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絶対に欠かせない長時間・低強度の心血管系運動 パート4/4

評価手順 IFASTでは、身体の効率性を調べるのにいくつものチェックをします。こちらが要となる3つのチェック方法です: 安静時心拍数 ワンミニットゴーテスト 修正版クーパーテスト これらのテストによって、選手の心臓の効率性と心拍数の回復を調べることができ、嫌気性閾値を推測することができます。 もし、長時間・低強度トレーニング(つまり、CO/心拍出量向上トレーニング)が必要かどうかを調べるには、安静時心拍数が最も手っ取り早い手掛かりとなるでしょう。 ほとんどのクライアントや選手のための私たちの目的は、彼らの安静時心拍数を60回/分未満にすることです。簡単に聞こえますが、良くコンディショニングされた(たとえば、体脂肪が少ない)選手でも安静時心拍数が60後半から70前半から抜け出せないことがよくあります。 クライアントや選手の安静時心拍数が高い場合、交感神経が優位(継続的な闘争・逃走状態)であることが考えられます。これは、エクササイズやセット間のみならずトレーニング間の回復にも影響します。 さらに、そのような選手やクライアントは、良く眠れていないことが多く、これもまた回復に悪影響を及ぼすと考えられます。 このような選手を担当する際、CO向上トレーニングが、彼らを救う手段のひとつとなるのです。 心拍出量をどのように向上させるのか さて、そろそろ核心に入ります。まずひとつ明確にしておきたいことがあります: 心拍出量向上トレーニングは、有酸素系エネルギー供給機構を発達させる唯一の方法ではありません。 先述しましたように、アルティメットMMAコンディショニングの8つの異なる方法についてジョエル・ジェーミソン氏は、言及しています。 8つも! 心拍出量向上トレーニングはそのなかの一つで、必要であれば実践します。重複しますが、心血管系のコンディションが不十分である(安静時心拍数が60より高い)場合、有酸素系機構の再構築を促進するための一つの方法として、COトレーニングを使います。 心拍出量向上トレーニングの実施 心拍出量を向上させる際の基本的なエクササイズ手順は下記のとおりです: 120-130回/分で30-90分間行う。 そして、お決まりの次の質問は、「何をすればよいでしょうか?」でしょう。 私の親しい友人、エリック・オッター氏は、「心筋はまぬけだよ」とよく言います。 ですから、目標としている心拍数の範囲内であれば、この時間内に何をするかはまったく重要ではありません。 筋肉オタクは、スレッドドラッグ、プロウラープッシュ、その他のエクササイズやモビリティドリルの組み合わせなどを好むでしょう。 選手であれば、低強度の技術的なトレーニングのために、このエクササイズを取り入れるかもしれません。デイブ・テニー氏が担当しているサッカー選手は、競技に関連した感覚を得るためにドリブルをするそうです。 バスケットボール選手であれば、コート内でのフットワークやボールハンドリング、特定な動きなどの動作の確認をするのもよいでしょう。 心拍数を120/130-150回/分の範囲に維持さえしていれば、うまくいきます。 どんな人達に有効か? この種のトレーニングで最も顕著に効果が現れる代表的な人達は、スポーツをしていてもすぐにガス欠になる選手です。 有酸素系の基礎が乏しいと、単純に長時間の競技ができなくなるだけでなく、高強度エクササイズの繰り返しからの回復能力にも悪影響を及ぼします。 フットボール、バスケットボール、サッカーのような有酸素系優勢型のスポーツをする選手にも顕著に表れます。もう少し大ざっぱな回答としては: ほとんどの人に、心拍出量向上トレーニングは有効であると私は思います。 考えてみてください。近年、私たちはいつでもせわしなく行動しています。 ジムに行き、せき立てるようにトレーニングする。 遅くまで起きていて、十分な睡眠を取らない。 通勤、仕事、私生活さえも過度のストレスを生じる。 これらすべては、交感神経系とストレス反応の慢性的な過活動を引き起こします。 私たちが健康と生活のために毎日できる最良のことが2つあります。まず毎日完全な深呼吸を10回行い、そして低強度エクササイズを週2回行うことです。 やってみてください。心拍数を15-20回/分低下させることができたら、きっと見た目にも気分的にも改善するに違いありません。 HITT(高強度インターバルトレーニング)はもう行わないということ? この大作を書き終える前に、最後のパンドラの箱をあけておきましょう: マイク、つまり、もう高強度トレーニングは必要ないということですか? 私は、決してそんなことを言ってはいません。時と場合によって、高強度トレーニングは当然必要となります。 目的が脂肪燃焼である場合、高強度インターバルは、手っ取り早く脂肪の減少を確実にします。しかし、これには議論があります。中には体調がまったく整っていないクライアントもいます。彼らの暮らしぶりを本格的にケアするのであれば、生理学的観点からして、有酸素系の基礎と土台をまず作る方が、理屈に合っていると思います。 高強度インターバルをロングレスト(長めの休息)インターバルと組み合わせても、有酸素系エネルギー供給機構の向上を促進します。強調しておきたいのですが、CO向上トレーニングは、有酸素系トレーニングのひとつの例に過ぎません!他にも爆発的効果を生む性質のトレーニング方法はたくさんあります。私たちの最も重要な仕事は、この運動と休息の比率をコントロールすることです。 基本的に無酸素系の特徴が強いスポーツ(レスリング、総合格闘技など)を行っているのであれば、トレーニングプログラムの最後に、解糖系エネルギー供給機構の構築のために時間を割くべきでしょう。覚えておいてください。しっかりした有酸素系の土台ができていれば、それよりさらに大きな解糖系エンジンをその上に搭載できるのです。さらに、高強度のトレーニングの合間の回復が速くなります。 ジョエルの文献やタバタの研究を読んでみると理解できますが、トレーニング開始後の4−6週間で解糖系エネルギー供給機構に大半の適応が起き、8週間になると限界近くまで適応が生じます。 だとすれば、それ以上続けて限界に挑戦する必要があるのでしょうか?適応の起こり方が速いのは結構ですが、私達に必要な適応なのでしょうか? クライアントにとって? 選手にとって? 今後大きな前進を遂げるためにも、一歩後退してみるのも賢明かもしれません。 まとめ クライアントや選手の目的が、トップアスリートになることであっても、また単に気持ち良く身体を動かすことであっても、心拍出量向上トレーニングは、ほとんどすべてのプログラムに組み入れることができます。 心拍出量向上トレーニングは、高強度トレーニングと比べあまり格好よくありません。激しくハードコアでもありませんが、その効果は計り知れないほど広範囲に及びます。 皆さんの目的が、気持ちよく動けて、回復が速く、ストレスや不安を抑えることであれば、トレーニングプログラムに欠けているのは、CO向上トレーニングなのかもしれません。

