パーシャルスクワットとフルスクワットはどのように違うのでしょうか?

どれくらい深くスクワットをするべきでしょうか? 何回行うべきなのでしょうか? 現世代の人達は、この問題に関してより多くの困難を感じているようですが、これら現存の疑問は長年にわたってリフターを悩ませているものです。 この研究は月刊の総説には掲載されませんでしたが、それでも解説する価値があると思いました。なぜならば、その研究が一部の可動域と全可動域でのスクワットの間での論議、そしてどのように、ストレングス、コンディショニングプログラムの中で使えるかという論議に光りを灯したからなのです。 *** 研究論文:スクワットの動力学において、全可動域から一部の可動域への移行による影響、ドリンクウォーター、ムーア、バード:ストレングス、コンディショニングリサーチジャーナル、2012 *** スクワットの深さについての困惑 彼らの研究の背景として、ドリンクウォーター及びその他は、スクワットやスクワットの深さが、フィットネス業界において十分に理解されていないと解説しています。「ディープスクワット」が何を意味するのか、については不明瞭であり、「パラレル」という概念も一部の人達を混乱させるようです。それゆえ、以下のパラレルスクワットとパーシャルスクワットに関するこの研究において、いかなる幻惑をも防ぐ為に、私は下記の定義を用います。 ディープスクワット・フルスクワット ー 股関節は膝の水平面よりもはるかに下に位置する。 私が見た限り、たくさんのオリンピックウェイトリフティングを行っているか、もしくはとても時代遅れなのでなければ、ほとんどの人はこのようなスクワットはしません。 パラレルスクワット ー 股関節の中央は膝と平行。大腿部の下側が膝と平行になるのではありません。それでは明らかに高すぎます。また、90度の膝の屈曲では、これも又、ボックススクワットをしているか、もしくは通常よりも150%長い大腿骨を持っているのでない限りかなり高すぎることとなります。パワーリフターのスクワットの多くはこの深さか、もしくはトレーニングにおいてはもう少し低い位置でしょう。 パーシャルスクワット ー 膝の屈曲は90-120度程度のみ。その上限が、民間のジムでよく見られる一般的なスクワットの深さです。 もちろん、これは皆さんの好む定義ではないかもしれません。それはそれで良いのです。この文献の中での言葉の使い方が明確になるように、自分自身の言葉でただ定義する必要があっただけですから。それでは次に進みましょう。 *** スクワットの深さに関する簡単な歴史と膝の健康に対する懸念 ドリンクウォーター及びその他は、1961年(印刷中)に発刊されたカールクラインによる研究によって出された、ディープスクワットが膝の健康にとって有害であり得るという考えを記述しています。研究者たちは、クラインがディープスクワットにおいて観察された膝の剪断力の高さと、ディープスクワットを行うウェイトリフターの靱帯の緩みの増加を懸念していたと記述しています。 しかしながら、ドリンクウォーター及びその他は、これらの調査結果は、間もなく、業界のディープスクワットとパラレルスクワットを取り違えている多くの人達により推定され(上記の言葉の定義は、このため)、それから間もなく、少しの膝の屈曲よりも深く膝を曲げるスクワットは、すべて危険であると非難されたと記述しています。それに加え、ショーンフェルド((2008))は、ディープスクワットでさえ、それ以来悪い評判から解放されたと指摘しました。(詳細は彼の文献を参照してください) それにも関わらず、ドリンクウォーター及びその他は、この混乱と、結果として生じる非難の風潮は、業界中、そして国中のジムでパーシャルスクワットを行うという波を引き起こしたと記述しています。初心者に対して、全可動域での動きは一般的に、強化とサイズアップに対してより有益であると最近ロネイ(2011)によって記述されたことを考慮すれば、これは残念なことでした。 *** 一部の可動域でのウェイトリフティングの恩恵 しかしながら、これはパーシャルスクワットが上級のリフターにとって有益なエクササイズではないということを意味するわけではありません。ムケルジー(1999)は、すでにウェイトリフティングが行き詰まってしまっている人においては、パーシャルリフトを全てのウェイトリフティングでのパフォーマンスを向上させるのに使うことができるという発見をしています。 加えて、パーシャルリフトの使用について、妥当な理論上の根拠があります。フロスト(2010)はヘビーリフト(1RM の70-80%以上)のコンセントリックの局面は4つの段階に分かれる傾向にあると説明しました。最初は、加速の段階で、その後には「固着領域」と呼ばれる減速の段階が続きます。 そして次には回復という2つ目の加速段階が続き、そして最終ポイントまで最後の減速段階が続きます。固着領域とは、生理学や機械効率の観点から他の部分よりも弱い関節可動域のポイントのことで、これは特に一部の可動域でのウェイトリフティングをすることによって鍛えることが可能です。 たとえパーシャルスクワットが固定領域を強化しないとしても、動きの最高域においてより重い負荷を持ち上げることを可能にし、理論的にはある一定の可動域においての強化につながります。 *** 一部の可動域でのウェイトリフティングの制限要素 しかしもちろん、恩恵だけがあり、制限がないような完璧なウェイトリフティングの方法はありません。一部の可動域でのウェイトリフティングの主要な制限要素は下記のものです。 主動筋が全可動域のウェイトリフティング中に顕著に長さが変わるのに対し、一部の可動域でのウェイトリフティングは主動筋の長さ・張力曲線の小さな範囲の中でのみ行われます。 一部の可動域でのウェイトリフティングは小さな可動域の中でのみ行われ、それゆえ運動学習はその可動域にのみ適用すると思われます。これは、顕著な強化は、対象となる特定の可動域と若干両側に対しての神経適応によってのみ得られるということを意味します。しかしながら、クボ(2006)は、神経系の発達は全関節可動域を通じて、一部の可動域でのウェイトリフティングによって得られることを発見しています。 一部の可動域でのウェイトリフティングは、全可動域でのウェイトリフティングのパターンと同様には主動筋を活性化しませんが、クラーク(2012)の記述によると、スクワットの深さがどのように主動筋の活動の筋電図に影響するのかは、これまでのところまだ判明していません。 ハートマン(2012)の最近の報告によると、全可動域はパーシャルスクワットよりも垂直跳びに対してより良いとされています。 *** 研究者たちは何をしたのでしょうか? ドリンクウォーター及びその他は、ハイバー、肩幅のスタンスで120度の膝の屈曲をし、同じような負荷と異なる負荷(1RMの67%と83%)でパラレルスクワットとパーシャルスクワットの比較をしました。ウェイトは、被験者各自の速度で持ち上げてもらいました。 研究者たちは、趣味でラグビーを行う選手たち10名を募集し、被験者達は、10回を4セット、90秒のレストで、67%―パラレル、83%―パラレル、67%―パーシャル、83%―パーシャルというスクワットのワークアウトを実行しました。 対象者のスクワット実施中、研究者たちは変位、速度そして始めから終わりまでバーベルにかかる力を測定しました。 *** 何が起こったのでしょうか? ドリンクウォーター及びその他は1RM のパラレルスクワットの平均値は148.8kgであり、120度の膝の屈曲までの1RM のパーシャルスクワットの平均値は270.8kgだったことを観察しました。決して、ラグビー選手たちが訓練されていなかったというわけではなく、バーを使ってのスクワットは充分にトレーニングしていたのです。 予想通り、83%でのパーシャルスクワットは最高の最大力を生み出し、下のグラフで示されるように、その次は67%でのパーシャルスクワット、そして83%でのパラレルスクワット、67%でのパラレルスクワットと続きました。 *** また、これも予想通り、最大速度の結果は、力の結果と相反する傾向にあることを示しました。これは、より重い負荷が加速を困難にするということから理解できます。 *** ここまではいいでしょう。しかしながら、これらの強度において最大仕事率が比較的、力の傾向に近く、速度の低下によって特には影響をうけないというのはとても興味深いところです。明らかに、相反する速度傾向であるため、鋭角のラインではないものの、負荷の増加と共に仕事率が増すという傾向はまだ強くあります。 *** 最後に、研究者たちは1回あたりの総合のコンセントリックの仕事量は、重い負荷でのパラレルスクワットにおいて最高であると発見しました。実際、パーシャルスクワットは仕事量において優れているわけではなく、どちらの場合もパラレルスクワットほど高い数値ではありませんでした。 *** この最後のチャートは私たちが得ていた一貫性のあるパターンを壊してしまいます。そして次のセクションで見られるように、これらの結果をさらに詳しく分析するのはとても興味深いことです。 *** 研究者たちはどのような結論を出したのでしょうか? 一般的に研究者たちは、質(スピード、力、仕事率など)が最も効率的に鍛えられると意味する傾向にあるような、特定の変数の最大値を生み出すウェイトリフティングの変種を発見することを好みます。もちろん、特定の競技別の可動域や速度、動きのパターン等の、他の要素が大切というところでは僅かに低下します。 しかしながら、これは興味深い始点であり、少なくとも他のものと同程度に優れています。ドリンクウォーター及びその他は下記のそれぞれの方法は下記に挙げるこれらの点において最大であると記述しています。 力 ― パーシャル83%(1RMの高い%において) 速度 ― パラレル67%(1RMの低い%において) 仕事率 ― パーシャル83%(1RMの高い%において) 労力 ― パラレル83%(1RMの高い%において) 研究者たちは高い負荷でのパーシャルスクワットと高い負荷と低い負荷両方の負荷におけるパラレルスクワットは、目的によっては有益なトレーニング方法となり得るという結論を出しました。しかしながら、彼らは1RM の低い%でのパラレルスクワットに関しては、どんな目標であろうとも有益な発達は期待できないと示唆しています。 悲しいことに、当然ながら、中程度の負荷(8~12RM)でのパーシャルスクワットはおそらく世界中の全てのジムにおいて、最も一般的に行われているスクワットのタイプでしょう。そしてそれらは何においても、最高のものではないのです。そんなものですよね。 *** 制限要素 上に述べられているように、この研究にはいくつかの制限要素があります。 アスレチックトレーニングに対する提案には、特定の競技別の可動域や速度、必要な動きのパターンは考慮されていません。 アスレチックトレーニングに対する提案には、バリスティックでない方法からバリスティックな方法まで何が速度を重視したトレーニングに良いのかどうか、もしくはそれが同じ目的に対してアイソイナーシャル(一定の負荷)の方法と変動性の方法(バンドやチェーン)を比較しているかどうかを考慮していません。 その研究は広い範囲でのRMの%を網羅しておらず、より速い速度が得られるため出力がより高くなる1RMのかなり低い%においては、かなりの違いが予想されます。 行われた仕事率は身体組成の目的、特に脂肪減少の為にはとても重要な考慮事項ですが、筋活動の度合い、量、筋損傷、血流制限(パンプ)を含む広い範囲での要素によって生じる可能性のある筋肉肥大を考えた時は、必ずしも解決策であるわけではありません。研究者たちは、ような、それぞれ違ったスクワットの方法における筋電図での筋活動(行っていたら興味深いと思われる)の記録をしていません。異なった深さでのスクワットに関して、筋電図での筋活動を観察したカターリサノ(2002)のような以前の研究は、全てのスクワットのタイプにおいて同じ負荷を使用しており、それゆえ欠点があったのです。 *** 実践的な意義 キーポイントとしてこの研究から取り上げることができるものは、もちろん各自の目的にはよりますが、次のものです。 アスリートに対して 高い負荷でのパーシャルスクワットと速度を重視した低い負荷でのパラレルスクワットの組み合わせは、アスリートのスピードと強度を養うために有効な組み合わせになり得ます。 ボディービルダーに対して 脂肪減少や筋肥大を必要とする身体組性のプログラムに対しては、作業出力が最大であるべきであり、重い負荷での深いスクワットを行うべきです。反復回数をより多く行うために、軽い負荷でのスクワットを行うことも可能ですが、重い負荷でより多くセットを行うことで、反復回数をカバーすることができます。 ***

