★ キネティコス・マスターマインド 2026「Movement Longevity」参加費は¥1,100〜 詳細はこちら

エキセントリックトレーニングはハムストリング損傷予防の助けになるか? パート4/4

エキセントリックトレーニングはハムストリング損傷を減小させるか?(つづき) ガバー (2006) は、7つのアマチュアオーストラリアンフットボールクラブにおいて、プリシーズンにおけるハムストリング損傷を予防するためのエキセントリックトレーニングプログラムの有効性を評価するために、試験的な無作為化比較試験を行った。選手たちは、エキセントリックトレーニング介入グループ、もしくはストレッチのみしか行わないコントロールグループへと、クラブ内で無作為に振り分けられた。介入グループは12週間にわたり5つのトレーニングセッションを行ったが、コンプライアンスは非常に低かった。分析を、少なくとも最初の2セッションに参加した介入グループおよびコントロールグループの選手に限ると、介入グループの4.0%、コントロールグループの13.2%の選手がハムストリング損傷を負い、その相対的リスクは0.3倍であった。 アスクリング (2003) は、スウェーデンのディビジョン首位2チームからの32名の男性エリートサッカー選手において、エキセントリック段階を強調したハムストリングスのためのプリシーズンストレングストレーニングが、ハムストリング損傷の発生率を減少させることができるのかどうかを調査した。被験者は無作為に介入グループとコントロールグループに振り分けられた。介入グループは10週間にわたり週に1-2回トレーニングを行った。介入グループにおいては3件のハムストリング損傷、コントロールグループにおいては10件のハムストリング損傷が見られた。 グッディ (2014) は、エキセントリックハムストリングス強化プログラムの、ハムストリング損傷の危険性に対する影響について決定するため、最近になり上記の試験のうち4つのものを総説し、また、介入のコンプライアンス不足の結果に対する影響を特に調査した。彼らは、エキセントリックハムストリングトレーニングを含むこの試験は、ハムストリング損傷の危険性(0.59倍の危険率)を有意に減少はさせなかったが、これは有意な異質性のためであったということを発見している。重要なことに、この異質性のほとんどはコンプライアンスからきたものであった。エキセントリック強化プログラムを順守できた被験者のみを考慮に入れると、全体のハムストリング損傷の危険性の有意な減少(0.35倍の危険率)と、この効果にはわずかしか特異性がないということがわかるであろう。 要約すると我々は、個人が与えられたプログラムを遵守した場合、エキセントリックハムストリングストレングストレーニングは、新たなハムストリング損傷の危険性を減少するようである、という素晴らしい科学的証拠が存在すると結論付けることが可能である。 ちなみに、メタ分析愛好家たちに対しては、グッディによるメタ分析は、これらの種類の研究において、どのように多様性のある問題にアプローチすればよいのかを説いている素晴らしい教えである。ある評論家たちがそうする傾向にあるように、それを無視することは適切なこととは言えない。 エキセントリックトレーニングはハムストリングの再損傷を減少させるか? 下記の研究は、エキセントリックトレーニング(主にノルディックハムストリングカールエクササイズを使用)のハムストリング再損傷に対する影響を調査した長期の試験である。下記の表はその結果を要約している。 アスクリング (2013) は、エリートスウェーデンサッカー選手において、急性のハムストリング損傷後における異なるリハビリテーション方法の有効性を比較した。ゆえに彼らは、急性のハムストリング損傷を負った(MRIにて確認)75名のサッカー選手を無作為に2つのリハビリテーション方法へと振り分けた。選手達は、伸張エクササイズを使用したものか、もしくは従来のエクササイズを使用したハムストリングトレーニングを行った。チームトレーニングへの全復帰と試合選手としての準備が完了する日までの日数が結果測定の鍵として評価されたが、12ヶ月間にわたる再受傷率も測定された。研究者たちは、トレーニング復帰までの時間は主に伸張トレーニングを使用した選手においてより短く(28 ± 15日対 51 ± 21日)、再損傷は1件のみであり、それは従来のトレーニングを行ったグループにおいてであったということを発見している。 ニコラス (2013)、シャーシェ (2012)とペターソン(2011) はみな、デンマークにおける上位5部サッカーチームにて競技している男性サッカー選手において、新たなハムストリング損傷の発生率に対する、10週間にわたるハムストリングエクササイズトレーニングプログラムの有効性を調査した同じ試験について報告をしている。チームは介入グループ、もしくはコントロールグループへと無作為に振り分けられた。介入チームはシーズンの中休みである10週間においてノルディックハムストリングエクササイズを(ウォームアップの後に)、1週間に1-3回、5-12回を2-3セットの合計27セッションを行った。研究者たちは、介入グループにおいて3件、コントロールグループにおいて20件の再受傷を報告している。介入グループは、悪影響の報告はしていないが、遅延性筋肉痛(DOMS)の増加は明記している。 要約すると、エキセントリックのみ、もしくはエキセントリックに集中したハムストリングストレングストレーニングの、ハムストリング再損傷の危険性に対する効果を調査した研究は、受傷数の減少とより短いリハビリテーション時間という有意に有益な影響を発見している。 制限要素は何か? この総説の主な制限要素は、メンディグーシャが素晴らしい総説において示したように、他のいくつかの要因もハムストリング損傷の危険因子として示唆されているということである(2012)。メンディグーシャおよびその他は、ハムストリング損傷の原因論は多元的であり、それらの要因は下記の図表で示されているように、互いに関連し合っている可能性があると議論している。 実践的意義は何か? エキセントリックハムストリングトレーニング、特にノルディックハムストリングカールは、サッカーを含む高速で走る活動に携わるチームスポーツ選手において、新たなハムストリング損傷の危険性を減少する可能性がある。これらは傷害予防プログラムの中に含まれているべきである。 ノルディックハムストリングカールのような、エキセントリックハムストリングエクササイズは、サッカーを含む高速で走る活動に携わるチームスポーツ選手において、ハムストリング再損傷の危険性を減少する可能性がある。これらはリハビリテーションプログラムの中に含まれているべきである。

