マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてポイントとコインを獲得すれば理解も深まります。
膝は本当につま先の真上になければならないのか?パート2/2
より機能的に関節の3面性を理解した上で、私たちの身体がうまく様々な方向に向かって動き戻ってくることができるように、グレイインスティチュートのセーフティシンタックスを活用して動きを変化させる方法をスクワットを例にご紹介します。
動きの準備のためのフローの利点
ムーブメント・フローは運動準備の最も初期の形であり、初期であるがためにその基礎が見過ごされているかもしれないものです。朝、目覚めたときに行う自動的なシェイクやストレッチのワイルドな一連の動作や、活動のために「準備運動する」時の四肢のスイングを思い浮かべてみてください。これらはすべて、私達が身体を評価し、動きの準備をするために学んだ方法です。脳は身体をスキャンして、硬いところは伸ばし、目覚めさせる必要があるところは収縮したり揺すったりします。 大きく分けてフローには2種類あります: 振り付けられたフロー 振り付けられた一連の動きとその移行の練習。こうすることで、運動学習プロセスに脳を関与させ、身体のコーディネーションを向上させることができます。プリセット・フローの大きな利点は、必要なすべての動きや関節の位置をターゲットにするだけでなく、左右均等になることが分かっていることです。 フリーフロー 自発的で台本のない一連の動きとその移行の練習。それは完全に自分自身に没頭し、事前に考えることなく動くことです。そうすることで、身体が動きたいところ、動く必要があるところを動かし、外的な考えやストレス要因から心を落ち着かせることができます。 どちらのタイプも役に立ち、運動準備のルーティンの一部としてフローを使うことにはさまざまな利点があります。 マッピングと空間認識 ウォーミングアップや運動前の準備運動は、身体のみが重要なのではなく、脳も目覚め、活動し、コントロールできる状態でなければなりません。ソファから立ち上がるときにつま先をぶつけたり、つまずいたり、朝ベッドから這い出るときに壁にぶつかったりするのはなぜだろうと不思議に思うかもしれません。このような不器用な行動は、脳がすべてのシステムを作動させる前に動いており、身体や空間内の位置の完全な地図を持っていないのです。 パンディキュレーションとは、起床時や長時間座った後などに無意識行う身体のストレッチを指します。 これは覚醒機能の一部で、睡眠後に中枢神経系を覚醒状態にリセットし、活動に備えるためのようです。パンディキュレーションは、筋筋膜システムにおいて、適切な生理学的筋膜相互結合を発達させ、維持することにより、統合的な役割を果たします。 さらに、筋組織を定期的に活性化することで、筋筋膜システムのプレストレス状態を調整します。 硬くなった筋肉への感覚入力 筋肉とその周囲の結合組織の中には、筋肉がどの程度硬いか、あるいは硬くする必要があるかを脳に伝えるセンサーがあります。すでに持っている可動域内のポジションで身体を動かすことで、これらのセンサーが元の状態にリセットされ、可動性の低下を防ぎ、組織がアクションに反応しやすくなります。 身体への脅威の評価 可動性の現状をチェックするだけでなく、脳は安定性の問題という形で潜在的な脅威も評価する必要があります。身体がポジションを移動していくうちに、あまり強くないエリアやグラつきが見られるエリアに出くわすかもしれません。中枢神経系はそれを脅威、傷害の可能性と見なします。不安定さを改善することはできないかもしれませんが、それを脳に意識させることで、トレーニング中に不安定さを回避したり、コントロールしたりすることができるようになります。 筋膜システムへの刺激 全身の筋肉や関節は、もはや互いに独立して働くとは考えられていません。他の筋肉がやっていることから切り離されて、ある筋肉が独立してタスクを遂行しているわけではないのです。 すべての筋肉を覆っている結合組織(筋膜)のラインがあり、一緒に仕事を調整するためにそれらをリンクしています。この筋膜ラインのネットワーク内には、神経系に伝達するセンサーがあり、伸張の状態や速度、組織に加えられた張力の量に関する情報を伝えます。脳はこのデータを収集し、タスクを完了するための運動出力を決定します。 ほとんどの動作は、これらの筋膜ラインをストレッチし、水分供給し、活性化させ、潜在的な活動(別名ワークアウト)に備えてセンサーを目覚めさせます。ムーブメント・フローはこのために特に有効です。 血流 心臓は驚異的な筋肉ですが、それでも血液を重力に逆らって血液を完全に引き上げるほどのパワフルさはありません。筋肉を収縮させたり、動かしたりすることは、その助けになります。 さらに、ストレッチは筋肉に水分を供給し、新鮮な血液を流します。筋肉が長さの方向に引っ張られると、組織が圧縮され、スポンジのように液体が絞り出されます。筋肉が伸張していない位置に戻ると、新鮮な血液が再びその部位に流れ込みます。 ムーブメント・フローは、筋肉を重力に逆らって様々な位置に収縮させ、長い筋膜ラインを常に伸ばします。 このようにして血液を体中に送り込み、新鮮な状態で仕事に臨めるようにするのです。 リンパ系の刺激 リンパ系は免疫系の一部です。バクテリア、ウイルス、毒素、異常な細胞などの老廃物を除去するために、あなたの身体は免疫系を頼りにしています。しかし、このシステムには心臓のようなポンプがないため、うまく機能するためには動きに頼ることになります。 ムーブメント・フローは、先にも述べたように、多くの筋肉や筋膜を収縮・伸張させ、リンパ系を刺激します。これにより、老廃物や毒素が除去され、排尿され、筋肉が毒性の少ない環境で働けるようになるのです。
