肩甲胸郭モビリゼーション

モビリティーを失ってしまいがちな肩甲骨と胸郭の接合部への、シンプルな手技によるアプローチの方法をレニー・パラチーノがご紹介します。より良いスムーズな動きを肩甲胸郭接合部にリストアするためのテクニックを是非お試しください。

レニー・パラシーノ 6:08

繰り返す怪我のサイクルに終止符を打つには?

怪我の最大の予測因子は、過去の怪我である、というのはよく耳にすることですが、繰り返される怪我の悪循環なサイクルを断ち切るにはどうすれば良いのでしょうか?理学療法士のロビー・オオハシが身体面へのアプローチ以上に何が重要かを語ります。

ロビー・オオハシ & トラビス・ジョンソン 7:36

脅威の閾値

クライアントや患者さんが向上すれば、エクササイズの漸進をするのは自然な流れではありますが、漸進のスピードが速すぎてしまうと脳や神経系にマイナスの反応をひき起こすこともあります。 運動制御への要求があまりにも早く漸進してしまうと、脳や神経系がいかにモビリティーをシャットダウンしてしまうのか、そしてモビリティーをリストアするために、脳や神経系を静めるためのリグレッションがいかに必要性かをベン・コーマックが解説します。

ベン・コーマック 6:46

胸椎へのマッスルエナジーテクニック

胸椎のモビリティーを高めるための受動的なドリルは山ほどありますが、エクササイズの効果をさらに高めるための、よりアクティブなアプローチには、どのようなものがあるのでしょう?理学療法士のマイク・ライノルドが効果的エクササイズをご紹介します。

マイク・ライノルド 2:04

感触を与えてくれる動作

野球選手がバッターボックスに入り、バットを回しながら体重を前足から後足に移動させます。右の踵を回旋してグラウンドを踏み固め、バットをセンターフィールドに向けながら視線をピッチャーへ向けて、3、4回ゆっくりバットを振り、ボールが当たるポイントを思い描きます。そして、腰を低くして投球を待ちます。ここでもまだ、体重は右足、左足へと移動します。このような意味がなさそうな動きをするのは何のためでしょうか? 次の行動を起こす直前に、選手がこれに似たルーティーンを行うのを他のどのスポーツでもみることがあります。 ゴルフでショットの前にクラブをワッグルする。 フリースローの前やテニスのサーブの前にボールをバウンドさせる。 デッドリフトの前にありとあらゆる奇妙なことをする。

トッド・ハーグローブ 2182字

タスク特化のファンクショナルマッスルファンクション

構造的解剖学で学んだように、ハムストリングスは膝を屈曲させる働きをするだけの筋肉でしょうか?ヒラメ筋は足首の底屈をする筋肉なのでしょうか?重力、床半力、質量、モメンタムといった物理的な条件下で、これらの筋肉が実はどのように働くのか?グレイインスティチュート学長のデビット・ティベリオ博士のビデオをごらんください。

グレイインスティテュート 10:38

ケトルベルクリーンの実施方法

ケトルベルクリーンは、手首にベルがガツンと当たって苦手だ、という人もたくさんいるのではないでしょうか?ジョシュ・ヘンキンがケトルベルクリーンの基本的な実行方法をわかりやすく解説してくれるこのビデオを見ながら練習すれば、苦手意識が克服できると思います。

ジョシュ・ヘンキン 4:44

Kaori’s Update #14 - 狭い場所でも実行可能なパワートレーニング

SAQやパワーの向上のためのトレーニングは、屋外の広いスペースや人工芝を敷いたジムのオープンのスペースがなければ実践できない。と思い込んでしまいがちですが、簡単なツールを利用して狭い場所でも実践することが可能なトレーニングのアイデアをご紹介します。

谷 佳織 8:14

助けて...なぜまだ痛むのですか?

