マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてポイントとコインを獲得すれば理解も深まります。
筋が張っていると感じるのはなぜ? パート1/2
なぜ筋が張っているように感じるのでしょうか? それは筋が短いということ? リラックスできないということ? 私たちはこれに対して何ができるのでしょうか? 筋が張っていると感じる理由とその対応の仕方について、いくつかの私見を紹介します。 張りは力学的状態だけではなく感覚である 誰かが、ある部位に張りを感じると言う場合、異なるいくつかの訴えを指しているかもしれませんから、それを探るように心がけます。 可動域の悪さのことを言っているのか? または、可動域は正常でも動きの最終域で違和感を覚えるのか、それとも動かすために余計な力が必要なのか。 または、実際の問題は動きにあるわけではなく、その部位がまったく弛緩してくれないかんじがあるのかもしれません。 もしくは、その部位は基本的に弛緩しているにもかかわらず、はっきりしない違和感、つまり痛みとまでは言えない不快感があるのかもしれません。 この曖昧さは、張っていると感じるのは単なる感覚であって、過度の緊張やこわばり、短縮という物理的または力学的性質ではないということを意味しています。これら一方がなくてももう一方が存在することもあり得るのです。 たとえば、ハムストリングの張り感を訴えるクライアントが大勢いますが、前屈してみると簡単に手の平を床につけることができるのです。一方、ハムストリングに張り感をまったく感じなくても、前屈してみると手が膝すら越えることができないクライアントもいます。張り感は可動域の正確な測定にはなり得ません。 また、筋の実際の緊張や硬さ、または“こり”の存在を正確に反映しているわけでもありません。クライアントが張っていると感じている部位を私が触診すると(仮に上部僧帽筋とします)、たいてい彼らは「すごく張っているのが分かりますか?!」訊ねてきます。 たいてい私は次のように言います: うーん・・・いいえ、周りの組織と同じ感じですよ。 そうは言っても、その部位が張ったように感じて不快な思いをされていることは十分理解しています。 私も張り感は好きではありませんので、それを改善するお手伝いをしたいのです。しかし、張り感があるということは、ある部位が本当に物理的に張っているということとは異なるのです。このことは納得していただけますね? 実際、ほとんどの人は納得してくれます。そしていささか興味深く思うでしょう。みなさんにこのことを理解してもらいたいのです。なぜなら、張りを治すつもりですでに立てた見当違いの計画、つまり強引なストレッチや筋膜の圧壊、癒着剥離などを再検討するきっかけになるかもしれないからです。そうすれば、ラクロスボールを胸郭の途中まで押し付けるようなことよりも、もう少し控えめなアプローチを考慮したいと思うでしょう。 筋は実際張っていないのに、なぜ張り感を感じるのか? では、筋は物理的に弛緩しているにも関わらず、なぜ張り感を感じるのでしょうか? 例えとして、痛みをとりあげられると思います。組織の損傷がなくても痛みが存在することがあります。なぜなら、痛みは脅威の知覚から生まれ、その知覚は必ずしも現実と一致するとは限らないからです。痛みは本来、警告であり、そこに本当の危険が存在しなくても作動してしまうことがあるのです。 同様の論理が張り感にも通用するかもしれません。その感覚は、身を脅かす状況が筋に起きていて、動きを正す必要があるということを無意識に私たちが知覚している時(それが正しいか間違っているかは別に)発生します。 では、この張り感が私たちに警告しようとする身を脅かすような状況とは何でしょうか? 確かに、緊張があるということだけではないようです。むしろ筋は緊張を作り出すようにできています。また、筋がほぼ完全に弛緩しているにも関わらず、筋に張り感を覚えることがしばしばあります。 ですから、緊張自体は身を脅かすものではなく、適切な休息や血流の欠如こそが、身を脅かすもので、それが代謝的負荷を起こしたり侵害受容器を化学的に活性化してしまったりすることがあります。張り感が私たちに警告しようとしているのは、緊張の存在ではなくて、緊張の頻度または血流不足(特に血液を必要とする神経において)なのです。 私はこの点を考慮して、張り感とは、痛みとまで呼べない軽い痛み、つまり痛みのバリエーションとしてとらえています。実に煩わしいものです。そして張り感には、明らかな特性や特徴があり、休息中の姿勢を変えてみたり、体を動かしてみたり、ストレッチしてみたりなどの動機を与えます。これは、じっとして動かないようにしていようと思わせる痛みは異なります。おそらく、痛みはその部位を動かすなという警告で、張り感は動きなさいという警告といえるのかもしれません。 筋の緊張にどのように対処すればいいか? 身が脅かされていると神経系に知覚させる多くの“入力”、つまり痛覚や思考、感情、記憶などのひとつを変えることによって、痛みを治療するのと同じように張り感も治療できると考えます。 痛みのなかには、動きや姿勢の癖との関連性がとても明らかなものがあります。これは「こうすると痛いです。そして、もっとこうするとさらに痛くなります。これをしなくなれば、痛みも減ります」などと言われれば分かりやすく、このような場合には、動きや姿勢を改善することによって、痛み(動きによって起こる機械的侵害疼痛)の主な要因を減らせるため効果的であることが多いのです。 一方、ほかにも痛みの原因はたくさんあります。特にもっと複雑な慢性疼痛では、痛みが特定の動きや姿勢にさほど関係しない代わりに、時間帯や睡眠時間、情緒状態、ストレスレベル、食事、日々の運動、あるいは原因不明な要因の変動に関係します。このような時は、動きによって起きる機械的侵害疼痛が痛みの主な要因ではなさそうです。それよりも末梢性と中枢性の感作がより関与している可能性があります。 張り感についても同じように捉えることができると思います。
熟練 パート1/2
コーチングの熟練は芸術です。それは、何をすべきかを知っていることと同時に、何をせぬべきかを知っているということです。 コレクティブエクササイズを指導し、利用することは、全くもって新しい取り組みです。ここで、全くもって新しい、という表現を使っているのは、おそらく歴史上、現代の私たちが最も多くの動作不全を認識しているからです。現代社会における私たちの身体的退化は、多くの人たちから指摘されてきました。私たちは、いまだかつてないほどに運動不足で、動作不全は問題となっています。 従来のコーチング法では、うまくいかないことがありますが、それはそのコーチング法が悪いからではありません。これらのコーチング法は、機能不全に悩まされている人々を対象にはしていませんでした。または、その機能不全は最小限で、優良なコーチング戦略(そしておそらく次のステップを紹介する必要もない)が、システムに過剰負荷がかかることを防ぐのに十分だった可能性もあります。 もう一つ、考慮するべき重要なことがあります。西洋社会は、忍耐強くありません。従来の身体のコンディショニングは、個人個人が常に、自立、才覚、決意、とりわけ忍耐を振り絞って行われるものでした。 私たちはもはや、こういった資質を持っていないことが多く、中でも忍耐は最も大きな欠損です。その欠損に、より大きくなった機能不全が加わると、「ワークアウトをできるような状況にはとてもなれない。矯正するべきことが山のようにある。」ということになるのです。 これが、私たちがファンクショナルムーブメントスクリーンを紹介したときに経験した事実でした。私たちが最も避けたいことは、人々の、身体文化に対する熱心な追求、スポーツへの情熱、身体、そして身体的なライフスタイルを再編する必要性を損なわせてしまうことです。 ファンクショナルムーブメントスクリーンの創設者達はそれぞれ、身体文化に関して多大な献身をしてきています。私たちは、ワークアウトを前進させたいと願っています。アスリート達にさらに漸進してほしいと考えています。人々が賢く楽しむことができる若いときの身体を取り戻してほしいと願っています…しかし、その理想は、必ずしも私たちが最初に経験したことではありませんでした。私たちが鏡を、観点を、機能の測定法を提供したとき、世界は唖然としていました。 人々の動きがこんなに良くないなんてありえない。 あなたが目の検査票を、世の中に最初に紹介した人だと想像してください。どれくらいの人が、認識していたよりも少ない視覚しかない生活に苦しんでいたかを垣間見ることができたでしょう。それを理解していれば、個人間の意思疎通の失敗や、貧しい決断を、今より理解できるようになるかもしれません。フィルターが曇っているため、彼らにとっては視覚にたよるもの全てが困難になるのです。 動作に関してはどうでしょう? 私たちが、ムーブメントスクリーンを紹介すると、始めは反発を受けます。なぜでしょう?それは、多くの人々が下降状態にあり、動きのスキルが非常に長い期間にわたって、浸食されてきているからです。これはとても悲惨な発見ですが、機能不全に対してしっかりしたフィルターを紹介すれば、必ず直面することです。 ここで、コレクティブエクササイズが助けとなります。コンディショニングではなく、エクササイズと自助努力に的を絞り、与えられたパターンの中で最低限必要な動きの質を取り戻すのです。