マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてポイントとコインを獲得すれば理解も深まります。
筋膜の臓器を創る:臓器の筋膜マトリックスを露わにする パート2/2
著者:ロリース・ニーメッツ この数年間に渡って助手として参加してきた解剖ラボにおいて、ほとんどの検体は薬品処理されたものであり、大抵ホルマリン混合薬品が利用されているため、結合組織の大部分が綿飴のような物質に変形し、人工的な硬直がおきています。近年では、新鮮な(冷凍)組織が好まれており、動きがより自然に復元できるうえ、筋膜が根本的に変質していないため「幽霊の心臓」あるいは他の臓器を作り出すことが考えやすくなりました。私は、これらの臓器を幹細胞で再生することではなく、従来の筋骨格の解剖学ではない、筋膜の連結網を地図のように「見る」ことのできるモデルを作ることに関心を持っています。 私のフォーミュラ?私の研究概要より(Nemetz, 2015 FRC): …幾つかの最新文献に基づいて15段階を経て最終モデルを作り出しました。 無菌塩基溶媒の代わりに、著者は卓上塩と水で生理的食塩水を作成。ペプチド結合を切断するトリプシンの代わりには、(パパイヤなどの果実由来の)ブロメレインまたは肉柔化剤を利用することができ、この実験では後方を選択しました。脂肪を分解するトリトン Xの代わりに、ラウリル硫酸ナトリウム、あるいはラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)が原料に含まれた一般的な陰イオン性強力洗剤を使うことができます。これは数回の実験で試用されました。著者は、ラウリル硫酸ナトリウムの含有率が高い一般的なシャンプーを使用。最終的に、酸素と水分との相互関係を利用した非塩素系漂白剤として働く、主原料が過炭酸ナトリウム(2Na2CO3•3H2O2) 、「オキシクリーン」という製品を最終段階で用いました。 私は、科学論文であげられた薬品に類似した一般家庭で使用されている材料を取り上げました。手術に利用するのが目的ではないため、無菌溶媒である必要はないとはいえ、私の過程が十分に正確かどうかに不安はありました。本格的な化学実験において、ラウリル硫酸ナトリウムの代わりに脂肪分解のために一般的なシャンプーが使用されていることを知っており、それを主原料としながらも、あまりにも強力だとECMまで破壊される可能性があることも念頭において、店内の棚を探したのです。私の手法と材料は原始的なので、身体の部分によっては繊細な結合組織を残して細胞組織だけを除去するのは容易ではありません。将来、これがもう少し楽になれば良いと思っています。暗室で写真を現像する際に例えれば、「開始」溶液と「停止」溶液など様々な化学処理過程を踏まえるのと類似しています。まだ現像が途中の写真をある溶液に浸し過ぎると写真がダメになるのと同じように、臓器も長く浸し過ぎるとECM自体まで破壊される可能性があります。 最初の(2015年に比較的成功した)心臓実験以来、私は2016年1月に実施された3週間のアナトミートレインの解剖教室で5つの心臓を用いてこの実験を再現しました。結果は、すべてが組織の枠組みを作り始めましたが、最も成功したのは、解剖前に冷凍されていない献体の心臓でした。これが臓器移植に望まれる過程に最も近いものであったと言えます。深冷凍は細胞壁を弱めるため、非細胞化の開始は必要な過程であるものの、これが長くなり過ぎると、崩壊の度合いも大きくなり過ぎてしまいます。 私は、最後の週に違う臓器で実験することに関心を抱き、腎臓を選びました。正常な量の脂肪に包まれた健康的に見える腎臓を選びながらも、腎臓のECM以外の細胞組織を十分に取り除くことができるかどうかに疑問を抱いていました。しかし、ここで見られるように、腎臓でも満足できる結果が得られたのです。 これが「幽霊」腎臓の結果です(写真参照)。結論として、作家であり美術歴史家、ジョン・バージャーの重要な著書「視覚とメディア」(1972年)の言葉を借りれば、「私達が目で見ることと、頭で理解することとの間の関係は、まとまることがない。毎晩、夕日が沈むのを目で見る。太陽から地球が逆方向に回転していることは知っている。それなのに、その知識、その説明は、目で見ている光景にどうしても添わない。」そもそも私は、従来の物の見方に挑戦することで、アナトミートレインと出会いました。これから先、筋膜のモデルがより一般的になることには疑いの余地もありませんが、それによって人体の見方に対する疑問が新たに生まれてくることでしょう。 ローリーは、アナトミートレイン(AT)の認定教員であり、北米各地においてATのムーヴメント教室を教え、2014年から現在までアナトミートレインの解剖ラボの助手を務めている。長い経歴を持つ認定ヨガ教員(RYT500)、ストット・ピラティス®認定インストラクター、および、ダンス・ムーヴメント・セラピスト・アカデミーの委員会認定メンバーであり、創造美術セラピスト(精神医療士)免許を持つ。YTA(ヨガ教員アソシエーション)の元会長を務め、2007年から現在までペース大学の教授を務める。 www.wellnessbridge.com
風船の膨らませ方 パート3/3
3)息を吐いて風船を膨らませる、というプロセスのまま1ヵ月経ってしまいましたが、皆さん息を吐き切ることは出来ましたか?笑 一ヶ月もあったのだから、息を吐き切れて当然だろう!と思われるかもしれません・・・すいません!!ですが、意外と息を吐き切るという事が難しいのはお分かりいただけましたでしょうか?残気量(最大まで息を吐きだし終えた時肺に残っている空気量)をゼロにすることはできませんが、風船を使って息を吐きだすと普段の呼吸よりより多くの空気を吐き出せる感覚があると思います。それでは次のプロセスに行ってみましょう!次は息を吐き切ったところで、息を止めます(!!) 4)息を吐ききったら3~5秒静止する 風船は膨らませるために膨らませるのではない、という事を以前のアーティクルで書きました。膨らませるという事は息を吐くという事なのですが、息を吐くことはもちろん重要です。しかし、息を沢山吐いてから吸う、という事の為に風船を膨らませているのです。どういうことなのか、わけがわからないかもしれませんが、まずは息を吐いた後のプロセスから見ていきましょう。 風船を膨らます際、気を付けていただきたいのは息を吐き切ることです。理論上どんなに頑張っても息を完全に吐き切ることは不可能ですが、限りなくそれに近いくらい息を吐けるのが風船のいい所です。普段息を吐く際に動員される呼気筋だけでなく、胸横筋などの筋肉の動員も活発化されて、肋骨の内旋や胸郭の縮小化を促します。横隔膜は弛緩して、縮小していく胸郭のスペースと横隔膜の上昇により、肺の空気は押し出されていきます。 本当に吐き切れていますか?もう一度確認してみましょう。横に寝た状態で風船を膨らませている方は、自身の肋骨の位置を確認してみて下さい。肋骨はまだ出っ張った状態ではありませんか?みぞおちに水をたらしたらお腹の方向に水が流れていった、という状態(実際にやらなくてもイメージでいいです笑)であれば胸郭が腹腔よりも高い位置にあると考えられ、まだまだたくさん胸郭内に空気が残っていることを示唆しています。反対に、胸郭とお腹が一つの平らな面となっていればおそらく、十分に空気が吐けたと考えていいでしょう。 そして、ここで息を止めてしまいます。えっ?息を止めるって、息を吸ってからしないとだめなのでは?と思うかもしれません。いいえ、息を吐き切った後に息を止めてしまうのです。できれば5秒。なるべく3秒止めます。最初に息を吐いた際に膨らませた風船から空気が戻ってこようとします。しかし、息を止めます。しかも指で風船の首をつまんで閉じたり、歯で風船を噛んだり、唇で風船の口を閉じたりしないでください。 どうやって??舌を上あごの上につけます。喉の奥を舌で覆うようにすれば口からの気道を閉じることが出来ます。口は風船から戻ってくる空気で膨れている状態かもしれませんが、そのままで大丈夫です。 何故息を止めるのか気になる人がいるかもしれません。このプロセスはとても大事で、息を吐き切った後すぐに吸わない事は息を吐き切った状態を維持するという事を意味します。 一つは息を吐き切ることのあまりない呼気筋群をしっかりと活動させ、どの状態が息を吐き切るという事なのか認識させるという事です。特に内腹斜筋や腹横筋といった肋骨を内旋させる筋肉に加えて、強制呼気時に活躍する胸横筋などの活動を促します。 もう一つは息を吐き切る際にリラックスしているはずの横隔膜に息を止めてしまう事でさらにリラックスする時間を与えるという意味合いもあります。普段肋骨が外旋して横隔膜が常に緊張状態にある(おそらく精神的にも常に緊張状態にある)場合、ほとんど横隔膜がリラックスする時間も感覚もありません。ですから、風船で息を吐き切った時ぐらい、リラックスさせてあげましょう。 > 5)息を吸う 昔ドラゴンボールのアニメで孫悟空が元気玉を繰り出すか、繰り出さないかの瀬戸際で1話(30分)が終わってしまった時がありました。ここまで読んでいただいている皆さんは、いったいいつになったら息が吸えるのか?と不安に思っているかもしれません。安心してください、やっと息が吸えますから。 息を吐き切って3~5秒静止した後、息を吸います。