コーキネティックの“運動ニューロマトリックス” パート1/2

運動への多元的アプローチ ‘動作ニューロマトリックス’モデルは、単なる骨、関節、筋肉の機械的操作以上のものとして、私達の運動を表現するように作られています。私達が下記のモデルにおいてリストしている入力のすべては、どのように私達の脳が運動を認識し、反応するのかに影響します。 身体の運動は、脳の‘出力’である神経系の過程の肉体的表現として見られるはずです。下記の図表の中央にある絵は、運動の‘出力’を表し、周囲の‘入力’によって影響されています。私達はしばしば、運動を、脳が受け取り使用する多くの‘入力’によって影響され私達の動作、あるいは運動の‘出力’を決定するためのものとしてよりも、純粋に身体の‘出力’として見ています。 このモデルは、痛みと痛みの経験の形成に多く寄与する‘入力’の多元的モデルを導入しているMelzack氏の“ニューロマトリックス”によって影響されています。痛みに関する従来の考え方からの最も大きな脱却の一つは、ニューロマトリックスにおいて、痛みは、単に‘入力’、あるいは身体からの信号ではなく、脳の‘出力’であるということです。 Melzack氏は、下記のように説明しています: 私はネットワーク全体を分類していて、それらの空間分布とシナプスの結びつきは、最初は遺伝的に決定され、後にニューロマトリックスとして、感覚入力によって形作られていきます。 私達の‘ニューロマトリックス’を通って流れる全てのものは、感覚入力によって形作られています。‘入力’は、根源で‘神経信号’を作り出している‘入力’というより、ただ‘ニューロマトリックス’からの‘神経信号’、もしくは‘出力’パターンを引き起こすだけなのです。この例は、‘ニューロマトリックス’からの痛みの‘神経信号’と結果として起こる痛みの‘出力’を引き起こしている感覚入力というより、末梢で作り出され、脳と‘ニューロマトリックス’に伝達された痛みなのです。ストレスレベルのような‘ニューロマトリックス’への他の‘入力’は、痛みの‘神経信号’‘出力’に影響を与え、調節することができます。私達はまた、身体組織と構造からの感覚‘入力’の代わりに、痛みの‘出力’を持っているかもしれません。 私達の“運動ニューロマトリックス”は、ニューロマトリックスのひとつの出力、運動を強調するように作られています。それは、補正、順応、置換というよりも、むしろ‘ニューロマトリックス’からの多くの出力の中の一つにおける焦点と見解なのです。タイトルに‘運動’を添加した理由は、この焦点を強調するためです。 実際、私達が痛みのプロセスを知覚する方法とは反対のものとして、‘運動出力’の背後にあるプロセスをみることさえできます。痛みは、実際には‘出力’である場合にも、主に‘入力’としてみられます。運動は、しばしば多くの‘入力’と要因を無視して‘出力’としてみられます。 同様に、私達の独特な運動を作り出すために、運動は脳によって調節された、数多くの要因によって影響されていると、私達は信じています。 経験(脳) 過去の運動傷害既往歴 意欲 価値観と信条 感情 論理 痛み 皮質マップ 潜在意識 意識 外因 外部の脅威 環境 三次元空間 娯楽、スポーツ、職業 姿勢 重力 床反力 質量とモメンタム 構造 筋肉系 骨格系 神経系 結合組織 異常性 健康状態と活力 呼吸 栄養 水分補給 細胞エネルギー ストレス 習性 睡眠/覚醒サイクル 消化器官の健康状態 解毒器官の健康状態 感覚 視覚 前庭 聴覚 運動感覚 嗅覚 味覚 触覚 このモデルは、私達の運動において、脳が制御因子であるということを前提として機能します。実際に、私達の脳は、脳自身を再配線することが可能で、脳が通常使用する結合を強化していて、使用しない結合を低下させています。これが、神経剪定として表現されるプロセスです。 “神経伝達物質の放出がより不活発な軸索分岐が後退する一方で、神経伝達物質の放出がより活発な軸索分岐は、特定の神経筋部位において持続し、多ニューロン神経支配の標準的な除去を引き起こします。” Jackie Yuanyaun Hau他 これは、私達の神経連絡の観点から、“使わなければ、失われる”ということを難しく表現しているわけですが、脳科学と神経可塑性の主要原理の一つなのです。 この再配線は、私達の特有な‘はっきりとした運動特徴’、あるいは個人の運動の潜在能力を定義する神経回路を作り出す、私達の記憶、構造、感覚系、活力、環境を含む複数の入力に基づいています。この全ては、良好な運動を行い、生きるために、感覚系と運動系がお互いに依存し合い活動する大脳皮質において起こります。これらの皮質領域は、現在、私達の運動と痛みの両方を理解するために、必要不可欠なものとして考えられています。 “感覚地図からの一定で正確なフィードバック無しには、運動地図は役目を果たすことができません。そして、相互退化のフィードバック・ループがセットアップされます。感覚地図が悪化すると運動地図も悪化し、そして、感覚地図はより悪化します。” The Body Has a Mind of its Own(邦題:脳の中の身体地図~体は独自のマインドを持っている~) Sandra and Matthew Blakeslee著 “痛みが持続する際に発生する変化の一側面に、一次感覚皮質における痛みを伴う身体部位の固有感覚表現があります。これらの表現は、脳が動作の計画を立て、遂行するために使用する地図であるため、運動調整に影響を与えるかもしれません。身体部位の地図が不正確になると、運動調整は阻害されるかもしれません。皮質の固有感覚地図の実験的混乱が、運動計画を邪魔するということは認識されています。” Lorimer Moseley:南オーストラリア大学健康科学学部 臨床神経科学科教授・理学療法学科長