まずこれができなければ、身体のことを学び、再編する旅路の障害となり、また、それ以上のことは、競争的優位を与えるかもしれないし、与えないかもしれません。全ては、あなたが何を目指しているか次第でしょう。 動きの質を考えるときには、最小限の要求で済みますが、環境によっては、さらに上のレベルのパフォーマンスが求められます。ファンクショナルムーブメントスクリーンは、各パターンにおける最低限必要な動きの質を保ち、認識や動作経験のフィードバックを変える質の悪いフィルターによる不利益なしに、動作を自然な生物学的資源、環境資源によって形作ることを可能にします。 あなたが視力検査でかなり悪い結果をだし、メガネを与えられても、結果が変わらないとすれば、そこでの最初の仮説は、問題がより複雑であるとか、あなたが頑張っていないとかではないでしょう。多分、正しい処方箋が与えられていなかったのです。その場合は、視力検査票と視力矯正の知識を駆使して、あなたの視力がそれまでよりも格段に良くなり、良くなったことをあなた自身が客観的にわかるメガネを与えるようにします。 ですから基準がとても大切なのです。 コレクティブエクササイズのフィードバックループもこれと同様です。コレクティブエクササイズを提供するとき、そのエクササイズは、あなたのために戦略的にデザインされたものです。ルールに従い、スコアを適切に用いれば、驚くほど短時間で、劇的に動きが改善されます。 短い期間というのは、残念ながら相対的なものです。あなたが、ごく最近、動きの低下を経験しているのであれば、矯正にはあまり時間がかからないかもしれません。でももし人生の3分の1の期間、動きに問題を抱えているとすれば、コレクティブエクササイズがあなたの動きの全体像を再建、再構築し始めるまでに、一ヶ月か二ヶ月は待ってほしいとお願いするでしょう。辛抱強く続けてください。
熟練 パート2/2
ムーブメントスクリーンを紹介すると、エクササイズの専門家の多くは、とても躍起になって、動きの完璧さを求め、動きが完璧でない限り負荷やストレスについては考慮しません。これは決して私たちが伝えようとしたことではないのです。 私たちは、最低限の到達レベルと動きの障害に対する戦略的注目について主張してきましたが、多くの人々は、ムーブメントスクリーンを、きついワークアウトや、抵抗、衝撃、三面的動きを体系的に減らすことに使いました。人間の身体を腫れ物に触るように扱い、詳細なコレクティブエクササイズを使って、恐らくは正す必要のない動きまで矯正しようとしていました。 これは残念なことです。なぜなら私たちは、生まれたその日から、決して完璧に動いたことはないからです。将来も、私たちが完璧に動くことはないでしょう。私たちには常に改善できる何か小さなことがあり、ここで問いかけなければいけないのは、「それは障害なのか?」ということです。動作不全は、あなたが到達したいレベルへの前進を妨げていますか? ムーブメントスクリーンに問題がないなら、何か別の問題があるかもしれません。それが私の最後のポイントに繋がります。 全てを正しく行っているとすれば-正確なムーブメントスクリーンができ、根元的な医学的問題も何もないが、クライアントやアスリートにコレクティブエクササイズがうまく働いていないとすれば、するべきことは一つです。 身体に、進行中の医学的問題や構造的異常の既往歴がない状態で、特定のパターンに焦点をおいて、正確に実行されたムーブメントスクリーンの戦略が効果を発揮していないとすれば、そこにはまだ、適応されるべき論法があります。 もしかしたら、環境? グレッグ・ローズと私は、この夏、パフォームベターと共にアメリカ合衆国の異なるタイムゾーンに渡ってツアーをし、Three Principles You Can Apply to Any Movement (どんな動きにも応用できる3つの原則)という、環境から生命体を離すことを徹底的に調べた内容で、カンファレンス前のシンポジウムを行いました。生命体に関わる仕事をする私達は、生命体そのものを問題にしがちです。 私たちは理学療法士であり、カイロプラクターであり、アスレチックトレーナーであり、そして医者です。私たちの前に、戦略的に環境を設計して、人々の身体的概要を形成し、決定づけたのは、コーチ、トレーナー、インストラクター、そして戦術的、および、技術的達人たちです。 私たちが行っていることが環境設計のみであれば、その環境に反応していない生命体が存在するにもかかわらず、私たちは環境設計を続けるでしょう。同様に、環境よりも生物に馴染みのある人々は、環境が壊れていても常に生命体を手直ししようとするでしょう。 グレッグと私は、非常に生物科学的側面からこの課題にアプローチしました。患者やクライアント、そしてアスリートを生命体と呼ぶことは恐らく適切ではないでしょう。そして、我々が触れる全てのものを環境として単純化することは、単純化しすぎです。しかし、ここは私に合わせて、科学的になってみましょう。 動きの健康が確立されていても、動きの機能、環境との相互作用、動きの能力が損なわれてしまっているとすれば、あなたは誤った方向に順応し始める環境に身を置いてしまっている(あるいは誰かに置かされてしまっている)かもしれません。 骨棘、腱炎硬化、機能的脊柱側湾、足底筋膜炎などはすべて誤った方向への順化です。忘れないでください、疲労骨折の一番の原因は人間の脳なのです。自然界において疲労骨折はめったにありません。人間の脳だけが構造的枠組みに疲労骨折を起こすほど愚かなのです。なぜでしょう?量を追求する前に、質を求める尺度がないからです。そのくらい単純なことなのです。 本の通りにすべてを行ったとすれば、-ムーブメントスクリーンがとても良くて、スコアリングも正しく、コレクティブエクササイズの処方も素晴らしいのであれば、原因はあなたにはないかもしれません。あなたは、目の前にいるその人にできる全てのことをしているのかもしれません。あなたがまだ行っていないことは、環境をチャレンジングにすることなのかもしれません。もし彼らが、合計2時間の睡眠で、レム睡眠のサイクルを1回しか得ていないとすれば、身体化学、休息、再生は完全に虐げられています。 もし、彼らの食生活がとても偏っていたり、完全に間違ったサプリメントを摂取しているのなら、感情ストレスがとんでもなく高かったり、目標が現在の能力からかけ離れたものであったり、ワークアウトの指標が、弱点とは180度間逆の方向に向けられているとすれば、問題を正すより、より複雑な状況にしているかもしれません。 次回あなたが、コレクティブエクササイズがもう少し早く効果を発揮しないかと悩むことがあれば、まずは正しいコレクティブエクササイズを行っているかを確認し、次に正しい土壌に種を蒔いているかを確認してください。以前、記事で、農夫は種の質のみに専念しているわけではないというのがありました。農夫は土壌の質にも注意を払っています。生命体を環境から切り離して考えることは絶対にできません。 西洋の医学モデルはそれを試みました。医者が生活習慣を問題にすることはほぼなく、するときは、月並みなきまり文句として、「タバコをやめろ」「体重を減らせ」と言うだけで、誰も直接的な行動はできませんでした。ですから薬を処方するだけの方が、簡単だったのです。健康に相関する数字を探してくれば、合成的にその数字を作って、その数字の効果や生物学的マーカーを減らしますよと。 生命体と環境を同じ硬貨の2つの側面として考えるようにしてみてください。たとえその片面しか見ていなくても、もう一つの面が確実に存在し、その二つを分けることはできないことをよく理解してください。熟練したコーチになりたいのなら、熟練したコーチを模範としてください。コレクティブエクササイズに精通したいのなら、見落としているものがないか十分に確かめてください。 コレクティブエクササイズにおいて、見落とされがちなトップ3の障害は以下の通りです。 不適切に処置されている、あるいは誤って診断されている根源的な医学的問題 機能レベルとフィットネスの独立性と持続性を困難にする休息と再生の習慣 機能的フィードバックのループを度外視して、短期的、またはプロトコール優先になり、実際には問題を複雑化させているワークアウトとエクササイズプログラム
片脚トレーニングにおける5つの利点 パート2/2
