マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてポイントとコインを獲得すれば理解も深まります。
呼吸においてのニュートラルとは何か?
前回は『ニュートラル』または『ニュートラリティー』の定義についての考えを述べさせて頂きました。 前回の内容をまとめると “関節におけるニュートラルとは、関節の位置(ハードウェア)ではなく、その関節が求められる動きを適切に表現できる能力(ソフトウェア)である” という事でした。 前回の内容を踏まえ、今回は『呼吸のニュートラル』について私の考えを述べさせて頂きます。 『腹式呼吸』『胸式呼吸』『横隔膜呼吸』『奇異呼吸』『パラドックス呼吸』『努力性呼吸』『安静時呼吸』 などなど、呼吸パターンを表す用語は沢山あります。 様々な理論がある中で、近年はInter abdominal pressure (IAP)→腹圧 を高める呼吸が正しいとされる事が多いです。 この様な呼吸はよく 『Diaphragm breathing (横隔膜呼吸)』と表現されます。 ※そもそも横隔膜を使わない呼吸は無いので『横隔膜呼吸』という言葉が相応しいのかは疑問ですが、ここでは吸気の際に横隔膜が腹圧を高めるべく動く(腱中心が下方に下がる)呼吸を横隔膜呼吸とします。 そして、ここでは吸気の際に横隔膜が腹圧を高める事が出来ない呼吸(例えば胸部が頭方に向かって上がり肩で息をするような呼吸)を胸式呼吸とします。 では、横隔膜呼吸を獲得すれば『呼吸のニュートラル』を獲得したと言えるのでしょうか? 結論から述べますと、 『呼吸のニュートラル』とは “どのような状況においても、その状況に適した呼吸ができる” という能力(ソフトウェア)であるため、単純に横隔膜呼吸=呼吸のニュートラルではありません。 誤解されているかも知れませんが、俗に言う“胸式呼吸”も単純に悪い呼吸ではなく、状況によっては最適な呼吸となる場合があるのです。 例えば800メートル走の際に、 正しい横隔膜呼吸によって腹圧を保ち、走行に適切な姿勢を維持してエネルギー効率やバイオメカニクス的利点を使える選手は有利です。 ただし最大努力時において、または最大努力後にすぐ回復する(酸素~二酸化炭素バランスを調整する)必要がある場合、姿勢を崩してでも酸素を最大に取り入れることができる=すなわち努力性呼吸(ある種の”胸式呼吸”)が上手な選手が有利かも知れません。 ※ここでの努力性呼吸とは肩・胸の上下動が目視できる程の大きな呼吸を意味します。 ただ、この選手がレースの後に家で寝る時も努力性呼吸を続けているのであれば、これは努力性呼吸でスタックしている状態であり、一般的に睡眠の質や回復に問題を抱えるためこれは呼吸においてのニュートラルではありません。 “状況に応じて呼吸パターンを変化させる能力=呼吸のニュートラル”を持っている選手が呼吸においては最も優秀だと考えられます。 これは姿勢のニュートラルで述べた骨盤における“前傾にも後傾にもどちらにもいけるよ”という状態とほぼ同じです。 言い方を変えると 『横隔膜呼吸』も『努力性呼吸』も、『腹式呼吸』も『胸式呼吸』も『鼻呼吸』も『口呼吸』も必要に応じて使うことのできる能力がニュートラルです。 ある状況において不適切な呼吸を選択してしまった場合、その呼吸は”パラドックス呼吸”と言えますが、違う状況においてその呼吸は”最適な呼吸”かもしれません。 ”呼吸においてのニュートラル”の定義についてはココまでです。 ここまでで充分ややこしいですが、ここからは呼吸への介入を更に複雑にしている”回旋運動””歩行”について述べさせて頂きます。 人間は直立位であるため殆どの動作において回旋運動が必須です。 回旋運動には肋骨の動きが深く関わるため、回旋運動による呼吸への影響はかなり大きいのです。 また回旋運動は左右非対称な動きであるため、呼吸も回旋運動に伴い左右非対称に行うことが必要となります。 簡単に表現すると 右側は横隔膜呼吸、左側はある種の胸式呼吸が必要な動作もあります。 その代表的な動作は歩行です。 “Walking is Breathing”~歩行とは呼吸である by Ron Hruska と言われる所以はココです。 歩行は回旋運動→即ち左右非対称な動作であり、効率的な歩行を行うためには左右非対称な呼吸を獲得する必要があります。 『横隔膜呼吸』“だけ”上手な人は左右非対称な呼吸を獲得していないため、効率的な歩行はできません。 『胸式呼吸』“だけ”上手な場合も同様です。 更に更にややこしくなるのですが、 歩行は左右非対称な動作ですが、両側交互に行う必要があるため、“左右非対称な動作を交互的に行う能力”が求められます。(めんどくせ!) それに伴い呼吸も横隔膜呼吸&胸式呼吸を左右非対称に、さらに交互的に行う能力が必要となります。 “左足立ちでも、右足立ちでも、求められる呼吸パターンを体現しながら前に進む“ これが意外に難しいのです。 長くなりましたので、呼吸と回旋運動の関わりについてはまた違う回で述べますが、今回は『呼吸のニュートラル』について皆様の考察を少しでも深めるお手伝いができたら幸いです。 また皆様のご意見やご質問も随時お待ちしております。 ありがとうございました!
