マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてポイントとコインを獲得すれば理解も深まります。
ピラー5:統合
FTIファンクショナルトレーニングシリーズの最後は、ピラー5となる動きの統合です。コーチ・タレクが、全身の動きを統合してダイナミックに持久力やスピードやパワーの向上に働きかける、バトルロープの段階的指導のアイデアをシェアしてくれます。
ジム内・外におけるパフォーマンス効率の為の呼吸 パート2/2
ケリー・スターレットは “Becoming a supple Leopard(しなやかなヒョウになる)”の著者であり、ウェブサイト“Mobility WOD(モビリティWOD)”を運営しています。ケリーが効果的な呼吸や腹部の運動について尋ねられた時、彼は “Belly Wack”テストというテストを戦略として使っています。このテストは一日を通じて友達に腹部を軽く叩いてもらい、常に身体の軸を感じながら腹部の圧を保つというものです。 どれくらいの腹部の収縮が必要なのかは一日を通して変わります: 立位の場合や歩行の場合、だいたい15~30パーセントの収縮が必要になります。 プッシュアップや近隣でのジョギングでは、腹部複合体全体に40~60パーセントの収縮が必要になるでしょう。 50メートルの全力失踪やマックスのデッドリフトでは、100パーセントの腹部の固定力が必要です。 ですから、私達の呼吸レートや深さに必要とされる異なる腹部圧の範囲は、これらの要求に応じて変化するのです。 呼吸レートは効率性の向上の為、私達が直面する環境に応じて頻繁に変化します。スイマーを例にとってみた場合;ジムで活用しているような一般的な呼吸パターンは、彼らには適応しません。これを少し考えてみましょう;スイマーは、顔が水上に出ている時よりも、より多くの時間を顔が水中にある状態で過ごしています。これは彼らの呼吸に多大な影響を与えます。能力の高いスイマーはたいてい、パワフルな2秒間の吸気と、頭が水中にある間に6~8秒間の呼気をおこなっています。もしプールで活動するスイマーに効果的なトレーニングをジム以外でおこないたいのなら、これは考慮すべき問題でしょうか?-もちろんです! 呼吸の鍛錬、あるいは呼吸のラダーはロブ・ローレンスによって開発されました。少し考えてみましょう;高強度のケトルベルスイングをおこなった後に次のセットにいくまでの間に、決められた呼吸数しかできません。このアプローチはあなたの呼吸数と生理機能をスローダウンするように鍛錬するのです。これで基本的にパニックを免れることができますし、休む時間内でより確実に回復することができます。 下にある動作別/強度別の呼吸パターンガイダンスを見てみましょう: 注意:異なった場面や幾つかの特異的な動作には、最大力を作り出す為に呼吸を止めるバルサルバ法が必要とされます。もしもクライアントが心臓や循環器機能不全、または高血圧の履歴があるならば、上に記したような高強度の運動への関わりを慎重に進めていくことを推奨します。 生体力学的な例:ケトルベルスイングの際、下げる時に鼻から短く強く息を吸って上がる時に何かを打つような感覚で息を吐く。生体力学的呼吸には様々な形があります。 呼吸パターンを向上させる効果的な練習やガイダンス: 今までに挙げてきたような呼吸法は、もしあなたがスイマーなら、ヨガをするなら、ウェイトをスイングしたり持ち上げるなら、といったように、その状況に合った安全で効率的、そして効果的なエクササイズを行うことを可能にしてくれます。これら全てのトレーニンングには適切な割合のコアの収縮を伴う呼吸レートが要求されます。 呼吸の生理学的な利点に加えて、ストレスの軽減という心理学的要素もあります。興味深いことに、ストレスは私達の健康に身体的、心理的両方の側面で影響を与えます。もしそうであれば、呼吸は確かに私達の神経システムや精神状態へ沈静効果をもたらすはずです。 