マイクロラーニング
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TRX基礎動作の進化:回旋からツイストへ
TRX基礎動作の進化のパート1をお読みになっていれば、私たちの新しい基礎動作であるベンド、ツイスト、ステップ、クロールを紹介したTRX基礎動作の進化したピラミッドについて知る機会があったでしょう。動作、そしてその動作中にどこが安定して、どこの可動性が高くあるべきかを理解することで、日常生活においてより良く動くことができる(そして安全に)というボーナスを上乗せして、結果を出すためにジムでクライアントをコーチする能力を向上させるでしょう。また、この動作の進化の背景にあるインスピレーションについても述べ、7つから11に増えた基礎動作の最初の一つであるヒンジからベンドを紹介しました。 もし、このシリーズのパート1を読んでいないのであれば、そこで述べている情報はこれから待ち受けている、回旋からツイスト、についての理解を容易にしますから、クリックしてお読み下さい。 進化した回旋 もし、あなたがTRXのコーチングの方法論とTRXの基礎動作を理解しているのであれば、リスクを最小限にするための体幹の円筒回旋であり、体幹を通した股関節からのパワーを強調する回旋が、初めから私達の語彙の一部であったことを理解しているでしょう。例えば、パワープル(下の画像)はTRXの回旋動作の定番です。しかし、回旋はジムの外でも頻繁に行われる動作パターンであり、例として、子供を車の中からおろすことや、キッチンのカウンターから冷蔵庫まで牛乳を移動させるといった簡単なものが日々の回旋を伴う活動の一般的な例です。 さて、ここからが、回旋を発展させてあなたのアスリートに新しいチャレンジを与える、または私たちが呼ぶところの条件を変化させる時です。条件を変化させるということは、回数の追加、複雑性の発展またはパワーの増加(つまり、回旋からツイスト)といった、単純に異なる器具や動作のバリエーションまたは片側の反復を用いて同じようなエクササイズの基準を適用するということです。 ツイストとは何か? ツイストは、肩と股関節の間の水平面上での分化を指します。それは、ゴルフクラブのスイングや、回し蹴り、その他の同様の勢いをつけた回旋ベースの動作のような、回旋を伴う活動における「Xファクター」と呼ばれています。 ツイストは、サッカーボールを蹴ることのような下から上へと起こる動き、またはフットボールを投げるような上から下への動きの中でも起こります。これは、より大きなパワーを生み出すために身体の筋肉や筋膜をより大きく巻き上げる方法であり、ゴムバンドを引き伸ばす(バンドを引き伸ばしすぎないように気を付けて)時と似ています。より長く引き伸ばすことで、解放した時により大きなパワーが生まれます。身体の粘弾性の性質を最大限に利用するように、ゴルファーが自身のXファクターを増加させることができれば、ボールをさらに飛ばすことはより容易になります。それがバーディーとダブルボギーの違いとなるかもしれません。 ツイストで考慮する点 正しくツイストするためには、頸椎と足(中足根または横のアーチ)のモビリティを有するべきです。適切なモビリティによってより大きなパワーを生み出し、そして敏感な頸椎の中部と足関節後面を損傷から守ることができるのです。 ツイストするときは回旋半径を小さくするべきであり、矢状面および前額面上の過剰な胴体の傾きは力の発揮能力を減少させてしまうでしょう。胴体の横から横への動きが大きなゴルファーでは、エネルギーが逃げてしまい、スイングパワーの減少につながります。 正しいツイストのための秘訣 ツイストについてしっかりと理解ができたところで、あなたやあなたのクライアントがどのようにしてこの動作を安全にそして効果的を行うにはどのようにすればよいかに進むことができます。これは、「負荷を分散する」と「漸進的な負荷を用いる」の二つに要約されます。 1. 負荷を分散させる ツイストは、脊柱の一番上から足の裏まで、身体の全ての部位を通して起こります。残念なことに、問題のある動作の癖やトレーニング方法から生じた姿勢の機能不全によって、多くの人はツイストを適切に行うために可動性が高くなくてはならない部分で硬直性を感じています。ツイストの能力を向上させるために、モビリティのトレーニングでは頸椎上部、胸椎、股関節そして足・足関節を強調するべきです。 注記:もし、モビリティについてのノウハウがなければ、TRXの教育コースについて調べてみるのもよいかもしれません。例えば、TRXサスペンション・トレーニングコースではモビリティを基礎としたトレーニングを経験できる機会を設けています。さらに、私たちは新しいモビリティのエクササイズをそれぞれの発展コースのエクササイズ・ライブラリーに追加し続けていきます。 2. 漸進的な負荷を用いる 賢明な動作のプログレッションは、クライアントやアスリートのトレーニングプログラムの成功のための重大な要素です。スピードとパワーにはリスクが伴うことを覚えていてください。早すぎるうちに強度を上げ過ぎることで、過剰な筋肉痛や痛みまたはけがにつながってしまいます。用心を怠らないように;負荷の増加に身体が適応でき、正しいエクササイズの実施方法のメカニクスを理解できるようにしましょう。 スキル発展についての注釈 TRX基礎動作システムは、動作は上達するために時間と適切なコーチングを必要とするスキルである、というコンセプトを基にしています。ギターを初めて触った時に「悲しきサルタン(Sultans of Swing)」を弾けるとは思わないでしょう。それが弾けるようになる前に、楽譜とコードを理解し、練習し、完璧に弾けるようになるための時間が必要です。同じことが動作に対しても言えます。どの動作を行う時にも、特にツイストのような高いレベルで条件が変化するという特徴があるものでは、アスリートは注意深く、そしてその進歩を測りながらスキルを上達させなければなりません。ツイストにおいて強度を上げていく前に、彼らは回旋をマスターしていることを証明するべきです。フィットネス、パフォーマンス、そして耐久性の基盤としての人間の動作の上達に注目することは、私たちの「自身の身体を自身のマシーンにする」というモットーを駆り立てるのです。 ランジからステップについて紹介するTRX基礎動作の進化の続きをご期待ください。
TRX基礎動作の進化:ランジからステップへ