腹横筋、それが問題ですか?なぜ私達は、腹横筋にこだわるのでしょう?(パート2/2)
腹横筋を活性化する(遠心性収縮)ためには、胸郭と骨盤の動作を必要とします。胸郭と骨盤は、両腕・両脚の動作の影響を受けています。運動連鎖の上もしくは、下のものは、潜在意識的な腹横筋の活動と機能的状況下での動作において、胸郭と骨盤での適切な動作を引き起こすために動いていません。脊柱から遠く離れた動作であっても、中枢神経においてまだ固有受容的反応を引き起こすでしょう。私達は、足が股関節の動作に多大な影響を与えていることを知っています。よって、足は腰椎と腹横筋においても反応を引き起こすに違いありません。腰痛をみる際、足を十分にみていますか?これはこれで、充分にひとつの記事になってしまいますよね! 適切な関節運動が生じなければ、この腹横筋への固有受容的信号も発生しないでしょうし、腹横筋の活動を減少させるかもしれません。私達はまた、何を腹横筋の活性化と捉えるのかを自らに問いただす必要があります。これは遠心性収縮、もしくは求心性収縮なのでしょうか?これは筋電図が教えてくれるものではありません。常に仮説においては、筋肉は短縮していて、このことは腹横筋“発火”のためのエクササイズ戦略に、影響を与えています。 もし腹横筋の役割が、個々に脊柱を安定させることならば、腹横筋は胸郭と骨盤が分離した際にも、求心性収縮もしくは、等尺性収縮したままにする十分な力を保っているのでしょうか?これに答えるためには、私達は腹横筋を機能的状況に置かなければなりません。 私達が歩行のような誰にも共通する機能をみて、発生しているモーメントに関しての生体力学の研究を読んでいれば、骨盤が前方に落ち前傾になることを知っています。前方を見続けられるように、胸郭はさほど屈曲しません。これは腰部脊椎に伸展モーメントを発生させます。骨盤が前額面で上方に回旋し、脊椎は同側に側屈して腰椎に側屈モーメントを発生させます。骨盤回旋が片側で起こると、反対側では体幹の回旋が起こります。これが、再び腰椎の周辺で回旋モーメントを発生させるでしょう。腹横筋の活性化が良好であれば、これらの力モーメントを得るのでしょうか、もしくは腹横筋が運動を固定するために、関節運動は起こらないのでしょうか?では、どのようにこれが運動連鎖の上部と下部の運動に影響を与えるのでしょうか?腹横筋は、骨の運動に抵抗するための力生産能力を有しているのでしょうか?身体は、高い力モーメントを伴う状況下での脊椎安定化のような大きな仕事に直面する際、一つの筋肉だけを利用するという選択をするのでしょうか? 堅いニュートラルな脊椎という概念自体もまた少し奇妙です。進化は、本当に少ない分節を持つ椎骨の構造を創り出すでしょうか?関節運動のためではなく、固定されることを意図した骨。というのではなく、私達は、腰椎の大部分は屈曲・伸展するのをみます。ニュートラルは、私達が通り過ぎる姿勢かもしれませんが、明らかに私達が留まっている姿勢ではないのです。ジムにおいては、私達はなんとか不自然な姿勢でいるように試みることはできるかもしれませんが、テニスコートに出たり、道を歩いたりするだけでも、腰椎で発生している関節運動は、ニュートラルとは程遠いのです。 また、長時間にわたる等尺性収縮、もしくは求心性収縮の残存における代謝的関連もみなければなりません。従来のモデルに従えば、いかなる動作においても、腹横筋が脊椎を固定するために求心性収縮をし、私達が長時間動けば動くほど、腹横筋は長時間収縮し続けることになります。筋内圧や血流が包含するのは何なのでしょうか?どのように不可欠な酸素が到達し、乳酸の除去が発生するのでしょうか?遠心性から求心性への動作は、筋肉が必要とする血液を筋肉系に供給するパンピング機構をもたらします。求心性動作以前の遠心性動作の機能的な過程は、潜在意識的な情報とエネルギーのみでなく、身体が代謝的に生存する手助けをするポンプを提供します。 腹横筋の力は、実質的に構造自体、その領域の生体構造にあるのかもしれません。腰椎の主な運動は、矢状面で発生します。腹横筋の線維配向は、横断面です。これは、矢状面力が作用する際、線維の分離は、制限されることを意味します。これにより、受動的で潜在意識的な反応を介して発生する自然な剛性と安定性をもたらします。これは、身体が稼働するための推進力であるエネルギーの観点からすると、極めて効率的です。 これがコラーゲン含有量が高く、短い線維長の遅筋線維優位と組合わさることで、受動的な剛性が発生します。他の筋肉や筋膜と孤立した状態で起こることはありませんが、これに適合可能な筋紡錘獲得を介して、神経学的に制御されたフィードフォワード要素を加えると、私達は、腰部脊椎に力強く潜在意識的な効果を得ることができます。 いつもの通り、またもや大量の私見と共に、回答の数を凌ぐ程の疑問を提供してしまったのではないかと思います。臨床状況から離れ、動作と合力に従うと、腹横筋は異なる役割を担っています。これらの環境下では、全ての筋肉は、静的な状況において、私達が認知している役割とは異なる役割をするのかもしれません。
