★アナトミートレイン®解剖学:肩・頸部・頭部|10月31日23:59まで50%OFF!詳細はこちら

熟練 パート2/2

ムーブメントスクリーンを紹介すると、エクササイズの専門家の多くは、とても躍起になって、動きの完璧さを求め、動きが完璧でない限り負荷やストレスについては考慮しません。これは決して私たちが伝えようとしたことではないのです。 私たちは、最低限の到達レベルと動きの障害に対する戦略的注目について主張してきましたが、多くの人々は、ムーブメントスクリーンを、きついワークアウトや、抵抗、衝撃、三面的動きを体系的に減らすことに使いました。人間の身体を腫れ物に触るように扱い、詳細なコレクティブエクササイズを使って、恐らくは正す必要のない動きまで矯正しようとしていました。 これは残念なことです。なぜなら私たちは、生まれたその日から、決して完璧に動いたことはないからです。将来も、私たちが完璧に動くことはないでしょう。私たちには常に改善できる何か小さなことがあり、ここで問いかけなければいけないのは、「それは障害なのか?」ということです。動作不全は、あなたが到達したいレベルへの前進を妨げていますか? ムーブメントスクリーンに問題がないなら、何か別の問題があるかもしれません。それが私の最後のポイントに繋がります。 全てを正しく行っているとすれば-正確なムーブメントスクリーンができ、根元的な医学的問題も何もないが、クライアントやアスリートにコレクティブエクササイズがうまく働いていないとすれば、するべきことは一つです。  身体に、進行中の医学的問題や構造的異常の既往歴がない状態で、特定のパターンに焦点をおいて、正確に実行されたムーブメントスクリーンの戦略が効果を発揮していないとすれば、そこにはまだ、適応されるべき論法があります。 もしかしたら、環境? グレッグ・ローズと私は、この夏、パフォームベターと共にアメリカ合衆国の異なるタイムゾーンに渡ってツアーをし、Three Principles You Can Apply to Any Movement (どんな動きにも応用できる3つの原則)という、環境から生命体を離すことを徹底的に調べた内容で、カンファレンス前のシンポジウムを行いました。生命体に関わる仕事をする私達は、生命体そのものを問題にしがちです。 私たちは理学療法士であり、カイロプラクターであり、アスレチックトレーナーであり、そして医者です。私たちの前に、戦略的に環境を設計して、人々の身体的概要を形成し、決定づけたのは、コーチ、トレーナー、インストラクター、そして戦術的、および、技術的達人たちです。   私たちが行っていることが環境設計のみであれば、その環境に反応していない生命体が存在するにもかかわらず、私たちは環境設計を続けるでしょう。同様に、環境よりも生物に馴染みのある人々は、環境が壊れていても常に生命体を手直ししようとするでしょう。 グレッグと私は、非常に生物科学的側面からこの課題にアプローチしました。患者やクライアント、そしてアスリートを生命体と呼ぶことは恐らく適切ではないでしょう。そして、我々が触れる全てのものを環境として単純化することは、単純化しすぎです。しかし、ここは私に合わせて、科学的になってみましょう。 動きの健康が確立されていても、動きの機能、環境との相互作用、動きの能力が損なわれてしまっているとすれば、あなたは誤った方向に順応し始める環境に身を置いてしまっている(あるいは誰かに置かされてしまっている)かもしれません。 骨棘、腱炎硬化、機能的脊柱側湾、足底筋膜炎などはすべて誤った方向への順化です。忘れないでください、疲労骨折の一番の原因は人間の脳なのです。自然界において疲労骨折はめったにありません。人間の脳だけが構造的枠組みに疲労骨折を起こすほど愚かなのです。なぜでしょう?量を追求する前に、質を求める尺度がないからです。そのくらい単純なことなのです。 本の通りにすべてを行ったとすれば、-ムーブメントスクリーンがとても良くて、スコアリングも正しく、コレクティブエクササイズの処方も素晴らしいのであれば、原因はあなたにはないかもしれません。あなたは、目の前にいるその人にできる全てのことをしているのかもしれません。あなたがまだ行っていないことは、環境をチャレンジングにすることなのかもしれません。もし彼らが、合計2時間の睡眠で、レム睡眠のサイクルを1回しか得ていないとすれば、身体化学、休息、再生は完全に虐げられています。 もし、彼らの食生活がとても偏っていたり、完全に間違ったサプリメントを摂取しているのなら、感情ストレスがとんでもなく高かったり、目標が現在の能力からかけ離れたものであったり、ワークアウトの指標が、弱点とは180度間逆の方向に向けられているとすれば、問題を正すより、より複雑な状況にしているかもしれません。 次回あなたが、コレクティブエクササイズがもう少し早く効果を発揮しないかと悩むことがあれば、まずは正しいコレクティブエクササイズを行っているかを確認し、次に正しい土壌に種を蒔いているかを確認してください。以前、記事で、農夫は種の質のみに専念しているわけではないというのがありました。農夫は土壌の質にも注意を払っています。生命体を環境から切り離して考えることは絶対にできません。 西洋の医学モデルはそれを試みました。医者が生活習慣を問題にすることはほぼなく、するときは、月並みなきまり文句として、「タバコをやめろ」「体重を減らせ」と言うだけで、誰も直接的な行動はできませんでした。ですから薬を処方するだけの方が、簡単だったのです。健康に相関する数字を探してくれば、合成的にその数字を作って、その数字の効果や生物学的マーカーを減らしますよと。 生命体と環境を同じ硬貨の2つの側面として考えるようにしてみてください。たとえその片面しか見ていなくても、もう一つの面が確実に存在し、その二つを分けることはできないことをよく理解してください。熟練したコーチになりたいのなら、熟練したコーチを模範としてください。コレクティブエクササイズに精通したいのなら、見落としているものがないか十分に確かめてください。 コレクティブエクササイズにおいて、見落とされがちなトップ3の障害は以下の通りです。 不適切に処置されている、あるいは誤って診断されている根源的な医学的問題 機能レベルとフィットネスの独立性と持続性を困難にする休息と再生の習慣 機能的フィードバックのループを度外視して、短期的、またはプロトコール優先になり、実際には問題を複雑化させているワークアウトとエクササイズプログラム

