マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてXPとKoinを獲得すれば理解も深まります。
自己制御式エクササイズの価値
著書である“ムーブメント”では、自己制御式エクササイズとは何か、そしてこのタイプのトレーニングがいかに私達の弱点や欠点を暴くかを説明していますが、昨今のフィットネスやスポーツ文化において、どのようにこの専門技術を、患者やアスリート達に浸透させればよいのでしょうか? ケトルベル運動の1つである、ターキッシュゲットアップにまつわる話から始めましょう。 遠い遠い昔、ストレングスの学校に行ったとすれば、そこには、とてつもなく強靭な人達が集まっていたことでしょう−高重量の物を持ち上げて、あなたは、”先生、どうか重い物の挙げ方を教えて下さい”と尋ねます。そこで教わるのは、ターキッシュゲットアップでしょう。 あなたがターキッシュゲットアップで、左右共にかなりの高重量を扱えるまで、彼らは何も教えてくれないでしょう。そして “片側で重い負荷を持ち上げて立ち上がることができ、向きを変えて逆側でも持ち上げて立ち上がることができれば、私達の所へ戻ってきなさい。超高重量の持ち上げ方を教えよう”と言うでしょう。 言い換えれば、”モビリティ、スタビリティと左右対称性をしっかりと備えなさい。キャリーが習得でき、適切な柔軟性を獲得できれば、強くなることを助けてあげましょう。なぜなら作業の90%はそれで完結するからです。私たちはただ、あなたが数年かけて自分で覚えるテクニックをいくつか見せるだけです。”これが教育というものなのです−あなたが私達の話に耳を傾け、そして実行した試してみた時により良い方法を教えることなのです。 こういった昔話には、人生の教訓が詰まっています。映画””ベストキッド”を思い出してください(どの作品でも大丈夫)。あなたはただやみくもに壁を塗っているわけでも、車のワックスをかけているわけでも、庭に砂を撒いているわけでもありません。動きのパターンを学んでいるのです。これらのパターンを、後に攻守一体となった闘争的な動きに役立たせる為に使うのです。 この比喩表現が理解できない患者さんもいるでしょう;現実においては厳しくしなくてはいけないこともありますし、次のレベルに進むのを制限しなければいけないこともあります。プログレッションは潜在的リスクを背負うこともありえ、かなりの規模で適合能力に欠けてしまうこともあるでしょう。 能力に制限があると、次のレベルに適応することは難しくなります。ですから次のレベルで受けるストレスや要求される複雑性、能力へのアクセスを制限するのです。そのレベルは統計的に見ても適応には向いていません。今のレベルでやるべきことがいくらでもあるのですから。 自転車の補助輪はあなたをより良いサイクリストにしてくれるわけではありません。とも言えます。ただ単に、トレーニング量を増やし、自信をつける段階で怪我をしないようにしてくれるだけです。補助輪は、あなたの自転車に乗る能力を修正してはくれません。一つのレベルであなたを怪我から守るのです。補助輪を取り除くまで自転車の乗り方は覚えられません。なぜなら補助輪がある限りバランスは重要ではないからです。 一般的な西洋的メンタリティーを考えてみてください。私達はバランスよりも前方に推進することを重んじます。前方推進力は大切です。いかにバランスを保つかなわけですが、もしバランスをとらずに前に進もうとすれば、きっとうまくいかずに何度か転ぶでしょう。私たちは、そうやって学んでいくのです。 アリストテレスは、”痛みなくして学び無し”と説いています。自分の子供達のために環境を設定する時、アクシデントは起こるものです。私達はアクシデントの度合いをコントロールできますし、学びの度合いもコントロールできるのです。 私はよく、沢山の高齢者が片脚バランスの取り方を学ぶ為に、この “ストーク”トレーニングを行っているのを目にします。床から 1.5cmから3センチの高さの小さなバランスビームを置いて、スキーのスティックやステッキ、杖のような物を使って歩かせることもできます。5mを歩き終わったら、ピボットして向きを変えて、スティックを床に置くように指示するでしょう。彼らは完璧なフィードバック・ループを持っています。”何回バランスを失ったか?”と聞けば、彼らは正確に何回か答えるはずです。 成功と失敗は表裏一体であり、これこそ脳が求める学習法なのです。 私達は能力というものをはっきりと定義づけ、セラピストと患者が互いにこの能力に同意したときに、自己制御ドリルを設定するのです。もし患者がセラピストのコレクティブエクササイズでフィードバックを得られなければ、それは評価の一部となります。もしあなたが出したホームエクササイズで患者がフィードバックループを得られなければ、ただ紙一面に書かれた数字、セット数、回数を渡しているだけ担ってしまいます。それでは人を動かすことはできません。 計画的なトレーニングの状況で、人を動かすことができるのです。計画的トレーニングは自己制御エクササイズです。行き当たりばったりではいけません。しっかりとした目標に向かって球を打つのです;いつ的を打つのか、またいつ的を打たないのかを認識しなければなりません。計画的トレーニングの本でお薦めの2冊は:ザ・タレント・コードとタレント・イズ・オーバーレーティッドです。 もしあなたが愛する家族の為にトレーニングメニューを作るのであれば、セラピーにおける多くのエクササイズプログラムがこういった形で作られるでしょう。ですから誰に対しても大切な家族として扱うというのが私からのアドバイスです。感覚に富んだ環境、ゆっくりと確実なプログレッション、独立的で持続的であれは全てうまくいくことでしょう。私があなたの母親を自分の母親のように接し、もしあなたも同じように接するのであれば全てがうまく行きます。 そこには、我々が理解すべき倫理と同意すべき基準があります。もしあなたが倫理的にその基準を保持しないのであれば、職業があなたに対して対応するでしょう(もしくは生活、社会または商業的なものが対応するでしょう)。