マイク・ロバートソン 3215字

肩甲骨エクササイズの神話

肩甲骨エクササイズはとても一般的で、リハビリテーションや姿勢矯正エクササイズに必要とされることが多いエクササイズです。他のことと同様に、肩甲骨エクササイズに関連して共通に認められているテーマがいくつかあるようであり、多くの人々はそれを厳格な規則だと思い込んでいます。すべての人にとって正しいプログラムはありません。ここに、私が討論する価値があると考える3つの肩甲骨エクササイズの神話があります。 肩甲骨をぎゅっと引き寄せる 肩甲骨をぎゅっと引き寄せましょう。肩甲骨を同時に引き寄せましょう。肩を後退させてください。肩甲骨を集めてください。これらはすべて、肩甲骨エクササイズを行うとき、コーチが与える指示によくあるものです。これらすべての考えの目的は、よりよい姿勢をとり、肩甲骨を後ろに“安定”させることであり、最終的には、エクササイズを行うときに、良い姿勢となり、よりよい動きのパターンに繋げるということです。社会全体としてとらえれば、私たちには様々なタイプの姿勢をした人たちがいます。頭部前方偏位、猫背といった典型的な上位交差症候群。 通常の肩甲上腕リズムには、肩と肩甲骨が同時に一連の動きとして起こる必要があります。左右の肩甲骨をぎゅっと引き寄せるには、中部僧帽筋を収縮させることが必要になり、肩甲骨を完全に後退させ、そして、腕を動かします。これは肩のメカニズムを考えた場合、肩甲骨を完全に前突した状態で腕を上げることほど悪くはありませんが、完全に後退した状態で腕を上げることがもっとも有益であるとも思いません。僧帽筋を等尺性に収縮させる必要がありますが、肩甲骨を後ろに引いておくことで、腕を挙上し、動かすときに起こる、正常な前突と上方回旋を制限することになります。 この典型的なコーチング指示の目的が、腕のエクササイズを行う際の姿勢を改善し、メカニクスを向上することであるならば、より効果的な指示は胸椎の伸展を誘導することでしょう。さらには、我々が最近話題にしていた、姿勢エクササイズのチンノッドを行うときのように、胸椎伸展と上位頸椎伸展を同時に行うことが良いでしょう。これは本当に姿勢を改善します。胸椎後弯が強く、背中が丸まったままであっても、肩甲骨を内転できることを認識しましょう。肩甲骨を後退させていることは、視覚的には悪くはありませんが、胸椎を伸展させることが本当の目的なのです。 肩甲骨の左右対称性を向上させるためには、可動性と筋力に働きかける 私たちは皆誰かの姿勢を評価するという無礼なことをしたことがあります。頭部前方変位、猫背姿勢を見つけ、大胸筋と上位頸椎の可動性に働きかけ、同時に、下部僧帽筋と深部頚部屈曲筋を強化する必要があると推測します。これらすべてに働きかけることはいいことですが、単純化しすぎた見方のようです。 まず、一歩下がって、邪魔なものを取払いましょう。あなたの肩甲骨は左右対称ではありません。ほぼすべての人々は左右対称ではなく、かなり左右差のない人でさえ、微妙な違いがあると断言してもいいでしょう。事実として、私たちは片側性の生物なのです。私たちは典型的に片方が利き手であり、これに関連して、利き手優位の運動パターンで機能します。このことは、1日中片手の動作を繰り返し行う人について話を始めるとき、本当に問題になります。私はなにも、野球の投手のようなアスリートだけの話をしているわけではありません。皆さんも、コンピュータの前に座り、右手でマウスを使っているわけです。 これは、本質的に股関節、脊柱、胸郭、そしてもちろん肩甲骨を含む、身体全体に左右非対称性を生み出します。 私の意見としては、肩甲骨の位置は、硬くなった筋肉や弱化した、または、抑制された筋肉を含む、他のなによりも、肋骨と胸椎の位置との関連が大きいと考えます。肩甲骨は胸郭に乗っていますし、結果、胸郭と共に動きます。これら筋肉のアンバランスに働きかける必要はありますか?もちろんあります。しかし、適切なアライメントも同様に必要であり、まずこれが最初に評価されるべきです。 皆“安定性より先に可動性である”と言っていますが、そうでしょうか?私はこのことを付け加えるでしょう。これはどうですか: 安定性の前に可動性、その前にアライメント 肩甲骨のエクササイズは両側性に行う 従来のYTWLエクササイズ。なぜ私が典型的なYTWLエクササイズを腹臥位で、ベッドの端、または、バランスボール上のどちらでも、あまりたくさん行わないかについてお話しました。頭部を安定させるために必要な上部僧帽筋の活動をあまり好みませんし、求めているような適切な運動パターンを獲得するようにも思えません。姿勢改善には役立つのかもしれませんこれには賛否両論があることでしょう。 しかし、おそらくより重要なのは、私たちはこのように腕を動かすような運動パターンで動かないだろうということです。最後に、Tエクササイズを行うように、両方の腕を水平伸展させたのはいつですか? 筋肉の強化を目的としているなら、私は片側の腹臥位エクササイズをして、筋力と運動コントロールに集中します。それが私の優先順位です。 それでは、機能と動作パターンが次の課題になったとき、肩甲骨の相反性活動に働きかけることが最良なのでしょうか?私たちはかなり頻繁に,片腕が引く動作をしているとき、反対の腕は押す動作をする、というように腕を使っています。この動作は、テニス、バレーボール、ソフトボール、野球などの片腕のオーバーヘッドスポーツや、歩行、ジョギング、ランニングなどのよくある運動時にも、とてもよくみることができます。 両方の肩甲骨を動かすべきときがありますか?もちろんあります。ちょうど頭に浮かんだのですが、競泳の選手はこれを行いますし(特に、平泳ぎとバタフライでは)、1日中重いもの押したり引いたりしなければならない人も、これを行います。トレーニングの特異性の話に戻ります。 覚えておいて欲しいのは、必ずしも肩甲骨を両側同時に動かす必要はないということです。なぜ左右反対方向に動かし、その代わりに相反性の押すー引くパターンが働くのかについて、とても分かりやすい理由があります。 この記事がで、少なくとも考えたり討論を起こ須きっかけになってほしいと願います。すべてにおいて適切な時と場所がありますが、時には1つの方向にアプローチが偏ってしまうことがよくあります。おそらく、これら3つの肩甲骨エクササイズの神話によって、次回肩甲骨の強化トレーニングを行うとき、立ち止まり、考えることになるでしょう。どう思いますか?

