コーチング関係における2つの助言

そうです!それはまさにパートナーシップなのです。 私達コーチは認めたがらないことですが、コーチと選手の関係はパートナーシップです。片方のパートナーはより決定権を持ちルールを定める一方、もう片方はその決断とルールを守り、従わなくてはなりません。しかし、成功するためにはパートナーはお互いを必要とするのです。 もしコーチが選手たちに耳を傾けなければ、いずれすれ違いが生じます。その理由は、自分の話を聞いて欲しいという欲求を、人間なら誰もが持っているからです。私達の”声”、またはコミュニケーションは私達が持つ最も強力なツールの一つです。聞いてもらうことは、発言に対して行動を起こすかを別にして、満足することです。 私が思うに、コーチがシーズンの始まりに行うべき必要なことは”パートナーシップ”とは何かを選手に対して説明することです。境界線が何か、コミュニケーションはどのように行うのか。自分達の意見が取り入られるべきだと感じている選手、または自分により権限があると感じている選手はこのパートナーシップにおいて間違った認識を持っています。コーチがコミュニケーションがどのように行われるのか明確にした時、選手は話を聞いてもらうための正しいやり方と、話を聞いてもらうための間違ったやり方を理解することができます。 私は、全てのコーチが開放政策を取り入れるべきだと信じています。選手と面と向かって座り、彼等の気持ちや考えを共有してあげましょう。練習や試合後、選手がコーチに歩み寄り、起こった事への不満や喜びを表すことを容認しましょう。コーチは進んで選手の話に耳を傾けるか、最低でも時間を設け、選手が話せる機会を作るべきです。 信頼が生まれたとき、パートナーシップはより強固なものとなります。選手が自分に”全てを託し”、献身的であることが分かればコーチは拘束の手を緩めます。コーチが本当に自分を受け入れてくれるのだと知った時、信頼が生まれ選手のコンプライアンスが高まるのです。 コーチングは特権です。スポーツをすることもまた特権です。最終的には、良い関係を構築する事が最も大切なことです。コーチはスポーツのみを指導するのではなく、人生が頻繁に話題に上るべきです。選手として、コーチからスポーツと人生に関する情報を学ぶことはとても大切です。このように、コーチと選手がまさに”パートナーシップ”を結んでいることがおわかりいただけたことでしょう。しかし他のパートナーシップと同様、ルールははっきりさせておくべきです。 ”あなた”ではなく”彼等”をコーチしましょう パーソナルトレーナーが、彼等自身のトレーニングと同じ内容を、クライアントに行っている場面をあなたはどの位頻繁に見かけたことがあるでしょうか?私はそのようなケースを数多く見てきました。技術習得の現場、特にバスケットボールの技術習得においては、ほぼ同様のトレーニングが行われています.... 自分がそれを行うことができて、見た目がカッコ良いから、良いに違いないという単純な理由で、技術コーチがまだ訓練されていない未熟な選手に対して、難易度の高い動きを指導している所を目にします。技術習得における重要な側面は、理解し、つながりを見出すことです。技術レベルの低い選手にレベルの高い複雑なフットワークを見せても、それにつながりを見出すことができないだけでなく、その深さを理解することもできません。これが、過負荷、困惑、何よりも不満と失敗につながります....技術コーチは上手だったのに! 選手と技術セッションを実施する時は、どんな時も彼等のコーディネーションパターン、俊敏性の質、動作を組み合せる能力、そして技術IQを調べましょう。これには、選手に直線運動の技術、各軸足でのスピン技術、スピンに対するカウンタームーブ、そして片足と両足ジャンプを行わせる簡単なアセスメントを用いて実施してください。指示を与えすぎないようにしましょう。やるべきことがわかれば十分です。これは選手の理解力を評価する一つの方法です。10分間、彼等に出来ることと出来ないことを調べ終えたら、あなたは適切に漸進された個別プログラムを作成することができます。 たとえあなた自身に高いレベルの技術を行う能力があったとしても、技術コーチとしてのあなたの仕事は、選手の現在のレベルに合わせて指導を行うことです。そして、選手達をプログラムで成功に導く技術を指導してください。仮に学校のチームではポストプレイヤーの選手に対し、練習時間の全てをスリーポイントの指導に費やしてしまったら、害を及ぼすことになります。選手はバランスが取れている方が良いと私は思っていますが、チームでの出場時間を選手に確保させたいのならば、彼等に必要なことを与えましょう。

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アスリートの天性の加速力を向上させる4つの戦略 パート2/2

#3クロスオーバーラン 子供のころ、コーチが”横に動くとき、足をクロスするな!“と叫んでいるのを聞いたことはありませんか。もしそうであれば、そのように伝えた人達はかなり間違っていました。アスリートは実際に足をクロスしません;彼らは単純に股関節を回し、身体を低くして、上半身をシャッフルさせているのです。 これはどういうことでしょう?バスケットボール選手や野球の内野手がデフェンスの時に横方向にシャッフルしているところを想像してください。ディフェンダーがシャッフルできるスピードでボールが動いていれば、シャッフルを使うべきです。しかし、アスリートがシャッフルを使えないスピードと距離でボールが動いていれば、自然とクロスオーバーランになるはずです。この技術はかなり素早い動きですが、自分の前にいるボールやプレイに対して頭や肩を向けた状態でいられます。ですから、私はクロスオーバーランを下半身でのラン、そして上半身でのシャッフルと呼ぶのです。 これが天性の動きであると私が言う理由は、アスリートは移動しなければないならい距離とプレースピードの知覚に基づいて、クロスオーバーの動作を即座に直感的に行うからです。 次のことを試してください: パートナーにテニスボールを持って自分の10−15フィート前に立たせてください。パートナーと向かい合って、アスレチックスタンスをとってください。パートナーはボールをあなたの右側か左側に向かって空中にトスし、あなたは動いてそれをキャッチしなければなりません。ルールは、どんなときでもボールをキャッチするときはシャッフルをしなければならないということです。しかし、シャッフルでそのボールをキャッチできる範囲を超えていると感じた場合は、クロスオーバーランを使うことが許可されます。ボールがシャッフルでキャッチできる範囲を超えた時はどんな時でも、自然にクロスオーバーランを使っていることに、おそらくとても驚くことでしょう。動く方向は織り交ぜ、10−15回行います。 #4直線のリポジショニングステップ(プライオステップ) 高校のフットボールコーチが、私たちが、彼が“フォルスステップ”と呼ぶステップを踏んでいると叫んでいる声が未だに聞こえます。多くの人にとってフォルスステップとは、アスリートが前方に動く前に、後ろにステップを踏むことを意味します。この動作は、アスリートが反応し、まっすぐ前に、あるいは、角度をつけた方向へ動かなければならないすべてのスポーツで起っていると言えます。過去何年も私がびっくりさせられているのは、アスリートはかなり頻繁にこのステップを踏んでいるという事実にも関わらず、“なぜそのスッテプを踏むのか”と疑問に思うコーチがほとんどいないということなのです。説明させてください・・・。 攻撃する、あるいは、逃げるという動作を素早く行うために設計された闘争か逃走の生存反応に戻りましょう。この反応が、素早い加速として実現されるためには、身体が正しいアラインメントにならなければなりません。加速するためには、私たちは動く方向とは反対方向に地面を蹴らなければなりません。アスリートがアスレチックスタンスでいる場合、脚は重心の真下にあり、これは残念なことに、加速するための素晴らしいポジションではありません。蹴り出す足は身体より後ろにある必要があります。刺激が起こり、アスリートが反応し、動く方向も分かっていれば、地面に対し適切な角度の力を産み出すために、足は自然にリポジションするでしょう。私はこれをプライオステップと呼んでいます。 プライオステップ、またはリポジショニングステップは、より効率よく、より直接的な角度にもっていくだけでなく、神経筋系にインパルス、あるいは、伸張反射を与えるために起こります。このことで、接地時間を短くし、より爆発的にさせることができます。 このことが、フォルスステップが問題であるという考え方と直接的に対峙します。加速するという素早い認識に基づき、身体が足をリポジショニングするには理由があるのです:足が接地すれば、より効率的な加速角度とより素早い接地反応時間が必要になります。 次のことを試してください: 下肢を平行なアスレチックスタンスでパートナーと隣合うようにして立ってください。二人で10ヤードのレースをして、どちらが勝つか勝負します。パートナーの方が“GO”と言います。パートナーが“GO”と言って、二人はスタートし、レースをします。いつ動きだすのか正確には分からないため、あなたはおそらくプライオステップを踏むことになるでしょう。そして、多分パートナーもそうでしょう。これを6−8回行ってください。 まとめ アスリートは素早く動けるように設計されているので、彼らがすでに持っている天性の能力を引きだすためにドリルを使用します。この戦略によって、アスリートをより素早く加速させながら、彼らが使用しているメカニクスや姿勢を磨くことができるようになります。