なぜまだ痛むのですか? なぜ今回は痛みが消えないのでしょうか? なぜ私はそんなに敏感なのでしょうか? なぜ繰り返し起こっているのでしょうか? 人々は答えを欲しています これら全ては、人々が彼等の持つ痛みや傷害に関していつも尋ねる質問であり、彼等は理由を知りたがっています。結論は、人々は答えを知りたいにもかかわらず、満足のいく答えが無い場合には、しばしば考えられる最悪の結論に飛びつくということ。 ひょっとすると、これらのような質問は、病理解剖学的モデルの理解を超えた異なるタイプの説明が必要だという指標ではないのでしょうか? 不確実性 不確実性は、急性疼痛と慢性疼痛の両方に存在する可能性があります。Mishelは、“theory of uncertainty of illness(疾病における不確実性の理論)”(ここをクリックしてください)において、これを最初に提議しました。不確実性は認知的ストレス要因であり、診断期において最高潮の可能性があります。これは、“疾病に関連する事象を決定できないこと”として定義され、患者は何が問題であるのかを判断することができず、どのような結果になるのかを正確に予測することができません。 Mishelは、“theory of uncertainty of illness(疾病における不確実性の理論)”において、3つの主要なポイントの概要を述べています。 不確実性の前例−疾病以前に起こること。これらは、痛み、これまでの経験、知覚のような患者の思考に影響を及ぼす可能性がある。 不確実性の評価−不確実な状況に価値を与える手続き。 不確実性への対処−不確実性に対処するに際して用いられる活動 不確実性は、疼痛感受性の増大、心理的苦痛の増大、不適切な対処と結び付きがあります(ここをクリックしてください)。より高いレベルの身体障害や鬱病が、彼等の痛みが診断の不確実性によるものであると感じている腰痛患者において発見されました(ここをクリックしてください)。この研究(ここをクリックしてください)では、人々が経験する痛みに影響を及ぼしている不確実性に関する実験データを見ることができます。 答えを得ること 知覚はしばしば答えである可能性があり、あるいは診断はうまくいけば、次に行うべき方向性と処置、解決策、あるいは治療を私達に提供してくれます。答えはしばしば、かなり豊富にあり、ありとあらゆる治療家、トレーナー、医師、もちろん全員がお気に入りの医師…グーグル医師によって与えられています。回復の期待における重要な側面、実際の回復における極めて重要な要因(ここをクリックしてください)は、一部に画像診断を含む診断です(ここをクリックしてください)。残念ながら、私達はまた、それがそんなに単純なものではないことを知っています(ここをクリックしてください)。 明確な診断が無ければ、回復の期待もまた縮小するかもしれません。私達は、行うと考えるだけではなく、実際に行うのです(ここをクリックしてください)! ストレスと痛みの増大はネガティブな関係にあり、不確実性は心理的ストレスを増大する可能性があります。よって、不確実性は、潜在的に疼痛レベルの増大の原因にもなります。より高いレベルの急性疼痛は、慢性疼痛の発生における危険因子として挙げられています(ここをクリックしてください)。 残念ながら、私達がまだ知らないことや決して知ることがないかもしれないことが数多くあり、痛みを伴う多くの状況は原因不明・診断不明です。そして、症状は予測不能である可能性があります。 潜在的にこれが、私達の‘悪い’姿勢、適正な位置にない関節、機能不全な動作パターンの所有を引き合いに出すことによって、ギャップを埋めようとする、かなり多くの理論と症候群が存在する理由です。人々が答えを求める状況において、基本的で単純、時には真実ではない説明をスラスラと言うことは簡単です。詳細はこちらをご覧ください( ここをクリックしてください)、(ここをクリックしてください)。不確実性は減少するかもしれませんが、より大きなストレスを引き起こすネガティブな思考に取って代わられるかもしれません。