マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてポイントとコインを獲得すれば理解も深まります。
股関節のエクササイズ
股関節の前側、後ろ側、内側、外側、全ての構造が伸張し、短縮する働きを運動の3面においてこなすことを、筋肉のイ・コンセントリックの働きとしてギャリー・グレイが解説します。様々な面でのランジの動きを組み合わせることで3Dに機能を向上させる考え方をご覧ください。
年齢を重ねても運動能力を維持する10の方法
20代前半から後半のころ、私の関心はパワーリフティングにシフトし、“伝統的な”アスレティックキャリアからは離れていました。かなり力強くなりましたが、もはやアスレティックであると感じているとは言えませんでした。後から考えてみれば、その他多くの重要な動きの質を除外し、筋力を強化していたからだと気づきました。それ以来、自分がアスリートであることを維持させると思うものを取り入れることに一生懸命でしたし、その結果として、34歳の今、人生にどんなことが起きても受け入れられることに大いに満足しています。そのことを念頭において、年齢を重ねても運動能力を維持するために注意するべき推奨のいくつかをまとめようと思いました。 1. 軟部組織ワークと可動性ドリルを熟知する 疑いようもなく、人々がアスレティックでないと感じるもっとも良くある理由は、彼らが望むポジションや姿勢をとれなくなっているということです。過去にも投稿しましたが、可動性を失い、それを取り戻すためにワークすることよりも、それを維持するために何か少し行うのはとても簡単なことです。フォームローラーを使ったり、1日5分の可動性ドリルを行うことが、あなたをアスレティックに維持することに大いに役に立ちます。 2. トレーニング前に少量のプライオを行う 伸張—短縮サイクル(SSC)を効果的に使う能力を維持することは重要なことであると考えます。ジムで活動的な人すべてが、すごいデプスジャンプや全力のスプリントを行う必要があると言っているわけではありません。アキレス腱、膝蓋腱、あるいは、ハムストリングを傷めてしまうことを心配している人々にとって最良の方法は、サイドシャッフル、スキップ、キャリオカ、バックペダルといった低強度のプライオワークをいくらか実施することです。最善の方法は、ウォームアップ直後やウエイトを行う直前にそれらのドリルを取り入れることです。 3. 全身を使ったエクササイズを強調することで、下半身から上半身への力の伝達を教える コアエクササイズの中で、このタスクを達成するためにいろいろなバリエーションのケーブルリフトを使用することが好きですが、プッシュプレス、ランドマインプレス、ローテーショナルロウもとても素晴らしいオプションです。
プレシーズンへの準備
トレーニングプログラムの作成や評価において、私以上に自分に厳しい人はいないかもしれません。 私は過去数年において、全てのレベルのアスリートにそれなりの成功を収めたと信じていますが、それは私がいつも次のレベルに進む為の調整や改善を行わないという意味ではありません。 どんな時でも改善したかったエリアの1つは “認識”のトレーニングブロック、又はアスリートをキャンプに送り出す直前のトレーニングブロックです。 よく考えると、ここが大変重要なポイントとなります。私の選手であるジョー・ケンが: “見た目も良く、感覚も良く, プレーも良い”と表現したがるように、アスリートには、キャンプインの際、俊敏で爆発的,そしてコンディションが整っていると感じてもらいたいのです。 プレシーズンに入ったら、オフシーズン中にコーチとして仕事を果たしたこと(もしくは果たせなかったこと)全てが明るみに出てくることでしょう。 あなたのアスリートは、より効率的に動けているでしょうか? 彼らの身体の組織は、繰り返されるスプリントや方向転換に対応できるでしょうか? 彼らがコンディショニングテストだけでなく、練習や試合で要求されることにも対処できる指導ができたでしょうか? 今年、私はIndy Eleven (MLSサッカーチーム) の8人の選手をオフシーズン中のかなりの期間において指導しました。ある選手は6週、またある選手は8週、そして他は12週間に及ぶトレーニングを引き受けました。私のオフシーズンのトレーニング哲学をご存じない方の為に簡単に概要をご紹介しましょう。 オフシーズンの始めは、私のアプローチのなかでも、より一般的なことに重点を置きます。目標は動作の効率性、基本的なスピード/筋力/パワー、そしてコンディショニングベースの確立です。この時期には沢山の選手教育も同時に行います。 プレシーズンが近づいてくると、トレーニングはより専門的に変わっていきます。ここでのゴールは、アスリート達にキャンプで課されるであろう過酷さとストレスへの準備をさせることです。 この記事では、選手がトレーニングキャンプで結果をだすことを目的としたオフシーズン最終段階でのトレーニングブロックにおける私のメインアプローチ法を紹介させて頂きます。このアプローチは明らかにサッカー向けではありますが、基本的な考え方の過程を理解し、そこから実際の何らかのスポーツに想定していただければと思います。 ではいきましょう! 方向転換/エキセントリックストレス トレーニングキャンプの最初の1~2週間はアスリート達が筋肉痛になることは皆さんごも存知でしょう。 では、それはなぜでしょうか? もし選手がオフシーズンの期間中全く何もしなかったら、答えはごく単純ですが、もしその選手がハードトレーニングをしていたのならば、この筋肉痛が和らいでも良いはずではないでしょうか? コーチとして、私達は力の産生に大きな重点を置きすぎてしまい、時に力の吸収を見逃してしまうことがあると思います。この練習中に何百回と繰り返される着地とテイクオフのエキセントリック運動のストレスを選手達に準備させるべきなのです。 従って、コンディショニングセッション及び私のスピードとアジリティーセッションにおける1つのゴールは、アスリート達に多くの方向転換をさせることです。 