マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてポイントとコインを獲得すれば理解も深まります。
アスリートの天性の加速力を向上させる4つの戦略 パート1/2
コーチやアスリートが“40”のタイムについて自慢していることを読んだり聞いたりすることが多くあります。正直に言うと、40ヤードを4.3秒以下で走るアスリートを見ることは、衝撃的な出来事です。しかし、センセーショナルなことは置いておくとして、試合でプレーするためには、40ヤードのタイムよりも、10フィートを走る能力がより重要なのです。 アスリートはかなり短い時間でかなり多方向に動くことを要求されるので、40ヤードのトレーニングをすることは、ある特別な理由(例、混合)を必要とするのはお分かりになりますね。そういうことから、アスリートの天性の加速力を向上させる4つの戦略を皆さんと共有したいと思います。これらの戦略のかなり優れたところは、野球選手の盗塁時のスタートを信じられないくらい良くすることもできるということです。これらのテクニックによって、内野手にとっての欠点である、頭上を超えるポテンヒットを解消させることができるでしょう。バスケットボール選手も、サッカー選手も、フットボール選手も、テニス選手もこの戦略で加速力を向上させることができます。 では、天性の加速力とは何を意味しているのでしょうか?身体はかなり精巧な設計で造られています。身体は恐れを感じる能力があり、さらにそれに攻撃する、あるいは、それから逃げるための能力を持っています:闘争・逃走反応。私はこれを取り入れることで、アスリートをさらに速くする方法を学びました。この反応は生まれつきのものなので、我々がコーチとしてするべきことのすべては、アスリートをその状況下におき、この闘争・逃走反応を引き出すことなのです。ここに主な4つの戦略を紹介します。 #1:方向性ステップ コーチやアスリートにとって、この方向性のステップは戦略というよりも“動作”になります。しかし、加速をより効果的に行うために、身体が駆使する戦略と考えることもできるでしょう。説明させてください・・・ 野球選手が盗塁をするときの“アスレチックポジション”を想像してみてください;選手は右方向に素早く加速することが必要になります。それぞれの脚が重要な役割を担います。後ろ脚は動く方向(横方向)へ身体の重心を押し出す役割を持ちます。身体の押し出しが起こっている間に、前脚には、動いている体重を巧みに利用する素晴らしい機会が与えられます。身体を動かし続ける(加速する)最良の方法は、身体の下で下方、後方に押しだすことであり、そうすることで、前脚は体重を加速し続けることができます。ここで、“方向性のステップ”が関わってきます。 身体が下方・後方に押し出したいのであれば、神経筋系がそのためにポステリアチェーンの筋肉(臀筋、ハムストリングス、ふくらはぎの筋肉)を使用することは理にかなっています。身体が生み出した創造的な戦略は、リード足を外側に開くことで、移動する方向に向かせることです。このことで、本質的に、アスリートは、スプリンターのブロックからのスタートのようになります:リード脚も力強く、下方・後方に押します。なんと素晴らしい戦略でしょうか! さらに深く見ていくことで、方向性のステップが重要になる理由を理解できますが、その動作が実のところなんであるかを考えてみましょう。身体を側方向のスタンスから、直線のランで加速したい場合(盗塁時のジャンプ)、リード脚を外旋することで、足部を外側に開き二塁方向に向けることは、実際に後ろ脚で押し出す動作の補助になります;“作用反作用の法則”と呼ばれています。つまり、リード脚が外に開く(作用)と、その力はまだ地面に接している後ろ脚へ伝わります(反作用)。端的に言うと、方向性のステップとは身体がより素早く動くために生まれ持った素晴らしい戦略なのです。 これを試してください: パートナーを自分の前に立たせ、右か左のどちらかを指す準備をさせます。方向を指し示したら、その方向にターンし、10ヤード加速します。6−8回繰り返すことで、方向性のステップを駆使して、アスレチックポジションから右か左へ加速する能力を構築することができます。 #2:股関節のターン 股関節のターンは、体がアスリートに与えてくれた素晴らしい戦略です。とはいえ、十分に熟練していない、または、スムーズに行えないアスリートもいます。幸運なことに、いくつかの修正アプローチやドリルによって、それを修正することができます。股関節のターンは、アスリートがアスレチックスタンス(内野手やテニス選手のような平行のスタンス)から素早く抜け出し、向いていた方向からリトリートする、あるいは、そこから別の方向へ動き出す方法です。 バスケットボールでは、コーチは良くピボットを教えます。ピボットでの問題は、足を地面に接しながら足を回すため摩擦が必要になるということです;これは敏捷性にとってはいいことではありません。繰り返しになりますが、幸運なことに、身体はアスリートが逃走・闘争反応を素早く行うことができる天性の能力を持っています。股関節をターンしている間に、足を地面からほんの少し持ち上げて、後ろ脚が地面を蹴って離れるために、股関節と脚を空中で素早く回します。アスリートの身体が浮いていないことを確認することが重要になります;むしろ、股関節と下肢は単純に回旋し、地面から離れます。テニス選手が、頭上を超えたロブを追いかけるために素早く切り返すところを想像してください。彼らの駆使している動作というのは、ボールを追って加速するための股関節のターンです。 基本的には、股関節のターンとは、アスリートが加速するためのよりよい角度へ、脚と足部を持っていく方法なのです。これは身体が生まれつきもっている素晴らしい戦略であり、股関節と脚が向きを変えた時に、後ろ脚は実際には伸展し始め、地面に接する直前に“押し始め”ます。結果として生じる衝撃、あるいは、筋肉の伸張反射によって、アスリートは素早く加速を始めます。繰り返しになりますが、後ろ脚・足は積極的に地面を押し出します:これは“プライオメトリック”反応であり、素晴らしいスタートスピードを産み出します。 試してみてください: パートナーを自分の後ろに約12フィート離して立たせ、肩の高さで身体の横に向かってテニスボールを持たせてください。パートナーに背を向けて、アスレチックスタンスで立ってください。パートナーが“GO”と叫び、同時にボールを落とします。これに反応して加速し、ボールが2回バウンドする前にキャッチしてください。これは、股関節のターンを精巧にさせ、改善するための素晴らしいドリルです。右と左にターンするのを5−6回行ってください。
馬券売り場へ行くことは、脳、運動、痛みに関して、あなたに何を教えてくれるでしょうか? パート2/2
実践への移行 キャッチボールのような簡単な動作で、どのように予測が展開されるのかについて考察してみましょう。まず最初に、以前にキャッチボールにおいて、“良い”経験がある人の観点からこれを考察してみましょう。 ほとんどの人達、特にスポーツを楽しんでいる人達にとって、キャッチボール相手の手の中にボールを見るとすぐに、この一連の感覚情報と関連性を持ちます。私のこれまでのキャッチボールの経験が私を幸せな気持ちにしてくれるかもしれません。そして、幸福ニューロンとボールからの視覚刺激によるニューロンの活性化の結合が起こっています。これが蓄積された神経パターンです。 私の脳は、視覚刺激への予測として、キャッチボールの運動プログラムを整理し始めるかもしれません。そこで起こりそうな状況は、‘ボールが私のところに飛んでくる、そして、キャッチする必要がある’ということです。 では、もし前回、ボールが私の顔に投げつけられていたらどうでしょうか? 感覚入力と私の関連性は、全く異ったものになるかもしれません。突然、恐怖と不安に関連するニューロンが活性化されます。そして、交感神経系とストレス反応に関連するニューロンに火が付きます。脳の運動野は、一歩後ろに下がる、あるいは顔面を防御するための行動計画を作り出すかもしれません。同じ視覚刺激でも、これまでの経験に基づいた 多くの相互依存のサブシステムにおいて、かなり異なる予測を作り出すかもしれないのです。 私の息子がまだ小さかった頃の事を例に挙げてみましょう。私はボールを拾い、彼に向かって投げましたが・・・何も起こりませんでした。彼に向かってボールを投げると、彼にはまだボールをキャッチする準備をする運動プログラムが構築されておらず、ボールはただ彼の胸に当たって跳ね返っただけでした。 なぜでしょうか? ただ単に、彼は結果の予測を作り出すために利用すべき、記憶を持っていなかったのです。この記憶を獲得する必要があるのです。彼は、ボールからの視覚刺激が何を意味しているのか、その際に彼は何をする必要があるのかを学習する必要があります。そして、私の仕事は、彼がそこから学習できるように、ハッピーな学習体験を提供してあげることなのです。 キャッチングは、ボールの軌道と力に依存している独特な筋肉の活性化パターンを持っていますが、この処理すべき現在の情報、活性化と運動の結果、あるいは予測はまた、知覚される最良(かもしれない?)の結果を作り出すための、これまでの経験に影響されているのかもしれません。 このプロセスは良いのでしょうか?それとも悪いのでしょうか? もちろん、両方であり得るでしょう。そういうものなのです。 予測は、潜在的に‘過保護’になり過ぎることがあるかもしれません。もし問題があるとわかっていたため、ある行動を回避するならば、問題が発生しないことによって、予測は真実になります。