マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてポイントとコインを獲得すれば理解も深まります。
血流制限トレーニングの背景 パート2/2
プログラムデザイン 多くのトレーニング戦略が血流制限トレーニングのための文献において報告されているが、1RMの20-30%の低相対負荷レジスタンストレーニングがおそらく最も一般的に使用されるトレーニング戦略であろう。ウォーキングエクササイズもまた、血流制限と共に一般的に使用されるエクササイズ方法である。ファーズおよびその他(2012年b)は、高負荷レジスタンスエクササイズを行うことが不可能な個人に対し、血流制限トレーニングを効果的な代替案として述べている。一方ホリウチおよびその他(2012年)は、血流制限トレーニングは、有酸素トレーニングおよび高負荷トレーニングの間の矛盾を克服する新しい手段であるかもしれないと示唆している。これは、血流制限トレーニングはストレングスおよび持久系のトレーニングを同時に始めるアスリートに対し、有益であるかもしれないということを示唆している。 安全性 序論 全てのレジスタンストレーニングと同様、血流制限に関連するリスクは存在する。一般的にレジスタンストレーニングに関するリスクは十分に理解されておらず、幅広く研究がなされていない。一般的なレジスタンストレーニングに関するリスクについての基準となる情報の欠如にもかかわらず、特に血流制限トレーニングに関し多くの懸念が示されている。 一般集団における使用 一般集団における血流制限トレーニングの使用は、比較的安全なようである。スコットおよびその他(2014年)は、血流制限の不適切な使用は、点状出血(ひどいあざなど)および目眩を含む有害な影響を引き起こす可能性があると結論付けている。しかしマーターおよびその他(2014年)は、血流制限トレーニング後の一部の健康に関するアンケートにおいて、有意な向上を発見している。しかし彼らは、いかなる臨床的証拠もいかなる有害事象に対する自己報告も発見しておらず、また彼らはいかなる検査パラメーター(クレアチンキナーゼおよびアルドラーゼ)における変化も観察してない。同様に、カラブルトおよびその他(2013年)は、6週間にわたる血流制限トレーニング後、安静時の血清中クレアチンキナーゼおよびインターロイキン-6(IL-6)の値における変化がなかったことを報告している。 特別な条件下での使用 さらなる危険性考察は、特殊な状況下における血流制限トレーニングの適用に関し取り上げられた。例として、無重力環境において、重力のようなストレスを刺激として与える方法として、血流制限トレーニングを使用する余地があるかもしれない(ナカジマおよびその他、2008年)。しかし、下肢の血液貯留およびそれに続く静脈還流の減少によって、微少重力における血流制限トレーニングの際に失神が誘発される可能性があり(ナカジマおよびその他、2008年)、そのことがこのトレーニングを安全上の理由から選択肢としては魅力のないものにしている可能性がある。 負傷者集団における使用 特殊な状況下における血流制限トレーニングの使用に関し、負傷者集団におけるその使用に対する安全性の懸念が持ち上がっている。それにもかかわらず、負傷者集団に関し予備的証拠は、血流制限トレーニングレジスタンストレーニングは、傷害を負った骨の治癒に実際有益であるかもしれない(ロエンネックおよびその他、2013年a)ということを示唆しているが、これらの発見を一般化し、傷害を負った軟部組織に対し血流制限トレーニングを使用することの有効性および安全性に関する結論を引き出すことは不可能である。 不健康な集団における使用 特殊な状況下および負傷者集団における血流制限トレーニングに関し、不健康な集団におけるその使用に対する安全上の懸念が持ち上がっている。それにもかかわらず、血流制限トレーニングは、正常血流でのレジスタンストレーニングによりもたらされるものと同様の運動後低血圧を生み出すと示されている(ネトおよびその他、2015年)。運動後低血圧は、高血圧の個人における安静時の血圧を制御する重要な戦略であるかもしれない(ケニーおよびシールズ、1993年)ということを考慮に入れると、これは、不健康な集団において、確かに血流制限トレーニングの健康上の利益が存在する可能性を示唆している。さらにマデルアメおよびその他(2013年)は、血流制限トレーニングは、運動誘発性凝血および炎症反応に悪影響を及ぼさないようであるという、虚血性心疾患をもつ患者における血流制限トレーニングの安全性に対する有望な発見を報告している。しかし、二重積の増加(心筋酸素需要の指針)は、血流制限無しと比較し血流制限を伴うトレッドミルにおけるウォーキング後、3倍の多さであったという発見は、血流制限トレーニングの使用は、易感染性の心臓疾患をもつ個人においては注意が必要であるかもしれないという結論を導き出した(レンジおよびその他、2010年)。 禁忌 おそらく方法の目新しさ、あるいは血流制限が関わることから、特別な集団において従来のエクササイズトレーニングに加え血流制限トレーニングを導入する際は、さらなる注意が常に喚起されている。例えば、ロエンネックおよびその他(2011年a)、ロエンネックおよびその他(2014年b)の両方は、血流制限トレーニングに対する禁忌は、深部静脈血栓症、妊娠、静脈瘤、高血圧、および心疾患を含むと結論付けている。さらにポープおよびその他(2013年)は、非常に長時間の虚血は筋組織の壊死を引き起こすということを強調している。そのようなものとして、長時間血流制限トレーニングを継続して行うことを避けることは理にかなっているかもしれない。 結論 加圧トレーニングという言葉は、加圧マスター装置が使用された場合のみ使われるべきである。しかしながら、血流制限トレーニングおよび閉塞トレーニングという言葉は通常ほぼ同じ意味で使われる。 血流制限トレーニングは、最も一般的に、低負荷(1RMの20-30%)におけるレジスタンストレーニングを使い、10中7という知覚的圧迫感において巻かれたラップと共に使用される。 血流制限トレーニングは比較的安全なようである。しかしそこには特定の禁忌があり、特別な集団において、特殊な状況下、および長時間の継続した使用に関しては注意が示されるべきである。
血流制限トレーニングの背景 パート1/2
目的 この記事は血流制限トレーニングの定義、歴史、および傷害の危険性や適用加圧レベルの影響のような、その使用を取り巻く主な問題を提供している。 定義 序論 血流制限トレーニングは、エクササイズの際、静脈還流を閉塞しながら動脈流入を維持することを目的とした、四肢の近位に巻かれたカフやラップの使用を含む新しいトレーニング戦略である(スコットおよびその他、2015年)。血流制限トレーニングは、様々なエクササイズ方法の中で使用されている。これらはウォーキング、サイクリング、およびレジスタンストレーニングを含む。血流制限を伴うレジスタンストレーニングを行う場合、比較的低負荷ではあるが非常に高圧のカフもしくはラップが最も一般的に使用される。実質的には、血流制限トレーニングは、1RMの約20-30%という低負荷におけるレジスタンストレーニングを使う際、10中7の知覚的圧迫感において巻かれたラップと共に最も一般的に使用される。 加圧 加圧は、佐藤義昭先生により開発された特徴的なトレーニングである。その方法は、働いている筋肉の近位に対し加圧マスター装置として知られる器具を使用した血管の圧迫を含んでいる。 血流制限トレーニング 働いている筋肉の近位における血管の圧迫が、加圧マスター装置の使用以外の手段で達成された場合、一般的には「血流制限トレーニング」という言葉が使われる。この圧力をかけるために使用される最も一般的な代替方法は、伸縮性のある膝ラップの使用によるものである。この方法の簡易さのためにこのタイプの血流制限トレーニングは、較正された圧力を生み出すために膨張したカフが使用される、より注意深く制御されている方法から識別するため、しばしば「実践的な血流制限トレーニング」と呼ばれる。 閉塞トレーニング 閉塞トレーニングという言葉は多くの場合、血流制限トレーニングと同じ意味で使われる。閉塞トレーニング自体もまた、エクササイズの際に四肢の近位に巻かれたカフおよびラップを含むトレーニング戦略である。 低酸素トレーニング 低酸素トレーニングという言葉は、エクササイズの際の酸素利用率を制限したトレーニングを指す。これは通常、低酸素室を使用して達成される。血流制限トレーニングは、局部的な低酸素効果を作り出すことにより達成されるが、低酸素室の使用は低酸素症をもたらす可能性が高い。 歴史 序論 血流制限トレーニングへの興味は、サトウヨシアキによる加圧トレーニングの開発から生じている。伝えられるところによれば、サトウは当初、異なる自転車チューブ、ロープ、またバンドを彼の異なる部位へ巻くことにより、彼自身に対し実験を行った(さらにはKaatsu-global.comを参照)。1994年にサトウは、商業的に入手できる最初の加圧バンドを生産し始めた際、最初の特許を申請した。 血流制限の実践的な適用 序論 レジスタンストレーニング(およびその他の方法)と血流制限の組み合わせには、いくつかの恩恵があるようであるということに基づき、実践的な指針がたびたび求められてきた。しかしいくつかの点において明確な指針を文献から引き出すことは困難である。血流制限トレーニングに対する現在の研究の多くには、血流制限方法の適用に含まれるパラメーターに関する詳細が欠けていることが多い。例えば、使用された正確な圧力は多くの場合公開されておらず、これは重大な問題であると思われる(さらには、ロエンネックおよびその他、2013年b、ロエンネックおよびその他、2014年cを参照)。大きすぎる圧力は危険性を増すが、適応が起こるためには、十分な圧力が必要であると示唆されている。この点においてスガヤおよびその他(2011年)が、筋肉内の無機リン酸塩の蓄積(疲労の指標)は、高圧力レベル(230mmHg)においてのみ達成されることが可能であり、中圧力レベル(180mmHg)においては達成されないということを発見しているということは注目に値するだろう。 人体測定の影響 血流制限カフの圧力に関し、信頼性のある指針の問題をもたらす重要な要因は、人体測定の差違により生じる個人差である(さらにはロエンネックおよびその他、2013年bを参照)。この点においてロエンネックおよびその他(2015年a)は、大腿囲は下半身における動脈閉塞の最大の予測因子であるということを発見している。またカラブルトおよびその他(2011年)は、大腿部組織およびサイズは制限された血流制限圧力に有意な影響を及ぼすということを発見している。さらに筋電図検査(EMG)は、カフの硬さ、また皮膚および皮下脂肪の厚さ(カラブルトおよびその他、2013年)により有意に影響を受ける。これらの発見は、血流制限カフ圧力レベルは実際には、試験における全ての被験者にわたり比較可能な値を得るため、個人の人体測定の差違に従い調整されるべきであるということを示唆している。 圧力レベル 最も強い急性筋反応をもたらす推定の動脈閉塞圧力の割合に対する調査において、ロエンネックおよびその他(2014年a)は、圧力は40-50%の動脈閉塞において筋活性化を増加するようであるが、より高い圧力においてはさらなる増加はもたらさないということを報告している。ゆえに40-50%の動脈閉塞を引き起こす圧力レベルが最適であるようである。しかしウィルソンおよびその他(2013年)は、(圧力を加えるためにラップを使用する際の)実践的な血流制限における10中7というラップの知覚的圧迫感は、完全な静脈閉塞は引き起こすが、動脈閉塞には至らないということを発見している。これは、エクササイズの際に静脈還流を閉塞しながら動脈流入を維持するという血流制限トレーニングの目的と一致している。このラップの圧力レベルは、血流制限トレーニングの有効性を示している調査においても、ラウリーおよびその他(2014年)により使用されている。 素材の種類 血流制限を提供するカフに使用されている素材の種類は、重要ではないようである。(ロエンネックおよびその他、2014年d)。しかしさらに熟考すべきことは、カフの圧力が継続的であるのか、もしくは間欠的であるのかということである。予備的証拠は、急性の血行動態は、継続的もしくは間欠的な圧力が使用されているかどうかに従い変化する可能性があるということを示唆している(ブランドナーおよびその他、2014年)。しかし最新の研究は継続的な血流制限のみを使用している。
コンプレッション衣料の筋肉痛への効果 パート2/2
プライオメトリックス後のDOMS 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – 主にジャンプ、ホップ、ドロップランディングから成るエクササイズセッションであれば何でも 比較 – コンプレッション衣料の使用と衣料無し、もしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – 認識された筋肉痛の測定値もしくは評価尺度であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:デイヴィスおよびその他(2009年)、ダフィールドおよびその他(2010年)、ジェイクマンおよびその他(2010年)、ジェイクマンおよびその他(2010年b)。 発見 コンプレッション衣料を着用することは、プライオメトリックセッション後1-72時間の間における目立ったDOMSの有益な減少をもたらすようである。筋肉痛を減少するためにコンプレッション衣料を使用することは、男女両方、そして十分なトレーニングを行っているチームスポーツアスリートに対し有益であるようである。 4つの研究が、プライオメトリックエクササイズ後におけるコンプレッション衣料のDOMSへの影響を評価している。全ての研究は市販のロングコンプレッションタイツを使用しており、エクササイズ後24時間の時点でDOMSを評価しているが、一部の研究は48時間後(ジェイクマンおよびその他、2010年、2010年b、デイヴィスおよびその他、2009年)および72時間後(ジェイクマンおよびその他、2010年、2010年b)の筋肉痛も評価している。4つすべての研究は、コンプレッションタイツは各時点(24時間から72時間)におけるDOMSを減少したということを発見している。例外として、デイヴィスおよびその他(2009年)が、48時間の時点におけるDOMSは減少したが、24時間の時点ではそうではなかったということを報告している。 要約 ロング丈コンプレッションタイツを着用することは、プライオメトリックス後24-72時間の間におけるDOMSのわずかな減少を生み出す。 有酸素運動後のDOMS 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – 定常有酸素運動セッションであれば何でも 比較 – コンプレション衣料の使用と、衣料無しもしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – 認識された筋肉痛の測定値もしくは評価尺度であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:アイおよびその他(2007年)、ヒルおよびその他(2014年)、トレセラーおよびその他(2015年)、ビーゼンおよびその他(2014年)。 Findings 5kmからマラソン(ロードおよびトレイルランニングの両方を含む)までの間の距離における持久系エクササイズ後にコンプレッション衣料を着用することは、エクササイズ後1-24時間の間におけるDOMSの減少を生み出す。 4つの研究が持久系トレーニングセッション後における、コンプレッション衣服のDOMSへの影響を評価している。その研究は、5kmからマラソンまでの距離におけるロードランニング(ヒルおよびその他、2014年、アイおよびその他、2007年、トレセラーおよびその他、2007年)、および総合して15.6kmである上り坂と下り坂のトレイルランニング(ビーゼンおよびその他、2014年)を評価している。被験者は、女性(ヒルおよびその他、2014年、トレセラーおよびその他、2015年)、男性(アイおよびその他、2007年)、および熟練した男性ランナー(ビーゼンおよびその他、2015年)であった。1つの研究のみがロング丈コンプレッションタイツの使用を評価しており(ヒルおよびその他、2014年)、他の研究は膝丈コンプレッションストッキングを使用していた。 要約 持久系トレーニング後にコンプレッション衣料を着用することは、24時間までのDOMSを減少することにおいて有益である。対照的に48時間の時点における効果は無いようである。 間欠的運動後のDOMS 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – 間欠的有酸素運動セッションであれば何でも 比較 – コンプレッション衣料の使用と、衣料無しもしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – 認識された筋肉痛の測定値もしくは評価尺度であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:アイおよびその他(2007年)、ダフィールドおよびその他(2008年)、モンゴメリーおよびその他(2008年)、ダフィールドおよびその他(2007年)。 発見 コンプレッション衣料は、スプリントの反復および練習試合を含む間欠的運動後24-72時間の間におけるDOMSを減少するようである。コンプレッション衣料は、より多量もしくは高強度のエクササイズ後によりいっそう効果を示すようである。 4つの研究が、間欠的運動後におけるコンプレッション衣料の効果を評価している。間欠的運動の種類は各研究によって異なっており、スプリント(ダフィールドおよびその他、2007年、ダフィールドおよびその他2008年)、多段階漸進フィットネステスト(アイおよびその他、2007年)、もしくは3日間にわたるバスケットボールトーナメント(モンゴメリーおよびその他、2008年)から成っていた。各研究の被験者は全て、趣味またはクラブ基準のスポーツ選手、もしくは趣味として活発に活動する男性であった。コンプレッション衣料は、ロングタイツ、ロングタイツとシャツ、あるいは膝丈ストッキングであった。全ての研究は、エクササイズの24時間後のDOMSを評価しており、2つの研究はさらに48および72時間後のDOMSを評価していた(ダフィールドおよびその他2008年、モンゴメリーおよびその他、2008年)。コンプレッションの有益な効果は、3つの研究において発見されたが、漸進フィットネステスト後のDOMSを評価した研究は、コンプレッションのいかなる影響も示していなかった(アイおよびその他2007年)。さらにコンプレッション衣料は、ラグビーの練習試合後48時間および72時間の時点において、またバスケットボールトーナメント中のDOMSの有益な減少をもたらしている。 要約 コンプレッション衣料を着用することは、スプリント後や間欠的スポーツ後24-72時間の間のDOMSを減少することに対し有益な効果がある。 結論 コンプレッション衣料は、レジスタンストレーニング、プライオメトリックトレーニング、また定常および間欠的有酸素運動を含む多数のタイプのエクササイズ後におけるDOMSを減少する。 ほとんどの場合、DOMSの軽減は24-48時間の間に観察されているが、ある種のエクササイズはより長時間(レジスタンストレーニング、プライオメトリックトレーニング)およびより短時間(有酸素トレーニング)におけるDOMSの軽減を示している。 DOMSの軽減は、男女同様に、また熟練したアスリートおよびレジスタンストレーニングを行っている個人において体感されるようである。コンプレッション衣料は、より多量のエクササイズもしくはより高強度におけるエクササイズ後により多くの恩恵をもたらすようである。
コンプレッション衣料の筋肉痛への効果 パート1/2
