マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてポイントとコインを獲得すれば理解も深まります。
プログラムとコーチングを向上させる4つの方法
コーチやトレーナーとして、我々はより良くある為に日々トレーニングツールを探し求めています。 それはもしかすると新しいタイプのプログラミングかもしれませんし、 噂に聞く新しいエクササイズかもしれません。 または大人気のエクササイズに対する、ひと味違った形でのコーチングやキューイングかもしれません。 要するに、私達コーチは、より良い結果が残せるものであれば出来る事は全てやってみるということです。 私はこれを16年間やってきましたし、少なくとも通常レベルの成功を収めてきました。 加えて、私は指導方法及びトレーニングの連続体の全貌をみてきました – 業界に入りたての若いトレーナーやコーチから、私達の業界の真のレジェンド達との会話や仕事まで。 もし、何がエリートレベルの指導者と駆け出しの新米を分けるか、を絞り込まなければならないとすれば、ポイントは以下の4項目でしょう。 あまりピンとこないかもしれませんが、有能な一流指導者であれば誰でも、プログラミングや指導法向上のために、これら4項目を導入しているということを保証します。 楽しんで読んで下さい! #1 – 一流の指導者はシンプルであることを目指す 私達が最初にプログラムを作り始める頃、それは控えめに言ってもかなり圧倒されるものでしょう。 以前に自分がプログラムに沿った経験があるので、何がプランに含まれるかはある程度分かっています。 加えて最近指導法やピリオダイゼーションに関する文献を10冊くらい読んだばかりなので、そこで得た知識も盛り込みたくなりますよね。 更に更に、 最近見た新しいエクササイズ15種類を、あなたが使ってみたくて仕方なかったら...これは盛り込むしか無いですよね! こうなった場合、一体これら全部をどうやって調和させたらよいのでしょうか? 答えは簡単です—全部を削って出来る限りシンプルにするのです。 私が初めて自分のパワーリフティングのトレーニングプログラムを作ったとき、そのプログラムは本来必要な内容の10倍の長さになってしまいました。 そして当時、ベストが380、250、そして480だった彼(当時の私)にとって、アドバンスプログラムは1番必要なかったものだったのです! 私達がスピードやアジリティー、プライオメトリックスやリフティング等についてトレーニングを考える時、ゴールはプログラムをいかに複雑に作成できるかということではありません。 ゴールはプログラムの中にどれだけ沢山の“ツール”を詰め込むことでもありません。 目の前に置かれた作品に対して、同僚達が“おぉ”とか“あぁ”とか言ったとしても、余分に称賛を得られるわけでもありません。 結局のところ、私達が評価されるのは作ったプログラムが結果をだすことのみです。 私は、簡単かつシンプルであればある程、より優れたプログラムを作れると強く信じています。 生理学の観点から見ても、簡単でシンプルなプログラムは、どのような適合を目指しているのかを、身体が真に理解し反応することを可能にしてくれます。 プログラミングの初期にはしっくりこない段階があってもOKです。 事実、誰もが経験します。これはある意味儀式のようなものです。 しかし常に自分のプログラミングを見直し、無駄を削ぎ落とし、更に効果的にする方法はないかと問いて下さい。 そうした結果、きっとあなたは自分の作成した中身の詰まった無駄のないプログラミングに驚く事になるでしょう。 #2 – 一流は基本を熟知している 私がこの業界で働き始めたころから、このようなタイトルの記事をよく見かけます; “キレてるハムストリングを作る8つの方法!“ “コアを締める5つの新しい運動!” “ふくらはぎを肥大させる4つのエクササイズ!” 私も結構執筆をしますから、これらの売り文句の意味は理解してます。人々の注意力は長く続かず、キラキラ派手やかなものに惹かれる昨今、雑誌やオンライン記事等も人々の目を引くものでなくてはなりません。 しかし長年に渡り私は世界中何千もの方々とお仕事させて頂く機会に恵まれてきました。 本物の人々と仕事をする、クオリティーを重視している本物のコーチやトレーナーの皆さんと。 新米で駆け出しの方、ちょっと自分の道が見えてきた方、そして経験豊富な上級者の方もいらっしゃいます。 もし私が彼ら皆に1つアドバイスをするとしたらこんな感じでしょうか: トレーニングに関しては、基本を熟知することを目標にしよう。 これをただ読んだだけで先に進まないでください。しっかりと心に留めてください。 ジムにおいて、基本の動作パターンを真にマスターする事を目標にしてください。 スクワット、デッドリフト、プッシュアップ、プルアップ、ランジ、プレスなどは、プログラムとしてあまり魅力的には映らないかもしれません。 Youtubeやインスタグラムに投稿しても、視聴数は2万もいかないかもしれません。 でもこれは保証します: 基本のリフティングをプログラムに取り入れ、それを高いレベルで指導するならば、あなたの指導しているアスリートは必ず結果を出すでしょう。 例とポイント:もし5年前に、ビッグ3(スクワット、ベンチプレス、デッドリフト)を教える事に自信はありますかと聞かれていたら、私は“あたりまえだろ”と自信ありげに答えていたでしょう。 しかし5年経った今の私は,ビッグ3への見解や、いかに行われるべきかに関して全く違う見解を持っています。 あなたがどれだけ優れていてどれだけ経験があっても、常に基礎を教えることは上達できるものです。 #3 – 一流は“効率性がカギ”であるのを知っている 実質的のものよりも他のことに価値を見出しがちな今の時代において、忘れられていることの1つが“効率性”というコンセプトです。 これは上記の私の論点と直接的に合致します。1つの動作パターンがとてもうまく出来たり、プライオメトリックスの漸進ではなく、常に注目されているのはプログレッションです。 次のことへ進む。 そして更に次へ —なぜならそうできるから! そうする時、私たちは、効率性とモーターコントロールを犠牲にしなければなりません。 