股関節伸展のエクスカージョンアセスメント

クライアントの股関節伸展能力を評価するために、後方へのリーチを使って骨盤のエクスカージョン(並行移動)を起こす方法をベン・コーマックがシェアします。更に、このケースにおいては、左右の股関節のROMは同じであったとしても、左右それぞれの股関節の神経系の制御には違いがあるかもしれないことを示唆しています。

ベン・コーマック 10:04

ウェストを細くしましょう

もしあなたのウェストラインがいつの間にか身長の半分以上のサイズになってしまった場合、これはどうにかするべきです。健康のため、そしてルックスをよくするため、ウェストのサイズを下げる必要があります。 エネルギーを沢山消費する効率の悪い運動が必要なため、少しサーキットのような3種類のトレーニングに基づいたアイディアを考えてきました。3種類の運動とは:大きな動き、有酸素運動のマシン、そして長い時間負荷をかけたローディッド・キャリーです。一つの例を見てみましょう。 基本的なテンプレート ケトルベルスイング300回 500メートル ローイング 2回 クックドリル1回(トータル約400メートル) 順番通りに行う必要はありません。 以下のようにアレンジしても非常にいいワークアウトになります: ケトルベルスイング100回 500メートル ローイング ケトルベルスイング100回 500メートル ローイング ケトルベルスイング100回 クックドリル 一般的な説明をするとこうなります:あなたが行う効率の悪い運動のほとんどは体を自然に深呼吸させるような大きな運動を含むべきです。肺をふいごのように使うべきで、これはスイング、ゴブレットスクワット、バーピー、あるいは上下や前後に動く訓練であればなんでも行えます。ゲットバックアップドリルもここに当てはまります。 このトレーニングを行うためには、Phil Maffetoneフィル・マッフェトーンのナンバーをお勧めします。とても単純に、彼は180−年齢(少し多様性はありますが)の方程式を使って心拍数の高い範囲を計算しています。心拍数が160−年齢の数値よりも低くなると、心拍数をまた上げる必要があります。心拍計を使ってトレーニングプログラムをコントロールする場合、セットと回数は変化します。心拍数が180−年齢よりも高ければストップします。心拍数が160–年齢になれば、トレーニングを再開します。 スキップ、ランニング、縄跳び、ハイキング、ローラーブレード、何でもやりたいことを行なって心拍数を上げることができます。私はケトルベルスイングのコントロールが好きです。ブザーがなるとケトルベルスイングをやめるか始めるのですが、みんなそれぞれ異なります。 効率の悪いエクササイズトレーニングをするには、普通のフィットネスマシンを使うことも勧めます。2分間ほどのエクササイズを数回行うことは、筋力やパワーのクオリティーに影響を与えずに心拍数、体温、そして加速された呼吸にいい影響を与えるようです。2分間を2セット、それぞれフィットネスマシンのエクササイズを行うことは毎日繰り返すことができ続けられるメニューです。これら2回のエクササイズを取り入れることで、残りのトレーニングはさらに効率悪くなります。 最後に、ローディッドキャリーやラッキングのようなエクササイズで脂肪を燃焼するセッションを終えることも役立ちます。カープッシュで死ぬほど追い込めますが、そうではなく繰り返し行なえる適度のメニューで終わることは体全体を調和して活動させ、脂肪燃焼の過程全体にチャレンジを与えてくれます。ヘビーハンド、クックドリル、ラッキング、あるいは5−15分ほどかけて行うキャリーのようなエクササイズがいいでしょう。 クックドリル ローディッドキャリーは完全な状態を要求します。グレイ・クックは、私のジムでクックドリルと呼んでいる素晴らしいドリルを考案しました。 ラックポジションで、ボトムアップで持てるウェイトを選んでください。手を入れ替えて反対側の手でもボトムアップで持てるか再検査してください。どちらの手でもボトムアップのラックポジションで持てる重さを選びます。一般的には、初めて行う場合男性は20キロ、女性は10キロが目安です。 それでは、歩き始めますが、一つ注意してください: ウェイターウォークポジションのように、ウェイトを頭上に持ち上げます。それを続けながら、完璧なフォームを失うまで待ちます。そして、ラックのポジションにします。このポジションを完璧なフォームでなくなるまで保ちます。そのあと、スーツケースキャリーのポジションに変えます。 スーツケースポジションで完璧なフォームを失い始める時に、手を入れ替えて同じように漸進させます:ウェイターからラック、そしてスーツケースへと。

ダン・ジョン 1842字

健康な筋膜を保つには

4月に来日するアナトミートレインの著者、トーマス・マイヤースが、筋膜の加齢に伴う変化と筋膜の健康維持に関して、わかり易く解説をします。組織への水分供給には動きが不可欠!

トム・マイヤーズ 3:24

より良い呼吸 より良い動き パート2/2(ビデオ)

より良い呼吸ができれば、姿勢も向上します。より良い姿勢は、より楽な呼吸を助けます。トレーニングを行う前のウォームアップに取り入れることができる呼吸と姿勢の向上のためのエクササイズを、エリック・クレッシィがご紹介します。パート2

エリック・クレッシー 4:28

より良い呼吸 より良い動き パート1/2(ビデオ)

より良い呼吸ができれば、姿勢も向上します。より良い姿勢は、より楽な呼吸を助けます。トレーニングを行う前のウォームアップに取り入れることができる呼吸と姿勢の向上のためのエクササイズを、エリック・クレッシィがご紹介します。パート1