マイク・ライノルド 2835字

TRX TV 6月2週目のシークエンス(ビデオ)

何が安定し何が可動すべきか? ハーフニーリングのポジションで股関節の可動性を高めるエクササイズ、仰向けのポジションから股関節の強化を目指すエクササイズ、そしてそれらの要素を含んだエクササイズのコンビネーションをご紹介します。

TRXトレーニング 4:46

あなたのトレーニング方法は科学的根拠に基づいているだろうか? パート1/2

クライアントやアスリートのトレーニングに用いているあなたのトレーニング方法は、科学的根拠に基づいているだろうか?新しいトレーニング方法や技術を評価する際、特定の公式を使っているだろうか?おそらくほとんどの人はそうではないことを認めるだろう。 しかしながら最近発行された総説は、医療分野において機能する(もしくはむしろ機能するようにデザインされている)という観点に基づき、科学的根拠に基づいたトレーニングへの正式なアプローチを推奨し、解説している。しかもそれを実践することはさほど複雑ではない。 それでは総説の詳細を見てみよう。 研究論文: 「科学的根拠に基づいた」ストレングス&コンディショニングとは何か? イングリッシュ、アモネット、グラハム、スピアリング、ストレングス&コンディショニングジャーナル、2012年 「科学的根拠」という言葉の由来は何か? イングリッシュ及びその他は、「科学的根拠」という言葉はもともと1990年代初期に、医療上の判断の50%以下しか科学的根拠によって支持されていない、という批判に応え、医療従事者が行動した際に医療分野から生まれた言葉であると解説している。 「科学的根拠」という言葉は実際には何を意味するか? 研究者たちは医療分野においてその言葉は「科学的根拠、専門的根拠、そして患者の結果を向上させるための患者の嗜好の行使根拠に基づいた体系的な取り組み」と言及されていると解説している。 しかしながら彼らは、この言葉は、ストレングス&コンディショニングの分野においては「同業者による論文審査の対象となる最新の研究論文からの根拠や専門的な根拠に基づいた、アスリートやクライアントに対する体系的な取り組み」という意味を含むべきであると提案している。 彼らは、やみくもに専門家を信頼をしてしまったり、古い情報やごく一部の入手可能な文献で思い込みをするというような罠にはまらぬような、注意深く熟考されたアプローチの重要性を強調している。 科学的根拠に基づいた取り組みとはどのようなものか? 科学的根拠に基づいた取り組みは下記の表に示されているような5段階の過程によって定義することが可能である。 疑問の展開 科学的根拠の発見 科学的根拠の評価 科学的根拠の実務への取り入れ 科学的根拠の再評価 研究者たちが手掛けるように、順にこれらのステップの詳細を見ていってみよう。 ステップ1:疑問の展開 根拠に基づいたプロセスは疑問から始まる。その疑問は時には「この特定のサプリメントは運動後の回復を促進するか?」のような簡単なものでありえる。 しかしながら科学的根拠に基づいたプロセスを正しく始め、最も有益な結果を得るためには、次の過程へ移る前にその疑問を更に発展させてゆく必要があると研究者たちは解説する。疑問の中で網羅されていなければならないキーポイントは下記のものである。 • 集団 – どのような種類の対象者を調査するのか? • 介入 – 具体的に何を行うのか? • 比較 – 何に対しての比較をするのか? • 結果 – 具体的に何を評価するのか? • 時間 – 評価期間はどのくらいなのか? 例: まず、エクササイズの際の特定のサプリメントの効能に関する疑問から始めることができる。これらのキーポイントを使ってこの疑問を次のようなものへと広げてみることができる。「若い男性アスリートにおいて、50 mgのこのサプリメントは単一の激しいエクササイズの次の日の筋肉痛をプラシーボよりも減少させるか?」 疑問をより明確にすることで疑問自体が多少刺激的ではなくなるが、最終的にはそれがより有益であることが証明されるであろう。 ステップ2:科学的根拠の発見 研究者たちは、一旦疑問が言葉で表現されれば、次はそれに関する情報を集める時だと解説している。