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野球の遠投プログラムについて理解すべきこと パート2/2

遠投によって適切なピッチングメカニズムを身につけることはできない。 遠投しているときに、常に一定のピッチングメカニクスで投げ続けることは不可能です。これは単純な物理学です。遠くに投げれば投げる程、異なった投球メカニクスを使う必要があるため、遠投をすることで、ピッチングメカニクスを改善するとなぜ言えるのか、私には分かりません。グレン・フレイセグとアメリカスポーツ医学研究所は、最近、マウンド上でのピッチングと120フィート、180フィート、最長距離での遠投との間で、投球メカニクスに変化があるかどうか解析しました。 この研究によって、遠投ではメカニクスが大きく変化することが証明されました。マウンドの上から投げるように、くだり坂で投げるわけではありません。体幹はより直立し、距離が離れればはなれるほど、前膝の屈曲は浅くなるため、実際には、のぼり坂で投げているようになります。実際に、胸郭の角度はピッチングと最長遠投とでは4倍も違います。 直立すればするほど、体幹と前側の投球への関わりが変化し、リリースポイントが劇的に変化するため、胸郭と前膝の角度は、投球と密接な関わりがあります。 また、興味深いことに、遠くに投げようとすればするほど、前足の接地はより外に開きます。基本的には、遠投をするときは、前足が身体をほんの少しクロスするように接地する(これが普通)のではなく、よりライン上に接地するようになります。これは、最長距離にボールを投げるためには、回旋動作はあまり必要がないということだと、私は理解しています。基本的に、遠投するときは、メリーゴーランドのようではなく、観覧車のように投げるのです。遠投では、ピッチングのときとは異なる筋肉動員パターンとモータープランニングを使用します。 モーターコントロール、神経筋肉プランニング、トレーニングの特異性に関する我々の最新の研究をすべて考慮すると、遠投は投球メカニクスを改善することはないということが言えるようです。 繰り返し何度も同じメカニクスで投球できる能力は、エリートレベルの投手に最も求められている能力であり、その能力がエリートとその他の選手の分かれ道でもあることを経験から知っています。上記に書いた最初のポイントを忘れないでほしいのですが、遠投は重要です。しかし、それはメカニクスを改善するから、あるいは、何度も遠投することを奨励するからではありません。 遠くに投げれば投げるほど、身体には多くのストレスがかかります。 我々の遠投プログラムが独自に開発されたとき、最初に解決すべき問題点の一つは、ある距離から投げたとき、身体にはどれだけのストレスがかかるのかということでした。上記の情報から、身体に運動学的に変化が起こることは分かっていましたが、身体にかかる運動力はどうでしょうか。フレイセグ博士は、上記に述べている研究の中で、身体にかかる力も計測していました。 180フィートの遠投では、肘に内反トルク、肩に内旋トルクがより大きくかかります。これら2種類の力は、特にトミージョン傷害と呼ばれる、肩や肘の傷害を本質的に引き起こします。 私達は、ピッチングをするということは、それぞれの投球で、身体には最大に近いストレスがかかるということを知っています。180フィート、あるいはそれ以上の遠投は、マウンド上での投球よりも多くのストレスがかかります。これは、怪我をした選手が、マウンド上で投球を始めるための基準を、たった120フィートに設定している主な理由の一つです。120フィートでは、ピッチング時と同等の力が計測されます。そのため、120フィートまで投げることができれば、技術的には、マウンド上での投球のストレスに対処することができます。 アスリートは、180フィート以上の遠投時にかかるストレスを対処できます。しかし、どれだけの距離まで、そして、結果はどうなるのか?私は、フレイセグ博士・アンドリュー博士とこの概念について討論しました。ここで使われた比喩はむしろ不安感を抱かせるものです。-あなたは、1日で1パックの煙草を吸うリトルリーグの子供たちのグループを観察します。リトルリーグ所属中は、誰も肺がんを患わないようですが、ある日、誰か発病するかもしれません。長期的な視点で、我々は彼らに何をしているのでしょうか? リトルリーグとUSA ベースボールによって開発された投球数カウントガイドラインは、オーバーユースを避けることによって、傷害を予防するよう設定されているということを理解してください。180フィート以上の遠投も、この考慮に含まれる必要があります。もし傷害の発生率を5分の1に減らしたいのなら、1年のうち、4か月はピッチングをしない、あるいは、遠投をしないことが必要になります。 遠投に的下時と場所はあります。しかし、遠投はピッチングと同等に扱われる必要があり、オーバーユースにつながる投球カウントとして考慮される必要があります。 最長遠投は身体に多くのストレスを与える。 私にとって、フレイセグ博士とアメリカスポーツ医学研究所の研究の中でもっとも興味深い部分は、最長遠投の解析です。ある距離から投げる時、どのように生体力学が変化するかを分析し、それに加えて、ただ単にできるだけ遠くへ投げる動きの生体力学も評価しています。 結果にはかなり驚かされました。 クローホップあり、投げるボールの角度には制限をつけず、できるだけ遠くに投げるよう指示された場合、投手の平均投球距離は264フィートでした。これは、いくつかの野球のトレーニングプログラムのなかで見られる奨励距離よりも、かなり低い数値でした。 これは、肘内反トルク、肩内旋トルクを10%増加させる結果となりました。180フィートの遠投で、肩と肘にかかるトルクの増加がみられましたが、最長距離を投げる時、これらの力は劇的に上昇したのです。 180フィートの遠投には、リスクと報酬の等式がありますが、より遠くに投球する場合、この2つの割合は、かなりリスクのほうに偏っているように見えます。 最良の遠投プログラム 私は、この記事を、“最良の遠投プログラムなどない”という一つの簡単な理由のために、この記事を書きました。すべての人が求めるものですが、現実に存在しないのです。人は皆、身体のタイプやサイズ、年齢、経験、そして、メカニクスを含め、多種多様です。すべての人に、一般的な遠投プログラムを奨励することは、あまりに単純化しすぎのように思えます。少数の人々には役に立つかもしれませんが、よりも多くの人々に、不利益を与え得るように思えます。だからこそ、私が公表したリハビリのための投球プログラムは、とても基本的に見えるのです。 遠投プログラムのより詳細なポイントを理解していただいたところで、皆さんに、最良の遠投プログラムとは、各個人を対象とする必要があるということを理解していただけることを願っています。メジャーリーガーで行っている選手がいるからという理由で、そのプログラムをするべきではありません。適切な腕のケアとストレングス・コンディショニングプログラムを行いながら、自分のためだけに特別に開発されたプログラムであるか。