コンプレッション衣料のパワー測定値への影響
目的 この記事は、エクササイズ後の回復期間における、コンプレッション衣料の筋パワーへの影響に関する研究を要約している。 筋パワーへの影響 序論 多数の研究が、レジスタンストレーニング、間欠的および持久系エクササイズを含む様々なタイプのエクササイズ後の男女において、コンプレッション衣料を着用することの筋パワーに対する実践的な恩恵を調査している。ほとんどの場合、筋パワーは、下半身のパワーの有効なテストであるようである(マルコヴィッチおよびその他、2004年)ジャンプの高さ(カウンタームーブメントジャンプもしくはスクワットジャンプ)により測定されている。また筋パワーは、体重の20%と同等の負荷を使用したベンチプレススローにより、そして速度と力の両方を測定する動力計カートを押す際の定速(等速性)腕屈曲パワーにより測定されている(スチュアートおよびその他、2005年)。 エキセントリックトレーニング後の筋パワー 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – 一時的な筋損傷を引き起こすための、高負荷から最大負荷までのエキセントリック負荷に注目したエクササイズセッションであれば何でも 比較 – コンプレッション衣料の使用と、コンプレッション無し、もしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – ジャンプの高さやベンチプレススローのような、筋パワーの測定値であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:クレーマーおよびその他(2001年)、クレーマーおよびその他(2001年b)。 発見 上半身のコンプレッション衣料は、最大エキセントリック筋活動セッション後における腕屈筋最大パワーの低下を軽減することに対し、有益な効果があるようである。 2つの研究が、コンプレッションの筋パワーへの影響を評価している。今日まで筋パワーは、最大等速性パワーを通じ腕屈筋においてのみ評価されていた。筋パワーは、エクササイズ後の男女において、上肢にコンプレッションスリーブを着用した際に評価されている。両研究ともに、コンプレッション衣料を使用した際、エクササイズセッション後72時間の時点において、エキセントリック筋損傷を伴う筋パワーの低下を有意に軽減したと報告している。さらにクレーマーおよびその他(2001年)は、筋パワーは24-72時間の間、より良く維持されていたと報告しており、またクレーマーおよびその他(2001年b)は、筋パワーはその後3-5日間、より良く維持されていたということを発見している。筋パワーは、コントロール被験者と比較し、回復初期段階(24対72時間)において、女性と比較して、男性の方がより望ましい状態で維持されていたようである。しかし、クレーマーおよびその他(2001年)による研究において、実験グループとコントロールグループの間における筋パワーの基準測定値は類似しておらず、それが結果に影響を与えていた可能性がある。 要約 コンプレッションスリーブを着用することは、男性においてはエクササイズ後24-72時間の間、女性においてはエクササイズ後3-5日間のエキセントリック筋損傷後の筋パワー低下を軽減する。 レジスタンストレーニグ後の筋パワー 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – レジスタンストレーニングセッションであれば何でも 比較 – コンプレッション衣料の使用と、衣料無し、もしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – ジャンプの高さやベンチプレススローのような、筋パワーの測定値であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:フレンチおよびその他(2008年)クレーマーおよびその他(2010年)。 発見 コンプレッション衣料が、レジスタンストレーニング後の筋パワーの回復を向上することにおいて有益であるかどうかは明確ではない。しかしベンチスローにより測定された上半身のパワー、およびカウンタームーブメントの高さは、回復時にコンプレッション衣料を着用することにより、いくらか維持されていた可能性があるようである。 レジスタンストレーニング後の筋パワーを評価した研究は2つ存在する。それらの研究は、レジスタンストレーニングを行っている男性において行われており、それぞれ全身(クレーマーおよびその他、2010年)もしくは下半身(フレンチおよびその他2008年)のレジスタンストレーニング後、24時間または48時間における筋パワーを測定している。筋パワーは体重の20%におけるベンチプレススロー(クレーマー及びその他、2010年)、およびカウンタームーブメントジャンプ(フレンチおよびその他、2008年)により測定されていた。両研究ともに、レジスタンストレーニング後、コンプレッション衣料の着用に伴う筋パワー低下の軽減を報告している。