あなたの精神状態にプラスに働き、安定したリズミカルな呼吸パターンがいくつか(これがすべてではない)あります: 歩行瞑想 これは歩行量に合わせてシンプルに呼吸をする、禅仏教の教えです。例えば6歩歩いたら、最低でもその倍息を吐く、この場合12歩分息を吐きます。これは集中力と心を静めるのに素晴らしい方法で、スイマー等身体の機能的観点で見た場合にも、最高の身体準備となるのです。 これを実行すると、腕を自由に動かし、“悪しきストレス”に繋がる短くて小刻みな胸式の浅い呼吸ではなく、横隔膜を使った深い呼吸を与えてくれます。 静的呼吸 両膝を曲げて仰向けに寝ます。片手をお腹に乗せてもう片方の手は胸の上に乗せます。息を吸うと同時に、胸を膨らませてお腹も空気で蒸留されたら、お腹からゆっくりと息を吐きながら胸に残った息も吐き出していきます。一定のペースでこれを10回繰り返して下さい。 これによってコアの固定筋群が刺激され、激しいエクササイズをする前にスイッチをオンにする一方で、日常やエクササイズから生まれるストレスに対してリラクゼーション効果を与えてくれるのです。これは、ヨガにおいて、セッションの最後に行われる“シャバアサナ”として知られています。
ジム内・外におけるパフォーマンス効率の為の呼吸 パート1/2
呼吸は生存のためにだけでなく、効果的なコア機能やスタビリティのためにも必要不可欠です。ポール・チェックをご存知の方は、呼吸は生存のトーテムポールの1番頂上に来る事をご存知でしょう。 フィットネス業界において、エクササイズ中におけるベストな呼吸法は、たいてい曖昧になってしまっています。ヨガにおいては数百年もの間、呼吸と身体に課された要求に対応する神経システム能力の重要性が理解されています。30年のヨガ指導歴を持つジュリアン・カルボは呼吸についてこのように話しています: ‘息を吸いながら、ポーズの中にスペースを作り、息を吐きながら、そのスペースの中に入っていく’ ポーズをとりながら息を止めることで身体は硬くなり、筋が適切な長さを得たり、関節が最適な可動域に必要なモビリティを獲得することを妨げてしまいます。 呼吸の認知というものはヨガにおいては必須の訓練であり、身体の内外から心にアプーチし、ヨギが美しくバランスのとれたポーズをおこなうことを可能にするのです。 呼吸のレートは興奮させることもあれば、落ち着かせることもできます。あなたはクライアントに効果的な呼吸パターンをどの程度強調して教えていますか? フィットネス業界における呼吸の典型パターンとしては、力を入れる時に息を吐き、運動における回復期の一環として息を吸っています。ここで少し難しいのは効果的な呼吸と共に、脊柱を守る為にどのように腹腔内圧を保持するかということです。 ストロングマンや吊り輪を使う体操選手などを見たとき、長時間最大限のテンションを維持していることに気がつくでしょう。彼らは上手に呼吸をするということをマスターしているのです。彼らのようなアスリートは、腹腔内圧を保ちながら、かなり小刻みな横隔膜呼吸をしています。 呼吸についてわかっているのは、様々なエクササイズ強度や異なる環境において、適応しなければならないということです。 オリンピックのウェイトリフティングのように、エクササイズで高いサポート能力を必要とされる程より高い腹腔内圧が必要となります。それゆえより少ない呼吸となるのです。もし最大下有酸素能力、例として自覚的運動強度が6/10でバイクを漕いだ場合、呼吸は比較的スムーズでしょう。おそらく3秒で息を吸い、少し止めてから3秒で吐くかもしれません。強度を上げ始めると、呼吸のレートは変わり始めます;自然とより強い力で息を履くようになります。 ストレスは呼吸の仕方に関して、とても大きな役割を担っています。ストレスを受けたとき、呼吸が短く小刻みになったり、もしくは過呼吸になっていることに気づいた事はありませんか?常にある程度のストレスを受けている人もいるのです!