PRIを基盤としたダイナミックウォームアップルーティン

次のビデオは、ポスチュラルリストレーションインスティチュート(PRI)の原則を基盤とした矯正エクササイズや、姿勢に特に着目したダイナミックウォームアップのルーティン(一連の決まった動作)をまとめたものです。このルーティンや、それらの動きを通じて私が成し遂げようとしていることについて、複数の問い合わせをいただいたので、ここでは、それぞれのエクササイズの順序がどういった役目を果たしているのか、重要視していることは何なのかをまとめたいと思います。このビデオでは「何をするか」を見せており、この記事では「どう行うか」を説明しており、そしてPRIのコースでは「なぜ行うのか」を説明しています。 このルーティンは、既にPRIをベースとしたエクササイズの介入を実践しているクライアントがいて、クライアントのシステムのニュートラルな状態を理解し、ニュートラルに導くことができる人々にとって最適なものです。もし既に、クライアントがホームプログラムや日中の姿勢考慮によって自分の体をリセットすることができる場合には、トレーニングを行う前にクライアントをニュートラルな状態にする方法としてこのルーティンを使うことができます。ルーティンには、修正パターンを確たるものにするために必要となる、センタリング、グラウンディング、相互性、相反性、固有受容統合などの重要な要素も取り込んでいます。 エクササイズの特定の段階において、呼吸について指示し、タイミングを合わせることもできます。例えば、ランジウォーク(肘を反対側の膝に近づける)の下降時と上昇時には息を吐き、立ち上がっている状態の時に息を吸います。また、クローリング(這う動作)における左足及び右足の一歩を踏み出している時に一度息を吐き、繰り返す前に止まっている状態で息を吸います。一旦良い呼吸パターンを確立することができたら、クライアントが通常の吸気を十分に行っており、且つ、より完全に近い(完全ではない)呼気を行っていることを確かめるようにしてください。

マイケル・ムリン 3350字

「悪い」エクササイズが良くなる?