目的 この記事は、エクササイズ後の回復期間中における、筋肉痛の測定値に対するコンプレッション衣料の影響を要約している。 遅発性筋肉痛(DOMS)に対する影響 序論 多くの研究は、趣味として運動を行う人、地域および大学のアスリート(そして持久系アスリート)また、ストレングストレーニングを行っていない男女を含む様々な個人において、エクササイズ後に認識されている筋肉痛へのコンプレッション衣料の影響を評価している。認識されている筋肉痛とは、エクササイズ後の筋肉において感じられる不快感、圧痛、もしくは痛みのことを言い、一般的に、個人が活動の低減した期間から復帰した際、もしくは比較的新しいトレーニングの刺激を経験した際に増大される。認識されている筋肉痛はきわめて一般的に遅発性筋肉痛(DOMS)を指す。スポーツ科学者たちは、様々な測定値によりDOMSを数値化することが可能であり、個人が認識している「全体的な」筋肉痛、もしくは日常生活を行っている際の、筋肉をその可動域で動かしている際の、あるいは触診による主観的な評価尺度(視覚的アナログ尺度)が最も一般的である(チャンおよびその他、2003年、クレーマーおよびその他、2010年)。 エキセントリックトレーニング後のDOMS 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – 急性筋損傷を起こすことを目的とした、エキセントリックの高負荷もしくは最大負荷に注目したエクササイズセッションであれば何でも 比較 – コンプレション衣料の使用と、衣料無し、もしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – 認識された筋肉痛の測定値もしくは評価尺度であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:カーリングおよびその他(1995年)、クレーマーおよびその他(2001年)、クレーマーおよびその他(2001年b)。 発見 エキセントリックトレーニング後における、コンプレッション衣料のDOMS測定値への影響は、(全てではないが)多くの研究がエクササイズ後24時間から5日の間において向上を示しているため、いささか不明確である。 3つの研究全ては、腕屈筋群へ対するエキセントリックな損傷後、24、48,72時間の時点において認識された筋肉痛を評価しており、全ての被験者はコンプレッションスリーブを着用していた。この研究における被験者は、ストレングストレーニングを行っていない男性(クレーマーおよびその他、2001年)、ストレングストレーニングを行っていない女性(クレーマーおよびその他、2001b)、および男女大学生であった(カーリングおよびその他、1995年)。それらの研究のうち2つは(クレーマーおよびその他、2001年、クレーマーおよびその他、2001年b)、コンプレッションスリーブは全ての時点において認識された筋肉痛に対し有益な影響があったということを発見しているが、もう1つの研究は(カーリングおよびその他、1995年)、コンプレッションスリーブの影響を発見していなかった。コンプレッションスリーブの有益な効果を発見した両方の研究は、他の研究と比較し多少多くのエクササイズ量を使用していた(100対70総レップ)。同様にカーリングおよびその他(1995年)は、エキセントリック損傷後に一般的にみられる筋力強化もしくは筋肉の腫れはエクササイズ後に変化していないということを報告している。 要約 コンプレッションスリーブは、筋力強化もしくは筋肉の腫れが起こるエキセントリック筋損傷後のDOMSを軽減する。 レジスタンストレーニング後のDOMS 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – レジスタンストレーニングセッションであれば何でも 比較 – コンプレション衣料と、衣料無しもしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – 認識された筋肉痛の測定値もしくは評価尺度であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:クレーマーおよびその他(2010年)、後藤およびその他(2014年)、フレンチおよびその他(2008年)。 発見 今までに、少数の研究がレジスタンストレーニング後におけるコンプレッション衣料のDOMSへの影響を評価している。レジスタンストレーニングを行っている男女において、上半身および下半身のコンプレッション衣類は、全身のレジスタンストレーニングセッションの24時間から48時間後におけるDOMSの有益な軽減をもたらすようである。 レジスタンストレーニングセッション後のDOMSを評価した研究は、3つ存在する。1つの研究は(フレンチおよびその他、2008年)、被験者に下半身のレジスタンストレーニングのみを行わせ(最大エキセントリック負荷において10回のバックスクワットを6セット)、他の2つの研究は全身のレジスタンストレーニングセッションを完遂させた。レジスタンストレーニングのDOMSへの影響は、レジスタンストレーニングを行っている男性(後藤およびその他2014年)、トレーニングに精通している男性(フレンチおよびその他、2008年)、およびレジスタンストレーニングを行っている男女(クレーマーおよびその他、2010年)において研究されている。2つの研究は全身用ボディコンプレッションスースを使用し(クレーマーおよびその他、2010年、後藤およびその他、2014年)、1つの研究はロングタイツを使用していた。被験者が全身のレジスタンストレーニングを行った2つの研究は、エクササイズ後24時間および48時間の時点の両方において測定した際、コントロール被験者と比較し有意なDOMSの向上を報告している。対照的に、フレンチおよびその他(2008年)は、下半身のレジスタンストレーニング後1—48時間の間におけるDOMSに差違はなかったと報告している。また被験者は、エクササイズ後の1時間と比較し、いかなる時点においてもDOMSに差違はなかったと報告している。対照的に、他の2つの研究における全ての被験者に対し、エクササイズの24時間後に測定を行った際、DOMSは有意により大きく、トレーニング効果の差違を示しており、それが発見の差違につながったのかもしれない。 要約 全身用コンプレッションスーツを着用することは、全身のレジスタンストレーニング後24−48時間におけるDOMSを軽減する可能性がある。
なぜパーシャルスクワットは部分的な結果(特定の筋力)を生み出すのか? パート2/2
部分的 vs. 全可動域エクササイズ(パートA) ここでは、下記のことが言える。 生体力学的に、短筋長における等尺性トレーニングは、実際には想像以上に一定負荷を伴う部分的可動域トレーニングや、バーベルバックスクワットのようなフリーウェイトエクササイズと類似している。 同様に、長筋長における等尺性トレーニングは、思っているほど一定負荷を伴う全可動域トレーニングやフリーウェイトエクササイズと類似性がないわけではない。 これには2つの理由がある。 第一に、バーベルに対し力を発揮する際、総垂直力はリフトの段階により異なる。これは、総力は重量(重力に対抗するために必要な力)および慣性(物質を加速するために必要な力)の両方から成るためである。リフトの異なる段階では、異なる量の加速が必要とされ、ゆえに異なる力が必要とされる。リフトの始動段階においては、最も加速が必要であり、慣性に関しては最大の力が必要とされる。総垂直力は、他の段階と比較し、リフトの始動段階において10-20%大きい。 第2に、股関節および膝関節における外部モーメントアームは、ウェイトが床により近い、バーベルバックスクワットのようなリフトの始動時において非常に長く、ウェイトを持ち上げると非常に素早く短くなる。これは、バーベルの負荷が変化しないにもかかわらず、バーベルにより生み出される股関節および膝関節のトルクがリフトの始動時に最大であり、上に持ち上げるに従い減少していくということを意味している。 長い外部モーメントアームは、スクワットの下部を辛くする。 言い換えれば、バーベルバックスクワットのような一定の負荷のフリーウェイトエクササイズを使用する際、エクササイズが部分的であるか、もしくは全可動域であるのかどうかにかかわらず、筋肉はリフトの始動時に非常に強く収縮しなければならず、その後エクササイズはすぐにかなり楽になるのである。 もし個人がパーシャルスクワットを行うのであれば、その個人はこの最大収縮を比較的短い筋長において行うこととなる。一方、フルスクワットを行う際は、個人はより長い筋長において最大収縮を行うこととなる。 ゆえに全可動域および部分的可動域トレーニングは、実は長等尺性および短等尺性トレーニングとあまり差違はないのである。 部分的 vs. 全可動域エクササイズ(パートB) もしフリーウェイトを伴う部分的可動域トレーニングが短筋長における等尺性トレーニングと同様であるならば、それぞれの2つのトレーニングの間に類似点が見えるべきである。同様に、フリーウェイトを伴う全可動域トレーニングが長筋長における等尺性トレーニングと同様であるならば、それら2つのタイプのトレーニングの間にも類似点が見えるべきである。 部分的可動域トレーニング後、我々は、特定関節角度の神経伝達の増加により引き起こされた特定関節角度の筋力増加を確認するはずであり、全可動域トレーニング後には局部的筋肥大により引き起こされた特定関節角度の筋力増加が確認できるはずである。 実際に、部分的可動域トレーニングと比較し、全可動域トレーニングは確かに、筋厚(ピントおよびその他、2012年、マクマホーンおよびその他、2013年)、筋断面積(マクマホーンおよびその他、2014年)、もしくは局部的筋断面積(ブルームクイストおよびその他、2013年)のいずれかのより大きな変化を生み出す。 部分的可動域トレーニング後における、筋電図振幅の変化に関する情報は多くない。とはいえ、マクマホーンおよびその他(2013年)は、全可動域トレーニングは、全ての関節角度において同様の筋電図振幅の増加を生み出し、部分的可動域トレーニングは、短筋長においては振幅を変化させず、より長い筋長においては筋電図振幅を減少させたということを発見している。全体のサイズの変化は予期されていなかったが、長筋長における変化と比較し、短筋長における変化はより大きく、正しい曲線を描いていた。 結論 パーシャルスクワットは、パーシャルスクワットにおいて個人を強化するが、フルスクワットへの移行はない。これはその他のエクササイズにも適用されるであろう。リフティングの段階において、外部モーメントアームの長さがかなり変化するようなエクササイズ二おいては特に。これとは対照的に、フルスクワットはフルスクワットにおいて個人を強化するとともに、パーシャルスクワットにも幾らかの移行が得られる(パーシャルスクワット程ではないが)。 同様に、短筋長における等尺性トレーニングは、その関節可動域における筋力を向上し、長筋長においては非常にわずかな筋力しか向上しない(もし起こるとして)。長筋長における等尺性トレーニングは、その関節可動域における筋力、および短筋長における筋力も向上(若干少ないが)する。 部分的および全可動域トレーニングは、思っているほど短筋長および長筋長における等尺性トレーニングと差違はない。フリーウェイトを伴う多くのエクササイズはスクワットのように、動作の下部においては長く、上部においては短い外部モーメントアームを持つ。ゆえにエクササイズの総可動域(部分的もしくは全可動域)は、最大収縮が起こる際の筋長を決定している。 これらの種類の部分的エクササイズは、主に特定関節角度の神経伝達の増加により、短筋長における筋力を向上するようであり、比較可能な全可動域エクササイズは、主に局部的筋肥大の差違により、長筋長における筋力を向上するようである。 参照文献 Alegre, L. M., Ferri-Morales, A., Rodriguez-Casares, R., & Aguado, X. (2014). Effects of isometric training on the knee extensor moment–angle relationship and vastus lateralis muscle architecture. European Journal of Applied Physiology, 114(11), 2437-2446. Barak, Y., Ayalon, M., & Dvir, Z. (2004). Transferability of strength gains from limited to full range of motion. Medicine & Science in Sports & Exercise, 36(8), 1413. Bandy, W. D., & Hanten, W. P. (1993). Changes in torque and electromyographic activity of the quadriceps femoris muscles following isometric training. Physical Therapy, 73(7), 455-465. Bloomquist, K., Langberg, H., Karlsen, S., Madsgaard, S., Boesen, M., & Raastad, T. (2013). Effect of range of motion in heavy load squatting on muscle and tendon adaptations. European Journal of Applied Physiology, 113(8), 2133-2142. Cale’-Benzoor, M., Dickstein, R., Arnon, M., & Ayalon, M. (2014). Strength enhancement with limited range closed kinetic chain isokinetic exercise of the upper extremity. Isokinetics and Exercise Science, 22(1), 37-46. Ebersole, K. T., Housh, T. J., Johnson, G. O., Perry, S. R., Bull, A. J., & Cramer, J. T. (2002). Mechanomyographic and electromyographic responses to unilateral isometric training. The Journal of Strength & Conditioning Research, 16(2), 192. Folland, J. P., Hawker, K., Leach, B., Little, T., & Jones, D. A. (2005). Strength training: Isometric training at a range of joint angles versus dynamic training. Journal of Sports Sciences, 23(8), 817-824. Graves, J. E., Pollock, M. L., Jones, A. E., Colvin, A. B., & Leggett, S. H. (1989). Specificity of limited range of motion variable resistance training. Medicine & Science in Sports & Exercise, 21(1), 84-89. Graves, J. E., Pollock, M. L., Leggett, S. H., Carpenter, D. M., Fix, C. K., & Fulton, M. N. (1992). Limited range-of-motion lumbar extension strength training. Medicine & Science in Sports & Exercise, 24(1), 128. Hartmann, H., Wirth, K., Klusemann, M., Dalic, J., Matuschek, C., & Schmidtbleicher, D. (2012). Influence of squatting depth on jumping performance. Journal of Strength & Conditioning Research, 26(12), 3243. Kitai, T. A., & Sale, D. G. (1989). Specificity of joint angle in isometric training. European Journal of Applied Physiology and Occupational Physiology, 58(7), 744-748. Kubo, K., Ohgo, K., Takeishi, R., Yoshinaga, K., Tsunoda, N., Kanehisa, H., & Fukunaga, T. (2006). Effects of isometric training at different knee angles on the muscle–tendon complex in vivo. Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports, 16(3), 159-167. Lindh, M. (1979). Increase of muscle strength from isometric quadriceps exercises at different knee angles. Scandinavian Journal of Rehabilitation Medicine, 11(1), 33. Massey, C. D., Vincent, J., Maneval, M., Moore, M., & Johnson, J. T. (2004). An analysis of full range of motion vs. partial range of motion training in the development of strength in untrained men. The Journal of Strength & Conditioning Research, 18(3), 518-521. Massey, C. D., Vincent, J., Maneval, M., & Johnson, J. T. (2005). Influence of range of motion in resistance training in women: early phase adaptations. The Journal of Strength & Conditioning Research, 19(2), 409-411. McMahon, G. E., Onambélé-Pearson, G. L., Morse, C. I., Burden, A. M., & Winwood, K. (2013). How Deep Should You Squat to Maximise a Holistic Training Response? Electromyographic, Energetic, Cardiovascular, Hypertrophic and Mechanical Evidence. Electrodiagnosis in New Frontiers of Clinical Research. McMahon, G. E., Morse, C. I., Burden, A., Winwood, K., & Onambélé, G. L. (2014). Impact of range of motion during ecologically valid resistance training protocols on muscle size, subcutaneous fat, and strength. The Journal of Strength & Conditioning Research, 28(1), 245-255. Noorkõiv, M., Nosaka, K., & Blazevich, A. J. (2014). Neuromuscular adaptations associated with knee joint angle-specific force change. Medicine & Science in Sports & Exercise, 46(8), 1525-1537. Noorkõiv, M., Nosaka, K., & Blazevich, A. J. (2015). Effects of isometric quadriceps strength training at different muscle lengths on dynamic torque production. Journal of Sports Sciences, 33(18), 1952-1961. Pinto, R. S., Gomes, N., Radaelli, R., Botton, C. E., Brown, L. E., & Bottaro, M. (2012). Effect of range of motion on muscle strength and thickness. The Journal of Strength & Conditioning Research, 26(8), 2140-2145. Schott, J., McCully, K., & Rutherford, O. M. (1995). The role of metabolites in strength training. European Journal of Applied Physiology and Occupational Physiology, 71(4), 337-341. Steele, J., Bruce-Low, S., Smith, D., Jessop, D., & Osborne, N. (2012). Limited Range of Motion Lumbar Extension Resistance Exercise in Chronic Low Back Pain Participants. In Proceedings of The Physiological Society. Thépaut-Mathieu, C., Van Hoecke, J., & Maton, B. (1988). Myoelectrical and mechanical changes linked to length specificity during isometric training. Journal of Applied Physiology, 64(4), 1500-1505. Ullrich, B., Kleinöder, H., & Brüggemann, G. P. (2009). Moment-angle relations after specific exercise. International Journal of Sports Medicine, 30(4), 293-301. Weir, J. P., Housh, T. J., Weir, L. L., & Johnson, G. O. (1995). Effects of unilateral isometric strength training on joint angle specificity and cross-training. European Journal of Applied Physiology and Occupational Physiology, 70(4), 337-343. Weiss, L. W., Fry, A. C., Wodd, L. E., Relya, G. E., & Melton, C. (2000). Comparative Effects of Deep Versus Shallow Squat and Leg-Press Training on Vertical Jumping Ability and Related Factors. The Journal of Strength & Conditioning Research, 14(3), 241-247.