この際必ず鼻から息を吸うようにして下さい。当たり前ですが口から吸えば風船の中に貯めた、先ほど自分が吐いた息を吸う事になります。息を吐いてから3~5秒静止している際に舌を上あごの上に当てて風船の空気が戻ってくるのを防いでいました。これを利用してそのまま風船からの空気が気道に戻ってこないようにしつつ、鼻から吸うのです。 沢山息を吐いて、吐き切って、さらに静止した後、やっと吸える空気です。思い切り息を吸いたいところですが、あまり力まないように、優しく吸いましょう。思いっきり力いっぱい息を吸ってしまうと様々な副呼吸筋が代償を起こします。例えば肩や首の筋肉も稼働して肩甲骨が挙上してしまうかもしれません。正しい呼吸パターンを身につけるために風船を膨らませるので、代償を含む吸気運動は避けたいですよね。肩や首の筋肉群に過剰な代償が内容に注意して息を吸いましょう。 そしてよくあるパターンとして挙げられるのが体を伸び上がらせながら吸うケースです。2)の風船を膨らませる体勢を整える、の欄にもありましたが椅子に座っている状態の場合、少し浅く腰を掛けて背中をかがませたのを覚えていますか?かがむことで肋骨の内旋を促しやすくなるというのが目的ですが、ここまで息を吐いて、静止して、息を吸う際にかがんだままにしておいてください。伸び上がって息を吸いたいと思いますが、それでは普段の呼吸パターンと変わりません。伸び上がる=伸展するという事ですが、頚椎や腰椎の伸展で息を吸っていませんか?1日に15000~20000回行われる呼吸の度に頚椎や腰椎が伸展していたとしたら、このパターンは改善されるべきです。 沢山息を吐きました。肋骨は内旋され、胸郭は縮小されました。ここで伸び上がってしまえばせっかく縮小された胸郭や内旋した肋骨は自由に普段のポジションに戻ってしまいます。それでは風船をやっている意味がなくなってしまいます。どうか少しかがんだポジションのまま、肋骨は内旋したまま、胸郭は縮小したまま息を吸ってみてください。胸郭が縮小しているんだからどこにも空気が入っていかないじゃないか、という意見もあると思います。そうです、普段空気が入っているところには空気が入っていきません。胸郭の後ろ、後縦隔と呼ばれる部分に空気が入り、拡充されるのです。もし誰かが風船を膨らませているのであれば、息を吸った際に肩甲骨と肩甲骨の間に手を置いてみてください。正しく後縦隔に空気が流入しているのであれば置いた手に肋骨の広がりを感じるはずです。 6) 再び息を吐いて風船を膨らませる やっと最後のプロセスまでたどり着きましたね。時間がかかってしまってすいません。もう息も吐いて風船が膨らんだし、3-5秒静止することもできたし、ついでに鼻から息を吸う事も出来ました。後はそれを繰り返すだけでしょ?と思っている皆さん、その通りです笑。しかし、このプロセスが一番難しいかもしれません。最後の難関です。身体を伸び上がらせずに内腹斜筋や腹横筋で肋骨を内旋させて、拮抗させた状態で息を吸えたら、次は風船の中にある空気に負けないように息を吐いていかねばならないのです。最初に息を吐いて風船を膨らませた時とは大違いであることに気づきましたか?確かに風船は一番最初に息を吐くときが一番『きつい』です。しかし、2番目に吐くときがおそらく一番『難しい』のかもしれません。2番目に息を吐くときは最初に吐いた空気が風船の中に残ったままの状態ですよね?風船のゴムの力によってそれらは口や気道の方へ戻ってこようとしています。そして舌を上あごにつけて蓋をすることで鼻から息を吸えるように気道を確保しました。その舌を下して、肺から空気を吐いていくのです。風船からの圧力に負けないようにしなければ、ちょっと笑ってしまうような音を立ててあなたのクライアントさんが空気にもてあそばれる瞬間を目撃することでしょう。それはそれでなんとも和やかな雰囲気になるので、1度はいいでしょう。でも呼気筋群を活用して力強く息を吐いてみてください。この際唇を真一文字に結ばないように気をつけながら。きっと風船はさらに大きくなってくれるはずです。 そしてまた同じ手順で息を吸い、さらに圧力を増した空気に負けないように息を吐いて、どんどん風船を膨らませましょう。おそらく一般的な風船であれば4-5回息を吐いたらパンパンになると思います。それで十分です。一度口から外して空気を抜いてしまいましょう。可能であれば、これを3セットほど行ってください。これだけゆっくりと呼吸をすれば1分当たりの呼吸数が減り、吸気状態から抜け出せることでしょう。 いかがでしたでしょうか?PRIの視点から長い事風船の膨らませ方について解説してきました。ここまで出来るようになれば、あなたも甲子園球場のスタンドでスターになれますよ!PRIのエクササイズは必ず風船を膨らませるわけではありませんし、むしろ大方のエクササイズは風船を使いません。しかし必ず呼吸がエクササイズに含まれています。もしこれらの呼吸が最適化されていなければ、どんなにパワフルなPRIのエクササイズも効果が半減してしまいます。ですから、まず呼吸を整えてZOA(Zone of Apposition)を確立するべきなのです。また個人的にはPRIのエクササイズに縛られなくても、風船を膨らませることはたくさんのメリットがありますし、何より童心に帰ってなんだか楽しいものです。風船を膨らませた後の空気が抜ける音だって、たまりませんよね笑。息を吐くことで副交感神経の働きを促進することが出来ますが、笑うことだって息を吐くことですから。みなさんも風船を是非膨らませてみてくださいね! *写真は弊社のワークショップより。
風船の膨らませ方 パート2/3
先月のアーティクルでは上手に風船を膨らませる前に行うべき、風船のくわえ方について解説していきました。すいません、皆さんには風船をくわえてもらったまましばらくお待たせしてしまいました笑。今回はそこからもう少し突っ込んで風船を膨らませる体勢、それから実際に息を吐いていくプロセスについて解説していきますね! 2)風船を膨らませる体勢を整える このプロセスは非常に重要です。やみくもに風船を膨らませばいいというわけではない、という理由はここにあります。風船を膨らませる体勢はいくつかありますが、基本的には仰向けに寝た状態(90-90ポジション)、座位、そして立位になります。時には四つん這いで風船を膨らませることもあります。重要なのは吸気時に腰をそらないポジションであることと、すこしかがんで正面をみるという事です。吸気時に腰をそってしまう人が多いので、その点では仰向けのポジションは一番サポートが多く、背中を反りにくい1番簡単なポジションです。次に座位、立位と難易度が上がっていきます。立位の際は壁などに背中をもたれることでサポートを追加してもいいでしょう。 仰向けで寝ている場合、壁に足をつけ膝を90度曲げ、股関節も90度屈曲させた状態になります。このポジションを90-90ポジションと言っていますが、言い方は多々あるかと思います。布団に寝るような形で仰向けになってもいいですし、膝を曲げて仰向けに寝てもいいでしょう。しかし、おそらく90-90のポジションが一番腰椎をニュートラルな状態にしやすいと考えられます。さらに可能であればかかとを履いている靴のヒールとソールの角に当てつけるように、かかとで壁を下に押すことでハムストリングを起動させて骨盤の安定を図ります。足の位置は壁からずれませんが、少しでもいいのでハムストリングを起動させたいのです。足の裏が壁(=つまり地面)に設置しているという感覚を持ってもらうことが重要なので、壁から足が離れることは避けたいですが、どうしてもかかとが感じられない人には椅子などを使って下に押し付けてもらうか、私の場合は壁沿いに自分の足を入れ込んで、クライアントさんや患者さんに自分の太ももをかかとで下に蹴ってもらうことでかかとを感じてもらっています。 ここまでは一般的に理解ができると思いますが、ここでさらにPRI的な要素を加えるとすると、左手で風船を支え、右手は万歳して床に置かれているか、天井に向かってリーチしていく状態になります。最初は左手で風船を支え、右手を万歳して床に置いておくポジションがいいでしょう。こうすると右の胸郭先尖に空気が入っていくのを誘導しやすくなります。 座った状態の場合は、椅子に浅く腰を掛けます。膝と膝の間に小さなゴムボールや巻いたタオルを挟むといいでしょう。少し骨盤を後傾させ、背中をかがめます。目線は正面において風船を膨らませていきます。 あれっ、と思った方もいるかもしれませんが、そうです。背中をかがめて胸椎が少し丸まったような状態をつくっていいのです。胸を張る必要はありません。むしろいつも胸を張っていて過吸気(Hyperinflation)の状態になってしまっているので、風船をするのです。少し背中を丸めることでたくさん息を吐く準備をしましょう。 立位の場合は少し難しいですが、壁をサポートにして立ちます。壁からかかとを20センチほど話して立ちます。そのまま膝を曲げながらお尻を壁につけます。続けて背中の下半分を壁につけてしまいます。腰椎の伸展がかなりきつい方は難しいと思いますが、腰椎も壁につけてしまいます。つまり「骨盤の後傾」と言われている形です。クライアントさんや患者さんに「骨盤を後傾させてください」と言ってもいつも伝わらないので(笑)尾てい骨を前に向けてください、といったような言い方をしたりしています。そして背中の上半分は少し丸めたまま正面を向きます。