マイクロラーニング
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プログラムを作成するより良い方法:ストレス/リカバリーサイクルを理解する パート2/2
新しいプログラムのモデル:ストレス−リカバリーサイクルの導入 これで、従来の部位ごとのスプリット、ムーブメントベース、そしてワークアウトベースのプログラムのモデルが度々うまく機能しない箇所が明確になったことでしょう。これらのモデルの構成単位は筋群、ムーブメントパターンそして闇雲な強度です。 これらが重要である一方で、全てのトレーニングプログラムの基礎は、身体の自然なストレス−リカバリーサイクルであるべきです。この基礎の上にのみ、動作や筋群といったことを積み重ねるべきなのです。 それぞれのトレーニングの週を、このストレスとリカバリーのサイクルに合わせて設定するべきです。これが、一貫した結果を生み出すために、あなたのトレーニングとリカバリーが逆行することなく、あなたの為になることを確かにする唯一の方法なのです。 これが、フィットネスが、数ヶ月間は向上しその後停滞してしまうことと、数年間にわたる長期的な向上を解放することとの違いなのです。 ストレスとリカバリーを中心にトレーニングの週を構築する方法 ストレス−リカバリーサイクルの観点から考え、そしてプログラムを作成するには、出発点は異なる種類のトレーニングとトレーニング日を、それらが身体にどれだけのトレーニングストレスを課すかということによって分類することです。これは、ウェエイトリフティングのプログラムに最も頻繁に使われる「低強度」、「中強度」そして「高強度」の日というコンセプトと似ています。 私が作成する全てのプログラムにおいて、私はトレーニング日とトレーニングを、全体的なボリュームと強度、つまり総合的なストレスに応じて4つの特定のカテゴリーに分解します。トレーニングの総合的なストレスは、トレーニング負荷とも呼ぶことができます。 ディベロップメント:これは総合的なトレーニング負荷が最も高くなります。これらは、少なくとも1時間はトレーニングするものです。あなたの1RMの90%以上(ウェイトトレーニングをするならば)そして最大心拍数の90%(コンディショニングトレーニングをするならば)に達するように心構えをしましょう。ジムを出る際に歩みが遅くなり、次の日に筋肉痛などを感じるということがわかるのであれば、あなたがディベロップメントトレーニングをしたことがわかります。 スティミュレーション:ディベロップメントトレーニングから一段下がったものがスティミュレーションです。この種類のトレーニングは、一般的にはハードですが、疲労困憊になるほどではありません。1から10のスケールで7または8を狙いましょう。ほとんどのトレーニングであなたのマックスの80%から90%の間でウェイトまたは持久系トレーニングを行います。あなたが良いトレーニングセッションだったと思いながらジムを出て、そして次の日に筋肉痛や疲労がないようであれば、それは典型的なスティミュレーショントレーニングです。 リバウンド(アクティブリカバリー):リバウンドトレーニングはアクティブリカバリーの一種です。これは単に、完全にトレーニングをオフにするというよりも、リカバリーを促進するために何かをするということです。私がどのようにリバウンドトレーニングを作成するかについて詳細に書いてきたので、ここをクリックすることで詳細を知ることができます。アクティブリカバリーのカテゴリーには、リジェネレーションを含めることもできます。マッサージやフロートタンク、電気刺激、クライオセラピー、ヨガ、瞑想、サウナ、冷水浴などは、正しく用いれば、全てリカバリーの促進を助けることができます。何がリバウンドのカテゴリーに入るかを知る方法は、それを行った後にあなたがどのように感じるかです。始める前よりも著しく体調が良いと感じるべきです。それが目的です。 オフ(パッシブリカバリー):この種類のトレーニング日は、全くトレーニングではありません;あらゆる種類のトレーニングまたはリジェネレーションからの完全なオフ日です。アクティブリカバリーとパッシブリカバリーを週に何日ずつにするべきかは、あなたのフィットネスのレベルと、総合的な週のトレーニングストレスによります。一般的なルールは、トレーニング負荷とフィットネスレベルを増加させるにつれ、パッシブリカバリーの日よりも、より多くのアクティブリカバリーの日を設けるべきです。とは言え、精神的なバーンアウトを避けるために、最低でも1日は完全なオフを取ることは重要です。これはあなたのストレス閾値をさらに押し上げてしまうことを防ぐことにもなります。 ストレス−リカバリーモデルの実例 ストレス−リカバリーモデルに則してトレーニングプログラムを作成する方法は、ほぼ無限にあります。新しいモーフィアス コーチングシステムを利用して、モデルの実例がどのようなものかという例を三つハイライトしました。 下のグラフでは、ボリュームと強度の両方がトレーニング週にわたって分配されているのがわかります。ボリュームは各トレーニングセッションにおける分数です。強度は心拍数ゾーンの色で表されています:青は低強度(リカバリー)、緑は中強度(コンディショニング)、赤は高強度(オーバーロード)です。 ストレスとリカバリーを管理するためにモーフィアスを使用することについては、ここから詳細を知ることができます。 プログラム作成のガイドライン 目標は、トレーニングのストレスを中心にプログラムを作成し、週を通してリカバリーを促進するために、アクティブまたはパッシブな休息を周期性のパターンで続くことです。それを実行していれば、あなたは正しい方向に向いているでしょう。 次の三つの原則は、長期的な結果に繋げるために各トレーニング週で最大の効果を得るのに役立つでしょう: ほとんどのプログラムは、それぞれの週において2つのストレス−リカバリーサイクルを中心に作成されるべきです。一般的には、これでフィットネスを向上させるために十分なトレーニングストレスを身体に与える一方で、結果を最大限にするためにリカバリーも最適化します。 一般的に、ディベロップメント(高ストレス)の日を2日連続させるのはできる限り避けたほうが好ましいです。怪我やバーンアウトの増加の可能性を避けるために最低でも2日のアクティブまたはパッシブリカバリーを必要とするような高いレベルの疲労につながります。 目標は、それぞれの新しいトレーニング週を前の週からの残存した疲労なしに開始することであるべきです。これによってオーバートレーニングや回復不全の状態に身体を落とし込むような慢性的な疲労の蓄積を回避します。 次に何をするか ストレス–リカバリーモデルの最も大きな強みの一つが、前述した一般的なトレーニングスプリットとは違い、実質的にあらゆるフィットネスの目標に対して用いることができるということです。 自分の身体の見た目や感じを向上させたいのか、またはパフォーマンスで次のレベルに上がりたいかどうかは問題ではありません。私はこれを、格闘技アスリートの世界チャンピオンから週末戦士、会社の重役、主婦&主夫、そしてその間の人たちと、全ての人たちをトレーニングする際に使用してきました。 