レジリエンス:それは何か、そしてなぜ回復にとって重要なのか? パート1/2

レジリエンスとはセラピストによってより多く使用されるようなった言葉であり、流行用語かもしれないと示唆する人もいるので、この複雑な題材について私の考えを述べていきたいと思います。私は長らくこのことをブログに書きたいと思っており、そこで私が苦労したのはその記事を気軽なものに留め、学術的にしすぎず、そして何よりも長すぎないようにしようとしたことです。私は、集めたレジリエンスについての研究と個人的な経験のバランスを取ろうとしてみました。 本題に行く前に、このブログで私が主張したい3つの主な論点があります。 まず、レジリエンスとは男らしく(または女らしく)あることではなく、また、単に頑張り続けることではありません。それは人生においてポジティブな影響を与える特定の行動、精神面や身体面の重要性を認識する柔軟で順応性のある状態なのです。 二つ目に、レジリエンスとはレジリエンスであるとないという2つのみからなる状態ではありません。それは内的および外的な要因のバランスによって私たちが行き来する連続体なのです。 三つ目に、レジリエンスとは人によって見え方や感じ方が違います。あなたがレジリエンスとみなすものは、あなたが関わっている人と同じではないかもしれません。 レジリエンスとは何か? レジリエンスはSturgeonによってここで次のように定義されています。 「著しい困難や難題にもかかわらずポジティブな身体および感情的な機能を維持すること」 したがって、レジリエンスとは身体面および心理面の両方におけることなのです。しかし、この二つを切り離さないことが重要です(痛みと同様に!)。身体的なことにおいて多くの場合でレジリエンスを表しますが、そのためには強力な心理的な構成要素が必要であり、多くの心理的な利益をももたらすのです。 これも良い記事です。 Karolyはここでレジリエンスを次の様に定義しています。 「ストレスの多い環境や内的な苦悩にさらされながらも効果的に機能する」 両方の定義は「機能」および「痛みにも関わらず」という言葉を用いています。 これは、レジリエンスを様々な人において全く異なってみえる、非常に個体差のあるものとします。私たちに対してレジリエンスを表すものが他の人に対しても同じだと推測するという間違いを犯してはいけません。 痛みは多くの人にとって間違いなくストレスの多い状況であり、そしてそれが私たちの機能を妨げる時に実に問題となります。しかし、痛みというストレス要因に注目することはこの問題の一部かもしれません。本質的に、レジリエンスとは痛みの問題ではなく機能の問題としてとらえられるべきです。痛みという、多くの人(患者とセラピスト)が注目しえるものではなく、機能の認識と関連が重要な焦点とならなくてはならない(私の見解では)ことから、これは重要な区分けなのです。 Sturgeonはこの様に述べています: 「慢性痛の様な慢性的なストレス要因をコントロールしようとすることは、多くの場合で非生産的であり、ストレス要因のネガティブな効果を深刻化させることもあるでしょう」 持続可能性 GoubertとTrompetterはここで持続可能性のコンセプトを紹介しています;これは次の様に定義されています: 「逆境の中でも人生のなかで長期的なポジティブな結果に向かって行動する能力」 持続可能性は、痛みそのものよりも痛みを持つ人を対象にします。機能の回復よりも先に痛みが引くことに注目することもあるかもしれませんが、私たちはこれをレジリエンスを介して機能することを最初のステップとして逆にとらえることができるでしょう。 リスク要因よりもポジティブな特性に目を向けるために、持続可能性のコンセプトは重要です。これは、病気よりも健康に焦点を当てるAntonovskyの健康生成論のアプローチ(このリンクより)に少し似ています。 レジリエンスをまとめると、それは痛みや痛みに耐えることよりも、より人と機能に関したことです(私の見解です)。どのような痛みやケガに取り組むこともレジリエンスのいくつかの要素を必要とします。最も起こりやすい痛々しい問題の一つである急性的な腰痛は、腰痛の治療の最初の選択が、活動的であり続け、通常の活動に取り組みましょうというアドバイスを伴う、レジリエンスの必要性を示すいい例となるでしょう(このリンクより)。 もしかしたら、最初のレジリエンスは、より頑固な痛みの状態への移行を仲介するのでしょうか? 適応性と柔軟性 レジリエンスとはレンガの壁のようにとらえられるべきではありません。レジリエンスのある人とは、ただ単にどんなストレス要因にも影響されない不感な岩のような人ではありません。それはタフネスのことではなく、柔軟に適応できる状態のことなのです。 それは全く逆かもしれません。レジリエンスのある人たちは助けを求めようとするのに対して、強く寡黙なタイプは外見ほどレジリエンスがなく、助けを求めることで弱くまたは傷つきやすく見えることができないかもしれません。レジリエンスとは、圧力弁を開けて過剰なものを解放し、ストレスを減らす、またはストレスの多い状況でバランスをもたらすものを見極めることでストレスを減少させる能力のことかもしれません 痛みの軽減vsレジリエンス 長い間、セラピーは痛みを軽減することに駆動され、そしてこれが人々がケアを求める理由となっていることに疑いの余地がない一方で、 人々は痛みが彼らの生活や機能を妨げているという理由でもケアを求めており、もしかしたらこの理由のほうが大きいのかもしれません。 このFerraraによる研究では、痛みの強度よりも身体的な障害がケアを求めるより大きな理由であることを発見しました(このリンクより)。 レジリエンスを理解するためには、私たちの患者の機能と、彼らが何をレジリエンスを表すための主なマーカーとしているかを理解することを理解しなければならないのかもしれません。一般的にVAS(視覚的アナログスケール)のスケールと筋力といった身体的な数値が医療の成功を計測するために用いられてきました。しかし、これらの数値は、重要な活動やその人にとってレジリエンスが意味するであろうことをとらえているでしょうか?おそらくそうではないでしょう。この研究は、医療的に計ることができるものに対する人々の実際の目標というこのような題目について注目しています(このリンクより)。 そこで人々がレジリエントであるように手助けをするための良い出発点は、彼らがレジリエンスをどのようにとらえて、効果的に機能することをどのように定義し、そしてどのように彼らの現在の状態と望む状態の溝を埋めるかということを見つけ出すことでしょう。