あなたは容認可能な仕事のレベルを最低限に落とすこともできますし、自分で基準を引き上げて、コミュニティーがそれを受け入れるのを見ることもできます。 私は交渉を避けるために、これらの自己制御エクササイズを使っています。人は交渉に持ち込むことを好むのです(あなたが自分のダイエットプランを作成する人とバトルすることを想像して下さい)。これは出来る?あれはどう?両方出来ますか? ムーブメントにおける我々の第2の原則は “修正する前に保護し、発達させる前に修正する”ことです。あなたを守らなければならない。何よりまずあなたを私とその環境から守らなければいけません。次に、何が正しくて何が悪いのかを理解する必要があります。なぜならあなたは、実際にできないスクワットや取れないバランスをできると思い込んでいるからです。 あなたは地域歩行者で、片脚立ちでは10秒以下だとします。地域を歩き回ることが可能であり、実際練習においては歩けるので地域歩行者であると思っています。しかしあなたはとても高いリスクを背負っているのです−あなたが転ばないことに賭けることはないでしょう。これが私達のやり方なのです−率直な会話。強硬派です。 生命兆候が我々に与えてくれるものは、これなのです。視覚検査においては強硬でなければなりません。正常の視覚から離れているときに何をするのか、私達は知っています。動作が受け入れ可能な生命兆候や標準から程遠い場合、何をすべきかをはっきりと理解する必要があります。もしコンプライアンスに問題がある場合は、単にさらなる話し合いの場を持つか、あるいは患者を解雇します。シンプルなことです。 多くの人が笑い飛ばすでしょうが、私達がセラピーやコーチング、そしてトレーニングですることの多くは、単に理にかなったアドバイスです。どこかのポイントでそのアドバイスが受け入れられなかった場合、特にそれが患者にとってのリスクになる場合、あなたのアドバイスに価値を見出さなかった患者との関わりを持つのを望まないということを表明することは重要です。 それでは、私は誰かを首にする必要があったでしょうか?ありません。以下のような話し合いを持つだけです。 “もちろんあなたを好きなようにさせてくれるドクターは沢山いますが、あなたはここに来るまでに自分の好きなようにやってうまくいかなかった。ですからここは私に任せて下さい。何をどうやって変えるのかをお見せします。変化がなければ正直に伝えますし、またその変化をどうやって計測することができるかもお見せします。” “私達はただあなたの症状を計測しているわけではありません。症状に加えてあなたの機能を計測して、機能と症状は関連性を持っていることを表明しようとしています。なぜなら症状がムーブメントや機能との関連性を持たなければ、ムーブメントベースのセラピストがあなたに適しているかどうかもわからなくなってしまいます。もし私があなたの症状にムーブメントの要素が関わっていることが証明できなければ、他の専門家への照会を考え始めなければならないでしょう。”
ドロップ・スクワット
皆さまのゴールデンウィークいかがだったでしょうか?Craig LiebensonのPS2ADも開催されましたね。参加された方が本当に羨ましいです。 私はチームの試合帯同のため参加できませんでしたが、次回こそは是非参加したいものです。 私がS&Cコーチを務めるJTマーヴェラスは毎年ゴールデンウイークに開催され、バレーボール界では恒例の黒鷲旗全日本選抜バレーボール大会で優勝することができました!大会二連覇を成し遂げた選手たちを誇りに思います。 大会は6日間、6試合中4試合がフルセットとなる非常にタフな内容となりましたが、トーナメント最終日まで勝ち残れたということで少しはトレーニングが貢献できたかなと勝手に思っています。 さて、本題です。前回に引き続きスクワットのネタです。 今回はプライオメトリクスの導入として着地姿勢の修得に役立つ『ドロップスクワット』です。あまりメジャーではないエクササイズですが、なかなか奥深く活用しやすいものです。 このエクササイズは衝撃吸収能力を向上し、素早くパワーポジションに移行することでパワーポジションに続く次の動作を良くすることにも役立つと考えています。 プライオメトリクスの導入段階においてはジャンプする前に着地動作を正しく取れることを重視しています。 着地時に見られるトリプルフレクションを効果的に行えるアスリートは思いのほか少ないものです(特に中高生、ジュニアアスリート)。トリプルフレクションを身につけることで女性アスリートに多い膝の傷害予防にも一役かってくれると思います。 【実施方法】 ①直立姿勢で肘を90度位に曲げて腕を挙げる。 ②勢い良く腕を後方に引きながら、素早くパワーポジションに移行し(僅かに足底が床から離れる)、しゃがみ込む。 ③パワーポジションを完成させる(脊柱をニュートラルに保つ)。 衝撃吸収を意識してより深くしゃがみ込むということもできます。 最初はうまく力が抜けずにぎこちない動きになってしまうかもしれません。力のON、OFFが上手にできるようになると、スピードが増してもきれいにできるようになると思います。 プライオメトリクスでは、この次の段階として、1レッグ・ドロップスクワット、着地衝撃の少ないボックスジャンプ、その場での単発ジャンプ、ボックスからの着地(ボックス・オフ・スクワット・ホールド)などに進んでいきます。 一度このエクササイズを習得するとドロップ・スクワットから色々なエクササイズに移行することができます。 特に球技系スポーツはジャンプの着地から構え姿勢、構え姿勢からジャンプ、着地したらサイドステップなど、次の動きへの移行局面では適切なパワーポジションを瞬時に作れることが重要だと考えています。着地動作からの動きの移行を促進する種目として活用できると思います。 ウォームアップにも簡単に組み込む事ができますので、ぜひお試しください。 次回、1レッグ・パターンの動画もアップします。 ※動画では着地の瞬間にパーンという音が響いていますが、あえて高くジャンプして着地時に大きな音を立てる必要はありません(本当に僅かに床から離れる程度です)。 これは誰もいない夜の体育館で寂しく撮影を行ったためです…^^;