腹横筋、それが問題ですか?なぜ私達は、腹横筋にこだわるのでしょう?(パート1/2)
私達が、理学療法士や他の医療従事者を対象にコーキネティックのコースを開催するときはいつでも、腹横筋と腰痛という同じテーマが浮上してきます。このことが、私にこのテーマについてのブログを書かせる動機づけになりました。 多くの医療従事者が、効果的な腰痛戦略として教えられたものを疑問に思い、葛藤していると感じています。単純にコアや腹横筋に働きかけることが、簡単で効果的な戦略なのであれば、慢性的な腰痛など存在しないでしょう。多くの腰痛は、治療介入なしに自発的に消えていくのが真実です。腰痛は、身体が痛みの起こらない他の動作戦略を発見すると共に、断続的に戻ってきたり、他の部位へ移動したりします。これは、その状況をなんとかしようとして身体が代償したり、その疼痛閾値を修正したりする能力であろうというのが、私の謙虚な意見です。 このブログの焦点は、研究や議論を席巻する傾向にあるタイミングの問題ではなく、腹横筋が何をして、何をしないかにあります。私は、列車がいつ駅に着くかよりも、着いた後にどうするのかに気をもんでいるのです!Hodges (1998)の研究では、症状のある人と症状のない人での腹横筋収縮の違いは、約20ミリ秒、もしくは約1/50秒でした。ごく僅かな違いです。このようなごく僅かな遅延において、私達はこのタイミングの問題を意識的な収縮で修正するすることができるのでしょうか、それともこれは意識的な制御の域を超えているのでしょうか? もう一つの疑問は、私達はそれぞれ単一の筋肉を、意識的に動かすことができるのかということです。身体において、筋収縮が単独で起こることはありません。収縮は、関節の動作と安定に関与している筋肉の領域において、運動単位を支配している脳によって発生します。この神経支配は、関節の角度、スピード、努力のレベルの変化につれて変わります。これは、身体の筋活動を全体的に眺める際のとても複雑な見解を、極めて単純にしたものかもしれません。 機能的周期運動の間、意識的な活性化が起こることもありません。私達の運動パターンは、意識の域を超えて設定、もしくは発達しています。これは、私達が生活の中での他の問題に気をもんだり、夕食で何を食べるかについて悩むことを可能にしています。身体や環境に作用している力に起因している私達の骨の動きは、骨の捻転や移動を制御するために、筋肉の反応を引き起こします。これらの反応は、通常、求心性収縮的に筋肉を短縮する前に、骨の動作を制御するため、筋肉を遠心性収縮的に伸ばします。筋力を作り出すために、固有感覚系を介して潜在意識的な引き金を提供しているのます。そして、これは意識的な活動よりも、とても効率的なシステムなのです。この過程は、全身の全ての筋肉で発生し、最も重要な心臓も同様で、潜在意識的に発生します。 そして、このことが私に、私のよき指導者であるデビット・ティベリオ博士が常に筋肉について、“もし筋肉のスイッチが入っていないなら、何がスイッチを切ったのか?”と尋ねていた問いかけを思い起こさせます。 この質問に答えるためには、私達は筋肉の付着部と、筋肉が機能的動作において何をするのかをより理解しなければなりません。 腹横筋は、肋骨と骨盤に付着しています。これは、単純に腹横筋は、身体の主要な発動力である両腕、両脚の動作の影響を受けていることを意味しています。また、腹横筋の線維は、横行配列があり、収縮をすることで前部と後部の付着部同士をお互いに近づけ、体幹を回旋させます。実際、腹横筋は2つの部分に分けられます。Cresswell AGおよびその他 (1999)は、体幹回旋運動時の“左右の腹横筋間の活動における相互パターン”を記録しました。片側の遠心性収縮的伸長と反対側の求心性収縮的短縮は、首尾一貫しています。では、なぜ私達は腹横筋を回旋筋として見ずに、等尺性であり続ける傾向のある筋肉として見るのでしょうか?Hodges (1998)の素晴らしい研究では、腹横筋を評価するために、参加者は異なる腕の動作を行うことを要求されました。最も腹横筋の反応を引き起こした動作は、肩の外転でした。この外転の力は脊柱を同側に回旋させ、この脊柱の回旋への反応として、固有感覚反応と腹横筋の活動を引き起こします。これは、腹横筋の回旋する性質を示しています。このケースにおいては、研究自体は良いものであったにも関わらず、エクササイズ戦略を立てる際の、私達の解釈が間違っていたのかもしれません。
的確に構成されたウォームアップはパフォーマンスにどれだけの違いを生み出すのか?
