マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてポイントとコインを獲得すれば理解も深まります。
安定性=パフォーマンス
私が覚えている限り、コアトレーニングは常にワークアウトの重要な一部でしたが、経験を積むにつれて、『コアトレーニング』は、それぞれ重要な構成要素へと分類されてきました。これらの要素を理解することは、誰かにエクササイズプログラムを提供する際に非常に重要です。 よくトレーニングされたコアは、最適なパフォーマンスと傷害予防に不可欠です。 この記事は、コアとは何か、それがどのように機能するのか、安定性と強さの違い、そしてそれがパフォーマンスのためのトレーニングまたは傷害予防にどのように関連しているのかを理解するのに役立つでしょう。 「コアの安定性」は、統合された運動活動において、末端部分への力と動きを最適に生成、伝達、及び制御するために、骨盤上の体幹の位置や動きを制御する能力と定義されます。(Kibler) コア・ユニットとは何か? はじめに、「コア」とは何か、そしてその主な機能を明確に理解しましょう。 三次元空間であるコアは、腰部・骨盤・股関節複合体とも呼ばれ、腰椎、腹壁の筋肉、背部伸筋群、そして腰方形筋で構成されています。また、コアを通過して、骨盤、脚、肩、そして腕につながる広背筋や腰筋のような多関節筋も含まれています。骨盤との力学的な協働を考えると、殿筋も含まれていると考えてよいでしょう。 体幹及び骨盤のコアの筋肉は、脊柱と骨盤の安定性を維持する役割を担っており、大きな身体の部位から小さな部位へのエネルギー/力の生成及び伝達を助けます。 フィットネス・コミュニティ内では、コアをトレーニングするためのエビデンスに基づくアプローチや理解が欠けています。たとえば、腹直筋をトレーニングするには、脊柱の屈曲(クランチ)を繰り返すのが良い方法だと信じている人もいます。興味深いことに、この筋肉がこのように使われることはほとんどなく、それらは動きに抵抗したり止めたりする中でブレーシングする、具体的には腰椎の過伸展を防ぐためにより頻繁に使われます。それらは屈筋というよりも安定筋なのです。さらに、椎間板への反復する屈曲や圧迫は、有力な受傷メカニズムです。(Callaghan JP and McGill SM) 誤った行為の他の例は、アスリートが、おへそを脊柱に向かって引っ込めてコアをブレーシングするように指示されることです。これは主な脊柱安定筋を使うための方法ではありませんし、コアの安定性を測定した多くの研究が、もっとも重要な安定筋群の活性化はタスク固有のものであると示しています。 コアの安定性対コアの強さ 私がコアトレーニングではじめに目からうろこだったことの一つは、コアの安定性とコアの強さの違いを発見したことでした。 その違いとは、コアの安定性が協調された筋活動の結果として脊柱を安定させる能力を指すのに対し、コアの強さは、筋肉の収縮する力と腹腔内圧によって力を生成する能力を指すということです。(Faries & Greenwood) コアの安定性は、受動的、能動的、そして神経制御の3つの相互依存的なサブシステムに分類されます。 (Panjabi) どのサブシステムも、他のサブシステムと別々に作用したり働くことはありません。受動的システムには、椎骨、椎間板、靱帯、関節包、そして筋肉の受動的特性が含まれます。これらの組織の主な役割は、張力が増加し、運動に対する抵抗が生じるとき、可動域の最終域を安定させること、そして機械受容器を介して位置や負荷の情報を神経制御システムに伝達することです。 能動的サブシステムはコアの筋肉で構成され、脊柱に動的な安定性を与え、神経制御システムに運動の情報を提供します。神経制御サブシステムは、最終的にコアの安定性を生み出し維持する、入力および出力信号の拠点です。 これら3つのサブシステムが一緒になって、瞬時に変化を起こし、剛性(つまりコアの安定性)のために適切な筋動員の組み合わせや強度を実行するのです。 コアの強さとは、エネルギー漏れを起こさずに、腹腔内圧に対抗して、このように協調された筋動員パターンによって生成または伝達される力の大きさと言えるでしょう。 アスリートが、コアが協調/安定できる以上の力を発揮すると、エネルギー漏れが生じ、四肢のオーバーユース障害が起こります。 たとえば:野球の投手が、コア・ユニットが下肢で生成された力を効果的に協調及び安定させ、肩へと伝達することができない結果、肩のローテーターカフ損傷(受動的サブシステム)が定期的に起こるかもしれません。肩の筋肉が、この失われたパワーを補わなくてはならないからです。 アスレティック・パフォーマンスのためのコアの強さ 経験を積むにつれ、私は誰かをリハビリテーションのためにトレーニングするのか、またはパフォーマンスのためにトレーニングするのかによって、コアトレーニングが少し異なることにも気が付きました。 先にも述べたように、コアが身体に対して弱いと、アスリートは、あらゆる動きにおいて必要な力を発生させるために、常習的にほかの筋群を酷使してしまうのです。そのため、パフォーマンス向上のためのトレーニングには、コアを介して伝達される力の量を増加させようとすることと、エネルギーを漏らさないようにすることが含まれます。 コアを強化するエクササイズは、完璧なテクニックを維持し、パフォーマンス成果を上げるために必要な力を発生させる能力を本当に試すものであると言えるでしょう。 リハビリテーションのためのコアの安定性 リハビリテーションのためのトレーニングとは、コアの協調性及び安定性を回復し、痛みを伴わずに日常生活のタスクを実行できるようにすることです。そのため、リハビリテーションにおける安定性とは、パフォーマンスのための筋力トレーニングのような結果の出る課題に取り組むのではなく、小さな運動単位の動員や同期された活性化パターンを増加させようとすることだと言えるでしょう。その結果、中枢神経系のコントロールが向上し、安定性(上記のすべてのサブシステム)が高まり、受傷リスクが減少するのです。 安定性のためのコアトレーニングと不安定面上のトレーニング あるトレーナーが、コア・ユニットのポステリア・チェーン要素を刺激するような動きを取り入れたいとしましょう。彼らは、その人にとっての適切な負荷はどれくらいかと悩んでいるかもしれません:エンプティ・バー(プレートなしでバーベルバーのみを使った)でのヒップ・ヒンジパターン?バードドッグ・エクササイズ? その選択は、アスリート/クライアントの許容範囲や能力によって決まります。コーチは、処方されたエクササイズの量がクライアントに見合っているかを確認しなくてはなりません。各々のアスリートにはそれぞれ負荷の許容範囲があり、それを越えてしまうと、痛みを生じ、最終的に組織の損傷を引き起こします。たとえば、あるアスリートは先に述べたバードドッグの動作には十分耐えられるかもしれませんが、腰椎に2倍の圧縮力がかかるバランスボール上でのバック・エクステンションには耐えられないかもしれません。しかしそのまた一方で、ジムでトレーナーとトレーニングしているほかの誰かは、片脚でのエンプティ・バー・ヒップヒンジをいとも簡単にこなすことができるのです。よりトレーニングを積んだ人ほど、その許容範囲は高くなります。人の能力とは、痛みや損傷を起こさずにその人が行うことのできる累積運動です。(McGill, Stuart PhD) コアの安定性エクササイズは、バランスボールまたはウォブルボードの上でバランスを保つ能力とはほとんど関係がありません。これはただ身体のバランスを維持する能力を試しているだけであり、不安定な脊柱とはほとんど関係がないのです。安定性のためのトレーニングは、「ブレーシング」するコアの筋動員、つまり剛性効果によって達成されます。 単一のコアの筋肉(たとえば腹斜筋)に焦点を当てることは、一般的には安定性を高めるのではなく、測定したときに安定性が低くなるような動作パターンを作り出したり強要します。腹横筋や多裂筋のような筋肉を単独でトレーニングすることは不可能であり、人々はこれらの筋肉を単独で活性化することはできません。そうではなく、安定性は腹部のブレーシングによって高めることができるのです。 一方で、バランスボールのような道具、またはその他の不安定面上でのトレーニング機器を使うと、非常に役に立つ場合があります。バランスボールは不安定な表面を与え、ブレーシング・エクササイズと組み合わせると、筋動員はかなり難しくなります。バランスボールを使うことは、固有受容器の能力、身体の安定性やバランスをとる能力を高めることはできますが、筋力を高めることはできません。したがって、それはコアの安定性のためのサブシステムやリハビリテーションに適しているのです。(Behm et al.) コアの安定性が高まると、その上にコアの強さが構築できるでしょう:コアを介して伝達される力の量を増やし、エネルギーを漏らさないようにすることによって。
怪我を予測する:筋力のみで怪我のリスクを減少させるのに十分か?