しかし、エクササイズ後24時間の時点においては、ベンチプレススローのみがコントロール被験者からの有意な差違を示していた。 要約 カウンタームーブメントジャンプにより測定された際、回復期間におけるコンプレッションタイツの使用により、下半身の筋パワーが影響を受けているのかどうかは明確ではない。しかし上半身の筋パワーの低下は、コンプレッションスーツの着用に伴い軽減されるようである。 プライオメトリックス後の筋パワー 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – ジャンプ、ホップ、もしくはドロップランディングから成るセッションであれば何でも 比較 – コンプレッション衣料の使用と、衣料無し、もしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – ジャンプの高さもしくはベンチプレススローのような、筋パワーの測定値であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:ディヴィスおよびその他(2009年)、ダフィールドおよびその他(2010年)、ジェイクマンおよびその他(2010年)、ジェイクマンおよびその他(2010年b)。 発見 ドロップジャンプ後の回復期間に着用されたコンプレッション衣料は、コントロールグループと比較し、後のカウンタームーブメントおよびスクワットジャンプの高さの低下を軽減することが可能であると思われる。しかし、コンプレッション衣料が、10mもしくは20mのスプリントタイム、あるいはパフォーマンスをまとめる複数の反応を維持しているのかどうかは明確ではない。 4つの研究が、プライオメトリックス後の筋パワーを評価している。全ての研究は、市販のロング丈コンプレッションタイツを使用し、女性(ジェイクマンおよびその他、2010年、2010b年)、およびトレーニングされた男女(ディヴィスおよびその他、2009年、ダフィールドおよびその他、2010年)における筋パワーを評価している。筋パワーは、カウンタームーブメントジャンプの高さ(ディヴィスおよびその他、2009年、ジェイクマンおよびその他2010年、ジェイクマンおよびその他、2010年b)、スクワットジャンプの高さ(ジェイクマンおよびその他2010年、ジェイクマンおよびその他、2010年b)そして10m(ディヴィスおよびその他、2009年)および20m(ダフィールドおよびその他、2010年、ディヴィスおよびその他、2009年)のスプリントタイムにより評価されていた。概して全ての研究において、カウンタームーブメントおよびスクワットジャンプの高さの低下は、12-72時間の間にコンプレッションタイツを着用することにより軽減されていた。対照的に、スプリントタイムの増加は、10mまたは20mのどちらにおいても、コンプレッションタイツの着用による影響を受けていなかった。 要約 コンプレッション衣料の着用は、プライオメトリックスセッション後に生じるカウンタームーブメント、およびスクワットジャンプの高さの低下を軽減するようである。 有酸素運動後の筋パワー 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – 有酸素運動セッションが述べられている研究であれば何でも 比較 – コンプレッション衣料の使用と、衣料無し、もしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – ジャンプの高さもしくはベンチプレススローのような、筋パワーの測定値であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:ビーゼンおよびその他(2014年) 発見 1つの研究のみが、持久系エクササイズ後の回復期間に着用されたコンプレッション衣料の影響を評価している。実験グループの被験者は、合計15.6kmの距離の、登り下りを含むトレイルランニングセッション後、コンプレッション衣料を着用した。筋パワーは、カウンタームーブメントの高さにより測定された際、回復介入を使用していない被験者と比較し、コンプレッションストッキングを着用した被験者において有意に高かった。 要約 持久系トレーニング後にコンプレッションストッキングを着用することは、回復期間における筋パワーの低下を軽減するようである。 間欠的エクササイズ後の筋パワー 選択基準 集団 – 誰でも 介入 – 間欠的有酸素運動セッションであれば何でも 比較 – コンプレッション衣料の使用と、衣料無し、もしくは冷水浴などの他の回復介入 結果 – ジャンプの高さもしくはベンチプレススローのような筋パワーの測定値であれば何でも 結果 以下の研究が確認された:ダフィールドおよびその他(2008年)、モンゴメリーおよびその他(2008年)プルチーノおよびその他(2013年)。 