マイク・ライノルド 3111字

関節過可動性

柔軟性があることは、常に素晴らしいことのようにみられています。伸びやすければ伸びやすいほど良い!!数多くのありえないようなヨガのポーズをとる能力があること。 しかし、関節過可動性には、それなりの問題がありえるのです。 私達が身体を、動作の成功のために、連鎖反応に依存している統合ユニットとして理解し始めると、ある程度の張力は利点であることをより実感します。 求心性短縮を作り出すために、身体は筋肉の遠心性伸張に依存しています。これは全て、最適な可動域と順序の中で起こる必要があります。関節過可動を持つ人において、ある収縮タイプから別のタイプへの変換を作り出すためのプリテンション(事前張力)は、最適なパラメーターで発生することはないでしょう。 歩行におけるこの連鎖反応の例は、股関節の内旋と足の回外です。遊脚が立脚を通過するとき、立脚は股関節において相対的な内旋を作り出します。この内旋は、立脚における外旋の爆発のための情報とエネルギーを作り出すでしょう。また、股関節における内旋の可動域を使いきることによって、骨盤が大腿骨を駆動することによっても起こります。これら全てが、足が回外する手助けをします。 関節過可動を持つ人において、プリテンション(事前張力)のレベルは最適ではありません。これは、固有感覚情報のための張力を得るためには、骨盤の上から脚へのドライブとそのエネルギーは、より遠くまで移動しなければならないということを意味しています。足元を見てみれば、全ての反応が上部関節で発生した頃には、回外のための適切なタイミングは過ぎてしまっています。これは、伸展に関しての股関節における足の影響もすでに逃してしまっているかもしれないということを意味しているかもしれません。これは効果的でない歩行周期不良につながります。 筋肉の弾性伸長の増大は、動作によって生成された、いかなる張力をも吸収してしまいます。 赤ん坊が歩き方を習得する際、彼らの動作にはプリテンション(事前張力)、もしくは剛性制御の欠如を見ることができます。私達が、より効果的に動けるようになるにつれ、関節可動域はより制御されるようになり、張力の内的レベルは向上します。これは、効果的なエネルギーと情報の伝達を可能にし、従って、生体力学の連鎖反応の発生を可能にします。 関節過可動性は、エネルギー消費と動作のスピードに関連性を持っています。簡単に言えば、関節や筋肉の可動域が大きければ大きいほど、ATPの分解を通して、より多くのエネルギーを熱として消散し、動作制御をするのにより多くの時間を必要とします。 硬直や現在の“コア・スタビリティー(安定性)”のトレンドが推進する安定性ではなく、動作制御として安定性をみるとすれば、過可動性は成功するものではないかもしれません。実際、硬直は、身体が、制御された動作の代わりに、安定性のために使用するものなのかもしれません。これは、機能不全なのです。過可動性関節は、無痛の動作につながる運動の正しい順序を妨げるでしょう。可動域全体を制御するために、身体の他の部位に硬直を無理強いするかもしれません。これもまた順序の妨げとなるでしょう。 私が過可動性を持つ人達を扱った経験から学んだのは、彼らには常に必然的な硬直の部位を見つかるということです。また、システム内に張力を生成する可動域内で動作を行う際、システムに対する張力のデマンドを、自ずと既成することができる体重負荷の状態で動くことが最良といえるでしょう。 大きすぎる張力、もしくは小さすぎる張力もまた、疼痛受容体とその閾値に影響を与えるでしょう。確実に、硬直部位の張力が大きければ大きいほど、痛みの神経終末の活性化閾値は低くなります。私は筋弛緩と痛覚閾値の研究についてはよく分かりませんが、最適から一歩離れることは、何らかの影響を及ぼすかもしれないと確信しています。

ベン・コーマック 1687字

ACL損傷予防には適切なトレーニングを パート1/2

適切なトレーニングをするだけで、前十靭帯(以下、ACL)損傷予防になるのでしょうか? 私はそう思っています。ACL損傷予防に採用しているプログラムは、実は誰にでも使うプログラムと同じなのです! ACL損傷予防プログラムといっても、目新しい概念というよりはむしろ、従来の内容を組み直したものにすぎません。このプログラムをわざわざACL損傷予防プログラムと呼ぶのは、アスレチックトレーナーや理学療法士、コーチにアピールするためなのかもしれません。いずれにしても、必要であるならば実施するべきです。そして、私達はコーチとして、すべてのアスリートと、週末のみスポーツを楽しむクライアントに対しての、優れた損傷予防のコンセプトを実践する必要性を自覚しなければなりません。 女性アスリートの方が、比較的ACLを損傷しやすいことから、女性アスリートを指導しているコーチ達は、このACL損傷予防の概念に、より大きな関心を示すでしょう。もちろん、性別を問わず損傷の可能性はありますが、実際、ACL損傷は年間10万件を超え、そのうち3万件は高校生の年代の女性だと推定されます。どちらにせよ、コーチはアスリートの性別に関係なく、これらの損傷低減のコンセプトを実践に移すべきです。とはいうものの、ACL損傷予防は、女子バスケットチームのコーチにそのプログラムを受け入れてもらう名案かもしれません。 損傷低減 VS 損傷予防 私が、意味論に捕われていると反論されるかもしれませんが、いかなる損傷においても、私たちは予防という言葉よりも、低減という言葉を使うべきだと思います。アスレチックトレーナーとして、または、スポースコーチ、ストレングス&コンディショニングコーチとして、私たちがどのようなことを行うにしても、損傷の発生を低減することはできても、損傷を予防することはできないのです。予防という言葉を使うことは、私たちに対する期待感を過度に高めてしまうことになります。 女性アスリート 女性アスリートをトレーニングする時、女性アスリートが抱える苦境を嘆くのをやめて、前向きに取り組む必要があると、私は感じています。女性アスリートに降りかかる数多くの損傷について文句を言っても、月経周期のようなことを調べても、状況をまったく改善することはできません。私たちは、性別を変えることはできませんが、下半身の強化や安定性を変えることはできます。特定の要因(Q角、顆間切痕、月経状態など)が影響していることは実感していますが、これらはすべて「私には変えられない事柄」に分類されるのです。 危険な展開 月経周期がACL断裂の確率に与える影響を研究する分野がありますね? しかし、私が疑問に思うのは、それを知ったところで私たちに何ができるのかということです。一流の選手である娘たちを、リスクの高い期間ということで、大きな試合に出場させない親が出てくるのでしょうか? ACL損傷低減の対策 ACL損傷低減は、シンプルではありますが、体系立てられています。下記のすべての事項を実施する必要があります。これは、メニューのように選ぶものではありません。どちらかというとレシピのようなものです。ケーキを焼くのに、重要な材料を忘れてしまったとしたら、どうなるでしょうか? 悲惨なことになりますね。 アクティブウォームアップ パワーとスタビリティ/エキセントリックストレングス=着地スキル ストレングス向上 -(特に片脚立ち) 方向転換のコンセプト - ストップの練習 方向転換のコンディショニング - コンディショニング育成 ファンクショナルトレーニング ファンクショナルトレーニングは、ACL損傷予防プログラムの大きなカギとなるでしょう。ファンクションおよびファンクショナルトレーニングという用語は、乱用されてはいるものの、それでもやはりコンセプトは有効です。ファンクショナルトレーニングを完全に正しく理解するために、機能解剖学をトレーニングに応用するよう考えてみましょう。機能解剖学を理解するポイントは、片脚で立ってみると全てが変化するということを実感することです。 解剖学の観点からしても、これは否定できません。 ACL損傷低減 対策1― アクティブウォームアップ 適切なウォームアップは、ACL予防プログラムの、まず最初のステップとなります。それどころか、ウォームアップをしっかり行うことは、すべてのプログラムの最初のステップです。適切なウォームアップは、片脚の強さと動的柔軟性を向上し、固有感覚を増幅します。 最良のアクティブウォームアップのエクササイズへのカギは、他の筋を伸長しながらひとつの筋を活性化することです。 ハイニーウォーク レッグサークル ウォーキング 踵をお尻に バックランジ スパイダーマン インチウォーム ACL損傷低減 対策2― スタビリティ/エキセントリックストレングスの向上 アクティブウォームアップが最初のステップだとしたら、スタビリティとエキセントリックストレングスの向上は、最も重要なステップと言えるでしょう。一般的に行われているACL予防プログラムの多くでは、主にこの部分が不足しています。たいていのプログラムは、ジャンプに重点を置きすぎており、ホッピング(片足とび)を十分行わなのです。また意味論に捕われていると反論されるかもしれませんが、ジャンプとホップは同じではないことを理解する必要があります。先ほど、片脚立ちをすると全てが変化すると言いましたが、片脚で着地することでも、あらゆることが変化します。損傷予防で重要なのは、片脚で着地する能力を身につけることです。エキセントリックストレングスは、適切に着地する能力です。下記の用語を理解しているか確認してみてください。 ジャンプ- 2本脚から2本脚。一般的なプログラムの基本ではありますが、ACL損傷のメカニズムではありません。 ホップ- 右脚から右脚または左脚から左脚。ホップはほとんどのプログラムで軽視されています。しかし、これこそがACL予防へのカギになるのです。前方と内側、外側へのホップが必要です。 バウンド- 右脚から左脚。 スキップ- 1歩毎に2回の足接地がある。