多くのコーチやアスリートは、スポーツ前のウォームアップの内容に対しあまりこだわりを持っていない。しかし最近のいくつかの研究では、いくつかのスポーツにおいて、的確な内容のウォームアップはパフォーマンスに対し大きな影響を及ぼし得ると示している。この研究はボブ・スケルトンのスピードに及ぼす影響を論証している。 研究論文: エリートボブ・スケルトン選手のためのウォームアッププロトコールのデザイン、クック、ホルドクロフ、ドローア、キルダフ、スポーツ生理学&パフォーマンス、2012年 *** 研究者たちは何を行ったのか? 研究者たちは、様々な異なるウォームアップの内容をコントロールされたウォームアップ、すなわち現在アスリートによって行われている標準的なウォームアップと比較し、その後実施されるスケルトンのパフォーマンスに及ぼす影響を評価しようと考えた。彼らは、イギリスオリンピックチームへの選抜に参加した6名(男性3名、女性3名)のスケルトン選手を集め、下記のようなウォームアップを実行した。 テストの35分前に終了する、20分間のアスリート自身のウォームアップを標準化したバージョン。これは、復路をウォーキングとした往路20mのジョギングとスキップを3セット、20mの最大下速度でのスプリントを3セット、20mのスプリントフォームドリルを3セット、20mのレッグスイング、クイックランファストフィート、ハイニーを2セット、10mの最高速度でのスプリントを3セット、30秒の混合体操(プレスアップ、デッドバグ、プランク)、2分のダイナミックストレッチから構成されていた。 より多くのスプリントドリルとスプリント、そしてより短いインターバルにより、ボリュームと強度が増したコントロールウォームアップのバリエーション。 2番目のバリエーションと同じだが、テストの35分前ではなく15分前に終了。 2番目のバリエーションと同じだが、それぞれ10分の2つのセグメントに分けられ、1つ目はテストの40分前に終了し、2つ目は15分前に終了。 4番目のバリエーションと同じだが、受動的に熱を保持するため、保温用の衣服を2つのウォームアップ間とテストまでの間に使用。 *** 何が起こったのか? 研究者たちは、3番目のウォームアップのバリエーションが最も速く、次に5番目、4番目と続くことを発見した。5番目のバリエーションはアスリートに最も人気があり、6名のアスリートに渡り全体で3.5%の向上がみられた。 *** 研究者たちはどのような結論に達したのか? 研究者たちは強度、継続時間、体温の全てがより良いウォームアップを生み出すことに有益であるという結論に達した。彼らは、2番目とほぼ同じだが、テストの35分前ではなく15分前に完了するという3番目のウォームアップバリエーションが最良だと結論付けた。しかしながら、5番目のウォームアップバリエーションは同じようなパフォーマンスの向上につながり、さらにこれはアスリートの間で最も人気があった。 *** 実践的な意義は何か? アスリートとコーチに対して スポーツのコーチは、特に寒い環境においては、的確な構成のウォームアップがエリートアスリートのパフォーマンスに非常に大きな違いを生み出すということに気づくべきである。 パフォーマンスイベント間際に終了し、より強度の高いウォームアップはよい良いパフォーマンスにつながる。 それに加え、寒い環境での熱の保持はパフォーマンスに明らかな差異を生み出すため、保温衣類の使用は有益である。 ***
ストレッチは筋力強化に対し逆効果なのか?
多くのコーチが、怪我を防ぐ為にウェイトトレーニングの前にストレッチを取り入れ、多くのボディービルダーが、ストレッチは筋肥大を助長すると信じ、セット間にストレッチを行う。しかしながら、この研究は、この方法が逆効果であるかもしれないと示している。 研究論文:静的ストレッチの筋力パフォーマンスと基底血清IGF-1レベルに対する慢性的影響、バストス、ミランダ、バーレ、ポータル、ゴメス、ノバエス、ウィンチェスター、ストレングス&コンディショニングリサーチジャーナル2012年 *** 研究者たちは何を行ったのか? 研究者たちは、レクリエーション程度にトレーニングを行っている30名の参加者を集め、下記のような3つのトレーニンググループへランダムに振り分けた。 ストレングストレーニング前に静的ストレッチを行った、事前ストレッチと呼ばれるグループ。 ストレングスエクササイズのセットの間、エクササイズ実施直前に、ある特定の同じ筋肉に対し静的ストレッチを行った、中間ストレッチと呼ばれるグループ。 トレーニング前、及びトレーニング中に全くストレッチを行わずストレングストレーニングを行った、ノーストレッチと呼ばれるグループ。 研究者たちは、10週間に渡るトレーニング期間の前後に、IGF-1レベルと様々なエクササイズ(ベンチプレス、ラットプルダウン、レッグエクステンション、レッグカール)の8RMを測定した。 *** 何が起こったのか? 研究者たちは、テストを行った4種類のエクササイズ全ての8RM強度において、2つのストレッチグループとノーストレッチグループとの間に著しい統計的な違いがあることを報告した。それに加え研究者たちは、ノーストレッチグループにおいてのみIGF-1の発現量が増加し、2つのストレッチグループのいずれにおいてもその著しい増加は見られなかったことを報告した。 研究者たちは、2つのストレッチグループ間における違いは確認しなかった。下記のグラフは4つ中3つのエクササイズにおいて強度が増したことを示している。 *** 研究者たちはどのような結論に達したのか? 研究者たちは、10週間に渡るトレーニングプログラムの結果として、3つのグループ全てにおいて8RM の強度は増したものの、2つのストレッチグループにおいては、ノンストレッチグループに比べ、強度の増加が著しく低かったという結論に至った。 *** 制限要素は何か? この研究には下記のような2つの重要な点において制限があった。 この研究は、30秒間のストレッチを行った場合のみが調査された点において制限があった。