マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてポイントとコインを獲得すれば理解も深まります。
もし10回中9回がくだらない介入なら、一体私は何をすればいいのか?
衝撃的なタイトルであることは分かっていますが、何を期待したんですか、ソーシャルメディア向けでなんですから。 しかし、最近発表された、ヘルスケアにおける多くのトリートメントの有効性に関するこのような論文を読むと、かなり気が滅入ります。10個中9個は、質の高いエビデンスに裏付けられていません*ここから*。 驚くべき結果を示さない研究は山ほどあり、多くの介入は11点満点で1~2点という臨床上重要な最小限の差異(MCID)の閾値に達していません(比較対象によって異なる)。痛みはとらえどころのない生き物であるという事実は言うまでもありませんが、ライフスタイル、遺伝、健康の社会的決定要因、合併症、症状の自然経過など、患者や治療者がコントロールできないことがたくさんあるため、私にとって、これは驚くべきことではありません。 しかし、落ち込みすぎる前に、人々は良くなるということを覚えておくことも重要です*ここから*。それを自分自身のブランドの魔法であると勘違いする人もいますが*ここから*。私たちが使う特定の介入が彼らを良くするするわけではないこともあります。 では、もし私たちがエビデンスベースであるならば、今何をすべきなのでしょうか?もちろん、効果のない介入の鬱の海へとスパイラルすることも一つの選択肢ですが、それは少しの間であっても推奨されるものではありません。 数年前(大昔)、ヴォルテールが雄弁に我々に語ったように・・・。 「医術とは、自然が病気を治す間に、患者を楽しませることから成る」 もし私がこの格言を21世紀風にアップデートするなら、医術とは、それほど楽しいことというのではなく、より理解すること、理に適っていること、問題を増幅させることが多い心配事と不安を減らすことである*ここから*。 ここではっきり申し上げておきたいのは、要点は現在の研究成果を凌駕する代替治療法の涅槃としてこれを提供することではありません(「データを示せ!」という声が聞こえます)。実際に現在ある研究基盤の中で活動し、大きな効果をもたらす治療法がないことを受け入れることです。私の経験において、治療家(そして人)であるということは、ほぼ受け入れるということなのです。 このことは私にとって、痛みの問題を抱えた人々と仕事をすることの過小評価された部分であると思います。私達はどのようにそれを計測、あるいは定量化するのでしょうか?はっきりとはわかりません(このことは私以上に聡明である誰かにお任せします)。必要でしょうか?あなたの見方次第でしょう。結果が改善されなくてもそれをすべきでしょうか?そう思います。BPSモデルの一部分は、定量化されているすべてのものから距離をとること、あるいは、小さな箱に入れてしまうことです。 この最近の論文では、腰痛を持っている人はその問題についてより理解したいということを明確に指摘しています*ここから*。 どうすればいいでしょうか? まず最初に、この問題を治療家が理解していることは大いに役立ちます。そうすれば、我々の周りの多くの筋骨格系問題に存在する、すべてのくだらないナンセンスを整理することができます。例えば、「筋肉が活性化されていない」、あるいは、「この筋肉が硬い」、あるいは、「骨のアライメント異常」(おそらく毎日聞いていることなので、私がここでお伝えする必要はないのですが)。腰痛は文字通りがらくたとたわごとのパンデミックです。まず初めにあなたが問題を理解していなければ、クライアント/患者がこれを解決することはできません。そして問題を悪化させないことは大きな価値があるのです。 問題を理解することを助けてくれる正確で現実的な情報を与えることは、私にとって大事なことであり、人々を助ける主要な部分になります。最後の言葉が重要です。痛みのみではなく、人間です。始めに痛みがいかにつかみどころがないかについて議論したことを思い出してください(そして、それは科学的根拠に基づいています)。 ただ単に問題について理解して、至るところで人々に「教育」と吐き捨てるのではなく、相手を心配させているものが何で、何をもっと知りたがっているのかを理解することが大切なのです。例えば、相手が何を心配しているか分からずに、どのように相手を安心させることができますか?確かに人に情報を一方的に押し付けて効果があることを望むこともできるでしょうが、問うこともできたのです! これは、私たちが(可能な限り)つながり、オープンで正直な対話の場を作ることに価値を見出すことができれば、本当にすべてが改善されるのです。これは、特に介入がまだ十分でない場合、人と仕事をする上で本当に特効薬です。 適用されるトリートメントは、私や他の人が提供する価値の一部に過ぎないと考えるようになりました。特に、有効性に関するデータを考慮した場合。たとえ痛みや障害などの結果に大きな影響を及ぼさなくても、相互作用、コミュニケーション、理解するというプロセスは、同じくらい重要だと考えるべきです(もちろん、私の意見ですが)。
回内をあなたのお気に入りの居留地に
私はニューヨーク足病医科大学の元職員として、足病医学生が解剖学―そして歩行周期を学んでいることを知っています。 彼らは、歩行の4つの局面のうち3つにおいて、踵骨(かかと)が前額面上で内側に動くことを知っています。 これはよく後足部の回外とみなされるポジションで、距骨を外旋させ、体重をより足部の外側にかけています。 ただどのような動きでも、十分にパワフルであるためには、まず反対方向に伸張されなくてはなりません。 それが生物物理学の長さー張力曲線の原理です。 輪ゴムを部屋の向こうに飛ばしたい?まず輪ゴムを後ろに引っ張りますよね。 回外に移行するためには、(前脚が接地し体重の大部分を支えているサスペンション期(荷重応答期)に見られるように)まず足部の回内にむかって負荷をかけなければなりません。 多くの足病医やランニング専門店が、回内の何に対して反感を抱いているのかはよくわかりません。 インソールから後部を過剰に増強された靴まで、人々は常に足部アーチを支持するように促されています。 これには2つの大きな問題があります: 何かがあなたを支えてくれていると、筋肉はあなたのために支持をする必要がないという情報を受けます。 もし足がアーチ状の状態から抜け出せなければ、健康的な足部回内を適切に行うことは決してできません。回内によって、足底筋膜は付着している骨に対して健康的に伸張することができます。 では、人々はどうして足底筋膜炎やアキレス腱炎になるのでしょうか?(どちらの問題も、回内及び回外の最適な量が関連しています) 彼らは過度に回内しているのでしょうか? 彼らはしばしば、インソールから装具、クロックスのような靴、そしてヒールのある靴まで、あらゆるものを履くように言われています。これらは回内を防ぎ、足の回外を促進します。 カイロプラクティック・リハビリテーションの専門家としての9年間で、しっかりと回内運動のできる足底筋膜炎またはアキレス腱炎の患者には、まだ一度も会ったことがありません。 アキレス腱炎と足底筋膜炎には、ある重要な解剖学的つながりがあります:踵骨です。 アキレス腱と足底筋膜はどちらも、踵骨に固定されています。 そして踵骨は、アキレス腱と足底筋膜の緊張を取り除くために、外反(前額面上で外側に動く)しなければなりません。 これらの症状に見られる一貫した私の所見は次の通りです: 足部が回内と回外の間で動けなくなっており、踵骨が外反できない状態または内反から外反に動く能力が欠けている 触診で、痛みのある硬いアーチや、痛みのある硬い後脛骨筋脛骨付着部が見られる 内側及び中間楔状骨(足の甲側にある中足骨)の場所における過骨症(余分な骨形成) サスペンション(荷重応答期)において、股関節で適切な大腿骨内旋が行われず、それを補うために膝が過剰に内側に動く 足部の外側におけるたこ・まめの形成や(または)靴の外側における過度の摩耗パターン これらの5つの要素は、患者が後足部から適切に回内していないという考えを完全に裏付けていますが、そのような患者は常に、時代遅れの治療家から次のことをするように勧められてきました: 足部を回外位に固定する装具を着用する。 回内を防ぐためにヒールのある靴を履く。 クロックスやクッション性の高い靴を履いて足を甘やかす。 裸足は回内を助長するので避ける。 