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スプリントのためのスプリントランニングトレーニング

目的 この記事は、趣味としてトレーニングを行う、もしくは高度にトレーニングを行う成人アスリートのいずれかにおいて、スプリントスピードを向上するためにスプリントランニングはどの程度効果的であるかということを堤示している。 背景 序論 スプリントは、スプリントの速度を向上させるために行うことができるトレーニングの、最も明確な形である。ゆえに、特異性がストレングス&コンディショニングの重要な原理であるということに基づくと、この形のトレーニングは最も効果的であると合理的に仮定できるかもしれない。 動作のメカニズム スプリントランニングは、スプリント速度を向上させるために非常に効果的なトレーニングとして、ほぼ確実にオリンピックゲームの開始以来、アスリートやコーチにより広く認知されている。スプリントランニングトレーニングは、多数の異なるメカニズムによりスプリント速度を向上するようである。最も起こり得るメカニズムには、スプリントランニングの動作における、速度特有の力生成の増加、もしくはより優れた運動協調が含まれる。 メタ分析 趣味としてトレーニングを行うアスリート 少数のメタ分析もしくは系統的レビューが、スプリントパフォーマンスに対するスプリントランニングトレーニングの有益性を分析している。ルンプおよびその他(2014年)は、趣味としてのアスリートにおける、スプリントパフォーマンスを向上するための異なるトレーニング方法の影響に関し、メタ分析を行った。最初に彼らは、トレーニング方法を特異(スプリントもしくはレジストスプリント)、および非特異(プライオメトリック、レジスタンストレーニング、及びバリスティックトレーニング)へと分類した。彼らは、趣味としてのアスリートにおいて、スプリント速度を向上するために、特異および非特異両方のトレーニングは同様に効果的であったと記述している。これは、趣味としてトレーニングを行うアスリートにおいては、スプリントランニングトレーニングは、スプリントパフォーマンスを向上するために効果的なようであるということを示している。しかしながらこのメタ分析は、全ての確認された研究が、全体の効果規模に統合するために適した形式でデータを提示していたわけではなかったという点で制限があった。これらの研究がこの情報を開示していたら、異なる結果が観察されていたかもしれない。また、「趣味としてのアスリート」において行われたと分類されていた多くの研究は、体育学部の学生において行われており、彼らは全員、あるレベルにおいては競技アスリートであったという個々の研究に含まれていた詳細が明確にはされていなかった。ゆえにルンプおよびその他(2014年)による調査のこの部分におけるこのメタ分析は、比較的トレーニングされていないグループを含んでいた可能性がある。 高度にトレーニングされたアスリート 上記のようにスプリントランニングトレーニングは、趣味としてトレーニングを行うアスリートにおいて、スプリント能力を向上することが可能である。このグループはが、高度にトレーニングされたアスリートにおいては、より多くの恩恵を受けるかもしれないが状況は同様である。ルンプおよびその他(2014年)は、高度にトレーニングされたアスリートにおける、スプリントパフォーマンスに対する様々なトレーニングタイプの影響に関し、メタ分析を行った。最初に彼らはトレーニング方法を、特異(スプリントもしくはレジストスプリント)および非特異(プライオメトリックス、レジスタンストレーニング、そしてバリスティックトレーニング)に分類した。彼らは、特異および非特異な両方のトレーニング方法は効果的ではあるが、特異性をもつものがより効果的なようであるということを発見している。彼らは、高度なトレーニングを行うアスリートにおいては、既に筋力、パワー共に発達した基板を持ち、これは追加の非特異なトレーニングの方法によって更に向上しなかった可能性があると示唆している。 高度にトレーニングされたアスリートにおける、スプリント速度に対するスプリントランニングの影響 研究選択基準 集団 – 高度にトレーニングされた成人アスリートのみ 介入 – スプリントランニングトレーニングのみ 比較 – ベースラインもしくはノートレーニングコントロール 結果 – 100m以下の距離におけるスプリントパフォーマンス 結果 以下の研究が選択基準に適合していると認識された:マジョデル(1991年)、スピンクス(2007年)、ムジカ(2009年)、クラーク(2010年)、アップトン(2011年)、アルカラス(2012年)、ウエスト(2013年)、ルバーゲット(2015年)。ほぼ全ての研究が、標準のスプリントランニングトレーニングは、短距離スプリントテストにおけるアスリートのパフォーマンスを向上したと報告している。被験者の高度にトレーニングされているという特徴は、さらなる速度の上昇を生み出し、確認することを困難にしていたため、ごく少数の研究においては向上が観察されなかったようである。 趣味としてのアスリートにおける、スプリント速度に対するスプリントランニングの影響 研究選択基準 集団 – 趣味としてトレーニングを行う成人アスリートのみ 介入 – スプリントランニングトレーニングのみ 比較 – ベースラインもしくはノートレーニングコントロール 結果 – 100m以下の距離におけるスプリントパフォーマンス 結果 以下の研究が選択基準に適合していると確認された:キャリスター(1988年)、ドーソン(1998年)、リマー(2000年)、ザフェリディス(2005年)、ロッキー(2012年)。ほぼ全ての研究は、標準のスプリントランニングトレーニングは短距離スプリントテストにおいて、趣味としてトレーニングしている個人のパフォーマンスを向上するということを報告している。なぜ少数の研究において向上がみられないのかは、明確ではない。 スプリントに関する結論 特異性の原理に基づくと予期された通りであるかもしれないが、スプリントランニングトレーニングは、趣味として、および高度にトレーニングを行うアスリートにおけるスプリントパフォーマンスを向上するために効果的である。高度にトレーニングされているアスリートは、より特異でない方法に比べ、スプリントランニングトレーニングからより恩恵を受ける可能性があり、一方趣味としてトレーニングを行うアスリートは、特異および非特異な方法の両方から同様に恩恵を受ける可能性がある。