左手で風船をもち、くわえて風船を膨らませる準備は完了です。 次に3)息を吐いて風船を膨らませるプロセスを見ていきましょう。 風船を膨らませる体勢が整ったらいよいよ風船に空気を入れていきます。口を大きく膨らませて、思い切って空気を入れていくといいですが、あまり力みすぎないよう気を付けてください。新しい風船は一番最初に膨らませる時が一番大変です。口を真一文字に結ばずにストローの先をくわえるように、空気を吐き出していってください。またくわえる前にびよーん、びよーんと前後左右に風船を手で伸ばしておいてあげると多少膨らみやすくなります。 おそらく背中をそりながら息を吐く人はなかなかいないと思いますが、どちらかというと背中を少しずつ丸めていくように息を吐いていってください。そうすれば、左右肋骨の下あたり、腹斜筋や腹横筋などが活性化するのが感じられるかもしれません。腹直筋の過緊張は避けたいところです。息をたくさん吐いていくにつれ、胸骨が下に、そして背中側に沈んでいく感覚もわかるはずです。 最初は思ったように息が吐けないかもしれません。苦しくなってすぐに息継ぎをしてしまうかも知れません。しかし、そこは我慢してできるだけ沢山の空気を送り出しましょう。思ったよりも肺の中に空気が入っているのがわかると思います。背中を丸めつつ息を吐きます。繰り返しますが、力みすぎないように気を付けましょう。もともと息を吐くのは力を抜くためにやっているのですから、副交感神経に作用するようにリラックスしていってください。 そして次のアーティクルでは風船を膨らませるにあたって一番重要な、吸うというところに焦点を当てて解説していきたいと思います。
風船の膨らませ方 パート1/3
最近少しずつですが、呼吸に関してこの業界で注目が集まっているように思います。そしてPostural Restoration Institute(PRI)の教育コーディネーターをさせて頂いて関係もあって、風船を膨らませるエクササイズを取り入れている方を見る機会が増えています。しかし、やみくもに風船を膨らませばそれでいい、効果が出る、というわけではありません。風船を使った呼吸エクササイズは非常にパワフルで、筋骨格系に与える影響だけでなく、神経系や精神的、生化学的な部分まで影響を及ぼします。そこで今回はPRIの視点から見た風船の正しい膨らませ方について記事を書いてみたいと思います。 風船を膨らませるにはいくつかの手順があります。 1) 風船をくわえる 2) 風船を膨らませる体勢を整える 3) 息を吐いて風船を膨らませる 4) 息を吐き切ったら3~5秒静止する 5) 鼻から息を吸う 6) 再び息を吐いて風船を膨らませる そして3)から6)のプロセスを4-5回繰り返せば風船はちょうど一杯になるかもしれません。膨らませている途中に風船が大きくなってきて割れるのが怖いですが、思ったより風船は大きくなりますよ。 ところで、風船は膨らませるために膨らませるのではありません。わけのわからないことを書いている(!)と思われるかもしれませんが、実際にそうなのです。確かに風船の中に息を吐いていくことは非常に重要なプロセスですが、息を吐いた後が肝心なのです。風船を膨らませることによって、どのように息を吸うのか学ぶことができるのです。 まずは1)の風船をくわえる、というところから解説していきます。 風船をクライアントさん、または患者さんに渡すと一番最初にすることはくわえることです。ほぼ100%くわえます。ですから、風船をくわえる前に、しっかりと今から何をするのか説明しましょう!やみくもに風船を膨らませることはストレスを与えるだけになってしまうかもしれません。 そして風船を膨らませるプロセス(1)から6)の手順や理由などです)について説明が終われば、いよいよ風船をくわえてもらいます。 風船を膨らませる際によく目にするのが、風船がどんなに頑張っても膨らまない現象です。筋力がないのか、肺活量がないのか、とクライアントの方や患者さんはおっしゃいますが、なぜか風船が膨らんでいきません。こちらとしては満を持して風船エクササイズを紹介したのに、相手の方は顔を真っ赤にして頑張っているのに風船がまったく膨らんでいかない…この状況はなかなかなんとも言い難いものがあります(笑)。頑張っているのでもう少し頑張ったら膨らみそうな気がしますし、かといって顔が真っ赤で目玉が飛び出るくらい頑張っているので、「一回休憩しましょうか」と言いたくもなりますし・・・特に子供のころに風船を膨らませた経験のある方は、今となって膨らますことができない自分に愕然とするでしょうし、ちょっとがっかりした気分になってしまうでしょう。 何でこんなことが起きるのでしょうか?もちろん息を吐く力が実際に低下しているのかもしれません。しかし、私が所属しているメディカルフィットネスジムでは高齢者の方にも風船を膨らませてもらっています。人生の経験が豊富な方々でも風船が膨らまない時があります。僕もこの微妙な時間をどれだけ過ごしてきたか…しかし、そこで気づいたことがあります。みなさん、風船を自ら閉じているのに、空気を送り込んでいる! そうなのです!風船を膨らまそうと空気を送り込んでいるものの、風船をくわえようとして唇で抑えたり、歯で噛んだりします。そうなったら風船の首は閉じてしまい、空気は入っていきません。でも呼気筋がかなり頑張り、自らの唇や歯と戦おうとします。これでは風船はいくらやっても膨らんでいきませんよね。 先日PRIの本部があるネブラスカ州リンカーンに行ったとき、PRIの創設者であるRon Hruska氏に聞いたのですが、風船にもくわえ方があるという事です。風船は円形の口から空気を入れるようにできていますが、工業製品ですから出荷される際は平らにたたんである、というよりは押しつぶされた状態になります。この平たくなってしまった風船の首と唇のラインを平行にくわえてしまったら、どうしても唇や歯で、または舌で押しつぶすような格好になってしまい、空気が入るのを邪魔してしまいます。 そこで平たくなってしまった風船を縦にして、唇で風船の口を広げるようにしてくわえるのです。 こうすることで唇は風船の口をつぶして広げるように作用します。ちょうどストローをくわえるように円形の穴を唇で作るのです。そうすると空気をすんなりと入れることができるのです。あまりにも当たり前に風船を平たくくわえさせてしまっていたので、風船にもくわえ方があると聞いて目から鱗でした。 あまりにも当たり前すぎるような話ですが、意外と口元の筋肉やかみ合わせで緊張している方が多いのではないでしょうか?また高齢者の方だと入れ歯などの関係で唇の筋肉やかみ合わせのコントロールがうまくいっていない方もいるでしょう。そんな時は風船を縦にくわえる事で空気の通り道が肺から風船の先端まで繋がり、息を吐けば風船は膨らんでいくはずです。 それでは次のアーティクルでは2)の風船を膨らませる体勢を整える、というところから解説していきましょう。
あなたは中枢神経系を助けているのか?ただ中枢神経系の注意を逸らしているのか? パート2/2
入力がありとあらゆる奇想天外なバックグラウンド、薄っぺらな関連性、様々な身体部位と系統に集中する非難を誘発するノセボ以上のものであると思われる時、痛みを抱えている人にとって、注意をそらすことはまさに彼等が必要としていることかもしれません 痛みを伴う治療、あるいは入力も同様の効果をもたらすかもしれません。フォームローラー、あるいは痛みを伴うスポーツマッサージは、一時的な効果があります。それらは、あなたの気分を良くし、もしくは効果があると感じさせるかもしれませんが、一般的には短期的なものです。前日に激しい運動をしたために身体が硬く張っていて、きっとフォームローラーが私の気分を良くしてくれるだろうと思っているとしましょう。私がフォームローラーを使用している最中は、本当に痛い、まぁ、痛い、しかし、使用後に突如、凝りが軽くなるのを感じます。それは単純に、私の中枢神経系がフォームローラーによってもたらされる新しい痛みの感覚に注意を払っているということなのでしょうか?それは、新たに適用され、単にこれまでの感覚を覆す、より大きな刺激であり、異なる入力に応えて、その感覚出力をも変化させるのです。 この入力はまた、中枢神経系出力を介して、筋肉の伸長性とある程度調整され短期的に変化する関節可動域をも変化させます。筋長調節器の一つは、筋肉がどう感じるかで、筋肉を伸ばすと、筋肉は張力を感じ、その感覚が増大するにつれて、筋肉を伸ばすことをやめるというものです。もし中枢神経系の注意、あるいは中枢神経系の注意をそらすことを求めて競合する、より大きな感覚があるならば、これに比較して感覚調節は単にあまり感知しないかもしれず、出力調整は他の競合する入力に応じて、変更されているかもしれません。 それは、誰かがチョコレートで注意を逸らすまで、ボールを独り占めしている子供と類似しているかもしれません。子供はチョコレートを食べるために、ボールを離さなければなりませんが、それでも独り占めしようとするかもしれません。それは、行動が修正されたわけではなく、ただ単に注意が逸らされているだけなのです。 私達は、DNIC(広汎性侵害抑制調節)のような、疼痛性刺激によって起きる他の機序も持っています。これは、強度の侵害刺激が侵害受容ニューロンに、侵害受容ニューロンの遠心性抑制をもたらす尾側延髄腹外側野へインパルスを送らせること、わかりやすく言えば、痛みを抑制する痛みを送らせるということです!