筋力とは、外的な負荷を克服するために力を発揮する能力です。筋力が、日常活動の正常な機能にとって重要であり、死亡率の改善に関連していることが研究によって示されています(Ruiz et al, Philips, Fujita et al, Laukkanen, Heikkinen & Kauppinen)。要するに、より筋力が強ければ、より長生きする可能性があり、そして健康面の問題がより少ないということなのです。 筋力トレーニングは、多くの場合で筋骨格系の怪我のリハビリや予防を助けるために処方されます。怪我を減少させるためにレジスタンストレーニングを用いた特有の適応は、靭帯、腱、腱と骨及び靭帯と骨の接合部の強さ、関節軟骨、そして筋中の結合組織鞘の構造的な統合性の成長及び増加です(Fleck, S. J. & Falkel, J. E.)。 筋量の減少とそれに伴う筋力の減少は機能的な能力の喪失だけでなく、筋骨格系の怪我のリスクを増加させることにつながります。多くの急性的な筋挫傷は、突発的で大きな力のかかる筋活動のエキセントリック局面に起こると考えられています。 Journal of Sports Medicineのある研究では、より大きな力を発揮できる筋力の強いアスリートである、アメリカンフットボール選手における怪我の予測について考察しました。FMS(ファンクショナルムーブメントスクリーン)を用いて、低い能力でムーブメントテストを実行し、そして関節の非対称性を示した選手がより高い怪我のリスクを示したことを発見しました。 その論文からの引用;「この研究は、プロのフットボールプレーヤーにおけるプレシーズン中のプレー機会を遺失する怪我に対する特定できるリスク要因が、基礎的な動きのパターンとパターンの非対称性であることを示唆している。」 ファンクショナルムーブメントスクリーン(FMS)を使用した別の研究では、433名の消防士を調査し、彼らのエントリーレベルの動きの能力を評価し、柔軟性と体幹の安定筋またはコアの筋群の筋力を向上させることを目的としたフィットネスプログラムを処方しました。 結果は特筆すべきものでした:12ヶ月の期間にわたって、トレーニンググループは、怪我によって仕事ができない時間を62%減少させ、怪我の総数は42%減少しました。これらの発見は、体勢の悪い姿勢をとることのある仕事に従事する人に対する怪我を防ぐための、コアの筋力とファンクショナルムーブメントの向上プログラムが正当化されることを示唆しています。 このような筋力のより強いアメリカンフットボール選手や消防士が、FMSで非常に低いスコアを記録したのは、柔軟性が欠如していたからでしょうか? 異なる柔軟性を有した様々なアスリートや、それに関連した怪我の発生率については多くの文献があります。一つの例は、(大多数よりも)硬い大腿四頭筋やハムストリングスを持つプロのサッカー選手は、シーズンを通して筋挫傷や肉離れをする可能性がより高いということです。 しかし、「過可動」と分類される、または単に柔軟性がかなり高いアスリートは、足関節捻挫のような関節にかかわる怪我のリスクがあります(C. Decoster, N. Bernier, H. Lindsay, C. Vailas) 一般的な見解であるにも関わらず、いくつかの研究はストレッチすることでは怪我のリスクが減少しないことを発見しました。ストレングス&コンディショニングジャーナルからの複数の結果では、ストレッチは絶対に全てのアスリートのトレーニングプログラムの一部であるべきだと結論付けていますが、ストレッチすることが怪我を減少させることができるという証拠は存在しません。最もよく怪我の起こる筋肉、ハムストリングス、を調査した時、彼らはハムストリングスの筋挫傷の原因は筋の筋力不足であることを発見しました。 そうです、柔軟性の欠如はFMSに影響しますが、ストレッチすることではスコアは向上しないでしょう。 しかし、もしあなたが何らかの理由で隣の人よりも柔軟性が高くても、あなたが怪我をしにくいということではありません。Nicholas Institute of Sports Medicine and Athletic Trauma に所属するG.GleimとM.McHughによる「柔軟性とそれがスポーツの怪我とパフォーマンスに与える影響(Flexibility and Its Effects on SportsInjury and Performance)」というタイトルの論文では、柔軟性とスポーツ傷害の関係性についての断定的な見解は樹立できないことを発見しました。その代わりに、特有の柔軟性のパターンが特有のスポートと、さらにはスポーツのポジションが関連していました。柔軟性とスポーツのパフォーマンスとの関係性はスポーツに依存する可能性が高いのです。 適切な神経筋のコントロールの欠如が、怪我を予測するための最も顕著なリスク要因であるようです。 私たちは、正確な怪我の予測因子として、動きのパターンの質をテストすべきです。 神経筋のコントロールとは、正しい筋を適切な順番で、私たちが達成しようとしている目標に対して最適な正しい力の量で発揮するという神経系の能力です。 過去の研究では、レジスタンストレーニングの重大な効果は、筋力を増加させることよりも、様々な筋群を協調させることを学習することであることを示しました。これは、協調している筋は、筋それ自体が弱くても、関節の動作をスムースに減速させることができることを示唆しています。 関節のアンバランスさや非対称性があったり、もしくは良いFMSのスコアを出すために自身の身体を調整できない/姿勢を取れなかったりしたのは、上記の研究のアメリカンフットボール選手でした。柔軟性のトレーニングとコアの安定性のためのドリルの組み合わせが、消防士が自身の身体を安定させる方法を向上させ、そしてそれが彼らのFMSスコアも向上させたのです。必ずしも筋力や柔軟性の問題ではありません。 筋力は必要不可欠なものであり、これからも常にそうあり続けるでしょう。しかし、怪我のリスクを減少させるためのトレーニングは、筋/関節の協調性、モビリティ、固有受容器、バランス/安定性、そして複雑な動きのパターンを向上させるドリルを含まなくてはならないようです。
機能的動作の評価…わたしたちは一体何を評価しているのか? パート1/2