ストレングス・コンディショニング・リサーチ 2788字

エクササイズを難しくする?楽にする?

グレイインスティチュートでは、まるで一般名詞のように使っているけれど、通常の用語ではない言葉、というのが沢山存在します。ここで言うトゥイークイン、トゥイークアウトもそれらのひとつかもしれません。ギャリー・グレイが、これらの言葉が何を意味するのか解説をします。

グレイインスティテュート 5:15

筋膜のトレーニングの基本原則

近年のリサーチによると、筋膜のトレーニングをするのに、あるひとつのトレーニングが他より優れている、というような方法はないが、孤立化させるのではなく、様々な方法で筋膜の長い連鎖をトレーニングをすることがより効果的です。

トム・マイヤーズ 9:40

外旋ドリル

2016年春に来日セミナーを計画しているスー・ファルソニの肩のDVDシリーズからの抜粋。肩の外旋のみを孤立して行うのではなく、身体の安定と共に肩関節の外旋の要素を取り入れた、スーのお気に入りのエクササイズのひとつをご紹介します。

スー・ファルソニ 1:52

坂を使った加速トレーニングが大切である5つの理由

アスリートをより速くするために指導をする過程では、手の込んだドリル、様々な機能が備わった機器、精巧にデザインされたプログラムなど、様々なアプローチが使われます。基盤となるのは、下記の3項目を改善することです。 1. 技術 – 無駄な動作をなくし、反作用の力を適切に利用するために、アスリートが可能な限り効率的に動けるようにする必要があります。 2. 大きな馬力を身につけさせる必要があります。地面に伝える力が強くなるようなトレーニングをすることができれば、アスリートはより速くなります。 3. 最後に、エネルギーシステムの潜在能力を最大限引き出し、質の高い反復を行うために、アスリートがしっかり回復できるようにします。 スピードトレーニングの初期段階で指導者がやり過ぎてしまうことの一つとして、現在の身体能力レベルに対して長すぎる距離を用いてしまう、ということがあります。たとえば、60~100mのスプリントを早期段階で行わせることは、粗末なテクニックにつながったり、セット間の回復のために、現在の有酸素性能許容量を越えてしまったり、組織の準備が適切にできてない、また、ストレスにさらされ続けることにより、怪我のリスクが高まります。 これに対する対処法としては、初期段階で加速トレーニングを行い、スプリントの機械的側面に早期に負荷を与えすぎることなく、アスリートに必要な力の発揮のトレーニングを行うことです。私が好きな加速トレーニング方法の一つは、坂を使ったものです。傾斜の低い坂から中程度のレベルの坂は、重力、その他様々な理由により、自然に力の発揮が高まります。下記は、私が坂を使った加速トレーニングを行う5つの理由です。 坂を使った加速には、機械的側面から二つの良い点があり、アスリートの最初の一歩の踏み出し、フィールドやコートでの素早い加速に非常に役立つトレーニングになります。まず、地面につま先がぶつからないように、自動的に膝を高く上げなければならなくなります(実際に、上体の水平方向への傾きにより、股関節屈曲が大きくなる)。この自然に誘発された大きな股関節屈曲/膝のドライブは、足で地面を蹴って押す力の発揮を高めます。積極的な膝のドライブによる反作用力が、より大きな力を地面に与えます。アスリートには常に重力がかかっているため、重心を動かし続けるためにも、地面に伝える力は常に積極的である必要があります(スプリントが始まると加速が終わる平坦な地面での走りとは異なります)。 坂を使った加速は、走る際に必ず起きる減速を抑えます。