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運動の変動性と痛みやリハビリテーションへの関連 パート1/2

この1年間、運動の変動性は、より注目を集めており、ますます運動に関する議論に加わってきています。このブログに注目してきた方達は、過去数年にわたり、このテーマが定期的に言及されてきたことにお気づきでしょう。もし私達がこの分野に対する研究を探索すれば、トレーニングやリハビリテーションプログラムには、氷河のようにゆっくりと浸透しているものの、学界においては、かなり長い間、注目されているということを理解されるでしょう。 私達の人体に関する理解は、力学的な観点から離れ、より生物学的な観点に移行し始めてることを望んでいます。これは、身体の一般的な姿勢の変化や‘バランスの悪さ’は、実際には、純粋に力学系で問題になるほどには重要でないということを理解する手助けをしてくれるかもしれません。人間の生体系の耐性は、恐らく、私達が評価しているよりも優れているのです。 機構に対する怒り 今日教えられている主たる考え方である力学系の枠組みの中では、身体の操作は、精密機械と見なされています。もし機構の一部が破損、あるいは操作のために設定された正確で制限されたパラメーターから外れて操作されれば、それが機構全体に災いを及ぼします。私達はしばしば、そこに明らかな相関関係が無いときにも、はっきりと定義されていない理想と、様々な傷害や疾病に関わる体内での理想的な関係性からの逸脱に責を求めます。 痛みと痛みと姿勢の関連は、‘過回内’や筋発火パターンとタイミングのような概念のように、申し分のない例です。運動は全く同じで、客観的に定義されている‘正しい’運動の方法が多くないために、非難され、その代わりに、私達は広範なパラメーターの‘標準’を持っているのです。 人間は、単に機械の様なものではなく、異なる耐性、適合、適合率のように、身体を操作する多種多様な方法を持っています。生物有機体としての人体は適合し、その耐性を増大させる一方、金属には破損する限界点があります。ウォルフの法則は、ジムに通うことのように好例です。必要以上に私達の適応機構に頼っていると、時折、私達はこれらの耐性を超えることもあります。 運動の中の変動は、従来、‘エラー’と見なされていました。これらの‘エラー’は、余剰で、もはや必要とされていないものとして見られ、実践を通した従来の運動制御モデルにおいて、このエラーは排除されれば良いと考えられていました。現在、運動‘過剰’の概念という、全く異なる見解が提案されています。余剰な要素が、むしろ利用されるべき身体能力のプラス面として理解され、実際、運動に極めて重要なのです。このLatash氏の論文、“The bliss (not the problem) of motor abundance (not redundancy)((余剰ではなく)運動過剰の(問題ではなく)至福)”*ここをクリックしてください*が、この新しい見解の概要を見事に説明しています。 私達がエクササイズを教えられる際に、静的な解剖学に基づいた筋収縮で、定着した‘的確な’方法に基づいた筋肉を対象にすることを目的とした‘正しい’テクニックを見せられます。そのエクササイズは、繰り返されることを目的とし、柔軟性に欠け、特異的な結果に対して恒常的です。特異的で不変な過負荷は、より大きく、より強いものを作るときの狙いです。もし運動が可変的ならば、そうなるために筋肉は機能しなければなりません!私達が解剖学と運動に関して教えられる際に、この基本的現実は省略されています。恐らく、力学モデルには複雑すぎるのかもしれません。 1930年代のBernsteinによる、金槌でのみを打つ鍛冶屋を対象にした研究において、経験豊富な、作業に基づいた職工は、“反復の無い反復”を示し、金槌による打撃の軌道は、安定した反復可能なパフォーマンスに必要な低い変動性を示したことを発見しました。技能の終点は同じでしたが、関節の角度や部分的な変動性は高かったのです。 この部分的な変動性は、協調変動性*ここをクリックしてください*と呼ばれています。これは、反復される技能のパフォーマンスと、その特異的過負荷に対してパフォーマンスを維持し、その崩壊を防ぐ能力にとって必要不可欠です。例として、これはランニングと変動性の減少に非常に関連していて、膝蓋大腿関節痛に関して議論されています*ここをクリックしてください*。健康なグループにおいて、疎結合が基準でしたが、 膝蓋大腿関節痛を患っているグループのランナー達は、部分間で密結合(低変動性)を示しました。 Seayおよびその他*ここをクリックしてください*は、現在腰痛を患っている被験者のグループと、腰痛を一度経験している被験者、腰痛を過去一度も患ったことの無い被験者のグループ間で、変動性における差異を発見しました。受傷者、あるいは傷害から回復した被験者と、過去一度も患ったことの無い被験者のグループの間の変動性における差異は、リハビリテーションにおいて、私達が注目する必要があるかもしれない要因において、価値ある洞察を私達に与えてくれるかもしれません。 このことに関する更なる詳細は、後ほど述べます。 彼らの結論は、下記のとおりです: “これらを基に、データは、一度の腰痛発作にさえ関連するパフォーマンスの欠如と傷害リスクの増大への洞察に役立ち、臨床医は腰痛のためのリハビリテーションを処方する際に、痛みの解決のその先を見る必要がある” 運動の変動性は、生体系の中に本来備わっています。本来備わっているだけでなく、過負荷によるリスクの減少にとって有益で、その能力が、私達を取り巻き、絶え間なく変わる環境の中で発生する事象への適応を可能にしています。一流のアスリートが、何時間も熱心な練習を行っても、精密で不変の運動を繰り返し再生することはできません。最良の運動をする人達は、パフォーマンスの制約と前後関係による数多くの多様性を用いて、同様の安定した終点技能を遂行することができます。弾力的で強固であることの一部は、変動性の中にあるのかもしれません。負荷への耐性能力は、私達の協調変動性を介して、幾分、内部で必要な処理が行われる方法に関わっているかもしれません。 運動が研究され、その研究されたグループの手段を反映するために、しばしばデータは均質化されます。この飲み込まれてしまった重要なデータではなく、*ここをクリックしてください*存在する広範囲の運動変動と、これが私達に示しているかもしれないことをより理解するために、私達はまた、人同士の相互関係(人と人の間)と情報の内部(タスク間変動)に着目すべきです ここに私が集めた、運動センサーを着用した同一人物による、5回のシングルレッグ・スクワットの例があります。それぞれのスクワットは、計測によって微妙に異なります。 自分で行う小さな実験として、あなたの名前を同じ場所に10回繰り返し書いてみてください。そのうち何回、寸分違わずに書けましたか?どれも大体同じような輪郭を描いていますが、ピッタリと重なることは絶対になく、あなたが何千回も練習している運動でも同じことでしょう。

ベン・コーマック 3018字

FMSモデルの実際例への応用 パート1/2

アメリカで開催されるパフォームベターのサミット前日に開催された、FMSのセミナーを収録したビデオ ”FMSモデルの実際例への応用” から、の抜粋。グレイ・クックが、スクリーンとアセスメントの違い、動作を学ぶプロセスの重要性を熱く語るビデオのパート1。

ファンクショナルムーブメントシステムズ 4:54

FMSモデルの実際例への応用 パート2/2

アメリカで開催されるパフォームベターのサミット前日に開催された、FMSのセミナーを収録したビデオ ”FMSモデルの実際例への応用” から、の抜粋。グレイ・クックが、スクリーンとアセスメントの違い、動作を学ぶプロセスの重要性を熱く語るビデオのパート2。