ですから場合によっては、理学療法士のような方達に診てもらい、横隔膜式呼吸を学ばなくてはならない時もあります。はよく、患者が仰向けになって片手は胸、もう片方の手はお腹に乗せるといった、横隔膜呼吸をご覧になったことがあるかもしれません。そして腰部(腰椎)を床につけたまま、呼吸のサイクルに合わせて腹部を膨らませたりへこませたりします。この方法で肩が上がる呼吸の癖や胸郭が過剰に広がることを防ぎます。 他にも沢山の要素が私達の呼吸に影響しています。寝ている赤ん坊を見るとお腹を動かしているのがわかると思いますが、これは生まれながらに横隔膜を使っての呼吸がプログラムされているからです。成長して、身体を気にし始めると、人々は見た目の美しさの為に首や肩、肋骨での呼吸を始めます。問題なのは、このパターンを繰り返し続けてしまうと身体にこの呼吸パターンが自然と染み付き - 酸素摂取や筋骨格系システムにおいて非常に非効率的になっていくということです。息の吸い方も、酸素摂取に影響を与える可能性のあるものです。 90年代に行われたシドニー大学の研究によると、ヴェントリンに依存する喘息持ちの人々は頻繁に口から呼吸する傾向があることを示しています。そのリサーチではその患者の人達の口にテープを貼り、鼻呼吸を促進させました。食事の時にのみテープを外し、そのテストは24時間に渡り続けられました。結果は驚くべきものでした。被験者のヴェントリン依存が3/2にまで減少したのです!つまり実験で鼻呼吸をした被験者のヴェントリンの使用量が口から呼吸する時と比べて1/3の量になったのです。 これを持久性という観点から考えてみましょう。もし鼻からの呼吸を習った場合、私達はより多くの酸素と少ない二酸化炭素を摂取することになり、私達の呼吸システムは口腔よりも鼻腔から吸い込むほうが呼吸機能にとっては最適であると結論づけられます。 過去20年以上もの間、呼吸はケトルベルのようなファンクショナルツールにおいてベストとなる方法解明の為に多くの科学的研究がなされてきました。パベル・タソリンのようなマスターはケトルベルスイングにおける生体力学的呼吸を紹介しています。ケトルベルが両脚を通ってヒップヒンジに向かう時に、短く小刻みに息を吸い股関節の伸展と同時に短く小刻みに息を吐きます。フィニッシュポジションが脊柱の過伸展を防ぐ為に体幹部の固定を再構築させてくれます。 サンドバッグなどのツールでオーバーヘッドスナッチを行うことを考慮した場合、大抵多くの人々がパワーバックを腕の高さまで引き上げる際に体幹を固定するのを見かけるでしょう。問題はこの人達がオーバーヘッドのフィニッシュポジションに到達したとき、彼らの体幹がスイッチオフになることがあり、腰椎過伸展の原因となってしまうことです。
オーバーへッドリフトのためのモビリゼーション
無理なく頭上に向かって腕を挙上するには、十分な可動性が必要となります。簡単な方法で、肩周辺や胸郭周辺組織の可動性を高める方法を、ファンクショナルトレーニングインスティチュートのテレクとダンがご紹介します。
足首のモビリティー向上
固まってしまいがちな足首の背屈の可動性を向上させるための、シンプルなアプローチをオーストラリアのファンクショナルトレーニングインスティチュートがご紹介するビデオをご覧ください。
握力を理解する
従来トレーニングについて考える時、次のことについて考えます: 使用するツール 可動域(ROM) スピード 負荷 その他様々な要因 十分に考慮されていない1つのことは握力です。 この分野に関して数多くのリサーチを行ってきているのですが、ダンカン・ブラウン(オーストラリアのトップロッククライミングコーチの1人)を始めとする人々にインタビューを行い、ロッククライミングで使用するスキル・トレーニングが、フィットネス業界におけるストレングストレーニングへのアプローチに大きな一助になることが分かりました。 これらの主な考慮範囲は、指や手を通しての筋力強化が含まれており、肩のメカニクス、傷害予防、コアの安定性に関して多くのことを我々に教えてくれます。 