週のトレーニングをストレスとリカバリーの基礎を中心に計画しているのであれば、あらゆる身体の部位、エクササイズ、またはムーブメントベースのプログラムをその上に当てはめることができます。 始めるにあたって、あなたの現在のプログラムを見てみましょう: 現在どのように計画されているか? それぞれのトレーニングがストレス–リカバリーの連続体の中のどこに当てはまるか? 過去3〜6ヶ月において一貫して向上していたか? リカバリーを記録していたのであれば、そこにパターンはあったか? 最も強度の高いトレーニングセッション間に、何らかのアクティブリカバリーを組み込んでいたか? 多くの場合で、既存のプログラムをより効果的にするには、少しの改変だけでいいのです。これは、シンプルに、強度の高いセッション間にアクティブリカバリーの日を追加する、または個々のトレーニングを増強または低減させることでもいいのです。 多くの人は、全く同じボリュームと強度を週にわたって異なって分配することが全く異なった結果につながる、ということがわかっていません。 フィットネスは、どれだけのセットとレップを行う、またはどのエクササイズを選択するか、ということ以上のものです。それは、これらの要素をあなたの週間の計画にどの様に計画し分配するかということでもあるのです。 それが、あなたがすでに行っていることに小さな変化を加え、そしてストレスとリカバリーの適切なバランスに行き当たった時に、大きな向上を見ることができる理由なのです。
プログラムを作成するより良い方法:ストレス/リカバリーサイクルを理解する パート1/2
中学1年生の時に私の兄が初めて私にウェイトトレーニングを紹介してくれた時、私はすぐに夢中になりました。その当時の多くの人達のように、私はトレーニング方法を学ぶために人気のボディビルとフィットネスの雑誌に目を向けたのです。 その頃は、インターネットやソーシャルメディア、オンラインコースはありませんでした。私は我慢強くなかったので、できる限り速くより大きく、そしてより強くなりたかったのです。毎月、私はお店に行って、FLEXとMuscle and Fitnessの最新号を買い、没頭したのです。 驚くまでもなく、私のトレーニングプログラムは、非常に典型的なボディビルのスプリットでした。毎日、私は異なる部位をトレーニングしました。正直にいうと、それがほとんどの人がトレーニングしていた方法なので、他にプログラムを作成する方法があるとは思いにもよらなかったのです。 それから25年以上の時間とインターネットができたことで、トレーニングのプログラミングは進化しました。今日では、ほぼ全てのトレーニングプログラムは一般的に下記の三つのカテゴリーのどれか一つに当てはまります: 身体部位ごとのスプリット:ボディビル ムーブメントベース:運動パターンと特異的エクササイズ ワークアウトベース:グループフィットネスのクラス、クロスフィットなど あなたが現在行っている何らかのトレーニングプログラムを見た時、これら三つの土台のどれか一つから成り立っている可能性が高いでしょう。 でも、もしもっと良い方法があるとしたらどうでしょうか? 私がシェアしたいのは、なぜこれらの三つのプログラムの種類の全てがより多くの場合で長期的なゴールではなく、プラトーをもたらすかということです。 なぜそうなのか、そしてそれについて何をすれば良いのかを示す前に、まずはトレーニングがどのようにあなたをよりフィットにするか、ということから始めましょう。 どのように身体がよりフィットになるかについて知っておく必要があること ほとんどの人にとって、フィットネスは巨大なブラックボックスです。彼らはジムに行きます;ウェイトトレーニング、有酸素運動、またはクラスに参加します。そして家に帰ります。 彼らはこれを、何度も何度も繰り返します。 時に彼らは、自身の筋力が増加し、心肺持久力が向上し、服がより似合うようになったと感じるでしょう。 それ以外の時には、彼らは全く向上しません。もっと悪いことに、逆行してしまうこともあるでしょう。 しかし、なぜこのようなことが起きるのでしょうか? 避けられない現実は、ほとんどの人が、そのことについて全くわからないということです。全ては一つの大きな謎なのです。 彼らがいつも非常に頑張っているのに、時々しか結果が出ない理由を説明できないのです。 それは、そもそもどのように身体がよりフィットになるのかを今まで誰も彼らに説明してこなかったからです。バイセプスを追い込んだり、臀筋のサイズを大きくしたりする方法についての数え切れないほどの記事やビデオがありますが、人間の身体の中で起こっていることを説明したものは非常に少数です。 しかし、あなたが多くの時間を努力に費やすのであれば、あなたの結果に対する鍵となることを理解することは重要だと私は思います。 あなたのセットとレップを結果に変える道筋 人間の身体について私たちが知らないことはまだまだ多いですが、科学はフィットネスへと導くはっきりとしたロードマップを示してくれています。全体像の観点から、私たちはそのプロセスを4つのフェーズに分けることができます: トレーニング(ストレスを適用する) 適応のための信号を送る 遺伝子のスイッチを入れる フィットネスの向上(結果) これら4つのフェーズの全てを合わせた時、このプロセスがあなたのフィットネスにどのように関連しているかを示すストレス−リカバリー曲線を得るでしょう: このカーブは、超回復のプロセスを示す一般的なモデル、つまり、トレーニングによるフィットネスの向上、を表しています。教科書や数え切れないほどの記事でどのようにトレーニングが作用するかを表すために使用されましたが、これには大きな問題があるのです… 従来の超回復モデルは、パズルの一つの巨大なピースを考慮していないのです。 これが、あなたのトレーニングが絶えず効果があるわけではない理由です。 理想上では、毎回のトレーニングはあなたのフィットネスの小さな向上につながります−超回復モデルがまさに示すように。ジムに行く度に、筋力または持久力が少し向上するでしょう。 時が経つにつれ、これらの小さな結果が大きな変化へと積み重なります。しかし、私たちは皆、これがそれほど単純ではないことを理解しています。 これについての最も大きな理由がストレス閾値と呼ばれるコンセプトです。 ストレス閾値は、上記のフィットネスの道筋の4つのステップにおいて、適応の信号を引き起こすストレスの量を、トレーニングという形で表しています。 あなたのトレーニングがこの閾値に達しなかったら何が起こるでしょうか?身体は同じように疲労しますが、あなたのフィットネスを向上させるための身体の遺伝子のスイッチは入らないのです。 フィットネスにおけるチャレンジは、それが向上するにつれてストレス閾値をさらに押し上げるということです。言い換えると、あなたがよりフィットになるにつれ、あなたの身体の向上を引き起こすためにストレス閾値まで達するのにより多くのボリュームと強度が必要になります。 これは、ほとんどの人が理解していることであり、そして漸進性過負荷のコンセプト−時間と共に徐々にトレーニング負荷(ストレス)を増加させていく必要があるという考え−が生まれた所以です。 教科書のセオリーとして聞こえが素晴らしい一方で、この話には続きがあります: トレーニングを通してより多くの負荷をかけることで、その後により多くのリカバリーをあなたの身体は必要とします。 