力を生み出すことをやめると、ほとんどの場合、アスリートは急に止まることになります。平坦な地面での加速では、能動的に「ブレーキをかける」ようにしなければなりません。各反復の際に減速をする必要がないという事実は、脚を過度に使いすぎず、加速だけに集中することを可能にします。 坂を昇る加速を使うと、腕の動作は、ほぼ自動的に、より活発になり、腕の振りも無駄がなくなります。身体という質量を動かし続けるためには、常に頑張って力を発揮し続けなければならならず、腕もたくさん振らなければなりません。腕によって生み出された力は、より大きなストライドとして表れ、より大きな力の発揮につながります。(#1をご覧ください)遊脚層における腕の振りが小さいと、脚の動きは、腕の動きと合わせるように小さくなります。平地でのトレーニングでは、加速がすぐに終わってしまうため、初心者の加速段階はとても短くなります。坂を使って加速トレーニングをすると、走り全体を通して加速段階のトレーニングに取り組むことができ、より多くの腕の反復が得られます。 坂を使ったトレーニングは神経系への負担が激しいため、プログラムは非常にシンプルです。アスリートが定めた距離に達したときに、その前の回よりも遅くなっていたら、疲れ始めてきている証拠です。疲労が見えてきたら、練習の効果はかなり下がりますから、これが坂を使った加速トレーニングを終了するタイミングです。プログラムの効果をより価値の高いものにするためには、セット内の回数を減らし、セット数を増やすことです。たとえば、セット間の休みが少ない、6回を2セット行うのではなく、3回を4セット行うのです。こうすることで、その3回に集中して力を発揮することができ、セット間のリカバリーでは、6回2セットの場合よりも、ATPがしっかり再補給されます。 坂を使った加速トレーニングは、レジスタンストレーニングの一つの形です。ソリやチューブ、パラシュート、あるいは、徒手抵抗を使ったトレーニングには全て利点がありますが、これらのトレーニングは、私が個人的に非常に大切だと考える一つの要因を満たしていません。それは、こういったトレーニングは、純粋に走るという生まれつきの運動感覚の性質を妨げるからです。バンドやハーネスでつながれた状態は、自然なランニングの状態とは一致しません。肩につけるハーネスにより、肩の水平回旋の増加につながる可能性があります。腰に巻きつけるチューブにより、実際の加速よりも大きな股関節屈曲につながるかもしれません。パラシュートは、風にあおられて、前額面上での不規則な移動につながるかもしれません。こういった障害は、求めていることが明確であれば利点もありますが、先に私があげた3つの項目(技術、馬力、回復)を改善したいのであれば、ほとんどの場合、何にもつながれていない方法で行うのがベストであろうと考えます。誤解しないでください。私はレジスタンストレーニングもたくさん行っています。でも私は常に、どんな結果がなぜ起こるのかを理解した上で行っているのです。 以上の通り、坂を使った加速トレーニングは、スピードの炸裂に必要な爆発的なパワーを発達させる為の素晴らしい方法です。 そうそう!相当急な坂を使う場合は、慎重になってください。もし坂の勾配に対処するためにテクニックをかなり調整しなければならないとすれば、それはやりすぎかもしれません。アスリートの高い技術を犠牲にせずに加速できるレベルに保つよう心がけてください。

リー・タフト 2561字

スクワットマトリックス

グレイインスティチュートのギャリー・グレイが、決まり決まったポジションでのスクワットのみではなく、27の異なった足のポジションと様々な手のポジションの組み合わせで行う、より実際の機能に似たスクワットのマトリックスのアイデアをご紹介します。