動作のスクリーニングは、フィットネスコーチたちが彼らのクライアントに合った運動を処方し、トレーニング中に怪我をする可能性を減少させることができるという期待から、フィットネス業界にとって不可欠なものとなっています。 この記事では、実際のスクリーニングの適用、そしてトレーニング前にスクリーニングを介入し高リスク要因を特定する方が、点数化されたリスク要因なしでトレーニングするよりも良いのかについて分析します。 怪我のリスクを強調するよりもむしろ、安全で効果的なエクササイズ処方を導くことに主眼を置いていますが、動作の質の評価が運動の現場において重要な役割を果たすという別の見解も提示したいと思います。 わたしたちが本当にスクリーニングしているものは何か? スクリーニングは、ある個人がある病態特有の症状を示す前に、その病態を特定するために用いる戦略を説明してくれます。 しかしそれが機能するためには、観察された機能不全と関連する怪我との間に明らかな関係性があり、早期発見が可能な段階がなくてはなりません。また、機能不全を修正するためのトレーニングを行うことで、傷害発生の可能性が低くなるということ、そしてその機能不全には早期の介入が必要なのか、またはトレーニング周期の後半で介入すればよいのかについても示す必要がありますが、いずれも複数の系統的文献レビューによるエビデンスで強く支持されているものではありません。 ある人の動き方がその人の怪我のリスクに影響するというのは論理的に思えますが、怪我のメカニズムは非常に複雑で多因子的です。 身体の組織にかかる物理的負荷が、その組織の負荷に耐える能力を上回ったときに、怪我が起こります。急性の怪我の場合、この能力は内在的及び外在的要因が出会うところであり、それらの要因が、特定の行動またはタスク中のある瞬間に、組織の負荷を調整する能力を圧倒してしまうのです。 ランナーのハムストリングスの怪我を例にとってみましょう:ランナーがハムストリングを損傷する可能性は、筋力、可動域、持久力、現在の行動(例えばハイスピードでのランニングや方向転換)、彼らの急性または慢性疲労の度合い、神経筋の協調性、バランス、動作の質、そして左右非対称性などの外在的要因が重なって決まります。そして、年齢、性別、過去の怪我など、トレーニングの影響では変えることのできないものが、アスリートの内在的要因にあたります。 上の表は、上記の要因を用いた受傷リスクの仮想ピラミッドです。これらの要素は、単独では怪我にあまり寄与しませんが、組み合わされることによって怪我のリスクがより高くなります。あなたのアスリートにこれらの要因を積み重ねれば積み重ねるほど、怪我のリスクは高くなるのです。 『怪我のリスクのスクリーニング』から『エクササイズ処方を提供するための動作の質評価』への移行 人間の健康状態の大部分は複雑です。スポーツ傷害の多因子的で複雑な特性は、単独因子と予測因子間の線形相互作用からではなく、網目のように存在する決定因子同士の複雑な相互作用から生じるものです。 (論文はこちらへ) したがって、怪我のリスクの単独因子をスクリーニングしてそのリスクを防ぐ行為は、機能不全を解決することなく、あなたを再発のループに陥れてしまうでしょう。 ご覧の通り、上にあるのが発生する怪我、下にあるのが怪我の発生を左右する様々な影響です。単独の要素(例えば臀筋の弱さや動的な膝関節外反)をスクリーニングしてトレーニングし、それらを要素のウェブ(決定因子)に戻せば、通常のトレーニングやスポーツを再開したとたんに怪我が再発することは免れないことがおわかりでしょう。 動作の質の重要性 良い動作の質とは、バランスと協調性をうまくとりながら基本的な動作を遂行することによって定義されます。逆に、動作の質が悪いというのは、一般に正しいとされる理論的基準に従ってこれらと同じ動作課題を達成できないということです(例:ランジ中の過剰な膝関節外反)。 最適なテクニックを優先することは、エクササイズプログラムを処方し提供する際、コーチたちの重要な考慮事項です。不十分なテクニックでエクササイズを継続して行うことは、望ましくない運動パターンや筋肉の不均衡、そして姿勢の偏向の発展につながる可能性があり、それらはすべて危険因子を増加させ助長させるものです。
機能的動作の評価…わたしたちは一体何を評価しているのか? パート2/2
動作の質のスクリーニングがどのようにエクササイズ処方を導くのか? すべての動作評価ツールは、一つの重要な類似点を共有しています:それらは基本的な動作を評価し、動作の質の尺度を提供しています。少なくともこれによって、ワークアウトのルーティンに参加するまたはそれを始めるための能力水準を得ることができます。そして、コーチは、その人が特定のエクササイズやほかのエクササイズのバリエーション、さらに後々その他のより複雑なエクササイズを行えるようにするために必要な補足的運動を行うのにふさわしいかを見なすことができるのです。 まず最初に、アスリートが何をよくできて、何をあまり上手にできないのかを特定することが重要です。 しかし、動作の質の評価は、エクササイズの現場においてさらなる価値を提供します。 ワークアウト中に動作の質を評価することは、個々の関節、筋肉、動作評価からは得ることのできない情報を提供してくれます。疲労やより重い負荷、神経筋制御、異なるレベルの注意力などの中で、動作の質がどのように持続されているのかがわかるでしょう。この評価データから、コーチは機能不全をより深く理解し、適切に自信をもってそれを防ぐことができるようになります。 例えば:スクワット中に膝関節が外反するクライアントが、初期の評価中では非常に軽度の外反しか見られなかったのに、トレーニングでは、そのアスリートがある疲労度に達すると、膝関節外反が増加し高リスクな機能不全になることに気が付きました。ここから、その機能不全がフィットネスの問題、あるいは筋持久力の問題に絞られ、それらの問題が、低衝撃で最大酸素摂取量を改善するためにロウワーを使用した付加的なHIITを追加し、筋持久力のためにウォールシットを加えることによって阻止できることがわかりました。そうではなく、もしわたしたちがただ初期の評価だけを用いれば、そのアスリートは、問題点はフィットネスの欠如の中にあるかもしれないのに、筋力及び神経筋制御を改善するための「膝関節内側」修正エクササイズを永遠にプログラムされてしまうことでしょう。 動作の質を評価し、エクササイズ処方を提供するための簡単な思考プロセスは次のとおりです: アスリートが現在良い動作の質で行うことのできる動作をリストアップし、それらの動作を漸進的な過負荷によりトレーニングする。 アスリートが現在良い動作の質で行うことのできない動作をリストアップし、それらを機能的動作の目標に向けて漸進させるような介入を設定する。 基本的な人間の動作全体で質の高い動作が達成されたら、機能不全が再び生じる前に、どこにある何が限界点なのかを見出すためにトレーニングをきつくすることができる。それによって再発は指摘され阻止されることになる。 アダプティブ・(適応可能な)トレーニングシステムへの適用 FTIのアダプティブ・(適応可能な)ファンクショナルトレーニングシステムにより、コーチたちは、簡単に期分けをしたり、彼らのクライアントに安全で効果的なワークアウトプログラムを案内することができます。 それは5つの柱からなる漸進的なシステムによって機能します。初期の動作の質評価から始め、そこからコーチは、パフォーマンスのためにプログラムする動作と後退させる動作とを強調させて、質の向上を目指すことができます。 1つ目は、「機能及び動作の可動性の回復」の柱です。これは、クライアントが動作の質の基礎能力を達成するために必要な、すべての補足的運動をプログラムすることです。 