“百聞は一見に如かず”は、写真は複雑な概念を解説することができる – または、少なくとも、その “助け” となることを示唆する、昔からの言い回しです。この表現は色々な方法でメリットを持ち、理解の空白を埋めるイメージ作りや、ポイントを明確にする上でとても効果的となります。リハビリやトレーニングの世界では、他者が学べるようなコンテンツを提供するためのテクニックや動作を見せる事により、指導効果を上げる為に使うこともできます。ただし難しいところは、多くの場合それは状況によって変化したり、関連する前後関係がほとんどなかったりすることです。説明がそういった前後関係を埋めるのに効果的である一方、簡潔な説明や記事では解説しきれない数多くの変数も存在します。 今日のソーシャルメディアの世界では、誰もがトレーニング/リハビリのイメージをオンラインで見ることができ、数ある選択肢から実行することができます: 写真を、実行する新しいアイデアを与えるため、あるいは、すでに存在するプログラムに取り入れるための土台として利用する。 既に設定されているコンセプトを強化、又は構築する。 そこにある写真を鑑賞し、ある特定の側面をポジティブ、ネガティブの両面で判断又は批評する。 色彩や背景への称賛など、どちらがポジティブなイメージを創り出しているか注意を払う。 彼らにとって理にかなっているものではないことに気づく、こうしたことが適用される状況はあまりないこと、または他の専門家はアプローチ方法が違うということを認識する。 かなりよく起こるのは、物事が間違って伝わること – オプション#3から上のものです。それを批判の機会とするのではなく、その活動を行っている人へのキューイングへの考慮や、あるいは何が特定に用いられているのかを理解すること。判定はそのイメージを投稿した人や、その対象者となっている人に利用される可能性があり、良質な可能性のある情報が誰かの意見や、時には感情に埋もれてしまう可能性もあります。 とはいえ、私は、ほとんどの人達にとって本当に悪い活動を非難すべきではないと示唆しているわけではありません。自分たちを売り込むために業界にいる人たちや、我々の神聖なフィールドに泥を塗るような技術やプログラムに対して、見てみぬふりをすべきではありません。しかし、物事をより深く解説したり、写真ではハッキリしないポイントを明確にするための適切な会話が行われない限り、静止画のようなものに対して否定的になったり、軽蔑したりする代わりに質問をすることと建設的な会話をおこなう注意を払うことを示唆しているのです。 大半のトレーニング/リハビリと同様、そこにはリスク/褒賞の割合があります。 特定の活動は、その意図に関係なく怪我のリスクを高めたり新しい問題を引き起こすのでしょうか? もしそうならば、それをする価値はあるでしょうか、そしてなぜ? それを行うことによるクライアントの特定のゴールはなにか?そしてそれは専門家がクライアントに実行させること、または推奨することに対する快適度と協調するものなのか? 専門家は、 例え心地よくないことを行いたいと思う誰かを失うリスクがあったとしても、自分達がクライアントにとってベストであると感じることを明確に示すべきです。 高レベルのアスリートと仕事をする時、彼らの多くは今自分達がしていることは限られた時間であることを理解しています。だからこそ、それを続ける為に犠牲を払うことを惜しまないのです。 疑問を持ち得る活動を行うことに対する専門家としてのゴールは何でしょう? 活動の処方における “格好よさ”から離れ、それらが理にかなっているかどうかにおいて現実的であることです。 グループ指導に特化して言えば、万人にあてはまるものなどありません。 “ブートキャンプ”で得られるものは沢山ありますし、参加者のうちの何名かは参加すべきでないその他のハイレベルなクラスもそうでしょう。もしそれらが一対一のセッションであれば、専門家はこういった活動を特定の人間に対して処方はしないでしょう。 この写真を例にしてみましょう。写真はレブロン・ジェームスが誰かに踵をおさえてもらい、バランスボールの上でバックエクステンションをしているものです。 この写真は状況がすっかり切り離された写真の良い例です。表面的に見ると、これは私が通常自分の患者やクライアントに使うエクササイズではありません。彼は腰部の伸展筋群を全て使って、このエクササイズで脊柱の伸展を増大しているように見えますし、もしも過去に背部傷害の既往歴がある人であれば、この種目を選択する理由が私には見当たりません。 ですがこれを違った観点から見てみるとどうでしょう。レブロンがスポーツで必要とする動作や競技レベル、そして運動能力は私達が管理しているほとんどのクライアントとは異なるものです。こちらの写真を見れば、この選手は明らかに腰部伸展の筋力と...そしてコントロールを必要としていると言えるでしょう。 パフォーマンス中のキューイングと活動のターゲットにする部位はどうでしょうか?もし私が彼にエクササイズを処方して指導するのであれば、いくつかの点に着目するでしょう: 適切な吸気と呼気の順序で、挙上と下降の際に息を吐き(骨盤底、横隔膜の腹壁との統合の為)、ボトムポジションで息を吸って背部の拡張を意識する 脊柱伸展群の活動の度合いを減少させ、安全な遠心性の腰部伸展を与える為に、胸腹部の共収縮能力をコントロールする ハムストリングスの緊張を保つ為により屈曲した膝のポジションで踵を保持し、骨盤前傾をおさえるように、ボールを挟む事でハムストリングの近位部を活性化させる 胸部と頭部を後方に引くことを推奨する これら全てが正しいポジションにあり、競技特性をベースにした、彼に必要とされる能力に目を向ければ、これは望ましいものになりえるでしょう。適切な人のもとで、適切なキューイングと筋の活動があれば、これは彼がかなりの効果を得られるものになるかもしれません。 呼吸バランス、ポジションコントロールと3次元運動の理解という、必要なメカニクスの確かな基礎があれば、有害となるエクササイズはごくわずかです...ただそのいくつかは個々の要求に対して他のものより少し優れているだけなのです。