TRXの基礎動作は、スポーツトレーニングと日常生活の両方において重要な動作パターンを理解し、そして教えるための基本的な知識を提供するために作り出されました。プランクから始まり、プッシュ、プル、スクワットやその他、それぞれが、あらゆる環境で、いくつものトレーニング用のツールを利用して行う何百もの動作の基礎を作り上げます(これらの動作は私たちが行うほぼすべてのことを網羅しています)。私たちは、あなたがどのような様式を用いたとしても正しく、そして効果的にあらゆる人をもコーチングできるように(その人のスキルと関係なく)これらのコンセプトをより仔細にTRXの教育コースにおいて指導します。 TRXの、動作に基づいたコーチングの哲学は7つの基礎的な動作(プランク、プッシュ、プル、ヒンジ、ランジ、スクワット、そして回旋)に主に注目しており、それらは、個人が上達するにしたがって発展させることができるものであると理解しています。このブログのシリーズでは、伝統的な台本を少々ひっくり返して、これらの動作の進化について話していきます。もし、このシリーズの前の2つ:パート1、ヒンジからベンドへ、そしてパート2、ツイストから回旋へ、を読む機会がなかったのであれば、パート3を読み始める前にそれらを読むことを強く勧めます。 もし読んだのであれば、次の話題にすすんでいきましょう:ランジからステップへ-ステップが私たちの紹介する「新しい」動作です。 ランジについて ジムにおいて、ランジは人気のある片側性の動作であり、筋力そしてモビリティの非対称性を認識するための優れた方法です。ランジは多目的に応用できるエクササイズで、無限のバリエーションがあり、そして様々な方法で筋を刺激するためにあらゆる可動域で行うことができます。例えば、ランジは歩行や、ランニング、スプリント、クライミング、そしてほとんどの二足歩行の移動の基礎となります。ランジの動作を向上させる時、下半身の加速と減速を伴うあらゆる活動の効率性を向上させることができます…パワフルな動きです。ランジをする時、足関節、膝関節、そして股関節が可動できるように、地面からコアを通して頭頂までの安定性を維持するように集中しましょう。簡単なように思えますね… TRXの教育課程では、ランジをTRXサスペンショントレーニングコース(TRXサスペンショントレーナーを使用または使用しない状態での基準を定める)、ファンクショナルトレーニングコース(複数のファンクショナルトレーニング機器へコーチングを拡大する)、そしてまたTRXグループトレーニングコース(グループトレーニングの環境でこの動作の基準のコーチングを学ぶ)で学びます。 ステップ vs ランジ TRXの教育コースを通してランジについて学ぶ一方で、その片われであるステップはコーチとしての知識ベースに追加するのに素晴らしいものです。私たちがランジを最初に教える主な理由として、ステップが関わってくる加速のエクササイズに進む前に、クライアントやアスリートに減速の仕方(身体が地面に向かって降りていく際に動作をコントロールする能力)を確実にトレーニングするためです。ランジは減速を上達させるために用いられる一方で、ステップは地面を押し出し股関節と膝関節、足関節、そして中足関節を伸展させる加速のための手段です。TRXサスペンショントレーニングの世界におけるステップの良い例は、TRXスプリントスタートという、力強いスタンディングのプランクポジションから始め、股関節の伸展を加えて、拇指球を通して地面を押し出し、臀筋を収縮させ、そして加速を作り出すために前方に伸びあがるといったのものです。 ステップはランジの「プログレッション」として教えることもできますが、ランジ中に膝痛を感じる人にとっての素晴らしい片側性のエクササイズの入り口としても使用することができます。 ステップのメカニクス ステップのメカニクスはスクワットからスタンドのメカニクスを反映し、両方の主なキューの一つとして身体を伸展させる際に地面を押し出すといったものがあります。これを分解していくと、立ち上がる際、下腿は胴体と平行に保ちます;ステップの目的は胴体を通して負荷を分配しながら適切な可動域を作り出すことです。TRXの教育コースで学んだことを振り返ってみると、ステップの動作の基準はどこが安定してどこに可動性があるかによって定義されます。脊柱は安定し、股関節、膝関節、足関節、そして中足骨頭には可動性があるべきです。さらにTRXの用語を持ち出すとすると、ステップにおける適切なTRXのスイング思考(クライアントが自身の間違いをより良く理解し修正できるようにイメージをベースにしたキューイングのシステム)は「身体をサーフボードのように」であり、動作を通して胴体を伸ばしたアクティブなプランクの姿勢を作り出して欲しいのです。 安定させるべき部位と可動性があるべき部位。TRXでは各基礎動作の基準を何が安定しているべきでどこに可動性があるべきかを基に定義します。 TRXのスイング思考 TRXのスイング思考は、クライアントが自身の間違いをより良く理解し修正できるように、イメージをベースにしたキューイングを用います。それぞれのスイング思考はTRXの基礎動作に分類されます。 プランク:「身体をサーフボードのように」 プル:「バーを曲げるように」 ヒンジ:「ズボンを引き上げるように」 プッシュ:「地面を押し離すように」 回旋:「シリンダーのように回旋して」 スクワット:「椅子に触れるように」 ランジ:「エスカレーターではなくエレベーターのように」 耳寄りな秘訣:プログレッションを勝ち取る ステップのエクササイズは外的負荷なしで始めるべきです。負荷は、クライアントが適切なメカニクスを用いて実施できるようになった時に加えることができます。例えば、微細な(もしあるならば)揺れにも目を光らせておきましょう。クライアントがプログレッションを勝ち取った時、そして負荷を加えるのが適切である時、ダンベルやケトルベルを加える、またはテンポを調節することで条件を変化させることができます。しかし、覚えていてください、リスクを最小限にし、クライアントの自信と習熟を最大限にするには、一度に一つだけ変化させることが重要です。 あなたのトレーニングに取り入れられる「ステップ」エクササイズの例: TRXスプリンタースタート: TRXハムストリングランナー: 試してみると良いさらなるエクササイズとしてボックスステップアップやスレッドエクササイズがあります。 最後に: つまるところ、トレーニングプログラムは個々のニーズに合わせて作り上げるべきです-全てのプログレッションは勝ち取らなければなりません。