これでは、我々は本当の意味でマインドとボディのコネクションを発達させることはできません。 結局のところ、私達はクライアントやアスリートとのトレーニングをごまかしているのです。 これがトレーニングプログラムの始めに、よくアスリートに私が熟知しているエクササイズからスタートさせる理由です。 もちろん信頼関係を築き、彼らにジムで自信を与えたいのですが、それ以上に、早い時期に、彼らをとてつもなく効率的にしたいのです。 グレッグ・ロビンスは、このことを私達のポッドキャストでも示唆してくれています。グレッグの要約をすると: なぜ上手く指導できないエクササイズやトレーニングツールをわざわざあなたのプログラムに取り込まなければならないのでしょう これはまた私の初期プログラムの多くが、とてもシンプルに見える理由かもしれません。 結局のところ、もし私が高重量のバックスクワットをせず、高強度のスピードやパワーを捨て、もし低強度の有酸素ばかりやっていたら、一体どうやって何かを獲得することができるのかと思いますね? 実際のところ、私はクライアントを内側から再構築しているのです。 彼らの身体のパーキングブレーキをオフにし、それによって彼らの持つ真の可動性、運動能力やコンディショニングが滲み出てくるのです。 トレーニングを頑張りすぎて、プログラムから得ることがあまりに少ないアスリート達を頻繁に見かけます。 最初の時期に削り落とし、より効率的にすることに注目をすれば、長期的な結果は価値のあるものになることを保証します。 #4 – 一流は“要となるキュー“を活用する この夏の私の目標は、一週間に一冊の本を読む事です。先週からチャールズ・デュイッグの「ハビット」を読んでいます。 この本で、彼は要となる習慣というものについて触れています。要となる習慣とは、他の似たような習慣に対して連鎖反応を作り出す習慣です。 例としては: オフシーズンの始め、アスリートはトレーニングを何もしません。 家では食べたいものを食べ放題です。 一晩中夜更かししてはNetflixでドラマを見たり、FIFA2016プレイステーションゲームの技を磨く事に一生懸命です。 オフシーズンのトレーニングが開始された途端に状況は一変します。 身体により良いものを食べ始めます。 リカバリーを高める為に早く寝るようにもなります。 トレーニングは、この場合においての要となる習慣です。トレーニングが始まれば、他の要素もうまくかみ合い始めるのです。 コーチングにおいても同じ現象が起きます。これを私は “要のキュー”と呼んでいます。(何をしたかわかりますか?) コーチとしての私のゴールは、セッション中はキューイングの数をできるだけ少なくすること。 アスリートには、わずかなミスをしてもらいたいのです。そうすれば彼らの身体が自身にあったムーブメントパターンを見つけ出すことが出来ます。 ですから、私は彼らに起こる些細なことを全て修正することはありません。 しかし、もし私が10個の問題を連鎖反応で一気に修正できるような1つの “要のキュー”を見つけられたらどうでしょう? それが私の求めるキューイングなのです。 まとめ 人生においてあなたが出来る最良のことは大衆が進む道を見極め…そして逆の道を行きなさい、と言われます。 新しいエクササイズや複雑なプログラムに誘惑されたり、過剰なキューイングをするよりも、全てのことの無駄をなくすことをゴールにしましょう。 あなたのプログラムをシンプルかつ効果的にして下さい。 ごく少数のエクササイズ(スピード、プライオメトリック、リフティングに関わらず)を、完璧なテクニックを用いて活用して下さい。 最後に大切なことは、思慮深いキューイングで、数々の問題を一挙に解決することをめざすということ。 もしこれが出来れば、全てのクライアントやアスリートに最良の結果を提供することが目の前にあることを保証します。
痛みの科学の実際の適用に関する10のヒント
痛みの科学に関する知識は、パーソナルトレーナーから医師、外科医に及ぶ全ての人に向けた論文やブログと共に急速に成長し、話題は出回っています。身体に携わる全ての人なら誰もが痛みの仕組みについての基礎的な理解を持つべきである、ということが議論されるかもしれません。 私達は未だにこの分野において十分な理解に至っていないという批判もありつつ、極論から極論へと大きく振り子が振れるようになっている人たちもいます! この大量の情報を消化することが重要はありますが、私達はまた学問の、端末利用者(例えば、この全ての情報を理解する手助けをしたいとあなたが思う人ですが、この話題はなかなか難しいものとなります)にとっての現実世界での適用について考える必要もあります。 1. 痛みの科学は、言うべきでないことを私達に理解させる手助けをしてくれますが、言うべきことを理解させてはくれない。 かなり少なく見積もっても、痛みの科学をより理解することが、私達の言うことが、彼等が彼等自身と彼等の現在の状態の認識に著しい影響を及ぼすということに関する、より良い理解を与えてくれるはずです。残念ながら、以前にそれらの単語が何度も何度も使われてきたために、手助けになるというよりも妨げになる単語がしばしば、口にされてしまいます! 特定の単語を避けることは、有害なノセボ効果を作り出さない手助けになるかもしれません。 裂ける 破れる 不安定 損傷 変性 慢性の 位置のずれた これらの単語は、人々の能力、信念、回復への期待に関する認識を変える可能性を持っています。‘思考に影響を与えるウイルス’は、後ろ向きの信念や、どのようにそのウイルスが生じ、人々の間で伝えられているのかという点で、惑わされやすい言葉です。 では、私達は何を言うべきなのでしょうか?それはとてつもなく難しい質問であり、各個人間で異なるものです。決まったレシピは明らかに存在しません。 ですから、言うべきでないことを学ぶことはしばしば、良いスタートなのです! 2. テーマについてもっと学びなさい! 現在の私達の教育課程に関する批判は、大学レベル、あるいは傷害を扱う多くのコースにおいて、疼痛経験の背後にあるメカニズムに関して十分に教えていないということです。 いくつかの映像を見たり、ブログを読んだりし始める一方で、痛みの仕組みに関する実際的な知識によって裏打ちされた現代的な痛みの科学の概念が使用されるべきです。