あなたの姿勢をリセットする

姿勢は反射的なものです。実に姿勢は、あなたの神経系の状態を表現しています。また、姿勢は動的なものでもあり、あなたがしていること、考えていること、そして感じていることに応じて刻々と変化します。つまり、姿勢はあなたが保持する体勢ではなく、あなたが表現する体勢なのです。これはまた、真の姿勢には認知的努力が関わらないということも意味します。 では、“姿勢の悪い”人はどうでしょうか?というか、彼らの姿勢は本当に悪いのでしょうか?または、彼らの身体が通常行うことにおいて、それは最適な姿勢なのでしょうか?もし後者であれば、彼らの悪い姿勢は実際には良い姿勢ということになります。あなたが悪いと判断するであろう姿勢は、彼らが生きてきたライフスタイルにとっては最適なのかもしれません。 しかし、もしある人が自分の姿勢を改善したい、またはより美しく見えるようにしたいと思っているならどうでしょう?従来、このようなことを望む人は、認知的努力を用いて自分が適切だと信じる体勢を保持しようとします。これには二つの問題があります: それには多大な精神的エネルギー及び注意力を用いる相当な認知的努力を要します。真の姿勢は反射的なのですから、認知的努力を用いて望ましい姿勢を達成することは非常にストレスがたまるでしょう。 姿勢を一定に保つには、安定筋が姿勢を流動的に“保持”しながら主働筋が動くべき場面で、主働筋群に求められる姿勢を保持させるのが一般的です。これもかなりのエネルギーを必要とします。主働筋群は安定筋群よりもはるかに速く疲弊します。 壁に背中をつけて“完璧な”姿勢を見つけ、その姿勢を壁から離れてからも保持しようとしたことはありませんか?あなたの意識が集中を欠くまで、あるいは筋肉がその姿勢を保持することに疲れてしまうまで、どれくらいこの姿勢を保っていましたか? それでは、どのように姿勢を変化、あるいは改善するのでしょうか? もし日常生が強く求めていることを超えて姿勢が改善されるべきなら、その日常生活を変える必要があるかもしれません。例えば、ある人が毎日8時間以上椅子に座って過ごし、あまり身体活動に取り組んでいないとしたら、なぜその人が槍投げや100メートル走に最適な姿勢を必要とするでしょうか? 日々の生活を営み、頻繁に動くことは、実際にその人の姿勢を変え始めるでしょう。日々の生活の中で生命と共に動くということは、それに適応すべき筋力の要求や身体の使い方を要求します。これだけでも姿勢の変化をもたらすことができるのです。 また、頻繁に四つ這いになることで姿勢の”リセットボタンを押す“こともできるでしょう。子どもの頃にしたように四つ這いになることは、実は完璧な頸椎及び腰椎のカーブを整えてくれるものなのです。手と膝をついて前後に揺らす/ロッキングする、または子供のように手と膝をついてハイハイ/クローリングをすることは、反射的に”完璧な”直立姿勢を構築します。このような運動は脊柱のカーブを再構築し、動作に関わる筋群が身体を動かす方法を学ぶ一方で、安定筋群に脊柱を維持する方法を教えてくれるのです。重要なのは、頭と視線を水平線上に“上げて”保つことです。 実際のところ、より良い姿勢や今とは異なる姿勢を望むのであれば、身体のデザインに取り組むことによって身体に要求しなくてはならないのです。頻繁に動くことや頻繁に床の上で動くことは、身体が反応してくれる”要求”です。ロッキングやクローリングは、神経系に栄養を与え、身体のすべての動くパーツがどこにあるかを脳に思い出させます。これらの運動に頻繁に取り組むことにより、最終的には、認知的努力なしで、望ましい体勢の達成のために誤った筋肉を使うことなく、身体は美しく流動的な動的姿勢を表現し維持することができるようになるのです。 ロッキングやクローリングはまた、気分をリセットするのにも役立ちます。あなたの感じ方や気分は、あなたの思考や姿勢に影響を与えます。これらの二つの運動は、精神や感情を落ち着かせ、その結果あなたの姿勢をより流動的で動的なものに解放してくれます。気分が良くなればなるほど姿勢も良くなり、そして姿勢が良くなればなるほど気分も良くなるのです。 繰り返しになりますが、姿勢はあなた、そしてあなたが生きている人生の反射的な表現なのです。もしあなたがそれを変えたいまたは改善したいのなら、つまりあなたが自分の生きている人生を改善したいのなら、姿勢のリセットボタンを押しましょう。 一日二分間、手と膝をついてロッキングしましょう。行うときには、頭を水平に保ち、視線は水平線上を見上げましょう。背中は“平らに”維持し、丸まらないようにしましょう。 そして、またあるいは、一日二分間床に手と膝をついてクローリングしましょう。ここでも同様に、頭は水平に上げたまま、下がらないようにしましょう。 これら2つのシンプルな運動で、姿勢をリセットすることができるのです。思いがけない方法で、人生の多くのことをより良い方向にリセットすることにつながるかもしれません。 でも、単に私を信じないでください。体験してみてください。一日二分間、できれば一日二回、ロッキングしてみましょう。一日二分間、できれば一日二回、クローリングしてみましょう。これを30日間行ってみてください。私が言っていることが本当かどうか、あなた自身で見つけてください。姿勢は保持するのではなく、思い通りに表現するのです。

オリジナルストレングス 2306字

「休息をとる」&「活動を維持する」と言うアドバイスが両方とも少し的外れかもしれない理由

以前は、ベッドレストは腰痛の治療の重要な一部であり、実際に多くの人がいまだにそうだと信じています!今はガイドラインとなるアドバイスは「活動を維持する」であり、休息は古い考え方で、一部の臨床医にとっては「悪い」ものでさえあるように思えます。 筋骨格系の痛みや怪我の分野は、非常に速く二極化することがありえます。もし、あるものが優れていないとなれば、それがそうではなくとも、すぐに劣っているということになってしまいます。例として体幹の安定性のエクササイズのことを考えると、それは筋骨格系の断崖から奈落へと落ちて行ってはしまいましたが、それについての注釈が無意味であったとしても、依然として他の腰痛を治療する方法と同じように効果があるものです。 そのため、休息をとることと活動を維持するというアドバイスは共に、おそらく一概的に決めつけた発言のように少し価値のないものかもしれません。臨床医の役割の一つは、人々が自身の痛みをより深く理解し、そしてうまく管理することを助けることであるべきです:この人の個々の症状や制限は何か?同じように分類されたとしても、全ての腰痛が同じではありません。これは、もちろん新事実でもなければ、特に新らしい情報ではなく、Maitlandによる「悪化要因」は今でも痛みの問題を理解し、また人々に自身の痛みの問題を理解させるための重要な要素です。 このような実際に問題を悪化させるものを明確にすることで、私たちは、それらからはもう少し休息とり、一方で問題をそれほど悪化させることのない他のことにおいては活動を維持することができるかもしれません。これは、本来は私の思う基本的な常識以上のことではないのですが、多くの人々がしっかりとした分析なしに休息をとるか、または痛みのあることをやり続けるよう言われていることを考えると、この常識は時折欠如しているのかもしれません。 例 例として、私は最近、ジムのセッション後の夜に悪化する坐骨神経痛の痛みのひどい人を受け持ちました。明らかに、これを続けることは問題であり、ある程度の休息は理にかなっているように思えました、少なくとも私には。より大きな問題の一つは、心理的な対処の観点からは、完全な休息は本当の選択肢ではないことであり、これは一部の非常に活動的な人たちにとってはそうなりえるものです。ここでは、悪化させないように強度とボリュームのレベルを下げるという目標を絞った方法が役に立ち、一方でその人に運動も続けさせ、(適度に)満足させます。時には、頑固/永続的な習慣は非常に根深く、これは完全な休息を基本とした方法に対して難しいものになるでしょう。 ガイダンス もしかしたら、ここがガイダンスの必要とされるところであり、悪化するものを監視して順応させるためのツールを人々に与えることで、問題に対処するための彼らの能力(そして自身に対する自信)に大きな影響を与えることができます。繰り返しになりますが、これは新しいことではなく、90年代のIndahlの文献まで振り返ると、問題や痛みに対処することについての基本的な情報は、彼のグループのアプローチの主要な柱であったことがわかります。 さて、もし痛みが多くの様々な活動において本当に悪いものであれば、最大の痛みが引くまで待つ(一般的にはそうなるでしょう)ために数日間の完全な休息をとることは、私は全く間違っているとは思わず、また同様に、もし痛みが非常に弱い、または特定の運動でしか現れないのであれば完全な休養を取る特段の必要性はないと考えます。実際の微妙な違いは、その中間にある痛みの症状の大半にあります。制限したり今後悪化したりするに十分な痛みがあるが、代償が伴うこともある完全な休息をとる根拠とするにはおそらく十分なものではないのです。 私は非常にシンプルな「視覚的アナログスケール(VAS)」を用いた採点のスケールを使用しますが、問題の過敏性も考慮すべきもう一つの要因です。願わくは、身体活動介入のU字の特性を考慮してほしいものです。 シンプルなスケール(VAS) 8-10-休息 4-7-活動の変更 1-3-活動の維持 活動を変更するための私たちの医学的な理由づけのために自身に問いかけたいいくつかの質問があります: 全く違うことをしてもよいか? ボリュームを変えられるか? 強度をかえられるか? 頻度を変えられるか? これによってどのような影響があるか? 将来的な回避行動の可能性を作り出すことを避けるために、痛みが変化するにつれて元の活動への復帰を必ず段階的にすることも非常に重要です。何かをすることを止めるように言われ、二度とそれを再開しなかった人達がどれほど多くいるでしょうか?私の経験ではかなり多いのです。 キーポイント 一概的に決めつけるようなアドバイスは少しばかげている 優れていないということは劣っているということではない 基本的な痛みの管理のアドバイスは役に立つ 悪化させる運動にいかに順応/調整できるか?