トレーニング時に私たちが使用するグリップポジションのタイプは多様です。最も一般的なグリップは、筒状グリップ(パワーグリップシリーズの1つ)です。筒状握りとはバーベルやダンベルを手で握り、親指の末節骨部が人差し指と薬指の上にくるように置くものです。問題となるのは、この特定のグリップポジションから多くの筋力をつけることもあるのですが、手を使用する他の異なった環境での適用には移行できないということです。 例えば、バトルロープを使用するとき、右手と左手の間で産みだされる波に大きな差があることに気づくと思います。多くの人にとって左手は利き手ではなく、産生できるパワーに関して、右手よりも大きく劣っているかもしれません。このことについての1つの理由は、肩甲帯、上肢、体幹が協調して働くための十分な握力を持っていないということが挙げられます。 トレーニングで使用するグリップに多様性を持たせることは、日々の生活やスポーツの中で我々に絶大な利点をもたらすことができます。しばし考えてみましょう;誰かの手を握るとき、グリップの力は親指から人差し指、中指が優位であることに気づくと思います。薬指と小指はほとんど働いていないことに気づくでしょう。 このケースでは、親指、人差し指、中指にすべての筋力をかけてしまうと橈側変位しやすくなり、親指が肘の内側へ向かうことに気づくでしょう。このことが、内側上顆炎のような機能不全を引き起こします。 尺側変位の力を生み出すことで、中指、薬指、小指を優位に使用するようになります(小指を肘に向って下方に引く)。 バトルロープについて考えると、これが典型的なグリップをやめ、特定のグリップで動かすとき、多くの人々はとても苦労するところです。 これらの問題を解決していくために、トレーニングにグリップのポジションを取り入れていくための多くの方法があります。 典型的なブリップ 特定のグリップ バトルロープで握力の多様性を向上させる バトルロープは、主に3面すべてでエクササイズを行うストロングマンのプルエクササイズを通して、握力を強化するための素晴らしいトレーニングツールです。さらに、様々な持ち方は握力の強化の方法に影響します。例、中立位でのグリップ、典型的なオーバーハンド、回内位グリップ。 上腕と手の動きに関与する筋肉は35個以上あり、ストロングマンプルのような握る活動には、これらの多くが関わっています。 握ることを含む動きは、ジャムの蓋を開ける、ショッピングバックを運ぶといった日々のタスクにまで幅広く及んでいます。 他のプラスの効果は、,バーベルデッドリフトやプルアップといった、握力不足が有望なチャレンジャーを失敗させることが多いリフトの強化を、ストロングマンプルがどのように促進させるかに関連しています。ロッククライミングのようなレクリエーション活動にプラスの効果があることは言うまでもなく、伸展筋群の十分な安定の維持とともに、強靭な屈曲筋が必要なレスリング、テニス、ゴルフなど、より特化したスポーツにも効果的です。 下の図は、握力強化のためのバトルロープの使用方法です: 矢状面立位プル 矢状面両膝立ちプル(違う握り方に注目) 矢状面座位プル(違う握り方に注目) 矢状面プランクプル 前額面立位プル 前額面両膝立ちプル パワーバッグとフックグリップ 私たちがパワーバッグを使用するとき、フックグリップと呼んでいるグリップをするために使用するストラップを使っています。下図を参照: 手が真っ直ぐなポジションであり、手首と第2中手指節関節が同じラインであり、パワーバッグについているストラップを指の遠位2関節で持っているのを見られるでしょうか。 この状態は上腕の指屈筋群に大きなインパクトを与えています。母指の筋肉・腱(あるいは、親指に関与する筋肉群)を除外すると、上腕と肩関節の操作方法に大きな多様性が生まれます。 トレーニングする時、どれだけ多くのエクササイズを使用していますか?