回内を助長するフラットな靴を避ける。 これら5つの提言それぞれについて、彼らの提案に反論すべく、私の根拠に基づく考えを述べさせていただきます。 1.装具について:痛みのある踵またはアーチに決して回内しないようにということは、間違いなくキネティックチェーンのより上方において何かを奪ってしまうことになるでしょう。 足部を決して回内させないようにすると、臀筋に最大伸張位まで負荷をかけることは絶対にできません。 負荷をかけられなければ、爆発的に力を発揮させることはできません。 臀部を鍛えるためにグルート・ブリッジをしないのはそのためです。 片脚デッドリフトでは臀筋の外転パワーを得ています。まず回内位で負荷をかけ、それから回外に近づいていくことであなたを立脚中期に向かって動かしていくエクササイズだからです。 この骨盤のコントロールが、歩行を維持するための可動性、安定性、そして筋力にとって重要なのです。 2.ヒールについて:ヒールのある靴は体重が前足部に移行しやすくし、それがアンテリア・ヒップ・チェーンを活性化させ、骨盤の前傾を促進させるでしょう。 体重をより前方に移行させると、膝や腰にかかる力が大きくなります。 腰や膝の痛みの傾向がある人、または現在骨盤前傾の状態にある人は、これらの症状が悪化することを覚悟しておきましょう。 3.履き心地のよい靴について:足はクッションの上を歩くようにデザインされてはいません。 足背面や足底面の大部分は、坐骨神経枝が支配しています。 従って、足部の一万個以上の感覚受容器が、同じ神経支配を共有する筋肉に求心性神経(入ってくる情報)を提供しています。 言い換えれば、足部が股関節に合図を送っているのです。 また、足の裏側は主に、ポステリア・チェーンやアンテリア・チェーン下部の筋肉及び関節全体への神経ドライブであるL5-S1によって支配されています。 クッション性のある靴を履くことは、手に手袋をはめて細かい作業をしようとするようなものです。 (手袋をはめたままこの記事にコメントしてみてください。ごゆっくりどうぞ。) 足が地面からの情報を読み取れないと、下肢の大部分は指示なしで動かなくてはなりません。 そう、クロックスは快適ですが、それが足底筋膜炎やその他の足部の病気を本当に助けているなんていうのはばかげた話なのです。 心地よい足は、キネティックチェーンのより上部にある構造へのインプットを怠っています。 足には平均28個の骨があり、そのすべてが地面からの情報を読み取り、より上部にある構造へ適切な指示を与えるようにデザインされています。 裸足の子供の頃に獲得していた可動性、安定性、筋力を獲得するために、履き心地の良い靴を脱いで、まずはじめに足の心地悪さを知りましょう。 4.裸足でいることについて:私自身、足底筋膜炎、アキレス腱炎、滑液包炎をはじめ、膝、股関節、腰、仙腸関節、肩、首やその周りの痛みなど、あらゆるものに悩まされてきました。 慢性的な痛みから抜け出すための第一歩は、家で裸足になることーそしてトレーニング中はもっと裸足でいるようにしたことでした。 足部の靱帯―足底筋膜も含めーは、関節の動きを制御する筋肉の奴隷です。 結局のところー関節は動くように作られ、筋肉は動作を制御するために作られたのです。 足部のアーチは筋肉に制御されているため、運動システムに適切に合図を出すためには、(上記で説明したように)床反力の求心性神経を探らなくてはなりません。 最初私は足に違和感があったか?ええ、もちろん! 私の足は、足がブロックのようにしか動けくなってしまうクッション性のあるミズノやサッカニーで走るのに慣れていました。 私の足は気持ちよかったのですが、他の痛みがキネティックチェーンの上方に忍び寄っていたのです! 私の膝は内側へとぐらついていて、ひどい滑液包炎を発症し、内側半月板の手術が近いのではと心配になりました。 股関節は常に硬く、骨盤は前傾位に固まってしまい、臀筋健忘症や腰の過伸展を引き起こし、何日も背中の痛みがありました。 骨盤と背中のポジションによって、腹腔内圧を構築するタイミングメカニズムが阻害され、私は垂直方向に呼吸をしなくてはなりませんでした。そのため、首の緊張と肩の前方突出がひどく、そして肋軟骨炎も発症してしまいました。 でも走っているときの足は、とても気持ちよかったのです! しかし靴を脱ぐと、深刻な足底筋膜炎とアキレス腱炎が交互に起こりました。 そこで私は、2010年のエリック・クリッシー氏のアドバイスを受け、すべての病気を足に関連付けることにしました。 私はニューバランスのミニマスに履き替え、次にメレルを履きました。今はできるだけ裸足でトレーニングしています。 この6年間で、私の不快感の99%は完全になくなりました。1%は、私が修正せずに犯したバイオメカニクス的ミスによるものです。 私は、37歳にしてまったく痛みなく、裸足でこの記事をタイピングしています。 5.フラットな靴について:フラットな靴を履きなれていない場合、それらの靴はもちろん足底筋膜や(または)アキレス腱を引っ張ってしまうでしょう! 固定された状態の踵骨や中足骨が、突然適応してくれるわけがありません。それらの骨を制御するようにデザインされた筋肉は、回内と回外の間のある中間点にいたがるあなたの選択や靴によってシャットダウンされてしまったのです。 身体は賢いのですー愚かな、痛みの製造マシンではありません。知覚された脅威や許容範囲に応じて、痛みを生み出しているのです。 そして、足が回内する方法を学ぶことができなければ、キネティックチェーンの上方に代償が及ぶでしょう。 足が適切に回内する方法を学んだことがないのなら、適切に回外する方法を学ぶことは期待できません。 あなたは歩行周期の4つすべてに支障をきたした状態で、その二者のどこかで立ち往生してしまうことでしょう。 回内はあなたのお気に入りの居留地になる必要があります。 おそらくあなたは回内する方法を学んで、その後この居留地をしばしば再訪しなくてはならないでしょう。 気長にいきましょう。 上方のシステムを支持するために、あなたの足は心地よくなるー同様に十分強くなるーまでは違和感を抱えなくてはならないでしょう。 より効率的に回内させてくれる靴に移行する、最初の一週間は諦めず頑張りましょう。 ランジ、片脚デッドリフト、片脚スクワットのような、回内を促進するエクササイズを断念しないでください。 あるいは、医者や治療家が、決して自然に回内できるようにはならないと言って、ヒールやクッション性のある靴に永遠にとどまらせてくる誇大広告を信じることもできます。いつも通り、どうするかはあなた次第です。
向上し続ける:コンディショニングワークアウトを進歩させる3つの方法
強くなったと感じる、体が引き締まって見える、速く走れるなど、それが何であれ、進歩は素晴らしいものです。 しかし、身体的な進歩における問題は、成功への道のりが、多くの場合、分かりにくいことです- 特に、基礎的なフィットネスレベルを身につけた後は。 一度しっかりとした基礎を築いた後は、どのようにコンディションを向上させ続けることができるでしょうか。 よくある回答は、ワークアウトを終えるまで、「もっと頑張る」または「もっと疲れる」です。そしてこれは、蓄積した疲労が逆効果をもたらし始めるまでは有効です。 しかし、コンディションを向上させ続けるためには、ハードワーク以上のものが必要です:戦略が必要なのです。 そこで、私がMMAの世界チャンピオンからフィジークの競技者まで、すべての人たちにコンディショニングワークアウトを進歩させる際に用いる3つの確実な方法へとつながります。 ここから始める:量を増やす ワークアウトの量を増やすと、効果的にトレーニングのストレス量が増します。そして最終的には、適切な量のトレーニングストレスが、有益なフィットネスの適応を刺激します。 量を増やすとはどのようなことでしょうか? 量を増やす一般的な方法は以下の通りです: 各セッションのコンディショニングエクササイズの時間を数分追加する 各トレーニング方法に対し、より多くの合計セット数を行う トレーニング量を増やすポイントは、4~6週の期間をかけて徐々に増やしていくことです。これは、オーバートレーニングにならずに、増加する負荷に適応するための時間を身体に与えることに役立ちます。 量を増やして、トレーニングの容量を築くことができたら、強度の力を活用する準備が整います。 次のステップ:強度を上げる トレーニングの強度を上げることは、とても分かりやすいものです。 最も簡単な方法は、より高い心拍数、または最大心拍数に対して高い割合の心拍数でトレーニングを行うことです。 