マイケル・ムリン 2731字

横隔膜はどのように生命を維持するのか

私は最近、ジャーナル・オブ・マルチディシプリナリー・ヘルスケア誌(2013)で、ブルーノ・ボルドーニとエミリアノ・ザニエールによる「横隔膜の解剖学的つながり:呼吸が身体系に与える影響」というすばらしい研究レビューを読みました。私は、身体機能の多方面において横隔膜が与える影響は大きいと、長い間考えていましたので、この記事は多くの臨床的知見との相互関係を浮き彫りにしてくれました。そこで、興味深い記事などをさらに取り上げてみたいと思いました。 “横隔膜の腰部は、内側、中間、外側脚から起こり、主要な脚である内側脚と外側脚は後心膜と腎周囲膜と周囲の脂肪に接していることを強調しておくことは重要です。その理由は2つあります:一つ目に、身体を構成するさまざまな組織との連続的なつながりをさらに示してくれるからです。二つ目に、内臓脂肪は横隔膜からの固有感覚情報の情報源であり、この器官によって離れている組織に影響を与えるというもうひとつの役割を果たすからです。” 数多くの異なる脳の部位は、身体内部からの固有受容感覚や内受容感覚等の求心性情報を受け取り、そして、実際、横隔膜がいかに、これまで考えられていたよりも、フィードバックを提供する更に大きな情報源であるのかを示す情報はこの他にもあります。 献体の横隔膜 "外側脚より厚く長い右内側脚は、平たい腱になり、L2−L3、時にはL4の椎体前側部に付着します。左内側脚は平たい腱となりL2とL3の間に停止します。" 解剖学的結合には個体差があることを念頭に置いてください。腰椎の引っ張られ方に影響が出るほど脚の付着部に大きな左右差がある人が多くいる一方で、それほど大きな影響を受けない人もいます。 横隔膜 “神経学を参照にして、横隔神経は途中で横隔膜の脚部を走行している迷走神経と伴走し、その部位を神経支配します。迷走神経の求心性の食道枝は、延髄運動神経と横隔運動神経に抑制的な影響を与えると一般的に考えられています。もし、横隔膜や横隔神経に問題があれば、脚部を支配しているシステム全体が悪影響を受けます。そして、食道への逆流や嚥下の問題を引き起こします。” 献体の横隔神経と迷走神経 “この簡潔な説明は、いかに横隔膜が身体のさまざまな部位で発生する情報の重要な交換拠点となっていて、しかもそれ自身が情報の発信源になっているかということを示しています。” 覚えておきたい重要なことは、横隔膜が、他の離れた部位に影響を与え機能不全を起こしたり、また離れた部位の機能不全から影響を受けたり混乱させられたりする可能性があるということです。横隔膜は情報の伝達役ですから、あらゆる機能障害に大きく関わっている一方、単純に命令に従っていると捉えるべきもの、なのか・・・情報の伝達役を撃たないで “したがって、もし横隔膜に障害があれば、鎖骨下筋を収縮し、第一肋骨を挙上し、関連症状を伴う胸郭出口症候群を再発する可能性があります・・・横隔膜と胸郭出口の間には密接な関係があります。” これは、私が学校で習った“挙上された第一肋骨”ということに、まったく新しい意味をもたらします。たいていの場合、これは第一肋骨に限った問題ではないのです。胸郭出口症候群に関して、なぜ鎖骨下筋はほとんど言及されることがないのでしょうか?胸郭出口症候群 “もうひとつ留意する点は、呼吸器系の横隔膜と骨盤隔膜との関係です。正常な呼吸中、または咳やそれ以外の横隔膜の生理的変化が起きている時にも、骨盤底には対称的な変化が観察されます。たとえば、もし(強調すれば)吸気中に主な吸気筋が下降すれば、骨盤底はそれに対応して下がっていくかもしれません。これは、腹腔内液の圧を適切に制御するために、呼吸は骨盤底による補助が必要であるということを意味しています。口腔底の運動神経とつながりがある同じ部位が、運動前インパルスを骨盤へ送っているのかもしれません。” 骨盤や胸郭、頭蓋のすべてのドームは、生理学的にも機構的にも関連があります。ドーム それら全てのドームを見てみましょう・・・ “さまざまな研究が、吸気の前に骨盤底の筋群に電気活動が観察され、それから腹横筋と内腹斜筋への同様の電気活動が追跡できると、確立されてきました・・・通常の呼吸では、オトガイ舌筋や舌下筋などの口腔底筋群は、横隔膜自体が収縮する直前、電気的に横隔膜と連携します。” 呼気の直前には、上は頭蓋の中で、下は骨盤の中でたくさんのことが起きています。もし、タイミングがずれたならば・・・ 口呼吸が問題であるもうひとつの理由です。“ヒューストン、連絡の手段が途絶えた・・・” 口呼吸の人 “もし、横隔膜や横隔神経に問題があれば、脚部を支配しているシステム全体が悪影響を受けます。そして、食道への逆流や嚥下の問題を引き起こします。” 横隔膜のごくわずかな機能障害でも、食道の機能障害や嚥下問題、胃食道逆流症、逆流障害、過敏性腸症候群、声帯機能不全などと深く結びつきがあることを示しています。 “このことは、横隔膜の機能障害が、頚基底部や口腔底、硬膜内、目の中などで観察される症状を引き起こすことを意味しています。横隔膜の機能障害として考えうるもうひとつの症状として、眼球に影響を及ぼすかもしれない頭蓋の疼痛があります。” 慢性頭痛や偏頭痛、頸椎障害、脳震盪後障害、視覚異常、立ちくらみなどが、時には突発性のものかもしれない、横隔膜の問題と関連している可能性があります(可能性が高いでしょう)。 横隔膜の問題が眼球の問題を引き起こす、ということについてみなさんはどう思いますか。 “症状に関して言えば、横隔神経が三叉神経節に作用し、これが三叉神経の二つの終枝を刺激して、上歯槽神経を介して歯根膜に到達することにより歯痛として現れる、という仮説が立てられます。同様の経路でガッセル神経節を介して顎関節や耳に痛みを起こすのです。” このことについてはもう十分に述べましたね・・・口の痛み “横隔膜の収縮活動によって促されるリンパの流れは、腹膜表面に関して横隔膜の遠位から腱中心へと導きます。リンパ系吸収はまず横隔膜の律動性と伸張性に左右されます。次に腹腔圧とその人の姿勢に影響されます。このような概念は、横隔膜が何らかの理由で機能を損ねれば、どのようにリンパ系に悪影響を与えるか立証してくれる点で重要になります。” 身体の中で最も中心的なポンプの適切な力学は、他のポンプにも直接影響を与えます。胸部右リンパ本幹 “横隔膜である筋は、単に呼吸を担うだけではなく、身体の健康に作用するたくさんの役割を持っています。これは、姿勢や内蔵の適切な機能、骨盤と口腔底にとって重要なのです。頸椎と三叉神経系、および胸郭出口にとっても大切です。血管系とリンパ系にも極めて重要です。横隔膜の筋をひとつの部位として捉えるのではなく、身体の体系の一部として把握すべきでしょう。正しい治療方針を立てるために、全体像を見なくてはなりません。ここに明記した繋がりすべてを・・・” 分かりやすいまとめ。最後に、みなさんの治療戦略のひとつとして、横隔膜の制御や呼吸パターン障害のチェックも是非取り入れてください。反応として、そして将来起こりうる問題の傾向の低減のためにも。

