マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてXPとKoinを獲得すれば理解も深まります。
より賢明なスクワットの方法
最近は、理学療法とフィットネスを組み合わせるだけではなく、二つの要素を分け隔てなくつなげようという素晴らしい動きがあります。実際これは道理にかなっていて、理学療法にしてもフィットネスにしても、目標はより良く動くことであるべきなのです! 動きを良くすることが目標だとすれば、「他により良い方法はあるのか、より良いプログラムはあるのか、より良いエクササイズはあるのか」を常に問いかける必要があります。理学療法ではよくそういったアプローチをとります。クライアントに現在必要なことは何か、特にどのような動きをしているのか、問題を起こしているものは何なのか、を調べることがその後の行動計画を決める第一歩です。 このアプローチは、フィットネスにも当てはめられるように思いませんか?しかし、フィットネスの現場でこういったアプローチがされておらず、全てのエクササイズがマニュアルに書いてあり、マニュアルに書いているもの以上にいいものはない、というような対応がされているのを見ると、ちょっとした憤りを感じます。 私は今までの経験から、クライアントを痛みから解放し、同じような状態に戻ることがないよう最善を尽くそうとしているため、もしかすると少し異なった取り組見方をしているのかもしれません。そういった背景から、私は全てのことを、リスクと見返りのバランスとしてみています。私のアプローチは「面白くない」ように聞こえてしまうかもしれませんが、最近のインタビューで、脊柱の著名な専門家であるスチュアート・マックギル博士がほとんど同じことを言っていたのを聞いてうれしくなりました。 「エクササイズは特定の物事を行うためのツールです。エクササイズの実践方法は、そのエクササイズを選択した論理的根拠に基づきます。まず、目的を選出し、そのための最善のツールは何かを判断します。一般的に、最善のエクササイズは、関節へのリスクが最小限で、最大の効果をもたらすことができるものです。目的が股関節伸展のパワーを向上することだとすれば、ウエイトキャリーやスレッドドラッグのようなエクササイズを考えなければなりません。」 そうです、これはDVRTアルティメイトサンドバックトレーニングにも当てはまります。私は私たちの哲学が「全てのエクササイズをする必要はないが、正しいエクササイズを行わなければならない。」であることが気に入っています。そのためにはもちろん、自分の身体と自分の身体のこれまでの歴史を知っていなければなりません。過去10数年にわたり、アスリートから高齢者まで様々な人々を見てきて、私は、ある程度しっかりとした一般化ができると感じています。 たとえばスクワットのフォーム。マックギル博士の引用文にあるように、どうすれば最小のリスクで最大の効果を得ることができるのか?は重要です。何といっても、スクワットの利点は、機能的な動きのパターンを築くことから、筋力全般を向上させること、可動性を評価することなど多岐にわたります。ですからいつも、スクワットを見て頭を抱えてしまうのです。 バックスクワット!!!!そうです!アルティメイトサンドバックをつかったバックスクワットも含みます。バックスクワットは、フィットネスはこうあるべきものとか、目表にすべきものではないのか?と、私の考えをおかしなスタンスだと考えるかもしれません。古典的なバックスクワット? まず、バックスクワットをするという考え方は、過去100年以内にできたものであろうということを理解することが大切です。少なくとも、いま私たちが考えている方法はそうです。これには、金属が十分になかったことや、スクワットラックのようなものがなかったことも原因にあります。 ヘンリー・ステインボーン(バックスクワットで500パウンド(約227kg)を挙げた選手)のような人たちに感銘を受けるかもしれませんが、幾つか知っておいて欲しいことがあります。ステインボーン選手のような偉大なアスリートは、レスリングをしていた(体を作るのにかなりの影響をあたえている)という背景があり、肉体労働が生活の大きな割合を占めていた時代に生きていました。なぜそれが重要なのでしょうか? あなたのクライアントやあなた自身の場合、その活動を続けてきた経験が10年以内だとして、これは自分の身体にとっていいことなのかどうかを考えるべきでしょう。