マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてポイントとコインを獲得すれば理解も深まります。
ジャンプの着地の指導
アスリートのパフォーマンストレーニング業界では、ジャンプトレーニングはかなりの流行語でありえます。過去にコーチから、ジャンプトレーニングがまるでなにか新しいものであるように、ジャンプトレーニングを提供できるかどうか、実際に尋ねられたことがあります。 その他すべてのアスレティックな動きの要素と同様、ジャンプはとても重要なものですが、初期のトレーニング段階において、私にとっての主要なポイントではありません。ジャンプからの着地が主要なポイントになります。 ジャンプ着地を指導する際の私の考え方と哲学は以下の通りです。これはカッティングやそれ以外の素早い接地の動きと非常によく似ています。ジャンプと着地の指導初期の段階では、常に私は、最初に着地の姿勢をアスリートにとらせます。これによって、アスリートはこの姿勢でどのような感覚がするのかを感じることができます。 ジャンプ着地の姿勢 骨盤を後ろへ 肩は膝の真上 両膝を前方に、足首は背屈 両膝は足部に対して垂直に 背骨はニュートラル この姿勢は、関節をサポートし、重要な組織にストレッチをかけ、身体のコントロールを産み出すことによってシステムに負荷をかけます。問題は、ジャンプとそれに伴う着地を必要とするスポーツや身体活動は、型が決まっていないということです。選手は両脚、片脚のあらゆるポジションでの、着地の仕方を身につけなければなりません。しかし、トレーニングの目的としては、コントロールし正確に行なわなければなりません。そうすれば、実際のスポーツにおいても、アンバランスな着地を上手くコントロールするためにトレーニングされた身体を得ることができるのです。 アスリートがしっかりした着地のスキルを習得するのを助けてくれる段階的プログラムは、下記の通りです。ジャンプ、リーピング、あるいはホッピング、全てに適応します。 着地は、およそ45-60°程度の膝屈曲位で行うべきです。つまり、より深い着地のパターンです。これによって、コントロール、筋力、良い姿勢の獲得に役立ちます。 初期の深い着地は低強度、低量で行うべきです。 徐々に着地の角度を25-40°に浅くしていきます。 量と強度はまだ低いまま維持します。角度を小さくする目的は、身体が着地し、別の方向に素早く反応できるように準備することにあります。これは素早いカッティング時の身体にポジションにかなり似ています。 最後に、角度を10-20°にします。これは、かなり固有感覚受容的な要素をもちます。45°以上の膝屈曲位のように、組織がプレストレッチされることがないため、身体を素早く安定させなければなりません。 目標は、着地の素早さと反応時間を徐々に早めていくことです。着地が深ければ深いほど、より安全ではありますが、着地姿勢からのリアクションが必要な時には、素早く対応できません、着地時の膝屈曲が浅いほど、筋・腱ユニットが伸張反射を起こすため、素早い反応ができます。より高い位置からの着地に対して素早い反応を起こすための素晴らしい方法は、例えば、縄跳び、ドットドリル、ラインドリル、素早い反応で行うローボックスジャンプなどです。正しいテクニック、関節の統合性、適切なパターンを獲得するためには、あまり早いタイミングで強度を上げ過ぎないようにしましょう。
プロスポーツ界に入り込むための5つの重要なステップ
コーキネティックにおいて、私達はしばしば、どのようにして多くの一流のスポーツ団体と関わりを持てるのかを尋ねられます。先週、私はこの質問を尋ねられ、考えさせられることになりました。そして、私は、スポーツ界に入り込もうとしている人達の熱意を実現するために、いくつかのポイントを書き留めてみることを決めたのです。 トレーナー、あるいは治療家として、多くの人達が彼らのキャリアの中で達成したいことの一つは、プロスポーツ界で働くこと、あるいは一流の競技者と働くことです。そういった環境で働くことは、独特の栄誉をもたらし、試合や競技会のような胸が高鳴る瞬間に満ちています。実際に、彼らに携わることは恐らく、競技することの次に素晴らしいことでしょう。それは、胸が躍ることであり、良い事も悪いことも分かち合うことです。そして、団結心や競技者と絆を築くことでもあります。遠征で各地を回る機会を得ることもまた、刺激的な経験でしょう。 コーキネティックでは、幸運にも、プロスポーツ界において十分な成功を納めています。