マイケル・ムリン 3138字

骨盤の健康:患者/クライアント用ハンドアウト

みなさん、これまでに“骨盤底”という言葉を耳にしたことがあるでしょう。しかし、いったいそれは何を意味するのでしょうか?私たちの健康を総合的に見て、なぜそれが重要なのでしょうか? 骨盤底筋群 骨盤底筋群は、骨盤の底の開口部の両側を全体に塞いでいる筋群で構成されており、内臓や膀胱、子宮、膣、尿道、直腸を制御したり支持したりする効果があります。括約筋と呼ばれる小さな開口部に尿道(膀胱から)、直腸(または肛門。腸から)、膣(女性の子宮から)が繋がっています。 男性と女性の骨盤内臓と構造 骨盤底は、排泄時や女性の妊娠時に特に重要であると同時に、呼吸とも深い関係があります。息を吸い込み胸郭内の横隔膜が下がる度に、骨盤底も下がるはずです。息を吐くと、骨盤底筋群はユニットとして中心と上方に向かって収縮し、内臓を横隔膜に向け押し上げ空気の排出を補助します。上下に押したり引いたりという制御されたバランスが同時進行します。このことから、骨盤底はよく骨盤の横隔膜と呼ばれるのです。 骨盤の前傾と後傾 身体の他の筋と同じように、緊張しすぎて弛緩しなかったり、弛緩し過ぎて収縮機能が十分でないこともあります。このことで、便秘(緊張している時)または下痢(伸びている時や減弱している時)を伴うなど排便運動の制御が上手くいかないことがあります。この二つの極端な状態の間、および、それぞれの状態の中でアンバランスが生じることもあります。そして、その結果は、腸運動の適切な機能に影響を与え、さらに、痛みや機能低下を起こすかもしれません。骨盤や胸部のポジションによって、胸部の横隔膜と骨盤の横隔膜を、いかにバランス良くそしてタイミング良く使えるかに影響することもあるでしょう。上右図は、骨盤や脊柱が前や後に傾いていたら、骨盤の筋群の働きにいかに影響することを示すものです。これらが、一日を通してハンモックのようにきちんと真下に位置し、支持してくれるようにしたいのです。 “コア”を構成する筋群と構造 私たちの消化器系も、骨盤底と共に機能しています。継続するような胃腸障害は、骨盤底筋群の制御を低下させることがあります。またその逆も考えられます―― 骨盤の横隔膜の制御不全は、胃腸の問題を引き起こすかもしれません。医師による検査やテストが、胃腸の問題の診断をすることができない場合、これらの問題のいくらかが骨盤底制御の不調のためかもしれません。これが、よく機能性胃腸障害と呼ばれるものです。 では、私たちは何をすればいいのでしょうか? 大きな変化をもたらすことが示されている、私たちができるいくつかの対処方法があります。 服用するべき薬や健康的な食事の選択、その他などについての、かかりつけの医師や看護師、歯科医のアドバイスに従いましょう。 呼吸エクササイズを実施し、両方の隔膜を同時に働かせるようにすることは、緊張や不快感の制御にとても役に立つでしょう。 仰向けになり両膝を曲げた姿勢や、両足がしっかり床に着くように椅子に座りリラックスした姿勢(あまり直立になり過ぎないように)になります。3カウントしながらゆっくり鼻から息を吸って、胸郭がすべての方向に膨らんで行くのを感じるようにします。それから、ため息をつくようにゆっくり8カウントしながら息を吐きます。 息を吸う時、骨盤底は“リラックス”した状態を保ち、それから、息を吐く時にゆっくり優しく筋を収縮させます。 それから、再び鼻から息を吸います――自分のペースよりもさらにゆっくり――胸の上部に息を吸い込んだり、また、首に力が入らないようにしましょう。このように1日に8−10回の呼吸を定期的に行います。 トイレに行く時: トイレに座ったら足のせ台を用意して足を高くしておき、排便する時に腕のどこに力を入れればいいかやってみます。右図は、実際どのようになるかを示しています。排便時には筋肉を使いますから、より正しい使用方法を学んでおくことは助けになります。 スクワティポティーを使ってもいいでしょう。これは、最適な排便運動ができるような骨盤と股関節と内臓のポジションをサポートするものです。 無理に押し出そうと力んではいけません。それは単にすべてをより強く緊張させるだけで、不快感が増すだけです。 “押し” 出そうとする時、息をさらに吐きましょう、そうすれば“押し”だされます。 適切な安眠時間量:一晩に最低7時間! リラクゼーションやメディテーション、ストレス解消方法も、大変効果があるかもしれません。 日中のマインドフルネスのための静かな時間は、その日の残りの時間をより有意義に過ごせるよう脳と身体をリセットし、気分を和らげ、リラックスさせてくれます。