ストレングス・コンディショニング・リサーチ 2938字

エキセントリックトレーニングはハムストリング損傷予防の助けになるか? パート3/4

急性のハムストリング損傷に対する受傷機転は何か? ハムストリング損傷は、高速でのランニングにおいて最も頻繁に発生すると考えられている。特にそれらは、スプリントの際の遊脚相終期、もしくは立脚相初期において起こると考えられている。 立脚相初期: 立脚相初期においては、膝関節屈曲及び股関節伸展のモーメントの両方が最大である(マン1980年)。これは、ハムストリングは立脚相の初期において損傷の危険性が最も高いということを示唆しているのかもしれない。 遊脚相終期: 接地の直前、股関節は屈曲し、膝関節は伸展する(ハムストリングスは股関節の伸筋であり、膝関節の屈筋である)ため、ハムストリングスは急激にそして大幅に伸張する。リーバーとフライデン(1993年)は、筋損傷は力の働きによるものではなく、むしろ機械的な変形(例として、長さの変化)によるものであると説明しており、これは歩行サイクルにおいてこのポイントが最もハムストリングに対して危険性の高いポイントである、ということを示唆しているのかもしれない。 一部の研究者たちがこれらの説明のうち1つを支持して議論をしている一方、サン(2014年)による最近の研究は、実際には両方とも同等に起こり得るであろうと示している。サン及びその他は、彼らの分節間の動力学の分析は、立脚相初期及び遊脚相終期の両方において、ハムストリングスへ非常に高負荷がかかるということを示唆している、と記述している。 何故エキセントリックハムストリングトレーニングが有効である可能性があるのか? 筋束長の増加 いかなる筋肉のエキセントリックトレーニングも、ハムストリングスにおいてトルクが生まれる最適な長さを変化させる(ブロケット2001年)。トルクが生まれる際のこの最適な長さにおける変化は、個々の筋繊維の長さを伸ばすこと(サルコメアジェネシス)により起こるようである。筋長の増加は、筋繊維がより少ない抵抗でより速く長さを変化させることを可能にするため、筋損傷の危険性を減らす助けとなるかもしれない。 エキセントリック筋力の増加 いくつかの研究は、ハムストリングのエキセントリックな筋力不足はハムストリング損傷の危険因子であり、エキセントリックハムストリングトレーニングはこの問題に対処するために有益である可能性があるということを発見している。実際にエキセントリックなハムストリングの筋力(モジョーセン2004年)、及びハムストリング全体の筋力(カミニシ1998年)を向上するためには、エキセントリックハムストリングトレーニングは、コンセントリックハムストリングトレーニングよりもより有益であると発見されている。 どのタイプのエキセントリックハムストリングトレーニングが使用されるのか? 最も人気のあるタイプのエキセントリックハムストリングトレーニングエクササイズはノルディックハムストリングカールである。しかしながらそれ以外にも様々なタイプが存在しており、それはブログヘリとクロニン(2008年)による素晴らしくとても実践的な総説において説明されている。 ノルディックハムストリングカールエクササイズはトレーニングを行っている人が膝をつき上体を起こした状態から始まる。トレーニングを行っている人の足はパートナーにより床へ押さえられる(足を固定する器具も存在するが)。ハムストリングを使い動きに抵抗しながら、トレーニングを行っている人は膝関節を伸展し、上体を床に向かって下げてゆく。この動きにはエキセントリックな膝関節屈曲が含まれている。そしてトレーニングを行っている人は、どのような方法でも良いので最も簡単な方法にて直立位に戻る。もっとも一般的には動きを変えるために手で押し上げ、コンセントリックな膝関節屈曲を行いながら戻るようである。 エキセントリックトレーニングはハムストリング損傷を減小させるか? 下記の研究は、エキセントリックトレーニング(主にノルディックハムストリングカールを使用)の、最初のハムストリング損傷の危険性に対する影響を調査した長期試験である。下記の表はその結果を要約している。 ニコラス (2013), シャーシェ (2012), ペターソン (2011) はみな、デンマークにおける上位5部サッカーチームにて競技している男性サッカー選手において、新しいハムストリング損傷の発生率に対する、10週間にわたるハムストリングエクササイズトレーニングプログラムの有効性を調査した同じ試験について報告をしているようである。チームは無作為に介入チームとコントロールチームへと分けられた。介入チームはシーズンの中休みである10週間においてノルディックハムストリングエクササイズを(ウォームアップ後に)、1週間に1-3回、5-12回を2-3セットの合計27セッション行った。研究者たちは、新しい傷害のX倍の危険比率に対して(合計傷害件数に対して0.29倍)、介入グループにおいては12件の新しい傷害(合計15件)、及びコントロールグループにおいては、32件の新しい傷害(合計52件)を報告している。介入グループは悪影響に関する報告はしていないが、遅発性筋肉痛(DOMS)の増加は明記している。 インガーブレッセン (2008) は31のチームから508名の選手を集め、傷害の既往歴および/または機能についてのアンケートを基に、ハムストリング損傷に対する高リスクグループと低リスクグループに振り分けた。そして研究者たちは、高リスクグループの被験者を無作為に介入グループとコントロールグループへと振り分けた。低リスクグループは、もうひとつのコントロールグループとして作用した。研究者たちは、傷害発生率は低リスクコントロールグループにおいて3.2、高リスクコントロールグループにおいて5.3、また高リスク介入グループにおいて4.9であったことを発見している。高リスクの介入グループとコントロールグループの間には差違はなかった。しかしながら、高リスクの介入グループにおけるコンプライアンスは劣っており、被験者の20%程が最低トレーニング量しか行っていなかったということが記述されている。 アルナソン (2008) は、アイスランド及びノルウェーからのエリートサッカーチームにおける、エキセントリックストレングストレーニングと柔軟性トレーニングの、ハムストリング損傷の発生率に対する影響を調査した。介入チームとコントロールチームは無作為に分けられていたわけではなかった。しかし研究者たちは、柔軟性トレーニングプログラムを使っていたチームと使っていなかったチームの間に、ハムストリング損傷の発生率に関する差違はなかったが、エキセントリックトレーニングを使用していたチームにおいては、ハムストリング損傷の発生率が低かったということを発見している(0.43倍の相対リスク)。