そこから、2つ目の柱は「自重の適用」、アスリートに外部荷重なしで基本的な動作の実行を教えます。 第三の柱は、「負荷をかけた動作」です。アスリートがすでに十分できる動作で彼らをトレーニングするのはもちろん、彼らがあまりできない、まだ負荷をかける準備ができていない動きにも取り組むところです。 第4の柱は、「筋力とパワーの発展」です。良い動作の質が達成されたら、その動作パターンは漸進的な過負荷によって進展させることができます。第4の柱では、動作の質の評価で、ある関節内の弱さや、トレーニング量の増加や疲労などに対し彼らがどのように良いテクニックを維持して行うかというような、初期の評価では見つからなかったかもしれないさらなる問題が浮き彫りになるでしょう。 第5の柱は、アスリートを「運動制御及び複雑性」へと導きます。アスリートが無意識で有能に基本動作をできるようになったら、今度は複雑なバリエーションを実行することができます。これにより、神経筋制御の問題を浮き彫りにすることができます。その問題は後で改善させるために書き留めておきましょう。 このアダプティブ・(適応可能な)トレーニングモデルによって、アスリートが上手にできることや向上させるべきこと、そしてアスリートが潜在的な怪我を避けるためにさらに取り組むべき部分を絶えず評価すると同時に、あなたの得意な部分や改善の必要な部分もさまざまなトレーニングの側面を通して漸進させることができます。 まとめ スポーツ傷害の多因子的で複雑な特性は、単独因子と予測因子の線形結合によって生じるのではなく、組み合わされた複数の要素の相互作用によって生じます。そのため、動作の評価は、単純に怪我のリスクを点数化して、トレーニングでその点数を改善させようとするための最良のプラットフォームを与えるものではないかもしれません。 その代わり、エクササイズの現場における動作の評価は、アスリートがパフォーマンスや修正処置が必要なエクササイズ、そして適切な修正処置の性質を特定するために取り組むことのできるエクササイズをプログラミングするためのデータを提供してくれます。この情報は、エクササイズ処方を導き、トレーニングの安全性を高め、長期的な機能的効果及びパフォーマンス成果を向上させるために使うことができます。
HIITはあなたを病気にしている?それとも健康にしている?
フィットネス業界には、実際はあなたにとって良くないことを美化したり、研究結果を実施されたパラメーターをはるかに超えて誇張したりする悪い習慣があります。 運動科学者たちが高強度インターバルトレーニング、別名HIITの有益性を初めて確立し始めた時、ワークアウトの聖杯を発掘したかのような気がしました。 より高い脂肪燃焼効率と筋肉をつけるパワーを、わずかな時間で?(Daussin et al., 2008)―ぜひ、お願いします! 非常に多くのメリットから、HIITの人気や、より多くの人々がそれをエクササイズ計画に取り入れている理由はわかります。 しかしながら、HIITに溺れることはいつでもすべての人に有益なのでしょうか?それとも、利益となるよりも害になりえる場合もあるのでしょうか? それに取り掛かる前に、わたしたちはHIITとは何か、そしてそれが、見捨てられたいとこである定常状態トレーニング(Steady State Training:SST)とどのように違うのかを理解しなくてはいけません。 HIITワークアウトは、サイクリング、ウォーキング、水泳などすべての運動形態において、そして多くのグループエクササイズクラスにおいて行うことができます。それはしばしば、脂肪を減らしたり筋肉増強を達成するために効果的なワークアウトとして、市場に出回っています。 HIITワークアウトでは、非常に高強度の運動(最大心拍数の80%以上)のピリオドの後に、回復するまでより強度の低い運動をする、または全く運動をしないピリオドが続きます。およそ30分間続くワークアウトでは、約10-15分間最大心拍数の状態になるでしょう。“運動”のセットは、あなたの「闘争・逃走」反応を招き、ストレスホルモンであふれさせるためにあなたを限界まで追い込みますが、それは要するに、脂肪を燃焼させ、筋肉をつける手助けをしています。 HIITをやってみようとするときによくある誤りは、休憩ピリオド中に十分回復していないことです。時間制限を設けてのグループトレーニングはすべてのフィットネスレベルに対応するものではなく、心拍数を下げさせないことはワークアウトを高強度トレーニング(HIT)にしてしまいます。このHITでは、非常に重要な”インターバル”の要素が取り除かれ、怪我や疾患のリスクがより一層高まります。 一方、定常状態トレーニング(SST)は、20分間以上続く、ワークアウト全体を通して一定の強度で行われる運動(例えばランニング、サイクリング、水泳、など)と定義されます。 近年、この方法は、より時間がかかるために持久系アスリートだけが必要なものだと仮定されたり、または筋量の増加を失うかもしれないという懸念から、あまり使われなくなってしまいました。 これは真実とまるでかけ離れています。 HIITと持続的持久系エクササイズの、心血管系、骨格筋、そして代謝的適応について考察し、比較してみましょう。 心血管系適応 Daussin et al. (2007)は、8週間のHIIT及び持続的な有酸素トレーニングプログラムに参加した男女の最大酸素摂取量反応を計測しました。最大酸素摂取量の増加は、持続的な有酸素トレーニング(9%)と比較し、HIITプログラムでより高く(15%)、その差は6%でした。 骨格筋の適応 ミトコンドリア(細胞のエネルギー工場)のサイズ及び数の増加は、HIITへの適応の顕著な特徴となりつつあります(Gibala, 2009)。有酸素運動中、ミトコンドリアは酸素を使い、炭水化物及び脂肪の分解を通してATP(筋細胞のエネルギー分子)を高レベルで製造します。ミトコンドリア濃度が増加することにより、働いている筋肉がより大きな力を、より長い時間にわたって生み出すために利用できるエネルギーが増えます。これらのミトコンドリアにおける酸化酵素の増加は、燃料供給のためのより効率的な脂肪及び炭水化物の分解をもたらします。 6週間のトレーニング研究では、Burgomaster et al.(2008)が、HIITプログラムを週3日行った被験者及び65%VO2maxの一定強度でのサイクリングを週5日遂行した被験者において、酸化酵素レベル(ATPを放出するミトコンドリア中のタンパク質)の増加が同程度だったことを示しました。 代謝系適応 ミトコンドリア濃度の増加は、骨格筋および代謝系の適応と考えることができるでしょう。代謝系適応の重要な点は、運動中の燃料となる脂肪代謝にあります。 Perry et al. (2008) 及び Talanian et al. (2007)はどちらも、6週間のインターバルトレーニング後、脂肪の酸化、すなわち脂肪燃焼は有意に高く、炭水化物の酸化(燃焼)は有意に低かったことを示しました。 