マイケル・ムリン 1996字

吸気と呼気のバランスをとる

呼吸のサイクルにおいて、吐く息に注目しがちですが、吸う息の重要さを忘れてはなりませんね。マイケル・ムリンが肺の機能をわかりやすく解説するビデオをご覧ください。

マイケル・ムリン 2:22

統合的な三平面における伸展評価(T-PEA)ビデオ付き

T-PEA所見: o 交互に脚を伸展したり腕を頭上へ屈曲したりしながら、体幹の姿勢制御が保持できるかどうかを評価する。 o 換気力学に挑戦するような動きの中で、この力学と呼吸位を保つことができるか。 o 体幹を伸展方向へ動かすような四肢の動きで、中部から上部胸椎の前額面での制御を評価する。 o 各段階のステージ3と4は、コレクティブアクティビティーで、多面性の動きの制御を評価するのに役立ち、またポジションを保てるかどうかにチャレンジする。 T-PEA注意事項: o 段階1では、肘と膝を床に着ける。段階2では、肘とつま先を床に着ける。段階3と4では、手とつま先を床に着ける。 o 各段階で、足は垂直にし、つま先を立て、両脚で左右均等に体重を支える。 o 各段階のステージ3と4では、床に着けている肘と腕で真っすぐに床を押すことが必須となる。 o 段階3と4のステージ3と4では、対角線上の腕と脚を持ち上げる際に側方への体重移動はできるだけないようにする。 段階1:前腕と膝を床に着け、前腕90度、上腕を垂直にし、膝は90度屈曲する―― このポジションを作る最も良い方法は、まず前腕とつま先を支点にし、上腕と踵を垂直にしたプランクのポジションから、膝を曲げ床に着け、前腕と肘で真っすぐに押し上げる:ステージ1:ポジションを崩さないように、息を吐きながら曲げてある脚を持ち上げ、それから下ろす。左右交互に行う。 ステージ2:ポジションを崩さないように、息を吐きながら曲げてある脚を胴体と同じ平面になるまで持ち上げ、それから下ろす。左右交互に行う。 ステージ3:ポジションを崩さないように、息を吐きながら曲げてある脚を持ち上げ、そして、深呼吸2-3回を終えるまで保持する。 ステージ4:ポジションを崩さないように、息を吐きながら曲げてある脚を胴体と同じ平面になるまで持ち上げ、そして、深呼吸2-3回を終えるまで保持する。 段階2:前腕とつま先を床に着け、前腕90度、上腕と踵は垂直にし、前腕と肘で真っすぐに押し上げる:ステージ1:ポジションを崩さないように、息を吐きながら脚を真っすぐに伸ばしたまま持ち上げ、それから下ろす。左右交互に行う。 ステージ2:ポジションを崩さないように、息を吐きながら曲げてある脚を胴体と同じ平面になるまで持ち上げ、そして下ろす。左右交互に行う。 ステージ3:ポジションを崩さないように、息を吐きながら脚を真っすぐに伸ばしたまま持ち上げ、そして、深呼吸2-3回を終えるまで保持する。左右交互に行う。 ステージ4:ポジションを崩さないように、曲げてある脚を胴体と同じ平面になるまで持ち上げ、そして、深呼吸2-3回を終えるまで保持する。左右交互に行う。 次に紹介するビデオでは、前半の段階の力学について説明し実演します:

マイケル・ムリン 2016字

なぜ膝が痛むのか?

膝が気の毒であると感じずにはいられません。つまり、膝は大損害をうけているじゃないか、ということです。ハイハイができるようになったときから、私たちの両膝はかなり頑張って、私たちのために働かなければなりません。そうでないと考えることは難しいのですが、膝は実は標準的なヒンジ関節ではありません。すべり、転がり、回旋する身体の部位であり、下半身から上方に、上半身から下方に出来る限り滑らかな方法で力を伝えられるように作られています。周りの環境と効率よく折り合いをつけるために、頭部をほぼ水平に維持しながら、衝撃吸収能力を維持しなければなりません。これは、上から下までの調整された軟部組織の活動の複雑なネットワークを通して達成され、関節を調整し位置の変化に適応することを可能にさせます。 膝はそれほど回旋するように作られていない、ということを認識することも重要になります。膝で起こるどんな動きであっても若干の回旋は必要になりますが、主要な動きになるべきではありません。回旋は骨盤と股関節、足部と足首、体幹と胴体でより多く起こるようはずです。膝の回旋は最小限であるべきで、タスクによりますが、上方、あるいは下方にある関節に動きを伝えた結果としてのみ起こるべきです。人生がすべてにおいて真っ直ぐであるならば、物事はもっと簡単になるでしょう(しゃれのつもりです)。しかし、そうではありません。事実、我々の生活は、曲げる、伸ばす、回旋する、速度を上げる、速度を落とすことなどに満ちています。この多様性のあるタスク、動き、スピードの中において、もし私たちが十分に準備できていなければ破綻が起こり始めます。 膝はまた、位置に依存しています。つまり、最適なパフォーマンスは、上下にある構造の位置に依存しているということです。骨盤と股関節で、足部と足首で十分な可動性がなく、荷重を左右対称に効率よく移動させることができなければ、その負荷は、どこか別の部位に伝えられてしまいます。そして、膝はこれが起こりやすい部位なのです。繰り返すことで、このアンバランスがある構造を圧迫し、他の組織を引き伸ばしてしまいます。このことが結果的に、それらの構造へのダメージや長期的な変化に繋がります。膝は、この種のトルクに上手に反応しません。 骨盤は、負荷を効率的に対処できない一般的な部位の1つです。身体には構造的に根本的なアンバランスがいくつかあるため、我々のほとんどが、ある特定の方法で動くような偏りがあります。この定期的で、繰り返し起こっているものをパターンと呼びます。何気なく行なっている特定の方法での何か、1日のなかでこれらの種類の活動をどれだけ頻繁に行っているかを考えてみてください。これらには、ボールを蹴るというような複雑なものや、どちらの足からズボンを履くのかという単純なものもあります。これらのパターンに拮抗するために良く考えられたパターンを試みることがなければ、我々の脳は、より簡単に、より効率よく行える方法を常に探そうとしているため、身体をもっとも抵抗の少ない方向へ導きます。しかし、より簡単で、より快適で、調整され、より強いからといって、それが繰り返し行うための最良の方法ということではありません。人生同様に、動きは、制御、調節、修正のバランスなのです。ある特定の方法で繰り返し動くことは、それが例え、まったく同じタスクでなく、似通った方法を使用していても、身体のある部位をより脆くさせ、壊すことになるでしょう。 かなりよく見られる骨盤のポジションの1つと、それによって生まれるパターンに、左側の骨盤が前方に、右側が後方に回旋するものがあります(下記写真参照)。この骨盤のポジションは、我々の呼吸の仕方、座ること、立つこと、動くことへの我々の順応方法、そしてまた、神経から脳へ送られた信号に、そして、脳からの神経へ送られた信号に起因しています。これらすべてのニュアンスを伝えるには、この記事の範囲をはるかに超えることになりますが、結果として大腿骨で起こるポジションの変化と順応については無視することはできません。 骨盤 by Elizabeth Noble for the Postural Restoration Institute®. ©Postural Restoration Institute® 2014の許可を得て使用。 www.posturalrestoration.com そこで、厄介な膝に話が繋がります。上記の図に描かれているように、我々が動き続けるためには、両側の大腿骨はそれぞれ少しだけ違った動きをしなければなりません。このビデオでは、バイクをこぐというタスクを行なっているときに、どのように見えるかを示しています。