ファンクショナルムーブメントシステムズ 4:26

トータッチプログレッションでつま先に触れてみよう パート3/3

トータッチ症例2:膝の術後の患者 この患者は1ヶ月間、膝を20−25°以上には充分に伸展したことがありませんでした。彼は手術を受け、当初取り組むべきリハビリテーションに十分に参加していなかったのかもしれません。または、家でのエクササイズをしていなかったのかもしれないし、もしくは、担当者が、彼が行うエクササイズの重要性を説明せず、彼の疑問に十分応えていなかったのかもしれません。 この症例は、グレイと彼のパートナーが担当した、膝が伸展できない患者についてです。彼らは、ポステリアチェーンに鍼を施し、それからモビリゼーションを行いました。 彼の膝にテーピングをすることで、膝はほぼ完全に伸展できましたが、問題がありそうな行動パターンがあり、グレイは治療家としてこの効果は続かないと直感しました。この患者は膝が屈曲位のまま4週間も歩き回っていたのです。膝が15分間だけ伸展したからといって彼の行動を変え、いま治療したばかりの膝を使うには十分なはずはありません。 彼は、屈曲位の膝に長い間慣れてしまっていて、膝を伸ばすことに抵抗や恐怖感があったでしょう。そこで、彼らは、この患者が考えることなく膝の伸展を行える環境を作る必要がありました。 トータッチプログレッションはどうでしょうか? トータッチプログレッションで、彼は膝に力を入れるでしょう。 予想通り、彼らは、この患者にトータッチプログレッションを行ってもらいました。そして、毎回終わるたびに膝の伸展の動きは増えました。 トータッチ症例3:頚部痛 首に問題があると訴える患者ですが、彼の首には問題が見つかりませんでした。首を動かすと痛いのですが、動きの制限や筋力低下は見つかりませんでした。 彼の肩は調子が良さそうに見えますが、これまで診てきた患者の中で最もこわばった姿勢をしているひとりでした。 彼らは、彼の歩行を観察し、コアと骨盤、腰部が共同で機能していないことに気づきました。そして、彼らが、この患者に片脚立ちをしてくださいと伝えると、バランスをとる為に、いつも同じ側の肩をすくめなくてはなりませんでした。彼は、首や肩をまるでコアであるがごとく使わなくてはならなかったのです。コアが動員されるべき時、彼は代わりに上半身を使っていました。 これは、とても良く動く痛い頚部とまったく動かない痛みのない腰部の症例でした。 そこで、彼らはどのような方法を使ったのでしょうか? トータッチです。 彼らは、トータッチプログレッションに腰が耐えられるかを、臨床的に確認しました。そして、トータッチブログレッションを実施し、悪いパターンを壊し、つま先に触れることができるようにしたのです。 再び、片脚立ちを確認すると、今度は僧帽筋を使わずにバランスをとることができました。 僧帽筋がどれだけ強力か考えてみてください。スクワットで持てる重さより、シュラッグで持ち上げられる重さの方が大きいかもしれません。デッドリフトの達人ではない限り、シュラッグで持ち上げられる重さは、デッドリフトで持ち上げられる重さと同じぐらいでしょう。 安定させる手段が他にない為に、地面に足が着くたびに僧帽筋を動員しなければならないとしたら、首にどれだけのストレスを与えるか考えてみてください。 この患者の頸椎には何も悪いところはなかったのですが、コアが身体全体と共に矢状面の動きにおいて機能していなかったため、首が酷使されてしまっていたのです。 トータッチプログレッションを使うタイミング グレイ・クックによれば: 若い臨床医がかつて私にこう言いました。「クックさん、あなたはひとつしか芸当がない馬のようですね。どんな人にもトータッチプログレッションをさせています。」 私は、彼に言いました。「そうお考えになっても結構ですよ。あるいは、ここにあと2ヶ月いてそれを使うのを二度と見ることがないか、それとも30倍使っているのを見るかしても良いですよ。」 トータッチを使宇野は、それが私の好みだからではなく、必要な状況で使うのです。 3人目の患者は、サイドプランクを使った方がコアをより発火できたかもしれません。しかし、そうすることで、すでに過活動になっている頚部や僧帽筋はどうなるでしょうか。トータッチであれば、問題のある部位に負担をかけずにコアの発火を助けられる方法でした。 膝を伸ばせない患者に、家に帰ったら大腿四頭筋のエクササイズを何セットか行うように言うのは簡単だったでしょう。しかし、その機能性はどうだったでしょうか? 彼が立ち上がる時、すでに膝の伸展は行っていたのではないでしょうか? トータッチプログレッションでは、彼はすでに立位であり、膝は負荷下で伸展になることをすでに学習していたわけです。 高齢の女性は、腰痛の他にバランスにも問題がありました。トータッチプログレッションによって、バランスとることに一生懸命になるように言わなくても、どちらにも改善がありました。 バランスに問題がある人の多くは、バランスをとろうと一生懸命になると、かえって悪化してしまいます。なぜなら、もしバランスのとりかたを知っているのであれば、すでにそうしていたでしょうから。更にがんばるということは、そもそも間違った方向に更に努力することです。このような理由で、トータッチプログレッションは大変役に立つのです。 これらすべての症例で、トータッチを私が使いたかったから使ったのではなく、これが全てを救済すると信じているから使ったわけでもありません。必要とされる状況であったから使ったのです。