なぜパーシャルスクワットは部分的な結果(特定の筋力)を生み出すのか? パート1/2
一般のジムでトレーニングを行う際、私をイライラさせることの1つは、一部の人がスクワットと呼んでいるわずかな膝の屈曲を見ることである。 正直、それは私に自宅に戻ってトレーニングをしたいと思わせるのに十分な程のものである。結局のところ、我々は研究から、パーシャルスクワットは、下肢の発達やアスレチックパフォーマンスに対しより劣っているということは言うまでもなく、下半身の筋力を増加させるためには、フルスクワットほど効果的ではないということを知っている。 しかし、なぜパーシャルスクワットは効果が低いのだろうか? 私は、下記のようなことが起こっているのではないかと考えている。 部分的エクササイズとは何か? 部分的可動域エクササイズに関して述べる際、我々は「可能な可動域の上部のみを行う」ということを意味しがちであるが、実際にはこれは、ボードプレスやハーフスクワットのようなエクササイズバリエーションを指す。 可能な可動域の下部のみを行うことも可能ではあるが、一般的ではない。例としては、バーが膝関節を超すまで持ち上げ、そのまま動作を完遂することなくそのバーを床に戻すといったような(「ハルティングデッドリフト」と呼ばれている)デッドリフトが挙げられるだろう。 しかし筋長は、なぜ部分的可動域エクササイズが部分的な結果をもたらすのかということの背景にある主要な原動力であるため、この部分的エクササイズのバリエーションは「通常の」部分的エクササイズとは全く異なるものであり、ゆえに今日はこれを除外してゆく。 部分的 vs. 全可動域エクササイズ 我々は、部分的および全可動域エクササイズがどのように違うのかを、簡単に要約することができる。 部分的可動域エクササイズは、部分的に行うことにおいて個人をより強化する(ハートマンおよびその他、2012年、ブルームクイストおよびその他、2013年、マクマホーンおよびその他、2014年)。そしてそれらは通常、全可動域における筋力も向上させるが(マシーおよびその他、2004年、スティールおよびその他、2012年、ブルームクイストおよびその他、2013年)、時には向上しないこともある(ワイスおよびその他、2000年、ハートマンおよびその他、2012年)。 部分的可動域エクササイズが全可動域における筋力を向上させる際、若干の例外はあるものの(グレイヴスおよびその他、1992年、マシーおよびその他、2004年、スティールおよびその他、2012年、ケール-ベンザーおよびその他、2014年)、それは全可動域トレーニングによるものと同等となることはほぼない(マシーおよびその他、2005年、ハートマンおよびその他、2012年、ブルームクイストおよびその他、2013年)。 更に重要なことに、部分的可動域エクササイズは、特定関節角度の筋力増加を示しており、トレーニングされた関節角度付近において筋力の増加が最大となっている(グレイヴスおよびその他、1989年、1992年、バラクおよびその他、2004年、マクマホーンおよびその他、2014年)。また、瞬時最大トルク角度は、短筋長へと移動している(マクマホーンおよびその他、2014年)。 全可動域エクササイズは、全可動域エクササイズを行うことにおいて個人をより強化し(ハートマンおよびその他、2012年、ブルームクイストおよびその他、2013年、マクマホーンおよびその他、2014年)、この種のトレーニングはまた、パーシャルスクワットと同様にはいかないが、通常、部分的可動域における筋力へも非常に良く移行される(ワイスおよびその他、2000年、ハートマンおよびその他、2012年、ブルームクイストおよびその他、2013年、マクマホーンおよびその他、2014年)。 なぜこれが起こるのだろうか? この質問へ回答するために、我々は筋力が関節角度可動域によりどのように異なり、異なる関節角度における筋力が、筋力トレーニング後どのように変化するのかを知る必要がある。 以前の記事でこのことは説明してているが、ここでも再度重要点を要約しよう。 異なる関節角度において、筋力の増加はそれぞれ異なる 我々は一般的に、ある関節角度において、その他の角度より強い。実際に、他の関節角度よりもより強い1つの関節角度は通常存在する。この関節角度は瞬時最大トルク角度と呼ばれ、ストレングストレーニング後に変化し得るものである。 これは、異なる関節角度においてどのように筋力が変化するのかを理解するために重要である。 結局のところ、我々は全体的により強くなったとしても、瞬時最大トルク角度が変化すれば、ある関節角度においては非常に筋力が増強し、他の関節角度においてはほぼ筋力は向上しないということになる。 多くの要因が瞬時最大トルク角度を決定している。これには下記が含まれる: モーメントアームの長さ 正規化された繊維長 局部的筋サイズ 腱剛性 筋剛性 神経伝達 瞬時最大トルク角度は、おそらく神経伝達、正規化された繊維長、局部的筋サイズ、腱剛性、および筋剛性を含む多くの要因の変化により、通常のストレングストレーニング後においても変化し得る。 これらの各要因がどの程度変化するかにより、瞬時最大トルク角度は、より短い筋長に対応する関節角度、もしくは、より長い筋長に対応する関節角度へと移動する。 通常のストレングストレーニング後、瞬時最大トルク角度をより長い筋長へとシフトさせる要因は、長筋長における神経伝達の増加、正規化された繊維長の伸長、局所的筋サイズの増加、および筋剛性の増加を含む。 通常のストレングストレーニング後、瞬時最大トルク角度をより短い筋長へとシフトさせる要因は、短筋長における神経伝達の増加、正規化された繊維長の減少、局所的筋サイズの特定の増加、および腱剛性の増加を含む。 それでは、この情報をパーシャルトレーニングに適応する前に、それが短筋長および長筋長いずれかにおける等尺性トレーニングに対し、どのように適応するのかを説明しよう。 長筋長 vs. 短筋長等尺性トレーニング 等尺性トレーニングは特定関節角度の筋力増加を生み出す(リンド、1979年、テボー・マチューおよびその他、1988年、キタイ&セール、1989年、ウェアーおよびその他、1995年、ショットおよびその他1995年、エバーソールおよびその他、2002年、フォランドおよびその他、2005年、ノーコイヴおよびその他、2014年、2015年)。 これらの特定関節角度の筋力増加は、筋肉が短筋長において等尺性にトレーニングされた際と比較し、長筋長において等尺性にトレーニングされた際により小さい(バンディ&ハンテン、1993年、クボおよびその他、2006年、ウルリッヒおよびその他、2009年、ノーコイヴおよびその他、2014年)が、それでもいくらかの特異性はある。 また、トレーニングされた関節角度への瞬時最大トルク角度のシフトは、長筋長におけるトレーニング後に起こり得る(ウルリッヒおよびその他、2009年、アレグレおよびその他、2014年)。 しかしながら、全体的には、短もしくは長筋長いずれかにおける等尺性トレーニング後の特定関節角度の筋力増加を調査する際、我々はいくらか異なるったパターンの結果を観察する傾向にある。 実際にバンディ&ハンテン(1993年)は、完全膝伸展を0度の膝屈曲とした際、短筋長(30度の膝屈曲)、中筋長(60度の膝屈曲)もしくは長筋長(90度の膝屈曲)のいずれかで等尺性膝関節伸展トレーニングを行った3つのグループにおいて、複数の関節角度における等尺性筋力をテストした。下のグラフはトレーニング後の各関節角度における増加比率を表している。 異なる関節角度における等尺性トレーニングの効果 差違は歴然としている。 青い線は短筋長(30度)におけるトレーニング効果を示しており、筋力の増加は、トレーニングを行っている関節角度付近のみで起こっている。オレンジの線は中筋長(60度)におけるトレーニング効果を示しており、筋力の増加はトレーニングを行った関節角度において最大であるが、他の関節角度においても反応が見られる。緑の線は長筋長(90度)におけるトレーニング効果を示しており、筋力の増加はトレーニングを行った関節角度において見られるが、短筋長においてもより小さな反応がみられる。 これらの結果は珍しいものではなく、長筋長における等尺性トレーニングと比較し、短筋長における等尺性トレーニング後においては、明らかに異なるタイプの特定関節角度での筋力増加が存在する。 これはなぜだろうか? 従来、神経要因が全ての関節角度における等尺性トレーニング後の、特定関節角度の筋力増加に貢献していると推測されている(キタイ&セール、1989年、ノーコイヴおよびその他、2014年)。しかしながら、バンディ&ハンテン(1993年)により報告された筋電図振幅の増加から見られるように、各トレーニンググループにおける変化は類似しており、特定関節角度の神経伝達の増加では、筋力増加の曲線の形の差違を説明することは不可能である。 異なる関節角度における等尺性トレーニングの効果 最近の研究は、特定関節角度の神経伝達の変化は、実に、短筋長における等尺性トレーニング後の特定関節角度の筋力増加の原因であるということを発見している(アレグレおよびその他、2014年、ノーコイヴおよびその他、2014年)。 一方、局部的筋肥大は、特定関節角度の神経伝達の変化と比較し、長筋長における等尺性トレーニング後の特定関節角度の筋力増加に対しより重要であるようである(アレグレおよびその他、2014年、ノーコイヴおよびその他、2014年)。 これは、なぜ特定関節角度の筋力増加が、長筋長もしくは短筋長いずれかにおける等尺性トレーニング間で異なるのかを説明している。 これらは異なる適応により引き起こされている。 神経伝達は、主に短筋長における特定関節角度の筋力増加に貢献しており、一方、局部的筋肥大は、長筋長における特定関節角度の筋力増加に対しより重要である。 参照文献 Alegre, L. M., Ferri-Morales, A., Rodriguez-Casares, R., & Aguado, X. (2014). Effects of isometric training on the knee extensor moment–angle relationship and vastus lateralis muscle architecture. European Journal of Applied Physiology, 114(11), 2437-2446. Barak, Y., Ayalon, M., & Dvir, Z. (2004). Transferability of strength gains from limited to full range of motion. Medicine & Science in Sports & Exercise, 36(8), 1413. Bandy, W. D., & Hanten, W. P. (1993). Changes in torque and electromyographic activity of the quadriceps femoris muscles following isometric training. Physical Therapy, 73(7), 455-465. Bloomquist, K., Langberg, H., Karlsen, S., Madsgaard, S., Boesen, M., & Raastad, T. (2013). Effect of range of motion in heavy load squatting on muscle and tendon adaptations. European Journal of Applied Physiology, 113(8), 2133-2142. Cale’-Benzoor, M., Dickstein, R., Arnon, M., & Ayalon, M. (2014). Strength enhancement with limited range closed kinetic chain isokinetic exercise of the upper extremity. Isokinetics and Exercise Science, 22(1), 37-46. Ebersole, K. T., Housh, T. J., Johnson, G. O., Perry, S. R., Bull, A. J., & Cramer, J. T. (2002). Mechanomyographic and electromyographic responses to unilateral isometric training. The Journal of Strength & Conditioning Research, 16(2), 192. Folland, J. P., Hawker, K., Leach, B., Little, T., & Jones, D. A. (2005). Strength training: Isometric training at a range of joint angles versus dynamic training. Journal of Sports Sciences, 23(8), 817-824. Graves, J. E., Pollock, M. L., Jones, A. E., Colvin, A. B., & Leggett, S. H. (1989). Specificity of limited range of motion variable resistance training. Medicine & Science in Sports & Exercise, 21(1), 84-89. Graves, J. E., Pollock, M. L., Leggett, S. H., Carpenter, D. M., Fix, C. K., & Fulton, M. N. (1992). Limited range-of-motion lumbar extension strength training. Medicine & Science in Sports & Exercise, 24(1), 128. Hartmann, H., Wirth, K., Klusemann, M., Dalic, J., Matuschek, C., & Schmidtbleicher, D. (2012). Influence of squatting depth on jumping performance. Journal of Strength & Conditioning Research, 26(12), 3243. Kitai, T. A., & Sale, D. G. (1989). Specificity of joint angle in isometric training. European Journal of Applied Physiology and Occupational Physiology, 58(7), 744-748. Kubo, K., Ohgo, K., Takeishi, R., Yoshinaga, K., Tsunoda, N., Kanehisa, H., & Fukunaga, T. (2006). Effects of isometric training at different knee angles on the muscle–tendon complex in vivo. Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports, 16(3), 159-167. Lindh, M. (1979). Increase of muscle strength from isometric quadriceps exercises at different knee angles. Scandinavian Journal of Rehabilitation Medicine, 11(1), 33. Massey, C. D., Vincent, J., Maneval, M., Moore, M., & Johnson, J. T. (2004). An analysis of full range of motion vs. partial range of motion training in the development of strength in untrained men. The Journal of Strength & Conditioning Research, 18(3), 518-521. Massey, C. D., Vincent, J., Maneval, M., & Johnson, J. T. (2005). Influence of range of motion in resistance training in women: early phase adaptations. The Journal of Strength & Conditioning Research, 19(2), 409-411. McMahon, G. E., Onambélé-Pearson, G. L., Morse, C. I., Burden, A. M., & Winwood, K. (2013). How Deep Should You Squat to Maximise a Holistic Training Response? Electromyographic, Energetic, Cardiovascular, Hypertrophic and Mechanical Evidence. Electrodiagnosis in New Frontiers of Clinical Research. McMahon, G. E., Morse, C. I., Burden, A., Winwood, K., & Onambélé, G. L. (2014). Impact of range of motion during ecologically valid resistance training protocols on muscle size, subcutaneous fat, and strength. The Journal of Strength & Conditioning Research, 28(1), 245-255. Noorkõiv, M., Nosaka, K., & Blazevich, A. J. (2014). Neuromuscular adaptations associated with knee joint angle-specific force change. Medicine & Science in Sports & Exercise, 46(8), 1525-1537. Noorkõiv, M., Nosaka, K., & Blazevich, A. J. (2015). Effects of isometric quadriceps strength training at different muscle lengths on dynamic torque production. Journal of Sports Sciences, 33(18), 1952-1961. Pinto, R. S., Gomes, N., Radaelli, R., Botton, C. E., Brown, L. E., & Bottaro, M. (2012). Effect of range of motion on muscle strength and thickness. The Journal of Strength & Conditioning Research, 26(8), 2140-2145. Schott, J., McCully, K., & Rutherford, O. M. (1995). The role of metabolites in strength training. European Journal of Applied Physiology and Occupational Physiology, 71(4), 337-341. Steele, J., Bruce-Low, S., Smith, D., Jessop, D., & Osborne, N. (2012). Limited Range of Motion Lumbar Extension Resistance Exercise in Chronic Low Back Pain Participants. In Proceedings of The Physiological Society. Thépaut-Mathieu, C., Van Hoecke, J., & Maton, B. (1988). Myoelectrical and mechanical changes linked to length specificity during isometric training. Journal of Applied Physiology, 64(4), 1500-1505. Ullrich, B., Kleinöder, H., & Brüggemann, G. P. (2009). Moment-angle relations after specific exercise. International Journal of Sports Medicine, 30(4), 293-301. Weir, J. P., Housh, T. J., Weir, L. L., & Johnson, G. O. (1995). Effects of unilateral isometric strength training on joint angle specificity and cross-training. European Journal of Applied Physiology and Occupational Physiology, 70(4), 337-343. Weiss, L. W., Fry, A. C., Wodd, L. E., Relya, G. E., & Melton, C. (2000). Comparative Effects of Deep Versus Shallow Squat and Leg-Press Training on Vertical Jumping Ability and Related Factors. The Journal of Strength & Conditioning Research, 14(3), 241-247.