ストレングス・コンディショニング・リサーチ 5663字

自重トレーニングのよくある俗説

人々がトレーニングについて話をしているのを聞くと、その人達がそれぞれのタイプのフィットネスをどのようにみているのかを知ることができます。その人達のフィットネスに対する先入観、偏見、信念は、通常そこで話されているトレーニングの目的や、具体的にどのようなトレーニング方法を使うのかということに反映されます。とりわけ最近私の目を引いたのは自重トレーニングでした。 もちろん,私自身は自重トレーニングの大ファンですが、自重トレーニングとウェイトトレーニングとの間には妙な比較があるようです。私はこのポストを通じてこれらの多くの誤解をなくしたいと思いました。そうすれば皆さんが、自重トレーニングとウェイトトレーニングの両方から、どのように効果を得るのかを学ぶことができるからです。 俗説1:自重トレーニングはウェイトトレーニングよりもアスレチックである 真実:どんな形態のトレーニングであっても、どのようにそのテクニックを使うかによってその効果は異なってきます。体操選手はもちろんすばらしいアスリートであり、広範囲にわたって自重トレーニングを行っています。しかし、私たちが指導しているDVRTアルティメイトサンドバックトレーニングには、皆さんをアスレチックにするための多くの方法があるというだけではなく、皆さんをより動きやすく、強く、そしてパワフルにする様々な角度やプログレッションを用いています。 もし皆さんがボディービルディングのような方法やあるいはパワーリフティングのような方法でウェイトトレーニングを行うとしたら、そこには制限があることに気づくかもしれません。ボディービルディングでは筋肉を孤立して鍛えますが、これはファンクショナルトレーニングやパワーリフティングとはかけ離れています。このような方法で、強化することはできますが、そのほとんどが最も強いポジションでのトレーニングとなり、身体の可動性やその他の動きの面においてのチャレンジとはなりえません。 多くの人が、自重トレーニングは、ウェイトトレーニングよりもずっとアスレチックだと感じる理由は、自重での動きの多くは、どのように全ての身体の部位を統合して同時に動員するのか、どのように安定性と強度を組み合せるのか、そして、どのようにパワフルなエクササイズに移行するのかを学ぶことを必要とするからでしょう。 ですが、もし皆さんが、私たちが指導するDVRTアルティメイトサンドバックトレーニングの方法を実際に行えば、DVRTには自重トレーニングとの沢山の共通点があることに気がつくでしょう。 DVRTアルティメイトサンドバックトレーニングは、徐々に漸進させることができ、自重トレーニングでは不可能な要素を導入することができます。私たちがトレーニングする地面は常に安定していますが、アルティメイトサンドバック自体は、安定させることも不安定にすることも可能です。 私たちが不安定なアルティメイトサンドバックを用い、不安定な身体ポジションでトレーニングをする場合、私たちは小さな筋肉群を統合して、より高いレベルで働かなくてはならないのです。 DVRTアルティメイトサンドトレーニングシステムのさらなる例として、片側性のポジションと荷重位置を組合わせて使うこと、様々な角度と高さで回旋を生み出すこと、そして、動きの3つの面すべてを同時にトレーニングすることができます。これら全ては自重トレーニングにおいて、いくらか制限されうる要素と言えます。 俗説2:自重トレーニングは、どのように身体を使うかを教えてくれ、ウェイトトレーニングはただ、どのようにウェイトを持ち上げるかを教えてくれる。 真実:筋力トレーニングの適切な方法を理解していたとしたら、どのようなトレーニングの方法をとろうとも、基本原則は共通であるということがわかるでしょう。もし人々がただエクササイズの違いだけではなく、基本原則によってトレーニングの違いを本当に理解していたとしたら、と考えます。 ほとんどの人は、何故自分たちがそのエクササイズを行っているのか説明することができず、よく「コアを鍛えている」や「パワーをつけている」とか「ファンクショナルストレングス」など曖昧な情報を復唱するだけです。多くの場合、これらの表現は、私たちにトレーニングにおけるしっかりとした方向性を与えてはくれず、何故数多くあるエクササイズのなかから、ある特定のエクササイズを使っているのかを説明することはできません。 DVRTアルティメイトサンドバックトレーニングでは、アルティメイトサンドバックを様々な方法で、どのように持つかによって左右非対称な荷重をかけたり、立位でのトレーニング、動きの角度などのアイデアに目を向けています。私たちはきつい自重トレーニングのドリルを次から次へと行うのではなく、むしろ自重トレーニングに近いところにあるコンセプトを用います。 腕立て伏せのバリエーションを使うのはなぜなのでしょうか? 異なったタイプのプランクのバリエーションがいかに、コアのスタビリティとストレングスに関する異なったタイプの戦略に一致するのでしょうか?これらの問いかけに答えることができるようになれば、全てのトレーニングはよりクリアにそしてより効率的になることでしょう。 俗説3:自重トレーニングは、最も多様性に富むコストパフォーマンスの良い筋力トレーニングの方法である。 真実:自重トレーニングは多くのオプションを提供してくれる一方、厄介な制限もあります。皆さんはどのようにしてロウイングのような水平方向に引くトレーニングを行いますか? 特に、片脚でのトレーニングをするための柔軟性と可動性が充分でない場合、どのようにして身体後面のトレーニングを行いますか? これらのような場合のほとんどにおいて、人々は、フロアスライダーやジムリング、サスペンショントレーナー、アブローラーなど、他の小さな器具を加えると言ったりします。この時点で既に、実際は、自重トレーニングには器具が必要なのだということになります。突然、自重だけを使うというアイデアが現実的ではなくなってしまうのです。コストパフォーマンスについても、自重トレーニングの難易度を漸進させるために、他の道具が必要となれば変わってきます。 自重トレーニングは、思っている程漸進的ではありません。どちらかといえば、1つのエクササイズから次のレベルの間にはとても大きなギャップがあります。皆さんが、誰かを長期にわたってコーチするとしたら、漸進のためのオプションがより多くあることが、その人を成功させるのにとても役立つだろうということに気づくことでしょう。それでは、自重トレーニングの漸進オプションを、DVRTアルティメイトサンドバックトレーニングと比べてみましょう。 自重トレーニングの漸進方法 スピード 身体の安定性 てこの作用 動きの全ての面でどのように動くかを学ぶことは、DVRTアルティメイトサンドバックトレーニングにおいて最も重要なことの一つです。 それではDVRTアルティメイトサンドバックトレーニングにおける主な漸進方法を見てみましょう: USBを持つ位置 身体の安定性 てこの作用 スピード 器具の安定性 負荷 動きの面 体積 このように分解してみると、DVRTアルティメイトサンドバックトレーニングには、自重トレーニングの倍以上のオプションがあることがわかります。多様性はこれらの違ったシステムに対する私たちの理解によるようですね。 私の目的は、皆さんの自重トレーニングを行う気をそぐことではありません。DVRTアルティメイトサンドバックトレーニングと自重トレーニングを組合わせて包括的なシステムにすることが最終的な答えだと思います。しかし、エクササイズがどのようにマッチするのかわからないからといって、ただ、色々なエクササイズを一緒に行ったり、ただ難しいからという理由で行うというようなことはしないでください。基本原則と動きがどのように共に働くのかということを、基礎から理解して行うならば、飛躍的に向上した結果を得ることができるでしょう。

