませんでした。 ケトルベル選択の唯一の基準は:左右それぞれでボトムアップキャリーができること。その重さで両側でボトムアップキャリーができないのであれば、重量を下げる必要があります。 左右のボトムアップでのケトルベルの強さが、身体をいかにうまく使えるかということを伝えてくれます。両側でうまくコネクトできる軽い重量のケトルベルを選んで、そこで仕事負荷を開発するようにします。 最初にボトムアップテストを行わなければ、このドリルに成功することはないでしょう。神経系の統合性を見ることさえできれば、これは拡張可能なのです。 このようにしてウエイトを選択します。テストをするウエイトではなく、トレーニングするウエイトです。 コーチングすることなしにクライアントにこれを行わせないでください。彼らは統合性が失われた時にポジションを変えることをしません。彼らは疲れた時にポジションを変えるのですが、これはクオリティー重視のドリルですから、統合性を失う前に下ろさなければならない。 ダン:私達はこれらのローデッドキャリーを”クックドリル”と呼んでいます。月曜は:何かバックアップを。ゴブレットスクワットとキャリーをやってみよう。 ローデッドキャリーのポイント 作業能力のためのローデッドキャリー 両側でボトムアップキャリーできる重さのケトルベルを選択する。これがキャリーのドリルに最適なウエイトの選択方法。 これは右手のオーバーヘッドキャリーでスタートするウォーキングループである。オーバーヘッドキャリーの統合性が失われ始めたらすぐにラックポジションに変える。 ラックポジションでの統合性が失われ始めたらすぐに下向きのスーツケースポジションに変える。 スーツケースポジションでのアライメントが崩れ始めたらすぐに、ケトルベルを左手に持ち替えてオーバーヘッドにする。 使用するクライテリアは80%. アライメントが最適の80%に下がったら、次に低いレベルに変える。オーバーヘッドのポジションで統合性を維持できなくなればラックポジションでキャリーする。 オーバーヘッドでの統合性とは、肘と手首がまっすぐで、肩がパッキングされ腕が耳の近くにある状態である。
疼痛経験
ベン・コーマックの痛みをテーマにしたセミナーからの抜粋。下記のMoseleyとVaelayen の表現を引用し、私たちの疼痛に関する理解との関連性を解説しています。 “痛みとは、侵害受容としばしば関連する、あるいは関連し得る意識的経験と考えられるが、常に数え切れないほどの神経生物学的、環境的、認識的要素によって調節されているものである。 かなりの数のエビデンスが侵害受容は痛みにとって十分でもなければ必要でもないことを論証している。” Moseley & Vaelayen 2015
なぜ筋力増加は特化しているのか?(そしてそれがなぜ重要なのか?)
強くなることはとてもとても大切なことである。 事実、筋力は多くのアスリートにとって最も重要なことかもしれない。 しかし、筋力はたった一つの検査で測定することは非常に困難である。同じ筋群を測定しているにもかかわらず、一つの筋力検査では非常に高いスコアが出せる人でも、別の類似した検査ではそれほど高いスコアが出せない場合もある。 同様に、一つの特定の筋力検査(1RMのバックスクワットのような)のために訓練すれば、その検査のエクササイズにおいては強くなれるだろうが、他のエクササイズあるいはスポーツの運動中において、必ずしも筋力生産が増加するとは限らない。 なぜなら筋力は特化しているからである。 筋力はどのように特化しているのか? トレーニング中に行われた時と同じ状況で検査する場合、筋力増加はより大きい。この記事で取り上げることになるが、筋力の特化には、最低8通りある 筋力トレーニングのプログラムの有効性を最大限にすることは、アスリートが達成したい特異的な目標にふさわしくデザインすることを意味する。 #1. 遠心性筋力 筋力増加は筋の活動(収縮方法)に特化している。 つまり、遠心性トレーニングは求心性筋力よりも遠心性筋力をより大きく増加させる。確かに、Vikne およびその他 (2006) は、遠心性トレーニング後の遠心的な1RMの筋力増加は、求心性トレーニング後の増加の2倍であることを示した。 遠心性トレーニングの筋肥大の可能性について押し問答する人も多く存在するが、特化性の影響は筋肥大の量の違いが原因ではない。 事実、特化する要因の1つは、細胞外基質とタイチンの量が増えたため受動的な筋力生産が増加することであり、また他の要因は伸張する筋活動に特異的な神経的適応があるためである。 #2. 高速度の筋力 筋力強化は使用する速度に特化している。 つまり、高速度(軽負荷)のトレーニングは、遅い速度よりも早い速度でより筋力を大きく生産する。