ファンクショナルムーブメントシステムズ 2790字

片脚トレーニングにおける5つの利点 パート2/2

#3 – 抑制 私がスプリットスタンスエクササイズを好んで使用するもう1つの主な理由として、抑制があります。 我々のゴールはコアを“シリンダー”のようなポジション安定させることです:胸郭下部が下がり、骨盤は上を向きます。この姿勢では、横隔膜と骨盤底がお互いに向き合い、身体全身で空気の流れを最適な状態にすることができるポジションになります。 しかし、多くのアスリートは、開いたはさみような姿勢で歩き回っています。胸郭下部は上方向に広がり、骨盤は前傾したポジションにあります。 私たちはこの状態を過剰膨張とも呼びますが、さらにシンプルには、伸展位姿勢とも呼びます。 これは筋肉的にも問題を引き起こします。股関節屈筋群や背中の筋肉群は常に“オン”の状態になり、身体に次の呼吸を引き込もうとします。 この伸展位姿勢に取り組むためには、呼吸の機能不全自体のみでなく、異なった身体のポジションにおいても、“シリンダー”を選手が維持できるようにチャレンジすることにも目を向けなければなりません。 正しく行えれば、スプリントスクワット、ランジ、後ろ足挙上/ブルガリアンスプリットスクワットのようなスプリットスタンスのエクササイズは“後ろ”脚の大腿直筋を抑制し、我々のエクササイズのなかでも、それらを効果的なものにしています。 ここでのフォーカスは、その実行です。かなり高頻度で、選手に足を大きく前後に開かせているのを目にしますが、それでは選手をさらに伸展方向に導いてしまいます(前方関節包も伸張しますが、その話については後日にします)。 そうではなく、中程度の幅に足を開き、前足裏全体を感じつつ、同時に肋骨を下に、骨盤を上向きの位置に維持できるようにします。 これは信じられないくらい単純なことかもしれませんが、選手にこの方法を正しく行わせることができれば、想像している以上にかなり厳しいチャレンジになるでしょう。 #4 – 環境 ずいぶん前にIFASTにおいて、ニック・ウィンクルマンがウォールスプリントドリルをなぜ好むのかについて話をしていました。そのドリル自体がかなり好きだということではなく、選手に加速時の姿勢を教えるための環境を造り出してくれるからだということでした。 個人的に片側性のエクササイズが好きな理由の1つとして、低負荷の環境でアスリートをコーチングできる機会を与えてくれるということあります。 スクワットやデッドリフトのような高重量のトレーニングに関しては、使用している重さのほうにすぐに夢中になってしまいがちです。 技術が正確であったとしても、動きを教える最良の機会を与えてはくれません。 一方で、片側性エクササイズは通常低負荷であり、特異的な姿勢やポジション、あるいは、概念(例えば、重心を改善する)でエクササイズすることができ、選手にすでに備わっている運動能力をより引き出させることが可能になります。 例えば、“足裏全体”という概念について話すことが最近多くあります。これらのパターンは、システムのなかで身体に組み込まれているために、スクワットやデッドリフトのような大きな動きのパターンのなかでチュ木するのはかなり難しいものです。 しかし、クライアントにオフセットのスクワット(ビデオももうすぐ発表です!)、あるいは、ステップアップを行わせることで、彼らに簡単にその概念を獲得させることができます。 コーチとしての私の目標は、まずアスリートの動きを上達させることであり、片側性エクササイズはそれを達成するための絶好の機会なのです。 #5 – 可変性 運動能力の向上に関して、スポーツは3つの面における動きで行われるということは皆知っています。 しかし、ウエイトルームにおいては、スクワットやデッドリフトのような高重量で複合的なトレーニングに夢中になりがちです。 これらが、選手を大きく強くするための素晴らしい方法であるということは紛れもない事実です。 しかし、だからと言ってこれらが、ウエイトルームでするべき唯一のエクササイズであるということではありません。 つまり、多面での動きが起こるスポーツをするのに、ジムに行ったときには、なぜ1つの面(例えば、矢状面)での動きのみを選手にトレーニングさせるのでしょうか? 片側性のエクササイズは、動きの可変性や、多様な姿勢、ポジション、動きの面で自由に動くという能力を維持・体現させてくれます。 このことについての私の考えは:スポーツでは混沌としたことが起こります。誰かが私達に向かって走ってきて、妙な身体のポジションになってしまったり等。 こういった場面で、事態はかなり悪い方向に、急速に向かうことがありえます。 もしあなたが、矢状面でのトレーニングしか行っていないのであれば、かなり堅くこわばり、可動域の制限もあるでしょう。ハイレベルのパワーリフターを想像してください。彼らはパラレルのポジションからさらに下がって特異的な姿勢をとるのに“十分”な可動域を持っていますが、でも、それだけです。 この堅さや可動域制限は、彼らが、そのスポーツでの成功のために作り出した、特異的適応です。 しかし、アスリートは単なる強さだけではなく、様々な身体能力を必要とします。必要なときに曲げられる能力、多面で自由に動ける能力などを必要とするのです。 基本的に、動きに関しては、ある程度の余裕(あるいは、エラーの余地)が必要になります。 動きの可変性向上と安定性と制御の向上を組み合わせた時、片脚、スプリットスタンストレーニングの最大限の利点を得る事ができることは間違いないでしょう。 まとめ 片脚・スプリットスタンスのエクササイズには数々の利点があり、選手により高いレベルでのパフォーマンスを発揮させ、同時に、彼らの健康維持のための質を向上させてくれます。 質の高いプログラムの鍵は、両側性と片側性トレーニングの組み合わせ方を見つけることで、選手に両方のスタイルのトレーニングの効果を獲得させることです。

マイク・ロバートソン 2577字

片脚トレーニングにおける5つの利点 パート1/2

片側性(片脚)トレーニン対両側性(両脚)トレーニングの討論は、ほぼ10年近く繰り広げられてきました。 あるグループでは、片脚トレーニングと両脚トレーニングは(すべての点において)同等であるとかなり本当に信じているコーチがいます。 一方で、選手に片脚スクワットやルーマニアンデッドリフトのようなサーカスのスタントをさせることなど考えもしないというコーチもいます。 だからなんなのでしょう? 片脚やスプリットスタンスのエクササイズは、トレーニングで一番大切なものでしょうか? そうでないのであれば、プログラムにどんな役割を持っているのでしょうか? 私の経験に基づくと、運動能力向上プログラムにおいて、これらのエクササイズの役割は確かにあります。片脚、あるいは、スプリントスタンスでのエクササイズをプログラムに含むべき5つの潜在的な理由をここに挙げます。 (注:読み進むにつれ、手短に表現するために、シングルレッグとスプリントスタンスエクササイズをそれぞれ“片側性”エクササイズと言及していきます。科学的に100%正しいのはわかっていますが、より良い執筆のためにその名前を使用することを許していただけると幸いです。) #1 – 筋力 まずはこれを片付けておきましょう。 両側性と片側性のエクササイズにおける筋力向上の効果を比較することはできません。それはまるでリンゴとオレンジを比べているようなものです。両脚でのエクササイズが常に勝るのです。 私は過去にこのことについて広範に話しています:基本的なバイオメカニクスは、両側性のエクササイズから片脚、あるいは、スプリンットスタンスのエクササイズに移行すれば、即座に主動筋の出力が低下することを教えてくれます。 支持基底面が狭くなるということは、主動筋の出力が下がり、固定筋の機能が上がるということを意味しています。 さらに、両側性のエクササイズでかかる負荷は、スポーツの活動中に見られるものにかなり似ています。そのため、今はその討論は一区切りさせようと思います。 しかし、そこにはメリットがありますから、それぞれの脚を独立して強化するという考え方を捨てることはしません。 運動制御プログラムは独特なものなので、片脚の状態で身体を強化する事は間違いなく有益であると考えます。 しかし、おそらくより重要な事として、私たちは完全な左右対称の生物ではないということは周知の事実でしょう。 身体内部構造、傷害、積み重ねてきた代償動作、あるいは、それぞれのスポーツのバックグラウンドによって、私たちは左右非対称なのです。 片側性トレーニングのもっとも大きな利点の1つは、それぞれの脚で独立して筋力強化することができるということなのです。両側で行うトレーニングと同程度の筋力をつけることができないとしても、それだけで価値がないということにはなりません。 そして事実、次の4つのポイントがスプリットスタンスや片脚エクササイズをするべきだと考える本当の理由になります。 #2 – 安定性 前述の通り、両側性から片側性のエクササイズへ移行すると、支持基底面(BOS)は小さくなります。 支持基底面が小さくなることで起こる問題は、高重量を動かすことができないということです。主動筋の出力が下がり、固定筋の機能が上がります。 次のシナリオを想像してみてください: あなたが背中にバーベルを背負って高重量のスプリットスクワットをしています。セットアップしようとすれば、常時倒れないようにバランスをとる努力をします。 セットアップを“ちょうどよく”しようとして、頻繁に足の位置を直そうとするでしょう。 まず、このことがまさに両側性のエクササイズと同等の負荷をこれらのエクササイズではかけることができないということです。ここでの主な目的はおもりを上げることではありません。ばたんを倒れないようにすることが目的なのです。 しかし、ここにこのエクササイズの本当に利点があります。 スプリットスタンスや片脚でのエクササイズをすることで、効率よく身体を安定させ、制御する方法を身につけさせることができます。 これはまた片側性のトレーニングに関して、特に早い段階では負荷に主な焦点を当てるべきではない理由です。繰り返しますが、負荷をかけたいのであれば、スクワットやデッドリフトのバリエーションのような両側性の高重量のトレーニングを使用します。 そうではなく、安定性と制御に焦点を当てたいのです。高重量のスクワットやデッドリフトのように魅惑的ではありませんが、選手の動きが良くなり、回復力が上がれば、結果は明白でしょう。 私の意見ですが、コア、股関節、膝関節、足関節、足部を効果的に安定させる方法を身につけることが、片側性トレーニングの大きな利点であり、見落とすべきではないのです。