エリック・クレッシー 4:12

ジャンプスクワットをトレーニングするために最適な負荷とは? パート2/2

何が起こったのか?(続き) 内部(関節)出力 研究者たちは、股関節におけるパワーに対する有意な二次傾向が存在しており、それは1RM の42%の最大値に至るまで増加し、その後減少しているということを発見している。研究者たちはまた、膝関節、足関節におけるパワーは一次傾向に従い、負荷の増加に伴い有意に減少していたということを発見している。 様々な関節の出力は非常に異なるため、絶対値から成るグラフよりそれを見て取ることは非常に困難である。ゆえに私は値を各関節における1RMの0%の出力の割合として表した。これはデータを示す科学的な方法ではないが、傾向における差違をみるためにはこれ以上にわかりやすい方法は無いだろう。股関節のパワーは42%までは曲線状となっているが、膝関節および股関節のパワーは直線的に減少している。 このグラフは一見乱れているように見えるが、股関節のパワー(最も濃い色のグラフ)を切り離して考えると、膝関節および足関節のパワーは同様の反応を示し、負荷の増加と共に、ただ減少しているということがわかる。 研究者たちはどのような結論に達したのか? 研究者たちは、ジャンプスクワットの際の下半身の各関節における出力は、外部負荷に比例して変化するわけではないという結論に至った。研究者たちはまた、負荷の増加に伴い膝関節及び足関節における出力は減少するが、股関節における出力は1RMの42%の負荷に至るまで増加すると結論付けている。さらに研究者たちは、1RMの特定の割合の負荷を使用することは、使用する負荷により、股関節、もしくは膝・足関節のパワーの優先的な向上につながる可能性があるという結論に至った。これは下記のグラフにおいて見ることが可能である。 上のグラフは、股関節及び膝関節のパワーの相対的貢献が、使用する負荷により変化するということを示している。1RMの0%においては、膝関節のパワーは股関節のパワーに比べより一層顕著であり、1RMの42%では、両関節は同様の貢献をしているようである。さらに負荷が増加するにつれ、股関節のパワーは膝関節パワーに比べより急速に減少しており、膝関節の相対的貢献が再び増加している。ゆえにジャンプスクワットにおいて1RMの42%にてトレーニングを行うことは、股関節伸展のパワーを最大化するようであり、一方1RMの0%にてトレーニングを行うことは、膝関節のパワーの相対的貢献を強調するようであり、脚部の筋肉のこの側面をより効果的に強化するようである。 制限要素は何か? 上記のように、エクササイズにより最適なパワーは幅広く異なっているため、関節のパワーもまたエクササイズにより異なるようである。ゆえにこの研究はジャンプスクワットのみの分析であったということが制限であり、ヘックスバージャンプスクワットやオリンピックリフトのバリエーション、またはその他の爆発的なリフトでは異なる結果が得られたかもしれない。 実践的な意義は何か? 総合的な下半身のパワー向上に対して 最適な単一の負荷よりも、広範囲の負荷を用いてジャンプスクワットをトレーニングする方が、より優れているかもしれない。単一の負荷にてトレーニングすることにより、股関節のパワーは最大値に至るまでトレーニングされないようである。1RMの0%および1RMの40%というように、少なくとも2つの負荷が好ましいであろう。 アスリートの垂直跳びを向上させるために アスリートは、股関節主導もしくは膝関節主導どちらかのジャンプスタイルを持つ傾向にある。ゆえにアスリートが好むジャンプスタイルにおけるパワーを向上させることに役立つ、適切な種類のジャンプスクワットの負荷を割り当てることは、彼らの垂直跳びのパフォーマンスを向上させるために重要である可能性がある。 特定のスポーツに対するパワー向上のために ジャンプスクワットに対する負荷を選択する前に、そのスポーツにおいて必要とされるパワーを特定することが重要であるかもしれない。例えば、最大パラレルスクワットにおいては膝関節トルクよりも、比較的より高いレベルの股関節トルクが関係しているということを考慮に入れると、パワーリフターにとって、約40%のジャンプスクワットの負荷において股関節のパワーを鍛えることは、1RMの0%の負荷において膝関節のパワーを鍛えることよりもより有益であるかもしれない。しかしながら、ここにおいてもこれは各個人のスクワットのスタイルに依存するようである。