ジョシュ・ヘンキン 3488字

ウォームアップ パート2/4

関節ごとのウォームアップ:足部から腰椎 それでは、トレーニングのみではなく、ウォームアップの観点からも必要な、身体のひとつひとつの関節の検証をしてみましょう。 足部 主な必要性:安定性とコントロール 足はまさに、地面からのフィードバックの起点です。もし足が、不十分な情報や間違ったフィードバックを身体に送ったり、不安定だったりしたら、自身のパフォーマンス能力を十分に発揮することができないでしょう。 私は過去に裸足でのトレーニングやミニマリストシューズを多大に支持してきましたが、最近になって少し考えが和らいできました。 ミニマリストシューズや裸足でのトレーニングは、足や踵骨の安定性がある人には良いでしょう。そうでない場合には、ミニマリストシューズが一番良い選択肢とは言えないかもしれません。 こんなことを書くと非難されるかもしれませんが、私達は、皆それぞれにユニークな個体差があり、一概に裸足でのトレーニングが全ての人に良いとは言えない、ということを理解していただくことができればと思います。 ここでのポイントは、皆さんがどのようなタイプのシューズが必要なのか、どの部分にサポートや強化が必要なのか等を見つけ出すということです。このテーマだけで1つの記事になる内容ですから、2013年に行うべき事リストに、このテーマに沿って記事を書くことを加えておくことにしましょう。 とはいえ、その他にもう一つ大切なステップがあります。正しい選択のシューズを履いたらそこでマジックが起こるわけではないのです。 うーん、もしかしたら。でもおそらくその結果にはがっかりすることでしょう。 ただマジックが起きるのを期待するのではなく、正しい選択のシューズを履いたうえで、私たちが三脚足と呼んでいるものに注目する必要があります。三脚足とは、第一中足骨骨頭、第五中足骨骨頭、踵骨に均等に体重が分配されている状態を指します。三脚のように3つの接地点を持っているという事です。 適切なシューズとニュートラルな足に注目することができれば、地面から上に向って、身体のポジションはより素晴らしいものになるでしょう。 足首 主な必要性:背屈 100人の人の足首の可動域をIFASTにてテストした場合、80-90%の人に背屈の低下や制限が見られると思われます。 何故そのような結果が出るのか?これがここで本当に問いかけるべきことです。 私たちのジムで見られる大きな問題の1つは、足首の可動域が狭い人は、姿勢に関して1~2つの問題を抱えているということです。 身体の重心が前よりにある 身体後面の組織のトーンが非常に高い これは何故なのでしょう? コアの安定性の乏しさ、硬い股関節屈筋群、そして骨盤の前傾のすべてが関与し得ます。 その原因を哲学的に理論的に突き詰めることもできるのでしょうが、結局のところ、問題を解決しないことには足首の可動制限は改善されません。 これから足首の可動性を良くするドリルを紹介しますが、もし姿勢に問題があるようでしたら、まず何よりも先にそれを改善することが必要です。 もしかしたら、本当は、今以上の足首の可動性が必要なわけではなく、持っている可動域をひきだす必要があるだけだったという結果に至るかもしれません。 膝 主な必要性:膝の屈曲、伸展 私は以前にも、膝関節について、じっくりと話をしてきましたが、ここでもまた話させていただきます! 膝は顆状関節であり、多くの人が思っているような蝶番関節ではありません。膝の主要な動きは屈曲と伸展ですが、膝関節には、少しですが回旋の動きの許容もあります。 多くの人がそれぞれの関節ごとのトレーニングに熱中しているにも関わらず、膝関節の重要性を見失いがちになっています。 しかしながら、シェルボーン医師(世界有数の前十字靱帯に関する権威)は、膝関節の不十分な伸展は膝の変性の主要な要因だと言うでしょう。 皆さんは、後でご紹介するウォームアップの中に、コアを働かせたSLRが入っていることに気づくでしょう。この運動では、必ず両膝をまっすぐに伸ばし、大腿四頭筋を使って膝関節の裏側(腓腹筋やハムストリング等)を伸ばすようにします。 何はなくとも、正常で左右均等な膝関節の伸展と屈曲は必要です。それだけでも長い間、膝を健康に保つことができます。 股関節 主な必要性:多面的な可動性と安定性、股関節の伸展、股関節の分離 股関節はほぼ間違いなく、私たちの身体の中で最も大切な関節です。球関節として、沢山の自由な動きを楽しむことができます。その股関節の可動性を失い始める時に、問題がうまれます。 更には、可動性を失い始めた時、その他の好ましくない問題が次から次へと起こり始めます。 股関節の動きの乏しさは、脳への適切ではない情報伝達を引き起こします。 変更された情報は、運動制御の乏しさと安定性の乏しさを引き起こします。 そして運動制御と安定性の乏しさは、強さに対して直接的に影響を及ぼします。 皆さんに教えられる事が他に何もなかったとしても、股関節は身体全ての動きにとってとても重要な関節だということは覚えていてください。可動性は不可欠なものではありますが、安定性(そしてのちには強度)も重要なポイントです。 90/90(片膝立ち)のポジションは、私達皆が取り組むべきものです。片膝立ちのセットアップでは、コアの安定性、前脚側の股関節の安定性、後ろ脚側の股関節の股関節屈筋の伸長性を発達させています。 骨盤 主な必要性:安定性、ニュートラルであること 骨盤はよく忘れられがちな関節です。しかしならが、一歩引いて見てみると、骨盤のアライメントがその上下の運動連鎖を駆動していることに気がつきます。 もしあなたの骨盤が前傾していたとしたら、腰椎は伸展し、股関節は内旋します。 その一方、もしあなたの骨盤が後傾していたら、腰椎はフラットになり、股関節は外旋します。 動きの質を最適化するためには、骨盤をニュートラルにし、そのポジションを安定させ、コントロールする必要があります。 股関節屈筋群や大腿四頭筋がとても硬い人は、立位の場合、比較的ニュートラルなポジションになることができるのにも関わらず、ランジやスプリットスクワットをしようとするとできないということが多々あります。 でも心配しないでください。もしあなたがそうだったとしても、ウォームアップでそれを解決するようにしますよ。 腰椎 主な必要性:安定性、ニュートラルであること 腰椎は常に注目される話題です。 人口の80%の人が生涯のうち、どこかの時期に腰痛を経験するということや、どこかの教祖めいた人が腹筋を割る商品について語るのを聞くと、何故まだ私たちが腰痛について話をしているのかも納得できます。 スチュアート・マックギル博士は脊椎のニュートラルなアライメントの必要性を支持する素晴らしい業績を残しています。マックギル博士の活動に注目されている方であれば、彼が、負荷のかかった腰椎屈曲、腰部における繰り返しの伸展、屈曲のサイクルを避けることを全面的に推奨している事をご存知でしょう。 どちらの動きも椎間板ヘルニアにつながることが示されており、明らかに良くないことです。 しかし、私は多くの人達が、行き過ぎの傾向に向ってしまうのも見てきました。これらの人たちは屈曲を避けることに集中するがあまり、それに過剰に反応しすぎて腰椎を過伸展させて動いていたります。 残念なことに、どちらにしてもやり過ぎはよくないのです。 大事なことを言い忘れていましたが、一旦このニュートラルなアライメントを確立したら、様々な可動範囲出の動きの中で、それを安定させコントロールできるようにしてください。スクワットやデットリフトであっても、通常の運動の中の動きであっても、ニュートラルで安定している脊椎を維持することが大切です。

マイク・ロバートソン 3549字

ランニング中の背中の痛み。足の親指を疑ったことはありますか?