しかし、これを効果的に行うためには、自分の最大心拍数が実際にいくつなのかをある程度把握する必要があります - よくある220から年齢を引いた値よりも正確な値です。 それには、400~800mのスプリントのような、最大心拍数に達するような運動をする必要があります。スプリントができない場合は、重量を使わない、高速で、全身を使う、そして立位で行うエクササイズを利用しましょう。 強度を上げるために効果的な他の方法は、休憩時間を減らすことです。 休憩時間を短くすることで、休憩時間に対する作業時間の負荷が高くなります。そして、トレーニング量は時間をかけて徐々に増やすべきであるのと同様に、休憩時間も数週間をかけて徐々に短くしていく必要があります。 最後のてこ入れ:頻度を上げる トレーニングの日数を増やすことは、「量を増やす」という最初の戦略に帰結します。ただし、セット数、回数、トレーニング時間を増やすのではなく、トレーニングセッションの回数を増やすのです。 トレーニングの頻度を増やすと、コンディショニングをより頻繁に行うことで、トレーニングの総量と強度も増幅させていることに注意してください。 これが、頻度を上げることが最後のワークアウトの進歩である理由です。 より多くのトレーニング量と強度を用いて、身体のコンディショニング能力を構築した後は、より頻繁にトレーニングすることができるようになります。 究極の進歩の原則 進歩が鈍化すると、トレーニング量、強度、回数を一気に増やしたくなるかもしれません。 それはいけません。 それは、オーバートレーニング、怪我、および疲労のための確実なレシピです。 進歩の消火ホースを開くのではなく、その逆を行うことをお勧めします。 究極の進歩の原則は、最小限の効果的な量だけを使うこと。つまり、進歩を続けるために必要な最小限のトレーニングを行うことです。 コンディショニングを始めたばかりの時には、向上するために最大レベルの刺激は必要ありません。本当に大して必要ないのです。しかし、身体が適応するにつれ、トレーニング刺激を徐々に増やしていけば、改善の可能性を最大限に高めることができます。 多くの人にとっては、週に3~4日コンディショニングトレーニングを行い、そのうちの1日だけを高強度にするのが最小限の効果的な量です。 その後、進歩の方法を導入していくことができます。 トレーニングの時間、回数、セット数を増やす 強度を上げる トレーニングの頻度を増やす 私は通常、強度を調整する前に、最初の3~8週間を、トレーニング量を増やすことに費やします。 数カ月かけてトレーニング量と強度を上げたら、パフォーマンスが停滞し始めるまで待ちます。このときが、トレーニングの頻度を上げるタイミングです。 最大限の改善が欲しいのなら、これらの進捗戦略を必要な時に使うことです- ただやろうとするのではなく。 ポジションを選ぶ:筋力を向上するかコンディショニングか トレーニングを始めたばかりであれば、フィットネスのあらゆる面を同時に向上させることができます。 しかし、ベースラインを確立した後は、筋力向上かコンディショニングのどちらの進捗を優先させるかを選択する必要があります。 どちらを選択するにしても、選ばなかった方は、向上ではなく、維持を目標にするべきです。 コンディショニングに重点を置く場合でも、筋力トレーニングは週に2~3回行いましょう。ただし、それらの日には、筋力の向上を目的とする場合よりも低い量と強度でトレーニングを行います。 トレーニングの焦点を絞ることで、身体の限られたエネルギー資源をできるだけ効率的に使うことができます。そして、それが最も改善する唯一の方法なのです。
私のストレングス&コンディショニングにおける失敗から学んで強くなろう
わたしたちは2010年10月に愛犬のタンクを購入しましたー以来彼は家の中でわたしたちの親友であるだけでなく、ほぼ毎日私と一緒にジムに来るため、Cressey Sports Performance(CSP)体験には欠かせない(そして楽しませてくれる)一部となっています。 彼はまた、CSPアスリートの一人の家族の憧れを勝ち取ることに成功し、その家族はちょうど彼のようなクリーム色のパグル(パグとビーグルのミックス)を飼おうと決めてしまったほどでした。彼が小さかった頃、妻と私はハウス(クレート)トレーニングをし、彼を夜通し眠らせようとするのに何か月もかかったので、彼らがわたしたちのような失敗をしないようにとたくさんのアドバイスをしました。 今ではその家族はすっかり子犬と落ち着きましたが、そのことで私はストレングス&コンディショニングプログラムの世界において他人の失敗から学ぶことの重要性について考えるようになりました。子犬の飼い主を一人助けることができるなら、毎月このウェブサイトを訪れる何千人もの訪問者を助けることもできるかもしれません!そのことを念頭に置いて、私が修正したストレングス&コンディショニングの失敗のうち、大きな変化をもたらしたこと5つをここに挙げます: 1.トレーニング後の時間帯に食べる量が少なすぎる:あなたが新進気鋭のリフターか、あるいは筋量を増加させることで利益を得られるアスリートなら(私は間違いなくそうでした)、ワークアウト後の時間は摂取カロリーを節約してはいけないタイミングです。私が本当に大きな進歩を遂げ始めたのは、トレーニング後のシェイクとその一時間後にとる食事の間に1,000カロリー以上を摂取するようにしてからですーこれは他の人たちに見たことと比較すると軽めでした。私たちが指導するアスリートの一人がトレーニングセッションを終えてーそれから何も食べないままオフィスに2-3時間居座っているのを見ること以上に私をいらつかせることは、あまり思い浮かびません。彼らがジムでくつろいでいるのは大好きなのですが、ただカロリーを摂取しながらくつろいでほしいのです! 2.筋力のためのトレーニングを十分早い時期にしない:これから”より大きくする”ことをできるだけ簡単に説明しますが、依然数学的ではあります。あなたは“筋肉を損傷”させ、それから再構築しなくてはなりません。仕事をしなければ、ダメージは受けません。仕事=力x距離 これから一生かけて大きくなるつもりでいる(あるいはエクササイズに可動域を加え続ける魔法の方法を見つける)なら話は別ですが、行う仕事量にプラスの影響を及ぼす最も簡単な方法は、より大きな力を与えること―またはより強くなることです。そのために、私はここで大胆な発言をしましょう:リフティングを始めた最初の2年間は、単純にバーベルに重さを追加することを主な目標にしましょう(ただし良いテクニックで痛みなく行えることが条件です)。それが複合的な筋力トレーニングである以上は、その結果にとても満足することでしょう。Cressey Performanceには、わたしたちとトレーニングを始めた最初の2年間で雑草のように伸びるリフティング初心者達がいますーこれまで”パンプ“について誰かに聞かれたことがあるかは言えませんが。私が18歳の頃にその質問をしたとき、「黙れ」と言ってくれる人がいたらよかったのにと思います! 3.主要でないものを行うのに時間をかけすぎる:これは先ほどの見解と密接に関連しています。重要な筋力エクササイズで良い数値を挙げるには程遠かった私は、実際バイセプスカールやトライセプス・エクステンション、その他のアイソレーションエクササイズをしている場合ではありませんでした。そのせいで私はジムに長くいすぎてしまい、本当に重要な部分のリカバリーを妨げてしまっていたのです。おもしろいことに、かなり強くなった今、アイソレーションエクササイズをやろうという気は大してなくなりましたーなぜなら主要な筋力エクササイズこそが私を本当に発展させてくれたものだと気が付いたからです。 4.エネルギー系のトレーニングがよりアスレチックでない:幼少期、熱心なサッカーとテニスの選手だった私は、フィールドやコートで過ごしたすべての時間のおかげで、それなりに速く、方向転換も上手でした。20代前半になったとき、筋力トレーニングを”フルタイムで”追及するために、それらのスポーツから距離を置くことにしました。 その数年後、エリス・ホッブス選手、リシェ・コールドウェル選手、ピエール・ウッズ選手、ローガン・マンキンス選手(そのほか多数)といった当時ペイトリオッツにいた大勢の選手たちと、バスケットボールでチャリティゲーム(慈善試合)をしようと誘われました。NFL選手はバスケットボールができないなんて誰にも言わせませんよ、彼らはわたしたちをこてんぱにしたんですから。 