これがほとんどの人にとっての限界点であり、ほとんどのプログラムのモデルがうまくいかない点です。 自身のトレーニングの効果が減少していくのを見た時、人々はより多くのことをしようとします:より多くのセット、より多くのレップ、より高重量、より高強度、より多くのトレーニング、と。 向上を引き起こすためのストレス閾値を再び超えることが出来るため、これは少しの間、効果があります。しかし、遅かれ早かれ、身体のリカバリー能力を超えてトレーニングをすることになります。 覚えていてください、より多くのストレスをあなたの身体に課せば、より多くのリカバリーがその後に必要になります。もしボリュームや強度、頻度といった形でストレスを絶えず増加させ、リカバリーを合わせて増やさなかったとしたら、あなたは自身で失敗へのお膳立てをしているのです。 あなたはストレス閾値を超えるために十分な強度でトレーニングすることができないほどの疲労を蓄積することになるのです。結局は、あなたの頑張りが自身を更なる困難に陥らせてしまうのです。 それが、より多くのリカバリーではなく、常により多くのトレーニングを課そうとすることで自身のフィットネスを向上させようとする際の問題なのです。 これは必勝法ではありません。なぜならトレーニングに対する身体の適応方法の基礎に基づいていないからです。
血流制限トレーニング:知る必要のあることすべて パート1/2
血流制限トレーニングを最初に聞いたとき、私は少し懐疑的だったことを認めなければなりません。何年にもわたって、私たちの業界に現れては消えていく多くのブームを私は見てきました。 たとえば、ちょっとしたゲームをしましょう… リハビリやフィットネス業界で、裏づけできる有力な科学的根拠や臨床研究がないにも関わらず、実施していることを、何か、できるだけ早く挙げてみてください。 待機中…待機中… とても簡単でしょう?確かにたくさんありますよね。 では次に、正反対のことを考えてみましょう。強力な科学的根拠と臨床的証拠があるものは何でしょうか? あなたが最初に思いついたのが、エクササイズとストレングス・トレーニングであるといいのですが。ストレングス・トレーニングを裏づける臨床研究や科学的見地からのかなり確かなエビデンスがあります。 さて、その議論に含めなければならないもう一つの方法として、閉塞トレーニングと呼ばれる血流制限トレーニング(BFRトレーニング)があります。 私はブームに乗るタイプの人間ではありませんが、次々と多くのエビデンスが発表されるにつれて、BFRトレーニングはもはや私たちが考慮すべきものであることが明らかになってきました。 この投稿で、私たちは、BFRトレーニングの安全性と有効性について分かっている科学をはじめ、血流制限トレーニングの科学について現在解明されているすべてのことを共有したいと思います。 血流制限トレーニングとは? 血流制限トレーニングとは、腕や脚への血流量を減らし運動を行うというテクニックです。血流を減らすために腕や脚にカフまたはストラップなどを巻きつけて行いますが、完全に血流を閉塞するわけではありません。血流制限トレーニングの利点は、強度が低い運動で、強度の高いトレーニングで得られるような効果があることです。 世の中から離れて暮らしていない限り、あなたは血流制限トレーニングを聞いたことがあると思います。もしくはやったことがあるかもしれません。近年、爆発的な人気を博しましたが、これは主に、多くの“うさんくさい”療法にもあるように、メディアやそれを絶賛するプロアスリートの話によるものです。 でも、注目したいことは、BFRは新しくもなければ、単なるブームでもないことです。 BFRの調査は、すでに20年以上続いており、ここでみなさんに伝えたいこと-- これはしっかりとしたものであるということです。そして、知れば知るほど、それはさらに約束されたものに見えてきます。 では、BFRトレーニングはどのような効果があるのでしょうか?少し掘り下げてみましょう。 筋肉はどのように強くなるのか? 筋肉がどのように大きくなり、強くなるかという基本から始めるのが良いでしょう。 簡単に言えば、筋肉は神経的、力学的、代謝のメカニズムを介して適応します。 これらのメカニズムの多くには、複数の段階と径路があり、この投稿で詳細を説明すれば、みなさんを眠らせてしまうでしょう。しかし、理解しておくことは重要です。 一言で言えば、全ては負荷と量なのです。 ホルモンの観点から、テストステロンは高負荷の多関節運動で増加し、一方、成長ホルモンは多関節運動の量を多く実行することで増加します。 これは重要な概念です… 中程度の強度で量が多いと成長ホルモンを増加させますが、高度の強度で量が少ないと成長ホルモンの反応は得られません。 インスリン様成長因子(IGF)、筋形成幹細胞(MSC)、血管内皮増殖因子(VEGF)、およびmTORC1経路はすべて、通常の高負荷トレーニング中に活性化されます。 上記での重要な用語は、“高負荷”であることに注目してください。強くなるには高負荷が必要です。 要するに、これらさまざまな経路と“要素”のすべてが筋の成長に不可欠なのです。 血流制限トレーニングはどのように効果を発揮するのでしょうか? BFRがどのように効果があるのかについての、提案されているメカニズムは数多くあります。 最近の理解として、血流制限トレーニングは、代謝物質の蓄積の間接的な影響と、動脈流が限られた状態で運動することで作られる低酸素環境によって効果が出るというものです。これは、BFRを行わない運動と比較すると、より大きな倦怠感を起こし、筋の活性化、および筋の適応を起こす同化(アナボリック)シグナル伝達経路を活性化します。 では、強くなるには負荷と量の組み合わせが必要であることが分かった上で、高負荷に適していない、またはその負荷に耐えられない場合にどうすればよいでしょうか? たとえば、怪我や手術の後など。あるいは、高負荷を提供できるようなウェイトがなく、自宅でトレーニングしている人など。 そこで、BFRトレーニングが役に立つのです。 血流制限トレーニングは、トレーニングに大きな付加価値をつけることができるかもしれません。なぜなら、筋が作られる時と同じ成分が低負荷環境でも発生するからです。 固定または筋萎縮の症例では、筋のタンパク質分解が起こります。低負荷(いくつかの研究では、まったく負荷なし)を使用した、BFRトレーニングでは複数の経路が活性化され、筋のタンパク質の合成が促進されます。 低酸素環境とそれに関連するメカニズムについて話すとき、基本的に“雪だるま効果”のことを示します。その部位の酸素が減少するとで、疲労感を加速させ、より高い閾値を持つ運動単位が動員されやすくなります。言い換えれば、筋の中で“総力をあげる”状態になるのです。低酸素環境により下がったpHは、筋肥大の刺激となります。 さらに、細胞が膨れることにより“マッスルポンプ”という付随的な効果もあるでしょう。実際、圧迫されることにより代謝物質が蓄積します。そして、代謝物質が増えることによる利点についてはすでに説明しましたが、基本的に、圧迫が軽減または解放されると、血流をせき止めていた門が開き、“筋を作る成分”すべてが筋にもたらされます。
血流制限トレーニング:知る必要のあることすべて パート2/2