さて、今回の内容はランニング中の背中の痛み、腰痛や膝痛、そして足の痛みなどにも当てはまります。足の拇指、第一足趾の可動域は、統合された動きにおいて、前述の身体各部全てに影響を及ぼします。今回はランニング中に伴う痛みとパフォーマンスに関わる拇趾のチェックと、その対策を、テクニカルになりすぎることなく書いてみることにしました。 私は今まで、股関節の伸展可動域を向上させたり、腸腰筋や股関節屈筋群のストレッチに関する記事は数多く読みましたが、足の拇趾の股関節伸展や股関節屈筋群への影響に関して書かれたものはあまり読んだことがありません。 歩行のような、運動連鎖によって行われる動きでは、足の持つ可動域を如何に上手く使う事ができるかが、直接的に股関節の可動域に影響します。股関節を伸展するストレッチの多くは、膝を床につくことで足部から股関節を孤立させているようです。このようなストレッチは、股関節関節包等の構造のストレッチとして使うことができますが、キネティックチェーン全体を統合した動きのパターンを神経学的なシステムの中で作り上げ、統合的なシチュエーションにおいて、足部が股関節にマイナスの影響を与えていないかどうかを見極めることも必要です。 股関節伸展 生体力学 股関節に動きが起こることで、特に横断面においての、腰椎に対する動きの需要が低下します。股関節の矢状面、横断面の動きは密接にリンクしていて、股関節の伸展が大きくなればなるほど、骨盤は同側に向って、より大きく回旋します。 試してみてください!歩幅を大きくすればする程、骨盤は大きく回旋します。足を前後に踏み出しながら、骨盤を上から見るようにします。つまり、近位の骨盤が遠位で床に固定されている大腿骨(足部を介して)の上で回旋することで、股関節には、より大きな内旋が創りだされているということになります。股関節において、より大きな伸展、回旋を得ることにより、腰椎のエリアでの動きの需要は低下し、身体上部の構造をより健康に保つことに役立ちます。また、股関節周囲の筋肉の動きでフォースが吸収されることで腰椎の構造にかかるストレスは軽減されます。つまり股関節の伸展、股関節の動きは腰椎の健康にとって重要なことですが、そんなことは、皆さん、既にご存知ですよね! では、股関節伸展における足の役割とは何でしょう? より良い股関節伸展を得るためには、骨盤は、大腿骨に対して、前方に移動する必要があります。 歩行時、地面に固定されている後ろ脚の股関節屈筋群はストレッチされていて、その上を重心(骨盤)が通り過ぎる時、股関節屈筋群は爆発的に求心性筋収縮を起こすことで、股関節を屈曲し、前方へスィングし、歩行の新たなサイクルに入ります。 この爆発的な力の発揮がなければ、重心の移動も不十分なものになります。走ることの本質は、コントロールされた重心移動にあります。 これは、足部と脛骨によって大腿骨が地面にしっかりと固定されていれば簡単です。そのためには、拇趾の背屈可動域が充分にあることが不可欠です。可動域が充分にない場合、足部に足りない動きを代償動作で補おうとすることで、大腿骨と骨盤のポジションに影響を与え、股関節伸展にも影響が及びます。 代償性動作 母趾の背屈の可動域に制限がある場合、足を踏込む動作時に、足部が外転し、スピンをするように拇趾の内側で床を押すような代償動作がよく見られます。 この動きは、メディアルヒールウィップ(踵内側打擲)と呼ばれ、足部近位部(踵)は中心線に向って動きます。このような場合には、拇趾の内側、爪に近い部分に胼胝(タコ)が見られます。また足首の背屈に制限がある場合にも、回内の外転の要素で背屈の代償をしようとすることで、このメディアルヒールウィップが見られます。これが、拇趾の背屈制限の原因ともなり得ます。 このような回旋は大腿骨と骨盤にも影響し、骨盤や関連部位の構造に対して、より強い回旋力を生み出します。そのストレスが、横断面での股関節の動きによって軽減されない場合、腰椎や、仙腸関節の圧縮につながります。筋肉の動きを介して、ストレスを軽減できる回旋の動きの幅は、腰椎全部位を総計しても5度までです。球関節である股関節の横断面の可動域を考えれば、股関節の動きの必要性が理解できます。今回のケースでは、原因は、股関節ではなく、拇趾にあるのです!ここで解説した歩行のパターンを見てみると、足は外側に向ってターンし、臀部は、増幅された横断面の動きのために、一足早く、”外に飛び出す”ような動きをしています。 ウィンドラス機構 拇趾の背屈は足に強固さと安定をもたらし、効率的な股関節の伸展と推進力を生み出すウィンドラス機構にも貢献します。この観点から見ると、拇趾の可動域制限によって遊脚相に制限がおこると、拇趾の背屈制限は歩行のサイクルにおいて、反対側の股関節への身体上部から下方向へ向かっての動きの駆動にも影響を与えます。 拇趾の背屈がなければ、歩行中、片足立ちで身体の質量の衝撃が最大限に足底にかかる瞬間に、足底腱膜が短縮して抵抗することができません。つまり足底腱膜は、長期的に、過度な伸張力を受け、その影響で骨の異常発達や痛みを引き起こす可能性もあります。 ではどうすれば良いのでしょうか? まず拇趾の背屈可動域を確かめましょう。 これは自分の手で質的に測ることもできますし、角度計などで具体的な数字を求めることも可能です。もし動きが制限されてると感じたのであれば、まず体重がかからない状態で拇指を動かすことから始めてみてはどうでしょう。私は拇趾を背屈させながら手で第一中足骨を底屈させるよう押し込む方法が気に入ってます。また、関節を広げるために足趾を後ろに引っ張ることも出来ます。 私が使っている方法のひとつである“拇指マトリックス”は、偉大なギャリー・グレイから学びました。歩行時の片足支持と同じように足を地面につけた状態で、拇趾を背屈し、膝を動きの3つの面全てに向って駆動します。これによって、歩行時と同様に、トッダウン(身体の上部から下部への動きの駆動)で拇趾に動きが生まれます。 その次のステップは、足の動きを股関節屈筋群のストレッチに統合することです。つまり床に膝をついた姿勢ではなく、踵が地面から離れた状態で重心が拇指の上を通過するようにしながら股関節を伸展します。代償性動作が起こってないかどうか、あるいは足部や股関節の動きが減少していないかをしっかりと見極めてください!

ベン・コーマック 2814字

ウォームアップ パート1/4