ベン・コーマック 2142字

10代における筋力:見過ごされている長期的な運動発達の競争優位性

数年前にこんなツイートを投稿したところ、かなり大きな反響がありました: 大学生アスリートから聞く最大の後悔とは?それは、もっと早く筋力トレーニングを始めるべきだったということである。より強くなることは、パフォーマンスそして新しいスキルを習得する能力に大きな変化をもたらす。もしあなたが21歳で、16歳の時に得ているはずだった筋力をようやく身につけているところだとしたら、かなり遅れをとっていることになる。 ですが私が特に注目したのは、一つの返信です: 「発達上にある若いアスリートが一番やってはいけないことは、一つの生体運動能力を最大値にすることで、すべての能力を発達させることを妨げてしまうことです。長期的なプログラムは、ただ筋力だけでなく、すべてを発達させなければなりません。筋力、持久力、スピード、柔軟性...。搾取はゆるされないのです。」 これは長期的な運動発達に関する最も明白な誤解の一つであり、詳細な返答が必要だと思います。 はっきり言って、私は若い年齢で多くの生体運動能力に優先順位をつけ、運動寿命を通してそれらの能力を発達させ続けることに大賛成です。単にアスリートをパワーリフターにするわけにはいきません。 しかしながら、私がこの発言に同意できないのは、これらの異なる性質はすべて独自の領域であり、別々にトレーニングされなければならないとほのめかしてているところです。実際には、それらの性質を個別のサイロの集まりとしてではなく、一つのピラミッドとして見なければなりません。そのピラミッドの基盤は、間違いなく最大筋力です。 このことについては、私の電子書籍『The Ultimate Off-Season Training Manual(究極のオフシーズン・トレーニングマニュアル)』の中でとても詳しく触れています。以下は、パワーの発達についてさらっと抜粋したものです: 「…最大相対筋力は、あらゆる運動において“じわじわと浸透する”効果をもたらします。もしあなたがスクワットの最大重量を200 lb.(約91 kg)から400 lb.(約181 ㎏)に伸ばしたら、一回の自重スクワットははるかに楽に感じるのではないでしょうか?単発の垂直跳びはどうでしょう?典型的な垂直跳びテストにおいては、力発揮をする時間は約0.2秒間です;RFD(Rate of Force Development;力の立ち上がり率)がどれだけ優れていても、持っている筋力をすべて使うことは決してないでしょう。」 「しかしながら、(仮に)その短時間の中で最大筋力の50%を働かせることができるとしましょう。もしそのパーセンテージが常に一定なのだとしたら、より大きな最大筋力を持つアスリートは自動的に極めて有利な立場にありますよね?200 lb.(約91 ㎏)のスクワットをできる人は、100 lb.(約45 ㎏)の力を地面に対して及ぼすことができる;400 lb.(約181 ㎏)のスクワットをできる人は、200 lb.(約91 ㎏)の力を及ぼすことができる。誰がより高くジャンプできるか、明確ですよね?」 この主張は、研究の世界で一貫して立証されてきました:最大筋力の不足は、その人のパワーの潜在能力を制限するのです。筋力の基盤を持つことで、プライオメトリック、スプリント、そしてアジリティの発達を最大限に活かすことができます。 連続体の持久力端との関わりもあります。 「それでは、このことをスペクトラムの持久力端へとさらに一歩進めてみましょう。もしあなたのスクワットの最大挙上重量が200 lb.(約91 kg)から400 lb.(約181 ㎏)になれば、1セット20回の自重スクワットはより容易に感じるのではないでしょうか?」 「もし100 lb.(約45 ㎏)のダンベルを両手に持ってランジができるなら、ただ自分の体重だけで5マイル(約8 ㎞)走ることはより容易に感じるのではないでしょうか?考えたことがなかったかもしれませんが、あらゆる運動持久力活動は、実際には一連の最大下努力での運動にすぎないのです。」 明らかに、これらの筋力の数値は、圧倒的多数の高レベルな持久系アスリートにとっては非現実的ですが、筋力、パワー、そして持久力の混合を必要とする他のスポーツの競技アスリートにとっては現実的な数値です。 筋力は、アスリートがどれほどうまく動けるかにも関わります。はじめの返信が言及していた柔軟性とは、ウィキペディアによると、「関節または一連の関節における可動域」のことです。これは静的な尺度であるのに対し、運動での成功は可動性、その人がある体勢または姿勢をとる能力にもっと左右されるものです。その違いは与えられた状況下での安定性の有無であり、そしてそれは筋肉の制御に影響を受けます。事実、現に私は、最大筋力の最大の“じわじわ損等する”効果は関節の安定性であり、それが可動性に影響を及ぼすと考えています。 すべての運動能力が重要ではありますが、それらが常にすべて平等に訓練されるべきだと言うのはー特に適応の大きなチャンスを目の前にした若いアスリートたちにおいてはー極めて近視眼的です。言語スキルを習得する前に、数学、科学、そして歴史の講座を受講しようとした子供を想像してみてください。もし読み書きができなければ、これらのより高度な課題を習得するのに苦労するでしょう。筋力はこれと同じように基礎を成すものであり、私はそれをこのピラミッドのように考えています: より底辺に近い項目ほど、筋力による影響がより大きくなります。これらの項目がそれぞれピラミッドのどこに位置づけられるべきか議論することはできますが(そしてそれは問題となっているアスリートによるでしょう)、筋力がこれらの他の性質すべての重要な基盤だということについては誰も議論できません。それは多くのエリートコーチの逸話的な経験だけでなく、非常に数多くの研究にも根差しています。 最後に、しばらく前に、私はマイク・ボイル氏の素晴らしいリソースである『Complete Youth Training(完璧なユース世代のトレーニング)』のレビューをしました。そのレビューの後、私はマイクに、ストレングス&コンディショニングコーチとしてだけではなく双子の娘を持つ親としても楽しませてもらったよと伝えました。そのリソース全体の中でマイクが示した最も説得力のある発言は、彼が自分の娘(大学一部リーグの優秀なアイスホッケー選手)にしたことの中で最も影響力のあったことの一つは、彼女が11歳の時から最低週2日筋力トレーニングをしたことだった、という部分だと思います。若い年齢で筋力を得た場合―そしてそれを何年もかけて維持し増強することでー残りのトレーニングははるかにより生産的なものになるのです。

エリック・クレッシー 2874字

HIITはあなたを病気にしている?それとも健康にしている?