回避することによって、有害転帰を被らないというという可能性です。 急性傷害の状況において、防御行動が今後の傷害を防いでくれると完全に保証するかもしれません。しかし、この防御的な予測の維持は、傷害が治癒した時点で問題となるかもしれないのです。 この予測は、荷重耐性のような身体的要因に影響を与えるでしょうか? では、ここでもまた、これを状況に当てはめてみましょう。 私は前屈時に痛みがありますが、前屈をしなければ痛みはありません。前屈が問題であるという私の予測は真実となり、今後、前屈が問題を引き起こす可能性はより大きくなります。従って、今後に関する私の予測は強化されます。 もし私が前屈をすれば、能動運動部位が、損傷の可能性に基づいた制限要素として、硬直、あるいは痙攣へと移行することによって作用するかもしれません。それらの部位は、正常にバランスのとれた筋反応によって調整されず、不均衡な身体的反応よる不適応なプロセスによって調整されているかもしれません。身体的発生要素はとっくに無くなっているかもしれませんが、関連する行動は残存するかもしれません。異なる状況下では、これらの筋肉は硬くも弱くもないかもしれないのです。 私達は、治療で使用される負荷の増加をの増大を目にしています。これは、局部的な細胞反応にとって素晴らしく、不可欠であり、組織の‘ホメオスタシスのゾーン’を増大させるものです。私達はしばしば、関連のある領域での身体的負荷と身体的・生理学的適応の発生を可能にするために、予測行動に取り組まなければなりません。 恐らく、身体的側面よりも、習慣を打破することは、いかなる治療アプローチにおいて最も重要なことであり、身体的要因が影響されることをも可能にしています。 スポーツにおいて予測が利用されているのを常に目にしています スポーツにおいて、私達は、反応することが不可能のような特定の状況において、予測を必要とします。一つの例として、テニスにおいて、私達は予知反応の使用を目にします。エリートテニスプレイヤーのサーブは、人間の反応時間の域を超えているかもしれないという仮定さえたてられているのです。 これは、知覚−行動プロセスとして議論されています*ここをクリックしてください*。知覚するために、私達は、その身体的合図が何を意味するのかに関して、いくらか蓄積された記憶を持たなければなりません。これは、テニスの状況において、初心者プレイヤーよりも、エキスパートプレイヤーのパフォーマンスの方が優れているという事実によってある程度示されていますが、これは非特異的反応における状況では示されていません。 興味深いことに、エキスパートプレイヤーの反応時間は、機械を相手にしたときよりも、生身の人間を相手にしたときの方が速かったのです。ここでも、蓄積された記憶と関連のある身体的合図の増加は、予測的プロセスと反応時間を向上させたということを潜在的に強調しています。 ここに、スポーツにおいてアスリート達が使用する、対戦相手のアスリート達の予測能力を逆手に取るいくつかの状況があります。 テニスにおいて、プレイヤーは、対戦相手を反対方向へ移動させるために、工夫してボールを特定の場所に打ちます。 ボクシングにおいて、ボクサーはカウンターを打つために、パンチをフェイントして対戦相手の反応を引き出します。 サッカーにおいて、PK戦ではゴールキーパーを反対方向に跳ばせるために、その方向に視線を送ります。 多くのスポーツが、‘ゲームを読める’選手を話題にします。これは、より優れた記憶−予測モデルなのかもしれません。 慢性痛に対する影響 これは、痛みの記憶’という概念を持つ慢性痛に関して着目されていて、以前に、私はこれに関する詳細を記述しています。 これは、痛みの関連性が神経パターンとして、あるいは‘記憶’として蓄積されるようになるところであり、もしかすると、身体からの傷害シグナルが無い場合に思い出され、ひょっとしたら固有感覚シグナル、あるいは行動目的/計画とさえ結合されるようになるかもしれません。 このパターン認識、脅威に関連する知覚、関連する防御の感覚予測と運動予測が、特定の運動、あるいは身体の特定部位からの運動に反応した、慢性痛患者の振る舞いにおいて見られるもののいくつかを、いくらか説明可能にしてくれるかもしれません。 覚えておいてほしいこと ここに脳機能の記憶−予測/ベイズ推論モデルに着目することによって、活用することことができると私が感じるいくつかの基本事項があります。 状況が鍵。単に筋肉、神経、関節等ではなく、習慣と行動に注意を向けることが、長期的変化をもたらすために重要である。 蓄積・読み出しを行うために、新しい有益な経験を作り出す。これは、今後の予測的行動に影響を与えるかもしれない。 私達の心理的信念が、運動行動に影響を与えることができる。 私達の運動行動が、局所的な組織耐性に影響を与えるかもしれない。
馬券売り場へ行くことは、脳、運動、痛みに関して、あなたに何を教えてくれるでしょうか? パート1/2
これは、私達が予測的な脳機能の理解と、その論題に答える手助けをするための私のお気に入りの例えの一つです。最初に、馬券売り場に移動しましょう。 あらゆる自尊心のある“賭け事をする人”は、彼等が賭けようとしているチーム、あるいは馬の調子を熱心に研究するでしょう。そうでなければ、ただ単に手痛い出費を負うだけです。 あなたは下記のように自問するかもしれません: 最初に、彼らは歴史的に勝者なのか?そして、優れた実績があるのか? 次に、あなたは、彼等が最近勝っているのか、負けているのかといった、現在の調子を調査したいかもしれません。 もし私達がマンチェスター・ユナイテッドFCに着目するなら、彼等は20年以上にわたり偉大な勝利の歴史を築いていますが、ここ数シーズンの彼等のパフォーマンが、現在のパフォーマンスに対する自信を抑えることになるかもしれません。 基本的に、2つの要素があります: 1. これまでに何が起こっているのか? 2. 今現在何が起こっているのか? それらの両方が、今後起こるであろう事に関する私の予測に影響を及ぼすでしょう。賭け事の世界では、それが賭ける金額と直接的に関連するのです! 私は、不確実な将来の状況を成立させるために、私の将来の活動を形作る確率比、あるいは尤度比を作り出すために過去と現在の状況を利用しています。 この概念は、18世紀にトーマス・ベイズ師が提唱した‘ベイズの定理’による統計に関連して検査されました。‘ベイズ推論’は、脳機能を含む数多くの状況に適用されています。 では、ベイズ推論は、脳、運動、痛みとどういう関係があるのでしょうか? これぞまさに、私達の脳の働きの仮説となっているものなのです。 潜在的な結果の確率を算出するために、コンピューターのように起こりうる全ての結果を計算するというより、私達は自動的に現在の状況をこれまでの経験と結びつける可能性があり、そこから適切な対応を考案するという、記憶−予測モデルを使用するとされています。 私達は、記憶を感覚情報、あるいは行動計画のような意図とのマッチングを通して、これらの記憶を引き起こします。蓄積された神経パターンを現在の感覚入力とマッチングすることは、潜在的な結果の確率を作り出します。 予測的脳機能に関して、より賢い人たちによって精査を受ける、私自身の単純なモデルがあります。 パターン−感覚情報、あるいは意図パターンに応じてアクセスするための蓄積された神経パターン 知覚−蓄積されたパターンと実際の感覚入力の解釈 予測−知覚に応じた出力プログラム もし私達が、知覚された脅威への反応としての痛みについて考察するならば、私達のこれまでの経験は潜在的な脅威に対する現在の知覚に影響を及ぼすでしょう。これは、痛みとの関係性に関して、モーズレーやメルザックはじめとする研究者達によって、すでに議論されています。 なぜ脳はこのように機能するのでしょうか? 提案する一つの理論は、脳は膨大な力を持っているが、実際は、その働きにおいては非常に遅いということです。潜在的な理由は、人間の生物学的本質です。ニューロンが脱分極を通して活性化され、活動電子が発生されるとすぐに、ニューロンは再分極する必要があり、このプロセスは、その静止状態に戻るまで時間が掛かります。 これは、変化するために細胞内の要素のバランスを必須とするプロセスで、私達は、膨大なニューロンを持っていますが、特にそれらが不応期の際には運動が(幾分)遅いのです。 この予測的な働きはまた、肉体行動の制御を分散化しているモデルの理由としてしばしば挙げられる末梢からの情報の処理時間において、待ち時間(遅延)を減らすかもしれません。 なぜこれが重要なのでしょうか? 私達は、身体的行動を生じさせるための、筋肉、腱、骨の機械的作用の産物として運動反応をしばしば目にします。あなたの筋肉が硬かったり、弱かったりして運動反応に影響を及ぼすので、適切な反応を起こすために、私達は筋肉を強化、あるいは伸ばす必要があります。 恐らく、私達の現在の反応は、単に身体的パラメーターによって制約されているわけではなく、現在の事象、ひいては関連する反応に対する私達の知覚を形作るこれまでの経験によって引き起こされています。 一つの例として、姿勢のような状況を変えるために、私達は歴史的に筋肉の伸長や強化に携わってきています。そして、逸話的な成功は別として、実際に誰かの姿勢を変えることのできる経験的証拠を目にすることはほとんどありません。ランニング時の足運びに関しても同様で、関節可動域や筋の硬さは、筋肉の強さにかかわらず、実際には足が地面に着く前にすでにプログラムされているかもしれず、筋肉のストレッチや強化が、誰かの走り方に与える影響はほとんどないのかもしれません。 私達の筋反応は、より身体的な制約というよりも特定の状況に応えて読み出される、 神経系によって蓄積されたパターンの癖によって引き起こされるのかもしれません。 よって、基本的に、もし私が以前に痛みを経験したことがあれば、これが私の今後の反応を形作るかもしれないということです。 必要とされている状況:腕を挙げる 潜在意識下の分析:以前に腕を挙上することが痛みを起こしているので、またいたみがあるかもしれない。痛みを制限するためにどうしたらよいか?あるいは、他にどのようにしたら痛みなく腕を挙げることができるか? そこで、肩の筋肉の基本的な硬さや弱さにかかわらず、以前の疼痛経験への反応として腕を上げることで、私の運動反応は肩の筋肉群を硬直させるかもしれません。肩の筋肉群は、疼痛発生の確率が高いと見なされる特定の状況に応じて硬直するかもしれません。この確率比は、痛みが長引くほど、高くなるかもしれません。 私達はまた、増大する実際の痛み、あるいは出力応答としての感覚の増大を作り出すことによって、腕の動きを制限するかもしれません。 感覚系を有するポイントの一部は、その人とその人の脳に、身体に起こっている事と、その個人にもたらすかもしれない脅威の末期的な状況を警告することです。