その結果はまったく驚くものではなかったのですが、私が実にショックを受けたのは、高校時代に比べてはるかに強くなったにもかかわらず、以前ほどの運動能力をちっとも感じられなかったということです。私は地面に力を加えていたのですが、素早く行うことができずーそして自分が快適に感じる運動面上で動けていませんでした。 驚くことではありませんが、当時私のエネルギー系トレーニング(それほど多くはありませんでしたが)のほとんどは、マシンの上で行われていました:エリプティカル、バーサ・クライマー、ロウイングマシン、そしてバイクです。私はすぐに、意識を集中せずに反復運動を行う有酸素運動を減らすことに全力を注ぎましたーそれ以来、私のエネルギー系トレーニングのほぼすべては、スプリントやストロングマン系エクササイズのメドレー、方向転換トレーニング、スライドボードトレーニング、そしてメディシンボールを使ったサーキット(それとエアダイントレーニングも少々)となっています。その成果は?垂直跳びは37.2インチ(約94.5センチ)―当時よりも12インチ(約30.5センチ)以上も伸び、体重も増え、あらゆる“ハムスター式有酸素運動”をしていた時と同じくらい引きしまっています。さらに重要なことに、私はかなり運動能力が上がったと感じていますーそしてジムで他の人を楽しませるためにばかげたことをしてしまいがちです。 5.良いトレーニング仲間を早くに見つけなかった:幸運なことに、私はコネチカット大学のキャンパスで過ごした時代から、South Side Gym、そして現在Cressey Sports Performanceで一緒にリフティングをする仲間まで、何人かの素晴らしいトレーニングパートナーとともにリフティングしてきました。しかしそれ以前は、かなり長い間単独でトレーニングをしていました。一言言わせてください:良いトレーニングパートナーは大きな違いを生みます。彼らはあなたがのろのろしているときに励ましてくれ、重量を選ぶのを手伝ってくれたり、スポッターをしてくれたり、実際にトレーニングを漸進させてくれる最高の社交的雰囲気を作ってくれるのです。 しかし、“単独で行うこと”は、ただ一緒にリフティングができるトレーニングパートナーを持つことを引き合いに出しているわけではありません。それはあなたが頼れる専門的なリソースーあらゆるグリップ動作で肘が痛むときに頼るマッサージセラピスト、またはストレングス&コンディショニングプログラムを助けてくれる誰かなどーを持つことも引き合いに出しています。本当のことを言うと:私も昔あまりよくわかっていないとき、いくつかひどいプログラムを行いました。もし偏見のない立場の人が助けてくれていたら、私自身多くの問題を回避できたことでしょう。
筋肉を増強することができるか?
よく「オリジナルストレングスで筋肉をつけることはできるのか?」と聞かれます。 答えは「はい」ですが、それほど単純ではありません。 ああ、この質問を受けた時に私に何が聞こえているかというと、それは「トレーニングにOSを使えば見栄えが良くなりますか?」と聞こえているのです。「OSをやれば、分厚い筋肉を構築してアーノルド・シュワルツェネッガーのように見せることはできますか?」とは聞こえていません。 とにかく、この質問をする人は通常、人生の中で従来の筋力トレーニングに飽き飽きしている時期にあるので、こう尋ねているのです。彼らはそれにうんざりしているか、別の観点から筋力トレーニングを見始めています。さっきも言ったように、トレーニングの様式としてOSを使うことで、筋肉を鍛え、「良く」見える、強い、または壮健さを高めることができます。しかし、これは実際には数多くの変数を伴う階層化されたアプローチなのです。 オリジナルストレングスス自体が動きの基礎を築き、身体的な目標をより簡単に、より達成しやすくします。OSは、従来の筋力トレーニング、さらには筋量増大トレーニングでさえもより実りあるものにします。また、オリジナルストレングスは、あなたが本来持っている未開拓の強さを身体が自然に表に出したり、解放したりすることも可能にします。あなたはそれほど強く見えなくても、驚くほど強いということもありえます。これはかっこいいかもしれません。 しかし、筋力トレーニングの唯一のリソースとしてOSを使用して、力強く見えるようにするには、OSを使用して筋肉を獲得するには、筋力トレーニングの原理原則を適用する必要があります。 身体に挑戦しなければなりません。適合を生み出すには、十分なストレスをかける必要があります。これは、負荷と時間によってテンション(筋緊張)を増大させたり、タイムアンダーテンション(筋緊張の持続時間)を作ったりすることで実現できます。これは、レパードクロールを10分間行ったり、200ポンドのスレッドを引きずりながらレパードクロールするか、あるいはその両方を意味するかもしれません。必ずしも 1 つの方法があるわけではありませんが、肝心なのは、身体が反応するチャレンジを作り出す必要があるということです。 執拗な労働倫理が必要なのです。これは扱いにくい変数です。OSで筋肉を鍛えるというように、様々なことができると強く思います。ですから答えは「はい」ですが、私はある個人の労働倫理を知りません。彼らがどれだけ何かを望んでいて、どれだけそれに向かって努力しているのか、私にはわかりません。彼らが毎日喜んで実行するかどうかはわかりません。 特定の方法で食べる必要があるかもしれません。身体的な目標があれば、それを達成するために特定の方法で食べる必要があるかもしれません。あるものを食べる量を減らしたり、他のものを多く食べたりする必要があるかもしれません。望ましい身体的目標は、多くのことがうまくいって成り立つことです。すべてが重要です。ある決まりきった動きよりも重要です。 あなたはそれができると信じなければなりません。これは私の頭の中では労働倫理に関係していますが、何かを成し遂げたいのであれば、自分ができると信じる必要があります。自分ができることを知る必要があります。知識と努力が一致していれば、間違いなくOSで筋肉を鍛えることができます。しかし、そうであれば、あなたが決めた他のことでも間違いなくできるのです。 身体はマインドに従うと信じます。マインドがそこになければ、身体が従うべき目標はありません。しかし、マインドが目標に注目していれば、身体はエネルギーをほとんど無駄にすることなく従うだけかもしれません。実際、望ましい結果にマインドが向けられていれば、ワークの倫理観や作り出す必要のある課題にかかる労力も少なくて済むかもしれません。また、マインドが望ましい結果に向けられている場合は、食生活に余裕があるかもしれません。あなたのビジョンを使ってください。 ここでは表面をカバーしているだけですが、要点は理解していただけると思います。オリジナルストレングスを筋肉の発達トレーニングシステムとして使用することで、確実に自分が欲しい身体を作ることができます。しかし、それには単にOSを実行するだけ異常のことが関わります。あなたは「はい」または「いいえ」を決定する変数要素なのです。 実のところ、私はこれに気付くのに30年以上かかったのですが、あなたは欲しい身体を既に持っているのです。あなたの身体は完璧です。あなたがしなければならないのは、あなたがすでにそれを持っていることを認識し、それが現れてくることを許すことです。 これは深い話になるか、まったく奇妙なことになるかもしれませんが、私は人生のほとんどにおいて完璧な身体のアイデアを追いかけてきました。その過程で私は自分の身体を痛めつけ、完璧という考えを盲目的に追求することでそれを無視してきました。自分が持っていないと思っていたものを欲しがるということは、本質的に自分の身体にそれが好きではないことを伝えることでした。あなたがそれに満足しているかどうかはあなたの身体が知っている、私を信じてください。とにかく、私は自分の身体の感嘆すべき素晴らしさを理解することを、それを愛し、楽しむことを学んでいます。その過程で、私は、自分がずっと欲しかった身体が間違いなくここにあることに気づきました。 私が言いたいのは、自らの身体をを愛するということです。欲しいものはすでにあるのに、まだ気づいていないだけかもしれません。自分の中にある素晴らしさを理解して、自分を軽蔑するのではなく、愛をもって身体的な目標に近づけば、結果はずっとやりがいがあり、楽しいものになるでしょう。嫌悪感や欠けているというレンズを通して自分自身を見る場合、あなたは本質的に「私はあなたに満足していない」と身体に伝えていることであり、これは最終的に多くの苦しみを引き起こします。しかし、繰り返しになりますが、トレーニングの手段としてOSを使うことで筋肉を鍛えることもできますが、メソッドよりもアプローチの方がより重要かもしれません。