いくつかの話題の言葉、あるいは比喩表現は恐らく、対象者、特に扱いにくい問題に関して質問する癖のある対象者に理解させるには、十分ではありません。 ここに答え、あるいは説明の仕方を知っておく価値があるかもしれない、いくつかの質問があります: 痛みとは何か? 痛覚はどのように作用するのか? 中枢性感作とは何か? 末梢性感作とは何か? 疼痛経験に関与している脊柱上部のメカニズムは何か? 下行性抑制・促進とは何か? なぜストレス、状況、感情が疼痛経験に影響を及ぼすのか? 3. 痛みのような複雑なテーマの説明は、練習を必要とする。 人々は、専門家のように‘痛みの説明’をすることにプレッシャーを感じる可能性があります。まず第一に、あなたは基礎科学を必要とし、それを明確に話す方法を学ぶ必要がありますが、一晩でできるようになるものではありません。 アインシュタインの言葉のように、“もし物事をシンプルに説明することができないのであれば、あなたはそれを十分に理解していないということだ” 説明における複雑さと混乱は、理解する側の混乱と不確実性を引き起こす可能性があり、実際には、その人の疼痛経験を軽減するのではなく増大させるかもしれません。 それは、あなた自身の自信とコミュニケーション能力を構築するために、 ‘ライブの’環境から離れて実践されるべきものかもしれません。何度か大失敗をして、そこから学び、必要な時に使えるようにしておいてください! 結局のところ、優れた講演者は練習をしているのです。 4. いくつかの比喩が必要かもしれない。 比喩は、痛みのような複雑なテーマを理解するための、素晴らしい方法として奨励されています。毎日の生活の中で私達は多くの比喩を使用していることから、これはとても理にかなってはいますが、比喩の使用は、その比喩の受け取る側の以前の経験、文化的要素、教育レベル次第であるということを留意しておくと良いでしょう。 一つの比喩がうまく作用しなければ、別の比喩に切り替えてください。 5. 人々ではなく、概念に挑戦する。 達成しようとしている事の成功に不可欠かもしれない信頼関係を損なう優れた方法は、彼等に‘あなたは間違っている’と言うこと、あるいはバカにされたと彼等に感じさせることです。信念は強力瞬間接着剤のようなものであり、それに対する対立を加えることは、物事を急速に悪化させる可能性があります。何かがいっていないのであれば、止めてください。後でその話題に戻ってくることができますし、繰り返し提供することもできます。 6. あなたが言っていることを人がどのように認識しているかを常に解明すること。 これは非常に重要です。あなたが提供している情報が、あなたが全く意図していないこととして認識されているかもしれません!Kieran O’Sullivan教授は、“あなたは私が話したことを、あなたの家族や友人にどのように話しますか?”と質問するといった最善策を奨励しています。 これは、“彼等が、痛みの全ては、私の頭の中にあると言っていた”というような、‘思考に影響を与えるウイルス’に変化するまえに、あらゆる伝達不良が(うまくいけば)改善される可能性があることを意味しています。 7. レシピやプロトコルは無い−個体差がある。 ある個人に有効なことは、他には有効ではないかもしれません。恐らく、痛みの科学にとってのプラスは、よりプロトコルに基づいたアプローチのような、全ての人に対する特定のプロトコルを持つというよりも、対象者中心に向けられているということです。 心理学の分野から奨励されている戦略は、疑似体験療法や期待違反理論のようなテクニックを含みます。私達は、患者/クライアントが、特定の恐怖や信念が取り扱われたことを識別し、できれば抑制されたことに注意する必要があり、これは一般概念として見なされません。 8. 信念を変えることは瞬間的なプロセス、精密科学ではなく、ましてや常に可能なものでさえない。 第5項で述べたように、信念は厄介で、友人、家族、職場の同僚の間で(ドクター・グーグルではなおさら)人から人へと感染しやすい可能性があります。セラピスト、あるいはトレーナーとの会話が終わって外に出た際に、急に彼等自身の見解や考え方、または信念を変えることは滅多にありません。 それは、ゆっくりで多くの時間と労力を要するプロセス(恐らく!)であり、あるいは実際には決して起こらないことかもしれません。 9. 人々はしばしば、あなたがそばにいなくても直感的に真実を理解する 再概念化は、不思議な方法で、不思議なきっかけによって発生する可能性があり、頭にリンゴが落ちてくるのに少し似ています!あなたは、目の前で彼等が直感的に理解するのを待つとうよりも、提供している情報に関して、彼等が自身の気づきに辿り着くのを待つ必要があるかもしれません。 10. 言葉で言っただけでは組織に耐性はつかない BPSモデル(biopsychosocialモデル:生物心理社会モデル)における主要部の一つは、生物(biological)の“B”です。あなたが人々に彼等が虚弱ではないと理解させる手助けをすることができるというだけで、彼等が急に運動能力の強化を発現するわけではありません。あなたの運動量が少なければ少ないほど、運動における頑健さが損なわれる傾向にあり、それが実際のSAIDの原則なのです。 誰かがかつて述べた“言葉で言っただけでは組織に耐性はつかない”は、真をついた発言です。しかし、あなたは最初に、人にその作業をさせ、耐性をつけるように話をする必要があるかもしれません! 11. BPSモデルは、未だにソーシャルメディアから隔たっている少数派である 鋭い観察眼の持ち主の方、そう、すでに10のヒントについてを述べてしまいました!これは11個目です! ソーシャルメディアは、誰かが喜ぶような(そうでない人もいるが)、あらゆる角度からの痛みの科学で溢れているように感じるかもしれません。インターネットのより広い世界に入って、現実の世界に衝撃を受け、ゾッとしてください。痛みに関する医学界とトレーニング界で配信されている情報は、未だに構造的・生体力学的要因を用いた、かなり昔ながらのものばかりが推奨されているのです。
Kaori’s Update #16 - プラシーボ効果とは何か?