下半身の組織耐性/回復力 次に重点を置くエリアは下半身の着地やテイクオフだけでなく、サッカーに不可欠な莫大な量のランニングにも対応させることです。 もちろん外に出て彼らを沢山走らせることは出来ますが、ここでの難しいポイントはシーズン中にも嫌という程走る事です。もしもプレシーズンとインシーズンを考慮すると、あなたは一年のうち9~10ヶ月間走る選手を担当していることになるのです! 代わりに、私はフィットネスを維持するのに必要な量だけ走らせ(詳細は以下)、 下半身の組織の耐性を作る為に低負荷のプライオメトリックをさせるでしょう。 私にとってこのコンセプトは、”IFAST”で受けたジョール・ジェイミソンのコンディショニングコーチコースで確立されました。有酸素系プライオメトリックトレーニングは、私が正しい使い方を知らなかった為に一度も使ったことのなかった1つの有酸素アプローチの1つでした。 低負荷でのプライオメトリック運動を提供することで、アスリート達がキャンプ中だけでなくシーズンを通して、彼らの下半身を健康に保つことができることを期待しています。 エネルギーシステムトレーニング キャンプが間近に迫ったらコンディショニングを始める時期になるでしょう。もしも選手がこれに繋がることを何もしていなければ、だいぶ出遅れていることになります。 これがオフシーズンのアスリート達への基本的なメニューです: ブロック1- 心拍出量、高強度サーキット、テンポ/酸化系リフティング、非乳酸系パワー ブロック2- 有酸素系パワー(広範囲)、非乳酸系パワー/能力、瞬発系の反復 ブロック3- 有酸素系パワー(高強度)、 瞬発系の反復、テストへの準備 ご覧の通り、ブロック3は全ての複合です。最も高強度な運動をおこない、乳酸系トレーニングもおこなわせますが、より重要なこととして組織に特異的なコンディショニングにしなければなりません。 ここが全ての内容をまとめるポイントになります。方向転換はフレッシュな時だけに重要なわけではありません。疲労している時どうやって方向転換するのか?も重要です。 より重要なことは、これを長時間壊れずに続けることが出来るかということです。 これが一般的なコンディショニングと特異的なコンディショニングの溝を埋めるポイントなのです。これはただ運動/回復比を操作するだけではなく、アスリートが自分達の競技を模倣しながらトレーニングできるのです。 ハムストリングのコンディション サッカーチームは軟組織の怪我を原因に、平均して年間10人の故障者をだしています。私が思うにふりわけはこんな感じでしょう: 7人のアスリートはハムストリングの肉離れで、 2人は大腿/又は鼠径部の肉離れ、 そして残りは下腿の筋であるふくらはぎの肉離れです。 この数字は正確ではないかもしれませんが、メッセージは明確です–ハムストリングを良い状態にする為に取り組まなくてはなりません! もしハムストリングの肉離れの予防に対する包括的な要約が必要ならば、この記事を読んでみて下さい。プレシーズンの終盤では、既に基盤を築いているので (良いポジショニング、腹筋、ハムストリング作業等) この時点ではただ付け加える程度です。 スピードとパワー 承認の時間:ずいぶん昔、私は若いアスリートにキャンプの準備の為のトレーニングをしていて、キャンプが始まる一週間前に高負荷でスクワットとデッドリフトを指導していました。 彼女が黙々とレップをこなす姿を見ながら “一体なぜ僕たちはこれをしているのだろう?彼女の競技にどう活用できるのだろう?”と自分に問いかけていたことをハッキリと思い出します。 筋力は明らかに彼女の問題点でしたが、これは私のコーチとしての分岐点といえる瞬間でした。 プレシーズンが近づくにつれて、基本的なレベルのストレングスはすでに強化されているはずです。ストレングスは間違いなく私がアスリートに求める要素ですが、キャンプに入る際には彼らに軽さ、素早さ、そして爆発力を感じて欲しいのです。 認識トレーニングブロックにおいて、スピードとパワー強化に最も比重を置いていることがわかるでしょう。全ての分野において強化はしますが、ここは特に成果を得たい部分なのです。 つい先週、多くの選手達が、かつてない程に速くて爆発的であると言ってくれたことで、これが私にとって確固たるものになりました。 これはただの事例に過ぎないかもしれませんが、自分が正しい道を歩んでいる事を教えてくれます。 コンペティション 最後になりましたが、最終のトレーニング期では試合を最も重要視します。 これはトレーニングセッションで開始したスピードとアジリティーで最も顕著でした。 より良いムーブメントパターンと、加速や方向転換等を構築するのに優れた戦術指導にオフシーズンのかなりのボリュームを費やすことができたのです。 しかし、誰かをより速く、爆発的にする一番の近道は競争させることです。これが本当に100%の努力が保証できる唯一の方法であり、彼らがあなたの築いたコンセプトを実際の “ゲームスピード”で使えるようになるのです。 最後に、これがトレーニング効果を得る最良の方法というだけでなく、選手達にとっても大いに楽しめるやり方でもあります。選手は競技を愛していますし、彼らをその気にさせてシーズンへの準備を迎えさせることができるのです。 まとめ 最後の認識ブロックを通じて、あなたも私の基本的な概念を掴んだはずです。
NFLコンバインテスト