ストレングス・コンディショニング・リサーチ 2964字

エキセントリックトレーニングはハムストリング損傷予防の助けになるか? パート2/4

ハムストリングの弱さは(過去に溯って)傷害の危険因子であるか? ハムストリングの強度とハムストリング損傷の危険性の間の関係を過去に溯って調査した研究は、歴史的に見て相反する結果を報告してきている。強度測定は昔から等運動性の方法を用い記録されていたが、より最近の測定方法は代わりにアイソイナーシャル(エキセントリック)及び等尺性のテストを使用している。 ティミンズ (2014) は、20名の無傷の被験者と16名の傷害を負った被験者のエキセントリックのハムストリング強度を比較した。彼らは、被験者がノルディックハムストリングカールを行っている際、パッド入りのデバイスに組み込まれた一軸負荷セルにより、エキセントリックのハムストリング強度を測定した。彼らは、エキセントリックの強度は、反対側の健側の脚 (341.1 ± 100.2N) に比べ、患側の脚 (288.6 ± 84.8N) において有意に低く、その違いは15.4%であったということを発見している。 オパー (2013) は、片脚のみハムストリング損傷を負った20名のエリート選手において、エキセントリックのハムストリング強度を比較した。彼らは、被験者がノルディックハムストリングカールを行っている際、パッド入りのディバイスに組み込まれた一軸負荷セルにより、エキセントリックのハムストリング強度を測定した。彼らは、以前に受傷している脚は逆の傷害のない脚よりも15%弱かったということを報告している。 オパー (2013) は、1秒間に60度及び180度の速度において等運動性動力測定法を用い、片脚にハムストリング損傷の既往歴がある13名のレクリエーションとしてのアスリートと、以前に傷害を負っていない15名のレクリエーションとしてのアスリートにおける、エキセントリック、及びコンセントリックの膝関節屈曲トルクの比較を行った。研究者たちは、傷害の既往歴のある被験者の膝関節屈曲トルクは、傷害のない脚に比べ傷害既往歴のある脚において、1秒間に60度及び180度の両方の速度において、より弱かったということを発見した。傷害既往歴のないグループにおいては脚間の差違はなかった。 ブロケット (2004) は、9名のアスリートの傷害既往歴のある脚と無い脚の筋肉の比較、及び18名の傷害既往歴の無いアスリートとの比較を行った。しかしながら、等運動性最大トルク、及びハムストリングスと大腿四頭筋の等運動性トルクの比率に有意な差違はなかった。 ウォレル (1991) は、半数がハムストリング損傷の既往歴のある、32名の学生アスリートにおける等運動性筋力測定値を調査した。測定には、1秒間に60度及び180度の速度において動力計を使用した、コンセントリック及びエキセントリックな大腿四頭筋とハムストリングの最大トルク、さらにはその比率が含まれていた。研究者たちはハムストリング損傷の既往歴を持つグループと持たないグループの間に、有意な強度の差違は無かったということを発見している。 ハイザー (1984) は1973年から1982年の期間に溯り、回帰分析を行った。1977年以前には、選手に対するハムストリングと大腿四頭筋の強度の比率の検査や修正は行われていなかった。1977年以降では、564名の選手がハムストリングスと大腿四頭筋の強度に対する基礎となる等運動性テストを受け、ハムストリングと大腿四頭筋の比率が>0.60であった選手は、特定のハムストリングトレーニングを受けた。最初の期間には534名の選手がおり、第2期間には564名の選手が存在した。最初の期間においては、7.7%がハムストリング損傷を負い、その負傷者のうち31.7%が再受傷した。第2期間においては、1.1%の選手のみがハムストリング損傷を負い、再受傷した選手はいなかった。 等運動性の測定技術を使用している多くの早期の研究は、膝関節屈曲トルクに関して、傷害既往歴のある被験者と無い被験者の間における有意な差違を示すことができていなかった。しかしながら、より最近には、3つの研究が有意な、そして臨床的に意味のある差違を報告しており、そのうちの2つは共にアイソイナーシャルテスト方法を使用していた。 それでもなおこれら全ての研究は回帰的であるため、どの程度のハムストリングの弱さが傷害前に存在していたのか、もしくは受傷後の不使用により引き起こされたものなのかは不明である。ゆえに、ハムストリング損傷の危険因子としての膝関節屈曲の強度を理解するためには、この科学的根拠には問題がある。 ハムストリングの弱さは(将来の)傷害の危険因子であるか? ハムストリングの強度とハムストリング損傷の危険性の間の将来的な関係を調査した研究もまた、相反する結果を報告している。ここでもまた、強度測定は昔から等運動性の方法を用い記録されていたが、より最近の測定方法は代わりにアイソイナーシャル(エキセントリック)及び等尺性のテストを使用している。 オパー (2014) はシーズン中210名のオーストラリアンフットボール選手におけるハムストリング損傷の危険因子を評価した。彼らは28件のハムストリング損傷を記録した。彼らは被験者がノルディックハムストリングカールを行っている際、パッド入りのディバイスに組み込まれた一軸負荷セルにより、エキセントリックのハムストリング強度を測定した。彼らはエキセントリックなハムストリング強度の減少は将来のハムストリング損傷の危険性を2.7-4.3倍に増加させたということを発見した。 グーセンス (2014) は1学年の間、102名の体育教育学部新入生におけるハムストリング損傷の危険因子を評価した。彼らは、被験者がノルディックハムストリングカールを行っている際、パッド入りのディバイスに組み込まれた一軸負荷セルにより、エキセントリックのハムストリング強度を測定した。1年間で16件のハムストリング損傷が記録された。研究者たちは、より低いエキセントリックのハムストリング強度、及び等尺性とエキセントリックハムストリング強度のより高い比率は、ハムストリング損傷の有意な危険因子であるということを発見した。 イェン (2009) は12ヶ月に渡り、44名のスプリンターにおいてハムストリングの強度がハムストリング損傷の危険因子であるかどうかを調査した。研究者たちはそのシーズン中に8名のアスリートがハムストリング損傷を負ったと記録している。その回帰分析は、ハムストリングと大腿四頭筋の最大トルクの割合が、1秒に180度の速度において スギウラ (2008) は30名の男性エリートスプリンターにおいて、次年度のハムストリング損傷の発生率に対して彼らを調査する前に、股関節伸展、膝関節屈曲、及び膝関節伸展トルクの等運動性テストを行った。研究者たちは経過観察期間中、6名の被験者がハムストリング損傷を負ったことを記録している。研究者たちは、患側の脚は1秒間に60度の速度で、股関節伸展(コンセントリックに)及び膝関節屈曲(エキセントリックに)の両方においてより弱かったということを発見している。 クロイサー (2008) は462名のサッカー選手における、等運動性コンセントリックトルクとエキセントリックトルクの間の関係を調査した。その後の期間中、35件のハムストリング損傷が記録された。筋損傷の発生率は、バランスの崩れの無い選手と比較し、無調整な筋力のバランスの崩れのある被験者において4.7倍有意に大きかった。 バネル (1998) はシーズン中、102名の男性オーストラリアンフットボール選手において、ハムストリング損傷の危険性と関連して、ハムストリング、及び大腿四頭筋の等運動性筋力、また、ハムストリングと大腿四頭筋の筋力比率を評価した。彼らはそのシーズン中、12名の選手がハムストリング損傷を負ったと報告している。しかしながら、ハムストリングまたは、大腿四頭筋の等運動性筋力、もしくはその比率と傷害の危険性との間に関連はなかった。 オーチャード (1997) は、37名のプロオーストラリアンフットボール選手における、ハムストリングの強度とハムストリング損傷の危険性との関係を調査した。ハムストリング及び大腿四頭筋のコンセントリック等運動性最大トルクは、プリシーズンにおいて、動力計を使用し1秒間に60度、180度、300度の速度で計測された。シーズン中、6名の選手がハムストリング損傷を負った。ハムストリング損傷は、患側における1秒間に60度の速度でのハムストリングと大腿四頭筋の最大トルクの比率の低さ、およびハムストリング左右相互の最大トルクの比率の低さと有意に関連している。 要約すると、ほとんどの研究論文が、特にエキセントリックの筋活動におけるハムストリングの弱さは、選手がハムストリング損傷を負う危険性を増加させると報告している。これは、我々は通常の伸張・短縮サイクルトレーニングに加え、ハムストリングスのエキセントリックな筋力を増大させるため、特定のトレーニングを熱心に行うべきであると示唆している。