プラシーボ効果の本当の意味合いとは何でしょうか?私達が、クライアントや患者さんに接する時、どのようなコミュニケーションをとることができるのか、どのような信頼関係を築くことができるのか、ということは、何をするのかよりも更に意味深いことなのかもしれません。
背臥位での呼吸修正
股関節に圧迫を感じている場合、股関節を緩めることに注目をしても、効果的に圧迫を緩めることはうまくいきません。その圧迫の原因となっていることは何か?に注目をしたコレクションの方法をDr.ドゥーリーがご紹介します。
肩複合体前面へのアプローチ
鎖骨下から烏口突起周辺の肩から胸にかけてのエリアは、組織の密度が高まり固まりやすいエリアです。このエリアへの徒手的アプローチと、肩複合体の不安定性を持つ人へのアクティブな収縮を伴うアプローチをレニー・パラチーノがご紹介します。
運動制御の身体構造への影響
ベン・コーマックのセミナーから、股関節の運動制御と構造の評価のデモをご紹介します。運動制御を向上させることで、身体構造の制限と思われるかもしれないことが、実際に変化向上する様子をご覧ください。
発達性運動:パート3
これまでの2回の投稿で、ふたつの基本的な考えについて述べました。まず、幼児期に学習される発達性運動パターンは、もっと複雑な成人の日常生活で使われる動きの基礎的要素であるということがあります。語彙や文字が組み合わさり文章を作るのと同様に、これらの単純なパターンが組み合わさって複雑な動きを形成します。スクワットや回旋などの基本的な運動に制限があれば、日々の運動は広範囲において損なわれるでしょう。ですから、運動の向上を図るために時間を割くのであれば、これらの基礎的運動パターンこそが、最も注目すべきところなのです。 二つ目に、発達上のポジション(四つ這いやうつ伏せ、仰向け、横座りなど)に戻ってみることは、日常の生活で無視されてしまうかもしれない基礎的運動パターンを促してくれるということがあります。なぜなら、ひとつの動作にしか適用できないような特異的で、特有な動きに対して、基礎的運動を使う傾向にあるという点で、発達上のポジションは、立位で多く発生する動きの選択肢を制限するからです。このようなことから、多くのリハビリプログラムでは、立位ではなく、床の上での発達上のポジションで実施されるのです。 この投稿で、運動に抵抗を加えることで、発達上のポジションと同様の効果があると論じたいと思います。運動に負荷を加えることは、ある特定の動作を行うために使用可能な運動パターンを制限します。凡用性のない非常に特異的で特有なパターンとは反対に、このような制限は、さまざまな状況下で非常に実用的な基礎的な運動パターンを見つけ出すのに役立ちます。 補助としての抵抗 たとえば、1ポンド(454g)の重さの物を床から拾い上げようとする時、この作業を成し遂げるための異なる動き方は文字通り何百通りもあります。つま先立ちで、後ろ向きに腕を伸ばしたり、側屈してその物を拾い上げることもできます。その選択肢は無限にあります。これらのほとんどは、今後一切使うことがないかもしれない関節の動きの組み合わせを含むことでしょう。 しかし、もしこの物に重さを加え始めたならば、選択肢の幅は狭まります。最終的にとても基礎的でパワフルな発達性の股関節ヒンジやスクワットパターンを使用しなくてはならなくなるまで狭まります。そのパターンは重いおもちゃを拾い上げる幼児とほとんど変わらなく見えることでしょう。 これが、スクワットを指導するトレーナーの多くが、ウェイトを追加することでたいていクライアントのスクワットが改善することに気づく理由です。ダン・ジョンは、負荷がない時にはいいかげんに見えてしまうスクワットを正す方法として、ゴブレットスクワットを普及させました。身体の正面にウェイトを置くことで、負荷がないときに起こりやすい望ましくない動きの使用を防ぐ制限となります。つまり、ウェイトは筋群へ抵抗を加える手段のひとつではありますが、神経系が最適な運動パターンを探し出す補助としての役割もあります。 発達性パターンの使用を促す異ができる他の制限は、スピードとパワーを伴って動く必要性です。バラエティーに富んだ運動パターンを使って空中に1インチ(2.5cm)ジャンプすることができます。たとえば、片足を浮かし、両脚を交差させ、両側の股関節は屈曲とは反対に完全に伸展させたり。しかし、完全な垂直跳びを15インチ!(38cm!)したいのであれば、従来のパワースクワットポジションを取る必要があります。(これは、重い物を拾い上げる時に使った動きに大変よく似ています。) 他の例として、交差パターンではなくて同側パターンで腕と脚を動かし歩くこともやってみればできるでしょう。つまり、右腕は左脚ではなく右脚と同期して前後に動かすことができます。しかし、速く歩こうとする場合、同側パターンを保つのはほとんど不可能です。そして、必然的に交差パターンが現れます。(試してみてください)。原始的なパターンはスピードとともに不可欠になります。 ここで覚えておいてほしいことは、自分自身を制限のほとんどない運動環境(ひとつの動作を成し遂げるためにいろいろな動きで行える環境)に置き続ければ、我々の機能の基本となる基礎的運動パターンの使用が促進されることはほとんどありません。