私達は、フットボールやラグビーのプレミアシップ、およびそれらのナショナルチームの広域において、数多くの医療スタッフ・トレーニングスタッフの教育を行っています。私の個人的なお気に入りのいくつかは、スカイスポーツで生中継されるタイトルマッチ(での勝利と引き分けのみ)や単独大西洋横断ロウイングを行う人達と働くことでもあります! そして、このブログでは、皆さんに成功のための5つのレシピを差し上げようと思いました。 1.教育を受けること。 もしあなたがプロスポーツなどに関わりたいのであれば、あなた自身に‘技能があるかどうか’を問いかける必要があります。もしあなたが必要な基準に達していないのであれば、空いている限られたポジションを狙う他の人達と同等に競える段階ではないでしょう。これは、あなたの夢を実現するために、最初にすべき、そして恐らく最も重要なステップなのです。選択した分野における確かな知識基盤なしに、次の段階を行動に移すことは、とても困難です。これは、その他全てのものを築き上げるための土台です。それがあなたの就いている役割であれ、仕事であれ、学べば学ぶほど、より多くのことを成し遂げることができるでしょう。失うかもしれない職業とは異なり、身につけた知識は決して失うことはありません。あなた自身への投資は、常に成果をもたらすのです。 2.要求を満たすこと。専門家になること。 専門分野とその分野の専門知識は、非常に求められる商品です。ただ‘他の人達より優れている’、あるいは‘結果を出している’と、口で言うだけでは十分ではありません。もしあなたの目の前に、同じ基準を持った20人がいたとしたら、異なる技能や特別な何かを持っている人を選びませんか?良い表現をすれば、‘異なる強みを持つこと’です。どれだけ多くの人達がトレーナー、ストレングス&コンディショニング、理学療法の経歴を持っているでしょうか?そう、無数にいます。そこで、あなた自身に問いかけるのは、‘自らを他者と異なるものにするために、必要とされるために、注目されるために、既存の技能に何を加えることができるのか?’ということです。私達の専門分野は、身体の機能的運動であり、それがどのように痛み、評価、リハビリテーション、パフォーマンスに利用されているのかに関することです。これにより、クラブの持つ技能に、あなたの専門知識を加味すること、あるいは必要時に知識を授けてくれるコンサルタントを雇用することに関心を向けている多くのクラブからのコンタクトを、私達にもたらしてくれます。たとえ周囲の専門知識・技能に多少圧倒されるようなことがあったとしても、その国の最高のトレーニング施設に招聘されることは、素晴らしい経験です。 3.コネクションを作ること。 必ずしもあなたが何を知っているかが重要ではなく、あなたが誰を知っているかが重要なのでしょうか?実際には、両方共に重要なのです。Linkedinのようなオンライン・ツールは最適です。うってつけの場所にいるふさわしい人物を素早く、効率的に対象とすることができます。ツイッターやフェイスブックは、もう少し一般的なものです。ファイスブックは、主にあなたの友人とユーモアのある写真に関してのものように見えます。もしあなたが時間と努力を費やすのであれば、ツイッターもまた、本当に的を絞った繋がりを築き上げるのに良い手助けになるでしょう。 4.意見を持つこと。 では、支持者を得た時点で、あなたは何を彼らに発信しますか?科学的根拠に基づいた実践がしばしば王道なトップレベルのスポーツ界において、あなたがどのくらい素晴らしいかをただ伝えるだけでは、要求される基準を満たしていません。ぐるっと一回りして最初の2つのポイントに戻ってくるのです。あなたは適切な教育と専門分野を用いて、彼らが強い興味を示し、彼らのクラブに、あるいは個人競技者のためのトレーニング・チームの一部として、必要かもしれないと感じるようなものを発信・実践をすることができます。これを記事、ブログ、映像、ツイート、講演、勉強会、プレゼンテーションといった形で発信することができます。人々の関心を引くには、スポーツ環境に関連している適切なテーマを用いるのが最適です。クラブや競技者に履歴書を送付することは、結局、その他大勢が送った履歴書の山に積まれて終わってしまうということを意味するかもしれません。人々はあなたをグーグルで検索し、情報を得ることができるでしょうか?現在のテクノロジー指向の世界では、インターネットにおいて、存在感を持つことは非常に重要です。これによって、人々は実際に知り合いになる前から、あなたに関する情報を得ることができるのです。