マイク・ロバートソン 2088字

動きの原則 パート2/2

動きの原則2:守る、正す、発展する 基礎動作ができていないとすれば、フィットネスおよび健康への道のりは、補助的なエクササイズからは始まりません。補助的なエクササイズから始めることは、質の前に量を重視する考え方であり、機能不全という土台の上にフィットネスを構築しようとしているにすぎず、部分にしか注目していません。一番目の原則は、どういわけか順序が覆され、人々は沢山動くことで、より良い動きになると期待してしまっているのです。そんなことはありません。動作の問題は、頻度が高くなればなるほど悪くなる一方です。 解決方法はシンプルです。フィットネスの基準を下げるのをやめることです。動作の標準値を高めれば、昔の基準を満たすことができます。また、部分に焦点を置くこともやめるべきです。還元主義、動きを孤立した部分に分解することは、筋骨格系の障害を減らすことにつながってはいませんし、それによってより健康になるとか、フィットネスレベルが上がるということもありません。 パターンや連続性は、生物学的生命体の働きにおいて最適な方式であり、それこそ私たちが重視するべきものです。 原則1はなぜ機能するのでしょうか?私たちはなぜ動くのでしょうか?動きは私たちに機会を与えてくれるからです。発達はSAID原則(Specific Adaptation to Imposed Demand: 身体に一定の負荷をかけると、身体はその負荷に見合った適応を示す)を通して起きるというのが、基礎動作の基盤にあります。 沢山動く前に、より良く動く。この順番は、私たちに最大の機会とリスクを与えてくれます。沢山動く前により良く動くことはまた、環境への最適な適応を可能にします。 少し戻って、リスクという言葉について考えてみましょう。リスクは、修正する前に必ず保護し、それが発達へとつながります。という原則2を知っていれば、それほど恐れるべきものではありません。共通の真実に戻るとすれば、私たちは、強さを育み、身体が優雅に年齢を重ねるうち負かすことのできない自然の能力を信じていますが、同時に自然は、私たちの個人的な発達や特定の発達に関して考えたりしませんし、気づいてさえいません。 自然は偉大であると同時に厳しくもなりえます。自然は、私たちの適応や発達を待ってはくれませんし、時には生き抜くことを許さない教訓さえ与えてくれます。二番目の原則は、失敗しない環境を作ることを要求するものです。 SAID原則は、より重い重りを持ち上げたり、より速く走ったり、より高く登ったり、より激しく泳いだり、より大きな対戦相手と戦ったりすることの唯一の理由として使われるべきではありません。こういう考え方は、より良くなる前に、より沢山行うことを強いてしまいます。 この声明は、いかなる場合にも否定的に受け取るべきものではありません。成功の追求は、大きなリスクと失敗を伴います。各段階において、失敗しないことに集中し、新たな能力に対する安定した基盤を作りましょう。 残念なことに、私たちは望む成功を見るばかりで、ゆっくりとした成長、長期間にわたる好結果の発達を作り上げる文化的アプローチを受け入れていません。運動科学において、初期の段階での特化を支持するものはありませんが、それが現在では標準のようになってしまっています。 生産的なフィードバックがない、またはリスクにさらされる機会から保護をしてください。 学習の過程にある見誤った障害を強調することで、フィードバックを修正してください。 自立性と生産的な自己規律を推進するため、豊富な感覚的経験、明確でしっかりとしたフィードバックを使って段階的に発展してください。 現在のレベルに精通し、自立し、かつその状態を維持できるまでは、次の発展レベルには進みません。 原則2は倫理的原則であり、身体を痛めるよりは、プライドを痛めるべきです。 原則3:哲学を実行するシステムを創出する 発達の段階的レベルを考える時、私たちはその本質よりも早く安全に発達できると信じています。この信念が原則3へとつながり、哲学を守るシステムを創出するというところへつながります。 原則3は実践的な原則です。 標準操作手順と聡明な選択が、私たちに健康とフィットネスをゆだねる人々を守ります。 でもシステムはどこから始めたら良いのでしょう?私たちは認識することなしに何かを知ることはできません。基準なしに先へ進むことはできないのです。先ほど、動きは、血圧や体温その他の要素同様に間違いなく生命に必要な生命徴候であると主張しました。 その長いリストとは異なり、私たちは現在動きを生命徴候として理解するための基準を持っていません。 基礎動作のパターンを見るシステムがあれば、基準ラインを作ることができます。 その基準ラインがあれば、欠けていたり、不足していたり、機能していない基礎動作を確認し、表現することができます。もし動きが生命徴候やその能力を満たしていなければ、これは機能不全であり、環境的標準以下であり、欠損です。(必要だが十分ではない)この状態を同僚や医療の専門家に共通の言語を通して伝えることで、責任と説明責任が強調されます。 動きの問題に関する共通言語と知識があれば、個々人が基礎を取り戻す手助けができます。保護し、修正し、発達する戦略を決定するためにそれらの数値を使うことができます。こうして、戦いの前のチェックリストが出来上がるのです。 FMSはフィットネスのインテイクのために使うことができます。フィットネスを構築するための基準ラインを確立し、適切な医療機関への紹介をするために必要な健康問題を判断することができます。FMSはリハビリを終える判断をする基準として設定することもできます。この人は沢山動くことができるほど健康か?発達に関してはどうか? 怪我の危険因子のトップは何か知っていますか?そうです、過去の怪我です。とても多くの人が、適応不順、過去の怪我、不適切な環境の選択による能力不足を示す生命兆候がなくなる前に活動を許可されてしまっています。現在のシステムは、うまく機能していないのです。

ファンクショナルムーブメントシステムズ 2625字

動きの原則 パート1/2

身体発達やリハビリテーションを考慮した哲学、プログラム、システムには、基盤となるべき共通の真実や原則があります。 みなさんは下記の声明に同意するでしょうか…私は強く信じています。 私たちは、自分自身または他者を、その本質よりも良く発達させることはできない 私たちは、自分自身または他者を、その本質よりも安全に、より早く発達させることができる 適切な漸進は、次の段階に進む前の発達の1レベルを習得することである これらは原則ではありません。これらは環境の中で生きるための基本概念であり、必要以上に重視するものではありません。それを簡潔に深く表現した環境学者アルド・レオポルドの言葉を借りると、 「完全性、安定性、美しさを保つ傾向にあるものは正しい。そうでないものは誤りだ。」 ファンクショナルムーブメントシステム(FMS)を開発する段階で、これらの真実は10の動きの原則を通して表現されました。動作の観察、スクリーニング、評価、治療をガイドする、詳細で、多面的な行動指標です。 そう、これらの原則は明確に表現することが難しく、学ぶ側にとっては、さらに覚えるのが困難なものでした。私が今も10全てが当てはまる(本当にそうです…読み続けてください)と信じているのと同じくらいに、これらをFMSの哲学の根底に応用すれば、さらに良いものができることもわかっていました。 一貫したテーマにしぼった、動きの根本前提になるものを集めて組み立てていく中で、私はそのことを実感しました。テーマは、明確に見極められるものであり、極めて単純なものである必要がありました。アインシュタインが言ったように、「物事は可能な限り単純にするべきだが、単純すぎてはならない。」のです。 その哲学は、3つの動きの原則に抽出することができます。これらは単純ですが、私たちの理解を高め、努力を導いてくれる、身体発達における全ての側面が含まれています。 原則1は、まず動きを良くし、それからより頻繁に動くべきであると説きます。 量を気にする前に、質の最低ラインを探しましょう。良く動くことが基準であるならば、頻繁に動くことは、予測できる結果です。 原則2は、私たちがケアしている人々の動きを守り、修正し、発達させる方向に導きます。 ヒポクラテスの宣詞に従い、まずは害のないことをし、それから、自立性と持続可能性を持った方向に進めていきます。 原則3は、私たちの哲学を強化するシステムを創出することです。 標準操作手順の実行、聡明な選択の実践は、望まれる成長と発達におけるリスクとチャレンジの比率と常に合致します。 原則1を信じるならば、原則2においても原則1を尊重します。 原則2を行うためには、原則3を取り入れます。 これらは単純な声明ですが、私たちが今現在、発達をどのように見ているかを深く考えさせてくれます。 私は、サイモン・シネックの「WHYから始めよ!」が好きですが、共通のなぜを見つけることが、我々が動きを議論する際の出発点です。多様なバックグラウンドや職業を持っていても、共有している原理の中に共通性はあるのです。 常に、何をするか、どのようにおこなうかは比較的簡単に判断できますが、なぜの部分は大抵欠けているか、忘れ去られてしまっています。「なぜ?」は最も重要な問いであり、なぜに対する答えは、私たちがとる専門的な行動への感情的な結びつきとなっています。 私たちは、あまりにも長い間、共有の専門的な“なぜ”を持たないまま働いてきてしまいました。そしてそれ自体が、動きの健康に関する現在の問題の一部なのです。なぜという問いかけのないまま、動きの基本を誤って見てしまっているのです。 私たちが行っている全てのことの背景にある、このなぜという問いかけが、次の3つの原則にあります。これらの原則を学び、熟考し、吟味し、実行してください。それらができれば、解決策を見つけ、解決策を創出する道筋は整います。 動きの原則1:動きを良くし、それから頻繁に動く 原則1は、まず動きを良くし、それから、より頻繁に動くべきであると説きます。私は、これは自然が私たちに教えてくれる人生の教訓だと強く信じています。この原則は、動物や、身体的にも精神的にも最も健康な人々によく表れています。 原則1は自然の原則です。 この能力-上手く動くこと-と、許容量-頻繁に動くこと-の美しい相互作用を保つことが、毎日仕事に行く理由であることを願っています。これは正に私の原動力なのです。 現在の多くのフィットネス哲学が何と言おうとも、この原則は逆の順序で作用することはなく、守られなければならないものです。不完全な能力の上に許容量を構築することは自然ではありません。少なくとも自然界では、それは良い結果をもたらさないことが多いのです。 FMSのロゴに原則1を取り入れていることに気づかれたかもしれません。頻繁に動くの後に句読点が欠けていることは見落としではなく、洞察です。良く動くの後のピリオドは、私たちには許容量を高めていく前に、生物学的指標が必要であることを意味しています。文の最後に丸がないことは、持続性を象徴しています。 上手く動くことは、適応を可能にします。発達の機会が与えられるからです。そして頻繁に動くことで、環境との接点を保ちます。 私たちは反応するために十分なほど上手く動くべきであり、適応するために十分なほどより頻繁に動くべきです。上手く動ければ、環境的なシグナルに適切に反応することができます。それは、段階的な動きの学習に欠かせないフィードバックをセットアップします。頻繁に動くことができれば、パターンや組織が適応するための時間にわたって、十分な量を得ることができます。 私たちは、動きを、そのものとして見る必要があります-生命の最もわかりやすい指標-真の生命徴候です。発達モデルを考えると、私たちは可動性を持って生まれ、安定性を獲得していきます。そして基礎から機能的な動きへと移行していきます。非常にレベルの高いランニングやクライミング技術でさえ、原点は原初パターンにあるのです。 この驚くべきプロセスを理解することは、動きが知覚と行動を通して行われていることを理解することです。 今日の動きを見るとしたら、何が見えるでしょう?現在の見解では、基礎動作のパターンは低下しています。生まれながらに持っているべき動きの質が欠けている人々がいるのです。 1954年のクラウス・ウェーバーテストを見てみると、アメリカ人の子供の57.9%は、ヨーロッパの子供は8.7%しか失敗しない、姿勢のフィットネステストに失格しています。そのため、アメリカは過去半世紀にわたり、軍隊の基準を継続して減らす必要に迫られているのです。 この低下は、私たちの環境が、快適さと便利さに適応してきた証です。私たちは環境に適応することをやめ、代わりに私たちの必要に応じて環境を変えてきたのです。その結果はほぼうまくいっていません。環境にとっても、そして私たち自身にとっても。 数年ごとにフィットネス関連の改革はあり、学校をより健康的なものにするよう努力する動きはあるでしょう。しかし、業界としては健康問題にフィットネスによる解決策を推進しており、大衆は通常喜んでこれを受け入れているようです。 この状況をうまく表しているのが食べ物です。自然で全体性を持つ食品を食べていた時、私たちに食餌法という前置きをする必要はなく、栄養素を摂取するためにサプリに頼る必要もありませんでした。同様に、機能的という言葉を動きに加える必要はないはずなのです。 もしそれが機能的でないのなら何故行うのでしょうか? ビタミンであれ、なんとなくやっているエクササイズであれ、何かで補うことはほとんど役に立たず、もちろん持続可能な解決策ではありません。