そしてもちろん、いかなるトピックに対してもストレングス&コンディショニングにおける科学的根拠の2つの主源は、専門家としての経験と公表された科学研究である。 専門家としての経験は言うまでもなく、アスリートやクライアントをトレーニングすること、論点を同僚と議論すること、そしてセミナーやカンファレンスから得ることができる。科学的研究はグーグルスカラーやパブメッドのような研究施設を使用しているジャーナルを通じて、またこのような研究論文の総説サービスを通じて直接アクセスすることが可能である。 *** ステップ3:科学的根拠の評価 疑問に関する情報を得たところで、次はこれを評価する。これが最も困難な段階である。イングリッシュ及びその他は、入手可能な科学的根拠が相反している可能性があるため、評価は困難になり得ると解説している。 しかしながら、科学的根拠に基づいたアプローチでは、専門家が入手可能な科学的根拠を有効性に従いランク付けする必要があるため、この迷路の中にも通り抜ける道はある。 最も先入観が少なく客観的な形の科学的根拠は高いランクを与えられており(例えば、RCTつまり無作為化比較試験)、最も潜在的に客観的でない形(例えば、専門家の意見)は最も低いランクを与えられている。ランクは(関連性の高い順に)下記のものである。 データ量の多い無作為化比較試験 少量もしくは限りあるデータ量の、あるいは目標とする人とは関係のない集団に関する無作為化比較試験 非無作為化研究や観察研究 経験や研究合成に基づく専門家の意見 科学的根拠のレベルによる違いは何か? 何故この方法で科学的根拠をランク付けすることができたのかを見る前に、我々が見てきた様々な種類の研究について、またそれらの相違点について思い返してみよう。科学的方法を知り尽くしている場合は、次の見出しへ進むのが良いだろう。 無作為化比較試験とは何か? 無作為化比較試験とは、被験者が無作為に、そのうちの1つがコントロールグループである、2つもしくはそれ以上のグループに分けられる研究である。コントロールグループは介入が行われないグループである。プラセボ比較試験、盲検試験、もしくは二重盲検試験に対して参照がなされている場合、それはより厳密なバージョンの無作為化比較試験であることが多い。 プラセボ比較試験とは、介入をコントロールグループと比較するのみではなく、測定される変数に影響が全く無いか、もしくはごく僅かであると知られている偽の治療とも比較をしている研究のことである。「盲検化」の技術は単に被験者の集団属性を研究者たちから(先入観を防ぐために)、もしくは被験者たち自身から(介入効果を最小化するために)隠すことである。集団属性を研究者たちと被験者たちの両方から隠している研究が「二重盲検」試験である。 無作為化比較試験の代表例は何か? 無作為化比較試験で用いられる2つの一般的な研究デザインは、並列デザイン(被験者は2つのグループに分けられ、そのうち1つのグループのみが介入を受ける)とクロスオーバーデザイン(被験者の両方のグループが異なった順番での介入を受ける)である。 非無作為化比較試験とは何か? これらはほとんどの場合、観察研究や記述的研究であり、そこでは研究者たちが集団を選択し、これから起こる事やもう既に起こった事を知るために特定の要因を単に観察するものである。 非無作為化比較試験の例は何か? 観察研究の2つの一般的な例は、コホート研究とケースコントロール(症例対照)研究である。コホート研究では一定の集団が(将来的に何が起こるか待つことによって、もしくは過去に遡って起こったことを見ることにより)調査される。 ケースコントロール研究は、コホート研究が異なる特徴を持つ被験者のコントロールグループとの比較を行うこと以外、基本的にはコホート研究と同様である。さらに、横断的研究もまた非無作為化比較デザインである。これらの研究は全数調査の基本的な形を取っており、研究者が膨大なデータ間での相関関係を見いだすのを可能にする。 以上が様々な異なる研究調査の簡潔な概要である。専門家の意見はこれらすべての中にどのような形で適合するのであろうか?