マイク・ボイル ストレングス&コンディショニング 2662字

ACL損傷予防には適切なトレーニングを パート2/2

段階的なプライオメトリックス 段階的なプライオメトリックスの秘訣は簡単です。1段階は最低3週間で終了し、ジャンプを週2回、組むこともできます。私たちのシステムでは、トレーニングがある日にプライオメトリックエクササイズを実施しますが、1週間で同じエクササイズを2回繰り返すことはありません。 段階 1- ボックスへのジャンプ、またはボックスへのホップ。これは、重力の影響を減らし、遠心性負荷を下げます。ジャンプは前方へ、ホップは前方と内、外側へ行います。 段階 2- 障害物をジャンプまたはホップで飛び越える。段階1では、重力の影響と後続する遠心性負荷を減少する試みでしたが、段階2のコンセプトとして、障害物をジャンプまたはホップで飛び越えることにより、重力による加速を再導入します。上記と同様のコンセプトが適用されていますが、ジャンプまたはホップでボックスに上がる代わりに、ハードルをジャンプとホップで飛び越えます。ハードルは、6インチ(15.24cm)から30インチ(76.20cm)の異なったサイズを使用します。 質 VS 量 重力を加えたことで質が減少するとすれば、ストレングスに問題があります。次の段階に進まずに、むしろ前の段階に戻ります。ストレングス&コンディショニングの巨匠と呼ばれるアル・ヴァーミル氏は、これに関して「選手が大きければ大きいほど(弱ければ弱いほど)、障害物は小さくする」というシンプルなコメントを残しています。 段階 3- 弾性を導入する。段階3では、段階2と同じエクササイズを使用します。異なる点は、段階3には「弾み」を追加することです。 段階 4- 本来のプライオメトリックス。反応としての動き、いわゆる一般的なプライオメトリックスです。 「ジャンプ位置と着地位置が同じである」 ~ジム・ラドクリフ ACL損傷低減 対策3― ストレングス向上 ストレングスの向上は、3番目に重要なことです。ACL予防では、ストレングスプログラムは、機能的な片脚でのローチに向けて進めていきます。 ポイント 体重を利用する- 片脚でのプログレッション 機能的な強さの向上- マシンなし 片脚の強さの向上- 股関節の力学の違い 膝優位、股関節優位両方の片脚でのエクササイズ実践 すべてのアスリートは、本来のシングルレッグスクワットと負荷をかけたワンレッグストレートレッグデッドリフトへと進むのが理想的です。 ACL損傷低減 対策4― 方向転換のコンセプト ほとんどのコーチにとって、方向転換を教えるという発想は馴染みのないものです。私たちは、動きを教えることと動きのタイミングをはかることを区別しておきたいものです。多くのアジリティプログラムでは、選手は単にコーンからコーンへ走るだけです。私たちの方向転換プログラムでは、効果的な動きのコンセプトを教えます。選手にストップとクロスオーバーを教えるために簡単なドリルを実施します。プライオメトリックスエクササイズで教えた着地スキルとコンセプトの上に、更にコンセプトを構築していきます。 ACL損傷低減 対策5― 方向転換のコンディショニング 方向転換のコンディショニングは、新しいコンセプトではありません。バスケットボール選手は往復ダッシュを何年も行ってきていますし、ホッケー選手の練習にも何十年もの間、ストップとスタートスプリントが組み込まれていました。フットボール選手は、クロスフィールドのストップとスタートトレーニングである「ガッサー」を行ってきました。しかしながら、陸上コーチの強い影響力と技術が、悪影響を与えてしまいました。コンディショニングプログラムの多くは、110ヤード(100.6m)220ヤード( 201m)、440ヤード( 402m)ランのような直線距離を基本とした陸上スタイルのインターバルプログラムにシフトしてきたのです。さらに悪いことに、アスリートは、ステーショナリーバイクやエリプティカルトレーナー、ステアクライマーなどの有酸素運動器具でコンディショニングを行うようになってしまいました。コンディショニングプログラムに良く欠けてしまうのは、ストップとスタートを計画的に盛り込むことです。損傷は、加速時と減速時に起こります。私たちは、損傷を最低限に留めるために、ストップとスタートをコンディショニングプログラムに組み込む必要があります。方向転換のランを行わない日には、実際スライドボードを取り入れ、側方へのコンディショニングをします。 結論 結論を言えば、質の良いストレングス&コンディショニングプログラムは、ACL予防プログラムに最適であるということです。レシピの例を覚えておいてください。必要のないレシピ材料はひとつもありません。全てが入っていなくてはならないのです。ストレングス&コンディショニングコーチは、アスレチックトレーナーを理解し尊重するように念頭に置いておきましょう。敵対関係ではなく、協力関係を作りましょう。また、もしあなたがアスレチックトレーナーまたは理学療法士なのであれば、ストレングスコーチとの関係を深め、チームに加えてください。協力関係がうまくいけば、みなさんのそれぞれの仕事がしやすくなります。ストレングスコーチも、リハビリチームの一員になる必要があります。質の高いストレングス&コンディショニングプログラムは、トレーニングルームでの仕事量を減らしてくれるということを、アスレチックトレーナーは、認識する必要があります。そして、私たちは皆、適切なトレーニングをすることだけでACL予防に繋がることを認識すべきです。