HIITトレーニングのもう一つの代謝的利益は、運動後過剰酸素消費量(E.P.O.C. : Excess Post-exercise Oxygen Consumption)と呼ばれる運動後のエネルギー消費の増加です。エクササイズセッションの後、働いている筋細胞が細胞内の生理学的及び代謝的レベルを運動前のレベルに復元するため、酸素消費(カロリー消費)は上昇したままになります。これがより高く、より長い運動後カロリー消費につながるのです。LaForgia, Withers, & Gore (2006)は、彼らの運動強度研究が、HIITトレーニングは持続的な有酸素トレーニングと比較してより高いE.P.O.C.値を示していることを明らかにしました。 多くのジム利用者の主な目標は、身体の心血管系、代謝系、そして骨格筋機能を向上させることです。長年、持続的な有酸素運動がこれらの目標を達成する方法として選ばれてきました。しかしながら、研究は、HIITが似たような効果をもたらすこと、そしていくつかのケースではより短い期間により向上させることを示しているのです。HIITを(適切な強度及び頻度で)クライアントの心血管系トレーニングに組み込むことで、運動愛好家は非常に時間的に効率よく目標を達成することができます。そして、HIIT及び持続的有酸素運動プログラムは両方とも、このような人体の有意義な生理学的及び代謝的機能をすべて向上させるため、両方のプログラムをクライアントのトレーニングにバランスよく組み込むことは、明らかに心血管系エクササイズ向上とパフォーマンスを成功させる“win-win(双方に利益をもたらす)”アプローチなのです。 それでは、もしHIITに望むのがこれらの向上なのであれば、どれくらい実行すべきなのでしょうか?やればやるほど、より良い結果が得られるものなのでしょうか? 恐らくそうではないでしょう。HIITの分子的効果に関するこの研究によると、毎日激しいワークアウトをしたほぼすべての人において、ミトコンドリア機能、代謝的健康、そしてグルコース耐性における深刻な低下が生じました。しかも、彼らはただ、ステーショナリースプリントバイクでの4-8分間インタ0バルで行う運動を、36分間から、4週目までに152分間に増加させただけなのです。それでも、糖尿病を発症している人と似たようなインスリン抵抗性や、ミトコンドリア呼吸が1週目から平均40%低下したという結果が出ました。 一週間のワークアウトの数を減らすと、彼らの代謝的問題は解消しました。これが示唆するのは、HIITの有益性は、実はどれくらい行うかによるのかもしれないということです。 高強度のワークアウトを中強度または低強度のワークアウトと比較したこの研究の、最も注目すべき(しかし恐らく驚くことではない)発見の一つは、8週間のトレーニング期間を通して、タバタ式HIITプロトコルに参加した人々の楽しみの水準が有意に低下したことです。 エクササイズトレーニングプログラムがどれくらい効果的であろうと、楽しくないプログラムでは、適切な期間を通して順守するのはまず不可能です。 Les Mills(レズミルズ)でさえも、オーバートレーニングに関する独自の研究をしています。そこでは、一週間あたりに最大心拍数90%以上で30-40分間行うのがHIITの推奨される目安だと示しています。レズミルズの研究の背後にいる研究者、ペンシルベニア・ステート大学の准教授であるジンジャー・ゴットシャル氏はまた、週5日の事前トレーニングを6か月間行った場合のみHIITを導入することを勧めています。それを経て、HIITは週1-2回、2回の睡眠サイクルを間に挟んで導入することができるでしょう。 これらの結果はこのような少なめのHIITの実施回数を示唆していますが、プロのアスリートはそれだけですむでしょうか?もちろん彼らは2回以上の高強度ワークアウトを4週間以上行うでしょう。 結局のところ、HIITはしばしばプロ・アスリートのワークアウト・ルーティンのように見せて市場に出されています。問題は、プロのアスリートがトレーニングセッションの前後で行うすべてのことまたはセッションの長さは、一般人の水準で示されたり話されたりしていないことです。 アスリートは、そのような高いレベルのパフォーマーでいることのリスクを知っており、競技のために長期的な健康を犠牲にすることをいといません。40歳を過ぎても健康的に暮らしていると聞くアスリートが何人いますか?!高いリスクがあるとは言え、燃え尽き症候群や怪我を減らし、トレーニングを最適化するために大規模な対策が講じられています。 アスリートが多くの時間を費やすフィットネスの要素は、リカバリー戦略です。これらの高強度ワークアウトから回復することは大変で、フルタイムの仕事です!それは一般人が深刻に欠いているものでもあります。効果的な回復がなければ、フィットネスは低下し、ジムでの大変な努力は人々を前進させるよりも後退させていくのです。平均的なアスリートは、トレーニング1時間あたり、様々な回復方法を使って4時間を費やします。 しかしその次にくるのは実際のトレーニングです。フィットネスの向上は、それを維持することとは全く異なります。”プレシーズン”またはトレーニングの大会準備段階というのを聞いたことがあるかもしれません。これはアスリートがフィットネスを向上させるためにHIITできついワークアウトをするものの、怪我や燃え尽き症候群の危険性が非常に高いために、フィットネスを維持するための低強度ワークアウトを中止するという限られた時間です。つまり、アスリートが4-12週間に渡り週に数回行うことを、一般人は一年を通して毎日、時には一日複数回行っているのです。 ワークアウト中やライフスタイルで身体にかかるストレスを理解すること、そして効果的に回復する方法を理解すること、すべてはそのバランスに帰結するのです。 がむしゃらにではなく、賢く運動しましょう。 一例として: 週2回のHIIT 週2回の低強度の筋力トレーニング 週2回の低強度の動作に基づいた運動 そしてもちろん、たくさんの休息を…。
グラウンドからスタンディングエクササイズの効果