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アスリートの天性の加速力を向上させる4つの戦略 パート1/2

コーチやアスリートが“40”のタイムについて自慢していることを読んだり聞いたりすることが多くあります。正直に言うと、40ヤードを4.3秒以下で走るアスリートを見ることは、衝撃的な出来事です。しかし、センセーショナルなことは置いておくとして、試合でプレーするためには、40ヤードのタイムよりも、10フィートを走る能力がより重要なのです。 アスリートはかなり短い時間でかなり多方向に動くことを要求されるので、40ヤードのトレーニングをすることは、ある特別な理由(例、混合)を必要とするのはお分かりになりますね。そういうことから、アスリートの天性の加速力を向上させる4つの戦略を皆さんと共有したいと思います。これらの戦略のかなり優れたところは、野球選手の盗塁時のスタートを信じられないくらい良くすることもできるということです。これらのテクニックによって、内野手にとっての欠点である、頭上を超えるポテンヒットを解消させることができるでしょう。バスケットボール選手も、サッカー選手も、フットボール選手も、テニス選手もこの戦略で加速力を向上させることができます。 では、天性の加速力とは何を意味しているのでしょうか?身体はかなり精巧な設計で造られています。身体は恐れを感じる能力があり、さらにそれに攻撃する、あるいは、それから逃げるための能力を持っています:闘争・逃走反応。私はこれを取り入れることで、アスリートをさらに速くする方法を学びました。この反応は生まれつきのものなので、我々がコーチとしてするべきことのすべては、アスリートをその状況下におき、この闘争・逃走反応を引き出すことなのです。ここに主な4つの戦略を紹介します。 #1:方向性ステップ コーチやアスリートにとって、この方向性のステップは戦略というよりも“動作”になります。しかし、加速をより効果的に行うために、身体が駆使する戦略と考えることもできるでしょう。説明させてください・・・ 野球選手が盗塁をするときの“アスレチックポジション”を想像してみてください;選手は右方向に素早く加速することが必要になります。それぞれの脚が重要な役割を担います。後ろ脚は動く方向(横方向)へ身体の重心を押し出す役割を持ちます。身体の押し出しが起こっている間に、前脚には、動いている体重を巧みに利用する素晴らしい機会が与えられます。身体を動かし続ける(加速する)最良の方法は、身体の下で下方、後方に押しだすことであり、そうすることで、前脚は体重を加速し続けることができます。ここで、“方向性のステップ”が関わってきます。 身体が下方・後方に押し出したいのであれば、神経筋系がそのためにポステリアチェーンの筋肉(臀筋、ハムストリングス、ふくらはぎの筋肉)を使用することは理にかなっています。身体が生み出した創造的な戦略は、リード足を外側に開くことで、移動する方向に向かせることです。このことで、本質的に、アスリートは、スプリンターのブロックからのスタートのようになります:リード脚も力強く、下方・後方に押します。なんと素晴らしい戦略でしょうか! さらに深く見ていくことで、方向性のステップが重要になる理由を理解できますが、その動作が実のところなんであるかを考えてみましょう。身体を側方向のスタンスから、直線のランで加速したい場合(盗塁時のジャンプ)、リード脚を外旋することで、足部を外側に開き二塁方向に向けることは、実際に後ろ脚で押し出す動作の補助になります;“作用反作用の法則”と呼ばれています。つまり、リード脚が外に開く(作用)と、その力はまだ地面に接している後ろ脚へ伝わります(反作用)。端的に言うと、方向性のステップとは身体がより素早く動くために生まれ持った素晴らしい戦略なのです。 これを試してください: パートナーを自分の前に立たせ、右か左のどちらかを指す準備をさせます。方向を指し示したら、その方向にターンし、10ヤード加速します。6−8回繰り返すことで、方向性のステップを駆使して、アスレチックポジションから右か左へ加速する能力を構築することができます。 #2:股関節のターン 股関節のターンは、体がアスリートに与えてくれた素晴らしい戦略です。とはいえ、十分に熟練していない、または、スムーズに行えないアスリートもいます。幸運なことに、いくつかの修正アプローチやドリルによって、それを修正することができます。股関節のターンは、アスリートがアスレチックスタンス(内野手やテニス選手のような平行のスタンス)から素早く抜け出し、向いていた方向からリトリートする、あるいは、そこから別の方向へ動き出す方法です。 バスケットボールでは、コーチは良くピボットを教えます。ピボットでの問題は、足を地面に接しながら足を回すため摩擦が必要になるということです;これは敏捷性にとってはいいことではありません。繰り返しになりますが、幸運なことに、身体はアスリートが逃走・闘争反応を素早く行うことができる天性の能力を持っています。股関節をターンしている間に、足を地面からほんの少し持ち上げて、後ろ脚が地面を蹴って離れるために、股関節と脚を空中で素早く回します。アスリートの身体が浮いていないことを確認することが重要になります;むしろ、股関節と下肢は単純に回旋し、地面から離れます。テニス選手が、頭上を超えたロブを追いかけるために素早く切り返すところを想像してください。彼らの駆使している動作というのは、ボールを追って加速するための股関節のターンです。 基本的には、股関節のターンとは、アスリートが加速するためのよりよい角度へ、脚と足部を持っていく方法なのです。これは身体が生まれつきもっている素晴らしい戦略であり、股関節と脚が向きを変えた時に、後ろ脚は実際には伸展し始め、地面に接する直前に“押し始め”ます。結果として生じる衝撃、あるいは、筋肉の伸張反射によって、アスリートは素早く加速を始めます。繰り返しになりますが、後ろ脚・足は積極的に地面を押し出します:これは“プライオメトリック”反応であり、素晴らしいスタートスピードを産み出します。 試してみてください: パートナーを自分の後ろに約12フィート離して立たせ、肩の高さで身体の横に向かってテニスボールを持たせてください。パートナーに背を向けて、アスレチックスタンスで立ってください。パートナーが“GO”と叫び、同時にボールを落とします。これに反応して加速し、ボールが2回バウンドする前にキャッチしてください。これは、股関節のターンを精巧にさせ、改善するための素晴らしいドリルです。右と左にターンするのを5−6回行ってください。