ベン・コーマック 2873字

痛みからパフォーマンスへ

(フィットネストレーニングへの回帰のためのフィットネスコーチのガイド) イントロ クライアントやアスリートが怪我をしたとき、あるいは怪我をしてやってきたときの手順を決めていますか?あなたはパーソナルトレーナーとして、目標に向けたトレーニングに影響を与えないようにと、単に痛いことを避けていませんか? フィットネスコーチとして、それが、たとえ他の適切な専門家に紹介することだとしても、人々の問題の解決策を見つけることが私たちの責任です。もしあなたが、痛みを抱えたクライアントに対する手順を持っていないのであれば、このガイドを読めば必ず始められるでしょう。このような手順が整っていることは、絶対に譲れないことです。 私たちはヘルス&フィットネス業界にいることを忘れないでください...フィットネスの前に健康があります。 タイムライン まず最初に見る必要があるのは、その人が痛みからパフォーマンスへのタイムラインのどの位置にいるかということです。以下のアウトラインは、ある人が経験するであろう様々な段階を示す基本的な観点です。彼らが、このタイムラインのどこに位置するかで、どの程度リスクが高いか、どの健康専門職との連携が必要なのか、ワークアウトトレーニングの焦点は何かが決まります。 怪我をして障害がある:エクササイズや日常業務が実行できない。 炎症性または神経性の痛み:関節や筋肉の痛みが出たり消えたりするので、定期的にジムを休んでいる。 大したことはないがなかなか治らない痛み:関節や筋肉の痛みに悩まされ、ジムに通うのをためらうけれど通うことはできる。 機能不全の動作パターン:痛みはないが、すぐに怪我につながりそうな動きをしている。 パフォーマンスを上げるためのトレーニング:怪我もなく、機能不全の動きも最小限。パフォーマンスのためのトレーニングができる。 最悪のケースから始めると、怪我による障害で、痛みの解決策が見つけられておらず、ジムを休んだり、生活に影響を与えたりしている人です。日常生活での作業が苦痛であったり、完全に不可能であったりします。これはフィットネスコーチとしての業務範囲を大きく逸脱しているため、適切な専門家を紹介する必要があります。 タイムラインの次は、神経痛や炎症性の痛みを感じているものです。このタイプの痛みは、肉体労働から完全な休養まで、常にその間を行ったり来たりします。これもまだフィットネス業界の業務範囲外ですが、あなた自身の専門分野によっては、連携する健康専門職と連携して、ジムへの復帰の道筋を計画するようになるかもしれません。 炎症がひどくなったり、神経が痛んだりする前に、クライアントは、大したことはないが気になる痛み、ちょっとした挟まる感覚、硬さ、ちょっとした挟まるような感じ、詰まるような感じを経験するかもしれません。痛みはフラストレーションを引き起こしますが、必ずしも一日のうちで時間を作って直すほどの痛みとは限りません。これは通常、抗炎症剤の服用、ジムの小休止、特定の動作の回避、マッサージセラピーのセッションなどで対処されます。フィットネス業界では最も多く見られる段階です。 何らかの不快な痛みが実際に発生する前に、動作に機能不全があることに気づくかもしれません。これらの動作機能不全は、痛くはないのですが、テクニックが悪いように見えます。 これらは、エクササイズを難しくし、関節に過度の負担をかけ、クライアントのフィットネスゴールを達成することを難しくしてしまいます。 最後に、痛みがなく、動作パターンが技術的な規範の範囲内にある場合、ワークアウトはパフォーマンスまたは結果に焦点を当てたものになります。これは、ほとんどの人がそうなりたいけれど、まだなっていないところです。 専門職 この10年間、フィットネス業界を観察していると、重要なステップを飛ばし、人々がジムに通い始める時の状態がどうなのかをほとんど無視しているように思います。フィットネス業界の業務範囲では、私たちは「健康な対象者を想定して」指導しているとされていますが、これは、より低い基準のエントリーレベルの資格を認め、あらゆるリスク(どんなに予測可能で予防可能でも)をクライアントやアスリートに押し付けるものです。 より良いサービスを提供するために、フィットネスに向かう各段階において、どのような健康専門職と協力すべきかを考えてみましょう。 怪我をして障害がある:外科医、理学療法士 炎症性または神経性の痛み:外科医、理学療法士、運動生理学者 大したことはないがなかなか治らない痛み:理学療法士、運動生理学者、スペシャリストストレングスコーチ、マッサージセラピスト 機能不全の動作パターン:運動生理学者、運動科学者、スペシャリストストレングスコーチ、マッサージセラピスト パフォーマンスを上げるためのトレーニング:スペシャリストストレングスコーチ、一般ジム/フィットネスコーチ 怪我をして身体が不自由な場合は、外科医や理学療法士が主にその人の治療にあたります。より高いレベルの力を発揮する前に、通常の日常生活に戻れるようにする必要があるのです。 炎症性疼痛や神経痛のある方は(診断によっては)外科医、理学療法士、あるいは運動科学者や生理学者と連携することになります。 クライアントが関節の大したことはないけれどなかなか治らない痛みや軟部組織の損傷を解決する場合、その問題はほとんどの場合、ジムで修復されるか、クリニックとジムの組み合わせで修復されるでしょう。この段階では、理学療法士やマッサージセラピスト、リハビリ専門のストレングスコーチや動作回復コーチなどの専門家の協力が必要になることがほとんどでしょう。 もし誰かが、怪我のリスクが高いことを示す機能不全の動作パターンを提示した場合、大したことはないけれどなかなか治らない痛みの提示との主な違いは、痛みそのものでしょう。このクライアントに携わる専門家は、ほとんどがスペシャリストストレングスコーチ、運動科学者、マッサージセラピスト(臨床的介入はほとんどない)でしょう。 クライアントが痛みや機能不全の動きを見せなければ、かなり自由に誰とでも仕事ができますし、一般のジム/フィットネスコーチにもより向いています。 トレーニングの焦点 これらの段階には、ジムやクリニックでトレーニングする際の特定のフォーカス、または意図があります。 ステップを飛ばしたり、急いだりすると、クライアントがタイムライン上で間違った方向に進んでしまう可能性があります。 怪我をして障害がある:非常に専門的なリハビリを行い、軽負荷から無負荷、回復に重点を置いている。 炎症性または神経性の痛み:非常に専門的なリハビリ、40%未満の負荷、広範囲なウォームアップ、ワークアウトはウォームアップの小さな延長に過ぎない。 大したことはないがなかなか治らない痛み:コレクティブエクササイズに特化したワークアウトにマッチした特別なウォームアップを行う。負荷と強度は痛みによって決定される。 機能不全の動作パターン:コレクティブエクササイズに特化したワークアウトにマッチした特別なウォームアップを行う。負荷と強度は、正しい技術によって決定される。 パフォーマンスを上げるためのトレーニング:一般的な、非特異的なウォームアップ。ゴールやパフォーマンス重視のワークアウト。回復に大きく注目する。 怪我で休んでいるときは、トレーニングの焦点はあくまでリハビリ、低負荷、低強度で、痛みなく、最小限の代償で日常生活動作に戻ることを目指します。 炎症性疼痛や神経痛は、上記と同様に低負荷・低強度です。ワークアウトは、ジムスタイルの設定の場合、非常に広範なリハビリのウォームアップからのちょっとした延長線上にあるものになります。 大したことはないけれどなかなか治らない痛みを抱えるクライアントには、コレクティブの強化やモビリティワークアウトに完璧に合致する、長くよく考えられたコレクティブ重視のウォームアップを行います。処方されるすべての運動には、痛みを回復させ、より強い運動パターンを回復させる意図があります。 痛みがなくても、明らかな動きの偏位がある場合、従来のワークアウトを思わせるようなワークアウトになるでしょう。 しかし、ウォームアップもワークアウトも、パフォーマンスの結果を追求するよりも、より強い動作パターンを回復させることに重きを置いています。フィットネスへと進むこの段階では、どの動作がコレクティブエクササイズを必要とし、どの動作がパフォーマンスのために駆動できるかを分けることができます。例えば、肩のパターンが悪く、注意が必要な人がいれば、パフォーマンスの成果のために下半身のエクササイズを処方することができるのです。 しかし、パフォーマンスのためのトレーニングは誰もが望むところであり、すべての痛みのポイントがクリアになり、動作パターンが技術的な規範に近づけば、このスタイルのトレーニングが可能になります。ウォームアップは、パフォーマンスや目標の成果に向けて駆動するワークアウトで、非常に基本的でダイナミックな印象です。ここから怪我をしないためには、回復の方法、適切な運動処方、健康的な食事と生活習慣が重要です。 結論 フィットネス業界は今、大きな転換期を迎えようとしています。私たちの消費者は、想像を絶する激しいトレーニングで最高のパフォーマンスを発揮したいと望んでいますが、販売されているフィットネスシステムが持続可能でないことに気づいています。フィットネス業界はこれまで、「痛みは身体から外に出ていく弱点」という考え方で、「壊れるまで鍛える」という文化を育んできました。 その結果、ジム通いの人たちは、実際に怪我をしてジムの会員権を解約して理学療法士や外科医に診てもらうまで、痛みを無視するようになりました。 人間の動きのパターンの変化を評価するシステムを導入することで、その変化を早期に察知することができ、「リハビリ」のように見えることなく、プログラムを「コレクティブに」変化させることができるのです。人々が壊れてしまうまで壊れているように感じさせるのではなく、これがベターな選択だと思います。「大したことはないけれどなかなか治らない痛み」や「機能不全の動き」の段階を飛ばしたり無視したりせず、評価プロトコルと、クライアントの現在の状態に合わせてフィットネスプログラムを適応させるシステムを持ってください。そうすれば、一生涯の顧客と、他の誰も受け取らないような証言を得ることができると約束します。

ファンクショナル・トレーニング・インスティチュート 4506字

肩の健康をサポートするウォームアップ

障害をおこしやすい肩関節周辺の構造をサポートするための動きの数々をご紹介します。シンプルな動きを使い、身体の近位から遠位に向って可動域を高めるドリルをウォームアップのプログラムに加えてみてください。

エリック・クレッシー 5:38

肩のモビリゼーションテクニック

モンスターバンドを使った動きのコントーロール方法に関わるアイデアや、アイソメトリック収縮を用いた深い可動域の強化方法、近位から遠位に向かって動かす強化方法など、様々に応用できる関節可動域の幅広い強化方法をレニー・パラチーノがご紹介します。是非試してみてください。

レニー・パラシーノ 6:36

脚の最大の発達のために“ただスクワット”すればいいのか?