#3 – 抑制 私がスプリットスタンスエクササイズを好んで使用するもう1つの主な理由として、抑制があります。 我々のゴールはコアを“シリンダー”のようなポジション安定させることです:胸郭下部が下がり、骨盤は上を向きます。この姿勢では、横隔膜と骨盤底がお互いに向き合い、身体全身で空気の流れを最適な状態にすることができるポジションになります。 しかし、多くのアスリートは、開いたはさみような姿勢で歩き回っています。胸郭下部は上方向に広がり、骨盤は前傾したポジションにあります。 私たちはこの状態を過剰膨張とも呼びますが、さらにシンプルには、伸展位姿勢とも呼びます。 これは筋肉的にも問題を引き起こします。股関節屈筋群や背中の筋肉群は常に“オン”の状態になり、身体に次の呼吸を引き込もうとします。 この伸展位姿勢に取り組むためには、呼吸の機能不全自体のみでなく、異なった身体のポジションにおいても、“シリンダー”を選手が維持できるようにチャレンジすることにも目を向けなければなりません。 正しく行えれば、スプリントスクワット、ランジ、後ろ足挙上/ブルガリアンスプリットスクワットのようなスプリットスタンスのエクササイズは“後ろ”脚の大腿直筋を抑制し、我々のエクササイズのなかでも、それらを効果的なものにしています。 ここでのフォーカスは、その実行です。かなり高頻度で、選手に足を大きく前後に開かせているのを目にしますが、それでは選手をさらに伸展方向に導いてしまいます(前方関節包も伸張しますが、その話については後日にします)。 そうではなく、中程度の幅に足を開き、前足裏全体を感じつつ、同時に肋骨を下に、骨盤を上向きの位置に維持できるようにします。 これは信じられないくらい単純なことかもしれませんが、選手にこの方法を正しく行わせることができれば、想像している以上にかなり厳しいチャレンジになるでしょう。 #4 – 環境 ずいぶん前にIFASTにおいて、ニック・ウィンクルマンがウォールスプリントドリルをなぜ好むのかについて話をしていました。そのドリル自体がかなり好きだということではなく、選手に加速時の姿勢を教えるための環境を造り出してくれるからだということでした。 個人的に片側性のエクササイズが好きな理由の1つとして、低負荷の環境でアスリートをコーチングできる機会を与えてくれるということあります。 スクワットやデッドリフトのような高重量のトレーニングに関しては、使用している重さのほうにすぐに夢中になってしまいがちです。 技術が正確であったとしても、動きを教える最良の機会を与えてはくれません。 一方で、片側性エクササイズは通常低負荷であり、特異的な姿勢やポジション、あるいは、概念(例えば、重心を改善する)でエクササイズすることができ、選手にすでに備わっている運動能力をより引き出させることが可能になります。 例えば、“足裏全体”という概念について話すことが最近多くあります。これらのパターンは、システムのなかで身体に組み込まれているために、スクワットやデッドリフトのような大きな動きのパターンのなかでチュ木するのはかなり難しいものです。 しかし、クライアントにオフセットのスクワット(ビデオももうすぐ発表です!)、あるいは、ステップアップを行わせることで、彼らに簡単にその概念を獲得させることができます。 コーチとしての私の目標は、まずアスリートの動きを上達させることであり、片側性エクササイズはそれを達成するための絶好の機会なのです。 #5 – 可変性 運動能力の向上に関して、スポーツは3つの面における動きで行われるということは皆知っています。 しかし、ウエイトルームにおいては、スクワットやデッドリフトのような高重量で複合的なトレーニングに夢中になりがちです。 これらが、選手を大きく強くするための素晴らしい方法であるということは紛れもない事実です。 しかし、だからと言ってこれらが、ウエイトルームでするべき唯一のエクササイズであるということではありません。 つまり、多面での動きが起こるスポーツをするのに、ジムに行ったときには、なぜ1つの面(例えば、矢状面)での動きのみを選手にトレーニングさせるのでしょうか? 片側性のエクササイズは、動きの可変性や、多様な姿勢、ポジション、動きの面で自由に動くという能力を維持・体現させてくれます。 このことについての私の考えは:スポーツでは混沌としたことが起こります。誰かが私達に向かって走ってきて、妙な身体のポジションになってしまったり等。 こういった場面で、事態はかなり悪い方向に、急速に向かうことがありえます。 もしあなたが、矢状面でのトレーニングしか行っていないのであれば、かなり堅くこわばり、可動域の制限もあるでしょう。ハイレベルのパワーリフターを想像してください。彼らはパラレルのポジションからさらに下がって特異的な姿勢をとるのに“十分”な可動域を持っていますが、でも、それだけです。 この堅さや可動域制限は、彼らが、そのスポーツでの成功のために作り出した、特異的適応です。 しかし、アスリートは単なる強さだけではなく、様々な身体能力を必要とします。必要なときに曲げられる能力、多面で自由に動ける能力などを必要とするのです。 基本的に、動きに関しては、ある程度の余裕(あるいは、エラーの余地)が必要になります。 動きの可変性向上と安定性と制御の向上を組み合わせた時、片脚、スプリットスタンストレーニングの最大限の利点を得る事ができることは間違いないでしょう。 まとめ 片脚・スプリットスタンスのエクササイズには数々の利点があり、選手により高いレベルでのパフォーマンスを発揮させ、同時に、彼らの健康維持のための質を向上させてくれます。 質の高いプログラムの鍵は、両側性と片側性トレーニングの組み合わせ方を見つけることで、選手に両方のスタイルのトレーニングの効果を獲得させることです。
片脚トレーニングにおける5つの利点 パート1/2
片側性(片脚)トレーニン対両側性(両脚)トレーニングの討論は、ほぼ10年近く繰り広げられてきました。 あるグループでは、片脚トレーニングと両脚トレーニングは(すべての点において)同等であるとかなり本当に信じているコーチがいます。 一方で、選手に片脚スクワットやルーマニアンデッドリフトのようなサーカスのスタントをさせることなど考えもしないというコーチもいます。 だからなんなのでしょう? 片脚やスプリットスタンスのエクササイズは、トレーニングで一番大切なものでしょうか? そうでないのであれば、プログラムにどんな役割を持っているのでしょうか? 私の経験に基づくと、運動能力向上プログラムにおいて、これらのエクササイズの役割は確かにあります。片脚、あるいは、スプリントスタンスでのエクササイズをプログラムに含むべき5つの潜在的な理由をここに挙げます。 (注:読み進むにつれ、手短に表現するために、シングルレッグとスプリントスタンスエクササイズをそれぞれ“片側性”エクササイズと言及していきます。科学的に100%正しいのはわかっていますが、より良い執筆のためにその名前を使用することを許していただけると幸いです。) #1 – 筋力 まずはこれを片付けておきましょう。 両側性と片側性のエクササイズにおける筋力向上の効果を比較することはできません。それはまるでリンゴとオレンジを比べているようなものです。両脚でのエクササイズが常に勝るのです。 私は過去にこのことについて広範に話しています:基本的なバイオメカニクスは、両側性のエクササイズから片脚、あるいは、スプリンットスタンスのエクササイズに移行すれば、即座に主動筋の出力が低下することを教えてくれます。 支持基底面が狭くなるということは、主動筋の出力が下がり、固定筋の機能が上がるということを意味しています。 さらに、両側性のエクササイズでかかる負荷は、スポーツの活動中に見られるものにかなり似ています。そのため、今はその討論は一区切りさせようと思います。 しかし、そこにはメリットがありますから、それぞれの脚を独立して強化するという考え方を捨てることはしません。 運動制御プログラムは独特なものなので、片脚の状態で身体を強化する事は間違いなく有益であると考えます。 しかし、おそらくより重要な事として、私たちは完全な左右対称の生物ではないということは周知の事実でしょう。 身体内部構造、傷害、積み重ねてきた代償動作、あるいは、それぞれのスポーツのバックグラウンドによって、私たちは左右非対称なのです。 片側性トレーニングのもっとも大きな利点の1つは、それぞれの脚で独立して筋力強化することができるということなのです。両側で行うトレーニングと同程度の筋力をつけることができないとしても、それだけで価値がないということにはなりません。 そして事実、次の4つのポイントがスプリットスタンスや片脚エクササイズをするべきだと考える本当の理由になります。 #2 – 安定性 前述の通り、両側性から片側性のエクササイズへ移行すると、支持基底面(BOS)は小さくなります。 支持基底面が小さくなることで起こる問題は、高重量を動かすことができないということです。主動筋の出力が下がり、固定筋の機能が上がります。 次のシナリオを想像してみてください: あなたが背中にバーベルを背負って高重量のスプリットスクワットをしています。セットアップしようとすれば、常時倒れないようにバランスをとる努力をします。 セットアップを“ちょうどよく”しようとして、頻繁に足の位置を直そうとするでしょう。 まず、このことがまさに両側性のエクササイズと同等の負荷をこれらのエクササイズではかけることができないということです。ここでの主な目的はおもりを上げることではありません。ばたんを倒れないようにすることが目的なのです。 しかし、ここにこのエクササイズの本当に利点があります。 スプリットスタンスや片脚でのエクササイズをすることで、効率よく身体を安定させ、制御する方法を身につけさせることができます。 これはまた片側性のトレーニングに関して、特に早い段階では負荷に主な焦点を当てるべきではない理由です。繰り返しますが、負荷をかけたいのであれば、スクワットやデッドリフトのバリエーションのような両側性の高重量のトレーニングを使用します。 そうではなく、安定性と制御に焦点を当てたいのです。高重量のスクワットやデッドリフトのように魅惑的ではありませんが、選手の動きが良くなり、回復力が上がれば、結果は明白でしょう。 私の意見ですが、コア、股関節、膝関節、足関節、足部を効果的に安定させる方法を身につけることが、片側性トレーニングの大きな利点であり、見落とすべきではないのです。