ストレングス・コンディショニング・リサーチ 3564字

あなたのトレーニング方法は科学的根拠に基づいているだろうか? パート2/2

ステップ3:科学的根拠の評価(続き) 専門家の意見はどこに適合するのか? 専門家の意見はこのリストの最後にあり、これは、しばしば人々を苛立たせる。しかし人間の心理には、潜在的に多くのバイアスとエラーが存在し、我々の誰もが例外ではない。最も一般的なエラーはもちろん相関関係と因果関係を取り違えることである。結局のところ、傾向に気が付くことは人間の性なのである。 しかしながら多くの場合、そこにも確証バイアスや投資バイアスなどのバイアスが存在する。確証バイアスは、人々が自身の現在の信念を確証するデータに気づき、それと相反するデータを見逃す可能性が高いために起こる。投資バイアスは、人々が投資をすればする程(時間やお金や地位など)より自分が正しいという考えを変えたくないという傾向になるために起こる。 例: 専門家がどのように相関関係を因果関係と取り違えるかは簡単にわかる。例えば彼らは、5年前にチームでハムストリングスの外傷が多発していて、グルート-ハムレイズは行わなかったことを思い出すかもしれない。また彼らは、ハムストリングの外傷が減少した現在、グルートーハムレイズを行っている、と記述するかもしれない。これにより彼らはグルート-ハムレイズがハムストリングの外傷を減少させたと推測してしまう可能性がある。 例: ハムストリングに重きを置くコーチが、筋挫傷の減少を助けるために高負荷のエキセントリックエクササイズがどのようにして(ハムストリングのような)筋肉の伸張を促進するか、ということに言及している研究に目を付ける可能性があるということは、簡単にわかることである。彼らは、如何なるものであれ、1つの要因のみに関する科学的根拠では十分ではないということを示唆する、ハムストリングの筋挫傷に関する様々な論文を見逃したのかもしれない。結局のところ、他のエクササイズや、単に外傷の既往歴の少ない選手のグループであったなど、別の要因がハムストリングの怪我の減少に貢献した可能性がある。 例: そして投資バイアスも、視覚化するのはとても容易である。おそらくグルート—ハムレイズに熱を上げている我々のコーチはいくつかの新しい機材に投資したのだろう。次のシーズンに考えを変えて、それらをプログラムから排除するということはどの程度ありえるのだろうか? 【注意:私はグルート—ハムレイズやハムストリングの怪我に対する意見を述べているのではなく、1例として取り上げているだけである。】 どのようにしてこのレベルの優先度が正しいと知るのか? この時点での適切な質問は、何故研究者たちは彼らが行ったような形でランク付けをしたのかを尋ねることである。結局のところ、もし我々が科学的根拠に基づいたアプローチを支持するのであれば、間違いなくこのランク付けの仕組みを評価するべきではなかろうか? 幸運なことにデータ解析と研究デザインを専門としている研究者たちは、無作為化比較試験が開始されて以来数十年に渡り、何回もこれを行ってきた。科学的厳密性の他にこれを行う理由は、無作為化比較試験は、特に盲検試験やプラセボ比較試験の場合、非常に高額になりがちであり、人々はより良い費用便益比率を得たかったからである。 一般的に(常にではないが)、これらの方法を行う研究者たちは結論として2つのキーポイントを挙げている。1つ目は、無作為化比較試験と非無作為化比較試験において得られる結果の間には、著しい相違があるということである。しかしながらこれらの結果は概して相反してはいないということは特筆すべきであろう。2つ目は、非無作為化比較試験は無作為化比較試験に比べ介入からのより大きな影響が生まれるということである。 ゆえに我々はこれから、選択バイアスは非無作為化比較試験の過程として起こるものだということを推測できるかもしれない。しかしながら、無作為化比較試験において起こり易い試験対象者基準の厳しい性質など、そこには非無作為化比較試験がより大きな影響をもたらす可能性がある他の理由がある。 要するに非無作為化比較試験は、無作為化比較試験と同様の結果を生み出す傾向にあるが、時として無作為化比較試験によって指定された集団における介入からもたらされた効果の規模を過大評価しがちなのである。多くの場合、無作為化比較試験はより限定された集団において行われるため、必要要件に見合う集団における無作為化比較試験をみつけるのはより困難となり得る。 ステップ4:科学的根拠の実務への取り入れ イングリッシュ及びその他は、入手可能な科学的根拠を用いた方法を評価した後、新しい科学的根拠に基づいた方法を実務に取り入れるかどうかについての決定をする際に鍵となる4つの原則があると解説している。それらは下記のものである。 入手可能な研究証拠の強度 アスリートやクライアントに固有の必要性 その方法の費用や費用対効果分析 専門知識 これらのポイントは一目瞭然であり、確実に異論をよぶことはないであろう。 例: 前に挙げたグルート—ハムレイズとハムストリングの怪我についての例を続行してこれらのガイドラインに従うと、コーチが機材に資金をつぎ込む前に、非常に強度の高い肯定的科学的根拠が必要である。同様に、そもそもコーチが陸上選手ではなく水泳選手をトレーニングしているのであれば、グルート—ハムレイズをプログラムする必要性は最小だったのかもしれない。 更に、もしコーチが限られた資金しかなく、スクワットラックが必要だったとしたら、彼らは彼らのプログラムに対してより根本的である基礎を優先したかもしれない。最終的に彼らは、彼らのコーチングチームは推奨されているようなプロトコールを担当する準備が整っておらず、導入前に更なるトレーニング時間が必要であると評価する可能性がある。 ステップ5:科学的根拠の再評価 一旦科学的根拠に基づいた方法が実務に導入されたならば、専門家としての我々は、継続して発展し続けるアプローチを取るべきであり、新しいデータが新しい結果をもたらしているかどうかを確認するために、常にクライアントやアスリートに起こっていることを評価し、再評価するべきであると研究者たちは強調している。 実践的意義は何か? 全てのストレングスコーチとフィットネスプロフェッショナルに対して: 科学的根拠に基づいたストレングス&コンディショニングは、最新の論文審査の対象となる研究論文からの根拠や専門的な根拠に基づいた、アスリートやクライアントのトレーニングに対する系統的なアプローチである。 科学的根拠に基づいたアプローチは、フィットネス専門家が有効性に従い入手可能な根拠をランク付けすることを必要とする。最もバイアスの少ない客観的な形の科学的根拠は高いランクを与えられ、一方、潜在的に最も客観的ではない形(例:専門家の意見)は最も低いランクを与えられる。