一方、原始的パターン(発達上のポジションまたは力やスピード、パワーを必要とする動き)をもっと使用しなければならない状況に自分自身を置けば、これらのパターンを維持し改善することを余儀なくされます。 これらの異なる選択肢の中で、発達上のポジションに戻ることは、運動に効果的な制限を生み出す最も簡単で安全な方法のひとつです。なぜなら、ストレングスやスピード、パワーで動くのとは異なり、驚異の知覚と、それに伴う防御機構を増やすのではなく、むしろ減らすからです。 しかし、もしどこにも痛みがなく、最速のスピードや最大のパワー、力を出す動き(デッドリフト、スクワット、ランジ、プッシュ、プル、スプリント、ジャンプ、スローイング、キックなど)をトレーニングすることは、良い運動パターンを維持するだけでなく、さらに向上させるひとつの方法です。そして、このプロセスで鍛えられもするでしょう。
コア強化のためのサイドプランク
サイドプランクは自重で行うのが最も簡単だと思い込んでいませんか?軽い外部負荷を用いることで、筋の活性化を促し自重よりも、より簡単に目指す動きのパターンを実行する方法を、DVRT開発者のジョシュ・ヘンキンがご紹介します。
再び子供たちをコーチングしたことから学んだこと
以前指導していたアスリートの1人が、ちょうど高校のプログラムを引き継いだことで、数年前に書いたこの記事の事を思い出させてくましたが、これは未だに重要なことです。 過去数ヶ月、私は再び子供たちにコーチングをしています。15年前のMBSC時代初期の頃以来、しばらくの間行っていなかったことです。悲しい真実ですが、高いレベルのアスリートと仕事をすればするほど、甘やかされてしまいます。プロアスリートやオリンピックアスリートを主にトレーニングしていたことで、甘やかされていました。私が常に言っていることですが、素晴らしいアスリートをコーチングすることで、自分自身のコーチングスキルに対し間違った認識をしてしまうことがあります。高いトレーニング適齢期のアスリートや運動能力に長けたアスリートと対応していると、必然的にそれが当たり前だと思ってしまうことがあります。よりレベルの高いアスリートに関わっていると、実際よりも数段自分が良いコーチであると勘違いしてしまうこともあるのです。 現在、娘のホッケー部で13-18歳までの選手を指導しています。彼女たちは皆、なかなか優秀なアスリートですが、能力や経験にはかなりの幅があります。大部分は競技を始める前に、ウエイトルームに行ったことはなく、おもりを持ち上げたこともありません。当たり前のことですが、経験が最も優れた指導者なのです。いつもそうなのですが、良く練られた計画も失敗します。私は、大きな幻想を抱いていたことを認めなければなりません。私は、彼女たちをすぐにフィットした状態へトレーニングできる素晴らしい先生・コーチであると。まぁ、そうではないかもしれません。そうではなく、この若い女の子たちは私に貴重なことを教育、あるいは、再教育してくれたのです。 教わった、あるいは、思い出したこと シーズン中のトレーニング シーズン中はどんなグループにもストレングストレーニングを導入することが難しい時期です。シーズン前から指導できるという幸運が無く、シーズン中に始めたため、彼女たちもコーチたちも、筋肉痛や、肉離れやパフォーマンスの低下に関して心配していました。結果として、古くから頼りにしているKISSの原則に従いました。Keep It Simple Stupid (シンプルに保てよこの間抜け)。本当に、間抜けに見えていたのは私だったのです。誰も最初数回のワークアウトを見ていなかったのはありがたいことです。鞭を持たずに猫を集めるようなものです。“なんてことだ、誰もこの混乱を見ていなくてよかった”ということしか考えられませんでした。 リンクでの練習終了後にワークアウトを行うために、リンクに運べ、置いておけるダンベル以外何も使わないという、できるだけ基本的なことをしました。練習後に10分間ウエイトトレーニングを行う時間がありました。良かった点としては、リンクからほぼ直接選手たちがくるため、ウォームアップが必要ないということでした。プログラムは2セットのスクワットジャンプ、スプリットスクワットとプッシュアップの組み合わせ2セット、その後、ワンレッグストレートレッグデッドリフトとダンベルロウの組み合わせ2セットから構成されていました。スクワットジャンプは3×5で、それ以外はすべて1セット10回行いました。 この単純なメニューであっても、1人のコーチが10分間で20人の女の子たちに教えることは困難なことです。2日目、私たちはルールを作りました。話さないこと。静かにして、10分間トレーニングをすること。効果はありました。事態はゆっくりと改善され始めました。自慢できることは何もありませんが、シムテムがしっくりし始めました。数回トレーニングをした後、ルール1を変更し、“誰かがおもりを持っているときには話さないこと”としました。この意図は、セット間では話しても良いが、誰かがおもりを持ち上げているときには話さないようにすることです。 私たちはなんとか週に1-2回のトレーニングを続けることができ、少なくとも基本は習得できました。 大きな学びとは?小さい目標と、小さな勝利です。ローマは一日して成らず。