これは私がよく言うことですが、ウエイトをなんとか挙げることができるからといって、それがあなたにとっていいこととは限らないのです! 科学という観点ではどうでしょうか。あー、そう科学です。物事をダメにしてしまう持続させるものですよね。 まず、胴体をまっすぐに保つことは非常に大切です!ラッセルとフィリップの研究では、胴体の角度は腰部のリスク指標として最も大きいものであると示されています。さらに、ブラッド・ショーンフィールドの論文「SQUATTING KINEMATICS AND KINETICS AND THEIR APPLICATION TO EXERCISE PERFORMANCE(スクワットの運動学と動力学およびエクササイズパフォーマンスへの応用)」では、「前傾の増加に伴って腰椎にかかる力が増加するため(55)、常に真っ直ぐに近い姿勢を維持することが有益である」と述べられています。 私がこれに言及しているのは、多くの人にとって、バックスクワットを胴体が真っ直ぐな状態で行うことが非常に難しいからです。もしかしたら、あなたやあなたのクライアントは数少ない、できる人かもしれません。他にも考えるべき要素があります。カポッゾらによる古典的な研究では、「体重の0.8倍から1.6倍の範囲の重さのバーベルを使ったハーフスクワットが脊柱のL3-L4にかける圧縮負荷は、体重の6倍から10倍になる」ことを発見しています。かなり衝撃的なデータではありませんか? ジョシュは、フィットネスの専門家の多くはこういったことを知っているかもしれないと言いますが、そこで軸負荷という考え方が出てきます。軸への負荷を与える主要な方法は背中を通してです。これは本当に背中に何か影響を与えているのでしょうか?あまり有名ではありませんが、ポポビッチらによるとても興味深いパイロットスタディは、そこに注目しました。彼らは何を発見したのでしょうか? 「軸負荷は腰椎前弯の増加、腰椎の高さの減少、そして椎間板の高さに双方向の変化(L1-L3の増加、L4-L5の減少)をもたらします。軸負荷はまた、従来の画像検査では見つけることができなかった後部椎間板の膨隆の変化を起こします。」 この研究で最も興味深いことは、そこに動きはなく、立っている人に軸負荷を与えているだけであることです! では、この情報が本当に知られているとしたら、なぜ人々はいまだにそういったリスクを作り出しているのでしょう?多くの人々は、今までの方法を変えることで、強くなれないことを恐れているか、強さを維持できないことを恐れているのだと思います。しかし、これをサポートするエビデンスはありません。実際、ガレットらの研究では: 「フロントスクワットは、全体的な筋活性という面ではバックスクワットと同様の効果がある上に、圧縮力、伸展筋のモーメントは、バックスクワットにくらべ、統計的優位に減少させるということがわかっています。」 これは、皆さんのトレーニングにはどのような意味を持つのでしょう?私たちが、DVRTアルティメイトサンドバックトレーニングのスクワットにおいて、様々なホールディングポジションについて話す大きな理由の一つは、コアおよび脚の筋力を築くことにあります。プレスアウト、フロントロード、ベアハグスクワットは全て、コアと脚の筋力を同時に向上させるのに素晴らしい方法です。なぜ両方なのでしょうか。もし鍛えている脚の筋力に見合うコアの筋力がなければ、その脚の筋力を機能的に使うことができないからです。マックギル博士の話にもありますが、「近位の安定性が遠位の可動性を創り出す」のです。博士は当初、より良く動く手段としてこう述べましたが、力の移行に関しても同様です。もし脚が強くても、コアが弱ければ、大事な時に脚の強さを発揮できないのです! もちろん懐疑の声も聞こえてきます。「アルティメイトサンドバックには十分な重さがない!」150パウンド(68kg)のアルティメイトサンドバックを使っている人を見ることは非常に少ないことを考えると、「十分な重さ」というのは面白い考え方だと思います。にもかかわらず・・・ だからこそスプリンタースタンスや多くのスプリットスタンスでのエクササイズへと移行するのです。なぜでしょうか?マックギル博士が指摘しているように: 「フットボールのランニングバックは、高いレベルの正確さでパワークリーンを行うことができても、片脚スクワットマトリックス(様々な面への動き)をふらつかずに行うことができなければ、競技の中でそのストレングスとパワーを十分に発揮することはできません。」