私たちが使用しているグリップのほぼすべてが、筒状のグリップポジションであることに多くの人が気づくかもしれません。 ファンクショナルトレーニングは、多くの異なったツールを使用し、競技スポーツ、レクリエーショナル活動、日常生活に還元しうる幅広くダイナミックな強さを構築することを強調しています。 私たちが使用することができる他のグリップは;球体グリップ;筒状グリップとかなり似ているのですが、掴んでいる物体がより厚みを持つため、親指が人差し指と中指まで届かなくなってしまいます。このグリップを使用すると、指から肩に至る全体のキネティックチェーンが変化し、多くの人は弱くなったと感じるでしょう。 ケトルベルを使用し、手を広げて頭上でベルを持つとき、側方把握グリップを使用し、親指の母指内転筋で人差し指の方向へ引くことで、ケトルベルをそのポジションに保持するためのテンションを作り出します。このことが、ケトルベルを腕の内側から離れないように確保してくれます。 このグリップポジションは、ケトルベルスナッチのオーバーヘッドポジションで見ることができ、また、ターキッシュゲットアップを行う時のスタートのポジションでも見られます。 トレーニングを通して様々なグリップポジションを使用することは、筋力、そして、多くのスポーツ環境への波及効果に関して多くの利点を持っています。そのタスクが、ロッククライミングでの挑戦的なポジションで掴むこと、スポーツで相手にタックルして掴むこと、ブラジリアン柔術で相手の選手を掴むといった、どのようなものであったとしても。 私たちの弱連鎖が持つ強さが、私たちの本来の強さです。多くの人にとって、この弱さは握ること、そして、効果的に手を使用することができないことに由来しています。
スクワットの間違った通説
スクワットを行う際に、膝がつま先より前に出ないように注意して行う、という”スクワットの通説”を信じ込んで、決してつま先が前に出ないようにスクワットを行っている方も沢山いるのではないでしょうか?通説を一掃することを目指したFTIのビデオをごらんください。
ケトルベルのハンドルクリーン&プレス実行時の肩の安定性とコーディネーション向上
肩の安定性に挑戦する時、ケトルベルは本当に最良なのです。私の偏見は、長年に渡るこの一塊の金属の使用と、数多くのトレーナーに教えてきたことによるものかもしれませんが、ケトルベルが肩の安定性とコーディネーションを向上させるために、最も優れた道具の一つであるということについて、私と討論する人はほとんどいないでしょう。 まず、肩の安定性を定義しましょう。 肩はかなり高い可動するようにデザインされている関節です。関節窩の溝が浅いため、上腕骨骨頭は、回旋腱板として知られる極めて重要な腱によって保護される必要があります。下記の図は、肩関節の統合性と関節を構成している回旋腱板、靱帯、骨性構造の間の相互作用を鮮やかに示しています。この記事でカバーするには範囲が広すぎるため、肩と腕の神経の通り道の重要性については取り扱っていません。 肩が健全に機能していれば、インピンジメントも起きず、肩が全可動域において可動する肩甲上腕リズムを持っています。肩と連携して働いているのは肩甲骨です。ローイングの動きを行う時、肩甲骨は後退します。腕立て伏せのような押す動作を行う時、肩甲骨は前突します。オーバーヘッドプレスを行う時、肩甲骨は上方回旋します。そして、プルアップやラットプルダウンを行う時、肩甲骨は下方回旋します。さらに一歩進めると、これらすべての動きを適切に機能させるために胸郭が重要な役割を担っていることが分かります。 ‘肩’という言葉を、身体の全体的な作用システム(肩甲骨と胸郭の関与)に言及することなく、使わないようにするのは重要です。 コーディネーションとは何? コーディネーションとは、ある動きを行う際に関与する、神経—筋コーディネーションのことです。ある動きの難易度をあげる場合、私たちは動きの複雑性を上げ、コーディネーション反応を向上させています。