グレイインスティテュート 5:01

DNS A & B コース 参加レポート

Dynamic Neuromuscular Stabilization (以下、DNS) A & B Course - Developmental Kinesiology Approach  2015. 8. 21 – 2015. 8. 26 @北海道大学 私は過去にセミナーを通してRobbie Ohashi氏やNBAで活躍する佐藤晃一氏からDNSの考え方に基づいたトレーニングやリハビリを学ぶ機会を得たことでDNSの存在を意識するようになりました。そこからDNSの考え方をトレーニングに応用して効果を上げている人達が何を学び、何を考えてプログラムを組んでいるのかを知りたいと思うようになり、2014年にスポーツコース、そして今回A、Bコースへ参加しました。DNSは日本語では動的神経筋安定化と表現されます。コースに参加した経験や指導を受けたことがなければ、DNSはよくわからない存在かもしれません。私自身もまだまだコースの内容を整理しきれていませんが、このレポートがこれからDNSのコースに参加を考えている方、DNSに興味を持っている方の参考になれば幸いです。 【DNSとは】 ・チェコのプラハスクール、Pavel Kolar博士によって生み出された。 ・単なるテクニックではなく、運動システムにおける神経生理学的な基礎を理解するための包括的なアプローチ。 ・統合された安定化システム(Integrated Stabilizing System of the Spine(ISSS))を活性化する。 ・赤ちゃんの発達運動学をもとに評価、治療、運動療法を組み立てていくための戦略であり、単なる赤ちゃんトレーニングでは無い。 【強く印象に残っているポイント(一部、私見を含みます)】 ・理想的な呼吸とは何か?1日の呼吸数を考えれば、呼吸不全があった場合、特定の筋(呼吸補助筋である僧帽筋上部、胸鎖乳突筋など)の過活動を引き起こすことは容易に想像できる。 ・中枢神経系の運動制御は脊髄レベルから皮質下レベル、そして皮質レベルへと移行する。生後3ヶ月から12ヶ月までは皮質下の成熟によって運動制御が行われ、この時期に基本的な矢状面の安定化、分離運動、四肢の前方方向へのステップと支持機能、機能的関節中心化が発達する。エクササイズにおける発達学的肢位(Developmental Position)はこの期間内に到達する各ポジションが基本。皮質レベルでは認知機能、部分的運動パターンと全体的運動パターンの統合、リラックスできる能力が向上する。中枢神経系の運動制御における3つの段階で何が起こっているかを知ることで、なぜ一流アスリートは運動が滑らかでスムーズかを理解できる。 ・発育発達段階で生じる運動パターンの成熟は成人となっても基本的運動パターンとして使われる。 ・生後3ヶ月から4.5ヶ月の間に獲得される矢状面の安定化は機能的関節中心化(Joint Centration)を促進する。機能的関節中心化は関節面が最大接触し、最適な力の伝達を可能にする。また、最大の筋張力と負荷に耐えることを可能にする。→スポーツには欠かせない。 ・例えば、生後4.5ヶ月の背臥位の肢位で求められる安定性と協調性は、脊柱が体重負荷を維持できる姿勢を可能にしている。スクワットの方がより筋力が必要だが、4.5ヶ月肢位とスクワットのボトムポジションでは求められるものは同じである。 ・矢状面の安定化は“Proximal Stability for Distal Mobility”「遠位のモビリティのための近位のスタビリティ」に共通する考えであり、この矢状面の安定化によって、四肢の相動的な動きが可能になっている。 ・OKCにおける関節運動の固定点は近位、運動点は遠位。CKCにおける関節運動の固定点は遠位、運動点は近位。この運動パターンの違いを理解することは動きを理解する上で重要。 ・直立位は個体発生学上、若い(新しい)パターンであり、損傷を受けやすい。 ・“もし呼吸が正常化されなければ、どのような運動パターンも正常化することができない” (Karel Lewit)呼吸筋である横隔膜は、姿勢機能も持っており、負荷がかかる運動時にはこの2つの機能を満たす必要がある。 ・IAPを高めるために、重要なのは腹部を膨らませることではなく、腹壁がシリンダー形状になること。 ・腹壁がシリンダー状なっていれば吸気時には横隔膜は下がり、腹壁の筋群は遠心性収縮し、IAPを高める。ドローインでは横隔膜の下がるスペースがなくなってしまう。横隔膜は呼吸機能、姿勢機能、括約筋のマルチタスクをこなすため、欠陥が生じることが多い。 ・DNSテスト(横隔膜テスト)では、呼吸機能、姿勢機能、姿勢を維持しながら呼吸機能が働くかを評価する。 ・呼吸の必要性が増大した時、呼吸筋は姿勢制御を減少し、即時に呼吸の必要性に対応する。(Hodges et al, J Physiol 2001; Grimstone & Hodges, Exp Brain Res, 2003)→体幹部のシリンダー形状がとれない場合、IAPを高めることはできず、姿勢制御がより困難になると考えられる。 ・股関節屈曲筋は腰椎前湾も引き起こす。脊椎の後部も含む脊椎伸展筋の作用に十分な拮抗作用を持つ筋は脊椎の前側にはない。→IAPによる安定化が必要。 ・IAPを高めるには横隔膜のドーム形状になっていることが重要。吸気時には腹壁が遠心性収縮しながら活動し、横隔膜が下がってくることでIAPが高まる。下部肋骨が前突している場合、横隔膜は肋骨に引かれ、平坦化する。平坦化した状態では横隔膜の下降幅が低下するためIAPを高めにくい。腹直筋の緊張が強くお腹が凹んだ状態のままになっているケース(砂時計症候群)も同様。→PRIでいうZOA(Zone of apposition)を失った状態に共通。 ・DNSの考えではお腹をへこますDraw – Inは良いパターンではない。