他の研究では、ストレッチを保持している長さ(15秒に対し45秒)によりパワー産出に対する即時的影響に違いがでることが発見されている。故に、より短い時間でのストレッチでは、筋力の増強に対し同じような有害な影響は出ないかもしれない。 スプリントトレーニングやジャンプトレーニングにより何が得られるのか、というように、ストレッチがアスレチックパフォーマンスに対し同じような影響を及ぼすのかどうかということは知られていない。 *** 実践的な意義は何か? 全ての人に対して ストレッチのルーティーンがトレーニング前、もしくはセット間に行うことによって、ストレングストレーニングによる筋力増強度は、低下するであろう。 ボディービルダーや身体形状向上に対して セット間に徹底的にストレッチを行うボディービルディングのルーティーンは、筋肉を増強し肥大させるというゴールに対し逆効果である。
肩帯のシリーズ#4B 肩甲骨後退/前突
(肩帯のシリーズ#4Aはこちらへ) 肩の健康のために重要な肩甲骨の健全な動き。胸椎、肋骨のポジションを整えた後は、肩甲骨の後退、前突の動きをよりスムーズにするエクササイズを行いましょう。
肩帯のシリーズ#4A 肩甲骨上方回旋
(肩帯のシリーズ#3はこちらへ) (肩帯のシリーズ#4Bはこちらへ) 肩の健康のために重要な肩甲骨の健全な動き。肩甲上腕リズムにとって欠かすことのできない、スムーズな肩甲骨の上方回旋を促すための、簡単なエクササイズをご紹介します。
異なる種類のトレーニングは前十字靱帯 (ACL) 損傷の生体力学的危険要因に異なった影響を及ぼすのか? パート2/2
何が起こったのか? 関節角度可動域の変化 研究者たちは、プライオメトリックグループが、膝関節の屈曲可動域と内旋可動域の著しい減少を示したことを発見した。一方、コアスタビリティのグループは、膝関節の屈曲可動域の著しい減少と、膝関節内旋可動域の著しい増加を示した。下記のグラフは両方のトレーニングプログラムによる変化を示している。 特に顕著であった結果は、両方のトレーニングプログラムが膝の屈曲可動域を減少させ、プライオメトリックトレーニングのみが膝の内旋可動域を減少させ、そしてコアトレーニングプログラムのみが膝関節の内旋可動域を増加させたことであった。 この膝関節屈曲に関する結果は、両方のトレーニングがより小さな可動域の中で減速が起こる「硬い」着地を行うことにつながり、より大きな関節負荷によってACL損傷のリスクを増加させる可能性がある、ということを暗示していることから、少々懸念されるものである。プライオメトリックトレーニングプログラムに関して、これは、プライオメトリックトレーニングは著しい最大膝関節屈曲可動域と最高膝関節屈曲可動域までの時間への減少につながるというレファート(2005年)の発見とは異なることとなる。しかしながら、ポラード(2006年)は、プライオメトリックトレーニングは、女性サッカー選手において膝関節屈曲可動域の大幅な減少にはつながらないということを発見している。 膝関節内旋可動域の結果は、プライオメトリックトレーニングプログラムが前額面の関節可動域の減少に対して有益であったのに対し、コアトレーニングプログラムは大いに有害であった、ということを示唆している。以前にも数人の研究者たちが、コアトレーニングの下肢の飛び降り着地の生体力学に対する影響についての調査を行ったが、チャペル(2008年)が統括的な神経筋トレーニングの一部としてコアスタビリティトレーニングを使用し、膝関節の内旋可動域の増加に対しての傾向は、強いものの、特に有意ではないと報告している。これらの発見は、ACL損傷の危険性のあるアスリートに対しては、コアトレーニングのみでは十分ではなく、レジスタンストレーニングやプライオメトリックなどの他のトレーニングも一緒に行うべきであると示唆している。 それほど有意ではない傾向に関して、この結果は、コアトレーニンググループに関しては唯一の大きな変化が股関節で起こっているということを示している。コアトレーニンググループは、股関節の屈曲と内旋可動域において、大きいが非有意な減少を示した。これらの変化は次のセクションで報告されている著しい関節モーメントの変化に対応しており、それ故興味深いものである。 関節モーメントの変化(トルク荷重) 研究者たちは、プライオメトリックグループが膝関節の屈曲と外転モーメントの著しい減少を示し、コアスタビリティグループが、著しい股関節の屈曲と内旋モーメントの減少を示したと観察した。下記のグラフは両方のプログラムの結果としての全ての変化を示している。 両方のトレーニングプログラムは膝関節屈曲関節モーメントの減少につながるが、プライオメトリックプログラムのみが膝関節外転関節モーメントの著しい減少につながった。より大きな膝関節外転関節モーメントはACL損傷の重要な危険要因であり、このことはプライオメトリックトレーニングがACL損傷予防に対し有益であるかもしれないということを示している。 コアトレーニンググループは、大きいが非有意な股関節の屈曲可動域と内旋可動域の減少を示し、これらの非有意な変化は、同等の股関節の関節モーメントの著しい変化に対応していた。このことは、コアトレーニングにおける股関節の関節角度可動域の変化は、統計的には有意ではないものの、意味深いということを示唆している。 それに加え、重要なこととして、より大きな股関節の内旋関節モーメントはACL損傷の非常に大きな危険因子であり、このことはコアトレーニングがACL損傷予防に対し有益な役割を果たし得るということを示している。 以前の研究評価では、8週間に渡る股関節主導と膝関節主導のエクササイズは膝関節の屈曲可動域の変化につながるが、股関節の屈曲可動域にはつながらないと記述されている。当時は、これはおそらく研究期間が短すぎたか、もしくはエクササイズの介入が股関節における変化をもたらせるのには十分でなかったからであろうと考えられていた。