マイクロラーニング
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ジム内・外におけるパフォーマンス効率の為の呼吸 パート1/2
呼吸は生存のためにだけでなく、効果的なコア機能やスタビリティのためにも必要不可欠です。ポール・チェックをご存知の方は、呼吸は生存のトーテムポールの1番頂上に来る事をご存知でしょう。 フィットネス業界において、エクササイズ中におけるベストな呼吸法は、たいてい曖昧になってしまっています。ヨガにおいては数百年もの間、呼吸と身体に課された要求に対応する神経システム能力の重要性が理解されています。30年のヨガ指導歴を持つジュリアン・カルボは呼吸についてこのように話しています: ‘息を吸いながら、ポーズの中にスペースを作り、息を吐きながら、そのスペースの中に入っていく’ ポーズをとりながら息を止めることで身体は硬くなり、筋が適切な長さを得たり、関節が最適な可動域に必要なモビリティを獲得することを妨げてしまいます。 呼吸の認知というものはヨガにおいては必須の訓練であり、身体の内外から心にアプーチし、ヨギが美しくバランスのとれたポーズをおこなうことを可能にするのです。 呼吸のレートは興奮させることもあれば、落ち着かせることもできます。あなたはクライアントに効果的な呼吸パターンをどの程度強調して教えていますか? フィットネス業界における呼吸の典型パターンとしては、力を入れる時に息を吐き、運動における回復期の一環として息を吸っています。ここで少し難しいのは効果的な呼吸と共に、脊柱を守る為にどのように腹腔内圧を保持するかということです。 ストロングマンや吊り輪を使う体操選手などを見たとき、長時間最大限のテンションを維持していることに気がつくでしょう。彼らは上手に呼吸をするということをマスターしているのです。彼らのようなアスリートは、腹腔内圧を保ちながら、かなり小刻みな横隔膜呼吸をしています。 呼吸についてわかっているのは、様々なエクササイズ強度や異なる環境において、適応しなければならないということです。 オリンピックのウェイトリフティングのように、エクササイズで高いサポート能力を必要とされる程より高い腹腔内圧が必要となります。それゆえより少ない呼吸となるのです。もし最大下有酸素能力、例として自覚的運動強度が6/10でバイクを漕いだ場合、呼吸は比較的スムーズでしょう。おそらく3秒で息を吸い、少し止めてから3秒で吐くかもしれません。強度を上げ始めると、呼吸のレートは変わり始めます;自然とより強い力で息を履くようになります。 ストレスは呼吸の仕方に関して、とても大きな役割を担っています。ストレスを受けたとき、呼吸が短く小刻みになったり、もしくは過呼吸になっていることに気づいた事はありませんか?常にある程度のストレスを受けている人もいるのです!ですから場合によっては、理学療法士のような方達に診てもらい、横隔膜式呼吸を学ばなくてはならない時もあります。はよく、患者が仰向けになって片手は胸、もう片方の手はお腹に乗せるといった、横隔膜呼吸をご覧になったことがあるかもしれません。そして腰部(腰椎)を床につけたまま、呼吸のサイクルに合わせて腹部を膨らませたりへこませたりします。この方法で肩が上がる呼吸の癖や胸郭が過剰に広がることを防ぎます。 他にも沢山の要素が私達の呼吸に影響しています。寝ている赤ん坊を見るとお腹を動かしているのがわかると思いますが、これは生まれながらに横隔膜を使っての呼吸がプログラムされているからです。成長して、身体を気にし始めると、人々は見た目の美しさの為に首や肩、肋骨での呼吸を始めます。問題なのは、このパターンを繰り返し続けてしまうと身体にこの呼吸パターンが自然と染み付き - 酸素摂取や筋骨格系システムにおいて非常に非効率的になっていくということです。息の吸い方も、酸素摂取に影響を与える可能性のあるものです。 90年代に行われたシドニー大学の研究によると、ヴェントリンに依存する喘息持ちの人々は頻繁に口から呼吸する傾向があることを示しています。そのリサーチではその患者の人達の口にテープを貼り、鼻呼吸を促進させました。食事の時にのみテープを外し、そのテストは24時間に渡り続けられました。結果は驚くべきものでした。被験者のヴェントリン依存が3/2にまで減少したのです!つまり実験で鼻呼吸をした被験者のヴェントリンの使用量が口から呼吸する時と比べて1/3の量になったのです。 これを持久性という観点から考えてみましょう。もし鼻からの呼吸を習った場合、私達はより多くの酸素と少ない二酸化炭素を摂取することになり、私達の呼吸システムは口腔よりも鼻腔から吸い込むほうが呼吸機能にとっては最適であると結論づけられます。 過去20年以上もの間、呼吸はケトルベルのようなファンクショナルツールにおいてベストとなる方法解明の為に多くの科学的研究がなされてきました。パベル・タソリンのようなマスターはケトルベルスイングにおける生体力学的呼吸を紹介しています。ケトルベルが両脚を通ってヒップヒンジに向かう時に、短く小刻みに息を吸い股関節の伸展と同時に短く小刻みに息を吐きます。フィニッシュポジションが脊柱の過伸展を防ぐ為に体幹部の固定を再構築させてくれます。 サンドバッグなどのツールでオーバーヘッドスナッチを行うことを考慮した場合、大抵多くの人々がパワーバックを腕の高さまで引き上げる際に体幹を固定するのを見かけるでしょう。問題はこの人達がオーバーヘッドのフィニッシュポジションに到達したとき、彼らの体幹がスイッチオフになることがあり、腰椎過伸展の原因となってしまうことです。
なぜ遠心性のトレーニングは筋挫傷を防ぐことに役立つのか? パート2/2
ハムストリングの筋挫傷はいつ起こるのでしょうか? ハムストリングのケガは遊脚期の終期(股関節と膝関節でハムストリングがアクティブに伸張している時)または立脚期の初期(接地でハムストリングが大きな力を吸収している時)に起こるようです。 初期の研究によれば、接地でかかる高い力がケガの原因であるかもしれないと報告されていましたが(Mann, 1980; Mann & Sprague, 1980)、立脚期の早期ではハムストリングは延長されないようであり、(Yu et al. 2008; Chumanov et al. 2011; Nagano et al. 2014)そのため、立脚期で筋挫傷を負うというアイディアを受け入れることは難しいのです。 その後の研究では遊脚期の終期でハムストリングの筋と腱が最長になることが発見されています(Heiderscheit et al. 2005; Thelen et al. 2005a; Thelen et al. 2005b; Yu et al. 2008; Schache et al. 2012; Schache et al. 2013)。この大きい度合いのひずみは高いレベルの筋力に伴っており(Chumanov et al. 2007; Schache et al. 2010; Nagano et al. 2014)、これが大きなエネルギーの吸収につながっています。 重要なことは、ランニングのスピード(特に非常に早い速度)が速くなるにつれてひずみそのものは増加しないということです。事実、ランニングのスピードが速くなってもひずみは増加しないことを報告している研究は数多く存在します(Thelen et al. 2005a; Thelen et al. 2005b; Chumanov et al. 2007; 2011; Schache et al. 2013)。 一方、ランニングのスピードが速くなるにつれ、遠心性の力は大きくなり続けます。そのため、吸収されるべきエネルギーの量が大きく増え続ける原因になります(Chumanov et al. 2007; 2011)。これはランニングのスピードが速くなればなるほど、さらに大きなエネルギーを吸収する必要があることを意味します。 バランスをとってみると、ハムストリング筋挫傷の筋−腱の長さの変化の研究を特に分析すると、ひずみの度合いよりも吸収されるエネルギーが筋挫傷を促す鍵であるようです。 スポーツではどうなるのでしょうか? スポーツの中で、どの筋に挫傷が起こるのかを考えることは、吸収されるエネルギーのモデルがまだ理にかなうものかチェックすることに役立ちます。このために、少なくとも2通りの方法があります:最もよく筋挫傷になりやすい筋群の状況を見ることと、どの筋群が筋挫傷になりやすいのかを考慮することです。 まず初めに、筋挫傷はかなりのモメンタムを生み出し、それを維持する状況でよく起こるようです。ほとんどのハムストリング筋挫傷は高速のランニングに起因し、歴史的にボールをバウンスするようなモデルとして扱われています(Cavagna et al. 1964)。アスリートはそれぞれの地面接地期(グランド・コンタクトフェーズ)で運動エネルギーを吸収してリリースし、摩擦やシステムの不効率な部分によるエネルギーの消費を補うためにのみ使われます。このエネルギーは同じ筋群の受動的な要素、あるいはその他の筋群の近位部から遠位部への優先順位付けによって、蓄積され戻されます(Jacobs & Van Ingen Schenau, 1992; Jacobs et al. 1996)。 これは吸収されたエネルギーモデルが実に理にかなっていることを意味しています。 次に、最も一般的にケガをしやすい筋群は、常に体の1分節から他の分節へエネルギーを伝達することに深く関わっている筋、つまり2関節筋群です。ハムストリングでは、ほとんどの場合大腿二頭筋の長頭がケガをします(Opar et al. 2012)。大腿四頭筋の中では、2関節筋である大腿直筋が最もケガをしやすいものです(Mendiguchia et al. 2013)。 また、これも吸収されたエネルギーモデルが成立していることを意味しています。 遠心性のトレーニングはエネルギー蓄積を高められるのでしょうか? はい、間違いなくそれは可能です。 遠心性のトレーニングはエネルギーを吸収する能力で、筋の構造と受動的な要素を変化させることで、遠心的な筋力が特異的に向上されます(Kay et al. 2016)。それに伴い、遠心的な過負荷のトレーニングは力を生産し吸収する能力やカッティング・方向転換中のインパルス(力積=力x時間)を高めます。それ以上に、遠心的な過負荷のトレーニング後の力とインパルス(力積)は推進期よりも吸収(制動)期でより大きく向上します。 では何がこのエネルギー吸収を向上させているのでしょうか? 最近の研究によると、エネルギー吸収能力の向上は関節可動域の増加と、中程度~強く関与しています (r = 0.59) (Kay et al. 2016)。これは、エネルギー蓄積の増加と筋束の長さの増加には関連性があることを示唆します。ストレス−ひずみ曲線の下の面積がエネルギー蓄積であり、遠心性のトレーニングが筋束長を増加させることから、この関連は予測されるものです。 