実に数多くの研究が、この情報を何十年も発表してきている(例えば、Coyle およびその他 1981)。 速度特化はある人達にとってはわかりにくいかもしれない。なぜなら、“意図”が速度特化の筋力強化を促す主要な要因で、実際のウェイトバーの速度とは関連していないと、いくつかの非常に重要な研究が示唆しているからである。しかし、これはたぶん真実ではなく、“意図”と実際のスピードの両方が速度特化に影響している可能性が高い。 速度特化には、一つの筋線維の収縮速度(筋線維型変換も含め)がより増加している、早期の神経活動がより増加している、共同活性化がより抑制されている、そして低速度(重い負荷)のトレーニングに比べて協同がより改善されていることなどを含む、いくつかの要因がある可能性がある。 #3. 最大筋力 筋力増加は使う負荷に特化している。 重い負荷は最大筋力増加をより大きく促し、より軽い負荷(できなくなるまで行う)は反復する筋力(筋持久力)をより大きく改善する。 重い負荷も軽い負荷も、共に筋力を増加できるが、最大筋力の増加はほとんどの場合、重い負荷の方がより大きい。同じく、反復する筋力(筋持久力)の増加は大抵軽い方の負荷を利用する方がより大きい (Schoenfeld およびその他 2015)。 重い負荷を使った最大筋力増加は、複数の関節でのエクササイズ中に筋間の協同が増加し、外側への力の伝達がさらに増加し、神経活動がより多く増加し、そして腱の硬さがより増加するために起こるのであろう。 軽い負荷を使った反復する筋力強化は、毛細血管の発達がより良くなるため、緩衝能力の変化のため、そしてイオン輸送(ナトリウム、カリウム、カルシウム)のレートのために起こるのであろう。 #4. 可動域 筋力増加は利用する可動域に特化している。 部分的な可動域のエクササイズは、全可動域ではなく部分的な可動域において、より大きく筋力を強化する。 部分的なものが全可動域の筋力を向上する時でも、全可動域を通してトレーニングした時に比べて必ず劣るものである。反対に、部分的な可動域での筋力はより大きく増加していることが多い (Rhea およびその他 2016) 。 部分的な可動域のエクササイズは、神経活動は関節角度に特異的に増加するため、おそらく短縮位で筋力が強化されるであろう。対照的に、全可動域を通して行うエクササイズは、部位的な筋肥大の特異的改善のため、おそらく延長位で筋力が強化されるであろう。 #5. 安定性 筋力の増加は利用される安定性の量に特化している。 フリーウェイトの筋力トレーニングは、マシーンでエクササイズするときの筋力増加よりもフリーウェイトのエクササイズでの筋力をより大きく増加させる。 安定性は、一方でマシーン、もう一方でスタビリティボールの上でバランスをとりながらフリーウェイトでウェイトトレーニングを行うというような連続体に存在する。地面に立った状態、またはベンチに横たわった状態でフリーウェイトをリフティングすることは、その連続体の真ん中のあたりに存在する。 安定性の影響を調べる簡単な方法は、固定されたバーの軌道を使ったマシーンでのトレーニング後、運動の自由さを可能にするケーブルを使ったマシーンでトレーニング後の筋力増加を比べることである(Cacchio およびその他 2008)。この2種類のマシーンでの筋力増加は全く異なるものである。 筋力増加は、不安定な環境でバランスをとることが複数の関節でのエクササイズ中の協同パターンに影響し、協力筋と拮抗筋どちらの活性化も増加させるため、トレーニングで使われた安定性の種類に特化する。 不安定な環境でのトレーニングは、さらに複雑な運動要素が学習されるにつれ拮抗筋の活性化の減少および協働筋の活性化の増加を促す。これらの変化は、まさに安定性の条件となる効率的な筋収縮パターンへとつながる。 #6. 外部負荷の種類 筋力増加は、使用する外部負荷の種類に特化している。 最もよくみられる外部負荷の種類は (1) 一定負荷、(2) 適応する抵抗、および (3) 一定力である。 従来のウェイトトレーニングでは、エクササイズの可動域を通して負荷は一定のままである(力は、慣性と重さ両方が関わっているため、一定ではない)。適応すr抵抗は、エクササイズの可動域全体にわたり、負荷が多様に変化し、バンドやバーベルにチェーンを加えることがよくる。一定力は、非常に軽くてほとんど慣性を伴わない道具を必要とするが、エクササイズの全可動域を通して平等な抵抗を与える必要がある。 それぞれのトレーニングの種類は、異なった筋力増加の影響を及ぼす。つまり、筋力増加は外部負荷の種類に特化しているのである。 