発見 3つの研究が、結果測定値としてジャンプの高さを使用し、間欠的エクササイズもしくは試合シミュレーション後のコンプレッション衣料の恩恵を評価している。全ての研究は、市販の下半身ロング丈コンプレッションタイツを使用しており、エクササイズセッション後24-48時間における筋機能の測定値を評価している。2つの研究は、間欠的エクササイズの単一セッションからの回復を調査しており(ダフィールド及びその他2008年、プルチーノおよびその他、2013年)、一方1つの研究は、3日間にわたるバスケットボールトーナメント後の筋パワーを評価していた(モンゴメリーおよびその他、2008年)。トレーニングセッション後、ジャンプの高さを測定する際、間欠的エクササイズを比較した両方の研究は、24時間の時点(ダフィールドおよびその他2008年)、もしくは24-48時間の間(プルチーノおよびその他、2013年)におけるコンプレッションの影響を発見していない。対照的に、モンゴメリーおよびその他(2008年)は、トーナメント日の間にコンプレッションタイツを着用した場合、3日間にわたるバスケットボールトーナメント後のジャンプの高さの低下は、有意に軽減されていたということを報告している。ジャンプの高さは3日間のトーナメント直後に測定されたものである。2つの研究は、間欠的エクササイズ後における20mのスプリントタイムを評価している(ダフィールドおよびその他、2008年、プルチーノおよびその他、2013年)。両方の研究は、間欠的エクササイズ後のコンプレッションタイツの着用は、エクササイズ後24-48時間の間における20mのスプリントタイムへ影響を及ぼさなかったということを報告している(ダフィールドおよびその他、2008年、モンゴメリーおよびその他、2008年)。 要約 コンプレッションタイツの着用は、数日間にわたるトーナメント期間中および直後のジャンプの高さの低下を軽減する可能性があるが、間欠的エクササイズ後、ジャンプの高さに対するコンプレッション衣料の影響があるかどうかは明確ではない。 記事の結論 上半身の筋パワーは、エキセントリック筋損傷、もしくはレジスタンストレーニングのセッション後、等速性腕屈曲およびベンチプレススローにより測定される際、コンプレッションスリーブあるいはシャツを着用することにより、より良く維持されるようである。 激しいプライオメトリックトレーニングセッション後に着用されたコンプレッションタイツは、エクササイズ後12-72時間において測定される際、下半身の筋パワーの低下を軽減するようである。 持久系ランニング後の筋パワーは、コンプレッションタイツによりほとんどが維持される。一方、コンプレッション衣料はおそらく、間欠的エクササイズ後の短距離スプリント速度、あるいはジャンプの高さは維持しないであろう。
FA選手の移籍はもうたくさん!PRIの話です。
PRIには独特の言語というか言葉遣いが存在しています。左右非対称性だったり多関節筋連鎖だったり、今まであまり考えられてこなかった身体の動作パターンについて理解する際にどうしてもこういった共通言語は必要になってきます。現在(2016年5月)行われているPRIのマイオキネマティック・リストレーション講習会でも頻繁に出てきますので、今回のアーティクルではその言語のうちの一つ、FAとAFについて解説してみたいと思います。 まずFAですが、どこかの金満球団がお金にものを言わせて有名選手を引っ張ってきてはレギュラーに据え付ける、あのFree Agentの略ではありません笑 FはFemur、大腿骨で、AはAcetabulum、寛骨臼を指します。つまりFAやAFという文字が出ていれば、どうやら股関節だぞ、という事がわかりますね。 これらは英語で考えるととてもわかりやすい?はずです。 FA=Femur Acetabulum AF=Acetabulum Femur ですよね?このふたつの間に(moves on)を入れてみてください。(on)だけでもいいです。 FA=Femur (moves on) Acetabulum となり、訳すと「大腿骨が寛骨臼の上で動く」となります。要するに寛骨臼は動かず大腿骨が動く、といういわゆる私たちの良く知っている股関節の運動(屈曲・伸展、外転・内転、外旋・内旋など)になります。寛骨臼が動かない、という事は、寛骨臼は安定している、つまり腸骨・寛骨・坐骨など骨盤自体が安定しているという事になります。 それではAFはどうでしょうか? AF=Acetabulum (moves on) Femur となります。訳すと「寛骨臼が大腿骨の上で動く」となります。この場合大腿骨は動かず、寛骨臼が動くということになりますね?うん?大腿骨が動かないのに寛骨臼が動く??ちょっと想像しにくい方もいるかもしれません。もしあなたが椅子に座ってPCを使ってこのアーティクルを読んでいるとしたら、膝を持ち上げたりすればいいので、FAは簡単に想像がついたかもしれませんが、AFとなると一瞬戸惑うかもしれません。 でもご安心ください。Kinetikosではおなじみのヒップヒンジを想像してみてください。デッドリフトでもいいでしょう。