ストレングス・コンディショニング・リサーチ 1993字

ジャンプスクワットをトレーニングするために最適な負荷とは? パート1/2

ジャンプスクワットは、あらゆる種目のアスリートに対し、爆発的なパワーを向上させるために付加される、ほとんどのストレングス&コンディショニングプログラムへにとって人気のあるエクササイズである。また、大抵の研究者やコーチたちは、ジャンプスクワットの出力に対する最適な負荷が存在し、それは通常バックスクワットの1RMの0%である(無負荷、つまり自重のみ)ということを知っている。しかしながら、全体的な総脚力は1RM の0%において最大であるかもしれないが、それが股関節、膝関節、足関節のパワーが同じ負荷においてすべて最大であるということを意味しているわけではない。この論説ではクリス・ベアスリー(@SandCResearch)が、まさにこの論点を調査している研究論文の再考察を行う。 研究論文:ジャンプスクワットの際の身体および下半身の動力学に対する負荷の影響、モワール、ゴリー、デービス、グアーズ、ウィトマー、スポーツ生体力学、2012年 背景 パワーはスポーツパフォーマンスの重要な決定要因であり、エクササイズ、レップ及びセット数、回復期間、また1RMに対し使用する負荷により変化する。 使用される負荷に関して研究者たちは、一般的にこれはエクササイズにより幅広く異なるということを発見している。従来のレジスタンスエクササイズに関してシーゲル(2002年)は、スクワットの1RMの50-70%の負荷における最大出力、およびベンチプレスの1RMの40-60%の負荷における最大出力を報告している。同様にコーミア(2007年)は、ジャンプスクワットに対する最適な負荷は1RMの0%、スクワットに対しては1RMの56%、またパワークリーンに対しては1RMの80%であったということを発見している。 パワーを測定する際、ほとんどの研究は外部負荷に対し働く力に焦点を当てており、それは身体とバーベルの変位特性を参照することにより測定される。しかしながら、個々の関節もまた独自の出力を備えており、バーベルエクササイズに対する様々な関節トルクの相対的貢献が、負荷の増加に伴い変化するのと同じように、これらは外部負荷に正比例して変化するわけではない可能性がある。 研究者たちは何を行ったのか? 研究者たちは、ジャンプスクワットの際、股関節、膝関節、及び足関節における出力が、外部負荷の変化により同様に影響を受けるかどうかを調査したいと考えた。そこで彼らは、前年の間に定期的にレジスタンストレーニングプログラムに参加しており、また、フットボール、サッカー、野球を含むスポーツに携わっていた、レジスタンストレーニングを行う12名の男性を集めた。 研究者たちは、2つのテストセッションにおいて被験者からの様々な測定値を記録した。最初のセッションにおいて被験者は、1RMのパラレルバックスクワットを行った。次のセッションにおいて被験者は、彼らのバックスクワットの1RMの0%、12%、27%、42%、56%、71%、85%に相当する負荷のジャンプスクワットを、セット間に2-3分のレストを入れながら行った。 テストの際、研究者たちはフォースプレートを2台使用し床反力を測定した。彼らはまた、様々な主要な解剖学的指標に付けられた16の逆反射マーカーの動きを観察するようデザインされている、3次元(3D)動作分析システムを使用し、バーベルと関節の動きを測定した。 何が起こったのか? 強度テスト 研究者たちは、被験者のバックスクワットの平均1RMは181.8 ± 40.4kgであったと報告した。彼らはこれを平均体重と比較し、それが体重の1.81 ± 0.32倍であるということを発見している。ゆえに被験者たちは、決してストレングスアスリートというわけではなかったが、比較的よくトレーニングされていると見なされた。 ジャンプの高さ 研究者たちは、下記のグラフで示されているように、平均のジャンプの高さは負荷の増加に伴い有意に減少したということを報告している。これは予期されていたことであり、以前の研究結果と一致している。 外部出力 研究者たちは、下記のグラフで示されているように、平均の外部出力は負荷の増加に伴い有意に減少したということを報告している。これもまた、予期されていたことであり、以前の研究結果と一致している。 内部(関節)トルク 研究者たちは、股関節、膝関節、足関節におけるモーメントは、負荷の増加に伴い全て有意に増加したということを発見している。彼らは、股関節、膝関節、足関節のトルクの増加における有意な差違は記述していない。下記のグラフで示される通り、全ての関節トルクは同様に増加しているようである。 この結果はブライアントン(2012年)およびロレンツェッティ(2012年)による近年の調査と対比するものであった。両者はスクワットの負荷の増加に伴い、股関節および足関節のトルクは膝関節トルクに比べ、より急速に増加するということを発見している。