DVRT裸足でのドリル
裸足でエクササイズを行うことで、足部や足首の複合体が、よりアクティブに働きます。靴を履いている時よりも更に足部の内在筋を活性化させることができるエクササイズを理学療法士のジェシカ・ベントがご紹介します。
ロックドロング vs. ロックドショート
筋筋膜への、遠心性、求心性の慢性的(長期的)な負荷がかかることで、いかに筋膜が引き伸ばされてロックがかかる=ロックドロング、あるいは短縮してロックがかかる=ロックドショートの状態となり運動を制限するか、そのメカニズムと対策をトム・マイヤースが解説します。
片脚でのブリッジを向上させる
仰臥位でのグルートブリッジで、腰痛を訴えたり、ハムストリングスの緊張を訴えたりする人も多いのではないでしょうか?ドクター・ドゥーリーが、グルートブリッジでの効果的に大臀筋を活性化する方法をご紹介します。
スクワットパターンの修得に役立つエクササイズ
このたび発生しました熊本県と大分県を中心とした地震災害につきまして、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。 また亡くなられた方々のご冥福をお祈り致します。 皆様の安全と被災地の一日でも早い復旧をお祈り申し上げます。 今回はトレーニングを開始した初期の頃、特に導入段階でスクワットパターンの修得に役立つエクササイズを取り上げます。 私は数年前に参加したセミナーでNBA Minnesota Timberwolvesの佐藤晃一さんからこのエクササイズを教えて頂き、それ以来現場で活用しています。セミナーではスクワット動作に対する「Active Loading」という表現を使われていました。スクワット(トリプルフレクション)パターンを引き出すのに非常に有効だと感じています。 【実施方法】 ①ケーブルマシンの前にスクワットスタンスで立ち、ハンドルを胸の前に引き付ける。 ②股関節、膝関節、足関節を屈曲し、スクワットのボトムポジションまで下げていく。 ③ゆっくりとスタートポジションに戻る。 ・ケーブルの負荷に抵抗してスクワットを行うことで、下肢のトリプルフレクションを促進していきます。 ・問題なければ動作範囲を徐々に広げていきます。 ・動画ではケーブルマシンを使っていますが、チューブやバンドを高い場所に固定することで十分に代用できます。私も現場ではバンドを多く利用します。 このエクササイズでスクワット(トリプルフレクション)パターンを学んだ後に、下記のようにプログレッションしていきます。 1. 自体重でのスクワット(ボックスやベンチ等を利用してボトムポジションから) 2. 自体重でのスクワット 3. ゴブレットスクワット 4. フロントスクワット 5. バックスクワット このエクササイズによってスクワット(トリプルフレクション)動作をどのように実行するかという認知を促進できるのではないかと思います。私の経験ではトレーニング歴がない選手でもスクワット習得にかかる時間を短縮できています。 トレーニング初心者のウォームアップやコレクティブエクササイズとしても活用できるかと思います。 ぜひお試しください。
Kaori’s Update #10 - 裸足でのトレーニング
シューズを履いた状態では同様に得ることのできない、固有受容器への情報供給や足部の内在筋の活動の促進を、段階的に進めていく方法に関するアイデアをご紹介します。
『ニュートラル』とは何を意味するのか?その①
ニュートラルとは何を意味するのか?: その①:ニュートラルはハードウェア?ソフトウェア? こんにちは!宮崎産アスレティックトレーナーの近藤拓人です。 運動指導に携わる皆様でしたら、度々『ニュートラル』という言葉を耳にするかと思います。 もし誰かに“『ニュートラル』とはどんな状態ですか?”と質問された時、皆様はどのような答えをお持ちでしょうか。 現在『ニュートラル』の明確な定義は決められていない為、運動指導者それぞれのバックグラウンドによって意見が分かれるところかと思います。 今回の記事では『ニュートラルとは何を意味するのか?』に関する私なりの考えを示したいと思いますので宜しければ参考までにお読みください。 ①ニュートラル(ニュートラリティー)とはソフトウェアである チェコのウラディミール・ヤンダ医師の残した言葉の中で、『ハードウェア』と『ソフトウェア』があります。 先ず、『ハードウェア』とは構造を指します。 例えば骨、筋肉、筋膜、関節包、椎間板、内臓などがそれに当たります。 腿裏(ハムストリング)に損傷がある場合(ハードウェアに問題を抱えている場合)、この損傷、または損傷による痛みが歩行/走行パターンを変えてしまいます。 これは、『構造』が『機能』を変化させる例です。 一方で、『ソフトウェア』とは機能を指します。 例えば、運動パターンや呼吸パターンがそれに当たります。 近年よく耳にする、“スマートフォンネック”ですが、これは携帯電話を長時間、習慣的に頭部前突姿勢で使用する事に起因する頚椎カーブの変形を指すかと思います。 これは、『機能』が『構造』を変化させる例です。 ※ちなみに私は最近パソコンやスマートフォンを操作する時専用のメガネを処方して貰ったのですが、これがとても調子が良く頸部の緊張や目の疲れが減少しました。ただし、寝ながら長時間スマートフォンを操作することが可能になった為今度は肘が痛くなりました(笑) つまり機能の変化により、スマホネック男→スマホ肘男にトランスフォームしたのですが、この様に機能改善に伴い新たな問題を発生させる例もあるかもしれませんね! 話が逸れました。 では身体の本質を『ハードウェア』と『ソフトウェア』に分けた場合、『ニュートラル』はそのどちらでしょうか? 私はジッちゃんの名にかけて『ソフトウェア』だと考えております。 よく、『骨盤をニュートラルに』という表現がありますが、この表現は骨盤の『位置』を示しており『機能』ではありません。 ※一般的に骨盤ニュートラルとは前傾と後傾の間の中間位を指すことが多いのではないでしょうか。これはニュートラルを『関節の位置』すなわち『構造』として見た場合の表現かと考えております。 私は、骨盤が中間位にあったとしても、その骨盤の位置を自由に操作することが出来ないのであれば、それは『ニュートラル』ではないと考えております。 例えば立位での姿勢は完璧でも、しゃがみこむ事が出来ない(骨盤後傾位をとれない)、または腰を反る事が出来ない(骨盤前傾位をとれない)クライアントはニュートラルを保持してるとは言いません。 『中間位でスタック(はまってしまって)して、そこから動けない状態』とでも表現したほうが良いかもしれません。 このクライアントは、安静時姿勢は完璧に見えても動作においては問題を抱える可能性が高いと思われます。 この例では、【しゃがみこむ事が出来て、腰を最大限に反る動きも出来て、普段は骨盤が中間位にある(前傾後掲どちらも動ける準備が出来ている)】能力の獲得を目指します。 骨盤帯においてはこの、前傾後傾どちらにもイケるぜ?という能力=機能(ソフトウェア)の事を『ニュートラル』だと考えております。 他の部位においても同じ様な考えを持つことが出来ます。 例えば肩の前突姿勢(一般的な表現で、猫背とします)のクライアントに対して、『肩を後ろに引きつけて、肩が耳の真下にある綺麗な姿勢』を保つ様に指導したとします。 もし、クライアントがその姿勢を保つ為にどこかの筋を過剰に緊張させる必要があった場合、首痛や背中痛など他の問題を引き起こすかも知れません。 これは一見綺麗な姿勢に見えても、『ニュートラル』を獲得していない為に起こる問題ではないでしょうか。 このケースにおいては、『肩の前突&リトラクション(肩を後ろに引きつける動作)の能力を獲得して、更に安静時姿勢においては無理な緊張をせずに肩が中間位にある』能力を獲得する指導をする必要があります。 以上がニュートラルの定義その①:ニュートラルとはソフトウェアである、です。 細かすぎるお話に思われるかも知れませんが、ニュートラル(ニュートラリティー)の本質を定義することで運動指導がより効果的になるかも知れません。 皆様のお考えもお聞かせいただけると光栄です。 次回は呼吸のニュートラルについて考察いたします! ありがとうございました。 近藤拓人
仰臥位90/90の呼吸ドリル
仰臥位で踵を椅子やボールの上に置き、股関節も膝も90度に屈曲したポジションでの、呼吸のドリルで腹腔内圧を高めるために効果的なキューイングをドクタードゥーリーがシェアします。ぜひお試しください。
Zone of Appositionって何?