理学療法における血流制限 どんな怪我であろうと、一般的に筋萎縮と弱化はよく見られる機能障害です。 これらの機能障害への取り組みは、多くの場合、直ちに行われます。神経筋電気刺激、バイオフィードバック、等尺性運動、および相互教育は、組織がまだ損傷している早期に開始できるストレングスの方法のいくつかの例です。 残念ながら、初期の治癒段階では、治癒しかけている組織に過剰な負荷をかけダメージを与えてしまう可能性があるため、高負荷は適切とは言えません。 これは、怪我からの回復とストレングスの獲得を同時に行おうとする時、問題になります。 レジスタンス・トレーニングのガイドラインでは、最大反復回数が1回(1RM)の60%を超える高負荷で8〜12回の反復を推奨しています。 私たちが求める適応を得るためには、適切な負荷が必要です。さらに複雑な問題は、リハビリテーションの初期段階での1RMテストが適切でないことです。 1RMの推定モデルはありますが、理想的ではありません。 BFRは、負傷後の萎縮を軽減するだけでなく、低負荷環境でも筋力の強化ができる選択肢を提供してくれます。基本的に、トレーニングは、セット毎に1RMの20〜30%の負荷で15〜30回繰り返します。このトレーニングの方が、強度の高い負荷に耐えられるだけの準備がまだ整っていない治癒過程の組織には、はるかに適しています。 血流制限トレーニングに効果があるか? BFRトレーニングの有効性を文献に記した数多くの研究が発表されています。 血流制限トレーニングは、低負荷環境にも関わらず、筋萎縮を軽減し、筋肥大を促進し、筋力を高め、有酸素能力を向上させるなど、すべてに効果があることが示されています。 すべて素晴らしいように聞こえますが、診断別のエビデンスはあるのでしょうか? 血流制限トレーニングの効果が非常に多いのであれば、診断別でもプラスの結果が期待できますね?そう、その通りでしょう! ACL再建後のBFR 長年の研究から、ACL再建術のような膝の手術後に大腿四頭筋の筋力が失われることが分かっています。幸いなことに、BFRは、ACL再建術後の筋力と筋肥大の障害を克服するのに非常に適しており、多くの研究でBFRの使用による効果が示されています。 さて、他の診断名におけるBFRの研究はそうたくさんないかもしれませんが、直感的には、すべての膝の術後には、大腿四頭筋の筋力と肥大化が必要なので、同様の効果をもたらすとポジティブに考えるべきでしょう。 膝の痛みにBFR 間違いなく、私たちのところに来院する人たちの主な動機は、痛みの緩和です。高めの負荷が、すでに過敏になっている組織(または患者!)を増悪させるかもしれないので、低負荷でのBFRトレーニングが魅力的になるのは当然のことです。 多くの研究で、膝蓋大腿痛や変形性膝関節炎の痛みの軽減、およびACL再建術後の機能や変形性膝関節炎における機能にもBFRの効果が示されています。 固定後のBFR 私たちは誰もが、固定が筋に及ぼす悪影響を知っています。そのような患者を見たことがありますね(また、あなた自身が術後に経験したかもしれません!)。ご想像のとおり、BFRは、固定のような症例でも効果があるかもしれません。患者はベッドから立ち上がることができず、まったく動けないかもしれませんが、その場合でも、BFRが役に立つかもしれないのです!素晴らしいですよね? 高齢者におけるBFR もし、あなたのクライアントが、アスリートではなく、どちらかというと中高年や高齢者の場合でも、良いニュースがあります。BFRはこのカテゴリーの人たちにも効果があります。 いくつかの研究では、BFRが高齢患者の痛みの緩和と機能向上に役立っていることが分かりました。 確かに、もっと注意を払い(以下を参照)、このカテゴリーのどのような人を治療しているのかを知る必要があります。しかし、考えてみれば、低めの負荷で筋力トレーニングの効果が十分得られるのならば、それはともに有益な解決策です! このカテゴリーの人たちの中で、私たちが気づいた唯一の問題といえば、不快感ですが、経験から言ってもう少し納得のいく説明が必要なのかもしれません。 血流制限トレーニングは安全か? 安全性について掘り下げる前に、何事も誤った人たちにより不適切に使用されたり、間違った人達に使用されれば、安全ではなくなることがあるということに、留意しておくことが大切です。 そうは言っても、BFRトレーニングは安全であることが示されています。 BFRは、さまざまな筋骨格系の病理で使用されており、これまでのところ、BFRトレーニングの禁忌がない限り重篤な副作用は発生していません。 BFRトレーニングの一般的な副作用は、一過性のことが多く、しびれやあざ、不快感、点状出血、皮膚の擦過傷、遅発性筋痛(DOMS)などがあります。 これらは通常心配ありません。ただし、心臓病や血液凝固の疑いがある患者には注意が必要です。 幸いにも、最近のレビューでは、血栓や深部静脈血栓症(DVT)のリスクが非常に低いことが示されました。 現時点では、有害事象のリスクを軽減するために、手術の約2週間後にBFRトレーニングを開始することをお勧めします。 BFRトレーニングの禁忌とは? 上記の安全ガイドラインに基づいて、BFRの禁忌は、血管不全または心臓関連が中心です。 身体が動脈血を組織に送り込もうとし、拍出量と心拍数の増加により、心臓へのストレスが増す可能性があります。 高血圧、糖尿病、脳卒中または深部静脈血栓症の病歴、心臓疾患、活動性感染症、妊娠、血液凝固障害、またはその他の血管不全(静脈瘤など)のある人は禁忌です。 とはいえ、患者がBFRトレーニングに適しているかどうかを判断するには、かかりつけ医に相談することをお勧めします。よく考えてみれば、これらの多くは他の数ある医療機器の使用や治療方法にも禁忌となっているものです。 つまり、常識的に頭で考えて。 BFRでも、みなさんが使っている他の療法と同じように、臨床的推論と意思決定が重要なのです。
腰痛に関して脊柱屈曲を心配する必要があるのか? パート2/2
腰部を屈曲した状態で物を持ち上げたり、腰椎を屈曲した状態で負荷をかけることは腰痛の要因となる。というのはすでに定説のようになっていますが、そもそも腰椎屈曲とは?ニュートラルを維持するとはどういうことなのか?腰椎屈曲は本当にそれほど恐るべきことなのか?グレッグ・リーマンが複数のリサーチをベースに解説をします。
腰痛に関して脊柱屈曲を心配する必要があるのか? パート1/2
腰部を屈曲した状態で物を持ち上げたり、腰椎を屈曲した状態で負荷をかけることは腰痛の要因となる。というのはすでに定説のようになっていますが、そもそも腰椎屈曲とは?ニュートラルを維持するとはどういうことなのか?腰椎屈曲は本当にそれほど恐るべきことなのか?グレッグ・リーマンが複数のリサーチをベースに解説をします。
背の高いアスリートにスクワットをさせるべきか?パート2/2