これらは股関節の屈曲から伸展を促しているエクササイズですが、地面に足がついている為基本的には大腿骨は安定しており動きません。大腿骨頭に対してスムーズに骨盤を動かすことで初めて伸張性の収縮をハムストリングに与えることができるのです。骨盤が安定して、大腿骨が動く(FA)動きに慣れている人はスムーズに骨盤を動かせなかったりするとヒップヒンジやデッドリフトの動作がスムーズに行えない可能性があります。そのあたりは我々の力の見せどころですよね。 それではこのFAとAFに股関節の基本的な動作を付け加えてみましょう。 FA 屈曲・伸展 ― AF 屈曲・伸展 FA 外転・内転 ― AF 外転・内転 FA 外旋・内旋 ― AF 外旋・内旋 と種類が増えてしまいました!最初は大まかに分けて6つの動きだったのが、もうこれで12の動作となりました。さらに右(R)と左(L)を入れてみると・・・ R FA 屈曲・伸展 ― R AF 屈曲・伸展 R FA 外転・内転 ― R AF 外転・内転 R FA 外旋・内旋 ― R AF 外旋・内旋 L FA 屈曲・伸展 ― L AF 屈曲・伸展 L FA 外転・内転 ― L AF 外転・内転 L FA 外旋・内旋 ― L AF 外旋・内旋 となり、なんと股関節の動きだけで24種類になってしまうのです。よくPRIの講習会で「途中からついていくのが難しかった」とか「頭から煙が…」という話を聞くことがあるのですが(僕は一番最初の講習会の最初の休憩時に頭から火が出ていました。)、もしかしたらこういった関節の動作について事前にわかっていたら少しはわかりやすいのかもしれません。 AFとFAについて大体区別がつくようになってきましたか?区別がつくようになってきたところで考えて頂きたいのは、普段我々が目にするエクササイズで股関節のFAとAFのエクササイズ、どちらをよく目にしますか?という事です。最近のファンクショナルトレーニングの流れで言うとだいぶAFのエクササイズが増えてきた、と感じています。挙げている錘や回数・スピードなどだけでなく、動作自体にフォーカスが行くようになってきたからだと考えます。しかし、まだフィットネスクラブのマシンやリハビリテーションのエクササイズを見てみると股関節のFA動作を促すものが多いでしょうし、一般の方に股関節を動かしてくださいというとFAの動きをすることがほとんどだと思います。 そこで考えていただきたいのは、ファンクションだったりパフォーマンスを考えるうえでFA動作が必要な時とAF動作が必要な時はどちらが多いでしょうか?という事です。 野球のバッターを想像してみてください。一歩足打法はあまり見かけないにしても、足を高く上げてタイミングをとる選手は日本の野球には多く見られます。あの足を上げる動作はもちろんFA屈曲でしょう。左バッターであれば「R FA屈曲」となります。単純に屈曲とは言えないかもしれませんが、ここでは単純化しますね。 それでは左側はどうでしょうか?「タメ」と言われる言葉が野球界にはありますが、トレーニングの世界の言葉で言えば「ローディング」してパワーを溜め込んでいて、R FA屈曲した右足が着地していざスイング、となったときに溜めていたパワーを爆発させるのを待っています。この「タメ」や「ローディング」の動作では大腿骨は動かず安定しているはずなので、L AF内旋となります。AF内旋に関しては想像しにくいかもしれませんが、安定した大腿骨に対して恥骨、または反対側のASISが股関節に近づいていくと考えればわかりやすいかもしれません。もっと単純に言ってしまうと股関節にズボンのしわを寄せていく感じです。 野球に全く興味がない人は、全然想像がつかないかもしれませんね。では誰もが行う歩行の動作はどうでしょう?普段何気なく歩いている時にFAとAFについて考えてみてください。遊脚期(足が地面から浮いている側、スイング側)ではFAとAFどちらでしょう?FAですね。大腿骨が安定した寛骨臼に対して動きます。 立脚期(足が地面についている側、サポート側)はAFの動きになります。寛骨臼が安定した大腿骨に対して動きます。着地後大腿骨が安定することで、寛骨臼が外旋位から内旋位(立脚中期)に移行していきます。 実際に私たちが行っているFAとAFの動作について想像がついてきたでしょうか?そして私たちが普段処方しているエクササイズを考えてみるとFAとAFの動作、どちらが多いでしょうか?歩行時にいつも行っているはずのAFの動作がしっかりと行なえていますか?スクワットの動作一つとっても24種類ある動作を分解してみれば、おのずとクライアントの弱点が見えてきたりするかもしれませんね。 いずれにせよ、僕はPRIと出会ったことで、それまでFAの動作にしか着目してこなかったのに気づきました。金満球団が引っ張ってくるFA選手はもうたくさん!となるわけです笑 よく仕事帰りに僕が人知れず大阪の街でこけるのは、歩行の事を考えてすぎて歩いているからかもしれません、というオチで締めくくろうかと思ったのですが、AFの動作がうまくなってくるとあまりこけません!僕は関東人なのでオチなしで失礼します!