あくまで腹部のシリンダー形状によってIAPを高めることが重要。 ・例として円柱形を保ったペットボトルを真上から抑えるつけることを考えてみると、円柱状(シリンダー状)を保ったペットボトルはかなり強い圧力にも耐える事ができる。しかし、一部に少しでも凹みがあると上から圧力をかけた時に簡単に形が崩れてしまう。 ・脊柱が四肢の動きを作り出している筋の固定端の役割を果たしている。例えば上肢の動きにおいて肩甲帯の支持が必要だが、その役割を担う前鋸筋は腹壁の筋による胸郭の安定性が無いと正常に機能しない。同様に正常な股関節屈曲動作は腰椎伸展筋に対する腹壁の筋群による安定化作用が働いていないと正常に機能しない。 ・運動療法、トレーニングにおいて口頭指示で姿勢や運動パターンを変化させることができる場合、ボディアウェアネス、認知機能が優れている。リプログラム(運動学習)が進みやすい(予後が良い)。 ・自身の筋により発生する内的な力は、外的負荷よりも有害であることが多い。 ・骨棘や椎間板突出などの構造的な問題は手術で対応できるが、その原因は不安定性の結果であることが多い。→解決策だけでなくその原因を明らかにする必要がある。 ・どのような身体も物語を語る。“身体に語らせよ”(Vladimir Janda) 【A - Bコース、スポーツコースに参加しての感想】 ・機能的関節中心化を達成するにはどこに注意したら良いかをわかるようになってきた。手や足部への荷重のポイント、キューイングによるアライメントや筋力発揮の変化を身をもって感じることができました。 ・トレーニング種目の中にも背臥位や四つん這い、側臥位、ハーフニーリングなどのポジションを取るものがあります。これらをみるときにDNSの発達学的肢位から考えると良いフォームとは何かということに自分なりの答えを見いだせるようになってきました。DNSでも全ての発達学的肢位は自己治療に使うことができるとし、とにかく赤ちゃんの発達学的姿勢と比べてみることを薦めています。実際に指導現場に戻ると選手の動きをみる目が変わったと感じます。 ・A 、BコースとSportコースでは違う講師でしたが、それぞれの方に特徴があり、微妙に教え方も異なっていると感じました。それぞれに動作の修正の仕方やキューイングの出し方もとても参考になりました。参加者の中には何度もDNSのコースに参加される方もいます。講師による指導方法の違いもあるのですが、現場での指導を経てもう一度コースを受けにくるとまた違った学びを得られるのだと思います。 ・A 、BコースはPTの方が多く、スポーツコースはパーソナルトレーナー、AT、S&Cコーチの方が多いでした。自分の専門分野以外の方とペアを組んで実習を進めていくことも多いので、それぞれのミカタを経験することもできて良い気づきが得られます。私自身はS&Cが専門ですが、スポーツコースやExerciseコースの内容は運動指導分野で活用できる有意義な内容だと思います。呼吸が運動パターンに与える影響を知り、それを修正し、最終的には運動パターンを改善していくという流れをつかめると思います。 ・コースの中では、様々なテストやその結果からの修正の方法、エクササイズや動きのミカタを学んでいきます。興味のある方は是非コースに参加し、実際にご自分で体験されることをおすすめ致します。 【DNSを知るための参考文献】 ・Craig Liebenson, Rehabilitation of the Spine. Lippincott Williams & Wilkins, 2006 日本語の訳本『脊椎のリハビリテーション(エンタプライズ)』もありますが、現在は出版社廃業のため入手が困難です。Amazonでは出品者から手に入るかもしれません。上下巻にわかれており、Pavel Kolar博士の記事は下巻です。DNSコースの復習としても大変役立つと思います。Craig Liebenson、Stuart McGill、Vladimir Janda、Paul Hodges、Karel Lewitなど、他にも多彩なメンバーがそれぞれの立場で執筆をしています。 ・Craig Liebenson, Functional Training Handbook. Lippincott Williams & Wilkins, 2012 世界的にも有名な研究者、ストレングスコーチ、トレーナーなど錚々たるメンバーが分担執筆した本です。Pavel Kolar博士によるDNSの紹介はもちろんCraig Liebenson、NBAで活躍する佐藤晃一さん、キネティコスでもお馴染みのSue Falsone、Eric Cressey、Michael Boyleなど業界を牽引するメンバーが多数執筆しています。概論だけでなく、様々なスポーツにおけるトレーニングやリハビリテーションのアイデアが多数あり、興味深い内容になっています。 ・Clare Frank et al., Dynamic Neuromuscular Stabilization & Sports Rehabilitation. Int J Sports Phys Ther. 2013 Feb; 8(1): 62–73. International Journal of Physical Therapy という学術誌に掲載されたClinical Commentary(解説)記事です。DNSコースインストラクターも担当するClare Frankらの執筆です。DNSのHPで全文を見ることができます。 【DNS・プラハスクールのウェブサイト】 http://www.rehabps.com/REHABILITATION/Home.html ※Kinetikosアドバイザーである大貫さんが2015/10/03(土)にDNSとPRIのコンセプトに基づく呼吸のセミナーを開催されるそうです。興味のある方は参加を検討されてはいかがでしょうか。