マイク・ボイル ストレングス&コンディショニング 2400字

野球シーズン中のストレングスとコンディショニング:高校野球

今日は、シーズン中における、高校野球選手向けのトレーニング方法を取り上げていきます。ここでは、野手(捕手を含める)と投手に分類して話を進めていきます。 野手/捕手 私達は、野手と捕手には全身のストレングストレーニングを通常週2回実施しています。しかし、何人かの選手には、より短時間かつ高頻度のトレーニングセッションを行うことにしています。これにあてはまるケースとして、トレーニングをより多く行う方ったほうが調子のよくなるジムラッツ(年中トレーニングに精を出している人々)や、または十分な試合時間が与えられておらず、発達することを強く希望している選手達等が挙げられます。 このような選手達は、ウォームアップや練習中のゴロの処理やスプリントですでに動作トレーニングを十分に行っているため、通常彼等のプログラムに動作トレーニングをそれ以上追加する必要はありません。 彼等は投球や打撃において大量の回旋動作を行っているので、メディスンボールトレーニングの量も抑えるようにします。しかし、フォームローラーやモビリティーのトレーニングは毎日欠かさず実施します。 投手 高校生投手の多くが、投球をしていない時は野手としてプレーする二刀流であるため、彼らのトレーニングは難しいものになります。一般的な方針として、定期的に登板する選手に対しては、捕手、遊撃手、三塁主でのプレーは投球数が増加するため避けるように推奨しています。若い選手で一週間毎の投球回数が3イニング以下の場合は、野手と同じようにトレーニングを行いますが、トレーニング日のうち最低一回は必ず投球翌日に実施します。私がこのアプローチを気に入っているのは、24時間のブロックにストレスをまとめることで、さらなる回復を促すだけでなく、選手が私達と共にモビリティードリル、軟部組織へのアプローチ、そして徒手ストレッチを行わなければならないようにすることで、登板後の可動域を”正常化”することができるからです。

エリック・クレッシー 1746字

マラソン選手の筋繊維にはどのような特性があるか? パート1/2

長距離走は筋肥大の追求に対し悪影響を及ぼすと多くのコーチが示唆している。長距離走は筋肉量の減少と速筋繊維を犠牲にした遅筋繊維の断面積増加につながると言う人もいる。しかし、ある個人が長距離走を始めた際、実際には筋繊維の種類に何が起こるのだろうか? この研究はそれらを究明しようと試みたものである... 研究論文: 単一筋線維のマラソントレーニングへの適応、トラップ、ハーバー、クレア、ギャラガー、シルヴァ、ミンチェフ、ウィセット、応用生理学ジャーナル、2006年 背景 骨格筋がレジスタンストレーニングに適応することはよく知られており、これには生理学的な断面積、筋繊維の種類、筋束長、筋繊維角度の変化及び、より大きな力を生み出す能力が含まれる。 持久系トレーニングへの反応としても、筋肉適応は起こる。最も重要な2つの変化は、筋肉への血流を向上させる毛細血管網の増加と、ミトコンドリア発生として知られている過程で起こるミトコンドリアの大きさと数の増加である。行われている持久系トレーニングの種類により、筋の大きさや筋繊維の種類の変化が起こり得るとも考えられている。(例:自転車競技選手は典型的に大腿四頭筋が発達している) 私たちには、パワーリフトトレーニングとオリンピックリフトの両方がタイプIIXからタイプIIaの方向への筋繊維の種類の移行をもたらすが、タイプ I からタイプ IIへの移行を起こすことはないということがわかっている。これはタイプIIX筋繊維がパワーに対し最も有益であるという一般的な概念に反して起こる。しかし何故そのようなことが起こるのかは明確ではない。 持久系トレーニングの結果として各種筋繊維の中では、一体どのような変化が起こっているのだろうか? *** 研究者たちは何を行ったのか? 研究者たちは、初マラソンを完走しようとしている、レクリエーションとして運動を行う大学生の、筋肉の適応と筋繊維の種類の変化を観察しようと試みた。すべてのテストとマラソンを完了したのは7名(男性4名、女性3名)の被験者であった。 マラソンプログラムは、13週間のトレーニングとそれに続く3週間のテーパリング期間の、2つの段階に分かれた合計16週間のランニングトレーニングから構成されていた。計画は、週に4日間のトレーニング日を設け、13週間のトレーニング期間に渡り、最初の週に比べ全体的に140%のトレーニング量の増加が行われるよう、少しずつランニングの量(1週間に10%程度)を増やしていくという計画であった。テーパーでは急激ではあるが段階的なトレーニング量の減少が行われた。 16週間のトレーニング介入の前後に研究者たちは、腓腹筋から採取された筋繊維の検体を基に、単一線維の生理機能と酸化酵素の活動を測定した。研究者たちは、顕微鏡を使用しての単一筋線維の直径、単一筋線維の力生産能力、単一筋線維の収縮速度、及び単一筋線維の出力を測定した。13週間に渡るトレーニング期間の前後には、最大酸素摂取量(VO2-max)を測定するためトレッドミル検査も行われた。 *** 何が起こったのか? ランニングパフォーマンスと最大酸素摂取量 研究者たちは、7名全ての被験者はマラソンを完走し、平均タイムは4時間54分(3時間56分から5時間35分までに及ぶ)であったと報告している。 研究者たちは、介入前に比較し、介入後では絶対的最大酸素摂取量が増加(3.37 vs. 3.50 L/min)し、相対的最大酸素摂取量(こちらの方がより一般的に使われる)も増加 (49.5 vs. 52.0 ml/kg/min)したという、とりたてて有意ではない傾向があったことを確認した。彼らは、最大心拍数は変化しなかったが (197 vs. 198 beats/min)、最大呼吸も、介入の前に比べ介入後では増加 (93.7 vs. 97.0 l/min)したという有意ではない傾向があったことを報告している。 これらの要素は驚くことに、心臓血管の状態が有意には向上しなかったということを示唆している。しかしながら、最大酸素摂取量の値はむしろ高く、それは被験者がもうすでに(趣味レベルで)とても活発であったということなのかもしれない。 研究者たちは、トレーニング後の絶対的、相対的両方の酸素消費量は最大下ランニング速度である時速9.65Kmにおいて著しく低く(2.43 vs. 2.28 l/min and 36.0 vs. 33.6 ml/kg/min)、ランニングエコノミーに有意な向上があったということを示唆していると報告している。 まとめてみると、持久系トレーニングは最大酸素摂取量の向上にとても有益であると一般的に考えられているため、これらの研究結果は非常に興味深いものである。これらの初心者ランナーたちにおいては、最大酸素摂取量というよりはむしろランニングエコノミーが向上したようである。 酸化酵素の活動 研究者たちはクエン酸シンターゼの活動は37% (19.2 ± 1.4 to 26.3 ± 1.2 umol/g/min) 増加したが、13週間のトレーニング後とその後の3週間のテーパリング期間後では変化がなかったと報告している。これは筋肉の酸化能力がランニングトレーニング後に著しく増加し、持久系エクササイズを行う能力を向上させることにつながったのであろうと示唆している。 最大酸素摂取量に関するデータ(と下記にあるようなタイプI筋繊維の面積の増加)を考慮に入れると、パフォーマンスの向上は、心臓血管系の健康よりもランニングエコノミーによってもたらされるという上記の発見と一致して、これはトレーニングプログラムが、心臓血管系の適応よりもより多くの筋肉の適応をもたらすことを示している。