ファンクショナルムーブメントシステムズ 2370字

トータッチプログレッションでつま先に触れてみよう パート2/3

トータッチプログレッション 段階2:トーダウン 段階2も同様に行いますが、ここでは踵を持ち上げます。これによって、平衡を移動させ正しい体重移動を指導します。 両足を揃えて立ち、踵同士とつま先同士を付けます。板のようなものを利用して両側の踵を1~2インチ(2.5~5cm)上げます。 足の位置を変えないようにし、両膝を軽く曲げます。左右の膝の間にフォームローラーまたは巻いたタオルを挟みます。 腕を天井に向かって伸ばし、手の平は前方に向けます。 呼吸を変えないようにして腹部をできる限り引っ込めます。 そして、ゆっくり緩やかにつま先に手を伸ばしていきます。スティッキングポイントではフォームローラーまたはタオルをしっかりと挟みます。 つま先に触れられない場合は、膝を弛めてチーティングします。 再テストを行います。 この2つの段階を完了したら、板やフォームローラー、タオルを外し、トータッチ動作を行ってみます。 腕を天井に向かって伸ばし、腹部を引っ込め、つま先に手を伸ばします。 腰やハムストリングに多少強めの緊張を感じるかもしれません。また、段階1よりふくらはぎの緊張はやや軽めになるかもしれません。 トータッチプログレッションに沿って行えば、手がつま先にずいぶん近づくはずです。 これで効果がなかったらどうしますか? このプロセスを試みたにも関わらず、成功しない人もこれまでにいたことでしょう。なぜでしょうか?それは、はじめにアクティブストレートレッグレイズをチェックしなかったためです。 アクティブストレートレッグレイズができなかったら、それをまずできるようにすることが先決です。簡単なアクティブまたはパッシブレッグロワーリングドリルが、下半身を整えてくれるでしょう。 しかし、私たちのアウトラインに忠実に従って行えば、トータッチの大きな改善が見られます。 向上を“定着”させる方法 つま先に触れないというのは悪い習慣ではありませんが、痛みなしでつま先に触れることは、明らかに良い習慣です。 どうしたら悪い習慣を崩せるでしょうか。何かもっと良いものに置き換える必要があります。 これは、特定の筋のストレッチやストレングスということではなく、パターンを変えるということなので、誤ったパターンを打破した直後に、新たな情報をシステムにしっかりとアップロードしなくてはなりません。 そのパターンを打破しさえすれば、誤ったパターンに立ち戻る前の短期間のチャンスを得ることができます。 背中に棒のようなものを当てがえば、脊椎を真っすぐに起立した状態が保てるでしょう。 デッドリフトのメカニクスを練習してみましょう。簡単な方法は、壁から約30cm離れ、壁にお尻がつくように後方へ出来る限り近づけます。しかし、壁に寄りかかってはいけません。 ちょうどこれからトータッチをしようとしている人への良い教え方があります。「つま先に触れられるまでに5分も必要ありません。朝、外出する前や就寝する前に5分間ぐらいする時間はありますね。それだけです。」 デッドリフトやケトルベルスウィング、あるいは何らかのタイプの股関節のヒンジを伴う動き、ジャンプやハングクリーン、パワークリーンなど、もっとバリクティックな動きがあるようなエクササイズをするならば、これらを行う前につま先が触れるかどうか確かめてください。 最後に、3人の別々の患者がトータッチで改善した3つの症例を記したいと思います。これによって、トータッチのような簡単な動きがどれだけ強力で実践的かがおわかりになるでしょう。 トータッチ症例1:腰痛を訴える高齢の女性 グレイ・クックが、腰痛を患う高齢の女性を彼と同僚が担当したときの話をしてくれました。彼女の評価を始めたとき、信じられないほどバランスが損なわれていることが分かりました。彼女の腰痛は、伸展することで出ますが、トータッチに制限がありました。 前屈では痛くなく、後屈で痛みがありました。さらに、彼女のバランスは、極端にやっかいなものでした。グレイはこう言いました。「彼女がクリニックまで歩いて来られたこと自体が驚きです」。 彼女に片脚でバランスをとらせると、ふらふらとバランスを崩しどこかにつかまらなくてはならなかったり、3秒も経たないうちに挙げていた脚を下ろさなくてはなりませんでした。片脚立位は左右両方とも損なわれていました。前屈は痛くはないが、曲げることができませんでした。そして、後屈は痛みがありました。 臨床医として彼女の腰痛に対処する責任はありましたが、彼女の症状を悪化させないで初日から行えそうなエクササイズは2つしかありませんでした。痛みが出る方向に動かすのではなかったので、腰痛を悪化させるものではありませんでした。むしろ、前屈や片脚立位の機能的障害がある方向に動くものでした。 片脚立位は複雑です。多くの運動制御を必要としますが、動きはほとんど伴いません。グレイは常に、安定性や運動制御を改善しようとする前に可動性を増加させようとします。 彼らは、この高齢の女性がアクティブストレートレッグレイズを行うのをチェックしてみましたが、それほど悪いように見受けられませんでした。彼女が仰臥位になり、一方の下肢が上がらないようにしながらもう一方の下肢の膝は真っすぐにして、股関節がどれくらい屈曲できるかを見せてくれたとすれば、それを見た私たちは全員「この女性が、つま先に触れられないはずは絶対にない」と言ったことでしょう。 しかし、立位ではそれができなかったのです。 そこで、彼女を、両脚を前に伸ばした長座位で座らせました。彼女は、この肢位ではつま先に触れることができたのです。更に、つま先を触れるだけの可動性があることを示してくれたわけですが、立位になるとどうしてもつま先に触れることができないのでした。 彼女のバランスにチャレンジするために、彼らは、もうひとつのトータッチプログレッションを実施しました。彼女のサポートができる位置で、解説をしながら、彼女が呼吸を止めていないか、呼吸をしているかどうか確認しながら行いました。つま先を挙げた状態で10回トータッチを行い、休憩を入れました。 次に、つま先を下げた状態で10回トータッチを行い、休憩を入れました。グレイは言いました。「では立ってつま先を触ってみてください」。 彼女は完全につま先を触れたのです。 「片脚立ちでのバランスも見せてもらえませんか?」 彼らは、彼女の片脚でのバランス能力を、ほぼ4倍にしたと彼は言いました。 更に彼らが「後屈をしてもらえますか?」と加えて、彼女がした伸展は、以前よりも2倍の可動域がありました。可動域最終域で少しだけ違和感があっただけでした。 片脚立ちのバランス能力がトータッチを改善することで向上するというのは、どういうことでしょうか? 彼らは、彼女の矢状面上の動きを変えることにより、彼女の動作を改善しました。動きが改善されれば必ず入ってくる感覚入力も改善します。 可動性が高ければ高いほど、多くの情報がインプットされます。情報がバリアに達した瞬間に支障を来たし渋滞を起こし情報が止まってしまいます。可動性の制限があるところはどこでも、インプットされる情報は減少します。減少した情報がインプットされるということは、結果的に洗練性が減少することになります。 安定性または運動制御は単に、脳にインプットされる情報の処理および筋緊張の適切な振り分けによるものです。 安定性と運動制御は、決して筋の最大収縮によってもたらされるものではありません。ブレーキを急に強く踏むのではなく、軽く踏んで調整するのです。もしブレーキを強く踏みすぎれば、横滑りしてしまいます。逆に、踏みが十分でなければ、カーブを曲がり切ることはできません。これらの微調整には、インプットが必要なのです。 どうすれば、繰り返し説明しなくても質の良いインプットが作れるでしょうか? それには、可動性をもっと増やすことです。そしてなにか変化を起こせたかを確認してみます。 この症例で、彼らは幸運にもトータッチを正常化し、片脚立ちが可能な時間も質も4倍にすることができました。