なぜ我々は、ある関節角度において、その他の角度より強いのか? パート3/3
通常のストレングストレーニングの際に何が起こるのか? 非常に簡潔に述べると、ダイナミックエクササイズや全可動域を含む通常のストレングストレーニングにおける一般的な傾向は以下のものである。 ↑ 局部的筋サイズ ↑ モーメントアームの長さ ↑ 筋束長 ↑ 腱剛性 ↑ 筋剛性 ↑ ニューラルドライブ 通常のストレングストレーニング後におけるθτの変化は、おそらく時により長い筋長(ブレゼビッチおよびその他、2007年)、また時にはより短い筋長(キルガロンおよびその他、2007年)に向かい確実に起こるようである。 筋サイズがストレングストレーニングに伴い増加することは周知のことであるが、筋長全体にわたるサイズの変化は、均一ではないということはあまり良く知られていない(ローマンおよびその他、1993年、ワカハラおよびその他、2012年)。また、異なる部位の筋肥大は、特定関節角度の最大力の増加と関連があるということが示されている(ノーコイフおよびその他、2014年)。これは、局部的筋肥大はθτに影響を及ぼすということを示している。 また、関節角度によりどのように異なるのかはかなり不明であるが、筋サイズは確実に増加するため、これはモーメントアームの長さを変化させる。 ニューラルドライブの増加は(自発的活性化もしくは筋電図振幅のどちらで測定されたとしても)、通常のストレングストレーニング後におけるθτ の変化の一部を説明している可能性がある。実際に、少なくともそれは、特に短筋長における等尺性トレーニング後の、特定関節角度の筋力増加の一部を説明しているようである(キタイ&セール、1989年、カロラン&カファレーリ、1992年、ノーコイフおよびその他、2014年)。一方、ダイナミックストレングストレーニング後は、最初のθτ周辺における筋力増加を除いては、特定関節角度に関連する変化はあまりないようである(スミス&ラザフォード、1995年、ウルリッヒおよびその他、2009年)。 腱剛性は、高負荷ストレングストレーニングに伴い決まって増加し(ベームおよびその他、2015年)、腱剛性の増加は、同じ関節角度に対しより大きな筋伸張を生み出すため、θτを短筋長へ対応する関節角度へと移動する(リーヴスおよびその他、2004年、クボおよびその他、2006年)。これは、より大きな筋伸張に反応した筋紡錘反応からのより大きなニューラルドライブにより、部分的に相殺される可能性がある。筋剛性の増加は反対の影響を持つが、これらの変化は、腱剛性の増加と比較し、よりわずかであるようである。 あとは、θτを長筋長へ対応する角度へと移動する、筋束長の増加を残すのみである(ブラゼヴィッチおよびその他、2007年)。その他の要因の一部はお互いの影響を相殺する可能性があるため、これは、関節トルク角度および長さ・張力関係は極めて類似していると仮定する理由として考えられる。 そうだとしても、一部の研究は、筋束長の増加を伴わない関節トルク・角度関係の移行(アレグレおよびその他、2014年)、関節トルク・角度関係を伴わない筋束長の増加(ノーコイフおよびその他、2014年、2015年)、および、予想していたものとは正反対の方向への関節角度関係の移動を伴う筋束長の増加を報告しているため(リーヴスおよびその他、2004年)、我々は単にこの2つの関係を同等と見なすことはできない。 ポイントの要約:θτの変化は確実に通常のストレングストレーニング後に起こり、おそらく筋長の変化に対応したニューラルドライブの変化に伴い、ニューラルドライブ、局部的筋サイズ、筋束長、腱剛性、筋剛性の変化をもたらす。 エキセントリックトレーニングの際に何が起こるのか? 動的動作および全可動域を使用したエキセントリックトレーニングの際の傾向は少々複雑である。 ↑ モーメントアームの長さ(横断面肥大) ↑↑ 筋束長(縦断面肥大) ↑ 腱剛性 ↑↑ 筋剛性 ↑ ニューラルドライブ θτの変化は、通常のストレングストレーニング後と比較し、おそらくより大幅に(ブルゲーリ&クローニン、2007年)、エキセントリックトレーニングに伴い、常により長い筋長へと移動しながらほぼ確実に起こる。(クラークおよびその他、2005年、キルガロンおよびその他、2007年、ブラゼヴィッチおよびその他、2007年、ブルゲーリおよびその他、2010年)。根本的変化は、下記のものを除き、通常のストレングストレーニングに伴い起こるものを反映している。 長筋長における等尺性トレーニング後のニューラルドライブの変化は、短筋長における等尺性トレーニングと比較し、あまり関節角度特有ではなく(ノーコイフおよびその他、2014年)、神経要因は、エキセントリックトレーニング後のθτ の移動を決定するために、それほど重要ではないかもしれないということを示している。一方、筋束長は、通常のストレングストレーニング後と比較し、ほぼ常にエキセントリックトレーニング後により増加し(フンランキおよびその他、2016年)、そしてエキセントリックトレーニングはまた、チチン、およびエキセントリック特有の筋力増加を生み出す他の受動的要素における適応を引き起こす可能性がある。これら両方のメカニズムは、より長い筋長へ向かいより大きな θτの変化を生み出し得る。 一部の研究者たちは、これらどちらかのメカニズムを支持し議論をしており、筋束長が変化するという考えが支持率を上げてきている。しかし、コンセントリックおよびエキセントリックトレーニングを比較した際、ブラゼヴィッチおよびその他(2007年)は、両方のプログラム後において筋束長における同様の増加を発見しているが、θτはコンセントリックトレーニング後と比較し、エキセントリックトレーニング後に長筋長へと明らかに移動しており、エキセントリックトレーニングは、単に1つではなく両方のメカニズムを通じ、θτの変化に影響を及ぼしているということを示唆している。 ポイントの要約:通常のストレングストレーニングと比較し、エキセントリックトレーニングは、筋束長の大幅な増加、および能動的収縮における筋剛性を増加させるチチンの変化により、おそらくより大きな θτの増加をもたらすであろう。 これは筋損傷に対しどのような意味を持つのだろうか? 我々は、エキセントリックトレーニング後のθτの変化は、筋束長の変化に対する代用として使えるのではないだろうかと考えていた。 これは、筋束長の増加は、より長筋長における角度に向かいθτの変化を引き起こすためである。そしてより長い筋束長は、筋損傷を防ぐことができるメカニズムの一部として提案されているため、これは理にかなっている。 しかしながら、筋束長の変化はθτを変化させる唯一のものではない。ゆえにθτの変化を測定する際、我々が見るものは、実際にはいくつかの変化の総合的影響である。そしてこれは、ハムストリング損傷監視においてθτを使用したエビデンスが想像以上に弱い理由の1つであり得る(ティミンズおよびその他、2016年)。 結論 我々は、ある関節角度において、その他の角度より強いが、その根本的な理由は明確ではない。関節角度に対するトルクをグラフにし、瞬時最大トルク角度(θτ)において最大となる関節トルク・角度関係を生み出すことができる。 筋肉のモーメントアームの長さ、根本的な繊維長、局部的筋断面積、腱剛性、筋剛性、および特定関節角度でのニューラルドライブのレベル、これら全ては、θτ 、およびある特定の角度における関節トルクの大きさへ影響を及ぼすことができると信じる十分な理由が存在する。 通常のストレングストレーニング、もしくはエキセントリックのみのトレーニング後における θτの変化は、おそらく局部的筋サイズ、筋束長、腱剛性、筋剛性の変化、および筋長の変化に反応した不随のニューラルドライブの変化の結果であるだろう。 エキセントリックトレーニングは、筋束長のより大幅な増加および、能動的収縮において筋剛性を増加するチチンの変化の両方により、おそらくθτ のより大きな増加を生み出すであろう。 参照文献 Alegre, L. M., Ferri-Morales, A., Rodriguez-Casares, R., & Aguado, X. (2014). Effects of isometric training on the knee extensor moment–angle relationship and vastus lateralis muscle architecture. European Journal of Applied Physiology, 114(11), 2437-2446. Altenburg, T. M., de Haan, A., Verdijk, P. W., van Mechelen, W., & de Ruiter, C. J. (2009). Vastus lateralis single motor unit EMG at the same absolute torque production at different knee angles. Journal of Applied Physiology, 107(1), 80-89. Amarantini, D., & Bru, B. (2015). Training-related changes in the EMG–moment relationship during isometric contractions: Further evidence of improved control of muscle activation in strength-trained men? Journal of Electromyography and Kinesiology, 25(4), 697-702. Arampatzis, A., Karamanidis, K., Stafilidis, S., Morey-Klapsing, G., DeMonte, G., & Brüggemann, G. P. (2006). Effect of different ankle-and knee-joint positions on gastrocnemius medialis fascicle length and EMG activity during isometric plantar flexion. Journal of Biomechanics, 39(10), 1891. Babault, N., Pousson, M., Michaut, A., & Van Hoecke, J. (2003). Effect of quadriceps femoris muscle length on neural activation during isometric and concentric contractions. Journal of Applied Physiology, 94(3), 983-990. Bampouras, T. M., Reeves, N. D., Baltzopoulos, V., & Maganaris, C. N. (2006). Muscle activation assessment: effects of method, stimulus number, and joint angle. Muscle & Nerve, 34(6), 740. Becker, R., & Awiszus, F. (2001). Physiological alterations of maximal voluntary quadriceps activation by changes of knee joint angle. Muscle & Nerve, 24(5), 667. Bigland‐Ritchie, B. R., Furbush, F. H., Gandevia, S. C., & Thomas, C. K. (1992). Voluntary discharge frequencies of human motoneurons at different muscle lengths. Muscle & Nerve, 15(2), 130-137. Blazevich, A. J., Gill, N. D., & Zhou, S. (2006). Intra‐and intermuscular variation in human quadriceps femoris architecture assessed in vivo. Journal of Anatomy, 209(3), 289-310. Blazevich, A. J., Cannavan, D., Coleman, D. R., & Horne, S. (2007). Influence of concentric and eccentric resistance training on architectural adaptation in human quadriceps muscles. Journal of Applied Physiology, 103(5), 1565-1575. Bohm, S., Mersmann, F., & Arampatzis, A. (2015). Human tendon adaptation in response to mechanical loading: a systematic review and meta-analysis of exercise intervention studies on healthy adults. Sports Med Open, 1(1), 7. Brughelli, M., & Cronin, J. (2007). Altering the length-tension relationship with eccentric exercise. Sports Medicine, 37(9), 807-826. Brughelli, M., Mendiguchia, J., Nosaka, K., Idoate, F., Los Arcos, A., & Cronin, J. (2010). Effects of eccentric exercise on optimum length of the knee flexors and extensors during the preseason in professional soccer players. Physical Therapy in Sport, 11(2), 50-55. Carolan, B., & Cafarelli, E. (1992). Adaptations in coactivation after isometric resistance training. Journal of Applied Physiology, 73(3), 911-917. Clark, R., Bryanta, A., Culgan, J. P., & Hartley, B. (2005). The effects of eccentric hamstring strength training on dynamic jumping performance and isokinetic strength parameters: a pilot study on the implications for the prevention of hamstring injuries. Physical Therapy in Sport, 6, 67-73. Christova, P., Kossev, A., & Radicheva, N. (1998). Discharge rate of selected motor units in human biceps brachii at different muscle lengths. Journal of Electromyography and Kinesiology, 8(5), 287-294. Cresswell, A. G., Löscher, W. N., & Thorstensson, A. (1995). Influence of gastrocnemius muscle length on triceps surae torque development and electromyographic activity in man. Experimental Brain Research, 105(2), 283-290. Del Valle, A., & Thomas, C. K. (2004). Motor unit firing rates during isometric voluntary contractions performed at different muscle lengths. Canadian Journal of Physiology and Pharmacology, 82(8-9), 769-776. Doheny, E. P., Lowery, M. M., FitzPatrick, D. P., & O’Malley, M. J. (2008). Effect of elbow joint angle on force–EMG relationships in human elbow flexor and extensor muscles. Journal of Electromyography and Kinesiology, 18(5), 760-770. Franchi, M. V., Atherton, P. J., Maganaris, C. N., & Narici, M. V. (2016). Fascicle length does increase in response to longitudinal resistance training and in a contraction-mode specific manner. SpringerPlus, 5(1), 1. Frey-Law, L. A., Laake, A., Avin, K. G., Heitsman, J., Marler, T., & Abdel-Malek, K. (2012). Knee and elbow 3d strength surfaces: peak torque-angle-velocity relationships. Journal of Applied Biomechanics, 28(6), 726-737. Frigon, A., Thompson, C. K., Johnson, M. D., Manuel, M., Hornby, T. G., & Heckman, C. J. (2011). Extra forces evoked during electrical stimulation of the muscle or its nerve are generated and modulated by a length-dependent intrinsic property of muscle in humans and cats. The Journal of Neuroscience, 31(15), 5579-5588. Gandevia, S. C., & McKenzie, D. K. (1988). Activation of human muscles at short muscle lengths during maximal static efforts. The Journal of Physiology, 407, 599. Garland, S. J., Gerilovsky, L., & Enoka, R. M. (1994). Association between muscle architecture and quadriceps femoris H‐reflex. Muscle & Nerve, 17(6), 581-592. Hasler, E. M., Denoth, J., Stacoff, A., & Herzog, W. (1994). Influence of hip and knee joint angles on excitation of knee extensor muscles. Electromyography and Clinical Neurophysiology, 34(6), 355. Heckathorne, C. W., & Childress, D. S. (1981). Relationships of the surface electromyogram to the force, length, velocity, and contraction rate of the cineplastic human biceps. American Journal of Physical Medicine, 60(1), 1. Huber, A., Suter, E., & Werzog, W. (1998). Inhibition of the quadriceps muscles in elite male volleyball players. Journal of Sports Sciences, 16(3), 281-289. Kasprisin, J. E., & Grabiner, M. D. (2000). Joint angle-dependence of elbow flexor activation levels during isometric and isokinetic maximum voluntary contractions. Clinical Biomechanics, 15(10), 743. Kawakami, Y., & Lieber, R. L. (2000). Interaction between series compliance and sarcomere kinetics determines internal sarcomere shortening during fixed-end contraction. Journal of Biomechanics, 33(10), 1249-1255. Kawakami, Y., Kubo, K., Kanehisa, H., & Fukunaga, T. (2002). Effect of series elasticity on isokinetic torque-angle relationship in humans. European Journal of Applied Physiology, 87(4-5), 381. Kay, A. D., Richmond, D., Talbot, C., Mina, M., Baross, A. W., & Blazevich, A. J. (2016). Stretching of Active Muscle Elicits Chronic Changes in Multiple Strain Risk Factors. Medicine & Science in Sports & Exercise. Kennedy, P. M., & Cresswell, A. G. (2001). The effect of muscle length on motor-unit recruitment during isometric plantar flexion in humans. Experimental Brain Research, 137(1), 58-64. Kilgallon, M., Donnelly, A. E., & Shafat, A. (2007). Progressive resistance training temporarily alters hamstring torque-angle relationship. Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports, 17(1), 18. Kluka, V., Martin, V., Vicencio, S. G., Jegu, A. G., Cardenoux, C., Morio, C., & Ratel, S. (2015). Effect of muscle length on voluntary activation level in children and adults. Medicine & Science in Sports & Exercise, 47(4), 718. Kluka, V., Martin, V., Vicencio, S. G., Giustiniani, M., Morel, C., Morio, C., & Ratel, S. (2016). Effect of muscle length on voluntary activation of the plantar flexors in boys and men. European Journal of Applied Physiology, 116(5), 1043-1051. Koh, T. J., & Herzog, W. (1995). Evaluation of voluntary and elicited dorsiflexor torque-angle relationships. Journal of Applied Physiology, 79(6), 2007. Komi, P. V., Linnamo, V., Silventoinen, P., & Sillanpää, M. (2000). Force and EMG power spectrum during eccentric and concentric actions. Medicine & Science in Sports & Exercise, 32(10), 1757. Kong, P. W., & Van Haselern, J. (2010). Revisiting the influence of hip and knee angles on quadriceps excitation measured by surface electromyography. International SportMed Journal, 11(2). Kubo, K., Tsunoda, N., Kanehisa, H., & Fukunaga, T. (2004). Activation of agonist and antagonist muscles at different joint angles during maximal isometric efforts. European Journal of Applied Physiology, 91(2-3), 349-352. Kubo, K., Ohgo, K., Takeishi, R., Yoshinaga, K., Tsunoda, N., Kanehisa, H., & Fukunaga, T. (2006). Effects of series elasticity on the human knee extension torque-angle relationship in vivo. Research Quarterly for Exercise and Sport, 77(4), 408-416. Leedham, J. S., & Dowling, J. J. (1995). Force-length, torque-angle and EMG-joint angle relationships of the human in vivo biceps brachii. European Journal of Applied Physiology and Occupational Physiology, 70(5), 421-426. Linnamo, V., Strojnik, V., & Komi, P. V. (2006). Maximal force during eccentric and isometric actions at different elbow angles. European Journal of Applied Physiology, 96(6), 672-678. Lunnen, J. D., Yack, J., & LeVeau, B. F. (1981). Relationship between muscle length, muscle activity, and torque of the hamstring muscles. Physical Therapy, 61(2), 190-195. Maffiuletti, N. A., & Lepers, R. (2003). Quadriceps femoris torque and EMG activity in seated versus supine position. Medicine & Science in Sports & Exercise, 35(9), 1511. Mahieu, N. N., Mcnair, P., Cools, A. N. N., D’Haen, C., Vandermeulen, K., & Witvrouw, E. (2008). Effect of eccentric training on the plantar flexor muscle-tendon tissue properties. Medicine & Science in Sports & Exercise, 40(1), 117-123. Marsh, E., Sale, D., McComas, A. J., & Quinlan, J. (1981). Influence of joint position on ankle dorsiflexion in humans. Journal of Applied Physiology, 51(1), 160-167. Miaki, H., Someya, F., & Tachino, K. (1999). A comparison of electrical activity in the triceps surae at maximum isometric contraction with the knee and ankle at various angles. European Journal of Applied physiology and Occupational Physiology, 80(3), 185-191. Newman, S. A., Jones, G., & Newham, D. J. (2003). Quadriceps voluntary activation at different joint angles measured by two stimulation techniques. European Journal of Applied Physiology, 89(5), 496. Noorkõiv, M., Nosaka, K., & Blazevich, A. J. (2014). Neuromuscular adaptations associated with knee joint angle-specific force change. Medicine & Science in Sports & Exercise, 46(8), 1525-1537. Noorkõiv, M., Nosaka, K., & Blazevich, A. J. (2015). Effects of isometric quadriceps strength training at different muscle lengths on dynamic torque production. Journal of Sports Sciences, 33(18), 1952-1961. Nourbakhsh, M. R., & Kukulka, C. G. (2004). Relationship between muscle length and moment arm on EMG activity of human triceps surae muscle. Journal of Electromyography and Kinesiology, 14(2), 263-273. O’Brien, T. D., Reeves, N. D., Baltzopoulos, V., Jones, D. A., & Maganaris, C. N. (2009). The effects of agonist and antagonist muscle activation on the knee extension moment-angle relationship in adults and children. European Journal of Applied Physiology, 106(6), 849. Onishi, H., Yagi, R., Oyama, M., Akasaka, K., Ihashi, K., & Handa, Y. (2002). EMG-angle relationship of the hamstring muscles during maximum knee flexion. Journal of Electromyography and Kinesiology, 12(5), 399-406. Pasquet, B., Carpentier, A., & Duchateau, J. (2005). Change in muscle fascicle length influences the recruitment and discharge rate of motor units during isometric contractions. Journal of Neurophysiology, 94(5), 3126-3133. Prodoehl, J., Gottlieb, G. L., & Corcos, D. M. (2003). The neural control of single degree-of-freedom elbow movements. Experimental Brain Research, 153(1), 7-15. Rabita, G., Pérot, C., & Lensel-Corbeil, G. (2000). Differential effect of knee extension isometric training on the different muscles of the quadriceps femoris in humans. European Journal of Applied Physiology, 83(6), 531-538. Reeves, N. D., Narici, M. V., & Maganaris, C. N. (2004). In vivo human muscle structure and function: adaptations to resistance training in old age. Experimental Physiology, 89(6), 675. Roman, W. J., Fleckenstein, J., Stray-Gundersen, J., Alway, S. E., Peshock, R., & Gonyea, W. J. (1993). Adaptations in the elbow flexors of elderly males after heavy-resistance training. Journal of Applied Physiology, 74(2), 750-754. Simoneau, E., Martin, A., & Van Hoecke, J. (2007). Effects of joint angle and age on ankle dorsi-and plantar-flexor strength. Journal of Electromyography and Kinesiology, 17(3), 307. Smith, C., & Rutherford, O. M. (1995). The role of metabolites in strength training. I. A comparison of eccentric and concentric training. European Journal of Applied physiology and Occupational Physiology, 71(4), 337-341. Suter, E., & Herzog, W. (1997). Extent of muscle inhibition as a function of knee angle. Journal of Electromyography and Kinesiology, 7(2), 123. Timmins, R. G., Shield, A. J., Williams, M. D., & Opar, D. A. (2016). Is There Evidence to Support the Use of the Angle of Peak Torque as a Marker of Hamstring Injury and Re-Injury Risk?. Sports Medicine, 46(1), 7-13. Ullrich, H. Kleinöder, G. P. Brüggemann (2009). Moment-angle Relations after Specific Exercise International Journal of Sports Medicine, 30: 293–301. Vander Linden, D. W., Kukulka, C. G., & Soderberg, G. L. (1991). The effect of muscle length on motor unit discharge characteristics in human tibialis anterior muscle. Experimental Brain Research, 84(1), 210-218. Vigotsky, A. D., Contreras, B., & Beardsley, C. (2015). Biomechanical implications of skeletal muscle hypertrophy and atrophy: a musculoskeletal model. PeerJ, 3, e1462. Wakahara, T., Miyamoto, N., Sugisaki, N., Murata, K., Kanehisa, H., Kawakami, Y., & Yanai, T. (2012). Association between regional differences in muscle activation in one session of resistance exercise and in muscle hypertrophy after resistance training. European Journal of Applied Physiology, 112(4), 1569-1576. Worrell, T. W., Karst, G., Adamczyk, D., Moore, R., Stanley, C., Steimel, B., & Steimel, S. (2001). Influence of joint position on electromyographic and torque generation during maximal voluntary isometric contractions of the hamstrings and gluteus maximus muscles. Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy, 31(12), 730-740. Zehr, P. E. (2002). Considerations for use of the Hoffmann reflex in exercise studies. European Journal of Applied Physiology, 86(6), 455-468.