術後期間におけるトレーニングについて論証する
マサチューセッツ州かフロリダ州にあるクレッシースポーツパフォーマンスのどちらかで、1日を過ごすことになるのであれば、必ず驚かされるかもしれないことを目撃するでしょう:術後すぐであるにも関わらず、アスリートがトレーニングをしているのです。トミージョン手術から膝関節置換術にいたるすべての術後において、定期的にアスリートが私たちのところに紹介されてきます。彼らは、松葉杖をついていたり、アンクルブーツを使用していたり、肘のブレースをしていたり、肩のスリングで腕を吊っていたり、あるいは、腰をブレースで固定していることもあるでしょう。術後のアスリートと仕事をすることは、我々にとってかなりの得意分野になってきています;執刀医やリハビリテーション専門家と手を取り合って取り組むことで、アスリート達に“短期的な制限”があるにも関わらず、素晴らしいトレーニング効果を提供できることを確信しています。 残念なことに、この期間に、過度に慎重である超保守的なセラピストや医師に出会ってしまうアスリートもいるでしょう。確かにこの期間は、修復した場所が動きや直接的な圧力に対して脆弱なだけではなく、最初の数週間は感染症に冒されるリスクもあるため、非常に重要です。しかし、私の意見としては、3-4ヶ月も完全にエクササイズをしないで、ただ“リハビリ”をする(これは以前にも聞いたことがありますが)ようアスリートに伝えることは全く不必要だと思います。 このことを念頭において、術後期間にストレングス・コンディショニングトレーニングを戦略的に実施することが非常に重要であると私が考える、6つの理由について概説していきたいと思います。 1. 選手に患者ではなく、アスリートであると感じさせることは重要である。 ストレングスコンディショニングの現場と比べると、理学療法クリニックやアスレティックトレーニングルームは異なった雰囲気があります。リハビリのスペシャリストを非難しようとしている訳ではないのですが、アスリートはむしろ後者の領域にいるべきでしょう。そして、優れたセラピストはリハビリテーションを快活にさせ、アスリートの競争心を煽ることで、アスリートにとって現在の身体的現状を忘れ、ジムに戻ったときの大きな精神的利点を提供してくれます。 精神力な利点について言えば、エクササイズがムードに与える影響と、様々な慢性的疾患のリスクを減少させることは、改めて強調する必要さえないでしょう。あえて言えば、その効果はかなり大きく、リハビリ期間中にこれらの利点をアスリートに持ち続けさせることは重要なのです。さらに深く掘り下げたいのであれば、最近発表されたメタ分析の論文:Exercise as a treatment for depression(鬱病の治療としてのエクササイズ)を強く推薦いたします。 2. 小さなことが、行動に関して大きな成果を産みます。 トレーニングをしている時、ほとんどの人はより健康的な食事をします。意識的か無意識的なのかは個人によりますが、それは何度も目にしていることです。 同様に、多くの学生アスリートは定期的にエクササイズをしているときは、クラスでもより良いパフォーマンスを見せますし、あまりにたくさんの自由時間を与えるとその作業に集中し続けることが難しくなります。 ポイントはなんでしょうか?事実として、トレーニングはある種の悪い習慣を排除します。同様に、生理学的レベルでは、脳の活動を活性化させ、社会にとってより生産的なメンバーにさせることをサポートします。 3. 傷害は単独で起こるものではない 投手は、単に肘に機能的な問題があるために肘を故障するわけではありません。むしろ、運動連鎖に沿った身体的問題の積み重ねによって肘が犠牲になっていることが多いのです。例としては、尺側側副靭帯の断裂をした選手は、健全な選手と比べ、Yバランステストのスコアが有意に悪かったということがGarrisonら(2013)によって証明されました。 このことを踏まえると、身体全体を無視して、腕だけのリハビリに集中して、これを何ヶ月も行うことは馬鹿げているでしょう。残念なことに、理学療法士は保険的な制限からそれほど多くの時間を選手に費やすことができず、そのためこれら重要な補足的なリハビリテーションのアプローチまで至らないこともあるでしょう。ここが、有能なストレングスコンディショニング専門家が不足を補うことのできる絶好の場所なのです。 4.トレーニングは身体組成を向上させ、数多くの望ましい結果を導いてくれます。 ある個人が術後の期間で、筋肉量がかなり落ち、体脂肪が相当増えていることを聞いたときは、ひどく腹がたちます。これは決して起こってはいけないことです。 健全な体組成を維持することで、股関節置換術後の祖父の状態が後退しないよう助けてくれるのと同樣に、良好な筋力—体重比率を維持することで、半月板修復術後の大学サッカー選手が後退することを回避する可能性は上がるでしょう。 これらの利点は、荷重でのシナリオにのみ与えられるだけではありません。肥満は画像診断の正確性に制限をかける最大要素であることは間違いないことを覚えておいてください。言い換えると、リハビリテーションがうまく進まず、MRI、または、レントゲンを撮る必要が出てきた場合、肥満することは、レントゲン技師の正確な読み取りを困難にさせます。少しの予防はかなりの治癒に値するのです。 5.エクササイズをすることで、運動学習の向上を促進することができます。 リハビリ中は、新しく、望ましい動きのパターンを獲得しようと努めるでしょう。研究では(こことここを読んでください)、エクササイズと共に(特に有酸素エクササイズ)に新しいタスクを導入された時、運動学習が向上することが証明されています。 丈夫で健全な有酸素システムと確かな運動能力を維持することで、リハビリの努力をより効果的なものにしてくれます。 6.対側性の筋力トレーニングは固定した四肢に伝わります。 交差転移(あるいは、学習転移)として知られるメカニズムによって、対側肢をトレーニングすると、トレーニングしていない側の四肢のパフォーマンスも向上します。