私にとって最も重要だったことは、イライラせず、彼女たちを向上させ、トレーニングを続けさせることだったのです。私の目はシーズンオフに向かっていました。 シーズンオフ 数週間早送りして、シーズンオフのトレーニングを開始したところです。私は常に、シーズン中のトレーニングは歯医者に行くようなものだと言っています。シーズン中のストレングスコーチは歯医者のようなものです。人々はあなたに会う事を恐れています。あなたは、トレーニングの追加、時間の追加、ルールの追加を象徴しています。シーズンオフは全く様相が異なります。今やストレングスコンディショニングコーチとして、違いを産み出すことができる人物として見られます。私たちはKISSのコンセプトを守り、基本的なパターンに挑戦し続けます。私は、二種目のセットは良くても、サン種目のセットは上手くいかないことにすぐ気づきました。私たちは、一度に2つの事に集中することができないのですから、3つならなおさらです。トライセットは、主要なトレーニングの負荷の強いセット間で、より休息をとるように設計されました。トライセットは、私たちがリサーチに基づいて、きついセット間で3-5分とることを可能にします。もしワークアウトのチャレンジが神経系・運動学習であれば、これは問題にはなりません。初心者であれば、二種目セットは理にかなっています。コーチとして、私たちは上記のポイント1に焦点を当てます。出来るだけシンプルに。 基本パターンは重要—私たちはクリーンとフロントスクワットのコンボをほぼ毎日行います。若いアスリートにとって、この2つ以上に重要なエクササイズはないのではないかと思います。私たちは15ポンドのバーと5ポンドのトレーニングプレートを持っているということを覚えておいてください。ほとんどの女子は約1ヶ月後、45ポンドのバーを持つところまで行くでしょう。 3つの重要なレッスン レッスン 1 - 出来る限りシンプルにしておけ、この間抜け。私のケースでは、間抜けは私でした。何を学ぶ際にも、ルールが必要なのです。ルール1“他の誰とも話してはいけない”ということを実施する。ここにも書いたように、2日後にはルールを少し緩和し、ルール1を改正しました。“両手におもりを持っている人には話しかけない”。子供たちには、集中し注目することを指導することが必要なのです。それは絶えることのない戦いです。ポジティブに、トレーニングに集中し、友達とのおしゃべりを最小限にすることを強調し続けることです。 レッスン 2 - グループに対してプログラムを作成するのであって、グループをプログラムに合わせさせてはいけません。“彼らは学んでいるのですが、おもりを持ち上げているのですか”というような問いを自問してください。学ぶためには、数多くの反復が必要です。ウエイトトレーニングには、量と強度といったもののコントロールが必要です。もう一つの単純なことを自問してみてください。運動パターンが難しいのですか、それとも、負荷が難しいのですか?ほとんどの子供にとって、チャレンジは、運動パターンであるべきです。あなたは、エクササイズを教えているのであって、強化トレーニングを教えているのではありません。そこには違いがあります。 また、1時間かそれ以下の時間しかないのであれば、モビリティーワークやストレッチは忘れてください。時間が王様であり、基本には時間がかかります。スプリットスクワットはモビリティーです。スクワットはモビリティーです。優れた基本のルーティンはモビリティーのルーティンなのです。 レッスン 3 - 実際には2つのプログラムが必要になるかもしれません。プログラム1は習得プログラムであり、初心者には限られた数の基本エクササイズをより多くのセット数行わせます。プログラム2は強化プログラムです。私たちは、万人に合うプログラムを試してみましたが、これはうまくいきません。今夏、私たちのプログラムは熟練度とトレーニング年齢を基づいて作成されるでしょう。数回の夏私たちとトレーニングしていて、熟練している人には、あるプログラムを与えます。初心者には別のプログラムを与えます。私の考える熟練度とは、“クリーンとスクワットができますか”ということです。出来ないのであれば教えます。多様性を制限し、セット数を増やします。反復よりも上手く教えられるものは他にありません。 追記—一度の反復と複数の反復は同じではありません。私たちが求めているのは、より完璧なセットです。幾つかの高レップセットではありません。運動パターンを構築するのであって、ストレスを与えるのではありません。5回を3セットでは、15回の質の高い反復と、3回のコーチングする機会を与えてくれます。10回2セットは、より多くの量を提供してくるかもしれませんが、コーチングする機会は減ってしまい、テクニックが悪化してしまう機会が増えます。 大きな収穫ですか?若い子供たちは大変です。彼らはあなたのコーチングスキルすべてに挑戦してくるでしょうし、それはあなたにとって本当に有益になるのです。
肩甲骨と胸郭間の運動の徒手的修復アプローチ
組織間の動きを失ってしまいがちな肩甲骨と胸郭の間に、シンプルな徒手でのアプローチを提供することにより、健康な動きをリストアする方法をレニー・パラチーノがご紹介します。
基礎的な身体機能とはなにか?