筋膜の臓器を創る:臓器の筋膜マトリックスを露わにする パート1/2
著者:ロリース・ニーメッツ 「ひらめきは、幽霊と同じように…出現した理由を聞きたかったら、少し話かける必要がある」チャールズ・ディキンズ、ドンビー&ソン、章XII (1848年) ECM(細胞外基質)から作られた腎臓 – 2016 (枝分かれ、交差する構造に注目) 最初に「幽霊」臓器や他の筋膜モデルを作ることに興味を持ったのは、“目に見える人間プロジェクト“で紹介された、筋肉がきれいに取り除かれ、美しい立体的なECM(細胞外基質)だけが残された回転している大腿の画像を使って、トム・マイヤーズ氏がレクチャーしているのを見たのがきっかけでした。ジェフリー・リンが撮影したその画像の写真は、アナトミートレインの第3版に掲載されています。その時は、全く論理だけだったのです:「こんなモデルが作られたら凄くない?」という。 トムが「もしも、鋭い刃物を使わずに、何らかの洗剤あるいは溶剤に動物や人体の検体を浸し、細胞組織を洗い流して結合組織(ECM)だけを残すことができれば、組織の連結性全体を見ることが可能になる…」(アナトミートレイン、2014、p.15)と記述しているように。 他の解剖学者達もこの考えに興味を抱いてきました。早くには1988年に(解剖学の歴史では最近といえますが、特に筋膜の世界においては画期的)、ヤープ・ヴァン・デル・ワール氏は、筋肉の袋を解剖し、筋膜壁を博士論文研究のテーマとしていました。後に彼はこう書いています: 結合組織の構造は、筋膜、鞘、膜組織などの構造を含め、その機能的な意味を理解することは、身体を統合するマトリックスである結合組織の連結性を否定し、無視して解剖を行う伝統的な解剖学よりも重要である。 解剖学と構造学からみた結合組織は、身体の全域にわたって様々な形や関係で存在する二つの機能的な傾向を示している。体腔においては、空間を形作る「非連結的」な特質によって可動性を可能にする;臓器と他の器官の間においては、面を「連結させる」特質が機能的な機械的相互関係を可能にする。筋骨格系では、結合組織のその二つの特徴が存在している。これらは、通常の分析的な解剖方法では見出すことができないものであり、構造建築的な説明が必要である。ヴァン・デル・ワール(筋骨格系における結合組織の構造 – 頻繁に見落とされる運動器官の固有受容における機能性パラメーター、INTERNATIONAL JOURNAL OF THERAPEUTIC MASSAGE AND BODY WORK - VOLUME 2, NUMBER 4, 12月 2009年) ピーター・フイジング博士(ビジェ大学、アムステルダム)も、冷凍保存されたラットの検体を用いて脚部の区画における筋膜の連続性を明らかにするため、また、組織間の分離より、連続性が現実だということを明らかにするために、3Dの立体的復元に取り組んでいます。嬉しいことに、2015年の秋にワシントンDCで開催された筋膜研究学会で、「筋膜の心臓:解剖における人体の細胞外基質の三次元的立体モデルをつくるための初段階」(Nemetz, Fascia Research IV, 2015, pp. 30-31) という題で私自身がポスター発表をして参加した際、ヴァン・デル・ワールとフイジング両氏にお会いすることができました。 数年前、私が初めてネットで広く頻繁に画像がシェアされている「幽霊の心臓」を見たのは、ヒューストンのセント・ルーク聖公会病院、再生医療研究所の所長、ドーリス・テーラーを通してでした。その画像には、手袋をはめた手の中で、透明でキラキラと輝く心臓が映し出されていました。これに論文が続き、臓器の筋肉細胞を除去し、ECMのみを枠組みとして残し、臓器を必要としている患者の健康な細胞を導入する過程の概略が紹介されたのです。臓器移植患者自身の細胞で作られた臓器を利用することによって拒否反応が発生する可能性が非常に低いという考えです。現在、アメリカだけで、毎年数百人の方々が臓器移植が間に合わないために亡くなっています。 ドーリス・テーラーについての記述紹介で彼女はこう述べています: 「非細胞化は非常に簡単です… 細胞を洗い流すのと基本的に同じ。赤い筋肉細胞を持つ臓器が、比較的短い時間内に、細胞外基質の構造は残したままで細胞を持たない非細胞組織になります。 – まるで歯磨き粉のチューブの中身を絞り出したかのように。残ったのは、構造組成。心臓を完全に再現することが可能になったのです… 私たちは、このように非細胞化した心臓を用い組織全体を再現するためには、単に血管樹に細胞を再導入すれば良いということを確認しました。」テーラーは将来、個人特有の細胞をもった心臓を臓器移植のために オーダーメイドで作成し、利用可能にできるようにすることに熱意を抱いている。(2015, 再生の先駆者達, TMC ニュース)
筋膜の臓器を創る:臓器の筋膜マトリックスを露わにする パート2/2
著者:ロリース・ニーメッツ この数年間に渡って助手として参加してきた解剖ラボにおいて、ほとんどの検体は薬品処理されたものであり、大抵ホルマリン混合薬品が利用されているため、結合組織の大部分が綿飴のような物質に変形し、人工的な硬直がおきています。近年では、新鮮な(冷凍)組織が好まれており、動きがより自然に復元できるうえ、筋膜が根本的に変質していないため「幽霊の心臓」あるいは他の臓器を作り出すことが考えやすくなりました。私は、これらの臓器を幹細胞で再生することではなく、従来の筋骨格の解剖学ではない、筋膜の連結網を地図のように「見る」ことのできるモデルを作ることに関心を持っています。 私のフォーミュラ?私の研究概要より(Nemetz, 2015 FRC): …幾つかの最新文献に基づいて15段階を経て最終モデルを作り出しました。 無菌塩基溶媒の代わりに、著者は卓上塩と水で生理的食塩水を作成。ペプチド結合を切断するトリプシンの代わりには、(パパイヤなどの果実由来の)ブロメレインまたは肉柔化剤を利用することができ、この実験では後方を選択しました。脂肪を分解するトリトン Xの代わりに、ラウリル硫酸ナトリウム、あるいはラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)が原料に含まれた一般的な陰イオン性強力洗剤を使うことができます。これは数回の実験で試用されました。著者は、ラウリル硫酸ナトリウムの含有率が高い一般的なシャンプーを使用。最終的に、酸素と水分との相互関係を利用した非塩素系漂白剤として働く、主原料が過炭酸ナトリウム(2Na2CO3•3H2O2) 、「オキシクリーン」という製品を最終段階で用いました。 私は、科学論文であげられた薬品に類似した一般家庭で使用されている材料を取り上げました。手術に利用するのが目的ではないため、無菌溶媒である必要はないとはいえ、私の過程が十分に正確かどうかに不安はありました。本格的な化学実験において、ラウリル硫酸ナトリウムの代わりに脂肪分解のために一般的なシャンプーが使用されていることを知っており、それを主原料としながらも、あまりにも強力だとECMまで破壊される可能性があることも念頭において、店内の棚を探したのです。私の手法と材料は原始的なので、身体の部分によっては繊細な結合組織を残して細胞組織だけを除去するのは容易ではありません。将来、これがもう少し楽になれば良いと思っています。暗室で写真を現像する際に例えれば、「開始」溶液と「停止」溶液など様々な化学処理過程を踏まえるのと類似しています。まだ現像が途中の写真をある溶液に浸し過ぎると写真がダメになるのと同じように、臓器も長く浸し過ぎるとECM自体まで破壊される可能性があります。 最初の(2015年に比較的成功した)心臓実験以来、私は2016年1月に実施された3週間のアナトミートレインの解剖教室で5つの心臓を用いてこの実験を再現しました。結果は、すべてが組織の枠組みを作り始めましたが、最も成功したのは、解剖前に冷凍されていない献体の心臓でした。これが臓器移植に望まれる過程に最も近いものであったと言えます。深冷凍は細胞壁を弱めるため、非細胞化の開始は必要な過程であるものの、これが長くなり過ぎると、崩壊の度合いも大きくなり過ぎてしまいます。 私は、最後の週に違う臓器で実験することに関心を抱き、腎臓を選びました。