あるいは、動作の回避、彼等のセラピストによる‘元に戻す’ことへの依存のように、行動を後ろ向きに修正するかもしれません。 一つには、これらのタイプの疑問に起因する状況での答えは、疼痛経験自体に関わるシステムの中で発生する可能性のある無数の変化に関して、さらに理解することにあるのかもしれません。もっともらしい説明が不在の状況においては、人体に関して広がる通説は蔓延し、人々が是が非でも埋めてしまいたい空白状態を埋め続ける可能性があります。本質的に、痛みの教育の前提は、人々が経験する痛みを彼等の身体の状態と区別することであって、痛みが単純に組織の状態を反映するものではないということです。痛みは、損傷の増大の指標ではありません。 何が本当の問題であるのかの再概念化は難しいことです。問題は、単純な隠喩が十分であるのかということです。人々を本当に助けるために、私達の知識がどの程度まで必要なのでしょうか? もちろん、それは個人、彼等の教育レベル、彼等がどの程度本当に知りたいのかによって決まります。私達がしばしば、画像診断の報告をする際に目にするように、ある人達にとって、科学は彼等を迷わせ、混乱させ、そして、望む結果をもたらさないかもしれません。他の人達は、信じられる、もっともらしい高レベルの詳細を必要とするかもしれません。潜在的に過度に表面的で隠喩的であることと、過度に科学に基づくことの間に、バランスを見つけることは重要ですが困難でもあります。 あなたがどんなルートを選択するにしても、あらゆるところで、突然のひらめきで素早く、あるいは単純にできる可能性は低いのです。 アインシュタインは私達に“もしあなたがそれを単純に説明できないのであれば、あなたはそれについて十分に知らないのである”と言いましたが、彼はまた、“物事はできる限り単純にすべきだが、単純過ぎてもいけない”とも言い残しています。これらの引用は、痛みに関する説明を非常に良くまとめているかもしれません。時折、物事は単純である必要があり、またある時は、複雑な物事は複雑のままである必要があります。 私達には、痛みのような複雑なものを説明する際に階層が必要かもしれません。表面的な隠喩と物語は、概念において役立ち、末梢、脊髄後角、脊髄から、脳の中までに及ぶ重層的に発生する可能性のある変化に関する深い知識よる裏付けに役立ちます。 これは、‘痛みは脳の中にある’というアイデア、あるいは人々が述べているような主張を取り巻くいくつかの問題に関する、より最近の問題がある理由なのかもしれません。そして、もし受け手がそれを純粋に心理学的問題と誤解するのであれば、悪影響を及ぼすかもしれません(ここをクリックしてください)。発生する可能性のある物理的・生化学的変化はかなりあり、心理学的要因と同様にこれらに関して議論することは、より不確実な側面のいくつかを満たす手助けをするかもしれません。 知識を持ち、伝える方法 最も強力な鎮痛薬(Gifford)のような安心への鍵となるもの、そして、本当に何も深刻なことはないということは、良い臨床検査を行う能力と、全てOKであるという自信のある立場から話ができることかもしれません。 Louwおよびその他は、最近の研究報告において、良い臨床検査の必要性を議論しています(ここをクリックしてください)。動いたり、誰かが“なぜまだ痛むのかを発見することに興味がある”か否かを判明させる前に、この基本がカバーされているかを確認してください。 私達は、人々が痛む理由に関して知る必要がないかもしれない、あるいは知りたくないかもしれないということを理解する必要があります。この側面は、大部分の状況において、独立したもの、あるいは回復に十分なものとして見られるべきではなく、治療に対する多次元的アプローチの一部として見られるべきです。教育は、他のものとうまく組み合わさると、より効果的のように見えます。