例としては、右下肢の膝を手術し、右下肢を固定し他状態で、安全にトレーニングできる左脚をトレーニングすることで、手術側(右)に効果を得ることになります。固定した下肢の筋量の萎縮を小さくすることにはそれほど効果はありませんが、筋力、パワー、固有受容感覚の低下を絶対的に小さくすることはできるでしょう。実際に、競技復帰に関して、この“フリーリハビリ”はかなり効果的な大きな手助けになります。 余談ですが、Hortobagyiらの交差転移に関する研究によって、筋力の転移は遠心性エクササイズの場合により効果が大きいようで、このアプローチを優先することで更なる効果を期待できるということが証明されました。 いくつかの重要な点 この記事を終える前に、いくつかの事を明確にしておかなければなりません。 1.すべてのトレーナーやストレングスコンディショニングコーチがすべての傷害を引き受ける準備があるわけではありません。 もしあなたが“腰椎分離症”という言葉を聞いた事がないのであれば、腰部のブレースをつけた選手のプログラムを組むべきではありません。そして、尺骨神経移動術と尺側側副靭帯再建術の違いが分からないのであれば、野球肘の術後患者を受け入れる準備はできていません。無責任になってはいけません。 2.効果的な術後トレーニングには、優れたコミュニケーションが要求されます。 リハビリテーションプランを監督する理学療法士やアスレティックトレーナーと、定期的に話をするべきです。彼らは、アスリートが漸進する準備ができているかどうか教えてくれますし、リハビリセッションでしたことと被ることがないよう助けてくれるでしょう。進歩を観察するだけでなく、自分の継続教育のためにもリハビリセッションのいくつかを観察することも奨励します。 3.疑わしい場合は、アスリートに無理をさせない。 大学院の教授の一人である、Dr.David Tiberioがかつて言ったのは、理学療法士は“できる限り積極的であるべきだが、けがをさせてはならない”ということです。私はこれをさらに一歩進め、フィットネスコンディショニングの専門家はリハビリテーション過程においては、“保守的であり、けがをさせるべきではない”と提唱します。フィットネスの維持・向上と競技復帰を促進させることが我々の仕事であり、リカバリーの過程を後退させてはいけません。要するに、漸進に関しては、リハビリに関する人達に全てのチャンスを与えてあげてください。 4.漸進は多くの方法を通して起こるものであるということを覚えておく。 漸進はエクササイズの選択のみではなく、絶対的負荷、動きのスピード、量、頻度、時間、そして、その他の多くの要素の観点からも起こります。うまくいかない要素がたった一つでもあれば、リハビリテーションを後退させてしまうこともあるので、プログラムし、にストレスが多くかかってしまう場合には、別の場所のストレスを減少させなければなりません。例を挙げると、トミージョン手術からのリハビリ中、4−6ヶ月を目処にアスリートは投球を開始した時、肘内側のストレスが増大しますが、多くのアスリートはストレングストレーニングとリハビリテーションプログラムの中で行っている握る種目の量を減らすことが効果的でしょう。 5.”偶然的“な安定性要求に注目する 回旋腱板が最も良い例であるように、多くの筋肉は反射的に作用します。肩の術後、患側の回旋腱板が反射的に働いてしまうので、健側をあまりに早く(あるいは、あまりに多くの負荷をかける)トレーニングすることは注意しなければなりません。交差転移については前述しましたが、これは右側対左側のトレーニング効果ほど単純ではありません;神経システムはすべてを興味深い方法で支配しています。 まとめ この記事を発表するにあたり、術後期間中の適切なエクササイズの重要性を強く説明できたことを願っています。“適切”が何であるかはそれぞれの個人によって違うでしょうし、執刀医、リハビリテーション専門家、ストレングスコンディショニング専門家、そして、アスリートからの情報を総合して決定するべきであるということを忘れないでください。そして、アスリートがどのように行っているのかを基準に、常に漸進、あるいは後退できる、柔軟なプロセスであるべきなのです。
高強度持続トレーニング(HICT)
近年エネルギーシステム発達に関して、そしてアスリート達のスポーツへの準備のための最良の方法に関して、かなり話題になっています。 かなりの関心を集めているメソッドの一つは、HICT 高強度持続トレーニングでしょう。このメソッドは、かなり長時間にわたってHICTを行ってもフォーカスは遅筋ではなく速筋にあるという、ある意味ユニークなものです。 HICTの簡単なリビューとIFASTでの使用例です。 HICTが何であるのかに関しての一般的概念を持っていただいたところで幾つかの注意点は下記の通りです: 使用できるメソッド:ステップアップ、スピンバイク、プロウラープリング等 各レップは素早く爆発的であること。スピードが落ちたり動きのキレが悪くなったらストップ。 1レップ行い、次のレップまでの間に3~5秒レストをとること。クオリティーの高い動きを確実に。 このメオソッドを実行する際、無酸素閾値を超えないようにすること。私たちはよくアスリートに心拍センサーを装着しモニタリングをしながら実行します。 1セット毎、最短で7分。コンディションの整っているアスリートの場合は20分まで行います。通常これを2~3セット行いますが、あくまでも指導対象となる各個人に対応するようにしましょう。 とにかく汗をかきます!HICTより発汗量が多いコンディショニングメソッドはないのではないでしょうか? 速筋線維に持久的許容量をもたらす素晴らしいコンディショニングツールを探しているなら、HICTはプログラムに大きな貢献をしてくれるでしょう。是非お試しください。
ウインドミル
ウインドミルという名称のエクササイズは、股関節の外転、内旋を強調する効果的なドリルです。間違って行ってしまいやすいこのエクササイズをDr.ドゥーリーがわかりやすく解説します。
呼吸においてのニュートラルとは何か?