フィットネス業界には、実際はあなたにとって良くないことを美化したり、研究結果を実施されたパラメーターをはるかに超えて誇張したりする悪い習慣があります。 運動科学者たちが高強度インターバルトレーニング、別名HIITの有益性を初めて確立し始めた時、ワークアウトの聖杯を発掘したかのような気がしました。 より高い脂肪燃焼効率と筋肉をつけるパワーを、わずかな時間で?(Daussin et al., 2008)―ぜひ、お願いします! 非常に多くのメリットから、HIITの人気や、より多くの人々がそれをエクササイズ計画に取り入れている理由はわかります。 しかしながら、HIITに溺れることはいつでもすべての人に有益なのでしょうか?それとも、利益となるよりも害になりえる場合もあるのでしょうか? それに取り掛かる前に、わたしたちはHIITとは何か、そしてそれが、見捨てられたいとこである定常状態トレーニング(Steady State Training:SST)とどのように違うのかを理解しなくてはいけません。 HIITワークアウトは、サイクリング、ウォーキング、水泳などすべての運動形態において、そして多くのグループエクササイズクラスにおいて行うことができます。それはしばしば、脂肪を減らしたり筋肉増強を達成するために効果的なワークアウトとして、市場に出回っています。 HIITワークアウトでは、非常に高強度の運動(最大心拍数の80%以上)のピリオドの後に、回復するまでより強度の低い運動をする、または全く運動をしないピリオドが続きます。およそ30分間続くワークアウトでは、約10-15分間最大心拍数の状態になるでしょう。“運動”のセットは、あなたの「闘争・逃走」反応を招き、ストレスホルモンであふれさせるためにあなたを限界まで追い込みますが、それは要するに、脂肪を燃焼させ、筋肉をつける手助けをしています。 HIITをやってみようとするときによくある誤りは、休憩ピリオド中に十分回復していないことです。時間制限を設けてのグループトレーニングはすべてのフィットネスレベルに対応するものではなく、心拍数を下げさせないことはワークアウトを高強度トレーニング(HIT)にしてしまいます。このHITでは、非常に重要な”インターバル”の要素が取り除かれ、怪我や疾患のリスクがより一層高まります。 一方、定常状態トレーニング(SST)は、20分間以上続く、ワークアウト全体を通して一定の強度で行われる運動(例えばランニング、サイクリング、水泳、など)と定義されます。 近年、この方法は、より時間がかかるために持久系アスリートだけが必要なものだと仮定されたり、または筋量の増加を失うかもしれないという懸念から、あまり使われなくなってしまいました。 これは真実とまるでかけ離れています。 HIITと持続的持久系エクササイズの、心血管系、骨格筋、そして代謝的適応について考察し、比較してみましょう。 心血管系適応 Daussin et al. (2007)は、8週間のHIIT及び持続的な有酸素トレーニングプログラムに参加した男女の最大酸素摂取量反応を計測しました。最大酸素摂取量の増加は、持続的な有酸素トレーニング(9%)と比較し、HIITプログラムでより高く(15%)、その差は6%でした。 骨格筋の適応 ミトコンドリア(細胞のエネルギー工場)のサイズ及び数の増加は、HIITへの適応の顕著な特徴となりつつあります(Gibala, 2009)。有酸素運動中、ミトコンドリアは酸素を使い、炭水化物及び脂肪の分解を通してATP(筋細胞のエネルギー分子)を高レベルで製造します。ミトコンドリア濃度が増加することにより、働いている筋肉がより大きな力を、より長い時間にわたって生み出すために利用できるエネルギーが増えます。これらのミトコンドリアにおける酸化酵素の増加は、燃料供給のためのより効率的な脂肪及び炭水化物の分解をもたらします。 6週間のトレーニング研究では、Burgomaster et al.(2008)が、HIITプログラムを週3日行った被験者及び65%VO2maxの一定強度でのサイクリングを週5日遂行した被験者において、酸化酵素レベル(ATPを放出するミトコンドリア中のタンパク質)の増加が同程度だったことを示しました。 代謝系適応 ミトコンドリア濃度の増加は、骨格筋および代謝系の適応と考えることができるでしょう。代謝系適応の重要な点は、運動中の燃料となる脂肪代謝にあります。 Perry et al. (2008) 及び Talanian et al. (2007)はどちらも、6週間のインターバルトレーニング後、脂肪の酸化、すなわち脂肪燃焼は有意に高く、炭水化物の酸化(燃焼)は有意に低かったことを示しました。 HIITトレーニングのもう一つの代謝的利益は、運動後過剰酸素消費量(E.P.O.C. : Excess Post-exercise Oxygen Consumption)と呼ばれる運動後のエネルギー消費の増加です。エクササイズセッションの後、働いている筋細胞が細胞内の生理学的及び代謝的レベルを運動前のレベルに復元するため、酸素消費(カロリー消費)は上昇したままになります。これがより高く、より長い運動後カロリー消費につながるのです。LaForgia, Withers, & Gore (2006)は、彼らの運動強度研究が、HIITトレーニングは持続的な有酸素トレーニングと比較してより高いE.P.O.C.値を示していることを明らかにしました。 多くのジム利用者の主な目標は、身体の心血管系、代謝系、そして骨格筋機能を向上させることです。長年、持続的な有酸素運動がこれらの目標を達成する方法として選ばれてきました。しかしながら、研究は、HIITが似たような効果をもたらすこと、そしていくつかのケースではより短い期間により向上させることを示しているのです。HIITを(適切な強度及び頻度で)クライアントの心血管系トレーニングに組み込むことで、運動愛好家は非常に時間的に効率よく目標を達成することができます。そして、HIIT及び持続的有酸素運動プログラムは両方とも、このような人体の有意義な生理学的及び代謝的機能をすべて向上させるため、両方のプログラムをクライアントのトレーニングにバランスよく組み込むことは、明らかに心血管系エクササイズ向上とパフォーマンスを成功させる“win-win(双方に利益をもたらす)”アプローチなのです。 それでは、もしHIITに望むのがこれらの向上なのであれば、どれくらい実行すべきなのでしょうか?やればやるほど、より良い結果が得られるものなのでしょうか? 恐らくそうではないでしょう。HIITの分子的効果に関するこの研究によると、毎日激しいワークアウトをしたほぼすべての人において、ミトコンドリア機能、代謝的健康、そしてグルコース耐性における深刻な低下が生じました。しかも、彼らはただ、ステーショナリースプリントバイクでの4-8分間インタ0バルで行う運動を、36分間から、4週目までに152分間に増加させただけなのです。それでも、糖尿病を発症している人と似たようなインスリン抵抗性や、ミトコンドリア呼吸が1週目から平均40%低下したという結果が出ました。 一週間のワークアウトの数を減らすと、彼らの代謝的問題は解消しました。これが示唆するのは、HIITの有益性は、実はどれくらい行うかによるのかもしれないということです。 高強度のワークアウトを中強度または低強度のワークアウトと比較したこの研究の、最も注目すべき(しかし恐らく驚くことではない)発見の一つは、8週間のトレーニング期間を通して、タバタ式HIITプロトコルに参加した人々の楽しみの水準が有意に低下したことです。 エクササイズトレーニングプログラムがどれくらい効果的であろうと、楽しくないプログラムでは、適切な期間を通して順守するのはまず不可能です。 Les Mills(レズミルズ)でさえも、オーバートレーニングに関する独自の研究をしています。そこでは、一週間あたりに最大心拍数90%以上で30-40分間行うのがHIITの推奨される目安だと示しています。レズミルズの研究の背後にいる研究者、ペンシルベニア・ステート大学の准教授であるジンジャー・ゴットシャル氏はまた、週5日の事前トレーニングを6か月間行った場合のみHIITを導入することを勧めています。それを経て、HIITは週1-2回、2回の睡眠サイクルを間に挟んで導入することができるでしょう。 これらの結果はこのような少なめのHIITの実施回数を示唆していますが、プロのアスリートはそれだけですむでしょうか?もちろん彼らは2回以上の高強度ワークアウトを4週間以上行うでしょう。 結局のところ、HIITはしばしばプロ・アスリートのワークアウト・ルーティンのように見せて市場に出されています。問題は、プロのアスリートがトレーニングセッションの前後で行うすべてのことまたはセッションの長さは、一般人の水準で示されたり話されたりしていないことです。 アスリートは、そのような高いレベルのパフォーマーでいることのリスクを知っており、競技のために長期的な健康を犠牲にすることをいといません。40歳を過ぎても健康的に暮らしていると聞くアスリートが何人いますか?!高いリスクがあるとは言え、燃え尽き症候群や怪我を減らし、トレーニングを最適化するために大規模な対策が講じられています。 アスリートが多くの時間を費やすフィットネスの要素は、リカバリー戦略です。これらの高強度ワークアウトから回復することは大変で、フルタイムの仕事です!それは一般人が深刻に欠いているものでもあります。効果的な回復がなければ、フィットネスは低下し、ジムでの大変な努力は人々を前進させるよりも後退させていくのです。平均的なアスリートは、トレーニング1時間あたり、様々な回復方法を使って4時間を費やします。 しかしその次にくるのは実際のトレーニングです。フィットネスの向上は、それを維持することとは全く異なります。”プレシーズン”またはトレーニングの大会準備段階というのを聞いたことがあるかもしれません。これはアスリートがフィットネスを向上させるためにHIITできついワークアウトをするものの、怪我や燃え尽き症候群の危険性が非常に高いために、フィットネスを維持するための低強度ワークアウトを中止するという限られた時間です。つまり、アスリートが4-12週間に渡り週に数回行うことを、一般人は一年を通して毎日、時には一日複数回行っているのです。 ワークアウト中やライフスタイルで身体にかかるストレスを理解すること、そして効果的に回復する方法を理解すること、すべてはそのバランスに帰結するのです。 がむしゃらにではなく、賢く運動しましょう。 一例として: 週2回のHIIT 週2回の低強度の筋力トレーニング 週2回の低強度の動作に基づいた運動 そしてもちろん、たくさんの休息を…。