しかし、私達は侵害受容(痛覚)が起こることを必要としています。 知覚、期待、抑制 もし私が以前にある治療、あるいは入力から良い結果を得ているのならば、再度、良い結果を期待するかもしれません。私の期待は、起こっていることに関する中枢神経系に肯定的な見方や認識をするように駆り立てるかもしれません。それは、私の関わる環境や人が、肯定的な入力と出力を誘発するということかもしれません。心地よく、リラックスしていて、安全に感じることが、中枢神経系に事象に対しての肯定的な評価をさせているのです。 それは、私の中枢神経系の認識、もしくは注意を増す不安を伴う事象の処理、潜在的に有害なあらゆる刺激の処理を変化させる、寒くて非常に不快な待合室と意地の悪い医師、あるいはこれまでの歯科医、治療家、トレーナーとの酷い経験とは、全く正反対なのかもしれません。 単純な因果関係というよりも、痛みはある程度、神経系周辺を浮遊している内因性(内部的に発生した)阻害物質の量と、疼痛経験の促進に関与する化学物質の量とのバランスに依存しています。 中脳水道周囲灰白質は(PAG)、吻側延髄腹内側部(RVM)と後外側束を介して、脳幹から後角へと抑制インパルスを送ることができます。中脳水道周囲灰白質は、視床下部、皮質部、辺縁系からインパルスを受け取り、これらのインパルスは、感覚、運動、感情等のような行動に関連するこれらの脳の部位に起因するいずれかの処理によって、潜在的に引き起こされるかもしれません。吻側延髄腹内側部内に、下降抑制を働かせる‘オフ’細胞と侵害受容伝達を促進する‘オン’細胞があると考えられていて、これらは慢性痛の状態に関与しています。侵害受容ニューロンの促通と末梢受容体の感作によって、私達は通常は非侵害刺激であるものを用いて、侵害受容性シグナルの暗号化を獲得するかもしれません。私達は痛みにおいて抑制効果のある内因性オピオイドとGABA、促進効果のあるアスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、NMDA(N‐メチル−D−アスパラギン酸)のような化学物質を持っています。これはもちろん侵害受容に関する全てではありませんが、同様に、私達は脳内に、ただ侵害受容伝達中のみではない疼痛経験の抑制と促進を持っています。 良い治療家はリラックスしやすい部屋に入って来て、誰もあなたの痛みを抑えることができなかったかの理由(でたらめな可能性のある)を説明し、彼等がその答えを持っていると自信たっぷりに安心させるでしょう。すると、あなたは理解されていると感じ、かすかな希望が湧いてきます。あなたの脳は、不安を緩和するかもしれない、あるいは抑制を引き起こし、潜在的ないかなる侵害受容性シグナルの促進の減少を引き起こすかもしれない化学物質を送り出します。化学的バランスは、痛みに対して‘マイナス’の可能性へ揺れます。セラピストが疼痛性刺激や、あなたの脳にとって新しい、今までにない運動情報の噴出を提供すると、突如、痛かったXXXが変化して、幾分良くなったかのように感じます。おそらく、その部位は緩んだ、あるいは強くなったように感じるかもしれません。これは素晴らしいことですが、どうか、この変化、あるいは注意を逸らすことと解決策を混同しないでください。 短期的な成功は明らかに有益ですが、最大の成功をもたらすのは、行動における長期的変化であることを忘れないでください。
あなたは中枢神経系を助けているのか?ただ中枢神経系の注意を逸らしているのか? パート1/2
人間の神経系は、非常に適合性があります。中枢神経系は恒常的に中枢神経系/私達に影響する様々な刺激に反応しています。その処理はしばしば、予測に基づいて、あるいは難しく言えばベイズ推論モデルに基づいているということを忘れてはいけませんが、簡略化すれば、入力−処理−出力システムとして表現されるかもしれません。 これが意味していることは、もし私達が入力を変更すれば、その反応として異なる出力を得るかもしれないということです。 最近、私は、騙されやすい中枢神経系に関して、そして、いかに‘神経系を巧妙に改造’するのかに関する多くの議論を読んでいます。正直なところ、同意できるかどうか確実ではありませんが、これは結局、中枢神経系はコンピューターではないということを暗に伝えているように感じますが、これに関して、私は恐らく、潜在的に一時的に出力を変化させる、異なる一時的な入力を提供することによって、神経系の認識を変化させるのであろうと考えます。私達は、一つの‘プログラム’と他のプログラムを交換しませんし、‘初期化’して出荷時設定(例えそれが何であれ)に戻すこともしません。そうではなく、‘プログラム’は、適用された入力に従い、恒常的に状態を発展させます。もちろん、私達は時折、一貫性のある入出力‘ループ’の中に閉じ込められてしましますが、この習性が瞬間的に、恒久的に変化することはそう多くありません。 もし私の出力が,関節の硬さであるとすれば、これが組織の保護に基づいていて、多くの脅威ではない入力を提供されているのであれば、私の中枢神経系に関する認識は‘私達はそこまでの保護を必要としない’という認識に変わるかもしれませんし、次に関節の硬さの減少により、筋緊張の出力を低下させるかもしれません。ほとんどの習性のように、染み付けば染み付くほど、長期間にわたって認識を変化させるために、より定期的に‘有益な’入力が適用される必要があります。 それはただ注意をそらすものですか? 場合によっては、これは認識の変化というよりも、より注意をそらすものかもしれません。そして、適用された入力の新規性と大きさは、現在の状況よりもはるかに興味深く、注目すべきことかもしれません。もし私が、より興味深い、あるいは注目度抜群の刺激を提供することによって中枢神経系の注意をそらすならば、この入力の変化は中枢神経系の出力を変化させるかもしれません。しかし、中枢神経の注意をそらすことは、長期的に何かを有益に変化させるための刺激を提供しないかもしれません。 私達は、変化のための環境を育てることなく、恒常的に中枢神経の注意をそらすこともできます。ただそれだけを行う‘短期間の治療’が、どれほど存在していることでしょうか? 出力におけるこの変化はしばしば、ただの一時的な注意をそらすもの以上のものと混同する可能性があり、これは私達が感触を推定し始めるところかもしれません。突如として新しい入力が、身体の遠く離れた部位の長期にわたる問題の‘解決策’になる可能性もあり、同様に誰かの複雑な痛みのパズルに欠けている奇跡のピースと勘違いされる、あらゆる短期的な変化になる可能性もあります。 私達は、筋膜システム、生体力学、複雑な脳を基底としたメカニズムを伴う、架空のバックグラウンドを作り上げることができます。これら‘解決策’の全ては、成功の指標として、関節可動域、筋力、あるいは感覚といった中枢神経系の出力を介して調整されているすべてのことにおける短期間の変化に依存しているのです!変化という言葉は、単に変化というだけであって、変化が良い事とであるとほのめかしているわけではなく、短期間の変化もまた、長期間の変化、あるいは‘解決策’をほのめかしているわけではありません。 私達は、筋力の増大と関節可動域の増大を、肯定的なものとして混同します。腰痛を患っている人達において、体幹筋群収縮の増大は、現在進行中の痛みの状態と関連していて、筋硬直の減少と筋長調整もまた、実際には、運動制御において、悪影響を及ぼすかもしれません。筋力も柔軟性も共に、状況に依存するものなのです。 痛みの部位における筋力の増大は、潜在的に実際の問題を代替した結果因子であり、原因とはほぼ関連ないでしょう。 これを状況に当てはめてみましょう。 ある人が肘痛を患っていて、治療家、あるいはトレーナーが足に刺激を与えます。この刺激は、種類にもよりますが、さまざま脊髄路を伝わり、処理のために脳まで達します。すると突然、肘の感覚が変わり、良くなったとさえ感じるかもしれません。これは、身体が特に足からの刺激を必要としていて、そして、これはどういうわけか、肘と関連していて、その問題の原因は、わかりやすく言えば、中枢神経系が、恐らく、動いている他の身体部位と比較しても、足から来る情報により多くの注意を払っていて、それ故に、中枢神経系が体内で調整している他の状況への出力を変化させているということを意味しているのでしょうか? 情報の噴出! なぜ中枢神経は特定の身体部位に、より注意を払っているのでしょうか? さて、通常関節によってもたらされる運動が制限されているのならば、固有感覚情報の噴出は、神経系にとって新しく、注目に値し、興味深いものとなります。私達は新しい、あるいはこれまでの経験に基づいた予測を超えた刺激に対して注意を払います。一つの例として、通常よりも高さのある歩道の縁石から足を踏み外した際、突如、私達は、この入力情報の変化に気付きます。もしそれが通常の高さであれば、単に注意を払うに値する情報ではなく、私達は意識せずに楽しく歩くことでしょう。私達はこの新しい刺激に注意を払っていますが、感覚、あるいは他の部位の硬直の調整は、特に新しい刺激の持続時間が十分であれば、中枢神経系の出力として変化するかもしれません。 これは、2つの身体部位は何らかの形で結びついていて、誰かが必要としている刺激ということではなく、その人がたった今注意を払っている、ある刺激なのかもしれません。