前回は『ニュートラル』または『ニュートラリティー』の定義についての考えを述べさせて頂きました。 前回の内容をまとめると “関節におけるニュートラルとは、関節の位置(ハードウェア)ではなく、その関節が求められる動きを適切に表現できる能力(ソフトウェア)である” という事でした。 前回の内容を踏まえ、今回は『呼吸のニュートラル』について私の考えを述べさせて頂きます。 『腹式呼吸』『胸式呼吸』『横隔膜呼吸』『奇異呼吸』『パラドックス呼吸』『努力性呼吸』『安静時呼吸』 などなど、呼吸パターンを表す用語は沢山あります。 様々な理論がある中で、近年はInter abdominal pressure (IAP)→腹圧 を高める呼吸が正しいとされる事が多いです。 この様な呼吸はよく 『Diaphragm breathing (横隔膜呼吸)』と表現されます。 ※そもそも横隔膜を使わない呼吸は無いので『横隔膜呼吸』という言葉が相応しいのかは疑問ですが、ここでは吸気の際に横隔膜が腹圧を高めるべく動く(腱中心が下方に下がる)呼吸を横隔膜呼吸とします。 そして、ここでは吸気の際に横隔膜が腹圧を高める事が出来ない呼吸(例えば胸部が頭方に向かって上がり肩で息をするような呼吸)を胸式呼吸とします。 では、横隔膜呼吸を獲得すれば『呼吸のニュートラル』を獲得したと言えるのでしょうか? 結論から述べますと、 『呼吸のニュートラル』とは “どのような状況においても、その状況に適した呼吸ができる” という能力(ソフトウェア)であるため、単純に横隔膜呼吸=呼吸のニュートラルではありません。 誤解されているかも知れませんが、俗に言う“胸式呼吸”も単純に悪い呼吸ではなく、状況によっては最適な呼吸となる場合があるのです。 例えば800メートル走の際に、 正しい横隔膜呼吸によって腹圧を保ち、走行に適切な姿勢を維持してエネルギー効率やバイオメカニクス的利点を使える選手は有利です。 ただし最大努力時において、または最大努力後にすぐ回復する(酸素~二酸化炭素バランスを調整する)必要がある場合、姿勢を崩してでも酸素を最大に取り入れることができる=すなわち努力性呼吸(ある種の”胸式呼吸”)が上手な選手が有利かも知れません。 ※ここでの努力性呼吸とは肩・胸の上下動が目視できる程の大きな呼吸を意味します。 ただ、この選手がレースの後に家で寝る時も努力性呼吸を続けているのであれば、これは努力性呼吸でスタックしている状態であり、一般的に睡眠の質や回復に問題を抱えるためこれは呼吸においてのニュートラルではありません。 “状況に応じて呼吸パターンを変化させる能力=呼吸のニュートラル”を持っている選手が呼吸においては最も優秀だと考えられます。 これは姿勢のニュートラルで述べた骨盤における“前傾にも後傾にもどちらにもいけるよ”という状態とほぼ同じです。 言い方を変えると 『横隔膜呼吸』も『努力性呼吸』も、『腹式呼吸』も『胸式呼吸』も『鼻呼吸』も『口呼吸』も必要に応じて使うことのできる能力がニュートラルです。 ある状況において不適切な呼吸を選択してしまった場合、その呼吸は”パラドックス呼吸”と言えますが、違う状況においてその呼吸は”最適な呼吸”かもしれません。 ”呼吸においてのニュートラル”の定義についてはココまでです。 ここまでで充分ややこしいですが、ここからは呼吸への介入を更に複雑にしている”回旋運動””歩行”について述べさせて頂きます。 人間は直立位であるため殆どの動作において回旋運動が必須です。 回旋運動には肋骨の動きが深く関わるため、回旋運動による呼吸への影響はかなり大きいのです。 また回旋運動は左右非対称な動きであるため、呼吸も回旋運動に伴い左右非対称に行うことが必要となります。 簡単に表現すると 右側は横隔膜呼吸、左側はある種の胸式呼吸が必要な動作もあります。 その代表的な動作は歩行です。 “Walking is Breathing”~歩行とは呼吸である by Ron Hruska と言われる所以はココです。 歩行は回旋運動→即ち左右非対称な動作であり、効率的な歩行を行うためには左右非対称な呼吸を獲得する必要があります。 『横隔膜呼吸』“だけ”上手な人は左右非対称な呼吸を獲得していないため、効率的な歩行はできません。 『胸式呼吸』“だけ”上手な場合も同様です。 更に更にややこしくなるのですが、 歩行は左右非対称な動作ですが、両側交互に行う必要があるため、“左右非対称な動作を交互的に行う能力”が求められます。(めんどくせ!) それに伴い呼吸も横隔膜呼吸&胸式呼吸を左右非対称に、さらに交互的に行う能力が必要となります。 “左足立ちでも、右足立ちでも、求められる呼吸パターンを体現しながら前に進む“ これが意外に難しいのです。 長くなりましたので、呼吸と回旋運動の関わりについてはまた違う回で述べますが、今回は『呼吸のニュートラル』について皆様の考察を少しでも深めるお手伝いができたら幸いです。 また皆様のご意見やご質問も随時お待ちしております。 ありがとうございました!
コンプレッション衣料のパワー測定値への影響
目的 この記事は、エクササイズ後の回復期間における、コンプレッション衣料の筋パワーへの影響に関する研究を要約している。 筋パワーへの影響 序論 多数の研究が、レジスタンストレーニング、間欠的および持久系エクササイズを含む様々なタイプのエクササイズ後の男女において、コンプレッション衣料を着用することの筋パワーに対する実践的な恩恵を調査している。ほとんどの場合、筋パワーは、下半身のパワーの有効なテストであるようである(マルコヴィッチおよびその他、2004年)ジャンプの高さ(カウンタームーブメントジャンプもしくはスクワットジャンプ)により測定されている。また筋パワーは、体重の20%と同等の負荷を使用したベンチプレススローにより、そして速度と力の両方を測定する動力計カートを押す際の定速(等速性)腕屈曲パワーにより測定されている(スチュアートおよびその他、2005年)。 エキセントリックトレーニング後の筋パワー 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – 一時的な筋損傷を引き起こすための、高負荷から最大負荷までのエキセントリック負荷に注目したエクササイズセッションであれば何でも 比較 – コンプレッション衣料の使用と、コンプレッション無し、もしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – ジャンプの高さやベンチプレススローのような、筋パワーの測定値であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:クレーマーおよびその他(2001年)、クレーマーおよびその他(2001年b)。 発見 上半身のコンプレッション衣料は、最大エキセントリック筋活動セッション後における腕屈筋最大パワーの低下を軽減することに対し、有益な効果があるようである。 2つの研究が、コンプレッションの筋パワーへの影響を評価している。今日まで筋パワーは、最大等速性パワーを通じ腕屈筋においてのみ評価されていた。