そして、それはこちらから彼らに近づいていくのではなく、彼らをあなたに近づけることになるかもしれないのです。コーキネティックから、クラブにコンタクトを取ったことは一度もありません。私達の全ての仕事は、インターネット上に掲載した情報と、いくつかの控えめな広告によって支えられています。もし誰かが見て注意を向ければ、それがインターネット検索に至り、あなたのコンテンツとのコンタクトをもたらすことができます。だからこそ、あなたの連絡先リストが非常に重要な理由であり、それがあなたの広告の的を絞るすることを可能にしてくれます。過去2年のイングランド・フットボール・プレミアリーグチャンピオンの2チームは、ファーストチームの医療スタッフと共に、私達の教育サービスを利用しました。これらのほとんどは、口コミによるものです。適切なことをしていれば、人々はそれを話題にします。スポーツ界は、かなり緊密な関係性をもっています。最も素晴らしい補完は、人々があなたに関して他の誰かに話し、それがまた、彼らのためでもあると決めたという話をしてくれる時です。これは、良い仕事の証です。そして、これはまた、クライアント、あるいは患者の紹介にも当てはまります。 5.励み続けること。 ローマは一日にしてならず。教育、連絡リスト、情報ライブラリーを構築するには時間が掛かります。つぎ込んできた大変な努力の見返りを、すぐに得ることはできないでしょう。人々に伝えようとすることを信頼してもらうためには、情報の断片だけでなく、全体をみる必要があります。あなたの情報は、きちんとしていて、首尾一貫していて、考え抜かれていて、適切な人々に伝わる必要があります。そして、常にあなたの言うことを酷評し、コンテンツにコメントを残す人々がいるでしょう。これは実に健全なことであり、見解を説明することを通して、テーマに関する自身の理解を構築する手助けをし、他者の知識基盤との情報のやり取りを通して、知識基盤を拡大する手助けにもなります。
前十字靭帯のハムストリング腱移植は膝蓋腱移植よりも失敗率が高いのか?
2014年2月に発行されたAmerican Journal of Sports Medicineには、25,000名以上の人々においてハムストリング腱移植(以下HG)と膝蓋腱移植(以下PTG)を使用した前十字靭帯(以下ACL)再建手術後の再手術の割合を比較する2つの研究が掲載されていました。その研究における2つのグループの総数には、かなり説得力があり、これほど大きいサンプルサイズは充分に議論する価値があります。 近年、ACL再建術における移植腱の選択は、徐々にPTGよりもHGを好む方向に移行してきています。最近の報告では、デンマークやスウェーデンでは、ACL再建術の84%がHGを使用しており、ノルウェイでは60%になります。現在、アメリカにおいても、HGがより一般的になってきており、ACL再建術の42%にが使用されているのに対し、HGの使用は44%になります。 多くの研究論文では、どちらの移植でも膝の安定性は良く、患者の主観的評価点も非常に高いという結果が示されています。PTGの主訴は、術後に膝蓋大腿痛や可動性の減少などのリスクが高まるということです。安定性が高く、自己評価点が高いという報告にも関わらず、再再建術は考慮すべきより重要な要素であるかもしれません。 前十字靭帯のハムストリング腱移植は膝蓋腱移植よりも失敗率が高いのか? 最初の研究は、2005-2011年の間にACL再建術を行った13647人を含む、全国的なデンマーク膝靭帯再建術登録を調査したものであった。 HGの再建術後1年以内に再再建術を行った割合は0.65%で、術後5年以内では4.45%であった。PTGの再建術後1年以内に再再建術を行った割合は0.16%で、5年以内では3.03%であった。 実質的には、ACL再建術後1年以内におけるHGでの再再建術のリスクは4倍以上であり、5年以内では1.5倍であった。 2つめの研究は、2004-2012年に間にACL再建術を行った12643人を含む、全国的なノルウェー十字靭帯登録を調査したものである。 術後5年以内におけるHGの再再建術を行った割合は5.1%であり、PTGにおけるそれは2.1%であった。この研究では異なった年齢層に分けて調査しており、数値の増加は、すべての年齢層で共通していることが分かった。しかし、若年層(15-19歳)では、5年後の再再建術率はHGで9.5%であったのに対し、PTGでは3.5%であった。 