ピッチングがうまく行かない時:立て直すための5つの戦略
投手は、コマンド、球速、「配球」、あるいは実際の痛みや筋肉痛など、さまざまな理由で苦労することがあります。歴史的に、このような厳しい状況に陥ったとき、選手はまずメカニクスに目を向けるように仕向けられてきました。そしてしばしば、状況を深く検討する前に、メカニクスの面で不必要な修正が行われることがあります。それを理解した上で、本日の記事では、その他の「大局的な」考察を簡単にご紹介したいと思います。 1. 健康 簡単に言うと、怪我をすると、動作パターンが変わります。そうすると、投球の準備の仕方も変わり、ひいては投球の仕方も変わってきます。 ピッチングパフォーマンスの最適化に関して言えば、痛みに関する難しい点は(これはクレイジーに聞こえるかもしれませんが)、それをカバーすることができることです。抗炎症剤や鎮痛剤は症状を覆い隠し、投手が長期間にわたって悪いパターンで過ごすことを許してしまうのです。 2. 動きの質 アスリートには、症状がないにもかかわらず、かなり良くない動作パターンを持っている場合があります。このような選手の目標は、明らかに、メカニクスを修正することなく、痛みが出る前に、動きの質を最適化して改善を図ることです。 3. 疲労 疲労は、急性的(試合中)にも慢性的(シーズン中)にも、投手の一貫性に著しい影響を与える可能性があります。また、これは栄養状態、初期作業能力、睡眠の質、環境条件、その他多くの要因によって影響を受けるため、より深く掘り下げる必要があるテーマです。疲労は、メカニクスだけでなく、準備運動で達成しようとしている運動学習にも影響を与えることが分かっています。 4. 外的要因 寒い気候の中でひどいピッチングをする(そして具合悪く感じる)人がいます。また、本当に暑くて湿度の高い日が問題な人もいます。 整備されていないマウンドで投げることは、最も優秀な投手であってさえもその効果を最小化することがあります。 下手な捕手に向かって投げたり、下手な審判の前で投げることは、投手の成功に劇的な悪影響を与えることがあります。 これらの要因のうち、修正できるのは一部だけですが、重要なのは、このリストとは異なるカテゴリーに困難が起因していると自動的に判断しないように、それらを認識できるようになることなのです。 5. 感触 これはおそらく、最も主観的で説明しにくい問題でしょう。ある日、ある週、ある月の特定の投球に対して「感覚」を持てないことがあるのです。若いレベルでは、それは通常、私が概説した最初の4つの要因のうちの1つにおける二次的なものです。しかし、より高度なレベルでは、ほとんどちょっとしたランダムな変動のせいだとみなす必要があるでしょう。どんなに優れた投手でも、投球ごとのスピン量や球威にかなりのばらつきがあるものです。 この「感触」の議論は、ある投手が1回の登板で苦労したからといって、赤ちゃんをお風呂の水と一緒に捨ててしまうようなこと、つまり良くないことと一緒に良いことも失ってしまうようなことはしたくないということを思い出させてくれるものだと思います。誰かがマウンドで苦しんでいるとき、傾向を探り、多くの質問をすることです。 まとめ これらの要因は、単独で存在するわけではありません。例えば、身体的な問題(例:肩の痛み)が、メカニカルな問題(例:低いアームスロット/ボールルリリース時の前腕の角度)になることもあるのです。さらに、胸郭出口症候群は、健康、動きの質、感触、疲労の領域にまたがる状態として見なされるでしょう。 メカニカルな修正を行うタイミングと場所はありますが、その道を進む前に、まずこれらの要素をチェックしてください。私たちは、すべての投手に対して、このような順序立てた開発アプローチを適用し、最も深いパフォーマンスの改善をもたらす「大きな石」を早い段階で特定することを目指しています。
HRVと心拍数に関する究極の入門書 パート1/2
20年余り前、私は初めて心拍変動に出会いました。 それは私の既成概念を吹き飛ばすものでした。 当時、フィットネス・テクノロジーはありませんでした。 フィットビットはありません。アップルウォッチはありません。 モバイルアプリはありません。 自分の身体がどれだけのストレスを受けていて、どれだけ回復しているのかを知ることができる、ましてやそれを実際に行なっている技術など見たことがありませんでした。 それだけでなく、HRVは40年以上にわたる科学的な研究に基づいており、1961年に宇宙で人類初の実験が行われたことも知りました。 HRVを深く掘り下げ、自分自身やトレーニングする人たちに使い始めると、この種の技術は、フィットネスと健康そのものの未来だと確信するようになったのです。 初めて、トレーニングに関する当て推量を大幅に排除できるようになったのです。 より良いトレーニングを行うための、本物のデータを手に入れたのです。 コーチとして、これはまさにゲームチェンジャーでした。 今日、フィットネス界では、HRVはほとんどどこでも見られるようになりました。 かつてないほどに、HRVを計測すると称するデバイスも数多く見られるようになりましたが、多くのフィットネス機器と同様に、パワフルなツールになり得るHRVもまた、スクリーン上の数字に過ぎないことが多いのが問題です。 というのも、HRVとは何なのか、ましてや、トレーニングの成果を上げるためにHRVをどのように利用すべきなのかについては、まだ多くの混乱があるためです。 多くの人は、心拍数と心拍変動の違いについて、明確に理解しているわけでもないのです。 実のところ、HRVあるいは心拍数のような数値の本当の意味を知らなければ、向上を助けることにつながらないことはほぼ確実なのです。 そこで今日は、心拍数とHRVの基本について、混乱と誤解を解くお手伝いをしたいと思います。 この2つの指標は何なのか、フィットネスについて何がわかるのか、そしてトレーニングの指針としてどのように活用できるのか、紐解いていきましょう。 まずは簡単なところから...。 心拍数とは? 心拍数とは、簡単に言うと1分間に心臓が拍動する回数(bpm)のことです。 心拍数は標準的な指標であるため、機器ごとに簡単に比較することができます。 例えば、アップルウォッチの心拍数とトレーニングアプリ「モーフィアス」の心拍数が一致しているかどうかを確認することができます。 しかし、この数字が一致しないときはどうするのか。 残念ながら、すべての心拍計が高精度なわけではありません。 この精度の差は、モニターが使用しているセンサーの種類に起因することがほとんどです。 心拍数を計測するセンサーには、主に光学式と電気式の2種類があります。 光センサーは、皮膚を通過する光の量を測定し、脈拍を追跡します。 この方法は、常に肌に触れている必要があり、特に高強度では動きが乱れる可能性があります。 胸ストラップなどの電気センサーは、心臓の拍動に伴う電気信号を測定するため、2つの方法のうち、より正確な測定が可能です。 心拍数で何がわかるか フィットネスに関して、心拍数の測定は2つの方法で使うことができます。 有酸素能力の一般的な指標として安静時(朝一番に) ワークアウト中 一般的に、安静時心拍数が低いほど有酸素能力があると言われています。 安静時平均心拍数が時間の経過とともに減少している場合は、有酸素能力が向上していることを示す良いサインです。 トレーニングに関して言えば、心拍数の最も良い使い方は、適切な強度でトレーニングしているかどうかを確認することです。 例えば、心拍計を使えば、回復期のトレーニングで無理をしないようにすることができます。 ワークアウトの強度は、最大心拍数に対する相対的な心拍数の高さで計ることができます。 ここで重要なのは、毎回のワークアウトでどれだけ自分を追い込めるか、あるいはポイントを稼ぐための手段として使うのではなく、自分の強度を調整するためのツールとして使うことです。 モーフィアスは、日々の回復度合いに応じて、各個人個別の強度の異なる心拍ゾーンを提供してくれるので、このようなトレーニングに使用することを強く推奨します。 トレーニング中に心拍数を使用するもう一つの方法は、心拍数回復と呼ばれるものをモニターすることです。 