ファンクショナルムーブメントシステムズ 3504字

トータッチプログレッションでつま先に触れてみよう パート1/3

簡単なテストで、その人が持つ潜在的な問題の多くを明らかにすることができます。 トータッチは、そのようなテストのひとつです。 深いスクワットのようにトータッチも、かなり細かいところまで観察すると、たくさんのことが分かる基本的なムーブメントパターンです。 それでは、どうしてつま先に触れることができない人がいるのか、そしてそれは何を意味するのかを見ていきましょう。 つま先に触れることができない理由 つま先になかなか届かない場合、ハムストリングの硬さのせいにされることがよくあります。なぜなら、この動作をするとそのように感じるからです。 しかし、ハムストリングの硬さが本当の原因なのでしょうか。それともこれは、なにか他の問題の症状にすぎないのでしょうか? 多くの場合は、後者です。過去のケガが完治していなかったり、トレーニングにおける悪い癖があったり、ポステリアチェーン(身体後面の連鎖)に対してアンテリアチェーン(身体前面の連鎖)のトレーニングの方が過多になってしまうなど不均等なトレーニングであったり、可動域が十分でなかったり、他の多くの原因の可能性があるかもしれません。これらどれがあっても、つま先に触れることができる生まれ持った能力を低下させる可能性があります。 なぜ皆さんやクライアントが、つま先に触れることができないのか、その主な理由は下記の通りです。 不十分な後方への体重移動—上半身が下方と前方に傾いた時、後方へ体重を移動できなければバランスを崩し、前方に倒れないようにするために、ハムストリングが収縮します。この場合、ハムストリングは、単にケガを食い止めるサイドブレーキにすぎません。 こわばった腰部—つま先に触れる際、腰を丸めたがらない人がいますが、おかしなことに、このような人ほど、デッドリフトなどの負荷下で危ない腰の曲げ方をしたがるのです。 頸椎や胸椎のこわばり—頸椎と胸椎のこわばりもまた、床に向かって手が届く距離を制限することがあります。 底屈筋群の緊張の増加—緊張の増加は、膝関節と足関節をまたがる腓腹筋に主に見られます。底屈筋群の緊張は、関連する痛みがない限り、ほぼ必ずといってよいほどハムストリングに感じられます。 では、どのように原因を絞り込んでいきますか? FMSのアクティブストレートレッグを行ってみてください。 片側の脚を動かさずに床にぴったり置いた状態で、もう一方の脚が約80°あるいはそれ以上挙上するにも関わらず、つま先に触れることができない場合、問題は骨盤よりも上部に潜んでいる可能性があります。 脚が70°前後にも挙上できない場合、問題は骨盤より下部にありますが、骨盤より上部に潜む問題を除外できるわけではありません。 注: ファンクショナルムーブメントスクリーンでは、トータッチはプログレッションではありますが、スクリーンではありません。 SFMA(メディカルムーブメントスクリーン)では、最初にトータッチを行います。もし、症状が引き起こされたら、その原因を見つけるためにリグレッション(後退)を行います。 デッドリフトをする前にトータッチができている必要がある理由とは つま先にしっかり触れることができない人は、矢状面での低速でテンションの高い動きをする時や、高速でテンションの高い動きをする時の、生体力学的な動きと体重移動が不完全です。 その動作に必須であるコアの安定化と脊椎の安定化を放棄してしまい、屈曲動作の初期に、安定し硬くなっているべき部位を使って屈曲しようとしているのです。 これは、適切なヒップヒンジが行えないということを意味します。この場合、軽いウェイトであってもデッドリフトをしようとする姿勢をとったとき、動作の初期には腰部を丸くしてしまいます。股関節を働かせるのではなく、最終的に、脊椎に負荷をかけてしまうのです。 注:非荷重の動きであるトータッチで脊椎を丸めることは、オーケーです。トータッチで脊椎を丸くしないことは、機能不全を示しています。なぜなら、それは正常な体重移動や身体力学、アライメントが乱れているということだからです。 トータッチは、腰部の緊張を緩め、踵からつま先へ滑らかに、一貫した体重移動ができるようにします。これらは共に深いスクワットとヒップヒンジに極めて重要です。 つまり、クライアントにトータッチを指導することにより、デッドリフトや深いスクワットを指導する為のより良い環境を提供します。 体力があって健康的に見える人を指導する時、確証がない限りその人がトータッチのような基礎動作パターンを遂行できると推測しないでください。デッドリフトやケトルベルスウィングのような負荷下の動作を行う前に、必ずスクリーニングを実施し、つま先に触れることができるかどうか確認しましょう。 つま先に触れるようになるためにどう指導するか つま先に触れることができない人のほとんどは、アクティブストレートレッグレイズの際、ある程度の困難が生じます。もしそれが問題であれば、常にまずアクティブストレートレッグレイズを先に正常化します。 もし、アクティブストレートレッグレイズが完璧であるにもかかわらずトータッチが行えないならば、立位でこの動作を行う際、完全な可動域を妨げる何かがあるのかもしれません。 この場合、簡単に行えるトータッチプログレッションに従います。ここではストレッチや軟部組織のモビリゼーションは一切必要ありません。 トータッチプログレッション 段階1:トーアップ 両足を揃えて立ち、踵同士とつま先同士を付けます。板等を利用して両側の前足部を1~2インチ(2.5~5cm)挙げます。 つま先に触れることができない人は、矢状面の動きにおいてのバランスのとりかたが異なります。体重の移動を正しく行うことができず、平衡を保つために、底屈と背屈に偏っているのです。 つま先を上に向けておくことで、バランスを保つために脚に頼ることが少なくなり、より体幹と体重移動の能力に頼るようになります。 足の位置を変えず、膝を軽く曲げます。フォームロールまたは筒状に巻いたタオルを膝と膝の間に挟みます。 前屈を妨げるのは、アンテリアチェーンやポステリアチェーンだけではありません。外側線である腸脛靭帯と大腿筋膜張筋も、前屈を妨げることがあります。両膝が触れていなければ、外側ハムストリングと腸脛靭帯に偏ってしまい、膝のロックが解除されます。これは、関節の後面を保護するためのハムストリングの発火をストップさせます。 両膝の間に何かを挟むことは、持越し効果もあります。内転筋群が発火すると、腹筋へも影響してそれらも発火します。そうすれば、相反抑制と背部の筋群の弛緩を得ることができます。 このポジションは不自然に感じるかもしれません。もしクライアントがこの足のポジションを保持できないようであれば、フォームローラーやタオルから他の小さめの道具に代えてください。 まず、両腕を天井に向かって伸ばし、手のひらは前方を向けるようにします。 呼吸を変えることなく腹部をできる限り深く引っ込めます。 ここで、ゆっくり緩やかにつま先に向かって手を下げて伸ばします。スティッキングポイントに達成したらフォームローラーやタオルをしっかりと挟みます。 スティッキングポイントに達したら、フォームロールまたはタオルをしっかりと挟むことにより、腹筋群を活性化させ、大腿の外側と背部を弛緩させ、さらにつま先に近づくことができます。 腹部を引っ込めた状態を保つことを忘れないようにしましょう。 つま先に手が届くまで繰り返し行います。 つま先に触れることができない、少しチーティングします。 これでもまだつま先に届かない時、足の位置を変えなくても膝を曲げることによりチーティングします。 息を吐いて、つま先に手を伸ばします。 たとえ膝を軽く曲げてしまうことでチーティングしたとしても、毎回きっちりと成功することが重要です。 「毎回、できる限りチーティングを少なくするようにし、チーティングする必要がなくなるまで改善させていきましょう」とクライアントに伝えます。

ファンクショナルムーブメントシステムズ 3474字

プラシーボの科学 パート2/2

学習 ある刺激を受けた直後に、痛みの緩和を感じる経験を重ねると、脳の中で、刺激と痛みの緩和が関連づけられます。たとえば、頭痛を緩和するために、定期的にアスピリンを取っていると、脳は、薬の存在を気持ちが良くなることと関連付け始めます。この状況で、もし本物そっくりの偽物のアスピリンを取るとすると、この関連付けがされていなかった場合と比べ、かなり高いプラシーボ効果が得られるでしょう。その期待が完全に無意識で、過去の関連付けに基づくものだとしても、過去の経験は、特定の刺激からの効果を「期待」させます。 同様に、この関連付けは「忘れる」こともできます。パブロフの犬は、ベルを鳴らすとよだれを出しますが、もしもベルを鳴らし続けつつも、食事を一切与えなければ、どこかの時点で、犬は学習し、よだれを垂らすのをやめます。また、先ほどの例で、有効成分を含まない偽物のアスピリンを取り続ければ、やがて学習したプラシーボ効果はなくなるでしょう。 関連付け学習が、どのようにプラシーボ効果を生み出すかを実証した面白い実験があります。好きな液体と免疫抑制薬を関連づけられたネズミは、その液体を飲むと、薬がなくても免疫抑制を経験するようになります。同様の結果が、人間でも起こることがわかっています。おいしい飲み物を抗ヒスタミン剤と関連付けると、その飲み物により、アレルギーによる鼻水が改善するようになります。無意識の学習はまた、内分泌系システムにもプラシーボ効果をもたらします。本物のインスリンを使って関連付けをすると、偽物のインスリン注射が血糖値を下げることがわかっています。 これらの事象は全てとても興味深いものですが、なぜ、徒手療法や運動療法の専門家がこういったことを気にする必要があるのでしょうか?私たちは(願わくば)、トリートメントの際に、患者に治療と痛みの軽減を関連付ける薬を与えるビジネスを行っているわけではありません。 私たちがなぜこういったことを気にするべきなのかというと、この研究が、運動療法に関連した痛みの軽減において、おそらく主要な働きをしているであろうものに関する洞察を与えてくれるからです。それは、動きと痛みの負の関連性を「忘れる」ことです。この関連付けは、怪我から起こることもあり、怪我が治ったあとでさえ、やっかいなノシーボ効果として残ることがあります。 あなたが腰を痛めて、腰椎の完全屈曲にむかって前方に屈曲するときには常に痛みを経験するとします。意識的にせよ、無意識にせよ、あなたはこの動きを痛みと関連付け始め、やがてこの動きをするときに、痛みを予測するようになります。 しばらくして腰の怪我が治っても、この関連付けは残ります。前方屈曲がノシーボとなり、痛覚の「有効成分」がなくても痛みが起こるようになります。どうしたらこのノシーボ効果を止めることができるでしょう?学習された前方屈曲と痛みの関連付けを取り除かなければなりません。 ゆっくり、それまでとは違う痛みの恐れのない方法で、十分な回数の前方屈曲を繰り返せば、脳はやがて痛覚の「有効成分」がもう存在しないことを学習します。こうして、動きと痛みの関連性を忘れていき、やがて痛みのない完全屈曲が取り戻せます。 でも、もしこの忘却プロセスをたどらなかったとしたら、どうなるでしょう?恐らく、怪我が治り、痛みがなくなっても、痛みを経験するのが怖くて、その動作を完全に避けることになるでしょう。学習された痛みと動きの関連性を取り除いていないために、ノシーボ効果が残るのです。これは、動きに対する恐れ(運動恐怖)が、急性損傷が慢性的痛みへと発展する有効な指標であることを示す理由の一つです。 運動療法により慢性痛を取り除く主な方法の一つは、意識しているにせよ、無意識にせよ、痛むことを予測している動きを、ゆっくりと慎重に発展させていくことです。 結論 プラシーボの科学はとても興味深く、有益です。動きを基盤とした治療における成功の大部分が、プラシーボのような効果、あるいはノシーボを取り除くことによって起こると考えるのは、間違いではありません。しかし、プラシーボという言葉は混乱を招き得るものだと思います。プラシーボは、異なるメカニズムを通して起こる、異なる効果をもたらす様々な現象を表しています。 不安の軽減を通して働くプラシーボ効果もあれば、報酬システムの起動を通して効果をもたらすプラシーボ効果もあり、さらには、痛覚の下行性抑制によって効果がもたらされるものもあります。共通するのは、それらは全て認知の入力、つまり、患者が自身の健康に対して期待しているもの、信じているものによって起こるということです。 これは、プラシーボという言葉の別の問題とも関連しています。プラシーボという言葉は、患者の期待の変化を通じて効果が出る治療が、惰性であり、効果的でなく、はたまた意味のない、倫理に反したもの、さらに、詐欺であるとさえ示唆します。もちろん、その治療がシュガーピルのようなものである場合や、疑似科学やインチキ療法に基づいたものである場合は、その通りかもしれません。こういった場合は、患者は騙されて、期待や信念を変えさせられます。これは多くの場合、倫理に反しています。 しかし、もし治療が主に信念や期待の変化を通して効いているとすれば、そして変化はその信念をより正確にするものであるとしたら、どうでしょう?次のシナリオを考えてみてください。どれも騙してはいませんが、プラシーボ効果が関わっているように描写されています。 腰の痛みとMRIの所見に関連性がほとんどないという正確な情報を与えられたクライアント。これは不安や痛みを軽減します。 違う方法で行えば、痛みなく前方屈曲ができることを、受動的、および能動的動作を通して教えられたクライアント。これは不安を軽減し、治療の効果を期待させ、痛みを減らします。 思いやりのあるセラピストから慈悲深く、共感できる治療を受けたクライアント。これは、不安を軽減し、効果を期待させ、痛みを減らします。 マッサージによる痛みの軽減を過去に多く経験しているクライアント。この学習された関連性は、マッサージによる更なる痛みの軽減に関与しています。 これらは全てプラシーボ効果でしょうか。これらの例は全て、患者の信念を変えることが大きな役割を果たしています。しかし、そもそもそれこそが治療の目的だったのです!だから、治療が惰性であり、効果的でなく、見せかけであるという提言はされるべきではありません。こういったケースで、プラシーボという言葉を使うことは、批難や混乱を招くことにつながります。 私はこう考えたいと思います。痛みは恐れを認識することによりもたらされ、クライアントに、その恐れを疑問視させる最大限の良い知らせを与えることによって治療することができます。 これによって倫理的な問題は起こりえますか?あるとすれば、それはその良い知らせが真実ではなく嘘に基づいている場合でしょう。幸運なことに、クライアントには、セラピストのタッチ、動き、会話から学ぶことのできる多くの楽観的真実があると思います。