200,000年前、人間は直立姿勢がとれるようになりました。地球上に生命が誕生したのは数十億年前ですから、この進化はごく最近の出来事であり、統計発生学的に不安定と言えます。人間の個体発生では、誕生してから4歳までに直立姿勢を取るようDNAに“備わって”います。残念ながら、近年のライフスタイルは、重力と共謀してそれを損なわせようとしています。 ヤンダ教授によると、直立姿勢は、機能的に片脚立位であると定義されます。なぜなら、歩行はわたしたちの最も基礎となる機能で、その正常な歩行周期の80%は片脚で立っているからです。近年のライフスタイルでは、歩行量の減少とともに不自然な姿勢や座位が圧倒的に多くなっています。過去10万年の間において、私たちは、大体20,000〜35,000歩/日歩いてきたと推測されます。現在、西洋の成人は平均5,000〜8,000歩/日しか歩いていません。 ボハノン・R・Wは、1日の平均歩数についての42件の研究をレビューしました。 >65歳 − 平均6,565 アーミッシュの男性は18,425歩 足の裏は、日々の数多くの歩数量に耐えられるためだけに発達したのではなく、多くの刺激を知覚するためでもあります。ヤンダ教授は、現代社会において、2つの要因によってどのように足への求心性入力が、遮断されているかを記しています。ひとつ目に、窮屈な履物による刺激の減少によって、そしてふたつ目に、歩き回っているのはたいてい平坦な床(舗装されていたり、カーペットだったり)であるため、“デッド・フット”と呼ばれる足になってしまうためです。 個体発生学的に、高度なCNS運動制御の始まりは、生命の誕生から1ヶ月後、頭が持ち上げられたり、母親の方を向く時に起こります。屈曲した胎児の頸椎の位置は、その後、逆に反り成人のような頸椎前弯が形成され始めます。誕生から3ヶ月または4ヶ月以内に、後弯だった腰椎は逆になり、乳児がスフィンクスやコブラのボーズをすることで、成人のような前弯を形成します。 環境の影響 4歳半までに子どもは、片脚での直立姿勢で目を閉じ、肩を完全に外旋することができます。(コラー)しかし、この頃にはすでに、ソファーや椅子、TV、ビデオゲーム、コンピューターなどが、直立姿勢をとるというこの自然なプログラムに悪影響を与えています。 人口の3分の1は、“協調運動の中枢性障害”のために、重力の影響や現代の運動不足なライフスタイルの影響に対して特に脆弱になっています。これは、下記の一群の兆候を強く持つ子どもたちに見られます: 過回内 外反膝または反張膝 骨盤の前方傾斜 翼状肩甲骨 猫背 頭部前方位姿勢 直立姿勢の機能評価には、下記のテストの全て、あるいは多くを実施します: ウォールエンジェル オーバーヘッドスクワット 片脚バランス (目を開けて & 目を閉じて) 片脚スクワット インラインランジまたは片脚ブリッジ 呼吸 ヤンダ教授は、歩行は最も重要な人間の機能であると言いました。正常な歩行周期の85%が片脚立ちであるからには、姿勢評価も片脚立位で行われるべきです。ヤンダ教授の評価は、私が出版した“脊椎のリハビリテーション”の中の、彼の章に記されており、さらに付属のDVDでは、理学療法士であるミシャ・ヴェヴェロコヴァが彼の評価方法をデモンストレーションしています。 ヤンダ、フランク、リーベンソンは、次のように述べました。“骨盤の動きは、股関節の伸展可動域と、片脚立位において重要である外側筋群による骨盤のブレーシングに関連します。歩行周期の約85%が片脚立ちであることに留意しなくてはなりません。外側のブレーシングの簡単なテストは、患者に目を開けたまま片脚立ちをさせることです。施術者は、患者が片脚立ちになる直前の骨盤のシフト量や骨盤や肩の高さの違いを観察します。片脚立ちになる時の支持脚への正常なシフト量は、最大でも1インチ(2.5cm)です。さらに、代償運動をしないで15秒間以上片脚立ちをしなくてはなりません。” トレーニニングやリハビリの最初の目標は、直立姿勢の改善であるべきです。上記のテストはこのゴールに向かっての漸進を導いてくれるでしょう。目的を達成するための手段として、下記のような直接的メソッドやと間接的メソッドのどれもが使用可能でしょう。 直接的 フォーム 3パック T4 スフィンクス ニーリングソラシックローテーション 間接的 股関節のモビリゼーション 臀筋の活性化 スクワット プランクのポジションでのコアまたはピラートレーニング スプリットスタンスまたは片脚立位でのポステリアチェーンのトレーニング デッドリフト
可能性の高い容疑者:足底筋膜炎