血流制限トレーニングの背景 パート2/2
プログラムデザイン 多くのトレーニング戦略が血流制限トレーニングのための文献において報告されているが、1RMの20-30%の低相対負荷レジスタンストレーニングがおそらく最も一般的に使用されるトレーニング戦略であろう。ウォーキングエクササイズもまた、血流制限と共に一般的に使用されるエクササイズ方法である。ファーズおよびその他(2012年b)は、高負荷レジスタンスエクササイズを行うことが不可能な個人に対し、血流制限トレーニングを効果的な代替案として述べている。一方ホリウチおよびその他(2012年)は、血流制限トレーニングは、有酸素トレーニングおよび高負荷トレーニングの間の矛盾を克服する新しい手段であるかもしれないと示唆している。これは、血流制限トレーニングはストレングスおよび持久系のトレーニングを同時に始めるアスリートに対し、有益であるかもしれないということを示唆している。 安全性 序論 全てのレジスタンストレーニングと同様、血流制限に関連するリスクは存在する。一般的にレジスタンストレーニングに関するリスクは十分に理解されておらず、幅広く研究がなされていない。一般的なレジスタンストレーニングに関するリスクについての基準となる情報の欠如にもかかわらず、特に血流制限トレーニングに関し多くの懸念が示されている。 一般集団における使用 一般集団における血流制限トレーニングの使用は、比較的安全なようである。スコットおよびその他(2014年)は、血流制限の不適切な使用は、点状出血(ひどいあざなど)および目眩を含む有害な影響を引き起こす可能性があると結論付けている。しかしマーターおよびその他(2014年)は、血流制限トレーニング後の一部の健康に関するアンケートにおいて、有意な向上を発見している。しかし彼らは、いかなる臨床的証拠もいかなる有害事象に対する自己報告も発見しておらず、また彼らはいかなる検査パラメーター(クレアチンキナーゼおよびアルドラーゼ)における変化も観察してない。同様に、カラブルトおよびその他(2013年)は、6週間にわたる血流制限トレーニング後、安静時の血清中クレアチンキナーゼおよびインターロイキン-6(IL-6)の値における変化がなかったことを報告している。 特別な条件下での使用 さらなる危険性考察は、特殊な状況下における血流制限トレーニングの適用に関し取り上げられた。例として、無重力環境において、重力のようなストレスを刺激として与える方法として、血流制限トレーニングを使用する余地があるかもしれない(ナカジマおよびその他、2008年)。しかし、下肢の血液貯留およびそれに続く静脈還流の減少によって、微少重力における血流制限トレーニングの際に失神が誘発される可能性があり(ナカジマおよびその他、2008年)、そのことがこのトレーニングを安全上の理由から選択肢としては魅力のないものにしている可能性がある。 負傷者集団における使用 特殊な状況下における血流制限トレーニングの使用に関し、負傷者集団におけるその使用に対する安全性の懸念が持ち上がっている。それにもかかわらず、負傷者集団に関し予備的証拠は、血流制限トレーニングレジスタンストレーニングは、傷害を負った骨の治癒に実際有益であるかもしれない(ロエンネックおよびその他、2013年a)ということを示唆しているが、これらの発見を一般化し、傷害を負った軟部組織に対し血流制限トレーニングを使用することの有効性および安全性に関する結論を引き出すことは不可能である。 不健康な集団における使用 特殊な状況下および負傷者集団における血流制限トレーニングに関し、不健康な集団におけるその使用に対する安全上の懸念が持ち上がっている。それにもかかわらず、血流制限トレーニングは、正常血流でのレジスタンストレーニングによりもたらされるものと同様の運動後低血圧を生み出すと示されている(ネトおよびその他、2015年)。運動後低血圧は、高血圧の個人における安静時の血圧を制御する重要な戦略であるかもしれない(ケニーおよびシールズ、1993年)ということを考慮に入れると、これは、不健康な集団において、確かに血流制限トレーニングの健康上の利益が存在する可能性を示唆している。さらにマデルアメおよびその他(2013年)は、血流制限トレーニングは、運動誘発性凝血および炎症反応に悪影響を及ぼさないようであるという、虚血性心疾患をもつ患者における血流制限トレーニングの安全性に対する有望な発見を報告している。しかし、二重積の増加(心筋酸素需要の指針)は、血流制限無しと比較し血流制限を伴うトレッドミルにおけるウォーキング後、3倍の多さであったという発見は、血流制限トレーニングの使用は、易感染性の心臓疾患をもつ個人においては注意が必要であるかもしれないという結論を導き出した(レンジおよびその他、2010年)。 禁忌 おそらく方法の目新しさ、あるいは血流制限が関わることから、特別な集団において従来のエクササイズトレーニングに加え血流制限トレーニングを導入する際は、さらなる注意が常に喚起されている。例えば、ロエンネックおよびその他(2011年a)、ロエンネックおよびその他(2014年b)の両方は、血流制限トレーニングに対する禁忌は、深部静脈血栓症、妊娠、静脈瘤、高血圧、および心疾患を含むと結論付けている。さらにポープおよびその他(2013年)は、非常に長時間の虚血は筋組織の壊死を引き起こすということを強調している。そのようなものとして、長時間血流制限トレーニングを継続して行うことを避けることは理にかなっているかもしれない。 結論 加圧トレーニングという言葉は、加圧マスター装置が使用された場合のみ使われるべきである。しかしながら、血流制限トレーニングおよび閉塞トレーニングという言葉は通常ほぼ同じ意味で使われる。 血流制限トレーニングは、最も一般的に、低負荷(1RMの20-30%)におけるレジスタンストレーニングを使い、10中7という知覚的圧迫感において巻かれたラップと共に使用される。 血流制限トレーニングは比較的安全なようである。しかしそこには特定の禁忌があり、特別な集団において、特殊な状況下、および長時間の継続した使用に関しては注意が示されるべきである。
血流制限トレーニングの背景 パート1/2
目的 この記事は血流制限トレーニングの定義、歴史、および傷害の危険性や適用加圧レベルの影響のような、その使用を取り巻く主な問題を提供している。 定義 序論 血流制限トレーニングは、エクササイズの際、静脈還流を閉塞しながら動脈流入を維持することを目的とした、四肢の近位に巻かれたカフやラップの使用を含む新しいトレーニング戦略である(スコットおよびその他、2015年)。血流制限トレーニングは、様々なエクササイズ方法の中で使用されている。これらはウォーキング、サイクリング、およびレジスタンストレーニングを含む。血流制限を伴うレジスタンストレーニングを行う場合、比較的低負荷ではあるが非常に高圧のカフもしくはラップが最も一般的に使用される。実質的には、血流制限トレーニングは、1RMの約20-30%という低負荷におけるレジスタンストレーニングを使う際、10中7の知覚的圧迫感において巻かれたラップと共に最も一般的に使用される。 加圧 加圧は、佐藤義昭先生により開発された特徴的なトレーニングである。その方法は、働いている筋肉の近位に対し加圧マスター装置として知られる器具を使用した血管の圧迫を含んでいる。 血流制限トレーニング 働いている筋肉の近位における血管の圧迫が、加圧マスター装置の使用以外の手段で達成された場合、一般的には「血流制限トレーニング」という言葉が使われる。この圧力をかけるために使用される最も一般的な代替方法は、伸縮性のある膝ラップの使用によるものである。この方法の簡易さのためにこのタイプの血流制限トレーニングは、較正された圧力を生み出すために膨張したカフが使用される、より注意深く制御されている方法から識別するため、しばしば「実践的な血流制限トレーニング」と呼ばれる。 閉塞トレーニング 閉塞トレーニングという言葉は多くの場合、血流制限トレーニングと同じ意味で使われる。閉塞トレーニング自体もまた、エクササイズの際に四肢の近位に巻かれたカフおよびラップを含むトレーニング戦略である。 低酸素トレーニング 低酸素トレーニングという言葉は、エクササイズの際の酸素利用率を制限したトレーニングを指す。これは通常、低酸素室を使用して達成される。血流制限トレーニングは、局部的な低酸素効果を作り出すことにより達成されるが、低酸素室の使用は低酸素症をもたらす可能性が高い。 歴史 序論 血流制限トレーニングへの興味は、サトウヨシアキによる加圧トレーニングの開発から生じている。伝えられるところによれば、サトウは当初、異なる自転車チューブ、ロープ、またバンドを彼の異なる部位へ巻くことにより、彼自身に対し実験を行った(さらにはKaatsu-global.comを参照)。1994年にサトウは、商業的に入手できる最初の加圧バンドを生産し始めた際、最初の特許を申請した。 血流制限の実践的な適用 序論 レジスタンストレーニング(およびその他の方法)と血流制限の組み合わせには、いくつかの恩恵があるようであるということに基づき、実践的な指針がたびたび求められてきた。