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ローボックストレーニング

重心の下での足の動かし方を指導する上で、私がもっとも良く利用するツールの一つがローボックスシリーズです。ローボックストレーニングを利用して、素早いプライオメトリックエクササイズの導入に使用するという素晴らしい方法もあります。アスリートの動きをより優れたものにするために、私が頻繁に利用するトレーニングは以下の通りです。 リー・タフトウォームアップシステム: 何らかのタイプののフォームローラー、スティックやボール、または、ローラーを使用し筋肉の緊張・こわばりを減少させる。 コレクティブ(矯正)ストレッチ―硬くなっているエリア、あるいは、アンバランスがおきているエリアに必要であれば。 活性化―コア、上肢、下肢、そして、ポステリアチェーン、股関節屈曲筋群、股関節外側の筋肉を活性化させる。 ダイナミックな動き―エルボーランジ、ラテラルランジ歩き、スキップ、キャリオカ・シャッフルなどのゆっくりとコントロールされた動き。 ローボックスを使用したバランスと安定性トレーニング 4-6インチ(10.16-15.24cm)のローボックス 右足で前方にジャンプし、左足でボックスに着地し、そこで2秒間静止します。着地は、片脚で着地するということ以外、垂直ジャンプの着地と全く同様に行うべきです。それぞれの脚で5回ずつ行います。 側方にジャンプし、そこで静止します。前方ジャンプと同じですが、違いは側方に飛ぶということです。それぞれの脚で5回ずつ行います。 複数ボックスのルーティーン 4-6インチ(10.16-15.24cm)のローボックスを4-8個使用します。 ジャンプ―コントロールされたジャンプで始め、それぞれのボックスに飛び乗り、飛び降り、すべてのボックスを連続して飛んでいきます。ボックス上と地面のそれぞれの着地で静止し、コーチがテクニックをチェックできるようにします。適切な腕のスイングを使います。全行程を4回行います。 クイックジャンプ―ボックスや床から素早くジャンプすること以外は、同じルーティーンです。それぞれのボックスで4回行います。 ホップ―これはアスリートが片脚ホップをするための準備になります。ジャンプと同様、それぞれの着地はコントロールされ、しばらく静止し、テクニックをチェックできるようにします。それぞれの脚で1-2セット行います。 素早いホップ―それぞれのボックスで素早いホップでの昇降を1-2セット行います。 短時間の加速 低強度の素早いプライオメトリックトレーニング後、アスリートの神経系システムはすでに刺激され、爆発的運動の準備ができているので、加速トレーニングを始めましょう。低いボックスでのプライオメトリックトレーニングを過度な回数行ってしまうと、神経システムが過剰に疲労してしまい、発火ができなくなってしまうかもしれないということに注意することが重要になります。しかし、上記のルーティーンはかなり強度が低く、アスリートの準備運動としては素晴らしいものです。 ボールドロップ―コーチが肩の高さで、腕を伸ばしてテニスボールを2個保持し、10-12フィート(3.04-3.65m)前後離れた位置に立ちます。コーチが1つのボールを落下させると、アスリートは加速し、2回目のバウンド前にボールをキャッチしなければなりません。コーチはアスリートを様々なスタンスで立たせ(平行、前後にずらす、後ろ向き、横向き、片膝立ちなど)全部で12回行います(4回真っ直ぐ、4回横向き-左右それぞれ2回、4回後ろ向きでヒップターンを使う)。 加速のための追いかけっこ:楽しみながら、かつ競いあうゲームのなかで、加速のスキルを使います。加速と競争に働きかけるときに良く使うゲームがあります。私はこれを“門を通る競争”と呼んでいます。このようにして行います: 足を左右平行のスタンスにし、二人のアスリートを横に並べて立たせます。2つのコーンを3フィート(91.4cm)離して並べます(一人のアスリートがギリギリ通れる幅)。コーチの合図で、どちらのアスリートが先に門を通れるかを競争します。アスリートは身体を上手に利用し、別のアスリートの前に出る必要があります。押したり、足を引っ掛けたりすることは違反ですが、接触は起こります。5回行います。 ここで、アスリートは短い休息を挟んで、ストレングストレーニングに移行します。 上記のトレーニングの焦点は、すべてのスキルに優れたテクニックを用いることと、必要なときにできる限り爆発的に力を出すことです。ゆっくりコントロールされたジャンプや着地では爆発的な力というより、コントロールすることにより重点を置きます。 重要!ローボックストレーニングのヒント ローボックストレーニングを行う前に、ジャンプと着地のテクニックを選手が理解していることを確実にしてください。エクササイズの強度が低、ボックスが低くてもかまいません。まず最初にテクニックを習得させなければならないのです。

リー・タフト 2143字

ジャンプの着地の指導

アスリートのパフォーマンストレーニング業界では、ジャンプトレーニングはかなりの流行語でありえます。過去にコーチから、ジャンプトレーニングがまるでなにか新しいものであるように、ジャンプトレーニングを提供できるかどうか、実際に尋ねられたことがあります。 その他すべてのアスレティックな動きの要素と同様、ジャンプはとても重要なものですが、初期のトレーニング段階において、私にとっての主要なポイントではありません。ジャンプからの着地が主要なポイントになります。 ジャンプ着地を指導する際の私の考え方と哲学は以下の通りです。これはカッティングやそれ以外の素早い接地の動きと非常によく似ています。ジャンプと着地の指導初期の段階では、常に私は、最初に着地の姿勢をアスリートにとらせます。これによって、アスリートはこの姿勢でどのような感覚がするのかを感じることができます。 ジャンプ着地の姿勢 骨盤を後ろへ 肩は膝の真上 両膝を前方に、足首は背屈 両膝は足部に対して垂直に 背骨はニュートラル この姿勢は、関節をサポートし、重要な組織にストレッチをかけ、身体のコントロールを産み出すことによってシステムに負荷をかけます。問題は、ジャンプとそれに伴う着地を必要とするスポーツや身体活動は、型が決まっていないということです。選手は両脚、片脚のあらゆるポジションでの、着地の仕方を身につけなければなりません。しかし、トレーニングの目的としては、コントロールし正確に行なわなければなりません。そうすれば、実際のスポーツにおいても、アンバランスな着地を上手くコントロールするためにトレーニングされた身体を得ることができるのです。 アスリートがしっかりした着地のスキルを習得するのを助けてくれる段階的プログラムは、下記の通りです。ジャンプ、リーピング、あるいはホッピング、全てに適応します。 着地は、およそ45-60°程度の膝屈曲位で行うべきです。つまり、より深い着地のパターンです。これによって、コントロール、筋力、良い姿勢の獲得に役立ちます。 初期の深い着地は低強度、低量で行うべきです。 徐々に着地の角度を25-40°に浅くしていきます。 量と強度はまだ低いまま維持します。角度を小さくする目的は、身体が着地し、別の方向に素早く反応できるように準備することにあります。これは素早いカッティング時の身体にポジションにかなり似ています。 最後に、角度を10-20°にします。これは、かなり固有感覚受容的な要素をもちます。45°以上の膝屈曲位のように、組織がプレストレッチされることがないため、身体を素早く安定させなければなりません。 目標は、着地の素早さと反応時間を徐々に早めていくことです。着地が深ければ深いほど、より安全ではありますが、着地姿勢からのリアクションが必要な時には、素早く対応できません、着地時の膝屈曲が浅いほど、筋・腱ユニットが伸張反射を起こすため、素早い反応ができます。より高い位置からの着地に対して素早い反応を起こすための素晴らしい方法は、例えば、縄跳び、ドットドリル、ラインドリル、素早い反応で行うローボックスジャンプなどです。正しいテクニック、関節の統合性、適切なパターンを獲得するためには、あまり早いタイミングで強度を上げ過ぎないようにしましょう。