正常な量の脂肪に包まれた健康的に見える腎臓を選びながらも、腎臓のECM以外の細胞組織を十分に取り除くことができるかどうかに疑問を抱いていました。しかし、ここで見られるように、腎臓でも満足できる結果が得られたのです。 これが「幽霊」腎臓の結果です(写真参照)。結論として、作家であり美術歴史家、ジョン・バージャーの重要な著書「視覚とメディア」(1972年)の言葉を借りれば、「私達が目で見ることと、頭で理解することとの間の関係は、まとまることがない。毎晩、夕日が沈むのを目で見る。太陽から地球が逆方向に回転していることは知っている。それなのに、その知識、その説明は、目で見ている光景にどうしても添わない。」そもそも私は、従来の物の見方に挑戦することで、アナトミートレインと出会いました。これから先、筋膜のモデルがより一般的になることには疑いの余地もありませんが、それによって人体の見方に対する疑問が新たに生まれてくることでしょう。 ローリーは、アナトミートレイン(AT)の認定教員であり、北米各地においてATのムーヴメント教室を教え、2014年から現在までアナトミートレインの解剖ラボの助手を務めている。長い経歴を持つ認定ヨガ教員(RYT500)、ストット・ピラティス®認定インストラクター、および、ダンス・ムーヴメント・セラピスト・アカデミーの委員会認定メンバーであり、創造美術セラピスト(精神医療士)免許を持つ。YTA(ヨガ教員アソシエーション)の元会長を務め、2007年から現在までペース大学の教授を務める。 www.wellnessbridge.com
あなたは中枢神経系を助けているのか?ただ中枢神経系の注意を逸らしているのか? パート2/2
入力がありとあらゆる奇想天外なバックグラウンド、薄っぺらな関連性、様々な身体部位と系統に集中する非難を誘発するノセボ以上のものであると思われる時、痛みを抱えている人にとって、注意をそらすことはまさに彼等が必要としていることかもしれません 痛みを伴う治療、あるいは入力も同様の効果をもたらすかもしれません。フォームローラー、あるいは痛みを伴うスポーツマッサージは、一時的な効果があります。それらは、あなたの気分を良くし、もしくは効果があると感じさせるかもしれませんが、一般的には短期的なものです。前日に激しい運動をしたために身体が硬く張っていて、きっとフォームローラーが私の気分を良くしてくれるだろうと思っているとしましょう。私がフォームローラーを使用している最中は、本当に痛い、まぁ、痛い、しかし、使用後に突如、凝りが軽くなるのを感じます。それは単純に、私の中枢神経系がフォームローラーによってもたらされる新しい痛みの感覚に注意を払っているということなのでしょうか?それは、新たに適用され、単にこれまでの感覚を覆す、より大きな刺激であり、異なる入力に応えて、その感覚出力をも変化させるのです。 この入力はまた、中枢神経系出力を介して、筋肉の伸長性とある程度調整され短期的に変化する関節可動域をも変化させます。筋長調節器の一つは、筋肉がどう感じるかで、筋肉を伸ばすと、筋肉は張力を感じ、その感覚が増大するにつれて、筋肉を伸ばすことをやめるというものです。もし中枢神経系の注意、あるいは中枢神経系の注意をそらすことを求めて競合する、より大きな感覚があるならば、これに比較して感覚調節は単にあまり感知しないかもしれず、出力調整は他の競合する入力に応じて、変更されているかもしれません。 それは、誰かがチョコレートで注意を逸らすまで、ボールを独り占めしている子供と類似しているかもしれません。子供はチョコレートを食べるために、ボールを離さなければなりませんが、それでも独り占めしようとするかもしれません。それは、行動が修正されたわけではなく、ただ単に注意が逸らされているだけなのです。 私達は、DNIC(広汎性侵害抑制調節)のような、疼痛性刺激によって起きる他の機序も持っています。これは、強度の侵害刺激が侵害受容ニューロンに、侵害受容ニューロンの遠心性抑制をもたらす尾側延髄腹外側野へインパルスを送らせること、わかりやすく言えば、痛みを抑制する痛みを送らせるということです!しかし、私達は侵害受容(痛覚)が起こることを必要としています。 知覚、期待、抑制 もし私が以前にある治療、あるいは入力から良い結果を得ているのならば、再度、良い結果を期待するかもしれません。私の期待は、起こっていることに関する中枢神経系に肯定的な見方や認識をするように駆り立てるかもしれません。それは、私の関わる環境や人が、肯定的な入力と出力を誘発するということかもしれません。心地よく、リラックスしていて、安全に感じることが、中枢神経系に事象に対しての肯定的な評価をさせているのです。 それは、私の中枢神経系の認識、もしくは注意を増す不安を伴う事象の処理、潜在的に有害なあらゆる刺激の処理を変化させる、寒くて非常に不快な待合室と意地の悪い医師、あるいはこれまでの歯科医、治療家、トレーナーとの酷い経験とは、全く正反対なのかもしれません。 単純な因果関係というよりも、痛みはある程度、神経系周辺を浮遊している内因性(内部的に発生した)阻害物質の量と、疼痛経験の促進に関与する化学物質の量とのバランスに依存しています。 中脳水道周囲灰白質は(PAG)、吻側延髄腹内側部(RVM)と後外側束を介して、脳幹から後角へと抑制インパルスを送ることができます。中脳水道周囲灰白質は、視床下部、皮質部、辺縁系からインパルスを受け取り、これらのインパルスは、感覚、運動、感情等のような行動に関連するこれらの脳の部位に起因するいずれかの処理によって、潜在的に引き起こされるかもしれません。吻側延髄腹内側部内に、下降抑制を働かせる‘オフ’細胞と侵害受容伝達を促進する‘オン’細胞があると考えられていて、これらは慢性痛の状態に関与しています。侵害受容ニューロンの促通と末梢受容体の感作によって、私達は通常は非侵害刺激であるものを用いて、侵害受容性シグナルの暗号化を獲得するかもしれません。私達は痛みにおいて抑制効果のある内因性オピオイドとGABA、促進効果のあるアスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、NMDA(N‐メチル−D−アスパラギン酸)のような化学物質を持っています。これはもちろん侵害受容に関する全てではありませんが、同様に、私達は脳内に、ただ侵害受容伝達中のみではない疼痛経験の抑制と促進を持っています。 良い治療家はリラックスしやすい部屋に入って来て、誰もあなたの痛みを抑えることができなかったかの理由(でたらめな可能性のある)を説明し、彼等がその答えを持っていると自信たっぷりに安心させるでしょう。すると、あなたは理解されていると感じ、かすかな希望が湧いてきます。あなたの脳は、不安を緩和するかもしれない、あるいは抑制を引き起こし、潜在的ないかなる侵害受容性シグナルの促進の減少を引き起こすかもしれない化学物質を送り出します。化学的バランスは、痛みに対して‘マイナス’の可能性へ揺れます。セラピストが疼痛性刺激や、あなたの脳にとって新しい、今までにない運動情報の噴出を提供すると、突如、痛かったXXXが変化して、幾分良くなったかのように感じます。おそらく、その部位は緩んだ、あるいは強くなったように感じるかもしれません。これは素晴らしいことですが、どうか、この変化、あるいは注意を逸らすことと解決策を混同しないでください。 短期的な成功は明らかに有益ですが、最大の成功をもたらすのは、行動における長期的変化であることを忘れないでください。
パレオプラス:食事とエクササイズの再考 パート2/2
栄養学について私が今説明したことと同じように、エクササイズにも素晴らしいある共通した方法があります。しかし、この栄養学の方法は万人に効果があるわけではありません。なぜなら、欠乏がある場合があるからです。これらの欠乏は必ずしもホールフードが不足しているからではありません。私たちの身体は、遺伝や環境、ストレスレベル、年齢により栄養やビタミンの吸収率が異なるのです。 エクササイズも同じではありませんか? 吸収率は変化するかもしれません。ケトルベルスウィングで体重が減る人もいれば、腰を痛める人もいます。すばらしい食餌療法のようなものを達成するには、どんな手順を追えばよいでしょうか? まず、欠乏があるかどうか調べて知っておくこと。私たちのほんとんどは、何らかの欠乏が見つかることでしょう。そして、一般的な原理にできるだけ従ってみます。 約8週から10週ぐらい過ぎたら欠乏を再検査して、この一般的原理のアプローチで問題を解決できたかどうかを確認します。問題が解決されない人もいるでしょう。必須栄養素の本来の吸収を妨げる既往症や他の要因があるため、実施した栄養学の一般的原理のほかに、さらにサプリの摂取も必要かもしれません。 この定義はファンクショナルエクササイズにも当てはまります。ムーブメントスクリーニングや他の評価法を通して、機能不全という所見がある場合、ファンクショナルエクササイズの一般的原理にまず従いましょう。どのエクササイズや活動が行い難いか、だいたい見当がついていると思います。 トレーニングの後、痛みを誘発したり、顕著な筋肉痛や緊張(いつも心地よく感じる筋疲労とは比べものにならないぐらいの)が起きたりするエクササイズもあります。これらは、おそらくレッドフラッグでしょう。一連のエクササイズをやり過ぎたか、実際よりもずっとよく見えるものとのギャップを補ったか、私たちの身体がコミュニケーションを取ろうとしているのかもしれません。 残念なことに、私たちはいまだ1980年代や1990年代のエクササイズの進化の過渡期にあります。