ストレングス・コンディショニング・リサーチ 2994字

ファンクショナルムーブメントとは? パート1/2

10月に来日が決定したグレイインスティチュートの指導者のひとり、レニー・パラチーノのインタビューのパート1/2。ファンクショナルな動きとは一体何を意味するのか?そして10月のセミナーFSTTでもカバーする“メルト~モールド~ムーブ”のプロセスとは?是非御覧ください。

レニー・パラシーノ 6:16

ファンクショナルムーブメントとは? パート2/2

10月に来日が決定したグレイインスティチュートの指導者のひとり、レニー・パラチーノのインタビューのパート2/2。ファンクショナルな動きとは一体何を意味するのか?そして10月のセミナーFSTTでもカバーする“メルト~モールド~ムーブ”のプロセスとは?是非御覧ください。

レニー・パラシーノ 6:06

テクニカ ガビラン ギャリー・ラング インタビュー パート1/3

医療用ステンレス製のツールを使う軟部組織へのアプローチ、テクニカ ガビランを開発したアスレチックトレーナーのギャリー・ラングとのスカイプインタビューのパート1。テクニカ ガビランが誕生したきっかけや、グラストンとの相違点に関して、開発者自身からの興味深いお話です。

トラビス・ジョンソン 8:15

テクニカ ガビラン ギャリー・ラング インタビュー パート2/3

医療用ステンレス製のツールを使う軟部組織へのアプローチ、テクニカ ガビランを開発したアスレチックトレーナーのギャリー・ラングとのスカイプインタビューのパート2。テクニカ ガビランとグラストンとの相違点に関して、また道具を使用することによる手への負担の軽減に関して、開発者自身からの興味深いお話です。

トラビス・ジョンソン 8:18

テクニカ ガビラン ギャリー・ラング インタビュー パート3/3

医療用ステンレス製のツールを使う軟部組織へのアプローチ、テクニカ ガビランを開発したアスレチックトレーナーのギャリー・ラングとのスカイプインタビューのパート3。3Dの ロード/アンロードの動きを多用したテクニカ ガビランのアプローチは、レシピ本のように決まったプロトコールを覚えるのではなく、各個人のニーズに合わせた自由さと可能性を持ち合わせています。