ファンクショナル・トレーニング・インスティチュート 4701字

ロッキングで身体を統合し回復する方法

もし、あなたの身体の潜在能力を引き出すことができる一つの動作があると伝えたらどうでしょう?それと同じ動作が、姿勢、肩、腰、膝、足首、そして足部を回復させることにも役立つとしたらどうでしょう?そして、それと全く同じ動作が、より明瞭に物事を考え、神経を落ち着かせ、不安レベルを下げることにも役立つと言ったらどうでしょう?もし、これらすべてを可能にする一つの動作があるとしたら、あなたはそれをしますか? あなたは生まれながらにして、この動作を神経系の中にあらかじめプログラムされていて、発育途上の子供だったころには、この動作をかなりの回数行っていたはずです。その当時、この動作は、あなたの身体を繋ぎ合わせ、肩や股関節に動く方法を教え、背骨のカーブを整え、笑いやふくみ笑いをすることにさえも影響を及ぼしました。もし、あなたが今日、この動作をすれば、それは子供の時と同じ、あるいはその時以上に素晴らしいことをもたらしてくれるでしょう。その動作とは、両手と膝をついて前後にロッキングすることです。 この動作は四つ這いのロッキングと呼ばれたりします。世界的に有名なストレングスコーチであるダン・ジョンは、シックスポイント(6点支持)ロッキングと呼んでいます。私はロッキングと呼んでいます。しかし、どう呼ぶかは重要ではなく、やることが重要なのです。 ロッキングは、あなたに与えられた最も素晴らしい動作の一つです。神経系を育み、身体とそのすべての構成要素に、ひとつの身体として、流動的に動く方法を教えてくれます。 ロッキングは、あなたが独立した部位や関節と考えているものを、流れるようなダンスへと組み合わせ、各関節に他のすべての関節と一緒に動く方法を教えてくれます。ロッキングを行う中で、身体は、リズム、協調性、安定性、可動性を身につけます。言い換えれば、身体は動くように設計されているため、動く方法を学ぶのです。ロッキングはまた、損傷した関節を再教育し、その関節を身体の全体性の中に戻す、素晴らしい方法です。例えば、肩や腰、膝を痛めた時や、外科的な修復手術を受けなければならない時にさえ、ロッキングは、その関節を素早く身体の流れの中に再統合することができます。ロッキングをしている状態では、関節を安定させる筋肉は安定させる方法を学び、主動筋は関節を動かすために自由な状態になっています。 ロッキングのもう一つの素晴らしい利点は、成人の姿勢を回復するのに役立つことです。先ほども述べましたが、ロッキングは、子供の時に頸椎や腰椎のカーブを整える動作であり、成人でも、その同じ動作が脊柱のカーブを回復することに役立ちます。ロッキングは、骨盤から腰部を自由にし、構造間の可動性を回復し、腰の痛みを和らげることもできます。 すべての関節が自由かつ一体となって動くと、脳は身体にかけていたかもしれない制限を取り払うことを十分に安全だと感じます。痛み、硬さ、弱さなどの制限は、脳が身体のすべてのものの位置を知ることで、しばしば解消されることがあります。ロッキングは脳に全てのものがどこにあるのかを知らせてくれます! ロッキングのもう一つの素晴らしい効果は、身体全体を美しい流れで一体化させることに加え、全人格、内面と外面をも一体化させることです。ロッキングは魂を癒します。脳が安全だと感じるとき、探しているすべての情報を得たとき、神経系は副交感神経優位の状態にあり、休息、消化、成長、笑顔、快感状態にあります。脳が安全だと感じると、感情や思考も平和でリラックスしたものになります。ロッキングは、比喩ではなく本当に、心配事を取り除き、身体の緊張を解し、魂からストレスを取り除く素晴らしい方法なのです。 繰り返しになりますが、この素晴らしい動作は、あなたの神経系にあらかじめプログラムされています。この動作は遺伝子に組み込まれており、これまで一度も失ったこともなければ、失うこともできません。ロッキングはいつでも行うことができ、そこに意図された治癒と構築作業を実行し始めます。毎日ではないにしても、頻繁に、両手と両膝をついて、数分間身体を揺らすべきです。3分間のロッキング休憩は、身体全体を癒す強力な方法であり、明晰な思考と創造性への入り口にもなります。 これを1回3分間、1日に1-3回毎日やってみてください。 両手と両膝をつきます。 目線と頭を上げ、水平方向を見ます。 スーパーマンのように胸を「高く」または「気高く」保持します。 口を閉じ、硬口蓋に舌をつけて休ませ、鼻から息を吸って吐きます。 優しく、骨盤を足の方向へ揺らし、それから手の方向へ揺らすのを繰り返します。 動いている間中、胸を高く保ち、頭を下げないようにします。 様々な足のポジションを探索しましょう。 靴紐を床に向けます (足の甲の部分を床につけます)。 足の指の付け根の部分を床につけます。 かかとを内側に向けたり、かかとを外側に向けたりします。 探索しましょう、優しく、好奇心を持って。強引にはならないように。 このロッキングの動作は、あなた自身の身体、精神、そして魂を素晴らしい状態にすることのできる最高の動作の一つになり得ます。ロッキングは、人生をより良く生きることを助ける、驚くべきパワーを秘めた、あなたに与えられた数少ない動作の一つです。あなたはそれを行うために生まれてきたのです。

オリジナルストレングス 2293字

もし10回中9回がくだらない介入なら、一体私は何をすればいいのか?

衝撃的なタイトルであることは分かっていますが、何を期待したんですか、ソーシャルメディア向けでなんですから。 しかし、最近発表された、ヘルスケアにおける多くのトリートメントの有効性に関するこのような論文を読むと、かなり気が滅入ります。10個中9個は、質の高いエビデンスに裏付けられていません*ここから*。 驚くべき結果を示さない研究は山ほどあり、多くの介入は11点満点で1~2点という臨床上重要な最小限の差異(MCID)の閾値に達していません(比較対象によって異なる)。痛みはとらえどころのない生き物であるという事実は言うまでもありませんが、ライフスタイル、遺伝、健康の社会的決定要因、合併症、症状の自然経過など、患者や治療者がコントロールできないことがたくさんあるため、私にとって、これは驚くべきことではありません。 しかし、落ち込みすぎる前に、人々は良くなるということを覚えておくことも重要です*ここから*。それを自分自身のブランドの魔法であると勘違いする人もいますが*ここから*。私たちが使う特定の介入が彼らを良くするするわけではないこともあります。 では、もし私たちがエビデンスベースであるならば、今何をすべきなのでしょうか?もちろん、効果のない介入の鬱の海へとスパイラルすることも一つの選択肢ですが、それは少しの間であっても推奨されるものではありません。 数年前(大昔)、ヴォルテールが雄弁に我々に語ったように・・・。 「医術とは、自然が病気を治す間に、患者を楽しませることから成る」 もし私がこの格言を21世紀風にアップデートするなら、医術とは、それほど楽しいことというのではなく、より理解すること、理に適っていること、問題を増幅させることが多い心配事と不安を減らすことである*ここから*。 ここではっきり申し上げておきたいのは、要点は現在の研究成果を凌駕する代替治療法の涅槃としてこれを提供することではありません(「データを示せ!」という声が聞こえます)。実際に現在ある研究基盤の中で活動し、大きな効果をもたらす治療法がないことを受け入れることです。私の経験において、治療家(そして人)であるということは、ほぼ受け入れるということなのです。 このことは私にとって、痛みの問題を抱えた人々と仕事をすることの過小評価された部分であると思います。私達はどのようにそれを計測、あるいは定量化するのでしょうか?はっきりとはわかりません(このことは私以上に聡明である誰かにお任せします)。必要でしょうか?あなたの見方次第でしょう。結果が改善されなくてもそれをすべきでしょうか?そう思います。BPSモデルの一部分は、定量化されているすべてのものから距離をとること、あるいは、小さな箱に入れてしまうことです。 この最近の論文では、腰痛を持っている人はその問題についてより理解したいということを明確に指摘しています*ここから*。 どうすればいいでしょうか? まず最初に、この問題を治療家が理解していることは大いに役立ちます。そうすれば、我々の周りの多くの筋骨格系問題に存在する、すべてのくだらないナンセンスを整理することができます。例えば、「筋肉が活性化されていない」、あるいは、「この筋肉が硬い」、あるいは、「骨のアライメント異常」(おそらく毎日聞いていることなので、私がここでお伝えする必要はないのですが)。腰痛は文字通りがらくたとたわごとのパンデミックです。まず初めにあなたが問題を理解していなければ、クライアント/患者がこれを解決することはできません。そして問題を悪化させないことは大きな価値があるのです。 問題を理解することを助けてくれる正確で現実的な情報を与えることは、私にとって大事なことであり、人々を助ける主要な部分になります。最後の言葉が重要です。痛みのみではなく、人間です。始めに痛みがいかにつかみどころがないかについて議論したことを思い出してください(そして、それは科学的根拠に基づいています)。 ただ単に問題について理解して、至るところで人々に「教育」と吐き捨てるのではなく、相手を心配させているものが何で、何をもっと知りたがっているのかを理解することが大切なのです。例えば、相手が何を心配しているか分からずに、どのように相手を安心させることができますか?確かに人に情報を一方的に押し付けて効果があることを望むこともできるでしょうが、問うこともできたのです! これは、私たちが(可能な限り)つながり、オープンで正直な対話の場を作ることに価値を見出すことができれば、本当にすべてが改善されるのです。これは、特に介入がまだ十分でない場合、人と仕事をする上で本当に特効薬です。 適用されるトリートメントは、私や他の人が提供する価値の一部に過ぎないと考えるようになりました。特に、有効性に関するデータを考慮した場合。たとえ痛みや障害などの結果に大きな影響を及ぼさなくても、相互作用、コミュニケーション、理解するというプロセスは、同じくらい重要だと考えるべきです(もちろん、私の意見ですが)。