昔の格言で「走る前に歩くことを覚える」とあります。動作のセッションにも同じことが言えます。確かに、ステップアップをステップアップからジャンプのコンビネーションにすることはわくわくし楽しいことでしょうが、強度が増加することでリスクも増加します。もし、私たちの教育コースで学んだのであれば、FLACという頭文字語が何かわかるでしょう。FLACは:動作に集中する(Focus)、適切なレベルのプログレッションを学習する(Learn)、トレーニング負荷を適用する(Apply)、目標に向かってチャレンジする(Challenge)を表します。これは、トレーニングを考える際に組み入れるべきである経験から得られた素晴らしい考え方です。要点:あなたの目標は、トレーニング中にクライアントが安全で、けががなく、そして自信を持てる、適切なレベルのエクササイズを選択することであるべきです-そして、とりわけ、その選択を常に分析し、それから潜在的な「ご褒美」が実際に価値があるかどうかを検討しましょう。
TRX基礎動作の進化:プランクからクロール(這う動作)へ
過去数カ月にわたり、TRXの基礎動作(プランク、プル、ヒンジ、プッシュ、ランジ、スクワット、そして回旋)の進化について深く探求してきました。「進化すること」は、すべての動きの目標において欠かせない要素であるため、私たちの標準的な動きの語彙の拡張についてみなさんに説明するべき時だと感じました。目標は、あなたがクライアントや生徒のトレーニングにおいて、安全にチャレンジを与えるための追加の選択肢を提供することです。 あなたが、これまでのシリーズを読んできたのであれば(そうであって欲しいと願っています)、TRX基礎動作のピラミッドに関する3つの新しい追加要素についてすでに学んできました:ヒンジからベンドへ(パート1)、回旋からツイストへ(パート2)、そしてランジからステップへ(パート3)。もしこの記事から読みだしたという場合には、このシリーズの過去の記事に戻って、読むことをお勧めします。 このシリーズの最後は、すべての動作の基礎である、力強いプランク、そしてその漸進であるクロール(這う動作)で締めくくります。 プランク基礎講座 プランクは、通常、静的な4点支持エクササイズ-4つの手足で行われるという意味(例えば、手とつま先、または肘とつま先など)-と見られますが、プランクは他の全てのエクササイズに通じる動作です。スクワットからローロウ、ランジまで、私たちは、脊柱に適切なレベルの剛性を維持する「アクティブプランク」を強調しています。 「身体をサーフボードのように」というのは、身体のアライメントを正す視覚的イメージを与えるために、私たちが好んで使うTRXのスイング思考です。アクティブプランクは、最終的には、コアの筋力や耐久性を向上し、それが脊柱を守り、身体へ力を伝達することに役立ちます。家に、強く安定した完全な基礎が必要なように、人間の動きのシステムにも、よりよく動き、怪我を避けるための安定した基礎が必要なのです。関節に適切なレベルの剛性を創り出す能力は、初心者の1日目から10年目のベテランの1000日目まで、すべての人にとって重要です。要するに、アクティブプランクは、剛性と安定性のレベルの気づきを獲得することを助けてくれるのです。 ここまで読み進めてきたのなら、このシリーズは全て、条件を変えることだと理解しているでしょうから、プランクを少し変えてクロールという方法にするということは、おそらく想像できるでしょう。この最後の追加項目では、このプログレッションに着目し、プランクを練習することで獲得した能力と質の進化から分岐した、クロールをTRXの基礎動作のピラミッドの11個目の動きとします。 クローリングの考慮 警告として、クロールの核心に入る前に、すべての動作がすべての人にとって正解ではないということを覚えておくことが重要です。手首、肩、膝などの問題は、この動きの適切な紹介を必要なこととするでしょうし、極端な場合には、クライアントのプログラムからの除外を保証するものになるでしょう。大切なことは、TRXの教育コースを受講したことがある方なら学んだことがある、FLACです。FLACは、動作に集中する(FOCUS)、適切なレベルのプログレッションを学習する(LEARN)、トレーニング負荷を適用する(APPLY)、限界にチャレンジする(CHALLENGE)の頭文字です。一流のコーチならプログレッションは獲得するものであるとわかっているでしょう。今回の例で言えば、クロールを行うためには、まずプランクができるようにならなければなりません。 警告終了! さあクローリングをしましょう! 「でも待って、クロールをする際に、厳格で硬いアクティブプランクなんて維持できない!」と思う人がいるかもしれません。そう、その通りです。私たちが両手、両足を床につけて動く時には、四足歩行をする動物に見られるのと同様に、骨盤、脊柱、肩帯が、しなやかな動きを行う必要があります。あなたは、中軸骨格の周りの部位的剛性を作り出すことを思い出させるため、またはそれを動きのソフトウェアに再プログラムするためにアクティブプランクを学びました。クローリングは、1980年代後半にGracovetsky博士が「スパイナルエンジン(脊柱のエンジン)」と名付けたものを使うための、動的な安定性、適切な脊椎の分節運動、正しい肩甲上腕リズム、および腰椎骨盤リズムを促進します。これは、私たちがクローリングをアクティブプランクの進化として考える理由の一つです。 なぜクローリングなのか? クローリングは、両手と両足のつま先または母趾球を着いて行う、本質的には動くプランクです。クローリングは、全身のコーディネートされた動きであり、適切に行うことで、可動性、安定性、またコンディショニングをも同時に向上することが可能です。また、肩関節と股関節が調和された反射的な方法で共に働かなければならないため、機能的に体幹を強化でき、上半身と下半身のコーディネーションを改善します。 クロールはまた、原始的な動きのパターンという特色もありますが、私たちの日常生活のほとんどは、私たちから発達初期の地面での探索や遊びを取り除いてしまったために、クロールを学び、練習し、うまく行うためには、重大な認識注意が必要になります。この実践は、空間の中で胴体や四肢がどこに位置するかの認識としても知られる固有受容の改善にも繋がります。可動性を改善すると共に、より良い情報のインプットを作り出すことができます(神経系への求心性経路)。