トッド・ハーグローブ 3003字

プラシーボの科学 パート1/2

プラシーボという言葉は何を意味するのでしょうか?プラシーボ効果は実際に健康に効果があるのでしょうか、それともただの想像上の効果なのでしょうか?プラシーボは、「身体を支配するマインド」なのでしょうか、それとも「全て頭の中だけのもの」なのでしょうか?クライアントにプラシーボ治療を施すことは、倫理に反するのでしょうか?ノシーボはどうでしょう? この記事では、これらの問いに答えるとともに、ファブリジオ・ベネデッティと彼の共同研究者による、興味をそそられる研究について紹介します。 この記事を読み終わる頃には、あなたのプラシーボに対する理解が深まるでしょう。プラシーボという言葉は、とても曖昧で、治療がなぜ、動きを良くすることや気分を良くすることに役立つのかを説明するには不十分なため、あなたはもうこの言葉を使わなくなるかもしれません。 プラシーボ効果とは正確にはどういったものでしょうか? プラシーボは、異なる文脈の中では、異なることを意味するため、混乱を招きかねない言葉です*。この記事においては、下記の内容を意味します。 プラシーボは、その治療自体には効果があるからではなく、患者が効果を期待することによってのみ症状が緩和する治療です。たとえば、シュガーピルは、摂取する人が効果を得られると期待していれば、頭痛を改善するプラシーボとなります。でも効果を得られることを期待していなければ、それはプラシーボにはならず、何も効果はありません。 プラシーボ効果とは、治療に対する期待が脳に変化を起こし、症状の改善が始まる生理学的プロセスです。こういった変化は、本物であり、想像上のものではありません。つまり、本当のプラシーボ効果を経験するということは、ただ良くなることを想像しているだけに留まらず、実際にその効果を証明できる客観的で計測可能な生理学的変化があるということです。 ノシーボ効果は、基本的にはその逆で、害があると思っていなければ害のない刺激が、害があると思うことによって、症状に悪影響を与えます(例:痛みの増加、機能の低下)。 マインドとボディの混乱を解く プラシーボはよく、「マインドとボディのつながり」という言葉で表現されます。これは、何らかの神秘的なプロセスに関連している、あるいは、プラシーボを理解するためには根本的に考え方を変える必要があることを示唆しています。しかし、実際に身体の中で起こる抽象的な思考や事象は、直感的であり、取るに足らないほど明白であるべきです。 カップを取ろうと手を伸ばそうと意図すれば、手は実際にカップに届くのです!家に侵入者がいると考えれば、心臓の鼓動が高まり、汗をかくでしょう。もし私が常に何かを心配し続けているとすれば、頭痛や心臓発作の危険性は高まります。思考が身体に影響を与えることは、既に周知の事実なのです。 つまり、プラシーボ効果は魔法でも何でもなく、認知が生理に影響を与える、多くある現象の一つなのです。しかし、思考と期待が行動と感情に影響を与えるメカニズムを明らかにするという意味で、とても興味深く、臨床的に意味のある現象です。 プラシーボ効果によって何ができるか? プラシーボは、痛みのレベル、運動制御、筋緊張、筋力、持久力、エネルギーレベル、鬱、免疫反応、心拍数、グルコース値など様々な要素に変化をもたらすことができます。酔っ払わせることだってできるのです!しかし、プラシーボは何にでも効くわけではありません。癌を治すことはできませんし、あなたの身長を伸ばすことも、おそらく喘息の症状を改善することもできません。 多くの場合、プラシーボ効果はかなりのものです。痛みに関して言えば、10点満点の痛みの自己評価スケールにおいて、2点分の変化をさせることができます。 ここからは、痛みに関連したプラシーボ効果に着目します。 プラシーボ効果は、どのようにして痛みを軽減するのでしょうか? プラシーボが痛みにどのように影響を与えるのかを理解する最も簡単な方法は、痛みの役割を考えることです。痛みは、身体に知覚された脅威から自身を守るために作られた不快な感覚です。プラシーボは、その脅威に対する認識、つまりは痛みを変えるのです。その働きは次の通りです。 脳は常に、集められる情報全てを駆使して、身体に起こり得る脅威を無意識に分析しています。その情報は、幅広く、様々な場所から入手されています。身体からの感覚情報、目からの視覚情報、記憶、考え、そして重要なのが、医学の専門家から提供された情報です。そのため、医者が、身体の状況や、治療のために処方した薬に対して何かを言うと、その情報は、脳が無意識にその状況から自身を守るのに痛みが必要かどうかを判断する材料の一つとなります。 別の言い方をすれば、プラシーボ治療の効果に対するあなたの考えが、脳に入ってきて認識される情報の一つとなり、脳から出力される痛みを変化させるのです。 ベネデッティと彼の共同研究者たちによる研究は、プラシーボ効果をもたらす3つの異なる精神的プロセスのパターンを明らかにしました。それは、(1)効果の期待、(2) 不安の軽減、(3) 関連性を介しての学習 です。これについて、それぞれに伴う生理学的プロセスとともに順に見ていきましょう。 報酬への期待 プラシーボが働くメカニズムの一つは、脳の報酬システムを活性する、効果に対する期待を作り出すことによるものです。報酬システムは、私たちを遺伝子の拡散を最大化させる行動、つまり、食べ物を食べたり、セックスをしたり、お金を手に入れるといった、一般的に人間が強く動機づけられる全ての行動に向かわせます。また、ドーパミンの放出にも影響を与えます。たとえば、社会的承認を得る報酬経験により、ドーパミンが放出され、また同じ経験をしたいと思うようになるのです。それはまるで生まれつきのドッグトレーナーのようです。Facebookのいいね、が犬への褒め言葉になるように! このように報酬システムは、痛みを軽減するプラシーボに関わっています。プラシーボ効果は、報酬を受けた時に放出されるドーパミンが多い人ほど、より大きく表れます。また、お金を受け取ることに、より大きな報酬を感じる人にも強く表れます。ノシーボ効果は、ドーパミンの減少と関連しています。また、プラシーボによって、パーキンソン病患者が経験する運動コントロールの改善は、それに関連する脳の部分のドーパミンの放出量と相関があります。 では、実際どのように報酬システムの活性が痛みを軽減するのでしょうか。報酬ベースによる痛覚消失のメカニズムの1つは、痛覚の下行性抑制です。脳がオピオイドやその他の薬のような物質を脊髄に送り、侵害信号(痛みにつながる危険な信号)が脳に届くのを遮断するのです。デビット・バトラーは、このシステムを「脳の薬箱」と呼んでいます。このシステムがプラシーボの痛みを取り除く効果に関わっていることを、どのように知ることができるのでしょうか?このシステムの働きをブロックする薬を与えると、報酬への期待によるプラシーボ効果は起こらなくなるからです。 面白い例があります。その研究では、実験者は、被験者の腕に止血帯を巻き、できるだけ長い間、痛みの限界まで、ボールを握りしめるように指示しました。一つのグループには、このエクササイズは筋肉に効果があると伝え、もう一つのグループには何も伝えませんでした。当然のことながら、効果を期待したグループは、より長い時間痛みに耐えることができました。ここからが面白いのですが、この効果への期待によって高まった痛みの耐性は、抑制システムの下行性抑制が起こるのを防ぐ薬によって完全になくなったのです。 このことから、下行性調節は、報酬への期待に関連したプラシーボ効果に関わりがあることがわかります。これは、フォームローラーやトリガーポイントワークなどの、エクササイズによる痛みの軽減にも影響していると考えられます。 興味深いことに、繊維筋痛、慢性疲労、過敏性腸症候群など、多くの慢性的な痛みの症状は、下行性抑制システムの相対的な非効率性によって特徴づけられます。このグループの人たちは、報酬への期待によるプラシーボを経験する可能性が低いと認識するべきでしょう。 不安の軽減 プラシーボが働くメカニズムの2つ目は、不安の軽減です。不安とは、未来の脅威を想像する状態を意味します(これは、現在の脅威の認識である恐怖とは区別することができます)。 研究により、プラシーボが不安を軽減し、それにより痛みも軽減する傾向があることがわかっています。ノシーボはその逆で、不安や痛みを増幅します。たとえば、ある研究では、実験者は被験者に低強度の電気刺激が痛みを及ぼすと伝えました。そうすると、本来はほとんど痛くはないはずなのに、本当に痛みを感じるのです。 もう一度言いますが、この効果は本物であり、想像上のものではありません。研究者達は、被験者の主観的レポートからだけではなく、関連する脳のエリアの活動の客観的計測によって、不安および痛みの増加を発見しました。 さらに、ノシーボが実際に生理学的効果をもたらすことも、ベンゾジアゼピンやジアゼパムなどの不安を低減させる薬が、その生理学的効果を取り除くことを示す実験によって証明されています。何かによって痛みが起こるという偽の情報によって不安になることがなければ、本当にもたらされるはずの痛み以上の痛みは起きないということです。 また、不安には、プラシーボによる痛みの軽減をもたらすドーパミンやオピオイドのネットワークに対抗する働きがあります。 *プラシーボのもう一つの意味は、ある治療が効果的かどうかを判断しようとする研究の中で使われています。この意味は、被験者が、病気の自然発生的な緩和、データエラー、平均値への戻りなど、治療の後で気分が良くなることをデータが反映している様々な理由を含んでいます。この意味で、頭痛が次の一時間で良くなるとして、その直前に薬を取ると、症状の改善が「プラシーボ」に属していることになります。しかしプラシーボが持つもう一つの意味は、症状に本当の客観的変化が一切ない場合でさえ、その人に気分が良くなると思わせるもの、または気分が良くなることを報告させるものでもあります。