トラビス・ジョンソン 9:18

YTWLショルダーエクササイズが好きではない理由

YTWLショルダーエクササイズが普及しはじめた頃を覚えています。「YTWL」という頭文字は、肩のエクササイズをうまい具合に説明しており、覚えやすい名称でした。私も時流に乗り、すべての人に両肩のトレーニングを適用していました。肩を負傷しリハビリ中の人たちにさえも行っていました。YTWLショルダーエクササイズでは同時に両側を行うことで、より短い時間で左右対称にトレーニングできます。それでも、私はあまりこのエクササイズに満足しておらず、たくさんの異なるバリエーションを試してみました。 まず初めに試みたのは、立位で前屈することです。シンプルでスタートとしては良いですよね? ただ、すぐに気がついたのは、実際、このエクササイズをするのに適切なポジションがとれない方が多いということ。ほとんどの人達は、上半身を床と水平にするのが困難で、床から約45度の角度で行っています。これでは、三角筋の関与を増やしてしまうのが気に入りません。回旋腱板と肩甲骨のエクササイズを行う際に、三角筋の関与は一番望ましくないことですから。 次に試みたのは、バランスボールの上に腹臥位になることです。すごくいいアイデアですよね? 体幹を安定させながら、肩や肩甲骨周囲の筋群のトレーニングをしようというわけです! ところが、そうでもないようです。このトピックに関する研究では、これまで意見が対立してきましたが、一概にバランスボールの上でエクササイズをしても、肩周囲の筋群とコアの筋群のEMGの継続的な上昇は見られないということを数々の研究が示しています。しかし、このリサーチからひとつの傾向が浮かび上がってきます。それは、筋出力量の減少です。これは、バックスクワットとレッグプレスの違いに似ています。レッグプレスでは、それほど安定性を要求されないために、より重いウェイトを持ち上げられます。この試みはそれほど悪くありませんね。特に機能向上のためにトレーニングしている健康な人たちやスポーツ選手には適しているのかもしれません。でも、YTWLショルダーエクササイズをする理由は、肩の強化と肩の機能向上のためだということを思い出してみてください。不安定な表面でYTWLエクササイズを行ったところで、その目的は果たせそうにありません。 バランスボールの上でこのエクササイズを行っている人たちのポジションが、あまり感心できないものであったことも述べておくべきでしょう。ここでもほとんどの人たちは、上半身が床と平行ではなく、バランスボールより腕が長い場合は、充分な可動域でトレーニングできません。つまり、肩や肩甲骨周囲の筋群のための効果を最大限に発揮できないわけです。しかも、体幹の安定性が十分でなければ、動きのパターンを完成させるために後方に揺れて、腰椎が過伸展してしまうのです。 その次に試みたのは、YTWLエクササイズを不安定な表面ではなく、単にマッサージテーブルに腹臥位になって行うことでした。このエクササイズを行うには、頭と肩をマッサージテーブルやベンチの端からはみ出した位置におく必要があります。悪いアイデアではないようです。実際、YTWLショルダーエクササイズをこのポジションで行うことは、適切だと思いました。腰椎をニュートラルポジションに安定(マッサージテーブルにまっすぐにうつ伏せになり、腰椎を過伸展しないように指導)しなければなりませんが、通常のウェイトを利用することもできます。これまで試みたポジションで探していた「身体が床と平行なポジション」にようやくたどり着いたのです。 あぁ~、やっとここまで来ましたが、まだ満足できません。マッサージベッドの端から頭がはみ出した状態で両側性のショルダーエクササイズをすれば、上部僧帽筋と肩甲挙筋の活動を助長してしまいます。上部僧帽筋の活動や上部僧帽筋優位の姿勢を低減させたいという私の考え方を皆さんもご存知ですね。そのうえ、これらのエクササイズの目的は、肩と肩甲骨機能の向上なのですから、上部僧帽筋と三角筋を強化するようなエクササイズは、かえって私たちの目的の妨げとなってしまいます。特に上部僧帽筋と下部僧帽筋の活動の割合が肩のインピンジメントに影響することが分かっている場合、やはりこの方法は逆効果を招くと考えられます。 なぜ私はYTWLショルダーエクササイズを好まないのか おわかりの通り、YTWLショルダーエクササイズを実施するにはいくつかの制限があります。私が懸念しているこれらの制限をまとめると: 身体が床と平行で実施しなければ、筋にかかる角度が変わり、より三角筋を動員することになる。 腰椎が過伸展しやすい傾向にある。 不安定表面で実施することにより、筋出力量を減少させ、肩と肩甲骨周囲の筋群に重点を置きにくくなる可能性がある。 バランスボールの上では、充分な可動域で実施することができない。 マッサージベッドやベンチの端で実施すると、頭を保持するために上部僧帽筋と肩甲挙筋を動員し過ぎてしまう。 YTWLショルダーエクササイズを適用する時に提案したいこと 主要な目的が回旋腱板と肩甲骨周囲の筋群の強化であれば、YTWLエクササイズは、あまり推奨できません。実施する場合、安定面(たとえばマッサージテーブル)の上で身体は床と平行にし、片側ずつ行うように単純化する必要があります。そうです、頭の位置はニュートラルではなく横に向けてください。少なくとも首の筋群はリラックスさせておきます。Wショルダーエクササイズはこれまで通り両側で行いますが(Wショルダーエクササイズテクニックについては、私の過去のポストとデモンストレーション動画をご覧ください)、YとT、Lは片側ずつ行います。 特定の損傷や手術のリハビリテーションでない場合、または第一目的が肩と肩甲骨周囲の筋群の強化でない場合、また左右対称性と運動機能の向上が目的であれば、YTWLショルダーエクササイズを行っても悪くはないでしょう。もし特定の欠点強化に取り組んでいるのであれば、従来の古いやり方が適切かもしれません。まずはそこから始めて、筋力がリストアされれば、他のポジションに漸進すればよいでしょう。リハビリテーションとフィットネスの専門コーチは、両側のYTWLエクササイズの際、上記で述べた代償的パターンが起こらないように必ず指導するべきです。 両側でYTWLショルダーエクササイズを行うのが適している場合もありますが、ほとんどの場合、私は肩と肩甲骨の強化と機能向上を目的としています。両側のYTWLエクササイズは、肩と肩甲骨に十分な強度と安定性が備わってから実施するプログレッションと捉えています。YTWLショルダーエクササイズを両側で行うことは、目標から少し外れてしまうのではないかと私は思うのですが、皆さんはどうお考えになりますか?