緒方 博紀 5062字

チームスポーツコンディショニングテストをやり抜く方法

過去数年にわたり、チームスポーツのコンディショニングテストは私の悩みの種となっています。 最初に言わせてもらうと –早期におけるスポーツの特定化や、誰もが栄養学のエキスパートになってしまうこと、そしてその他諸々のことと共に悩みの種なのです。 本題から外れましたが… まず何よりも、こういったテストは大抵馬鹿げていて、全くもってスポーツに特化していません。 友人であるモーリス(アリゾナカーディナルスのフィジカルコーチ)が度々述べているように、フットボールは非乳酸系-有酸素的スポーツです。 ですが私はもう一歩踏み込んでみたいと思います - ほとんどすべてのチームスポーツが実際は非乳酸系-有酸素的スポーツなのです。 言い換えると、非乳酸系(又はクレアチン-リン酸系)に負荷をかけて高強度運動を起こし、そこから30、60、または90分にわたるエネルギー供給と補給の為に有酸素系へと引き継ぐのです。 これらのテストは、高校生や大学生世代のアスリート達と同じ馬鹿げたテストを強制させられるプロフェッショナルレベルにおいて、より憤りを感じさせられます。 良き友人であるビル・ハートマンは“プロのアスリート達は良いコンディションで姿を現すためにお金をもらっている”と言っています。 これ以上の言葉は思い浮かびません。 ここでの大きな問題は、ほとんどのチームのコンディショニングテストは、かなり解糖系のものであるということです。アスリート達は連続して25秒,30秒,45秒,あるいは60秒間も、セット間のわずかな休憩だけで走り回っているのです。 広範囲に及ぶ解糖系のトレーニングで、あなたはフィールドやコート上で役立つこととは真逆となる心臓やミトコンドリア、そして毛細血管においてトレーニングの順応性を作っているのです。 残念ながら、沢山のコーチ達がいまだにその選手が “適切”なのか不適切なのか、チームの一員になれるかなれないかを判断する為に古典的なエネルギーシステム/コンディショニングテストを使っているのです! それゆえ、私のコーチとしての仕事の1つは、アスリート達を助けるためにそのシステムをうまく操作することなのです。 いたってシンプルに、私は彼らにトレーニングキャンプを迎えた際にスポーツに適した状態で各々の競技で活躍してほしいのですが、テストを乗り切るための十分なエネルギーもまた与えなければなりません。 以下の要点は最も一般的なコンディショニングテストに勝ち抜く為のトレーニングブロックを設定する1つの方法です。頑張ってください! 最初に読んでください! 今日提供することはとても高強度で、解糖系に注目したトレーニングブロックです。これはアスリート達にとっては悲惨なものになるでしょう - 間違いありません。しかしあなたがこのブロックに頭から突っ込む前に、まずこれを理解しておいてください: 有酸素トレーニングは基本であり、実際チームスポーツアスリート達のエネルギー供給においてそれが現れます。 有酸素系エネルギーシステムは全てを支え、高強度での爆発からアスリートを回復させる手助けとなり、最終的にはより優れたアスリートになる手助けとなるでしょう。 このようなブロックから最大限の効果を得る為には、心拍出運動、高強度の連続したトレーニング、酸化リフティング等を通して有酸素系を成長させることに時間を割く必要があります。 有酸素系の準備が整い働きはじめたら、そこからが解糖系に目を向けるタイミングなのです。 もしあなたがタバタのリサーチに目を通したなら、参加者の無酸素能力の向上は6週目でピークを迎えることに気づくと思いますが、この増加のほとんどは実際には最初の3~4週間で迎えているのです! それゆえに、このブロックを短期間に保つ理由は2つあります。 これは80/20の原則です –最小限の努力で最高の結果をだす、そして アスリート達を無酸素の方向に無理に追い込むことはしません。私はそれよりも実際のスポーツで役に立つ非乳酸系—有酸素系で軸となる適応を維持しながら、テストをパスするのに十分な変化を得るようにするでしょう。 これで基本の部分はカバーしたので、どうやってトレーニングブロックを設定するかについて話しましょう。 解糖系ブロックを構築する 乳酸系や解糖系トレーニングに関しては、私が基本的に取り入れる“3タイプ”のトレーニング法があります。 乳酸パワー – 25秒-35秒の非常に高強度な運動。実施後完全回復を行う(10分が望ましいが、時間を考慮すると5分が実践的)。 乳酸許容量 – これもまた高強度ですが、持続時間が長い(90-120秒)。完全回復を伴う、または繰り返して行われる。 乳酸反復 – これは基本30-60秒範囲での運動と30-90秒の回復で、数回にわたり繰り返されます。 