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ウォームアップと動作準備

思春期の選手の為のウォームアップと動作準備システムの目的とは: 神経的発火を向上させ(固有受容感覚と運動感覚アウェアネス) トレーニング実施前に姿勢または長さ張力関係の問題を矯正し 体温を上昇させ、筋肉及び関節の機能を高めるために血行を促進し アウェアネス向上のため交感神経を優勢にし 筋肉と関節複合体の可動域を向上させ より良い動作、神経発火、筋肉の働きのため、筋肉のコリをほぐし(筋筋膜性) エクササイズでより激しく動くために備え学ぶことです 下記に記載しているのは、私達が日常的に行うウォームアップの具体的なアウトラインです。これは実際のウォームアップの一例ですが、他の多くのルーティーンも必要に応じて紹介していきます。 フォームローリング 各選手は筋肉のコリをほぐす、及び解消するためにフォームローラーを、身体の特定部分(筋肉のみ)に使用します。これは主要な筋肉グループ、または問題があるとされる箇所のみに限定して使用します。 筋肉の質に応じて、約2-5分間程費やします。 主な特定部分は:ふくはらぎ、ハムストリング、腸脛靭帯、大腿四頭筋、臀筋、背中です。 選手達には、早めに到着し、実際のワークアウトの前にこの部分に取りかかることを奨励しています。 コレクティブストレッチ これはフォームロールの直後に実施され、筋肉の長さー張力関係と、姿勢上の問題を整えることが含まれます。 これは、全身の静的ストレッチのための時間ではありません。潜在的に問題のあるエリアを矯正することが目的です。 このセクションには必要に応じて30秒から2分間費やします。 選手は優先順位の高い筋肉グループを主に行います。 ダイナミックモビリティーとランニング ここで選手達は、筋肉と関節により大きな可動域を与えながら全可動域を通じて動き始めます。選手達はまた、動作能力向上のため様々なランニング、スキップ、シャッフル、ホッピング、バランス等のエクササイズに取り組みます。 このセクションは、モビリティーからランニングまで継ぎ目がありません。 このセクションは、ノンストップの動作プログラムです。選手の心拍数は劇的に上昇し、発汗が始まります。 このセクションには、大体約5-7分費やします。 下のリストは実際のエクササイズです: ダイナミックモビリティーと柔軟性: ニーハグ モンスターウォーク ランジパターン(リーチ、ローテーション、エルボートゥーインステップ) クロスオーバーランジ ベンチスライド インチワーム アリゲータークロール サイドベンド 仰向け股関節ルーティーン 四つん這い股関節ルーティーン ダイナミックランニング: フォーワード&バックワードラン フォワード、バックワード、サイドスキップ シャッフル ジャンピングロープ バリスティックラダー カリオカ ラインドリル 腕と脚の動きを伴うバランス運動 リフト動作ドリル(ウォールラン、ローボックスニードライブ、ミニハードルラン等) ショルダーサーキット ジャボレックコンプレックス(ダンベル、バーベル、又はスティック)ーその日のトレーニングの焦点がウェートルーム内に置かれている場合、このコンプレックストレーニングは多くの場面において使用されることになります。 ウォームアップ及び動作準備ルーティーンの重要な要素の一つに、実施する地面に応じて、出来る限り裸足またはソックスで行う点が挙げられます。これは、重要な安定筋群 を強化し、固有受容感覚を高める手助けをします。靴が足部の筋肉を安定させる代役を担ってしまい、それによって足部が弱くなってしまうのです。

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アジリティ技術の向上方法とは?

あなたは野球の試合で、フライを捕球するために後退している際、外野手の足がもつれているのを見た事がありますか? また、マークについている相手が素晴らしいダブルムーブをした際に、バスケットボール選手がまごついている光景を何度目にしたことがありますか? クイックレシーバーやランニングバックに裏を取られないようにカバーリングしながら、後ろへ下がっているフットボールのコーナーバックまたはラインバッカーがバランスを崩しているのは? リトリートと後退 リトリート、または後退(地面があるのが前提で)は、練習を頻繁していなければ扱いにくいスキルになります。それは選手には各ステップの見通しがないことと、日常的な動作ではないことが理由です。後ろ向きに歩くことを、覚えようとする小さな子供を見たことがありますか? それはさながら綱渡りのようです。身体は自然に後退できるように設計されていません。我々は戦略的に、後退動作が自然になる方法を生み出さなくてはならないのです。 これは後退しながら選手のアジリティスキルを高めるいくつかの方法です: 立位ロングストライドバックワードラン ー 野球選手が守備位置まで後ろ向きで戻っている時によく見られます。 ショートスタンス(膝関節屈曲時)バックワードラン ー フットボールの試合でレシーバーのカバーリングをする際、多くのコーナーバックが最初の数歩に行う動きです。 バックワードシャッフル ー サッカーまたはバスケットボールで、コートやフィールド上で方向を一定に保とうとする際によく見られます。 フォワードクロスオーバーでのバックワードムーブメント ー バスケットボールの守備、サッカーの守備、ソフトボール又は野球の内野手、そしてテニス選手がボールをリトリートする際に見られます。 後退しながらの連続ヒップターン ーこれはオフェンスに抜かれないようにして、展開していこうとする場所へ素早く対応するための守備の戦法です。 スケートバックワード ー 当然、ホッケーとアイススケートに関するものです。 結論として、スポーツにおいては、プレーし、方位を一定に保ち続け、またオフェンスの意図を読み取るため、選手が後退せざるを得ない状況は数多く存在します。 若い子供達に、できるだけ様々な方法で後退方法を指導することは、彼等の身体認識能力と身体スキルを発達させるための優れた方法です。選手が若年時において、フットワーク、ボディコントロール、ボディポジショニング、そしてスピードの変化の感覚を習得できれば、リトリーティングスキルが要求される試合の状況に追い込まれても、より容易に順応することができるでしょう。 これは、後退を若い子供達に紹介すると共に、上級者や年上の選手に対するウォームアップとしても使える簡単な漸進方法です。 立位バックワード歩行 ー 適切な腕の動作とより大きなストライドを強調しましょう。 かがみ立ちバックワード歩行 ーしゃがんで、小さい歩幅で後退し、頭部を足の上に位置させるようにします。股関節からリードしましょう。 ”S”字パターン立位バックワード歩行 ー これにより空間、身体認識能力と、身体の固有感覚の発達させ始めます。 
“S” 字パターンかがみ立ちバックワード歩行 ー 直立バックワード”S”と同じ利点ですが、ここでは足首の可動域がさらに拡大します。また選手は身体をより上手くコントロールしなくてはなりません。 ここでは最初の4つのステップをより素速く行います。(ウォーク、ジョギング、ラン等) 前向きリトリーティングシャッフル ー空間認識能力と身体テクニックを発達させます。 前向きリトリーティングクロスオーバー ー空間認識能力と身体テクニック、そして股関節と足首の可動域を発達させます。 シャッフル、クロスオーバー、シャッフル等のコンビネーション これは身体コントロール、身体位置の立て直し方、そして思考プロセスを発達させます。 シャッフルを伴う連続ヒップターン ー選手は軽快なフットワークを発達させ、足の運び方と股関節周りのリポジションを学習します。 クロスオーバーを伴う連続ヒップターン ーフットワーク、そして足を股関節周囲にリポジションする能力を発達させます。 あなたの好きなどんなコンビネーションもこのテンプレートで創作することができます。それは若い子供の学習のための優れた指導プログレッションであり、かつ上級選手が練習または競技に向け準備するための優れたウォームアップです。