一日おきに、誰かが、フォーラムに下半身のトレーニングを作成する一番の方法についての質問を掲示します。 少なくとも一人の善意あるリフターが、「ただスクワットをしなさい」という薦めを回答します。 しかし、スクワットのみで本当に最適な脚の筋発達のために十分なのでしょうか? ただスクワットをするとはどういう意味ですか? 誰かが“ただスクワットをする”という時、彼らがどういう意味で言ったのかははっきりしているわけではありません。 もしあなたがそのアドバイスを文字通り読むならば、それはあなたのレッグトレーニングのすべてとして“ただスクワットをする”という意味になるでしょう(なのであなたはその他のレッグエクササイズを何もしません)。しかし、人々は時々、ハムストリングスを除くすべてのエクササイズとして“ただスクワットをする”ことを意味しています(なのであなたはいくらかのハムストリングカールもします)。そして時には、人々が“ただスクワットをする”と言っているのに、あなたは後で彼らがデッドリフトやヒップスラストもしていて、基本的に彼らの“ただスクワットをする”という助言が、本当は大腿四頭筋だけに当てはまるのだと知るのです。 上のような混乱に関係なく、私はこの記事で二つの問題に注目したいと思います: スクワットはハムストリングスの発達のために良いエクササイズかどうか、 そしてスクワットは大腿四頭筋すべてに効果的なのかどうか。 明らかに、これは臀筋(Bret氏、ごめんなさい!)と内転筋の議論を除きますが、それらの筋肉はまったく独自の別な記事にする価値があると私は思います。 #1. ハムストリング:ただスクワットをする、でもデッドリフトもする? 知識のあるフィットネスプロフェッショナルとして、あなたはスクワットが大腿四頭筋、大内転筋、そして大臀筋に非常に効果的であるが、ハムストリングスにはそれほど効果がないことをほぼ確実にすでに理解していることでしょう(Wright et al. 1999)。 基本的に、それがポステリアチェーンのための良い筋力トレーニングプログラムの中にデッドリフトバリエーション(そして他のエクササイズ)がいつも含まれている理由です。ハムストリングスのアクティベーションは、一般的にスクワットでは低いのです。 しかしながら、ハムストリングスがスクワット中に働いているという考えを却下する次のような他の理由もあります: スクワットのバーベル負荷の増加は、ハムストリングスのアクティベーションを増加させないが、大腿四頭筋及び大臀筋両方のアクティベーションが顕著に上昇する要因となる(Li et al. 2013) スクワットの力とハムストリングスのアクティベーションの間の相関関係は、ハムストリングスでは低~中程度だが、大腿四頭筋では強い線形相関がある(Luera et al. 2014) スクワットの深さを同じバーベル負荷で増加させることは、ハムストリングスのアクティベーションを増加させないが、大腿四頭筋及び大臀筋のアクティベーションの大きな増加の要因となる(Gorsuch et al. 2013; Contreras et al. 2015b) 筋骨格系モデルは、ハムストリングスが大臀筋と同じくらいの度合で貢献する股関節伸展のストラテジーを用いることは、そのストラテジーが膝関節でのコ・アクティベーション(同時活性化)を増加させて大腿四頭筋をより使わせることから、非効率的であると示唆している(Bryanton et al. 2015) なぜハムストリングスはスクワットで活性しないのか? 身体力学的に、スクワットにおけるこの乏しいハムストリングスのアクティベーションは、恐らく4つのハムストリングスの筋肉のうち3つが二関節筋であるからです。 それゆえに、これらは股関節伸展筋及び膝関節屈曲筋として働きます。 そのため、身体が下に下がる(股関節屈曲及び膝関節屈曲をしながら)につれて、筋肉は膝関節で短縮し、股関節で伸張しようとして、結局ほとんど同じ長さのままになります。そして上に上がる(股関節伸展及び膝関節伸展をしながら)につれて、筋肉は膝関節で伸張し、股関節で短縮しようとし、また結局ほぼ同じ長さのままになるのです。 これはハムストリングスをスクワットでの股関節伸展筋として極めて非効率的にします。 もしあなたがまだ信じていないのであれば、今この瞬間も、研究がハムストリングスのアクティベーション不足について何といおうが気にしない、だってスクワットをしているとき脚の裏側が働いているのを感じることができるから、と考えているかもしれません。 私が偉そうに反論できるでしょうか? あなたはスクワット中に、太ももの後面が働いているのを感じるはずなのです。それはあなたの大内転筋がある場所です。 奇妙なことに“内転筋”と呼ばれていますが、大内転筋は実際、スクワットにおいて非常に重要で大きな股関節伸展筋で、ハムストリングスのかなり近くにあります。 しかしその脚の後ろの感覚は、多くの場合恐らくハムストリングスによってもたらされたものではありません。 #2. 大腿四頭筋:4つすべての筋肉 それでは、質問のより難しい部分に取り組みましょう。大腿四頭筋です。 最近、研究者のグループが、中間広張筋(tensor of the vastus intermedius)と呼んでいる新たな大腿四頭筋の筋肉を発見しましたが(Crob et al.2016)、大腿四頭筋は太ももの前面にある4つの筋肉で作られています。これは解剖学的命名にとって非常に厄介な意味あいを持っています。 それはさておき、4つの主な大腿四頭筋は: 外側広筋 内側広筋 中間広筋 大腿直筋 その4つの筋肉のリストのうち、はじめの3つは膝関節の伸展筋としてのみ機能する単関節筋です。大腿直筋は、ハムストリングのように二関節筋で、股関節屈曲筋及び膝関節伸展筋として働きます。 全体的に、外側広筋は最も大きい筋量を持ち(674㎤)、次に中間広筋(580㎤)、内側広筋(461㎤)、最後に大腿直筋(339㎤)が続きます。 筋肉の力の生産能力を駆動する生理学的筋断面積の観点から見ると、下のチャートでも示されている通り、これらは実際驚くほど類似しています(Erskine et al. 2009)。 ここで私たちが取りあげるべきなのは、もし私たちが脚のサイズをその最大範囲まで発達させたければ(そしてただスクワットが上手になるだけでないなら)、用いているエクササイズが4つの大腿四頭筋すべてに働いていることを確かめなくてはならないということ。 そうしなければ、私たちは筋肉の発達をいくらかのやり残してしまうでしょう。 スクワットは大腿直筋を発達させるか? 従来、スクワットは大腿四頭筋全体を最も発達させるものだと考えられてきました。 この考えは、大腿四頭筋の単関節筋を解析した研究によって、間違いなく支持されてきました。例えば、Signorile et al. (1994)は、外側広筋と内側広筋のスクワットにおけるアクティベーションを筋電図(EMG)で調査し、それをニーエクステンションと比較しました。彼らはスクワットの方が優れていることを発見しました。同じように、Ebben et al. (2009)は、外側広筋にはニーエクステンション、ステップアップ、そしてデッドリフトよりもスクワットの方がよかったことを発見しました。 一方で、“ただスクワットをする”というのは、大腿直筋にはあまりよく効果がないように見えます。 これは、ニーエクステンションエクササイズにおける大腿直筋のアクティベーションレベルが、スクワットと比較してより高いことを示す筋電図の研究(Ebben et al. 2009)からのみでなく、長期的試行からも見ることができます。 ある重要な研究、Fonseca et al. (2015)は、スクワットのみを行う2つのグループと、様々なエクササイズ(スクワット、レッグプレス、デッドリフト、ランジ)を行う2つのグループの、4つの異なるグループを、長期的トレーニングプログラムに渡り比較しました。様々なエクササイズを行った2つのグループは、大腿四頭筋のサイズが4つすべての筋肉(大腿直筋を含む)において増加しましたが、ただスクワットだけを用いた2つのグループでは、3つの単関節筋のみ大腿四頭筋のサイズが増加しました。 スクワットトレーニング後の大腿直筋の成長不足は、恐らくこの筋肉が股関節屈曲筋と膝関節伸展筋の両方であるからです。 身体が下に下がる(股関節屈曲及び膝関節屈曲をしながら)につれて、大腿直筋は膝関節で伸張し、股関節で短縮しようとして、結局ほとんど同じ長さのままになります。そして上に上がる(股関節伸展及び膝関節伸展をしながら)につれて、筋肉は膝関節で短縮し、股関節で伸張しようとし、また結局ほぼ同じ長さのままになるのです。 これは大腿直筋をスクワット中極めて非効率的にし、そのためこの筋肉は恐らく(ハムストリングスのように)通常それほど使われないのです。 大腿直筋を発達させるエクササイズは何か? 上で述べた通り、ニーエクステンションエクササイズでは、スクワットに比べより高いレベルの大腿直筋のアクティベーションがあります(Ebben et al. 2009)。これは、長期的なトレーニング研究による証拠で支持されています。 事実、下のチャートで示されているように、大腿直筋は単関節の、マシンによるニーエクステンショントレーニングによって、他の3つの大腿四頭筋よりも比較的成長するように見えます(Ema et al. 2013): ここでマシン・ニーエクステンションに表れされているように、同時に(そして同じような大きさで)股関節屈曲及び膝関節屈曲動作をさせないエクササイズにおいて、大腿直筋を非常に効率的に鍛えることができるように見えます。 まとめ もしあなたがスクワットを上手になりたいのであれば、もちろん“ただスクワットしましょう”。 一方で、もしあなたが完全な脚の発達を臨むのであれば、あなたは“主にスクワットをする”と言いつつも、さらにいくつか追加でハムストリングスのエクササイズ、そして大腿直筋のエクササイズを一つ加える方がよいでしょう。 これに関して、いくらかのトレーナーには無視されがちですが、ニーエクステンションは少なくともボディビルダーにとっては恐らく理想的なエクササイズなのです。 参照 Bryanton, M. A., Carey, J. P., Kennedy, M. D., & Chiu, L. Z. (2015). Quadriceps effort during squat exercise depends on hip extensor muscle strategy. Sports Biomechanics, 14(1), 122-138. Contreras, B., Vigotsky, A. D., Schoenfeld, B. J., Beardsley, C., & Cronin, J. (2015). A Comparison of Gluteus Maximus, Biceps Femoris, and Vastus Lateralis EMG Amplitude in the Parallel, Full, and Front Squat Variations in Resistance Trained Females. Journal of Applied Biomechanics. Ebben, W. P., Feldmann, C. R., Dayne, A., Mitsche, D., Alexander, P., & Knetzger, K. J. (2009). Muscle activation during lower body resistance training. International Journal of Sports Medicine, 30(1), 1-8. Ema, R., Wakahara, T., Miyamoto, N., Kanehisa, H., & Kawakami, Y. (2013). Inhomogeneous architectural changes of the quadriceps femoris induced by resistance training. European Journal of Applied Physiology, 113(11), 2691-2703.] Erskine, R. M., Jones, D. A., Maganaris, C. N., & Degens, H. (2009). In vivo specific tension of the human quadriceps femoris muscle. European Journal of Applied Physiology, 106(6), 827-838. Fonseca, R. M., Roschel, H., Tricoli, V., de Souza, E. O., Wilson, J. M., Laurentino, G. C., & Ugrinowitsch, C. (2014). Changes in exercises are more effective than in loading schemes to improve muscle strength. The Journal of Strength & Conditioning Research, 28(11), 3085-3092. Gorsuch, J., Long, J., Miller, K., Primeau, K., Rutledge, S., Sossong, A., & Durocher, J. J. (2013). The effect of squat depth on multiarticular muscle activation in collegiate cross-country runners. The Journal of Strength & Conditioning Research, 27(9), 2619. Grob, K., Ackland, T., Kuster, M. S., Manestar, M., & Filgueira, L. (2016). A newly discovered muscle: The tensor of the vastus intermedius. Clinical Anatomy, 29(2), 256-263. Li, Y., Cao, C., & Chen, X. (2013). Similar electromyographic activities of lower limbs between squatting on a reebok core board and ground. 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ストレングス・コンディショニング・リサーチ 4510字