しかし、エネルギー吸収能力の向上は、計測されている受動的モーメントの頂点とより親密に(r = 0.92)関連しています(Kay et al. 2016)。これは遠心的な力を生産する特異的能力がエネルギー蓄積能力の大きな関与因子であり、遠心性のトレーニングによる特異的な遠心的筋力増加が主要因子であることを示唆しています。 これらの特異的な遠心性筋力強化は、筋の受動的要素(細胞外基質とタイチン)が硬化したため、および神経的制御の変化のためでもあります。これらの変化は筋の伸張に抵抗し、伸張するたびにさらに大きなエネルギーを蓄積します。 このアイディアに沿い、一つの研究はタイチン(受動的な要素の一つ)がエネルギーを吸収し、ひずみにさらされた時に筋の断裂を防ぐ筋内の物質であるかもしれないことを示しています。しかし、この研究は、通常の運動よりも伸張された筋長においてのみ行われているものです(Leonard et al. 2010)。 単に普通のトレーニングを代わりに行ってはなぜいけないのか? 通常の筋力トレーニングはリフティング・持ち上げる(求心性)と下ろす(遠心性)段階から成り立っていることから、特に制御しながらウェイトを下ろしている場合、遠心性トレーニングが必要ないと考えてしまいがちです。 しかし、筋挫傷のエネルギー吸収モデルが正しければ、これは間違っています。 普通の筋力トレーニング(どちらの段階も同じ負荷がかかっている)を行っていれば、遠心性対求心性の筋力比率を増加させることは決してないでしょう。なぜなら、最大能力に対しての同じ負荷を動かすために発揮する力は、求心性の段階と比較して、遠心性の段階でかなり低く、これはともに、慣性と二つの段階の筋力の違いによるものです。 発揮する力が筋力を強化させるため(筋肥大でなくとも)(Schoenfeld et al. 2014)、これは、遠心性対求心性筋力比率が自然に下向きに横滑りしていくことを意味しています。 では、遠心性トレーニングはどのように筋挫傷を防ぐのでしょうか? 最終的に、私のここでの提案は(他にも同じく提案されているかもしれません)求心性や通常の筋力トレーニングを行えば、次第に遠心性対求心性筋力の比率が下がり、減速能力よりも加速能力が向上するでしょう。すると、伸張—短縮サイクルを含むスポーツの運動(例えばスプリント)を始める場合に、安全に吸収できる運動エネルギー以上のエネルギーを蓄積してしまえることを意味しています。 また一方で、遠心性のトレーニングを使えば、自然と遠心性対求心性の筋力比率が増加し、それによって減速能力は加速能力よりも、より大きく向上します。これは、自分が蓄積できる運動エネルギー以上により大きい運動エネルギーを吸収できるということです。そう考えてみると、これがなぜ筋挫傷のリスクを下げるかを理解するのは難しいことではありません。 まとめ 遠心性のトレーニングは遠心性の筋力を特異的に向上し、これには、筋を硬化させる筋の受動的要素を強化することも含まれます。このため筋はより減速能力を高め、エネルギーを吸収できます。このエネルギーを吸収できる高度な能力が、遠心性のトレーニングの筋挫傷リスクを軽減することへとつながるのかもしれません。 参照文献 Askling, C., Karlsson, J., & Thorstensson, A. 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なぜ遠心性のトレーニングは筋挫傷を防ぐことに役立つのか? パート1/2
たくさんの研究が遠心性のトレーニングが筋挫傷のリスクを下げることに役立つことを証明しているにも関わらず、現在研究者たちの間で遠心性のトレーニングが厳密にどう働いているのかに関する明確な意見の一致はありません。 なぜこれが役立つのか、私はこのように考えています。 筋挫傷は本当によくあることなのでしょうか? 筋挫傷は、個人やチームスポーツにおいてよくある問題です。 国際的なハイレベルのアスリート達において、筋のケガは競技中におきるケガのカテゴリーの中でも一番大きく、総合的なケガの41%を占めており、筋のケガのほとんどは筋挫傷です (Edouard et al. 2016)。フットボールにおいては、下肢の筋挫傷はケガの大半を占め、最も発生しやすい場所はハムストリング、大腿四頭筋、股関節内転筋群、およびふくらはぎとなっています。(Hägglund et al. 2013) 。 ある前向きコホート研究の、566,000時間におけるサッカー選手から記録されたデータによると、4,483件のケガが確認されました(Ekstrand et al. 2011)。最もよく起こるケガのタイプは大腿の筋挫傷(ハムストリングか大腿四頭筋)で、全てのケガのうち17%を占めています。これらの大腿の筋挫傷のうち3分の1は大腿四頭筋の筋挫傷で、3分の2はハムストリングの筋挫傷でした。 当然、そのために、ほとんどの筋挫傷の研究は、特にハムストリングに関連したもので行われています。 この点に関して、遠心性のトレーニングは非常に効果的であるようです。 遠心性のトレーニングは本当にハムストリングの筋挫傷を防げるのでしょうか? つい先ごろ、遠心性のトレーニングプログラムがハムストリングの筋挫傷へどのように影響しているか評価するために、系統的レビューが行われました(Goode et al. 2015)。校閲者は遠心性のトレーニングを行ったグループと行わなかったグループの選手を比較しました。そして、それぞれのグループの中でハムストリングの筋挫傷が何件発生したかを調査しました。 二つのグループを比べるにあたって、遠心性トレーニングのグループで実際に遠心性のトレーニングを行った選手達は対照群に比べてハムストリングの筋挫傷を負った件数は少なかったことを発見しました。最終的な結果として、準拠したアスリートがハムストリングの筋挫傷を負う可能性が0.35倍に減りました。 違う言い方をすれば、遠心性のトレーニングを行わなければハムストリングをケガしてしまう確率が3倍も増えるのです! Goode et al. (2015)によるレビューが実際に書かれた当時、関連する研究は4つしかありませんでした(Askling et al. 2003; Gabbe et al. 2006; Engebretsen et al. 2008; Petersen et al. 2011)。それ以来、最低1つの研究が発表され (Van der Horst et al. 2015)この研究結果も似た結果を報告しています。 これは、かなり決定的なことだと、本当に思います。 それでは、もしすでに高い遠心性筋力を持っていれば筋挫傷を負うリスクが少なくなるのでしょうか? まあ、そんなにシンプルではありません。 高い遠心性の筋力は筋挫傷を防げるのでしょうか? 少なくとも等速性検査の場合、求心性と遠心性のハムストリングの筋力は明白なハムストリングの筋挫傷のリスクファクターではないのです(Opar et al. 2012; Freckleton & Pizzari, 2013; Van Dyk et al. 2016)。 より最近の研究では、ノルディックカールエクササイズによる遠心性の膝関節屈曲の筋力は、ハムストリング筋挫傷を予知できるかもしれないと報告されていますが(Opar et al. 2015; Timmins et al. 2015a)、すべての研究は厳密に同じ結果を報告していません(Bourne et al. 2015)。 ノルディックカール(パートナー無しのバリエーション) 同様に、大腿四頭筋においても、求心性や遠心性の膝関節伸展筋力は明白な大腿四頭筋の筋挫傷のリスクファクターではありません(Fousekis et al. 2010)。股関節内転筋の弱化は、鼠径部の筋挫傷のリスクファクターですが(Ryan et al. 2014; Whittaker et al. 2015)、さらに試験が行われるにつれ同じストーリーを校閲者たちが語るか否かは、それほど明確ではないのです。 それでは、もし筋力(遠心性の筋力も)が完璧に信頼できるリスクファクターでないにもかかわらず、遠心性のトレーニングが筋挫傷のリスクを軽減するのであれば、実際何が起こっているのでしょうか? ただ高いレベルの遠心性の筋力を持っていることではなく、遠心性のトレーニングを行うことがリスクを減らすと私は思います。 ただ全体的に強いことも含め、いろんな理由でアスリートは遠心性のフェーズで強さを発揮するかもしれません。しかしそれは、遠心性のトレーニング後の様々な適応をしてきたことを意味するわけではないのです。これらの適応はもちろん遠心性の筋力生産を高めますが、その他の影響もあります。 アスリートが非常に強いため、高いレベルの遠心性筋力を持っていることもあれば、また、遠心性のトレーニングを行ったために高い遠心性の筋力を持つアスリートもいる、というような矛盾する結果を推定するかもしれません。。 実際、Goossens et al. (2015)によると、高い等尺性対遠心性のハムストリング筋力の比率はハムストリングの筋挫傷のリスクを将来的に高める関連性があります。被験者たちが全般的に強かったとしても、これは必ずしも保護的な要因ではありません。そうではなく、鍵となったのは等尺的に筋力を生産できることよりも遠心的に筋力を発揮できることでした。このような比率を獲得するには遠心性のトレーニングに触れることが必要です。 筋挫傷を防ぐために遠心性のトレーニングは役立ちますが、この一部の理由は様々な特異的な変化が遠心性のトレーニングの後に起こるからです。ただ全体的な筋力強化だけではなく、等尺性や求心性の筋力に比べて遠心性に特化した筋力強化が大切です。 これがまとまったところで、筋挫傷がなぜ起こるのかを見てみましょう。 しかし、“筋挫傷”はともかく何を意味しているのでしょうか? “筋挫傷”はともかく何を意味しているのでしょうか? 筋挫傷の原因に関する定理を理解するには、下記のような基本的な工学専門用語への手引きが必要です: ストレスは一単位の面積における力で、この状況では単に加わる力として考えるのが最も簡単でしょう。この力はランニングやジャンプする時の衝撃を吸収する時に、通常床から体にかかります。 ひずみは相対的な長さの変化で、筋束が最初の長さに比べてどのくらいストレッチされているかを意味しています。筋の“挫傷”とは全く別の意味なので、混乱しないようにしましょう。ひずみは通常パーセンテージで考えられており、安静時の長さに比べての延長をパーセンテージが示しています。アクティブなひずみとは筋が力を発揮している時のひずみを意味しており、長さの変化に抵抗しています。 弾性ひずみの吸収されたエネルギーとはストレス−ひずみ曲線の下の面積です。ですから、ストレス(力)やひずみ(長さの変化)が大きければ大きいほど、吸収されるエネルギーも大きくなります。 それではこれらの用語が筋挫傷とどう関係しているのでしょうか? 筋挫傷はなぜ起こるのでしょうか? 