リー・タフト 1948字

スピード&アジリティーコーチングの5つの失敗

20年以上に渡って専門家であるという強みの1つは、考えられる全ての失敗を経験し、そこから学び続けているということです。スピードとアジリティーを教えるなかで、私から見たコーチ達が犯す上位5つの過ちをシェアしたいと思います。 間違いその1:スピードの代わりにコンディショニングを鍛える! コーチ達がスピード,敏捷性、アジリティーに取り組もうとする一方で、リカバリーと持続の重要性を見落とすことの多さには驚かされます。アスリートが総合的なスピードと敏捷性を向上させようとする時、どこかのタイミングでハイスピードでのトレーニングが必要となります。これをトレーニング効果のために充分なボリュームを確保するよう継続させる為には、エネルギーシステムの要求が理解される必要があります。私は通常3~7秒の範囲のなかで、ATP-CP系回路がまだ沢山のエネルギーを生産できる間に圧倒的なスピードと敏捷性を得るようにしています。加えて、ほとんどの競技動作は運動強度が落ちたり、動けなくなる前のたった数秒で起こるのです。私のゴールは、可能な限りのスピード、アジリティー、そして敏捷性を保った動きの効率性を習得する事です。 認識しなければいけない他の問題は、競技の合間のリカバリーです。私の通常のトレーニングセッションでのゴールは、100%の回復をしないようにすることです。それができれば素晴らしいのですが!残念ながら、各レップやセット毎での完全回復は、ほとんどの場合実践的ではありません(実践的であれば、もちろんやりますよ!)。私のゴールはアスリート達に8:1から12:1くらいで休憩と運動比を配分することです。充分なATPのリカバリーを得られることはわかっていますから、アスリート達が次のレップやセットに力を注げるのです。 コーチ達は、アスリートが次の運動を行う時に呼吸が乱れていた場合、最大スピードを獲得する為の充分な回復が得られていないことを認識する必要があります。これでは単なるコンディショニングセッションになってしまい、スピードセッションではありません。 間違いその2:技術向上の代わりにドリルを繰り返す! コーチ達は、様々なドリルのプログラム作りにおいて失敗を犯すことが多すぎます。こういったドリルは大抵スピード&アジリティードリルの“ユーチューブ”検索から来ています。問題は、ドリルはアスリートが実際に必要な要素において、ほんのわずかしか意味を成さないかもしれないということです。私はこれを “ドリルサーフィン“と呼びます。コーチ達が “グーグル検索”をしてクールでエキサイティングなドリルを見つけた時、彼らはそれをアスリート達が好むだろうと思って実行するのです。 コーチングとは、計画を遂行することです。スピードやアジリティーセッションのコーチング戦略は、アスリートが向上させる必要のある技術を中心に展開する必要があります。その技術が特定された時点で、コーチ達はその技術を向上させる為のドリルを模索できるのです。 ドリルは技術に直結し、必要性を満たすという目的にのみ働くということをいつも念頭に置いてください。 コーチ達が技術の代わりにドリルを好んで使う他の方法として、スピードラダーやドットドリル、アジリティーリング等のツールを使うものがあります。 決してこれらのツールが悪いわけではありませんが、コーチはアスリートがドリルをこなすことのチェックに注意を向けてしまい、運動動作においての正しいメカニクスの強化や、指導の機会を見逃してしまうことがよく見受けられます。 間違いその3:強化していない! スポーツパフォーマンスの世界において、アスリートに対して私以上に多角的なスピードスキルを指導することを重要視するコーチはそう多くはいないでしょう。もしアスリートが正しいメカニクスを教育されていなければ、彼らは決して真の動きの可能性に到達することはないでしょう。そうは言っても、私はスピードと敏捷性においての “宝の山”を見つけられる場所を知っています。それはウェイトルームの中です! 私にとって幸運だったのは、幼少期に沢山のストレングストレーニングに触れてきたことです。父はフィットネスに熱中していて、当時リフティングの方法を教えてくれました。ボディービルダーであり、パワーアスリートであった友人とワークアウトを始め、彼は私が18歳の時、ハードリフティングの為の素手でのアプローチを教えてくれました。また長年に渡り世界中のストレングストレーニング方法も学んできました。私はハードなトレーニングで強さを獲得し、その結果としてスピードは向上しました。 もしあなたが本当にスピード能力を向上させたいならば、ウェイトルームは絶対です。アスリートの馬力をアップさせれば、彼らのスピードにおけるメリットがわかるでしょう。 間違いその4:アスリート達のメッセージに注意を払わない! これはアスリートが言葉で話すという意味ではありません;彼らの動作における、身体からのメッセージという意味です。頻繁に、私達は単に自分達のコーチに教わったことだけを基に指導をしています。それが正解か不正解かを疑問に持たず、ただそれをこなすだけなのです。問題は、私達が何年も前に教えられた数々のテクニックやコーチング戦術は、人間本来の反応的動作には適合しないということです。 真の多角的なスビードや敏捷性は、アスリートが自分達の競技をおこない、各状況に反応する時に見られます。彼らはどう動くかなど考えません;ただ反応して動くだけです。交感神経システムが “闘争—闘争” 反応を作動させ、アスリート達は知覚された脅威に基づき行動します。これが起きた時、アスリートは敵から逃げたり追いかけたりする為に、身体を素早く加速姿勢に置く傾向があります。貯蔵されたエネルギーは、地面を蹴る脚による瞬発的な力生産の際に伸張-短縮サイクルを介して筋肉から放出されます。 どれも教えられることはありませんが、正しいメカニクスによって準備することはできるのです。私がコーチ達に気づいてもらいたいことは、人間の身体には保護的であり、効果的であり、そして効率的な生まれながらの働きがあり、それは、昔のコーチが “そのステップは間違いだ” などと言ったからというだけでめちゃくちゃにされるべきではないということです。人間本来の反応的動作への知識を深めてください。アスリート達からのメッセージに驚かされることでしょう… 考え込まずに直感で! 高校時代のフットボールコーチが、練習の締めくくりのスプリントで、テイクオフの時の短くてぎこちないステップをするように怒鳴りつけていたのを今でも思い出します。そして多くのチームメイト達が、こういった短くぎこちないステップでスパイクが芝生に引っかかり、最初の数歩でつまづいていたことも思い出します。これは現在においても、まさにその通りのように思えます。ユース世代のコーチ達は、いつも加速をする際に細かくステップを踏むように子供達に働きかけるのを耳にします。 間違いその4で、身体には生まれながらの能力があると話したのを覚えているでしょうか?これはその中の1つです。アスリートが加速をする際、地面を強く蹴る能力は、身体が素早く進む為に不可欠です。ですから、蹴り出し脚が力強く下方後方へ蹴る時、前脚はこの強度と一致しなければなりません(これは “アクションーリアクション”と呼ばれています)。前脚は後脚をより長く接地させる為に力強く前進します;これが身体の質量をより遠くに進める為の手助けとなるのです。 その他に注目すべきエリアは、腕の動きです。加速期での腕の振りは、特にバックスイングではとても長くなります。繰り返しますが、これは、より多くの力が活用される為により長い足部接地を求める事実に起因しています。腕の振りは脚の動きと一致する必要があり、それによりコーディネーションがうまれるのです。加速のプロセスは長くて力強い脚の動きに基づき、オーバーストライドではなく、ピストンのような脚の動きから生まれます。ピストンのような動きは、常に脛の角度を下後方にすることができ、引くことではなく、押すことへの体勢を作るのです。 最後に 私達はコーチとして、アスリートがベストの状態になるための手助けをするために、暗黙の誓いを立てているということを覚えておかなくてはなりません。これを果たす為に、スピードやアジリティ、そして敏捷性のようなパフォーマンスの質、そしてどうやって身体がこれらの能力を生かすかを理解していなければなりません。こういった運動の特徴をより良く理解することで、アスリートの脚を引っ張る典型的な失敗を避けることができるでしょう。