簡単に機能改善できるはずの一般的原理に従う前に、私たちはこれまでずっと、補助的なものを加えてきました。一般的原理に従っても良い結果が出なかった場合、コレクティブエクササイズ(エクササイズの補助的要素で、不足しないようにしたり、吸収を高めたりするために摂取するいわゆるプロテインシェイクやマルチビタミンに相当するもの)を使います。 残念なことに、トレーニングから何かを取り除かなくてはならないという理由から、ファンクショナルムーブメントスクリーンや他のファンクショナルムーブメントのトレーニングに“良くない”というレッテルが貼られているのが見受けられます。 何かを取り除くことには論理的な理由が2つあります。 まず、何かをひとつ除外してすべて改善したら、何かを学んだことになります。次に、何かをひとつ除外して何も変わらなければ、またひとつ何かを学んだことになります。 こうして学習していくことに何か不安を感じますか? スポーツとストレングス&コンディショニングにおける一番の不安は、どういうわけかパフォーマンスのキレが失われてしまうことだと思いますが、一体それはどのようにして? パフォーマンスに影響する環境変化が分かるぐらい頻繁に私たちはパフォーマンスをチェックしているでしょうか? パフォーマンスにまじめに取り組んでいる人たちは、ある時点でパフォーマンスが最高レベルに達するように計画しており、つまり、彼らのパフォーマンスレベルは、グラフで簡単に追うことができます。より機能的なアプローチを取り入れて、パフォーマンスレベルのグラフに大きな落ち込みが見られたら、すぐにその落ち込みに対して行動を起こし、落ち込みがほんの小さな変化に過ぎないようにすることができるでしょう。 本質的な動きと機能的に動くための基礎を取り戻すためにパフォーマンスの時間をこれに割く不安感は、頻繁にテストを行っていないことと客観性の欠如からくるのではないかと私は思います。クライアントの目標やすべての目標のために私が役に立っていないとしたら、そのことに最初に気がつくのは私でしょう。私は評価基準を体系的かつ客観的な方法で観察しています。これは例外ではなく、規範であるべきです。 特定のエクササイズの除外を正当化し、新たな機能的運動もしくはコレクティブエクササイズを導入するためのデータが揃うでしょう。そうすれば、同じ時間の中で、一般的な身体準備または特定の活動の競技スキルにおいて、実感できるかなり有意な効果がみられます。 では、タイトルにもあるパレオ・・・プラスがどこから来たか説明しましょう。パレオのような除外ダイエットのルールに従って良い結果が得られたならば、たまには幸福感を感じる食べものや便利な食べものを再び摂取したり、または楽しみにできる何かを与えるようにします。そういったものを時々紹介することもできますし、あるいはサボる日を作ることもできるでしょう。 私はできる範囲で地産食材、ホールフード、シンプルな食材、パレオ食材を食べるようにしています。もし、アイスクリームをひとカップ、ピザをひと切れ、とてもしょっぱいポテトチップなどが食べたくなったら、私はそのようなものも食べます。過剰摂取に気がついたら、少し量を減らせばよいのです。 除外ダイエットに従っていたとしても少しサボったり、少しプラスしたりすることによって、ほぼ同等の結果が達成できるのであれば、私にとってはそれで十分なのです。 このアドバイスを、みなさんのエクササイズプログラムの参考にしてみてください。患者さんをリハビリテーション後の活動的な生活スタイルに戻すために、このアドバイスを参考にしてください。(すべての怪我から学ぶことができるレッスンを学習していれば良いのですが)‘このケガを予防するために何かできることはなかっただろうか? また、せめてケガを軽くすることはできたのではないか? 場合によっては、‘ノー’とあなたは言うかもしれませんが、場合によっては、‘うーん、ケガを避けることはできなかったが、リハビリの過程において他に15もの問題が明らかになったせいで、リハビリに時間が長くかかった’と言うかもしれません。 栄養管理計画の除外の目的は、現在の自分自身を取り巻く環境に競争上の優位性を提供することだということを覚えておいてください。筋を維持し、脂肪が少なくよりエネルギーに満ちた状態に保ちたいものです。何かを除外することでこれが達成できるのであれば、それは競争上の優位とパフォーマンス向上でしょう。 機能不全である動きのパターンを改善することは、広範囲にわたる効果をもたらし、これまで行き詰まっていたパフォーマンスの評価基準の多くの要素を変化させます。見てみなければ知り得ないし、初めに検査していなければ再検査もできません。 動きとパフォーマンスの基準を設定しましょう: 補助的と思われるエクササイズや身体の一部に偏ったエクササイズは除外しましょう。 まず全体的な動きのパターンを含みましょう:走る、跳ぶ、運ぶ、登る。 身体が硬かったら、深呼吸して健康を取り戻してから、可動性をつけていきましょう。 力が弱いならば、モノを運んだり持ち上げたりしましょう。 自分自身の動きのパターンを自分のものにしましょう。始めは単純で基本的なことを。最初は負荷はなしで行い、それから負荷を加えます。常に全体性を持って。 身体と動きのパターンの変化を観察しましょう。 理にかなっていなかったり、補助的であると思われるエクササイズは除外してください。基準テストからどのぐらい改善したか見てみましょう。 自分自身のパフォーマンスを観察すれば、パフォーマンスが何であるか否か、などの無限定な発言をする言い訳はできなくなります。パフォーマンスの最初の必要条件は、参加することです。もし、今日のあなたの調子が悪ければ、参加はできないのです。 シンプルかつ基本的で、全体的なエクササイズプログラムを楽しみましょう。一度自分のものにして、楽しんでしまえば・・・こっちのものです!
あなたは中枢神経系を助けているのか?ただ中枢神経系の注意を逸らしているのか? パート1/2
人間の神経系は、非常に適合性があります。中枢神経系は恒常的に中枢神経系/私達に影響する様々な刺激に反応しています。その処理はしばしば、予測に基づいて、あるいは難しく言えばベイズ推論モデルに基づいているということを忘れてはいけませんが、簡略化すれば、入力−処理−出力システムとして表現されるかもしれません。 これが意味していることは、もし私達が入力を変更すれば、その反応として異なる出力を得るかもしれないということです。 最近、私は、騙されやすい中枢神経系に関して、そして、いかに‘神経系を巧妙に改造’するのかに関する多くの議論を読んでいます。正直なところ、同意できるかどうか確実ではありませんが、これは結局、中枢神経系はコンピューターではないということを暗に伝えているように感じますが、これに関して、私は恐らく、潜在的に一時的に出力を変化させる、異なる一時的な入力を提供することによって、神経系の認識を変化させるのであろうと考えます。私達は、一つの‘プログラム’と他のプログラムを交換しませんし、‘初期化’して出荷時設定(例えそれが何であれ)に戻すこともしません。そうではなく、‘プログラム’は、適用された入力に従い、恒常的に状態を発展させます。もちろん、私達は時折、一貫性のある入出力‘ループ’の中に閉じ込められてしましますが、この習性が瞬間的に、恒久的に変化することはそう多くありません。 もし私の出力が,関節の硬さであるとすれば、これが組織の保護に基づいていて、多くの脅威ではない入力を提供されているのであれば、私の中枢神経系に関する認識は‘私達はそこまでの保護を必要としない’という認識に変わるかもしれませんし、次に関節の硬さの減少により、筋緊張の出力を低下させるかもしれません。ほとんどの習性のように、染み付けば染み付くほど、長期間にわたって認識を変化させるために、より定期的に‘有益な’入力が適用される必要があります。 それはただ注意をそらすものですか? 場合によっては、これは認識の変化というよりも、より注意をそらすものかもしれません。そして、適用された入力の新規性と大きさは、現在の状況よりもはるかに興味深く、注目すべきことかもしれません。もし私が、より興味深い、あるいは注目度抜群の刺激を提供することによって中枢神経系の注意をそらすならば、この入力の変化は中枢神経系の出力を変化させるかもしれません。しかし、中枢神経の注意をそらすことは、長期的に何かを有益に変化させるための刺激を提供しないかもしれません。 私達は、変化のための環境を育てることなく、恒常的に中枢神経の注意をそらすこともできます。ただそれだけを行う‘短期間の治療’が、どれほど存在していることでしょうか? 出力におけるこの変化はしばしば、ただの一時的な注意をそらすもの以上のものと混同する可能性があり、これは私達が感触を推定し始めるところかもしれません。突如として新しい入力が、身体の遠く離れた部位の長期にわたる問題の‘解決策’になる可能性もあり、同様に誰かの複雑な痛みのパズルに欠けている奇跡のピースと勘違いされる、あらゆる短期的な変化になる可能性もあります。 私達は、筋膜システム、生体力学、複雑な脳を基底としたメカニズムを伴う、架空のバックグラウンドを作り上げることができます。これら‘解決策’の全ては、成功の指標として、関節可動域、筋力、あるいは感覚といった中枢神経系の出力を介して調整されているすべてのことにおける短期間の変化に依存しているのです!変化という言葉は、単に変化というだけであって、変化が良い事とであるとほのめかしているわけではなく、短期間の変化もまた、長期間の変化、あるいは‘解決策’をほのめかしているわけではありません。 