ストレングス・コンディショニング・リサーチ 2201字

臨床テストプロセス(CAP)の説明

“計測なくして管理はできない” LAのスポーツ&スパインで私達は、全てのテストとエクササイズにFMSのスコア0~3を使います。Pr. ヤンダは私に “全てのエクササイズはテストである” と教えてくれました。 静的(例:姿勢)や動的機能(例:動作)を評価する際、そのポジションや動作に痛みがあるかどうかをチェックします(スコア=0)。もし痛みがないのであればその動作に顕著な代償作用を伴っているか(スコア=1),軽度の代償か(スコア=2)、又は完璧(スコア=3)であるかを評価します。スコアリングの定義はFMSとグレイ・クックの書籍からそのまま適用しています。 クリニックやジムでは、トレーナーと医療専門家の間でスコア1と2の違いにおいて “一致した”基準が設定されているでしょう。これはチームワークと”頭のトレーニング”のためにも良い機会です。もし皆さんが、介入やプログレッションの為には何が大切かをチームとして理解していれば、それはとても有効なものとなるでしょう。 テストはエクササイズがその患者/クライアント/アスリートにとって悪影響になると判断する前に、どの程度の代償動作まで許すのかというあなたの見方に反映されます。当然 “完璧なチェック”を求めているわけではありません。レベットは “完璧な動作パターンを教えるのではなく、問題を引き起こす原因となる欠点を修正しなさい。” と言っています。 どこで “鍛えるか、家に帰るか”を生かすのか? その点を考慮するならば、どのタイミングでその人が次のステップに進むのかを理解する必要があります。これは効率化へのキーとなるのです。例えばその人が筋力強化に進む準備ができているにも関わらず、私達がまだモーターコントロールに力をいれているのならば、これはその人の進歩を妨げていることになります。より良くないのは、もしも彼らのVAS(痛みのスコア)が仮に7/10から3/10に軽減したのでADLやスポーツ活動に復帰し、私達がムーブメントパターン能力(ピラミッドの土台)の為にモーターコントロールのトレーニング「だけ」をしていたら, 許容量(ピラミッドの真ん中)増加のためにストレングス&コンディショニングトレーニングが必要な彼らにとってはリスクになるかもしれないということです。 トレーニングピラミッドは私の新しいファンクショナルトレーニングハンドブックの基礎になっています。どんな人でも ー アスリートでなくても ー 耐久性はストレングス&コンディショニングから養われます。 従来の考え:多ければ多い程良い? アスリート達は皆、競技においてのトレーニングの重要性を理解しているのでタフで屈強です。もちろんこれが ”機能不全を鍛えて良い”理由にはなりません。ですから、どのくらいのモーターコントロールがあれば十分なのかという明確な基準が必要なのです。Pr ヤンダは動作パターンの質を見て代償動作を見極める先駆者でした。より多くを詰め込むこと(i.e.セット数、レップ数、負荷)は良い結果には繋がらないばかりか、使いすぎ症候群へと繋がる誤ったパターンを強化することになるでしょう。 厳密な線引きは所属するクリニックや施設次第ですが、基本的な部分ではオフィス内で意見を共有すべきです。最終的には全て結果次第です。エクササイズの流れは個別化されなければいけません。決して “少なすぎて遅すぎ”ても “多すぎて早すぎ”でもいけません。変化を与える為にはストレスが必要です。変化を起こして目標を達成することは患者やクライアント、アスリートに極上の充実感と満足感を与えてくれるのです。ハードなトレーニングと十分なリカバリーをモットーとすべきです。 なぜプロセスが重要なのか? EXOSのニコル・ロドリゲスは私達に “モーターコントロールとパフォーマンスを向上させる為には、トレーニング/スポーツ現場においてリアルタイムで対処すること” が必要であると言っています。これがプロセスです。臨床テストで何が機能を向上させて感度を低下させるのかは誰も知りません。だからテストが必要なのです。しかし、これは基本のルールがないという意味ではありません。もしポジティブパッシブ、あるいは非荷重テストでモビリティの低下が疑われたのであれば、そこで短縮した部位を最初にリリースすることは良い “基本原則”になります。 例としてあげると: スクワットの際の足首のモビリティー制限 ブリッジにおける短縮した股関節屈曲筋または大腿直筋 上肢の挙上の際の硬い上部胸椎の後湾などを含みます 共同筋もまた不適切なムーブメントパターンの原因となります: 上肢挙上の際の過剰な肩のシュラッグ動作 下肢の伸展の際の過剰な脊柱起立筋群 頭部を挙上する際の過剰な胸鎖乳突筋の活動 患者の一人一人はユニークであることから、機能的で結果に基づいたアプローチをすることは大切です。エビデンスに基づいたアプローチは重要ですが、あくまで一般的で全員にあてはまるわけではありません。これらは何をすべきかより、何をしてはいけないかを教えてくれるものです。ジムやクリニックではN=1、つまり各個人への対応が必要です。これには個々のアクティビティ/パフォーマンスのゴールや足りない能力、またはスタビリティ不足に対応できるファンクショナルアプローチが最良です。 テストを鍛えない (グレイ・クック) “全てのエクササイズはテストである”ことから、テストをトレーニングすることに流されがちになります。しかし、上記のスクワットの例で述べたように、正しいスクワットのメカニクスをキューイングするよりも、足首の可動域を向上することがキーになるかもしれません。 もしエクササイズを試してスコアが1だった場合、そこで弱点のリセットに繋がるより生態学的に有効な動作に着目します。 例えば: シングルレッグブリッジで抗回旋に問題があれば、パラフプレスを行うかもしれません。 不安定なシングルレッグデッドリフトでは、股関節後方の関節包を伸ばすかもしれません。 T4の伸展制限があればスクワットをさせるかもしれません。 スクワットに問題があればデッドリフトをさせるかもしれません。 これは決してテストを鍛えてはいけないという意味ではありませんが、リアクティブに “剝ぎ取る”のみです。 例えば不安定なオーバーヘッドスクワットならばゴブレットかウィンドウパンスクワットをするでしょう。 覚えておいてほしいのは、これらはただのガイドであって、セオリーよりも結果が重要だということです。ですが、多くの問題解決策は沢山のムーブメントパターンとスポーツ動作のキネティックチェーンを理解した時に浮き彫りになってきます。 要求と能力の溝を埋める 評価 –コレクト –再評価のプロセスは、患者/クライアント/アスリートのゴールに対しての謙虚な姿勢と献身性が要求されます。デ・カルモが言うように私達は詳細な既往歴からその人が要求されている活動は何かを学ばなければなりません。そこから、私達のテストで彼らの可能性(能力&ポテンシャル)が何かを学ぶべきなのです。この “小さな成功の積み重ね”作業こそが運動能力向上の最善の基準なのです。 パフォーマンストライアングル: -要求の分析 -要求を満たす為のアスリート達の能力の分析 -上達への手助け ~シモン・ド・カルモ チームスカイ(イギリスのサイクリング)で、パフォーマンス向上における最先端にいるデイブ・ブレイルスフォードの言葉です。 “成功の積み重ねが終わる事はありません。それら全ては継続的な成長により作られているのです。そこに終わりはありません。” 未来を予想するのは損をするギャンブルである タレブの著書、「アンチフラジャイル」によると、特定の災害を予測することはできませんが、壊れやすい物を識別してより強固にすることはできます。 患者やアスリート達は、彼らが壊れやすいと考えれば、そうなってしまいます。身体の防衛反応は正常なものですが、しばしば身体に記憶されてしまいます。これが逃避反応を誘発して、痛みに対する弱さや再受傷に対する恐怖への解決策を妨害してしまうのです。 医療的な “赤旗”を消去できたら、私達のゴールはハードウェア –構造的な問題や過去の怪我、ではなくソフトウェア –機能的な問題、が本当の “サイレントキラー”であることを証明する為の機能的検査を提供することです。これによって、人々を安心させ、不必要な介入や結果として起こる医原病を避けることを助けます。 分類, または診断においての最初の基本的な役割は、主に病理を扱うか、又は機能不全を扱うかどうかである”–レベット’94 “技能を学べば、芸術を習得できるでしょう” あなたの “チーム”全員が、どのように評価とコレクティブエクササイズを高いスキルで遂行できるかを把握していることは重要です。加えて、1と2のスコアの基準に賛同できれば同じ目線に立てるでしょう。 一度ハイクオリティの技術と方法を得れば、目標に達成する為のサービスに組み込むことができます(1を2に変換することで昨日は向上し、感度(スコア0)は減少するでしょう)。私達は決して “プロトコルの言いなり”ではありませんが、患者やアスリートの立場に立った個人プログラムは評価の過程によって決定されます。 ゴールは、スコア1(痛みの無い機能不全)からスコア2への移行で、そこから痛みのサイン(スコア0)の感受性を検査します。これによって患者/クライアント/アスリートはDr.レベットの言葉 “症状を治療する者は道に迷う” の真の意味を学ぶのです。さらに驚くべきことは、機能的な “リセット”は身体の構造的、又はハードウェアの問題がその人の痛みや動作制限の全ての原因でないことを証明しているということです。多面的なファンクショナルアプローチはモータープログラムに “入り込んで”私達の身体を最適化させます。 これはコレクティブエクササイズアプローチでもなければ用心深いトレーニングでもありません。 皮質の可塑性は剰余適合を引き出す入り口となるのです。ATCのグード・バン・リッセムが言うように “多様性がCNSの潤滑剤となるのです”。