リー・タフト 3705字

成功のためのスピードトレーニングチェックリスト

コーチとして、私達はよく日々のコーチングに影響する習慣や、決まったやり方を開発します。継続性を保つという意味ではこれはとても良い事だと言えますが、それはまた“コーチングスキル”を広げないことで私達のコーチとしての発達を制限し、成長を止めてしまうことにも繋がるのです。 私は、コーチ達がワールドクラスレベルでのスピードトレーニング指導において、ベストになるために熟知するべき5つの分野をリストアップしました。これが私のスピードトレーニングのチェックリストです: #1 身体を知る これは避けては通れません。どこかのポイントで、スピードコーチはどのように人間の身体が機能するのかをバイオメカニクス的な観点から理解するべきです。彼らはエネルギーシステムがどのように力の発揮や回復に影響するのかを知る必要があるのです。彼らは刺激に対する神経筋システムの反応についての十分な理解を養う必要があります。彼らは関節可動域と機能不全の関係、そしてどうやって組織の柔軟性が与えられたストレスによって影響を受けるのかを知っておくべきなのです。 つまりは、スピードコーチ達は人間の身体に起こることがどのように起こるのかを知っておくべきです。必ずしもドクターの洞察力を持つ必要はありませんが、自分たちの指導で身体がどういった反応を起こすのかという観点を持つべきです。 #2 羽毛の鞭 私達の誰もが、私達の心を引き裂き恐怖のどん底に突き落とすコーチを経験してきました。間違いを犯したとたんに怒りがやってくることを知っているので、不安がつきまとうのです。スポーツをして楽しむのはとても困難な方法です… その一方で、もし10回連続でミスを犯したら怒鳴られる、決してプレッシャーは与えないような素晴らしいコーチもいるのです。こういったコーチは、あなたには何でもできて結果は決して痛みを伴わないというアプローチをしてくれます。 コーチングのキーは、時にアスリートに責任を課す為に鞭を振りかざさなければならない時の強いタッチ、そして時に限界点スレスレのところで、アスリートが自信をつかむ為に羽根のように柔らかいタッチを持つことです。コーチングとは選手各々の最大限を引き出すことであり、全員を同じように扱うことではありません。なぜなら単純に、彼らは同じではないからです。選手はそれぞれ違った反応があり、私達のアプローチは彼らをさらなる高みに押し上げるか、失敗の淵に追いやるかなのです。アスリートを理解し、どのスイッチを押す必要があるのかを知ることに十分に時間をかけてください。 #3 戦術的なアプローチ コーチ達が、戦うための計画や戦術を立てないことが多すぎます。即興なのです!これは単に失敗へのレシピというだけではなく、アスリートにもコーチングの方向性のなさがはっきりと分かってしまいます。あなたが陸上のコーチ、サッカーコーチ、あるいはテニスコーチであろうと、ゲームプランは必要になります。あなたが作る戦術はアスリートに自信をもたらすだけでなく、あなたに自身にもロードマップを授けてくれるのです。ロードマップを進むべきか、違うルートを探すべきかがわかるでしょう。 あなたが戦術をたてる時、過去の競技で養った知識や自分のアスリート/チームの能力などを統合させて計画を発展させます。この計画は練習に練習を重ねられます。アスリートにも分析され、そして吸収されていくのです。 戦術は常にあなたの総合的な哲学の一部であるべきです。なぜならあなたの土台となる基本的価値観からは決して離れたくないからです。 #4 弱みか強みか 私達はアスリートの弱点を克服することがどんなに重要なことかいつも話しています。その弱点を向上させれば、アスリートは相手に対してより強くなれる。これには100%同感です。 私が沢山のコーチ達に対して抱える問題は、彼らがあまりに多くの時間を弱点に費やして、長所を伸ばすことを軽視していることです。素晴らしい選手達は、素晴らしい長所を持っています。彼らの長所が優勢なのです! 数年前、800メートルのランナーを担当していました。その競技では単に誰よりも速いランナーでした。持久力が彼の弱点であったため、スピードがレースを通して生かせるように、私達は彼の持久力を向上させるような戦術を考案しました。しかし、私は決して彼のウェイトルームでの強化とトップスピードへの取り組みを止めませんでした。彼の限界を引き上げましたが、それでいてスピードも優先できたのです。 #5 盗賊のように盗め 誰が何と言おうと気にしません。世の中に出ている95%の情報はすでにすでに試されているものです。それらの違った見方はあっても、コアとなる部分は新しくはありません。ですがもしあなたが過去に見たことのないものに出会い、それが効果的であるならば、それを大金のごとく盗むべきです。 私は間違いなく強い意志を持ったコーチであり、コーチング倫理に敬意を払うことを信じています。しかしあなたがアスリートやチームにとって貴重な利益が得られる何かを発見したとき、それをどうやってあなたのトレーニングやプログラム哲学のなかで実行できるかを見つけ出す必要があるのです。 近年、フットボールチームとバスケットボールチームはそれぞれ違ったプレースタイルで素晴らしい成功をあげていることがわかります。多くのチームがその戦術を自分達のゲームプランの中で実行するのに、あまり時間はかかりません。どれくらいの頻度でアメリカ人は陸上競技のトレーニングテクニックを、より科学的なアプローチをする他の国から学んだことでしょうか。それこそが単に賢いコーチングなのです!まわりから学んで、そのアイデアを盗むことでアスリートの成功を高めることができます。 最後に よく頻繁に、コーチ達はコーチングスタイルを自分達の前任者から学び、そしてどんな状況でもそれに固執します。問題はそのスタイルがこれ以上機能しない時や、コーチが前任者と同じ特性を持っていない時、そしてアスリートが同じ反応をしない時に生じます。 コーチングとは時流についていきながらも、長年の本質的価値に忠実であることです。コーチングとはあなたの知識が正しいと信じることができる強さを持ちながらも、プログラムをより向上させるための新しい変化を受け入れる柔軟な思考を持つ事です。 コーチにとって最も難しいことの1つは、つまづかないように、自分のプライドを抑え、エゴを取り除くことです。コーチを偉大にするのは、彼らの自信です。コーチを堕落させるのは、エゴなのです。もちろん質の悪いアスリート達も要因ですが、それはまた別のポイントですね。偉大なコーチ達は偉大さを専門分野以外でも探し求め、そして自分達の世界において、その形を変えてフィットさせることができるのです。