トッド・ハーグローブ 4353字

標準のデッドリフトとヘックスバーデッドリフトはどのように異なるのか? パート2/2

デッドリフトの際の関節モーメント ストレートバーデッドリフトモーメント 研究者たちは、ストレートバーデッドリフトの際、負荷の増加に伴い股関節、膝関節、および足関節のモーメントが増加したということを報告している。しかしそれらは全てが均等に迅速に増加したわけではない。下記のグラフに示されているように、股関節モーメントは負荷の増加と共に最も速く増加し、足関節、膝関節の順に後に続いていた。 ヘックスバーデッドリフトモーメント ヘックスバーデッドリフトにおいても同様の現象が観察された。股関節モーメントは負荷の増加に伴い最も速く増加し、足関節モーメントがその後に続いていた。膝関節モーメントは負荷の増加に伴い有意な増加はしていなかった。これは下記のグラフにて見ることができる。 しかしながら、洞察力の優れた人にはさらに2つの事が明確であるだろう。まず第1に、股関節モーメントは全てストレートバーデッドリフトにおいてより高い。研究者たちは、これはヘックスバーデッドリフトの場合、モーメントのアームがより短いことが理由であると説明している。第2に、股関節対膝関節モーメントの比率がヘックスバーデッドリフトと比較し、ストレートバーデッドリフトにおいてより高い。下記のグラフはその点をより明確に示すためのものである。 このグラフは、ヘックスバーデッドリフトと比較しストレートバーデッドリフトは、より高い股関節対膝関節の比率をもっているということを示している。それはまた、ストレートバーデッドリフトにおいて股関節モーメントは、膝関節モーメントより速く増加する傾向にあるが、ヘックスバーデッドリフトにおいては有意ではないということを示している。 *** 研究者たちはどのような結論に達したのか? 研究者たちは、デッドリフトの様々な生体力学的変数は、その動作をストレートバーもしくはヘックスバーのどちらで行うかにより変化する可能性があるという結論に達した。彼らはそのような変数には、使用した絶対負荷、バー速度、出力、加速段階に費やした時間、脊椎モーメント、および股関節対膝関節モーメントの比率が含まれていると結論付けた。最終的に彼らは、ストレートバーデッドリフトは、股関節伸展トルク、および腰部の筋力を発達させるためにはより効果的であると述べている。しかしながらヘックスバーデッドリフトは、より低い脊椎負荷および股関節伸展トルクを含むが、より重い負荷をリフトすること、同様の負荷の割合においてより速いバー速度および出力を得ることを可能にしている。 *** 制限要素は何か? この研究は、ストレートバーによる従来のデッドリフトのスタイルに限られていた。ヘックスバーデッドリフトが、とりわけ加速段階に費やされた時間、および行われた力学的仕事に関して、特にスモウデッドリフトはそれらに関し従来のデッドリフトよりもより優れているということを考慮に入れると、スモウデッドリフトと比較しどうであるかを知ることは興味深かったであろう。 更に出力については、これらがシステムに対する総合出力であるということを留意することは重要なことある。各関節の出力は報告されておらず、デッドリフトの種類や負荷の間で異なっていた可能性がある。 *** キーポイントは何か? この重要な研究にはいくつかのキーポイントがある。 ストレートバーデッドリフトはヘックスバーデッドリフトと比較し、股関節伸展強度を発達させるためにはより良いエクササイズである。 股関節対膝関節伸展モーメントの比率はヘックスバーデッドリフトと比較し、ストレートバーデッドリフトにおいてより高く、より股関節主導のエクササイズとなっている。 股関節対膝関節伸展モーメントの比率は、ストレートバーデッドリフトにおいては負荷の増加と共に増加するが、ヘックスバーデッドリフトでは異なる。これは、ストレートバーデッドリフトは、負荷の増加と共により一層股関節主導のエクササイズとなるが、ヘックスバーデッドリフトはそうではないということを意味している。ゆえに両方のバリエーションのパフォーマンスに間におけるキャリーオーバーの程度は、負荷の増加に伴い減少する可能性がある。 ヘックスバーデッドリフトはストレートバーデッドリフトと比較し、膝関節伸展強度を発達させるためにはより良いエクササイズであり、腰部により優しい。 両方のバリエーションのデッドリフトは、最大下負荷において、オリンピックリフトやそのバリエーションと同様のパワーを生み出す。ゆえにパワーに対するトレーニングを行っているアスリートは、スピードデッドリフトはオリンピックリフトと同等に効果的であり、行うことがより簡単であると感じるかもしれない。 さらにヘックスバーデッドリフトはより高い出力を産出するためにより効果的であった。ゆえにそれはアスリートの下半身のパワーを発達させるための最良の総合的な選択肢であるかもしれない。 パワーに対しトレーニングをする際、最適なパワーはストレートバーデッドリフトでは1RMの30%において、またヘックスバーデッドリフトでは40%において達成される(スクワットにおける50-60%と比較して)。 1RMの80%においては、被験者はストレートバーデッドリフトを行う際と比較し、ヘックスバーデッドリフトを行う際により長い時間を加速に費やす。これは、ヘックスバーデッドリフトが高負荷においてより高いトレーニング刺激を提供するということを示唆している可能性がある. *** 実戦的な意義は何か? ストレートバーデッドリフトを向上するために、ヘックスバーデッドリフトを使用してトレーニングを行うことは、ストレートバーデッドリフトにおける股関節伸展トルクは負荷の増加と共に増加するということの重要性を考慮に入れると、多くの場合そうであるように、弱点が股関節伸展トルクである場合、最適な移行を生み出さない可能性がある。より股関節伸展トルクを発達させるエクサイサイズの方がより良い選択肢であるかもしれない。 スポーツのために最大パワーに対してトレーニングを行っているが、オリンピックリフトには非常に違和感がある場合、それを安全に行うための技術を習得するために何年も年数を費やす必要はない。ヘックスバーおよびストレートバーの両方を使用した最大下デッドリフトは、同様の出力を産出する。(ストレートバーに対しては1RMの30%、ヘックスバーに対しては40%、しかしスクワットに対しては50%を使用すること) デッドリフトをプログラムする際、ヘックスバーデッドリフトはストレートバーデッドリフトと比較し、それほど股関節主導ではないということを知っておくべきである。ゆえにプログラムにおいてストレートバーリフトをヘックスバーリフトへと置き換える場合は、他の股関節主導のエクササイズの量を増加し、他の大腿四頭筋主導のエクササイズの量を適切に減少することが望ましいかもしれない。