クレイグ・リーベンソン 4353字

サイドラインでの肩外旋エクササイズ注意点

サイドラインでの肩外旋のエクササイズは、回旋腱板の後ろ側の筋活動のために効果的なエクササイズです。このエクササイズのセットアップでよく見られがちな間違いのポイントをエリックがシェアします。

エリック・クレッシー 2:13

ケトルベルトレーニングの生体力学 パート2/2

ケトルベルエクササイズの動力学 序論 ケトルベルエクササイズにおける動力学(力、負荷、モーメント)の評価はいくつか存在する。一般的には2つの分野の研究がある。第1に、一部の研究者のグループは、ケトルベルトレーニングはある場合においては痛みを軽減し、他の場合には痛みを生じ得るという事例報告(マクギルおよびマーシャル、2012年)を基に、ケトルベルエクササイズの脊椎負荷、およびそれに続く可能性のある腰痛に対する影響に興味を持った。この点において1つの研究が、ケトルベルトレーニングのプログラム後における、臨床的に関連する首、肩、および腰の痛みの軽減を報告している(ジェイおよびその他、2011年)ということは興味深いことである。第2に、他の研究者たちのグループは、ケトルベルエクササイズが従来のエクササイズと同様の力、パワー、及びインパルスを生み出すのかどうか、また力の方向(垂直対水平)が異なるのかどうかを調査した(レイクおよびローダー2012年b、レイクおよびその他、2014年)。今日、水平力生成はスプリントパフォーマンスにおいて非常に重要であると広く認知されているため(ランデルおよびその他、2010年の総説を参照)、力の方向は、スプリンターを指導するストレングス&コンディショニングコーチにおいて特に重要である。 脊椎負荷 一般のケトルベルスイングにおける脊椎負荷の特質は、主にせん断および圧迫負荷の間の大きな差違のため、従来のレジスタンストレーニングエクササイズにおいて報告されているものとは大幅に異なるようである。マクギルおよびマーシャル(2012年)は、圧迫負荷はスイングの下の部分において3,195Nであり、せん断負荷は461Nのみであったということを報告している。ケトルベルスナッチにおける圧迫およびせん断負荷は、スイングにおいて報告されていたものと非常に類似しているということが発見されている(マクギルおよびマーシャル、2012年)。 力およびパワー 序論 アスリートは優れたパフォーマンスのために高いレベルの筋力を必要とする。しかし彼らはまた、この力を迅速に使うことができる必要がある。ゆえに、パワーはスポーツ特有の速度において力を産出する能力を示す能力であるため、アスレチックパフォーマンスを決定するために筋力よりも重要であると考えられることが多い。アスリートにおいてパワーを発達させるための最も一般的なバリスティックレジスタンストレーニングエクササイズは、バーベルジャンプスクワットである。ジャンプスクワットは、バーベルを持ちながら床から離れるため、アスリートに相当量の床反力を迅速に発生させることを要求する。大きな力と組み合わさったこの速い速度は高い出力と関連するために、ストレングス&コンディショニングコーチは、彼らのプログラムの中で常にバーベルジャンプスクワットを使用している。 ケトルベルスイング:出力 ケトルベルスイングとジャンプスクワットの出力を比較することは、アスリートの発達におけるケトルベルトレーニングの実用性を評価する一つの方法である。レイクおよびローダー(2012年b)は、16kgから32kgの負荷におけるヒップヒンジケトルベルスイングの際の出力を調査し、1RMの0-60%の負荷におけるジャンプスクワットと比較した。ジャンプスクワットの際の出力は、予想していた通り無負荷において最大化し、一方ケトルベルスイングの際の出力は32kgにおいて最大化した。ケトルベルスイングとジャンプスクワットの出力の比較は、ジャンプスクワットの出力がより大きい傾向にあった(3,281 ± 970対3,468 ± 678W)にもかかわらず、この2種類のエクササイズの間に有意な差違はないということを特定した。ゆえにケトルベルスイングはパワーベースのプログラムに含むものとして適切であるかもしれないということが示唆されている。 ケトルベルスイング:パワーのために最適な負荷 ほとんどの研究は、通常のバーベルジャンプスクワットの際、出力を最大化する負荷は一般的に無負荷であるということを報告している。(例:コルミエおよびその他、2007年)。これは最大動的出力(MDO)仮説に通じており、下半身の筋肉は、高負荷と比較し、無負荷(例:体重)の垂直跳びにおいて、最大出力を産出するように発達したということを示唆していると提議している(ヌッツォおよびその他、2010年)。興味深いことに、ヘックスバーデッドリフトジャンプを行うことにより重心の位置をずらすことは、この負荷を1RMの約20%まで増加するようである(スウィントンおよびその他、2012年、ターナーおよびその他、2014年)。