心拍数回復とは、一定時間運動した後、心拍数がどれだけ早く回復するかということです。 例:20秒間の最大努力インターバルの後、心拍数が何bpm下がるか。 これにより、トレーニング中に有酸素性、無酸素性のどちらのエネルギーが生産されているかを知ることができます。 心拍数が下がるのに時間がかかる場合には、より無酸素的であり、疲労が早くなります 心拍数の低下が早ければ、より有酸素的で、エネルギー出力をより長く維持することができます ワークアウト中の心拍数の回復をモニターし、コンディショニングが時間とともに向上しているかどうかを確認できます。 HRVとは? HRVは、(心拍数のような)1分あたりの拍動数ではなく、心拍間の平均的な時間的変動を測定するものです。 心臓はメトロノームのように安定して拍動していると思いがちですが、安静時にはそうではありません。 さらに複雑なことに、HRVを測定する方法は複数存在します。 HRVスコアを生成するための計算方法はさまざまであり、数値は多くの場合、時間領域と周波数領域のいずれかにおいて異なるスケールでプロットされます。 このように、HRV値の生成方法が異なるため、システム間で数値を比較することは意味がないのです。 HRVは実際に何を教えてくれるのでしょうか? HRVは、交感神経(ストレス反応)と副交感神経(回復反応)のバランスを示すものです。 HRVの数値が高いほど、体は回復のために多くのエネルギーを使っていることになります。 つまり、日常的には、HRVは主に、身体にかかるストレスの総コストを見ているので、回復力を推定することができるのです。 HRVが上下に大きく変化することは、最近身体が大きなストレスを受けていることを反映しており、そのため回復力が低下している可能性が高いと考えられます。 しかし、HRVの日々の変化が小さいということは、体が比較的安定しており、最近あまりストレスを受けていないことを意味します。 そのため、回復力は高くなる可能性が高い。 この概念を理解することが重要です。 HRVは回復を直接測定するものではありません。 その代わり、ストレスや回復・修復の過程で起こる身体からのシグナルを測定しているのです。 これらの信号から、その時々の身体の状態を知ることができます。 一方、長期にわたるHRVの平均値 は、平均安静時心拍数と同様に、有酸素能力を示す強力な指標となります。 しかし、平均安静時心拍数が低いほど有酸素能力が高いのに対し、平均HRVが高いほど有酸素能力が高いという相関があります。 ですから、時間の経過とともにHRV平均値が増加すれば、コンディショニングが改善されているサインといえます。 このため、HRVは有酸素能力が向上しているかどうかを評価するのに有効です。 しかし、運動能力とは別に、有酸素能力は寿命や健康寿命の長さと強く相関しています(Teramoto and Bungum, 2010; Mandsager et al, 2018)。 だからこそ、トレーニングの理由に関係なく、HRVを平均値を高めることは価値ある目標なのです。
HRVと心拍数に関する究極の入門書 パート2/2
HRVはどのように測定すべきでしょうか? これは非常に重要なテーマで、HRV測定はストレスに非常に敏感であるため、安静時に測定することが絶対的に重要であるということを知っておく必要があります。 そして、その方法には一般的に2つの方法があります: アクティブ測定:2.5~5分のテストを開始し、デバイスがHRVを計算する間、じっとしている必要があります。 これは、モーフィアスのようなHRV専用機器を使うことが多いでしょう。 パッシブ測定:あなたのデバイスが、あなたの知らない間にバックグラウンドでHRVを監視しています。 これは、アップルウォッチなどの腕時計型のデバイスを使うことが多いでしょう。 パッシブ測定は労力や注意を必要としないため、より便利な測定方法といえます。 しかし、標準化された条件(横になっている、安静にしているなど)で収集されているわけではありません。 昨日の朝と今夜の夕食後の体重を比べようとするようなものです。 その違いに意味があるのかどうか、知る由もないのです。 寝ているときに一晩中計測する機器はどうでしょうか? 問題は、これらの機器はすべて、睡眠中に定期的にHRVの短いスナップショットを収録するだけだということです。 電池の消耗が激しいので、一晩中連続して測定することはありません。 一方、アクティブ測定は、毎朝同じ時間に体重計に乗るのと同じことです。 このため、パッシブな測定では、アクティブな測定に比べて、日々のそして長期的なHRVの測定精度が大幅に低下します。 しかし、残念なことに、多くのHRVアプリや機器では、パッシブな測定が行われています。これは、ほとんどの人がHRVをアクティブに測定する努力をしないと想定しているからです。 ですから、現在60年以上にわたって行われているHRVの研究は、事実上すべてアクティブな測定によって行われており、パッシブな測定はほとんど行われていないことも、決して教えてくれません。 むしろ、精度が低くても、より簡単で何もする必要がない機器やアプリを売りたいのでしょう。 もちろん、これに関する問題は、HRVをトラッキング画面上の単なる数値ではなく、ツールとして使いたいのであれば、正確さがすべてであるということです。 運動中にHRVを測定すべきなのか? これが、心拍数とHRVの大きな違いです。 心拍数は、有酸素能力、相対強度、経時的な向上を測定するための有用なトレーニング ツールですが、トレーニング中の HRV は、その... 意味を持ちません。 それは、心拍数が100bpm以上に上がると、心拍数の変動がゼロになるからです。 交感神経(ストレス)系が働きっぱなしで、副交感神経(リカバリー)の系活動はほとんど計測できないのです。 つまり、ワークアウト中や休息以外の何かをおこなっている時のHRVを見ることには、何の価値もないのです。 HRVの変化にはどのような意味があるのでしょうか? 冒頭でお話したように、HRVは主に、日々の体内のストレスと回復のバランスを測るためのツールです。 しかし、多くの人が言われていることとは異なり、HRVが増加したからといって、必ずしもより回復しているとは限りません。 なぜそうではないのか? 最初にトレーニングによってストレス負荷が増加する時、交感神経系が活性化し、HRVを低下させます。 回復すると、副交感神経系が高まり、トレーニング前のレベルをオーバーシュートし、ベースラインに戻ります。 回復の副交感神経サイクルのどこにいるかは、HRVを測定するタイミングと、回復の早さによって決まります。 ですから、目覚めたときにHRVが大きく跳ね上がっていたら、おそらく完全に回復してはいないでしょう。 回復過程の途中であり、HRVがまだベースラインに戻っていない可能性があります。 日々のHRV測定値の変化を解釈する際には、ストレス-回復サイクルの状況を考慮する必要があります。 モーフィアスのようなアプリは、HRVをリカバリースコアに変換することで、あなたに代わってハードワークを行ってくれます。 HRVは、どれくらいハードな運動ができるかを予測するものなのでしょうか? これはよくありがちな混乱するポイントです:日々のHRVは身体の能力を計るものではありません。 パフォーマンスを予測するものではありません。 リカバリースコアが低くても、ジムで自己記録を出すことは可能です。 では、HRVは何を伝えているのでしょうか? HRVは、エネルギーを消費し、さらなるストレスを生み出すコストを予測しているのです。 その意味するところは、次のとおりです。 回復力が低いときに高負荷のワークアウトを行うと、回復力が高いときよりもベースラインまで回復するのに非常に時間がかかることになります。 回復力が低下すると、労作、再生、修復のためのエネルギーのリザーブが枯渇してしまいます。 さらにエネルギーを使えば、さらに消耗することになるのです。 はじめに、これは身体の回復、適応、向上に時間がかかることを意味します。 回復できる範囲を超えて無理を続けると、やがて身体は回復不全に陥ります。 そこで、慢性疲労やケガ、免疫力の低下といった症状が頭をもたげてきます。 短くまとめるならば:HRVはあなたに何ができるかを教えてくれるわけではありません。 しかし、何をすべきかの指針を助けてくれます。 身体からの客観的なフィードバックに基づき、より良いトレーニングの選択をすることを助けてくれます。 