足底筋膜炎は、測定の結合組織に起こる損傷です。足底筋膜炎の原因のチェーンリアクションバイオメカニクス(運動連鎖生体力学)を理解するためには、特に人間のロコモーションに関係するこの組織の機能を理解する必要があります。足底筋膜は、踵骨の下側内側から足趾を繋ぐように足裏の長さ全体をカバーしています。足底筋膜は、足部のアーチをサポートします。特にヒールレイズからトウオフまで。 足が地面に着地すると、距骨下関節は三面運動である回内(時に距骨の前額面での動きから外反とも呼ばれる)をします。距骨下関節の回内は、横足根関節に可動性を生み出し、足部の地表面への適合を可能とします。体重のかかったアーチは下に下がり、組織には負荷がかかります。この適合的ローディング機能は、即座に爆発的機能(推進力)に変換される必要があります。 横足根関節は、距骨下関節の回外によって可動から安定の構造へと変化します。距骨下関節が回外位にある時、足は推進のために安定しています。足底筋膜は、この安定性に貢献します。何らかの状況で距骨下関節が回外しなければ、横足根関節の安定性は不足してしまいます。骨、関節包、筋肉の足部へのサポートがなければ、足底筋膜はより多くのストレスを取り扱う必要性があります。 過剰なストレスは、足底筋膜炎として知られる臨床症状を生み出します。もっともよく見られるのは、足底筋膜の踵骨付着部の一部損傷です。全員ではありませんが、足底筋膜炎を経験するクライアントの多くは、ロコモーションの推進段階に先立っての距骨下関節の適切な回外が起こらないことから、”アンロックされた”足になっています。 というわけで、生体力学的探偵としての可能性の高い容疑者探しが始まるのです。その原因は、チェーンリアクションの原則の”真実”のため、身体のどこにでもあり得るでしょう。この記事では、容疑者を3つのカテゴリーに分割していきます:同側の脚、反対側の脚、そしてコア/軸骨格。もっともありえそうな容疑者の幾つかに関してお話をしますが、構造的な足部の問題に関してはここでは取り扱いません。 同側の脚: 同側の脚での容疑者は、距骨下関節の過剰な回内を起こす、または距骨下関節の回外を阻害する機能障害です。 足関節背屈の不足:矢状面における足部に対しての身体の動きの不十分さは、矢状面でのふくらはぎへの遠心性負荷の欠如を引き起こす。遠心性負荷の欠如は、距骨下関節の求心性&遠心性回外を効率的でなくする。 硬いふくらはぎの筋群:身体が足部の上を前方に進む時、足関節と横足根関節において背屈が起きる。通常、回外は横足根関節の背屈を減少させるが、足関節に十分な背屈が起こらない場合には、身体にとって必要な横足根関節の背屈を提供するために距骨下関節が回内を維持するかもしれない。 股関節後部外側の筋群の弱さ:距骨下関節が回内する時、下肢全体は股関節の内転、内旋を含む三次元のチェーンリアクション(運動連鎖)に参加する。これらの運動は股関節後部外側の筋群によって減速される必要がある。もし着地時の運動連鎖が減速されなければ、距骨下関節は過剰な回内をし、推進のための回外を効果的に行うことが難しくなる。 反対側の脚:反対側の脚での容疑者は、後ろ脚の適切なローディングを阻害する、あるいはその脚の推進を制限する状況です。効果的な推進は骨盤を前脚の方に向かって回旋します。骨盤の回旋が前脚を外旋させ、トップダウンドライバーにより(身体上部からの駆動により)距骨下関節の回外を補助します。 足関節背屈の不足、あるいは硬いふくらはぎの筋群:不十分な背屈は、ふくらはぎの筋群へのローディングを制限し、股関節伸展を抑制する。ヒールリフトに先駆けたローディングが効果的でない場合、推進も効果的に行えない。 股関節伸展制限:推進力は、股関節屈筋群からもっとも大きなパワーを得る。これらの筋群は股関節伸展(及び股関節内旋)によってローディングされる。股関節のしっかりとしたローディングなしでは、推進も最適とはならず、着地側の脚に向かっての骨盤回旋も減少する。 親指の伸展制限または痛み:推進の関節の動きと筋収縮への反応として踵が持ち上がると親指は伸展する(拇指背屈)。もしこの親指の伸展が制限されると、推進のパワーは”弱まり”骨盤の回旋は減少する。 コア/軸骨格:歩行において、また特にランニングにおいて、着地する脚の股関節後方外側筋群の機能的能力は、可動性と安定性を同時に持つ骨盤が存在することに依存します。もしコアの筋群(前後共に)が伸張しローディングされなければ、同側の股関節周囲筋群の”機能的”な弱さの結果として、骨盤は可動性&安定性を得ることができません。 胸椎の運動の不足:不十分な胸椎の動きは、それがどの面においてのものであれ、コアの筋群への効果的ではないローディングという結果となる。コアへのローディングなしでは、骨盤の可動性&安定性はほぼ不可能である。 弱い腹筋群:もし胸椎に動きがあれば、その動きは腹筋群によって減速されなければならない。そして減速のエネルギーは、求心性の動きを起こす力に変換されなければならない。腹筋群が減速する/または加速することに失敗をすれば、体幹も骨盤も股関節のパワーにマイナスに影響する。 僧帽筋上部の疲労/硬さ:体幹が動きの三面全てにおいて動き、コアの筋群にローディングし力を発揮すれば、頚椎も動きを経験する。頭部が前を向いた状態での体幹の動きは、ボトムアップで(身体の下側から駆動されて)頚椎に動きを生み出す。もし僧帽筋が疲労のために”硬くなる”と、頭部は左右に回旋するか、あるいは胸椎の動きを抑制して定位置を維持することになるであろう(その可能性が高い)。 関連動画は、こちら。