空気抵抗を使ったトレーニング(一定力を伴う)は、フリーウェイトの筋力よりもさらに大きい空気抵抗の筋力増加へとつながり、また、フリーウェイトのトレーニングは、空気抵抗の筋力よりもさらに大きいフリーウェイトの筋力増加へとつながる。 外部負荷の種類(一定負荷あるいは適応する抵抗)は、特異的な筋力増加を促す。これは (1)関節角度に特化した(可動域に特化した)筋力と (2) 速度に特化した筋力に違いがあるからである。 #7. 力のベクトル 筋力増加は力のベクトルに特化している。 力のベクトルは、身体に対してかかる力の方向を意味する。私達が動いているとき、これらの力のベクトルはしばしば“垂直”や“水平”と呼ばれる。垂直ジャンプは主に垂直の要素から成っている力のベクトルと関連する。水平ジャンプとスプリントは水平と垂直の要素両方持ち合わせた力のベクトルと関連する。 エクササイズを組み立てるとき、垂直の力のベクトルを軸力のベクトルと呼び、水平な力のベクトルは前後の力のベクトルと呼ぶ傾向がある。 水平(前後)な力のベクトルでトレーニングをすると、水平方向にかける力をより強く発揮できることにつながり、また垂直(軸)な力のベクトルでトレーニングをすると垂直方向に力をより強く発揮できることにつながる。 力のベクトル(垂直あるいは水平)は、(1) 関節角度に特化した(可動域に特化した)筋力と (2) そのエクササイズによって発達される筋群が異なるため、特化した筋力増加を促す #8. 筋群 筋力増加は筋群に特化している。 一つの筋をトレーニングすることは、ほぼ他の筋群の筋力を増加することはないであろう。エクササイズにより引き起こされたホルモンレベルの変化は体全体に影響を与えると以前は考えられていましたが。 筋群に特化した筋力増加は、あるエクササイズが筋群を非特化的方法で訓練することによって生じ、それから同じ筋群を伴う全く異なる関節の活動へと転移する。良い例として、膝関節を屈曲するエクササイズでハムストリングをトレーニングすると(ノルディックハムストリングカールや腹臥位のレッグカールなど)股関節伸展筋力へと転移する。 これが実践において意味することは? スポーツのために強くなることは、スポーツの動きに必要なことを分析することを意味しており、筋活動(遠心性あるいは求心性)、速度(高速度あるいは低速度)、可動域(収縮の頂点)、負荷(最大筋力あるいは反復する筋力)、そして安定性(安定あるいは不安定)の点でどのように力が生み出されるのかを考えなければならない。 スポーツの動きの特徴と自分の筋力強化プログラムの目標を一致させると、基本的な筋力強化プログラムよりも、スポーツに特異的なより良い筋力増加につながるであろう。 多くのコーチたちはすでにこれを解明している。 急にはずみ車(フライホイール)を使った遠心性のトレーニングが流行っている理由は、遠心性の筋力がスプリントや方向転換に重要だからである。速度に基づいたトレーニングの成功は、高速度での筋力増加がスポーツの動きによりすぐれて伝達されていることを示している。そしてパーシャルスクワットは、スプリントやジャンプの能力を発達させるために再び流行している。 業界の他の人たちが追いつくのも時間の問題であろう。 参照 Bloomquist, K., Langberg, H., Karlsen, S., Madsgaard, S., Boesen, M., & Raastad, T. (2013). Effect of range of motion in heavy load squatting on muscle and tendon adaptations. European Journal of Applied Physiology, 113(8), 2133-2142. Cacchio, A., Don, R., Ranavolo, A., Guerra, E., McCaw, S. T., Procaccianti, R., & Santilli, V. (2008). Effects of 8-week strength training with two models of chest press machines on muscular activity pattern and strength. Journal of Electromyography and Kinesiology, 18(4), 618. Contreras, B., Vigotsky, A. D., Schoenfeld, B. J., Beardsley, C., McMaster, D. T., Reyneke, J. H., & Cronin, J. B. (2017). Effects of a Six-Week Hip Thrust vs. Front Squat