しかしいくつかの点において明確な指針を文献から引き出すことは困難である。血流制限トレーニングに対する現在の研究の多くには、血流制限方法の適用に含まれるパラメーターに関する詳細が欠けていることが多い。例えば、使用された正確な圧力は多くの場合公開されておらず、これは重大な問題であると思われる(さらには、ロエンネックおよびその他、2013年b、ロエンネックおよびその他、2014年cを参照)。大きすぎる圧力は危険性を増すが、適応が起こるためには、十分な圧力が必要であると示唆されている。この点においてスガヤおよびその他(2011年)が、筋肉内の無機リン酸塩の蓄積(疲労の指標)は、高圧力レベル(230mmHg)においてのみ達成されることが可能であり、中圧力レベル(180mmHg)においては達成されないということを発見しているということは注目に値するだろう。 人体測定の影響 血流制限カフの圧力に関し、信頼性のある指針の問題をもたらす重要な要因は、人体測定の差違により生じる個人差である(さらにはロエンネックおよびその他、2013年bを参照)。この点においてロエンネックおよびその他(2015年a)は、大腿囲は下半身における動脈閉塞の最大の予測因子であるということを発見している。またカラブルトおよびその他(2011年)は、大腿部組織およびサイズは制限された血流制限圧力に有意な影響を及ぼすということを発見している。さらに筋電図検査(EMG)は、カフの硬さ、また皮膚および皮下脂肪の厚さ(カラブルトおよびその他、2013年)により有意に影響を受ける。これらの発見は、血流制限カフ圧力レベルは実際には、試験における全ての被験者にわたり比較可能な値を得るため、個人の人体測定の差違に従い調整されるべきであるということを示唆している。 圧力レベル 最も強い急性筋反応をもたらす推定の動脈閉塞圧力の割合に対する調査において、ロエンネックおよびその他(2014年a)は、圧力は40-50%の動脈閉塞において筋活性化を増加するようであるが、より高い圧力においてはさらなる増加はもたらさないということを報告している。ゆえに40-50%の動脈閉塞を引き起こす圧力レベルが最適であるようである。しかしウィルソンおよびその他(2013年)は、(圧力を加えるためにラップを使用する際の)実践的な血流制限における10中7というラップの知覚的圧迫感は、完全な静脈閉塞は引き起こすが、動脈閉塞には至らないということを発見している。これは、エクササイズの際に静脈還流を閉塞しながら動脈流入を維持するという血流制限トレーニングの目的と一致している。このラップの圧力レベルは、血流制限トレーニングの有効性を示している調査においても、ラウリーおよびその他(2014年)により使用されている。 素材の種類 血流制限を提供するカフに使用されている素材の種類は、重要ではないようである。(ロエンネックおよびその他、2014年d)。しかしさらに熟考すべきことは、カフの圧力が継続的であるのか、もしくは間欠的であるのかということである。予備的証拠は、急性の血行動態は、継続的もしくは間欠的な圧力が使用されているかどうかに従い変化する可能性があるということを示唆している(ブランドナーおよびその他、2014年)。しかし最新の研究は継続的な血流制限のみを使用している。
悪い姿勢は腰痛を起こす? パート2/2
なぜ、痛みと姿勢には関連性がないのでしょうか? 上記のエビデンスは驚きであり、常識を覆すものです。なぜ痛みと姿勢に関連性はないのでしょうか? 姿勢が痛みにさほど関係ないのはどうしてなのか、少なくとも説得力のある理由をここに3つ挙げます。 1. 時間の経過とともに組織はストレスに適応する 悪い姿勢が痛みを発生させるという仮説は、特定の部位に過剰な機械的負荷がかかるという考えを基にしています。これが微小損傷を起こし、時間の経過とともに累積されます。これにはうなずけますが、組織には負荷への適応力があることが考慮されていません。 ウェイトリフトで負荷のかかる筋が強くなるのと同様に、特定の姿勢によって、関節や靭帯、腱も局部的なストレスに耐えられるように適応するのです。[1] 2. 組織の損傷と痛みはイコールではない 姿勢が痛みとは関係のない二つ目の理由として、悪い姿勢が組織の損傷を生むことがあっても、組織の損傷と痛みは同等ではないということがあります。 痛みを伴わない多種多様な組織損傷の罹患の研究は数多くあります。これらは、背中や肩、膝に痛みを伴わない人のかなりの割合 (20-50%) が、椎間板の膨隆や回旋腱板の断裂、半月板損傷などを患っていることを一貫して示しています。[2] つまり、30歳以上の人のMRIを撮影すると、それがどの部位でも、たとえ痛みのない部位であったとしても、著しい損傷を見つける可能性は非常に高いのです。 なぜでしょう? 痛みは複雑で、組織の損傷は痛みを起こすひとつの原因にすぎません。[3] よって、姿勢が何らかの形で長期的な組織損傷を起こしたとしても、必ずしもそれが痛みという結果になるとは限らないのです。 3. 人それぞれ “悪い”と思われる姿勢が痛みとは関係がないという三つ目の理由は、身体の構造が人それぞれ異なるからです。実際に人の骨格を見てみると、骨の形や脊柱の弯曲にかなりの差異があることが分かるでしょう。非対称性や不規則性は当たり前であり、例外ではありません。 ある程度、骨のサイズや形が、立ったり座ったり動いたりするために最も効率の良い快適な姿勢を決定づけるのです。ですから、ある人にとっては“機能不全な”アライメントでも、別の人にとっては最適なのかもしれません。 このような個体差があるわけですから、自分の姿勢を他の理想的なモデルと比較し矯正しようとすることは、本質的に問題があります。 姿勢を心配する代わりに何をするべきか 上記のエビデンスでは、痛みの治療や予防の方法として、ある理想的なモデルに合わせて静的姿勢の誤差を見つけ出そうとすることは、時間の無駄かもしれないことを示唆しています。 では、姿勢がそれほど重要ではないとすると、休息時や運動時の身体のアライメントについて全く気にする必要はないということを意味しているのでしょうか? 答えは“ノー”だと私は思うのです。 1. 大きな力が加わる時には正しい姿勢がとれているか確認 姿勢についての研究が、生体力学とフォームの良さはどうでも良いということを示していると誤解しないでください。激しい運動は、単に座ることや立つこととは異なり、適切なアライメントで行うことに、さらに注意を払う必要があるでしょう。 動かず座っているときや立っている間、関節にかかる機械的負荷はとても小さいものです。しかし、身体は長年の間、一日何千回もこのような習慣的な負荷を受け、そしてそれに対応するためにうまく順応します。 一方、高重量のデッドリフトなど負荷の大きいエクササイズでは、機械的負荷が非常に大きく、これら特定の負荷に身体が順応する機会もあまり多くなかったことでしょう。 高重量のデッドリフトでは姿勢やアライメントが重要になります。ジャンプから着地する時や、スプリントやウェイトリフトなど大きな機械的負荷が加わるような運動をする時にも重要です。これらの場合、身体にかかる負荷を分散させ、ケガのリスクを減らし、パフォーマンスを向上させるためにも、生体力学と脊柱のアライメントが理想的であるかを意識的に努力し、または確実にするために指導することが賢明です。 2. 動きを改善しよう 立位や座位が外見上どうであるかよりも、どのように動くかがより重要です。職場で胸が凹み丸くなって座っていても心配いりません。しかし、オーバーヘッドリーチやローテーション、オーバーヘッドプレスなどの機能的な動きができるように、胸部の完全な伸展可動域を保つことを忘れないようにしてください。 3. 姿勢のバリエーションを広げよう 同じ姿勢で何時間も座ったり、何時間も立ったりしなくてはならない人は多いものです。もし、これがストレスや痛みを生むようであれば、姿勢を少しだけ変化さるようにした方が、常に“完璧”な姿勢をとるよりも快適であり得策です。姿勢を変化させることによって、体重を支持するストレスをいつも同じ部位に集中させるのではなく、いろいろな部位に分散させます。頻繁に休憩をとり、常に動いているようにしましょう。ある特定の姿勢が腰痛を悪化させる場合、他の選択肢を試してみましょう。 良い姿勢なんて忘れよう:良い動きのことを考えよう まとめると、静的な姿勢を理想に沿うように変えようと心配しすぎないことが肝心です。悪い姿勢が腰痛の誘因ではなさそうです。その代わりに、快適な姿勢をとり、常に動き、身体の機能を向上するように努力し、負荷の高いエクササイズを行う時はアライメントやフォームを正しくするようにしましょう。 参照文献 1. http://en.wikipedia.org/wiki/D...'_law 2. http://www.bettermovement.org/... 3. Melzack, Katz (2012) Pain. Wiley Interdisciplinary Reviews: Cognitive Science Volume 4, Issue 1, pages 1–15, January/February 2013. http://onlinelibrary.wiley.com...