ファンクショナルムーブメントシステムズ 3368字

アスリートの天性の加速力を向上させる4つの戦略 パート2/2

#3クロスオーバーラン 子供のころ、コーチが”横に動くとき、足をクロスするな!“と叫んでいるのを聞いたことはありませんか。もしそうであれば、そのように伝えた人達はかなり間違っていました。アスリートは実際に足をクロスしません;彼らは単純に股関節を回し、身体を低くして、上半身をシャッフルさせているのです。 これはどういうことでしょう?バスケットボール選手や野球の内野手がデフェンスの時に横方向にシャッフルしているところを想像してください。ディフェンダーがシャッフルできるスピードでボールが動いていれば、シャッフルを使うべきです。しかし、アスリートがシャッフルを使えないスピードと距離でボールが動いていれば、自然とクロスオーバーランになるはずです。この技術はかなり素早い動きですが、自分の前にいるボールやプレイに対して頭や肩を向けた状態でいられます。ですから、私はクロスオーバーランを下半身でのラン、そして上半身でのシャッフルと呼ぶのです。 これが天性の動きであると私が言う理由は、アスリートは移動しなければないならい距離とプレースピードの知覚に基づいて、クロスオーバーの動作を即座に直感的に行うからです。 次のことを試してください: パートナーにテニスボールを持って自分の10−15フィート前に立たせてください。パートナーと向かい合って、アスレチックスタンスをとってください。パートナーはボールをあなたの右側か左側に向かって空中にトスし、あなたは動いてそれをキャッチしなければなりません。ルールは、どんなときでもボールをキャッチするときはシャッフルをしなければならないということです。しかし、シャッフルでそのボールをキャッチできる範囲を超えていると感じた場合は、クロスオーバーランを使うことが許可されます。ボールがシャッフルでキャッチできる範囲を超えた時はどんな時でも、自然にクロスオーバーランを使っていることに、おそらくとても驚くことでしょう。動く方向は織り交ぜ、10−15回行います。 #4直線のリポジショニングステップ(プライオステップ) 高校のフットボールコーチが、私たちが、彼が“フォルスステップ”と呼ぶステップを踏んでいると叫んでいる声が未だに聞こえます。多くの人にとってフォルスステップとは、アスリートが前方に動く前に、後ろにステップを踏むことを意味します。この動作は、アスリートが反応し、まっすぐ前に、あるいは、角度をつけた方向へ動かなければならないすべてのスポーツで起っていると言えます。過去何年も私がびっくりさせられているのは、アスリートはかなり頻繁にこのステップを踏んでいるという事実にも関わらず、“なぜそのスッテプを踏むのか”と疑問に思うコーチがほとんどいないということなのです。説明させてください・・・。 攻撃する、あるいは、逃げるという動作を素早く行うために設計された闘争か逃走の生存反応に戻りましょう。この反応が、素早い加速として実現されるためには、身体が正しいアラインメントにならなければなりません。加速するためには、私たちは動く方向とは反対方向に地面を蹴らなければなりません。アスリートがアスレチックスタンスでいる場合、脚は重心の真下にあり、これは残念なことに、加速するための素晴らしいポジションではありません。蹴り出す足は身体より後ろにある必要があります。刺激が起こり、アスリートが反応し、動く方向も分かっていれば、地面に対し適切な角度の力を産み出すために、足は自然にリポジションするでしょう。私はこれをプライオステップと呼んでいます。 プライオステップ、またはリポジショニングステップは、より効率よく、より直接的な角度にもっていくだけでなく、神経筋系にインパルス、あるいは、伸張反射を与えるために起こります。このことで、接地時間を短くし、より爆発的にさせることができます。 このことが、フォルスステップが問題であるという考え方と直接的に対峙します。加速するという素早い認識に基づき、身体が足をリポジショニングするには理由があるのです:足が接地すれば、より効率的な加速角度とより素早い接地反応時間が必要になります。 次のことを試してください: 下肢を平行なアスレチックスタンスでパートナーと隣合うようにして立ってください。二人で10ヤードのレースをして、どちらが勝つか勝負します。パートナーの方が“GO”と言います。パートナーが“GO”と言って、二人はスタートし、レースをします。いつ動きだすのか正確には分からないため、あなたはおそらくプライオステップを踏むことになるでしょう。そして、多分パートナーもそうでしょう。これを6−8回行ってください。 まとめ アスリートは素早く動けるように設計されているので、彼らがすでに持っている天性の能力を引きだすためにドリルを使用します。この戦略によって、アスリートをより素早く加速させながら、彼らが使用しているメカニクスや姿勢を磨くことができるようになります。