股関節屈曲の理解とトレーニング

私のウェブサイトのフォーラムにおける最近の投稿で、複雑な質問に対して短い回答をすることは、大抵の場合、有効ではないということを実感しました。私のウェブサイトの読者の数名は、弱い、または、不活性の腰筋に関する最近の話は全て、人々が流行に乗っているだけだと思っているようです。私はそれに強く反対する一人です。 股関節屈曲の生体力学に関する知識の向上は、ここ5年間で私が学んだことの中で最も価値のあることの一つだと思っています。一般的に、股関節屈曲、特に腰筋を理解することにおける問題は、5つの筋肉に対して、そのうち4つは、残りの1つに対し、てこの位置が明らかに異なっているのに、「股関節屈筋」という一般的な言葉を使って総称されてしまっていることでしょう。私も、過去には、この業界の専門家の多くと同じように、股関節屈筋群の筋肉に対して何も区分けをしていなかったことを認めなければなりません。股関節屈筋群の筋肉は全て一緒に作用して股関節を屈曲しているようだというだけで、その時の私には十分でした。しかし、理学療法士のシャーリー・サーマンの著書を読み進めるうちに、私の股関節屈筋群に対する考え方は、他の多くの筋群に対する考え方と同様に変わったのです。 サーマンが著書「Diagnosis and Treatment of Movement Impairment Syndromes (運動機能障害症候群のマネジメント)」で述べている見識は、ストレングス&コンディショニングの分野の障害における謎の多く、特に「股関節屈筋」や「大腿四頭筋」の肉離れの謎を説明しています。股関節屈曲の動作を理解する鍵は、股関節屈曲に関与している複数の筋肉の解剖学的作用を考えることです。股関節屈曲に関与することのできる筋肉は5つあります: 大腿筋膜張筋(TFL)、大腿直筋(大腿四頭筋の一部であり股関節屈筋でもあるところが異なっている)、腸骨筋、縫工筋、そして腰筋です。前述の通り、このうち3つの筋肉には共通するものがあり、2つは明らかに異なっています。 常套句ではありますが、ポイントは類似ではなく、相違にあります。大腿筋膜張筋、大腿直筋、縫工筋は全て腸骨稜に停止部があります。これは、これらの筋肉が股関節の高さまで股関節屈曲ができることを意味します。これは単純に機械的テコの原則による機能です。腰筋と腸骨筋は異なります。腰筋は腰椎すべてに起始があり、腸骨筋は腸骨の内側に起始があります。これにより2つのはっきりした違いが生まれます。 1. 腰筋は脊柱に直接的に働く。脊柱の安定筋および屈筋として働くことも可能である。 2. 腰筋と腸骨筋だけが股関節屈筋の中で、股関節屈曲を90度以上にすることのできる筋肉である。 腰筋および腸骨筋が弱い、または不活性の場合、大腿骨が股関節より上の高さまで動くこともありますが、これは腰筋および腸骨筋の作用ではなく、他の3つの股関節屈筋群によって生み出されたモメンタムによるものです。私はこの知識をもとに、腰痛や、「股関節屈筋の損傷」、「四頭筋の肉離れ」に対する私たちの知識は劇的に拡張されていると考えています。特定の障害の話をする前に、腰筋および腸骨筋の機能の評価方法を見ていきましょう。サーマンのテストはシンプルです。片脚で立った状態で、膝を胸の方向へひきつけ、放します。膝を股関節屈曲が90度より高い位置で10-15秒維持できないことは、腰筋、または腸骨筋が弱いことを示唆します。 他のサイン: - 腸骨陵の大腿筋膜張筋のエリアの攣り - 即時に起こる後傾による代償動作 - 左右への大きな骨盤移動 - トップポジションからの即時の下降と90度の位置における「キャッチ」 これらのサインは全て、クライアントまたはアスリートが弱い、あるいは不活性の筋肉を代償しようとしていることを示唆しています。大腿筋膜張筋の攣りは、典型的な相乗的優位の表れです。不利な位置で収縮を試みると、筋肉は痙攣します。股関節屈曲が90度を超えた状態では、大腿筋膜張筋はすでに収縮していて、不利なてこのポジションでは、保持するのに必要な力を発揮することができません。そのため、臀筋が不活性の状態でブリッジを行うとハムストリングが痙攣するのと同様に、結果として痙攣につながるのです。ハンギングニーレイズをしようとすると(代償動作につながるためほとんどの場合行われないエクササイズ)、痙攣や肉離れが起こるのは大腿直筋ですが、ここでも同じ影響が見られます。 試験者が、被験者が代償動作に長けていることを心配しているのなら、腰筋/腸骨筋のエクササイズとして私たちが開発し、気に入っている、より良いテストがあります。実際は、このテストは、ストレングス&コンディショニングコーチのカレン・ウッドによって開発されました。クライアント、またはアスリートの片足をプライオボックス(大抵の場合、61cmが良い)の上にのせ、膝を股関節より高い位置にします。両手は頭上もしくは頭の後ろにおき、足をボックスから浮かせた状態で5秒維持します。足を挙げられない、または保持できなければ、腰筋および腸骨筋が弱いことがわかります。負荷を加え、エクササイズをテストとして使うためには、側方からの抵抗やバンドを使って等尺運動の難易度を高めることができます。 股関節よりも低い位置からの腰筋のテストは、腸骨起始の股関節屈筋群が優位なてこのポジションにあるため、もともと無効だということは特筆すべきです。腰筋と腸骨筋のユニークな機能的関与を理解すると、弱い筋肉や不活性の筋肉が、いかにして腰痛および大腿四頭筋の損傷、両方の原因になり得るかがわかります。腰痛があり、股関節を90度以上屈曲できないと、クライアントやアスリートは腰椎を屈曲して股関節屈曲をしているような錯覚を作り出そうとします。膝を胸に近づけるように指示されたときに、何人のクライアントおよびアスリートが即座に腰椎を屈曲するかを観察してみてください。膝を胸に近づけるのと胸を膝に近づけるのには、はっきりとした違いがあります。膝を胸に持ってくること、および股関節より上に持ってくることは、腰筋と腸骨筋を使う、または使おうと試みることを強います。もしこれができなければ、下記のうちのひとつ、あるいは3つ全てが起こります。 1. アスリートやクライアントは、脊柱を屈曲して胸を膝に近づけるでしょう。最初の観察ではこれは同じように見えますが、腰痛という点からみると、これほどの違いはありません。腰椎の屈曲は骨盤変形の主要な原因です。股関節の動きを腰の動きで置き換えるアスリートやクライアントは腰痛になります。 2. アスリートやクライアントは、大腿筋膜張筋や腸骨に起始を持つ他の股関節屈筋を使って股関節を屈曲するでしょう。この場合、彼らは低レベルの大腿筋膜張筋の痛みを訴え始めるでしょう。これは、協働筋の酷使によるもので、大腿筋膜張筋の相乗的優位につながり、さらには腰筋および腸骨筋の機能不全につながります。これは屈曲姿勢を強いられるホッケー選手によく見られるものです。 3. アスリートやクライアントは、股関節屈曲をするために大腿直筋を使うでしょう。これがスプリンターやフットボールの40ヤードダッシュ時に起こる、謎の「四頭筋の肉離れ」です。この場合、障害の仕組みは上で述べたものと同様ですが、犯人は大腿筋膜張筋ではなく、大腿直筋になります。ほとんどの「四頭筋の肉離れ」や「四頭筋の損傷」は、多関節の大腿直筋に限られるということは特筆に値します。一般的に、痛みは大腿直筋が大腿四頭筋に入っていく腿の真ん中あたりに起こります。腰筋および腸骨筋は股関節の前側、臀筋は股関節の後ろ側にあります。弱い大臀筋はハムストリングの相乗的優位につながり、股関節伸展を代償するために腰椎伸展が起こります。これが、腰痛、股関節の前方の痛み(これもハムストリングを股関節伸展の主動筋として使うと、大腿骨のてこが変わり、関節包前部の痛みが起こる、というサーマンのポイント)、ハムストリングの緊張につながります。この逆は文字通り、弱い、または不活性の腰筋による、伸展ではなく屈曲による腰痛、大腿筋膜張筋および大腿直筋の損傷です。 障害予防や障害のリハビリテーションにおける鍵は、機能解剖学の正しい理解です。過去の過ちを繰り返すことをやめ、解剖学、生体力学の観点から学ぶことがまだまだたくさんあることを認識しなければなりません。少し深く学んだことで、私が解剖についてどれほど少ししか理解していなかったかに驚愕しました。私が過去3年間で読んだ中で、最も素晴らしかったものの一つがシャーリー・サーマンの次の言葉です。「筋肉が挫傷した場合、最初に行うことは、弱い、または不活性の協働筋を探すことです。」 怪我について考えるとき、それはただ起こるのではなく、物理の法則に沿って、機能解剖学に則った理由を持って起こるものなのです。