動きの原則 パート2/2
動きの原則2:守る、正す、発展する 基礎動作ができていないとすれば、フィットネスおよび健康への道のりは、補助的なエクササイズからは始まりません。補助的なエクササイズから始めることは、質の前に量を重視する考え方であり、機能不全という土台の上にフィットネスを構築しようとしているにすぎず、部分にしか注目していません。一番目の原則は、どういわけか順序が覆され、人々は沢山動くことで、より良い動きになると期待してしまっているのです。そんなことはありません。動作の問題は、頻度が高くなればなるほど悪くなる一方です。 解決方法はシンプルです。フィットネスの基準を下げるのをやめることです。動作の標準値を高めれば、昔の基準を満たすことができます。また、部分に焦点を置くこともやめるべきです。還元主義、動きを孤立した部分に分解することは、筋骨格系の障害を減らすことにつながってはいませんし、それによってより健康になるとか、フィットネスレベルが上がるということもありません。 パターンや連続性は、生物学的生命体の働きにおいて最適な方式であり、それこそ私たちが重視するべきものです。 原則1はなぜ機能するのでしょうか?私たちはなぜ動くのでしょうか?動きは私たちに機会を与えてくれるからです。発達はSAID原則(Specific Adaptation to Imposed Demand: 身体に一定の負荷をかけると、身体はその負荷に見合った適応を示す)を通して起きるというのが、基礎動作の基盤にあります。 沢山動く前に、より良く動く。この順番は、私たちに最大の機会とリスクを与えてくれます。沢山動く前により良く動くことはまた、環境への最適な適応を可能にします。 少し戻って、リスクという言葉について考えてみましょう。リスクは、修正する前に必ず保護し、それが発達へとつながります。という原則2を知っていれば、それほど恐れるべきものではありません。共通の真実に戻るとすれば、私たちは、強さを育み、身体が優雅に年齢を重ねるうち負かすことのできない自然の能力を信じていますが、同時に自然は、私たちの個人的な発達や特定の発達に関して考えたりしませんし、気づいてさえいません。 自然は偉大であると同時に厳しくもなりえます。自然は、私たちの適応や発達を待ってはくれませんし、時には生き抜くことを許さない教訓さえ与えてくれます。二番目の原則は、失敗しない環境を作ることを要求するものです。 SAID原則は、より重い重りを持ち上げたり、より速く走ったり、より高く登ったり、より激しく泳いだり、より大きな対戦相手と戦ったりすることの唯一の理由として使われるべきではありません。こういう考え方は、より良くなる前に、より沢山行うことを強いてしまいます。 この声明は、いかなる場合にも否定的に受け取るべきものではありません。成功の追求は、大きなリスクと失敗を伴います。各段階において、失敗しないことに集中し、新たな能力に対する安定した基盤を作りましょう。 残念なことに、私たちは望む成功を見るばかりで、ゆっくりとした成長、長期間にわたる好結果の発達を作り上げる文化的アプローチを受け入れていません。運動科学において、初期の段階での特化を支持するものはありませんが、それが現在では標準のようになってしまっています。 生産的なフィードバックがない、またはリスクにさらされる機会から保護をしてください。 学習の過程にある見誤った障害を強調することで、フィードバックを修正してください。 自立性と生産的な自己規律を推進するため、豊富な感覚的経験、明確でしっかりとしたフィードバックを使って段階的に発展してください。 現在のレベルに精通し、自立し、かつその状態を維持できるまでは、次の発展レベルには進みません。 原則2は倫理的原則であり、身体を痛めるよりは、プライドを痛めるべきです。 原則3:哲学を実行するシステムを創出する 発達の段階的レベルを考える時、私たちはその本質よりも早く安全に発達できると信じています。この信念が原則3へとつながり、哲学を守るシステムを創出するというところへつながります。 原則3は実践的な原則です。 標準操作手順と聡明な選択が、私たちに健康とフィットネスをゆだねる人々を守ります。 でもシステムはどこから始めたら良いのでしょう?私たちは認識することなしに何かを知ることはできません。基準なしに先へ進むことはできないのです。先ほど、動きは、血圧や体温その他の要素同様に間違いなく生命に必要な生命徴候であると主張しました。 その長いリストとは異なり、私たちは現在動きを生命徴候として理解するための基準を持っていません。 基礎動作のパターンを見るシステムがあれば、基準ラインを作ることができます。 その基準ラインがあれば、欠けていたり、不足していたり、機能していない基礎動作を確認し、表現することができます。もし動きが生命徴候やその能力を満たしていなければ、これは機能不全であり、環境的標準以下であり、欠損です。(必要だが十分ではない)この状態を同僚や医療の専門家に共通の言語を通して伝えることで、責任と説明責任が強調されます。 動きの問題に関する共通言語と知識があれば、個々人が基礎を取り戻す手助けができます。保護し、修正し、発達する戦略を決定するためにそれらの数値を使うことができます。こうして、戦いの前のチェックリストが出来上がるのです。 FMSはフィットネスのインテイクのために使うことができます。フィットネスを構築するための基準ラインを確立し、適切な医療機関への紹介をするために必要な健康問題を判断することができます。FMSはリハビリを終える判断をする基準として設定することもできます。この人は沢山動くことができるほど健康か?発達に関してはどうか? 怪我の危険因子のトップは何か知っていますか?そうです、過去の怪我です。とても多くの人が、適応不順、過去の怪我、不適切な環境の選択による能力不足を示す生命兆候がなくなる前に活動を許可されてしまっています。現在のシステムは、うまく機能していないのです。
悪い姿勢は腰痛を起こす? パート1/2
悪い姿勢は腰痛を起こすとか、腰痛を治すには姿勢を改善しなさいという意見を、恐らくみなさんは聞いたことがあるのではないでしょうか。理学療法士やカイロプラクター、パーソナルトレーナーなどからのこのような意見を、インターネットの至る所で見つけることができます。Googleで“姿勢と痛み”と検索すれば400万件もヒットします。 こんなに多くの姿勢監視員がパトロール中ですので、遅かれ早かれ権威ある監視員にあなたの姿勢も注意を受けるでしょう。 たとえば、比較的背中が丸く(後弯)なっているとしたら、“上位交差症候群”があると言われるかもしれません。これは、肩が前方へ丸まり、胸が凹み、頭が前方に出ているというパターンです。一般的な“矯正”としては、胸のストレッチと左右の肩甲骨の間の筋群の筋力強化があります。 また、腰の反りが比較的大きい(前弯)としたら、“下位交差症候群”があると言われるかもしれません。これは、骨盤が前方に傾き(骨盤前傾)、腹部が前に出っ張っているというパターンです。多くの人が推薦する矯正としては、腹部と臀部の筋力強化と股関節屈筋群のストレッチ、そして1日を通して腹部を凹ましたりコアを活性化し続けるというものです。 ほかにも頻繁に耳にする考え方として、非対称性が痛みを生むということがあります。たとえば、セラピストは骨盤のアライメントの捻りや歪みを見つけ出し、矯正しようとします。なぜなら、それが背骨を回旋させたり曲げたりしてしまうことを心配するからです。また、一方の下肢長がもう一方より長いことなどを気にするセラピストもいます。それは、その下肢長差が骨盤の左右の高さを変えてしまうからです。 これらの考え方には直感的な訴求力があり、また、数多くの専門家たちから提唱されています。しかし、これらにはエビデンスの裏付けがあるのでしょうか? 姿勢を分析したり、理想的なアライメントとされるものと比較し歪みを矯正することに時間を費やすべきでしょうか? これらの疑問に答えることに役立つ、いくつかのエビデンスをみてみましょう。たいていの書籍や論文からは知り得ないことかもしれませんが、痛みと姿勢測定との関係に注目している研究が数多くあります。しかし、ほとんどの研究で関連性は一つも見つかっていません。では、みてみましょう。 研究によって姿勢と痛みの関係に何があるか分かったのでしょうか? 腰痛と姿勢の関連性を探るリサーチでは、一般的にいくつかの異なる研究設計を使います。 横断研究では、研究者らは被験者となる人を、腰痛ありと腰痛なしのグループに分けます。そして、下肢長差や骨盤の傾斜、腰椎、胸椎、頸椎の弯曲度など骨盤と脊柱のアライメントを計測する方法として、X線画像や放射線写真などを使用します。これらの計測後、研究者らは、腰痛ありと腰痛なしのグループで姿勢に顕著な差があるかどうか調べます。 前向き研究では、研究者らは腰痛なしのグループの姿勢を分析し、ある特定の姿勢の被験者が将来的に腰痛を発症する可能性が高いか低いかを調べます。 これらの研究の結果が完全に明確ではないにしても、ほとんどの研究では、悪い姿勢が腰痛を起こすという主張を裏付けしていません。下記に代表的な所見をまとめます: 下肢長差と腰痛の関連性はなかった。 [1] 重度、中度の腰痛と腰痛なしの3つの男性グループの合計321人において、腰椎前弯や下肢長差に顕著な差はなかった。[2] 頸椎の弯曲の測定値と頚部痛に関連性はなかった。[3] 腰痛ありと腰痛なしの600人を対象にした腰椎の前弯と骨盤の傾き、下肢長差、腹筋とハムストリングと腸腰筋の長さにおいて顕著な差は見られなかった。[4] 非対称性の姿勢、胸椎の過剰後弯、または腰椎の過剰前弯をもつ10代の若者において、姿勢が“良い”他の同年代の若者と比べ、大人になってから腰痛を発症する傾向はなかった。[5] 妊娠中に腰痛の弯曲がより増加した妊婦に、より腰痛を発症する傾向はなかった。[6] 無理な姿勢を強いられる職業に従事している人だからといって、腰痛レベルが高いということはなかった。 [7] 脊柱アライメントの測定値と痛みとの間に関連性があるという研究はあるものの、この法則には例外がある。