リー・タフト 2141字

アスリートの天性の加速力を向上させる4つの戦略 パート1/2

コーチやアスリートが“40”のタイムについて自慢していることを読んだり聞いたりすることが多くあります。正直に言うと、40ヤードを4.3秒以下で走るアスリートを見ることは、衝撃的な出来事です。しかし、センセーショナルなことは置いておくとして、試合でプレーするためには、40ヤードのタイムよりも、10フィートを走る能力がより重要なのです。 アスリートはかなり短い時間でかなり多方向に動くことを要求されるので、40ヤードのトレーニングをすることは、ある特別な理由(例、混合)を必要とするのはお分かりになりますね。そういうことから、アスリートの天性の加速力を向上させる4つの戦略を皆さんと共有したいと思います。これらの戦略のかなり優れたところは、野球選手の盗塁時のスタートを信じられないくらい良くすることもできるということです。これらのテクニックによって、内野手にとっての欠点である、頭上を超えるポテンヒットを解消させることができるでしょう。バスケットボール選手も、サッカー選手も、フットボール選手も、テニス選手もこの戦略で加速力を向上させることができます。 では、天性の加速力とは何を意味しているのでしょうか?身体はかなり精巧な設計で造られています。身体は恐れを感じる能力があり、さらにそれに攻撃する、あるいは、それから逃げるための能力を持っています:闘争・逃走反応。私はこれを取り入れることで、アスリートをさらに速くする方法を学びました。この反応は生まれつきのものなので、我々がコーチとしてするべきことのすべては、アスリートをその状況下におき、この闘争・逃走反応を引き出すことなのです。ここに主な4つの戦略を紹介します。 #1:方向性ステップ コーチやアスリートにとって、この方向性のステップは戦略というよりも“動作”になります。しかし、加速をより効果的に行うために、身体が駆使する戦略と考えることもできるでしょう。説明させてください・・・ 野球選手が盗塁をするときの“アスレチックポジション”を想像してみてください;選手は右方向に素早く加速することが必要になります。それぞれの脚が重要な役割を担います。後ろ脚は動く方向(横方向)へ身体の重心を押し出す役割を持ちます。身体の押し出しが起こっている間に、前脚には、動いている体重を巧みに利用する素晴らしい機会が与えられます。身体を動かし続ける(加速する)最良の方法は、身体の下で下方、後方に押しだすことであり、そうすることで、前脚は体重を加速し続けることができます。ここで、“方向性のステップ”が関わってきます。 身体が下方・後方に押し出したいのであれば、神経筋系がそのためにポステリアチェーンの筋肉(臀筋、ハムストリングス、ふくらはぎの筋肉)を使用することは理にかなっています。身体が生み出した創造的な戦略は、リード足を外側に開くことで、移動する方向に向かせることです。このことで、本質的に、アスリートは、スプリンターのブロックからのスタートのようになります:リード脚も力強く、下方・後方に押します。なんと素晴らしい戦略でしょうか! さらに深く見ていくことで、方向性のステップが重要になる理由を理解できますが、その動作が実のところなんであるかを考えてみましょう。身体を側方向のスタンスから、直線のランで加速したい場合(盗塁時のジャンプ)、リード脚を外旋することで、足部を外側に開き二塁方向に向けることは、実際に後ろ脚で押し出す動作の補助になります;“作用反作用の法則”と呼ばれています。つまり、リード脚が外に開く(作用)と、その力はまだ地面に接している後ろ脚へ伝わります(反作用)。端的に言うと、方向性のステップとは身体がより素早く動くために生まれ持った素晴らしい戦略なのです。 これを試してください: パートナーを自分の前に立たせ、右か左のどちらかを指す準備をさせます。方向を指し示したら、その方向にターンし、10ヤード加速します。6−8回繰り返すことで、方向性のステップを駆使して、アスレチックポジションから右か左へ加速する能力を構築することができます。 #2:股関節のターン 股関節のターンは、体がアスリートに与えてくれた素晴らしい戦略です。とはいえ、十分に熟練していない、または、スムーズに行えないアスリートもいます。幸運なことに、いくつかの修正アプローチやドリルによって、それを修正することができます。股関節のターンは、アスリートがアスレチックスタンス(内野手やテニス選手のような平行のスタンス)から素早く抜け出し、向いていた方向からリトリートする、あるいは、そこから別の方向へ動き出す方法です。 バスケットボールでは、コーチは良くピボットを教えます。ピボットでの問題は、足を地面に接しながら足を回すため摩擦が必要になるということです;これは敏捷性にとってはいいことではありません。繰り返しになりますが、幸運なことに、身体はアスリートが逃走・闘争反応を素早く行うことができる天性の能力を持っています。股関節をターンしている間に、足を地面からほんの少し持ち上げて、後ろ脚が地面を蹴って離れるために、股関節と脚を空中で素早く回します。アスリートの身体が浮いていないことを確認することが重要になります;むしろ、股関節と下肢は単純に回旋し、地面から離れます。テニス選手が、頭上を超えたロブを追いかけるために素早く切り返すところを想像してください。彼らの駆使している動作というのは、ボールを追って加速するための股関節のターンです。 基本的には、股関節のターンとは、アスリートが加速するためのよりよい角度へ、脚と足部を持っていく方法なのです。これは身体が生まれつきもっている素晴らしい戦略であり、股関節と脚が向きを変えた時に、後ろ脚は実際には伸展し始め、地面に接する直前に“押し始め”ます。結果として生じる衝撃、あるいは、筋肉の伸張反射によって、アスリートは素早く加速を始めます。繰り返しになりますが、後ろ脚・足は積極的に地面を押し出します:これは“プライオメトリック”反応であり、素晴らしいスタートスピードを産み出します。 試してみてください: パートナーを自分の後ろに約12フィート離して立たせ、肩の高さで身体の横に向かってテニスボールを持たせてください。パートナーに背を向けて、アスレチックスタンスで立ってください。パートナーが“GO”と叫び、同時にボールを落とします。これに反応して加速し、ボールが2回バウンドする前にキャッチしてください。これは、股関節のターンを精巧にさせ、改善するための素晴らしいドリルです。右と左にターンするのを5−6回行ってください。