マイク・ボイル ストレングス&コンディショニング 3744字

腰痛を抱える人のトレーニングのための7つのコツ パート2/2

#4 胸郭を解放する 何年もかけて、私が発見したことの一つは、腰部に問題を抱えている人々は、多くの場合、胸郭の動きが少ししか(あるいは全く)ないということです。 私は、この発見に関して全ての賞賛を貰いたいところですが、私の豆サイズの脳の中でこの考えを具体化させたのは、実は2016年のフィジカルプリパレーションサミットでのビル・ハートマンの話でした。 まずはじめに、「胸郭」という単語を恐れないでください。こちらが定義です: “哺乳類の首と腹部の間の身体部分。肋骨に囲まれた腔、胸骨、背側椎骨を含み、循環と呼吸の主要器官を内包する;胸” つまり基本的に、胸と上背部のエリアのことです。 胸郭を解放する際、私は一般的に、胸郭の動きを大まかに二つ考えています: 胸郭を回旋する(より横断面の動き) 胸郭を屈曲する(より前額面の動き) この描写に関して、より詳細または技術的にすることができる人は確実にいると思いますが、レーナード・スキードのように、私はシンプルな男なので、これで行きます! 私達が胸郭を回旋について語る際、腕の動作はより水平に注目しています(前後と考えてください)。 片膝立ちのオルターネーティングケーブルプレスは、素晴らしい例です。私たちの目標は、下半身とコアを固定し、胸郭を通して、上から回旋を引き出すことです。

マイク・ロバートソン 3154字

腰痛を抱える人のトレーニングのための7つのコツ パート1/2

私は、このトレーニングというものを20年近く行ってきて、皆さんに一つ言えることがあります: あなたとトレーニングをするほぼ全てのクライアントやアスリートは、何らかの問題を抱えています。 実際、痛みや問題が全くない新しいクライアントやアスリートのトレーニングを行うことは、近所のコーヒーショップでハリー・ポッターに会うようなものです。 それってすごいことじゃないですか?もちろんです! 美味しいアメリカーノを飲みながら、悪のヴォルテモート卿を打ち負かすことについて話したくない人なんていないでしょう? しかし残念ながら、それは(もしあったとしても)滅多にないことなのです。 膝や股関節、肩の機能不全を抱える人々が間違いなくある程度いる一方で、腰部の問題ほど、トレーニングによる成果を押しつぶす怪我は他にないように感じています。 腰部に関する問題は、確かに扱うことが厄介になり得ますが、同時に、それがあらゆるリフティングのキャリアの終了宣告になるべきではありません。 事実、その背景となる可能性のある全ての問題に重点を置いた、全体的なトレーニングプログラムをまとめるときには、クライアントを今までよりも、そしてそれが怪我をした後だとしても、より大きく、より引き締まった、より強い身体にすることができると、私は強く信じています。 先にも述べたように、私はもう長いことこういったトレーニングを行っていますーそれは、私に十分すぎるほどの失敗をさせてもくれました。 今から述べるのは、腰痛を抱えるクライアントやアスリートのトレーニングを助けるだけでなく、そのプロセスを通して、彼らが限りなく良く動き、良く感じることを助けるために、私が長年使ってきた7つの策略です。 はっきりさせておきたいので(そして個人的な責任のために)、これを言わせてください: 腰部に深刻な問題を抱えているクライアントやアスリートがいたら、真剣なトレーニングプログラムを始める前に、資格ある医学の専門家に許可をもらってください。 ではさっさと本題に入りましょう、腰痛に対してどのようなトレーニングができるかについて! #1 矢状面から抜け出せ 私にはパワーリフティングをしていた経歴があり、全ての人がプログラムの中に健全な量の爆発的な、複合的リフトが必要だと強く信じています。 スクワットであれ、デッドリフトであれ、ベンチプレスであれ、これらのリフトは、あなたの強さを増し、筋肉を構築し、体脂肪を削ぐことに役立ちます。 しかし、私が全てのクライアントやアスリートにこれらのリフトのバリエーションや派生的なものを学んで欲しいと思っていても、場合によっては、それが困難な戦いになるとわかっています。 クライアントがやってくるときは大抵、彼らは矢状面の扱い方を理解していません。身体を安定させるための彼らの唯一の戦略は、膝、股関節、そしてもちろん腰部に問題を引き起こし得る、伸展です。 そのため、伸展ベースの戦略に陥ることを許してしまう両側性のスタンスのエクササイズはやらせずに、動きの3面で安定させることを強いるスプリットスタンスやシングルレッグのエクササイズをやってもらいます。 これは、腰部に問題を抱える人に対して、複数の良いことをしてくれています: 動きの3面全てで安定させることを強いる スプリットスタンスのエクササイズの場合、股関節屈筋群の緊張および硬さ(伸展を促進する)を和らげる スプリットスタンスおよびシングルレッグのリフトでは、外的負荷を減らす傾向にあり、それが症状の緩和につながる ここで私は、あなたがクライアントやアスリートにスクワットやデッドリフトをさせることはできないとは言っていません。先に述べたように、私の目標は、最終的には全員がこれらのリフトの何らかのバリエーションを行うようにすることです。 でも初期段階で、誰かが両側性のリフトに相当苦しんでいるとしたら、問題の周囲から取り組み、スプリットスタンスやシングルレッグのエクササイズを使うことを考えてください。 #2 直立姿勢を保つ フロントスクワットは高重量でできるのに、次にヒンジをさせると、クリスマスツリーのように腰が点灯するクライアントやアスリートを抱えたことはありますか? もちろんありますね。 私たちは皆あります。 広い、一般論を述べるのは好きではありませんが、多くの場合、腰部は圧倒的に、剪断力よりも圧縮の力をうまく扱っています。 次のパートは少しわかりにくいかもしれませんが、最善を尽くして簡単にします… 脊柱をまっすぐに保つ時(プレート、ゴブレット、2つのケトルベルを持ったフロントスクワットでするように)、脊柱の椎骨は互いに積み重ねられています。重力が下に引くことを考えると、胴体が直立していれば、力は脊柱を通してまっすぐ下にに向かいます。 対照的に、前屈したり、ヒンジを行う時は、重力は同じく下に引っぱりますが、脊柱は地面に対して平行になります。この場合、椎骨は、互いに”滑る“ことがないように働きます - 椎骨は脊柱の本来の位置を保つために剪断力に対抗しています。 繰り返すと- ほとんどの脊柱は、最初は剪断力よりも圧縮の力を好みます。 これこそが、私が腰部に問題を抱える人にプログラムの初期でスクワットをさせるとすれば、上体を起こした状態で行うバリエーションに留まる理由です。プレートやゴブレットスクワットは、どちらも始めるのにとても良いものです。 #3 本物の腹筋を構築する クライアントやアスリートから下記のような言葉を何度聞いたかわかりません: “私はただ腰が弱いんです。” いや。 いや。 いや、いや、いや、いや、いや、いや。 復唱してくださいーあなたは弱い腰を持ってはいません。 脊柱および骨盤のポジションが悪いと、腹部は安定性を作り出すのに最適ではない位置に置かれ、腰部の筋肉(脊柱起立筋、多裂筋など)が通常の役割以上に働くことを強いられます。 今では、私はこのトピックに関しては、覚えられないほど多くの記事を書いていますので、私のコアトレーニングへのアプローチに関してより学びたい場合には、是非ともこちらの記事を読むことから始めてください。 とにかく、あなたが抱えるクライアントやアスリートが腰部に関する問題に苦しんでいるのなら、プログラミングの初期の段階で、安全に成功するためのコアトレーニングエクササイズを見つけてください。