ストレングス・コンディショニング・リサーチ 2976字

標準のデッドリフトとヘックスバーデッドリフトはどのように異なるのか? パート1/2

デッドリフトを調査しているほとんどの研究は、競技におけるパワーリフターに焦点を当てており、床反力および出力を確実に記録することを困難にしている。更にデータは競技において記録されるため、同様の研究のほとんどが最大リフトを記録しており、スモウおよび従来のデッドリフトの間の差違を説明することに集中している。しかしながら近年、全く逆の方向へと進む研究が行われた。研究所において測定が行われ、床反力および出力が記録され、最大下リフトの範囲において従来のデッドリフトおよびヘックスバーデッドリフトの比較が行われた。この論説ではクリス・ベアスリー(@SandCResearch)が、研究者たちの発見に対する詳細な考察を行う。 研究論文: 最大下負荷を使用した、ストレートおよび六角形バーベルによるデッドリフトの生体力学解析、スウィントン、スチュワート、アゴーリス、キーオ、ロイド、ストレングス&コンディショニングリサーチジャーナル、2011年 *** 背景 上記のように、デッドリフトを調査している多くの優れた研究は、パワーリフトの競技において行われている。そのような研究は通常、フォースプレートデータへのアクセスの欠如により制限されており、ルールで決められている通り、様々な能力のパワーリフティング競技者により最大負荷を使用し行われる。それらは下記のように要約することができる。 ブラウン(1985年)は、運動学的解析を使用し、最大デッドリフトの際の股関節、膝関節、および足関節のモーメントを調査しており、床反力ないし出力は測定していなかった。彼らの被験者は1981年ミシガンティーンエイジパワーリフティングチャンピオンシップにおける競技者たちであった。 コレウィッキー(1991年)は運動学的解析を使用し、最大デッドリフトの際の股関節および腰への負荷を調査しており、床反力ないし出力は測定していなかった。彼らは被験者として、1989年カナダパワーリフティングチャンピオンシップの競技者を使用した。 同様にマクギカンおよびウィルソン(1996年)は、最大スモウおよび従来のデッドリフトの運動学において報告をしているが、床反力ないし出力は測定していなかった。彼らは地元のニュージーランドパワーリフティングチャンピオンシップの競技者を被験者として使用した。 エスカミーリャ(2000年)は、最大スモウおよび従来のデッドリフトの運動学的データを基にモデルを作り出したが、床反力ないし出力は報告していなかった。彼らは全米マスター選手権において競技している被験者を使用した。 エスカミーリャ(2001年)は、同様の方法を用い、1999年スペシャルオリンピックゲームにおいて競技を行っていた被験者に対し、最大スモウおよび従来のデッドリフトの別の研究を行った。 研究所の環境において、従来のもしくはスモウデッドリフトにおける関節モーメントを調査した研究は、明らかに少数派である。スウィントンおよびその他(2011年)によるこの研究はまさにそれである。さらにその研究では、従来のデッドリフト、およびヘックスバーデッドリフトの間の床反力、パワー、関節モーメントが比較されている。 *** 研究者たちは何を行ったのか? 研究者たちは、19名の若いパワーリフティング競技者たちを集め、管理された環境において最大下ストレートバー、およびヘックスバーデッドリフトを行わせた。被験者は最初に彼らの1RMをテストし、その後10%ずつ増加させながら1RMの10-80%において最大下デットリフトを行った。パワーリフターがこれらのリフトを行っている際、研究者たちはビデオカメラおよびモーションキャプチャーソフトウェアを使用し、3次元における関節角度に関する情報を記録した。研究者たちはまた、フォースプレートを使用し、床反力に関する情報を記録した。これは彼らが全体のシステムに対する力およびパワー、また個々の関節モーメントを計算することを可能にした。 *** 何が起こったのか? 被験者の特性および1RMテスト 研究者たちは、被験者の平均年齢は30.2 ± 5.6であり、平均体重は114.5 ± 22.3kgであったと報告している。彼らは、パワーリフターたちのストレートデッドリフトにおける平均1RMは244.5 ± 39.5kgであり、ヘックスバーデッドリフトにおける平均1RMは265.0 ± 41.8kgであったと記録している。彼らはストレートバーおよびヘックスバーデッドリフトにおける1RMの間の差違は有意であったと記述している。 デッドリフトの際の加速に費やした時間 リフトの際に加速に費やした時間は、トレーニング効果の程度を知るための重要な測定値である。加速に費やした時間は、バーに対し力を発揮するために費やした時間である。研究者たちは、1RMの80%を除いては、ストレートバーおよびヘックスバーデッドリフトの間に、加速に費やした時間における有意な差違はなかったということを発見している。1RMの80%においては、下記のグラフで示されているように、パワーリフターはストレートバーデッドリフトを行っている際と比較し、ヘックスバーデッドリフトを行っている際により長い時間を加速に費やしている。 デッドリフトの際の速度およびパワー 研究者たちはストレートバーおよびヘックスバーデッドリフトの際のバー速度は、1RMの40-80%の間において有意に異なっていたということを発見している。下記のグラフに示されているように、ヘックスバーデッドリフトの際のバー速度は、ストレートバーデッドリフトの際と比較しより速かった。 研究者たちは同様に、主にバー速度増加の結果として、1RMの30-80%の間での出力に有意な差違があったということを発見している。下記のグラフに示されているように、ヘックスバーデッドリフトはこの範囲においてより高い出力を示していた。 更にヘックスバーデッドリフトはストレートバーデッドリフトと比較し、異なる負荷において出力のピークを示していた。研究者たちは、ヘックスバーにおけるピークパワーは4,388および4,872Wに達し、ストレートバーのバリエーションではそれぞれ6,049および6,145Wという高い値に達したということを報告している。オリンピックウェイトリフティングバリエーションに対しても同様の値が報告されている。例えば、ウィンチェスター(2005年)およびコーミー(2007年)はパワークリーンにおいて、それぞれ4,230および4,900Wという最大ピークパワーの値を報告している。最後に研究者たちは、最大パワーはストレートバーデッドリフトでは1RMの30%において達し、ヘックスバーデッドリフトでは1RMの40%において達したということを記述している。スクワットにおけるパワーのための最適な負荷を調査した研究が、わずかにより高い比率(例:50-60%)を発見しており、またヘックスバーデッドリフトはよりスクワットの動作に近いため、これは興味深いことである。