ストレングス・コンディショニング・リサーチ 3947字

エキセントリックトレーニングはハムストリング損傷予防の助けになるか? パート1/4

ノルディックハムストリングカールは、ナチュラルグルートハムレイズに非常に類似したエキセントリックのみのエクササイズである。これらのエクササイズは、ハムストリング損傷の低減のために、ハムストリング損傷を負ったアスリートに対するリハビリとしても非常によく推奨されている。しかしながら全てのストレングス&コンディショニングコーチがこれを活用しているわけではない。この論説ではクリス・ベアスリー(@SandCResearch)が研究の再考察を行う。 ハムストリング損傷はどれほど頻繁に起こるのか? ハムストリング損傷は、高速でのランニングを含む多くの人気のあるチームスポーツ、及び陸上競技において非常によく見られる。 エリオット (2011) は、NFL選手における10年間にわたるハムストリング損傷の発生率は、アスリートの1,000時間の活動(トレーニングと競技の両方)に対し0.77 であったと報告している。 ブルックス (2006) は、ラクビー連合におけるハムストリング損傷の発生率は、選手の1,000時間のトレーニングに対し0.27であり、1,000時間の試合に対し5.6であったと報告している。 ウッズ (2004) は、英国のサッカー選手おけるハムストリング損傷が、2シーズンにわたり全傷害の12%を占めていたということを発見している。 オーチャード (2002) は1997年から2000年の4シーズンにわたり、オーストラリアフットボールリーグにおける傷害を調査した。彼らはハムストリング損傷が全体の傷害の15%を占めていたということを発見した。 ベネル (1996) は、後ろ向きコホート研究を使用し、12ヶ月間において95名の陸上競技選手が負った傷害の種類を評価し、ハムストリング損傷が傷害の14%を占めていたということを発見した。 スワード (1993) はオーストラリアのエリートスポーツにおける傷害の割合を報告した。彼らはオーストラリアンフットボールにおいて最もよく見られた傷害はハムストリング損傷であり、全体の傷害の13%を占めていたと報告している。 要約すると、ハムストリング損傷は、陸上競技及びフットボール体系(ラグビー、サッカー、アメリカンフットボール、オーストラリアンフットボール)において非常によく見られる傷害である。ハムストリング損傷は全体の傷害の12-16%を占めているようである。 ハムストリング損傷は筋肉を非常に衰弱させ、長期のリハビリテーション、もしくは選手によってはキャリアの短縮につながる可能性があるため(ヘイダーシャイト2010年)、まず第1に傷害の発生を予防するよう努めることは有益であるであろう。 ハムストリング損傷の既往歴は傷害の危険因子であるか? 下記のようにいくつかの研究が、ハムストリング損傷の既往歴は、将来のハムストリング損傷に対する主な危険因子であるということを発見している。 オパー (2014) はシーズン中、210名のエリートオーストラリアンフットボール選手における、ハムストリング損傷の危険因子を評価した。彼らは28件のハムストリング損傷を記録し、ハムストリング損傷の既往歴が将来のハムストリング損傷の危険性を非有意に2.1倍増加させたということを発見した。 ハグラウド (2013) は2001年から2010年にかけて、ハムストリング損傷の危険因子を評価するために、10のヨーロッパ諸国における26サッカークラブに所属する1401名の男性プロサッカー選手を検査した。その期間内に900件のハムストリング損傷が起こった。シーズン前に、同様の傷害を負うことは負傷率を有意に1.4倍増加させていた。 イングブレッセン (2010) は2004年のプリシーズンにおいて、ハムストリング損傷の潜在的危険因子に対し、31アマチュアチームからの508名のサッカー選手を検査した。シーズン中76件のハムストリング損傷が起こった。ハムストリング損傷の既往歴は、2.6倍多い将来の傷害の危険性と関連があり、最も重要な危険因子であった。 ガバー (2006) は2002年のプリシーズンにおいて、ハムストリング損傷の潜在的危険因子に関して、222名のオーストラリアンフットボール選手を検査した。シーズン中、31名の選手がハムストリング損傷を負った。過去12ヶ月のハムストリング損傷の既往歴及び、加齢が唯一有意な将来のハムストリング損傷の予測因子であった。 ハグランド (2006) は2つのフルシーズン(2001年及び2002年)前に、12のエリートスエーデン男性フットボールチームより197名のサッカー選手を検査した。研究者たちは、ハムストリング損傷の既往歴を持つ選手は、その後のシーズンにおいて同様の傷害を負う可能性が3.2倍高いということを発見している。 アルナソン (2004) はハムストリング損傷に対する潜在的危険要因に対し、アイスランドでの1999年プリシーズンにおける上位2部から、306名の男性フットボール選手を検査した。ハムストリング損傷の有意な危険因子は年齢とハムストリング損傷の既往歴であった。ハムストリング損傷の既往歴は、11.6倍の将来の傷害の危険性と関連があった。 オーチャード (2001) は1992年から1999年の間に、ロジスティック回帰分析を使用しハムストリング損傷の危険性を評価するために、オーストラリアンフットボールリーグにおける試合にて、83,503名の試合出場選手を分析した。この期間中、672件のハムストリング損傷が確認された。最近のハムストリング損傷既往歴は、昔の同様の傷害の既往歴に続き、最も重要な危険因子であった。 ベネル (1998) はフットボールシーズンの初めに102名の男性オーストラリアンフットボール選手を検査した。シーズン中112名の選手が、試合欠場へとつながるハムストリング損傷を負った。ハムストリング損傷の既往歴は2.1倍多い将来の傷害リスクと関連があった。 オーチャード (1997) は1995年プリシーズンにおいて、オーストラリアンフットボールリーグチームから、37名のフットボール選手を検査した。シーズン中、6名の選手が試合欠場につながるハムストリング損傷を負った。しかしながらこの研究においては、ハムストリング損傷の既往歴は当時の傷害リスクとは関連が無かった。 この研究論文の総説にあたり、メンディグチ(2012年)はハムストリングの既往歴は再受傷の危険性を大いに増加し、その後の傷害に対する最も大きな個人の危険因子であるようだと示唆している。しかしながら、危険性の増加が、最初の傷害の特徴に起因しているのか、もしくは十分なリハビリテーションが行われていなかったゆえのものであるのかは、現在のところ不明である。 要約すると、ハムストリング損傷の既往歴は、アスリートが後に同様の傷害を負う危険性を大幅に増加する。これは我々が、最初に起こるハムストリング損傷の予防、及び一旦起きてしまった傷害のリハビリを行うことにかなりの時間を費やすべきであるということを示唆している。