神経系が関節のポジションや、耐重量、圧、力の分散に関してより多くの求心性情報を持っているほど、外向きの、遠心性の動きの選択肢が実行されます。クローリングは、感覚受容器を豊富に持つ、足、つま先、手、指などを含むため、私たちはこれを固有受容リッチな環境と呼んでいます。固有受容を維持、改善できればできるほど、環境のより良い認識や適応、効率的に動くことが改善されていきます。効果的な人間の動きは、適切なレベルの剛性、柔軟性、収縮、適切なタイミングでの段階的なリラクゼーションの繊細な相互作用です。大事なことは、クローリングはこのような細かな質を磨く能力を改善できるということです。 無数のトレーニングの選択肢 大半のエクササイズと同様に、クロールは、生徒やクライアントの必要性に応じて漸進または後退することができます。自体重は始める段階として素晴らしいだけでなく、十分すぎるほどの調節の機会をも与えてくれます – ベビークロール、ベアクロール、クラブウォーク、ゴリラスクート、横方向や逆向きのバリエーションなど。高いレベルのアスリートには、クロールする際にTRXパワーバッグのドラッグを加えたり、重量ベストなどで負荷を加えて、様々な方向へ素早く動くことを要求してもいいかもしれません。クロールの経験の浅い人には、横方向への過剰な体重移動を避け、慎重に地面と触れ合うために、両手と(つま先ではなく)両膝をついた6点支持で、ゆっくり前方へ動くクローリングから始めるか、手足の配置を変えずに単純な前後の動きを行ってもいいかもしれません。 クロールは、単なる子供の遊びではありません。クロールは、身体機能の向上、より多様で面白いトレーニングプログラムの作成、精神と肉体のより良いつながりの構築、その他にも多くを提供できる、様々な要素を兼ね備えたエクササイズなのです。 これで終わりです! これで全てです。TRX基礎動作の進化に関する4パートにわたるシリーズを終えました! パート1では、ヒンジをベンドへ進化させ、精神と身体の空間(ヨガ、ピラティス)の中でのエクササイズのライブラリを拡張しました。パート2では、回旋からツイストへ進化する過程で、上半身と下半身の分離を加えました。そして、パート3では、減速のツールであるランジについて議論し、加速ベースのステップへとつなげました。最後に、プランクに動きを加え、クロールにして締めくくりました。 最後に この連載は、吸収するには非常に多い情報量ですから、クライアントのセッションやクラスに取り入れる前に、4つの新しい動きそれぞれを勉強し、練習する時間を取ることをお勧めします。あなたのアスリートがランジを習得したのなら、ステップを試してみるときかもしれません。プランクの間、サーフボードのような身体は維持できていますか?もしできているなら、チャレンジを変え、クローリングをさせてみましょう。さらに、ファンクショナルトレーニングツールを使って「条件を変える」ことにより、それぞれの動きをさらに促進することもできます。そうすることで、さらなるチャレンジを作り出し、統合する手助けになるのです。
旅行中のワークアウト
飛行機や列車、自動車での旅行が続くと、身体は固まってしまいがちです。運動をする場所がすぐに見つけられない時でも、TRXサスペンショントレーナーがあれば、ホテルの部屋でも自宅の部屋でも、簡単にエクササイズすることが可能になります。ドアアンカーを使って是非お試しください。
TRX ヨガ:フロー
TRXサスペンショントレーナーを使用する全く新しいタイプのヨガのプログラムを開発したクリスタル・セイが、TRXヨガのイントロと、2つのポーズをリンクしたフローの例をキューイングとともにご紹介します。サスペンショントレーナーを使うことで、コアが反射的に働き、全く新しいセンセーションを経験することが可能になります。
TRX ヨガ:フライングピジョンプログレッション
TRXヨガのプログラム開発者であるクリスタル・セイが、エカパーダ=フライングピジョンと呼ばれるポーズの3つのプログレッションを、段階ごとに丁寧に指導します。コアへのチャレンジとなるポーズを、より安全に実行するためのキューイングを確認しつつ、段階に沿ってチャレンジしてみてください。
サスペンショントレーナーをバランスに利用する
TRXマスターインストラクターであり、TRXヨガの開発者であるクリスタル・セイが、サスペンショントレーナーをバランスのサポートに有効に活用したバランス向上のためのエクササイズを2つご紹介します。明確な指示と段階的な指導で初めての方でも無理なくチャレンジできますよ!
屋外でのクラスを開始するための6つの内部者情報
現在は、かつてないほどに、屋外でのスペースでトレーニングできるということが、フィットネスビジネスを継続するためのカギとなり得ます。設置とエクササイズのオプションに関するTRXサスペンショントレーナーとリップトレーナーの万能性は、これらのツールを、あらゆるオーナーまたはトレーナーにとってかけがえの無いものとし、そしてそれはこのパンデミックにおいて特に当てはまることになります。もしあなたがクラスを屋外で行おうとしているのであれば、アクセスのしやすさ、万能性、そして自然の設置の選択肢から、公園は特に素晴らしいオプションになるでしょう。飛びつく前に、CDCによって制定された公園緑地管理の手引きを少しチェックするようにしましょう。そこから先は、クライアントに対して屋外で、効果的で、楽しく、そして安全な体験を提供するための私たちからのガイドを紹介します。 1. 適切で利用可能なスペースを選ぶ 何人ぐらいの参加者をあなたが受け入れようと計画しているかによって、参加者と器具、そして実施したいトレーニングの種類を収容するのに十分なスペースが必要となるでしょう。それぞれの参加者に運動の実施場所が必要であることを頭に置いて、参加者を同じ場所に留めておくか、それとも場所から場所へと移動させるかを決めてください。トイレと水飲み場が近くにあるようにすることも、クライアントの快適さをより確実にすることができます。 時間帯や利用可能な駐車場、平均気温、照明/視野、地面の種類、そしてその場所にいる他の人のことを考慮しましょう。他のビジネスや公園に通う人達から離れた場所を見つけることで、より多くの自由度が与えられ、クライアントのプライバシーも守るでしょう。 公共の公園のような、共有の公共スペースであれば、周囲にいる全ての人の邪魔にならないように最善を尽くしましょう。