NFLコンバインに対する私の意見 ストレングスコーチや、コンバインテストを撃破するために、彼らに全ての足跡を追跡する方法を提供しているパフォーマンス会社が、もっと評価されるべきです。しかし、彼らでさえ、反応が全てである実際の試合においては、テストの結果はほぼ無意味であると知っています。トレーナーたちは、コンバインは数字の「ゲーム」に過ぎないと理解しています。 選手たちは、6週間以上の期間にわたって叩き込まれた肉体的な反復を行っているにすぎず、本当の「試合における運動能力」を示してはいません。本当の運動能力を見たいのなら、実際の試合のビデオを観て、全てのテストにおいてランダムな刺激を与え、反応を見るべきです。これがうまくできなければ、日曜日の試合で本来の能力を発揮することはできないでしょう。 複数の試合のビデオを観ても、ゼネラルマネージャーがその選手のタイプを見極められないとすれば、問題はそのゼネラルマネージャーにあります。 40ヤードダッシュのテストの距離は、40ヤードのままでいいですが、20ヤードのタイムをより重視するべきです。アスリートは、ポジションに応じて、様々なスタンスからテストを始める必要があります。例えば、ディフェンシブバックは、股関節をターンして、指令に対応して走る、などです。 5-10-5のシャトルランテストは、完全に指令に対応して行われるべきで、状況を読んで反応する能力を見るべきです。私が見たいのはロボットではなく、アスリートです。ロボットは、うまく切り替えられません。 垂直跳びは、一定のスピードと高さ(徐々に高度が上がっていくものでもいいでしょう)で頭上を動いている物体に、ジャンプしてタッチするという形式で行うべきです。選手は、タイミングを計ってジャンプし、物体に触れる。これが、実際の運動能力です。 立ち幅跳びは必要ないと思います。パワーの出力は、20ヤードと40ヤードのタイムでわかります。フットボールにおいて、水平方向に2フィートジャンプすることはありませんが、垂直方向に2フィートジャンプするのです。 3つのコーンのドリルは、形式にはまりすぎており、アスリートは常に同じ足で接地することになります。こんなテストはやめましょう。 バリー・サンダーズは、スタートのプレー時において、速いバックではありませんでしたが、4 x 4のボックスの中では一番でした。私は主観的に、彼は他の誰よりも優秀だったと言えますが、そこに客観的なテストは必要ありませんでした。 NFLコンバインは、ショーであり、お金のためであり、オフシーズンでもテレビでNFLを放映するためのものです。これ自体に文句を言うつもりはありませんし、私はNFLが好きです…でも正直になりましょう。 本物のアスリートのテストをしたいのなら、全てのテスト(スピード、敏捷性、垂直方向、など)に「闘争-逃走」ストレス反応を組み込む必要があります。こうすることで、誰が本当に動けるのか、全く同じ動作パターンを死ぬほど繰り返して、寝ている時でさえできるようにしたけれど、実際に命を守れるような戦術的な動きはできないアスリートではなく、本当に動けるアスリートを見分けることができます。 私はこれまで、様々なコンバインのために、多くのアスリートのトレーニングを指導してきました。しかし、コンバインのトレーニングが終わり、実際のトレーニングを始めるときこそが、アスリートを進化させるときなのです。 これは、過剰に宣伝されているイベントに対する私の意見に過ぎません。 コンバインで使われているテストは、そのテストで行う活動の能力を測るのにはいいテストです… 垂直跳びや幅跳びは、どのくらい高く飛べるか、どのくらい遠くまで飛べるかを教えてくれます 5-10-5のシャトルランと3つのコーンのテストは、方向転換、体のコントロール、加速能力などの資質において、その選手がどのくらい優れているかを教えてくれますが、それは200回ほどリハーサルを行ったあとで、のことです。 40ヤード走は、決まったスタート姿勢から直線的に40ヤードを走る速さを教えてくれます それ自体はいいことです。素晴らしいテストですね! また、これらのテストが、誰が本気になってトレーニングをしたかを測るためのもので、選手たちがNFLのチームに対して、自分のキャリアについてどれだけ真剣に考えているかを示すことに重点が置かれているとしたら、それに対しても素晴らしいテストでしょう! これらのテストを、ある選手が他の選手に比べてどうかということを記録に残すために使っているとします。例えばある選手は垂直跳びで35インチ、もう一人は33インチ、あるいは、40ヤードダッシュの記録が、ある選手は4.47秒で、もう一人は4.50秒でした。これが望む結果なのなら、各選手のファイルにこれらの記録を書き留めて、ボーナス点でもあげたらいいでしょう。 話を戻して、異なるスポーツのアスリートを複数考えてみましょう。もし私が彼らを、運動能力テストを基準にして選び、目で見るテストの結果や実際の試合でどのようにプレーをしているかを完全に無視したら、彼らを試合で見ることはなかったかもしれません。 ラリー・バード 彼がどのくらい多くのコンバイン記録を作れるかはわかりませんが、間違い無く、彼はとても優れた選手でした ケビン・デュラント 筋力不足や運動能力テストの出来を激しく中傷されていましたが、そうですね、私なら彼をチームに置いておきます。 ジョン・マッケンロー テニスの試合においては最も優れたプレーヤーの一人でしょう。でも運動能力を測るコンバインテストは突破できなかったでしょう。 ジョン・クルック ははははは!アスリートね、ははは。優れた感性、優れた腕前、優れたキャリアを持っています。ただコンバインでは大したことはできないでしょう。 ステフェン・カリー 試合では能力を発揮できていると思いますが、ダンクコンテストやオールコートでのスプリント、敏捷性テストにおいて一番になることはないでしょう。でも今現在、最も“感じること”に優れた選手かもしれません。 トム・ブレイディ 彼は試合で全力で活躍できます。コンバインの出来は、間違い無く相当に悪いでしょう。 ペイトン・マニング 彼は誰かにタックルされそうになれば、あなたがピクニックに持っていくイスよりも素早く身をたたむことができるでしょう。間違い無く、逃げることはありません。彼は素晴らしいキャリアを持っています。 ベッキー・ハモン 5フィートの身体では、コンバインのレースでは勝つことはできないでしょうが、試合では、コンバインで負けた選手たちを抜き去ることができるでしょうし、彼女より背が高い選手たちのディフェンスがあっても点を取り、風のようにドリブルし、すごいシュートを打つことができます。 その他、数え切れないほどの多くのプロアスリート達は、運動能力を測るコンバインテストが重視されていたら、日の目を浴びることはなかったかもしれません。 NFLコンバインのスコアにおいて私たちを驚かせ、もてはやされたのに、試合では全く能力を発揮できずに無能に終わった選手を考えてみてください。 日々のパフォーマンスを測る「目でのテスト」は、その選手がプレーできるのかという点において、No.1の評価ツールにするべきです。 性格やその他の面においては、その選手がどんなタイプの人間なのかを知るための努力をしてください。 そうですね、ポジションごとに特化したテストは素晴らしいですが、選手には様々な理由において、能力を発揮できない調子の悪い日があります。でも1日1日の中で、能力を示しており、土曜日の試合でプレーできているのなら、試してみる価値はあるのではないでしょうか。