マイク・ロバートソン 2771字

前に進む

フィットネス業界で働くことに関して、面白いと感じていることがあります。私が参加する全てのパーティーにしている人たちは皆、フィットネスや健康の専門家のようです。これは、私が世界宗教を教えているときにも全く同じで:このクラスに入ってくる人は大抵、定期的に教会に通っているから、特定の祭日や祝日をお祝いしているから、これにもあれにも祈りをささげているから、宗教学の分野に飛び込むために必要なバッググラウンドを備えていると思っているのです。私たちは皆、自分の身体を持っているから、フィットネスについて知っている。私たちは皆、お金を扱っているから、ビジネスを知っている。これらが正しいのかどうか、私にはわかりません! 全ての学びに共通して、下記のように要約できる過程があります。 無意識な無能力 -何を知らないかを知らない 意識的な無能力 -何ができるか知っているが、できない 意識的な有能力 -プロセスを通して自分で考える 無意識な有能力 -技術を自動的に適用する フィットネスやトレーニングを学ぶ過程では、大抵の人は(あなたが人生で出会うほとんどの人は)、単純に「知らないことを知りません」。多くの人が、10億の実践者の中のある一人の攻撃的なステレオタイプをもとに、他の信仰の慣例を理解しています…ケチな奴、人食い人種、強姦者、あるいは何でも思いつくままに。もちろん、そうではないのですが。 フィットネス業界では、「太っている人は、なまけものである」、または長時間の有酸素運動が、完璧なフィットネスへの道だと考える傾向にあります。ビジネスでは、私たちはこう考える、… ちょっと待って、ほとんどの人が、フィットネス業界のビジネス的側面について実際に考えているかどうかは疑問です。 これは、無意識の無能力のよくある例の一つです。ジムを所有することの基本について、これといって何の知識がなくても、最低でも税金を支払い、適切で安全な道具を揃え、保険や掃除備品を準備することが期待されます。実は、こういったことをやらなければいけないことに気づくことが、次の段階である意識的な無能力へとつながるのです。 学び始めると、ビジネス要素だけでなく、グループトレーニングの展開の仕方を学び、「テレビやインターネットでこれを見た」といった無数の質問に答えるといった基本ステップを通じて、意識的な無能力と意識的な能力が融合していく傾向にあります。ある食べ物が良いか悪いかを判断するような単純なことは、実質的に不可能ではないのです。私はいつも冗談で言っていますが、下記にあげているものはみな、良いものとも悪いものとも証明されてきました。 コーヒー(何だって?)  ワイン 野菜(そうです、農薬) 水道水 肉 大豆 牛乳 穀物 私は、これらについていくことはできませんし、私のクライアントもこういった情報に悩まされています。食べ物のことになると、みなその過程で考えていると思います。エクササイズに関しては、かなり大きく前進してきたと思いますが、公共のジムへ行くといつも、一般の人々に良質な情報を届けることに関しては、まだ石器時代にいるのだと認識します。 私の経験では、無意識な能力の状態は常に、メンターや良質の指導によってサポートされます。私は、アスリートからこれまでに何度も、私がスナッチを行う様子や円盤を投げる動作を「見る」ことが、彼らが行う様々な練習ドリルよりも、はるかに良いと言われてきました。もちろん、反復を繰り返す時間は必要ですが(「反復は実行の母です」)、誰かが「到達している、やっている」というモデルがあることで、想像力が覚醒します。 文字通り、コネクションを“イメージし”、その上に築き上げるのです。私よりも優れた作家が、これをより上手く言い表しています。 「詩人の目は、微妙にも狂乱的に揺らぎ、天上から地上を、地上から天上を眺める; そして想像力が、知られざるものの外形を心に描くにつれ、詩人の筆はそれらを形あるものにし、空気のように何もないところにはっきりとした形象と名称を与える。」 ~ウィリアム・シェイクスピア 真夏の夜の夢 この「想像力が形を与え前に進める」ことの実践的な例は、経験豊富な旅行者と世界について語ると感じることができます。彼らの経験と回想が、全ての感覚を取り込み、ナショナル・ジオグラフィックの優れた写真にも勝る明確なイメージを与えてくれるのです。フィットネスでもビジネスの世界でも、講演者が「私ができるのだから、あなたもできる」と言っているのをよく聞きますが、まさにほとんどその通りなのです。ところで、 ストーリーを語ることは、人間の他のどんな活動よりも脳をより多く活性させると読んだばかりです。それである話を思い出したのですが。。。 フィットネスの専門家であるためには、教育への真に統括的なアプローチを要します。人間の身体の、様々な形状、動きおよび動きのトレーニング、モチベーション(全てのタイプ)、栄養、スポーツ、試合、そしてもちろん他の多くの分野においても、一通り理解している必要があります。しかし、こういったつながりを知るために、何度も世界を周る必要はありません。メンターと一緒に働き、近くにある機会を楽しみ、想像力が「前に進む」ことを可能にすることで、大抵はカバーすることができます。もちろん、できるならば是非、旅をして直接経験できることをつかんでください。でも、すでにそこへ到達している、到達したことのある人に聞くことでプロセスを簡単にできる機会も見過ごさないで下さい。