ストレングス・コンディショニング・リサーチ 2519字

マラソン選手の筋繊維にはどのような特性があるか? パート2/2

筋繊維の種類 研究者たちはMHC組成による測定により、各種筋繊維に著しい変化があったことを報告している。 彼らはMHCI繊維が8%増加し(48 ± 6 to 56 ± 6%)、MHC I/IIaハイブリッド繊維が5%減少し(7 ± 1 to 2 ± 1%)、全MHC ハイブリッドが減少(24 ± 7 to 13 ± 4%)したことを発見した。しかし、MHC IIa繊維の断面( 30 ± 5 to 30 ± 4%)や、MHC IIa/IIxやI/IIx繊維のハイブリッド集団に有意な変化は見られなかった。下記のグラフはその結果を表している。 パワーリフトやオリンピックリフトの研究からタイプIIa筋繊維の断面積はストレングススポーツの要であるということがわかっているため、この発見は非常に興味深い。これらのデータは、マラソンは優先的にタイプIIa筋繊維を減少させはしないが、どちらかといえばハイブリッド繊維を減少させ、タイプI筋繊維の断面積を増加させるということを示している。 単一線維の直径、力、速度、パワーの測定 研究者たちは各筋繊維の全体的な断面積は測定しなかったが、単一筋線維の直径、力、収縮速度、パワーに関する大変興味深い観察を行った。彼らは単一筋線維の直径が、13週間のトレーニング期間に減少したことを報告している。 彼らは、トレーニングに伴いMHC I筋繊維の直径は21%、MHC IIa筋繊維の直径は23%と著しく減少したことを発見している。これらのデータは筋繊維全体の断面積に直接置き換えることはできないが、ランニングトレーニングがタイプIとタイプIIA筋繊維の筋量を減少させることにつながるということを示している。 研究者たちは トレーニング期間の結果として単一筋線維の力はMHC I 及びMHC IIAのどちらにおいても変化が無かったことを報告している。しかし筋繊維の直径は減少しており、これは筋繊維の単位断面積あたりの力が増加したはずであるということを意味している。単位断面積あたりの最大力の変化は下記のグラフに示されている。 最後に研究者たちは、MHC I筋繊維の収縮速度はトレーニング期間後著しく上昇(28%)したが、MHC IIa筋繊維には有意な変化(6%)は見られなかったと報告している。またトレーニング後、MHC I筋繊維の最大パワーは著しく増加(56%)したが、MHC IIaの最大パワーはトレーニングに伴い有意ではあるが、少量の(16%)増加しか見られなかった。 テーパーの影響 研究者たちは、MHC I単一筋線維の特性に更なる変化は起きなかったが、MHC IIa 単一筋線維の力とパワーが急激に増加したという非常に興味深いテーパーの影響があったことを報告している。これは、テーパー期間の恩恵を最も受けるのはタイプIIA筋繊維であり、この期間中にタイプI筋繊維の機能は変化しないということを示唆している。 *** 研究者たちはどのような結論に達したのか? 研究者たちは13週間に渡る長距離走のトレーニングは、タイプI筋繊維とタイプIIA筋繊維の直径の減少、タイプI筋繊維の比率の増加、及び、ハイブリッドタイプの筋繊維の減少につながるが、タイプIIA筋繊維の比率の変化にはつながらないと結論付けた。彼らはまた、全ての筋繊維の機能的能力は保持、もしくは向上すると結論付けている。 研究者たちは、最大下ランニングにおける酸素消費量の減少、MHC I筋繊維の割合の増加とクエン酸シンターゼ(酸化)活動の増加により、測定されたこれらの有意な変化は、持久系ランニングパフォーマンスの向上に貢献し得ると結論付けた。彼らはこれらの変化のうち最初の2つは、心臓血管系の健康というよりはむしろ、ランニングエコノミーを向上することで持久系ランニングパフォーマンスを助けているということを示す変化であると記述している。 *** 制限要素は何か? この結果は、少人数の被験者を使用したことによりデータを推定するのが困難であったということにおいて制限があった。また上記にもあるように、筋肉の検体での研究は道義上少人数に限られていた。 この研究は最初から被験者が比較的十分にトレーニングされていたようであり、49.5 ml/kg/minという平均相対的最大酸素摂取量は非常に高い値であったということに制限があった。いかにして最初から被験者がこのように高い最大酸素摂取量の値を得たのかは明確ではない。またこの研究は、研究者が単一線維の直径のみを測定し、全体の筋繊維の断面積を測定しなかったという点においても制限があった。 実践的意義は何か? アスリートに対して 長距離走トレーニングは、タイプI筋繊維を犠牲にしたタイプIIA筋繊維の減少は引き起こさないようであるが、タイプI筋繊維とタイプIIA筋繊維両方の直径(ゆえに断面積も)は減少するようである。これはストレングス&パワーアスリートはコンディショニングとしての長距離走を避けるべきであるということを示唆している。 混合した割合の筋繊維を持つアスリートや、ストレングス、パワー、持久系全ての活動を行うアスリート(クロスフィットなど)は、持久系のスポーツに重きを置くアスリートよりもよりテーパーによる恩恵を受ける可能性が高い。 レクリエーションとして運動を行っている個人に対して 単一の研究から評価するのは困難であるが、これらの結果はすでにレクリエーションとして運動を行っている個人において、マラソンを行うことは、単に走る能力自体は向上させるが、心臓血管系の健康状態を著しく向上させはしないということを示唆している。