マイケル・ムリン 3359字

フィボナッチ、螺旋と人間の動き

フィボナッチ数列は、数学的連続としてよく知られている数列です。フィボナッチ数列とは、数字が直前の二つの数字の合計になっている数字の連続です:0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34....というように。これらの数字は、自然界、建築、銀河系、そして、この後述べる動きなど、多くの形で出現していることがわかっています。 フィボナッチの本名は、レオナルド・ピサノで、12世紀の終わりにイタリアのピサで生まれました。1400年代の学者が、レオナルドの、現代は有名な本である「算盤の書(原題:Liber Abaci)」の手書きのコピーを間違って解釈したために、彼はフィボナッチとして知られるようになりました。フィボナッチが、今では有名な数字の連続の発見のきっかけになった、ウサギの群れの成長に関する疑問を思いついたのもこの本でした。偶然にも、「算盤の書」は、私たちが今日も使っている数字のシステムについて、彼が初めて述べた本でした。彼は、旅の途中で似たような法則に気がつき、その0-9の数字のシステムが、商人が共通性を持つために使ったり、異なる地域の異なるシステムで利用したり、より複雑なその時代のローマ数字を使ったり、様々な方法で使えることを説明しました。 フィボナッチ数列は、数字の連続それ自体の重要性を超えて、図表的に、幾何学的形状の連続として表すことができ、相互に組み合わせていくと「黄金長方形」、つまり審美的に最適な比率の長方形の連続が創り出されます。さらに一歩踏み込み、それぞれの長方形から四分円を描くと、螺旋ができます。これは完璧な螺旋ではありませんが、自然界において様々な形で見ることができるものです:カタツムリや貝殻の殻の形、ゼンマイ、波、竜巻、そして銀河系それ自体にさえ!そして、この長方形の縦横比が「ファイ(φ)」の数—1.61803…(無限)と同じになる、つまりは「黄金比」がありますが、これについては、まとめて全く違う投稿ができるでしょう。 フィボナッチ螺旋 - 自然界のDNAの螺旋の鎖から竜巻、広がり続ける銀河系まで! では、これがどのように人間の動きと関連しているのでしょうか?フィボナッチ螺旋を単に全てのものの上に置きたくないことは承知の上で、これが非常にうまく当てはまるものがあります。これから述べる例は、これまでにはこのような解釈では考えられたことがない、真の機能的構造を正しく認識することに役立つツールであり、リハビリやトレーニングの際にどのようにキューを与えるかの助けにもなるかもしれません。 波は周期的な螺旋の素晴らしい例です まず、私の娘のナタリーが水から髪をかっこよく引き上げている写真(数年前のもの)から始めましょう。間違いなく、この写真の色彩とかっこよさが、この写真をを楽しいものにしています。 この写真を見ることを、これほど心地いいものにしているものは何なのでしょう? この写真に螺旋を加えてみたらどうでしょう?この側面を考えると、何がこの写真を「黄金」にしているのかの説明に役立ちそうです。 幾何学を重ね合わせた時、多分これが、この写真をめちゃくちゃカッコよくしているものなのでしょう。 では次にスプリントを見てみましょう。特にスタートの時です。この写真のアスリートは、はっきりと、スタートブロックから飛び出すのに非常に良い直線を描いており、レースのスタートにおいて、可能な限り効率的で強い、素晴らしい身体のポジションを取っています。 間違いなく、彼はこのスタートの練習をしてきています… 彼は小さく丸まったクラウチングポジション—コイルのように巻き込んだポジションからスタートし、ピストルスタートの音が鳴る瞬間に潜在的なエネルギーを創出しようとしています。ここで、彼の「コア」を中心にして、スタート時の腕と脚の動きを螺旋の小さい渦巻きとし、レースに入っていくに連れ、より大きな螺旋へと漸進していくのを表し、フィボナッチ螺旋を適応してみると何が起こるかを見てみましょう。彼の凝縮された渦巻き構造から、徐々に運動エネルギーが放出され、本質的にスリングショットのように彼の身体をトラックに押し出すのを助けています。 肋骨が前方、下方、後方へ回旋し、腕と脚が前方、下方、後方へ、押し出される 同じスプリンターを例にして、今度は内部ではなく、外部に注力して考えてみると、同様の螺旋を地面とスプリンターの関係性から描く—地面がスプリンターの下で回旋し、本質的に彼を前方へと推進する手助けしている--ことができます。もし彼がこれを視覚的に「見る」ことができれば—トラックの前方をまっすぐ見つめると同時に、固有受容的に地面が彼の下から転がるように上がってくるのを見る--、スプリントの技術を助ける他の感覚の活用にも非常に役立つでしょう。 地面が下から上がってくると同時に、地面を押し離す これと同じ法則を頭において、人間の機能をより深く見てみましょう。その良い例は、横隔膜であり、無意識の安息時の周期性呼吸(安静時の通常の呼吸)、無意識の能動的な呼吸(エクササイズ時に起こる)、意識的な周期性及び能動的呼吸(意識をして能動的に呼吸のメカニクスを変える時に起こる)の際に、側方への理想的な胸郭膨張が起こるように、どのように横隔膜が位置されているべきかということです。腹筋群は、横隔膜のこの引く力に相対する為に、能動的に肋骨を下方、後方の位置に維持できるべきです。これは、理想的な呼吸のメカニクスを維持するのに役立つだけでなく、相互に機能的な関係性を保つ理想的な胸郭と骨盤のポジションを維持するのにも役立ちます。フィボナッチの原則をこの仕組みに応用すると、自己完結型の、活動の巡回螺旋が出来上がります。この紫の矢印を見ると、これら全てが同じ方向へ向かってはいないことに気がつきます。息を吐き出し始めると、横隔膜が上がり、あるいは半球形に膨らみ、まずはより後方に、それからより前方へと動き、渦巻きが巻き上がり始め、前側/外側の層は、呼気のサイクルを終えるために、下方、後方へと下がってきます。これがどのように見えるかの例としては、あなたが柔軟なテープメジャーを持っていて、そのメジャーを戻して、しっかりと巻き上げたい場合に、巻き上げていく過程で、巻かれた中身または中心の部分を回旋させ、下記の図の外側の矢印と同様に、外側の部分を実際に反対方向へ引いて、きつく締め、最終的にまとめ上げることです。これはより完全に近い、深い呼気であり、再度吸気が起こる際に、外側の層(例 腹部と肋骨/骨盤のポジション)がこの状態を保つことを可能にします。理想的な呼吸機能の重要な構成要素です。