というわけで、私はストレングス/パワーセッションの後のまとめとして大抵一週間に3つの乳酸系のセッションを指導します。 月曜 – 乳酸パワー 水曜 – 乳酸反復(テストに特化) 金曜日 – 乳酸パワー 乳酸許容量トレーニングは滅多に必要にはなりません。アスリートにとって最悪な経験であるだけでなく、そのスポーツにおいてほとんど見返りのないレーニング耐性を作ってしまうからです。 かわりに、テストのほとんどは25-35秒内の短時間での運動を伴っていますので、乳酸パワートレーニングのほうが遥かに特化しています。ここでの目的はアスリートを本当に最大限のペースで追い込むことです。そうすれば、テストは最大下になるのです。 これをストレングストレーニングの観点で考えてみてください:もし一人がベンチで315ポンドを上げて、もう一人が250ポンド上げたとすると、どちらがより多く225ポンドを上げられるでしょうか? エネルギーシステムのテストへの応用ということに関しても違いはないのです: 目的は乳酸パワーを使ってアスリートを追い込み、テストで求められるよりも、より激しく速くトレーニングをすることです。結果として、テストの中での一連の運動は最大下になるのです。 ですから私達は2日間を乳酸パワーの為に使い、1日はテストの為のトレーニングに費やしているのです。 これもとても重大です。なぜならいくつかのテスト(120秒を繰り返すようなテスト)は直線的であり、より純粋にスピードが要求されます。もう一方で、コーンドリルは方向転換の繰り返しであり、使うエネルギーシステムは同じかもしれませんが、組織への負荷という観点では全くの別物となるからです。 コーンドリルは間違いなく四頭筋に負荷をかけますから、テストの為の日を、テストに特化しているか確認することを忘れないで下さい(もしくは少なくとも組織に特化していること)。 ここでもうひとつ乳酸系トレーニングのマイナスの副作用を軽減できるいいことがあります: アスリートに心拍系をつけさせ、テスト中に心拍数を測ってください。私は彼らの心拍数が無酸素性作業閾値に達するまで走らせてから、テストを終了します。 そしてもし彼らが必要とするトレーニング量に届かずもがいているとしたら、無酸素性作業閾値に達するまで走らせて、もう一度繰り返す前に5-7分の休憩を与えて下さい。こうすることでアスリートをトレーニング中完全に潰すことなくボリュームを獲得できるでしょう。 これで3日間のトレーニング日を決定しました。今度はこれをどうやって4-5週間のトレーニングブロックに当てはめるか見てみましょう。 トレーニングウィーク このトレーニンブロックは、最大限の効果を引き出す為に高強度で維持されなければならないため、とても負荷と強度がかかることを頭に入れておいてください。 ですので、アスリートをキャンプに送り出す前にトレーニング量と負荷を減らすことを計画する必要があります。決して彼らを疲れて疲弊した状態でキャンプに送り出したくはありませんから、送り出す前に“リフレッシュ”させる計画をしましょう。 ここに理想的なトレーニングブロックとはどういったものかを記します: 第5週-乳酸週その1 第4週-乳酸週その2 第3週-有酸素系ミニブロック* 第2週-乳酸週その3 第1週-乳酸週その4(週の半分) ゼロ週目-キャンプに参加優勢を極める (*もしあなたがブラデミール・イズリンの手法を手本にするのなら、有酸素向上のトレーニング効果は30日+/−5日であると彼は明言しています。そういったことで、有酸素システムを “繋げて”おくために有酸素のミニブロックをこのフェーズの間に投入したいのです。ミニブロックではより非乳酸運動{8秒又はそれ以下}、心拍出、高強度での連続運動、または豊富なテンポでの走りをより考慮します。) この最後のブロックは9~12の解糖系セッションから成り、詳細な概要によって決まります。確固たる有酸素エネルギーシステムを構築する為に、全ての低強度運動をあらかじめ完了させていると仮定すれば、これはアスリート達の間近に迫ったテストへの準備には十分過ぎる程でしょう。 まとめ 理想としては、全てのスポーツ(そしてフィジカルコーチ)が運動生理学だけでなく、そのスポーツの特異性や要求をしっかりと理解することです。 ですがそれまでは、かなり厄介なコンディショニングテストをなんとか切り抜けなければなりません。 フィジカルコーチとして、 何よりもまず彼らのスポーツに不可欠で要求されることをアスリート達に準備させることが私達の仕事なのです。  ですがもしチームスポーツのコンディショニングテストをうまくやり抜かなければならない場合、上記のプランは間違いなく役立つことでしょう。