これが、痛みは“脳内”には無いということを示唆していますか? しかし、もしそれが必須とされるのであれば、再概念化へのカギは、あなたが支持しているテーマに関して、類似したレベルの知識と自信を持つことでもあるのでしょうか? Wijmaおよびその他は、この研究(ここをクリックしてください)で、より詳細な原因の診断を下すことを可能にするために、痛みのタイプを分類することに着目しました。彼等は、痛みをメカニズムに基づいた分類、既往に基づいた分類、そして、侵害受容的、神経障害的、あるいは中枢性感作に基づく分類に着目しました。これは、より従来型の損傷の病理解剖学的モデル、あるいはアライメントに起因する痛みというよりも、痛みに関わるメカニズムの説明の道筋を可能にしました。 Nijsおよびその他は素晴らしい研究論文(ここをクリックしてください)を発表し、LotzeとMoseleyもまた、このテーマにおいて研究論文(ここをクリックしてください)を発表しました。 研究の批評が、学究と治療家の間の隔たり、そして、治療家と一般人の間の隔たりを埋めていて、適用性の提供を可能にしています。これは、生化学の複雑さのレベルのようなテーマを伴う、痛みの分野の難しさを証明することができます。基礎となる科学の適切に理解することの代わりになるものは無いのかもしれません。 このブログでのポイントは、人々は完璧な説明を欲しているということです。ただ“痛みを気にしないで”と言うだけで十分でしょうか? 痛みは警告だ! 痛みは脳の中にある! それは知覚だ! 痛みが私達を守る手助けをしてくれる! 時折、あまりうまくいかない! 常に誰かが、“なぜ?”と尋ねる よって、私達は、どのように、そして、なぜ痛みが増幅されるかもしれないということを説明できる必要があります。可塑的変化を支えるメカニズムは、末梢的に神経終末、以前は静かだった受容器、受容野と利用可能なシナプスを伴う後角における変化、入力情報へのより一層の注意を伴う脊柱上の変化、感覚皮質と神経連絡の強化における変化において働きます。  ストレスは、状況を再度不確実にする他の相反する情報から来る可能性もあります。 個人にとって、単純さと複雑さの間の連続体における適所を発見することが重要かもしれません。もし知識ベースが単純な方に偏ってしまうと、これは困難になる可能性があります。 もう一つの課題は、あなたがそれを楽しくできるかどうかです。恐らく、人々は退屈な説明に興味をなくすでしょう。どう物事を伝えるかは、恐らく、実際に何を言うかよりも更に重要なのです! 視覚表表象と図表の使用は役に立ちます。基本的構図を用いることで、中枢神経系における処理の多層を見せることができ、後角の扉をすぐに開けることができるかもしれません。これは、世界中のクリニックで使用されている膝や腰の模型となんら違いはありません。 疼痛科学の実際の適用において、いくつかの基本的なヒントがあります(ここをクリックしてください)。 個別化すること 毎回、お決まりのパターンを持ち出すよりも、個人との関わりを個別化するために、人々の経験を生かすのが良いかもしれません。私達は、痛みの不明確な性質、もしくは痛みの軌跡的な性質を強調するのに役立つ、その人の既往、あるいは話の一部を見つけることができるでしょうか?これは、長期間にわたって相対的に不変である検査結果とは対照的かもしれません。 彼等の痛みは、過度のストレスに晒されていた期間と相関関係がありますか?あるいは、週末や休日にかけて軽減されますか? 診断を目的とした以前の治療方法は、長期間にわたって助けになっていますか?私達は、その治療法がいかにして短期間でも助けになったかもしれないことを説明することができますか? なぜボールペンを拾うことで急に腰痛を引き起こすのに、ジムでは起こらないのでしょうか? 明らかな刺激、あるいは有害事象無しに急に腰痛が発生しましたか? 重要な点 人々は説明、あるいは診断を欲している。 不確実性はストレス要因である。 回復の期待は、重要なことである。 誤った情報は、とてもうまくギャップを埋める。 単純な説明は、良くもあり悪くもある。 科学の十分な理解は常に役立つ。 個別化は有益である。