回復力の低い日に無理をすることはできるのですが(やむを得ない場合もあります)、そうすると代償を払うことになるということを、多くの人はすぐに学ぶことになります。 トレーニング、栄養、睡眠などに関するすべての決定の影響をリアルタイムで確認することは、目標に向かって前進し続けるために、量、強度、回復をうまく調整するための唯一で最も重要な方法なのです。 HRVと心拍数、どちらを使うべきですか? この記事のここまでで、HRVと心拍数は用途が異なるため、どちらも価値があることがお分かりいただけたかと思います。 日々のHRVは、回復を推定するのに役立ちます トレーニング中の心拍数は、トレーニングの強度と相対的なストレスを測定するのに役立ちます トレーニング中の心拍数回復により、体力が向上しているかどうかを把握することができます 平均 HRV と平均安静時心拍数は、どちらも有酸素能力を測定するのに役立ちます。 最終的には、心拍数とHRVの両方を、トレーニングやライフスタイルについてより良い判断を下すためのツールとして活用すべきです。 これらはモニターしやすく、自分の身体が何を伝えようとしているのか、内側から知ることができる信頼性の高い方法です。 まだ心拍数やHRVを測定していない方は、ぜひモーフィアスをチェックしてみてください。 リカバリーとトレーニングを追跡するために必要なすべてを、完全なシステムで提供します。
グラウンドからスタンディングエクササイズの効果
フィットネス業界では、死亡リスク予測に心血管系の改善を用いるのが一般的ですが、死亡リスク予測のための筋骨格系の改善に関する情報は限られています。 脚力は死亡率予測のために試みられていますが、いくつかの交絡変数があり、普遍的に適用できるものではありません。 同様に、椅子の立ち座り試験も、脚力試験より実用的ではあるものの、死亡リスクを一貫して予測するのは困難な多くの制限要因があります。 前回の記事で、傷害リスクの指標として筋力、柔軟性、神経支配力を比較したところ、神経支配力の欠如が最も良い指標であることがわかりました。 しかし、筋力や柔軟性の不足からくるケガがないとは言い切れません。 ブラジルの研究者チームによって考案された「Sit and Rise」テストは、European Journal of Preventive Cardiologyに掲載され(こちら)、どのくらい長く生きられるかの予測、またはより正確にはどのくらい長く生きられないかの予測に役立つことが証明されています。 テストは簡単で、立った状態から床に座り、また手を使わずに立った状態に戻る(可能であれば)というものです。 テストの点数は、床に触れて補助(手や膝)をした回数でカウントされます。 ブラジルの研究では、51歳から80歳までの2002人の男女が平均6.3年間追跡調査されました。 両手と両膝を使わないと立ち座りできない人(中高年を問わず)は、支えなしで立ち座りできる人に比べて、6年以内に死亡する確率が約7倍も高かったのです。 テストによって測定された彼らの筋骨格系の体力は不足していました。 そして、筋骨格系のフィットネスは、とても重要であることがわかったのです。 "有酸素運動による体力が生存率と強く関係していることはよく知られています。"と、研究著者であるリオデジャネイロのガマ・フィリョ大学のクラウディオ・ジル・ソアレス・デ・アラウージョ教授は述べていますが、"我々の研究は、身体の柔軟性や筋力、協調性を高いレベルで保つことも平均寿命に好ましい影響を与えることを示している "ともしています。 その影響は十分にあり、立位から座位への移行を練習する価値はあります。 では、そのためにどのような練習をすればいいのでしょうか。 ジムでは「床から立位へ」の練習をする機会が多く、個人の最終目標に関係なく、どんなルーティンにも取り入れることができます。 以下に、私のお気に入りの「床から立位へ」のエクササイズをいくつか挙げておきます。 ターキッシュ・ゲットアップ ターキッシュ・ゲットアップは、私の一番のお気に入りです。 途中でウエイトを上に保ちながら、寝転んだ状態から立ち上がるまでの一連の動作を正確に行うものです。 この動きは、多くの筋膜ラインと立ち上がりのバリエーションでよく使われるポジションを強化するものです。 さらに、片腕の使用を制限することで、制約に基づく学習の手がかりとしても非常に有効です。 この動作には負荷がかかり、実行が少し難しいので、各ステップの最適なポジションを指導してくれる良いコーチを見つけるようにしてください。 FTIのマスターファンクショナルトレーナープログラムは、各ステップを丁寧に説明し、また、誰かに指導する方法も教えています。 90/90 ゲットアップ(バランスボール使用) この動作では、バランスボールを前方負荷として使用し、コアの筋群の共収縮を増幅させ(引き締め)、その結果股関節の可動性を大きくすることを可能とします。 大腿骨を内旋・外旋させた90/90の姿勢で座ることで、股関節の可動性を高めています。 このエクササイズを実践することで、床でぎこちない姿勢から立ち上がるときにも、背骨を股関節の上にうまく積み重ねることができるようになるのです。 バトルロープ・プリズナー・ゲットアップ バトルロープ・プリズナー・ゲットアップは、マスター・ファンクショナルトレーナープログラムで教えているもうひとつの素晴らしい動きです。 ハーフニーリングポジションを間に挟んで、膝立ちから立ち上がる基本的なドリルです。 さらに追加される複雑なポイントは、ロープのために作られた波とステップのタイミングを合わせることです。 これは、心拍数を上げ、代謝反応を得るための革新的な方法であると同時に、床から立位への移行を改善するという大きな目的も兼ね備えているのです。 アンダー・スイッチ・トゥ・スタンディング 肩や股関節など、あらゆる部位に効果的です。ただ、脚をもう一方の脚の下に掃くように動かすことを確実にしてください。 よくある失敗は、脚をもう片方の脚より上げてしまうことです。 ストレート・レッグ・オーバー・スイッチ・トゥ・スタンディング この運動は、前の運動と非常によく似ていますが、より股関節の伸展と、脚をまっすぐに伸ばす力が必要です。 この場合は片方の脚をもう片方の脚の上に持ち上げます。 グラウンドベースの動きは、時にツイスターゲームのような分かりにくさを感じることがありますが、そこでマジックが生まれるのです。 様々な動きを習得することで、地面から立ち上がる際の動きの道筋が豊富になります。 脳が知っている立ち上がり方の数は、多ければ多いほどいいのです。 結論 効果的で目的を持ったフィットネスコーチになるための術は、クライアントが望むフィットネス目標を達成するためのプログラムを提供する能力であり、同時に、人生に必要となる、心配のない機能的な身体を開発することです。 グラウンド・トゥ・スタンディング・ドリルで筋骨格系のフィットネスを向上させることは、まさにそのための一つの方法なのです。
硬い筋肉を伸ばすべきではない理由
身体には、私たちが常に理解しているわけではない知恵が詰まっています。 身体は、最適に動き、機能するように設計され、脅威の時代を生き抜き、平和な時代に繁栄するように設計されています。 あなたの身体は何をすべきかを知っているし、もっと重要なことは、身体が何をしているのかを知っているということです。 でも、多くの場合そうではありません。 知恵ではなく、現代の論理で身体にアプローチすることが多すぎるのです。 例えば、身体が痛ければ、なぜ痛いのかを身体に問うのではなく、感じている痛みを和らげたり取り除いたりするためにNSAIDsを服用することがあります。 痛みは、私たちの注意を引くための身体からの信号であることは、多くの人が同意するところです。 身体が私たちに何かを伝えようとしているのです(通常は、私たちがしていることを止めなさいということです)。 身体は、これ以上害を作らないように、あるいは害が起こるのを防ぐために、痛みのシグナルを出すかもしれません。 身体が痛みを感じているとき、身体は鎮痛剤を要求しているのではありません。 何かを変える必要があることを教えてくれているのです。少なくとも、そこから学ぶために耳を傾けなさいということを伝えているのです。 同様に、身体が硬いとき、身体は私たちを守ろうとしているのです。 多くの人は、論理的に、硬い筋肉は伸ばす必要があると推測します。 