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腰痛を抱えるクライアントを救うトレーナーのための手引き パート2/2

そこで、あなたはどのように手助けできますか? 記事の冒頭での腰痛に関連する多くの要因のいくつかを振り返ってみるならば、それらの大部分は、トレーナーの影響を受けえる可能性があります。 トレーナー達は、最も優秀な者にとってさえ扱いにくく議論を引き起こすテーマである、病理学や診断のように、ほぼすべての領域において援助の手を差し伸べる立場におかれています。腰痛診断の複数要因の解釈における良い記事がここにあります*ここをクリックしてください*。 痛みと痛みの恐怖、あるいは“腰を痛めること”は、人々の活動レベルに影響を与えます。資格を有したトレーナーの監視の元よりも、何が活動レベルを向上させるためのより良い方法なのでしょうか? 簡単です。運動が手助けしてくれます。ただ運動そのものではなく、どのくらい動くことができるのかという知覚、そして、そうするための信頼度が必要なのです。これは‘制御部位’と呼ばれていて、腰痛の良い結果において重要なのです*ここをクリックしてください*。 腰痛を持つクライアントにとっての適切な活動レベルを見つけ出すことは必要不可欠です。これは‘段階露出’と呼ばれていて、日常的にジムに行く人達が行うような、あるいはプロフェッショナル達が理解している‘トレーニング’というよりも、ただ簡単に動くことが、ある人達にとっては、本質的に素晴らしいことだということを意味しているのかもしれません。特定のウエイトトレーニングや、特定の筋力強化に焦点を置くことは必要ないのかもしれません。 一例として、時折、人々は屈曲時に屈曲への恐怖、あるいは痛みの恐怖のように、特定の運動に問題を示すことがあります。これらの運動を問題的なものとして見るのではなく、それらの運動を再導入しようとすることが重要です。彼らが間違った方法でスクワットをした際に、椎間板が‘破裂する’だろうとただ説明することは、私達がどのように言葉が損害を与えるのかを理解していれば、有益ではありませんし、恐らく事実でもないでしょう。人々は、日常的に身の毛がよだつようなフォームでスクワットを行っていますが、大部分の人達は椎間板を‘破裂’させません。 そうではなく、どのように人々が制限無しで気持ち良く運動できる状態に戻すかが、主な目的であるべきです。以前に問題であった姿勢を、最小限の不快感を伴いつつ、ゆっくりと導入することは、機能的能力の増大に最重要です。 コー・キネティックには、適切な活動レベルに関して考える際に便利な負荷のレベルの尺度があります。 多様性 観察される一貫性のある要因の一つは、人々が進んで運動戦略を変える量を減少させる腰部の‘防御’です。痛みは、更なる問題の原因となる、運動の変化を引き起こす可能性があります。私達は、痛みの原因を特定することはできないかもしれませんが、運動における痛みの影響には確実に気づいて、それを覆そうとしているのです。 痛みの複数要因という性質を考慮すれば、これは、‘コアスタビィティ’のように、単独の関係が無いかもしれない要因を突き止めようとするよりも、より賢明のように思えます。 単純に、人々がリラックスして、より変化に富んだ形で動ける手助けが、トレーニング・インプットの最高の方法かもしれません。この目的は、人々の知覚と、その結果として、運動と運動課題に反応する方法を‘再調整すること’です。 靴ひもを締めることによって起こりえる損傷の程度は、最低限です。ある人達にとっては、この低レベルの運動への彼らの反応が、ない損傷の程度とは比例していない可能性もありますが。 私のお気に入りの格言の一つは、インド人神経科学者のV.Sラマチャンドランによるものです: “痛みは、単なる傷害への反射的な反応というよりも、生命体の健康状態についての見解である。疼痛受容体から脳内の“痛覚中枢”への直通ホットラインは無い。” 前向きに見解に影響を与える方法は、トレーナーにとって、重要な考慮すべき事柄であるべきです。変化に富んだ運動と脅威として認知される運動を段階的な方法で導入し、感覚を鈍感にするために漸進的に負荷を掛けることは、腰痛への賢明で実用的なアプローチのように思えます。 運動の多様性は、特に腰痛を持つ集団において、痛みの影響を受けるということが、研究の中で一貫して示されており、そのため、運動の多様性は、治療上のいかなるプログラムにおいても、論理的に取り組まれるべき要因であるべきです。 この領域において、私は偏ッ多感替えをしているでしょうが、望むべくは、私の偏見は、お気に入りの持論ではなく、入手可能な証拠に基づいたものなのです。 私達は、腰痛を経験している人達の関節と筋肉内レベルでの運動の多様性の減少を見ることができます*ここをクリックしてください*。 この研究は、運動の多様性が腰痛によって影響を受けていたということと、痛みが弱まった後、これらの運動の変化が依然として残っていたということを発見しました*ここをクリックしてください*。 腰痛を経験していて、その後、感度レベルにおける認知知覚と中枢神経系の適合性に変化があり、将来の腰痛発生率に寄与する可能性のある運動戦略を変えられた数多くのクライアントを抱えているかもしれませんから、これは重要です。 この記事の中での腰痛に役立つキーポイントの概要です: 言葉は、損害を与えることもあれば、助けにもなることを覚えておくこと。 特定の診断を手に入れるのは難しく、単一の要因と結び付けられる可能性は低い。 運動が手助けになる。 特定の運動、エクササイズ、筋肉よりも、多様性を考えること。 段階露出とゆっくりとした漸進的な荷重。 安定化と剛性よりも弛緩を導入すること。