そのうち、その刺激に今ほどの目新しさも注意を掴む潜在力もなくなれば、注意を逸らすレベルも変化するかもしれません。私達は、軟組織の取り組みにおいて、これを目にします。身体/中枢神経系が慣れてしまって、同様の効果を得るためのさらなる刺激のレベルを提供するために、人々は、フォームローラーから、ケトルベルのようなより硬い器具に少しずつ変化します。 運動によって作り出された固有感覚情報はまた、小さなAδ線維と有害情報を伝達するC線維を抑制する、大きなAβ線維から伝達されてくるような情報によって、痛みに関しての‘ゲート効果’があります。これが、私達が痛みのある部位を撫でる理由であり、この理論は、メルザック とウォールよって最初に提唱された ‘ゲートコントロール理論’として知られています。この理論が、1960年代の原型から進化した一つの理由は、他の神経生理学的メカニズム‘下行性抑制’同様に、痛みによる侵害受容を必要としていたからです。これが、幾つかのケースにおいて、なぜ注意を逸らすことと認識の変化が私の興味を引くのかの理由でもあります。私が認識の変化、あるいは注意をそらせるという理論を好む理由は、他と競合しているたった一つの入力、あるいは出力を変化させる入力の代わりに、抑制されるために起きている侵害受容があることを暗に伝えていないからです。
パレオプラス:食事とエクササイズの再考 パート2/2
栄養学について私が今説明したことと同じように、エクササイズにも素晴らしいある共通した方法があります。しかし、この栄養学の方法は万人に効果があるわけではありません。なぜなら、欠乏がある場合があるからです。これらの欠乏は必ずしもホールフードが不足しているからではありません。私たちの身体は、遺伝や環境、ストレスレベル、年齢により栄養やビタミンの吸収率が異なるのです。 エクササイズも同じではありませんか? 吸収率は変化するかもしれません。ケトルベルスウィングで体重が減る人もいれば、腰を痛める人もいます。すばらしい食餌療法のようなものを達成するには、どんな手順を追えばよいでしょうか? まず、欠乏があるかどうか調べて知っておくこと。私たちのほんとんどは、何らかの欠乏が見つかることでしょう。そして、一般的な原理にできるだけ従ってみます。 約8週から10週ぐらい過ぎたら欠乏を再検査して、この一般的原理のアプローチで問題を解決できたかどうかを確認します。問題が解決されない人もいるでしょう。必須栄養素の本来の吸収を妨げる既往症や他の要因があるため、実施した栄養学の一般的原理のほかに、さらにサプリの摂取も必要かもしれません。 この定義はファンクショナルエクササイズにも当てはまります。ムーブメントスクリーニングや他の評価法を通して、機能不全という所見がある場合、ファンクショナルエクササイズの一般的原理にまず従いましょう。どのエクササイズや活動が行い難いか、だいたい見当がついていると思います。 トレーニングの後、痛みを誘発したり、顕著な筋肉痛や緊張(いつも心地よく感じる筋疲労とは比べものにならないぐらいの)が起きたりするエクササイズもあります。これらは、おそらくレッドフラッグでしょう。一連のエクササイズをやり過ぎたか、実際よりもずっとよく見えるものとのギャップを補ったか、私たちの身体がコミュニケーションを取ろうとしているのかもしれません。 残念なことに、私たちはいまだ1980年代や1990年代のエクササイズの進化の過渡期にあります。簡単に機能改善できるはずの一般的原理に従う前に、私たちはこれまでずっと、補助的なものを加えてきました。一般的原理に従っても良い結果が出なかった場合、コレクティブエクササイズ(エクササイズの補助的要素で、不足しないようにしたり、吸収を高めたりするために摂取するいわゆるプロテインシェイクやマルチビタミンに相当するもの)を使います。 残念なことに、トレーニングから何かを取り除かなくてはならないという理由から、ファンクショナルムーブメントスクリーンや他のファンクショナルムーブメントのトレーニングに“良くない”というレッテルが貼られているのが見受けられます。 何かを取り除くことには論理的な理由が2つあります。 まず、何かをひとつ除外してすべて改善したら、何かを学んだことになります。次に、何かをひとつ除外して何も変わらなければ、またひとつ何かを学んだことになります。 こうして学習していくことに何か不安を感じますか? スポーツとストレングス&コンディショニングにおける一番の不安は、どういうわけかパフォーマンスのキレが失われてしまうことだと思いますが、一体それはどのようにして? パフォーマンスに影響する環境変化が分かるぐらい頻繁に私たちはパフォーマンスをチェックしているでしょうか? パフォーマンスにまじめに取り組んでいる人たちは、ある時点でパフォーマンスが最高レベルに達するように計画しており、つまり、彼らのパフォーマンスレベルは、グラフで簡単に追うことができます。より機能的なアプローチを取り入れて、パフォーマンスレベルのグラフに大きな落ち込みが見られたら、すぐにその落ち込みに対して行動を起こし、落ち込みがほんの小さな変化に過ぎないようにすることができるでしょう。 本質的な動きと機能的に動くための基礎を取り戻すためにパフォーマンスの時間をこれに割く不安感は、頻繁にテストを行っていないことと客観性の欠如からくるのではないかと私は思います。クライアントの目標やすべての目標のために私が役に立っていないとしたら、そのことに最初に気がつくのは私でしょう。私は評価基準を体系的かつ客観的な方法で観察しています。これは例外ではなく、規範であるべきです。 特定のエクササイズの除外を正当化し、新たな機能的運動もしくはコレクティブエクササイズを導入するためのデータが揃うでしょう。そうすれば、同じ時間の中で、一般的な身体準備または特定の活動の競技スキルにおいて、実感できるかなり有意な効果がみられます。 では、タイトルにもあるパレオ・・・プラスがどこから来たか説明しましょう。パレオのような除外ダイエットのルールに従って良い結果が得られたならば、たまには幸福感を感じる食べものや便利な食べものを再び摂取したり、または楽しみにできる何かを与えるようにします。そういったものを時々紹介することもできますし、あるいはサボる日を作ることもできるでしょう。 私はできる範囲で地産食材、ホールフード、シンプルな食材、パレオ食材を食べるようにしています。もし、アイスクリームをひとカップ、ピザをひと切れ、とてもしょっぱいポテトチップなどが食べたくなったら、私はそのようなものも食べます。過剰摂取に気がついたら、少し量を減らせばよいのです。 除外ダイエットに従っていたとしても少しサボったり、少しプラスしたりすることによって、ほぼ同等の結果が達成できるのであれば、私にとってはそれで十分なのです。 このアドバイスを、みなさんのエクササイズプログラムの参考にしてみてください。患者さんをリハビリテーション後の活動的な生活スタイルに戻すために、このアドバイスを参考にしてください。(すべての怪我から学ぶことができるレッスンを学習していれば良いのですが)‘このケガを予防するために何かできることはなかっただろうか? また、せめてケガを軽くすることはできたのではないか? 場合によっては、‘ノー’とあなたは言うかもしれませんが、場合によっては、‘うーん、ケガを避けることはできなかったが、リハビリの過程において他に15もの問題が明らかになったせいで、リハビリに時間が長くかかった’と言うかもしれません。 栄養管理計画の除外の目的は、現在の自分自身を取り巻く環境に競争上の優位性を提供することだということを覚えておいてください。筋を維持し、脂肪が少なくよりエネルギーに満ちた状態に保ちたいものです。何かを除外することでこれが達成できるのであれば、それは競争上の優位とパフォーマンス向上でしょう。 機能不全である動きのパターンを改善することは、広範囲にわたる効果をもたらし、これまで行き詰まっていたパフォーマンスの評価基準の多くの要素を変化させます。見てみなければ知り得ないし、初めに検査していなければ再検査もできません。 動きとパフォーマンスの基準を設定しましょう: 補助的と思われるエクササイズや身体の一部に偏ったエクササイズは除外しましょう。 まず全体的な動きのパターンを含みましょう:走る、跳ぶ、運ぶ、登る。 身体が硬かったら、深呼吸して健康を取り戻してから、可動性をつけていきましょう。 力が弱いならば、モノを運んだり持ち上げたりしましょう。 自分自身の動きのパターンを自分のものにしましょう。始めは単純で基本的なことを。最初は負荷はなしで行い、それから負荷を加えます。常に全体性を持って。 身体と動きのパターンの変化を観察しましょう。 理にかなっていなかったり、補助的であると思われるエクササイズは除外してください。基準テストからどのぐらい改善したか見てみましょう。 自分自身のパフォーマンスを観察すれば、パフォーマンスが何であるか否か、などの無限定な発言をする言い訳はできなくなります。パフォーマンスの最初の必要条件は、参加することです。もし、今日のあなたの調子が悪ければ、参加はできないのです。 シンプルかつ基本的で、全体的なエクササイズプログラムを楽しみましょう。一度自分のものにして、楽しんでしまえば・・・こっちのものです!