もしスピーカーから音楽を流すのであれば、趣味の良いものであり、適切な音量であることを確実にしましょう。 注釈:他のビジネス、駐車場、そして私有地は、所有者からの同意書や権利放棄証書がなければ、合法な選択肢ではありません。 2. 自然の/利用可能な設置場所 サスペンショントレーナーとリップトレーナーを設置するのは短時間で簡単ですが、これが安全に、そして、自然や私有物を一切害することなくできるようにするべきです。サスペンショントレーナーは木の幹や枝にしっかりと設置できますが、参加者があなたのことが見え、そして聞こえるように十分に近くに設置することが重要です。その場所に決める前に、ストラップが木の幹の周径にフィットするか(エクステンダーが必要かもしれません)、そして全ての人に十分な固定場所があることを確認しましょう。ちなみに、リップトレーナーは公園のベンチや頑丈なフェンス、電灯などにしっかりと設置でき、そして、普段と違うことをしたい時は、二つの別々のリップトレーナーのレジスタンスコード同士を互いにクロスして留める事でパートナーモードとして使用することもできます。 おまけ:もし参加者に、セッションの最初に(ウォームアップの一端として)自身のストラップやリップの設置方法を教えるのであれば、設置と撤去の時間短縮になり、そしてクライアントが家にTRXの器具を所持しているのであれば、その方法がわかるようにもなります。 3. アクセスのしやすさと快適さ 実施場所へ辿り着くのは簡単であるべきです。近距離に十分なパーキングがある中心部のロケーションであることは重要です。参加者がその場所へ荷物を持って来なければならない時は特に。日陰や、日差しや雨からの避難場所があることは、悪天候の中でもセッションを続けられるためのボーナスです。 4. 宣伝する あなたのクラスと新しいロケーションを売り込むことは難しいことかもしれませんが、選択肢は沢山あります。その場所であなたが(サスペンショントレーナーかリップトレーナーを使用して)トレーニングをしている写真/動画を自身の全てのSNSに投稿することは良い出発点です。集めたい参加者のレベルを念頭に置いておいてください。例えば、もしあなたが初心者や高齢者を集めたいのであれば、TRXでの逆立ちの動画を投稿することは推奨しません。 あなたのロゴや連絡先を掲載した、小さなプラスチックの看板、または枠に入った看板を幾つか購入し、クラス開催中に様々な方向に向けて設置することもできます。通行する人たちが、近くを通りかかって何をしているか興味を持った時、参加するためにどのように詳細情報を得る方法を知ることができます。さらに、1週間前に無料での参加をオンラインでプレゼントすることも、あなたのクラスに目を向ける非常に素晴らしい方法です。 5. 法的な基盤を整える−許可証と事務手続き もし公共の公園を利用しようと思っているのであれば、あなたの街の公園緑地管理部署から許可証をもらう必要があるかもしれません。公共の公園のための許可証を得ることは難しいことでしたが、パンデミックが皆を屋外へ駆り出しているので、一部の役人はトレーナーが必要な許可証を得ることを容易にしています。費用や事務手続きは最小限であり、そのスペースを合法的に使用することができるとわかっているので安心することができます。クラスの途中で警察官に止められた時や、他のトレーナーが同じ場所を使おうとした時にこれが役に立ちます。 あなたのクライアントが皆、以前の指導場所で免責同意書にサインしていたとしても、新しいロケーションを反映してその書式をアップデートする必要があるでしょう。必ず緊急時の連絡先を得るようにし、誰かがその環境によって悪影響が生じるアレルギー−蜂のアレルギーは緊急時のエピペンが必要かもしれず、芝生/空気/花粉のアレルギーはマスクや吸入器、マットを持ち合わせる必要があるかもしれません−があるかを確認しましょう。 6. 安全性 トレーニング中に皆を安全に保つことは、最優先であるべきです。屋外でのクラスで持ち合わせておく必要のあるものは以下の通りです: 非接触の体温計とサニタイザー 日焼け止めと虫除けスプレー 救急箱 健康情報(全ての参加者のものと彼らの緊急時連絡先)があなたの携帯に記録されていること 予備の飲料水 あなたの提供するサービスへ順応していく際に、参加者の根気と理解に感謝することを忘れず、また皆が過度のストレスに向き合っているため、あなた自身の根気と理解を表し続けることも忘れないでください。自身の健康に継続して目を向け、一日一日を大事にすれば、私たちは皆これを切り抜けるでしょう!
動きはバイタルサインである
「あらゆる年齢において、健康のために健康を追い求め、そして最も良い身体状態に作り上げられ維持された身体を持つ全ての人たちは、他人が授けるあらゆる名誉、肩書き、殊勲よりも大きな褒章を所持していると感じるでしょう。彼らはそれと共に、幸せや楽しさ、仕事や身体を動かす能力、陽気さなど、運動不足で不健康な人が退廃的な文明の中の人工的な誘惑からは絶対に見いだすことができないものを得るでしょう。彼らは途切れることなく注がれる、神々の美酒よりも新鮮で刺激的な人生を、日々過ごすのです。」 - Eugene Sandow (「The Father of Bodybuilding」 1867 – 1925) (パート2はこちらへ) TRXでは、動きを、コーチ、インストラクター、または臨床医とアスリート、クライアント、または患者の間におけるコミュニケーションの形だと考えています。言い換えれば、個々がどのように自身の動きの習慣を選択し、実行するかが大きな意味を持ちます。個々やグループにとって効果的で刺激的なトレーニング環境を作り出すことには、「身体的な教育」が含まれるべきであり、そこでは特定の基準が明確で、生理的な反応と適応を促すように効果的な自身の身体の動かし方を探求し、学習できるようなフィードバックが与えられているべきです。 「動きの教師」として、あなたはコミュニケーションのスキルを向上させるよう常に努力するべきです。言い換えれば、あなたはそれぞれの人がどのように動いているかを「聴きとり」、コーチングのキューを適宜与える必要があります。人々がどのように動いているかをよりよく認識できることで、あなたは向上させるためのより良いコーチングができるでしょう−そして、それはより速く、より持続可能な結果と同じことなのです。