筋挫傷はほぼ常に、筋がアクティブな時、伸張しながらの筋収縮中に起こります(Liu et al. 2012)。筋挫傷はアクティブなひずみの度合い(つまり相対的な筋長の変化)あるいは吸収されるエネルギーによって引き起こされるようですが、どちらがより重要な原因であるかはまだ意見がまとまっていません。 いずれにせよ、この二つのコンセプトは深く関連しています。どちらも伸張しながらの筋収縮が特徴であり(Asmussen & Bonde‐Petersen, 1974)、ストレス−ひずみ曲線の下の面積が吸収されるエネルギーです。ちなみに、ストレス−ひずみ曲線の傾度は物質の硬さと呼ばれ、適用された一単位の力による長さの変化を示しています。 ストレス−ひずみの関係は以下に現されています。 ストレス−ひずみの関係 筋挫傷のメカニズムの研究のほとんどは、一つの筋線維ごとに行われており、力は人工的に刺激され、研究の多くは矛盾した結果を報告しています。 ほとんどの研究は、アクティブなひずみが最も重要な要因だと示していますが(Garrett et al. 1987; Lieber & Friden, 1993; Talbot & Morgan, 1998; Brooks & Faulkner, 2001; Butterfield & Herzog, 2006)、他の研究ではアクティブなひずみのみが原因ではないと示しています(Tsuang et al. 2007)。その他、力が重要な要因であったり(McCully & Faulkner, 1986; Warren et al. 1993; Hasselman et al. 1995)、また違う研究では吸収されたエネルギー(マイナスの仕事とも呼ばれる)が最もよく予知する要因だと報告しています(Brooks et al. 1995; Macpherson et al. 1996; Mair et al. 1996)。 これに加え、筋全体のレベルでは、筋の構造が筋挫傷のリスクにとって重要だと思われていますが、正確にどのように筋挫傷のリスクに影響しているかははっきりしていません(Timmins et al. 2016)。例えば、より短くより羽状形の筋束を持つ人は、ハムストリングの筋挫傷のリスクが高いのですが(Silder et al. 2010; Timmins et al. 2015a; Timmins et al. 2015c)、インビトロでの研究は、羽状の筋は紡錘状の筋に比べてよりひずみに耐えられると示しており(Garrett et al. 1988)、より大きいひずみに対する保護的なメカニズムとして、筋の羽状の角度は実際に回旋することを示しています(Azizi & Roberts, 2014)。これらの矛盾している結果を和解することや、メカニズムを理解するのは難しいことです。 厳密な原因がなんであれ、筋挫傷は筋をアクティブに伸張する際に引き起こされ、吸収されたエネルギーあるいはひずみの度合いによって促されることが、研究の全体的な結果から推定できます。 よりハムストリング筋挫傷の研究を入念に見れば、これはより明確になってくるのかもしれません。
コンディションを向上させたいなら、止めるべき3つのこと パート2/2
2. 筋力と持久力を同時に向上させようとすることを止める 次の“禁止”はもっとも一般的に間違って利用されているもので、どのように身体がトレーニングに適応していくのかについての誤った情報が多くありすぎることが主な原因です。 無尽蔵に持久力を伸ばしながら、同時に除脂肪筋肉量を増やせると信じたくない人がいるでしょうか?売りやすいアイデアですよね。 ここに問題があります:身体はそのように働かない。 ワークアウトする時、そのトレーニングは身体の反応を惹起させる信号として作用します:遺伝子発現を変化させます。どの遺伝子を“発現”させる、あるいは、抑制させるかの変化が、最終的に身体の適応として現れます。 これは、関与する細胞の過程をかなり単純化してはいますが、その問題を示すには十分です: 持久力トレーニングとレジスタンストレーニングからの信号は、異なった反応と異なった適応を起こします。 それぞれを独立してトレーニングすると、レジスタンストレーニングでは信号のカスケードが起こり、遺伝子発現を変化させ、結果としてプロテインの分解と比べてプロテイン合成の割合がかなり高くなります。最終結果として筋肉は肥大します。 持久力トレーニングは、独自の信号カスケードにより有酸素適応を促進させます:新しいミトコンドリアの生成、あるいは、ミトコンドリアの発生。 持久力・レジスタンストレーニングの両方を高いボリュームで行うと、そのどちらの適応も効果的には起きずに、結果が折衷されてしまいます。言い換えると、同時並行のトレーニングでは、初心者以外のすべての人にとって両方の信号の通り道が最適下での活性になっててしまいます。 次のように考えてください。回復と身体の新しい組織の再構築には莫大なエネルギーがかかり、身体が作ることができるエネルギーには限りがあります。身体が、大量の新しい筋組織を構築し、同時により良い血管系ネットワークを構築し、ミトコンドリア数を増加させるためのエネルギーを持つことを期待することはできません。 身体は単に、一度にすべてのことを改善させることができないのです。そのため、初心者でない限り、どちらかを選ぶ必要があります。 コンディションを向上させるという目的で、これは何を意味しているのでしょうか:筋力とパワーを増加させ、同時に持久力を伸ばすことは期待しないでください。コンディションを向上させようとする時、目標はシンプルに筋力の維持にするべきです。それだけです。 一般的に、筋力とパワーを改善させるために必要になるトレーニングボリュームの60-70%で、それらを維持することができます。つまり、コンディショントレーニングをしているのであれば、筋力トレーニングをやり過ぎてはいけません。そして、可能であれば、コンディショニングとは切り離して筋力とパワーのトレーニングセッションをするよう試みてください。 トレーニングの研究で分子反応のレビューを掘り下げたいのであれば、ここからPDFをダウンロードすることができます: Molecular responses to strength and endurance training: are they incompatible? (Hawley 2009) 行動:同時にすべてを向上させようとするよりも、それぞれからより多くの効果を得るために、できる限り筋力トレーニングと持久力トレーニングを切り離してください。コンディショニングを向上させようとするのであれば、筋力とパワートレーニングよりも有酸素運動に多くの日をさくべきです。 覚えておいてください、ストレングストレーニングの目標は、持久力を向上させながら、現在の筋力レベルを維持することなのです。このことは、通常筋力向上に必要なボリュームの60-70%で達成することができます。 3. “高地トレーニング”マスクの使用を止める 最後の“禁止”は、もしそれを行っているのであれば、最も簡単に変えることができるものです。 始めるにあたり、そもそもなぜ“高地トレーニング”(低酸素)マスクを装着するのでしょうか? 理論的根拠としては、マスクによって呼吸できる酸素の量を減少させることで、高地における低酸素濃度の状況を模擬することになります。従って、身体をだまして、高地トレーニングによって起きる有益な適応すべてのシグナルを送らせることになります。 十分に立証されている適応は以下の通りです: 赤血球生成促進因子(赤血球数を刺激して酸素運搬能力を上げる)の増加 最大酸素摂取量(運搬される酸素量の最大値)の向上 キャピタリゼーションの増加が筋肉への酸素運搬の向上に繋がる 細胞の酸化を中和する能力と、無酸素エクササイズに耐える能力が上がる 全血液量が増える しかし、この考え方には2つの部分に問題があります: まず、高地でのトレーニングが真に実際に持久力を向上させたのかどうかの結果は、かなり混在している。 パフォーマンスの向上が見られたと報告している研究もありますが、海抜0メートルでのトレーニングと差異はないとしている研究もあり、また、パフォーマンスが低下したと報告しているものさえあります。 それらの減少は一般的に、酸素が少ない状態で高強度のトレーニングすることはかなりきついことであり、長時間高度の高い場所に晒されると筋肉量が減少するという事実に起因すると考えられています。 しかし、高地トレーニングによる個人のパフォーマンスの差異の原因は遺伝によるところが大きいのです。つまり、マイナスな反応であったとしても、身体が反応する方法を変化させることはほとんどできないということです。 そのため、たとえ必死に運動したとしても、高地トレーニングによって身体にパフォーマンスを上げる変化を与えられるのか保証はありません。 たとえ、高地トレーニングに対してパフォーマンスを上げる可能性を身体が持っていたとしても、その利点を制限する、あるいは、打ち消してしまう他の要因がいくつかあります。例えば: 生活 vs トレーニングに使われる正確な高度 高地に滞在する期間 高地トレーニングの種類、量、質 プレーしているスポーツやポジション 高地トレーニング後に低地に戻り費やした時間 それらの要因がダイヤルインされ、適切な遺伝的を持っていない限りは、高地で過ごした時間が海抜0メートルで過ごしたものとほぼ同じになるでしょう。低地トレーニングよりも良いとは言えないまでも、結果は大差ないでしょう。 2つ目の問題は、そしてそれが大きい問題なのですが、呼吸を制限するマスクを装着することでは、そもそも高地での環境を擬態することにはならないということです。 呼吸を困難にさせるマスクを単純に装着することと、高度が上がることによって起こる酸素分圧の変化の間には雲泥の差があるのです。 空気圧の違いは別にして、気温、湿度、紫外線露出の変化などがあります。 言い換えると、“高地トレーニングマスク”は高地の擬態とは何の関係性もなく、あなたを化学兵器による攻撃から生き抜くためのトレーニングしている人のように見せる以外には何の効果もないのです。 次のように考えてみてください:それら間抜けなマスクが本当にコンディションを向上させるものであるなら、地球上のすべての持久系アスリートは何年もそれらを使用していたでしょう。ハイレベルのアスリートが100ドルのマスクの代わりに、本物の低酸素テントに数千ドル費やすことには理由があるのです。 結局のところ:“高地トレーニング”マスクは高地トレーニングの代替としてより便利なものであるように見えますが、高地のコンディションの複製には程遠いものです。仮にできたとしても、高地トレーニングに対する個人の反応は、極端に個体差があるのです。 行動:身体から酸素を奪うよりも、ミトコンドリアのエネルギー産生をサポートするサプリメントを摂ることで、酸素を利用する能力を向上させましょう。それらのサプリメントはユビキノールコエンザイムQ10、ピロロキノリンキノン(PQQ)、そしてニコチン酸アミドリボシド(NR)を含みます。 結論として コンディショニングの向上は常に、正しいことをしているかを確認することだけではありません。間違ったことをすることで貴重なトレーニングの時間を無駄にしていないかを確認することでもあります。結局のところ、1日には限られた時間しかなく、そして、身体が回復できるトレーニング量にも限りがあるのです。 プロアスリートのように身体を良い状態にするためにあなたがしなければならないのは、マスクを着けて、毎日高強度インターバルトレーニングをするだけという考え方、あるいは、筋肉を肥大させると同時にコンディションを向上できるという考え方を受け入れるのは簡単ですが、真実は、それほど簡単なものではないのです。 それだけが本当に必要なものであれば、プロファイターは決して燃料切れにならないでしょうし、ジムで常に限界まで追い込んでいるようにみえる人々は世界レベルのアスリートになってしまうでしょう。 コンディショニングとは、ロケット科学のような難しいものではありませんが、まず他のなりよりも、一貫性が必要なのです。 あまりにも多くの人が受け入れている、巧妙で宣伝過剰なトレーニング方法を避けながら、様々な強度を使い分け、トレーニングを管理し、筋力トレーニングを過度にやり過ぎないようするなど、正しいことに一貫して時間を費やさなければなりません。 ここで私が紹介した3つのことを避け、一貫してコンディショニングワークを行うことで、皆さんが、より少ないことは本当に効果的であるということを発見することを保証します。