痛みは味覚に似ている
マウスが苦いものを食べると、かわいらしく顔をしかめます。最近では科学者が、脳の苦みの知覚に関与する部分を刺激することにより、マウスが顔をしかめることが分かりました。 関連実験で、マウスが苦いものを食べているにもかかわらず、科学者が脳の“甘味”部分を刺激することによって、しかめ顔を阻止することができました。 これは、“痛みは脳の中にある”という概念に類似した考え方で興味深いと思います。 その他にも、何が痛みを起こし、どう痛みを変化させるかということの情報を伝えてくれる。味覚についての興味深い事実(および擬似事実)がここに幾つかあります。 味覚は舌に限ったことではない 味覚となる感覚情報は、舌から送られるだけではありません。食べているものについての多くの情報は、鼻からも送られます。また、ひと口食べたいという気分にさせたり、そのひと口が実際どのような味がするのか決定する上で、食べ物の外見も重要です。 このことから、味は多感覚統合の素晴らしい例であり、これはどうやら視覚や聴覚、触覚などの知覚は、多くの異なる感覚入力から統合されることを示しているようです。視覚は聴覚に影響し、聴覚は味覚に影響し、触覚は視覚に影響します。 ですから、味覚にとってすべてが重要なのです。ベーコンは、カリっと音がする方が美味しく感じます。ビールは、陽の光が当たってキラキラしている時や、サッカーの試合で勝った時、私には最高に美味しく感じられます。私の人生の中で、最高に美味しかった経験は、1日中スキーをした後に食べたハンバーガーです。 今度、ワイン自慢の人に困ったら、次の事実を覚えておきましょう:優秀なワインのエキスパートであっても、もし、ワインが食品着色料で色が変えられていたら、ホワイトワインとレッドワインの区別がつかないのです。そうか! 今度、誰かがサクランボやチョコレートの香りを嗅ぎ分けられると言ってきたら、私はデタラメのかすかな臭いを感じとれますよと言いましょう。 公平のために言うと、恐らくワイン愛好家は、すべての微妙な味質の違いを本当に感じることができるのでしょう。ただ、そのフレーバーは必ずしもワインからだけとは限らないのです。たとえば、ラベルのデザイン、レストランの照明、ワインの質についての知識、ムード、期待感、ワインの専門誌『ワインスペクター』の最新版でちょうど読んだ記事など、他の感覚入力からも考えられます。 痛みも同様です。身体が調子よく感じるのに、完璧な骨質や筋質、関節を必要とはしません。状況によっては、安いものでも美味しく感じるときもあります。視界や音、感触、考え、感情、記憶など様々な知覚入力や認知入力は、痛みを改善できる可能性があります。 味覚と関連付け アルコールを飲み過ぎてひどく具合が悪くなったことはありますか? 愉快なことですよね。 気持ち悪くなるぐらい飲み過ぎてしまったアルコールに対して、強い嫌悪感を抱くようになるかもしれません。匂いを嗅いだだけでも、あるいは思い出しただけでも吐き気を感じるかもしれません。 それは、そのアルコールの風味と、それを10杯も呑んだことによる悲惨な経験とが結びつけられる、パブロフ流(条件刺激)の関連付けが無意識に形成されたからです。 そして徐々に、段階的露出プログラムによってその関連性を取り除いたことでしょう。まず気持ち悪くならずにボトルを見ることから始め、それから嗅いでみて、少し飲み、この関連付けが消滅するまで少しずつ量を増やしたのでしょう。 同様にして、痛みと動きを関連付けることもできます。運動療法士として私たちが実施していることの大部分は、この関連性を断ち切る方法を模索することだと思います。 だんだんと好きになる味覚 コーヒーやビールはだんだんと好きになる嗜好品です。最初はそれほど美味しいと感じなくても、徐々に病みつきになります。なぜでしょう? なぜならこれらは、ドラッグを含んでいるからです。 仕事へ行きたくない、まだベッドに潜り込んでいたいという誘惑感とコーヒーの味とを脳が関連付けするにはそれほど時間はかかりません。もうコーヒーやインディア・ペール・エール(IPA)の苦味も問題ないのです。 また、味を覚えるためにドラッグは必要ありません。しばらくの間、子どもに砂糖とブロッコリーを組み合わせて与えていれば、子どもは徐々にブロッコリーの味を覚えます。 痛みに対してもこれにぴったりな類似性はありますか? プラセボは、学習による関連付けで効果を発揮します。ある鎮痛薬と不活性治療をしばらく組み合わせていれば、直ぐに不活性治療は効果的な要素がないにもかかわらず、疼痛を軽減するようになるでしょう。ランニング愛好家は、多分ランナーズハイの中毒者でしょう。 ルーティンや習慣の効能の根底にある同様の効果も、恐らく一般的な痛みやストレスの対処として身につけるのでしょう。いつも行っているストレッチ、ヨガ、マッサージを良いと感じるのも、過去に効果があったという単純な事実によるものかもしれません。私自身は、必要であろうとなかろうと約5~10分の軽いモビリティー運動を毎日します。始めようと決めた時点でずいぶん効果を発揮しているのかもしれません。 味覚の役割 私たちの味覚は、健康的な食行動の動機付けになるように進化しました。私たちの先祖がアフリカのサバンナを放浪していた時代、塩や砂糖、脂肪が含まれる食事はたいてい健康的な食べ物でした。ですから、これらの質を含む食べ物を美味しいと感じ、摂取したいと思わせるのです。 この単純な考えは、肥満がまん延する本質を理解させてくれます。ファーストフード産業は、味覚が食品消費に与える影響について知り尽くしています。ですから、彼らはほぼすべてのものに塩、砂糖、脂肪を大量に投入するのです。そうして私たちはそれらを過剰摂取してしまうのです。我々がどのようにして脂肪を摂取してしまうのかに関するしっかりとした説明は、この考えに留意しているべきです。 同様に、私たちが日頃目にする痛みの驚くべき現象を十分に説明するには、痛みの進化における役割を明確に理解する必要があります。 痛みは、身体的統合を脅かすものと知覚されることに対しての、防衛行動の動機付けをするように進化しました。しかし、その脅威の知覚が現実のものではないとみなした時、また身体を守る最良の方法が環境や社会的状況によるものと考慮した時、痛みを緩和するすべての変数要素をかなり十分に理解したことになります。