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腰痛を抱えるクライアントを救うトレーナーのための手引き パート1/2

腰痛の研究は山のようにあり、私達がソーシャルメディアやインターネットで読んだことが何と書いてあろうと、簡単な治療法と腰痛が起こる原因のどちらも見つけることができていません。 私達に安定性を与えてくれる特定の筋肉、もしくは筋肉群の強さ、あるいは‘正しい’発火については、フィットネス界のいたるところで、多くの人が執着していますが、それら多くの力学に基づいた理論を裏付ける確固たる根拠はありません。 以前、私は‘コアスタビリティー’の概念の背景にある根拠に注目したことがあります。 ‘非特異性腰痛’のような全ての研究や診断のために、長い間、医療界はこの問題に困惑しています。これは力学と単純な二元的思考を優に超えている問題であることがより明らかになっています。 腰痛に影響を及ぼす可能性のある要因は、下記の図からもわかるように数多くあります。各個人に基づいて、それら全てが様々な度合いで考慮される必要があるかもしれません。 もし医療界が、過去20年以上にわたり、この問題を理解しようと努力していたのであれば、コース案内に何がうたわれていようとも、教祖的指導者が開催するいくつかの週末コースに参加することで、このとらえどころのない問題への答えを得ることは恐らくできないでしょう。 何が問題を引き起こしているのか、あなたには全く分かっていない トレーナーが止めるべき最初のことは、原因を見つけ出そうとする、あるいは治療しようとすることです。あなたのコア‘インスタビィティ’、あるいは姿勢のような、一般的なジムで下される診断は、入手可能な根拠によって支持されているものではありません。 この研究*ここをクリックしてください* は、腰痛のある集団と腰痛の無い集団の脊椎にかかる負荷の特性を比較しました。痛みのある集団は実際に、腰椎の不安定性を示すというより、筋肉の同時活性化と脊椎の剛性を増大させました。この共収縮は、脊椎におけるより大きな圧縮力と剪断力と相関性があったのです。 この研究*ここをクリックしてください*は、腰椎の湾曲角度とその角度の腰痛への関連性を調査しました。研究者たちは、この研究のために興味深い集団を選びました。それは、炭鉱作業員です!炭鉱作業員は、重い荷物を背負い、かなり極度な姿勢二なることを繰り返します。 これらの研究者たちは、炭鉱作業員における腰椎湾曲と腰痛の相関関係を発見できませんでした。よって、ここでの設問は、“平均的な人達のハムストリングスの緊張、あるいは股関節屈曲筋の緊張が、腰痛の原因となっている腰椎湾曲を引き起こすのか?”ということです。これは、最近の研究に基づいても、決して簡単に仮定を立てられるものではありません。 もし誰かが腰痛の‘解決策’を提案するのであれば、彼らの治療法が腰痛に関連する要因に影響を及ぼしている、あるいは腰痛に効果があるという、十分な根拠をあげなければなりません。これは、潜在的な問題、あるいは解決策として、呼吸、視覚、足、もしくは赤ん坊の転がり方のような、様々な主張にも当てはまります。 類まれなる主張は、類まれなる根拠を必要とするのです! 根拠によって支持されるまでは、理論はいつまでたってもただの理論でしかありません。フィットネス界は、長い間、入手可能な根拠よりもかなり遅れた理論によって支配されていたり、あるいは単に人々に根拠の提出を全く求めていなかったりします。これは問題です。 言葉は重要である クライアントが彼らのトレーナーに何を言われるか。誤った情報に関する問題が、次の問題をも引き起こします。インターネット上の専門家の受け売りで、十分に練られていない‘診断’は、あなたが思っている以上に、ただ単に損害を与えるだけかもしれません。 言葉は人々に深く影響を及ぼします。人々が腰部に関して抱えている信念は、彼らのある運動を遂行する能力の受け取り方に影響を与える可能性があり、実際に彼らの問題を改善するのではなく、悪化させるかもしれません。 一例として、人々にコア‘スタビリティ’が必要であると言うことは、誰かにとっては、実際に意図していることよりも多くの意味を含んでいるかもしれません。私達が使用する言葉の認知のされ方に関わる記事*クリックしてください*は、多くの人々にとっての、‘インスタビリティ’という言い回しの意味を探っています。 インスタビリティという言い回しは、実際に、“いつ腰を痛めてもおかしくない”、あるいは“何かが少し緩んでいる・・・今にも外れそうだ”というものとして認知されています。 もしあなたが腰に関してこのように感じているとすれば、その感覚は、あなたの運動、あるいは機能にどのように影響を与えるのでしょうか?筋肉の共収縮の増大と弛緩の減少は、すでに腰痛と関連しています。よって、これらのタイプの言い回しを使用することは、実際に、痛みのダイヤルを下げるどころか、上げてしまい、痛みを増大させるかもれません。 言葉が損害を与えるのと同じだけ、言葉は助けになることができます。痛みの教育の分野のリーダーの一人であるAdriaan Louw氏は、痛みの作用の仕方に関しての理解を手助けすることが、人々にどのように好影響を及ぼすかについて着目しました*ここをクリックしてください*。 彼のグループの系統的レビュー“The Effect of Neuroscience Education on Pain, Disability, Anxiety, and Stress in Chronic Musculoskeletal Pain(慢性筋骨格痛における痛み、身体障害、不安、ストレスへの神経科学的教育の効果)”は、下記のように結論付けました。 “慢性筋骨格痛障害にとって、痛みの神経生理学と神経生物学に取り組んでいる教育的戦略は、痛み、身体障害、破滅的状況、身体能力に対して好影響があるという有力な根拠がある。”