TRXのムーブメントに基づいたトレーニングシステムは、あなたの動きを見聴きする方法を向上させ、そしてコーチング、コミュニケーション、キューイング、そしてプログラミングの体系的な戦略で対応するために作成されました。このTRXサスペンショントレーニングコースは、最も万能的なファンクショナルトレーニング機器であるTRXサスペンショントレーナーを用いたTRXコーチングシステムへの導入となります。 動きが個々の健康の指標となるべき理由 動きはバイタルサインであるという考え方は、フィットネスの忘れられた構成要素としての動きを認識するという、TRXのトレーニング哲学から発展しました。典型的なフィットネスの構成要素には筋力と筋持久力、有酸素能力、柔軟性、そして体組成が含まれます。これらの領域にはいくつかの一般的に受け入れられた数値があり、それには最大挙上重量、プッシュアップの最大反復回数、VO2Max、長座体前屈、静水力学的計量法が含まれます。エクササイズの目標やトレーニング、そしてトレーニングプログラムは、フィットネスと健康の基準を満たし、そしてそれを超えるために作成されます。 しかし、このモデルは人々が上手に動くことを仮定しているようで、そして多くの場合でそれは間違った仮定です。モビリティ、運動制御、正確性、筋力、そして流動性の適切な水準で上手に動くということは、パフォーマンスの向上に貢献するだけでなく、耐久性、レジリエンス、そして総合的な健康にも貢献します。健康と医療の分野におけるバイタルサインには、心拍数、血圧、呼吸数、体温、そして血中酸素濃度があります。これらは、健康状態と生理的機能の変化を短時間で明らかにするために、生物学的な水準と共に基本的な数値として用いられます。 更なる評価方法を追加するために、2001年ごろに、更なるバイタルサインとして10点での痛みのスケールを含めようとする試みがありました。この試みの一端は、筋骨格系の痛みと怪我に取り組むためのものでした。残念なことに、一部の人たちはこれがオピオイドの流行につながったと考えており、なぜなら多くの場合で痛みは、異なる潜在的なメカニズムからの症状ではなく、結果として扱われていたからです。 概して、フィットネスとパフォーマンスの専門家としては、私たちの仕事は、診断や痛みを治療することではなく、筋骨格系の損傷や、オーバーユース、そして怪我のリスクを減少させるために、動きを包括的なフィットネスプログラムの構成要素として取り組むことができ、また、そうあるべきです。動きが悪いと、身体の組織に許容範囲を超えた負荷がかかりますが、「より良く動くとき」には、身体の組織やシステムが効果的かつ健康を促進する形でのエネルギーの分散、吸収、蓄積、そして回帰に適した形で負荷やストレスがかかるのです。これが、TRXが動きをフィットネス、パフォーマンス、耐久性、そして健康の重要な構成要素であると考える理由です。 あなたがアスリートやクライアント、または患者に対してコーチングしたり、教えたり、または関わる際に、どのようにトレーニングを作成し、指示するかは、あなたが計画したことと実際に起こることの動的な相互干渉となります。あなたのトレーニングセッションを紙の上からジムへと持ってくることは、あなたが計画したことと、見たことに応じてどのようにその場で「変化」させなくてはならないか、ということを組み合わせたものになります。これは、質の高いコーチングの際立った特徴の一つです:リアルタイムの問題や個々のパフォーマンスの強みや弱みを基にして異なる方策を用いて、いかにして意図したトレーニング計画を実行することができるのでしょうか? コーチング技術の一部は、アルゴリズムの一種と考えることができます。あなたのトレーニング計画とあなたの目の前の人の潜在的な予期せぬニーズを同時に達成するために、あるトレーニング状況の問題点を解決するためのあなたのプロセスや一連のルールは何でしょうか?もし自身のプロセスを明確にできないのであれば、それはあなたが取り組むべき領域かもしれません。TRXの基本的な動きとTRXプログラミングレンズの体系的な応用は、容易に扱うことができ、そして動きを効果的にするためのパワフルな方法であると証明されています。 TRXスイング思考-キューイングの方法論 プランク:「身体をサーフボードのように」 プル:「バーベルを曲げるように」 ヒンジ:「ズボンを引き上げて」 プッシュ:「地面を押し離すように」 回旋:「(シリンダーのように回旋する」 スクワット:「椅子に触れるように」 ランジ:「エスカレーターではなくエレベーターのように」 コーチング時に利用できるルールのシステムを持つことは常に役に立ち、身体的な文化をあなたのトレーニングや施設、ビジネスにおいて作り上げることは、あなたが指導する人たちが「正しい動きがどのように見えるか」や「正しい動きはどのように感じるか」といったことを理解するための十分な構造や情報だけでなく、そこに最も効果的にたどり着く方法を探求し発見するための十分な自由度を得ることに焦点を当てるべきなのです。これは、私たちが「スイング思考」と呼ぶ、一部の喚起的なキューイングやコーチングのポイントについて彼らとコミュニケーションをとることを意味し、それによって、彼らが自身のために学習し、自身の一連の動きの発見法を研ぎ澄まし始めることができるのです。 伝えてくれれば私は忘れ、教えてくれれば私は覚え、巻き込んでくれれば私は学習するだろう。 – ベンジャミン・フランクリン アクティブなコーチングとは、あなたがクライアントたちをどこへ導くかのみでなく、彼らのニーズや能力に応じてどのようにそこへたどり着くかを認識するということです。多くの場合で、彼らの動きの行動は、そのプロセスの実際の進み方をリアルタイムで見るためのパワフルなツールになりえます。 筋力やモビリティ、パワー、そして持久力でさえもあなたが練習するスキルであると考え始めた時、自身のトレーニングとコーチングは新しい段階へと進み、それらはジム外で身体学習の枠をこえて移行されます。目的を持った慎重な実践は、物事をより小さな集中的な構成要素、または目的へと分解することを意味し、それらはコーチによる効果的なフィードバックを用いて能力を向上させるために繰り返し行われます。 これはあなたがクライアントに対して動機づけを行い、目標志向であることを意味する。 あなたは、個々の能力を適切なレベルのプログレッションやチャレンジとマッチさせることを効果的に行う。 あなたの指示/指導が明確で、定義された基準を持ち、その過程で小さな勝利につながる。 グループや個人に効果的、具体的、そして実行可能なフィードバックを与える。 