パレオプラス:食事とエクササイズの再考 パート1/2
たいてい私は、栄養管理とエクササイズを並行して進めていきます。エクササイズは常に約15年ほど遅れてはいるものの、現代のエクササイズの進化と発展は、栄養管理の進化と発展を反映していると確信しています。 栄養学の潮流にたしかに波はありますが、最新動向に学び、熟読し、取り入れることが大好きです。そうは言っても、私たちの文化のなかで最も先進的な栄養アドバイザーと呼ばれる人たちは、歴史的に表現され、純粋に実践的なある一連の原理に従っていると思います。マイケル・ポーランを思い出してください。 新たな方法論がこれらの原理にしっくり合っているならば、いい線をいっているのではないかと思います。もし、身体の代謝や体内と体外の環境における基礎的な原理を無視した栄養学に走ってしまえば、いつものように“万能薬”や“特効薬”といった手段を単に推奨しているだけになります。 もっとナチュラルでホリスティックな食ベ方を観察すれば、スタイルと実体の両面においてうまくいくでしょう。単に何を食べるかではなく、どのようにどこで食べるかということ。身体器官のバランスを整えることを考慮すれば、間欠断食はおそらく何を食べるかということと同じぐらい重要です。 身体の中に取り入れるものは、生命の維持に必須であり、非常に重要ですが、どのような方法で体内に取り入れるかも同等に重要であると私は考えます。 パレオダイエットやそのライフスタイルによって支持されている除外の考え方が最近注目されていることは、良いことだと思います。除外への関心は、マーケティングをも変えました。食品は、オメガ3や繊維を含んでいることだけを表示するのではなく、ホルモンや合成添加物、着色料、グルテンおよびトランス脂肪を含んでいないことも表示しています。 1980年代と1990年代を通して、栄養学の潮流は補助食品にあったように思います。食物のリソースは十分でなく、しかも適切な食材を料理するには時間がかかり過ぎると、補助食品の摂取を正当化していたことを誰もが認めています。シェイクやビタミンパック、クレアチンなどが出てきました。 サプリには利点があるようで、リサーチも急増しました(まだ続いていますが)。食事に明らかな摂取不足や欠乏または損失がある人にサプリを処方すれば、不足分を補うわけですから、どんなサプリを摂取しても当初の段階から効果が現れることが分かっています。これは、マイナス側面を取り除いているだけで、プラス面は加味されていません。 そもそも、なぜ欠乏があったのでしょうか? 過去の考え方は、“いらないものも取り入れ、良いものも加えよう!”でしたが、最近の流れは(願わくは)、本質的なものを見つけ、不要なものは取り除くことに変わりました。残念ながらそれは、拝金主義とマーケティングに陥ってしまいました。彼らは、私たちが求めているものが何なの分かるや否や、私たちの好奇心を満たすために、安価で、決して健康的ではないものを消費させようとたくらむのです。 これに関してマイケル・ポーランは、多くの書籍の中で、シンプルな言葉で次のように素晴らしいことを言っています。 (以下私の言い換え)できる限りホールフード(丸のままの食品)や汚染されていない本質的な食べ物、地産食材を食べ、そして、自分の身体が最高と感じる様々な品質を味わいなさい。パレオの食べ方の根底にあるのは、地産食材でない、ホールフードでない、不確かな多くの食べ物を摂取しないということです。 エクササイズの行い方にも応用できる教訓はあるでしょうか? エリプティカルマシーンが導入された当時、私はすでにフィットネス&リハビリテーションの専門分野にいました。私の多くの同僚は、衝撃がほとんどなく、臀筋の活動が20パーセント向上するというマシーンに飛びつきました。衝撃にうまく反応できない人や特定の場所でテレビを観ながらエクササイズをしたいという人にとっては、素晴らしいエクササイズの方法ですが、エリプティカルマシーンはトレッドミルやステアステッパーとは異なるものを提供しました。 これらは私たちに改善をもたらしたのでしょうか? エリプティカルマシーンが発明されたからといって、私たちは優秀なランナーやハイカー、クロスカントリ―スキー選手、サイクリストを育成できたでしょうか? それとも、これまでと同様、エクササイズの補助的手段のひとつでしたか? 代謝負荷により一時的な効果はあったものの、これによって、より真っすぐ立てたり、歩き方がきれいになったり、歩行において生体力学的エラーが少なくなったのでしょうか? これらの質問に回答するのがこの論考の目的ではありませんが、問いかけてみるには良いものでしょう。 みなさんがアトキンスダイエット、サウスビーチダイエットを覚えているかどうか分かりませんが、もしくはパレオのファンかもしれませんが、これらのすべてでは、食べ物を追加していくよりも、多くの食べ物を除外することが求められます。たいていの人たちは、パレオ食を毎日楽しめます。ことを複雑にしている要因は別にあります。合成食品、過剰な穀物、低品質の乳製品、精製糖、およびエネルギーサプリメントへの依存は、すべてを複雑化させる要因を生み出してきたのです。 パレオのアプローチが、加える食べ物や除外する食べ物によって本当にためになっているのかよく分かりませんが、一般的な常識として、負荷の方が追加負荷よりも大きいことに気がつくでしょう。新しい食べ物が紹介されているのではありません。合成調味料を減らした定番の食物を多く使用しているだけです。そうですね? パンのないサンドイッチはミートサラダと呼ばれます。栄養学における最近の研究は、本物でない食べ物や習慣的間食の除外は両者とも役に立つことを示しています。 調理が必要な本質的なホールフードを摂取しつつ間欠断食を行うことで、生活の質を向上することができます。心理的なご褒美として、一日ぐらいサボる日を設けてみましょう。そうすれば、ダイエットではなく、素敵な食生活であると感じる栄養管理がうまくいくでしょう。 エクササイズもこのようなレベルに達すればいいですね?
コンプレッション衣料の筋肉痛への効果 パート2/2
プライオメトリックス後のDOMS 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – 主にジャンプ、ホップ、ドロップランディングから成るエクササイズセッションであれば何でも 比較 – コンプレッション衣料の使用と衣料無し、もしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – 認識された筋肉痛の測定値もしくは評価尺度であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:デイヴィスおよびその他(2009年)、ダフィールドおよびその他(2010年)、ジェイクマンおよびその他(2010年)、ジェイクマンおよびその他(2010年b)。 発見 コンプレッション衣料を着用することは、プライオメトリックセッション後1-72時間の間における目立ったDOMSの有益な減少をもたらすようである。筋肉痛を減少するためにコンプレッション衣料を使用することは、男女両方、そして十分なトレーニングを行っているチームスポーツアスリートに対し有益であるようである。 4つの研究が、プライオメトリックエクササイズ後におけるコンプレッション衣料のDOMSへの影響を評価している。全ての研究は市販のロングコンプレッションタイツを使用しており、エクササイズ後24時間の時点でDOMSを評価しているが、一部の研究は48時間後(ジェイクマンおよびその他、2010年、2010年b、デイヴィスおよびその他、2009年)および72時間後(ジェイクマンおよびその他、2010年、2010年b)の筋肉痛も評価している。4つすべての研究は、コンプレッションタイツは各時点(24時間から72時間)におけるDOMSを減少したということを発見している。例外として、デイヴィスおよびその他(2009年)が、48時間の時点におけるDOMSは減少したが、24時間の時点ではそうではなかったということを報告している。 要約 ロング丈コンプレッションタイツを着用することは、プライオメトリックス後24-72時間の間におけるDOMSのわずかな減少を生み出す。 有酸素運動後のDOMS 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – 定常有酸素運動セッションであれば何でも 比較 – コンプレション衣料の使用と、衣料無しもしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – 認識された筋肉痛の測定値もしくは評価尺度であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:アイおよびその他(2007年)、ヒルおよびその他(2014年)、トレセラーおよびその他(2015年)、ビーゼンおよびその他(2014年)。 Findings 5kmからマラソン(ロードおよびトレイルランニングの両方を含む)までの間の距離における持久系エクササイズ後にコンプレッション衣料を着用することは、エクササイズ後1-24時間の間におけるDOMSの減少を生み出す。 4つの研究が持久系トレーニングセッション後における、コンプレッション衣服のDOMSへの影響を評価している。その研究は、5kmからマラソンまでの距離におけるロードランニング(ヒルおよびその他、2014年、アイおよびその他、2007年、トレセラーおよびその他、2007年)、および総合して15.6kmである上り坂と下り坂のトレイルランニング(ビーゼンおよびその他、2014年)を評価している。被験者は、女性(ヒルおよびその他、2014年、トレセラーおよびその他、2015年)、男性(アイおよびその他、2007年)、および熟練した男性ランナー(ビーゼンおよびその他、2015年)であった。1つの研究のみがロング丈コンプレッションタイツの使用を評価しており(ヒルおよびその他、2014年)、他の研究は膝丈コンプレッションストッキングを使用していた。 要約 持久系トレーニング後にコンプレッション衣料を着用することは、24時間までのDOMSを減少することにおいて有益である。対照的に48時間の時点における効果は無いようである。 間欠的運動後のDOMS 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – 間欠的有酸素運動セッションであれば何でも 比較 – コンプレッション衣料の使用と、衣料無しもしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – 認識された筋肉痛の測定値もしくは評価尺度であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:アイおよびその他(2007年)、ダフィールドおよびその他(2008年)、モンゴメリーおよびその他(2008年)、ダフィールドおよびその他(2007年)。 