コンディションを向上させたいなら、止めるべき3つのこと パート1/2
コンディションを改善したいと望む動機が何であろうとも、より良いシェイプになるために何をすべきなのかを正確に理解しようと試みて、インターネットや8weeks Outのようなサイトを調べまわっていることでしょう。そして、山のような情報を見つけているのは間違いないと思います。 コンディションを改善するためにするべきだと、私が伝えたことのすべては、時間もかかり、圧倒されてしまいやすいのは分かっています。 そのため、コンディションをピークに持っていくための、さらなるヒント、トリック、そしてルールを教えるよりも、今日はその反対のことをしようと思います。 この記事では、あなたがコンディションを改善したいのであれば、止めるべきことを正確に伝えています。コンディショニングに関しては、時にはより少ない事がより良いという真実があるのです。 では、始めましょう。 1. 高強度インターバルトレーニング(HIIT)のみを行うことは止める ここ数年にわたって、HIITはトレーニング業界での主流になってきました。信奉者たちは見ればわかります:トレーニングの半分くらいは心臓がいまにも爆発しそうで、本人たちは、死にそうに感じています。 痛み無くして、得るもの無し、でしょう? これを少し聞き慣れ過ぎているのかもしれません。 HII のみのトレーニング提案者達は、彼らの信念とトレーニング方法を次のような論理的根拠で説明することが多いようです: 研究では、高強度インターバルトレーニングによってより良い結果が得られた事が示されています。 ゆっくりとした方法では時間がかかり過ぎてしまう;努力に見合う最良の結果が欲しい。 私がしているスポーツや運動は、ゆっくりとした有酸素的なものではなく、爆発的で無酸素的なことが要求される。 この主題については数多くのよい研究があり、さらに少し深く掘り下げると、次のことが分かります: はい、HIITは有酸素フィットネスを向上させる素晴らしい方法であると言えます(ほとんどのケースでは最大酸素摂取量の計測がされています)。しかし、 それらの上昇は、あまり長く続きません。 このことを実証する私のお気に入りは、低・中強度の方法の重要性を軽視する情報として、真っ先に引用されるものの1つである、悪名高いタバタリサーチに由来します。 タバタの研究によると、インターバルトレーニンググループは、定常状態で有酸素運動をしたグループと比べて、最大酸素摂取量の改善がより早く見られたと報告されています。 しかし、それらの向上はたった3週間後に横ばいになりました。一方、定常状態のグループでは、実験期間全体を通して最大酸素摂取量の増加を継続してみることができたのです。 この研究が、他の何かと同様に、結果のまとめ方の背景にあるものの重要性に関しての議論でもありますが、長期間HIITのみを使用することの欠陥を証明するものでもあります。 このトレーニング方法の継続した使用は、プラトーと停滞という結果となるでしょう−たとえあなたが、自分で限界まで追い込んだと感じていたとしても。 私は、ハードにトレーニングするべきではないと言っているわけではなく、インターバルトレーニングを使用するべきでないと言っているわけでもありません。ただ、それのみをコンディションのために行うのであれば、止める必要があると言っているのです。テンポインターバルのような中等度の運動や、心拍出量法のようなさらに低強度な方法をトレーニングに導入することから始めましょう。 より長い期間コンディションの向上を楽しむだけでなく、限界を超えてオーバーリーチングやオーバートレーニングへと押しやってしまう疲労蓄積の影響の回避を促すことにもなるのです。 そのことが“ゆっくりした方法では時間がかかりすぎる”という不満に対する私の答えにつながります。低・中強度の方法はHIITよりも時間がかかりますが、そのことが、より長期間にわたり、より一貫した向上をみることができる理由の一部分になります。 コンディショニングを継続して漸進させるためには、時間と労力が必要です。1日に数分で身体を最高の状態へもっていくことができると提言している人は誰であれ、あなたに何かを売りつけようとしています。 あなたがしているスポーツが爆発的な力を要求しているため、低・中強度の方法を使用すべきでないという考え方は理にかなっているようですが、実はそうではありません。 大部分のスポーツでは、瞬発的で爆発的な一瞬の動きの後に続く、アクティブな“レスト”を必要とします。このような場合、有酸素、無酸素エネルギーシステム両方を十分に発達させること必要になります。 例えば、MMAのファイターは、すべての打撃を全力で放つことはありません。パンチやキックはかなりの回数繰り返しますし、最大下の力で放ちます。 すべての打撃を全力で打ち込んでしまうと、1ラウンド中に燃料切れになってしまうでしょう。 短距離走のように、完全に爆発的なスポーツであったとしても、低・中強度のエクササイズは必要になります。それらのエクササイズをすることで、著しい疲労を蓄積することなく、仕事量を増加することができるでしょう−競技シーズンを通して健康で高いパフォーマンスを維持したいのであれば必須になります。 要するに私は、すべてのワークアウトを毎回全力で行わないためのフリーパスを差し上げているのです。トレーニング週の中で、高強度メソッドを使用する場面があるように、低・中強度メソッドにもその場面があるのです。 鍵となるのは、トレーニングセッション間でしっかりと回復させながら漸進させ続けていくためにバランスをとることです。私は未だに、HIITのみでこのバランスをとることに成功した人物に出会ったことがありません。 行動: もし現在高強度インターバルトレーニング以外何も行っていないのであれば、それらを削減し、まず下記の2つの方法を加えることから始めてください。たとえトレーニングで常に死にそうな感覚がなくても、突然コンディションが改善され始めることに驚くことを約束します。 心拍出量 (Cardiac Output) 心拍数 130-150 30-90 分 自重や低負荷のエクササイズをサーキット形式で行う テンポインターバル (Tempo Intervals) 最大努力の70%のレベルで 8-10 秒ワーク後、60 秒のレスト(レスト中にできるだけ心拍数を低下させる) 8-16 反復 ランニング、バイキング、スイミング
ストレングスとコンディショニングー組み合わせ、結果につながる一つの独立した賢いプログラムにするための3つのルール パート1/2
「私はストレングスアンドコンディショニングコーチです。」フィットネス業界にいる我々のほとんどは自身をそう呼ぶでしょう。しかし本当のところ、我々の多くはコンディショニング面よりもストレングス面のことの方により自信を持っているのです。 私のバイオフォース認定コンディショニングコーチコースを通して、私は賢いコーチたちが良好なコンディショニングプログラムを作成する能力において100%自信を持てるよう、自分ができる最善の手助けをしています。しかし事実はそのままですーそこにはまだ多くの誤った情報が出回っているのです。 最近私は、記事の役に立たない傾向に気づきました。ストレングスプログラムにコンディショニングワークならなんでも、特に高強度のインターバルを除くあらゆる種類を加えていることを暗示しているように見えるそれらの多くは、アーノルド・シュワルツネッガーをリチャード・シモンズにするための方法なのです。 ばかげています。 本来、賢くプログラムされた場合にコンディショニングワークは実際ストレングスとパワー増大を向上させることができるのです。問題はあなたがスタートからどのようにセットアップするかなのです。 もちろんそこには必ず、できるだけ最善の結果を得るべく、我々が各クライアントのプログラムを個々人に合わせて作るために要求される特異性の適切なレベルが常にあります。 しかし、もしあなたがそうするのであれば、我々がクライアントに向けて最善のストレングス及びコンディショニングプログラムを確実に作成するために従うべき、いくつかのガイドラインやルールもあるのです。 これから挙げるのは、私のトップルール3つです。 ルール1:常にトレーニングゴールの優先順位をつける(もしくは二つのことを同時に行おうとしない) ストレングスとコンディショニングを効果的に組み合わせるために、あなたはトレーニングの優先順位をつけるところから始めなくてはなりません。 本当のところ、あなたが初心者であったり長期の休養から戻ってきたのでない限りは、ストレングスとコンディショニングの両方を同時に向上させることは非常に難しいのです。あなたが腰を据えてプログラムをデザインし始めるとき、まずはあなた自身に一つの質問をすることから始めなくてはなりません。「私はこのプログラムでストレングスとコンディショニング、どちらを優先したいだろうか?」 両方行うことは可能ですが、どちらか一方を優先しなくてはなりません。両方を同時に向上させようとすることは、残念な結果を招く方法であり、多くの人々が誤ってしまう部分です。 これには一つの単純な理由があります。エネルギーです。 大きく強い筋肉を作るのは集中的過程であるため、身体組織を修復し、再構築し、そして再造形するためには多くのエネルギーが使われます。 コンディショニングも同様で、体中の血管網を改善し使っている筋肉により多くの酸素を供給することを可能にするのは、身体が著しい量の供給源を与えない限り起こりません。 