ベン・コーマック 2144字

回内をあなたのお気に入りの居留地に

私はニューヨーク足病医科大学の元職員として、足病医学生が解剖学―そして歩行周期を学んでいることを知っています。 彼らは、歩行の4つの局面のうち3つにおいて、踵骨(かかと)が前額面上で内側に動くことを知っています。 これはよく後足部の回外とみなされるポジションで、距骨を外旋させ、体重をより足部の外側にかけています。 ただどのような動きでも、十分にパワフルであるためには、まず反対方向に伸張されなくてはなりません。 それが生物物理学の長さー張力曲線の原理です。 輪ゴムを部屋の向こうに飛ばしたい?まず輪ゴムを後ろに引っ張りますよね。 回外に移行するためには、(前脚が接地し体重の大部分を支えているサスペンション期(荷重応答期)に見られるように)まず足部の回内にむかって負荷をかけなければなりません。 多くの足病医やランニング専門店が、回内の何に対して反感を抱いているのかはよくわかりません。 インソールから後部を過剰に増強された靴まで、人々は常に足部アーチを支持するように促されています。 これには2つの大きな問題があります: 何かがあなたを支えてくれていると、筋肉はあなたのために支持をする必要がないという情報を受けます。 もし足がアーチ状の状態から抜け出せなければ、健康的な足部回内を適切に行うことは決してできません。回内によって、足底筋膜は付着している骨に対して健康的に伸張することができます。 では、人々はどうして足底筋膜炎やアキレス腱炎になるのでしょうか?(どちらの問題も、回内及び回外の最適な量が関連しています) 彼らは過度に回内しているのでしょうか? 彼らはしばしば、インソールから装具、クロックスのような靴、そしてヒールのある靴まで、あらゆるものを履くように言われています。これらは回内を防ぎ、足の回外を促進します。 カイロプラクティック・リハビリテーションの専門家としての9年間で、しっかりと回内運動のできる足底筋膜炎またはアキレス腱炎の患者には、まだ一度も会ったことがありません。 アキレス腱炎と足底筋膜炎には、ある重要な解剖学的つながりがあります:踵骨です。 アキレス腱と足底筋膜はどちらも、踵骨に固定されています。 そして踵骨は、アキレス腱と足底筋膜の緊張を取り除くために、外反(前額面上で外側に動く)しなければなりません。 これらの症状に見られる一貫した私の所見は次の通りです: 足部が回内と回外の間で動けなくなっており、踵骨が外反できない状態または内反から外反に動く能力が欠けている 触診で、痛みのある硬いアーチや、痛みのある硬い後脛骨筋脛骨付着部が見られる 内側及び中間楔状骨(足の甲側にある中足骨)の場所における過骨症(余分な骨形成) サスペンション(荷重応答期)において、股関節で適切な大腿骨内旋が行われず、それを補うために膝が過剰に内側に動く 足部の外側におけるたこ・まめの形成や(または)靴の外側における過度の摩耗パターン これらの5つの要素は、患者が後足部から適切に回内していないという考えを完全に裏付けていますが、そのような患者は常に、時代遅れの治療家から次のことをするように勧められてきました: 足部を回外位に固定する装具を着用する。 回内を防ぐためにヒールのある靴を履く。 クロックスやクッション性の高い靴を履いて足を甘やかす。 裸足は回内を助長するので避ける。 回内を助長するフラットな靴を避ける。 これら5つの提言それぞれについて、彼らの提案に反論すべく、私の根拠に基づく考えを述べさせていただきます。 1.装具について:痛みのある踵またはアーチに決して回内しないようにということは、間違いなくキネティックチェーンのより上方において何かを奪ってしまうことになるでしょう。 足部を決して回内させないようにすると、臀筋に最大伸張位まで負荷をかけることは絶対にできません。 負荷をかけられなければ、爆発的に力を発揮させることはできません。 臀部を鍛えるためにグルート・ブリッジをしないのはそのためです。 片脚デッドリフトでは臀筋の外転パワーを得ています。まず回内位で負荷をかけ、それから回外に近づいていくことであなたを立脚中期に向かって動かしていくエクササイズだからです。 この骨盤のコントロールが、歩行を維持するための可動性、安定性、そして筋力にとって重要なのです。 2.ヒールについて:ヒールのある靴は体重が前足部に移行しやすくし、それがアンテリア・ヒップ・チェーンを活性化させ、骨盤の前傾を促進させるでしょう。 体重をより前方に移行させると、膝や腰にかかる力が大きくなります。 腰や膝の痛みの傾向がある人、または現在骨盤前傾の状態にある人は、これらの症状が悪化することを覚悟しておきましょう。 3.履き心地のよい靴について:足はクッションの上を歩くようにデザインされてはいません。 足背面や足底面の大部分は、坐骨神経枝が支配しています。 従って、足部の一万個以上の感覚受容器が、同じ神経支配を共有する筋肉に求心性神経(入ってくる情報)を提供しています。 言い換えれば、足部が股関節に合図を送っているのです。 また、足の裏側は主に、ポステリア・チェーンやアンテリア・チェーン下部の筋肉及び関節全体への神経ドライブであるL5-S1によって支配されています。 クッション性のある靴を履くことは、手に手袋をはめて細かい作業をしようとするようなものです。 (手袋をはめたままこの記事にコメントしてみてください。ごゆっくりどうぞ。) 足が地面からの情報を読み取れないと、下肢の大部分は指示なしで動かなくてはなりません。 そう、クロックスは快適ですが、それが足底筋膜炎やその他の足部の病気を本当に助けているなんていうのはばかげた話なのです。 心地よい足は、キネティックチェーンのより上部にある構造へのインプットを怠っています。 足には平均28個の骨があり、そのすべてが地面からの情報を読み取り、より上部にある構造へ適切な指示を与えるようにデザインされています。 裸足の子供の頃に獲得していた可動性、安定性、筋力を獲得するために、履き心地の良い靴を脱いで、まずはじめに足の心地悪さを知りましょう。 4.裸足でいることについて:私自身、足底筋膜炎、アキレス腱炎、滑液包炎をはじめ、膝、股関節、腰、仙腸関節、肩、首やその周りの痛みなど、あらゆるものに悩まされてきました。 慢性的な痛みから抜け出すための第一歩は、家で裸足になることーそしてトレーニング中はもっと裸足でいるようにしたことでした。 足部の靱帯―足底筋膜も含めーは、関節の動きを制御する筋肉の奴隷です。 結局のところー関節は動くように作られ、筋肉は動作を制御するために作られたのです。 足部のアーチは筋肉に制御されているため、運動システムに適切に合図を出すためには、(上記で説明したように)床反力の求心性神経を探らなくてはなりません。 最初私は足に違和感があったか?ええ、もちろん! 私の足は、足がブロックのようにしか動けくなってしまうクッション性のあるミズノやサッカニーで走るのに慣れていました。 私の足は気持ちよかったのですが、他の痛みがキネティックチェーンの上方に忍び寄っていたのです! 私の膝は内側へとぐらついていて、ひどい滑液包炎を発症し、内側半月板の手術が近いのではと心配になりました。 股関節は常に硬く、骨盤は前傾位に固まってしまい、臀筋健忘症や腰の過伸展を引き起こし、何日も背中の痛みがありました。 骨盤と背中のポジションによって、腹腔内圧を構築するタイミングメカニズムが阻害され、私は垂直方向に呼吸をしなくてはなりませんでした。そのため、首の緊張と肩の前方突出がひどく、そして肋軟骨炎も発症してしまいました。 でも走っているときの足は、とても気持ちよかったのです! しかし靴を脱ぐと、深刻な足底筋膜炎とアキレス腱炎が交互に起こりました。 そこで私は、2010年のエリック・クリッシー氏のアドバイスを受け、すべての病気を足に関連付けることにしました。 私はニューバランスのミニマスに履き替え、次にメレルを履きました。今はできるだけ裸足でトレーニングしています。 この6年間で、私の不快感の99%は完全になくなりました。1%は、私が修正せずに犯したバイオメカニクス的ミスによるものです。 私は、37歳にしてまったく痛みなく、裸足でこの記事をタイピングしています。 5.フラットな靴について:フラットな靴を履きなれていない場合、それらの靴はもちろん足底筋膜や(または)アキレス腱を引っ張ってしまうでしょう! 固定された状態の踵骨や中足骨が、突然適応してくれるわけがありません。それらの骨を制御するようにデザインされた筋肉は、回内と回外の間のある中間点にいたがるあなたの選択や靴によってシャットダウンされてしまったのです。 身体は賢いのですー愚かな、痛みの製造マシンではありません。知覚された脅威や許容範囲に応じて、痛みを生み出しているのです。 そして、足が回内する方法を学ぶことができなければ、キネティックチェーンの上方に代償が及ぶでしょう。 足が適切に回内する方法を学んだことがないのなら、適切に回外する方法を学ぶことは期待できません。 あなたは歩行周期の4つすべてに支障をきたした状態で、その二者のどこかで立ち往生してしまうことでしょう。 回内はあなたのお気に入りの居留地になる必要があります。 おそらくあなたは回内する方法を学んで、その後この居留地をしばしば再訪しなくてはならないでしょう。 気長にいきましょう。 上方のシステムを支持するために、あなたの足は心地よくなるー同様に十分強くなるーまでは違和感を抱えなくてはならないでしょう。 より効率的に回内させてくれる靴に移行する、最初の一週間は諦めず頑張りましょう。 ランジ、片脚デッドリフト、片脚スクワットのような、回内を促進するエクササイズを断念しないでください。 あるいは、医者や治療家が、決して自然に回内できるようにはならないと言って、ヒールやクッション性のある靴に永遠にとどまらせてくる誇大広告を信じることもできます。いつも通り、どうするかはあなた次第です。