脳機能を向上させるための神経可塑性という概念は、左脳と右脳の間の神経伝達の向上を目指す‘賢い’トレーニングのフィットネス空間に大きな気づきをもたらしてくれました。これは、単純な自重エクササイズから、これからご紹介するような負荷をかけた複雑な動きに至るまで達成することが可能です。 では、肩の安定性とコーディネーションの向上を助ける具体的なケトルベルエクササイズに目を向けてみましょう。 ‘ボトムアップ’プレスとしても知られているケトルベルハンドルプレスはまた、エリック・クレッシーやマイク・ライノルドのような理学療法士やコレクティブエクササイズ専門家の多くに使用されている、ダイナミックな安定性エクササイズです。 ケトルベルハンドルクリーン&プレス漸進シリーズ 次のエクササイズは漸進の連続体を表していますが、必ずしも重い負荷をかけることだけでなく、先ほど話したような、動きをより複雑にすることによっても、要求する難易度を簡単に調整することができます。 私たちの注意を向ける最初の動きは、片腕ケトルベルハンドルクリーンと呼ばれるものです。 利点と指針 肩と肘の良いアライメントを保ち、制御と安定性に働きかけるために、ハンドルクリーンを行います。身体の中心をケトルベルが切り分けるかのように上下に動くと考えてください。他のポイントは、さらなる集中とバランスの維持を補助するために、動きの間は常にケトルベルを見続けるようにすることです。 注意:この動きを処方する前に、ます通常のクリーンの動きを教えてください。より単純なバージョンでは、スイングの要素を省いて、そのポジションにクライアントが入ることを助けるものです。最終的にクライアントがすべての動きを行えるようになることが最良であり、その動きに熟練し、最終的にはこの動作を行うことでより有能な運動者になるでしょう。 下記の重さで実施する 女性―8kg 男性―12kg 両側5回ずつ行うことを目指す。上で一度止まり、5秒間静止する。 注意:これらは、高ボリュームで行うことを意図していません。ケトルベルを使用する場合にも、高ボリュームの結果を得るための、標準的なクリーン、または、スイングのような、より優れた、最終的にはあまり消耗させない方法があります。前腕の疲労度がどれだけの質の高い反復を行うかの要因にもなります。 この目的は、絶対的筋力ではないので、早い段階から負荷をかけることに“必死”にならないようにしましょう。安定性とコーディネーションを引き出したいのであって、必ずしも筋力ではないことを覚えておいてください。ただ、ほとんどの場合でこれらは筋力獲得のアシストにはなりますが。ミショール・ダルコートが言うように、‘安定している関節が強い関節’ですから。 では、漸進について見ていきましょう: 漸進#1“ハンドルクリーンからプレス” この動きの鍵は、ベルを見続けながら、ゆっくりとケトルベルを押し上げることです。肘を前方に動かし、ハンドルラックポジションにベルをゆっくりと落としていきます。 私たちはこの動きをハンドルクリーンで5回押し上げるショートサイクル、あるいは、クリーン&プレスを5回連続で行うロングサイクルとしても扱えます。腕を入れ替えることを忘れないでください。 漸進#2‘ダブルハンドルクリーン’ シングルケトルベルハンドルクリーンと同様に、トップポジションで3-5秒間静止し、それからリリースします。5回行い、休憩をとります。 負荷が2倍になるので、軽い重さから始めます。男性では2×8kg、または、10kgで、女性は6kgで始めます。 ここから漸進#3‘交互プレス’、あるいは、漸進#4‘ダブルハンドルプレス’を行います。 漸進#6‘ニーリングから立ち上がり’ より高い複雑性と、ベルを使用したタイムアンダーテーションを取り入れた、ここでご紹介する運動の中での頂点となるものです。 