[8, 9] エビデンスの重要性を示す代表的なものは、おそらく痛みと姿勢の関連性を扱った54件以上もの研究を分析した2008年のシステマティックレビュー[10]でしょう。しかし、研究の質は全般的に低く、また矢状面(前後)における脊柱のアライメント測定と痛みの関連性を支持するようなエビデンスにはなりませんでした。 上記のリサーチでは、姿勢と痛みの間に何らかの相関性が存在するとしても、それは弱いことを示唆しています。腰痛との相関性因子として、エクササイズや仕事への満足感、教育レベル、ストレス、喫煙などが顕著に影響するという研究が数多く発見されていることを考慮すれば、この結果は特筆すべきものです。[11] もし痛みと姿勢の相関性が存在するとしても、因果関係を証明するものではありません。痛みが悪い姿勢の原因となっていて、その逆ではないのかもしれません。これには、かなり真実味があります。腰痛を起こすような溶液を注射された人は、無意識のうちに違う姿勢をとろうとするようです。[12] 驚きですよね!! さらに、もし悪い姿勢が腰痛に関与しているにしても、姿勢は矯正されるものであると結論付けるには無理があります。しかも、“悪い姿勢”を正すことで腰痛が軽減されるという保証もありません。 参照文献 1. Grundy, Roberts (1984) Does unequal leg length cause back pain? A case-control study. Lancet. 1984 Aug 4;2(8397):256-8. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/6146810 2. Pope, Bevins (1985) The relationship between anthropometric, postural, muscular, and mobility characteristics of males ages 18-55. Spine (Phila Pa 1976). 1985 Sep;10(7):644-8. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/4071274 3. Grob, Frauenfelder et al. (2007), The association between cervical spine curvature and neck pain. Eur Spine J. 2007 May; 16(5): 669–678. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2213543/ 4. Nourbakhsh, et al. (2002) Relationship between mechanical factors and incidence of low back pain. J Orthop Sports Phys Ther. 2002 Sep;32(9):447-60. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pu... 5. Dieck, et al. (1985) An epidemiologic study of the relationship between postural asymmetry in the teen years and subsequent back and neck pain. Spine (Phila Pa 1976). 1985 Dec;10(10):872-7. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pu... 6. Franklin, et al. (1988) An analysis of posture and back pain in the first and third trimesters of pregnancy. J Orthop Sports Phys Ther. 1998 Sep;28(3):133-8. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pu... 7. Lederman (2010) The fall of the postural–structural–biomechanical model in manual and physical therapies: Exemplified by lower back pain. CPDO Online Journal (2010), March, p1-14. http://www.cpdo.net/Lederman_The_fall_of_the_postural-structural-biomechanical_model.pdf 8. Chaleat-Valleyed, et al. (2011) Sagittal spino-pelvic alignment in chronic low back pain. Eur Spine J. 2011 Sep;20 Suppl 5:634-40. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21870097; 9. Smith, O-Sullivan, et al. (2008) Classification of sagittal thoraco-lumbo-pelvic alignment of the adolescent spine in standing and its relationship to low back pain. Spine (Phila Pa 1976). 2008 Sep 1;33(19):2101-7. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18758367. 10. Christensen, et al. (2008) Spinal curves and health: a systematic critical review of the epidemiological literature dealing with associations between sagittal spinal curves and health. J Manipulative Physiol Ther. 2008 Nov-Dec;31(9):690-714. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pu... 11. Papageorgeoui, et al. (1997) Psychosocial factors in the workplace--do they predict new episodes of low back pain? Evidence from the South Manchester Back Pain Study. Spine (Phila Pa 1976). 1997 May 15;22(10):1137-42. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pu... 12. Hodges, Moseley (2003) Experimental muscle pain changes feedforward postural responses of the trunk muscles. Exp Brain Res (2003) 151:262–271 http://cdns.bodyinmind.org/wp-...
動きの原則 パート1/2
身体発達やリハビリテーションを考慮した哲学、プログラム、システムには、基盤となるべき共通の真実や原則があります。 みなさんは下記の声明に同意するでしょうか…私は強く信じています。 私たちは、自分自身または他者を、その本質よりも良く発達させることはできない 私たちは、自分自身または他者を、その本質よりも安全に、より早く発達させることができる 適切な漸進は、次の段階に進む前の発達の1レベルを習得することである これらは原則ではありません。これらは環境の中で生きるための基本概念であり、必要以上に重視するものではありません。それを簡潔に深く表現した環境学者アルド・レオポルドの言葉を借りると、 「完全性、安定性、美しさを保つ傾向にあるものは正しい。そうでないものは誤りだ。」 ファンクショナルムーブメントシステム(FMS)を開発する段階で、これらの真実は10の動きの原則を通して表現されました。動作の観察、スクリーニング、評価、治療をガイドする、詳細で、多面的な行動指標です。 そう、これらの原則は明確に表現することが難しく、学ぶ側にとっては、さらに覚えるのが困難なものでした。私が今も10全てが当てはまる(本当にそうです…読み続けてください)と信じているのと同じくらいに、これらをFMSの哲学の根底に応用すれば、さらに良いものができることもわかっていました。 一貫したテーマにしぼった、動きの根本前提になるものを集めて組み立てていく中で、私はそのことを実感しました。テーマは、明確に見極められるものであり、極めて単純なものである必要がありました。アインシュタインが言ったように、「物事は可能な限り単純にするべきだが、単純すぎてはならない。」のです。 その哲学は、3つの動きの原則に抽出することができます。これらは単純ですが、私たちの理解を高め、努力を導いてくれる、身体発達における全ての側面が含まれています。 原則1は、まず動きを良くし、それからより頻繁に動くべきであると説きます。 量を気にする前に、質の最低ラインを探しましょう。良く動くことが基準であるならば、頻繁に動くことは、予測できる結果です。 原則2は、私たちがケアしている人々の動きを守り、修正し、発達させる方向に導きます。 ヒポクラテスの宣詞に従い、まずは害のないことをし、それから、自立性と持続可能性を持った方向に進めていきます。 