ストレングス・コンディショニング・リサーチ 2474字

ダイナミック・ストレッチング

ストレッチするのか、しないのか?ダイナミック(動的)なのか、スタティック(静的)なのか?というように、フィットネス産業において、提起されている疑問があります。もう一つの疑問は、“ストレッチングはケガを減らせるのか?”ということです。これは、私が議論したい質問ではありませんが、私達の運動技能とパフォーマンスの向上として、ストレッチングを考察してみたいと思います。私にとって、動作を向上させたいのであれば、動作を向上させることでこれを行うということなのです。 まず第一に、私達はストレッチングを組織の長さを伸ばす、力学的な技能として理解していると思います。ある程度、これは真実でしょう。しかし、私はダイナミック・ストレッチングを、身体中の情報の流れを増大する神経学的技能としてもみています。皮膚、筋膜、関節包、筋肉に内在する身体中の数多くの受容体は、変化に反応します。いくつか例を挙げるなら、角度、長さ、張力、圧力、振動における変化です。動的動作は、恒常的な変化を作り出し、体位の静的変化は一つの変化しか作り出しません! 動作の球体が拡大することにより、情報の領域が拡大し、私達は更なる動作の可能性を高めます。動作が増大するにつれて、可動域、もしくは球体を拡大する能力を高めます。私の良き友人は、“動作が動作を作り出す”という言葉を造りました。これは、上記を総括するには、かなり良い考え方だと私は思います。よって、依然としてスタティックに行っているようでは、この動作の球体の拡大はありませんし、身体に動作の球体拡大の可能性を与えることもありません。 体内における情報機構の考察、特にこの情報において、筋肉のみを考察するのであれば、筋紡錘は良い出発点です。筋紡錘は、二種類の遠心性路(脳へ向かう情報)を持っています。一つは組織の長さに基づいていて、もう一つは長さの変化率に基づいています。これらの錘内筋線維が、ガンマ、及びアルファ運動ニューロンを経由する、フィードバックループに極めて重要であり、錘外筋線維の硬直(伸長への耐性)と動作の成功を制御しています。 筋肉の静的な伸長だけでは、ストレッチングの全容の半分だけしか描写できません。動作は成功のために、長さと長さの変化率の情報を必要とします。あなたの車のGPSシステムが情報の半分だけしか伝えず、その省かれた部分はあなたの移動速度であると想像してください。その結果、あなたは数多くの曲がり角を見逃すことになるでしょう! 私達はまた、線維方向、もしくは筋肉の縦軸に沿ってだけストレッチをする傾向にあります。筋紡錘の機械的な特性に目を向けるのであれば、これは筋紡錘を伸長し、張力を掛けた状態にしますが、縦方向に張力を掛けた状態で、垂直と回旋の張力を加えることを想像してください。これもまた、情報の流れに影響を与えることでしょう。これは、三次元性と動作がストレッチング、もしくは一連の過程を強化する動作には不可欠である理由を、筋肉の視点から証明しています。特にファンクショナル動作では、三平面すべてを使用しているのです。 また、私達はストレッチングを統合された手段として考えなければなりません。身体のような統合されたシステムにおいて、ある関節可動域は、他の関節において得られる可動域によって抑制されているかもしれません。私達が特定の機能の連鎖によって関節を分けてストレッチするとすれば、関節全てが統合させた時とは異なる可動域を得るかもしれません。実際、より小さな個別可動域ではあっても、より大きな統合的な動作は、関節が組織へのストレスを回避するために、最も求められる結果かもしれません。 多くの要因もまた、身体の柔軟性に影響を及ぼしています。ストレス、ダイエット、疾病、視覚等も影響を与ええます。私達が、筋紡錘の硬直を上方制御するガンマ運動ニューロンのフィード・フォワード機構と、筋線維の硬直を変えるアルファ運動ニューロンを理解すれば、上記のシステムにおけるストレス要因が柔軟性と身体の生体力学に対するこのような莫大な影響を持ちえる理由を考えるのが容易なのです。

ベン・コーマック 1771字

肩のメルト モールド ムーブ

昨年、カリフォルニア州ハーモサビーチにあるレニーのクリニックで4日間の集中研修を受けた際に収録したビデオ。トゥルーストレッチに、分厚くて長いゴムのバンドを付けて行う組織へのアプローチ方法の一つをご紹介します。