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ファンクショナルとは、一体何を意味しているのでしょうか? パート2/2

インプットとアウトプット(続き) ストレングストレーニングは、多くの異なる機能を向上させる、全般的な生理学的効果を身体に及ぼすでしょう。同様に私達は、望むスポーツにおける、パフォーマンス向上のためのクロスオーバーを確実にするために、特定の運動と力ベクトルを鍛える必要があるかもしれません。 私達は、中枢神経系への運動の知覚された脅威レベルが、受傷後に増大することを発見するかもしれません。それは、道理にかなっています。一度噛まれたら、用心深くなるということです。痛みは、私達の警報装置の一つです。私達は、危険に直面した際に、防御するために、痛みや運動系の反応のような、数多くのアウトプットを選択することができます。防御機構の反応は、実際の脅威レベルと常に相関関係にあるわけでないことを、私達は知っています。 しばしば修復される必要のある機能性のひとつの領域は、実際の運動の脅威レベルと神経系がそれを知覚する方法の間の較正です。身体は、危険レベルを決定するために、多くの要素を使います。これらは、感覚フィードバックと過去の経験を含みます。簡潔に言えば、これは、損傷を引き起こした以前の状態に身体をおくことは、その状況への反応に変化を生じさせるかもしれないということを意味しています。よって、望ましい運動への調和の取れた反応を得るために、私達は負荷やスピードのような、運動パターンと変数をかなり明確にする必要があるのかもしれません。これはしばしば、許容レベルから開始し、段階的に露出を行い、最終的には、関連する運動におけるファンクショナルな真の強度レベルに達するということを意味しています。この特定されたプロセスは、多くのリハビリテーションプログラムにおいて不足しており、それは、よりファンクショナルな状況においての、再受傷の要因の一つであるかもしれません。これは、構造的適応において、関連する力ベクトルへの組織の露出にも当てはまるでしょう。 SAIDの原則は、常に存在します。スイミングが、私のゴルフに影響を及ぼす可能性のある、有酸素時のコンディションに影響を及ぼすかもしれませんが、私はそれでも、パッティングの練習をしたいと思います! 力の発生の割合は、臨床的状況というよりも、ファンクショナルな状況において、私達がより多く目撃するかもしれない変数要素です。例えば、私達の体重をサッカー競技場を横切るように加速させることです。それはまた、前十字靭帯再建手術を受けた患者において、最大筋力の回復のような、より従来型の臨床的変数が使用された後でさえも、充分に開発されない変数要素のひとつでもあります。 痛みを取り除くことは大切です。痛みを取り除くことと、恐怖なく制限の無い活動に復帰可能な程に強健であることは、かなり異なったことです。強健さを達成することができていないのであれば、恐らく、あなたはまだ‘ファンクショナル’ではないでしょう。 私達が行っていることのほとんどは、幅広い観点の両端を含む連続体のように見えます。機能とは関連性のないことを行って、ファンクショナルな結果を得ることは可能ですが、同様に、ファンクショナルな成果を得るために、機能を正しく理解する必要があるかもしれません。しかし、全ては、その個人を中心とし、彼らが今ある状況と目指していることの間のギャップを埋める、論理的プロセスに回帰するのかもしれません。 ファンクショナルな基準 では、もしギャップを埋めたいのであれば、どのくらい遠く、どのくらい高くなど、反対側に何があるのかを最初に知る必要がありますよね? そうでなければ、橋の作り方が分かりません。 私達の環境におけるファンクショナルな要求を反映すると考え、私が使用している、いくつかの単純な基準があります。このように、常に完全に特定的にならずに、大まかによりファンクショナルになることも可能です。私達は現代的なライフスタイルの中で、変化の乏しい運動習慣を経験しているため、人々の運動経験と能力は、大抵の場合、蝕まれています。これは、私達の神経、筋肉、結合組織、脳の健康にとって、何を意味しているのでしょうか? 能動的 クライアント主動で行い、運動スキルと疼痛反応を変化させるための能動的学習経験を作り出し、習慣、行動、パターンを壊すことです。 統合 複数の部位を動員し、運動連鎖を使用する運動を用いることで、多くの構造を通して、力の総和と散逸が可能になります。 三次元的 多くの‘エクササイズ’は、多次元世界と多次元関節環境の探求に関して、制限されています。三次元的であれば、運動能力と運動の多様性を増大させることが可能です。 身体の重心を動かすこと 身体重心をうまく制御すること。ウォーキング、ランニング、投球を考えてみてください。ほとんどの機能は、どこかに減速と加速を含んでいます。 タスク駆動型 私達の運動のほとんどは、タスクを遂行するための要求によって動かされているのであって、個々の筋肉を収縮させるためではありません。持ち上げること、引くこと、手を伸ばすこと、曲げることは、いくつかの例です。これらの活動において、それぞれは、特定の方法ではなく、様々な方法で遂行される必要があります。 力との相互作用 耐え、利用する必要のある重力と床反力に私たち自身をさらすこと。これは、段階的に行う必要があるかも知れません。

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ファンクショナルとは、一体何を意味しているのでしょうか? パート1/2