ステップ1-立位のポジションからベルをクリーンしてハンドルラックポジションで保持する ステップ2-股関節を伸展したトールニーリングのポジションに下りて方、もう一度立ち上げる ステップ3-反対側にクリーンし、同様に行う 単純に両側で5回ずつ行えるように漸進する。 次のステップでは同じことを行いますが、ここではすべての動きをケトルベルを頭上に押し上げた状態で行います。 下のビデオでは、すべての漸進の要点をまとめているので、一度それらを試してみて、最終的に賢明なプログラムに追加してください。ケトルベルの認定資格をもっていないのであれば、これは、理解し、適宜コーチングを必要とする技術的なツールであるということを忠告しておきます。
バトルロープトレーニングでありがちな3つの間違い
バトルロープは、全身を使って効果的に心拍数を向上させ、コンディショニングトレーニングツールとして素晴らしい働きをしてくれますが、皆さんはロープをうまくお扱えているでしょうか?バトルロープにありがちなテクニックの間違いとその修正方法をご紹介します。
時間のない人のための5つのモビリティードリル
関節可動性を十分に活かして、効果的なトレーニングやパフォーマンスを実現するためのモビリティードリルは重要ですが、なかなか時間がかかるもの。忙しくて時間がない、という皆さんのために、時間効率よく効果的な複合的モビリティードリルを5つご紹介します。
KBオーバーヘッドプレスの3つのポイント
ケトルベルのオーバーヘッドプレスで肩を痛めそうになったり、うまく力が発揮できなかったりした経験を持つ皆さん。より安全に、効果的にこのエクササイズを実行するためのポイントを確認して再度チャレンジしてみてください。
肩関節インピンジメントの予防と健全な肩の促進
型にはまっていないエクササイズの道具を使用した、素晴らしいオーバーヘッドでのエクササイズは沢山あります。ケトルベルプレス、バレルスロー、スレッジハンマーを使用した垂直スイングなどのダイナミックなエクササイズがあります。問題となるのは、多くの人たちは、肩のインピンジメントの問題を起こすことなく、これらの動きを繰り返し、そして、定期的に行うことができないということです。それらの問題の一つが、現代の座位における姿勢で、私たちは猫背で脊柱が後彎したような姿勢をしていることです。 肩インピンジメントは一般的であり、多くの人々が経験しています。肩インピンジメントは痛みが強く、多くの動きを遂行する能力を制限してしまいます。髪の毛を洗うといった日常のタスクでさえ、辛いものになります。良いお知らせとしては、定期的に起こるアンバランスを緩和させる筋膜ワークやストレッチ、エクササイズを定期的なルーティーンとすることで、多くは予防できるということです。目的は、座位でのライフスタイルによるダメージを元に戻すことなのです。 では、肩インピンジメントとは正確には何なのでしょうか?肩甲骨の肩峰に対して、腱や滑液包がこすれることです。鍵となる症状は、頭上に腕を上げたり、頭上から腕を下げたりする時の痛みや、肩や腕の全般的な痛みです。 肩インピンジメントは、一般的に筋肉のアンバランスによる結果です。これには、僧帽筋上部、外旋筋群、小胸筋、肩甲挙筋の硬さに伴う僧帽筋下部、中部、前鋸筋、外旋筋群の弱化が含まれます。 固くなった筋肉周辺の軟部組織へのアプローチ、短縮した筋肉をストレッチし、弱化した筋肉の強化を含むルーティーンが必要不可欠です。ここにエクササイズプログラムに組み入れることのできるエクササイズをいくつか挙げます: 内旋を伴う小胸筋のリリース これはかなりつらく、最初の数回は助けを求めて悲鳴をあげるでしょう! 必要なものはマッサージボール、壁、そして、痛みに耐えることだけです。 手順: 1. 小胸筋の筋腹の上にボールを置きます。肩の溝のすぐ隣です。 2. 背中に手を置きます。 3. 下方、そして若干内側にボールを転がし、トリガーポイントを探します。 4. 基本的に、圧の強さは自分でコントロールします。ボールに対し、身体を強く押し付けることで圧力を強めることができます。