スクワットの問題:重力とポジション ジムにやってくる多くのアスリートは、同じ基本的な問題に取り組んでいます。 それは、とても一般的であり、実際、私はそれらを「貧しいポジショニングの3ポイント」と呼んでいます。これら3つの問題は次の通りです: 骨盤前傾/深部腰椎前弯、 伸展した(前に押し出された)胸郭、および 前方体重移動 これはあらゆる体形、サイズのアスリート達に見られますが、間違いなく、背の高いアスリート達に、より顕著に見られます。 非常に単純に、あなたの身長が220cmだった場合、165cmだった場合に比べて、重力は遥かに大きな影響を及ぼすのです! しかし、先に進む前に、この3ポイントがスクワットをする能力に対してどのように作用するかを示すために、簡単なエクササイズを行いましょう。 ちょっと時間を取って、一緒に試してみてください。まず、両足を広く開き、両手を肩に置き(バックスクワットをするように)、できるだけ強くアーチさせます。 息を吸って、胸を膨らませ、アーチします ― 強く。 できるだけ低い位置までスクワットします。動きが全体としてどのように感じられるか、どれだけの可動性にアクセスできるかの感覚を得てください。 そうですーいいですね。では異なるアプローチを試してみましょう。 今回は、膝のロックを解除して、足全体を感じてください。腕を可能な限り遠くまで前に伸ばし、少し息を吐きます。 スクワットをもう一度やってください。 違いますよね? 私は魔法のようにあなたの可動性を改善しましたか? そんな感じーでも実はそうではありませんよね。 今回私がしたのは、あなたのポジションを改善し、あなたの身体の自然な可動性を解き放ったということだけなのです。 一旦ポジションの力を理解すれば、スマートリセット/コレクティブを介して、これらのアスリート達が抱える問題に対処し、適切なストレングストレーニングエクササイズを選択することができます。 しかし、私は先走っています。 数年前のEADS 3.0セミナーで、ジョー・ケンは本当に心に訴えることを言いました。ここで彼の言葉を言い換えます: 1日目に子供たちにやみくもにバーベルを担がせる時代は過ぎ去った。 –ジョー・ケン これは、大人になってからの人生の大半で重いウェイトを持ち上げてきた、NFLレベルの地球上で最もデカイ猛獣達を複数トレーニングしている男性が発した言葉です。 コーチ・ケンのような男が、アスリートを強くしたり、パフォーマンスを向上させたりする方法はたくさんあることを省みて、認識できるのなら、なぜ私たち全員ができないのでしょうか? この点について詳しく説明するのではなく、この問題の実際の修正について説明しましょう。 スクワットの修正:スマートプログラミングとコーチング ステップ#1–リポジショニング アスリートのスクワットを改善するための最初のステップは、自然な可動性を「解き放つ」ことです。 この場合、トレーニングをする前にポジションを最適化することになります。 これをするため、私はよく腹筋群とハムストリングスを働かせるエクササイズを使います。ハムストリングスは、骨盤をよりニュートラルな位置に引き戻すと同時に、骨盤を後ろに「引く」(つまり、COGを後ろに引く)役割を果たします。 さらに、腹筋群はコアの前面を「閉じる」ように働きます。胸郭を引き下げるにしても、骨盤を引き上げるにしても、身体部位を正しい位置に戻すと、多くの良いことが起こります。 覚えておいてください。これを行う方法は無数にありますが、これが私の好きな動きの一つです。 仰向けになり、ケトルベルを両手で持ちます。股関節と膝を曲げ、両足を小さなボックスの上に乗せます。 このポジションから、足全体、特にかかとを感じてようとしてください。これによって、ハムストリングスが働きます。 これは史上最高に退屈な動画だと思いますが、このポジションで単に息を吸ったり吐いたりします。息を吐きながら遠くへリーチすることに集中してください。 呼吸をすればするほど、腰部がよりリラックスできるのを感じ、腹筋群やハムストリングスの動員が増えるはずです。
背の高いアスリートにスクワットをさせるべきか?パート1/2
フィットネス業界に関して、私を本当に悩ませている1つのことは、白黒のステートメント、総括的なステートメントです。 グローバルな視点から見ると、私たちが行うことはすべて、白と黒が混ざったグレーゾーンにあります。行うのが「良い」または「悪い」ことというのは、ほとんどありません。 あなたがどう考えるかはわかりませんが、私は、スポーツのくたびれた、古い主張に屈することにうんざりしています。 サッカー選手は「弱い」というのを聞くことにうんざりしています。 アメリカンフットボールのすべてのラインマンは「太っていて、運動神経が悪い」と聞くことにうんざりしています。 そして、この記事に関しては、背の高いアスリートはスクワットができない、またはすべきではないと聞くことにうんざりしています。 何年にもわたって、私は、幸運にも多くのハイレベルで、背の高いアスリート達と仕事をしてきました。 今年のオフシーズンのバスケットボールプログラムでは、プロとしてプレーしている、またはプロの道へ歩みを進めている6人の選手を担当していました。 さらに私は、「背の高い」アスリートの典型である、身長約220cm、15歳の高校2年生のトレーニングにかなりの時間を費やしました。 クレイジーなことを知りたいですか? 私は彼らを皆スクワットさせたのです。 彼ら。 全員。 です。 (*えぇ、ここには偽善があります。これまでの歴史の中で出会ったすべての背の高いアスリートにスクワットをさせるとは決して言えませんが、この夏に担当したアスリートは、全員スクワットをして、そしてとても上手くできたのです。) 彼らはそれぞれにユニークでした、そこは否定しません。 1日目にかなり良いスクワットをした人もいました。 そうでない選手は、もう少し挑戦しがいがありましたが、ゆっくりと確実に、非常に熟練したスクワットへと改善していきました。 重要なことはこれです: エクササイズは与えられたアスリートにとって「価値がある」のでしょうか?もしそうなら、あなたはその個別のアスリートのために、その動きのスキルを構築するための最良の方法を判断する必要があります。 結局のところ、アスリートはスクワット、ベンチプレス、またはデッドリフトをして報酬を受け取ることはありません。彼らはスポーツをプレイして報酬を受け取っています。 私たちの世界では、それは本当にすべて全体的な身体の準備(GPP)です。 そして、私は自分を異端児だと考えているため、大学レベルとプロレベルの両方で、バスケットボールの世界での私のつながりの少数をフォローアップしました。 大学のランクには、ジョシュ・ボノータル(パーデュー)、コリー・シュレシンガー(スタンフォード)、ライアン・ホーン(ウェイクフォレスト)のような人達がいます。 プロのランクには、エリック・オッターとクリス・チェイス(メンフィス・グリズリーズ)、マイク・イル(ゴールデンステート・ウォリアーズ)、マイク・ロンカラティ(アトランタ・ホークス)のような人達がいます。 共通のテーマの一つを知りたいですか? 彼らが担当するすべてのアスリート達も、トレーニングメニューのどこかにスクワットが入っているのです。 大学またはプロランクの高レベルのアスリートにとって十分良いものであるならば、私たちにとっても十分良いものではないでしょうか? 単純な質問から始めましょう… 背の高いアスリートにわざわざスクワットをさせるべきですか? コーチとして、私たちは常に、自分がしていることは、自分の時間とエネルギーをうまく利用しているかどうかを自問しなければなりません。 最終的に、私たちは自分自身に1つの単純な質問をしなければなりません: スクワットはアスリートのために何をするのでしょうか? そして、この質問に対するあなたの答えが、おそらくあなたがアスリートにスクワットさせることを選ぶかどうかを決定するでしょう。 