ストレングス・コンディショニング・リサーチ 3080字

患者中心のケアのための簡単なガイド パート2/2

PCCの実践 人を中心としたアプローチを、活動/運動/エクササイズの単なる種類やセット数、レップ数だけと考えるべきではないかもしれません。それよりも、運動を取り巻くすべてのことであり、これを中心に紹介します(運動バイアスはあってもかまいません)。 終わりを意識して始める 回復がどのように見え、感じられるかを定義することがない限り、自分がそこに到達しているのか実感することはおそらく難しいでしょう。セラピストの役割は、その人がどこに到達したいのか、現在どこにいるのかを確認し、そのギャップを埋める手助けをすることだと思います。 まずは目的を念頭に置くことが最適なスタート地点としたら、これには何よりもまず、人の話を聞くことが必要です。傾聴と理解こそがPCCの真髄であると私は考えていますが、多くの人はヘルスケアの現場でこのようなことが常に行われているとは感じていません。 次の短い抜粋は、優れた論文からのものです:“‘非対面’から自律的な主体性まで。腰痛患者の医療制度における出会いに関する概念” Holopainen 2018年 “患者は、自分の話を聞いてもらえないと感じていた。彼らは、その対面が専門家主導であると感じ、医療提供者は彼らの希望や意見に耳を傾けることなく、彼らの言うことを遮り、否定していた” また、長い間、痛みを抱えてきた人にとって、目標や回復の過程を明確にすることはとても困難ということを認識する必要があります。痛みや苦しみの外に目を向けて、‘人生’とは何か、どのようなものか再び実感することは、難しいことです。 “患者は、痛みが自分の生活に及ぼす影響を認識し、以前は楽しんでいたことをあきらめ生活の輪が狭くなったと報告しました” - Holopainen 2018 ただ動くために動いているのではなく(これはこれで意味のあることですが)、これまで話し合ってきた価値ある活動や目標に向かってさらに前進するために動いているのだということを、私は強調するようにしています。そして、これがその人の内発的な動機につながることを期待しています。 目標がある内発的な動機には、大きな問題点があります。普通、彼らの成功は痛みや機能といったより全体的な評価に反映されることによって測ることができます(理学療法に関する研究では確かにそうです)。 私たちは、目標という素晴らしく個人的で具体的なものを持っているのですから、その目標そのもの!を達成することで、私たちは実際に成功を測るべきなのです。もしそれが痛みの変化を伴うのであれば、人を中心としたアプローチでは、もちろん目標に痛みを含めるべきでしょう。しかし、痛みの変化(評価項目 アウトカム指標)がなかったとしても、その人の生活の質に大きな影響を与える大切な目標を達成することができるかもしれませんし、全体的な評価手法では必ずしも捉えられないかもしれません。 私は、行動の背後にある“なぜ”は、その人によって決められなければならないと信じています。セラピーで行われることの多くは、最善の方法で痛みをなくしたり、機能を向上させたりすることで、セラピストのバイアスによって駆動されています。 もしかしたら、よく採用されている“方法”は、患者さんよりもセラピストのアイデンティティや価値観に合っているのかもしれませんよね? 共同意思決定と責任 先に述べたように、PCCと共同意思決定は、ただ誰かが望むことをするということではありません。意思決定を適切に行うためには、入手可能な最大限の情報と、最善の行動方針に対する専門家としての意見を提示する必要があります。 自律性は、エクササイズの成果に影響を与えることが示されています“自律性:プログラムを成功させるために欠けている要素?”もしかしたら、自律性と選択があれば、リハビリにおけるエクササイズとのより良い‘結びつき’につながるかもしれません。 エクササイズや運動、負荷のかけ方にはたくさんの方法があるので、いくつかの選択肢を提示して、次に進むためのベストな方法を選択できるようにすることはそれほど難しくないはずです。同様に、最良のデータと経験に基づいて、その人に‘ぴったり’と思われる最良の行動指針について意見を述べることがセラピストの責任でしょう。 このプロセスにおいて、お互いの責任を明確にすることは、重要なステップです。私はいつも、私はガイドや手助けをするためにここにいますが、あなたが実際にやってみて、それがうまくいくと信じなければうまくいきません、と言っています。時にはお互いにその過程や結果を報告する責任を果たすことも必要だと思います。 プランニング 私にとって、これこそが真の生物心理社会主義です。 私たちは皆、仕事や家族、社会的なプレッシャーのある世界に“組み込まれて”生活しています。BPSの視点を導入するための最良の方法の一つは、運動やエクササイズの計画は、時間や労力、他の何かを犠牲にするという意味で、“コストなし”ではできないということを認識することです。 人は、何かをすることが必要なのみでなく、それを実行できるための計画を必要としています。目的地が素晴らしくても、そこに到達するための道筋も必要としているのです。 みなさんはこれまでに、時間や場所、仕組みがはっきりしていないために、なかなか実行に移せないことがどれだけあったでしょうか? 運動をするのに最も適した時間帯はいつですか?仕事の前か後か。どのくらいの時間がいいのか?どんな感じでやればいいのか?円滑に行うための必要な情報を彼らは持っているのでしょうか? “‘非対面’から自律的な主体性”のもう一節では、次の点が強調されています: "書面による説明がないため、何をすればいいのかわからず、処方されたエクササイズができなかった" また、それぞれの社会的環境をうまく利用できるようにサポートすることも有益な方法です。私たちは、多くの“社会的”なものを変更することはできませんが、それらをもっと理解してもらい、導く手伝いはできます。たとえば、より活動的になるために地域社会のサポートを受けるにはどこに連絡したらいいか? 無料または低コストで利用できるリソースはあるか? また、支援団体や家族、友人など、助けてくれる人はいるか? 治療者としてではなく、ガイドとしての役割を果たすことで、多くの人が助かるかもしれません。 サポート&モチベーション 誰かのエクササイズフォームを批判したり、ある種の動きの機能障害を強調したりすることは、PCCとは正反対です。それによって誰かがどう感じるか、その人の行動にどう影響するか全く配慮に欠けています。しかし、もしあなたが単に病理に対して取り組んでいるということであれば、そんなことは気にする必要はないのでしょうか? 他人の立場になるということは、全く逆の見え方になるのだと言えるでしょう。 誰かを批判するのではなく、どうすればその人を引き立てられるかを考えてみてはどうでしょう。長所や利点を強調することを考えましょう。医療の現場では、モチベーションと楽観主義の持つ力を過小評価しているように私は思います。これは、フィットネスの世界ではコーチやトレーナーの役割の基本的な部分ですが、エクササイズを医療に取り入れるようになった際に失われつつあります。 患者さんは、自分自身でこのように言っています! “患者は、パーソナルトレーナーのように自分を後押ししてくれる人が必要である、と報告した” - Holopainen 2018年 おわりに 人を中心としたケアは、その人によって定義される PCCは単にその人が望むものを与えることではない 人は単なる患者(受動的な受け手)ではなく人である “他の人の立場に立つ”ことを考える 共同意思決定(エビデンスに基づいた)についてもっと考える 終わりを念頭に置いてスタートし、価値ある活動に結びつける 彼らの“自分の世界”へ導く役割を果たす 人をノックダウンするのではなく、人を育てる