ウォームアップは最適なワークアウトへの大切な始点です。 ウォームアップなしでもワークアウトはできるのでしょうか? そうですね。 腕をまわし、脚をスイングしただけですぐに運動をはじめることは可能ですか? おそらく。 しかし、あなたの目標がジムやフィールド、コートでの動きを向上させることだとしたら、時間をかけて確立され証明されたウォームアップの原理を使うことが必要です。 それでは始めましょう。 何故ウォームアップをするべきなのか? 世の中に出回っている最近のウォームアップには下記のようないくつかの問題点があげられます: 必要な全ての関節を網羅していない 必要な関節全てを網羅しているとしても、それぞれについて全ての必要な動きや、行いたいと思う動作パターンがカバーされていない 重要なキーポイントとなる要素(動きや生理学等)をカバーしていない。 ウォームアップになっていない。 効率的に行われた場合、ウォームアップには下記のような非常に多くの利点があります: アライメントと姿勢の向上 滑液の粘性の低下(関節の調子が良くなります!) 筋肉の温度の上昇と、それに伴う柔軟性、伸長性の向上 カテコールアミンの放出(エピネフリンやノアエピネフリンなど) 神経系伝達の増進 難しい言葉はいておくとして、正しいウォームアップは身体を整え、柔らかくし、速く走り、高く跳び、または、重い物を持ち上げる準備をしてくれるというということです。それを踏まえると、私は正しいウォームアップは3つの大きな要素から成り立っていると感じます。 より良いウォームアップへの3つのステップ 賢明で包括的なウォームアップは3つの主要な分野を網羅しています リセット レディネス 特異性 様々なウォームアップのプロトコールやプログラムを調べてみようとすれば、沢山の素晴らしい情報が見つかります。ただ、それらのうちに、包括的と思われるものがないのです。もっと具体的に言うと、全てのプロトコールにおいて、何かが欠けているように見受けられるのです。それでは、前に述べた3つの分野について、何故それらがウォームアップに含まれていることが大切なのかみてゆきましょう。 #1リセット もしあなたがIFASTに来たら、最初にすることは必要に応じてリセットをすることです。リセットとは何なのだろう?と思うかもしれませんね。 よくぞ聞いてくれました! リセットとは最適な姿勢やアライメントを取り戻す為に使われる独特の運動や動きのことです。 多くの場合において、股関節、骨盤、肋骨等の構造がきちんと整っておらず、それによって動きが低下してしまいます。 そして周知のとおり、乏しい動きは乏しい運動制御と安定性につながります。 もし皆さんの身体が、ちゃんと動くことができず、不安定だとすれば、ワークアウトに含まれる筋力、パワー、持久力といったその他全ての素晴らしい能力を発揮するのは至難の業でしょう。 それゆえ、身体が整い、準備万端であるために、リセットは何をするよりも前にまず行われるべきものなのです。 リセットはとても特定なものであり、どのリセット運動が最もあなたに適しているかをここで伝えるのは不可能です。しかしながら、私たちが最も好むものの一つにスクワット ハング リセットがあります。これは肋骨をリセットし胸部の右側に空気を送り込むよう作用します。 これは私達がジムで使っているリセットのうちのひとつにしかすぎず、総括的な評価なくしては、あなた自身がどのリセットを必要としているのか言い当てるのは難しいでしょう。 一旦身体が最適な状態に整えば、今度は実際にウォームアップに集中することが出来ます。 #2レディネス レディネスは私たちのウォームアップの中の次の要素です。 全てのウォームアップが生体力学、動きの質、そしてアライメントに重点を置くことができ、置くべきである中、ここでよい生理学を稼働させる必要性も忘れてはいけません。 思いつきの健康体操、ジャンピングジャック、バービーなどの昔ながらのウォーミングアップは、ただ身体組織を温めてトレーニングをする準備をするだけで、正しい動きを教え込むには理想的ではないかもしれません。 トレッドミルでの5-10分間の早歩き、バイクでのサイクリング、もしくはコンセプト2ロウワでのロウイングを行うことには何の異論もありません。 しかしながら、そこで終了することなく、さらにより大きな可動域へと動いてゆき、トレーニングで使うだろうと思われる全ての関節にアプローチするよう最善を尽くします。 このあとで、包括的なウォームアップをご紹介します。皆さん、ラッキーですよね! #3特異性 ウォームアップの最後の要素は具体的な内容です。 もし、これから走る、あるいは競技で功績を残したいのだとしたら、間近の課題に向けて準備できるよう、フォームを整えるランニングドリルや強度の低いプライオメトリックが必要でしょう。 もしウェイトトレーニングを行うのならば、希望の負荷の重さに達することが出来るようにテクニックを重視した軽いセットを行うでしょう。 ここでのゴールは動きのパターンの準備をし始めることでパベルがよく使う表現である“Greasing the groove “、つまり、溝に油を注して動きのパターンを向上させる、ということなのです。 もしあなたの最終ゴールが単にウェイトリフティングをすることならば、下の「よくある質問」のセクションでとても有効である具体的なウォームアップの方法を紹介します。 ボーナス:受動的ウォームアップ 夏に、もしくはジムの中がとても暑いとき、いかに早くウォームアップができるか感じたことはありますか? それではその反対ではどうでしょう。とても寒いジムの中で、あるいは、ただでさえ寒い冬にとても寒いジムの中でトレーニングをしたことはありますか? もし迅速にウォームアップをしたいのならば、身体を温かく保つために受動的な方法を使ってください。 とても早くて簡単ではありますが、トレーニングをするときにもう一枚服を着るだけです。私の場合冬にはスウェットパンツ、短パン、コンプレッションショーツ全てを着ることも良くあります。 全てが必要だからと言うわけではなく、全てを着ていることがウォームアップを促進させ、セット間でも寒くなることがないからです。 そのほか、パワーリフティングの選手が使っていた古くからのトリックは、温かくなるクリームや塗布薬です。これらのものは実際筋肉を温める程深く浸透してゆかないとまだ審議はされていますが、事例証拠によればこれらもオプションではあるとしています。 最後にもう一つ大切なこととして、トレーニングの前に温かい紅茶やコーヒーを飲むことは、単にカフェインの上昇によいと言うだけではなく、ウォーミングアップを促進させると感じています。