エネルギー = 身体の通貨 新しい筋肉あるいは他の組織を構築することはもちろん、身体を動かし続けるためには相当な量のエネルギーが使われます。それがエネルギーは身体の「通貨」と、よく呼ばれるゆえんです。エネルギーを賢く消費しなくてはなりません。なぜならあなたは、その日のうちに限られた分のエネルギーしか生産できないからです。 そのゴールが何であれ、あなたが進展を望むのであれば、最も重要なことは、どのようにエネルギーを消費したいかを選択することです。 もし有酸素コンディショニングを向上する必要があるなら、時間とエネルギーのほとんどを有酸素コンディショニングに費やし、同時にストレングスとパワーに費やす時間とエネルギーはそれらを維持するために必要最低限な分だけにするのです。 もしあなたが大きく、強くなりたいのなら、第一のルールは、すでに持っているものを失うことを避ける程度の量のコンディショニングワークをこなすべきだということを意味しています。 必要以上に多くのことをするというのがよりよいというわけではないのです。 ストレングスとパワーを向上させつつ、コンディショニングを維持するためのいくつかのシンプルなガイドラインを挙げましょう。 このよくある問題を避けるために、すべてを同時に向上させようとするのではなく、コンディショニングレベルを維持するという明確なゴールとともに、ストレングスとパワープログラムにコンディショニングワークを加えるべきです。 一旦向上させたフィットネスクオリティを維持するために、正確にどれくらいのトレーニングが必要かを決める多くの異なった要素がありますが、よい目安は、向上させるために用いるべき全体のボリュームの最低80%をかけることです。 ここで、始めるための簡単なガイドラインをいくつか挙げましょう: 高いレベルのコンディショニング:もしコンディショニングの高いレベルを維持しようとするなら、何らかの形式のコンディショニングワーク30~40分間を、最低でも週4,5日行う必要があるでしょう。 中レベルのコンディショニング:もし比較的中程度のコンディショニングレベルを維持しようとするだけなら、最低30分間のコンディショニングワークを週3,4日行えばよいでしょう。 低レベルのコンディショニング:低いレベルのコンディショニングは、週3日の20~30分間のコンディショニングワークで、レベル低下を避けるのには十分でしょう。しかし、もし非常に低いレベルのコンディショニングレベルから始めるのであれば、ストレングスとパワーに集中する前に、最低でも中程度レベルまで向上させた方がよいでしょう。 簡単なアプローチは、これらのガイドラインに沿って始めて、かつ必要に応じて調整することです。たとえば、もしコンディショニングが衰えてきていると気づいたら、コンディショニングの量を5~10%増やし、それが維持するのに十分であるかどうかチェックします。もしどのようにコンディショニングをチェックすればよいかわからないのであれば、ここに助けとなる記事があります。
ストレングスとコンディショニングー組み合わせ、結果につながる一つの独立した賢いプログラムにするための3つのルール パート2/2
ルール2:補足的なトレーニング方法を使う(もしくは方法同士を対立させない) ストレングスとコンディショニングワークを効果的に組み合わせるために次に非常に重要な要素は、方法同士を互いに競わせるのではなく、互いを補足するように使うことです。 ストレングスプログラムと共に、どのコンディショニング方法を用いるべきか? ストレングスプログラムとともに用いる的確なコンディショニング方法を選ぶことは、複雑なことではありません。どのように的確なコンディショニング方法を選ぶかを理解すること、それにはまずストレングスがどこから得られるのかを理解することが重要です。 ストレングスとパワーの向上は、たった4つの異なる主な要素から得られる結果です: 筋肉が筋繊維動員を増やすためのCNS(中枢神経系)の神経駆動の向上 より大きな力生産を可能にするために筋肉をより大きくすること より高いレベルのホルモンが放出されるための、より強力な交感神経系のアクティベーション テクニックの向上 これらすべてのことが実現されるために適切な環境を築くことは、量よりも質を強調するということを意味します(そして重い重量で爆発的なリフティングを強調します)。 最大努力や動的努力、そしてプライオメトリクスといったトレーニング方法は、すべて神経系システムの機能を向上させるために作られたものであり、反復方法は筋肉のサイズを大きくするためによく補足として用いられるものです。 覚えておきたいのは、これらの方法はすべて、トレーニング中のほとんどのエネルギー生産を主に無酸素非乳酸エネルギー系に頼ったものであるということです。その短く高強度な特質において、非乳酸系は唯一エネルギーを十分速く供給することができます。 しかしながら、非乳酸系はそれ自体ではあまり長い間エネルギーを生産することができないため、有酸素系が無酸素性代謝の副産物を取り除き、非乳酸系が必要とする基質を補充し、再びエネルギーを生産できるようにしています。 このことは、ストレングスとパワートレーニングが主に非乳酸―有酸素性代謝によって行われていることを意味します。 そのため、ストレングスワークを補足するためにコンディショニング方法を選ぶとき、下記のような大まかに同じカテゴリーに属する方法を用いる必要があります: テンポ・インターバル スレッド・ドラッギング GPPサーキット テンポ・リフティング 爆発的反復 非乳酸性インターバル 高強度連続的トレーニング これらのコンディショニング方法は、すべてストレングスやパワートレーニングと同じエネルギーシステムを用いています。つまり、これらは獲得したストレングスやパワーを損なうことなく、有酸素的能力を維持するために用いることができるということを意味しています。 賢くプログラムが組まれた場合、それらのいくつかは、疲労した筋肉への血流を増やし回復を促すことで、ストレングスとパワーの向上を助けることもできるのです。 このことを正しく理解するためには、第3のルールについてお話ししなくてはなりません。 ルール3:トレーニングを効果的に組織化する(もしくはフィットネスレベルによって異なる種類のトレーニングに分ける) トレーニングをどのように組織化するかは、結果に大きな影響を与えます。その理由は、私がはじめに話したことに戻ります:エネルギーです。 同じワークアウト、もしくは同じ日の中で異なるタイプの方法を組み合わせることは、身体がエネルギー、特にグリコーゲンをどのように蓄積し使うかということに影響するでしょう。研究は、そのことがワークアウトの結果として起こる遺伝子シグナリングに影響を与えうるということを示しています。 このシグナリングがフィットネスにおける変化を刺激するのです。そのため、トレーニングプログラムをできる限りもっとも効果的に組織化することが重要なのです。 具体的にこれをどのように行うかということもまた、あなたがどこから始めるかということに大きく関わってきます。なぜなら、現在の状況が、どれくらいのコンディショニングワークが必要として、一般的にトレーニングに対して身体がどのように反応するかということを決定づけるからです。 低いフィットネスレベル:もし低いフィットネスレベルから始めるのであれば、ストレングスワークアウトとコンディショニングを組み合わせることもできますが、コンディショニングはワークアウトの最後に行うべきです。テンポ・インターバル、HICT、スレッド・ドラッギングのような方法は特にこのレベルに良いでしょう。 中程度のフィットネスレベル:中程度のフィットネスレベルにおいては、可能であればコンディショニングは別なワークアウトとして分けられるべきですが、同じ日に行うこともできます。もしスケジュールが許すのであれば、コンディショニングワークアウトは回復を促すためにリフティングセッションの4~6時間後に行います。スレッド・ドラッギングや高強度連続性トレーニングのような、短縮性収縮のみの方法でかなり重めの負荷のエクササイズを用います。 高いフィットネスレベル:ストレングスとパワーを最も高いレベルで向上させる場合、コンディショニングワークとは別な日に分けて行うことが最良です。この分別は、あらゆる負の影響を避け、重いストレングスとパワーワークの効果を最大限にするために重要です。マックスの90%以上のストレングスと、より低い負荷のコンディショニングワークを、週の中で交互に行う高・低アプローチを用いることがもっとも効果的なアプローチです。 ご覧の通り、フィットネスレベルが高いほど、異なる種類のトレーニングを互いから分けることがより重要になります。 これはなぜなら、フィットネスが向上するにしたがって、より多くのエネルギーがトレーニングセッションとその後の回復の両方に向けられることを必要とするからです。 スクワット重量を400~500パウンドから増やすのにどれくらいのトレーニングとエネルギーがかかるかと、200~300パウンドから増やすのにどのくらいかかるのかを比べると、そこには大きな違いがあります。 より高いフィットネスチェーンに進むにつれて、あなたが向上させようとしていることの特有の要求に対し、できる限り多くのエネルギーを集中することがより重要になります。 しかしながら、これはあなたのトレーニングが完全に一次元的になる必要があるという意味ではありません。単に、異なる種類のトレーニングを互いから分けるということが、特に最も高いレベルにおいては、これまで以上により重要になるということを意味しているのです。 次に行うこと 最も必要とされているところで身体がエネルギーを消費していることを確実にするために、トレーニングゴールに優先順位をつける。ストレングスとパワーを増強しながらコンディショニングを維持することが可能なように、コンディショニングを増強させながらストレングスとパワーを維持することは可能です。残念なことに、多くのコーチたちは両方を同時に向上させようとするか、もしくは片方を無視してもう片方だけに集中しています。 補足的トレーニング方法を用いる。ストレングスとパワートレーニングは主に非乳酸―有酸素代謝によって行われます。それは、用いる最良のコンディショニング方法は同じカテゴリーに属するものであるということを意味しています。(例えばテンポ・インターバル、スレッド・ドラッギング、GPPサーキット、など) あなたの(もしくはあなたのクライアントの)フィットネスレベルに合わせる。同じワークアウト、もしくは同じ日の中で異なる種類の方法を組み合わせることは、あなたの身体がどのようにエネルギーを蓄積し使うかに影響を与えます。フィットネスレベルによって、完全な回復ができるようにトレーニングプログラムを組織化する必要があるでしょう。
ハラスカのアダクションドロップテストの考察 パート2/2