これら2つをまとめると、HGでは再再建術のリスクが2倍高まるが、若年層では3倍近くまでそのリスクが高まります。 ACL再建術ではどちらの腱移植も素晴らしい選択である 現実に数値を評価すると、どちらの腱移植も素晴らしい選択であり、再再建率も低いことは明白です。2つの術式を比較したとしても、現実的にはACL再建術後の再再建術率はHG、PTGのどちらでも低いのです。どちらの腱移植を利用するかを決定するためには多くの要素が絡んできます。また、骨格的に未成熟な患者には適応できないということを認識しなければなりません。その再再建術に関する情報は、全体像の一片にしかすぎないのです。 PTGについては、失敗率も低く、骨と腱の接合であるため、動物モデルにおいて治癒が早いことが報告されています。これは事実ではあるものの、また、膝前方痛や可動制限が増加するとの報告もあります。これに関しては以前にもお話していますが、私は、適切な理学療法を行えば(さらに患者の優れたコンプライアンスがあれば)、術後PTGで起こりえる問題の多くは最小限に抑えることができると本当に信じています。ACLのリハビリテーション初期、特にこれらの要因に注意すれば、問題は解決できるのです。 とはいえ、HGでは術後、ハムストリングスの筋力が落ちることが報告されています 。ハムストリングスは、脛骨が前方にシフトすることをコントロールする役割を持つことを考えれば、HGにおいてACL再再建術の割合が高いことを調査する際、これは考慮されるべきことです。おそらく、腱移植自体とはほとんど関係がなく、ハムストリングスの筋力との関係性がより多くあるはずです。 いずれにせよ、ACL再建後の再再建の割合は、PTGを使用した場合よりも、HGを使用した場合のほうが高くなります。
TRX リップトレーニング 回旋のコントロール(ビデオ)
TRXリップトレーニングの開発者である、理学療法士のピート・ホルマンが、リップトレーナーを使用して、回旋力をコントロールし、回旋力を生み出すエクササイズを2種類ご紹介します。左右非対称の負荷を用いた体幹のトレーニングを御覧ください。
ケトルベルのフォームを完璧に(ビデオ)
2009年に収録されたセミナーのDVDから抜粋された映像の一部で、投擲選手でもあるダンが、ケトルベルのターキッシュゲットアップのスタートの動きと投擲の動きの類似点を指摘し、細かい注意点をセミナー参加者に伝える場面をご紹介します。笑いの絶えない彼の指導の様子が伺えます。
タイプ2胸椎のモビリゼーション
マーメイドという名称のエクササイズを指導する際、効果的にハンズオンをおこなうことで、胸椎のタイプ2の動き(同側への屈曲と回旋)を、より大きく効果的に実現するためのアイデアを、ITTピラティスのマスターインストラクターである、ジーンが紹介します。
アルティメイトサンドバッグとダンベルの差異
2014年7月3日に開催されたDVRTセミナーから、サンドバッグを拳骨でホールドして行うバックランジと、ダンベルをホールドして行うバックランジの強度を比較したリサーチに関してのジョシュのコメントを収録しました。
DVRT ランジのイントロ
2014年7月3日に開催されたDVRTセミナーから。ランジという動きの重要性と、正しく指導するためのランジの方向、そして実際の動きをジョシュが分かり易く丁寧に解説してくれます。
内側広筋の発火タイミング調整
2014年6月22日にSYNERGYにて開催させていただいたITTピラティスのジーン・サリヴァンのセミナー”足部から股関節へのコネクション”から、内側広筋の働きの重要性と、その発火のタイミングの調整の方法をご紹介します。
肩のモビリゼーション
2014年10月8日&9日、東京で開催中のグレイインスティチュートFSTT 機能的軟部組織の変容 上肢コースより。スリーパーストレッチと呼ばれる側臥位での肩関節のストレッチを、アクティブなアプローチに応用することで、関節包深部のモビリゼーションとして有効に利用する方法をご紹介します。
バケツスクワット(ビデオ)
2014年7月3日に開催されたDVRTセミナーから。スクワットの姿勢を適切に矯正するのは、なかなか容易ではありませんが、アルティメイトサンドバッグを使用したバケツスクワットを用いることで、効率良く姿勢を整える方法をご紹介します。
オーバープロネーション(過回内)