フィットネス業界では、死亡リスク予測に心血管系の改善を用いるのが一般的ですが、死亡リスク予測のための筋骨格系の改善に関する情報は限られています。 脚力は死亡率予測のために試みられていますが、いくつかの交絡変数があり、普遍的に適用できるものではありません。 同様に、椅子の立ち座り試験も、脚力試験より実用的ではあるものの、死亡リスクを一貫して予測するのは困難な多くの制限要因があります。 前回の記事で、傷害リスクの指標として筋力、柔軟性、神経支配力を比較したところ、神経支配力の欠如が最も良い指標であることがわかりました。 しかし、筋力や柔軟性の不足からくるケガがないとは言い切れません。 ブラジルの研究者チームによって考案された「Sit and Rise」テストは、European Journal of Preventive Cardiologyに掲載され(こちら)、どのくらい長く生きられるかの予測、またはより正確にはどのくらい長く生きられないかの予測に役立つことが証明されています。 テストは簡単で、立った状態から床に座り、また手を使わずに立った状態に戻る(可能であれば)というものです。 テストの点数は、床に触れて補助(手や膝)をした回数でカウントされます。 ブラジルの研究では、51歳から80歳までの2002人の男女が平均6.3年間追跡調査されました。 両手と両膝を使わないと立ち座りできない人(中高年を問わず)は、支えなしで立ち座りできる人に比べて、6年以内に死亡する確率が約7倍も高かったのです。 テストによって測定された彼らの筋骨格系の体力は不足していました。 そして、筋骨格系のフィットネスは、とても重要であることがわかったのです。 "有酸素運動による体力が生存率と強く関係していることはよく知られています。"と、研究著者であるリオデジャネイロのガマ・フィリョ大学のクラウディオ・ジル・ソアレス・デ・アラウージョ教授は述べていますが、"我々の研究は、身体の柔軟性や筋力、協調性を高いレベルで保つことも平均寿命に好ましい影響を与えることを示している "ともしています。 その影響は十分にあり、立位から座位への移行を練習する価値はあります。 では、そのためにどのような練習をすればいいのでしょうか。 ジムでは「床から立位へ」の練習をする機会が多く、個人の最終目標に関係なく、どんなルーティンにも取り入れることができます。 以下に、私のお気に入りの「床から立位へ」のエクササイズをいくつか挙げておきます。 ターキッシュ・ゲットアップ ターキッシュ・ゲットアップは、私の一番のお気に入りです。 途中でウエイトを上に保ちながら、寝転んだ状態から立ち上がるまでの一連の動作を正確に行うものです。 この動きは、多くの筋膜ラインと立ち上がりのバリエーションでよく使われるポジションを強化するものです。 さらに、片腕の使用を制限することで、制約に基づく学習の手がかりとしても非常に有効です。 この動作には負荷がかかり、実行が少し難しいので、各ステップの最適なポジションを指導してくれる良いコーチを見つけるようにしてください。 FTIのマスターファンクショナルトレーナープログラムは、各ステップを丁寧に説明し、また、誰かに指導する方法も教えています。 90/90 ゲットアップ(バランスボール使用) この動作では、バランスボールを前方負荷として使用し、コアの筋群の共収縮を増幅させ(引き締め)、その結果股関節の可動性を大きくすることを可能とします。 大腿骨を内旋・外旋させた90/90の姿勢で座ることで、股関節の可動性を高めています。 このエクササイズを実践することで、床でぎこちない姿勢から立ち上がるときにも、背骨を股関節の上にうまく積み重ねることができるようになるのです。 バトルロープ・プリズナー・ゲットアップ バトルロープ・プリズナー・ゲットアップは、マスター・ファンクショナルトレーナープログラムで教えているもうひとつの素晴らしい動きです。 ハーフニーリングポジションを間に挟んで、膝立ちから立ち上がる基本的なドリルです。 さらに追加される複雑なポイントは、ロープのために作られた波とステップのタイミングを合わせることです。 これは、心拍数を上げ、代謝反応を得るための革新的な方法であると同時に、床から立位への移行を改善するという大きな目的も兼ね備えているのです。 アンダー・スイッチ・トゥ・スタンディング 肩や股関節など、あらゆる部位に効果的です。ただ、脚をもう一方の脚の下に掃くように動かすことを確実にしてください。 よくある失敗は、脚をもう片方の脚より上げてしまうことです。 ストレート・レッグ・オーバー・スイッチ・トゥ・スタンディング この運動は、前の運動と非常によく似ていますが、より股関節の伸展と、脚をまっすぐに伸ばす力が必要です。 この場合は片方の脚をもう片方の脚の上に持ち上げます。 グラウンドベースの動きは、時にツイスターゲームのような分かりにくさを感じることがありますが、そこでマジックが生まれるのです。 様々な動きを習得することで、地面から立ち上がる際の動きの道筋が豊富になります。 脳が知っている立ち上がり方の数は、多ければ多いほどいいのです。 結論 効果的で目的を持ったフィットネスコーチになるための術は、クライアントが望むフィットネス目標を達成するためのプログラムを提供する能力であり、同時に、人生に必要となる、心配のない機能的な身体を開発することです。 グラウンド・トゥ・スタンディング・ドリルで筋骨格系のフィットネスを向上させることは、まさにそのための一つの方法なのです。
痛みからパフォーマンスへ
(フィットネストレーニングへの回帰のためのフィットネスコーチのガイド) イントロ クライアントやアスリートが怪我をしたとき、あるいは怪我をしてやってきたときの手順を決めていますか?あなたはパーソナルトレーナーとして、目標に向けたトレーニングに影響を与えないようにと、単に痛いことを避けていませんか? フィットネスコーチとして、それが、たとえ他の適切な専門家に紹介することだとしても、人々の問題の解決策を見つけることが私たちの責任です。もしあなたが、痛みを抱えたクライアントに対する手順を持っていないのであれば、このガイドを読めば必ず始められるでしょう。このような手順が整っていることは、絶対に譲れないことです。 私たちはヘルス&フィットネス業界にいることを忘れないでください...フィットネスの前に健康があります。 タイムライン まず最初に見る必要があるのは、その人が痛みからパフォーマンスへのタイムラインのどの位置にいるかということです。以下のアウトラインは、ある人が経験するであろう様々な段階を示す基本的な観点です。彼らが、このタイムラインのどこに位置するかで、どの程度リスクが高いか、どの健康専門職との連携が必要なのか、ワークアウトトレーニングの焦点は何かが決まります。 怪我をして障害がある:エクササイズや日常業務が実行できない。 炎症性または神経性の痛み:関節や筋肉の痛みが出たり消えたりするので、定期的にジムを休んでいる。 大したことはないがなかなか治らない痛み:関節や筋肉の痛みに悩まされ、ジムに通うのをためらうけれど通うことはできる。 機能不全の動作パターン:痛みはないが、すぐに怪我につながりそうな動きをしている。 パフォーマンスを上げるためのトレーニング:怪我もなく、機能不全の動きも最小限。パフォーマンスのためのトレーニングができる。 最悪のケースから始めると、怪我による障害で、痛みの解決策が見つけられておらず、ジムを休んだり、生活に影響を与えたりしている人です。日常生活での作業が苦痛であったり、完全に不可能であったりします。これはフィットネスコーチとしての業務範囲を大きく逸脱しているため、適切な専門家を紹介する必要があります。 タイムラインの次は、神経痛や炎症性の痛みを感じているものです。このタイプの痛みは、肉体労働から完全な休養まで、常にその間を行ったり来たりします。これもまだフィットネス業界の業務範囲外ですが、あなた自身の専門分野によっては、連携する健康専門職と連携して、ジムへの復帰の道筋を計画するようになるかもしれません。 