ファンクショナルという言葉は、日常的にトレーニング、リハビリテーション、治療に結び付けられていますが、実際何を意味しているのでしょうか?定義はあるのでしょうか? それは、様々な人達にとって、様々なことを意味しているかも知れませんし、実際は、全く何も意味していないのかもしれません。まさにこの理由で、私達がここで使用する用語は、“価値のある運動”、あるいは“意味のある運動”ですが、全ての流行の言葉同様、人々はファンクショナルという言葉を認証し、好むようでもあり、時には、その用語に対して、とても強い否定的な感情を抱いているように思われます。 評価、あるいは治療において、ファンクショナルは、臨床的ではなく、受動的というよりも、より能動的な運動を単に意味しているのかもしれません。一つ以上の観点を持つことは重要です。ある一つの状況の中で発生していることが、単純に別の状況に反映されないということは、より明白になってきています。ほとんどの人達が、そのの人生において、臨床環境の外で時間を過ごすわけですから、これは有益な見方であるというのが私の意見です。 それは、身体を分離した筋肉や骨として見ることから離れ、この基本原則に基づき、更に相互作用する部位に関連する運動をエクササイズの基礎とするということをも意味しているのかもしれません。 私達の成果をより高めるために、これらの一般的な基本原則にもう少し磨きをかけることができるでしょうか?それは、特定の問題に関する理解も重要です。もしランニングスキルを向上させたかったり、痛みを改善するためにスキルを変えたいのであれば、私達はランニングの機能とクライアントの走り方をより理解する必要があり、それに従って、歩行の再訓練が発生するでしょう。 機能性に関する私の最初の見解は、まずクライアント主体でありたいということです。これは、私がある専門家に‘ファンクショナル’だと言われた、私が参加した講座、あるいは、YouTubeのビデオで観た一連の動作を選択するのではなく、私は今、目の前に立っている個人にとってのファンクショナルとは何かを、考えているということを意味しています。 私達の目の前に立っている個人にとって、何がファンクショナルであるかを客観的に定義することができますか?私はこの見解に悪戦苦闘しています。 個人 一流のサッカー選手、あるいはおばあさんを想像してみてください。両者は異なる要求、要望、耐性を有しています。彼らは、痛みのない、あるいは、パフォーマンスの向上を伴って遂行したいと思う、異なる特定の運動を有しているかもしれません。もちろん、両者にとってスクワットのパターンは、非常にファンクショナルな運動ですが、全く同じスクワットなのでしょうか?私達が行うことのできるスクワットの方法には、莫大なバリエーションがあります。 おばあさんは、より快適にバラを刈り取るために、回旋と前屈を伴った様々なクワットをしたいのかもしれません。サッカー選手は、試合中の要求に適応するために、様々な脚の幅で行うスクワットを必要としているかもしれません。おばあさんは、長い時間その姿勢を保ちたいかもしれません。サッカー選手は、そのポジションにできるだけ素早く出たり入ったりできる必要があります。 異なる地形、もしくは対戦相手/ボールを取ろうとする行為への反応をするサッカー選手のように、あるいは足を滑らせたことに反応するおばあさんのように、両者は環境要因において、利用可能なスクワット・パターンのレパートリーの中で、能力、多様性、変動性を必要とするかもしれません。両者にとって、従来のジムで行われているスクワットでは、彼らの要求のための万全の準備をすることはできないかもしれません。それは、私達が従来の方法のスクワットを用いることができないということを意味しているのではなく、従来のスクワットに適応することができ、さらに応用することもできるのです。 この能力、多様性、変動性の増加は、再受傷するか、あるいは痛みの無い機能を得るかの違いなのかもしれません。私の見解では、これは確実にファンクショナルです。 このように、何がファンクショナルなのかを定義することは非常に困難になります。定義づける代わりに、私はファンクショナルを下記のように考えています: “個人の要求を認識し、彼らがこれらの要求を遂行、あるいは向上させる手助けをすること” 機能性をいくつもの評価、スクリーニング、運動、あるいは定義に分類することは本当に困難です。柔軟性の無いプロトコルは、可変的な論理的思考プロセスによって置き換えられる必要があるのかもしれません。トレーニングと治療の多くの領域において、それは真実のように思われます。 インプットとアウトプット ‘ファンクショナル’という言葉を議論する際には、2つの学派があるようです。 一つは、望ましい結果を得るためのインプットは、その機能のように見えなければならない、というもの。それは、ゴルフスウィングを向上させるために、私達はゴルフスウィングのように見える、より多くのエクササイズを行う必要があるということを意味しているのかもしれません。もう一方は、インプットは私達に有益なアウトプットを与えてくれる全てのものかもしれないというもの。私達は、運動の複製という点では、直接関連していない何かを行うかもしれませんが、例えば、痛みを取り除く、あるいはドライバーの飛距離を伸ばすことができるのです。 私は、両方の理論に同意します。 関節周辺の運動能力を向上させることは、私達が多くの機能をよりうまく遂行することを可能にしています。それは、単独の機能のようには見えないかもしれませんが、多くのパフォーマンスに影響を与えます。同様に、神経系が異なる姿勢や剛性レベルに対応する手助けをすることは、受傷後に見られるかもしれない防御的な運動系の反応の感受性を低下させることができるかもしれません。さらに、これは非特異性かもしれませんが、多くの特性、あるいは痛みのレベルに影響を及ぼします。 一例として、もしあなたがテニスのサーブのような、痛みを引き起こすけれど、パフォーマンスに重要な特定の運動を向上させたいのであれば、私達はその特定の運動そのものを理解する必要があるかもしれません。もし私が、特定の運動の中で、特定の強度でのみ、神経障害痛を経験しているとすれば、これに関連するスキル(運動/神経パターン)、生体力学、神経力学を誰かに理解してしてほしいでしょう。どのくらいの頻度で人々は、“XXXをする際に、痛みがあります”と言うでしょうか?私達はその状況を評価する必要があるのです。