キャシー・ドゥリー 4492字

向上し続ける:コンディショニングワークアウトを進歩させる3つの方法

強くなったと感じる、体が引き締まって見える、速く走れるなど、それが何であれ、進歩は素晴らしいものです。 しかし、身体的な進歩における問題は、成功への道のりが、多くの場合、分かりにくいことです- 特に、基礎的なフィットネスレベルを身につけた後は。 一度しっかりとした基礎を築いた後は、どのようにコンディションを向上させ続けることができるでしょうか。 よくある回答は、ワークアウトを終えるまで、「もっと頑張る」または「もっと疲れる」です。そしてこれは、蓄積した疲労が逆効果をもたらし始めるまでは有効です。 しかし、コンディションを向上させ続けるためには、ハードワーク以上のものが必要です:戦略が必要なのです。 そこで、私がMMAの世界チャンピオンからフィジークの競技者まで、すべての人たちにコンディショニングワークアウトを進歩させる際に用いる3つの確実な方法へとつながります。 ここから始める:量を増やす ワークアウトの量を増やすと、効果的にトレーニングのストレス量が増します。そして最終的には、適切な量のトレーニングストレスが、有益なフィットネスの適応を刺激します。 量を増やすとはどのようなことでしょうか? 量を増やす一般的な方法は以下の通りです: 各セッションのコンディショニングエクササイズの時間を数分追加する 各トレーニング方法に対し、より多くの合計セット数を行う トレーニング量を増やすポイントは、4~6週の期間をかけて徐々に増やしていくことです。これは、オーバートレーニングにならずに、増加する負荷に適応するための時間を身体に与えることに役立ちます。 量を増やして、トレーニングの容量を築くことができたら、強度の力を活用する準備が整います。 次のステップ:強度を上げる トレーニングの強度を上げることは、とても分かりやすいものです。 最も簡単な方法は、より高い心拍数、または最大心拍数に対して高い割合の心拍数でトレーニングを行うことです。 しかし、これを効果的に行うためには、自分の最大心拍数が実際にいくつなのかをある程度把握する必要があります - よくある220から年齢を引いた値よりも正確な値です。 それには、400~800mのスプリントのような、最大心拍数に達するような運動をする必要があります。スプリントができない場合は、重量を使わない、高速で、全身を使う、そして立位で行うエクササイズを利用しましょう。 強度を上げるために効果的な他の方法は、休憩時間を減らすことです。 休憩時間を短くすることで、休憩時間に対する作業時間の負荷が高くなります。そして、トレーニング量は時間をかけて徐々に増やすべきであるのと同様に、休憩時間も数週間をかけて徐々に短くしていく必要があります。 最後のてこ入れ:頻度を上げる トレーニングの日数を増やすことは、「量を増やす」という最初の戦略に帰結します。ただし、セット数、回数、トレーニング時間を増やすのではなく、トレーニングセッションの回数を増やすのです。 トレーニングの頻度を増やすと、コンディショニングをより頻繁に行うことで、トレーニングの総量と強度も増幅させていることに注意してください。 これが、頻度を上げることが最後のワークアウトの進歩である理由です。 より多くのトレーニング量と強度を用いて、身体のコンディショニング能力を構築した後は、より頻繁にトレーニングすることができるようになります。 究極の進歩の原則 進歩が鈍化すると、トレーニング量、強度、回数を一気に増やしたくなるかもしれません。 それはいけません。 それは、オーバートレーニング、怪我、および疲労のための確実なレシピです。 進歩の消火ホースを開くのではなく、その逆を行うことをお勧めします。 究極の進歩の原則は、最小限の効果的な量だけを使うこと。つまり、進歩を続けるために必要な最小限のトレーニングを行うことです。 コンディショニングを始めたばかりの時には、向上するために最大レベルの刺激は必要ありません。本当に大して必要ないのです。しかし、身体が適応するにつれ、トレーニング刺激を徐々に増やしていけば、改善の可能性を最大限に高めることができます。 多くの人にとっては、週に3~4日コンディショニングトレーニングを行い、そのうちの1日だけを高強度にするのが最小限の効果的な量です。 その後、進歩の方法を導入していくことができます。 トレーニングの時間、回数、セット数を増やす 強度を上げる トレーニングの頻度を増やす 私は通常、強度を調整する前に、最初の3~8週間を、トレーニング量を増やすことに費やします。 数カ月かけてトレーニング量と強度を上げたら、パフォーマンスが停滞し始めるまで待ちます。このときが、トレーニングの頻度を上げるタイミングです。 最大限の改善が欲しいのなら、これらの進捗戦略を必要な時に使うことです- ただやろうとするのではなく。 ポジションを選ぶ:筋力を向上するかコンディショニングか トレーニングを始めたばかりであれば、フィットネスのあらゆる面を同時に向上させることができます。 しかし、ベースラインを確立した後は、筋力向上かコンディショニングのどちらの進捗を優先させるかを選択する必要があります。 どちらを選択するにしても、選ばなかった方は、向上ではなく、維持を目標にするべきです。 コンディショニングに重点を置く場合でも、筋力トレーニングは週に2~3回行いましょう。ただし、それらの日には、筋力の向上を目的とする場合よりも低い量と強度でトレーニングを行います。 トレーニングの焦点を絞ることで、身体の限られたエネルギー資源をできるだけ効率的に使うことができます。そして、それが最も改善する唯一の方法なのです。