炎症がひどくなったり、神経が痛んだりする前に、クライアントは、大したことはないが気になる痛み、ちょっとした挟まる感覚、硬さ、ちょっとした挟まるような感じ、詰まるような感じを経験するかもしれません。痛みはフラストレーションを引き起こしますが、必ずしも一日のうちで時間を作って直すほどの痛みとは限りません。これは通常、抗炎症剤の服用、ジムの小休止、特定の動作の回避、マッサージセラピーのセッションなどで対処されます。フィットネス業界では最も多く見られる段階です。 何らかの不快な痛みが実際に発生する前に、動作に機能不全があることに気づくかもしれません。これらの動作機能不全は、痛くはないのですが、テクニックが悪いように見えます。 これらは、エクササイズを難しくし、関節に過度の負担をかけ、クライアントのフィットネスゴールを達成することを難しくしてしまいます。 最後に、痛みがなく、動作パターンが技術的な規範の範囲内にある場合、ワークアウトはパフォーマンスまたは結果に焦点を当てたものになります。これは、ほとんどの人がそうなりたいけれど、まだなっていないところです。 専門職 この10年間、フィットネス業界を観察していると、重要なステップを飛ばし、人々がジムに通い始める時の状態がどうなのかをほとんど無視しているように思います。フィットネス業界の業務範囲では、私たちは「健康な対象者を想定して」指導しているとされていますが、これは、より低い基準のエントリーレベルの資格を認め、あらゆるリスク(どんなに予測可能で予防可能でも)をクライアントやアスリートに押し付けるものです。 より良いサービスを提供するために、フィットネスに向かう各段階において、どのような健康専門職と協力すべきかを考えてみましょう。 怪我をして障害がある:外科医、理学療法士 炎症性または神経性の痛み:外科医、理学療法士、運動生理学者 大したことはないがなかなか治らない痛み:理学療法士、運動生理学者、スペシャリストストレングスコーチ、マッサージセラピスト 機能不全の動作パターン:運動生理学者、運動科学者、スペシャリストストレングスコーチ、マッサージセラピスト パフォーマンスを上げるためのトレーニング:スペシャリストストレングスコーチ、一般ジム/フィットネスコーチ 怪我をして身体が不自由な場合は、外科医や理学療法士が主にその人の治療にあたります。より高いレベルの力を発揮する前に、通常の日常生活に戻れるようにする必要があるのです。 炎症性疼痛や神経痛のある方は(診断によっては)外科医、理学療法士、あるいは運動科学者や生理学者と連携することになります。 クライアントが関節の大したことはないけれどなかなか治らない痛みや軟部組織の損傷を解決する場合、その問題はほとんどの場合、ジムで修復されるか、クリニックとジムの組み合わせで修復されるでしょう。この段階では、理学療法士やマッサージセラピスト、リハビリ専門のストレングスコーチや動作回復コーチなどの専門家の協力が必要になることがほとんどでしょう。 もし誰かが、怪我のリスクが高いことを示す機能不全の動作パターンを提示した場合、大したことはないけれどなかなか治らない痛みの提示との主な違いは、痛みそのものでしょう。このクライアントに携わる専門家は、ほとんどがスペシャリストストレングスコーチ、運動科学者、マッサージセラピスト(臨床的介入はほとんどない)でしょう。 クライアントが痛みや機能不全の動きを見せなければ、かなり自由に誰とでも仕事ができますし、一般のジム/フィットネスコーチにもより向いています。 トレーニングの焦点 これらの段階には、ジムやクリニックでトレーニングする際の特定のフォーカス、または意図があります。 ステップを飛ばしたり、急いだりすると、クライアントがタイムライン上で間違った方向に進んでしまう可能性があります。 怪我をして障害がある:非常に専門的なリハビリを行い、軽負荷から無負荷、回復に重点を置いている。 炎症性または神経性の痛み:非常に専門的なリハビリ、40%未満の負荷、広範囲なウォームアップ、ワークアウトはウォームアップの小さな延長に過ぎない。 大したことはないがなかなか治らない痛み:コレクティブエクササイズに特化したワークアウトにマッチした特別なウォームアップを行う。負荷と強度は痛みによって決定される。 機能不全の動作パターン:コレクティブエクササイズに特化したワークアウトにマッチした特別なウォームアップを行う。負荷と強度は、正しい技術によって決定される。 パフォーマンスを上げるためのトレーニング:一般的な、非特異的なウォームアップ。ゴールやパフォーマンス重視のワークアウト。回復に大きく注目する。 怪我で休んでいるときは、トレーニングの焦点はあくまでリハビリ、低負荷、低強度で、痛みなく、最小限の代償で日常生活動作に戻ることを目指します。 炎症性疼痛や神経痛は、上記と同様に低負荷・低強度です。ワークアウトは、ジムスタイルの設定の場合、非常に広範なリハビリのウォームアップからのちょっとした延長線上にあるものになります。 大したことはないけれどなかなか治らない痛みを抱えるクライアントには、コレクティブの強化やモビリティワークアウトに完璧に合致する、長くよく考えられたコレクティブ重視のウォームアップを行います。処方されるすべての運動には、痛みを回復させ、より強い運動パターンを回復させる意図があります。 痛みがなくても、明らかな動きの偏位がある場合、従来のワークアウトを思わせるようなワークアウトになるでしょう。 しかし、ウォームアップもワークアウトも、パフォーマンスの結果を追求するよりも、より強い動作パターンを回復させることに重きを置いています。フィットネスへと進むこの段階では、どの動作がコレクティブエクササイズを必要とし、どの動作がパフォーマンスのために駆動できるかを分けることができます。例えば、肩のパターンが悪く、注意が必要な人がいれば、パフォーマンスの成果のために下半身のエクササイズを処方することができるのです。 しかし、パフォーマンスのためのトレーニングは誰もが望むところであり、すべての痛みのポイントがクリアになり、動作パターンが技術的な規範に近づけば、このスタイルのトレーニングが可能になります。ウォームアップは、パフォーマンスや目標の成果に向けて駆動するワークアウトで、非常に基本的でダイナミックな印象です。ここから怪我をしないためには、回復の方法、適切な運動処方、健康的な食事と生活習慣が重要です。 結論 フィットネス業界は今、大きな転換期を迎えようとしています。私たちの消費者は、想像を絶する激しいトレーニングで最高のパフォーマンスを発揮したいと望んでいますが、販売されているフィットネスシステムが持続可能でないことに気づいています。フィットネス業界はこれまで、「痛みは身体から外に出ていく弱点」という考え方で、「壊れるまで鍛える」という文化を育んできました。 その結果、ジム通いの人たちは、実際に怪我をしてジムの会員権を解約して理学療法士や外科医に診てもらうまで、痛みを無視するようになりました。 人間の動きのパターンの変化を評価するシステムを導入することで、その変化を早期に察知することができ、「リハビリ」のように見えることなく、プログラムを「コレクティブに」変化させることができるのです。人々が壊れてしまうまで壊れているように感じさせるのではなく、これがベターな選択だと思います。「大したことはないけれどなかなか治らない痛み」や「機能不全の動き」の段階を飛ばしたり無視したりせず、評価プロトコルと、クライアントの現在の状態に合わせてフィットネスプログラムを適応させるシステムを持ってください。そうすれば、一生涯の顧客と、他の誰も受け取らないような証言を得ることができると約束します。