AFとFAの両方における動きの質を評価するのに役立つHADT 評価のためのポジショニングをとることが簡単だったり難しかったりすることや、また、評価を行っているときに患者をリラックスさせるのが困難だったりすること、患者が何をしようとしているかなどは、患者の状態を知るための貴重なヒントになります。 臨床家は、これによってその人がそのパターンをどのぐらい強くもっているかのフィードバックが得られます。 患者やクライアントへの指導の道具としてのHADT 同一対象にこのテストを1、2回行った場合、最初に陽性を示した人が、リポジショニングの後に行ったら陰性になったとします。彼らは、バランスの整ったポジションがいかに重要であるかをよりよく理解しています。その違いを感じ認識することができるのです。 在宅プログラムの順守に劇的な改善があります。 ペルビックアセンションドトップテストと共に使われるとき、患者は適切なポジションを保てているか自分で把握できることもあります。 PADT www.posturalrestoration.com 股関節に潜在しているかもしれない病理を評価するHADT HADTを実施中、患者が訴える痛みや圧迫感、弾けるような音、引っかかる感じなどの症状と臨床家が評価する骨性エンドフィールやゴリゴリした音、関節の摩擦音などは、すべて関節内の損傷や他の病理の潜在の関与を示唆していると考えられます。 もし、右側の骨盤片側に陰性が示されても(特にPECパターンを軽減するための手技を施した後)、右側が適正なポジションにあるという意味ではありません。結果が陰性ということは、単にその股関節が内転できるということを示します。しかし、右側に過剰な内転と内旋があれば、腸骨大腿靭帯と関節包の上部が伸ばされているということかもしれません。 PRIテストの範疇で、最終ポジションがよりオープンエンドフィールである場合特に、陰性というのは必ずしも良い結果であるとは限りません。過度の陰性もありえます。そのような場合、パソ(病理的状態)と言います。 いろいろな人と会話する中で、また、これまで読んできた文献への反応として、何度か耳にしたコメントに次のようなことがあります:“時に、左側に陽性の結果を出そうとしているような気がします。” 実際その通りだと思います。つまり、何か問題があるのであれば、それを見つけ出したいものなのです。治療の順序は、次の段階に進む前にクリアすべき一定の基準を基に組み立てられます。次の段階に進む前に適切な姿勢を保たなければ、患者の反応やその結果もまた、影響を受けてしまうでしょう。 HADTの臨床におけるその他の利用方法: その人に合った靴をはいているかどうか、また正しい靴を選ぼうとしているかどうかを調べるのに役立ちます。新しい靴を持って来た人に、靴を履く前と履いた後でHADTを実施し結果に変化があるか調べてみます。 しかし、これはパズルのひとつのピースに過ぎません。その結果はHADTには影響を及ぼさず、他の所見に影響するかもしれません(たとえば、HG IR、水平外転など)。またはその逆かもしれません。 位置の測定をヴィジュアルインテグレーションストラテジーと共に利用した場合、環境の改善、周辺処理が制定されたかを見極めることを助けます。 一定の運動をした後に行うテスト結果に変化があることによって、在宅プログラムをなぜしなくてはならないのか、患者やクライアントに分かってもらうための素晴らしい教材になります。 臨床家が組み立てたプログラムで、その人が中立を維持しているかどうか、治療やトレーニングセッションの最後に、これを利用することによって素早くチェックできます。 セッション中に、リポジショニングのエクササイズが正しくおこなわれているかどうか、最も適切なものを行なっているかどうかを知るためにも使えます。全ての要素が取り扱われ、適切な神経可塑性が確立されるまで、さらに一貫したリポジショニングのエクササイズが必要か否かをはっきりさせるのに役立ちます。 パフォーマンストレーニングやウェイトトレーニング中、運動している間ずっと“ニュートラル”を維持しない方がいい選手もいるかもしれません。最も重要なことは、運動後の高揚した交感神経優位の状態を抜け、休息と回復できる状態に戻って来られるかということです。 これは決してHADTの効用についての総記ではありません。いくつものPRIテストと同じように、コース教材に載っている事柄のみではなく、更に他の利用方法から与えられる恩恵があります。同時に、患者/クライアントの症状やニーズが何であるのかを洞察するのに役に立ちます。
ハラスカのアダクションドロップテストの考察 パート1/2
ハラスカのアダクションドロップテスト(HADT)は、ポスチュラル・リストレーション・インスティチュート®で最も認知度が高く、最も広く使用されている評価方法のひとつです。骨盤に対する股関節の位置、とりわけAF(大腿骨の上で動く寛骨臼)/FA(寛骨臼の中で動く大腿骨)の位置や整合性に関する有用な情報を与えてくれます。これは、骨盤のニュートラリティ(中立性)や寛骨臼に対する大腿骨の関節の中心性、軟部組織の張りの異常を調べるのに役立つポジションテストです。両側または片側の大腿骨が寛骨臼に最適に位置していない場合、悪いフォースカップリング(偶力)を生み出し、骨盤の片側に更なる機能障害を引き起こしやすくします。疼痛や損傷、機能低下、パフォーマンス低下などが結果として生じるかもしれません。正確に実施すれば、テストとしてだけでなく他の多くの根拠から、PRI(ポスチュラル・リストレーション・インスティチュート®)の臨床家の引出しの中でも非常に役立つツールのひとつになるはずです。 HADTに熟練すれば、セットアップや動きの質、エンドフィールから得られる情報は臨床家にとって有用になるでしょう。さらに付け加えられた観察は、より主観的で実験的な要素がありますが、一方で骨盤の状態全般の貴重なデータを提供してくれます。特に、他のテストの所見と相互関係を比較すれば、随伴運動や異常運動、内在する全体的な軟部組織の張り、脊柱の関与の度合い、関節に起こっているかもしれない損傷などの情報が収集できます。HADTを実施することによる成果の最適化と、この有用な評価が提供できる他の情報について注目し考えてみたことを下記に述べます。 ポジションテストとしてのHADT テストにはいくらかの機微があり、これが結果の質に違いを生み出すようです。 “患者は左右どちらかを下に横になり、下腿部と股関節を屈曲します(90°)。患者の後方に立ち、上になった方の膝を90°の屈曲に保ちながら、股関節を他動的に屈曲、外転、伸展、そして中立位に動かします。” 上になった骨盤の片側を安定させておくのが困難である場合や、患者が脚に力を入れてしまうようであれば、陽性と考えられます。 下腿部が90°の屈曲を保てない場合や、上になっている脚を動かしていると伸展し始める場合、陽性と考えられます。 “中立位まで股関節を伸展” していく時、これはセットアップ時の上になった骨盤と相対的に見てということなので、0°または“中立位”を見極めるために身体の面を基準にするため、厳密にはどちら側をテストしているかによって異なることもあります。内転する前に右股関節を中立位まで動かすということは、左脚と同じように右脚も身体の面まで達するとは限りません。これは、左側よりすでに伸展位になっている右側の寛骨臼の位置によるものです。 “患者が後方へ転がったり、大腿が内旋したりしないように、他動的に骨盤を安定させます。” 患者の骨盤が後方へ転がらないように、自分の身体を患者の上になっている側の骨盤の後面に密着させる方が良いでしょう。あまり支えようと押し過ぎても、かえって骨盤を前方へ転がす結果になってしまうので注意すべきです。患者によって、または患者の臨床家の身体の大きさや体力によって支持の強さを変化させることにより上手くいきます。 大腿骨は内旋しがちですが、そうならないように・・・ www.posturalrestoration.com “上になっている側の寛骨が下になっている寛骨の真上に位置していることを確実にし、前頭面のスタートポジションンで偽陽性(上になっている側の寛骨が頭方へずれている)や偽陰性(上になっている側の寛骨が尾方へずれている)にならないようにします。” 股関節を適切な位置に揃えるために、右側と左側は多少異なるセットアップや固定が必要かもしれないことを覚えておいてください。 右側の脚をテストするために左側を下に横になっている人は、骨盤の右片側が側方へ傾き後方へ転がりやすいので(特に強いパターンがある場合)、それを安定させなくてはならないでしょう。 左側の脚をテストするために右側を下に横になっている人は、骨盤片側が通常の休息ポジションよりも前方へ回旋しやすく、また胸郭が内転/外転しやすいので、それを防ぐために固定しなくてはならないでしょう。骨盤を(これ以上)前方へ傾けないように、または胸部を(これ以上)伸展させないように支持する注意が必要です。 HADT陽性 HADT陰性 エリザベス・ノーブルによるイラストはポスチュラルリストレーションインスティトゥート®が所有します。ポスチュラルリストレーションインスティトゥート®2014より著作権使用の許可を取得しております。 www.posturalrestoration.com ”寛骨臼縁の前下部、横靭帯、梨状筋の制限や後下部の寛骨臼縁と大腿骨頭の後下面の衝撃(可能性として、左右どちらかの骨盤が前方に回旋、つまり前傾に伴う)などは、陽性結果を示します。特に左のエクステンションドロップテストで、左AICの変位が陽性の患者において、左側によく見られます。” 偽陰性は、偽陽性よりも起こりやすいことがあります。そして、結果としてそれ以降の治療計画に大きな影響を与えることになるのです。時間をかけて確実にセットアップをし、最適な状態でテストを行うことが必須です。 正確な結果を導き出せたか臨床家が確信を持てない場合、何回か繰り返しテストを行うことは珍しくありません。 上になっている方の骨盤を固定することはきわめて重要であり、たいていどちら側をテストしているかによって、または、骨盤の位置やパターンの強さによって、支える力を加減しながら安定させる必要があるでしょう。 上に置く手は単に支えているだけでなく、上になっている骨盤や大腿でどのようなことが起きているか(つまり随伴運動)を評価しています。 テストを行ってもまったく確信が持てなかった場合、骨盤を少し前方へ転がし再度実施してください。それから、少し後方へ転がし同様に行い、その結果を比較します。ここでは、動きの質とエンドフィールの評価が役立ちます。 また、ここで他のテストの結果とこれらの所見を比較することが重要になります。 骨盤が大きい人は、左右どちらかはベッドまで完全に下げることができないかもしれませんが、そのような場合でも検査の結果を自動的にPECとはしません。 どのような評価の結果でも、単なる陽性と陰性の両極端ではなく変動幅があります。しかし、いくつかの結果を比較して区別する能力をつけるには、他のどの特殊な整形外科的検査と同様に、繰り返しさまざまな体格の人を検査し練習する必要があります。