前回まで3か月にわたり風船の膨らませ方について説明してきました。みなさん、風船膨らましてますか?もうビロビロに伸びきってしまっている人もいるかもしれません。そして前回の最後の部分で、風船を使うことで「呼吸を整えて、ZOA(Zone of Apposition)を確立するべきなのです」と述べました。今回はZOAとは何なのか?なぜ重要なのかという事について書いていきたいと思います。 ZOAというとPRIというイメージがありますが、そんなことはなく元々あるコンセプトなんです。古くは1988年に発表されたDeTroyerの文献(1)にもある位で、The Area of Apposition of Diaphragmという言葉でいうと1979年にはMead(2)によって発表されています。ただ、PRIによってZOAという言葉に再び注目が集まっているのは確かでしょう。 まずは和訳から。Zoneはゾーンですよね。和訳になってませんね笑。地域、区域、地帯、または区画などあるエリアの区分を意味することが多いです。まずZOAとは体の中のあるエリア・区分を意味するという事が分かってきます。さらにAppositionというのは、並置、並列、対置などと訳されています。つまり向かい合って並んでいる状態のものを指します。英語では似たような言葉でoppositionという言葉がありますが、これは反対、対立、対峙などと訳されますよね。またこの二つの言葉にはpositionという言葉が入っており、それにapをくっつけると並んだポジションの、となり、opを付けると反対のポジションの、となるわけです。 そうするとZone of Appositionとは身体のある部分で、どうやら何かが並列のポジションにある部分を指しているという事がわかってきます。皆さんお察しかと思いますが、これは呼吸に関するお話ですからもちろん身体の呼吸に関する部分でという事もわかりますね。 では、何が並列のポジションになっているかというと、やはり横隔膜です。厳密にいえば前と後ろで完全に平行になっているわけではありませんが、横隔膜が並置されているエリアをZone of Appositionといいます。横隔膜は身体の後ろ側で言うと、腰椎1-3番の椎体前部に付着しており、そこから上に向かって腱中心というところに集まります。また身体の前側で言うと、胸骨下部、剣状突起や下6つの肋骨の内側の縁から上に向かって腱中心に集まっていきます。横から横隔膜を見ると、ちょうど前と後ろから弧を描くように真ん中の腱中心に向かっていて、ドームを形成しているのがわかります。腱中心は横隔膜のドームの天井の部分だと考えてください。 横隔膜のドームが想像できますでしょうか?身体を横から見た図で想像するとわかりやすいですよね。そして想像した横隔膜のドームを前から見てみましょう。そうすると前(剣状突起や下6つの肋骨など)から上に伸びた横隔膜と後ろ(腰椎前部)から上に伸びた横隔膜は被っていることがわかります。そう、この前後で被っているエリアがZone of Appositionなのです! 解剖学的にはZOAをなんとなく理解できて来たかとは思いますが、なんとなくイメージがわきませんよね?それでは今度は実際にZOAを体感してみましょう。ZOAがどこから始まっているか、上の部分は簡単に体感できます。 人差し指と中指で胸骨をタップしてみてください。最初は胸鎖関節の横ぐらいからタップしていきます。そして徐々にタップする位置を下げていきます。どんな音がしますか?トン、トン、トンと軽い音がしませんか?何かに響くような、空気感がある、反響しているような音がします。しかし、徐々にタップする位置を下げていくと、ドン、ドン、ドンといった音に変わっていきます。反響せず直接何かをたたいているような重い音に変わります。そしてこの音の変わり目がZOAの上の部分となります。実はZOAを自分で見つけることができるとわかったとき、とても嬉しかったのですが、だれでも簡単に見つけることができるのです! ZOAの上の部分は当然、腱中心の一番高い部分ですよね。つまりそこから上には肺があるので空気がたくさん入っています。ですから腱中心の上の部分をタップした際にはトン、トン、トンと空気が振動するような軽い音が聞こえるのです。逆にZOAに入ると下の部分では横隔膜に囲まれた内臓たちがいますから、空気が入っておらず詰まっています。ですからこの部分をタップするとドン、ドン、ドンと重い音がするわけです。 ではZOAの下の部分はどこまで何でしょうか?単純に剣状突起といいたいところですが、横隔膜は肋骨下部の内側にも付着していますから、剣状突起から少し下、肋骨縁と呼ばれる肋軟骨(Costal Margin)が交わる部分と言われています。または横隔膜角(Phrenic Angle)と呼ばれる横隔膜と肋骨が交わる部分より少し上の部分とも言われています。横隔膜角に関しては肺のレントゲン画像を見る際に、ちょうど横の部分で肋骨が横隔膜と交わる部分をイメージすると理解できます。 通常ZOAは正面から身体を見た場合、胸郭の4分の1から3分の1を占めていると言われています。思ったより大きなエリアがZOAとしてあるのがわかります。そして当然、息を吸った場合、これがゼロになります。息を吸う際は横隔膜が緊張し、収縮するのでドームが下がってくるからです。 しかし、ZOAがうまく確保できているケースはいいのですが、ZOAを確保出来ていない人は沢山います。もし横隔膜の前の付着部がある下6つの肋骨が前方に開いてしまっている場合(外旋)、当然横隔膜は引っ張られてドーム状の弧を維持するのが難しくなります。正面から見たら並置されているエリアが少なくなり、もしくは胸骨をタップしていった際に胸骨の下の方でやっと音が変わる、という事を確認できるかもしれません。こういった場合、つまりZOAを確保できていない状態は、すでに横隔膜が緊張している状態にある、伸ばされている状態にある為、横隔膜をここからさらに下げて息を吸うことは難しくなります。息が吸えなければ死んでしまいますから、副呼吸筋を使ってなんとか肺に空気を入れていくことになるのです。 Zone of Appositionについて、今まで以上にイメージすることは出来たでしょうか?身体の中身を想像することは難しいですが、胸骨をタップすることでわかると実際に体感出来てイメージがわきやすかったのではないでしょうか?皆さんも是非試してみてくださいね! (1)DeTroyer A, Estenne M: Functional anatomy of the respiratory muscles. Clin Chest Med 9:2, 1988. (2)Jere Mead "Functional Significance of the Area of Apposition of Diaphragm to Rib Cage", American Review of Respiratory Disease, Vol. 119, No. 2P2 (1979), pp. 31-32.