ダン・ジョン 2359字

エクササイズ処方の神話

始める前から問題への答えを持ち合わせていることはいいものです。考えなければならないような厄介で不確実なものを拭い去ってくれるという点で、エクササイズ処方という考えが、非常に魅力的である訳です。 しかし、患者の2回目の来院時に多くのセラピストが患者に尋ねる最初の質問のひとつは、“これらのエクササイズはうまくいきましたか?”ということだと思います。そして、私たちは答えが欲しい一方で、心の底では、物事が必ずしも私たちが望むようにうまくいくとは限らないと経験から分かっているのです。 では、私たちはなぜそれを処方的と考えるのでしょうか。あなたが対応しようとしているのは、症状なのか、評価基準なのか、または異なるニーズと機能を持つ実際の人間なのでしょうか? 私にとってリハビリとは、最初に設定された一つの処方的な手段ではなく、むしろ徐々に改善されていくような適応的な過程です。選択した成果に対する反応を測定しながら、繰り返し行う過程で加減したり作り変えたりしていくものです。強度、頻度、種類すべては、その人によって変化させ、彼らのニーズや要望に応じていつでも調整することができます。 私の個人的な意見として、それを心地よく感じられることは、積極的な運動ベースの介入に取り組むためのカギになると思います。 評価というものも、改善するためのひとつのプロセスです;新しい情報が明らかになったり、仮説が期待どおりに展開しなかったりした場合、問題となっているものは何かについての考えが変わる可能性があります。とにかく、私たちがしているほとんどのことは、とにかく情報に基づいた試行錯誤なわけですから、とうとう言ってしまいました! 初回の介入とそのパラメータは、単なる始まりに過ぎず、次に何が起こるかを確認するための試行であり、情報に基づいた推測でさえありますが、このことは実際、あまり話題になっていないようです。処方は、私達が認めたがるよりも、より提案に近いのでしょう。(大変面白いトレバー・ノアが、南アフリカでは信号機を“提案”であると解説するのに、いつも笑ってしまいます)。 身体的適応のためのエクササイズでさえ、処方的ではなくなってきています。身体的な適応は、非常に幅のあるレップ数と負荷で得られる可能性があることが分かってきています。努力と強度が身体的適応のカギであるように思われます。多くの場合、リハビリ研究では決して測定されないパラメータです! 学習過程 セラピストもその患者も、このことを学習プロセスとして見るべきです。これは、失敗でも、内省的でも、何もわからないことの現れでもありません。私たちが事前に答えを持ち合わせているという考えは、しばしば有害になることもあります。そのことによって、セラピストが自分の能力に自信を失い、リハビリの現実とは異なる期待を生み出す可能性があるからです。私たちは多くの場合、痛みと機能回復の間でどちらかを達成するためにどちらかを犠牲にしながら、試行する必要があります。 データ 研究データは、少し切れ味の悪いツールとして使用されることもあります。もちろん臨床経験も同じです。それぞれの患者特有の症状や治療および治療の効果はすべて、論文に書かれていることと一致すると想定してしまう可能性があります。しかし、データの報告の詳細を見ると、すでに設定されている変数の推定値があり、実際の患者にどのように効果があるかは、やはり適用前ではなく、適用後にしか知ることができません。 私たちの患者と彼らが紹介する症例は、研究では必ずしも正確に反映されていない可能性があります。どの論文も調査対象が人口全体でなく、ごく一部を対象としているため、信頼区間というものが設けられているのです。データを患者とマッチングさせるのが、臨床における課題です。 「研究の視野を広げる」は、ロジャー・ケリーの素晴らしい論文です。 “酔っ払いが灯かりを求めるためでなく、体を支えるために街灯にしがみつくように、統計学を使う人がいる” A. E. Housman また、現代の生物心理社会的な理解では、私たちが直面する多くの問題に対して、文字通り処方することなんてできないということを認識する必要があります。前にも言った通り、私が取り組んでいる主要なことのひとつは、身体を使って再び物事に従事する自信です。そのための処方は何でしたか? また、論文では、どのようなことをしたかについて明確な概要が示されていないことがよくあります。多くの場合、彼らは、別の論文や決して一覧されることもない付録を見るようにと指図します。それを実際に見てみると、強度や休憩時間などの重要な変数が欠落していることがよくあります。そのため“エビデンスに基づく” リハビリは、多くの場合、みなさんが考えているものとはまったく異な流ことが多いのです。 研究におけるプロセスが必ずしも臨床のプロセスを反映しているとは限らないと言ってしまうと、意見が分かれますかね? これはひとつのプロセスです 残念ながら、臨床的推論はカッコよくありません。治療が効くか効かないかを明白に示す方がかっこいいですし、その方が共感を呼びます。臨床での取り組みのニュアンスは、しばしばなおざりにされ、偏見と二極化に支配されます。臨床的に難しいのは、研究に基づく情報を、個人の症状や経験/信念などと調和させることです。 ただし、これは1回限りの取引ではありません。推論と改善のプロセスは、ケア期間を通して継続する必要があります。単に診断して初期評価で処方、ということを繰り返し行うだけではありません。 ツイッターでの会話でとても素晴らしいコメントがあったので紹介します: “エビデンスに基づく臨床とは、利用可能なエビデンスをやみくもに患者に投げつけることを意味するのではなく、来院するすべての患者それぞれに合った最適な戦略を見つけるための繊細な調節をするプロセスです”-Nihar Palan 私の意見として、偉大なセラピストは最高の処方や計画を持っている人ではなく、計画的に進まないときに何をすべきかを知っている人です。対処しなくてはならない状況や人の変化に応じて、適応し調整することができる人です。 他の方法 1. 臨床的推論 研究データ 病歴 検査 診断 適用 2. 反応 成果はなにか? どのくらいの期間がかかったか? 3. 適応 同じことを続けるか、または、変えていくか? 何を変えますか? 結論 処方とは、実は提案です 私たちは反応に基づいて時間をかけて改善していきます 実際、情報に基づいた試行錯誤です 研究は、明らかに結果のバリエーションが反映されます 研究では、処方に関して明確に示されないことがよくあります 適応方法を理解していることがスキルであり、フローチャートに従うことではありません 推論、反応 & 適応は、より優れたモデルです