足趾の圧縮を緩める
外反母趾と呼ばれる足趾の変形が起きている場合に、足趾の軸方向への牽引をすることで周辺組織へのストレスを軽減する簡単な方法をDr.キャシー・ドゥリーがご紹介します。ぜひお試しください。
テンポ/酸化リフティング
仕事を始めたばかりの頃には、すべてを知っていると思ってしまいがちです。 ケースとポイント:トレーニングでも人生でも最高に素晴らしくなりたければ、速筋線維があればいいですよね? ある意味、それも言えるでしょう。すべてのアスリートが目指すように、強くて素早く爆発的になるためには速筋線維は素晴らしく重要です。 しかし、だからと言って遅筋線維や遅筋線維の発達を目指すトレーニングメソッドが不要というわけではありません。 テンポまたは酸化リフティングと呼ばれる、遅筋線維の肥大のための優れた方法をご紹介する短いビデオをごらんください。 ビデオをご覧いただいたところでテンポ/酸化リフティングに関して幾つかの注意点があります: 大きな筋群や動作パターンを使用すること。スクワット、プッシュアップ、チンニングのようなエクササイズは良い選択です。 継続したテンポで行うこと!私は通常303(3秒でダウン3秒でアップ)で、トップポジションでもボトムポジションでも止まらずに行います。 燃焼感を感じること。このタイプのトレーニングは楽しいものではありません。自分の心地よいゾーンを越えて頑張らなければ、望む結果は得られません。 テンポ/酸化リフティングは素晴らしいツールで、私がほぼすべてのアスリート達に使っているものです。試してみてください。そしてフィードバックをください。
なぜヘックスバーはアスリートにとってデッドリフトのより良い選択肢なのか? パート 1/2
多くのアスリートにとって、デッドリフトはストレングス&コンディショニングプログラムにおける主要なエクササイズである。ほとんどのコーチたちは、ストレートバーおよびヘックスバーデッドリフト両方のプログラムを作成するが、一方が他方よりもより優れているかどうかは明確ではない。 ストレートバーデッドリフトには長く顕著な歴史があるにもかかわらず、一部のコーチたちは、ヘックスバーには、パワーリフターでないアスリートに対しより良い選択となり得る他の恩恵がある可能性があると示唆している。 最近まで、少なくとも生体力学が考慮されているものとしては、1つの研究がこれら2つのデッドリフトバリエーションを比較しているのみである。その研究でスウィントンおよびその他(2011年)は、1RMの10-80%の様々な負荷において、パワーリフターのグループにおけるヘックスバーおよび従来のストレートバーデッドリフトの比較を行っている。彼らは多くの調査を行っており、それらは時間をかけて概説するに値するものである。 最初にスウィントンおよびその他(2011年)は、各デッドリフトの1RMを測定した。彼らは、ヘックスバーデッドリフトはストレートバーデッドリフトと比較し、1RMに対しより重い負荷を使用することを可能にしているということを発見している(265 ± 41 kg vs. 245 ± 39kg)。彼らは、これは一般的にストレートバーと比較し、ヘックスバーにおけるより短い外側モーメントアームの長さのために起こるのであろうという仮説を立てた。 第2に彼らは、関節角度動作を記録するために動作分析を使用し、リフトオフにおける胴体、股関節、および足関節角度は、ヘックスバーおよびストレートバーデッドリフトの間において有意な差違はなかった(78.8 vs. 72.5度)ということを発見しているが、彼らは、膝関節角度は、ストレートバーを使用した際と比較し、ヘックスバーを使用した際に大幅により大きかった(より屈曲していた)ということも確かに記述している。このより大きな膝関節屈曲は、従来のストレートバーデッドリフトよりも、ヘックスバーデッドリフトを多少相撲デッドリフトのように、あるいはスクワットのようにも見せている。 これらは、2つのデッドリフトのバリエーションを比較している写真であり、ヘックスバーデッドリフトにおいて、膝関節角度がより屈曲していることを容易に見ることができる。 写真からもわかるように、床からのバーベルの高さが同等にもかかわらず、ヘックスバーデッドリフト(写真左)は、ストレートバーデッドリフト(写真右)と比較し、胴体位はより直立している。これは、より大きな膝関節屈曲(膝がより曲がっている)のためであり、股関節がより床に近づいていることが、エクササイズをよりスクワットのようにしている。 次にスウィントンおよびその他(2011年)は、各関節(腰仙関節、股関節、膝関節、足関節)における外側モーメントアームの長さを測定した。彼らは、腰仙関節、股関節、および足関節モーメントアームの長さは、ヘックスバーおよびストレートバーデッドリフトの間で有意な差違はなかったが、膝関節モーメントアームの長さには大幅な差違があり、ストレートバーデッドリフトにおける+8.4cmから、ヘックスバーデッドリフトにおける-1.9cmへと変化していたということを発見している。 正の値から負の値へのこの変化は、それが、ストレートバーデッドリフトにおける総関節モーメントは膝関節屈曲に対するものであり、ハムストリングにより生み出されている一方、ヘックスバーデッドリフトにおいては膝関節伸展に対してであり、大腿四頭筋により生み出されているということを示唆しているため、非常に重要である。