肘/手首のアクティブROM 張力可動域評価
肘と手首の組織の閾値の評価方法に関して、自宅でのメンテナンスプログラムの処方や、手首周辺組織の健康と関節炎予防のためにできることに関して、レニー・パラチーノがシェアをします。
コンプレッション衣料の筋力測定値への影響
目的 この記事は、エクササイズ後の回復期間における、コンプレッション衣料の筋力測定値への影響に関する研究を要約している。 筋力への影響 序論 少数の研究が、異なるタイプのエクササイズセッション後における、筋力回復に対するコンプレッション衣料の影響を評価している。これらの研究は、ストレングストレーニングを行っている、または行っていない男女において、筋損傷、レジスタンストレーニング、プライオメトリックトレーニング、定常および間欠的有酸素運動後のコンプレッション衣料の影響を調査している。筋力は様々な方法での測定が可能である。入手可能な研究において筋力は、特定のエクササイズの際に持ち上げられた最大負荷(1RM)、最大随意等尺性収縮(MVIC)の際に適用された最大力量もしくはトルク、また定められた動作速度(等速性)において適用された最大力もしくは最大トルクにより測定されている。回復の際にコンプレッション衣料を使用した個人において、筋力がより優れていたかどうかを調査するため、筋力の測定値は、エクササイズ後最短で1時間、そして最長で5日間にわたり評価されている。 エキセントリックトレーニング後の筋力 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – 一時的な筋損傷を引き起こすための、高負荷から最大負荷までのエキセントリック負荷に注目したエクササイズセッションであれば何でも 比較 – コンプレッション衣料の使用と、コンプレッション無し、もしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – 1RMやMVICのような、筋力もしくはトルク生成の測定値であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:カーリングおよびその他(1995年)、クレーマーおよびその他(2001年)、クレーマーおよびその他(2001年b)、ペリーおよびその他(2008年)。 発見 コンプレッション衣料を着用することは、エキセントリックエクササイズ後48-96時間の間の筋力低下を軽減し、筋力の基準値への回復速度を助長する可能性があるようである。 4つの研究が、コンプレッション衣料の、エキセントリック損傷後の筋力への影響を評価している。これらの研究における被験者たちは、ストレングストレーニングを行っていない男性(クレーマーおよびその他、2001年、ペリーおよびその他、2008年)、ストレングストレーニングを行っていない女性(クレーマーおよびその他、2001年b)、そして男女大学生(カーリングおよびその他1995年)であった。3つの研究は上肢を評価しており、1つの研究(ペリーおよびその他、2008年)は下肢を評価した。コンプレッション衣料は、 エクササイズ後48時間以内、そしてほとんどの場合72時間に至るまでは(クレーマーおよびその他、2001年、ペリーおよびその他、2008年)筋力維持の助けにはならなかったようである。有益な軽減を報告した3つの研究において筋力は、MVIC、電気刺激(力を適用するための筋肉の内在的能力の測定値)、および等速性最大アーム屈曲トルク(1秒間に60度)により評価されており、実験群において筋力の低下が軽減されたようである。 要約 コンプレッション衣料は、エキセントリック筋損傷後の筋力の低下を軽減する助けとなり、また筋力の基準値への回復を促進する可能性がある。 レジスタンストレーニング後の筋力 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – レジスタンスエクササイズセッションであれば何でも 比較 – コンプレッション衣料の使用と、衣料無し、もしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – 1RMやMVICのような、筋力もしくはトルク生成の測定値であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:後藤およびその他(2014年)、フレンチおよびその他、(2008年) 発見 コンプレッション衣料の、レジスタンストレーニング後における筋力回復への影響を評価している研究はわずかしかない。コンプレッション衣料は、エクササイズ後3 - 24時間の間のベンチプレスにおいて、最大等速性筋力を向上させたようであり、そのうち3 - 8時間の間に最大の向上がみられていた。