私達は、筋力の増大と関節可動域の増大を、肯定的なものとして混同します。腰痛を患っている人達において、体幹筋群収縮の増大は、現在進行中の痛みの状態と関連していて、筋硬直の減少と筋長調整もまた、実際には、運動制御において、悪影響を及ぼすかもしれません。筋力も柔軟性も共に、状況に依存するものなのです。 痛みの部位における筋力の増大は、潜在的に実際の問題を代替した結果因子であり、原因とはほぼ関連ないでしょう。 これを状況に当てはめてみましょう。 ある人が肘痛を患っていて、治療家、あるいはトレーナーが足に刺激を与えます。この刺激は、種類にもよりますが、さまざま脊髄路を伝わり、処理のために脳まで達します。すると突然、肘の感覚が変わり、良くなったとさえ感じるかもしれません。これは、身体が特に足からの刺激を必要としていて、そして、これはどういうわけか、肘と関連していて、その問題の原因は、わかりやすく言えば、中枢神経系が、恐らく、動いている他の身体部位と比較しても、足から来る情報により多くの注意を払っていて、それ故に、中枢神経系が体内で調整している他の状況への出力を変化させているということを意味しているのでしょうか? 情報の噴出! なぜ中枢神経は特定の身体部位に、より注意を払っているのでしょうか? さて、通常関節によってもたらされる運動が制限されているのならば、固有感覚情報の噴出は、神経系にとって新しく、注目に値し、興味深いものとなります。私達は新しい、あるいはこれまでの経験に基づいた予測を超えた刺激に対して注意を払います。一つの例として、通常よりも高さのある歩道の縁石から足を踏み外した際、突如、私達は、この入力情報の変化に気付きます。もしそれが通常の高さであれば、単に注意を払うに値する情報ではなく、私達は意識せずに楽しく歩くことでしょう。私達はこの新しい刺激に注意を払っていますが、感覚、あるいは他の部位の硬直の調整は、特に新しい刺激の持続時間が十分であれば、中枢神経系の出力として変化するかもしれません。 これは、2つの身体部位は何らかの形で結びついていて、誰かが必要としている刺激ということではなく、その人がたった今注意を払っている、ある刺激なのかもしれません。そのうち、その刺激に今ほどの目新しさも注意を掴む潜在力もなくなれば、注意を逸らすレベルも変化するかもしれません。私達は、軟組織の取り組みにおいて、これを目にします。身体/中枢神経系が慣れてしまって、同様の効果を得るためのさらなる刺激のレベルを提供するために、人々は、フォームローラーから、ケトルベルのようなより硬い器具に少しずつ変化します。 運動によって作り出された固有感覚情報はまた、小さなAδ線維と有害情報を伝達するC線維を抑制する、大きなAβ線維から伝達されてくるような情報によって、痛みに関しての‘ゲート効果’があります。これが、私達が痛みのある部位を撫でる理由であり、この理論は、メルザック とウォールよって最初に提唱された ‘ゲートコントロール理論’として知られています。この理論が、1960年代の原型から進化した一つの理由は、他の神経生理学的メカニズム‘下行性抑制’同様に、痛みによる侵害受容を必要としていたからです。これが、幾つかのケースにおいて、なぜ注意を逸らすことと認識の変化が私の興味を引くのかの理由でもあります。私が認識の変化、あるいは注意をそらせるという理論を好む理由は、他と競合しているたった一つの入力、あるいは出力を変化させる入力の代わりに、抑制されるために起きている侵害受容があることを暗に伝えていないからです。
パレオプラス:食事とエクササイズの再考 パート1/2
たいてい私は、栄養管理とエクササイズを並行して進めていきます。エクササイズは常に約15年ほど遅れてはいるものの、現代のエクササイズの進化と発展は、栄養管理の進化と発展を反映していると確信しています。 栄養学の潮流にたしかに波はありますが、最新動向に学び、熟読し、取り入れることが大好きです。そうは言っても、私たちの文化のなかで最も先進的な栄養アドバイザーと呼ばれる人たちは、歴史的に表現され、純粋に実践的なある一連の原理に従っていると思います。マイケル・ポーランを思い出してください。 新たな方法論がこれらの原理にしっくり合っているならば、いい線をいっているのではないかと思います。もし、身体の代謝や体内と体外の環境における基礎的な原理を無視した栄養学に走ってしまえば、いつものように“万能薬”や“特効薬”といった手段を単に推奨しているだけになります。 もっとナチュラルでホリスティックな食ベ方を観察すれば、スタイルと実体の両面においてうまくいくでしょう。単に何を食べるかではなく、どのようにどこで食べるかということ。身体器官のバランスを整えることを考慮すれば、間欠断食はおそらく何を食べるかということと同じぐらい重要です。 身体の中に取り入れるものは、生命の維持に必須であり、非常に重要ですが、どのような方法で体内に取り入れるかも同等に重要であると私は考えます。 パレオダイエットやそのライフスタイルによって支持されている除外の考え方が最近注目されていることは、良いことだと思います。除外への関心は、マーケティングをも変えました。食品は、オメガ3や繊維を含んでいることだけを表示するのではなく、ホルモンや合成添加物、着色料、グルテンおよびトランス脂肪を含んでいないことも表示しています。 1980年代と1990年代を通して、栄養学の潮流は補助食品にあったように思います。食物のリソースは十分でなく、しかも適切な食材を料理するには時間がかかり過ぎると、補助食品の摂取を正当化していたことを誰もが認めています。シェイクやビタミンパック、クレアチンなどが出てきました。 サプリには利点があるようで、リサーチも急増しました(まだ続いていますが)。食事に明らかな摂取不足や欠乏または損失がある人にサプリを処方すれば、不足分を補うわけですから、どんなサプリを摂取しても当初の段階から効果が現れることが分かっています。これは、マイナス側面を取り除いているだけで、プラス面は加味されていません。 そもそも、なぜ欠乏があったのでしょうか? 過去の考え方は、“いらないものも取り入れ、良いものも加えよう!”でしたが、最近の流れは(願わくは)、本質的なものを見つけ、不要なものは取り除くことに変わりました。残念ながらそれは、拝金主義とマーケティングに陥ってしまいました。彼らは、私たちが求めているものが何なの分かるや否や、私たちの好奇心を満たすために、安価で、決して健康的ではないものを消費させようとたくらむのです。 これに関してマイケル・ポーランは、多くの書籍の中で、シンプルな言葉で次のように素晴らしいことを言っています。 (以下私の言い換え)できる限りホールフード(丸のままの食品)や汚染されていない本質的な食べ物、地産食材を食べ、そして、自分の身体が最高と感じる様々な品質を味わいなさい。パレオの食べ方の根底にあるのは、地産食材でない、ホールフードでない、不確かな多くの食べ物を摂取しないということです。 エクササイズの行い方にも応用できる教訓はあるでしょうか? エリプティカルマシーンが導入された当時、私はすでにフィットネス&リハビリテーションの専門分野にいました。私の多くの同僚は、衝撃がほとんどなく、臀筋の活動が20パーセント向上するというマシーンに飛びつきました。衝撃にうまく反応できない人や特定の場所でテレビを観ながらエクササイズをしたいという人にとっては、素晴らしいエクササイズの方法ですが、エリプティカルマシーンはトレッドミルやステアステッパーとは異なるものを提供しました。 これらは私たちに改善をもたらしたのでしょうか? エリプティカルマシーンが発明されたからといって、私たちは優秀なランナーやハイカー、クロスカントリ―スキー選手、サイクリストを育成できたでしょうか? それとも、これまでと同様、エクササイズの補助的手段のひとつでしたか? 代謝負荷により一時的な効果はあったものの、これによって、より真っすぐ立てたり、歩き方がきれいになったり、歩行において生体力学的エラーが少なくなったのでしょうか? これらの質問に回答するのがこの論考の目的ではありませんが、問いかけてみるには良いものでしょう。 みなさんがアトキンスダイエット、サウスビーチダイエットを覚えているかどうか分かりませんが、もしくはパレオのファンかもしれませんが、これらのすべてでは、食べ物を追加していくよりも、多くの食べ物を除外することが求められます。たいていの人たちは、パレオ食を毎日楽しめます。ことを複雑にしている要因は別にあります。合成食品、過剰な穀物、低品質の乳製品、精製糖、およびエネルギーサプリメントへの依存は、すべてを複雑化させる要因を生み出してきたのです。 パレオのアプローチが、加える食べ物や除外する食べ物によって本当にためになっているのかよく分かりませんが、一般的な常識として、負荷の方が追加負荷よりも大きいことに気がつくでしょう。新しい食べ物が紹介されているのではありません。合成調味料を減らした定番の食物を多く使用しているだけです。そうですね? パンのないサンドイッチはミートサラダと呼ばれます。栄養学における最近の研究は、本物でない食べ物や習慣的間食の除外は両者とも役に立つことを示しています。 調理が必要な本質的なホールフードを摂取しつつ間欠断食を行うことで、生活の質を向上することができます。心理的なご褒美として、一日ぐらいサボる日を設けてみましょう。そうすれば、ダイエットではなく、素敵な食生活であると感じる栄養管理がうまくいくでしょう。 エクササイズもこのようなレベルに達すればいいですね?