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コアスタビリティ − 重要なのか?エビデンスをみる パート3/3

有効性 Xue-Qiang Wang およびその他(2012年)は、コアスタビリティ・アプローチの特定の有効性を研究する目的で、“A Meta-Analysis of Core Stability Exercise versus General Exercise for Chronic Low Back Pain(慢性腰痛におけるコアスタビリティ・エクササイズと一般的なエクササイズを比較したメタ分析)” を実施しました。メタ分析は、単回調査よりも正確性を提供し、アプローチと個々の研究のサンプルサイズの変動を考慮に入れていますが、十分な均質性が必須とされています。包括的な用語“コアスタビリティ”において、アプローチ間で多くの変動をもつこの種の研究は重要です。 この研究者達は、コアスタビリティ・エクササイズと一般的なエクササイズを比較したRCT’s(無作為対照化試験)のみを含みました。彼らは疼痛強度、腰部の特定機能の状況、生活の質、常習的欠勤に焦点を合わせました。28件の研究の内、わずか5件だけが、研究基準を満たしていました。RCTは、治療と結果の因果関係を究明することを願って、介入の有効性と効果を見つけ出す代表的なアプローチであると考えられています。多くのコアスタビリティに関する研究が、対照群や、介入の関連性を価値のあるものにすることが可能な基準、自然治癒、あるいは慢性腰痛のように周期性病変においてみられる平均値への回帰のような、介入と結果に関連するかもしれない第三因子を排除する基準など、必要な基準の全てを盛り込むことに失敗しました。それ故に、このメタ分析において、全てを盛り込んだ研究は、少数に限られたのです。時に、何もしない対照群が用意されることもあり、よって、本質的に、二つの異なる介入を比較するのではなく、‘何もしない’グループよりも ‘何かする’グループが有利に働くような 研究もおこなわれています。しかし、この決定は、通常、倫理に基づいています。もし根拠が通常のケアに何の効果もないと示唆するのであれば、倫理的に‘何もしない’対照群が利用されます。しかし、もし根拠が通常のケアに効果があると示唆し、目的が介入(例:コアスタビリティ対通常のケア)を比較することであれば、倫理的に通常のケアが与えられるべきです。 これは、興味深い結果を生み出しました。短期間での、コアスタビリティの介入における痛みと障害の程度は、一般的なエクササイズよりも優れていました。しかし、慢性腰痛について考察していることを考慮すると、6か月では有意差は認められませんでした。よって、コアスタビリティ・アプローチは短期間で、何らかの効果をもたらしましたが、慢性腰痛の治療には効果がなかったということになります。彼らの実際の結論は下記のとおりです: “一般的なエクササイズと比較すると、コアスタビリティ・エクササイズは、短期的には、痛みの減少に対してはより効果的であり、短期的に腰痛を患っている患者の身体的機能を改善させるかもしれない。しかし、長期的には、一般的なエクササイズを実施した患者に対して、コアスタビリティ・エクササイズを実施した患者において、痛みの強さに有意差は認められなかった” コアスタビリティ群における、より優れた短期的成果についての考えられる原因は、いくつかのコアスタビリティ・エクササイズにおける低負荷/低強度に関連していて、そのために、患者の耐性が優れていた可能性があります。しかし、これは純粋な仮説でしかありません! Mannionおよびその他(2012年)は、 “Spine stabilisation exercises in the treatment of chronic low back pain: a good clinical outcome is not associated with improved abdominal muscle function(慢性腰痛の治療における脊椎安定化エクササイズ:良好な臨床結果は腹筋機能の改善とは関連していない)” において、素早い腕運動の間の“腹部ホローイング(ドローイン)”時に、腹横筋、内腹斜筋、外腹斜筋を活性化する能力の向上との関連性に着目しました。この研究もやはり、Hodgesの最初の研究のパラメーターと一致しています。 治療前から治療後にかけて、障害レベルと平均疼痛レベルにおいて、多少の改善はありましたが、それらの改善は、筋活性化の変化と優位に相関しているわけではありませんでした。テストされた筋肉のうち、腹横筋にのみ、随意収縮における改善が確認されました(確率値4.5% P=0.045)。 