マイク・ライノルド 2913字

ストレングス

この記事では、ストレングスの概念、もしくはより重要であるかもしれない機能的運動中の力発生への、より機能的なアプローチについて考察してみたいと思います。常に異なる定義が存在するでしょうが、ストレングスを定義する一つの方法は、外部抵抗を動かす能力、もしくは負荷(ニュートンに従うのであれば、その慣性)を克服するための力を産生すること、といえるでしょう。一般的には、ジムにおけるウェイトがそれにあたります。 そこで、ウェイトを用いることによって、私達が動かしているより大きな外部抵抗、もしくは質量を数値化することは簡単です。実際、それはウエイトの脇に数値形式で表記されています。私達が尋ねるべき質問は、私達の機能的運動において、これは力発生の向上になるのか?ということです(もちろん、それが私達の望むものですよね)。 では、私達の良き友人であるニュートンについて復習してみましょう。ニュートンの“運動の第2法則”は、力発生、もしくはF=MAという公式を定義しています。これは、力(F)= 質量(M)X 加速度(A)です。この公式は、力は2つのはっきりと区別できる方法、A分のM(M/A)、もしくはM分のA(A/M)において、力は産生されるということを示しています。私達は力を測る際に、ニュートン・メートルに換算することはほぼ無いので、この公式の質量要素をただ数値化することの方がはるかに簡単です。そこで、私達の力発生能力計測の単純な方法として、A(加速度)分のM(質量)(M/A)を考察してみましょう。ここでの疑問は、ほとんどのスポーツが高外部抵抗のM/Aなのか、低外部抵抗のA/Mなのか、ということです。これは、断言するにはとても難しい問題ですが、いくつかのスポーツを見てみると、その答えを見つけられるかもしれません。テニスやサッカーのようなスポーツは、低外部抵抗を有するスポーツであり、力を産生するために(A/M)、速度変化により大きく依存しています。これはまた、打撃や投球についても当てはまるでしょう。このような環境下で、大きな質量を動かす能力は私達の役に立つのでしょうか? ヒル曲線(1953年)、すなわち、双曲線の“力-速度曲線”を考察するならば、筋収縮の速度は、負荷に反比例するということを意味しています。、素早い運動においては、ウェイト・リフティングでみられるような大きな筋力は発揮されることは無いということが見てとれます。これは速度の変化や力を産生するためのM分のA(A/M)と関連しているのでしょう。 そこで、私達は、自分のスポーツが上達するために、強くなる必要があるのでしょうか?一つの見方は、ストレングス(M/A)もしくは、筋肥大と体格が大きければ大きいほど良いということ。しかし、私達はこの前述に適合しない競技者達の驚くべきパフォーマンスを日常的に目にするように、競技場においては、しばしばこれに当てはまらないのではないかと思います。機能的背景においては、スピード・ストレングスの副次的分類の方が、より適切なのかもしれません。私達はこれを、高速度で低抵抗に逆らう運動を遂行する能力として定義することでしょう。 スピードと強度を必要とする運動では、最大努力に関連する速筋線維を動員します。これらの線維は、力の必要性に従い動員されます。前述のように、この力はM/Aと同様に、A/Mを増大させることができるのです!そこで、M/Aをも動員できるのであれば、私達は速筋線維を動員する方法について、具体的にする必要があるのでしょうか?MoffroidとWhipple (1970年)は、低速トレーニングから高速トレーニングへの移動効果はほとんど無かったということを発見しました。これを、力が筋収縮速度と共に減少するというヒル曲線のデータと結び付けてみると、特異性が適用可能な力の増大に影響を及ぼしているようです。 そこで、私達は力を産生する方法について、具体的にする必要があります。運動、もしくは運動パターンの観点から、この力が産生される姿勢に関してはどうでしょうか?幅広いスポーツにおけるストレングスのために、ストレングス・トレーニングに基づく型通り従来型のジムでのトレーニングが使用されていることから、ストレングスは特異性ではなく、ポジション的に一般的なものとして認識されているということを示しているでしょう。しかし、研究ではこの仮説は立証されていません。Verkhoshansky (1968年)は、運動学的パターンを、特別なストレングス・トレーニングと特定の神経筋プロセスに応じた力発生パターンにおいて、重要なものとして理解しています。SaleとMacDougall (1981年)もまた、“パフォーマンスの向上は、主に神経筋の技能に起因する”と理解しています。彼らはまた、“ストレングスの向上は、トレーニングで使用される運動と同じタイプの運動に対して計測した時にのみ明白である”とも述べています。これら全ては、運動パターンに関連した特定の機能的運動と熟達度が、私達の力発生とパフォーマンスの向上において、重要であるという事実を指摘しているようです。Bompa (2000年)は、“ストレングスの順応は、特定の関節角度に関係しているため、関節可動域を可能な限り大きく使用しなければならない”と述べています。ウェイト・トレーニングをする人たちはこのことを以前からずっと知っていて、インクラインやデクラインを通して、しばしば関節角度を変化させていますが、彼らは矢状面以外の面をほとんど使用していません。異なる面での動作との相互作用と同様に、異なる関節角度が、異なる機能的運動とスポーツの中で発生します。必要であれば、これは関節角度、面、運動パターンに関連した機能的運動が、伝統的な意味で、力発生とストレングスの向上において重要なのかもしれないということを意味しています。 私達はまた、動的で機能的な立位において、非機能的運動に関連する固定された姿勢では、単一面での運動で産生された最大力を再現することはできません。力は、運動が起こる三面すべてにわたって、バランスがとれている必要があり(機能が三次元的であるように)、身体に作用している三次元的な外力にも関連している必要があるでしょう。これはまた、機能的パフォーマンスのための非特異的ストレングス・トレーニングの適用性を減少させることにもなるでしょう。 身体は、力発生とエネルギー・情報効率のために外力を制御し利用する特有の方法を獲得しています。これは、伸長-収縮サイクルを含んだ、求心性筋収縮動作の前の遠心性筋収縮動作の、爆発のためのローディングなのでしょう。機能的運動の圧倒的多数は、打撃、もしくは投球から、椅子からの立ち上がり(上体を伸展する前に前屈をします)に及ぶまで、このプロセスを使用しています。筋肉において張力を作り出すこの動作は、 機能的な力発生に不可欠な神経筋の活性化と、腱のように、より受動的な筋膜構造からの運動エネルギーの蓄積とリコイルのために、伸張反射を生じさせます。私達は、スポーツ持久力に関連した持続的な力発生のために、省エネルギーが必要不可欠であることを知っています。エネルギーが減少するに従い、技能も低下し、障害の可能性も出てきます。 いつもの通り、これは純粋に私個人のストレングスの概念に関する見解です。従来のパラダイムとは異なる見解であり、ストレングス純粋主義者によって共有されることは無いかもしれません。しかし、異なる見解は、私達が愛し大切にしている人体の複雑さを理解するために必要不可欠なのです!

ベン・コーマック 3221字