リー・タフト 2881字

坂を使った加速トレーニングが大切である5つの理由

アスリートをより速くするために指導をする過程では、手の込んだドリル、様々な機能が備わった機器、精巧にデザインされたプログラムなど、様々なアプローチが使われます。基盤となるのは、下記の3項目を改善することです。 1. 技術 – 無駄な動作をなくし、反作用の力を適切に利用するために、アスリートが可能な限り効率的に動けるようにする必要があります。 2. 大きな馬力を身につけさせる必要があります。地面に伝える力が強くなるようなトレーニングをすることができれば、アスリートはより速くなります。 3. 最後に、エネルギーシステムの潜在能力を最大限引き出し、質の高い反復を行うために、アスリートがしっかり回復できるようにします。 スピードトレーニングの初期段階で指導者がやり過ぎてしまうことの一つとして、現在の身体能力レベルに対して長すぎる距離を用いてしまう、ということがあります。たとえば、60~100mのスプリントを早期段階で行わせることは、粗末なテクニックにつながったり、セット間の回復のために、現在の有酸素性能許容量を越えてしまったり、組織の準備が適切にできてない、また、ストレスにさらされ続けることにより、怪我のリスクが高まります。 これに対する対処法としては、初期段階で加速トレーニングを行い、スプリントの機械的側面に早期に負荷を与えすぎることなく、アスリートに必要な力の発揮のトレーニングを行うことです。私が好きな加速トレーニング方法の一つは、坂を使ったものです。傾斜の低い坂から中程度のレベルの坂は、重力、その他様々な理由により、自然に力の発揮が高まります。下記は、私が坂を使った加速トレーニングを行う5つの理由です。 坂を使った加速には、機械的側面から二つの良い点があり、アスリートの最初の一歩の踏み出し、フィールドやコートでの素早い加速に非常に役立つトレーニングになります。まず、地面につま先がぶつからないように、自動的に膝を高く上げなければならなくなります(実際に、上体の水平方向への傾きにより、股関節屈曲が大きくなる)。この自然に誘発された大きな股関節屈曲/膝のドライブは、足で地面を蹴って押す力の発揮を高めます。積極的な膝のドライブによる反作用力が、より大きな力を地面に与えます。アスリートには常に重力がかかっているため、重心を動かし続けるためにも、地面に伝える力は常に積極的である必要があります(スプリントが始まると加速が終わる平坦な地面での走りとは異なります)。 坂を使った加速は、走る際に必ず起きる減速を抑えます。力を生み出すことをやめると、ほとんどの場合、アスリートは急に止まることになります。平坦な地面での加速では、能動的に「ブレーキをかける」ようにしなければなりません。各反復の際に減速をする必要がないという事実は、脚を過度に使いすぎず、加速だけに集中することを可能にします。 坂を昇る加速を使うと、腕の動作は、ほぼ自動的に、より活発になり、腕の振りも無駄がなくなります。身体という質量を動かし続けるためには、常に頑張って力を発揮し続けなければならならず、腕もたくさん振らなければなりません。腕によって生み出された力は、より大きなストライドとして表れ、より大きな力の発揮につながります。(#1をご覧ください)遊脚層における腕の振りが小さいと、脚の動きは、腕の動きと合わせるように小さくなります。平地でのトレーニングでは、加速がすぐに終わってしまうため、初心者の加速段階はとても短くなります。坂を使って加速トレーニングをすると、走り全体を通して加速段階のトレーニングに取り組むことができ、より多くの腕の反復が得られます。 坂を使ったトレーニングは神経系への負担が激しいため、プログラムは非常にシンプルです。アスリートが定めた距離に達したときに、その前の回よりも遅くなっていたら、疲れ始めてきている証拠です。疲労が見えてきたら、練習の効果はかなり下がりますから、これが坂を使った加速トレーニングを終了するタイミングです。プログラムの効果をより価値の高いものにするためには、セット内の回数を減らし、セット数を増やすことです。たとえば、セット間の休みが少ない、6回を2セット行うのではなく、3回を4セット行うのです。こうすることで、その3回に集中して力を発揮することができ、セット間のリカバリーでは、6回2セットの場合よりも、ATPがしっかり再補給されます。 坂を使った加速トレーニングは、レジスタンストレーニングの一つの形です。ソリやチューブ、パラシュート、あるいは、徒手抵抗を使ったトレーニングには全て利点がありますが、これらのトレーニングは、私が個人的に非常に大切だと考える一つの要因を満たしていません。それは、こういったトレーニングは、純粋に走るという生まれつきの運動感覚の性質を妨げるからです。バンドやハーネスでつながれた状態は、自然なランニングの状態とは一致しません。肩につけるハーネスにより、肩の水平回旋の増加につながる可能性があります。腰に巻きつけるチューブにより、実際の加速よりも大きな股関節屈曲につながるかもしれません。パラシュートは、風にあおられて、前額面上での不規則な移動につながるかもしれません。こういった障害は、求めていることが明確であれば利点もありますが、先に私があげた3つの項目(技術、馬力、回復)を改善したいのであれば、ほとんどの場合、何にもつながれていない方法で行うのがベストであろうと考えます。誤解しないでください。私はレジスタンストレーニングもたくさん行っています。でも私は常に、どんな結果がなぜ起こるのかを理解した上で行っているのです。 以上の通り、坂を使った加速トレーニングは、スピードの炸裂に必要な爆発的なパワーを発達させる為の素晴らしい方法です。 そうそう!相当急な坂を使う場合は、慎重になってください。もし坂の勾配に対処するためにテクニックをかなり調整しなければならないとすれば、それはやりすぎかもしれません。アスリートの高い技術を犠牲にせずに加速できるレベルに保つよう心がけてください。

リー・タフト 2561字

運動能力の評価と査定

運動能力の評価と査定を成功させる5つの秘訣 様々な形式の評価を行うことは、あなたやあなたのアスリートが、何に対処すべきなのかを明らかにしてくれるということに、疑いの余地はありません。今回は、あなたの評価のプロセスを向上させる、5つの秘訣をまとめました。 秘訣1:ファンクショナルムーブメントスクリーン ファンクショナルムーブメントスクリーン(FMS)をよく知らないのなら、重点を置いて学ぶべきです。FMSは、簡単にできるエクササイズで、あなたのアスリートの動きの制限を見つけることができる、価値のあるツールです。 FMSは、大人数のグループや、異なるグループの層によって、調整することができます。FMSから得ることのできる最も価値ある情報は、誤った基本動作パターンにつながる、不適切なモータープログラムの判別です。たとえば、アスリートによっては、身体のポジションを変えることなく、基本的なスクワットを完了させることができない人もいます。大抵の場合、そのアスリートの神経筋システムを再プログラムをする必要があり、そうすれば、スクワットのパターンは、再び効率的になります。アスリートは、強化トレーニングは言うまでもなく、スピードや敏捷性が求められる動きにおいてスクワットのポジションに入ることができる必要があるため、これはとても大事なことです。 自分のために、FMSを学びましょう。 秘訣2:足首の可動性 全てのアスリートに、背屈の能力(足首に適切な負荷をかける能力)を計測するために、シンプルな足首のモビリティーエクササイズを行います。足首の背屈が制限されていると、負荷をかけたときに、足と足首を適切なポジションに保つことができなくなります。 足首の可動性不足のもう一つの問題は、この制限をカバーするために身体が代償運動をすることです。上半身が前に傾きすぎ、膝が内反し、足が平らになってしまうアスリート達を目にします。 アスリートが行うエクササイズは、地面に踵をつけ、膝が外側の足の指2本と平行になるようにするものです(足の第一指の内側に膝が向わないように)。もし、アスリートが膝を2.5-5cmくらい前に動かすことができなければ、可動域を改善するために毎日働きかけるようにします。 秘訣3:基本の柔軟性プログラムを行う 基本的な柔軟を行うことは、当然であるべきです。まずは、主要な筋肉の十分な柔軟性、および十分な関節可動域があることを確かめます。たとえば、ハムストリング、大腿四頭筋、股関節周辺/臀部、肩などの柔軟性をみます。基本的な柔軟性がかけていると、やがて姿勢の変化につながり、これは対処するべきとても大切な問題です。 股関節屈筋群の柔軟性の欠如により、基本的なランニングエクササイズができないアスリートがいます。これは、対処しなければいけません。 私たちは、アスリートとの最初のミーティングで、基本的な柔軟エクササイズを見ます。それと同時に、制限が見られる他の問題についても見ていきます。 秘訣4:運動能力の評価 私は、毎日アスリートを評価すること、特に彼らが動いているときに評価をすることを大事にしています。アスリートに常に行って欲しいシンプルなエクササイズが複数あります。それらは、サイドシャッフルと方向転換、クロスオーバーランと方向転換、直線加速と減速、後退のスキル、そして様々なジャンプからの着地テクニックです。運動能力の評価の際には、様々なエクササイズを使いますが、そこで主に見ているのは、身体のコントロールと全方向から効率的な動きを作りだす能力です。 アスリートを評価する際には、常にそのアスリートが行っているスポーツを考慮しますが、それでも、全てのアスリートにおいて、全方向における動きを見たいと考えています。これにより、身体の非対称や筋力の不均衡が見つかるからです。 秘訣5:情報を使うことを忘れない 評価の結果を使うことは当然のことと感じているかもしれませんが、評価から得た結果に対処して、フォローをしなければ、中途半端に終わってしまうことになります。 問題が大きければ、ヘルスケアの専門家に送り出す必要があるかもしれません。問題がそこまで大きくなく、あなたが適切に対処できるのなら、対策を練って毎日フォローするべきです。 私が指導するアスリート達は、ワークアウトを始める前、そして、ワークアウトを終えた後にも、コレクティブエクササイズを行っています。また、家で行うためのエクササイズも渡しています。当然ながら、全てのアスリートが忠実にそのエクササイズを行うわけではありません(やらなかったときはわかります)。私は、取り組んでいる問題がアスリートを危険な状態にさらしていない限りは、制限を取り除きながらも、トレーニングをすることに賛成です。