マイク・ロバートソン 3050字

ファンクションの定義とは

ファンクショナルビデオダイジェストシリーズのトゥイーコロジー(微調整学)のDVDからの抜粋。ギャリーとデーブが、ファンクションとは?誰にとってのファンクションなのか?ファンクション=機能の本当の意味を理解するための定義を語ります。

グレイインスティテュート 6:57

腰椎の3Dモビリゼーション

股関節周辺組織のモビリティーを向上させた後で実施することができる、シンプルな腰椎の3D牽引を含むモビリゼーションの方法を、レニー・パラチーノが丁寧に解説します。

レニー・パラシーノ 5:37

背骨は柱ではない

ViPR創始者であり、インスティテュートオブモーションの代表であるミショール・ダルコートが、背骨のテンセグリティー構造を解説します。英語でも日本語でも柱(Column/脊柱)と表現される背骨ですが、柱ではなく、柔軟性も弾力性もあるテンセグリティーなのです。

ミショール・ダルコート 1:51

肩の健康をサポートするウォームアップ(ビデオ)

障害をおこしやすい肩関節周辺の構造をサポートするための動きの数々をご紹介します。シンプルな動きを使い、身体の近位から遠位に向って可動域を高めるドリルをウォームアップのプログラムに加えてみてください。

エリック・クレッシー 5:38

筋肉の孤立?あなたはそうやって動作を覚えましたか?