彼らは下記のように結論付けました: “側部腹筋の機能の基準値、あるいは安定化エクササイズ・プログラム後の改善は、良好な臨床結果における統計上の予測ではない。従って、治療結果が、これらの体幹筋群エクササイズの特定の効果に起因すると考えるのは困難である” Marshallおよびその他 (2013年)は、“Pilates exercise or stationary cycling for chronic nonspecific low back pain: does it matter? a randomized controlled trial with 6-month follow-up 研究においても、短期的に対象とした特定の腰部エクササイズ(SEG)は、対象としていない介入(この場合はサイクリング)よりも優れた結果を示したようです。特定の体幹エクササイズを行ったグループにおいて、8週間後に障害は著しく低下しましたが、痛みはそれほど低下しませんでした。恐怖回避思考は、SEG群では8週間後に減少しましたが、サイクリングマシン群では6カ月かかりました。 しかし、6か月後には2つのグループ間で、臨床的に重要な変化に関する差異は報告されませんでした。患者群には慢性的性質があるため、短期的な成功の程度は、長期的な結果ほど重要ではありません。長期的には、結果として両方の介入は類似しており、研究者は、慢性腰痛に対して、どちらも推奨しえると結論付けました。   コアスタビリティ・エクササイズの介入における短期的な結果は、コアスタビリティにだけ起因するのでしょうか、あるいは患者の信条のような他のメカニズムに起因するのでしょうか?より一般的な介入と比較する際に、長期的有効性の欠如に対して、短期における改善の方が優れている理由を理解することは有益でしょう。 興味深いことに、研究者たちはこう述べています: “SEG(特定の腰部エクササイズ)群において報告される、自己報告による測定における改善の大きさは、サイクリングマシンと比較して、より臨床的に普及しているリハビリテーション・エクササイズである、ピラティスを受けることへの参加者の先入観によって困惑させられているかもしれない” 長期的な結果が類似しているにもかかわらず、患者達は一般的な運動が損傷を与えると認識しているかもしれないのに対し、コアスタビリティ・エクササイズは、慢性腰痛に対して、とても良く浸透しています。 結論 私達は、より一般的なエクササイズと比較して、‘コアスタビリティ’エクササイズによるいくらかの短期間の効果を考察したものの、このアプローチは、長期間にわたって、より効果的であるようには思えません。慢性的性質を持つ患者グループのニーズを考慮すれば、この種の介入は、慢性腰痛を持つ患者において、特定の治療形態としては効果が無いと見なされる必要があるでしょう。認識されている臨床的に‘関連のある’治療を受けることは、短期的信条に影響を与えることができるのでしょうか?あるいは、ひょっとすると、低負荷に起因した、より優れた耐性のせいでしょうか?この背景にある考えられるメカニズムをより明らかにすることは、興味深いことです。 典型的な痛みと介入の適合の提案は、中枢神経系における痛みへの、多くの、そして変化に富んだ筋活動の適合を真に反映したものではないかもしれません。慢性腰痛を持つ患者の筋活動パターンは、より近代的な筋電図を用いた、痛みへの適合に関する研究結果に基づき、個体差がありタスク依存の傾向があるでしょう(Hodges 2011年)。 筋活性化のタイミングには、疼痛レベルの減少、あるいは職場復帰の準備の認識と    正、あるいは負の相関があるようには思えません。活性化のタイミングを変化させようとする試みは、実際の活性化の開始にはほとんど影響しないようです。病態生理学的見地、運動制御、心理社会的要因を組合わせたアプローチは、より成功する可能を持つかもしれませんが、これらのアプローチに関するレビューは、この記事の目的ではありません。 多くの運動と運動制御エクササイズは、慢性腰痛にとって有益かもしれません。特に、多様性を持つ活性化戦略を考慮すれば一つの介入の形態が、全ての場合に適しているわけではない可能性があることは、研究結果によって浮き彫りにされるように思われます。 可能な運動における多様性の増大と、個人の機能的欠如とタスク特定のニーズに基づいた特定の運動戦略は、運動に起因する問題において、最良の結果を生み出すかもしれません。もし治療すべき客観的欠如を発見することができなければ、その個人そのものを治療することは、唯一の選択肢のように見えるでしょう。 個体差に焦点を合わせる際、エクササイズへの一般化したアプローチは、一般的にいう‘コアスタビリティ’エクササイズと大差ありません。慢性障害の痛みに関する教育と共に、その他の適用可能な介入と並行して、運動と病理学との関連性は、最良の行動指針であるのかもしれません。