リー・タフト 2021字

スプリント&カッティング

スプリンティング スプリントはスキルである スプリントは軽く見られているスキルの一つです。ほとんどの場合、そのスプリントワークの結果を知ることなく“何本かスプリントしよう”と言ったります。ここに私が考えるスプリントの価値を示します。 まず最初に、陸上の選手でなければ、十分な量のスプリントを選手に課すことはおそらくないでしょう。あまり良い理由ではないかもしれませんが、私はいつも多面での瞬発力と減速の能力を向上させることに努めています。2つ目に、スプリントトレーニングを安全に行うためには、陸上のトラック、サッカーフィールド、あるいは、スプリントに適した、長く平坦な場所が必要になります。 スプリントが筋力を向上させる アスリートに対して。スプリントを運動力学的にすべて説明することはしませんが、その価値は説明していきます。スプリントは筋力を向上させます。全身の筋力を向上させるのです。10秒間ほぼ全力のスプリントを4−8回行う機会があれば、次の日に、どれだけ筋肉痛になっているか驚くことでしょう。加速のトレーニングと比較して、スプリントでは長い時間持続的に筋肉を働かせることが要求されます。さらに、腕、下肢、股関節に充分な可動性も要求します。体幹の筋肉群は回旋の力に抵抗するために頑張って働き、背骨を安定させます。スプリントのワークアウト後、腹筋が筋肉痛になることが多いのは、そのためです。しばらくスプリントをしていない場合は特にそうです。概して、スプリントは、かなりきついのです。 スプリントを分解する これが、スプリントの分解の仕方です。こうして分解することで、若年層のアスリートが早すぎる段階で、長すぎる距離をかなり激しく行うことで怪我をすることがなくなります。 若年層のアスリートは、まずは15-25ヤードで適切な加速を習得することから始めます。そうすることで、スプリントの初期段階での筋力を向上させ、膝のドライブと、腕の適切な使い方を覚えさせます。4−6回を1−2セット、大体3-4セッション行います。 次に、距離を40−50ヤードまで伸ばします。これで、若年層のアスリートは数秒間良いフォームでスプリントすることができます。長い距離をスプリントするわけではないので、フォームを崩すことなく、下肢と股関節の筋力を向上させます。50ヤードを4−6回、1−2セット行うことで、さらに長い距離のスプリントを行うための良い基礎になります。3−4セッション行います。 最後に、ラダースプリントをアスリートに行わせます。40、60、80、60、40ヤード。正しいスプリントを学ぶには、若い(15歳以下)アスリートにとって、80ヤードは十分な距離です。陸上の選手で、短距離走のトレーニングをしているのであれば、さらに長い距離の走り方を習う必要があるでしょう。コートやグランドで行うスポーツのアスリートにとっては、短いスプリントで十分です。それぞれのスプリントの間に十分な休息を挟んだラダースプリントを1-2セット行うことを奨励します。 筋力とランニングコーディネーションを構築するためにスプリントを使用していることを忘れないでください。陸上の短距離走者以外のアスリートのほとんどは、40ヤード以上を全力でスプリントすることはないでしょう。フットボール、サッカー、ラクロス、フィールドホッキーのようなスポーツは、時として長い距離をスプリントするかもしれません。スプリントトレーニングの目的は、もっぱらアスリートの身体的強化なのです。 25-30ヤード以上全力でスプリントすることは、コンディションの低いアスリートにとって怪我をする可能性を秘めているので、徐々に距離を伸ばすようにしましょう。 カッティング パフォーマンスを向上させ潜在的な傷害のリスクを減らすために、アスリートが習得しなければならない、3つの異なったスピードでのカッティングテクニックを下に掲載しています。 カッティングを注意深く見る カッティングとは、自然なリポジショニングの動きの1つの例であり、身体の移動方向を変化させ、アスリートに素早く適切な角度へ切り返しさせることです。カッティングの鍵はできるだけ素早く行うことです。できるだけ素早く行うためには、アスリートの重量と慣性を制御しなければなりません。 かなり素早いカッティングもいくつかありますが、それ以外は分離戦術を使うことでディフェンダーを外し、ゆっくりとしたカッティングテクニックでもスペースを創り出すことを可能にします。 カッティングを使うことで、選手をオープンスペースに移動させ、プレーさせることができます。ディフェンダーが切り返しをすれば、攻撃選手の戦術としては、それに反応することになります。実際の場合、オフェンスのプレーヤーはどの方向に切り返しをするのか分からないため、ディフェンダーのカッティングはより精密でなければなりません。 3カッティングテクニック 基本的なカッティングスキルを教えるための、かなり多くの基礎を設定できる3つのカッティングテクニックをチェックしてください。 正しいカッティングのメカニクスを習得するために、パターンを練習する。このステップの目的は、アスリートがカッティングのメカニクスを理解するということです。多くのことをコーチングしすぎる必要はありません。単純に正しい足の運びと身体のアラインメントを確認してください。 ・スラロームのカッティングでは、5ヤードごとに45度の切り返しを行います。 ・コーンまでハーフスピードで走らせ、足部を素早く接地し、足趾を真っ直ぐに向かせる(外に開かない)ことで、足首を背屈させます。 ・股関節は上下の動きを最小限に抑え、ある程度並行を保ちます。ある程度低い姿勢でカッティング動作に入り、カット時に沈みこむことで時間を無駄にしないようにすることが鍵になります。 ・カットから次のコーンまでは全力で走ります。大体6つのコーンを使って、4−6回行います。 ランダムなカッティング。これはすべてコーチの指示で実行します。単純に、コーチが“カット”と言ったときに、アスリートが切り返します。よりランダムにすると、アスリートは常にバランスをとり、コントロールしなければならなくなります。パターン化しないようにコーチは注意しなければなりません。アスリートに切り返しのタイミングを予測されたくないのです。ランダムかどうか確認しましょう。 ・アスリートの肩が上手にコントロールされているか確認しましょう。切り返しの場所を通りこして欲しくはありません。 ・股関節は力強く、切り返し時に曲がりすぎたり、しゃがんだりしてはいけません。アスリートはすでに切り返すためのポジションにいるべきです。 ・足部は真っ直ぐ前を向いて、外に開いてはいけません。もし足部が外に開いているのであれば、足首の背屈が失われ、パワーの欠如に繋がるでしょう。 ・切り返し足が地面をしっかり蹴ることで、次のコーンに向かって加速させ、肩を次の方向に傾かせます。 ジャンプストップと切り返し。この種の切り返しは、相手を欺くか、方向転換する前に重心を中心に集めるためのものです。 ・アスリートは両足でのジャンプからか、足を前後に広げたポジションで着地する必要があります。次の方向に向かって45度の角度ですぐに切り返しをします。このドリルは、ランダムでも、通常の練習としてでも行えます。 ・アスリートは体をコントロールしながらジャンプストップし、素早く切り返しができるよう準備する必要があります。 ・ディフェンダーをスローダウンさせ、相手に止まったと思わせるには優れた方法であり、その後爆発的にスピードを上げます。 ・このテクニックは、ディフェンダーに素早く近づき身体をコントロールしながら、相手の動きに反応し、そこから離れる必要があるときに使います。

リー・タフト 3352字