なぜ我々は、ある関節角度において、その他の角度より強いのか? パート2/3
局部的筋サイズはいかにθτ影響を及ぼすのか? 幅広く知られてはいないが、筋肉の異なる部位は、筋束長の差違を含む、異なる構造上の特徴を示している(ブレゼビッチおよびその他、2006年)。 そして、もし1つの筋部位が他の部位よりも長い筋束を持っているならば、これはおそらく、この部位は異なる筋長・張力関係を持っているということを意味し、それゆえに、これらは異なる関節角度において最大力を産出する傾向にあるということとなる。 ゆえに局部的筋サイズの差違は、θτに影響を及ぼす。 ポイントの要約:筋肉の異なる部位は、力を生み出す最適な長さに影響を及ぼす、異なる筋繊維長を持ち得る。ゆえに、もしある部位が他の部位よりも大きい場合、それはθτに影響を及ぼすこととなる。 腱剛性はいかにθτに影響を及ぼすのか? 腱剛性は、収縮の際、筋肉がどれほど長さを変化させるかに影響を及ぼす。 腱剛性がより高い場合、それに関わる筋肉は同様の力を産出する収縮の際、より大幅に長さを変化する(カワカミおよびその他、2002年、クボおよびその他、2006年)。 ゆえに腱剛性は、長さ・張力曲線のプラトーに対応する関節角度を変化することによりθτ に影響を及ぼす。 実際に、クボおよびその他(2006年)は、40-110度の間の等尺性膝関節伸展収縮の際、関節トルク・角度カーブにおける個人間のばらつきは、主動筋もしくは拮抗筋活性化における差違、あるいはモーメントアームの長さのどちらによっても説明できないということを示している。しかしながら、一部、腱の歪み量による説明が可能である(R² = 18 – 23%)。 ポイントの要約:腱剛性は長さ・張力曲線のプラトーに対応する関節角度を変化することにより、θτへ影響を及ぼす。より剛性の高い腱は、剛性のより低い腱と比較し、適用された同等の筋力に対する伸張が少ない。 筋剛性はいかにθτに影響を及ぼすのか? 腱剛性のように、筋剛性は関節トルク・角度関係に影響を及ぼすが、作用は逆である。高い腱剛性はθτをより短い筋長へと移動させるが、高い筋剛性はそれをより長い筋長へと移動させる(ブルゲーリ&クローニン、2007年)。 高いレベルの筋剛性はほとんどの場合、筋肉に含まれる受動的要因の増加を反映しており、これは必然的に、より長い筋長において筋肉から生み出される力の量を増加する。 しかし、真に受動的なのは一部の受動的要因のみであり(細胞外基質および細胞骨格)、チチンは能動的収縮においてのみ力を産出するため、受動的要因剛性を測定することは、想像以上に複雑である。これは、受動的筋剛性の測定は、受動的要因剛性のθτへの影響を評価するために、実際は適切ではないかもしれないということを意味している。 実際、一部の研究は、筋剛性は(能動的収縮の際ではなく、受動的抵抗トルクにより測定された際)エキセントリックトレーニング後減少したと報告しており(マヒューおよびその他、2008年、ケイおよびその他、2016年)、これは、チチンが他の受動的要因よりもより重要であるかもしれないと示唆している。 ポイントの要約:筋剛性は、長さ・張力曲線のプラトーに対応する関節角度を変化することによりθτに影響を及ぼす。より剛性の高い筋肉は、より低い剛性の筋肉と比較し、より長い筋長においてより多くの力を産出し、腱をより伸張させる。 ニューラルドライブはいかにθτに影響を及ぼすのか? ニューラルドライブは自発的活性化(自発的および不随意トルクの間の差違)もしくは筋電図振幅により測定することが可能である。 主に我々は、主動筋活性化に興味を持っている(拮抗筋共収縮は、関節により異なるかもしれないが、それらは小さく、またトレーニングに伴う拮抗筋共収縮における変化は、わずかであるか、もしくは相反しているかのどちらかであり、ゆえに字数制限に適応させるため、今回はこれを除外する)。 ある研究は、自発的活性化もしくは筋電図振幅は、異なる関節角度においてあまり異ならないということを発見している(例:ガンデヴィア&マッケンジー、1998年、ビックランド・リッチおよびその他、1992年、リーダム&ダウリング、1995年、コウ&ヘルツォグ、1995年、プロドーエルおよびその他、2003年、バボートおよびその他、2003年、ニューマンおよびその他、2003年、リナモおよびその他、2006年、シモーノおよびその他、2007年、オブライエンおよびその他、2009年)。 その他多くの研究は、相違点を報告している。 重要なことに、これらの研究の一部は、その影響は筋長の長さに大きく起因するということを示している。彼らはこれを、2関節筋をテストすること、およびテストを行う関節を固定し、隣接している関節を動かすことにより筋長を変化させることで行った(ルネンおよびその他、1981年、ハスラーおよびその他、1994年、クレスウェルおよびその他、1995年、ミアキおよびその他、1999年、ケネディ&クレスウェル、2001年、マフューレッティ&レパーズ、2003年、ヌーバコッシュ&ククルカ、2004年、アラムパティスおよびその他、2006年、コング&バンハセレーン、2010年)。 どちらにせよ、研究者たちは差違を報告しており、それは、より短い筋長においてより大きなニューラルドライブを報告した研究、およびより長い筋長においてより大きなニューラルドライブを発見した研究におおまかに分類されている。実際には、両端および最適な長さのどちらかにおける最大値に伴い、これら両方が起こり得る(アルテンブルクおよびその他、2009年)。 短筋長におけるより大きなニューラルドライブ 多くの研究者は、自発的活性化(マーシュおよびその他、1081年、ズーター&ヘルゾーグ、1997年、ヒューバーおよびその他、1998年、カスプリシン&グラビナー、2000年)、もしくは筋電図の振幅(ヘッカスロン&チャイルドレス、1981年、バンダー・リンデンおよびその他、1991年、ガーランドおよびその他、1994年、ハスラーおよびその他、1994年、コミおよびその他、2000年、ベッカー&アウズース、2001年、ウォーレルおよびその他、2001年、オニシおよびその他、2002年、バボートおよびその他、2003年、クボおよびその他、2004年、デルバイエ&トーマス、2004年、パスケーおよびその他、2005年、ドヒニーおよびその他、2008年、アルテンブルクおよびその他、2009年)のどちらかは、より短い筋長においてより大きいと報告している。 より多くのニューラルドライブは、減少された力産出を補うため、短筋長において起こるのかもしれないと示唆されている。 この短筋長における力産出の減少は、一部には、収縮および弛緩時間の減少を含む、筋肉の機械的特性の変化により引き起こされている可能性がある(ガンデヴィア&マッケンジー、1998年、ハスラーおよびその他、1994年、バボートおよびその他、2003年)。運動単位の発火頻度はしばしば短筋長において増加するため(バンダー・リンデンおよびその他、1991年, クリストファおよびその他、1998年)、より早い発火率がより短い収縮および弛緩時間に伴うより頻繁なシグナルと適合する場合、これは理にかなっているであろう。 そうであっても、これは必ずしも、運動単位動員および発火頻度の間の関係が大幅に変化するということを意味しているわけではない。全ての研究がこの結果を支持してはいないが(アルデンブルグおよびその他、2009年)、運動単位動員の閾値もまた、短筋長において減少しており(パスケーおよびその他、2005年)、これは同様の最大トルクの比率に対し、短筋長における全体的により大きな筋活性化の存在の可能性を示唆している。 長筋長におけるより大きなニューラルドライブ 他の多くの研究者たちは、自発的活性化(ベッカー&アウィーズス、2001年、バンボーラスおよびその他、2006年、クルーカおよびそのた、2015年)もしくは筋電図振幅(ベッカー&アウィーズス、2001年、オニシおよびその他、2002年、クボおよびその他、2004年、アラムパティスおよびその他、2006年、シモーノおよびその他、2007年、アルテンブルクおよびその他、2009年、コング&バンハセレーン、2010年)は、長筋長においてより大きいということを報告している。 これは、ニューラルドライブは、アルファ運動ニューロンプールへの関節内における興奮性入力を引き起こす伸縮の際の筋紡錘反応のため、実際には長筋長においてより大きいかもしれないと示唆している(クルーカおよびその他、2015年)。 これは本質的には、伸張された筋肉に対する脊髄反射反応である。 ゆえに、最大Mウェーブ(筋肉の最大活性化能力の測定値)もまた、時折筋長の伸張と共に増加するということは偶然ではないのかもしれない(マフューレッティ&レパーズ、2003年)。これは、Mウェーブは、H反射および伸張反射同様、筋肉および脊髄のみに関わるため(ゼア、2002年)、筋長の変化に反応し、末梢要因は筋肉の最大活性化能力に対し影響を及ぼすべきであるということを我々に伝えてくれている。 ポイントの要約:ニューラルドライブは、筋長の変化に反応するため、関節角度に伴い変化する。異なる理由から、その増加は短筋長もしくは長筋長どちらにおいても起こる可能性がある。 参照文献 Alegre, L. M., Ferri-Morales, A., Rodriguez-Casares, R., & Aguado, X. (2014). Effects of isometric training on the knee extensor moment–angle relationship and vastus lateralis muscle architecture. European Journal of Applied Physiology, 114(11), 2437-2446. Altenburg, T. M., de Haan, A., Verdijk, P. W., van Mechelen, W., & de Ruiter, C. J. (2009). Vastus lateralis single motor unit EMG at the same absolute torque production at different knee angles. Journal of Applied Physiology, 107(1), 80-89. Amarantini, D., & Bru, B. (2015). Training-related changes in the EMG–moment relationship during isometric contractions: Further evidence of improved control of muscle activation in strength-trained men? Journal of Electromyography and Kinesiology, 25(4), 697-702. Arampatzis, A., Karamanidis, K., Stafilidis, S., Morey-Klapsing, G., DeMonte, G., & Brüggemann, G. P. (2006). Effect of different ankle-and knee-joint positions on gastrocnemius medialis fascicle length and EMG activity during isometric plantar flexion. Journal of Biomechanics, 39(10), 1891. Babault, N., Pousson, M., Michaut, A., & Van Hoecke, J. (2003). Effect of quadriceps femoris muscle length on neural activation during isometric and concentric contractions. Journal of Applied Physiology, 94(3), 983-990. Bampouras, T. M., Reeves, N. D., Baltzopoulos, V., & Maganaris, C. N. (2006). Muscle activation assessment: effects of method, stimulus number, and joint angle. Muscle & Nerve, 34(6), 740. Becker, R., & Awiszus, F. (2001). Physiological alterations of maximal voluntary quadriceps activation by changes of knee joint angle. Muscle & Nerve, 24(5), 667. Bigland‐Ritchie, B. R., Furbush, F. H., Gandevia, S. C., & Thomas, C. K. (1992). Voluntary discharge frequencies of human motoneurons at different muscle lengths. Muscle & Nerve, 15(2), 130-137. Blazevich, A. J., Gill, N. D., & Zhou, S. (2006). Intra‐and intermuscular variation in human quadriceps femoris architecture assessed in vivo. Journal of Anatomy, 209(3), 289-310. Blazevich, A. J., Cannavan, D., Coleman, D. R., & Horne, S. (2007). Influence of concentric and eccentric resistance training on architectural adaptation in human quadriceps muscles. Journal of Applied Physiology, 103(5), 1565-1575. Bohm, S., Mersmann, F., & Arampatzis, A. (2015). Human tendon adaptation in response to mechanical loading: a systematic review and meta-analysis of exercise intervention studies on healthy adults. Sports Med Open, 1(1), 7. Brughelli, M., & Cronin, J. (2007). Altering the length-tension relationship with eccentric exercise. Sports Medicine, 37(9), 807-826. Brughelli, M., Mendiguchia, J., Nosaka, K., Idoate, F., Los Arcos, A., & Cronin, J. (2010). Effects of eccentric exercise on optimum length of the knee flexors and extensors during the preseason in professional soccer players. Physical Therapy in Sport, 11(2), 50-55. Carolan, B., & Cafarelli, E. (1992). Adaptations in coactivation after isometric resistance training. Journal of Applied Physiology, 73(3), 911-917. Clark, R., Bryanta, A., Culgan, J. P., & Hartley, B. (2005). The effects of eccentric hamstring strength training on dynamic jumping performance and isokinetic strength parameters: a pilot study on the implications for the prevention of hamstring injuries. Physical Therapy in Sport, 6, 67-73. Christova, P., Kossev, A., & Radicheva, N. (1998). Discharge rate of selected motor units in human biceps brachii at different muscle lengths. Journal of Electromyography and Kinesiology, 8(5), 287-294. Cresswell, A. G., Löscher, W. N., & Thorstensson, A. (1995). Influence of gastrocnemius muscle length on triceps surae torque development and electromyographic activity in man. Experimental Brain Research, 105(2), 283-290. Del Valle, A., & Thomas, C. K. (2004). Motor unit firing rates during isometric voluntary contractions performed at different muscle lengths. Canadian Journal of Physiology and Pharmacology, 82(8-9), 769-776. Doheny, E. P., Lowery, M. M., FitzPatrick, D. P., & O’Malley, M. J. (2008). Effect of elbow joint angle on force–EMG relationships in human elbow flexor and extensor muscles. Journal of Electromyography and Kinesiology, 18(5), 760-770. Franchi, M. V., Atherton, P. J., Maganaris, C. N., & Narici, M. V. (2016). Fascicle length does increase in response to longitudinal resistance training and in a contraction-mode specific manner. SpringerPlus, 5(1), 1. Frey-Law, L. A., Laake, A., Avin, K. G., Heitsman, J., Marler, T., & Abdel-Malek, K. (2012). Knee and elbow 3d strength surfaces: peak torque-angle-velocity relationships. Journal of Applied Biomechanics, 28(6), 726-737. Frigon, A., Thompson, C. K., Johnson, M. D., Manuel, M., Hornby, T. G., & Heckman, C. J. (2011). Extra forces evoked during electrical stimulation of the muscle or its nerve are generated and modulated by a length-dependent intrinsic property of muscle in humans and cats. The Journal of Neuroscience, 31(15), 5579-5588. Gandevia, S. C., & McKenzie, D. K. (1988). Activation of human muscles at short muscle lengths during maximal static efforts. The Journal of Physiology, 407, 599. Garland, S. J., Gerilovsky, L., & Enoka, R. M. (1994). Association between muscle architecture and quadriceps femoris H‐reflex. Muscle & Nerve, 17(6), 581-592. Hasler, E. M., Denoth, J., Stacoff, A., & Herzog, W. (1994). Influence of hip and knee joint angles on excitation of knee extensor muscles. Electromyography and Clinical Neurophysiology, 34(6), 355. Heckathorne, C. W., & Childress, D. S. (1981). Relationships of the surface electromyogram to the force, length, velocity, and contraction rate of the cineplastic human biceps. American Journal of Physical Medicine, 60(1), 1. Huber, A., Suter, E., & Werzog, W. (1998). Inhibition of the quadriceps muscles in elite male volleyball players. Journal of Sports Sciences, 16(3), 281-289. Kasprisin, J. E., & Grabiner, M. D. (2000). Joint angle-dependence of elbow flexor activation levels during isometric and isokinetic maximum voluntary contractions. Clinical Biomechanics, 15(10), 743. Kawakami, Y., & Lieber, R. L. (2000). Interaction between series compliance and sarcomere kinetics determines internal sarcomere shortening during fixed-end contraction. Journal of Biomechanics, 33(10), 1249-1255. Kawakami, Y., Kubo, K., Kanehisa, H., & Fukunaga, T. (2002). Effect of series elasticity on isokinetic torque-angle relationship in humans. European Journal of Applied Physiology, 87(4-5), 381. Kay, A. D., Richmond, D., Talbot, C., Mina, M., Baross, A. W., & Blazevich, A. J. (2016). Stretching of Active Muscle Elicits Chronic Changes in Multiple Strain Risk Factors. Medicine & Science in Sports & Exercise. Kennedy, P. M., & Cresswell, A. G. (2001). The effect of muscle length on motor-unit recruitment during isometric plantar flexion in humans. Experimental Brain Research, 137(1), 58-64. Kilgallon, M., Donnelly, A. E., & Shafat, A. (2007). Progressive resistance training temporarily alters hamstring torque-angle relationship. Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports, 17(1), 18. Kluka, V., Martin, V., Vicencio, S. G., Jegu, A. G., Cardenoux, C., Morio, C., & Ratel, S. (2015). Effect of muscle length on voluntary activation level in children and adults. Medicine & Science in Sports & Exercise, 47(4), 718. Kluka, V., Martin, V., Vicencio, S. G., Giustiniani, M., Morel, C., Morio, C., & Ratel, S. (2016). Effect of muscle length on voluntary activation of the plantar flexors in boys and men. European Journal of Applied Physiology, 116(5), 1043-1051. Koh, T. J., & Herzog, W. (1995). Evaluation of voluntary and elicited dorsiflexor torque-angle relationships. Journal of Applied Physiology, 79(6), 2007. Komi, P. V., Linnamo, V., Silventoinen, P., & Sillanpää, M. (2000). Force and EMG power spectrum during eccentric and concentric actions. Medicine & Science in Sports & Exercise, 32(10), 1757. Kong, P. W., & Van Haselern, J. (2010). Revisiting the influence of hip and knee angles on quadriceps excitation measured by surface electromyography. International SportMed Journal, 11(2). Kubo, K., Tsunoda, N., Kanehisa, H., & Fukunaga, T. (2004). Activation of agonist and antagonist muscles at different joint angles during maximal isometric efforts. European Journal of Applied Physiology, 91(2-3), 349-352. Kubo, K., Ohgo, K., Takeishi, R., Yoshinaga, K., Tsunoda, N., Kanehisa, H., & Fukunaga, T. (2006). Effects of series elasticity on the human knee extension torque-angle relationship in vivo. Research Quarterly for Exercise and Sport, 77(4), 408-416. Leedham, J. S., & Dowling, J. J. (1995). Force-length, torque-angle and EMG-joint angle relationships of the human in vivo biceps brachii. European Journal of Applied Physiology and Occupational Physiology, 70(5), 421-426. Linnamo, V., Strojnik, V., & Komi, P. V. (2006). Maximal force during eccentric and isometric actions at different elbow angles. European Journal of Applied Physiology, 96(6), 672-678. Lunnen, J. D., Yack, J., & LeVeau, B. F. (1981). Relationship between muscle length, muscle activity, and torque of the hamstring muscles. Physical Therapy, 61(2), 190-195. Maffiuletti, N. A., & Lepers, R. (2003). Quadriceps femoris torque and EMG activity in seated versus supine position. Medicine & Science in Sports & Exercise, 35(9), 1511. Mahieu, N. N., Mcnair, P., Cools, A. N. N., D’Haen, C., Vandermeulen, K., & Witvrouw, E. (2008). Effect of eccentric training on the plantar flexor muscle-tendon tissue properties. Medicine & Science in Sports & Exercise, 40(1), 117-123. Marsh, E., Sale, D., McComas, A. J., & Quinlan, J. (1981). Influence of joint position on ankle dorsiflexion in humans. Journal of Applied Physiology, 51(1), 160-167. Miaki, H., Someya, F., & Tachino, K. (1999). A comparison of electrical activity in the triceps surae at maximum isometric contraction with the knee and ankle at various angles. European Journal of Applied physiology and Occupational Physiology, 80(3), 185-191. Newman, S. A., Jones, G., & Newham, D. J. (2003). Quadriceps voluntary activation at different joint angles measured by two stimulation techniques. European Journal of Applied Physiology, 89(5), 496. Noorkõiv, M., Nosaka, K., & Blazevich, A. J. (2014). Neuromuscular adaptations associated with knee joint angle-specific force change. Medicine & Science in Sports & Exercise, 46(8), 1525-1537. Noorkõiv, M., Nosaka, K., & Blazevich, A. J. (2015). Effects of isometric quadriceps strength training at different muscle lengths on dynamic torque production. Journal of Sports Sciences, 33(18), 1952-1961. Nourbakhsh, M. R., & Kukulka, C. G. (2004). Relationship between muscle length and moment arm on EMG activity of human triceps surae muscle. Journal of Electromyography and Kinesiology, 14(2), 263-273. O’Brien, T. D., Reeves, N. D., Baltzopoulos, V., Jones, D. A., & Maganaris, C. N. (2009). The effects of agonist and antagonist muscle activation on the knee extension moment-angle relationship in adults and children. European Journal of Applied Physiology, 106(6), 849. Onishi, H., Yagi, R., Oyama, M., Akasaka, K., Ihashi, K., & Handa, Y. (2002). EMG-angle relationship of the hamstring muscles during maximum knee flexion. Journal of Electromyography and Kinesiology, 12(5), 399-406. Pasquet, B., Carpentier, A., & Duchateau, J. (2005). Change in muscle fascicle length influences the recruitment and discharge rate of motor units during isometric contractions. Journal of Neurophysiology, 94(5), 3126-3133. Prodoehl, J., Gottlieb, G. L., & Corcos, D. M. (2003). The neural control of single degree-of-freedom elbow movements. Experimental Brain Research, 153(1), 7-15. Rabita, G., Pérot, C., & Lensel-Corbeil, G. (2000). Differential effect of knee extension isometric training on the different muscles of the quadriceps femoris in humans. European Journal of Applied Physiology, 83(6), 531-538. Reeves, N. D., Narici, M. V., & Maganaris, C. N. (2004). In vivo human muscle structure and function: adaptations to resistance training in old age. Experimental Physiology, 89(6), 675. Roman, W. J., Fleckenstein, J., Stray-Gundersen, J., Alway, S. E., Peshock, R., & Gonyea, W. J. (1993). Adaptations in the elbow flexors of elderly males after heavy-resistance training. Journal of Applied Physiology, 74(2), 750-754. Simoneau, E., Martin, A., & Van Hoecke, J. (2007). Effects of joint angle and age on ankle dorsi-and plantar-flexor strength. Journal of Electromyography and Kinesiology, 17(3), 307. Smith, C., & Rutherford, O. M. (1995). The role of metabolites in strength training. I. A comparison of eccentric and concentric training. European Journal of Applied physiology and Occupational Physiology, 71(4), 337-341. Suter, E., & Herzog, W. (1997). Extent of muscle inhibition as a function of knee angle. Journal of Electromyography and Kinesiology, 7(2), 123. Timmins, R. G., Shield, A. J., Williams, M. D., & Opar, D. A. (2016). Is There Evidence to Support the Use of the Angle of Peak Torque as a Marker of Hamstring Injury and Re-Injury Risk?. Sports Medicine, 46(1), 7-13. Ullrich, H. Kleinöder, G. P. Brüggemann (2009). Moment-angle Relations after Specific Exercise International Journal of Sports Medicine, 30: 293–301. Vander Linden, D. W., Kukulka, C. G., & Soderberg, G. L. (1991). The effect of muscle length on motor unit discharge characteristics in human tibialis anterior muscle. Experimental Brain Research, 84(1), 210-218. Vigotsky, A. D., Contreras, B., & Beardsley, C. (2015). Biomechanical implications of skeletal muscle hypertrophy and atrophy: a musculoskeletal model. PeerJ, 3, e1462. Wakahara, T., Miyamoto, N., Sugisaki, N., Murata, K., Kanehisa, H., Kawakami, Y., & Yanai, T. (2012). Association between regional differences in muscle activation in one session of resistance exercise and in muscle hypertrophy after resistance training. European Journal of Applied Physiology, 112(4), 1569-1576. Worrell, T. W., Karst, G., Adamczyk, D., Moore, R., Stanley, C., Steimel, B., & Steimel, S. (2001). Influence of joint position on electromyographic and torque generation during maximal voluntary isometric contractions of the hamstrings and gluteus maximus muscles. Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy, 31(12), 730-740. Zehr, P. E. (2002). Considerations for use of the Hoffmann reflex in exercise studies. European Journal of Applied Physiology, 86(6), 455-468.
なぜ我々は、ある関節角度において、その他の角度より強いのか? パート1/3
いかなる関節においても、我々はある関節角度において、その他の関節角度よりも強い。実際に、可動内全域において、他の関節角度よりも強い1つの関節角度が通常存在する。 更に興味深いことに、この最も強い関節角度は、ストレングストレーニング後に変化し得る。それは、頻繁に筋腱単位がより長いところへと移動するが、まれに筋腱単位がより短いところへと変化することがある。 なぜそれが起こるのだろうか? この記事では、これら両方の疑問に対するよくあげられる要因に取り組み、また、いくつかのそれほどありきたりではないものへも言及してゆく。 我々が最も強い関節角度とは何か? 我々が最も強い関節角度は、瞬時最大トルク角度と呼ばれる。繰り返し書くことを避けるため、これをθτと呼ぶことにしよう。θτを発見するために、下のような関節角度に対するトルクのグラフを描くことができる。 瞬時最大トルク角度 この曲線は「関節トルク・角度」の関係である。このような曲線を生み出すために研究者たちは通常、動力計において異なる関節角度の等尺性関節トルクを測定しており、異なる関節は異なる曲線を表示している。 全体の関節角度可動域における最初、もしくは最終域において最大となるものもあり、中域において最大となるものもある。 これらがその例である: 膝関節屈筋群(ハムストリングス)のθτは、(股関節が中立位にある際)膝が長筋長において完全に伸展したところである(ウォーレルおよびその他、2001年)。 股関節伸筋群(大臀筋)のθτ は、股関節が屈曲しているところ(膝関節が屈曲している際)である(ウォーレルおよびその他、2001年)。 膝関節伸展群(大腿四頭筋)のθτ は、どちらの最終関節可動域でもないが、完全伸展よりは完全屈曲により近い(フライ・ローおよびその他、2012年)。 肘関節の屈筋群(上腕二頭筋)および、伸筋群(上腕三頭筋)のθτ は、全体の肘関節可動域のおよそ中程である(フライ・ローおよびその他、2012年)。 何がθτを決定するのか? ここまででθτが何を意味するかは分かったと思うが、なぜ我々は、他の関節角度と比較し、1つの関節角度においてより強いのだろうか?末梢および中枢において、それに貢献している要因は数多く存在し、下記のものを含むが、これらに限定されているわけではない。 筋肉のモーメントアームの長さ 正規化された繊維長 局部的筋サイズ 腱剛性 筋剛性 神経伝達 もちろん、ある要因がθτに影響を及ぼし得るからといって、それがストレングストレーニング後におけるθτの変化の原因であるという意味ではない。実際にこれから見てゆくように、他の要因は大きく変化するが、θτを制限するのに非常に重要ないくつかの要因は、ストレングストレーニングの結果として変化する傾向にはない(ブルゲーリ&クローニン、2007年)。 もしこれから述べてゆくよりも早くに要因についての結論を知りたい場合は、各章の終わりに要約をしてある「ポイントの要約」まで飛ばすとよい。 モーメントアームの長さはどのようにθτへ影響を及ぼすのか? 関節は角運動に関わり、軸を中心に回旋する2つの骨を含むため、力ではなくトルクを産出する。ゆえに関節トルクの大きさは、筋肉により生み出される収縮力だけではなく、旋回軸からの垂直距離にも依存している。 この距離は、モーメントアームと呼ばれている。 モーメントアームの長さが関節角度により異なる理由の1つは、生体構造のためであるが、それらは筋肉のサイズにも依存している。より大きな筋肉はより長いモーメントアームを持つ(ヴィゴスキーおよびその他、2015年)。 モーメントアームは、より大きな筋肉においてより長い((ヴィゴスキーおよびその他、2015年)。 モーメントアームの長さは、関節トルクを決定するために、筋力そのものと同様に重要である。これは関節トルクが、力とモーメントアームの長さを掛け合わせたものであるためである。 ゆえに、モーメントアームの長さは関節角度により大幅に変化し得るため、θτに非常に大きな影響を及ぼす。 例えば、我々は大臀筋のモーメントアームの長さが、股関節角度と共にどのように変化するのかをグラフにすることができる。我々はグラフから、大臀筋は股関節屈曲(90度の股関節角度)において最も短いモーメントアームを持ち、股関節伸展(0度の股関節角度)において最も長いモーメントアームを持つということがわかる。 大臀筋は、直立時に長いモーメントアームを持つ。 ちなみに、モーメントアームが股関節角度と共に変化するということは、直立している際、もしくは走行周期の立脚相において、大臀筋を非常に優れた股関節伸筋にし、また、スクワットの下部においては、股関節伸筋としてそれほど効果的ではないものにしている。 モーメントアームの長さは重要ではあるが、θτ.の唯一の決定要因ではない。我々は、2関節筋群が、同様の関節角度ではあるが異なる筋長において(筋長は隣接する関節角度を変化させることにより変わる)テストされた際、関節トルクが異なることから、このことをわかっている。 例として、研究者たちは、異なる座位における膝関節屈曲トルクを比較している。彼らは、膝関節角度を固定し、体幹を前屈位、直立位、もしくは後屈位へと動かすことにより股関節角度を変化させた(ラネンおよびその他、1981年)。膝関節角度は異なる体位の間で変化しないため、モーメントアームの長さが膝関節屈曲トルクにおける差違を生み出すことは不可能であった。しかしながら、それは2関節筋のハムストリングスの長さを変化させ、それらが産出できる力の量を変化させたのである。 同様に研究者たちは、異なる座位における膝関節伸展トルクを比較した。膝関節角度は固定し、彼らは仰臥位(仰向け)もしくは直立座位どちらかの間で体幹を変化させることにより、股関節角度を変化させた(ハスラーおよびその他、1994年、マフィルッティ&レパーズ、2003年)。膝関節角度は異なる体位の間で変化しないため、モーメントアームの長さが膝関節伸展トルクにおける差違を引き起こすことは不可能であった。しかしそれは2関節筋の大腿四頭筋(大腿直筋)の長さを変化させ、生み出し得る力の量を変化させた。 そしてもちろん同様に、足関節は同位置であるが、腓腹筋の長さを変化させるために異なる膝関節位をとり、ふくらはぎの筋肉の力生成を比較することは可能である(クレスウェルおよびその他、1995年、ミアキおよびその他、1999年、ケネディ&クレスウェル、2001年、ヌーバクッシュ&ククルカ、2004年、アラムパティスおよびその他、2006年、コング&バンハセレーン、2010年)。 つまり、モーメントアームの長さと同様に、筋長は重要なのである。 ポイントの要約:モーメントアームの長さは、関節トルクの鍵となる決定要因であり、関節角度により異なる。しかし、隣接している関節角度が変化した場合、2関節筋における関節トルクは異なるため、このことは、モーメントアームの長さと同様に筋長は独立した要因であるということを示している。 正規化された繊維長はどのようにθτに影響を及ぼすのか? 筋繊維は、末端と末端を結合した各筋節の連鎖により構成されている。正規化された筋繊維長とは、その連鎖において結合している単一筋繊維に対する筋節の数である。 アクチンおよびミオシン繊維が互いに滑り合う際、連鎖における各筋節は短縮し、能動的に張力を生み出す。 各筋節が能動的に産出する張力の量は、アクチンおよびミオシン繊維間の重なりの量に依存する。 我々はこれを、能動的筋長・張力関係と呼ぶ。 筋節が短すぎる場合、重なりは理想的ではなくなり、より小さい力しか産出せず、筋節が長すぎると、重なりはまた理想的ではなくなり、より小さい力しか産出しない。しかし、筋節の長さが適切である場合、重なりは最適となり、これが、筋節が最大の力を産出できる長さとなる。この最適な筋長には幅があり、プラトーと呼ばれている。 これらの3つの段階は下のグラフにおいて見ることができる。 筋繊維は、その長さが「ちょうど良い」時に最大の力を生み出す! 能動的な力産出に加え、筋繊維における筋フィラメントもまた、伸張することに対抗するため受動的に力を産出する。この力は、筋節がその最適な長さを超えて伸張されると、非常に素早く増加する。 我々はこれを、受動的筋長・張力関係と呼んでいる。 我々は、実際にどのように筋繊維が実生活における筋長の変化に反応するかを示すため、能動的および受動的関係を組み合わせることができる。 このグラフでは複合の関係を見ることができる。 筋繊維は伸張されることに抵抗し、同時に能動的に力を生み出す。 連鎖における全ての筋節はこのような反応を示すため、筋繊維は全体的に多かれ少なかれ同様の反応を示す(後に筋節の不均一性について書く時間を作ろうと思う)。 筋繊維が比較的長い正規化された繊維長を持つ場合、その筋繊維はその筋繊維長に対し、連鎖においてより多くの筋節を持つ。そのため、それが収縮し始めると、たるみからスタートする(その最初の長さは上行脚のかなり下となるだろう)。ゆえにそれはθτに達する前に、より長い間短縮することとなる。 対照的に、筋繊維が比較的短い正規化された繊維長を持つ場合、それはその筋繊維長に対し、より少ない筋節を持つ。そのため、それが収縮を始める際、張りからスタートする(その最小の長さは、上行脚のかなり上となるだろう)。ゆえにそれは θτ.に達する前には、非常にわずかにしか短縮しない。 ポイントの要約: 正規化された筋繊維長は、筋繊維における連鎖内の筋節の数を反映するため、θτ 関節の決定要因である。連鎖におけるより多くの筋節は、力生成に対する最適な長さは関節可動域における後半におこり、また逆も同様であるということを意味している。 参照文献 Alegre, L. M., Ferri-Morales, A., Rodriguez-Casares, R., & Aguado, X. (2014). Effects of isometric training on the knee extensor moment–angle relationship and vastus lateralis muscle architecture. European Journal of Applied Physiology, 114(11), 2437-2446. Altenburg, T. M., de Haan, A., Verdijk, P. W., van Mechelen, W., & de Ruiter, C. J. (2009). Vastus lateralis single motor unit EMG at the same absolute torque production at different knee angles. Journal of Applied Physiology, 107(1), 80-89. Amarantini, D., & Bru, B. (2015). Training-related changes in the EMG–moment relationship during isometric contractions: Further evidence of improved control of muscle activation in strength-trained men? Journal of Electromyography and Kinesiology, 25(4), 697-702. Arampatzis, A., Karamanidis, K., Stafilidis, S., Morey-Klapsing, G., DeMonte, G., & Brüggemann, G. P. (2006). Effect of different ankle-and knee-joint positions on gastrocnemius medialis fascicle length and EMG activity during isometric plantar flexion. Journal of Biomechanics, 39(10), 1891. Babault, N., Pousson, M., Michaut, A., & Van Hoecke, J. (2003). Effect of quadriceps femoris muscle length on neural activation during isometric and concentric contractions. Journal of Applied Physiology, 94(3), 983-990. Bampouras, T. M., Reeves, N. D., Baltzopoulos, V., & Maganaris, C. N. (2006). Muscle activation assessment: effects of method, stimulus number, and joint angle. Muscle & Nerve, 34(6), 740. Becker, R., & Awiszus, F. (2001). Physiological alterations of maximal voluntary quadriceps activation by changes of knee joint angle. Muscle & Nerve, 24(5), 667. Bigland‐Ritchie, B. R., Furbush, F. H., Gandevia, S. C., & Thomas, C. K. (1992). Voluntary discharge frequencies of human motoneurons at different muscle lengths. Muscle & Nerve, 15(2), 130-137. Blazevich, A. J., Gill, N. D., & Zhou, S. (2006). Intra‐and intermuscular variation in human quadriceps femoris architecture assessed in vivo. Journal of Anatomy, 209(3), 289-310. Blazevich, A. J., Cannavan, D., Coleman, D. R., & Horne, S. (2007). Influence of