さらに、それぞれが出力に最適である負荷を使用した場合、通常のバーベルジャンプスクワットと比較し、ヘックスバーデッドリフトジャンプを使用した出力はより大きいようである(スウィントンおよびその他、2012年)。なぜヘックスバーデッドリフトジャンプが体重よりも重い負荷において出力を最大化するのかは明確ではないが、動作の際の関節角度の位置と関連がある可能性がある。明らかに、ケトルベルスイングが無負荷において最大出力を産出することは起こりそうにない。にもかかわらず、出力を最大化する明確な負荷はいまだ明らかではない。レイクおよびローダー(2012b)は、より重いケトルベル(32kg)は軽いケトルベル(16kg)と比較し、ヒップヒンジケトルベルスイングエクササイズの際により高い出力を産出するということを発見している(3,281 ± 970対2,371 ± 708W)。さらに重いケトルベルはより大きな出力を含むのかどうか(またパワーのための最大負荷はどこであるのか)は明確ではない。この分野の研究は、(1RMの割合に適合しないため)ケトルベルの相対負荷を測定するための標準の欠如により妨げられてしまうようである。 ケトルベルスイング:インパルス 一部の評論家たちは、エクササイズの特性を決定するために、出力は他の短期の力学的変数ほど有益ではないと示唆している(クヌッドソン、2009年)。この点においてインパルスは、適用された力の程度および時間の両方に関する情報を提供するとして、より優れた測定値であるということが提議されている(クヌッドソン、2009年、レイクおよびローダー、2012年a)。インパルスは、スポーツパフォーマンスに転換するエクササイズに関し幅広く研究されてはいないが、それが線形運動のベクトル変化を生み出すものであるということに留意することは重要なことである。特にスプリントの推進力は異なる能力を持つアスリートを識別する能力を持っていると考えられている(ベーカーおよびニュートン、2008年、バールおよびその他、2014年)。ゆえにケトルベルスイングおよびジャンプスクワットの際のインパルスを比較することは、アスリートの発達におけるケトルベルトレーニングの有益性を評価するもう一つの方法である。レイクおよびローダー(2012年a)は、16kgからの32kg負荷におけるヒップヒンジケトルベルスイングの際のインパルスを調査し、1RMの0 – 60%の負荷におけるジャンプスクワットのインパルスと比較した。ジャンプスクワットの際のインパルスは、1RMの40%において最大化し、一方ケトルベルスイングの際のインパルスは、32kgの負荷において最大化した。ケトルベルスイングの際の最大インパルスとジャンプスクワットの際の最大インパルスの比較は、ケトルベルの方が優れているということを明らかにした(276 ± 45対231 ± 47Ns)。これは、ケトルベルスイングはジャンプスクワットと比較し、より大きな推進力の変化を伴い、スポーツ特有の妥当性を持つ可能性があるということを示唆している。より重いケトルベルがより大きなインパルスの生成を含むかどうかは明確ではない。 ケトルベルスイング:加力の方向 ケトルベルスイングの際の床反力の水平および垂直要素は、ジャンプスクワットの際のものとは異なる。レイクおよびローダー(2012年a)は、ケトルベルスイングは、ジャンプスクワットと比較し、水平力の要素がかなり高かったということを観察している。これは、ケトルベルがスイングの初めにおいて股関節伸展により水平前方へ勢いよく放り出されるためであるかもしれない。ゆえにヒップヒンジケトルベルスイングは、スプリントのような水平推進力を産出するための股関節伸展を含む特定のスポーツ動作への適用があるかもしれない(ランデルおよびその他、2010年を参照)。それゆえヒップヒンジケトルベルスイングはアスリートにおけるスプリントパフォーマンスを発達させるために有益である可能性がある。 ケトルベルスイング:スナッチとの比較 ケトルベルスナッチもしくはケトルベルスイングのどちらの方が、ストレングス&コンディショニングの専門家による使用により適しているのかどうかを評価するため、レイクおよびその他(2014年)は、各エクササイズの機械的要求を比較した。彼らは、2つのエクササイズは、水平および垂直要素の機械的要求に関し、非常に類似していたということを発見している。特に彼らは、ケトルベルスナッチと比較し、ケトルベルスイングは有意により大きな水平動作、水平パワー、水平制動および推進インパルス、そして水平制動および推進床反力を含んでいたと記述している。これは、ケトルベルスイングは、スプリントのようにスポーツ特有の速度における水平力の産出を必要とする適用に対し、より優れている可能性があるということを示唆している。 ケトルベルに関する結論 ケトルベルは、他のエクササイズと比較し、関節可動域の異なるポイントにおける最大筋活動を含むようであり、有益な補足のトレーニング方法である可能性がある。 ケトルベルスイングは、内側ハムストリング力、股関節伸展における大臀筋の最大活動、およびより大きな水平力産出というようなスプリント能力を向上するために有益であるいくつかの特性を示している。