私は、スクワットをすることが、私たちの身体にたくさんの良いことをもたらすと強く信じていて、私の短い理由リストはこれです。 理由#1-力の吸収を改善する 以前、私たちはすべてのアスリートがどのように「大腿四頭筋優位」であったかについて話していました。 しかし、彼らの胴体を垂直にし、膝が前方に動く真のスクワットポジションに誘導すると、彼らはガタガタと震えました。 さあこの謎を解いてみろ、バットマン: もしアスリートが非常に「大腿四頭筋優位」であるとしたら、一体どのようにして、彼らは自体重だけを使用したスクワットで潰れてしまうのでしょうか? それは、「大腿四頭筋優位」というもの全体が神話だからです。そうではなく、大腿四頭筋が、ポジションの悪さ により、単に過負荷になっているのです。 (これはそれ自体が記事になります。いつかこのことについて書くことを約束します!) さらに、大腿四頭筋は力を発揮するのには優れていますが、力を吸収することに関しては実際にはかなり弱いのです。 そしてそれは、私たちが最近非常に多くの怪我をしている理由の1つです。 サッカー、バスケットボール、アメリカンフットボール、どれについて語る場合においても、分解する、レベルを変更する、力を吸収するといった能力はすべて、スポーツの成功だけでなく、怪我の可能性を減らすためにも重要な要素です。 順調に進んでいますので、ポイント#2を見ていきましょう… 理由#2 –トリプルフレクションを発達させる あなたが特定の年齢であるならば、「トリプルエクステンション」が人間の動きの聖杯であった時代が、私たちの業界にあったことを知っているでしょう。 足首、膝、股関節をうまく伸展することができれば、あなたは圧倒的なアスリートになれるでしょう。 究極のやばいやつ。 少しふざけてはいますが、トリプルエクステンションは、私たちが長い間追いかけてきたものです。 しかし、反対側の側面も見てみましょう: トリプルエクステンションには賛成ですが、アスリートは、トリプルフレクションを実践できるのでしょうか? 彼らは同時に: 足関節を背屈し(足全体を感じながら)、 膝を屈曲し、 股関節を屈曲できますか? 簡単に聞こえますが、沢山のアスリート達をテストしてみて、どうなったかを教えてください。 思っているほど簡単ではないと、保証します! 繰り返しますが、3関節を屈曲する能力は、力を吸収して、レベルを変える能力を反映しています。あなたがより効果的に身体に負荷をかけ、力を多くの異なる領域に分散させることに興味があるなら、スクワットはそれを助けることができると思います。 理由#3 – 重心をよりよく理解するために ここで少し説明しますが、多くのアスリートは、私が貧しいポジショニングの「3ポイント」と呼ぶものに苦労しています。 しかし、最大の問題の1つであり、多くの人がまだ議論できていないと感じるのは、重心(COG)の概念です アスリートが常に身体の前側で体重を支えている場合、可動性が奪われ、屈曲する能力が奪われ、この記事の文脈に関わるところでは、スクワットをする能力が奪われます。 私が担当する背の高いアスリートの多くから発見したことは、体重を後側に移動し、足全体を感じ、重心をより適切に管理することを教えると、スクワットがほぼ瞬時に改善するということです。 そして、本当にクールなことは何か知りたいですか? アスリートが重心をより適切に管理することを学ぶと、彼らが最初に抱えていた多くの問題(腰のこわばり、ひざの不調、常に問題となる「足首の可動性の低さ」など)が魔法のように消える傾向にあるのです。 ですから、敢えて言うなら、私はすべてのアスリートにスクワットを教えます。 パート2/2では、私たちが対処しなければならない大きな問題について話し、あなたが指導するすべてのアスリートが、より効果的にスクワットするのを助ける現実的な解決策について話しましょう。
コンディショニングをカムバックさせる方法 パート2/2
#3プログレッション:強度の前にボリューム あなたを疲労させるワークアウトとあなたのコンディショニングを向上させるプログラムの最大の違いはプログレッションです。なぜなら、継続的に向上していくには、疲労困憊になるまでトレーニングすること以上のことが必要だからです。 コンディショニングの停滞とオーバートレーニングを回避するためのカギは、昔からの漸進性過負荷のコンセプトから始まります。 経時的に徐々にストレスを増加させるという考え方は、筋力に関しては一般的によく理解されています。人々は、筋力を向上させるには、徐々にセットとレップ(ボリューム)を増やしていき、より高重量を挙上(強度)しなければならないことを理解しています。 しかし、コンディショニングについてとなると、人々は身体がどのように機能するかという全体像の見解を度々見失ってしまいます。 コンディショニングのプログレッションについての正しい考え方は、強度の前にボリュームに焦点を当てることです。ボリュームよりも先にそのまま強度を変化させると、あなたは停滞を引き起こしやすくし、将来の怪我の可能性を増加させることになります。 何よりも強度を推奨する人達によって引用されている悪名高いタバタの研究においてさえ、タバタ・インターバルを行ったグループはたった3週間後にVO2 Maxの向上が停滞してしまいました。低強度のトレーニングのみを行ったグループには6週間全体にわたって一定した向上が見られました。 そのことから学ぶことは多くあります。 私が8週間のコンディショニングプログラムを作成する際には、プログラムを下に示されている3つのフェーズに分解します:導入、ローディング、定着。 ローディングのフェーズは、プログレッションが起こるところであり、私は常にセット数、レップ、そしてトレーニング頻度を増やすことから始めます。 これによって、エクササイズや私の用いる方法に対する身体の特異的なワークキャパシティを向上させ、そして適切な基礎を築きます。この最初の期間の後にのみ、より高い心拍数でトレーニングしたり、レスト時間を減らしたりなどによって強度を増加させ始めるのです。 あなたの目標が、身体を壊すよりも、より長く、そしてより健康にするためのコンディションを作り上げることであれば、常にそれをよりハードにする(強度)前に、より多くのトレーニング(ボリューム)を追加することから始めるべきです。 #4自身の進捗を記録する コンディショニングには、あなたの結果に対してそれぞれ役割のある多くのパートがあるため、自身の進捗を記録することが重要です。これによって、計画に沿い、そして進めながら最適化することに役立ちます。 これを行う最も簡単な方法は、安静時HR、HRV、そしてHRRなどを毎日記録し、一方で週ごとにより直接的なテストをトレーニングに取り入れることです。 桜井の安静時HRとHRVを計測することに加えて、私は各トレーニングセッション中の彼のHRも記録しました。 私がそうしたのは、コンディションが向上すると、同じ量のトレーニングをした際に心拍数は低く抑えられ、そしてより速く回復するからです。桜井がより良いコンディションになるにつれ、スパーリングのラウンド間に彼の心拍数はより速く下がるようになりました。 