ベン・コーマック 5354字

後脛骨筋の触診方法

触診をするのが難しい後脛骨筋。神経や血管を圧迫することなく適切に後脛骨筋を触診し緩める方法をDr.キャシー・ドゥーリーがご紹介します。まずは自分で試してみてくださいね。

キャシー・ドゥリー 2:58

コンディショニングを追跡評価する方法

トレーニングがコンディショニングをどれだけ向上させているのかを、あなたはどのように知ることができるでしょうか?なぜコンディショニングを追跡評価することがそれほど重要なのでしょうか?この記事は、コンディショニングが実際にどれほど良い状態なのかを正確に理解するためのツールを提供することで、それらの質問に、あるいはそれ以上に答えることになります。競争に勝つためのトレーニングであれ、単に調子を良くするためのトレーニングであれ、いくつかの単純なステップを踏む事で、あなたのワークアウトからさらに多くのことをどのように引き出せるのかを示していきましょう。 なぜコンディショニングを追跡評価するべきなのか? パフォーマンスモデルが、なぜコンディショニングがそれほど重要なのかということの核になります。このモデルはシンプルな3つのステップであり、あなたの目的がより強くなることであれ、有酸素持久力を向上させることであれ、フィットネスの向上方法を含んだ3つのステップのプロセスです。そのステップは: テスト:働きかける必要のあるエリアを特定することで、向上させるための正しい方法、エクササイズ、量、強度を選ぶことができる。 トレーニング:実際にエクササイズを行い、前のステップで作成したプログラムに従う。 追跡評価:パフォーマンスをモニターし、トレーニングプログラムが機能しているかどうか、最高の結果を得るためにできる限り変更を加えるかどうかを見極めます。 どんなプログラムでも紙面上は良くできているように見えますが、それが最良の結果を導くということを意味しているわけではありません。 ジムであなたがしていること以外に、回復に影響を与えるストレス因子があります。最良のケースを想定して作成されたプログラムではなく、ダイナミックな現実の環境で起こることに反応してトレーニングを追跡評価し、調整していくことが重要です。 要点:追跡評価しなければ、効果の出ていないプログラムを続けることで時間を(何週間も)無駄にしてしまいます。 プログラムが期待通りの結果を出しているかどうかを判別するのに、8、10、あるいは12週間も待たないでください。コンディショニングとは週単位で向上していくべきものであり、向上しているのかを確認する唯一の方法が、追跡評価し調整していくことなのです。 そのことは質問を惹起します:まず第一にどのようにコンディショニングを追跡評価するのか? これら3つのシンプルなツールが、コンディショニングを追跡評価するために必要なすべてのことであり、トレーニングを調整し、最適化できるのです。 心拍リカバリー 一定のパワー出力時の心拍 心拍変動(HRV) 1. 心拍リカバリー 心拍リカバリーがどのようにコンディショニングを測定するのかを理解するためには、自律神経(ANS)がどのように作用しているのかを少しばかり理解する必要があります。 最低限の説明としては、自律神経には意識的に考えることなく常に使うことのできる2つのシステムがあります;交感神経“闘争または逃走”と副交感神経“休息と消化”。 交感神経はストレスに反応するシステムであり、エネルギー産出の増加に関与しています−異化作用。無酸素代謝で大きくエネルギーを産み出します。 副交感神経はほぼすべて有酸素的に駆動され、エネルギーの貯蓄を促進します−異化作用(同化??) 高強度でトレーニングする時には、産出するべきエネルギーの量が増えます。このことが、自律神経を交感神経優位な状態にシフトします。 活動が有酸素的であればあるほど、身体は無酸素的エネルギー産出を行う交感神経システムに頼らなくなります。このことが、自律神経と心拍リカバリーの繋がりを明らかにします…。 バチェットらの研究論文によると、高強度で繰り返しスプリントを行ったアスリート(主に無酸素運動)のほうが、中等度の強度で運動を行ったアスリート(主に有酸素運動)よりも、同等のカロリー消費で60秒後の心拍リカバリーは低くなったことが示されました。 このことが伝えているのは、心拍リカバリーは、交感神経駆動の無酸素運動よりも、有酸素運動を行ったほうが優れているということになります。 無酸素システムに依存することなく有酸素エネルギー産出をより効率よく行えれば、与えられた運動をより長い時間維持することが出来るでしょう。 別の言い方をすれば、運動間での心拍リカバリーが優れていれば、コンディショニングもより優れているということになります。 