ストレングス・コンディショニング・リサーチ 4233字

ケトルベルトレーニングの生体力学 パート1/2

目的 一般的なケトルベルエクササイズのアスレチックパフォーマンスへの最適な転換の方法を確立するために、その生体力学を評価すること。 ケトルベルエクササイズの背景 序論 ケトルベルエクササイズの種類 ケトルベルエクササイズはバリスティックにもノンバリスティックにもなり得る。ケトルベルエクササイズは、筋力よりもパワーを発達させるためにより有益であるようであるということを考慮に入れると、ノンバリスティックエクササイズと比較しバリスティックケトルベルエクササイズは、アスリートに対しより有益であるようである。最も一般的なバリスティックケトルベルエクササイズの種類はスイングとスナッチである。 ケトルベルスイングの種類 ケトルベルスイングには、ヒップヒンジスイングおよびスクワットスイング(マシューズおよびコーエン、2013年による総説を参照)の2つの主な種類がある。これら2種類の特性は、下半身の筋肉の関与に関して異なると考えられている。ヒップヒンジスイングは、デッドリフトと同様の筋動員のパターンにつながると考えられている一方で、スクワットスイングはスクワットと同様の筋動員のパターンを含むと考えられている(マシューズおよびコーエン、2013年による総説を参照)。ゆえにヒップヒンジスイングは主にハムストリングスおよび大臀筋に働きかけると考えられており、スクワットスイングは大腿四頭筋および大臀筋を鍛えると考えられている。ゆえにヒップヒンジスイングは、よりスポーツ特有の速い速度においてハムストリングを鍛えることが可能であるため、ストレングス&コンディショニングコーチにとって非常に有益である可能性がある。 ケトルベルエクササイズの筋電図検査(EMG) 序論 筋電図検査(EMG)は、筋肉における神経活動もしくは随意活性化のレベルを検出するために使用する方法である。随意活性化は、筋動員の程度および運動単位の発生頻度の両方による影響を受け、疲労していない筋肉における筋力と密接に関わっている。研究者たちは、単発のトレーニングセッションにおけるエクササイズの際の筋肉内の筋電図活動は、その筋肉における潜在的な長期的適応を示しているということに概ね合意している。ゆえに筋電図検査の研究は、どのようにケトルベルエクササイズが運動能力の発達において、もしくは一般的なエクササイズとして最適に使用されることが可能であるのかということを評価する有益な方法を示している。 ハムストリングスの筋電図活動 序論 今日までに2つの研究のみが、ケトルベルエクササイズの際のハムストリングスの筋電図活動を報告している(マクギルおよびマーシャル、2012年:ゼイビスおよびその他、2013年)。マクギルおよびマーシャル(2012年)は、スクワットスタイルケトルベル片手スイング、キメを伴うスクワットスタイルケトルベルスイング、スクワットスタイルケトルベルスナッチ、ケトルベルラックキャリー、およびケトルベルボトムスアップキャリーの際の大腿二頭筋の筋電図活動を評価した。各エクササイズに対し、若年で健康であるがトレーニングされていない男性被験者は、16kgのケトルベルを使用した。ゼイビスおよびその他(2013年)は、ヒップヒンジケトルベル両手スイング、およびケトルベル以外の様々なエクササイズの際の大腿二頭筋および半腱様筋の両方を評価した。若年で健康なレジスタンストレーニングされている女性被験者は、彼女たちの筋力レベルに応じ、各エクササイズに対し12Kgもしくは16Kgのケトルベルを使用した。大腿二頭筋の筋電図活動は、最大随意等尺性収縮(MVIC)の93 ± 31%に到達し、一方半腱様筋の筋電図活動はより高いレベルであるMVICの 115 ± 55%%に達した。対照的に、マクギルおよびマーシャル(2012年)は、ハムストリングスの筋電図活動は、股関節の筋組織(大臀筋および中臀筋)と比較し、スクワットスタイルケトルベル片手スイング、キメを伴うスクワットスタイルケトルベルスイング、スクワットスタイルケトルベルスナッチ(MVICの32.6%、39.7%、および29.8%)において比較的低かったということを発見している。これらの差違は、使用されたケトルベルスイングの種類の結果であるようである(マシューズおよびコーエン、2013年による総説を参照)。 内側および外側ハムストリングス ケトルベルスイングの際の半腱様筋(内側ハムストリング)の筋電図活動は、大腿二頭筋長頭(外側ハムストリング)の筋電図活動と比較し、より大きかったようである(ゼイビスおよびその他、2013年)。ゼイビスおよびその他(2013年)は、ヒップヒンジスタイルケトルベル両手スイングの際、大腿二頭筋の筋電図活動はMVICの93 ± 31%に達し、半腱様筋の筋電図活動はMVICの115 ± 55%というさらに高いレベルに達したということを報告している。ハムストリングスはスプリント能力のために重要であり、またスプリントの動作も外側ハムストリングの筋電図活動と比較し、より高い内側ハムストリングの筋電図活動を含むため(イェンハーゲンおよびその他、2007年、ヒガシハラおよびその他、2010年)、ケトルベルスイングは、最適なハムストリングの発達のためにスプリントプログラムに含む価値があるかもしれない。 ハムストリングス内の部位 研究者たちは、高い股関節屈曲角度におけるケトルベルスイングの際、ハムストリングスの筋電図活動は最大である一方で、(ノルディックカールのような)他の多くの一般的に行われるハムストリングスエクササイズの際、筋電図活動は低い股関節屈曲角度において最大であったということを観察している。(ゼイビスおよびその他、2013年)。これは、ケトルベルスイングは他のエクササイズとは異なる場所における局所肥大をもたらすかもしれないということを意味している可能性がある。局所肥大は、既定のエクササイズパフォーマンスの際、筋活動が起こる場所に依存していると考えられている。例えばワカハラおよびその他(2012年)は、レジスタンストレーニングワークアウトの際の上腕三頭筋のある部分における筋電図活動は、長期のプログラム後における同一の場所の局所肥大と関連があったということを報告している。更に同じ筋肉をターゲットとした異なるエクササイズは、その筋肉の異なる場所における筋電図活動をもたらすと考えられている(メンディグーシャおよびその他、2013年)。実質的に、ケトルベルスイングを使用しハムストリングスを鍛えることは、その筋肉の他の部分における局所発達を強調し、それにより部分的な弱さの無い全体的により優れた筋肥大を確保することにより、その他のエクササイズへの有益な補足を提供することが可能である。 大臀筋の筋電図活動 序論 今日まで1つの研究のみが、ケトルベルエクササイズの際の大臀筋の筋電図活動に関する報告をしている(マクギルおよびマーシャル、2012年)。マクギルおよびマーシャル(2012年)は、スクワットスタイルケトルベル片手スイング、キメを伴うスクワットスタイルケトルベルスイング、ケトルベルラックキャリー、およびケトルベルボトムスアップキャリーの際の、大臀筋の筋電図活動を評価した。各エクササイズに対し、若年で健康であるがトレーニングされていない被験者は16kgのケトルベルを使用し、マクギルおよびマーシャル(2012年)は、大臀筋の筋電図活動は他の筋肉と比較し、スクワットスタイルケトルベル片手スイング、キメを伴うスクワットスタイルケトルベルスイング、スクワットスタイルケトルベルスナッチにおいて比較的高く(MVICの76.1%, 82.8%,58.1%)、またスイングはスナッチと比較し、より高い筋電図活動を示していたということを発見している。 大臀筋内の部位 ケトルベルスイングは、股関節の完全伸展に近いスイングサイクルの後半において、大臀筋の最大電図活動を含むようである(マクギルおよびマーシャル、2012年)。一般的に使用されているほとんどのレジスタンストレーニングエクササイズは、おそらくより深い角度における大きな股関節伸展モーメントにより、最大股関節屈曲において大臀筋のより大きな筋電図活動を含んでいるため(カテリサーノおよびその他、2002年、エスカミーリャおよびその他、2002年)、これは重要な発見である。実質的に、ケトルベルスイングを使用し大臀筋を鍛えることは、その筋肉の他の部分における局所的な発達を強調し、それにより部分的な弱さの無い全体的により優れた筋肥大を確保することにより、その他のエクササイズへ有益な補完物を提供することが可能である。更に、大臀筋は、より大きな股関節屈曲において収縮する場合と比較し、股関節の完全伸展において収縮する場合により大きな筋電図活動に達することが知られている(ウォーレルおよびその他、2001年)。ゆえにケトルベルスイングは、より大きな股関節屈曲において最大収縮を含むジャンプスクワットと比較し、高速で大臀筋を鍛えるためのより優れたエクササイズであり得る。