ベン・コーマック 3429字

患者中心のケアのための簡単なガイド パート1/2

‘痛みの科学’と‘生物心理社会的’に続く最近のバズワード(流行語)は、‘患者中心のケア(ペイシェントセンターケア)’、略してPCCと呼ばれているものでしょう。 バズワードの場合、定義がかなり不十分で、厳密な説明があるわけではありませんが、私はPCCこそが、生物心理社会的(BPS)モデルを実践すべき方法であり、またBPSモデルが本来目指すべきもので、私達が現在持っている痛みに焦点を当てたバージョンではないと考えています。 この記事では、PCCをアクティブケアの中でどのように適用するかに焦点を当てていますが、多少脱線しても驚かないでください。 患者なのか人なのか? この分野のほとんどの文献は“患者中心のケア”について述べていますが、私は“人”を中心としたケアの方が好きです。それは、患者….を一人の人間に変え、双方向の関係の中でより“リアル”な存在にするからです。 “患者”という言葉は長い間、議論の対象となってきましたが、これに関しての興味深い文章から引用を二つピックアップしました。 "患者に代わる新しい言葉が必要か?" “Patient ”はラテン語の “patiens ”に由来し、苦しむや耐えるなどを意味する“patior”からです。この言語では、患者はまさに 受動的な存在で -必要な苦痛には何でも耐え、専門家の介入には辛抱強く耐えるということです。” “医療サービスの利用者と提供者の不平等な関係” これらの興味深い視点は、‘患者’が、個人として考慮されず、何をすべきかを指示される受動的な受け手であるという潜在的な視点を浮き彫りにしています。結局のところ、組織や病理はどのように扱われるかに関心がないのであれば、それを気にする必要はないということですよね? PCCとは実際何か? PCCを定義することは、誰にとっても難しいのかもしれませんね? ある人にとっての人間中心は、別の人にとってはそうではないかもしれませんが、議論の余地がある大まかなテーマや考え方はあるようです。 患者(人)を中心としたケアは、これまで次のように定義されてきました: “生物医学的な問題だけでなく、患者がドクターにもたらすあらゆる範囲の困難に関与しようとする姿勢” - Stewart 1995 “臨床医は患者の世界に入り、患者の目を通して病気を見ようとする”-McWhinney 1989年 “(一人ではなく)二人で行う医療” - Balint e al 1993 (引用:Meadら2000) 私にとってPCCの良いスタートは、セラピストやテクニック、メソッド、エクササイズなどを主役として見ないということ。私たちの助けを本当に必要としている人が主役です。それは、派手さや華やかさや台座を意味するのではなく、目の前にいるこの人が何を必要としているのか、彼らと同じ立場になるとどんな感じか?を考えてみるということです。 もうひとつの非常にシンプルな見方は、あなたならどのように扱われたいか?ということです。 Meadらは、"患者中心主義: 概念的なフレームワークと実証的文献のレビュー"の中で、"患者中心 "の5つの重要な側面を定義しました。 生物心理社会的視点(患者の人生) 一人の人間としての患者 力と責任の共有 治療の協力関係 一人の人間としてのドクター(人間らしさなどの個人的資質) Wijmaらは“理学療法における患者中心主義:どんなことが必要となるか?”を探求し、PCCを次のように定義しました。 “理学療法における患者中心主義とは、個人に合ったオーダーメイドの治療の提供、継続的なコミュニケーション(言語および非言語)、治療のあらゆる側面における教育、患者が設定した目標への取り組み、患者がサポートされ力を与えられる治療、そして患者中心の社会的スキル、自信、知識を持つ理学療法士という特徴を伴うものである。” PCCではないことは PCCに対する批判の中には、消費者主導の医療や‘彼らがしてほしいことを何でもする’というような考えを中心としたものがあるようです。PCCの本質である‘共有された意思決定’という考えは、消費者の医療という考えをある程度受け入れやすくするかもしれません。 このような議論は、治療の種類や、より受動的な手法の適用に支配されがちですが、私たちはこのようなPCCの還元主義的な見方に対して十分注意する必要があります。 誰かの好みに基づいて決定するのではなく、PCCの重要な部分は、人々が決定に参加することであり、その決定には、入手可能な治療に関する最良の情報と、最良の方針のためにも率直で正直な対話が反映されなければなりません。ただ単に“どのような治療を希望するか”ではなく。 MakoulとClaymanは、“医療場面における意思決定共有の統合的モデル”の中で、意思決定を共有するためのいくつかのステップについて述べています。 問題の定義または説明 選択肢の提示 長所と短所(利益/リスク/コスト)を議論する 患者の価値観や好みを評価する 患者の能力や自己効力について議論する 医師の知識や推奨の提供 理解度の確認、明確化 決断を下す、または明確に決定を延期する フォローアップを手配する 人々が本当に望んでいるものは何か? このことは、“人は何を望んでいるのか”ということにうまくつながるものの、好きな治療法の種類を中心に展開することではなさそうです。 PCCは、エンドユーザーである人が広い医療の世界にどう適合するかではなく、彼らのために医療に何ができるかを考えることでしょう。そのためには、彼らに尋ねる以上により良い方法があるでしょうか? 質的調査が増えることは、素晴らしく、人々が何を考え、感じ、最終的に何を必要としているかを理解するのにとても役立ちます。 これは、腰痛における二人の視点に関するとても興味深い論文です:「聞いて、教えて」:非特異的慢性腰痛の患者を対象としたケアにおけるパートナーシップに関する質的研究 この論文の著者は、いくつかの重要な領域を指摘しています。 施術者とのパートナーシップ “参加者全員が、ケア提供者とケア希望者の間で、共通の治療目標を設定するために、互いに情報を引き出し、問題を解決し、交渉し、再交渉する必要があると述べています。” ‘私に質問して’ "意見や目標を明確に尋ねられた場合、医療提供者との関わりが改善された、とすべての参加者が報告した。" ‘私を理解して’ "生活環境や好みを考慮することは、治療上のパートナーシップを築き、運動の成果を最適化する上で、すべての参加者にとって重要であった" ‘私の言うことを聞いて’ "私が理解できるように説明して" –適格で共感できる聞き手を大切にする "自分の体のことは分かっている" - 参加者は‘自分の体を知る’ことが力になると考えています。 しかし、次の文章は特に私の心に響きました: "患者がパートナーシップの中で真の声を求めていることと、患者が医療従事者に明確な診断と最善のマネジメント指導を求めていることの間に緊張が存在していた" それは重要なのか? 人を中心としたケアについてよく聞かれる質問に、PCCは実際に‘アウトカム’を改善するのかというものがあります。PCCがアウトカムに与える影響は実際に重要なのか、そしてどのようなアウトカムについて議論しているのか、というのが私の反応です。 状況的要因が結果に影響を与えることは分かっていますが、PCCが特に最も一般的なアウトカム指標を改善するかどうかは分かりません。しかし、痛みや機能などが変わるかどうかに関わらず、人を大切に扱うことは正しい方法だと私は考えています。現在、多くのデータがあるわけではありませんが、私の見方では、多くの人にとって一般的なアウトカム指標ではなくても、医療における個人的な経験(それ自体がアウトカム指標かもしれませんが)に違いをもたらすと思います。

ベン・コーマック 3441字

壊れない肩を作る

肩関節や股関節の安定性のために用いられる四つ這いでのロッキングのエクササイズのバリエーションで、いかに壊れることのない肩をトレーニングするか?シンプルでありつつ効果的な方法をオリジナルストレングスがご紹介します。

オリジナルストレングス 3:09

股関節前面のインピンジメント対策

股関節の前側がつまるような感じがしたり、インピンジメントを感じたりする時、股関節の後面外側の組織の伸長性を向上させることが、症状解決につながるとすれば?軟部組織へのアプローチを専門とするレニーが、自宅の居間から、誰でも自宅で試せるケアの方法をシェアしてくれます。