Resistance Training Program on Performance in Adolescent Males: A Randomized Controlled Trial. The Journal of Strength & Conditioning Research, 31(4), 999-1008. Coyle, E. F., Feiring, D. C., Rotkis, T. C., Cote, R. W., Roby, F. B., Lee, W., & Wilmore, J. H. (1981). Specificity of power improvements through slow and fast isokinetic training. Journal of Applied Physiology, 51(6), 1437-1442. 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あなたが行わなければならないアルティメイトサンドバッグスクワット!(ビデオ付き)
私は、理学療法の立場からフィットネスに関わることが好きです。なぜなら、どのエクササイズ、プログラム、ワークアウトを利用するときでも、その人の健康に注目しているからです。他の表現をするなら、あなたがワークアウトで行っていることは、リスクを最小限にしながら、ストレングストレーニングにおける私たちの目標を全て満たしているのでしょうか?正しいアルティメイトサンドバッグスクワットを選ぶことはまた、フィットネスにどんな意味を持たせるのでしょう。答えは、次のようなことを可能にさせるということです。 より強くする より可動性を高める 安定性が増す 様々な運動面での動きをトレーニングする 弱点を見つけることに役立つ 私が“リスク”と言ったことに驚くかもしれませんが、正直に言うと、すべてのエクササイズにはリスクがあるのです。私たちが求めていることは、どのようにそれらのリスクを最小限にし、大きな効果を生みだすのかということです。そのため、私の好きなタイプであるアルティメイトサンドバッグスクワットは、あなたが考えているかもしれないものではないのです。 ほとんどの人がスクワットをする時、腰と膝の悪い部分について考えます。彼らは、どれだけ良い感覚を感じられるかではなく、どれだけ頻繁にどの程度痛めてしまうのかについて考えてしまいます。 スクワットの動きをしたくない、また、“強く”なるための唯一の方法は、単に上下に動くことであると思っている人たちもいます。これはまったく理にかなっていません。というのも、多くの傷害は強さを伴って側方へ動くことができないことが原因なのです。私たちが上下の動きに強くなれと言われているのに、背中や膝への問題の多くは、側方への筋力の欠如とより関連があるというのはおかしなことです。なぜこのアルティメイトサンドバッグスクワットが一番なのでしょうか! コサックスクワットを試してみましょう。皆さんの多くはご存知でしょうが、これをトレーニングで常に使用している人はあまりいません。恐らくそれは、このエクササイズが大変で、すぐに柔軟性の問題を露呈してしまうからでしょうが、これはかなり効果的なのです!! コサックスクワットをして背中や膝を痛めたという人は聞いたことがありません(もし間違って行った場合に問題にそうならないと言っているわけではありませんが、典型的な高重量のバックスクワットよりもかなり少ないのです。また、バックスクワットでは、重くなくても痛めることもあります)。 はっきり言うと、コサックスクワットで問題となるのは、通常男性は硬すぎ、女性は柔らか過ぎるということでしょう。そう、柔軟すぎることは、硬すぎることと同じように、間違った構造へ負荷をかけてしまうことがあります。このアルティメイトサンドバッグスクワットに可動性と安定性のバランスが必要になるのは、ここに理由があります。 興味深いことに、これらはどちらも、筋力を伴った安定性トレーニングで解決することができます。それが、これらDVRTアルティメイトサンドバッグトレーニングとケトルベルコサックスクワットのプログレッションで示すものです。戦略的に負荷をかけ、保持するパターンを漸進させることで、どれだけ素早くコサックスクワットが上手になるか驚くでしょう。中でも最高なのは、この素晴らしいエクササイズから下肢や股関節に強い効果を得ていることを感じられることです。 スクワットはあなたにとって素晴らしいものですが、スクワットをどのように漸進させるか、そして、どのスクワットがあなたにとって適正なのかを知っていることは、さらに良いことなのです。
統合された動作は何で作られるのか。統合された動作とは?