個々の快適域を明らかにし、そこを多少越えさせる時を理解する-その域から離れすぎないように! 何よりも、参加したいと思えるような体験を作り出すために身体的、感情的、そして精神的なキューイングを用いる。 自身に問いかけてみてください-あなたは動きに着目していますか?あなたのクライアントが伝えてくること全てに耳を傾けていますか?あなたのコーチングのシステムは、動きを強度や学習の要因として見つけ出し、対応していますか?さらに良くすることはできますか?それが、TRXのトレーニングとコーチングの背景にあるモチベーションです。サスペンショントレーナーは独特に効果的で、固有受容器に対する刺激が豊富な環境を提供し、それによって負荷(ベクトル負荷と振り子の原則)およびあなたの支持基底面と重心との関係性(安定性の原則)に対する迅速で効果的な変更を可能にします。このトップダウンの不安定性と床反力の驚くべき効果的なブレンドによって、あらゆる人のニーズと能力に応じてエクササイズを調整できるのです。 TRXの動きを基盤としたトレーニングのシステムとサスペンショントレーナーの組み合わせが、パワフルなトレーニング、学習、教育、そして指導のプラットフォームを実現させ、そのプラットフォームは、あなたとあなたのアスリートやクライアントがトレーニング目標を達成し維持するためにエビデンスを基にした有益性を提供するでしょう。
動きはバイタルサインである パート2
TRXのトレーニングとコーチングの方法論は、動きの様々な領域を明らかにし、指導し、そしてプログラムを作成するための体系的な取り組み方です。目的は、あなたのクライアントに対して自身の動き方や姿勢をとる能力の向上方法、そして一つの姿勢から別の姿勢へと効率的に移行する−私たちが「変位する能力」と呼ぶもの−方法を自分のものにするよう推奨することです。姿勢と変位の能力の向上は、動きをその構成要素に分解することで成し遂げられます。一旦、これらの構成要素を理解し、実践し、「自分のものにする」と、フィットネスのレベルに関係なく、誰にでもそれらを組み合わせ、そして実行することができます。あなたのコーチとしての役割は、それぞれのアスリートまたはメンバーが成長できるような、適切な学習とトレーニングの環境を作り上げ、提供することです。 この「動きはバイタルサインである」シリーズの第2回目では、動きの評価方法や、欠陥のある箇所の判断方法、そして、あらゆる人がより良く動き、感じ、そしてパフォーマンスを発揮する手助けをする方法の伝え方をカバーし始めていきます。 もしこのシリーズのパート1を読む機会がなかったのであれば、先を急ぐ前にそちらを読むことをお勧めします。こちらからチェックしてみてください。 最初に、動きを評価しましょう クライアントをより良い動きへと向かう道筋へ進めるにはどうしたらよいでしょうか?常に可動域は良い出発点です。可動域(ROM)は、特定の動きに含まれる軟部組織の伸張性・適合性と関節のモビリティの組み合わせです。直線上または角度の変位量、動きの容易さ、そして快適さの感覚は全て、特定のタスクにおいて実施できるROMに貢献します。 例えば、足底筋膜炎やふくらはぎの硬さを経験する人は、特定の動きを実施するための能力に影響を及ぼす足関節のモビリティに制限をもつでしょう。エクササイズの選択は、ROMやその可動域がどのように得られるか、そしてTRXの原理である「どこに可動性があり、どこに安定性があるべきか」ということを考慮するべきです。動き、モビリティ、そしてROMも局所的、部位的、全体的、そして環境的なレベルで評価されるべきです。 動きを評価、または「耳を傾ける」、別の方法は、筋力を用いたもので、筋力、別名:ある人の力を発揮する能力であり、高負荷、低速度によって筋緊張を適切なパターンで発揮するように、絞り出すように実施します。健康的なモビリティが適切な筋力と安定性のレベルと組み合わさることで、動きの質を最適化できます。あなたやあなたのクライアントがある姿勢を取ったり、ある動きを行ったりすることが難しいのであれば、それは時に、モビリティ、安定性または筋力の制限のためであるかもしれません。 動きの欠陥に注目する 制限をピンポイントに指摘するための独特で効果的なツールがTRXサスペンショントレーナーであり、それは使用者が動きの負荷を減らし、より容易に正しい姿勢をとらせることを可能にします。クライアントやアスリートが動くにつれ、トップダウンの不安定性によって、ROM全体を通してどれだけのコントロールを示したかについて即時のフィードバックを得られます。そこから、「正しい姿勢がどのように感じられ、どのように見えるか」を実践するためにアンカーポイントに対する身体の姿勢を変化させることができます。身体の姿勢は、そこから負荷や安定性の状態を変化させ、トレーニングによる刺激を最適化させるために変化させることができます。 動きを向上させる TRX基礎動作の方法論とTRXのコーチングシステムはより良く動くことと、「動きは修練するスキルである」という原則に基づいて構成されています。動きを修練するためには、明確で、特異的で、そして測定可能な目標とパフォーマンスの基準を持つ必要があります。TRXサスペンショントレーニングコース(STC)においてこれらの基準について深く掘り下げています。 さて、動きに取り組み、基準を設定し、そして人間の動き全般を向上させる実用的な方法とはどんなものでしょうか。 1.土台を作る 最も基本的なレベルでは、エクササイズやスクリーニング、またはどんな動きにおいて「何に可動性があるべきで、何に安定性があるべきか」から始めましょう。TRXの基礎動作−プッシュとプル、回旋、ヒンジ、スクワット、ランジ、ステップ、そしてプランクでさえも−は特定の基準で実施されるべきです。コーチとして、あなたはパフォーマンス基準と正確性がしっかりと満たされるために、個別で効果的なフィードバックを与える必要があります。これを達成するためには、素早く評価できるフォームとテクニックを理解し、人々が基準まで上昇し続けるように効果的なキューイングやコーチングのポイント、「スイング思考」を与えることが重要です。 フォームやテクニックは必然的に劣化するかも知れませんが、クライアントを指導し、チェックダウン(変更)でエクササイズを変え、またはリセットしたり、短い休憩をとったりする許可を与えることもコーチであるあなた次第です。