発見 コンプレッション衣料は、スプリントの反復および練習試合を含む間欠的運動後24-72時間の間におけるDOMSを減少するようである。コンプレッション衣料は、より多量もしくは高強度のエクササイズ後によりいっそう効果を示すようである。 4つの研究が、間欠的運動後におけるコンプレッション衣料の効果を評価している。間欠的運動の種類は各研究によって異なっており、スプリント(ダフィールドおよびその他、2007年、ダフィールドおよびその他2008年)、多段階漸進フィットネステスト(アイおよびその他、2007年)、もしくは3日間にわたるバスケットボールトーナメント(モンゴメリーおよびその他、2008年)から成っていた。各研究の被験者は全て、趣味またはクラブ基準のスポーツ選手、もしくは趣味として活発に活動する男性であった。コンプレッション衣料は、ロングタイツ、ロングタイツとシャツ、あるいは膝丈ストッキングであった。全ての研究は、エクササイズの24時間後のDOMSを評価しており、2つの研究はさらに48および72時間後のDOMSを評価していた(ダフィールドおよびその他2008年、モンゴメリーおよびその他、2008年)。コンプレッションの有益な効果は、3つの研究において発見されたが、漸進フィットネステスト後のDOMSを評価した研究は、コンプレッションのいかなる影響も示していなかった(アイおよびその他2007年)。さらにコンプレッション衣料は、ラグビーの練習試合後48時間および72時間の時点において、またバスケットボールトーナメント中のDOMSの有益な減少をもたらしている。 要約 コンプレッション衣料を着用することは、スプリント後や間欠的スポーツ後24-72時間の間のDOMSを減少することに対し有益な効果がある。 結論 コンプレッション衣料は、レジスタンストレーニング、プライオメトリックトレーニング、また定常および間欠的有酸素運動を含む多数のタイプのエクササイズ後におけるDOMSを減少する。 ほとんどの場合、DOMSの軽減は24-48時間の間に観察されているが、ある種のエクササイズはより長時間(レジスタンストレーニング、プライオメトリックトレーニング)およびより短時間(有酸素トレーニング)におけるDOMSの軽減を示している。 DOMSの軽減は、男女同様に、また熟練したアスリートおよびレジスタンストレーニングを行っている個人において体感されるようである。コンプレッション衣料は、より多量のエクササイズもしくはより高強度におけるエクササイズ後により多くの恩恵をもたらすようである。
コンプレッション衣料の筋肉痛への効果 パート1/2
目的 この記事は、エクササイズ後の回復期間中における、筋肉痛の測定値に対するコンプレッション衣料の影響を要約している。 遅発性筋肉痛(DOMS)に対する影響 序論 多くの研究は、趣味として運動を行う人、地域および大学のアスリート(そして持久系アスリート)また、ストレングストレーニングを行っていない男女を含む様々な個人において、エクササイズ後に認識されている筋肉痛へのコンプレッション衣料の影響を評価している。認識されている筋肉痛とは、エクササイズ後の筋肉において感じられる不快感、圧痛、もしくは痛みのことを言い、一般的に、個人が活動の低減した期間から復帰した際、もしくは比較的新しいトレーニングの刺激を経験した際に増大される。認識されている筋肉痛はきわめて一般的に遅発性筋肉痛(DOMS)を指す。スポーツ科学者たちは、様々な測定値によりDOMSを数値化することが可能であり、個人が認識している「全体的な」筋肉痛、もしくは日常生活を行っている際の、筋肉をその可動域で動かしている際の、あるいは触診による主観的な評価尺度(視覚的アナログ尺度)が最も一般的である(チャンおよびその他、2003年、クレーマーおよびその他、2010年)。 エキセントリックトレーニング後のDOMS 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – 急性筋損傷を起こすことを目的とした、エキセントリックの高負荷もしくは最大負荷に注目したエクササイズセッションであれば何でも 比較 – コンプレション衣料の使用と、衣料無し、もしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – 認識された筋肉痛の測定値もしくは評価尺度であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:カーリングおよびその他(1995年)、クレーマーおよびその他(2001年)、クレーマーおよびその他(2001年b)。 発見 エキセントリックトレーニング後における、コンプレッション衣料のDOMS測定値への影響は、(全てではないが)多くの研究がエクササイズ後24時間から5日の間において向上を示しているため、いささか不明確である。 3つの研究全ては、腕屈筋群へ対するエキセントリックな損傷後、24、48,72時間の時点において認識された筋肉痛を評価しており、全ての被験者はコンプレッションスリーブを着用していた。この研究における被験者は、ストレングストレーニングを行っていない男性(クレーマーおよびその他、2001年)、ストレングストレーニングを行っていない女性(クレーマーおよびその他、2001b)、および男女大学生であった(カーリングおよびその他、1995年)。それらの研究のうち2つは(クレーマーおよびその他、2001年、クレーマーおよびその他、2001年b)、コンプレッションスリーブは全ての時点において認識された筋肉痛に対し有益な影響があったということを発見しているが、もう1つの研究は(カーリングおよびその他、1995年)、コンプレッションスリーブの影響を発見していなかった。コンプレッションスリーブの有益な効果を発見した両方の研究は、他の研究と比較し多少多くのエクササイズ量を使用していた(100対70総レップ)。同様にカーリングおよびその他(1995年)は、エキセントリック損傷後に一般的にみられる筋力強化もしくは筋肉の腫れはエクササイズ後に変化していないということを報告している。 要約 コンプレッションスリーブは、筋力強化もしくは筋肉の腫れが起こるエキセントリック筋損傷後のDOMSを軽減する。 レジスタンストレーニング後のDOMS 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – レジスタンストレーニングセッションであれば何でも 比較 – コンプレション衣料と、衣料無しもしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – 認識された筋肉痛の測定値もしくは評価尺度であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:クレーマーおよびその他(2010年)、後藤およびその他(2014年)、フレンチおよびその他(2008年)。 発見 今までに、少数の研究がレジスタンストレーニング後におけるコンプレッション衣料のDOMSへの影響を評価している。レジスタンストレーニングを行っている男女において、上半身および下半身のコンプレッション衣類は、全身のレジスタンストレーニングセッションの24時間から48時間後におけるDOMSの有益な軽減をもたらすようである。 レジスタンストレーニングセッション後のDOMSを評価した研究は、3つ存在する。1つの研究は(フレンチおよびその他、2008年)、被験者に下半身のレジスタンストレーニングのみを行わせ(最大エキセントリック負荷において10回のバックスクワットを6セット)、他の2つの研究は全身のレジスタンストレーニングセッションを完遂させた。レジスタンストレーニングのDOMSへの影響は、レジスタンストレーニングを行っている男性(後藤およびその他2014年)、トレーニングに精通している男性(フレンチおよびその他、2008年)、およびレジスタンストレーニングを行っている男女(クレーマーおよびその他、2010年)において研究されている。2つの研究は全身用ボディコンプレッションスースを使用し(クレーマーおよびその他、2010年、後藤およびその他、2014年)、1つの研究はロングタイツを使用していた。被験者が全身のレジスタンストレーニングを行った2つの研究は、エクササイズ後24時間および48時間の時点の両方において測定した際、コントロール被験者と比較し有意なDOMSの向上を報告している。対照的に、フレンチおよびその他(2008年)は、下半身のレジスタンストレーニング後1—48時間の間におけるDOMSに差違はなかったと報告している。また被験者は、エクササイズ後の1時間と比較し、いかなる時点においてもDOMSに差違はなかったと報告している。対照的に、他の2つの研究における全ての被験者に対し、エクササイズの24時間後に測定を行った際、DOMSは有意により大きく、トレーニング効果の差違を示しており、それが発見の差違につながったのかもしれない。 要約 全身用コンプレッションスーツを着用することは、全身のレジスタンストレーニング後24−48時間におけるDOMSを軽減する可能性がある。
運動療法を用いる際に知っておくべき4つの必要不可欠なポイント パート2/2