1レッグ・ドロップ・スクワット
前回は両脚でのドロップ・スクワットをご紹介させて頂きましたが、今回は片脚のパターンです。 プライオメトリクスの導入としては最適なエクササイズの一つです。 このエクササイズの目的 ・ジャンプする前にしっかりと衝撃吸収のできる着地動作を身に付けること。 ・カッティング時に下肢のトリプルフレクションを出せるようにすること。 ・片脚でも効果的に加速時の推進力を生み出すためのパワーポジションを確立すること。 などがあります。 両足での立位から片足を浮かせてみてください。バランスをとるために自然と股関節は内転位に変位していくと思います。 側方または多方向のカッティングにおいて進行方向と逆側の足で接地し減速が始まる場合、同じように股関節は内転位になり、下肢のトリプルフレクションを使い減速し、再加速する。こういった状況では、股関節が通常よりも内転位をとるために両足の時よりも股関節の外転筋はよりエキセントリックに、しかも筋の力−長さ関係から見ると不利な状況で活動しているのではないか推測できます。 このような状況でしっかりとトリプルフレクションができなければ、すでに股関節は内転位にあるために膝が内側に入りやすくなることも想像できます。 またカッティング時にみられる上半身が進行方向側に傾いてしまう(ブレる)動きもこの膝が内側に入る動きを助長します。 片足立位で軽く膝を曲げ、支持脚側へ上半身を傾けてみてください。上記のことが実感できると思います。 片脚の着地やカッティングにおいて傷害発生が多いのは、このような背景が関係しているのではと考えています。 このような背景をふまえるとこの1レッグ・ドロップ・スクワットの位置づけが私の中でもハッキリしてきました。 【実施方法】 ①直立姿勢で片足を少し床から離す。肘を90度位に曲げて腕を挙げる。 ②勢い良く腕を後方に引きながら、素早くパワーポジションに移行し(僅かに足底が床から離れる)、しゃがみ込む。 ③パワーポジションを完成させる(脊柱をニュートラルに保つ)。 傷害予防、パフォーマンス向上の基礎として非常に有益なエクササイズだと思います。 トレーニングだけでなくウォーミングアップにも最適です。 ぜひお試し頂ければと思います。
Kaori’s Update #11 - ベアクロル
ベアーポジションとベアクロール。それぞれの目的とポジションのポイントをご紹介します。しっかりと体幹を安定させて行うのは予想外に難しいですよ。^_^
ロウイングでありがちな8つの間違い
ロウイングパターンで、よくありがちな間違いのパターンを、注意すべき8つのポイントに分けてエリック・クレッシィが解説します。
健康のための最高のエクササイズ?
手などを使わずに、床から立ち上がってくることができる能力を維持しているほど、余命の予測年数が長くなる、というリサーチに基づいた、より効果的に立ち上がるためのDVRTドリルをご紹介します。
手の皮膚の神経支配
手の皮膚の神経支配は、大変複雑で混乱してしまいがちなものです。ドクター・ドゥーリーが、手袋を嵌めた手にペンで書き込むことで、この複雑なシステムを解説するビデオを是非ごらんください。
HKCに関する7つの素晴らしいこと
HKCは最高です。 もっと知りたいですか?では、この先も読み進めていってください。 私は幸運なことに、ここ8ヶ月にわたり5つのハードスタイルケトルベル資格認定の(HKC)ワークショップを教えています。マスターRKCであり、DVRTの創始者ある友人のジョシュ・ヘンキンと私は、アメリカ軍海兵隊に対して、これらのうち2つのHKCワークショップを指導する機会に恵まれました。その他の3つは、ニューヨークシティ、カンザスシティ、そしてコネチカットにおいての指導でした。毎回新しい参加者のグループを指導する度に、より一層の感謝と敬意を受けとることに、いくらか驚かされています。 HKCは、私のフィットネスプロフェッショナルになるという素晴らしい道への第一歩でした。それは私にとって、最初の資格認定/ワークショップであり、初めて誰かを「指導する」という経験でした。その当時のプルアップテストは、特定のゴールに向けてトレーニングをした初めての経験でした。そしてそれは、私のキャリアにおいて沢山受けている「ストレングステスト」のうちで、一番最初のものでした。しかし、最初にHCKワークショップ行った当時、私はただの愛好家であり、コーチになる意図も興味も全くありませんでした。私のその意図はワークシュップ直後に変化しました。HKCは、その後の私の根付けをする、最初の種まきとなったのです。数ヶ月後、私は最初のRKCワークショップを経験し、その1ヶ月後には、ジョシュ・ヘンキンの指導するDVRT資格認定を初めて受講しました。その後のことは皆さんもご存知の通りです。 HKCに関する7つの素晴らしいことは下記の通りです: HKCは基本を明確にしています。HKCでは、ケトルベルスイング、ゲットアップ、そしてゴブレットスクワットという、3つの基本動作をカバーします。