一方、膝伸筋の最大の向上は、24時間後であったようである。しかし、48 - 72時間の間にバックスクワットにより測定した場合、コンプレッション衣料が全身の筋力の低下を軽減するかどうかは明確ではない。 2つの研究が、コンプレッション衣料とコントロールグループを比較し、回復時における、レジスタンストレーニング後の筋力測定値を評価している。両方の研究は、ストレングストレーニングを行っている男性において行われた。コンプレッション衣料は、ロングタイツ(フレンチおよびその他、2008年)もしくは全身用ボディスーツ(後藤およびその他、2014年)のどちらかであった。フレンチおよびその他(2008年)は、バックスクワット強度(5RM)における差違を発見していないが、後藤およびその他(2014年)は、レジスタンストレーニング後における、下半身上半身両方の筋力低下(等速性 1RM)の有意な軽減を発見している。しかし後藤およびその他(2014年)は、5RMのバックスクワットエクササイズに比較して、筋肉の力生成能力をより良く反映する可能性のある、等尺性膝伸展および等速性チェストプレスエクササイズの際の筋力を評価している。さらに、コンプレッション着用者におけるレジスタンストレーニング後のより優れた筋力測定値は、チェストプレスでは3 - 8時間の間に、またレッグエクステンションではエクササイズ後24時間の時点において示されていた。それ以降の時点における測定はされていなかった。ゆえに両方の研究は異なる時点における筋力を評価していた。 要約 筋力は、行われたエクササイズのタイプに応じ、主に回復初期段階(3 - 24時間)において、コンプレッション衣料を着用することにより、エクササイズ後より良く維持される可能性がある。 プライオメトリックス後の筋力 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – 主にジャンプ、ホップ、もしくはドロップランディングから成るセッションであれば何でも 比較 – コンプレッション衣料の使用と、衣料無し、もしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – 1RMやMVICのような、筋力もしくはトルク生成の測定値であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:ダフィールドおよびその他(2010年)ジェイクマンおよびその他(2010年)、ジェイクマンおよびその他(2010年b)。 発見 コンプレッション衣料は、男女両方において、ドロップジャンプのような激しいプライオメトリックエクササイズ後、12から72時間の間に動的膝伸筋力により測定された筋力の回復に有益な効果を持つ可能性がある。 3つの研究が、プライオメトリックス後の筋力回復に対するコンプレッション衣料の影響を評価している。全ての研究は、市販のロング丈コンプレッションタイツを使用し、24時間の時点(ダフィールドおよびその他2010年)および1 - 96時間の間(ジェイクマンおよびその他2010年、2010年b)の筋力を評価している。筋力は、等速性膝伸筋(ジェイクマンおよびその他2010年、2010年b)、そして等尺性膝伸展および屈曲(ダフィールドおよびその他、2010年)により評価された。2つの研究は、コンプレッション衣料(ロング丈タイツ)の着用は、コントロール被験者と比較し、プライオメトリックス後の筋力低下の有意な軽減を示しており、それが12 - 72時間の間継続していたということを発見している。ダフィールドおよびその他(2010年)は、エクササイズ後24時間の時点において、コンプレッションを着用した等尺性伸展もしくは屈曲強度に差違はなかったと報告している。しかしダフィールドおよびその他(2010年)はまた、基準値と比較した際の筋損傷マーカーの上昇を報告しておらず、エクササイズの量や強度が、筋損傷を引き起こすレベルに十分ではなかったと示唆している可能性がある。対照的に、クレアチンキナーゼはその他2つの研究において有意に増加していた。 要約 コンプレッション衣料は、ドロップジャンプのような激しいプライオメトリックエクササイズ後の筋力回復へ有益な影響があるかもしれない。 有酸素運動後の筋力 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – 有酸素運動セッションが述べられている研究であれば何でも 比較 – コンプレッション衣料の使用と、衣料無し、もしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – 1RMやMVICのような、筋力もしくはトルク生成の測定値であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:ヒルおよびその他(2014年)、ビェウゼンおよびその他(2014年)。 