長年の間、私は、格闘家のコンディションの最適な指標の一つは、各ラウンド間に毎回自身の心拍数を130台前半へ回復できたかどうかであることを発見しました。これは一般的に、彼らがゴングからゴングまで保たせる準備ができているかを意味しています。 あなたのカムバックは、格闘技の試合に向けて準備することではないかもしれませんが、心拍数が高強度のトレーニング間にどれだけ速く下がるかを記録することは、あなたの進捗を測る上で非常に効果的なことです。 これはまた、計測が容易であり、自律神経系の副交感神経側へいかに入り込むかの方法を学ぶことも助けてくれます。これは、リカバリーを最適化し、オーバートレーニングすることなくコンディションを間違いなく向上させていくために非常に重要なことです。 まとめ カムバックするためのカギは、あなたがどこから始めるか、またはどこに向かいたいかに関わらず、何よりも一貫性です。もし、私たちが桜井のカムバックに使った方法に一貫して従うのであれば、トップに返り咲くのは時間の問題でしょう。 桜井をトレーニングした最初の6ヶ月に、彼は、一晩で2試合しなければならないトーナメントも含め、日本での4つの大きな試合があり、彼はその全てに勝利したのです!一晩で2試合することは、アメリカでは許されていることでもありませんが、昔は普通のことでした。 トーナメントの決勝戦で、もう一人の伝説である五味隆典に接戦で負けてしまいましたが、その後4連勝したのです。 私たちが彼のトレーニングを担当する前、彼は5勝5敗でした。彼の大きな試合のために、私たちが彼をトレーニングした4年の間、彼は12勝し、2敗しかしませんでした。 あなたが元の身体に戻したいのであれ、今よりも良い状態になりたいのであれ、同じコンディショニングの原理が当てはまります。 アセスメントからはじめ、プログラムをシンプルに保ち、強度の前にボリュームを追加し、そして結果を記録することは、いつも効果的です。カムバックするのに遅すぎるということはありません。
コンディショニングをカムバックさせる方法 パート1/2
皆、良いカムバックストーリー(復活劇)が大好きです。 私は2004年に、最も素晴らしい日本人格闘家、桜井速人の偉大なカムバックの一端を担いました。 あなたが長年の格闘技ファンでなければ、桜井のことを今まで聞いたことがないかもしれません。90年台の後半では、彼は世界で最高のパウンド・フォー・パウンドの格闘家の一人であると広く認められていました。 ピーク時には、彼は3年間連続で負けなしでした。彼の無敗記録は、彼よりも5インチ背が高く、最終的に彼の2階級上で闘った、あの有名なアンダーソン・シルバとの対決でついに終わりました。 残念なことに、その負けの後、桜井にとって物事は急速に悪くなっていきました。ひどい交通事故に遭い、次の10試合のうち5試合に負けたのです。最終的に、彼は同じ格闘家のようには見えなくなっていました。 その時、彼が闘っていた団体であるPRIDEが、彼のカムバックの時であると判断したのです。彼らは、彼のキャリアを軌道に戻すためにMatt Humeと私と共にトレーニングさせるべく、彼をアメリカに送り込みました。 私たちが彼をトレーニングした後にどうなったかについては、詳細をお話ししていきますが、その前に、私たちが彼を根底から立て直すために使った三つの重要な方法をシェアしたいと思います。 西側諸国ではジムが完全にオープンし始めていて、今は夏でもあり、今があなた自身のフィットネスをカムバックさせる完璧なタイミングでしょう。もしくは、あなたがコーチであるならば、今、あなたがトレーニングする人々を彼らが望む状態へ戻すのを手助けする時なのです。 #1まず第一に:アセスメントから始めよう 「評価していないのであれば、それは推測である」という古い言い回しには、良いポイントが沢山あります。ベースラインを設定することは、カムバックのためのコンディショニングプログラムを作成するための重要な第一歩です。 筋力に関しては、筋力を測るために、様々な運動でどれだけの重量を持ち上げるかを見ることは比較的簡単です。 一方で、コンディショニングを評価することは、異なる方法が必要となります。生理学的機能の見解を示す様々な内的数値を見る、または直接的なパフォーマンスの数値を用いることができます。 内的(間接的)な数値: 安静時心拍数(HR) 心拍変動(HRV) 60秒の心拍数リカバリー(HRR) これらの尺度には、心拍計やMorpheusのようなHRVを計測するアプリが必要となります。これらはあなたの経時的なコンディションの向上を記録するために非常に貴重なものであり、投資する価値があるものです。 コンディションの基準としてこれらそれぞれを使う正確な方法を見るためには、ここをクリックして、私のコンディショニングのKPI(The Key Performance Indicators:重要業績評価指標)についての記事を読んでください。 パフォーマンス(直接的)テスト: 12分間走(またはバイク) プッシュアップの最大反復回数 プルアップの最大反復回数 プランクの持続時間 内的な数値はコンディショニングの潜在値を測る方法ですが、パフォーマンステストはあなたの出力が実際にどんなものかという、より直接的な数値です。 上記のそれぞれのパフォーマンステストは、あなたの全体的なコンディショニングをテストする方法です。ほとんどの場合、ここから取り掛かると良いでしょう。 もし、あなたがアスリートであり、スポーツにカムバックしようとしているのであれば、より特異的なコンディショニングテストを取り入れるべきでしょう。例として、水泳選手は、12分間走の代わりに、プールで、ある程度の距離に対するパフォーマンステストをする方が良いでしょう。 あなたのコンディショニングの最も完全な状態を把握するために、私は両方のタイプのテストを取り入れることを推奨します。これによって、始める際に良いベースラインを得て、それによってあなたのカムバックプログラムを作り、コンディションの向上を記録することができます。 桜井に対して、私は安静時HR、HRV、そして格闘家のために私が特別に作った直接的なテストから始めました。 結果は良くありませんでした。彼は20〜25パウンド重量オーバーであっただけでなく、ひどいコンディションでした。彼はコンディショニングテストをやり遂げることもできなかったのです。 #2:KISS(Keep It Simple, Stupid:できるだけシンプルに) 私の本や記事を読んだことのある人は、私の書いたプログラムを見ると度々驚きます。彼らは、プログラム全体において、全てのセット、レップ、レスト時間、心拍数、重量が記載され、詳細に計画された非常に複雑なものを期待しています。 しかしながら、彼らが目にするのは、多くの場合で少数の方法とエクササイズだけの非常にシンプルなテンプレートです。 それは、プログラムの作成に関して、私はKISSの原則の熱心な信奉者だからです:誰にでもわかるようにできるだけシンプルに プログラムをより複雑なものにすることで、それがより効果的になることは滅多にありません。 多すぎるエクササイズや方法を追加することは、多くの場合でプログラムの効果を低下させます。プログラム作成のキーは適切なエクササイズと方法を選択することであり、可能な限り詰め込むことではありません。 私が桜井のコンディショニングプログラムの最初の8週間を作成した時は、全てを極端にシンプルにしておきました。 週2回、月曜日と木曜日、心拍出量またはテンポインターバルの形式で、主に低強度の有酸素トレーニングを取り入れました。20〜30分から始めて、週ごとに徐々に増加させました。 これらの日のコンディショニングの後に、彼は自身のポステリアチェーン、首、そして肩の筋力強化のための適度な補助トレーニングも行いました。 火曜日と土曜日は強度が最も高いMMA(総合格闘技)のトレーニングの日だったので、少量の全身の筋力エクササイズを含めました。彼が実際の筋力トレーニングを行ってから一年以上経っていたため、非常に低ボリュームで軽い重量から始めなければなりませんでした。 水曜日と金曜日は、全てがリカバリーのためのものでした。これらのトレーニングには、通常モビリティトレーニング、スイミング、そして軟部組織の治療が含まれます。これらは、桜井が怪我なく、そして格闘技のトレーニングに向けて回復できるための大きな要因でした。