今回のブログは昨日子供を公園に連れてった時に思いついた事をまとめました。特に科学的事実に基づいてるというわけではないのですが、個人的に伝えたいことを書いてみました。 私の息子は今16ヶ月を迎えたところですがその成長のスピードには目を見張るものがあります。特に言語と動作・身のこなし方の二つの分野での成長は著しく、息子の成長過程をみるにつれ、私たちがどうやって人の動作やそれに関する問題を矯正し、より効率よく動く事を教えることが出来るのか、について考えさせられました。 よく私たちは、動作の機能不全の原因は“特定の筋肉が電気信号を正しいタイミング・強度で発していない事”(筋繊維動員)や、違う筋肉が本来すべき筋肉に代わりその働きをしていることに起因すると聞きます。そこで正しい“筋繊維の動員”という名目の元、人を横たわらせ、様々な部位を突っついたり、今までにしたこともないような動きをするように命じることで筋肉の動きを誘発し、問題を矯正しようとします。この”筋繊維動員パターン”という用語は私のブログに関してグーグルでもっとも検索されている用語のひとつですが、そこである疑問が浮かびました: 人は最初からこういう特別な意識をもって動作を覚えたのだろうか? きっと、違うのだと思います。前述されたような筋動員テストは特定や細かな動きを求めていますが、息子の動作や言語に関する成長において、私が一つ気づいたのは、それらは特定されず大雑把に習得されていくという事。彼はまず大まかな動きや声を出すことを覚え、それらを土台に複雑な言葉や動作を習得していきます。その基本的な動作などを体に染み込ませ、生涯をかけて磨きをかけ、改良していくのだと思います。 身体の動きの中で特定の筋肉のみを孤立して動かすことはできませんが、特定な動きを孤立することは出来ます-例えば股関節の外転のように、関節周辺の筋肉が調和して働くことで、特定の関節に孤立した動きを起こすことはできます。しかし、私の息子が、横向きに地面に寝そべりながら脚を外転したり、ブリッジの体勢で臀部の筋肉を狙って緊張させたり、ハーフスクワットのように屈みながら横歩きするのは見たことがありません。彼が特別なだけなのかもしれませんが、私は今まで他の赤ちゃんがこういう特定な動きを狙って行っているところを見たことはありません。(その分野での私の見識は限られてはいますが) では、元々細かな意識で動作を学習していないのに、なぜ私たちはそのような方法で動作を学びなおそうと試みるのでしょうか? 今、私の息子は世界と触れ合いながら様々な仕草や実用的な動作(そのほとんどは現時点ではあまり使えないとは思いますけど!)を覚え、これからの人生の糧となっていくであろう膨大な貯えを養っています。寝返り、這うこと、歩くことを学び、そして走ることを学ぶようになります。しゃがみ、立ち上がり、身体を起こし、よじ登り、これら全てを深く考えることなく、様々な方法で学びます。そして私達からしてみれば簡単な動作である、物を拾い、落とす仕草を繰り返して、彼の運動制御系統が発達しているのがわかります。やがて、これらの作業の難易度は増し、早くなり、無意識な状態で行われるようになるのでしょう。 これが、完璧で、深く考えられた、機能的とはいえない孤立した筋肉の動員を通して動きの矯正をしようとする私達の試みに、どのように関連づけられるのでしょうか?関連性はあまりないですよね。息子は遊びながら、探求心をもって様々なことを学ぼうとしています。私たちの脳は新しい動きを好みます-特にその動作の種類、また引き出しが日々の生活やその繰り返しの中で失われてく日常生活の中では。 これら全ては息子の脳に神経可塑性の変化を生み出し、生涯にわたって神経レベルでの発達を続けていきます。ニューロンは共に発火し、配線されます。動きのパターンの中で同時に働くニューロン数が少なければ、共に発火、配線するニューロン数も少なくなります。筋肉を孤立させようとする、というよりも、動きを孤立させようとすることで、私達は運動パターンの連結も、なめらかで可変的な運動学習の環境をも損なうことになってしまうのです。 私たちが時に問題に直面するのは、細かい動作の欠落が原因ではなく、もっと単純で根本的な、幼少期に覚えたはずの動きをどこかで失ってしまうからではないでしょうか。 私達の動きの能力が、日々の暮らしの中で、徐々に衰退していくこともあります。座位中心、不自然で型にはまったエクササイズ、特定の筋肉のみを活性化しようとするエクササイズ等のために。私達は、子供の頃のように遊び心を持って、体の動き・動かし方を探求することで、動きのポテンシャルを模索しようとすることをしなくなっています。 神経可塑性の変化が常にポジティブなものであるとは限りません。 神経学の表現で“使うか失うか”というものがありますが、これは使われていない神経接続は時と共に失われていくことを表してしています。これは、私たちが、幼少時に遊び、模索しながら培ったものに対しても言えることでしょう。 私たちは失敗を通して学びます。失敗は、私達が学習の過程で通り過ぎる、生物学的に必要なものです。最初から完璧な動きができるのではなく、常に新しい動作や流れを覚えたりします。私たちは、完璧なフォームでエクササイズや動きが実施できないのであれば、実行する価値がない、と感じてしまいがちです。どんなスポーツを習うにも、最初のうちは、上手くできるわけではなく、我慢して努力して上達しようとします。私達は、最初から、完璧な運動パターンや筋肉を活性化できるわけではなく、出来の良くない状態からスタートし、関連性のある動きを学習しながら徐々に上達をしていくのです。 私達は賢くなりすぎて、それが逆に私達の首を絞めているのでしょうか?私たちの人体の解剖学に関する知識は膨大になり、人体解剖を行い、身体中の筋肉の付着部や働きに関する詳細を素晴らしいイラストレーションで伝える分厚い書籍が出版されています。それ自体は素晴らしい業績ではありますが、臨床や、エビデンスを基本とした研究などによって実証された手法によって、何をすれば良いのかを判断する指標としている風潮もあります。これでは、どこかポイントがズレてしまってはいないでしょうか? 私たちが、どのようにして運動コントロールを学習してきたのかを鑑みることをしなければ、進化はそこで止まってしまうでしょう。なぜなら自然は、あらゆる変数を計算しつくし、何億年もの時間をかけ、もっとも実用的で、効率的な人間の身体を作りあげてきたからです。 私達は、三次元の環境に存在する私達人間のスピリットや、多面的な動きの能力を大切にする替わりに、ある意味、本能に逆らうように、調査に調査を重ね、身体を複雑化しているようにみえます。 私達に、一番問題が少なく、身体が自由に、痛みなど無く動いたように思えた時代を振り返ってみましょう。赤ちゃんのようにスクワットをすべきだとか言っているわけではないのです。ただ、私達が動きの基本を形成した運動学習の時期を振り返って、どのように行ってきたのかを伝えているだけなのです。 あまり科学的な内容ではないことをお詫びします。ただ考えていたことをシェアしたかったので。

ベン・コーマック 3100字

何故スプリントコーチは水平力について知る必要があるのか?