筋パワーは、エクササイズ後の男女において、上肢にコンプレッションスリーブを着用した際に評価されている。両研究ともに、コンプレッション衣料を使用した際、エクササイズセッション後72時間の時点において、エキセントリック筋損傷を伴う筋パワーの低下を有意に軽減したと報告している。さらにクレーマーおよびその他(2001年)は、筋パワーは24-72時間の間、より良く維持されていたと報告しており、またクレーマーおよびその他(2001年b)は、筋パワーはその後3-5日間、より良く維持されていたということを発見している。筋パワーは、コントロール被験者と比較し、回復初期段階(24対72時間)において、女性と比較して、男性の方がより望ましい状態で維持されていたようである。しかし、クレーマーおよびその他(2001年)による研究において、実験グループとコントロールグループの間における筋パワーの基準測定値は類似しておらず、それが結果に影響を与えていた可能性がある。 要約 コンプレッションスリーブを着用することは、男性においてはエクササイズ後24-72時間の間、女性においてはエクササイズ後3-5日間のエキセントリック筋損傷後の筋パワー低下を軽減する。 レジスタンストレーニグ後の筋パワー 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – レジスタンストレーニングセッションであれば何でも 比較 – コンプレッション衣料の使用と、衣料無し、もしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – ジャンプの高さやベンチプレススローのような、筋パワーの測定値であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:フレンチおよびその他(2008年)クレーマーおよびその他(2010年)。 発見 コンプレッション衣料が、レジスタンストレーニング後の筋パワーの回復を向上することにおいて有益であるかどうかは明確ではない。しかしベンチスローにより測定された上半身のパワー、およびカウンタームーブメントの高さは、回復時にコンプレッション衣料を着用することにより、いくらか維持されていた可能性があるようである。 レジスタンストレーニング後の筋パワーを評価した研究は2つ存在する。それらの研究は、レジスタンストレーニングを行っている男性において行われており、それぞれ全身(クレーマーおよびその他、2010年)もしくは下半身(フレンチおよびその他2008年)のレジスタンストレーニング後、24時間または48時間における筋パワーを測定している。筋パワーは体重の20%におけるベンチプレススロー(クレーマー及びその他、2010年)、およびカウンタームーブメントジャンプ(フレンチおよびその他、2008年)により測定されていた。両研究ともに、レジスタンストレーニング後、コンプレッション衣料の着用に伴う筋パワー低下の軽減を報告している。しかし、エクササイズ後24時間の時点においては、ベンチプレススローのみがコントロール被験者からの有意な差違を示していた。 要約 カウンタームーブメントジャンプにより測定された際、回復期間におけるコンプレッションタイツの使用により、下半身の筋パワーが影響を受けているのかどうかは明確ではない。しかし上半身の筋パワーの低下は、コンプレッションスーツの着用に伴い軽減されるようである。 プライオメトリックス後の筋パワー 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – ジャンプ、ホップ、もしくはドロップランディングから成るセッションであれば何でも 比較 – コンプレッション衣料の使用と、衣料無し、もしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – ジャンプの高さもしくはベンチプレススローのような、筋パワーの測定値であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:ディヴィスおよびその他(2009年)、ダフィールドおよびその他(2010年)、ジェイクマンおよびその他(2010年)、ジェイクマンおよびその他(2010年b)。 発見 ドロップジャンプ後の回復期間に着用されたコンプレッション衣料は、コントロールグループと比較し、後のカウンタームーブメントおよびスクワットジャンプの高さの低下を軽減することが可能であると思われる。しかし、コンプレッション衣料が、10mもしくは20mのスプリントタイム、あるいはパフォーマンスをまとめる複数の反応を維持しているのかどうかは明確ではない。 4つの研究が、プライオメトリックス後の筋パワーを評価している。全ての研究は、市販のロング丈コンプレッションタイツを使用し、女性(ジェイクマンおよびその他、2010年、2010b年)、およびトレーニングされた男女(ディヴィスおよびその他、2009年、ダフィールドおよびその他、2010年)における筋パワーを評価している。筋パワーは、カウンタームーブメントジャンプの高さ(ディヴィスおよびその他、2009年、ジェイクマンおよびその他2010年、ジェイクマンおよびその他、2010年b)、スクワットジャンプの高さ(ジェイクマンおよびその他2010年、ジェイクマンおよびその他、2010年b)そして10m(ディヴィスおよびその他、2009年)および20m(ダフィールドおよびその他、2010年、ディヴィスおよびその他、2009年)のスプリントタイムにより評価されていた。概して全ての研究において、カウンタームーブメントおよびスクワットジャンプの高さの低下は、12-72時間の間にコンプレッションタイツを着用することにより軽減されていた。対照的に、スプリントタイムの増加は、10mまたは20mのどちらにおいても、コンプレッションタイツの着用による影響を受けていなかった。 要約 コンプレッション衣料の着用は、プライオメトリックスセッション後に生じるカウンタームーブメント、およびスクワットジャンプの高さの低下を軽減するようである。 有酸素運動後の筋パワー 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – 有酸素運動セッションが述べられている研究であれば何でも 比較 – コンプレッション衣料の使用と、衣料無し、もしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – ジャンプの高さもしくはベンチプレススローのような、筋パワーの測定値であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:ビーゼンおよびその他(2014年) 発見 1つの研究のみが、持久系エクササイズ後の回復期間に着用されたコンプレッション衣料の影響を評価している。実験グループの被験者は、合計15.6kmの距離の、登り下りを含むトレイルランニングセッション後、コンプレッション衣料を着用した。