共収縮のために両方の筋グループは激しく収縮することとなるが、これは、各デッドリフトバリエーションにおいてどの筋グループが大部分の力を発揮しているかに関し、差違があることを示している。これにより、ここでもまたヘックスバーデッドリフトを従来のストレートバーデッドリフトよりも相撲デッドリフト、もしくはスクワットにより近付けている。 この分析に続きスウィントンおよびその他(2011年)は、総関節モーメントを計算するために逆動力学を使用し、ヘックスバーデッドリフトにおいて、腰椎、股関節、足関節におけるより低いピークモーメントを発見したが、膝関節におけるピークモーメントは増加していた。これはモーメントアームの長さに対する発見を多少さらに詳しく説明しており、ヘックスバーデッドリフトが大腿四頭筋をより働かせているということだけではなく、さらに腰部、股関節伸筋、および足底屈筋への負荷を軽減させているということを示している。別の言い方をするならば、ストレートバーデッドリフトは、ヘックスバーデッドリフトと比較し、より股関節主導のリフトである。 今までのところは非常に興味深いが、これは、デッドリフトのバリエーション間の差違は、程度の差はあるが、単に股関節主導のエクササイズが好まれるかどうかについてであるということを意味しているのだろうか? そうであるとは言い切れない。 実際、ヘックスバーデッドリフトは従来のストレートバーデッドリフトと比較し、より大きな最大力、最高速度、および最大出力を産出している。なぜこれが起こるのかということは正確には難解であるが、総合の負荷が全ての関節にわたり均等に分配されているためかもしれない。これは、(ストレートバーデッドリフトにおける股関節のように)1つの関節が限定要因であるのではなく、各関節が非常に高い力を産出するために最大限に働いている(そして力—速度の関係に従い非常に低速で収縮している)ということを意味しているのだろう。 どのような過程であるにせよ、ヘックスバーデッドリフトは従来のストレートバーデッドリフトと比較し、下半身の力およびパワー生成を発達させるためにおそらくより効果的であるということを確かに示唆している。 4年以上前のスウィントンおよびその他(2011年)の研究発表以来、発表された近年の他の研究で、下半身の筋肉の筋電図検査(EMG)、1RM負荷、および床反力の分析によるヘックスバーおよびストレートバーデッドリフトの比較を見ることができたのは喜ばしい。
なぜヘックスバーはアスリートにとってデッドリフトのより良い選択肢なのか? パート 2/2
研究論文: ストレートおよび六角形のバーベル(ヘックスバー)におけるデッドリフトエクササイズの際の筋活性化およびパワー特性の調査、カマラ、コバーン、ダニック、ガルピン、およびコスタ、ストレングス&コンディショニングリサーチ (2016) 研究者たちは何を行ったのか? 測定 2つのデッドリフトバリエーションの生体力学を分析するため、研究者たちは次の測定を行った。 持ち上げた絶対負荷(1RM) 大腿四頭筋(外側広筋)、ハムストリングス(大腿二頭筋)、および腰部(脊柱起立筋)における筋電図検査振幅 最大力および最大パワー(フォースプレートを使用) バー最高速度(線形速度変換器を使用) 被験者 この研究に対し研究者たちは、多少のレジスタンストレーニングの経験があり、少なくとも体重の1.5倍の負荷においてデッドリフトを行うことのできる23.3 ± 2.1歳の男性20名を集めた。彼らはパワーリフターやストレングスアスリートではないが、少なくとも被験者は意図されているものと同様の方法においてエクササイズを行っていたという、ある程度の安心を提供している。 介入 研究者たちが測定を行っている際、被験者は(従来のスタイルにおける)ストレートバーデッドリフトとヘックスバーデッドリフトを、1RMの65%および85%において、別々の機会に各3レップずつ行った。筋電図検査データは比較可能であるということを確信することができるよう、各エクササイズバリエーションに対し同等の相対負荷が使用され、最大下レップ数のみが行われた(例:筋限界までではない)ということを留意することは重要なことである。 何が起こったのか? 研究者たちは、ストレートバーおよびヘックスバーデッドリフトの間に1RM における有意な差違を発見していない(181.4 ± 27.3 vs. 181.1 ± 27.6kg)。スウィントンによる以前の研究が、ヘックスバーはより大きな負荷を使用することを可能にしているということを発見している中、この研究において、ヘックスバーおよびストレートバーデッドリフトが同様の1RMの値を生み出しているというのは興味深いことである。おそらくこの研究における、趣味としてトレーニングを行う被験者は、以前に調査されたパワーリフターと比較し、熟練されていなかったということであろう。 スウィントンおよびその他(2011年)と同様、カマラおよびその他(2016年)は、ヘックスバーデッドリフトはストレートバーデッドリフトと比較し、有意により大きな最大力、最大パワー、および最高速度を示したと発見している。しかし、絶対負荷に関し、2つのデッドリフトバリエーションの間における1RMの値が同様であったにもかかわらず、このことがこの研究において発見されたのは興味深いことである。 上のグラフからは、最大力における差違は有意であったが、実際はそれほど大きくはなかったということを見ることができる。対照的に、最大パワーおよび最高速度は実質的に大幅な差違があった。これは、ヘックスバーは下半身の筋肉をより協調した形で働かせ、また負荷を共有することを可能にしており、ゆえに力—速度スペクトルの速度側に近いところで働いているという考えに合致している。 スウィントンおよびその他(2011年)により行われた関節モーメント分析を基に予想されたように、研究者たちは、ストレートバーデッドリフトと比較し、ヘックスバーデッドリフトにおいて、外側広筋におけるより大きな筋電図検査振幅を報告しており、一方ヘックスバーデッドリフトと比較し、ストレートバーデッドリフトは大腿二頭筋および脊柱起立筋において有意により大きな筋電図検査振幅を示していた。