ストレングス、コンディショニングの分野において、スプリントのスピードに対して垂直床反力の大切さを信じているコーチや研究者たちと、水平床反力の大切さを信じているコーチや研究者たちとの間で、激しい議論の一つが続いています。 何についての議論なのでしょうか?そうですね、この総説がその争点について解説をし、水平力の大切さについて論証することになるでしょう。 研究論文:スポーツパフォーマンスへの強度の移行とパワーの適応 – 水平、垂直力の生産 ランデル、クローニン、キオウ、ギル ストレングス、コンディショニングリサーチ2010  *** 背景 ストライドの長さと頻度 スプリントや速いランニングは、陸上競技やほとんどのチームスポーツにおいて選手達の重要な特性です。より速いランニングの速度は、歩長を大きくするか、その頻度を高めるか、もしくはその両方によって達成することができます。 ストライド頻度とより速いランニング ストライド頻度は1つの歩行周期を行うためにかかった時間の逆数です。それゆえ、ストライド頻度は、ランニングストライドを行うためにかかった時間に依存しています。ストライド全体の時間はさらに、滞空時間とスタンス時間の2つに分けることができます。評論家たちは、ランニングのトップスピードにおいて、その2つの部分それぞれの時間の長さは等しくはなく、滞空時間は全体のストライド時間の約75%になると説明しています。 しかし、速いランニングから、更に速いランニング速度へ移行する間では、ストライド頻度の大幅な増加は起こりません。評論家たちは、ウェイアンド(2000)が、滞空時間の増加が、より速い速度でのランニングスピードとは関連していないと発見したことを記述しています。 また一方で評論家たちは、ヌメラ(2007)、Kyröläinen(2001)、マンロウ(1987)全てが、スタンス時間の減少とランニング速度の上昇の関係を発見したことに注目しています。 スタンス時間は、全てのストライドの時間の中のほんの一部でしかないため、スタンス時間のみがランニング速度と関係しているという事実は、より速い速度において、何故全体のストライド頻度がランニング速度の上昇と強く結びつかないのか、ということを説明しているかもしれません。 ストライドの長さとより速いランニング ストライド頻度のように、ストライドの長さも、いくつかの段階に分けることができます。ストライドの長さの合計は、テイクオフの距離、滞空距離、着地の距離からなっています。その中でテイクオフと着時の距離は、合わせてスタンスの距離とすることが出来ます。しかしながら、ストライドの長さの合計は、ストライドの頻度とは異なり、より速い速度において、走る速度の上昇と関連があります。評論家たちは、ウェイアンド(2000)が、ストライドの長さが6.2m/sと比較して、11.1m/sにおいては1.96倍も長かったことを発見したと述べています。その一方、評論家たちはストライドの頻度とは違い、スタンスの距離の変化は走る速度とは関連がないとも解説しています。 床反力とストライドの制限要因 床反力は、通常フォースプレートを使って研究者たちにより測定されます。フォースプレートは、床に足を着いた時にアスリートの足に対して床から生み出された力を記録します。それゆえ、床反力と言うのです。ニュートンの第三の法則によると、この力はアスリートによって生み出された力と等しく、それぞれの方向において相反する方向に向かうべきです。ランニング時、アスリートは上下に動くため、その力は垂直、そして水平にかかることとなるでしょう。その一方で、垂直跳びにおける水平力は最小となります。 基本的な物理原理と同じく、一般的に、ランニングにおけるストライドの長さとストライド頻度は、より大きな床反力の結果として増加します。しかし、評論家たちは、コーチと研究者たちの間で、ランニングのスピードを上げるために大切なのは、垂直床反力なのか、水平床反力なのかについて激しい論争が繰り広げられていると解説しています。  *** 垂直床反力はより速いランニングの要因となるのか? ある研究者たちとコーチたちは、一定の速度でのランニングや、より速い速度でのランニングにおいても、少ない水平抵抗しかないと信じています。それゆえ、彼らは一定の速度において水平の推進力の必要性は、制動力に対抗するのに必要なだけでよいと提唱しています。それゆえ、彼らは垂直力の方がより大切だと提案しているのです。 例えば、ウェイアンド(2000)は、垂直床反力の増加は、ランニングの速度を速くするための重要な要素だと示唆しています。評論家たちは、ウェイアンドは、最高速度において、相対的な垂直床反力は、遅いランナーに比較して速いランナーでは1.26倍の大きさだったことを発見した、と記述しています。下記のグラフで示されているように、最大下速度から他へと増加する中で、同じ要因が数名の研究者たちによって観察されています。(薄い青色の棒は遅い速度、濃い青色の棒は速い速度を示します) ランニングの速度が上昇するに従い、時には著しく水平力も増えていることが、グラフから読み取れます。水平力が垂直力よりも上昇していることも予想できますが、次のセクションで更にみていくことにしましょう。更に詳細な内容を知りたい読者の皆さんには、ランダル及びその他、マンロウ(1987)、Kyröläinen(2001)、Kyröläinen(2005)、ベリ(2002)によって参照された文献を読まれることをお薦めします。  *** 水平床反力はより速いランニングの要因となるのか? その他の研究者たちは、より大きな水平力がより速い走りの速度には必要だと提唱しています。一体何を言おうとしているのか説明する必要がありますね。この時点では、より速いランニングの速度へ加速することについて話しているのではなく、単に、加速した後にそのより速いランニングの速度で動くことに関して述べています。そのことを頭に置いておくと、一定のスピードにおいては、水平推進力と水平制動力は等しくあるべきであるということになります。そうでなければ、速度は一定になりません。 そうはいっても、ある速度において力が同等であるからといって、それよりも遅い速度での力よりもその速度での力の方が大きいということにはなりません。より速い速度においては、より大きな水平制動力を予想することができ、それゆえ、より大きな水平推進力が必要となり、そして、推進力と制動力を合わせた総水平力がより大きいということになります。 しかしながら、これが実際にそうであるのかどうかは、研究の結果をみることによってしかわかりません。下のグラフはランニングの速度の上昇と水平力の変化を表しています。(薄い青色の棒は遅い速度を示し、濃い青色の棒はより速い速度を示しています) グラフから、垂直床反力はランニングの速度の上昇と共に増すことがわかります。更に詳細を知りたい皆さんには、ランダル及びその他、マンロウ(1987)、ニグ(1987)、Kyröläinen(2001)、Kyröläinen(2005)、ベリ(2002)によって参照された文献を読むことをお薦めします。 *** 垂直床反力と水平床反力の比較 評論家たちは、水平力と垂直力に関して2つの重要な違いがあると記述しています。最初の点は、垂直床反力は、ほぼ常に水平力よりもかなり大きいということです。これは重力によるものです。もう一つは、下のグラフが示しているように、水平力はランニングの速度の上昇と共により大きくなるようにみえるということです。 グラフは、4つ全ての研究において、水平力の増加の割合は、ランニングの速度の上昇と共に同等に上昇した垂直力よりも、はるかに大きかったことを示しています。(全てのデータは同じ速度範囲でセットされています) *** 垂直力の増加はランニングの速度の上昇と共に小さくなるかもしれない 評論家たちは、いくつかの研究では、ランニングの速度が速くなるにしたがい垂直床反力の増加が小さくなることを示していると記述しています。(言い換えれば、垂直床反力の上昇は直線ではないということです)しかし、これは水平力の場合は同じではないようです。 マンロウ(1987)とニグ(1987)による早期の研究では上昇は直線的であると提唱していますが、Brughelli(2011)を含めるその後の研究では、同じような関係性は発見されていません。下のグラフではBrughelliのデータが示されており、水平力の増加がどの速度においても概ねなだらかな一方、垂直力の上昇がいかに急激に減少しているのかをはっきりと示しています。 このグラフでは、垂直床反力の増加は主に、ランニングの最高速度の40%-60%の間で起こっていることが示されています。ランニングの最高速度の60%-100%では顕著な垂直床反力の上昇とは関わりがないように思われます。 *** 評論家たちはどのような結論に至ったのでしょうか? 評論家達は、垂直面、水平面の両方における力の生産が必要とされることが明白ではあるが、速いスピードでのランニングにとっては水平力がより重要であると結論づけた。 現在ほとんどのストレングスコンディショニングプログラムは、スクワットやデットリフトによる、垂直力の生産にフォーカスをおいて実施されているが、彼らはまた、この結果が、スプリントパフォーマンスのサポートとして使用されるストレングストレーニングのルーティンに関して重要な派生効果をもたらすであろうとも結論づけている。彼らはまた水平方向のエクササイズはより上位の、あるいは相補的な結果をもたらすであろうことを示唆している。 研究論文は下記のような制限がありました: 水平力を基にした筋力トレーニングがスプリントの動作に有益がどうか評価するための、スプリント選手におけるストレングスを介入したテストが行われていないため、実践におけるアドバイスは困難です。 ランニングやスプリント中の床反力の測定は、違う速度を比較した時、ほとんど統一されていません。スプリントは通常最高速度で行われますが、人によってその速度はまちまちであり、ランニングの速度は、他の研究と統一するというよりも、むしろ実験の目的によって選ばれることが多いため、異なった研究間でのそれぞれの速度における力の増加を比較することは、必ずしも正しいわけではありません。 参照されたある研究はその分析にトレッドミルを使っており、それらの研究からのデータを基にした推測は有効でないかもしれません。 この総説の作成以降、Brughelli(2011)、カワモリ(2012)、モーリン(2011)、モーリン(2012)を含むいくつかの研究が出版されていますが、水平力の大切さに関して、これらの研究論文はこの総説内のランダル及びその他によって導き出された結論を支持しています。 *** 実践的な意義は何でしょう? スプリントアスリートに対して: スクワットやデッドリフトなどのように、垂直力の発達を含む筋力トレーニングのプログラムは、最高速度でのスプリントのための筋肉の強化をするには適していないか、もしくは十分ではないかもしれません。 同様に、ジャンプスクワット、垂直跳び、その他の垂直プライオメトリックなどの動きを使ってのパワーの向上は、最高速度でのスプリントをするための筋肉の最大出力をトレーニングするためには適していないか、もしくは十分ではないかもしれません。 臀筋のブリッジ、ヒップスラスト、水平バックエクステンション等の水平方向のレジスタンストレーニングは、最高速度でのスプリントのために最適な水平力を生み出すために、スクワットやデットリフトに加えて行うことが必要かもしれません。 ケトルベルスイングなどの、水平方向のパワーを基にしたエクササイズは、最適な水平力を生み出すために、スクワットやデットリフトに加えて行うことが必要かもしれません。

ストレングス・コンディショニング・リサーチ 5289字

股関節後面の3Dモビリゼーション

股関節後面の筋筋膜の組織は、固くなって制限を起こし易いエリアでもあります。股関節外旋筋群を含む、股関節後面の複合体の3Dモビリゼーションを、レニー・パラチーのがご紹介します。

レニー・パラシーノ 5:52