多忙な人のための4×15アスレティックワークアウト パート1/2
事実#1:現代の人は皆忙しい。 事実#2:事実#1は恐らく変わることはない。 事実#3:例え事実#1と#2を受け入れたとしても、素晴らしいトレーニングセッションを行う方法を探す必要がある。 長年、“完璧な”ワークアウトの概念について頭を悩ませてきました。 もし1.5-2時間のトレーニングをする時間がなければ、トレーニングする価値は全くなかったのです。 しかし、人生においてトレーニング以外(例えば子ども、仕事など)のことが自身のトレーニングよりも優位を占めるにつれ、すぐに何かを変える必要があることに気づきました。 無制限でトレーニングできる時間を持っていた日々は単に過ぎ去り、私は自身のトレーニングセッションと共に、トレーニングに対する考え方を進化させることが必要になりました。 4×15ワークアウトは、今や2年間断続的に取り組んできたものです。それは一つ一つのトレーニングセッションの組み合わせ方法ではなく、身体の準備に関して、素早く簡単に大まかな項目すべてを確認する方法です。 では、4×15ワークアウトとは何でしょうか?質問してくれてありがとう。 要するに4×15のワークアウトとは 結局のところ、私はほぼ毎日、60分トレーニングする時間があればラッキーです。 昔は、そのうちの10分間をウォームアップに使い、残りの50分でウエイトを持ち上げていました。 しかし、私の考え方が進化するにつれ、トレーニングも進化していきました。 今では、単にウエイトを挙げるということではなく、あらゆるアスレティシズムを持つということです。 見た目も感覚も良いということ。 そして、日々の生活における需要に見合うエネルギーを持っているということ! つまり、すべての時間と労力をウエイトリフティングにフォーカスする代わりに、シンプルかつ柔軟であり、動きやパフォーマンスに関してそれぞれの大きな項目すべてをチェックできるシンプルな枠組みを作ったのです。 私の中では、次の4つの項目があります: 可動性と動きの準備 スピードとパワーの向上 筋力、そして コンディショニング では、これらすべての項目をどのように組み合わせるのでしょうか? 結局のところ、1時間はそれほど長い時間ではありません。 しかし、物事を適切に組み立て、ジムについてすぐにフォーカスを持って取り組めば、たった60分でも多くのことをすることができるのです。 これら4つの項目をチェックするために、4×15のワークアウトを4つのトレーニングブロック、またはセクションに分け、それぞれに15分ずつを割り当てました。 このような感じです: ブロック#1−ウォームアップ、リセット、可動性トレーニング ブロック#2−スピードとパワーの向上 ブロック#3−ストレングス ブロック#4−コンディショニングとリカバリー 恐らく、皆さんも、すでにこれに似たような感じでトレーニングを組み立てているでしょう。もしそうであれば、素晴らしいです! もっとも大きな要素は、不必要を少しずつ省くことであり、何が何でも60分ですべてのワークアウトを終了させることなのです。 一方で、それらのエリアのうちの1つか2つのみにフォーカスしているのであれば、このプログラムがアスレティシズムのすべての項目をどのようにチェックすることができるのかを気に入ると思います。 プログラムの概観がわかったところで、この枠組みを使って、どのようにあなた自身に、クライアントに、アスリートに素晴らしいワークアウトを作成するのか見ていきましょう。 ブロック#1−ウォームアップ、リセット、可動性トレーニング 幾分“古い”リフターとして、私はこのようにお伝えします: この段階において、ウォームアップをすることや身体的にトレーニングの準備をすることに交渉の余地はありません。 昔は2つ3つの可動性ドリルで身体をゆるめ、動く準備ができましたが、年齢を重ねるに連れて確実により多くの過程があります。 私にとって、これは通常2~3個のポジショナル呼吸ドリル、あるいは、始めるためのリセットが含まれます。そうすることで、空気を必要な場所へ送り、その日身体をどのように動かしていくのかの目安を与えてくれます。 そこから、余分を省いた残りの時間を使って、可動性と動きのサーキットを始めます。 15-20分の孤立化したウォームアップをするよりも、しっかりと全身を動かし、振動させることのできる効率の良い組み合わされた動きが必要であると強く信じています。(私の膨大な量の投稿であるウォームアップが理解を助けてくれるでしょう) 最後に重要なこととして、可動性とパフォーマンスの“ギャップを埋める”エクササイズと可動性のドリルをよく一緒に行います。つまり、単にニーハグを行う代わりに、ニーハグとAスキップを組み合わせて行うのです。 ただラテラルランジをするだけでなく、ラテラルランジに続けて、ラテラル・ディフェンシブシャッフルを行います。 このようにウォームアップを組み合わせることで、素早く終了できるだけでなく、アスレティックボキャブラリーの再構築もできるのです。
多忙な人のための4×15アスレティックワークアウト パート2/2
ブロック#2−スピードとパワーの向上 長年、私はスピードとパワーの向上を無視していました。 私は筋力に焦点を当てていたので、それらの質を取りこぼしてきましたが、今になってその失った時間を取り戻そうと試みています。 そして実は...それは私だけではないのです。 出会ってきた多くのリフター達は、ストレングストレーニングのみに集中し、結局、子どもの頃に楽しんだ“自然の”アスレティシズムの質がゆっくりと失われていたことに気づくのです。 もしこれがあなたのことのように聞こえるなら、間違いを認め、それについて何かを起こす時です。 再びスピードとパワーについて取り組み始める時に鍵となることは、ゆっくりと、そして、段階的に行うということです。 言い換えれば、1日目に最大垂直跳びと40ヤードのタイムを測定したりしないこと! 誰かを再教育するとき、私はこのようなことから始めるでしょう: 縄跳びと低強度プライオメトリクス 下半身の減速と衝撃吸収ドリル かなり短距離のスプリント 1-2ヶ月はここから始め、その過程を楽しみます。 身体に、素早く、爆発的であることを再度教えている、という事実を楽しみます。 そして、身体がそれに反応していくにつれて、ゆっくりと量と強度を上げ始めることができます。 今では、これが4つのトレーニングブロックの中での、私の一番のお気に入りかもしれません。 アスレティシズムが戻ってきているように、また、私自身が若いアスリートであった時よりも良く動けていると実際に感じます。 少なくとも、いくつかのスピードとパワートレーニングをプログラムに再導入し始めてください。楽しめることを保証します! ブロック#3−ストレングストレーニング 皆さんはおそらく、長年ウエイトを持ち上げているでしょうから、この部分はもっとも簡単にプログラムできるはずです。 ここにある問題を提起します−“ウエイトトレーニングをする”ために60分あるとしたら、やりたいことをすべて行うことは簡単です。しかし、たった15分しかなかったらどうしますか? まず最初に、これはプログラムに入れているエクササイズについて批判的に考えさせることになります。 そこにあるものすべてに理由はあるのでしょうか? そして、もしそうであれば、重複しているもので、ほとんど(あるいはまったく)影響なしに除外できるものは何ですか? 例えば、スピードとパワートレーニングを始めれば、“筋力”という目的で、スプリットスタンスや片脚でのストレングストレーニングを多く行う必要はおそらくないでしょう。 これを皆さんにとって簡単にするために、私がしていることをお伝えしましょう:私はその日の“どでかい”エクササイズを1つ選び、15分間全てをそのトレーニングに使うことがよくあります。 スクワットバリエーション デッドリフトバリエーション。 ベンチプレスバリエーション。 1つの得るものが多いエクササイズを見つけ、15分間それをハードに行います。 下半身ウエイトでは、これが完璧に機能します−そして、それを変更させる理由は特に見つけられません。 例外があるとすれば、上半身にフォーカスする日でしょう。1つのエクササイズに全てを投入する代わりに、反対の動きのパターンとのスーパーセットを考慮します。 幾つかの例になります: ベンチプレス/ダンベルロウ チンアップバリエーション/ショルダープレスバリエーション 不安定な面(UST)でのプッシュアップ/USTインバーティッドロウ アイデアとオプションは限りありませんし、スーパーセットを行えば、当然より多くのトレーニングをすることができます。 しかし、ここが鍵になります−15分間でこれを行わなければならない−言い訳なし! これが最後のブロックに繋がっていきます…。 ブロック#4−コンディショニング 17年間これを行ってきた今、私は賢いコンディショニングトレーニングの大いなる支持者であると言っても大丈夫でしょう。 “賢い”という単語をかなり強調して。 なぜなら、トレーニングを早く、激しく行うからといって、コンディショニングについて間抜けでなければならないわけではありません。 事実、30:30の脂肪燃焼インターバルにのみ頼ることなく、その過程で水素イオンに全身を浸すこともなく、“高強度”にすることはできるのです。 私は非乳酸有酸素インターバル、あるいは、ジョール・ジェイミソンが“爆発的反復”と説明しているもののほうがはるかに好きです。 この非乳酸有酸素の範囲で運動するためには、最低でも1:5の運度:休息比率に、1:9、あるいは1:10に近いインターバルを付随させて行うでしょう。 あなたは今、こう考えているに違いないと思います。“いったいどうやってやるの?”と。 そして、もしそうであるなら、ヒントとなる例をここにいくつか列挙します。 プロウラースプリント、6秒間オン、54秒間オフ エアダインバイクスプリント、8秒間オン、52秒間オフ バトルロープ、10秒間オン、50秒間オフ もし計算すれば、これらの例のそれぞれの“ラウンド”でぴったり1分間運動しているので、すべての人がコンディショニングセッションの間に、15“ラウンド”できることになります。 かなり賢いでしょう? これはプログラミングを簡潔にする、コンディショニングをセットアップするための一つのシンプルな方法ですが、何よりも重要なのは、すべてが素晴らしく効率的だということです。 10-15回、質の良い呼吸をゼイゼイとしたら、そのセッションを終わりにしてください。 まとめ これで、4×15のワークアウトの要領が分かりましたね。 時間がない、しかし、完璧な全身のトレーニングセッションをしたいのであれば、これがその方法です。 そして、何よりも重要なこととして、本当の“若さの源泉”を利用することを求めているなら、そして、失われたアスレティシズムを取り戻したいのであれば、これはスタートするための素晴らしい方法です。 がんばって、良いトレーニングを!