これは、従来のストレートバーデッドリフトはヘックスバーデッドリフトと比較し、より股関節主導のエクササイズであるという考えを支持している。 上のグラフからは、2つのリフトの差違は、主に大腿四頭筋の筋電図検査振幅であり、ストレートバーバリエーションと比較し、ヘックスバーデッドリフトにおいて大幅に大きかったということを見ることができる。 研究者たちはどのような結論に達したのか? 研究者たちは、ヘックスバーデッドリフトはストレートバーデッドリフトと比較し、より股関節主導でないパターンを含むが(より高い大腿四頭筋の筋電図検査振幅、またより低いハムストリングおよび脊柱起立筋の筋電図検査振幅)、ヘックスバーデッドリフトは、同様の1RMの絶対負荷を含んでいるにもかかわらず、最大力、パワー、速度を発達させることにおいてより効果的であるかもしれないという結論に至った。これは、高レベルの力およびパワーの産出を必要とするアスリートにとって、ヘックスバーデッドリフトはより良い選択と言えるかもしれない。
呼吸:鼻呼吸はなぜ必要か
こんにちは! 宮崎産アスレティックトレーナーの近藤です。 ここ数回にわたり呼吸についての考察をしていますが(前回は“呼吸回数“についてでした。前回の内容を簡単にまとめると、”呼吸回数が多ければ多いほど身体の不調が起こる”です) そして今回は、『鼻呼吸の重要性』についてご紹介したいと思います。 鼻呼吸ができる?できない? 正しい呼吸パターンを獲得する為に大前提となることが、“鼻呼吸ができる”ことです。 ※僕は副鼻腔炎のせいで鼻呼吸が出来ないクライアント(肩の痛みでいらっしゃいました)の治療をしたことがあるのですが、呼吸へのアプローチは効果が薄かったです。 鼻から吸気が出来ないため、風船エクササイズ等も息が苦しくなってしまい頸部筋の過緊張を産む結果になってしまいました。 現在は鼻呼吸ができないクライアントには、まず鼻づまり解消のエクササイズや処置を受けてもらいます。前述の副鼻腔炎や重度の高い疾患の為どうしても鼻が通らない場合は外科手術が必要かもしれません。 口呼吸は増加傾向にある 生まれたばかりの赤ちゃんと、大半の動物も鼻呼吸をします。犬は体温調節のために口からハアハアと息をしますが大半は口を閉じています。 しかしながら、以前の投稿でお伝えしたように、主に環境的変化によって口呼吸をする人は増加しています。 睡眠中、散歩中、安静時、仕事中にも口を開けている人が以前より多くみられます。 この現象に伴い、肩こり、腰痛などの身体の痛み、花粉症などの免疫機能不全、うつ病等の精神疾患は増加傾向にあります。 これらの機能不全と口呼吸には関連があるとする研究は多くあります。 では、なぜ鼻呼吸が必要なのでしょうか? 鼻は、呼気が肺に入る前に、空気の調整をする重要な役割を果たしています。 Buteyko医師は“口呼吸から鼻呼吸へ完全に切り替えるだけで、喘息には約30%の効果がある”と述べています。 ※“鼻呼吸に切り替えない限り、喘息は治らない”とも述べています。 では、これより鼻が担っている重要な役割を具体的に述べていきたいと思います。 鼻の役割: フィルター作用:鼻の中は粘膜で覆われています。 鼻に入る細菌の4分の3は、粘液層上で除去されると推定されています。実際に、鼻の粘液自体に抗菌作用があるとされます。 鼻はまた、喘息を誘発する一般的な大きな粒子をフィルターします。 喘息を患っている方が、大きな出費をしてカーペット、カーテン、寝具を取り換えて、ほこりやチリダニの吸入を減らすためのハイテクな掃除機を購入しますが、出来るだけ鼻呼吸をするように努めることはあまりありません。 温める作用:鼻は吸った空気を温める作用があるので、気道が冷える可能性少なくなります。 鼻甲介でうずまいている空気は急速に暖められます。例えば、6度で鼻に入った空気は、鼻の奥に到達するまでには30度に温められ、気管を通過するときには体温にまで上昇します。 加湿作用:鼻には空気を湿らせる粘液層があるので脱水効果が起こりにくい。 空気量の調整:鼻の穴(鼻孔)は口よりも入り口が小さい。 そのため呼吸の際に抵抗が生じ、結果として、より静かで穏やかになり、正常な空気量となります。 ※正常な換気量は1分間に5~6L、喘息患者は~15Lほどの換気量を持っている場合が多いです。 以上が主な鼻呼吸の機能です。 どんなに正しい呼吸パターンの訓練をしても、鼻呼吸が出来なければ効果は薄いと思われます。 それでは以下に口呼吸が及ぼす影響をご紹介致します。 口呼吸は、口内の乾燥の原因となります。これは、細菌が住み着くのに理想的な環境なので、歯周病や虫歯の原因にもなります。 習慣的に口呼吸する子供は歯並びが悪くなる可能性がずっと高くなるのです。 「ここ何年かにわたり、子供たちが慢性的または習慣的に口呼吸をしていることを裏付ける証拠が増える傾向にある。口呼吸は、あごの発達、頭蓋骨の発達、噛み合わせだけでなく、子供の全身の健康状態にも悪影響を及ぼす」~Buteyko医師 口呼吸が、子供の顔やあごの発育に悪影響を及ぼすことを証明した文献は沢山あります。 それらによると、習慣的に口呼吸をする子供は不正咬合になるだろう。との事です。 ※不正咬合とは、歯の位置のずれ、または上下のあごの位置関係が正常でないことです。 いかがでしょうか?今回は鼻呼吸の重要性を再確認して頂けましたら幸いです。 最後に、鼻づまり解消の為の簡単なエクササイズを1つご紹介します。 1.どちらか片方の鼻の穴を塞ぎ、反対の鼻から空気を吸う。※両側行います。 2.空気不足を作り出すために、通っている鼻の穴を指でふさぎ、詰まっている方の鼻の穴で呼吸する。 ※通っている方の鼻の穴を閉じることで吸う空気量が減り、息苦しく感じるでしょう。 3.そのまま4分間呼吸を継続する。 ※この呼吸法の効果は、どれだけ息苦しさを感じたかによります。 この呼吸法で数分間呼吸した後、最初に詰まっていた方の鼻の穴は以前より通っているはずです。 1日4分間で済むエクササイズですので、鼻づまりにお悩みの方は是非お試しください! 最後までお付き合い頂きありがとうございました!