リー・タフト 2820字

馬券売り場へ行くことは、脳、運動、痛みに関して、あなたに何を教えてくれるでしょうか? パート2/2

実践への移行 キャッチボールのような簡単な動作で、どのように予測が展開されるのかについて考察してみましょう。まず最初に、以前にキャッチボールにおいて、“良い”経験がある人の観点からこれを考察してみましょう。 ほとんどの人達、特にスポーツを楽しんでいる人達にとって、キャッチボール相手の手の中にボールを見るとすぐに、この一連の感覚情報と関連性を持ちます。私のこれまでのキャッチボールの経験が私を幸せな気持ちにしてくれるかもしれません。そして、幸福ニューロンとボールからの視覚刺激によるニューロンの活性化の結合が起こっています。これが蓄積された神経パターンです。 私の脳は、視覚刺激への予測として、キャッチボールの運動プログラムを整理し始めるかもしれません。そこで起こりそうな状況は、‘ボールが私のところに飛んでくる、そして、キャッチする必要がある’ということです。 では、もし前回、ボールが私の顔に投げつけられていたらどうでしょうか? 感覚入力と私の関連性は、全く異ったものになるかもしれません。突然、恐怖と不安に関連するニューロンが活性化されます。そして、交感神経系とストレス反応に関連するニューロンに火が付きます。脳の運動野は、一歩後ろに下がる、あるいは顔面を防御するための行動計画を作り出すかもしれません。同じ視覚刺激でも、これまでの経験に基づいた 多くの相互依存のサブシステムにおいて、かなり異なる予測を作り出すかもしれないのです。 私の息子がまだ小さかった頃の事を例に挙げてみましょう。私はボールを拾い、彼に向かって投げましたが・・・何も起こりませんでした。彼に向かってボールを投げると、彼にはまだボールをキャッチする準備をする運動プログラムが構築されておらず、ボールはただ彼の胸に当たって跳ね返っただけでした。 なぜでしょうか? ただ単に、彼は結果の予測を作り出すために利用すべき、記憶を持っていなかったのです。この記憶を獲得する必要があるのです。彼は、ボールからの視覚刺激が何を意味しているのか、その際に彼は何をする必要があるのかを学習する必要があります。そして、私の仕事は、彼がそこから学習できるように、ハッピーな学習体験を提供してあげることなのです。 キャッチングは、ボールの軌道と力に依存している独特な筋肉の活性化パターンを持っていますが、この処理すべき現在の情報、活性化と運動の結果、あるいは予測はまた、知覚される最良(かもしれない?)の結果を作り出すための、これまでの経験に影響されているのかもしれません。 このプロセスは良いのでしょうか?それとも悪いのでしょうか? もちろん、両方であり得るでしょう。そういうものなのです。 予測は、潜在的に‘過保護’になり過ぎることがあるかもしれません。もし問題があるとわかっていたため、ある行動を回避するならば、問題が発生しないことによって、予測は真実になります。回避することによって、有害転帰を被らないというという可能性です。 急性傷害の状況において、防御行動が今後の傷害を防いでくれると完全に保証するかもしれません。しかし、この防御的な予測の維持は、傷害が治癒した時点で問題となるかもしれないのです。 この予測は、荷重耐性のような身体的要因に影響を与えるでしょうか? では、ここでもまた、これを状況に当てはめてみましょう。 私は前屈時に痛みがありますが、前屈をしなければ痛みはありません。前屈が問題であるという私の予測は真実となり、今後、前屈が問題を引き起こす可能性はより大きくなります。従って、今後に関する私の予測は強化されます。 もし私が前屈をすれば、能動運動部位が、損傷の可能性に基づいた制限要素として、硬直、あるいは痙攣へと移行することによって作用するかもしれません。それらの部位は、正常にバランスのとれた筋反応によって調整されず、不均衡な身体的反応よる不適応なプロセスによって調整されているかもしれません。身体的発生要素はとっくに無くなっているかもしれませんが、関連する行動は残存するかもしれません。異なる状況下では、これらの筋肉は硬くも弱くもないかもしれないのです。 私達は、治療で使用される負荷の増加をの増大を目にしています。これは、局部的な細胞反応にとって素晴らしく、不可欠であり、組織の‘ホメオスタシスのゾーン’を増大させるものです。私達はしばしば、関連のある領域での身体的負荷と身体的・生理学的適応の発生を可能にするために、予測行動に取り組まなければなりません。 恐らく、身体的側面よりも、習慣を打破することは、いかなる治療アプローチにおいて最も重要なことであり、身体的要因が影響されることをも可能にしています。 スポーツにおいて予測が利用されているのを常に目にしています スポーツにおいて、私達は、反応することが不可能のような特定の状況において、予測を必要とします。一つの例として、テニスにおいて、私達は予知反応の使用を目にします。エリートテニスプレイヤーのサーブは、人間の反応時間の域を超えているかもしれないという仮定さえたてられているのです。 これは、知覚−行動プロセスとして議論されています*ここをクリックしてください*。知覚するために、私達は、その身体的合図が何を意味するのかに関して、いくらか蓄積された記憶を持たなければなりません。これは、テニスの状況において、初心者プレイヤーよりも、エキスパートプレイヤーのパフォーマンスの方が優れているという事実によってある程度示されていますが、これは非特異的反応における状況では示されていません。 興味深いことに、エキスパートプレイヤーの反応時間は、機械を相手にしたときよりも、生身の人間を相手にしたときの方が速かったのです。ここでも、蓄積された記憶と関連のある身体的合図の増加は、予測的プロセスと反応時間を向上させたということを潜在的に強調しています。 ここに、スポーツにおいてアスリート達が使用する、対戦相手のアスリート達の予測能力を逆手に取るいくつかの状況があります。 テニスにおいて、プレイヤーは、対戦相手を反対方向へ移動させるために、工夫してボールを特定の場所に打ちます。 ボクシングにおいて、ボクサーはカウンターを打つために、パンチをフェイントして対戦相手の反応を引き出します。 サッカーにおいて、PK戦ではゴールキーパーを反対方向に跳ばせるために、その方向に視線を送ります。 多くのスポーツが、‘ゲームを読める’選手を話題にします。これは、より優れた記憶−予測モデルなのかもしれません。 慢性痛に対する影響 これは、痛みの記憶’という概念を持つ慢性痛に関して着目されていて、以前に、私はこれに関する詳細を記述しています。 これは、痛みの関連性が神経パターンとして、あるいは‘記憶’として蓄積されるようになるところであり、もしかすると、身体からの傷害シグナルが無い場合に思い出され、ひょっとしたら固有感覚シグナル、あるいは行動目的/計画とさえ結合されるようになるかもしれません。 このパターン認識、脅威に関連する知覚、関連する防御の感覚予測と運動予測が、特定の運動、あるいは身体の特定部位からの運動に反応した、慢性痛患者の振る舞いにおいて見られるもののいくつかを、いくらか説明可能にしてくれるかもしれません。 覚えておいてほしいこと ここに脳機能の記憶−予測/ベイズ推論モデルに着目することによって、活用することことができると私が感じるいくつかの基本事項があります。 状況が鍵。単に筋肉、神経、関節等ではなく、習慣と行動に注意を向けることが、長期的変化をもたらすために重要である。 蓄積・読み出しを行うために、新しい有益な経験を作り出す。これは、今後の予測的行動に影響を与えるかもしれない。 私達の心理的信念が、運動行動に影響を与えることができる。 私達の運動行動が、局所的な組織耐性に影響を与えるかもしれない。

ベン・コーマック 3376字

馬券売り場へ行くことは、脳、運動、痛みに関して、あなたに何を教えてくれるでしょうか? パート1/2

これは、私達が予測的な脳機能の理解と、その論題に答える手助けをするための私のお気に入りの例えの一つです。最初に、馬券売り場に移動しましょう。 あらゆる自尊心のある“賭け事をする人”は、彼等が賭けようとしているチーム、あるいは馬の調子を熱心に研究するでしょう。そうでなければ、ただ単に手痛い出費を負うだけです。 あなたは下記のように自問するかもしれません: 最初に、彼らは歴史的に勝者なのか?そして、優れた実績があるのか? 次に、あなたは、彼等が最近勝っているのか、負けているのかといった、現在の調子を調査したいかもしれません。 もし私達がマンチェスター・ユナイテッドFCに着目するなら、彼等は20年以上にわたり偉大な勝利の歴史を築いていますが、ここ数シーズンの彼等のパフォーマンが、現在のパフォーマンスに対する自信を抑えることになるかもしれません。 基本的に、2つの要素があります: 1. これまでに何が起こっているのか? 2. 今現在何が起こっているのか? それらの両方が、今後起こるであろう事に関する私の予測に影響を及ぼすでしょう。賭け事の世界では、それが賭ける金額と直接的に関連するのです!  私は、不確実な将来の状況を成立させるために、私の将来の活動を形作る確率比、あるいは尤度比を作り出すために過去と現在の状況を利用しています。 この概念は、18世紀にトーマス・ベイズ師が提唱した‘ベイズの定理’による統計に関連して検査されました。‘ベイズ推論’は、脳機能を含む数多くの状況に適用されています。 では、ベイズ推論は、脳、運動、痛みとどういう関係があるのでしょうか? これぞまさに、私達の脳の働きの仮説となっているものなのです。 潜在的な結果の確率を算出するために、コンピューターのように起こりうる全ての結果を計算するというより、私達は自動的に現在の状況をこれまでの経験と結びつける可能性があり、そこから適切な対応を考案するという、記憶−予測モデルを使用するとされています。 私達は、記憶を感覚情報、あるいは行動計画のような意図とのマッチングを通して、これらの記憶を引き起こします。蓄積された神経パターンを現在の感覚入力とマッチングすることは、潜在的な結果の確率を作り出します。 予測的脳機能に関して、より賢い人たちによって精査を受ける、私自身の単純なモデルがあります。 パターン−感覚情報、あるいは意図パターンに応じてアクセスするための蓄積された神経パターン 知覚−蓄積されたパターンと実際の感覚入力の解釈 予測−知覚に応じた出力プログラム もし私達が、知覚された脅威への反応としての痛みについて考察するならば、私達のこれまでの経験は潜在的な脅威に対する現在の知覚に影響を及ぼすでしょう。これは、痛みとの関係性に関して、モーズレーやメルザックはじめとする研究者達によって、すでに議論されています。 なぜ脳はこのように機能するのでしょうか? 提案する一つの理論は、脳は膨大な力を持っているが、実際は、その働きにおいては非常に遅いということです。潜在的な理由は、人間の生物学的本質です。ニューロンが脱分極を通して活性化され、活動電子が発生されるとすぐに、ニューロンは再分極する必要があり、このプロセスは、その静止状態に戻るまで時間が掛かります。 これは、変化するために細胞内の要素のバランスを必須とするプロセスで、私達は、膨大なニューロンを持っていますが、特にそれらが不応期の際には運動が(幾分)遅いのです。 この予測的な働きはまた、肉体行動の制御を分散化しているモデルの理由としてしばしば挙げられる末梢からの情報の処理時間において、待ち時間(遅延)を減らすかもしれません。 なぜこれが重要なのでしょうか? 私達は、身体的行動を生じさせるための、筋肉、腱、骨の機械的作用の産物として運動反応をしばしば目にします。あなたの筋肉が硬かったり、弱かったりして運動反応に影響を及ぼすので、適切な反応を起こすために、私達は筋肉を強化、あるいは伸ばす必要があります。 恐らく、私達の現在の反応は、単に身体的パラメーターによって制約されているわけではなく、現在の事象、ひいては関連する反応に対する私達の知覚を形作るこれまでの経験によって引き起こされています。 一つの例として、姿勢のような状況を変えるために、私達は歴史的に筋肉の伸長や強化に携わってきています。そして、逸話的な成功は別として、実際に誰かの姿勢を変えることのできる経験的証拠を目にすることはほとんどありません。ランニング時の足運びに関しても同様で、関節可動域や筋の硬さは、筋肉の強さにかかわらず、実際には足が地面に着く前にすでにプログラムされているかもしれず、筋肉のストレッチや強化が、誰かの走り方に与える影響はほとんどないのかもしれません。 私達の筋反応は、より身体的な制約というよりも特定の状況に応えて読み出される、  神経系によって蓄積されたパターンの癖によって引き起こされるのかもしれません。 よって、基本的に、もし私が以前に痛みを経験したことがあれば、これが私の今後の反応を形作るかもしれないということです。 必要とされている状況:腕を挙げる 潜在意識下の分析:以前に腕を挙上することが痛みを起こしているので、またいたみがあるかもしれない。痛みを制限するためにどうしたらよいか?あるいは、他にどのようにしたら痛みなく腕を挙げることができるか? そこで、肩の筋肉の基本的な硬さや弱さにかかわらず、以前の疼痛経験への反応として腕を上げることで、私の運動反応は肩の筋肉群を硬直させるかもしれません。肩の筋肉群は、疼痛発生の確率が高いと見なされる特定の状況に応じて硬直するかもしれません。この確率比は、痛みが長引くほど、高くなるかもしれません。 私達はまた、増大する実際の痛み、あるいは出力応答としての感覚の増大を作り出すことによって、腕の動きを制限するかもしれません。 感覚系を有するポイントの一部は、その人とその人の脳に、身体に起こっている事と、その個人にもたらすかもしれない脅威の末期的な状況を警告することです。