筋パワーは、カウンタームーブメントの高さにより測定された際、回復介入を使用していない被験者と比較し、コンプレッションストッキングを着用した被験者において有意に高かった。 要約 持久系トレーニング後にコンプレッションストッキングを着用することは、回復期間における筋パワーの低下を軽減するようである。 間欠的エクササイズ後の筋パワー 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – 間欠的有酸素運動セッションであれば何でも 比較 – コンプレッション衣料の使用と、衣料無し、もしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – ジャンプの高さもしくはベンチプレススローのような筋パワーの測定値であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:ダフィールドおよびその他(2008年)、モンゴメリーおよびその他(2008年)プルチーノおよびその他(2013年)。 発見 3つの研究が、結果測定値としてジャンプの高さを使用し、間欠的エクササイズもしくは試合シミュレーション後のコンプレッション衣料の恩恵を評価している。全ての研究は、市販の下半身ロング丈コンプレッションタイツを使用しており、エクササイズセッション後24-48時間における筋機能の測定値を評価している。2つの研究は、間欠的エクササイズの単一セッションからの回復を調査しており(ダフィールド及びその他2008年、プルチーノおよびその他、2013年)、一方1つの研究は、3日間にわたるバスケットボールトーナメント後の筋パワーを評価していた(モンゴメリーおよびその他、2008年)。トレーニングセッション後、ジャンプの高さを測定する際、間欠的エクササイズを比較した両方の研究は、24時間の時点(ダフィールドおよびその他2008年)、もしくは24-48時間の間(プルチーノおよびその他、2013年)におけるコンプレッションの影響を発見していない。対照的に、モンゴメリーおよびその他(2008年)は、トーナメント日の間にコンプレッションタイツを着用した場合、3日間にわたるバスケットボールトーナメント後のジャンプの高さの低下は、有意に軽減されていたということを報告している。ジャンプの高さは3日間のトーナメント直後に測定されたものである。2つの研究は、間欠的エクササイズ後における20mのスプリントタイムを評価している(ダフィールドおよびその他、2008年、プルチーノおよびその他、2013年)。両方の研究は、間欠的エクササイズ後のコンプレッションタイツの着用は、エクササイズ後24-48時間の間における20mのスプリントタイムへ影響を及ぼさなかったということを報告している(ダフィールドおよびその他、2008年、モンゴメリーおよびその他、2008年)。 要約 コンプレッションタイツの着用は、数日間にわたるトーナメント期間中および直後のジャンプの高さの低下を軽減する可能性があるが、間欠的エクササイズ後、ジャンプの高さに対するコンプレッション衣料の影響があるかどうかは明確ではない。 記事の結論 上半身の筋パワーは、エキセントリック筋損傷、もしくはレジスタンストレーニングのセッション後、等速性腕屈曲およびベンチプレススローにより測定される際、コンプレッションスリーブあるいはシャツを着用することにより、より良く維持されるようである。 激しいプライオメトリックトレーニングセッション後に着用されたコンプレッションタイツは、エクササイズ後12-72時間において測定される際、下半身の筋パワーの低下を軽減するようである。 持久系ランニング後の筋パワーは、コンプレッションタイツによりほとんどが維持される。一方、コンプレッション衣料はおそらく、間欠的エクササイズ後の短距離スプリント速度、あるいはジャンプの高さは維持しないであろう。
FA選手の移籍はもうたくさん!PRIの話です。
PRIには独特の言語というか言葉遣いが存在しています。左右非対称性だったり多関節筋連鎖だったり、今まであまり考えられてこなかった身体の動作パターンについて理解する際にどうしてもこういった共通言語は必要になってきます。現在(2016年5月)行われているPRIのマイオキネマティック・リストレーション講習会でも頻繁に出てきますので、今回のアーティクルではその言語のうちの一つ、FAとAFについて解説してみたいと思います。 まずFAですが、どこかの金満球団がお金にものを言わせて有名選手を引っ張ってきてはレギュラーに据え付ける、あのFree Agentの略ではありません笑 FはFemur、大腿骨で、AはAcetabulum、寛骨臼を指します。つまりFAやAFという文字が出ていれば、どうやら股関節だぞ、という事がわかりますね。 これらは英語で考えるととてもわかりやすい?はずです。 FA=Femur Acetabulum AF=Acetabulum Femur ですよね?このふたつの間に(moves on)を入れてみてください。(on)だけでもいいです。 FA=Femur (moves on) Acetabulum となり、訳すと「大腿骨が寛骨臼の上で動く」となります。要するに寛骨臼は動かず大腿骨が動く、といういわゆる私たちの良く知っている股関節の運動(屈曲・伸展、外転・内転、外旋・内旋など)になります。寛骨臼が動かない、という事は、寛骨臼は安定している、つまり腸骨・寛骨・坐骨など骨盤自体が安定しているという事になります。 それではAFはどうでしょうか? AF=Acetabulum (moves on) Femur となります。訳すと「寛骨臼が大腿骨の上で動く」となります。この場合大腿骨は動かず、寛骨臼が動くということになりますね?うん?大腿骨が動かないのに寛骨臼が動く??ちょっと想像しにくい方もいるかもしれません。もしあなたが椅子に座ってPCを使ってこのアーティクルを読んでいるとしたら、膝を持ち上げたりすればいいので、FAは簡単に想像がついたかもしれませんが、AFとなると一瞬戸惑うかもしれません。 でもご安心ください。Kinetikosではおなじみのヒップヒンジを想像してみてください。デッドリフトでもいいでしょう。これらは股関節の屈曲から伸展を促しているエクササイズですが、地面に足がついている為基本的には大腿骨は安定しており動きません。大腿骨頭に対してスムーズに骨盤を動かすことで初めて伸張性の収縮をハムストリングに与えることができるのです。骨盤が安定して、大腿骨が動く(FA)動きに慣れている人はスムーズに骨盤を動かせなかったりするとヒップヒンジやデッドリフトの動作がスムーズに行えない可能性があります。そのあたりは我々の力の見せどころですよね。 それではこのFAとAFに股関節の基本的な動作を付け加えてみましょう。 FA 屈曲・伸展 ― AF 屈曲・伸展 FA 外転・内転 ― AF 外転・内転 FA 外旋・内旋 ― AF 外旋・内旋 と種類が増えてしまいました!最初は大まかに分けて6つの動きだったのが、もうこれで12の動作となりました。