発見 エクササイズ後72時間以内に測定した場合、コンプレッション衣料がマラソン後の筋力低下を軽減するかどうかは明確ではないが、中程度量のセッション後24時間の時点で測定された場合、持久系エクササイズ後の筋力の回復はより優れているようである。 2つの研究が、急性の筋力低下を軽減することにおける、持久系トレーニング後のコンプレッションの使用を評価している。研究は、マラソン(ヒルおよびその他2014年)、および総合で15.6kmである登り下りのトレイルランニング(ビェウゼンおよびその他、2014年)を評価している。被験者は女性(ヒルおよびその他、2014年)および高度にトレーニングされている男性ランナー(ビェウゼンおよびその他、2015年)であった。1つの研究のみがロング丈コンプレッションタイツを評価しており(ヒルおよびその他、2014年)、ビェウゼンおよびその他(2014年)は、膝丈コンプレッションストッキングを評価していた。トレイルランニング後24時間の時点で測定された際、筋力はコンプレッション衣料により維持されていたが、マラソン後24,48、72時間の時点、もしくはトレイルランニング後48時間の時点においては、コンプレッション着用被験者とコントロール被験者の間に差違はなかった。 要約 コンプレッション衣料は、中程度量の持久性エクササイズ後の筋力低下をわずかに軽減する。 記事の結論 コンプレッション衣料は、エキセントリック損傷、レジスタンストレーニング、およびプライオメトリックスエクササイズ後の筋力低下を軽減するようであるが、持久系トレーニング後に有益であるかどうかは明確ではない。 コンプレッション衣料を使用した際、エクササイズ後48 - 72時間の間におけるエキセントリック筋損傷後の筋力低下は軽減され、また、それらは筋力が基準値まで回復する速度を早める。 コンプレッション衣料は、エクササイズ後3 - 24時間の間におけるベンチプレスの最大等速性筋力を向上する。最も著しい向上は3 - 8時間の間に起こり、膝伸展筋力のより優れた維持は24時間後に見られる。 激しいプライオメトリックエクササイズ後の膝伸筋の筋力低下は、コンプレッション衣料を使用した際、男女両方において、エクササイズ後12 - 72時間の間に軽減される。 エクササイズ後24時間の時点で測定した際、(全てではないが)ある種の持久系エクササイズ後における筋力は、コンプレッション衣料を使用した際により優れている。
ザ・ベア
フィットネスプロを対象としたセミナーを指導する際によく、腰部を丸めるコンセプトに関しての質問を受けます。残念なことに私たちの多くは、腰椎屈曲をとても恐れて、何らかのプラスの要素がある場合であったとしても、決して実行することがないようです。腰椎屈曲には、下記のようなルールがあります。 繰り返し行わない(シットアップのように) 負荷をかけて行わない(腰部を丸めたデッドリフトのように) 腰椎が少し屈曲したり、骨盤を後傾したりすることで、椎間板がヘルニア化することはありません。実際、腰椎や骨盤のコントロールをよくすることができれば、伸展ポジションから自由になって腰部を楽にすることもできるのです。伸展ポジションでロックされていると潰されてしまう、椎間板と関節面への圧を緩和します。 結論を言えば、このポジションでのドリルは、前に進むのにかなりの効果を提供してくれるのです。これは私がコアの安定のためのエクササイズとして”ベア”を指導するのが大好きな理由の一つです。 ザ・ベア このドリルでリーチング(前鋸筋動員、より良い肋骨の位置)の効果を得ると共に、下腹部の筋群もかなり働きます。下腹部にこだわるのはなぜだろう?と不思議に思っているかもしれませんね。私の指導しているクライアントやアスリート全てに対して、腰椎、骨盤、股関節の安定性とコントロールを高めることを試みています。骨盤に付着している部分が大きい下部腹筋群(内腹斜筋と腹横筋)は、このためにとても重要な役割をします。シンプルに、骨盤をコントロールしたいのであれば(そして腰椎と股関節のコントロール)下部腹筋の強さを必要とします。何はともあれ、一日中ドローインをすることは、問題解決にはなりません。内腹斜筋あるいは腹横筋を起動させる最良の方法は、まず息を吐くことでポジションをセットすることから始めることです。 ベアを行うためには、四つ這いのポジションでセットアップし、上背部を長くリーチするようにします。脊柱を少し丸めて骨盤を身体の下に引き込むようにします。このポジションから、膝を1インチ( 3センチ)持ち上げるようにして、プランクを行う時にようにある程度の時間ホールドするようにします。