ベン・コーマック 2644字

筋膜の臓器を創る:臓器の筋膜マトリックスを露わにする パート2/2

著者:ロリース・ニーメッツ この数年間に渡って助手として参加してきた解剖ラボにおいて、ほとんどの検体は薬品処理されたものであり、大抵ホルマリン混合薬品が利用されているため、結合組織の大部分が綿飴のような物質に変形し、人工的な硬直がおきています。近年では、新鮮な(冷凍)組織が好まれており、動きがより自然に復元できるうえ、筋膜が根本的に変質していないため「幽霊の心臓」あるいは他の臓器を作り出すことが考えやすくなりました。私は、これらの臓器を幹細胞で再生することではなく、従来の筋骨格の解剖学ではない、筋膜の連結網を地図のように「見る」ことのできるモデルを作ることに関心を持っています。 私のフォーミュラ?私の研究概要より(Nemetz, 2015 FRC): …幾つかの最新文献に基づいて15段階を経て最終モデルを作り出しました。 無菌塩基溶媒の代わりに、著者は卓上塩と水で生理的食塩水を作成。ペプチド結合を切断するトリプシンの代わりには、(パパイヤなどの果実由来の)ブロメレインまたは肉柔化剤を利用することができ、この実験では後方を選択しました。脂肪を分解するトリトン Xの代わりに、ラウリル硫酸ナトリウム、あるいはラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)が原料に含まれた一般的な陰イオン性強力洗剤を使うことができます。これは数回の実験で試用されました。著者は、ラウリル硫酸ナトリウムの含有率が高い一般的なシャンプーを使用。最終的に、酸素と水分との相互関係を利用した非塩素系漂白剤として働く、主原料が過炭酸ナトリウム(2Na2CO3•3H2O2) 、「オキシクリーン」という製品を最終段階で用いました。 私は、科学論文であげられた薬品に類似した一般家庭で使用されている材料を取り上げました。手術に利用するのが目的ではないため、無菌溶媒である必要はないとはいえ、私の過程が十分に正確かどうかに不安はありました。本格的な化学実験において、ラウリル硫酸ナトリウムの代わりに脂肪分解のために一般的なシャンプーが使用されていることを知っており、それを主原料としながらも、あまりにも強力だとECMまで破壊される可能性があることも念頭において、店内の棚を探したのです。私の手法と材料は原始的なので、身体の部分によっては繊細な結合組織を残して細胞組織だけを除去するのは容易ではありません。将来、これがもう少し楽になれば良いと思っています。暗室で写真を現像する際に例えれば、「開始」溶液と「停止」溶液など様々な化学処理過程を踏まえるのと類似しています。まだ現像が途中の写真をある溶液に浸し過ぎると写真がダメになるのと同じように、臓器も長く浸し過ぎるとECM自体まで破壊される可能性があります。 最初の(2015年に比較的成功した)心臓実験以来、私は2016年1月に実施された3週間のアナトミートレインの解剖教室で5つの心臓を用いてこの実験を再現しました。結果は、すべてが組織の枠組みを作り始めましたが、最も成功したのは、解剖前に冷凍されていない献体の心臓でした。これが臓器移植に望まれる過程に最も近いものであったと言えます。深冷凍は細胞壁を弱めるため、非細胞化の開始は必要な過程であるものの、これが長くなり過ぎると、崩壊の度合いも大きくなり過ぎてしまいます。 私は、最後の週に違う臓器で実験することに関心を抱き、腎臓を選びました。正常な量の脂肪に包まれた健康的に見える腎臓を選びながらも、腎臓のECM以外の細胞組織を十分に取り除くことができるかどうかに疑問を抱いていました。しかし、ここで見られるように、腎臓でも満足できる結果が得られたのです。 これが「幽霊」腎臓の結果です(写真参照)。結論として、作家であり美術歴史家、ジョン・バージャーの重要な著書「視覚とメディア」(1972年)の言葉を借りれば、「私達が目で見ることと、頭で理解することとの間の関係は、まとまることがない。毎晩、夕日が沈むのを目で見る。太陽から地球が逆方向に回転していることは知っている。それなのに、その知識、その説明は、目で見ている光景にどうしても添わない。」そもそも私は、従来の物の見方に挑戦することで、アナトミートレインと出会いました。これから先、筋膜のモデルがより一般的になることには疑いの余地もありませんが、それによって人体の見方に対する疑問が新たに生まれてくることでしょう。 ローリーは、アナトミートレイン(AT)の認定教員であり、北米各地においてATのムーヴメント教室を教え、2014年から現在までアナトミートレインの解剖ラボの助手を務めている。長い経歴を持つ認定ヨガ教員(RYT500)、ストット・ピラティス®認定インストラクター、および、ダンス・ムーヴメント・セラピスト・アカデミーの委員会認定メンバーであり、創造美術セラピスト(精神医療士)免許を持つ。YTA(ヨガ教員アソシエーション)の元会長を務め、2007年から現在までペース大学の教授を務める。 www.wellnessbridge.com