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グラウンドからスタンディングエクササイズの効果

フィットネス業界では、死亡リスク予測に心血管系の改善を用いるのが一般的ですが、死亡リスク予測のための筋骨格系の改善に関する情報は限られています。 脚力は死亡率予測のために試みられていますが、いくつかの交絡変数があり、普遍的に適用できるものではありません。 同様に、椅子の立ち座り試験も、脚力試験より実用的ではあるものの、死亡リスクを一貫して予測するのは困難な多くの制限要因があります。 前回の記事で、傷害リスクの指標として筋力、柔軟性、神経支配力を比較したところ、神経支配力の欠如が最も良い指標であることがわかりました。 しかし、筋力や柔軟性の不足からくるケガがないとは言い切れません。 ブラジルの研究者チームによって考案された「Sit and Rise」テストは、European Journal of Preventive Cardiologyに掲載され(こちら)、どのくらい長く生きられるかの予測、またはより正確にはどのくらい長く生きられないかの予測に役立つことが証明されています。 テストは簡単で、立った状態から床に座り、また手を使わずに立った状態に戻る(可能であれば)というものです。 テストの点数は、床に触れて補助(手や膝)をした回数でカウントされます。 ブラジルの研究では、51歳から80歳までの2002人の男女が平均6.3年間追跡調査されました。 両手と両膝を使わないと立ち座りできない人(中高年を問わず)は、支えなしで立ち座りできる人に比べて、6年以内に死亡する確率が約7倍も高かったのです。 テストによって測定された彼らの筋骨格系の体力は不足していました。 そして、筋骨格系のフィットネスは、とても重要であることがわかったのです。 "有酸素運動による体力が生存率と強く関係していることはよく知られています。"と、研究著者であるリオデジャネイロのガマ・フィリョ大学のクラウディオ・ジル・ソアレス・デ・アラウージョ教授は述べていますが、"我々の研究は、身体の柔軟性や筋力、協調性を高いレベルで保つことも平均寿命に好ましい影響を与えることを示している "ともしています。 その影響は十分にあり、立位から座位への移行を練習する価値はあります。 では、そのためにどのような練習をすればいいのでしょうか。 ジムでは「床から立位へ」の練習をする機会が多く、個人の最終目標に関係なく、どんなルーティンにも取り入れることができます。 以下に、私のお気に入りの「床から立位へ」のエクササイズをいくつか挙げておきます。 ターキッシュ・ゲットアップ ターキッシュ・ゲットアップは、私の一番のお気に入りです。 途中でウエイトを上に保ちながら、寝転んだ状態から立ち上がるまでの一連の動作を正確に行うものです。 この動きは、多くの筋膜ラインと立ち上がりのバリエーションでよく使われるポジションを強化するものです。 さらに、片腕の使用を制限することで、制約に基づく学習の手がかりとしても非常に有効です。 この動作には負荷がかかり、実行が少し難しいので、各ステップの最適なポジションを指導してくれる良いコーチを見つけるようにしてください。 FTIのマスターファンクショナルトレーナープログラムは、各ステップを丁寧に説明し、また、誰かに指導する方法も教えています。 90/90 ゲットアップ(バランスボール使用) この動作では、バランスボールを前方負荷として使用し、コアの筋群の共収縮を増幅させ(引き締め)、その結果股関節の可動性を大きくすることを可能とします。 大腿骨を内旋・外旋させた90/90の姿勢で座ることで、股関節の可動性を高めています。 このエクササイズを実践することで、床でぎこちない姿勢から立ち上がるときにも、背骨を股関節の上にうまく積み重ねることができるようになるのです。 バトルロープ・プリズナー・ゲットアップ バトルロープ・プリズナー・ゲットアップは、マスター・ファンクショナルトレーナープログラムで教えているもうひとつの素晴らしい動きです。 ハーフニーリングポジションを間に挟んで、膝立ちから立ち上がる基本的なドリルです。 さらに追加される複雑なポイントは、ロープのために作られた波とステップのタイミングを合わせることです。 これは、心拍数を上げ、代謝反応を得るための革新的な方法であると同時に、床から立位への移行を改善するという大きな目的も兼ね備えているのです。 アンダー・スイッチ・トゥ・スタンディング 肩や股関節など、あらゆる部位に効果的です。ただ、脚をもう一方の脚の下に掃くように動かすことを確実にしてください。 よくある失敗は、脚をもう片方の脚より上げてしまうことです。 ストレート・レッグ・オーバー・スイッチ・トゥ・スタンディング この運動は、前の運動と非常によく似ていますが、より股関節の伸展と、脚をまっすぐに伸ばす力が必要です。 この場合は片方の脚をもう片方の脚の上に持ち上げます。 グラウンドベースの動きは、時にツイスターゲームのような分かりにくさを感じることがありますが、そこでマジックが生まれるのです。 様々な動きを習得することで、地面から立ち上がる際の動きの道筋が豊富になります。 脳が知っている立ち上がり方の数は、多ければ多いほどいいのです。 結論 効果的で目的を持ったフィットネスコーチになるための術は、クライアントが望むフィットネス目標を達成するためのプログラムを提供する能力であり、同時に、人生に必要となる、心配のない機能的な身体を開発することです。 グラウンド・トゥ・スタンディング・ドリルで筋骨格系のフィットネスを向上させることは、まさにそのための一つの方法なのです。

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