動きの準備のためのフローの利点
ムーブメント・フローは運動準備の最も初期の形であり、初期であるがためにその基礎が見過ごされているかもしれないものです。朝、目覚めたときに行う自動的なシェイクやストレッチのワイルドな一連の動作や、活動のために「準備運動する」時の四肢のスイングを思い浮かべてみてください。これらはすべて、私達が身体を評価し、動きの準備をするために学んだ方法です。脳は身体をスキャンして、硬いところは伸ばし、目覚めさせる必要があるところは収縮したり揺すったりします。 大きく分けてフローには2種類あります: 振り付けられたフロー 振り付けられた一連の動きとその移行の練習。こうすることで、運動学習プロセスに脳を関与させ、身体のコーディネーションを向上させることができます。プリセット・フローの大きな利点は、必要なすべての動きや関節の位置をターゲットにするだけでなく、左右均等になることが分かっていることです。 フリーフロー 自発的で台本のない一連の動きとその移行の練習。それは完全に自分自身に没頭し、事前に考えることなく動くことです。そうすることで、身体が動きたいところ、動く必要があるところを動かし、外的な考えやストレス要因から心を落ち着かせることができます。 どちらのタイプも役に立ち、運動準備のルーティンの一部としてフローを使うことにはさまざまな利点があります。 マッピングと空間認識 ウォーミングアップや運動前の準備運動は、身体のみが重要なのではなく、脳も目覚め、活動し、コントロールできる状態でなければなりません。ソファから立ち上がるときにつま先をぶつけたり、つまずいたり、朝ベッドから這い出るときに壁にぶつかったりするのはなぜだろうと不思議に思うかもしれません。このような不器用な行動は、脳がすべてのシステムを作動させる前に動いており、身体や空間内の位置の完全な地図を持っていないのです。 パンディキュレーションとは、起床時や長時間座った後などに無意識行う身体のストレッチを指します。 これは覚醒機能の一部で、睡眠後に中枢神経系を覚醒状態にリセットし、活動に備えるためのようです。パンディキュレーションは、筋筋膜システムにおいて、適切な生理学的筋膜相互結合を発達させ、維持することにより、統合的な役割を果たします。 さらに、筋組織を定期的に活性化することで、筋筋膜システムのプレストレス状態を調整します。 硬くなった筋肉への感覚入力 筋肉とその周囲の結合組織の中には、筋肉がどの程度硬いか、あるいは硬くする必要があるかを脳に伝えるセンサーがあります。すでに持っている可動域内のポジションで身体を動かすことで、これらのセンサーが元の状態にリセットされ、可動性の低下を防ぎ、組織がアクションに反応しやすくなります。 身体への脅威の評価 可動性の現状をチェックするだけでなく、脳は安定性の問題という形で潜在的な脅威も評価する必要があります。身体がポジションを移動していくうちに、あまり強くないエリアやグラつきが見られるエリアに出くわすかもしれません。中枢神経系はそれを脅威、傷害の可能性と見なします。不安定さを改善することはできないかもしれませんが、それを脳に意識させることで、トレーニング中に不安定さを回避したり、コントロールしたりすることができるようになります。 筋膜システムへの刺激 全身の筋肉や関節は、もはや互いに独立して働くとは考えられていません。他の筋肉がやっていることから切り離されて、ある筋肉が独立してタスクを遂行しているわけではないのです。 すべての筋肉を覆っている結合組織(筋膜)のラインがあり、一緒に仕事を調整するためにそれらをリンクしています。この筋膜ラインのネットワーク内には、神経系に伝達するセンサーがあり、伸張の状態や速度、組織に加えられた張力の量に関する情報を伝えます。脳はこのデータを収集し、タスクを完了するための運動出力を決定します。 ほとんどの動作は、これらの筋膜ラインをストレッチし、水分供給し、活性化させ、潜在的な活動(別名ワークアウト)に備えてセンサーを目覚めさせます。ムーブメント・フローはこのために特に有効です。 血流 心臓は驚異的な筋肉ですが、それでも血液を重力に逆らって血液を完全に引き上げるほどのパワフルさはありません。筋肉を収縮させたり、動かしたりすることは、その助けになります。 さらに、ストレッチは筋肉に水分を供給し、新鮮な血液を流します。筋肉が長さの方向に引っ張られると、組織が圧縮され、スポンジのように液体が絞り出されます。筋肉が伸張していない位置に戻ると、新鮮な血液が再びその部位に流れ込みます。 ムーブメント・フローは、筋肉を重力に逆らって様々な位置に収縮させ、長い筋膜ラインを常に伸ばします。 このようにして血液を体中に送り込み、新鮮な状態で仕事に臨めるようにするのです。 リンパ系の刺激 リンパ系は免疫系の一部です。バクテリア、ウイルス、毒素、異常な細胞などの老廃物を除去するために、あなたの身体は免疫系を頼りにしています。しかし、このシステムには心臓のようなポンプがないため、うまく機能するためには動きに頼ることになります。 ムーブメント・フローは、先にも述べたように、多くの筋肉や筋膜を収縮・伸張させ、リンパ系を刺激します。これにより、老廃物や毒素が除去され、排尿され、筋肉が毒性の少ない環境で働けるようになるのです。
ケトルベル時計のアナロジー:パート3
ケトルベルバリスティックの動きを、時計の比喩に例えてFTIのコーチ・タレクが開設するコーチングシリーズのパート3では、スイング、クリーンと進んできた動きを、ハイプルへ、そしてスナッチへと進めていきます。
ケトルベル時計のアナロジー:パート2
ケトルベルのバリスティックな動きをわかりやすく分解するための時計のアナロジーを使って、コーチ・タレクが片手スイング、そしてクリーンの実行方法を解説します。
ケトルベル時計のアナロジー:パート1
ケトルベルの動きの軌道を時計に見立ててイメージし、複雑でバリスティックな動きを爆臭しやすいように分解をするコンセプトについてコーチ・タレクが解説するビデオのパート1では、両手スイングに注目します。
ピラー3:基礎動作にローディングする パート2
床の上での基礎的な動きのパターンに外部負荷を用いてローディングする、FTIのファンクショナルトレーニング・システムのピラー3で、どのような動きをカバーするのかを、コーチ・タレクが紹介します。