ストレングス・コンディショニング・リサーチ 2982字

なぜカフェインを摂り放題にしているのか? パート2/2

あなたにとって幸運なことは、貴重な教訓を私の失敗談から学ぶことができることです。 1. 短期間の利益は長期間の痛みを伴う 私は2~3ヶ月の間トレーニングセッションの効果をだすために“偽物のエネルギー”で自らを奮い立たせていました。そしていつの間にか、一ヶ月間散々なトレーニングセッションを送るという結果に自分を追いやってしまったのです。やはり一年を通して “常に良い状態”を保つべきなのです。 2. 沢山の若手アスリート達がしていること! 10代アスリート達の沢山の食事日記に目を通してきましが、彼らには大抵足りない部分が多くあります。ほとんどの子供がスポーツドリンクや炭酸を飲み過ぎて、水はほんのわずかしか飲みません。果物と野菜はかなり不足していますし、加工された炭水化物をとりすぎています。身体を維持する良い脂肪は全くない状態です。 こういった欠点に関わらず、多くのヤングアスリートは常に “より良い運動前のサプリ”を探し回っています。恐らく、本当に恐らくですが、もしこういったアスリート達が正しく食べて十分な睡眠がとれれば運動前のサプリメントの必要は無くなるでしょう。 双子の子を持つ、疲れきった34歳の起業家が、この道を辿るのと、回復力があり、未成熟な16歳がウェイトルームやフィールドで力を発揮する為に刺激が必要だと思うのは別物なのです。 3. コーヒーは危険な坂道である 立派なダイエット計画を立てたのに、言い訳を見つけて身体に悪い食べ物を選択する友達が過去にいませんでしたか? “えっと、あなたはサツマイモが僕にとって良質な炭水化物だと言っていたから、普通のジャガイモも同じように良いと思うのです。それに、もしもジャガイモがオッケーなら、自家製のフライドポテトも大丈夫ですよね。ちなみに、もし自家製のフライドポテトがオッケーなら、自分の好きなファーストフードレストランのフライドポテトもオッケーですよね?” 自分次第でいくらでも正当化することは可能です。コーヒーの場合、2型糖尿病、パーキンソン、アルツハイマー、心臓血管系の健康、ある特定の種類の癌や、その他多くの健康面において、健康上メリットとなる可能性があることはわかっています。もちろん、許容範囲内での話です。毎日1ガロン(3.8リットル)のカフェイン入りコーヒーを飲んでも、先程述べた疾患により強力に効くということはありません。加えて、コーヒーと同じ健康効果を手軽な興奮剤であるエナジードリンクやマウンテン・デユーに期待してはいけません。 4. どんな形であれ、カフェインの過大評価には細心の注意を払う必要がある どういったわけか、フィットネス業界のなかでカフェインはとても愛されています。なぜならストレングスやパワー系の動作から持久系のスポーツまでの数々の肉体的チャレンジにおいてパフォーマンスの向上が証明されているからです。こういった効果のいくつかは、日常的な摂取によってアスリートがカフェインに対して鈍感になった時に弱まってしまうのですが。 当然のことながら、私達は一日中エナジードリンクに依存する多くのアスリート達やフィットネスの専門家達を見ています。彼らはいつでも交感神経システムを刺激して、トーンダウンや回復モードに切り替えなければならない場面でも常に “活動”モードになっているのです。 興味深いことに一杯のコーヒーは朝のルーティン、サプリメント、そして社会的な飲み物として捉えられています。恐らくそれが、なぜこんなにも多くの人々が過剰にカフェインを摂取するのかを解説してくれるのかもしれません。彼らはその3つ全てを毎日欲しているのです。 忘れないでほしいのは、私はカフェインの適度な消費を推奨しているのであって、完全に断つ事ではありません。私自身毎日コーヒーを飲んでいますし、特に禁止する予定もありません。 5. 感じようが感じまいが、ストレスはストレスである もしあなたが12月と1月の頃の私に、調子はどうかと尋ねたとすれば、 “びっくりする程良い”と答えていたでしょう。私はアップダウンが全くない男で、A型パーソナリティであるにも関わらず、滅多に “ストレス”を感じることがありません。興味深いことに、自分の人生で生理的に最もストレスのかかる時期において、ほとんどの場合ひどい不快感を感じずに(多量のカフェインに頼って)乗り切ってきました。もちろん、最終的には自分にはね返ってきます。アスリート達の場合、過剰なストレスに出来るだけ早く気づく必要があります。そうすればトレーニング量を減らしたり、リカバリーの割合を増やしたりできるのです。 6. 良い状態は簡単に忘れてしまう 私は約15年間、自分のトレーニングにもかなり真剣に取り組んできたので、身体感覚と調和がとれていると思っています。 加えて、私は沢山のハイレベルなアスリート達、特に野球選手と仕事をしています。エリートアスリートのほとんどは信じられないような運動認知感覚をもっていて、少しの “違和感”でも感じ取ることができるのです。 興味深いことに、アスリートにとって“落ち込む”ことは決して珍しい事ではありません。私達は、野球という世界的な球技のなかのトップの0.001%にも関わらず、フォームの安定にもがく沢山のMLB投手を見てきました。また、長い期間怪我に悩まされて動き方が変わってしまう選手もいます。小さな事柄が大きな変化を起こすことがあります。時には、かなりの大きな変化が起きていることに気づかないことさえあります。 私は4~5ヶ月間かなりの不調を抱えていましたが、育児と終わらせなければならない仕事への責任感でそれを忘れることができました。加えてトレーニングを欠かすことはあり得なかったので、自分は大丈夫だと効果的に納得させられたのです。他に何が言えるでしょうか?知的な人間も、友達やクライアントに対応している時のようには感情的に切り離すことができないために、自分自身の健康管理に関してしばしば大きな過ちを犯してしまいがちです。 自分をこの状態から引きずり出すのには、最悪な感じがする数日が必要でした。2ヶ月後、びっくりする程に回復し、質の高いトレーニングセッションを再開することができたのです。これは私にとって大きな人生経験となりました。そして私のアスリートに対する接し方にも間違いなく何かの影響を与えることでしょう。ただ、周りに経験してもらいたい試練では全くありません! 次にあなたが3杯目のコーヒー、又は午後のエナジードリンクに手を伸ばす時にはもう一度よく考えてくれることを願います。そして、その行為は恐らくあなたが人生の他の局面において、目先にとらわれた決断をただ隠す為のものだということに気づいて下さい。

エリック・クレッシー 2867字

立位での足首の運動制御 パート1/2

立位でのよりファンクショナルなポジションで、足関節、距骨下関節を含む足部の運動制御を高めるための、固有受容器の働きにドライブをかける為のアプローチを実践的に、段階的にご紹介するビデオのパート1。

ベン・コーマック 6:10