レニー・パラシーノ 5:11

呼吸パターン障害

とても幸運なことに、先週、レオン・チャイトー氏の親密でこじんまりとしたワークショップに参加して、呼吸パターン障害への徒手療法アプローチについて議論する機会に恵まれました。私がチャイトー本人から、そして彼の広範囲に渡るボディワークからどれだけのことを学んできたかについては、ためらいなく明かしていますので、彼と共に一日を過ごした経験は、素晴らしいものでした! 下記は、みなさんとシェアする価値があると思ったコースの主要ポイントのまとめです。これらは全て、ワークショップやチャイトー氏の呼吸パターン障害についての本からの引用ですので、もっと学びたい、あるいは、効能や文献を知りたいと感じたら参考にしてみてください。 呼吸パターン障害とは何でしょうか? 米国の患者の10%が過呼吸症候群と診断されている一方、多くの人々が、わずかながらも、臨床的に重要となり得る、継続的な吸気状態にある呼吸パターン障害を持っています。 これは、低炭酸症につながります。低炭酸症とは、過呼吸により血液中の二酸化炭素が不足した状態で、やがては呼吸性アルカローシス、さらには低酸素症や組織への酸素供給の低下へと発展していきます。 これは一般に、胸式呼吸をする人に見られる症状で、こういった人々は本質的に息を吐ききれておらず、肺気量を十分に使えていません。 そのため、交感神経が優位の状態に置かれ、僅かではありますが、かなり継続的な闘争または逃走状態に陥ります。 やがて、不安や、血中pH値、筋緊張、痛覚域値、等の様々な中枢神経系、周辺神経系の症状の変化へとつながります。いくつかの症状は心臓の問題症状に似ています。 私が今回学んだ、最も興味深い情報は、呼吸と日々の行動との関連性を記した二つの研究に関係していました。 一つ目の研究では、キーボードのタイピング動作を調べ、タイピング中の斜角筋、僧帽筋の筋電図の振幅増加、胸郭と腹部の活動の減少を明らかにしました。これはおそらく、元来からある反射的動作ですが、これにより呼吸がさらに浅くなり、横隔膜の活動が減り、胸の上部や首がより活発に働きます。現代人は一日のかなりの時間をタイピングに費やしていますので、これはとても頻繁に起こっているのです。 もう一つの研究では、人々がテキストメッセージを送ったり、受け取ったりするときに、呼吸を保持し、呼吸数を高め、交感神経の優位を経験していることを示しました。 呼吸パターン障害の評価方法 ナイメーガン問診での高いスコアは、呼吸パターン障害を持つ傾向のある人々を発見するのに、感度と特異度がともに高いことが示されています。 呼吸パターンの観察 呼吸保持−人は一般に25秒から30秒間、息を保持することができます。もし15秒も保持できなければ、二酸化炭素耐性が低いことを意味しているかもしれません。 仰向け呼吸ハイローテスト−手を胸とお腹の上に置き、自然に呼吸をします−どこが最初に動きますか?どこが最も動きますか?側部への拡張と、手が上に押し上げられる動きを見てください。 呼吸の波−うつ伏せになり、自然に呼吸をします。脊椎は頭に向けて波のようなパターンで屈曲しているべきです。一体となって上昇している分節があれば、それは胸椎の制限を意味している可能性があります。 座位での側部拡張−胸郭の下部に両手を置き、呼吸中の動きを追います。左右対称の側部拡張ができているか見てください。拡張は下の動画のようであるべきです:

マイク・ライノルド 2462字

野球シーズン中のストレングス・コンディショニング:大学野球

今日は、シーズン中の大学野球選手の管理について話をしていきます。 大学生と高校生の管理の仕方には、特に、野手/捕手と1週間ローテーションの先発投手に関しては、確実にいくつかの類似点があります。主な相違点としては、大学野球のスケジュールは、週末の試合(金曜日-土曜日)が基本で、時折週半ば(通常は火曜日か水曜日)に試合がある一方で、高校野球のスケジュールはそれよりも変動的であるということです。結果として、大学野球選手のほうが、ウエイトトレーニングをする日が確定される傾向にあります。ポジション毎に見ていきましょう。 野手/捕手 私は、月曜日(週末試合の翌日)に最も厳しいウエイトトレーニングをさせることを好みます。別のウエイトトレーニングの日程は、水曜日か木曜日になります。このスケジュールでは、全体的なトレーニング効果を減少させることなく、試合前、火曜日か金曜日に1日の休養を、コーチが選手に与えることができます。野手は月曜日に全身のウエイトトレーニングを行い、水曜日-木曜日、または、木曜日-金曜日に下半身のウエイトトレーニングと上半身のウエイトトレーニングを連続して行うことを好むことも分かっています。これは、選手の好みと、試合に出ているイニング数に依るところが大きいでしょう。 投手 我々は、大学生先発ピッチャーと高校生で週1回の先発ピッチャーを、まったく同じように管理しています。ここでは、方法を変える必要はありません。 しかし、リリーフ投手に関しては、大学のストレングス・コンディショニングコーチを悩ませます。彼らのスケジュールは予測不能です。水曜日、金曜日、日曜日に投げるかもしれません。または、土曜日だけ投げ、6日間はオフかもしれません。どうするべきなのでしょうか? 混沌としている場合、そこに枠組みを与えるようにと、私は言います。それが、正に私がリリーフ投手を管理する方法です。多くの選手は、彼らのルーティーンワークの中で、少なくても1つは確定していることを好むことに気づきました。そしてその1つがストレングス・コンディショニングセッションでありえるのです。そのため、リリーフ投手はみな、たとえ、不定期な週半ばの試合である、木曜日の夜に投げなければならないとしても、月曜日と木曜日にウエイトトレーニングをするとしましょう(そのセッションの量は少なくすることができます)。沢山の数の新しいエクササイズを与えたりさえしなければ、筋肉痛を起こさせることも、パフォーマンスを下げることもないでしょう。プロ野球界には、投球をする日であったとしても、いつもウエイトトレーニングをするリリーフ投手がいて、実際に多くの投手が、投げる当日にすでにウエイトトレーニングを行っているときは、マウンドで調子が良いと報告しています。どちらにしてもムーブメントトレーニングとして、当日にトレーニングを行う必要があるでしょうし、ウォームアップ中にスプリントをすることに不満をいう人はいません。 さらに、リリーフ投手が特に長いイニングを投げ、数日間は投球しないということが分かっていれば、先発投手と同じようにケアをし、試合後12時間以内にウエイトトレーニングを行わせます。その週の間に、追加のストレングストレーニングセッションを追加することもあるでしょう。