レニー・パラシーノ 10:05

硬い筋肉を伸ばすべきではない理由

身体には、私たちが常に理解しているわけではない知恵が詰まっています。 身体は、最適に動き、機能するように設計され、脅威の時代を生き抜き、平和な時代に繁栄するように設計されています。 あなたの身体は何をすべきかを知っているし、もっと重要なことは、身体が何をしているのかを知っているということです。 でも、多くの場合そうではありません。 知恵ではなく、現代の論理で身体にアプローチすることが多すぎるのです。 例えば、身体が痛ければ、なぜ痛いのかを身体に問うのではなく、感じている痛みを和らげたり取り除いたりするためにNSAIDsを服用することがあります。 痛みは、私たちの注意を引くための身体からの信号であることは、多くの人が同意するところです。 身体が私たちに何かを伝えようとしているのです(通常は、私たちがしていることを止めなさいということです)。 身体は、これ以上害を作らないように、あるいは害が起こるのを防ぐために、痛みのシグナルを出すかもしれません。 身体が痛みを感じているとき、身体は鎮痛剤を要求しているのではありません。 何かを変える必要があることを教えてくれているのです。少なくとも、そこから学ぶために耳を傾けなさいということを伝えているのです。 同様に、身体が硬いとき、身体は私たちを守ろうとしているのです。 多くの人は、論理的に、硬い筋肉は伸ばす必要があると推測します。 結局のところ、そうやって緩めて緊張を取り除くことができるのです(まれに、実際にそれがうまくいくこともありますが、それは論理が破綻していることを示す当然の指標となるはずです)。 しかし、身体の知恵では、筋肉が硬いということは、保護を意味します。あなたを守り、自分を保とうとしているのです。 身体は、脅威の時代を生き抜くために設計されていることを忘れないでください。 緊張して筋肉が硬くなるのは、身体が自分を守るために、動くことをガードしたり抑制したりする方法なのです。 基本的に、身体(脳)は安全を感じないと、危険な領域に移動しないように、筋肉を緊張させて身体に制限をかけます。 筋肉が硬いのは防御のメカニズムです。 筋肉が固いということは、脳が何か危険なものを感じて、身体を守ろうとしているのです。 ハムストリングスが硬いとき、身体はストレッチしてくれとリクエストしているわけではありません。 それは、「あなたは安全ではない、どこかに対処すべき危険がある」ということを教えてくれているのです。 硬いハムストリングスを緩めるためにストレッチをするのは、怪我をしないように保ってくれる身体の安全プロトコルを上書きしようとするようなものです。 緊張感、筋肉の硬さには理由があるのです。 脳は、あなたを守ると同時に、あなたの注意を引こうとしているのです。 それだけでなく、硬くなった筋肉を伸ばすということは、ある意味、攻撃的なアプローチであり、力ずくなものです。 誰だって、押しつけられたり、無理強いされるのは嫌なものであり、あなたの身体も例外ではありません。 力ではなく、優しさが脳に安全を感じさせるのです。 多くの場合、筋肉が硬くなるのは、脳が求めている情報が得られなかったり、得ている情報が脳に危険を伝えていたりして、安全でないと感じているからです。 例えば、胸の上の方で呼吸をしていて、お腹に向かって呼吸をしていない人は、横隔膜ではなく、緊急の呼吸に関わる筋群を使っていることになります。 胸の上の方で呼吸をすることで、脳に "危険が迫っている "ということを伝えているのです。 脳は危険を感じると、身体のハッチを閉め、より緊張が必要だと判断した部分(ハムストリングスなど)に緊張(恐怖)と締め付けを与えます。 これが身体の知恵なのです。 私たちには、このメッセージに耳を傾け、この例のように横隔膜を適正に使って呼吸するように、穏やかな行動で対処することで、自ら知恵を働かせるチャンスがあるのです。 要は、痛みや緊張といった身体の警告信号に無理やり反応することは、ベストな行動とは言えず、かえって身体をより危険な状態に導いてしまう可能性があるということです。 それよりも、身体の知恵に耳を傾け、理解することで、何が安全でないと感じさせているのかを見極めようとすることが大切です。 それが決まれば、優しさこそが適切な方法です。 身体が危険だと感じる理由が特定できないとしても、やはり優しさが正しい方法です。子どものように呼吸をし、子どものように動くことで、脳が求めている情報、安心するために必要な情報を優しく与えることができるのです。 前後に揺らすロッキングのような動きは、脳を落ち着かせ、また、全身の関節、筋肉、組織の位置を脳に知らせるのに役立ちます。どこに何があるかわかると、脳は安心して恐怖を手放し、身体は最適に動くことができるようになるのです。 とにかく、緊張とは、身体がストレッチしろとか、無理やり緩めろとリクエストしているのではありません。身体が、あなたを傷つけないように守ろうとしているのです。 硬くなった筋肉を伸ばす前に、もっと優しく、もっと賢い方法を試してみてはいかがでしょうか。

オリジナルストレングス 2199字

バランスの良いプレスのトレーニング方法

プレスの動きのトレーニングにオープンチェーンのみではなくクローズドチェーンの動きを含む重要性を解説します。肩甲骨の上方回旋の動きを指導する重要性を理解して、よりバランスのとれたプレスのトレーニングを実践しましょう。

エリック・クレッシー 4:42

筋膜のレジリアンシー

大学の講師であり、トム・マイヤーズのスクールのインストラクターでもあるローリーは、筋膜解剖クラスのアシスタントとして、正確な解剖スキルと穏やかな人柄で、解剖クラスに初参加の皆さんも安心して質問することができる頼りになる存在。ダンスとムーブメントセラピーを専攻したローリーからの提案をご覧ください。