ベン・コーマック 2938字

フロントスクワット

脚部の強化は、極限まで腰を落とし、お尻が踵につき、背筋はまっすぐで、肘の位置は高く保ったフロントスクワットをすることによって実現できます。ディック・ノットマイヤー*は、「フロントスクワットを3連続でできなければ、同じ重量のクリーン&ジャークはできない」と感じています。多数回のバックスクワットは、補助的に脚部のトレーニングに役立ちますが、重要なのはフロントスクワットです。 *ディック・ノットマイヤー パシフィカバーバルクラブのウエイトリフティングのコーチ ゆっくり下がって、早く上がる 数年前、オリンピックリフトの選手たちと交流するために、コロラドスプリングスのトレーニングセンターに、円盤投げの選手グループと一緒に行きました。そこで生活しているアスリートたちのクリーン後の回復能力に感動し、ドラゴマイヤー*に「秘密」を聞きました。「ゆっくり下がって、早く上がる!」 *ドラゴマイヤー コロラド州オリンピックセンターに所属。ウエイトリフティングのコーチ プレスが消滅して以来、強い脚を持っていないオリンピックリフターであること自体が難しいことではありましたが、私はその数少ないひとりだったのです。大学3年生の時、ウエイトリフティングの大会に出たのですが、そこで勝つためには、165kg/363パウンドを持ち上げる必要がありました。クリーンをして、勢いよく持ち上げ、成功の3つの白いライトを獲得するジャークをしました。興味深いことに、私のフロントスクワットのベスト記録は365パウンドでした。ディック・ノットマイヤーの格言、「3回フロントスクワットができれば、クリーン&ジャークができる」。その後、1991年にユタで行われた夏季大会で、私は182.5kg/402パウンドをクリーンして立ち上がり、ジャークを逃しました。このときも私のフロントスクワットのベスト記録は405パウンドでした。 なぜ過去から学んだ教訓を語って皆さんを飽きさせているのでしょうか?単純に、私が大学4年生のときに、円盤投げで190ft(約58m)を達成できたのと同じテコの長さが、私がスクワットマシンになることを阻止したのです!ここからは、スクワットがイマイチな私たちに役立つアイデアを少し紹介します。 「弾みを吸収する」プロになる。深くしゃがみこんだポジションからさっと立ち上がることを可能にする、素晴らしい伸張反射は、鍛えることができます。ディックは、「バースキークリーン」という練習ドリルを使っていました。バーにストラップを固定した状態で、立ち上がり、肩が適切なポジションに引き込まれるように、少し後ろに身体を傾けます。そこから膝のすぐ下くらいまで、前方に沈み、スクワットクリーンをしてまっすぐ立ち上がります。これは、現在のルーマニアンデッドリフトからするとスクワットクリーンと呼ばれるものですが、リフトのタイミングを学ぶ上でとても役に立ち、脚の問題も問題ではなくなります。 ワークアウトの始めにフロントスクワットをしてみてください。私がこれを始めたときは、フロントスクワットの後に、他の種目を行うということに慣れるのに数週間かかりました(特にジャーク、そしてスナッチも大変です)。また、一週間か二週間の間、全てのセッションの前にフロントスクワットをやってみてください。何も大げさに考えることはなく、2回を2セット、80%くらいで行って、さらに重いウエイトで1回行います。「神経システムの刺激」が必要な人もいるのです。これは単に、私が、開発しただけですが、役に立つと感じています。言語を習得する方法は、その言語にどっぷりとつかることですから、フロントスクワットの成功のためには、脚にどっぷりとはまることが必要なのかもしれません。 陸上競技のシーズンがフロントスクワットにとても役立つと気付きました。なぜでしょうか?オリンピックリフトから離れて、ボディビルディングや階段/丘の上り下りを多く行いました。シーズンが終わって1、2週間後、私の脚は4.5kgから9kgほど強くなっていました。恐らく一般的なコンディショニングでも役に立つでしょう。ジョー・ミルズ*は、問題の解決に、速いデッドリフトとスクワットの反復を推奨していました。ディック・ノットマイヤーのもとで、私たちは様々な「コンテスト」を行いました。102kgのベンチプレスの反復、自体重のスクワットの反復、シットアップ等、その他様々な楽しく、かつ生産的なコンテストを行いました。 *ジョー・ミルズ セントラルフォールズウェイトリフティングクラブ(ロードアイランド州)のコーチ 最後に、なんらかの弱みがあることを認める必要があります。私がソビエトスクワットのルーティンを行っていたとき、フロントスクワットの記録を184kgまで伸ばし、ジャークのフォームは、すっかり消えてなくなっていました。ジャークを再びやりだしたときには、ボトムポジションがより安定し、強くなっていました。秘訣は、ラルフ・マウンコーチ*が教えてくれた「弱みを強みに変えろ」にあると思います。もちろん、それを達成した瞬間にまた新たな弱みを見つけるのです! *ラルフ・マウン ユタ州立大学で選手引退後、40年ほど監督を務めたハンマー投げの名手 フロントスクワットは単純に、バーベルを胸で支えた状態でのスクワットです。理想は、重量を手で支えるのではなく、肩と鎖骨でバーを支えることです。それには「ちょっとした」柔軟性が必要です。この柔軟性を手に入れるのに一番良い方法は・・・フロントスクワットです!ゲーリー・バレンタイン*は、ジョー・ミルズの「両手のひらを後頭部におくことができれば、フロントスクワットができる」という言葉を師事しています。フロントスクワットの習得に専念すれば、やがて必ずあなたのものになります。 *ゲーリー・バレンタイン コネティカットオリンピックウエイトリフティングクラブのヘッドコーチ これはとても大切なことですが、ポイントは、まっすぐ脚と脚の「間」に座るように下がり、「お尻が芝生に付く」まで下がることです。 「脚と脚の間」とは何を意味するのでしょうか?スクワットやオリンピックリフトの真のポイントの一つがこのシンプルな概念です。私は、これを次のように教えます:アスリートをドアノブから腕の長さ分、離れた位置に立たせます。ハンドルを両手でつかみ、胸を「上げ」ます。上げる?私はアスリートに、カリフォルニアのビーチで水着のモデルとすれ違うところを想像してもらいます。アスリートは、すぐに胸をふくらまし、それにより腰部が収縮し、上半身全体が安定します。広背筋は自然にちょっと広がり、肩が「少し」後ろにきます。 腕が「ハンマー投げ」のポジションになるまで続け、ドアから離れるように後傾し、マッスルビーチの胸を保ちます。そこから、腰を下します。この瞬間、私たちは、基本的な生理学的事実に気付きます:脚は胴の支柱のように固定はされていないということです。それよりも、胴が脚の間に吊り下がっていると言ったほうが正しいのです。腕をまっすぐ保ったまま後傾して、身体を下げていくと、リフティングの本当の鍵である「脚と脚の間」にスクワットをすることが理解できます。アコーディオンのようにたたんだり、ひろげたりをするのではなく、脚の間に沈み込んでいくのです。座ってこの記事を読んでいるだけではなく、実際にやってみてください!スクワットや、スナッチ、スクワットクリーンの技術を高めるためには、この原則が欠かせません! フロントスクワットは、バーを胸にクリーンした後や、バーをラックから取って行うことができます。どちらの方法にも価値があります。私は、クリーンをした後にフロントスクワットをすることが、「本番の備え」にとても役立つと感じています。二回目のレップに向け、心身ともに気合の入った状態になります!

ダン・ジョン 3334字

背中に手を回す動きは実際に肩関節内旋を測定するのか?

私が、内旋可動域を出すために肩を背中に回してストレッチするのをあまり好きではないというのは、周知の事実です。過去にこのことについて書いたこともありますし、私の最も嫌いなエクササイズ5選にも入れました。この意見に対して、肯定的にも否定的にも、多くのフィードバックをいただきました。 多くの人が、これがアグレッシブなストレッチであり、ローテーターカフを極めて不利なポジションにさせるものだと私に同意する一方で、それは彼らの患者にとってやはり機能的なポジションであると主張する人も多くいました。 これが重要な機能的ポジションであることには完全に同意しますが、だからと言って、背中に手を回す動きが肩関節内旋を正確に反映しているとか、あるいはこのポジションでのストレッチが何の欠点もなく効果的であるというわけではありません。 どうやら、過去にこのことについて疑問を持ったのは私だけではないようです。私は、背中に手を回すことが肩関節内旋を正確に測定するのかを評価する、いくつかの調査研究に出会いました。 調査は何と言っている? Wakabayashiら(JSES 2006)は、電磁気式トラッキング法を用いて、背中に手を回しているときの肩関節内旋、伸展、内転、及び肘関節屈曲の大きさを評価しました。 著者らは、肩関節内旋の大部分は、患者の手が仙骨に触れる前に起こっていると報告しています。また、仙骨に触れるには、肩関節伸展及び内転が著しく増加します。手が仙骨を通過した後の動作の大部分は、肘関節の屈曲によるものです。手が第12胸椎を通過した後は、内旋の顕著な増加はありません。 つまり、仙骨に到達することがこの動作の鍵であり、肩関節内旋、内転、及び伸展は、どれも仙骨に到達する能力を制限する可能性があるようです。 Mallonら(JSES 1996)は、健常者を対象に、背中に手を回す際に貢献する動作をレントゲン撮影を用いて評価しました。著者らは、動作の35%は、実際には肩関節ではなく肩甲胸郭関節で起こっていると結論付けました。彼らはまた、肘関節屈曲がこの動作の重要な要素であることを認め、背中に手を回す姿勢での肩関節内旋測定は無効であると考えました。 Ginnら(JSES 2006)による別な研究では、肩に痛みを抱える137名の被験者グループにおいて、肩関節内旋の減少を評価する際の、背中に手を回す動作の妥当性を評価しました。著者らは、背中に手を回す動作と、標準の角度測定法による肩関節外転45度または90度での肩関節内旋を測定しました。その結果、両動作の間には低から中程度の相関しか見られなかったのですが、より重要だったのは、背中に手を回す能力が能動的肩関節内旋の減少とは相関がなかったということでした。 臨床的意義 それでは、このすべては何を意味するのでしょうか?私の考えはこうです: 背中に手を回すことは、肩関節内旋の有効な測定方法ではない。その動作は、肩甲骨の傾き、肩関節内旋、内転、伸展、及び肘関節屈曲の組み合わせによって生み出されます。これらの要素のどの組み合わせも、この動作に影響を与えるでしょう。 この動作を使用して肩関節内旋運動を定量化する、肩のアウトカムスケールを使う際には注意する。残念ながら、Constant (Shoulder) Scoreのスケールや、American Shoulder Elbow Surgeons (ASES)スケールのように、この動作を使用しているものがあります。 肩関節内旋を計測したいなら、実際に肩関節内旋を測定する。ほこりをかぶった引き出しから、古い角度計(ゴニオメーター)を持ち出しましょう、実は結構便利ですよ! 背中に手を回す動作に基づいて治療介入をしない。たとえば、その人がただ背中に手を回す動作ができないからと言って、関節包後部のモビライゼーションを行ってはいけません。仮定せずに、評価しましょう! 背中に手を回す動作を改善する方法 これらすべてに基づいて、背中に手を回す動作に制限のある人がいたら、何をすべきでしょうか? これが機能的なポジションであることは、私も理解していますし、同意します。 これをストレッチとして用いることはやはり避けるべきだと思います。私は良い結果を得られたことがありませんし、そのストレッチは肩関節及びローテーターカフを不利なポジションに持って行っていると本当に信じています。 これらの研究からの情報を用いて、なぜその人が背中に手を回すことができないのかを探りましょう。肩甲骨、肩関節伸展、内転、及び肘関節屈曲を評価しましょう。それらの動きのうちどれに制限がかかっていますか?すべて肩関節の内旋であるとただ思い込んではいけません。 これが、背中に手を回す動作を改善させる私のアプローチです。肩甲骨、肩、そして肘、それぞれの動きを分解し、見つけた制限を治療していくのです。 多くの場合、制限されている個々の動作に焦点を当てることによって、背中に手を回すための機能的な能力は向上するでしょう。

マイク・ライノルド 2147字