エリック・クレッシー 1444字

筋紡錘とゴルジ腱受容器:ガンマシステムについて

質問: 筋紡錘ガンマシステム(紡錘の両端にある筋線維)に関するトム・マイヤー氏の解説に少々混乱してします。そこでは、ガンマシステムとは、紡錘からの求心性神経をごまかし、あたかも筋線維の伸張が増加したかのように伝えられるということでした。彼は以前、筋の長さの増加が感知されると、紡錘の求心性神経は、筋の緊張/収縮の増加をももたらすと説明していました。 紡錘の両端にある筋線維が、紡錘の中央部ではなく、紡錘の両端を引き伸ばすということは、それによって、他の筋線維よりも少ない伸張を、紡錘の中央にある求心性神経が感知させるということですね? 彼は、この影響はガンマシステムによるものだとしています。ガンマシステムは、筋の収縮/緊張を伸ばし(減少)および減速し、そして無理に伸張した後には、自然な静止長を取り戻します(これは、神経の影響というよりは、筋膜の可塑性によるものかもしれません)。 ここで言う筋収縮を伸ばすということが、動きをより簡単かつ効果的にするということ以外に、学習をした動きを自動化する(それによって、同時に起こっている別の動きの学習に注意を注ぐことができる)のに、どのように役立つのか、まだ良く理解できないでいます。ただ、私の現在の学習段階では、このトピックは必須というよりは好奇心といった方がいいでしょう。 私が今まであまり理解できなかった筋紡錘/ゴルジ腱受容器についての、明確な説明に感謝しています。微視的構造を知ることは楽しく、今後必要になるかもしれない即興で行うような治療に役立つかもしれません。 ビルより回答: ビル、あなたはご自分の手技の領域を正確にしっかり把握していますね。 神経筋筋膜システムが実際どのように機能するか、まだ初歩的なことしか分からない研究段階ではありますが、あなたの疑問を解消することができるか、試みてみたいと思います。理解が深まると同時にそのまま適用できると思います。 私たち臨床家に理解され始めた、ひとつの重要なことがあります。これまで長年にわたり教えかつ思い込んできたのとは異なり、脳/身体は、筋肉によって動きを統制しているのではなく、筋肉内にある10~100本の筋線維に(繊細の運動制御を必要とする目や舌の筋肉にはより少なく、それぞれの神経が数百の筋繊維に対して指令を与える臀筋では、より多い)存在する神経運動単位を介して動きを調整します。 円滑な加速は、筋肉の筋動員によって起こるのではなく、局所に存在する多くの条件によって協調された各神経筋単位の動員によって起こるのです。しかし、主として脳を介します。その脳は、以前に経験したような運動(加重)の一連の記憶のシグナルを統合する働きをしますが、分かりにくい文章になってしまいましたので、かみ砕いて説明しましょう。 それぞれの神経運動単位は、筋内で機能しています。それは、末端の腱または、その神経筋単位が関与するあらゆる筋膜(筋肉を包むサランラップのような筋外膜も、筋間の疎性組織や中隔組織も含む)と協調しながら、特定の筋を引っ張ります。すべて特異性があり、知覚と予測のつく推測が混ざり合った記憶を通してプログラミングされています。人間の優れた努力の証です。 各神経運動単位には、特定の筋線維があり、その筋線維は特定の腱線維に連結して、ゴルジ腱受容器にシグナルを送り、それからその神経運動単位の筋紡錘が伝達する同じ領域にシグナルを送ります。筋のみにとらわれるのはやめて、神経運動単位を考えるようにしましょう。 では、神経運動単位についてですが、特にガンマシステムについてお話ししましょう。円滑な加速を起こすにあたり、神経系は2つのちょっとしたシンプルな装置を採用しています。それは、筋長と筋長変化率を検出する筋紡錘と、それと筋への張力を感受する筋線維の末端にあるゴルジ腱受容器です。 この絵で筋紡錘が確認できるでしょう。そして、筋の伸張によってどのようにシグナルが増加し、また収縮によってどのようにシグナルが減少するのかがお分かりになるでしょう。 筋が伸張すると紡錘も伸張し、そして、筋内での他動的伸張は神経によって記録されます。よく知られている膝蓋腱反射のような、紡錘を興奮させる短く急な伸張(バリスティック)では、静止長に戻るように働きます。つまり、紡錘を伸張すると、その紡錘を支配している神経運動単位の反射収縮が得られるのです。 「ごまかす」に関して:筋のほんの一部のタスクの遂行による力伝達の円滑な加速と、、筋全体から合成された安定性を得るため、神経筋筋膜ウェブにはうまい具合の仕組みが備わっているのです。つまり、紡錘の各両端に、ひとつのとても小さな運動神経(これをガンマと呼びましょう)を追加することにより、紡錘内のエラスチン線維を引っ張ることができるのです。この小さな運動シグナルは、紡錘の端の細い線維を収縮させます。よって、紡錘を「ごまかし」、あたかも周りの筋組織が伸張しているかのように感受させるのです。筋紡錘が紡錘内の伸張に反応すると、脊髄にシグナルを送り、脊髄は通常のルートで単位全体を収縮するように反応します。 ここで、ガンマ線維が紡錘をどのように引っ張るかが分かります。脊髄を「ごまかし」、遠心性のアルファ神経を興奮させ、神経運動単位を収縮していることがお分かりでしょう。 遠回りであると感じるかもしれません:紡錘の両端を刺激するだけの“それっぽっち”のシグナルを、わざわざ脳からガンマ神経に発信し、それから紡錘が脊髄にシグナルを送り返し、さらに脊髄が下肢に筋収縮を起こすために、またシグナルを送る。アルファ運動神経に直接シグナルを送った方がよっぽど速いのではないでしょうか? もちろん、その通りですが、そうなるとスピードは速いが、協調性を失います。この「ごまかし」システム、つまりガンマシステムは、筋へのシグナル、脊髄へのシグナル、そしてまた筋へのシグナルといった混沌に対して、私達の身体が次に何が起きるか推測できるとき、過去の経験を基にしてマクロ秒の余裕をもって計画ができるときに初めて使われるのです。 子どもが初めて釘を打つ時のシグナルは、直接アルファ運動神経に伝えられます――大人がいっぺんに上手に釘が打てるのは、ガンマシステムが働いているからです。ハンマーの使い方の記憶プログラムを、アルファ神経を動員して、微調整しているのです。一つの部屋から隣の部屋に踏込んだとき、思っていたよりも床が数センチ低かった、というような不意なことに直面した時、ガンマシステムが次に何が起きるか準備し、正確に微調整してくれるのです。 神経科学は私の理解を超えていますが、さまざまなレベルのプログラミングは、「高度な安定化プログラム」(私は、セントラルパターンジェネレーターという用語を使用します)に影響します。しかし、感覚受容器である紡錘やゴルジ腱受容器の発火パターン、および成功のもと完了した動きの記憶の累積を保存する主な部位は、小脳と考えられています。 靴の紐を結ぶことを学習している子どもは、すべてアルファ運動パターンを利用しています。なぜなら、その子どもには、ガンマパターンを使うほど十分な記憶がバックアップされていないからです。一方、大人は、おしゃべりをしながらでもできます。すでに経験したことのある、靴紐を結ぶという指先の感覚が、予測可能パターンとして形成され、なじみのあるプログラムとして表面下で稼動しているからです。 ここで疑問に思うことは、では、私たちはどのようにして、負担が少ない新しい運動パターンをアルファプログラミングの大脳皮質から、ガンマ‐小脳‐大脳基底核‐脳幹 - 応答システムの一部へと深化させていくのでしょうか。それに応えて、もちろん自律神経‐迷走神経‐神経内分泌‐海馬 - 神経系のアラームの部分の影響を受けますが、これに関しては、ここではなく次の機会の別のトピックでお話ししましょう。 ご質問の答えになっていればよいのですが。

トム・マイヤーズ 3425字