コンプレッション衣料の筋肉痛への効果 パート2/2
プライオメトリックス後のDOMS 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – 主にジャンプ、ホップ、ドロップランディングから成るエクササイズセッションであれば何でも 比較 – コンプレッション衣料の使用と衣料無し、もしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – 認識された筋肉痛の測定値もしくは評価尺度であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:デイヴィスおよびその他(2009年)、ダフィールドおよびその他(2010年)、ジェイクマンおよびその他(2010年)、ジェイクマンおよびその他(2010年b)。 発見 コンプレッション衣料を着用することは、プライオメトリックセッション後1-72時間の間における目立ったDOMSの有益な減少をもたらすようである。筋肉痛を減少するためにコンプレッション衣料を使用することは、男女両方、そして十分なトレーニングを行っているチームスポーツアスリートに対し有益であるようである。 4つの研究が、プライオメトリックエクササイズ後におけるコンプレッション衣料のDOMSへの影響を評価している。全ての研究は市販のロングコンプレッションタイツを使用しており、エクササイズ後24時間の時点でDOMSを評価しているが、一部の研究は48時間後(ジェイクマンおよびその他、2010年、2010年b、デイヴィスおよびその他、2009年)および72時間後(ジェイクマンおよびその他、2010年、2010年b)の筋肉痛も評価している。4つすべての研究は、コンプレッションタイツは各時点(24時間から72時間)におけるDOMSを減少したということを発見している。例外として、デイヴィスおよびその他(2009年)が、48時間の時点におけるDOMSは減少したが、24時間の時点ではそうではなかったということを報告している。 要約 ロング丈コンプレッションタイツを着用することは、プライオメトリックス後24-72時間の間におけるDOMSのわずかな減少を生み出す。 有酸素運動後のDOMS 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – 定常有酸素運動セッションであれば何でも 比較 – コンプレション衣料の使用と、衣料無しもしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – 認識された筋肉痛の測定値もしくは評価尺度であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:アイおよびその他(2007年)、ヒルおよびその他(2014年)、トレセラーおよびその他(2015年)、ビーゼンおよびその他(2014年)。 Findings 5kmからマラソン(ロードおよびトレイルランニングの両方を含む)までの間の距離における持久系エクササイズ後にコンプレッション衣料を着用することは、エクササイズ後1-24時間の間におけるDOMSの減少を生み出す。 4つの研究が持久系トレーニングセッション後における、コンプレッション衣服のDOMSへの影響を評価している。その研究は、5kmからマラソンまでの距離におけるロードランニング(ヒルおよびその他、2014年、アイおよびその他、2007年、トレセラーおよびその他、2007年)、および総合して15.6kmである上り坂と下り坂のトレイルランニング(ビーゼンおよびその他、2014年)を評価している。被験者は、女性(ヒルおよびその他、2014年、トレセラーおよびその他、2015年)、男性(アイおよびその他、2007年)、および熟練した男性ランナー(ビーゼンおよびその他、2015年)であった。1つの研究のみがロング丈コンプレッションタイツの使用を評価しており(ヒルおよびその他、2014年)、他の研究は膝丈コンプレッションストッキングを使用していた。 要約 持久系トレーニング後にコンプレッション衣料を着用することは、24時間までのDOMSを減少することにおいて有益である。対照的に48時間の時点における効果は無いようである。 間欠的運動後のDOMS 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – 間欠的有酸素運動セッションであれば何でも 比較 – コンプレッション衣料の使用と、衣料無しもしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – 認識された筋肉痛の測定値もしくは評価尺度であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:アイおよびその他(2007年)、ダフィールドおよびその他(2008年)、モンゴメリーおよびその他(2008年)、ダフィールドおよびその他(2007年)。 発見 コンプレッション衣料は、スプリントの反復および練習試合を含む間欠的運動後24-72時間の間におけるDOMSを減少するようである。コンプレッション衣料は、より多量もしくは高強度のエクササイズ後によりいっそう効果を示すようである。 4つの研究が、間欠的運動後におけるコンプレッション衣料の効果を評価している。間欠的運動の種類は各研究によって異なっており、スプリント(ダフィールドおよびその他、2007年、ダフィールドおよびその他2008年)、多段階漸進フィットネステスト(アイおよびその他、2007年)、もしくは3日間にわたるバスケットボールトーナメント(モンゴメリーおよびその他、2008年)から成っていた。各研究の被験者は全て、趣味またはクラブ基準のスポーツ選手、もしくは趣味として活発に活動する男性であった。コンプレッション衣料は、ロングタイツ、ロングタイツとシャツ、あるいは膝丈ストッキングであった。全ての研究は、エクササイズの24時間後のDOMSを評価しており、2つの研究はさらに48および72時間後のDOMSを評価していた(ダフィールドおよびその他2008年、モンゴメリーおよびその他、2008年)。コンプレッションの有益な効果は、3つの研究において発見されたが、漸進フィットネステスト後のDOMSを評価した研究は、コンプレッションのいかなる影響も示していなかった(アイおよびその他2007年)。さらにコンプレッション衣料は、ラグビーの練習試合後48時間および72時間の時点において、またバスケットボールトーナメント中のDOMSの有益な減少をもたらしている。 要約 コンプレッション衣料を着用することは、スプリント後や間欠的スポーツ後24-72時間の間のDOMSを減少することに対し有益な効果がある。 結論 コンプレッション衣料は、レジスタンストレーニング、プライオメトリックトレーニング、また定常および間欠的有酸素運動を含む多数のタイプのエクササイズ後におけるDOMSを減少する。 ほとんどの場合、DOMSの軽減は24-48時間の間に観察されているが、ある種のエクササイズはより長時間(レジスタンストレーニング、プライオメトリックトレーニング)およびより短時間(有酸素トレーニング)におけるDOMSの軽減を示している。 DOMSの軽減は、男女同様に、また熟練したアスリートおよびレジスタンストレーニングを行っている個人において体感されるようである。コンプレッション衣料は、より多量のエクササイズもしくはより高強度におけるエクササイズ後により多くの恩恵をもたらすようである。
コンプレッション衣料の筋肉痛への効果 パート1/2
目的 この記事は、エクササイズ後の回復期間中における、筋肉痛の測定値に対するコンプレッション衣料の影響を要約している。 遅発性筋肉痛(DOMS)に対する影響 序論 多くの研究は、趣味として運動を行う人、地域および大学のアスリート(そして持久系アスリート)また、ストレングストレーニングを行っていない男女を含む様々な個人において、エクササイズ後に認識されている筋肉痛へのコンプレッション衣料の影響を評価している。認識されている筋肉痛とは、エクササイズ後の筋肉において感じられる不快感、圧痛、もしくは痛みのことを言い、一般的に、個人が活動の低減した期間から復帰した際、もしくは比較的新しいトレーニングの刺激を経験した際に増大される。認識されている筋肉痛はきわめて一般的に遅発性筋肉痛(DOMS)を指す。スポーツ科学者たちは、様々な測定値によりDOMSを数値化することが可能であり、個人が認識している「全体的な」筋肉痛、もしくは日常生活を行っている際の、筋肉をその可動域で動かしている際の、あるいは触診による主観的な評価尺度(視覚的アナログ尺度)が最も一般的である(チャンおよびその他、2003年、クレーマーおよびその他、2010年)。 エキセントリックトレーニング後のDOMS 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – 急性筋損傷を起こすことを目的とした、エキセントリックの高負荷もしくは最大負荷に注目したエクササイズセッションであれば何でも 比較 – コンプレション衣料の使用と、衣料無し、もしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – 認識された筋肉痛の測定値もしくは評価尺度であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:カーリングおよびその他(1995年)、クレーマーおよびその他(2001年)、クレーマーおよびその他(2001年b)。 発見 エキセントリックトレーニング後における、コンプレッション衣料のDOMS測定値への影響は、(全てではないが)多くの研究がエクササイズ後24時間から5日の間において向上を示しているため、いささか不明確である。 3つの研究全ては、腕屈筋群へ対するエキセントリックな損傷後、24、48,72時間の時点において認識された筋肉痛を評価しており、全ての被験者はコンプレッションスリーブを着用していた。この研究における被験者は、ストレングストレーニングを行っていない男性(クレーマーおよびその他、2001年)、ストレングストレーニングを行っていない女性(クレーマーおよびその他、2001b)、および男女大学生であった(カーリングおよびその他、1995年)。それらの研究のうち2つは(クレーマーおよびその他、2001年、クレーマーおよびその他、2001年b)、コンプレッションスリーブは全ての時点において認識された筋肉痛に対し有益な影響があったということを発見しているが、もう1つの研究は(カーリングおよびその他、1995年)、コンプレッションスリーブの影響を発見していなかった。