キネティコスゲスト 2121字

筋膜の臓器を創る:臓器の筋膜マトリックスを露わにする パート1/2

著者:ロリース・ニーメッツ 「ひらめきは、幽霊と同じように…出現した理由を聞きたかったら、少し話かける必要がある」チャールズ・ディキンズ、ドンビー&ソン、章XII (1848年) ECM(細胞外基質)から作られた腎臓 – 2016 (枝分かれ、交差する構造に注目) 最初に「幽霊」臓器や他の筋膜モデルを作ることに興味を持ったのは、“目に見える人間プロジェクト“で紹介された、筋肉がきれいに取り除かれ、美しい立体的なECM(細胞外基質)だけが残された回転している大腿の画像を使って、トム・マイヤーズ氏がレクチャーしているのを見たのがきっかけでした。ジェフリー・リンが撮影したその画像の写真は、アナトミートレインの第3版に掲載されています。その時は、全く論理だけだったのです:「こんなモデルが作られたら凄くない?」という。 トムが「もしも、鋭い刃物を使わずに、何らかの洗剤あるいは溶剤に動物や人体の検体を浸し、細胞組織を洗い流して結合組織(ECM)だけを残すことができれば、組織の連結性全体を見ることが可能になる…」(アナトミートレイン、2014、p.15)と記述しているように。 他の解剖学者達もこの考えに興味を抱いてきました。早くには1988年に(解剖学の歴史では最近といえますが、特に筋膜の世界においては画期的)、ヤープ・ヴァン・デル・ワール氏は、筋肉の袋を解剖し、筋膜壁を博士論文研究のテーマとしていました。後に彼はこう書いています: 結合組織の構造は、筋膜、鞘、膜組織などの構造を含め、その機能的な意味を理解することは、身体を統合するマトリックスである結合組織の連結性を否定し、無視して解剖を行う伝統的な解剖学よりも重要である。 解剖学と構造学からみた結合組織は、身体の全域にわたって様々な形や関係で存在する二つの機能的な傾向を示している。体腔においては、空間を形作る「非連結的」な特質によって可動性を可能にする;臓器と他の器官の間においては、面を「連結させる」特質が機能的な機械的相互関係を可能にする。筋骨格系では、結合組織のその二つの特徴が存在している。これらは、通常の分析的な解剖方法では見出すことができないものであり、構造建築的な説明が必要である。ヴァン・デル・ワール(筋骨格系における結合組織の構造 – 頻繁に見落とされる運動器官の固有受容における機能性パラメーター、INTERNATIONAL JOURNAL OF THERAPEUTIC MASSAGE AND BODY WORK - VOLUME 2, NUMBER 4, 12月 2009年) ピーター・フイジング博士(ビジェ大学、アムステルダム)も、冷凍保存されたラットの検体を用いて脚部の区画における筋膜の連続性を明らかにするため、また、組織間の分離より、連続性が現実だということを明らかにするために、3Dの立体的復元に取り組んでいます。嬉しいことに、2015年の秋にワシントンDCで開催された筋膜研究学会で、「筋膜の心臓:解剖における人体の細胞外基質の三次元的立体モデルをつくるための初段階」(Nemetz, Fascia Research IV, 2015, pp. 30-31) という題で私自身がポスター発表をして参加した際、ヴァン・デル・ワールとフイジング両氏にお会いすることができました。 数年前、私が初めてネットで広く頻繁に画像がシェアされている「幽霊の心臓」を見たのは、ヒューストンのセント・ルーク聖公会病院、再生医療研究所の所長、ドーリス・テーラーを通してでした。その画像には、手袋をはめた手の中で、透明でキラキラと輝く心臓が映し出されていました。これに論文が続き、臓器の筋肉細胞を除去し、ECMのみを枠組みとして残し、臓器を必要としている患者の健康な細胞を導入する過程の概略が紹介されたのです。臓器移植患者自身の細胞で作られた臓器を利用することによって拒否反応が発生する可能性が非常に低いという考えです。現在、アメリカだけで、毎年数百人の方々が臓器移植が間に合わないために亡くなっています。 ドーリス・テーラーについての記述紹介で彼女はこう述べています: 「非細胞化は非常に簡単です… 細胞を洗い流すのと基本的に同じ。赤い筋肉細胞を持つ臓器が、比較的短い時間内に、細胞外基質の構造は残したままで細胞を持たない非細胞組織になります。 – まるで歯磨き粉のチューブの中身を絞り出したかのように。残ったのは、構造組成。心臓を完全に再現することが可能になったのです… 私たちは、このように非細胞化した心臓を用い組織全体を再現するためには、単に血管樹に細胞を再導入すれば良いということを確認しました。」テーラーは将来、個人特有の細胞をもった心臓を臓器移植のために オーダーメイドで作成し、利用可能にできるようにすることに熱意を抱いている。(2015, 再生の先駆者達, TMC ニュース)

キネティコスゲスト 2075字

あなたは中枢神経系を助けているのか?ただ中枢神経系の注意を逸らしているのか? パート2/2

入力がありとあらゆる奇想天外なバックグラウンド、薄っぺらな関連性、様々な身体部位と系統に集中する非難を誘発するノセボ以上のものであると思われる時、痛みを抱えている人にとって、注意をそらすことはまさに彼等が必要としていることかもしれません 痛みを伴う治療、あるいは入力も同様の効果をもたらすかもしれません。フォームローラー、あるいは痛みを伴うスポーツマッサージは、一時的な効果があります。それらは、あなたの気分を良くし、もしくは効果があると感じさせるかもしれませんが、一般的には短期的なものです。前日に激しい運動をしたために身体が硬く張っていて、きっとフォームローラーが私の気分を良くしてくれるだろうと思っているとしましょう。私がフォームローラーを使用している最中は、本当に痛い、まぁ、痛い、しかし、使用後に突如、凝りが軽くなるのを感じます。それは単純に、私の中枢神経系がフォームローラーによってもたらされる新しい痛みの感覚に注意を払っているということなのでしょうか?それは、新たに適用され、単にこれまでの感覚を覆す、より大きな刺激であり、異なる入力に応えて、その感覚出力をも変化させるのです。 この入力はまた、中枢神経系出力を介して、筋肉の伸長性とある程度調整され短期的に変化する関節可動域をも変化させます。筋長調節器の一つは、筋肉がどう感じるかで、筋肉を伸ばすと、筋肉は張力を感じ、その感覚が増大するにつれて、筋肉を伸ばすことをやめるというものです。もし中枢神経系の注意、あるいは中枢神経系の注意をそらすことを求めて競合する、より大きな感覚があるならば、これに比較して感覚調節は単にあまり感知しないかもしれず、出力調整は他の競合する入力に応じて、変更されているかもしれません。 それは、誰かがチョコレートで注意を逸らすまで、ボールを独り占めしている子供と類似しているかもしれません。子供はチョコレートを食べるために、ボールを離さなければなりませんが、それでも独り占めしようとするかもしれません。それは、行動が修正されたわけではなく、ただ単に注意が逸らされているだけなのです。 私達は、DNIC(広汎性侵害抑制調節)のような、疼痛性刺激によって起きる他の機序も持っています。これは、強度の侵害刺激が侵害受容ニューロンに、侵害受容ニューロンの遠心性抑制をもたらす尾側延髄腹外側野へインパルスを送らせること、わかりやすく言えば、痛みを抑制する痛みを送らせるということです!しかし、私達は侵害受容(痛覚)が起こることを必要としています。 知覚、期待、抑制 もし私が以前にある治療、あるいは入力から良い結果を得ているのならば、再度、良い結果を期待するかもしれません。私の期待は、起こっていることに関する中枢神経系に肯定的な見方や認識をするように駆り立てるかもしれません。それは、私の関わる環境や人が、肯定的な入力と出力を誘発するということかもしれません。心地よく、リラックスしていて、安全に感じることが、中枢神経系に事象に対しての肯定的な評価をさせているのです。 それは、私の中枢神経系の認識、もしくは注意を増す不安を伴う事象の処理、潜在的に有害なあらゆる刺激の処理を変化させる、寒くて非常に不快な待合室と意地の悪い医師、あるいはこれまでの歯科医、治療家、トレーナーとの酷い経験とは、全く正反対なのかもしれません。 単純な因果関係というよりも、痛みはある程度、神経系周辺を浮遊している内因性(内部的に発生した)阻害物質の量と、疼痛経験の促進に関与する化学物質の量とのバランスに依存しています。 中脳水道周囲灰白質は(PAG)、吻側延髄腹内側部(RVM)と後外側束を介して、脳幹から後角へと抑制インパルスを送ることができます。中脳水道周囲灰白質は、視床下部、皮質部、辺縁系からインパルスを受け取り、これらのインパルスは、感覚、運動、感情等のような行動に関連するこれらの脳の部位に起因するいずれかの処理によって、潜在的に引き起こされるかもしれません。吻側延髄腹内側部内に、下降抑制を働かせる‘オフ’細胞と侵害受容伝達を促進する‘オン’細胞があると考えられていて、これらは慢性痛の状態に関与しています。侵害受容ニューロンの促通と末梢受容体の感作によって、私達は通常は非侵害刺激であるものを用いて、侵害受容性シグナルの暗号化を獲得するかもしれません。私達は痛みにおいて抑制効果のある内因性オピオイドとGABA、促進効果のあるアスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、NMDA(N‐メチル−D−アスパラギン酸)のような化学物質を持っています。これはもちろん侵害受容に関する全てではありませんが、同様に、私達は脳内に、ただ侵害受容伝達中のみではない疼痛経験の抑制と促進を持っています。 良い治療家はリラックスしやすい部屋に入って来て、誰もあなたの痛みを抑えることができなかったかの理由(でたらめな可能性のある)を説明し、彼等がその答えを持っていると自信たっぷりに安心させるでしょう。すると、あなたは理解されていると感じ、かすかな希望が湧いてきます。あなたの脳は、不安を緩和するかもしれない、あるいは抑制を引き起こし、潜在的ないかなる侵害受容性シグナルの促進の減少を引き起こすかもしれない化学物質を送り出します。化学的バランスは、痛みに対して‘マイナス’の可能性へ揺れます。セラピストが疼痛性刺激や、あなたの脳にとって新しい、今までにない運動情報の噴出を提供すると、突如、痛かったXXXが変化して、幾分良くなったかのように感じます。おそらく、その部位は緩んだ、あるいは強くなったように感じるかもしれません。これは素晴らしいことですが、どうか、この変化、あるいは注意を逸らすことと解決策を混同しないでください。 短期的な成功は明らかに有益ですが、最大の成功をもたらすのは、行動における長期的変化であることを忘れないでください。

ベン・コーマック 2480字