マイク・ロバートソン 4169字

シングルレッグトレーニングセミナー パート2

(パート1はこちらへ) (パート3はこちらへ) MBSCで収録された、シングルレッグトレーニングセミナーからの抜粋パート2。両脚でのスクワットは誰にでも向いているエクササイズではない、ということの理由づけから、スクワットを行わなくなったことによる非難の話までマイクがシェアします。

マイク・ボイル ストレングス&コンディショニング 10:55

スクワットの変数要素を操作する

サッカー選手がボールを蹴った後のポジションに似た位置でシングルレッグスクワットを行おうとする際に、どのような変数要素が操作できるでしょうか?パフォーマンスをより高める為の、様々な変数要素の操作方法のアイデアを、グレイインスティチュートのファクリティーのひとりであるパッドがご紹介します。

グレイインスティテュート 2:28

足首のリハビリの為のエクササイズ

捻挫をした足首のリハビリを行う際に目指すのは、怪我をする前の状態よりも更に良く反応する足首の機能を取り戻すこと。そのためのアプローチに、エアーBAPSを使ったボトムアップの方法や、身体の上部の構造をドライバーとして使ったトップダウンの方法があり得ます。チェーンリアクションを活かしたリハビリのアイデアをご覧ください。

グレイインスティテュート 7:41

Kaori's Update #4 - 足関節挫傷のリハビリに関するアイデア

グレイインスティチュートのギャリー・グレイ博士のビデオクリップで語られる、鼻のドライバーの意味とは?エアーBAPSとは、どのような器具なのか?グレイインスティチュートGIFTの卒業生である谷佳織が、わかりやすく解説します。

谷 佳織 08:00