同じ事がこの研究においても起こる可能はあったが、股関節の関節角度可動域では著しい発見がなかったにもかかわらず、関節モーメントでは著しい変化がみられたことはとても興味深いことである。 研究者たちはどのような結論に達したのか? 研究者たちは、シーズン中、高校の女子アスリートへの4週間のトレーニングプログラムの実行は、関節モーメントと関節角度を変化させ、その結果がドロップジャンプの着地の際に現れていたという結論に至った。研究者たちは、プライオメトリックトレーニングは主に膝関節の関節角度と関節モーメントの変化につながり、コアスタビリティトレーニングは主に股関節と膝関節両方の関節角度と関節モーメントの変化につながると結論付けた。 関節角度の動きに関しては、両方のトレーニングプログラムは膝関節屈曲可動域の減少につながり、プライオメトリックトレーニングのみが膝関節内旋可動域を減少させ、コアトレーニングのみが膝関節内旋可動域を増加させた。コアトレーニンググループは、大きくはあるが非有意な股関節の屈曲可動域と内旋可動域の減少を示した。 関節モーメントに関しては、プライオメトリックグループは著しい膝関節屈曲と外転関節モーメントの減少を示し、コアスタビリティグループは股関節の屈曲及び関節内旋モーメントの著しい減少を示した。 プライオメトリックトレーニングは、膝関節の前額面と横断面の関節角度動作と関節モーメント(膝関節内旋可動域と膝関節外転関節モーメント)を減少させるという点において有益であった。また、コアトレーニングプログラムは股関節の横断面の関節角度動作と関節モーメント(股関節の内旋可動域と内旋モーメント)を減少させるということにおいて有益であった。 両方のプログラムは矢上面での関節可動域動作(膝関節屈曲可動域)を減少させるという点で有害であり、コアトレーニングプログラムもまた、(非有意ではあるが)股関節の屈曲可動域減少と膝関節の内旋可動域の増加につながるという点で有害であった。 それゆえ研究者たちは、プライオメトリックとコアスタビリティの両方がACL損傷予防に大切な役割を果たすと結論付けた。しかし、「柔らかい」着地をするために膝関節屈曲可動域を増加させ弊害を相殺するためには、プライオメトリックとコアスタビリティプログラムの両方をレジスタンストレーニングと一緒に行うべきである、と薦めるのが賢明であると思われる。 *** 制限要素は何か? この研究には下記のような点において制限があった。 被験者はランダムにそれぞれのグループへ振り分けられたわけではなく、異なるスポーツからのアスリートがそれぞれのグループを構成していた。 被験者はレジスタンストレーニングを行っているアスリートではなかった為、よりトレーニングされた人たちでは異なる結果が得られたかもしれない。 被験者はすべて女性であった為、男性では異なる結果が得られたかもしれない。 ここでテストされたのはコアトレーニングとプライオメトリックトレーニングの介入のみであり、レジスタンストレーニング、ストレッチ、アジリティなどのACL損傷予防プログラムとして一般的な他のトレーニング方法がこの研究には組み込まれていなかった。 研究者たちは様々な筋肉の筋電図活動や筋力を測定しなかったため、筋力、及び筋活動の増加や減少があった場合、同じような変化が起こるのかどうかを解明するのは困難である。 *** 実践的な意義は何か? ACL損傷の危険性のあるアスリートに対して: 特定の神経筋制御疾患がないアスリートは、コアトレーニング、プライオメトリックス、レジスタンストレーニングの組み合わせをACL損傷予防プログラムへ組み込むべきであり、1つのトレーニング方法のみに限るべきではない。 常に膝関節が外反しているアスリートは、股関節の内旋、膝関節の外転関節角度動作、関節モーメントを減少させるため、より一層コアトレーニングとプライオメトリックスをワークアウトに組み込むべきである。 特に「硬い」着地をする危険性のあるアスリートや、ジャンプの着地時に膝関節の関節可動域が少ないアスリートは、更に多くのレジスタンストレーニングをワークアウトの中に組み込むべきである。
異なる種類のトレーニングは前十字靱帯 (ACL) 損傷の生体力学的危険要因に異なった影響を及ぼすのか? パート1/2
レジスタンストレーニングのプログラムは、アスリートがより「柔らかく」ジャンプから着地するようサポートすることで、ACL損傷の危険性を減らすことができる。 しかし、コアスタビリティプログラムやプライオメトリックプログラムもまた、ジャンプ着地時の生体力学を改良することにより、ACL損傷の危険性を減らすことができるのだろうか?だとすれば、いったいどのようにして? この研究は下記のことを解明するために行われた: 女子高校生アスリートにおける、異なるエクササイズトレーニングの介入と飛び降り着地の生体力学、 ピーファイル、ハート、ハーマン、ハーテル、ケリガン、インガソル、2013年アスレチックトレーニングジャーナル 背景 非接触のACL損傷は、男性よりも女性アスリートにより多く見られる。実際に研究では、同じスポーツを行った場合、女性は男性よりも3−4倍ACLを損傷する可能性が高いであろう、と示されている(例:グリンドスタッフ2006年)。 ジャンプ着地時の、いくつかの生体力学的特徴は、ACL損傷に対してより危険性が高いと認識されており、それらのいくつかは男性よりも女性において多くみられる。横断面や前額面における股関節や膝関節のより大きな関節角度可動域や、股関節と膝関節における関節モーメント(例:より大きな膝関節の外転、股関節の内転、股関節と膝関節の内旋)は、アスリートをより高いACL損傷の危険性にさらす可能性があると考えられている。 更に、膝の外反は、股関節の内旋、内転、及び膝関節の外転を含むため、しばしば明らかな危険要因と考慮される。一方、矢状面での股関節と膝関節のより大きな関節可動域(より大きな股関節屈曲及び膝屈曲)は、柔らかい着地を可能にすることによりACL損傷の危険性を減少させると考えられている。 