心拍リカバリーの利用の仕方 高強度運動間、あるいは一回のオールアウト後に60秒間の心拍を計測します。心拍リカバリーの数値を記録しておくことで、その向上を計測するために1週間の数値と次週の数値を比較することできます。 一般的なエクササイズ、例えばバイク、トレッドミル、ローイング、あるいは、スポーツや運動に特化したエクササイズにこの追跡評価戦略を使用することができます。 スポーツに特化した心拍リカバリーのためには、そのスポーツや運動でとるのと同じ休息姿勢で計測するようにしてください(例、フットボールでは座位、サッカーでは立位)。 心拍リカバリーを計測するための便利なツールは、ポラールのチームアプリ(コーチングをしている場合)か、ポラールのBEATアプリ(あなた自身がトレーニングしている場合)です。それらのアプリはどちらもポラールのH6、またはH7の心拍モニターが必要になります。別のブランドの互換性のあるブルートゥースモニターを持っているのであれば、Motifitアプリを使用することをお勧めします。 2. 一定のパワー出力時の心拍を追跡評価する コンディションが向上するにつれ、定常出力時の心拍は減少していくでしょう。このことは、同レベルのパワー出力を達成するために同じくらい全力で動く必要がないためです。 この追跡評価戦略を使用する際の鍵となるのは、例えばバイク、トレッドミル、ローイング、あるいは、バーサクライマーなどの機器を使用し、スピードやパワー出力を指標にしてトレーニングすることです。 一般的なガイドラインとしては、3-5分で最大心拍数の約70-80%に相当するパワー出力を目指すべきだということになります。そのパワー出力で平均的な心拍を追跡評価してください。 次の週には、同等のパワー出力でトレーニングし、平均心拍と比較してください。 コンディショニングが向上しているのであれば、平均心拍数は減少していくはずです。このことは、エネルギー消費効率が向上していることを示唆しています。つまり、同じ量の運動をしても、疲労度は減少するのです。 3. 心拍変動を追跡評価する 研究によると、心拍変動は、コンディショニングの品質保証である、有酸素フィットネス、最大酸素摂取量、回復能力と強い相関関係があることが証明されています。心拍変動が上昇すると、有酸素フィットネスと適応性は向上します。 1日の心拍変動数値の週間平均値を見て、どのようにそれが変化しているかを確認してみてください。その数値が、コンディションが向上しているのか、同じであるのか、それとも低下しているのかどうかの明確な指標を提供してくれます。 向上の計測:どのような変化に意味があるのか? 3つの追跡評価戦略がわかったところで、コンディショニングの進歩と通常の生理学的変動を識別できることが必要になります。 この3つのコンディション数値の中で“意味のある”変化を下の表にまとめてあります。 この表には、コンディショニングが向上している場合に見る事が期待できる意味のある変化が含まれていますが、オーバーリーチングあるいは、オーバートレーニングしている場合はどうなるでしょうか? 同じ量の変化を見ることになるでしょうが、表に示されているものとは反対の方向になります。 このことは、トレーニングプログラムが部分的に何か問題を抱えていることを示す重要な指標になるでしょう。しかし、コンディショニングを毎週、当然行うべき通りに追跡評価していれば、調整し、回復させ、あまりに多くの後退をすることなしに進歩させることができます。 すべてをまとめる 3つの追跡評価戦略を適応するにあたって、まず最初にするべきことは、各週の心拍リカバリーの変化を比較し評価することです。 これが、コンディショニングの進歩を評価するための最も単純な方法です。エクササイズを変更するタイミングがいつなのか、さらなる向上を促すために量、強度を上げるときがいつなのかを決定する手がかりにもなるでしょう。 週に1度、元気である週の最初の日が望ましいですが、3−5分間の定常パワー出力テストも実施し、平均心拍数と心拍リカバリーを評価するべきです。ウォームアップの時間にこの計測をしてください。 毎日の心拍変動の計測を忘れずに行うことで、週単位での平均心拍変動の増加を確認することができます。 3つすべての数値の意味のある変化を確認することを忘れないでください;小さな、通常の変動に惑わされないでください。 この情報に基づき、トレーニングに必要となる微細な調整を行うことが、長期的な結果を達成する手助けとなるでしょう。

ジョール・ジェイミソン 3953字

アプローチするべき場所

アナトミートレインの著者である、トーマス・マイヤースが、人体の胎生学的発達を解説し、それによって、徒手療法を行うにあたって最も重要な場所を見つける方法をご紹介します。

トム・マイヤーズ 5:12