さらに重要なこととして、HKCはこれらの3つの動作を、漸進、後退、修正、指導、そして実践するための非常に優れた教育を提供してくれます。 HKCは愛好家向けです。あなたがケトルベルを愛している、もしくはトレーナーになろうと考えている場合、これは完璧な最初の一歩でしょう。これら3つのリフトに焦点を当てることにより、他の一日ワークショップで起こり得るような、途方にくれてしまうようなことは少なくなるでしょう。もし多少圧倒された感じがする場合には、HKCマニュアルが非常に頼りになり、ワークショップで教えられた全てのことをサポートしてくれます。 より経験のあるトレーナー/コーチにとって、HKCは各人のケトルベル技術、指導能力そして自身の動作パターンを磨いてくれるでしょう。何度も何度も、私たちはトレーナーの皆さんが、自らの身体がいかに働くのかをより良く理解するための助けとなることができています。 あなたはより強くなり、さらに重要なことに、あなたがトレーニングしている人達も強くなるでしょう。 ハードスタイルの技術は、他の種類のトレーニングに対しても有益です。動作を向上させ、張力(そして弛緩)を生み出すことを学ぶことは、あなたが行うこと全てにおいて活かされるはずです。 HKCは、より高度な3日間のRKC資格認定への素晴らしいステップです。HKCインストラクター資格保有者は、RKCワークシップ申し込みに際し200ドルの割引が適応されるだけではなく、ほとんどの場合、RKCにおいてより良いパフォーマンスを行っています。 私たちのコミュニティーの何と素晴らしいことか!HKC/RKC/DVRT/PCC/Dragon Doorには素晴らしい人たちが沢山います。あなたもその家族の一員になりましょう! 私はHKCを教えることが本当に大好きになりました。教えれば教えるほど、その素晴らしさを感じます。指導すればするほど、スイング、ゲットアップ、そしてゴブレットスクワットの重要性に気付かされます。 下記のワークアウトを試してみてください: 右側ゲットアップx1 スイングx10 ゴブレットスクワットx1 左側ゲットアップx1 スイングx9 ゴブレットスクワットx2 右側ゲットアップx1 スイングx8 ゴブレットスクワットx3 左側ゲットアップx1 スイングx7 ゴブレットスクワットx4 …そして、右側ゲットアップに戻る。スイングは1レップに達するまで減らし続け、ゴブレットスクワットは10レップに達するまで増やし続ける。 それでは楽しんで!
不必要なストレッチを避けるために
ハムストリングスが硬いようなセンセーションを感じた時、即座にストレッチを実施する前に、まず自己テストをしてみましょう!というDr.ドゥーリーからのアドバイスをご覧ください。
学校体育:子供達に運動をさせる理由とは?
アメリカでの学校体育は至るところで、その牽引力を失っています。これは恐らく良い事なのでしょうが、少し振り返ってみてみることにしましょう… 学校体育とは、バランスのとれた身体的チャレンジの表象の場であるべきです。これらのチャレンジは測定可能であり、健康的で有能な人間を作り出すためにデザインされています。それらは斬新でバリエーションに富み、時に失敗する機会も与えてくれます。 しかし、この失敗というのは管理可能なものです。失敗は管理可能なだけでなく、生徒達が発見するという教育的な道のりでもあります–とても良く考えられたフィードバック・ループなのです。 答えが与えられるわけではありませんが、でもすぐそこにあるのです。高レベルの身体スキルの獲得と共に、より大きなチャレンジが身体問題の解決能力と肉体強化の為に課せられます。 今日の環境は、存在する生命体に左右非対称のチャレンジを提供します。 物理的な存在というものは成功するためにもう必要不可欠ではないのですが、物理的存在はバランスのとれた人間である為には必須なのです。 バランスのとれた人間であれば、一つの活動を強化する為に他の活動を排除する必要はありません。そういったことは強さが不自然でアンバランスな方法で得られた時にのみ生じます。全てのエリアにチャレンジすることは、その得意な効果よりもはるかに優れた方法で全体を構築してくれます。 最初の話に戻りましょう…アメリカの学校体育は至る所で、その牽引力を失いつつあり、そしてそうです、私は、それは良い事であると言いました。 学校体育は滅びつつあります。なぜならその目的である「身体的自立」を満たせなくなっているからです。Dr.エド・トーマスはこれを教育全体へ結びつけるフィジカル・リテラシー(身体能力)と呼んでいます。 なぜ子供達に足し算をさせるのでしょうか?なぜ子供達に読ませるのでしょうか?そうすることによって、彼らの生活に役立つ必要不可欠なスキルを使い続けることができるからです。 それではなぜ子供達に運動させるのでしょうか? 1950~70年代の学校体育を考えてみて下さい。