ボールから身体を遠ざけることで圧力を弱めることができます。 5. 両サイドで少なくても数分間は、この虐待に屈服してください スティアザポット−外旋筋群のリリース 外旋筋群は弱いだけでなく、かなり固くなりやすく、放っておくとかなりの不快感を与えてしまいます。さらに、これは臆病な人のためのエクササイズではありません。ハードコアなリリースであり、大の大人たちを泣かせてしまいます。 手順: 1. 横臥位になり、寝ている側の下にある後方関節包の下にマッサージボールを置きます。 2. 下の腕を肩と平行にします。 3. 下の腕の肘を反対の手で掴みます。 4. 肘を前後や回すように動かすことで、ボールが異なる部位をリリースできるようにします。 5. 身体をスライドさせて、関節包内のいろいろな部位にボールを当て、動きを繰り返します。両サイドで少なくとも2~3分間マッサージします。 ケトルベル上部僧帽筋リリース この上部僧帽筋はかなり頻繁に過活動を起こし、肩インピンジメントの主要な原因に成り得ます。ケトルベルを使った多くのエクササイズを見ているでしょうが、重さとハンドルの表面のおかげで素晴らしいマッサージツールにもなります。罰を与えることが好きな友人が必要になるでしょう。 手順: 1. リリースされる側はベンチに座り、ベンチ・ボックスを握ります。リリースされる側でベンチを握るようにしてください。 2. 耳が首に近づくように倒します。 3. リリースをする側は様々な部位にバンドルを動かし、固さのある部位を探します。 胸椎伸展 このエクササイズは日々の習慣にするべきです。ほんの数分間行った後すぐに、背が高くなったように感じるでしょう。 手順: 1. パワーバッグ(フォームローラー)を床に置き、そのバッグの上に背中を置いて寝ます。それが肩甲骨の下、あるいは、真下に位置しているか確認してください。 2. おしりを床から浮かせます。 3. 背後にリーチし、ケトルベルのホーンを掴みます。 4. 腕はまっすぐ伸ばして、ケトルベルは腕を伸ばしたところに位置させる必要があります。 5. ゆっくりとおしりを地面に降ろし、おしりを下方に引きます。 6. おしりを下げれば下げるほど、リリースすることがきつくなるでしょう。 7. 腰部や胸骨で動きの代償を起こさないでください。それらの代償を注意して見て、おしりや胸骨が上がり過ぎたら、ストレッチを止めてください ケトルベルを使った前鋸筋プラス このエクササイズは前鋸筋を活性化させるだけでなく、肩の安定性を向上させることにも優れています。 手順: 1. 仰向けで安全なポジションにケトルベルを2つ置きます。 2. 両方のベルを頭上に押して肘を完全にロックします。 3. できる限り上方に押し出すようにこの肘をロックした腕を伸ばし、肩が床から離れるようにします。ケトルベルはさらに上方に移動しなければなりません。 4. 肩甲骨を引き寄せ、ベルが下方へ動きます。 5. この動きを10−15回繰り返します。 ケトルベルロウ 最後ではありますが重要なものとして、ケトルベルロウがあります。このエクササイは胸椎の伸展を向上させるとともに中部・下部僧帽筋のためにとても優れています。 鍵はあわてずに、上部僧帽筋を確実にリラックスさせることです。また、肩が前方に回旋しないようにしてください。 手順: 1. 後ろ脚は屈曲させず(膝を曲げない)、前脚は膝を45度程度屈曲させます。 2. 股関節から上体を前方に傾け、腰部のアーチを保ちます。 3. 肩甲骨を引き寄せ、肘を体に近い部分へ寄せながら45度の角度へ引き上げます。 4. 安定した状態で上げ下げを続けます。 多くの素晴らしいオーバーヘッドのエクササイズを痛みなく、全可動域で行うことができるようになるための、肩の健康維持に繋がるルーティーンをご紹介しました。鍵となるのは、それらを定期的に行うことであり(少なくても週に数回)、筋力やオーバーヘッドでのポジションの改善がみられるようにもなるでしょう。