マイケル・ムリン 2812字

ハムストリングス損傷についてのディスカッションとデモ

ハムストリング損傷を最も起こしやすいランニング時のメカニズムを理解することで、そしてそのメカニズムを模擬することでリハビリや障害予防に活用できるエクササイズを作り出すこと。より実践的な対応の一つをマイケル・ムーリンがご紹介します。

マイケル・ムリン 4:23

股関節内旋筋としての外側広筋

外側広筋の筋繊維の方向を考えれば、外側広筋が関わる関節の動きはより立体的であることが理解しやすくなりますが、股関節の内旋、外旋と言った動きにどの程度関わってくるのか?骨盤の前傾や後継との組み合わせでどのような変化があるのか?考えたことはありますか?

マイケル・ムリン 2:46

回旋筋としての外側広筋と内側広筋

大腿四頭筋の外側広筋と内側広筋について、膝蓋骨のトラッキングに関与していると学んだ記憶は、運動指導や治療に関わる方ならどなたでもあると思います。ただ、これらの筋肉の持つ回旋における影響について考えたことはどれほどあったでしょうか?

マイケル・ムリン 2:20

背屈を使用せずに背屈を得る方法

足首背屈の可動域を向上させようとする時、私達はふくらはぎのストレッチをしてみたりすることが多いと思います。より多面的に螺旋状のメカニズムを活用することで、より機能的に矢状面の可動域を増大させる方法をマイケルがシェアします。

マイケル・ムリン 2:47