この年代に学校体育に出会った人達のほとんどは、現在自分達の健康やフィットネスを自分で管理する方法をわかっていません。ほとんどの人が基本的な健康とフィットネスの基礎において他者に過度に依存しています。その学校体育は効果がありませんでした。 彼らの人生の初期段階における学校体育の効果とは何だったのでしょう?それは生涯を通じた健康とフィットネスを管理する為の、身体的な自立と先を見越した行動を提供するために作られたのでしょうか? または様々なスポーツで使う様々なサイズのボールを紹介する為でしょうか? もし遊び、練習、トレーニングの最適な定義を思い起こすのならば、人生の初期段階において、私達のアクティビティのほとんどを占めるのは、遊びであるとわかるでしょう。 その遊びのほとんどは自然で教育的です。失敗を通しての教育であり、時に落下したり、切ったり、擦りむいたり、痣ができたりして痛みを伴います。遊びは引退して自由な時間ができた(願わくば)人生の後半においてもとても興味深いものです。私達は再び痛みに襲われるでしょうが、これは環境に関わるためではありません。痛みをすでに、そこにあるのです–私達の健康への管理不足により、遊びはもはやオプションではなくなっているのです。 遊び、おそらく身体をより調和のとれたバランスで回復させる方法のひとつ、これにアクセスをすることができなくなる。なぜなら痛みは運動制御をランダムに、そして予想のつかない方法で変化させてしまうからです。 人生の初期の教育的な痛みは、環境が私たちの動作を研ぎ始めることによって、その人生にこっそりと戻ってきます。私達はそれを調和のとれた方法で管理するのではなく、抑制してしまいます。抑制することで、そのシグナルを無視するのです。シグナルを無視することで、非効率性や機能不全、障害などが私達にその力を押し付けるのです。それらは私達の構造を変化させ機能を破壊します。 もしこの不自然な過程が、ゆっくりと継続して起こるとすれば、私たちは、起こっているこの衰えを認識することもないでしょう。そしてある時、スナップ写真やビデオで見たことのあるような能力は、もう発揮できなくなっているのです。その記憶は、あなたの頭の中よりも写真の中にハッキリと写っているのです。 動く能力を失ってしまったのです。 どういうわけか、フィットネス、スポーツパフォーマンス、減量、一般的な身体準備、戦術訓練やその他全てのフィジカルコンディショニングにおいて、私たちは機能より外見に注目するようになってしまいました。機能に目を向けなければ、健康とフィットネスという2つの分野において一貫した確固たる機能的問題点を理解することはできないでしょう。 もしもエクササイズが、日常活動がバランスのとれたフィットネスを生み出さない場合の効果的なサプリメントであるとするならば、なぜそれがこんな残念な副作用が起きるのでしょう? 今やエクササイズ自体が怪我のリスクファクターなのです! よりエクササイズに参加する人ほど、より頻繁に怪我をするのです。 エクササイズに接する機会が多い、つまりは機会が多い分怪我する割合も増えると論争することもできます。エクササイズに触れる事自体、価値のあるものだとしても、動きが管理されていなかったり洗練されていないと、やはりそれは良い事ではなく悪い事にもなり得るのです。 そうです、「正しく動く」前に沢山動くのは問題なのです。 なぜって?じゃあ身体の特性もしくは活動で、バランスが取れていないのに負荷をかけるべきもの、ストレスをかけるべきものの名前を上げてみて下さい。私達のシステムは、バランスがとれて機能的であれば、ストレスをかけることで成長します。しかし、もしそれがアンバランスで機能的でない場合には、あまりに長いチャレンジを強いられ、回復を超えて怪我になるか、完全に壊れてしまいます。 医療科学は、ムーブメントを含まない一連のバイタルサインを発展させてきました。なぜ私達はムーブメントを他の身体のシステムと同じように扱わないのでしょう? 血圧の重要性は、私達が確実で実践的にテストする能力を得る100年前から認識されています。私達は今、ムーブメントの問題を一貫して効果的に区別できる所にきているのです。能力はすべてのレベルのフィットネス教育において得ることができ、そこには密接に結びついたヘルスケアとパフォーマンスモデルがあるのです。 システムはムーブメントフィットネスが構築される基盤として ムーブメントヘルスを生み出す為に作られています…そしてムーブメントフィットネスこそが学校体育が作られた目的なのです。 ではなぜムーブメントにはバイタルサインがないのでしょう?この間違いを続けていくわけにはいかないのです。
DVRTウォームアップ
DVRTのワークショップやコースで紹介されることの多い、股関節周辺から体幹エリアの可動性と安定に注目したウォームアップルーティーンを、DVRTマスターインストラクターのひとりであえう、ジェームス・ニューマンが丁寧に解説します。