concentric and eccentric resistance training on architectural adaptation in human quadriceps muscles. Journal of Applied Physiology, 103(5), 1565-1575. Bohm, S., Mersmann, F., & Arampatzis, A. (2015). Human tendon adaptation in response to mechanical loading: a systematic review and meta-analysis of exercise intervention studies on healthy adults. Sports Med Open, 1(1), 7. Brughelli, M., & Cronin, J. (2007). Altering the length-tension relationship with eccentric exercise. Sports Medicine, 37(9), 807-826. Brughelli, M., Mendiguchia, J., Nosaka, K., Idoate, F., Los Arcos, A., & Cronin, J. (2010). Effects of eccentric exercise on optimum length of the knee flexors and extensors during the preseason in professional soccer players. Physical Therapy in Sport, 11(2), 50-55. Carolan, B., & Cafarelli, E. (1992). Adaptations in coactivation after isometric resistance training. Journal of Applied Physiology, 73(3), 911-917. Clark, R., Bryanta, A., Culgan, J. P., & Hartley, B. (2005). The effects of eccentric hamstring strength training on dynamic jumping performance and isokinetic strength parameters: a pilot study on the implications for the prevention of hamstring injuries. Physical Therapy in Sport, 6, 67-73. Christova, P., Kossev, A., & Radicheva, N. (1998). Discharge rate of selected motor units in human biceps brachii at different muscle lengths. Journal of Electromyography and Kinesiology, 8(5), 287-294. Cresswell, A. G., Löscher, W. N., & Thorstensson, A. (1995). Influence of gastrocnemius muscle length on triceps surae torque development and electromyographic activity in man. Experimental Brain Research, 105(2), 283-290. Del Valle, A., & Thomas, C. K. (2004). Motor unit firing rates during isometric voluntary contractions performed at different muscle lengths. Canadian Journal of Physiology and Pharmacology, 82(8-9), 769-776. Doheny, E. P., Lowery, M. M., FitzPatrick, D. P., & O’Malley, M. J. (2008). Effect of elbow joint angle on force–EMG relationships in human elbow flexor and extensor muscles. Journal of Electromyography and Kinesiology, 18(5), 760-770. Franchi, M. V., Atherton, P. J., Maganaris, C. N., & Narici, M. V. (2016). Fascicle length does increase in response to longitudinal resistance training and in a contraction-mode specific manner. SpringerPlus, 5(1), 1. Frey-Law, L. A., Laake, A., Avin, K. G., Heitsman, J., Marler, T., & Abdel-Malek, K. (2012). Knee and elbow 3d strength surfaces: peak torque-angle-velocity relationships. Journal of Applied Biomechanics, 28(6), 726-737. Frigon, A., Thompson, C. K., Johnson, M. D., Manuel, M., Hornby, T. G., & Heckman, C. J. (2011). Extra forces evoked during electrical stimulation of the muscle or its nerve are generated and modulated by a length-dependent intrinsic property of muscle in humans and cats. The Journal of Neuroscience, 31(15), 5579-5588. Gandevia, S. C., & McKenzie, D. K. (1988). Activation of human muscles at short muscle lengths during maximal static efforts. The Journal of Physiology, 407, 599. Garland, S. J., Gerilovsky, L., & Enoka, R. M. (1994). Association between muscle architecture and quadriceps femoris H‐reflex. Muscle & Nerve, 17(6), 581-592. Hasler, E. M., Denoth, J., Stacoff, A., & Herzog, W. (1994). Influence of hip and knee joint angles on excitation of knee extensor muscles. Electromyography and Clinical Neurophysiology, 34(6), 355. Heckathorne, C. W., & Childress, D. S. (1981). Relationships of the surface electromyogram to the force, length, velocity, and contraction rate of the cineplastic human biceps. American Journal of Physical Medicine, 60(1), 1. Huber, A., Suter, E., & Werzog, W. (1998). Inhibition of the quadriceps muscles in elite male volleyball players. Journal of Sports Sciences, 16(3), 281-289. Kasprisin, J. E., & Grabiner, M. D. (2000). Joint angle-dependence of elbow flexor activation levels during isometric and isokinetic maximum voluntary contractions. Clinical Biomechanics, 15(10), 743. Kawakami, Y., & Lieber, R. L. (2000). Interaction between series compliance and sarcomere kinetics determines internal sarcomere shortening during fixed-end contraction. Journal of Biomechanics, 33(10), 1249-1255. Kawakami, Y., Kubo, K., Kanehisa, H., & Fukunaga, T. (2002). Effect of series elasticity on isokinetic torque-angle relationship in humans. European Journal of Applied Physiology, 87(4-5), 381. Kay, A. D., Richmond, D., Talbot, C., Mina, M., Baross, A. W., & Blazevich, A. J. (2016). Stretching of Active Muscle Elicits Chronic Changes in Multiple Strain Risk Factors. Medicine & Science in Sports & Exercise. Kennedy, P. M., & Cresswell, A. G. (2001). The effect of muscle length on motor-unit recruitment during isometric plantar flexion in humans. Experimental Brain Research, 137(1), 58-64. Kilgallon, M., Donnelly, A. E., & Shafat, A. (2007). Progressive resistance training temporarily alters hamstring torque-angle relationship. Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports, 17(1), 18. Kluka, V., Martin, V., Vicencio, S. G., Jegu, A. G., Cardenoux, C., Morio, C., & Ratel, S. (2015). Effect of muscle length on voluntary activation level in children and adults. Medicine & Science in Sports & Exercise, 47(4), 718. Kluka, V., Martin, V., Vicencio, S. G., Giustiniani, M., Morel, C., Morio, C., & Ratel, S. (2016). Effect of muscle length on voluntary activation of the plantar flexors in boys and men. European Journal of Applied Physiology, 116(5), 1043-1051. Koh, T. J., & Herzog, W. (1995). Evaluation of voluntary and elicited dorsiflexor torque-angle relationships. Journal of Applied Physiology, 79(6), 2007. Komi, P. V., Linnamo, V., Silventoinen, P., & Sillanpää, M. (2000). Force and EMG power spectrum during eccentric and concentric actions. Medicine & Science in Sports & Exercise, 32(10), 1757. Kong, P. W., & Van Haselern, J. (2010). Revisiting the influence of hip and knee angles on quadriceps excitation measured by surface electromyography. International SportMed Journal, 11(2). Kubo, K., Tsunoda, N., Kanehisa, H., & Fukunaga, T. (2004). Activation of agonist and antagonist muscles at different joint angles during maximal isometric efforts. European Journal of Applied Physiology, 91(2-3), 349-352. Kubo, K., Ohgo, K., Takeishi, R., Yoshinaga, K., Tsunoda, N., Kanehisa, H., & Fukunaga, T. (2006). Effects of series elasticity on the human knee extension torque-angle relationship in vivo. Research Quarterly for Exercise and Sport, 77(4), 408-416. Leedham, J. S., & Dowling, J. J. (1995). Force-length, torque-angle and EMG-joint angle relationships of the human in vivo biceps brachii. European Journal of Applied Physiology and Occupational Physiology, 70(5), 421-426. Linnamo, V., Strojnik, V., & Komi, P. V. (2006). Maximal force during eccentric and isometric actions at different elbow angles. European Journal of Applied Physiology, 96(6), 672-678. Lunnen, J. D., Yack, J., & LeVeau, B. F. (1981). Relationship between muscle length, muscle activity, and torque of the hamstring muscles. Physical Therapy, 61(2), 190-195. Maffiuletti, N. A., & Lepers, R. (2003). Quadriceps femoris torque and EMG activity in seated versus supine position. Medicine & Science in Sports & Exercise, 35(9), 1511. Mahieu, N. N., Mcnair, P., Cools, A. N. N., D’Haen, C., Vandermeulen, K., & Witvrouw, E. (2008). Effect of eccentric training on the plantar flexor muscle-tendon tissue properties. Medicine & Science in Sports & Exercise, 40(1), 117-123. Marsh, E., Sale, D., McComas, A. J., & Quinlan, J. (1981). Influence of joint position on ankle dorsiflexion in humans. Journal of Applied Physiology, 51(1), 160-167. Miaki, H., Someya, F., & Tachino, K. (1999). A comparison of electrical activity in the triceps surae at maximum isometric contraction with the knee and ankle at various angles. European Journal of Applied physiology and Occupational Physiology, 80(3), 185-191. Newman, S. A., Jones, G., & Newham, D. J. (2003). Quadriceps voluntary activation at different joint angles measured by two stimulation techniques. European Journal of Applied Physiology, 89(5), 496. Noorkõiv, M., Nosaka, K., & Blazevich, A. J. (2014). Neuromuscular adaptations associated with knee joint angle-specific force change. Medicine & Science in Sports & Exercise, 46(8), 1525-1537. Noorkõiv, M., Nosaka, K., & Blazevich, A. J. (2015). Effects of isometric quadriceps strength training at different muscle lengths on dynamic torque production. Journal of Sports Sciences, 33(18), 1952-1961. Nourbakhsh, M. R., & Kukulka, C. G. (2004). Relationship between muscle length and moment arm on EMG activity of human triceps surae muscle. Journal of Electromyography and Kinesiology, 14(2), 263-273. O’Brien, T. D., Reeves, N. D., Baltzopoulos, V., Jones, D. A., & Maganaris, C. N. (2009). The effects of agonist and antagonist muscle activation on the knee extension moment-angle relationship in adults and children. European Journal of Applied Physiology, 106(6), 849. Onishi, H., Yagi, R., Oyama, M., Akasaka, K., Ihashi, K., & Handa, Y. (2002). EMG-angle relationship of the hamstring muscles during maximum knee flexion. Journal of Electromyography and Kinesiology, 12(5), 399-406. Pasquet, B., Carpentier, A., & Duchateau, J. (2005). Change in muscle fascicle length influences the recruitment and discharge rate of motor units during isometric contractions. Journal of Neurophysiology, 94(5), 3126-3133. Prodoehl, J., Gottlieb, G. L., & Corcos, D. M. (2003). The neural control of single degree-of-freedom elbow movements. Experimental Brain Research, 153(1), 7-15. Rabita, G., Pérot, C., & Lensel-Corbeil, G. (2000). Differential effect of knee extension isometric training on the different muscles of the quadriceps femoris in humans. European Journal of Applied Physiology, 83(6), 531-538. Reeves, N. D., Narici, M. V., & Maganaris, C. N. (2004). In vivo human muscle structure and function: adaptations to resistance training in old age. Experimental Physiology, 89(6), 675. Roman, W. J., Fleckenstein, J., Stray-Gundersen, J., Alway, S. E., Peshock, R., & Gonyea, W. J. (1993). Adaptations in the elbow flexors of elderly males after heavy-resistance training. Journal of Applied Physiology, 74(2), 750-754. Simoneau, E., Martin, A., & Van Hoecke, J. (2007). Effects of joint angle and age on ankle dorsi-and plantar-flexor strength. Journal of Electromyography and Kinesiology, 17(3), 307. Smith, C., & Rutherford, O. M. (1995). The role of metabolites in strength training. I. A comparison of eccentric and concentric training. European Journal of Applied physiology and Occupational Physiology, 71(4), 337-341. Suter, E., & Herzog, W. (1997). Extent of muscle inhibition as a function of knee angle. Journal of Electromyography and Kinesiology, 7(2), 123. Timmins, R. G., Shield, A. J., Williams, M. D., & Opar, D. A. (2016). Is There Evidence to Support the Use of the Angle of Peak Torque as a Marker of Hamstring Injury and Re-Injury Risk?. Sports Medicine, 46(1), 7-13. Ullrich, H. Kleinöder, G. P. Brüggemann (2009). Moment-angle Relations after Specific Exercise International Journal of Sports Medicine, 30: 293–301. Vander Linden, D. W., Kukulka, C. G., & Soderberg, G. L. (1991). The effect of muscle length on motor unit discharge characteristics in human tibialis anterior muscle. Experimental Brain Research, 84(1), 210-218. Vigotsky, A. D., Contreras, B., & Beardsley, C. (2015). Biomechanical implications of skeletal muscle hypertrophy and atrophy: a musculoskeletal model. PeerJ, 3, e1462. Wakahara, T., Miyamoto, N., Sugisaki, N., Murata, K., Kanehisa, H., Kawakami, Y., & Yanai, T. (2012). Association between regional differences in muscle activation in one session of resistance exercise and in muscle hypertrophy after resistance training. European Journal of Applied Physiology, 112(4), 1569-1576. Worrell, T. W., Karst, G., Adamczyk, D., Moore, R., Stanley, C., Steimel, B., & Steimel, S. (2001). Influence of joint position on electromyographic and torque generation during maximal voluntary isometric contractions of the hamstrings and gluteus maximus muscles. Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy, 31(12), 730-740. Zehr, P. E. (2002). Considerations for use of the Hoffmann reflex in exercise studies. European Journal of Applied Physiology, 86(6), 455-468.