必然的にほとんどの障害予防プログラムは、スポーツの動きの際、これらの生体力学的条件が満たされてしまうことを減少させるよう構成されている。 このようなプログラムは多くの場合、神経筋制御を向上させるために、バランス、下半身の強化、プライオメトリック、アジリティトレーニングを含んでいる。しかしながら、このようなプログラムの様々な要素の有効性を評価することは困難であり、どの側面が飛び降り着地の生体力学を良い方向へ変化させるのに有益であり、どれが不要であるのかは明確ではない。 以前の研究評論において私たちは、レジスタンストレーニングが実際に膝の屈曲の度合いを増加させるということを見てきた。これはレジスタンストレーニングがACL損傷の予防プログラムに有益であるということを示唆している。以前のある研究では、プライオメトリックも同様に有益であるかもしれないと示している。 例えば、レファート(2005年)は、8週間に渡り、下肢の関節角度の動きに対する、プライオメトリックトレーニングプロクラムとレジスタンストレーニングの影響を調査し、両方のプログラムが、初動での股関節の屈曲可動域、最大股関節屈曲可動域、最大膝関節屈曲可動域、そして最大膝関節屈曲可動域までの時間の著しい増加につながると発見した。また彼らは、両方のプログラムが、最大膝関節屈曲モーメントと最大股関節屈曲モーメントの減少につながるとも記述している。 これは、私たちが、レジスタンストレーニングが矢状面での下肢の関節角度可動域と関節モーメントにもたらす効果と同じような効果を、プライオメトリックトレーニングに期待することができるかもしれないということを示唆している。 *** 研究者たちは何を行ったのか? 対象者は誰か? 研究者たちは、ドロップジャンプの際の下肢と体幹の生体力学に対する、4週間のコアスタビリティトレーニングと、同じく4週間のプライオメトリックプログラムの効果を比較しようと考えた。そのため彼らは、3地域の高校から14.8 ± 0.8歳の23名の女子を集めた。被験者はランダムに分けられたのではなく、コントロールグループとスタビリティグループはラクロスとサッカーチームの選手により構成され、プライオメトリックグループはラクロス選手のみで構成された。 何が行われたのか? グループは4週間に渡り、追加トレーニングなし(コントロールグループ)、追加のプライオメトリックトレーニング(プライオメトリックグループ)、もしくは、追加のコアトレーニング(コアスタビリティーグループ)を行った。研究者たちは、20分間の、機材を使わずに行うプライオメトリックトレーニングとコアスタビリティトレーニングをデザインした。 プライオメトリックトレーニングの構成要素は何か? プライオメトリックプログラムは、柔らかく、バランス良く、コントロールされた動きでの、テイクオフと着地のフォームに重点を置いた、両脚、片脚でのジャンプとスキップのエクササイズのシリーズにより構成されていた。最初の2週間のエクササイズは、前後の片脚ラインジャンプ、側方への片脚ラインジャンプ、ハイスキップ、ディスタンススキップ、ブロードジャンプ、タックジャンプ、交互の片脚ラテラルジャンプから構成されていた。 続く2週間のエクササイズは、フォワード片脚ホップ、ホップ~ホップ~着地、スクワットジャンプ、片脚最大垂直跳び、片脚幅跳び、ブロードジャンプ、垂直跳び、180度ジャンプ、片脚ラテラルジャンプから構成されていた。 コアスタビリティトレーニングプログラムの構成要素は何か? コアスタビリティプログラムは腹部、腰椎のスタビライザーと股関節の伸筋、外旋筋、外転筋のコーディネーションを向上させることを意図していた。最初の2週間のエクササイズは、アブドミナルドローイン、サイドプランクニーベント、サイドライングヒップアブダクション、サイドライングヒップエクスターナルローテイション(クラムシェル)、クランチ、手を頭へ置いての腰椎伸展、手を腰に当ててのウォーキングランジから構成されていた。 その後の2週間のエクササイズは、アブドミナルドローインをしながらのハムストリングブリッジ、四つん這いでの外旋と外転を合わせた股関節伸展、肘を対角の膝につけるクランチ、両腕を真っ直ぐに伸ばしたままでの腰椎伸展、両腕を頭上に挙げてのスクワット、ボールを投げながらのランジから構成されていた。 研究者たちは何のテストを行ったのか? 4週間に渡るトレーニングの前後に、研究者たちはジャンプの際の体幹側屈角度、股関節の屈曲、内転、及び内旋角度、膝関節の屈曲、外転、内旋角度、股関節の屈曲、内転、内旋、外旋関節モーメント、膝関節の屈曲、外転、内旋モーメントを含む数々の変数をテストした。 ***
側方歩行システム(ラテラル ゲイト システム)
私は、競技スピードや複数方向へのスピードについて、“ナチュラリスト”のアプローチに基づき多くの記事を書いてきました。 私は、我々のアスリートから学ぶ、という考え方を強い信じています。これが意味することは見る、聞く、そして学ぶというコーチングアプローチを適応させていく、ということです。 この記事では、私が側方歩行システム(ラテラル ゲイト システム)と呼ぶシステムについて学ぶことになりますが、この記事の前提は、指導するアスリートを見て学ぶことによって、より良いコーチになることを奨励するということです。 あなたは、彼らの言語化された、そして非言語のフィードバックも取り入れ、計画を立てることを学ぶ必要があります。 指導するアスリートに、何をするべきかを理解させる為に必要なコーチングを完了した後に、観察というプロセスが始まるということを理解しておいてください。 結果として、彼らがどのようにパフォーマンスをするかを見ることができます。もし彼らがスキルで苦戦しているのであれば、それはスキルをどのように遂行するかを理解していないのか、もしくは単に運動プログラムが発達するまで練習をする必要があるのかを見分ける必要があります。これがコーチングの腕の見せ所なのです。 