強化トレーニング 4:39

レジリエンス:それは何か、そしてなぜ回復にとって重要なのか? パート2/2

レジリエンスとは個人的なものである 意義深い活動は、ストレスの多い状況においてバランスを与えるでしょう。特に、頑固な痛みを抱える人たちは彼らがかつて行っていたものやレジリエンスを定義するであろうことを見失ってしまうかもしれません。このような人達は、何らかの意味や目標を再び見つけるためにガイドやコーチが必要かもしれない人たちなのです。 大事な活動や物事(つまり物事)に対して継続して取り組むことが、レジリエンスの大きな指標であるように思えます。いくつかの意義のある活動をよりよく理解するために、私は人々に、ソーシャルメディア上で苦しい時に何が重要だと思ったかを質問しました(詳細な研究ではないのはわかっています)。 エクササイズは人々にとってレジリエンスの本当に重要な標識になっているようにみえ、かなりの逆境の中での多くの成功談を聞けたのは素晴らしいことでした。ちなみに、患者の人たちに、適切な時期に適切な方法で他の患者の成功談を伝えることは、私の経験においてとても強力なツールになり得ます。 ウェイトリフティング カポエイラ ヨガ ピラティス ボクシング サイクリング クロスフィット ランニング ウォーキング ボルダリング 様々なスポーツ 体操競技 ダンス 創作 ハイキング 仕事もかなり目立っていました。ただの日常生活での機能も重要なようです。エクササイズのように、私たちの仕事生活はセラピストから看護から運転と多岐にわたっています。家族というコンセプトもよく目立っており、家族を援助し扶養することは多くにとってレジリエンスの重要な一部を形成しています。 レジリエンスは様々なものの豊かなタペストリーのように見えます。これについての臨床的意味は、レジリエンスを表すであろう活動が何であるかを調べるために効果的に聞き取りいくつかの質問をすることができ、そして、そのような活動に向かって人を導き、取り組むための計画とサポートを与えることができるということです。 私が使用するいくつかの質問の例を紹介します: 「痛みがなくパーフェクトな一日とはどの様なものですか?」 「痛みを理由に止めたことは何ですか?」 「重要だと思っているもので痛みのために避けているものはありますか?」 いくつかの引用も選んでみました。名前は使っていません:) 「長年、私の基本姿勢は、自身を孤立させ、力づくで乗り切ろうとし、そしてわざわざリソースや計画を求めないようにすることでした。私はそれが、私がとるべき方法だと思っていました;「男らしく」押し通すのです。私にとって、受け入れることを学んだ時にレジリエンスを見つけた(いまだに見つけようとしています)と思います。受け入れるということにたどりつくこと、そしてまだ今もそのようにできるように苦労していますが、一人ではできないということを認めなくてはならない大変な時でした。私はその感覚が大嫌いだったのです。」 「レジリエンスは私たちみんなの中にありますが、前へ進む道を探すのを助けるためにはガイドが必要な時もあります。しかし必ず前へ向かう道はあるのです。」 「私のレジリエンスをもっとも向上させてくれたことは、助けを求めることだと言えるでしょう。私の師や友人、カウンセラー、家族からです。脆弱性が私のレジリエンスをより高めることにつながりました。」 「サイクリングが大好きですが、急な上り坂を上るときに痛みが10倍に増えます。やり通して、サイクリング後30分ぐらいで痛みが通常のレベルに戻ります。自転車に乗ることは腰痛よりも私の精神衛生上より重要なので、もしかしたらそれがやり通した理由かもしれません。」 「私にとってのレジリエンスとは、自分でコントロールできることとできないことがあることを知ることであり、コントロールまたは受け入れられることに対してエネルギーや集中力をつぎ込むことです。」 「レジリエンスとは、毎朝起きて他の人のけがに取り組むことです。時にはベッドから出ることが一番難しいことです。」 それは、生活の中でストレスの多い部分と幸福をもたらしてくれるもののバランスをとることであるかもしれませんし、また喜びは最も重要で、このバランスを失う時に私たちはより脆弱になり、もしかしたら私たちの仕事はこの過程で手を差し伸べることなのかもしれません。 どの様な要素がレジリエンスを構成するのか? SturgeonとGoubertの両者が、レジリエンスに関するいくつかのポジティブな要素といくつかのリスク要因を概説しています。 まずそのポジティブな要素から始めていきましょう。 楽観主義とポジティブな感情 楽観主義は痛みのレベルの低さと関係あることから、重要な特性であるように思え、これは予測された見込みが結果に関係している理由を支持するかもしれません。楽観主義は臨床医と患者の両方の立場からとらえられるべきで、両方の観点が「第三の領域」の中で関連することは疑いの余地がありません。 良い研究があります(*ここ*と*ここ*) 私たちが自身に対して尋ねることとして: 自分は一般的に楽観的な臨床医/人間か? ポジティブな結果についてどれだけ楽観的か? ポジティブな結果について、特に機能の向上について話し合うことがあるか? その人の話や経歴、以前のポジティブな経験に対し、ポジティブな面を強調して楽観的になれるか? 誠実さに欠けるように見えないようにすることは重要ですが、生活や行動についてのポジティブさやポジティブで感情的な見解の必要性は強調されるべきです。ただ、これは、頑固な痛みのような難しい状況に対する正常なネガティブな反応の認識の後に起こるべきでしょう。 私は、ネガティブな考え方や態度のネガティブな面を強調することも大切なことだと感じます。 痛みの受容と意義深い活動への継続的な参加 痛みの受容とは痛みがあることを認識し、痛みをコントロールしようとすることをやめ、痛みがあるにも関わらず、より豊かな生活を送ることを学ぶことと定義されます。これは転じて、意義深い活動へのさらなる参加へとつながります。 Sturgeonはこう記しています。 「より多くのレベルの活動へ参加している人達は、意義深い活動を追い求め続けることで、痛みにもかかわらずポジティブな感情をより上手に支持できるでしょう。」 これは、研究と私がソーシャルメディア上で行ったより詳細な質的研究(;))の両方で強調された重要な要因のようです。 社会的支援 社会的な支援を積極的に求める人は、痛みがより少ないようにみえます。Riika Holopainenによる著作(リンク)等から、私たちは、頑固な痛みを持つ人たちは生活の幅が狭まり、そしてかつて楽しんで行っていたことをあきらめなければならなかったことを知っています。 痛みは、レジリエンスにとって重要なポジティブな社会的交流を妨げますが、痛みはさらに、このようなポジティブな社会的交流や、ポジティブなレジリエンスの一般的な供給源を認識する能力を狭めてしまうでしょう。 リスク要因 痛みの誇大表現と回避 より高いレベルでの痛みの誇大表現と恐れは、より高いレベルの痛みと関連があり、痛みの誇大な表現は(痛みに)対処するための回避アプローチのような、非効率な対処方法につながります。このような行動は、社会的な交流や身体活動といったことを回避させる痛みの感情-モチベーションの面と一致します。本来、これは、痛みへの恐れから意義深い活動によって得られる喜びやポジティブな面を制限し、またレジリエンスの行動を減少させるでしょう。この長引いた回避は鬱や障害にもつながるでしょう。 回避アプローチを強調し、そしてこれらが実際に役に立つかどうかを正当化する助けとなることも重要だと感じます。 しかし、単にその人に回避する人、というレッテルをつけないようにするのも重要です。回避は、すべてのことと同様に複雑なことです。ある活動が回避行動のように映る一方で、ほかのことへは参加しているのです。ある人の人生の苦労している部分でその人を表すことは少し残酷でしょう。 レジリエンスまたは脆弱性 レジリエンスとは安定した状態に見えない、ということを心にとめておかなければなりません。人々は単にレジリエンスを持ち合わせている、または脆弱であるということではないのです。そうではなく、両方の面の構成要素をバランスをとるように持ち合わせています。ある時はより脆弱になるかもしれませんし、最もレジリエンスのある人でさえ、そうでなくなるまではレジリエンスがあるのです。人生のある部分で脆弱かもしれませんが、ほかの部分ではそうでないかもしれません。身体的にレジリエンスであるかもしれませんが、感情的には脆弱であり、またはその逆かもしれません。日によって変わるかもしれません。私たちが痛みの経験、そしてその痛みがもたらす全ての面について理解していることの一つは、それは予測通りに予測できないということです。 レジリエンスは、実際のところ連続体としてとらえられるべきです。異なるけがは異なるレジリエンスの水準が必要かもしれませんし、また、ある人は、彼らの人生における多くの要因によって現在のレジリエンスの状態でいるのです。ある人たちはすばらしいレジリエンスがあるかもしれませんし、けがのタイプや状態によっては多くのレジリエンスを必要としないかもしれません。すべての痛みのある問題において、適切な治療を適切な時に適用するためには医療的な理由づけに頼るのです。 要点 レジリエンスとはタフネスではありません。 レジリエンスとは適応および身体的および心理的な柔軟性に関することです。 レジリエンスは連続体で表わされます。 レジリエンスとは異なる人において異なるものに見え、感じられます。 楽観主義が重要です。 意義深い活動に引き続き参加することが重要です。 痛みの誇大表現と回避する行動はリスク要因です。

ベン・コーマック 4237字