原則3は、私たちの哲学を強化するシステムを創出することです。 標準操作手順の実行、聡明な選択の実践は、望まれる成長と発達におけるリスクとチャレンジの比率と常に合致します。 原則1を信じるならば、原則2においても原則1を尊重します。 原則2を行うためには、原則3を取り入れます。 これらは単純な声明ですが、私たちが今現在、発達をどのように見ているかを深く考えさせてくれます。 私は、サイモン・シネックの「WHYから始めよ!」が好きですが、共通のなぜを見つけることが、我々が動きを議論する際の出発点です。多様なバックグラウンドや職業を持っていても、共有している原理の中に共通性はあるのです。 常に、何をするか、どのようにおこなうかは比較的簡単に判断できますが、なぜの部分は大抵欠けているか、忘れ去られてしまっています。「なぜ?」は最も重要な問いであり、なぜに対する答えは、私たちがとる専門的な行動への感情的な結びつきとなっています。 私たちは、あまりにも長い間、共有の専門的な“なぜ”を持たないまま働いてきてしまいました。そしてそれ自体が、動きの健康に関する現在の問題の一部なのです。なぜという問いかけのないまま、動きの基本を誤って見てしまっているのです。 私たちが行っている全てのことの背景にある、このなぜという問いかけが、次の3つの原則にあります。これらの原則を学び、熟考し、吟味し、実行してください。それらができれば、解決策を見つけ、解決策を創出する道筋は整います。 動きの原則1:動きを良くし、それから頻繁に動く 原則1は、まず動きを良くし、それから、より頻繁に動くべきであると説きます。私は、これは自然が私たちに教えてくれる人生の教訓だと強く信じています。この原則は、動物や、身体的にも精神的にも最も健康な人々によく表れています。 原則1は自然の原則です。 この能力-上手く動くこと-と、許容量-頻繁に動くこと-の美しい相互作用を保つことが、毎日仕事に行く理由であることを願っています。これは正に私の原動力なのです。 現在の多くのフィットネス哲学が何と言おうとも、この原則は逆の順序で作用することはなく、守られなければならないものです。不完全な能力の上に許容量を構築することは自然ではありません。少なくとも自然界では、それは良い結果をもたらさないことが多いのです。 FMSのロゴに原則1を取り入れていることに気づかれたかもしれません。頻繁に動くの後に句読点が欠けていることは見落としではなく、洞察です。良く動くの後のピリオドは、私たちには許容量を高めていく前に、生物学的指標が必要であることを意味しています。文の最後に丸がないことは、持続性を象徴しています。 上手く動くことは、適応を可能にします。発達の機会が与えられるからです。そして頻繁に動くことで、環境との接点を保ちます。 私たちは反応するために十分なほど上手く動くべきであり、適応するために十分なほどより頻繁に動くべきです。上手く動ければ、環境的なシグナルに適切に反応することができます。それは、段階的な動きの学習に欠かせないフィードバックをセットアップします。頻繁に動くことができれば、パターンや組織が適応するための時間にわたって、十分な量を得ることができます。 私たちは、動きを、そのものとして見る必要があります-生命の最もわかりやすい指標-真の生命徴候です。発達モデルを考えると、私たちは可動性を持って生まれ、安定性を獲得していきます。そして基礎から機能的な動きへと移行していきます。非常にレベルの高いランニングやクライミング技術でさえ、原点は原初パターンにあるのです。 この驚くべきプロセスを理解することは、動きが知覚と行動を通して行われていることを理解することです。 今日の動きを見るとしたら、何が見えるでしょう?現在の見解では、基礎動作のパターンは低下しています。生まれながらに持っているべき動きの質が欠けている人々がいるのです。 1954年のクラウス・ウェーバーテストを見てみると、アメリカ人の子供の57.9%は、ヨーロッパの子供は8.7%しか失敗しない、姿勢のフィットネステストに失格しています。そのため、アメリカは過去半世紀にわたり、軍隊の基準を継続して減らす必要に迫られているのです。 この低下は、私たちの環境が、快適さと便利さに適応してきた証です。私たちは環境に適応することをやめ、代わりに私たちの必要に応じて環境を変えてきたのです。その結果はほぼうまくいっていません。環境にとっても、そして私たち自身にとっても。 数年ごとにフィットネス関連の改革はあり、学校をより健康的なものにするよう努力する動きはあるでしょう。しかし、業界としては健康問題にフィットネスによる解決策を推進しており、大衆は通常喜んでこれを受け入れているようです。 この状況をうまく表しているのが食べ物です。自然で全体性を持つ食品を食べていた時、私たちに食餌法という前置きをする必要はなく、栄養素を摂取するためにサプリに頼る必要もありませんでした。同様に、機能的という言葉を動きに加える必要はないはずなのです。 もしそれが機能的でないのなら何故行うのでしょうか? ビタミンであれ、なんとなくやっているエクササイズであれ、何かで補うことはほとんど役に立たず、もちろん持続可能な解決策ではありません。
アスリートの天性の加速力を向上させる4つの戦略 パート2/2
#3クロスオーバーラン 子供のころ、コーチが”横に動くとき、足をクロスするな!“と叫んでいるのを聞いたことはありませんか。もしそうであれば、そのように伝えた人達はかなり間違っていました。アスリートは実際に足をクロスしません;彼らは単純に股関節を回し、身体を低くして、上半身をシャッフルさせているのです。 これはどういうことでしょう?バスケットボール選手や野球の内野手がデフェンスの時に横方向にシャッフルしているところを想像してください。ディフェンダーがシャッフルできるスピードでボールが動いていれば、シャッフルを使うべきです。しかし、アスリートがシャッフルを使えないスピードと距離でボールが動いていれば、自然とクロスオーバーランになるはずです。この技術はかなり素早い動きですが、自分の前にいるボールやプレイに対して頭や肩を向けた状態でいられます。ですから、私はクロスオーバーランを下半身でのラン、そして上半身でのシャッフルと呼ぶのです。 これが天性の動きであると私が言う理由は、アスリートは移動しなければないならい距離とプレースピードの知覚に基づいて、クロスオーバーの動作を即座に直感的に行うからです。 次のことを試してください: パートナーにテニスボールを持って自分の10−15フィート前に立たせてください。パートナーと向かい合って、アスレチックスタンスをとってください。パートナーはボールをあなたの右側か左側に向かって空中にトスし、あなたは動いてそれをキャッチしなければなりません。ルールは、どんなときでもボールをキャッチするときはシャッフルをしなければならないということです。しかし、シャッフルでそのボールをキャッチできる範囲を超えていると感じた場合は、クロスオーバーランを使うことが許可されます。ボールがシャッフルでキャッチできる範囲を超えた時はどんな時でも、自然にクロスオーバーランを使っていることに、おそらくとても驚くことでしょう。動く方向は織り交ぜ、10−15回行います。 #4直線のリポジショニングステップ(プライオステップ) 高校のフットボールコーチが、私たちが、彼が“フォルスステップ”と呼ぶステップを踏んでいると叫んでいる声が未だに聞こえます。多くの人にとってフォルスステップとは、アスリートが前方に動く前に、後ろにステップを踏むことを意味します。この動作は、アスリートが反応し、まっすぐ前に、あるいは、角度をつけた方向へ動かなければならないすべてのスポーツで起っていると言えます。過去何年も私がびっくりさせられているのは、アスリートはかなり頻繁にこのステップを踏んでいるという事実にも関わらず、“なぜそのスッテプを踏むのか”と疑問に思うコーチがほとんどいないということなのです。説明させてください・・・。 攻撃する、あるいは、逃げるという動作を素早く行うために設計された闘争か逃走の生存反応に戻りましょう。この反応が、素早い加速として実現されるためには、身体が正しいアラインメントにならなければなりません。加速するためには、私たちは動く方向とは反対方向に地面を蹴らなければなりません。アスリートがアスレチックスタンスでいる場合、脚は重心の真下にあり、これは残念なことに、加速するための素晴らしいポジションではありません。蹴り出す足は身体より後ろにある必要があります。刺激が起こり、アスリートが反応し、動く方向も分かっていれば、地面に対し適切な角度の力を産み出すために、足は自然にリポジションするでしょう。私はこれをプライオステップと呼んでいます。 プライオステップ、またはリポジショニングステップは、より効率よく、より直接的な角度にもっていくだけでなく、神経筋系にインパルス、あるいは、伸張反射を与えるために起こります。このことで、接地時間を短くし、より爆発的にさせることができます。 このことが、フォルスステップが問題であるという考え方と直接的に対峙します。加速するという素早い認識に基づき、身体が足をリポジショニングするには理由があるのです:足が接地すれば、より効率的な加速角度とより素早い接地反応時間が必要になります。 次のことを試してください: 下肢を平行なアスレチックスタンスでパートナーと隣合うようにして立ってください。二人で10ヤードのレースをして、どちらが勝つか勝負します。パートナーの方が“GO”と言います。パートナーが“GO”と言って、二人はスタートし、レースをします。いつ動きだすのか正確には分からないため、あなたはおそらくプライオステップを踏むことになるでしょう。そして、多分パートナーもそうでしょう。これを6−8回行ってください。 まとめ アスリートは素早く動けるように設計されているので、彼らがすでに持っている天性の能力を引きだすためにドリルを使用します。この戦略によって、アスリートをより素早く加速させながら、彼らが使用しているメカニクスや姿勢を磨くことができるようになります。