痛みを伴う活動を行うことは安全か:"露出"と"保護"の議論を探る パート1/2
私は、持続的な痛み(そして痛を生じやすくするいくつかの特徴)を持つ人として、また20年間のキャリアを持つセラピストとして、意味のある活動を再開し、(時には)痛みを伴うものであっても運動することに賛成の立場です。持続的な痛みを持つ多くの人にとって、それが安全であることだけではなく、なによりも回復に役立つことが重要だと考えています。この投稿で、あえて痛みを呼び覚ますことに賛成である理由を説明します。 これは、私が患者にも他のセラピストにも教えていることですが、私はしばしば痛みについて驚くほど複雑で博識な質問を受けます。痛みのメカニズムについてよく読んでいる患者やセラピストが、痛みを出してしまうことで中枢性感作(CS)と呼ばれるものにつながるかどうかを尋ねてきたことがありました。実に良い質問です。彼らは、持続性の痛みがしばしば過度に神経系を敏感にしてしまうことを認識しており、痛みを伴う活動を行うことによって、その敏感な神経系がさらに敏感になることを当然のことながら懸念しています。この質問に答える前に、まずは中枢性感作(CS)について話しましょう。 CSの正式な定義は次のとおりです: “中枢神経系の侵害受容ニューロンの正常または閾値以下の求心性入力に対する反応性の増加…異痛症(痛みを伴わない刺激で感じる痛み)や広範囲の痛覚過敏など特定の徴候や症状は、その存在を示唆している可能性がある”(参照はこちら)。 この概念は、痛みや苦痛が実際の組織の状態とほとんど関係がないことを理解するのに非常に役立ちます(つまり、かなりの痛みでも組織の問題とはほとんど関係がない)。主な意味は、しばらく痛みを感じた後、次のようになる可能性があるということです: 通常は痛みを伴わない活動を行うことで痛みを経験し、 以前は痛みをわずかにしか感じなかった活動で多くの痛みを感じるようになる 中枢性感作(CS)は、すべてのボリュームを上げてしまいます。また、片頭痛、頭痛、むずむず脚、胃のトラブルの原因ともなる可能性があり、システム全体の問題であることを示唆しています。 いくつかの独自の実験室での研究は、痛みを伴う刺激を人に加えると(侵害受容器が作用されると仮定します)、数時間から最大24時間にわたって痛みの反応が上昇することを示唆しました(リンクはここ)。これは、痛みで痛みを感じやすくするという単純な考え方です。 ですから、中枢性感作を回避しようとしたり、既存の中枢性感作を悪化させたりしないために、痛みを避ける必要があると考えるのはかなり論理的です。 しかし、それはおそらくほとんどの場合、間違っていると私が言えば、皆さんは驚くでしょう。実際、中枢性感作のある人でもない人でも、回復するためには、痛みを伴う活動を続ける必要があります。 不快感や痛みを伴う活動を選択することが受け入れられ、しかも有益であるかもしれないという、さまざまな痛みの症状に関する異なる研究分野を見てみましょう。 1. 運動は鎮痛剤 たとえば、私があなたに何か痛みを与えたとします。その痛みは運動によって短期的に減るでしょう。これは運動誘発性鎮痛と呼ばれます。問題は、この能力はたいてい慢性痛でない人に見られるということです。一旦慢性痛になると(たとえば線維筋痛症など)、この能力は鈍くなる可能性があります(参照はこことここ)。痛みを和らげてあげなければならない人たちが、この能力を失ってしまうとは、ある意味皮肉なことです。 でも、待ってください、希望があります。これは単に短期間の現象です。慢性痛がある場合でも、運動や活動は長期的に役にたつものです− ただ、短期的な“ランナーズハイ”が得られないということです。 他の人がワークアウト後にどれほど爽快感を感じるかをあなたに伝えてくる時、あなたはその高揚感が得られないがために相手をにらみつけるかもしれません。でも、心配しないでください。あなたは正常な人なのです。活動中の痛みが少なくなることを期待するべきではありませんし、逆に痛みが増えたと感じるかもしれませんが、長期的に見れば適応することができるようになります(参照はこことここ)。 結論 - 活動で痛みを起こしてしまうことは、短期的には避けられないかもしれませんが、長期的には有益になるでしょう。 2. 活動することで痛いからといって、侵害受容を作り出しているわけではありません。 冒頭で、痛みを伴う活動で侵害受容が生み出され(組織が“危険”または“刺激”信号を脊髄、または脳へ送る)、結果的に中枢性感作を引き起こすかどうかについて議論しましたが、覚えていますね。でも、あなたが痛みを伴うことをしたとしても、侵害受容が起こっているかどうか知る由もないのです。 侵害受容の増加と何の関係もない他の要素が、痛みを起こすことがあります。このように痛みは複雑です。信念、恐れ、不安、学習はすべて、あなたが感じる痛みに影響を与えますが、侵害受容とは何の関係もありません(ここを参照)。これが持続的な痛みの厄介なところです。そのうち、害のない動きや姿勢が痛みを引き起こすことがありますが、それは組織のレベルで何らかの問題が発生していることを意味するものではありません。 3. 侵害受容器が刺激されても、中枢感作が起きないことがあります。 慢性痛になる前に、非常に痛みを伴う活動をしたことがありますか? そうであると私は確信します。アスリートは、そのようなことを定期的に行なっているわけですが、中枢性感作は誘発されません。生活にも同じような事例がありますね。(具体的に言うと、水曜日の夜、私は25kmも自転車をこぐはめになり、サドルが合わず私の老体は悲鳴をあげました)。 また、私たちは保護する手段として侵害受容を日常的に経験していることも分かっています。堅い椅子に座っているとき、あなたは自然に体重をシフトし動くでしょう。これはおそらくお尻の組織に潰瘍ができないよう保護するために動かす侵害受容の作用です。この場合、侵害受容は保護的で継続的です(ここを参照)。
ケトルベルエクササイズの問題トップ5 パート2/2
アルティメイトサンドバッグとケトルベルトレーニング違いと類似点はどのようなところにあるのでしょうか?ケトルベルトレーニングのエキスパートであるジョシュ・ヘンキンが新たに開発したケトルベルトレーニング認定プログラムPKMのコンセプトの一部もご紹介するビデオパート2をご覧ください。