ウェイトを素早く持ち上げればあなたは迅速になるのか?(強さは特異的)パート4/4
なぜ筋力増加は速度特異性であるのか?(パート2 続き) #3. 腱剛性 剛性とは、物質が伸長されることに抵抗する程度である。剛性の高いバネは負荷を付けたとしても、少ししか伸長しない。一方、柔軟なバネは非常に長く伸長する。 システムに含まれる際、剛性のより高いバネは、端から端まで迅速に力を伝達するため、より優れた力開発速度を持つ。より柔軟なバネは、力開発速度が遅く、ゆえにシステムに伝達する前に力のいくらかを吸収してしまう。 ストレングストレーニングは腱剛性の増加につながり(ベームおよびその他、2015年)、また、力開発速度の上昇にもつながる(ブレゼビッチ、2012年)。 より高い負荷は腱剛性の増加につながるため、ストレングストレーニングの効果は負荷により影響を受け(ベームおよびその他、2015年)、強度レベルは腱特性と関連がある(ムラオカおよびその他、2005年)。一部の研究者たちは、より高い負荷はより軽い負荷と比較し力開発速度のより優れた上昇を生み出す可能性があり(ブレゼビッチ、2012年)、腱剛性の増加はこの適応が起こるメカニズムである可能性があると提議している。 ポイントの要約:腱剛性の増加は力開発速度を上昇するようであるが、速度重視のトレーニングではなく、力重視のトレーニングに反応して起こる可能性が高い。ゆえに、高速トレーニング後における速度の特異性に貢献しているとは思えない。 #4. 単一繊維速度 筋肉構造、筋繊維タイプ、腱剛性は速度の特異性に対する貢献要因としては弱いものであるということを考えると、筋肉に内在するものの変化が、速度重視トレーニング後の、高速における力のより大きな増加に貢献しているということを思い出させることには価値があるであろう。 彼らの有名な研究の中でデュシャトウ&エノー(1984年)は、力重視および速度重視のトレーニングを比較し、力重視のトレーニング後における最大筋力のより大幅な増加(20% 対 11%)を報告しているが、最大短縮速度は速度重視のトレーニング後にのみ向上していた(21%)。さらにこの最大短縮速度は、不随意収縮において測定されており、末梢要因が含まれていることを示唆している。 忘れるべきでない1つの末梢要因は、単一筋繊維の収縮性である。 素晴らしい研究においてマリソーおよびその他(2006年)は、長期のプライオメトリックトレーニングの影響を評価した。彼らは、単一繊維速度は、タイプI筋繊維においては18%、タイプIIA筋繊維においては、29%、またタイプIIX筋繊維においては22%といったように、各筋繊維タイプにおいて増加するということを発見している。単一繊維力もまた増加しているが、これは筋断面積の増加により引き起こされており、断面積に対し正規化された単一繊維力は変化していなかった。 通常の高負荷レジスタンストレーニングにおける以前の研究は、単一繊維力の増加を報告しているが、単一繊維速度ではなく(ウィドリックおよびその他、2002年)、速度重視のトレーニングが速度の特異性を生み出す1つの方法は、おそらく個々の筋繊維の収縮要素を変化することによってであろうと示唆している。 ポイントの要約:単一繊維収縮速度は、速度重視のトレーニングにより上昇することが可能であり、速度特異性は、個々の筋繊維の収縮性の変化に起因するかもしれないということを示唆している。 #5. 神経適応 神経適応および速度特異性に関連して数多くのことが起こっているため、このセクションは長くなるということを覚悟しておくと良いだろう(もしくは、この章の最終にあるポイントの要約まで飛ばすと良い)。 ニューラルドライブの変化 ニューラルドライブとは、筋肉を収縮させるための脳から筋肉への信号である。それはコンポジット信号であり、運動単位動員(いくつの運動単位を起動させるか)および、運動単位発生頻度(1秒間にどれほどの頻度で作動されるか)から構成されている。我々は、自発的活性化(自発的および不随意力の間の差違)および筋電図振幅(筋肉内において記録された電圧)という2つの方法により、間接的にのみニューラルドライブを測定することができる。 全体的に、最大等尺性収縮の際の筋電図振幅は、高速、もしくは爆発的を意図したトレーニング後と比較し、高い力もしくは高い力を意図したトレーニング後において異なる変化はしないようである(ラマスおよびその他、2012年、ティリン&フォランド、2014年、バルシャウおよびその他、2016年)。しかしながら、収縮の異なる時点における心電図振幅は、下記に見られるように確実に影響を受けているようである。 爆発的トレーニングは初期段階における心電図振幅のより大きな増加を生み出す グラフからみてとれるように、爆発的トレーニングは初期段階における心電図振幅のより大きな増加を生み出している。一方、最大負荷トレーニングは、すべての収縮の際の心電図振幅の全体平均におけるより大きな増加を生み出している。 ゆえに、より高くピークを迎え降下する「パルス状効果」への移動を引き起こす爆発的トレーニングに伴い、ニューラルドライブ戦略における変化が確実に起こっている。 共活性化の変化 共活性化の増加はパフォーマンスを低下すると考えられているが、関節安定化の助けになるかもしれない。ゆえに共活性化の低下は、筋力を増加することのできる1つの方法であり、トレーニングにより変化するようであるが(ティリンおよびその他、2011年)、それが力開発の増加にどれほど貢献するのかどうかは明確ではない。 もし共活性化が、力重視のトレーニング後ではなく、速度重視のトレーニング後に特に観察することが出来るのであれば、それは速度特化の筋力変化に貢献している可能性がある。そしてこれにはあるヒントが隠されている。 実際に、プーソンおよびその他(1999年)は、共活性化は、高速が使用されている場合、トレーニングにおいて使われているものと同様の速度において等速性にテストされた際にのみ減少するということを発見している。ゲールツェンおよびその他、(2008年)もまた、速度重視トレーニング後における等尺性収縮の際の、抑制された共活性化の兆候を報告している。また、アラバッジ&ケリス(2012年)は、従来のレジスタンストレーニングは、垂直ジャンプの際、膝周囲の筋肉の共活性化の増加を生み出し、一方オリンピックウェイトリフティングは変化を生み出さなかったか、もしくは多少の減少を生み出したということを発見している。 協調の変化 協調の変化は、速度特化において示される筋力に貢献することができる、より基本的な身体的質(力生成および力開発速度のような)がどれほど増加するかに影響を与える可能性がある。 短い概要の中でブレゼビッチおよびその他(2012年)は、研究は、テストエクササイズがトレーニング期間中に行われなかった場合、ストレングストレーニング後の力開発速度における上昇は報告される可能性が低いと記述している。ゆえに、異なるエクササイズ後において、トレーニングの際に達成された力開発速度の上昇を表示するためには、テストエクササイズの練習が必要であるのかもしれない。 これは、垂直跳びにおけるトレーニングにおいて達した力生成の増加を使用することは、いったん筋力が増加した後に垂直跳びの練習を必要とするという考えと同様である(ボビー&ゾエスト、1994年)。 より高速のエクササイズには高速協調要素が含まれており、より低速のエクササイズと比較し、スポーツ動作により良く移行することから、これは低速エクササイズよりも高速エクササイズの方がスポーツパフォーマンスへより良く移行するようであることの理由の1つであるかもしれない(モーラ・クストーディオおよびその他、2016年)。異なる筋肉は、速度の異なるほとんどのスポーツ動作における全体的なパフォーマンスに貢献しているため、これはそれほど現実離れしたものではない(ビアズリー&コントレラス、2014年)。 ポイントの要約:初期段階のより大きなニューラルドライブ(および力開発速度の上昇)、より抑制された共活性化、そしてより優れた協調はすべて、力重視トレーニングと比較し、速度重視トレーニングにより達成することが可能である可能性があり、各要素が速度特異性に貢献しているということを示唆している。 結論 実際の速度および迅速に動こうという意図は、個々で速度特化の筋力増加を引き起こしている。速度特化の筋力増加はおそらく、力開発速度の上昇、および最大収縮速度の上昇を通じて起こるのであろう。 力重視トレーニングと比較し、速度重視トレーニング後における速度特化の影響に対する主な貢献要素はおそらく、筋束長のより大きな増加、単一繊維速度のより大きな変化、初期段階におけるニューラルドライブのより大幅な増加、より抑制された共活性化、そして協調のより大きな向上であるだろう。 しかし結局のところ、速度重視および力重視トレーニングの両方ともに、高速における力生成能力を向上するために有益であるような異なる適応を生み出すことができる。これは、力重視トレーニングを使用して達成した、断面積および腱剛性の大幅な増加により裏付けされている。
ウェイトを素早く持ち上げればあなたは迅速になるのか?(強さは特異的)パート3/4
なぜ筋力増加は速度特異性であるのか?(パート2) 速度特化の筋力増加を引き起こす可能性のある要因は多数存在する。下記は有力な候補の一部である。 筋肉構造 筋繊維タイプ 腱剛性 特定繊維速度 神経適合 我々は、これらの個々の要因は、速度重視(例:高速バリスティック動作もしくは爆発的な等尺性収縮のどちらか)、もしくは力重視(例:高力ストレングストレーニングもしくは持続的等尺性収縮のどちらか)のいずれかの後、異なる方法にて変化するのかどうかということを解明しようとすることができる。 我々はまた、それらが理論的に初期段階の影響(力開発の速度)もしくは後期段階の影響(高速の筋力)を生み出す傾向が強いかどうかを検証することも可能である。 #1. 筋肉構造 速度重視および力重視両方のアプローチを含む、全てのタイプのストレングストレーニングは、筋肉構造を変化させる(筋束長、羽状角度、および断面積)。 筋束長の変化 より長い筋束長はより高い収縮速度を意味するため、筋束長の増加は、高速筋力増加の助けとなる可能性がある。(ウィッキィウィックスおよびその他、1984年)。これは、筋原繊維における全ての筋節が同時に収縮するためであり、より大きな全体の長さの変化が同じ時間内に起こるということを意味している。 一方、より長い繊維は、筋収縮の開始において、緩んだ状態から張った状態になるまでにより長い時間が必要であるため、より長い筋束長は力開発の速度の減速につながるようである(ブレゼビッチおよびその他、2009年)。 ゆえに、初期段階の影響は不利益であり、後期段階の影響は有益であるといったように、筋束長伸長の影響においてのトレードオフがあるかもしれない。 そうだとしても、筋束長は、力重視のトレーニングと比較し、速度重視のトレーニング後により増加するかもしれないという兆候は存在する(ブレゼビッチおよびその他、2003年、アレグレおよびその他、2006年)つまり、これは起こり得る全体の変化において有益な適応である可能性があるということを示唆している。 断面積の変化 断面積の増加は、より大きく強い筋束はより大きな力を生み出すことができることから、高速筋力の増加を助ける。これは、すべての力・速度カーブを上向きにし、与えられた速度において力を産出しやすくしている。 筋肥大のためのトレーニングを行う際、低負荷は高負荷と同様の断面積の増加を生み出すかもしれないが、これには筋限界に至るまでのトレーニングが必要である可能性がある(シェーンフェルトおよびその他、2014年)。速度を向上させる際、低負荷でのセットは筋限界まで到達せず、同程度まではサイズを発達させないようである。これは断面積の変化は、速度特異性の要因ではないということを示唆している。 羽状角度の変化 筋羽状角度は、筋束長と比較し、理解するのがそれほど簡単ではない。羽状角度の増加は筋束長の短縮を意味しているが、これは筋収縮速度が必ずしも減少するということを意味しているわけではない。 羽状の筋束は実際には収縮の間回旋し、効果的な羽状角度を減少しており(ブレイナード&アジジ、2005年)、この回旋の量はより速い収縮においてより大きい(アジジおよびその他、2008年)。この繊維回旋は、その中における個々の筋繊維の収縮速度より、筋肉自体がより速い収縮速度に達することを可能にし、羽状に伴う不利益を無効にしている。 そうだとしても、羽状角度は、速度重視のトレーニング後と比較し、力重視のトレーニング後においてより多く増加する兆候があるが(ブレゼビッチおよびその他、2003年、アレグレおよびその他、2006年)、これはおそらく単に、羽状角度の変化が筋サイズの変化を追う傾向にあるためであろう。 ポイントの要約:筋束長の伸長は力開発の速度を低下するかもしれないが、同時に最大収縮速度を上昇する可能性がある。断面積および羽状角度の変化は速度の特異性に貢献しているわけではないようである。 #2. 筋繊維の種類 速度重視のトレーニングは、タイプI ⇒タイプIIA ⇒タイプIIXの方向において、(MHC構成、もしくは筋繊維タイプの分布のどちらかにより測定された)筋繊維の種類の移行、もしくは優先的筋繊維タイプの部位における筋肥大を生み出すことができる可能性がある。筋繊維は、タイプ IIX >タイプIIA >タイプI の順に速く収縮するため、速度特異性に貢献している可能性がある(例:トラッペおよびその他、2006年、バーバー&トラッペ、2008年)。 一部の研究は、筋繊維タイプもしくは繊維タイプ分布の移行に伴う速度特化の筋力増加を報告しているが(リューおよびその他、2003年、ザラスおよびその他、2013年)、ほとんどのものは、速度特化の筋力増加を報告しているものの、繊維タイプ分布における変化は発見していない(コイルおよびその他、1981年、トミーおよびその他、1987年、ユーイングジュニアおよびその他、1990年、マリソーおよびその他、2006年、ヴァイシングおよびその他、2008年)。さらに、より高速でのトレーニング後、タイプII 筋繊維部分における優先的増加の兆候は存在するが(コイルおよびその他、1981年、トミーおよびその他、1987年、ザラスおよびその他、2013年)、これもまた、決して統一された発見ではない(ユーイングジュニアおよびその他、1990年、マリソーおよびその他、2006年、ヴァイシングおよびその他、2008年、ラマスおよびその他、2012年)。 これは、初期段階の影響が不利益であり、後期段階の影響が有益であるということに伴う、繊維タイプ変化の影響のトレードオフによるものかもしれない。 最大力産出は筋サイズにより影響を受け、筋サイズの変化は、タイプIIX繊維分布の減少と並行し、タイプIIA繊維においてより多く起こる。ゆえに我々は、タイプIIXの損失は、初期段階における力開発の速度を低下し、タイプIIAの増加は、後期段階における力開発および力生成の速度を上昇することから、初期の速度特異性および後期の速度特異性においてトレードオフが存在するということを予測できるかもしれない。 研究が非常に限られてはいるものの、これが多かれ少なかれ我々が発見したことである。 例えば、ハッキネンおよびその他(2003年)は、タイプIIX繊維の部分は減少し、タイプIIA繊維の部分は増加しているなか、初期段階および後期段階の総合(500ms)において、力開発速度の上昇を発見している。アルガードおよびその他、(2010年)は、ここでもタイプIIX繊維の部分が減少し、タイプIIA繊維の部分が増加しているなか、初期段階( さらに興味深いことに、ファーラップおよびその他(2014年)は、力開発の速度とタイプIIX筋繊維の相対領域間の関係の強さは、時間周期が収縮開始からさらに離れるにつれ着実に減少するということを発見している(r = 0.61, 0.56, 0.46, 0.26 for 30ms, 50ms, 100ms and 200ms)。またアンダーソンおよびその他(2010年)は、トレーニング後のタイプIIX筋繊維の相対領域の減少は、初期段階(100ms)における力開発速度の変化と関連があるが、後期段階(200ms)におけるものとは関連がないということを報告している。 ゆえに繊維タイプ(繊維、分布および相対領域)の変化は、どの時期に筋力を測定したのかにより、速度特化の筋力増加の減少および増加の両方を生み出すかもしれないが、速度重視および力重視のトレーニングは、異なる影響は生み出さないようである(マリソーおよびその他、2006年、ヴァイシングおよびその他、2008年)。 ポイントの要約:トレーニングの異なる速度は筋繊維タイプの変化に影響しないようであるが、いつの時点で力を測定したかにより、いかなる種類のトレーニング後であっても筋繊維の影響は異なるであろう。
ウェイトを素早く持ち上げればあなたは迅速になるのか?(強さは特異的)パート2/4
それでは意図のみが、速度特化の筋力増加を生み出す要因であるのか?(パート1) おそらく最も有名であろう速度特異性の研究において、ベーム&セール(1993年)は被験者に2つの方法(等尺性および等速性)を用い、両方の状況が被験者に「課された負荷にかかわらず、可能な限り迅速に動く」ことを必要とした、足首の背屈トレーニングを行わせた。 等尺性トレーニングは、最大速度を意図して行われたが、動きは伴わなかった。一方等速性トレーニングは、比較的高角速度(1秒間に300度)において最大速度を意図して行われた。 筋力は角速度の範囲(1秒間に0度から300度)においてテストされた。しかしながらいかなる速度においても、筋力の変化に関し、両方のグループ間に差違はなかった。両方のトレーニングプログラムは、速度特異的筋力増加を表したが、両者間に差異がなかったために結果は、単一のデータセットにまとめられた。 このデータは下記に示されている: 迅速に動くという意図はそれほど重要なのか? 意図のみが重要な要因なのだろうか? 今のところ私は、意図が唯一重要な要因だとは考えていない。 この重要な研究がこのような形で行われた理由を理解することはできるが、そこには、私を躊躇させるいくつかの制限要素がある。 最初に、その研究は、一方の脚は等尺性トレーニングプログラムを使用し、他方の脚は等速性トレーニングプログラムを使用していたというように、被験者内設計を使用していた。これは、片方の四肢からもう片方への特定筋力増加のクロスオーバー効果の危険を残している。2つめに、両方が30度の底屈から開始した際、最大収縮の関節角度は筋肉間で異なったが、等速性トレーニングプログラムは、目標速度へ達するまで負荷無しで加速しなくてはいけなかった。 この研究はまた、いくつかの予期せぬ結果も報告している。 通常、等尺性トレーニングは最大等尺性力の大幅な増加を生み出す(デル・バルソ&カファレーリ、2007年)。意図が爆発的な場合においても、最大等尺性力の増加は通常見られる(マフューレッティ&マルティン、2001年、ティリンおよびその他、2012b、ティリン&フォランド、2014年、バルシャウおよびその他、2016年)。しかし、各収縮に対し500msが許されていたにもかかわらず(最大力に達していたことを意味する)、ベーム&セール(1993年)は、トレーニング後における最大等尺性力の減少に関して、少なくとも1つの結果を報告していた。 さらに、等尺性収縮によるトレーニング後の最大等尺性力の増加は、ダイナミック収縮後の最大等尺性力と比較し、通常、大幅に大きい(ジョーンズおよびその他、1987年、フォランドおよびその他、2005年)。しかしベーム&セール(1993年)は、その2つの状況間の差違はなかったと報告している。 ポイントの要約:意図はおそらく速度特異性へ作用する唯一の要因ではない。 意図のみが、速度特化の筋力増加を生み出す要因なのか?(パート2) 明確にしておくが、総体的に、下記の2つの主な理由により、速度特化の筋力増加は、実際の収縮速度および意図に反応し確かに起こると私は考えている。 最初に、上記に参照したほぼ全ての等速性の研究における被験者たちは、「最大の努力」においてレップを行う、もしくはそれに類似した指示を受けているが、異なる負荷を伴うトレーニングの際、速度特異性は依然として存在する。 次に、そしておそらく実際により重要なこととして、我々は、ここでも全ての(高もしくは低負荷を使用した)レップが最大の努力のもと行われた場合、レジスタンストレーニング、もしくはフレーウェイトを伴うバリスティックトレーニング後における速度特化の筋力増加の根拠は存在するということを知り得ている(モスおよびその他、1997年、インゲブリグトセンおよびその他、2009年)。 ポイントの要約:おそらく実際の速度および意図の両方が重要であろう。 なぜ筋力増加は速度特化なのか?(パート1) それでは、速度特化の筋力増加は、おそらく実際の動作速度および迅速に動く意図の両方に反応して起こるのだろうということに落ち着いたが、その適応は何によるものなのであろうか? 理論的には、筋肉は、その力開発の速度を上昇させる、もしくはある一定の張力を生み出しつつ、その最大収縮速度を上昇させることができる(もしくは同時に両方を行う事ができる)。 下記のグラフは2つの適応の可能性を示している。 これが理論上のものであるということは述べただろうか? このモデルで見られるように、いつ力を測定するかは、トレーニング後に高速で表現された力の増加を観察することを期待しているのか、もしくは減少を期待しているのかどうかに影響を与える。 初期段階(100msのあたり)において、まだ力が上昇している間に測定した場合(例:ティリン&フォランド、2014年)には、力開発の速度が上昇した時のみ変化をみることができるだろう。一方、後期段階(300msのあたり)において、力が最大に達した後に測定した場合(ベーム&セール1993年)、高速における力開発が変化した場合のみ、最大力の変化を見ることになるだろう。 しかしながら、実際にはこの理論的なモデルのように単純ではなく、2つの複雑な要因が存在する。 最初に、爆発的な収縮に対する運動プログラムは、前もってプログラムされているということは周知のことである(デュシャトー&エノー、2008年)。それは一度誘発されると、停止する前に最後まで実行されてしまう。ゆえに多くの種類の爆発的もしくはバリスティックなトレーニングは、力開発速度および高速筋力の両方を同時に十分に開発する可能性がある。 次に、収縮の種類は、いかに早く最大力に達するかに影響を及ぼす。最大力へは250ms-300ms後にのみ達するということは周知のことであるが、現実にはこれは等尺性収縮およびエキセントリック収縮へのみ適用されるものである。コンセントリック収縮における最大力は、150ms以内で達する(ティリンおよびその他、2012年a)。ゆえに、等尺性収縮およびエキセントリック収縮と比較し、コンセントリック収縮において、高速筋力は力開発速度よりもより関連性があるのかもしれない。 ポイントの要約:速度の特異性は力開発速度の上昇、もしくは最大速度における力生成の向上により、理論的に起こり得る。ゆえに、爆発的動作の初期もしくは後期のどちらで力を測定するかは、そのストレングステストから得る結果に影響を及ぼすかもしれない。