考え過ぎない/恐怖感の無い状態 一体何人の人達が、回復過程をも妨げる再受傷の恐怖感によって、痛みを増幅させたでしょうか?それは、身体の物理的部位は完全に治癒していても、疼痛経験と関連するようになる可能性のある心理的側面のせいで、運動・感覚反応はいまだに防御状態にはまり込んで抜け出せないということかもしれません。 再受傷の恐怖感は、人々の回復に悪影響を与える可能性があり、一例として、次の研究のように、前十字靭帯(ACL)損傷後に重度の運動恐怖症を目にすることがあります:Kinesiophobia after anterior cruciate ligament rupture and reconstruction: noncopers versus potential copers(前十字靭帯損傷と再建術後の運動恐怖症:予後不良患者と潜在的な予後良好患者の対比) 人々はしばしば、‘調子のよくない’膝、あるいは‘壊れそうな’腰に自分を重ね合わせ、その部位への過度の認識されるストレスと負担をかける活動から積極的に逃れようとするかもしれません。Vlaeyenは恐怖回避に関する話題で、1995年に素晴らしい研究論文を執筆しました:The role of fear of movement/(re)injury in pain disability(疼痛障害における運動/(再)受傷の恐怖感の役割)。特定の活動を避けることによって、彼等の身体部位に関する信念は強化され、それ故に、彼等はこれらの活動をさらに避けるようになります。 生理学的レベルにおいて、これは、作業の必要性がより低いため、これらの部位は低能力な組織と失調を引き起こすということを意味するかもしれません。低能力は、その部位がより容易に過負荷になり、恐らく、今後の痛みに敏感になることを引き起こすかもしれません。 先程、リラクゼーションのセクションで議論したのと同様に、恐怖に対する行動によって引き起こされる防御的な運動反応は、組織への血液供給や老廃物の除去のような局部での自然な生理学的プロセスを妨げる可能性があります。これは、アシドーシスや更なる感度知覚や回避行動・回避信念に至らせる、機械的侵害受容器感度の増大を引き起こすかもしれません。 過度の用心深さ(知覚過敏が増強した状態)は、‘危険に晒されている’と認識される特定の部位に適用されるかもしれません。そして、その過度の用心深さは、今後の再受傷の不安とそれに続く仕事や家族生活への影響を伴う可能性があります。 運動療法アプローチにおけるキーコンセプトは、身体的・心理的脱感作の両方へのアプローチに基づく、段階的な露出と漸進的な負荷を利用することです。目指すのは、考え過ぎず、恐怖感の無い状態で機能的な活動に戻ることです。肯定的な運動の成果を再確認することは、運動に関して抱かれている否定的な信念を減らすことへの鍵です。 変動性/多様性 変動性は、生体系にもともと備わっているものです。このことに関して、私はMovement variability & its relation to pain and rehab(運動の変動性と、痛みとリハビリテーションへのその関連性)に詳しく記述しました。 運動の自然な変動性は、痛みに影響を受けると共に、痛みの原因でもあるかもしれません。この最近の研究論文Interaction between pain, movement, and physical activity: short-term benefits, long-term consequences, and targets for treatment (痛み、運動、身体活動間の相互作用:短期的な効果、長期的な影響、治療の目標)は、痛みと運動間の関係性に関して明らかにしている新しい理論のいくつかを強調しています。治療とパフォーマンスの両方における、エクササイズへのアプローチはしばしば、ターゲットの組織や運動への効果を増大させるために、多様性を減らしています。これは、筋肥大と作業能力のためには良いかもしれませんが、これまでに多く書かれてきた、リハビリテーション用エクササイズの目的を形作っている、運動系による痛みへの適合に関する重要な側面に取り組むことに欠けています。 MoseleyとHodgesは、Reduced variability of postural strategy prevents normalization of motor changes induced by back pain: a risk factor for chronic trouble?(姿勢戦略における変動性の減少は、腰痛によって誘発された運動変化の正常化を妨げるのか?:慢性的問題の危険因子)において、慢性腰痛を引き起こす危険因子としての変動性の減少を確認しました。 この研究論文Low back pain status affects pelvis-trunk coordination and variability during walking and running(腰痛の状態は、歩行と走行中の骨盤−体幹の協調性と変動性に影響を及ぼす)は、腰痛を持たない、一度だけ腰痛を経験した、あるいは長期的に腰痛を患っている被験者における歩行と走行の変動性解析から確認しています。 彼等の結論は: "このデータは、たった1回の腰痛の発症にさえ関連している損傷リスク増大とパフォーマンスの欠如の洞察に役に立ち、臨床医は、腰痛のためのリハビリテーションを処方する際に、痛みの解消のその先を考える必要があるということを示唆している” 私のお気に入りの運動理論の一つは、Feldmanによって記述された‘均衡点’です。 Latashは、このことをMotor Control Theories and Their Applications.(運動制御とそれらの適用)の中で解説しています。 "これは、中枢神経系の制御レベルが、空間的座標において、筋肉がいつどのように活性化されるかについての正確な詳細について懸念することなく活性化される場所を指定することを可能にしている" よって、中枢神経系は、末梢レベルでの一時的な協調を自己管理された/自己最適化された、つまり変動性のある状態に放置する一方で、運動パラメーターを設定するかもしれません。これは、ガンマ運動ニューロンと筋紡錘に関わるフィードフォワード/フィードバック機構を介してであると仮説を立てられています。 もしパラメーターが、中枢神経系によって厳しく設定されているのであれば、これはシステムの中で利用可能な変動性と変化する刺激への適合を可能にする能力を縮小するかもしれません。 私の予感(恐らく、科学的には良くないこと)の一つは、パラメーターは特定の身体部位の皮質マップと、これまでの運動経験/疼痛経験の相互作用を介して設定されているのかもしれないということですが、もちろんこれは証明されていません! 私達はこの情報を現場でどのように使用できるでしょうか?異なる運動パターンと変数の幅は、対応/適合する人へ異なる刺激を提供するために、運動療法プログラム中に活用されるべきです。彼等が診療所環境、あるいはジム環境から離れる必要があるということとほぼ同様に。
燃料切れを予防するための3つのヒント パート2/2
最良のファイターは、最後まで戦い続けることを望むのであれば、そのために維持できるペースを知っています。彼らはいつ爆発させ、とどめを刺しにいくか、いつエネルギーを温存するのかを知っています。 一方で、経験も知識も浅いファイターは非効率的にエネルギーを消費してしまい、不必要なときにも常に無酸素パワー予備力を引き出してしまうために、結果として燃料切れに陥ってしまいます。 不注意な燃料切れを避けるためには、その個人のコンディションのレベルに関わらず、ゴングからゴングまで正しい方法でエネルギーを管理し、正しいペース戦略を構築していくことがシンプルな鍵になります。 1. 心拍数をモニターする メンタルノートをとることとペースに注意するということは別にして、心拍数モニターを使用することは運動量とペースに関してのしっかりとしたフィードバックを提供してくれるので、非常に価値があります。 それぞれのアスリートはエネルギーの産生バランスに違いがあり、異なったポイントで無酸素的パワー予備力を利用するのですが、燃料切れをすぐに起こし始めることなく、心拍数を170台後半から180台に維持できるファイターはほとんどいません。 シンプルな心拍数モニターを使用することで、どれだけハードに動いているのかを正確に計測でき、ペースの動向をおさえることができるでしょう。 トレーニングをハードに行い、心拍数が最大心拍数の90%以上の最高位ゾーンまで上昇していることに気づいたときは、心拍数が落ちるまで、ペースを落とす時だということが分かるでしょう。 ほとんどの心拍数モニターでは、ある特定の心拍数に達したら、音のなるアラームで知らせてくれるようセッティングすることもできるでしょう。このタイプのモニターではトレーニング中のリアルタイムなフィードバックを提供してくれますし、微調整し、自身のペース戦略を最大限にすることに本当に役立ちます。 2. 正しいバランスを見つける 先に述べたように、すべての格闘スポーツは有酸素、無酸素両方のエネルギーの絶妙なブレンドが必要になります:無酸素系では爆発的なパワーと強さを提供する一方で、有酸素系ではゴングからゴングまで戦い続けるのに必要な持久力のサポートに大きな責任があります。 試合を通してすべてのタイミングで、両方のシステムが、ファイターが爆発的な一撃をお見舞いする、テイクダウンをとる、ダウンすることを防ぐ、ギブアップをとる時などに必要になるエネルギーをファイターに提供することに貢献しています。 両方のシステムを最大限まで高めることが可能であれば、コンディショニングが問題になることは決してないでしょう。残念なことに、人間の身体は単にそのようには働かず、1つのシステムを高めることは、他方のシステムを犠牲にすることになります。 そのため、ほとんどの無酸素パワーを使うことのできる、大きく力強いファイターは、コンディショニングに大きな問題を抱えている場合が多いのです。 一方で、持久力がかなり高いファイターは、無酸素性に適応している正反対のファイターよりも、爆発力にかなり劣っている傾向があります。 これはつまり、爆発的な能力を維持しながら、ゴングからゴングまで戦い続けること可能にするには、エネルギーシステム向上に絶妙なバランスを見つけるということが大きいということになります。 どちらか一方のエネルギーシステムが過多になり、試合中に穴が開いてしまうようであれば、相手を倒し、試合を支配でき流強さとパワーに欠けてしまうか、燃料切れを起こすことなく試合を最後まで戦いきることができなくなるかのどちらかでしょう。 勝つために必要なペースの維持を可能にするには、効果的なトレーニングプログラムを通して、2つのシステム間の正しいバランスを見つけることが、間違いなく必要不可欠なのです。 3. エネルギーを賢く使う 疑問の余地なく、効果的なペース戦略にとって最も重要な要素は、エネルギーを賢く使用することです。無酸素パワー予備力に切り替える正しい瞬間を選択する洞察力を示さなければなりません。無尽蔵な資源ではないのです。 いつ爆発的に力を発揮するのか、KOやギブアップをとりにいくのか、あるいは、ダウンをとりにいくことを諦めたり、ギロチン技を緩めることを知っていることは、燃料切れを起こすか次のラウンドまで続けるのかという違いであることが多いのです。 残念なことに、効果的なエネルギーの使用は、多くのファイターが一番大きな間違いを犯すエリアです。 一発のパンチに全力を傾ける、間違ったタイミングでギブアップを取りに行く、ギブアップしない相手にダウンをとるためにエネルギーを浪費する、エネルギー消費に概して注意を払わないことが、一般的に状態の良いファイターが燃料切れに終わってしまう一番の原因なのです。 これが起こった時に、それを学び、より賢明になり、どのようにエネルギーを使用したらよいかにより注意を払うようになるファイターもいますが、そうでないファイターもいます。 試合の最後まで戦い続けることを望むなら、いつ爆発し、いつ温存するのかを学ばなければなりません。