ESLのクラスを教えたときに考えたこと
1990年代初頭、トップレベルの選手を指導し、フルタイムで教師をしながらも、私の家族は経済的危機に陥りました。事態を緩和するため、第2言語としての英語を教える夜の仕事をしました。1週間に3日、夕食のあとに車で出かけ、子供が寝入っただいぶ後に帰ってきました。 私はESL2を教えていました。書類上では、みなESL1を受講済みでしたが、初級のコースが満員になると、彼らは私のクラスに生徒を送ってきました。部屋いっぱいに40人の大人がいて、14カ国の言葉が話され、そこには知識の基礎はありませんでした。英語がかなり堪能な生徒が何人かいましたが、道路標識が読めないために、学校をほとんど見つけられなかった生徒もいました。 この経験が、私にスポーツとコーチングにおいて重要なことを教えてくれました:グループの人数が多くなればなるほど、コーチングスタッフは明確さに焦点を当てる必要が大きくなります。ESLプログラムにいる学生のすべてが、英語に関する特定の問題に苦しんでいました;これら重要な部分の混乱を除去することが、すべての生徒に助けになるのです。 主格と目的格の代名詞がその問題部分であるようだったので、彼らにこの表を渡しました: 私は私を見る あなたはあなたを見る 彼は彼を見る 彼女は彼女を見る これはこれを見る 彼らは彼らを見る 複数の”“それ”を意味することもあれば、“あなた方すべて”を意味することもあるため、“They”も問題になりますが、これを説明することで、彼らを目覚めさせることができました。すぐに、これら英語の基本となるポイントのカンニングペーパーを1ページ作成しました。彼らが友達から借りてコピーしたこのシートを持ってクラスにくるのを見るといつも嬉しくなったものです。 ほとんどの人のトレーニングにおいて、トレーニング(と栄養)の理解には、ある種のカンニングペーパーを作るべきかもしれません。バックスクワットでのバーの位置のニュアンスについて、スクワットスナッチのスタート時の足の正確な位置、あるいは、100メートルランナーにタッチダウンとターンーバーについて、何時間も話すことはできます。 しかし、誰も気に留めないでしょう。トレーニングする人たちの大部分は、何をするのかを知りたいだけなのです。 オーケー、では行きましょう。 まず最初に、基礎的な人間の動きを行わなければなりません。私はそれらをプッシュ、プル、ヒンジ、スクワット、そしてローデッドキャリー(負荷をかけて運ぶこと)であると考えます。 プッシュ:押す(あらゆる種類)、あるいは、腕立て伏せ プル:引く、または、引き上げる ヒンジ:デッドリフト、または、ケトルベルスイング スクワット:ゴブレットスクワット、あるいは、バーベルスクワット(あらゆる種類) ローデッドキャリー:ファーマーウォーク トレーニングにおいてこれら5種類すべてを行っているのであれば、おそらく、誰よりも良くできているでしょう。ゴブレットスクワットとファーマーウォークを追加することで、ネット上で見かけるすべてのバカバカしいトレーニングよりも、可動性、体組成、そして、運動能力において優れた効果を与えるでしょう。 低強度の心血管系トレーニングのためには、散歩に行きましょう。犬を飼っているのであれば、すでにトレーニングパートナーを持っていることになります。数冊の本、あるいは、おもりを入れたリュックを背負うだけで、脂肪を燃焼させるのに必要な心拍数に十分達することができるでしょう。 1週間に1、2回は、丘を見つけて、そこを数回駆け上りましょう。そうすることで、身体が必要としている強度の急上昇提供できるでしょう。丘を駆け上がってけがをした人に今まで出会ったことはありません。 回復のためには、1日8-9時間の睡眠をとりましょう。テレビやネットを消して、寝ましょう。栄養のためには、野菜を食べ、純粋な水を飲み、たんぱく質を摂取し、子供のような食事をしないで、ちゃんとした食べ物を食べましょう。 ESLを教えたことで、混乱は通常基本を見失うことで起こりうるということを学ぶことができました。フィットネスやパフォーマンスにおいてもこれは真実以外の何物でもありません:基本をマスターしましょう。
肺腫瘍を思い出して
今日アインシュタイン医科大学のラボグループから、解剖献体の心膜を取り出す助けをして欲しいという連絡が入りました。 彼らが見せてくれたのは、心臓を包む膜である心膜に癒着した左肺の腫瘍でした。 一瞬ショックで心臓が止まりそうになりましたが、深く息を吐いて落ち着きを取り戻しました。 その腫瘍が2年前、私の父の命を奪おうとした腫瘍と全く同じ部位で全く同じタイプのものだったのです。 瘢痕組織の繊維性の塊を漉すようにしてみると、横隔神経と動脈が瘢痕組織によって圧迫されている様子に驚きました。 肺の入り口である肺門を瘢痕組織の塊が取り巻いていて、肺に出入りする空気や血液の流れを阻害しているのが見て取れました。 気管と食道を詰まらせていた、塊の縦隔後部への浸潤を観察しました。 私に父が最も具合が悪かった時、食べられず、呼吸もできず、血液循環も適切に起こっていなかった時の病理の解剖学的結果を見たわけです。 そして今、解剖学に対してではなく私の父に対して、全く新たな認識を得ました。 腫瘍は父の心膜を圧迫し、彼の気道と血液を詰まらせました。そして父は腫瘍を叩きのめしたのです。 私は生徒達に、私が2013年の7月に両親に電話をした時の話をしました。父の良く響く楽しげな声に代わって、しゃがれた声が聞こえてきました。 私は父に、どの位の期間声がしわがれているのかを尋ねると父は“1ヶ月位かな”といったのです。 ドゥーリー ”お父さん、それは正常じゃないわ” 父 “いや、ただの風邪だよ” ドゥリー “お父さん、風邪は1ヶ月も長引かないから” すぐに気づきました。 解剖学を知っていたから。 何かが、彼の声を生み出す筋肉をコントロールする反回神経を圧迫していたのです。 私は、母に父の胸部レントゲンを撮るようにと強く伝えました。 父は、いつまでも私のことを小さい女の子のように見ているので、父がレントゲン写真を撮るように影響するにはかなり強い声と私の姉の影響力も必要でした。 大掛かりな検査が行われ、肺の小さな細胞がんが陽性という結果となりました。この腫瘍は父の気管、食道、大動脈を拳骨のように包み込んでいました。腫瘍は父の前部心膜と左の反回神経も圧迫していました。これが父の声をしわがれさせていたのです。 私達は、父が、今日私が自らの手で解剖したのと同じ癌と戦うのを目撃しました。 決して忘れることはありません。 常にこれらの解剖学の素晴らしさをシェアしていきます。 嗄れ声を真剣に受け止めてください。これは喉頭炎ではなく、炎症を伴わない発声困難と呼ばれるものです。 これに関して何度も書いていますが、こうした解剖学的警告に注意を払い続けます。 重要なことなのです。 いつものしつこい炎症よりも声のしわがれが長引いたら、胸部レントゲンを撮影してください。 レントゲンの放射線被曝は、このケースの場合あなたの命を救うかもしれないのです。 大丈夫と証明されるまで、嗄れ声を真剣に受け止めてください。 あなたが決めることではありますが。