言い換えると、一旦あなたが基準を設定し伝えたら、クライアントは自身のパフォーマンスに対して責任を持たせなくてはなりません。これは、次のプログレッションに進むために、動きの基準の正確性を示さなければならないことを意味します。水準に忠実であることで、あなたはどのように「正確性が強度を促進」するか、そして、質の高い動きのパフォーマンスかを理解するでしょう。 2. 条件を変化させる 動きの能力を向上させる次の方法は、スピードや速度、そしてテンポを明確にして評価し、そしてそれに応じて動きを調整することです。サスペンショントレーナーで動きをゆっくりにし、コントロールされた速度で姿勢と変位の能力を示すことは自身の弱みをさらけ出すような経験になり得ます;トップダウンの不安定性の中で弱い部位や代償を隠すのが、より難しくなるのです。そこから、あなたのクライアントがチェックダウン(後退)もしくはステップアップ(漸進)が必要かどうかを判断し、トレーニングの流れを乱すことなくそれに応じた指導をすることができます。 サスペンショントレーナーはスピードやエクササイズのテンポの変化を容易にします;例として、アイソメトリックのスクワットホールドからゆっくりとした全可動域を使ったスクワット、スピードスクワット、そして最終的に爆発的でバリスティックなスクワットジャンプまでの迅速な移行に役に立ちます。 動きを評価し、エクササイズを変化させる際によく見過ごされがちな方法の一つは、速度を考慮することです。速度はスピードに関連していますが、さらに動きの方向と運動面についても関係があります。前額面や水平面のエクササイズを含めることはサスペンショントレーナーの強みの一つであり、これはアンカーポイントが一つである事のおかげです。 3. 機能に注目する ファンクショナルフィットネスはあらゆるトレーニング計画における必要不可欠な構成要素です。私たちはファンクショナルトレーニングを、トレーニングプログラムの他の要素や、トレーニングセッション外での日常生活の活動に移行する、動きやエクササイズ、そしてトレーニング負荷と定義します。 プログラムを作成しセッションのコーチングを行う際は、クライアントが計画的もしくは予期していないジム外での課題に直面した時に、ROMや負荷、フォーム、そして速度がどのように「現実世界」へと移行するかを考慮することが重要です。自問してみてください、その日のトレーニングの目的は何か、そしてその向上したスキルや生理学的な特性が、今後来るべきことに対してどのように移行するでしょうか?トレーニング時のエクササイズの選択や並び順やプログラムにおけるあなたのトレーニングの組み方によって、トレーニングの適応がどれだけ機能的で、移行でき、そして効果的であるか決定されます。 動きを優先する取り組み方 トレーニングしている人の数だけトレーニングプログラムの結果があります。例えば、特定のROMで実施できる能力と力発揮のレベルが、成し遂げられる仕事を決定します(力×距離);ある仕事量を行うのに必要な時間が、パワーの出力を決定します(仕事÷時間);そして一定の仕事またはパワー出力を維持できる時間が、持久力またはワークキャパシティを決定します。 持久力は、定常状態、またはより「有酸素的」なエクササイズの種類に一般的には応用されます。しかし持久力とワークキャパシティは、その状況に特異的です。様々な急性的で生理学的な反応と慢性的な適応はトレーニングのボリューム(総合タイム、総レップ数)によって決まりますが、多くの場合で人々は、森を見ることで木を見逃しています(詳細を見落としています);動きの質に注目することは、ボリュームやボリューム−負荷と同じくらい−もしかしたらそれ以上に重要です。20レップを1セット行うことと1レップを20セット行うことは違うことなのです。 TRXの動きに基づいたトレーニングは、まず動きに注目するために作成されテストされてきました;各々が、正しい部位が安定して可動性があり、適切な抵抗−スピード−持久的な負荷をかけ、そして安全で効果的、かつ楽しめるような形で自身の限界に挑むといった、自身のプログレッションの適切なレベルを学ばなければなりません。 TRXの基礎動作の方法論とTRXのプログラムレンズのシステムを用いて体系的な方法で動きを分解できるようになれば、効果的で魅了的なトレーニングとプログラムを作成することはより簡単で速くなるでしょう。あなたのプログラムは、効果的で調整可能であることで時の試練にも耐えるでしょう。 最後に、一度に1人または多くの人達をいかに知覚し、分析し、評価し、そして反応するかを理解することで、毎回グループの環境において優れたパーソナルトレーニングの体験を提供するための正しいチェックダウン(後退)やステップアップ(漸進)を明らかにできるでしょう。 フィットネスの専門家として、あなたの技術や価値はあなたの知識と意思決定に基づいています。 私たちは皆、偏見やできないことがありますが、それに気づかなかったり無視してしまうならば、それは問題となります。 積極的に動きに「耳を傾ける」ことで、あなたのコーチングの能力を向上し、クライアントやアスリートが目的を持ってとり組むことを可能にするでしょう。 強度を促進させるために動きの正確性を利用しましょう。 あなたが目にすることに応じて、自身の「チェックダウン」や「ステップアップ」を作り上げましょう。
ゴルフのための3つのエクササイズ
TRXマスターインストラクターであり、ゴルフパフォーマンススペシャリストであるトレバー・アンダーソンが、ゴルフのパフォーマンス向上のための3つのモビリティドリルを、TRXのトレーニングツールを使ってご紹介します。
楽しいコンビネーションの動き
基本的な動きに様々な要素を加えて、より楽しくチャレンジレベルのアップした動きに変化させるサスペンショントレーニングのアイデアを、TRXシニアコースインストラクターであるブリトニーがご紹介。コンボの動きの大ファンであるブリトニーが、いつもの動きを少し捻った楽しさを届けてくれます。 1セット 1️⃣ TRX プルアップ 2️⃣ TRX プルアップ + ヒップブリッジ 3️⃣ TRX プルアップ + ヒップブリッジ + ハムストリングロック 2 セット 1️⃣ TRX ステップバックランジ 2️⃣ TRX スイッチランジ 3️⃣ TRX トラベリングスイッチランジ 3 セット 1️⃣ TRX クロスバックランジ 2️⃣ TRX クロスバックランジ with リーチ 3️⃣ TRX クロスバックランジ with レッグリフト