ジョール・ジェイミソン 2503字

私のストレングス&コンディショニングにおける失敗から学んで強くなろう

わたしたちは2010年10月に愛犬のタンクを購入しましたー以来彼は家の中でわたしたちの親友であるだけでなく、ほぼ毎日私と一緒にジムに来るため、Cressey Sports Performance(CSP)体験には欠かせない(そして楽しませてくれる)一部となっています。 彼はまた、CSPアスリートの一人の家族の憧れを勝ち取ることに成功し、その家族はちょうど彼のようなクリーム色のパグル(パグとビーグルのミックス)を飼おうと決めてしまったほどでした。彼が小さかった頃、妻と私はハウス(クレート)トレーニングをし、彼を夜通し眠らせようとするのに何か月もかかったので、彼らがわたしたちのような失敗をしないようにとたくさんのアドバイスをしました。 今ではその家族はすっかり子犬と落ち着きましたが、そのことで私はストレングス&コンディショニングプログラムの世界において他人の失敗から学ぶことの重要性について考えるようになりました。子犬の飼い主を一人助けることができるなら、毎月このウェブサイトを訪れる何千人もの訪問者を助けることもできるかもしれません!そのことを念頭に置いて、私が修正したストレングス&コンディショニングの失敗のうち、大きな変化をもたらしたこと5つをここに挙げます: 1.トレーニング後の時間帯に食べる量が少なすぎる:あなたが新進気鋭のリフターか、あるいは筋量を増加させることで利益を得られるアスリートなら(私は間違いなくそうでした)、ワークアウト後の時間は摂取カロリーを節約してはいけないタイミングです。私が本当に大きな進歩を遂げ始めたのは、トレーニング後のシェイクとその一時間後にとる食事の間に1,000カロリー以上を摂取するようにしてからですーこれは他の人たちに見たことと比較すると軽めでした。私たちが指導するアスリートの一人がトレーニングセッションを終えてーそれから何も食べないままオフィスに2-3時間居座っているのを見ること以上に私をいらつかせることは、あまり思い浮かびません。彼らがジムでくつろいでいるのは大好きなのですが、ただカロリーを摂取しながらくつろいでほしいのです! 2.筋力のためのトレーニングを十分早い時期にしない:これから”より大きくする”ことをできるだけ簡単に説明しますが、依然数学的ではあります。あなたは“筋肉を損傷”させ、それから再構築しなくてはなりません。仕事をしなければ、ダメージは受けません。仕事=力x距離 これから一生かけて大きくなるつもりでいる(あるいはエクササイズに可動域を加え続ける魔法の方法を見つける)なら話は別ですが、行う仕事量にプラスの影響を及ぼす最も簡単な方法は、より大きな力を与えること―またはより強くなることです。そのために、私はここで大胆な発言をしましょう:リフティングを始めた最初の2年間は、単純にバーベルに重さを追加することを主な目標にしましょう(ただし良いテクニックで痛みなく行えることが条件です)。それが複合的な筋力トレーニングである以上は、その結果にとても満足することでしょう。Cressey Performanceには、わたしたちとトレーニングを始めた最初の2年間で雑草のように伸びるリフティング初心者達がいますーこれまで”パンプ“について誰かに聞かれたことがあるかは言えませんが。私が18歳の頃にその質問をしたとき、「黙れ」と言ってくれる人がいたらよかったのにと思います! 3.主要でないものを行うのに時間をかけすぎる:これは先ほどの見解と密接に関連しています。重要な筋力エクササイズで良い数値を挙げるには程遠かった私は、実際バイセプスカールやトライセプス・エクステンション、その他のアイソレーションエクササイズをしている場合ではありませんでした。そのせいで私はジムに長くいすぎてしまい、本当に重要な部分のリカバリーを妨げてしまっていたのです。おもしろいことに、かなり強くなった今、アイソレーションエクササイズをやろうという気は大してなくなりましたーなぜなら主要な筋力エクササイズこそが私を本当に発展させてくれたものだと気が付いたからです。 4.エネルギー系のトレーニングがよりアスレチックでない:幼少期、熱心なサッカーとテニスの選手だった私は、フィールドやコートで過ごしたすべての時間のおかげで、それなりに速く、方向転換も上手でした。20代前半になったとき、筋力トレーニングを”フルタイムで”追及するために、それらのスポーツから距離を置くことにしました。 その数年後、エリス・ホッブス選手、リシェ・コールドウェル選手、ピエール・ウッズ選手、ローガン・マンキンス選手(そのほか多数)といった当時ペイトリオッツにいた大勢の選手たちと、バスケットボールでチャリティゲーム(慈善試合)をしようと誘われました。NFL選手はバスケットボールができないなんて誰にも言わせませんよ、彼らはわたしたちをこてんぱにしたんですから。 その結果はまったく驚くものではなかったのですが、私が実にショックを受けたのは、高校時代に比べてはるかに強くなったにもかかわらず、以前ほどの運動能力をちっとも感じられなかったということです。私は地面に力を加えていたのですが、素早く行うことができずーそして自分が快適に感じる運動面上で動けていませんでした。 驚くことではありませんが、当時私のエネルギー系トレーニング(それほど多くはありませんでしたが)のほとんどは、マシンの上で行われていました:エリプティカル、バーサ・クライマー、ロウイングマシン、そしてバイクです。私はすぐに、意識を集中せずに反復運動を行う有酸素運動を減らすことに全力を注ぎましたーそれ以来、私のエネルギー系トレーニングのほぼすべては、スプリントやストロングマン系エクササイズのメドレー、方向転換トレーニング、スライドボードトレーニング、そしてメディシンボールを使ったサーキット(それとエアダイントレーニングも少々)となっています。その成果は?垂直跳びは37.2インチ(約94.5センチ)―当時よりも12インチ(約30.5センチ)以上も伸び、体重も増え、あらゆる“ハムスター式有酸素運動”をしていた時と同じくらい引きしまっています。さらに重要なことに、私はかなり運動能力が上がったと感じていますーそしてジムで他の人を楽しませるためにばかげたことをしてしまいがちです。 5.良いトレーニング仲間を早くに見つけなかった:幸運なことに、私はコネチカット大学のキャンパスで過ごした時代から、South Side Gym、そして現在Cressey Sports Performanceで一緒にリフティングをする仲間まで、何人かの素晴らしいトレーニングパートナーとともにリフティングしてきました。しかしそれ以前は、かなり長い間単独でトレーニングをしていました。一言言わせてください:良いトレーニングパートナーは大きな違いを生みます。彼らはあなたがのろのろしているときに励ましてくれ、重量を選ぶのを手伝ってくれたり、スポッターをしてくれたり、実際にトレーニングを漸進させてくれる最高の社交的雰囲気を作ってくれるのです。 しかし、“単独で行うこと”は、ただ一緒にリフティングができるトレーニングパートナーを持つことを引き合いに出しているわけではありません。それはあなたが頼れる専門的なリソースーあらゆるグリップ動作で肘が痛むときに頼るマッサージセラピスト、またはストレングス&コンディショニングプログラムを助けてくれる誰かなどーを持つことも引き合いに出しています。本当のことを言うと:私も昔あまりよくわかっていないとき、いくつかひどいプログラムを行いました。もし偏見のない立場の人が助けてくれていたら、私自身多くの問題を回避できたことでしょう。