予測的コーディング、なぜ期待が運動と疼痛に重要なのか パート1/2
予測的コーディングは、最近私が勉強している新しい知覚のモデルです。ある意味、これは常識的で直感的なことですが、とても難しく思考を広げるものでもあります。この投稿では、私が学んだことと興味深く実践的なことを説明します。 その前に、なぜこのトピックが、運動と疼痛に関連している人たちに興味あるべきものなのかをみてみましょう。 はじめに、良い運動は良い知覚を必要とします。身体を協調して動かす技術は、空間のどこに身体がありどのように動いているのかを知覚する技術と切り離せません。私たちは動くために知覚し、知覚するために動くので、動きが見事な人を“身体感覚”や“固有感覚”が素晴らしいとよく言うのです。 二つ目に、疼痛は知覚の性質に含まれています。身体が危険に陥っているのか、そして身体を保護するために何をするべきか、脳の判断によって疼痛は変化します。もし足が痛ければ、それが正しくても間違っていても、脳が足のケガを知覚しているということを意味します。身体に関する知覚は(他の全てと同様に)誤っている場合もあり、そのため損傷のない部分が痛かったり、損傷している部分が痛くなかったりするのです。知覚の科学についてさらに学ぶことで、疼痛と疼痛の治療方法を必然的に学ぶことになります。 従来の知覚モデル:ボトムアップ 従来の知覚モデルは、おおよそ以下の通りです。私達は、目、耳、皮膚、筋などにある神経終末から知覚情報を集めます。この情報が脳に伝達され、そこで情報が処理され、意味が解釈され、さらに原因についての知覚が作り出されます。 例えば、私の妻の顔を目の前に見るとき、彼女の顔に光が反射し、その光のパターンを私の目が認識して脳に送られ、私の脳はそのパターンが妻の顔から来ているものだと認識し、そのため彼女がそこにいるのだという知覚を作り出すのです(私が誰の指図を受けたらいいのかわかるように)。 あるいは、もし誰かが足を踏み出して膝に痛みを感じたとき、それは、その一歩からの機械的な力が侵害受容(痛覚)を刺激し(損傷の可能性に関する神経シグナル)、そのシグナルが脳に届きます。脳は膝への脅威があると判断し、保護を促すために疼痛を作り出したのです(足を引きずって歩くかもしれません)。 ですから、このモデルは、非常に“ボトムアップ”あるいは“外側から内側”のものです。外の世界から身体の末梢までの情報の流れ、そして身体の末梢から脳までの情報の流れを強調しています。 このストーリーには何が欠けているでしょうか?このモデルがうまく説明できないのは、入ってくる感覚情報の意味を脳が判断するときの、過去の経験の役割に関してです。そこで予測的コーディングのモデルに価値が加わります。このモデルは“トップダウン”の要因がどのように入ってくる感覚情報を修正するのかを説明します。 予測的コーディング:期待は重要 予測的コーディングモデルによると、脳は外の世界(および私たちの身体)の表象やモデルを常に作り、改良しています。私たちの知覚は単に入ってくる感覚データだけではなく、これらのモデルに大きく左右されます。 例えば、私の家の内面モデルは、私の犬のリーバイという四つ足の動物を一匹だけ含んでいます。もし薄暗いリビングを歩いていて、狼をちらっと見たとすれば、実際にはたぶん自分の犬リーバイを見るでしょう。つまり、私の知覚は実際に私の目からの知覚データよりも私の期待によって決定されているのです。 期待が知覚をどのように決定しえるのか、いくつかの例を以下の写真で見てください。 最初の二つの写真では、あなたの目が伝えたことと非常に異なるものを知覚しました。これは言葉が通常どう綴られているかに関する、あなたの今までの推測に基づいています。3つ目の写真では、今までの経験に基づいた顔の部位がある一定に配置されている 、二つの正常な顔を見ました。(写真を逆さまから見ると非常に違う配置が見えます) これは他の種類の感覚でもよく見られます。悪魔のメッセージが歌詞に隠されていると考えていると、レッド・ゼッペリンの“天国への階段”を逆に演奏するとそれが聞こえてきます。後ろから誰かの腕に氷をのせ、同じタイミングで“熱い!”と言えば、その人は熱を感じます。 プラシーボの鎮痛効果は、それが疼痛を軽減するだろうという期待に純粋に基づいているのです。ノセボは、その逆の作用で、疼痛を予期することが疼痛を促します。ある程度、私たちは予測していることを知覚しているのです。 トップダウンとボトムアップの比較 予測的コーディングモデルは、期待が知覚にどのように影響するのかを正確に説明できます。神経系は、脳の皮質が一番上で神経終末が一番下というように、序列的に整理されています。神経系のより高いレベルでは、下のレベルから入ってくる感覚データの流れを常に予測しています。これらの予測は、入ってくる感覚データ(ボトムアップ)に見合う下方に流れる神経活動(トップダウン)を作ります。神経活動がすれ違うと、予測されたことと感じられたことが比較され、それによって予測エラーが発生します。言い換えれば、トップダウンがボトムアップと“握手”をし、相違が話し合われ、妥協に行き当たるのです。 エラー(あるいは相違)が比較的小さければ、ランダムな騒音か、“かなり近いもの”として無視されます。神経系のさらに高いレベルには予測エラーは伝達されず、予期していたその通りの世界が知覚されます。エラーが大きければ、さらに高いレベルまでミスが伝達され、世界のモデルを更新できるようにします。驚くことや重要なことが起こったという主観的な感情が生まれ、入ってくる感覚データの方へ自動的に注意がシフトし、知覚と行動がそれに応じて調整されます。 予測の強さや自信は、予測エラーの扱われ方に大きく影響します。入ってくる感覚データの予測の確信が非常に高ければ、(たくさんの過去の経験に基づいているかもしれない)有意なエラーであっても無視されます。しかし予測の確信が低ければ(状況が新しく、エラーが予想されているかもしれない)、ボトムアップの感覚情報が神経系の高いレベルまで上がる可能性は高く、知覚の変化を促します。注意力もまた、予測エラーの処理のされ方と重要な関係を持っています。もし私が、ある感覚情報の流れに注意を払えば、予測エラーを無視するのではなく、エラーに気づく可能性が高くなります。そのため、システムは、相対的な確信のレベルやどちらかへの注意力に基づいて、知覚にトップダウンあるいはボトムアップの要因を支持する偏見をもたらします。 例えば、私の世界のモデルによると、私のガレージの中にある黒いSUVは私の車のみです。違う車に交換したとしても、私はたぶん気づかずに車に乗ってしまうでしょう。私の知覚は、目からくる情報ではなく予想によってコントロールされています。しかし、トップダウンの予測よりもボトムアップの感覚がはるかに私の知覚をコントロールしている混んだ駐車場では、同じ錯覚に苦しまないでしょう。 このモデルがどう働いているのか基本的なことが理解できたところで、これからこのモデルが知覚に関連している一般的な現象とあまり一般的ではない現象をどのように説明するのか見ていきましょう。