1976年、アーウィン・コー博士は述べました。「脊髄は、脳が活動を指令する時に用いる鍵盤です。しかし演奏台にあるそれぞれの『鍵盤』は、筋繊維のある特定のグループの収縮のように個別の『音色』を出すのではなく、すべての動きの『交響曲』を奏でるのです。つまり、脊髄の中の構造は、それぞれが複雑で、調和し、繊細にバランスのとれた多くの筋肉の収縮と弛緩の編成を含んでいる、たくさんの活動パターンのレパートリーなのです。脳は個別の筋肉ではなく、動作全体として考えます。脊髄と脳幹においてあらかじめプログラムされたパターンのために、数えきれない方法で変更したり、無限の種類のより複雑なパターンに組み合わせながら、選択的に指令します。それぞれの活動は、関連する筋肉、腱、そして関節から途絶えることなく流れてくるフィードバックによるさらなる調整、改善、そして変更の対象です。」(チェイトー、2002年、33ページ) メリアン・ウェブスター辞書によると、動作とは、「明らかな構成単位を持ち、拡張された作曲の一部を形成するリズミカルな特徴または特性」であると定義されています。適切な見方をすると、音楽と人間の動きはたくさんの特性を共有しています。どちらも効果的であるための同期性と、リズミカルな特徴または特質、そしてより大きな構成を築くパーツが必要です。私が身体における動作の定義で一番好きなのは、「身体の分節の連続的な分化」というものです。動作は同期性のある分化でなければなりません。なぜなら、もし二つの骨が同じスピードで同じ方向に動いたら、骨の間のスペースと定義される関節ではどんな動きも感じられないからです。 骨は動き、関節は感じ、筋肉は動作に反応する。これは、もし動作が非同期性であれば、システムに代償運動が発生し、適正には見えないことを意味します。理学療法士でもあるデイビッド・ティベリオ博士は、怪我をゴールディロックスの原則に基づき、度の過ぎる動き、不十分な動き、もしくは誤ったタイミングでの動きで起こるものであると説明しています。痛みを抱えているときは、たいてい動き方でわかります。なぜなら痛みのある身体の部位を避けて動こうとするからです。これは動作システムの非対称性を表している点で重要であり、長期的にさらなる代償運動を引き起こすでしょう。 私の経験では、動きの専門家のほとんどが、怪我の部位の上もしくは下よりも、問題のある組織にターゲットを定めるように教わります。この筋機能に対する伝統的な見方は、短縮する(短縮性収縮の)動きが筋肉の活動だと説明され、各筋肉は付着部ではなく、それぞれに起始と停止を持つというものであり、統合というよりもむしろ孤立したものです。例えば、孤立は大腿四頭筋が膝関節伸展筋で、大腿骨の上部に起始(はじまり)を持ち、脛骨に膝蓋腱として停止(おわり)を持つと説明しています。これらの2点を近づけると、膝関節は伸展します。しかしながら、これは大腿四頭筋が継続的に与えられる重力、床反力、体重、モーメントといった力に反応して身体をコントロールするために他の筋肉や組織と働くこととは、まさに正反対なのです。この統合された見方を通して、立位の機能において、大腿四頭筋は矢状面上で、膝を伸展するのではなく、他の組織と共に伸長し膝の屈曲を制御すると見られてきました。必要なとき、筋肉は動きを作るために力を生産することはできますが、何かに作用することは、適切で効率的なコントロールを可能にする統合された方法で環境に反応することよりも多大なエネルギーを要します。 スラクチュラルインテグレーションを発案したアイダ・ロルフによると、人間は直立を保っている間、重力を使っているか重力に抵抗しています。重力に抵抗している人たちは、たいてい前突した頭部と丸まった上背部を含む、理想的とはいえない姿勢を示す傾向にあります。この姿勢は、コンピューターに向かって座って働いていることと強い相関を示しており、技術の進歩と動かない生活習慣に伴い増加してきました。よって、改善された「背の高い」姿勢は、消化、代謝、排排のよりよい流れの促進を手伝うことができ、また意図されたタスクを達成するために身体が全身の分節を分化する能力を向上させます。言うまでもなく、良くない姿勢と動かない生活習慣は脳への刺激の欠如に結びつき、特に直立姿勢時において、脳の刺激は、屈筋優勢の相反性抑制を作り出しながら、長さー張力関係と関節の全側面における適切な筋パランスに重要な伸筋活動を生み出します。脳の興奮の欠如は潜在的に屈筋優勢を生み出し伸筋活動の欠如を導く可能性があり、多くの人に説明されている「上位交差症候群、下位交差症候群」を容易に引き起こすでしょう。 これは動作がなぜ重要なのかの一つの理由に過ぎません。 しかしながら、ただ動くだけでは不十分な人たちもいます。だからこそ、真の統合された動作の原理を知ることが非常に重要なのです。
統合された連鎖
DVRTリストレーションコースからの抜粋。ジョシュ・ヘンキンが、クライアントやアスリートの身体機能をよりよく理解するためには、多くの人たちが思い込んでいるほど有効ではなく、間違った結果ともなりやすい孤立化させた筋テストではなく、統合されたキネティックチェーンをテストすることの重要さを、デモを交えて解説します。
ブレッツェル
ブレット・ジョーンズが考案したことから、彼の名前とプレッツェルを組み合わせてブレッツェルを呼ばれるようになったモビリティーエクササイズの、より効果的な指導方法をマイク・ロバートソンがご紹介します。