エリック・クレッシー 3263字

ユーススポーツのパフォーマンストレーニングに関してふと思いついたこと

1. 少年スポーツにおいてもウォームアップは重要です。 私の記事を長年読んでくださっている方なら、私が、その後のパフォーマンスを最適化し、ケガのリスクを軽減する手段として、質の高いウォームアップを大いに推奨していることをきっとご理解いただいていると思います。 しかし、この点に関する私の著作のほとんどは、野球や筋力トレーニングなど、より高度な、そしてより年齢の高い人々に焦点を当てたものであることを認めざるを得ません。 一方、ユーススポーツのウォームアップの中には、包括的とは言いがたいものがあります...ウォームアップ自体が、実際に存在していたとして、というところですが。 幸いなことに、この見落としを正すために、「Effectiveness of Warm-Up Intervention Programs to Prevent Sports Injuries Among Children and Adolescents」という最近のメタ分析を紹介する機会を得ました。全文はこちらでご確認いただけます。 Dingらの懸命な研究の簡単な概要は、21,576人の総アスリート(7~18歳)を対象とした15の綿密に選択された研究において、15~20分のウォームアップは怪我を36%減少させたというものです。 健康維持に役立つことはもちろんですが、この結果で興味深いのは、さまざまなウォーミングアップの工夫が怪我の軽減に役立ったということです。 より年齢が高くトレーニングを受けている人たちでは、体温の上昇、ひいては組織の伸長性からくる効果が大きいと思われます。 逆に、このメタ分析にあるような若くてあまりトレーニングを受けていない集団では、ウォームアップによって実際のトレーニング効果(バランスの改善、筋力の強化、着地のメカニクスの最適化など)が得られるので、おそらくより慢性的にケガから守られているのでしょう。 そのため、アスリートにとって重要なトレーニングを「マイクロドーシング」することは常に有益であり、ウォームアップはコーチがそれを行うことができる手段の1つであると考えています。 もし、ドリルを別の時間に行ったら、これほど効果が顕著になったかどうかを考えるのは興味深いことですが、適応は適応ですし、ウォームアップはグループ環境での説明責任を保証する最良の方法でしょう。 2. グラウンドからスタンディングへのトランジションは、若いアスリートにとって最もハードルの低いものでしょう。 私の最も親しい幼なじみの一人は、農場で育ちました。私が干草を積むのを手伝いに彼の農場に行った最初の時のことを忘れられません...私達は巨大な畑を6時間かけて歩き回り、トラックの荷台に干し草を積んでいったのです。 今まで干し草の俵の重さをわざわざ調べてはいませんでしたが、どうやら40ポンドから75ポンドまであるようです。 1週間くらい全身が痛かったのも説明がつきます。 驚くべきことでもないかもしれませんが、その友人は3種目のスポーツが得意で、レスリングでは州チャンピオンになりました。 明らかに、農場は彼に一貫して努力する方法を教えてくれたのです。 干し草の運搬、家畜への給餌、掘削など、ほとんどの肉体労働は、低から高への力の伝達を伴うことに気づかずにはいられません(これは、多くの運動競技と大差ありません)。 もしあなたが農場に住んでいないのであれば、ターキッシュ・ゲットアップ以外にも、トレーニングでこのダイナミクスに挑戦する良い方法があれば教えてください。

エリック・クレッシー 2252字

硬い筋肉を伸ばすべきではない理由

身体には、私たちが常に理解しているわけではない知恵が詰まっています。 身体は、最適に動き、機能するように設計され、脅威の時代を生き抜き、平和な時代に繁栄するように設計されています。 あなたの身体は何をすべきかを知っているし、もっと重要なことは、身体が何をしているのかを知っているということです。 でも、多くの場合そうではありません。 知恵ではなく、現代の論理で身体にアプローチすることが多すぎるのです。 例えば、身体が痛ければ、なぜ痛いのかを身体に問うのではなく、感じている痛みを和らげたり取り除いたりするためにNSAIDsを服用することがあります。 痛みは、私たちの注意を引くための身体からの信号であることは、多くの人が同意するところです。 身体が私たちに何かを伝えようとしているのです(通常は、私たちがしていることを止めなさいということです)。 身体は、これ以上害を作らないように、あるいは害が起こるのを防ぐために、痛みのシグナルを出すかもしれません。 身体が痛みを感じているとき、身体は鎮痛剤を要求しているのではありません。 何かを変える必要があることを教えてくれているのです。少なくとも、そこから学ぶために耳を傾けなさいということを伝えているのです。 同様に、身体が硬いとき、身体は私たちを守ろうとしているのです。 多くの人は、論理的に、硬い筋肉は伸ばす必要があると推測します。 結局のところ、そうやって緩めて緊張を取り除くことができるのです(まれに、実際にそれがうまくいくこともありますが、それは論理が破綻していることを示す当然の指標となるはずです)。 しかし、身体の知恵では、筋肉が硬いということは、保護を意味します。あなたを守り、自分を保とうとしているのです。 身体は、脅威の時代を生き抜くために設計されていることを忘れないでください。 緊張して筋肉が硬くなるのは、身体が自分を守るために、動くことをガードしたり抑制したりする方法なのです。 基本的に、身体(脳)は安全を感じないと、危険な領域に移動しないように、筋肉を緊張させて身体に制限をかけます。 筋肉が硬いのは防御のメカニズムです。 筋肉が固いということは、脳が何か危険なものを感じて、身体を守ろうとしているのです。 ハムストリングスが硬いとき、身体はストレッチしてくれとリクエストしているわけではありません。 それは、「あなたは安全ではない、どこかに対処すべき危険がある」ということを教えてくれているのです。 硬いハムストリングスを緩めるためにストレッチをするのは、怪我をしないように保ってくれる身体の安全プロトコルを上書きしようとするようなものです。 緊張感、筋肉の硬さには理由があるのです。 脳は、あなたを守ると同時に、あなたの注意を引こうとしているのです。 それだけでなく、硬くなった筋肉を伸ばすということは、ある意味、攻撃的なアプローチであり、力ずくなものです。 誰だって、押しつけられたり、無理強いされるのは嫌なものであり、あなたの身体も例外ではありません。 力ではなく、優しさが脳に安全を感じさせるのです。 多くの場合、筋肉が硬くなるのは、脳が求めている情報が得られなかったり、得ている情報が脳に危険を伝えていたりして、安全でないと感じているからです。 例えば、胸の上の方で呼吸をしていて、お腹に向かって呼吸をしていない人は、横隔膜ではなく、緊急の呼吸に関わる筋群を使っていることになります。 胸の上の方で呼吸をすることで、脳に "危険が迫っている "ということを伝えているのです。 脳は危険を感じると、身体のハッチを閉め、より緊張が必要だと判断した部分(ハムストリングスなど)に緊張(恐怖)と締め付けを与えます。 これが身体の知恵なのです。 私たちには、このメッセージに耳を傾け、この例のように横隔膜を適正に使って呼吸するように、穏やかな行動で対処することで、自ら知恵を働かせるチャンスがあるのです。 要は、痛みや緊張といった身体の警告信号に無理やり反応することは、ベストな行動とは言えず、かえって身体をより危険な状態に導いてしまう可能性があるということです。 それよりも、身体の知恵に耳を傾け、理解することで、何が安全でないと感じさせているのかを見極めようとすることが大切です。 それが決まれば、優しさこそが適切な方法です。 身体が危険だと感じる理由が特定できないとしても、やはり優しさが正しい方法です。子どものように呼吸をし、子どものように動くことで、脳が求めている情報、安心するために必要な情報を優しく与えることができるのです。 前後に揺らすロッキングのような動きは、脳を落ち着かせ、また、全身の関節、筋肉、組織の位置を脳に知らせるのに役立ちます。どこに何があるかわかると、脳は安心して恐怖を手放し、身体は最適に動くことができるようになるのです。 とにかく、緊張とは、身体がストレッチしろとか、無理やり緩めろとリクエストしているのではありません。身体が、あなたを傷つけないように守ろうとしているのです。 硬くなった筋肉を伸ばす前に、もっと優しく、もっと賢い方法を試してみてはいかがでしょうか。

オリジナルストレングス 2199字

スピードデッドリフトを筋力トレーニングプログラムに使用する5つの理由

2008年に私の最初の本が出版されたとき、私がスピードデッドリフトを取り上げたことに多くの人達が驚きました。なぜなら彼らは、それは「簡単すぎる」と感じたり、「重くない」デッドリフトは生産性がないと考えたりしたからです。興味深いことに、4ヶ月のプログラムを完了後、彼らのデッドリフトが必ずと言っていいほど向上したとき、誰もスピードデッドリフトが含まれたたことに疑問を持つことはありませんでした。そこで今日は、スピードデッドリフトを筋力トレーニングに取り入れるべき5つの理由を紹介します。 しかし、まず、スピードデッドリフトとは何かということを概説することが重要だと思います。デッドリフトのあらゆるバリエーションを、より軽い割合で実行するだけです。ワンレップマックス(1RM)の35-80%を1-5レップでセットします。パーセンテージが高いほどレップ数が低くなり、その逆も然りです。例えば、1RMの80%で8x1、1RMの50%で6x3、1RMの35%で4x5などです。チェーンやバンドが手に入るなら、エクササイズに追加することも可能です。セット間は30秒から120秒の間で休むことになります。 しかし、最も重要な要素は、完璧なテクニックと優れたバースピードとなります。 バーが床から爆発するような感覚で、ロックアウトまでまっすぐ上がるようにします。

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