オーバープロネーション(過回内)は、フィットネス界において最も頻繁に耳にする用語の一つです。これは、トレーナーとクライアントの両方から聞かれます。大量のプロネーション・コントロール・シューズが、プロネーション(回内)という単語を解剖学、生理学、生体力学の世界から日常の用語へ引き抜いたのです。 その用語は幅広く使われていますが、幅広く理解されているわけではありません。過回内は様々な理由で、様々に起こりえますが、総称として一般的に使用されていて、それ以上には注目されていません。 まずは、回内を定義してみましょう。回内は、後足部の背屈、外反、外転による三平面動作です。これらの関節動作は、閉鎖性運動連鎖(クローズド・チェーン)の状況下における主動骨である、距骨の骨動作と関連しています。この後足部の動作はまた、相対的な前足部の背屈、内反、外転を作り出します。前足部は、後足部の回内にかなりの影響を与えます。詳しくは、このブログ内で後ほどお話します。 では、過回内を引き起こす様々な方法をみてみましょう。 1. 可動域−これは、過回内の“典型的な”定義だと、私は考えます。可動域とは、関節が動く距離のことです。明らかに大きすぎる可動域は、下肢の運動連鎖(キネティック・チェーン)をとおして、関節と筋肉に負担を掛けます。関連する組織は、過度な可動域を制御するために、一生懸命働かなければなりません。これによって生じる一般的な問題は、後脛骨筋症候群、アキレス腱の問題、腸脛靭帯の問題です。 2. 変化量−可動域と共に、回内の変化量、あるいは速度/加速度があげられます。可動域が大きければ大きいほど、加速する距離は大きくなります。同様に、これは、増大した加速度を減速させるのに必要な筋肉/組織に問題を引き起こします。 3. 順序−これは、過回内に関して、最も見過ごされている要因です。回内は、最初の踵接地において発生し、その後に回外が続いて発生しなければなりません。もし可動域と変化量が過度であれば、足は、動作を反転して回内させる充分な時間がありません。これは、歩行時の立脚中期と加速期をとおして、回内してしまうかもしれないということを意味しています。回外に関連する何らかの動作が制限されるならば、歩行順序の後半で、回内への回帰をも引き起こすかもしれません。これはまた、様々な足のタイプの病理的構造によって作り出される不安定性のせいである可能性があります。回外の過程が作り出す硬直した推進装置になることなく、足がアンロックされた可動的な状態にある際には、足底筋膜の問題と外反母趾を引き起こすかもしれません。 回内の問題において、最も見過ごされている疑問は、“なぜ?”ということです。足の機能不全に関しての詳しい知識が、この疑問に本当に答えるために必要とされています。私の見解において、回内の問題の原因に関して、最も見過ごされる領域は、後足部に対しての、個体発生的な(発育的な)前足部の位置づけです。しかし、私はまた、距骨下関節(STJ)軸の空間的位置にも、とても興味があります。距骨下関節の内側偏位は、回内に関連する床反力のモーメントアームを増大させ、回外筋のモーメントアームを減少させるでしょう。そして、それは力が加えられた際に発生する回内を引き起こす、距骨下関節の外側の部位を増大させます。外側偏位は、より大きな筋内部の回外力と、回内力が発生する減少した床反力と、回外を引き起こす足の内側部の増大を用いて正反対のことをします。 さて、前足部に話を戻しましょう。前足部の内反位は、後足部において、過度な回内によって代償されます。もう一つのシナリオは、足は回外位になることができますが、内反した前足部の過剰な不安定性は、前足部を地面につけ、安定性を作り出すために、回内反応を引き起こします。これは、歩行周期の順序を外れて、後の方で起こるでしょう。そして、これは多くのプロネーション・コントロール・シューズが行うように、ただ縦足弓を制御することでは、期待される制御を得られないことを意味しています。 これまでに何度も、ショートタイプ、あるいはハーフタイプの矯正用インソールをみてきました。これらの矯正用インソールはアーチコントロールを提供しますが、前足部における安定性を提供してくれるわけではありません。足が地面を探すことないように、地面を足に近づけているのです。前足部のコントロールが無い状態では、アーチコントロールがあるために、足は回内で代償することができないため、横断面を利用して回旋することで前足部に向かって足を傾けるようにするのが分かりますこれが、踵部内側ウィップの原因なのかもしれません。距骨下関節軸の角度が大きい場合、あるいは前額面上の動作よりも横断面上の動作を優先する場合に、同様のことが起きる可能性があります。距骨下関節軸の角度は、横断面から約42度で、わずかに前額面上の動作を優先するべきです。