さらに右(R)と左(L)を入れてみると・・・ R FA 屈曲・伸展 ― R AF 屈曲・伸展 R FA 外転・内転 ― R AF 外転・内転 R FA 外旋・内旋 ― R AF 外旋・内旋 L FA 屈曲・伸展 ― L AF 屈曲・伸展 L FA 外転・内転 ― L AF 外転・内転 L FA 外旋・内旋 ― L AF 外旋・内旋 となり、なんと股関節の動きだけで24種類になってしまうのです。よくPRIの講習会で「途中からついていくのが難しかった」とか「頭から煙が…」という話を聞くことがあるのですが(僕は一番最初の講習会の最初の休憩時に頭から火が出ていました。)、もしかしたらこういった関節の動作について事前にわかっていたら少しはわかりやすいのかもしれません。 AFとFAについて大体区別がつくようになってきましたか?区別がつくようになってきたところで考えて頂きたいのは、普段我々が目にするエクササイズで股関節のFAとAFのエクササイズ、どちらをよく目にしますか?という事です。最近のファンクショナルトレーニングの流れで言うとだいぶAFのエクササイズが増えてきた、と感じています。挙げている錘や回数・スピードなどだけでなく、動作自体にフォーカスが行くようになってきたからだと考えます。しかし、まだフィットネスクラブのマシンやリハビリテーションのエクササイズを見てみると股関節のFA動作を促すものが多いでしょうし、一般の方に股関節を動かしてくださいというとFAの動きをすることがほとんどだと思います。 そこで考えていただきたいのは、ファンクションだったりパフォーマンスを考えるうえでFA動作が必要な時とAF動作が必要な時はどちらが多いでしょうか?という事です。 野球のバッターを想像してみてください。一歩足打法はあまり見かけないにしても、足を高く上げてタイミングをとる選手は日本の野球には多く見られます。あの足を上げる動作はもちろんFA屈曲でしょう。左バッターであれば「R FA屈曲」となります。単純に屈曲とは言えないかもしれませんが、ここでは単純化しますね。 それでは左側はどうでしょうか?「タメ」と言われる言葉が野球界にはありますが、トレーニングの世界の言葉で言えば「ローディング」してパワーを溜め込んでいて、R FA屈曲した右足が着地していざスイング、となったときに溜めていたパワーを爆発させるのを待っています。この「タメ」や「ローディング」の動作では大腿骨は動かず安定しているはずなので、L AF内旋となります。AF内旋に関しては想像しにくいかもしれませんが、安定した大腿骨に対して恥骨、または反対側のASISが股関節に近づいていくと考えればわかりやすいかもしれません。もっと単純に言ってしまうと股関節にズボンのしわを寄せていく感じです。 野球に全く興味がない人は、全然想像がつかないかもしれませんね。では誰もが行う歩行の動作はどうでしょう?普段何気なく歩いている時にFAとAFについて考えてみてください。遊脚期(足が地面から浮いている側、スイング側)ではFAとAFどちらでしょう?FAですね。大腿骨が安定した寛骨臼に対して動きます。 立脚期(足が地面についている側、サポート側)はAFの動きになります。寛骨臼が安定した大腿骨に対して動きます。着地後大腿骨が安定することで、寛骨臼が外旋位から内旋位(立脚中期)に移行していきます。 実際に私たちが行っているFAとAFの動作について想像がついてきたでしょうか?そして私たちが普段処方しているエクササイズを考えてみるとFAとAFの動作、どちらが多いでしょうか?歩行時にいつも行っているはずのAFの動作がしっかりと行なえていますか?スクワットの動作一つとっても24種類ある動作を分解してみれば、おのずとクライアントの弱点が見えてきたりするかもしれませんね。 いずれにせよ、僕はPRIと出会ったことで、それまでFAの動作にしか着目してこなかったのに気づきました。金満球団が引っ張ってくるFA選手はもうたくさん!となるわけです笑 よく仕事帰りに僕が人知れず大阪の街でこけるのは、歩行の事を考えてすぎて歩いているからかもしれません、というオチで締めくくろうかと思ったのですが、AFの動作がうまくなってくるとあまりこけません!僕は関東人なのでオチなしで失礼します!
1レッグ・ドロップ・スクワット
前回は両脚でのドロップ・スクワットをご紹介させて頂きましたが、今回は片脚のパターンです。 プライオメトリクスの導入としては最適なエクササイズの一つです。 このエクササイズの目的 ・ジャンプする前にしっかりと衝撃吸収のできる着地動作を身に付けること。 ・カッティング時に下肢のトリプルフレクションを出せるようにすること。 ・片脚でも効果的に加速時の推進力を生み出すためのパワーポジションを確立すること。 などがあります。 両足での立位から片足を浮かせてみてください。バランスをとるために自然と股関節は内転位に変位していくと思います。 側方または多方向のカッティングにおいて進行方向と逆側の足で接地し減速が始まる場合、同じように股関節は内転位になり、下肢のトリプルフレクションを使い減速し、再加速する。こういった状況では、股関節が通常よりも内転位をとるために両足の時よりも股関節の外転筋はよりエキセントリックに、しかも筋の力−長さ関係から見ると不利な状況で活動しているのではないか推測できます。 このような状況でしっかりとトリプルフレクションができなければ、すでに股関節は内転位にあるために膝が内側に入りやすくなることも想像できます。 またカッティング時にみられる上半身が進行方向側に傾いてしまう(ブレる)動きもこの膝が内側に入る動きを助長します。 片足立位で軽く膝を曲げ、支持脚側へ上半身を傾けてみてください。上記のことが実感できると思います。 片脚の着地やカッティングにおいて傷害発生が多いのは、このような背景が関係しているのではと考えています。 このような背景をふまえるとこの1レッグ・ドロップ・スクワットの位置づけが私の中でもハッキリしてきました。 【実施方法】 ①直立姿勢で片足を少し床から離す。肘を90度位に曲げて腕を挙げる。 ②勢い良く腕を後方に引きながら、素早くパワーポジションに移行し(僅かに足底が床から離れる)、しゃがみ込む。 ③パワーポジションを完成させる(脊柱をニュートラルに保つ)。 傷害予防、パフォーマンス向上の基礎として非常に有益なエクササイズだと思います。 トレーニングだけでなくウォーミングアップにも最適です。 ぜひお試し頂ければと思います。
Kaori’s Update #11 - ベアクロル
ベアーポジションとベアクロール。それぞれの目的とポジションのポイントをご紹介します。しっかりと体幹を安定させて行うのは予想外に難しいですよ。^_^
ロウイングでありがちな8つの間違い
ロウイングパターンで、よくありがちな間違いのパターンを、注意すべき8つのポイントに分けてエリック・クレッシィが解説します。
健康のための最高のエクササイズ?
手などを使わずに、床から立ち上がってくることができる能力を維持しているほど、余命の予測年数が長くなる、というリサーチに基づいた、より効果的に立ち上がるためのDVRTドリルをご紹介します。