側方歩行システム(ラテラル ゲイト システム) 側方歩行システムとは基本的にラテラル シャッフル時に起こる足部と脚部の動きのことです。これは前額面での循環動作です。 競技スピードの側面の多くのように、側方メカニズムは、身体が最も効率的に動くかということよりも、私達が、こうあるべきであると考えることのために誤解されてしまっています。 バスケットボール選手がオフェンスの選手を守る為に横方向に動き、オフェンスの選手のスピードが、ディフェンスの選手がシャッフルできる程度に遅い時(もしスピードが速すぎると、ディフェンスはクロスオーバーという別のスキルを使用します)、ある運動生理学的有利性が働くのを確認できます。 スタートブロックから飛び出したスプリンターのように、最終的には速いスプリントスピードに到達します。シャッフルを行っているバスケットボールの選手はより速く動く為に地面に向って力を生産するよう、継続的に脚を使わなければいけません。 ここにあるいくつかの力学的なポジションは、ほとんどのコーチが指導するものとは正反対になりますが、身体の本能的調整と利点において100パーセント自然なものです。 選手が右にシャッフルをしている時、左脚はパワーレッグとなり、身体を押し出します。 接地直前に足部は背屈し、強く踏み込まれ、身体を右に押し出す為に踏み出されます。足部が地面から離れ、脚部が伸展するやいなや、足部は臀部(股関節)の下に引き戻され、再び踏み込み、押し出す準備をします。もし左脚(押し出す脚)の足指を宙に描くとしたら、それは横に倒れた卵形をしています。 リードする脚は、この場合では右脚ですが、動きのスピードに関して能動的に参加することになります。この前額面でのシャッフルの動きにおいて、ハムストリングは内転筋よりも、より強く働くために、つま先は外に開き、踵は下に引っ張って引き戻す為に使われます。リードする脚は、決して臀部の下で交差することはなく、短い距離において引き込むのみです。足が臀部の下にくる直前になるとすぐに、引き上げられ、“更に地面を掴む為に”循環されます。この引く動作が効果的となるのは、リードする脚が引くと同時に、後ろ側の脚が質量中心/臀部をリードする脚の上に押し出すというタイミングで働くからです。もしもリードする脚が、単独で引かなければならないとすれば、動きは遅くなり、効率的ではありません。 足が臀部(股関節)の下方に接近する時があります。これは正常なことで、脚にその役割を完遂して欲しいのであれば、起こるべきことなのです。そうでなければ、押す動作と引く動作が完了しないために力は減少してしまいます。 もしディフェンダーが素早く止まらなければならないなら、リードしている足は、ほんの一瞬で方向を変え背屈することになります。これにより足首は背屈し、減速時に身体の重みを吸収する為の準備ができるのです。足首が背屈する必要があるもう一つの理由は、方向転換をする際、新たな方向への加速を始める為に即座のプッシュオフが必要となるからです。もし足が外に向いていたら(底屈)、力強いプッシュオフを作り出す下半身のストレッチ反射がなくなります。 これらは側方歩行システム(ラテラル ゲイト システム)の際に注意しておくべき、ほんのいくつかのキーポイントになります。他にも注意しておくべきキーポイントはこちらです: 骨盤を同じ高さに揃えておく。 肩が回旋し、横に振れないようにする。 背中はまっすぐに、丸まらないようにする。 動きの良き観察者であることは重要です。そうすることで、アスリートが繰り返し同じ間違いを起こしている時にシンプルな修正を加えることができます。アスリートが適切なポジションにいなければ、通常、より遅く、非効率的な動きとなります。 プライオステップとヒップターン(腰の回旋)のコンセプトについて、かなり頻繁に議論をしたことがあります。これらは、より伝導力のある加速角度を見つける必要がある際に、身体が請け負う2つの先天的な能力です。 プライオステップは足部の再編成であり、アスリートはアスレチックスタンスやポジションから素早く飛び出し、更なるクイックネスを提供する効率的な加速ポジションに移行することができます。 ヒップターン(腰の回旋)は同じコンセプトになりますが、アスリートが後退するとき、または後ろ向きに進む時に行われます。ヒップターンの時、足部は腰が回旋すると同時に力強く床に踏み込まれます。 この腰の回旋により脚部と足部は適切なプッシュオフの角度となり、アスリートが身体を開き、後退することができるようになるのです。 戦略として、逃げるため、攻撃するため、もしくはあらゆる方向でスピードを作り出す為の非常に爆発的な素早い動きにおいて、身体は非常に効率的である、という要点を強調する為に、プライオステップとヒップターンについて言及しました。私達はコーチとして、身体が示していることをもとにして、より良い仕事をしていく必要があります。 宿題 次回、バスケットボールの試合や横方向に動くアスリート達を見る際に、いくつかの点に注意してください。もし選手達が母指球に乗っているのであれば、彼らは可能な限りのパワーを生み出すことができません。彼らの足が素早く動いているように見えたとしても、それは彼らができる限り速く動いていることにはならないのです。 これからさらに このトピックに関しては、近い将来更に書いていくつもりです。なぜ身体がある特定のことを行うのかを、評価する時間を作ることができれば、動きをより良く理解することができます。 もしも身体が効率的でないことを行っているとしたら、通常、そのアスリートが身につけてしまった悪い習慣や姿勢の問題を持っているからです。そういう時に、教え、問題をその場で解決することが、私達の仕事なのです。私にとっての楽しみは、ここからスタートします。
腰痛の解決法(ビデオ)
多くの人が悩む腰部の痛み。症状がでているのは腰部だとしても、その原因は、身体の他の部分にあることがほとんどですよね。多くの人が経験する腰痛を緩和する為に使えるディストラクション(伸延)を、より3Dにダイナミックに、実際の機能ににた環境で行う方法をご紹介します。