結局のところ、そうやって緩めて緊張を取り除くことができるのです(まれに、実際にそれがうまくいくこともありますが、それは論理が破綻していることを示す当然の指標となるはずです)。 しかし、身体の知恵では、筋肉が硬いということは、保護を意味します。あなたを守り、自分を保とうとしているのです。 身体は、脅威の時代を生き抜くために設計されていることを忘れないでください。 緊張して筋肉が硬くなるのは、身体が自分を守るために、動くことをガードしたり抑制したりする方法なのです。 基本的に、身体(脳)は安全を感じないと、危険な領域に移動しないように、筋肉を緊張させて身体に制限をかけます。 筋肉が硬いのは防御のメカニズムです。 筋肉が固いということは、脳が何か危険なものを感じて、身体を守ろうとしているのです。 ハムストリングスが硬いとき、身体はストレッチしてくれとリクエストしているわけではありません。 それは、「あなたは安全ではない、どこかに対処すべき危険がある」ということを教えてくれているのです。 硬いハムストリングスを緩めるためにストレッチをするのは、怪我をしないように保ってくれる身体の安全プロトコルを上書きしようとするようなものです。 緊張感、筋肉の硬さには理由があるのです。 脳は、あなたを守ると同時に、あなたの注意を引こうとしているのです。 それだけでなく、硬くなった筋肉を伸ばすということは、ある意味、攻撃的なアプローチであり、力ずくなものです。 誰だって、押しつけられたり、無理強いされるのは嫌なものであり、あなたの身体も例外ではありません。 力ではなく、優しさが脳に安全を感じさせるのです。 多くの場合、筋肉が硬くなるのは、脳が求めている情報が得られなかったり、得ている情報が脳に危険を伝えていたりして、安全でないと感じているからです。 例えば、胸の上の方で呼吸をしていて、お腹に向かって呼吸をしていない人は、横隔膜ではなく、緊急の呼吸に関わる筋群を使っていることになります。 胸の上の方で呼吸をすることで、脳に "危険が迫っている "ということを伝えているのです。 脳は危険を感じると、身体のハッチを閉め、より緊張が必要だと判断した部分(ハムストリングスなど)に緊張(恐怖)と締め付けを与えます。 これが身体の知恵なのです。 私たちには、このメッセージに耳を傾け、この例のように横隔膜を適正に使って呼吸するように、穏やかな行動で対処することで、自ら知恵を働かせるチャンスがあるのです。 要は、痛みや緊張といった身体の警告信号に無理やり反応することは、ベストな行動とは言えず、かえって身体をより危険な状態に導いてしまう可能性があるということです。 それよりも、身体の知恵に耳を傾け、理解することで、何が安全でないと感じさせているのかを見極めようとすることが大切です。 それが決まれば、優しさこそが適切な方法です。 身体が危険だと感じる理由が特定できないとしても、やはり優しさが正しい方法です。子どものように呼吸をし、子どものように動くことで、脳が求めている情報、安心するために必要な情報を優しく与えることができるのです。 前後に揺らすロッキングのような動きは、脳を落ち着かせ、また、全身の関節、筋肉、組織の位置を脳に知らせるのに役立ちます。どこに何があるかわかると、脳は安心して恐怖を手放し、身体は最適に動くことができるようになるのです。 とにかく、緊張とは、身体がストレッチしろとか、無理やり緩めろとリクエストしているのではありません。身体が、あなたを傷つけないように守ろうとしているのです。 硬くなった筋肉を伸ばす前に、もっと優しく、もっと賢い方法を試してみてはいかがでしょうか。
ユーススポーツのパフォーマンストレーニングに関してふと思いついたこと
1. 少年スポーツにおいてもウォームアップは重要です。 私の記事を長年読んでくださっている方なら、私が、その後のパフォーマンスを最適化し、ケガのリスクを軽減する手段として、質の高いウォームアップを大いに推奨していることをきっとご理解いただいていると思います。 しかし、この点に関する私の著作のほとんどは、野球や筋力トレーニングなど、より高度な、そしてより年齢の高い人々に焦点を当てたものであることを認めざるを得ません。 一方、ユーススポーツのウォームアップの中には、包括的とは言いがたいものがあります...ウォームアップ自体が、実際に存在していたとして、というところですが。 幸いなことに、この見落としを正すために、「Effectiveness of Warm-Up Intervention Programs to Prevent Sports Injuries Among Children and Adolescents」という最近のメタ分析を紹介する機会を得ました。全文はこちらでご確認いただけます。 Dingらの懸命な研究の簡単な概要は、21,576人の総アスリート(7~18歳)を対象とした15の綿密に選択された研究において、15~20分のウォームアップは怪我を36%減少させたというものです。 健康維持に役立つことはもちろんですが、この結果で興味深いのは、さまざまなウォーミングアップの工夫が怪我の軽減に役立ったということです。 より年齢が高くトレーニングを受けている人たちでは、体温の上昇、ひいては組織の伸長性からくる効果が大きいと思われます。 逆に、このメタ分析にあるような若くてあまりトレーニングを受けていない集団では、ウォームアップによって実際のトレーニング効果(バランスの改善、筋力の強化、着地のメカニクスの最適化など)が得られるので、おそらくより慢性的にケガから守られているのでしょう。 そのため、アスリートにとって重要なトレーニングを「マイクロドーシング」することは常に有益であり、ウォームアップはコーチがそれを行うことができる手段の1つであると考えています。 もし、ドリルを別の時間に行ったら、これほど効果が顕著になったかどうかを考えるのは興味深いことですが、適応は適応ですし、ウォームアップはグループ環境での説明責任を保証する最良の方法でしょう。 2. グラウンドからスタンディングへのトランジションは、若いアスリートにとって最もハードルの低いものでしょう。 私の最も親しい幼なじみの一人は、農場で育ちました。私が干草を積むのを手伝いに彼の農場に行った最初の時のことを忘れられません...私達は巨大な畑を6時間かけて歩き回り、トラックの荷台に干し草を積んでいったのです。 今まで干し草の俵の重さをわざわざ調べてはいませんでしたが、どうやら40ポンドから75ポンドまであるようです。 1週間くらい全身が痛かったのも説明がつきます。 驚くべきことでもないかもしれませんが、その友人は3種目のスポーツが得意で、レスリングでは州チャンピオンになりました。 明らかに、農場は彼に一貫して努力する方法を教えてくれたのです。 干し草の運搬、家畜への給餌、掘削など、ほとんどの肉体労働は、低から高への力の伝達を伴うことに気づかずにはいられません(これは、多くの運動競技と大差ありません)。 もしあなたが農場に住んでいないのであれば、ターキッシュ・ゲットアップ以外にも、トレーニングでこのダイナミクスに挑戦する良い方法があれば教えてください。
スピードデッドリフトを筋力トレーニングプログラムに使用する5つの理由
2008年に私の最初の本が出版されたとき、私がスピードデッドリフトを取り上げたことに多くの人達が驚きました。なぜなら彼らは、それは「簡単すぎる」と感じたり、「重くない」デッドリフトは生産性がないと考えたりしたからです。興味深いことに、4ヶ月のプログラムを完了後、彼らのデッドリフトが必ずと言っていいほど向上したとき、誰もスピードデッドリフトが含まれたたことに疑問を持つことはありませんでした。そこで今日は、スピードデッドリフトを筋力トレーニングに取り入れるべき5つの理由を紹介します。 しかし、まず、スピードデッドリフトとは何かということを概説することが重要だと思います。デッドリフトのあらゆるバリエーションを、より軽い割合で実行するだけです。ワンレップマックス(1RM)の35-80%を1-5レップでセットします。パーセンテージが高いほどレップ数が低くなり、その逆も然りです。例えば、1RMの80%で8x1、1RMの50%で6x3、1RMの35%で4x5などです。チェーンやバンドが手に入るなら、エクササイズに追加することも可能です。セット間は30秒から120秒の間で休むことになります。 しかし、最も重要な要素は、完璧なテクニックと優れたバースピードとなります。 バーが床から爆発するような感覚で、ロックアウトまでまっすぐ上がるようにします。