コンプレッションスリーブの有益な効果を発見した両方の研究は、他の研究と比較し多少多くのエクササイズ量を使用していた(100対70総レップ)。同様にカーリングおよびその他(1995年)は、エキセントリック損傷後に一般的にみられる筋力強化もしくは筋肉の腫れはエクササイズ後に変化していないということを報告している。 要約 コンプレッションスリーブは、筋力強化もしくは筋肉の腫れが起こるエキセントリック筋損傷後のDOMSを軽減する。 レジスタンストレーニング後のDOMS 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – レジスタンストレーニングセッションであれば何でも 比較 – コンプレション衣料と、衣料無しもしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – 認識された筋肉痛の測定値もしくは評価尺度であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:クレーマーおよびその他(2010年)、後藤およびその他(2014年)、フレンチおよびその他(2008年)。 発見 今までに、少数の研究がレジスタンストレーニング後におけるコンプレッション衣料のDOMSへの影響を評価している。レジスタンストレーニングを行っている男女において、上半身および下半身のコンプレッション衣類は、全身のレジスタンストレーニングセッションの24時間から48時間後におけるDOMSの有益な軽減をもたらすようである。 レジスタンストレーニングセッション後のDOMSを評価した研究は、3つ存在する。1つの研究は(フレンチおよびその他、2008年)、被験者に下半身のレジスタンストレーニングのみを行わせ(最大エキセントリック負荷において10回のバックスクワットを6セット)、他の2つの研究は全身のレジスタンストレーニングセッションを完遂させた。レジスタンストレーニングのDOMSへの影響は、レジスタンストレーニングを行っている男性(後藤およびその他2014年)、トレーニングに精通している男性(フレンチおよびその他、2008年)、およびレジスタンストレーニングを行っている男女(クレーマーおよびその他、2010年)において研究されている。2つの研究は全身用ボディコンプレッションスースを使用し(クレーマーおよびその他、2010年、後藤およびその他、2014年)、1つの研究はロングタイツを使用していた。被験者が全身のレジスタンストレーニングを行った2つの研究は、エクササイズ後24時間および48時間の時点の両方において測定した際、コントロール被験者と比較し有意なDOMSの向上を報告している。対照的に、フレンチおよびその他(2008年)は、下半身のレジスタンストレーニング後1—48時間の間におけるDOMSに差違はなかったと報告している。また被験者は、エクササイズ後の1時間と比較し、いかなる時点においてもDOMSに差違はなかったと報告している。対照的に、他の2つの研究における全ての被験者に対し、エクササイズの24時間後に測定を行った際、DOMSは有意により大きく、トレーニング効果の差違を示しており、それが発見の差違につながったのかもしれない。 要約 全身用コンプレッションスーツを着用することは、全身のレジスタンストレーニング後24−48時間におけるDOMSを軽減する可能性がある。
運動療法を用いる際に知っておくべき4つの必要不可欠なポイント パート2/2
考え過ぎない/恐怖感の無い状態 一体何人の人達が、回復過程をも妨げる再受傷の恐怖感によって、痛みを増幅させたでしょうか?それは、身体の物理的部位は完全に治癒していても、疼痛経験と関連するようになる可能性のある心理的側面のせいで、運動・感覚反応はいまだに防御状態にはまり込んで抜け出せないということかもしれません。 再受傷の恐怖感は、人々の回復に悪影響を与える可能性があり、一例として、次の研究のように、前十字靭帯(ACL)損傷後に重度の運動恐怖症を目にすることがあります:Kinesiophobia after anterior cruciate ligament rupture and reconstruction: noncopers versus potential copers(前十字靭帯損傷と再建術後の運動恐怖症:予後不良患者と潜在的な予後良好患者の対比) 人々はしばしば、‘調子のよくない’膝、あるいは‘壊れそうな’腰に自分を重ね合わせ、その部位への過度の認識されるストレスと負担をかける活動から積極的に逃れようとするかもしれません。Vlaeyenは恐怖回避に関する話題で、1995年に素晴らしい研究論文を執筆しました:The role of fear of movement/(re)injury in pain disability(疼痛障害における運動/(再)受傷の恐怖感の役割)。特定の活動を避けることによって、彼等の身体部位に関する信念は強化され、それ故に、彼等はこれらの活動をさらに避けるようになります。 生理学的レベルにおいて、これは、作業の必要性がより低いため、これらの部位は低能力な組織と失調を引き起こすということを意味するかもしれません。低能力は、その部位がより容易に過負荷になり、恐らく、今後の痛みに敏感になることを引き起こすかもしれません。 先程、リラクゼーションのセクションで議論したのと同様に、恐怖に対する行動によって引き起こされる防御的な運動反応は、組織への血液供給や老廃物の除去のような局部での自然な生理学的プロセスを妨げる可能性があります。これは、アシドーシスや更なる感度知覚や回避行動・回避信念に至らせる、機械的侵害受容器感度の増大を引き起こすかもしれません。 過度の用心深さ(知覚過敏が増強した状態)は、‘危険に晒されている’と認識される特定の部位に適用されるかもしれません。そして、その過度の用心深さは、今後の再受傷の不安とそれに続く仕事や家族生活への影響を伴う可能性があります。 運動療法アプローチにおけるキーコンセプトは、身体的・心理的脱感作の両方へのアプローチに基づく、段階的な露出と漸進的な負荷を利用することです。目指すのは、考え過ぎず、恐怖感の無い状態で機能的な活動に戻ることです。肯定的な運動の成果を再確認することは、運動に関して抱かれている否定的な信念を減らすことへの鍵です。 変動性/多様性 変動性は、生体系にもともと備わっているものです。このことに関して、私はMovement variability & its relation to pain and rehab(運動の変動性と、痛みとリハビリテーションへのその関連性)に詳しく記述しました。 運動の自然な変動性は、痛みに影響を受けると共に、痛みの原因でもあるかもしれません。この最近の研究論文Interaction between pain, movement, and physical activity: short-term benefits, long-term consequences, and targets for treatment (痛み、運動、身体活動間の相互作用:短期的な効果、長期的な影響、治療の目標)は、痛みと運動間の関係性に関して明らかにしている新しい理論のいくつかを強調しています。治療とパフォーマンスの両方における、エクササイズへのアプローチはしばしば、ターゲットの組織や運動への効果を増大させるために、多様性を減らしています。これは、筋肥大と作業能力のためには良いかもしれませんが、これまでに多く書かれてきた、リハビリテーション用エクササイズの目的を形作っている、運動系による痛みへの適合に関する重要な側面に取り組むことに欠けています。 MoseleyとHodgesは、Reduced variability of postural strategy prevents normalization of motor changes induced by back pain: a risk factor for chronic trouble?(姿勢戦略における変動性の減少は、腰痛によって誘発された運動変化の正常化を妨げるのか?:慢性的問題の危険因子)において、慢性腰痛を引き起こす危険因子としての変動性の減少を確認しました。 この研究論文Low back pain status affects pelvis-trunk coordination and variability during walking and running(腰痛の状態は、歩行と走行中の骨盤−体幹の協調性と変動性に影響を及ぼす)は、腰痛を持たない、一度だけ腰痛を経験した、あるいは長期的に腰痛を患っている被験者における歩行と走行の変動性解析から確認しています。 彼等の結論は: "このデータは、たった1回の腰痛の発症にさえ関連している損傷リスク増大とパフォーマンスの欠如の洞察に役に立ち、臨床医は、腰痛のためのリハビリテーションを処方する際に、痛みの解消のその先を考える必要があるということを示唆している” 私のお気に入りの運動理論の一つは、Feldmanによって記述された‘均衡点’です。 Latashは、このことをMotor Control Theories and Their Applications.(運動制御とそれらの適用)の中で解説しています。 "これは、中枢神経系の制御レベルが、空間的座標において、筋肉がいつどのように活性化されるかについての正確な詳細について懸念することなく活性化される場所を指定することを可能にしている" よって、中枢神経系は、末梢レベルでの一時的な協調を自己管理された/自己最適化された、つまり変動性のある状態に放置する一方で、運動パラメーターを設定するかもしれません。これは、ガンマ運動ニューロンと筋紡錘に関わるフィードフォワード/フィードバック機構を介してであると仮説を立てられています。 もしパラメーターが、中枢神経系によって厳しく設定されているのであれば、これはシステムの中で利用可能な変動性と変化する刺激への適合を可能にする能力を縮小するかもしれません。 私の予感(恐らく、科学的には良くないこと)の一つは、パラメーターは特定の身体部位の皮質マップと、これまでの運動経験/疼痛経験の相互作用を介して設定されているのかもしれないということですが、もちろんこれは証明されていません! 私達はこの情報を現場でどのように使用できるでしょうか?異なる運動パターンと変数の幅は、対応/適合する人へ異なる刺激を提供するために、運動療法プログラム中に活用されるべきです。彼等が診療所環境、あるいはジム環境から離れる必要があるということとほぼ同様に。