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コアスタビリティ − 重要なのか?エビデンスをみる パート2/3

タイミングの問題(続き) Moresideとその他(2013年)もまた、健常者と腰痛から回復した患者における体幹筋の活性化について、彼らの研究論文“Temporal patterns of the trunk muscles remain altered in a low back injured population despite subjective reports of recovery(回復したという主観報告にもかかわらず、体幹筋群の時間的パターンは変化したままである)”の中で着目しています。 Moresideとその他は、低度の疼痛スコアで、進んで仕事に戻る準備ができたと認識を示した回復した患者であっても、彼らはまだ、筋肉の活性化パターンの変化と筋肉の活性化のより大きな振幅を持ってることを発見しました。 これらの場合、‘正常な’筋肉活性化のタイミングと筋活動の回復は、彼らの疼痛経験が低下するのに、必ずしも必要ではない、あるいは疼痛経験の低下の要因とはいえないようです。同様に、特に高負荷と低負荷エクササイズを用いて、これらの活性化パターンを変えようと試みることは無駄であるということも証明しました。記録されたいかなる変化も、痛みの軽減との関連はありませんでした。 これらの人達がまだ筋肉の活性化パターンの変化を示していることから、実際には問題から解放されていたわけではないということを示唆しているかもしれません。これは除外することができません。今後の痛みと筋肉の活性化の両方、あるいは一方の変化をみる経過観察が、これをよりはっきりとさせるでしょう。しかし、体幹筋の活性化のタイミングに焦点を合わせることは、研究が行われた時間枠の中で、特に効果的ではなかったようです。 通常の日常的な治療において、臨床医は、見たところ‘不良な’発火パターンを識別するための、高価な筋電計を持っていません。使用可能な測定基準は、認識されるレディネスと疼痛スコアだけです。 HodgesとTuckerは、彼らが2011年に発表した研究論文“Moving differently in pain (痛みにおける運動の変化)” において、慢性痛患者における筋肉の活性化に関して、異なる見方を示しました。 “既存の理論は、筋肉全体の行動において、相対的に型にはまった変化を予測するが、これは観察されておらず、適合の変数パターンは、臨床の集団の中において、識別される。” 彼は、下記のように続けています: “他の筋肉の行動の変化は、個人特有であり、恐らくタスク特有でもある。これは、筋系が多数の重複性(複数の筋肉が同様の目的を達成する)を持つ体幹のような複合システムにおいて最もよく見られる。” 筋肉の行動の型にはまった変化をみないという事実は、一貫性のある型にはまった行動を作り出そうという試みを制限すべきです。どのようにしたら、何が筋肉行動を変えるのかを知ることができるのでしょうか?もし複数の筋肉が同様の目的を達成するのであれば、様々な人達は、仕事をやり遂げるために、筋肉を動かすための様々に異なった戦略を用いるかもしれません。‘正しい’方法は存在しないという、かなりの可能性がありますが、タスクに関連し、タスクによって変化する筋肉の間には多くの方法があり、それらは、機能に特定した活性化です。 私のお気に入りの引用の一つに、19世紀イギリスの有名な解剖学者Charles Beevorのものがあります。彼の原理にはシンプルに述べられています: “脳は筋肉を知らず、運動のみを知っている” 彼はまた、1903年英国医師会において、“On Muscular Movements and their Representation in the Central Nervous System(筋肉運動と中枢神経系におけるその表象)”と題する演説を行いました。それは、時代の先を行き過ぎたものでした! 筋肉内と筋肉間の活動と力学的挙動の再分配は、痛みへの防御と負荷の再分配に関わっています。これはまた、痛みの恐怖がある際にも発生する可能性があります。痛みのある、あるいはその周囲/筋肉における抑制と興奮は、臨床的に実証されています(Hodges 2011年)。活性化パターン/タイミングの効果・目的は、防御戦術を提供することです。 神経系は、運動ニューロンの興奮性、皮質抑制、あるいは運動計画の変更とう、広範にわたる末梢と中枢の活動を増大、減少、再分配する選択肢を持っているのかもしれません。 すべての腰痛のための単一の治療法を見つけ出そうとする試みは、身体的・心理社会的に関連する多くの要因を伴う、とても難しい注文のように見えます。 航空会社に勤務する3,020人が持つ腰痛に関する前向き研究“A prospective study of work perceptions and psychosocial factors affecting the report of back injury(腰痛の報告に影響を及ぼしている仕事の認識と心理社会的要因における前向き研究)” (1991年)では、痛みの発症において、仕事に対する満足度が大きな要因であることが発見されました。仕事を‘ほとんど楽しんだことが無い’と答えた被験者は、仕事を‘ほとんどの場合楽しんでいる’と答えた被験者より、2.5倍も腰痛を報告する傾向が強かったのです。研究者たちは、個人の身体的、心理社会的、職場環境の要因を考慮に入れました。注目すべき重要なポイントは、腰痛の既往歴もまた今後の腰痛の発生における要因だったということです。

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コアスタビリティ − 重要なのか?エビデンスをみる パート1/3

特に腰痛に関して、痛み軽減とパフォーマンスの向上のために‘コア’や‘体幹’のスタビリティと活性化に焦点を合わせた多くのメソッドや治療があります。第1部では、慢性腰痛(cLBP)における‘コアスタビリティ’アプローチの影響に焦点を合わせます。 腰痛のための一般的な処方は、医療従事者から、そして専門家ではない人達からの、‘体幹の安定化’や‘体幹の強化’のプログラムのように思われます。臨床でも幅広く使用(Xue-Qiang Wangとその他 2012年)されると共に、一般的なメディアによる報道によっても証明されています。 活性化パターン、実施、特定の構造の重要性に関して、様々な有力な理論がありますが、この記事は、痛み、身体障害、恐怖回避の信条のような、臨床的な結果に関する研究と根拠を考察することによって、アプローチの実際の有効性に焦点を合わせます。 肝心なことは、これが、人々が本当に気にしていること、単に、それが彼らの痛みを取り除くことができるのかどうかということです。痛みを軽減するためのアプローチの有効性は、本当に痛みの軽減が可能かどうかによってのみ評価されます。 数多くの研究、特に系統的レビュー、あるいはメタ分析を考察することによって、これが、研究のパラメーター、方法論、サンプルサイズにおける、これらの変化を考慮に入れていれば良いと思います。 このような慢性腰痛の広がりの中には、きっと何かがあるはずですよね? タイミングの問題 1990年代半ばから後半にかけて、HodgesとRichardsonは、腰痛を患っている被験者の体幹筋の活性化に関して、最初の研究を行いました。彼らの焦点の多くは、腰痛を患っている被験者における腹横筋活性化のタイミングの遅延に合わせられました。“Inefficient muscular stabilization of the lumbar spine associated with low back pain. A motor control evaluation of transversus abdominis(腰痛に関連する腰椎の非効率的な筋肉の安定化−腹横筋における運動制御の評価)”における彼らの結論は: “腹横筋収縮の遅発は、運動制御の欠如を示唆し、脊椎における非効率的な筋肉の安定化を引き起こすと仮定される” 彼らは、“Delayed postural contraction of transversus abdominis in low back pain associated with movement of the lower limb(下肢の運動に関連した腰痛における腹横筋の遅延性姿勢収縮)”と、記録された様々な四肢運動を予測した腹横筋と体幹筋肉の活性化において、一貫した遅延を伴う“Altered trunk muscle recruitment in people with low back pain with upper limb movement at different speeds(異なる速度で上肢の運動を伴い腰痛を患う人々における体幹筋の動員の変化)”を含む数多くの研究論文において、腹横筋と体幹筋肉の活性化について研究しました。 腰椎安定化の欠如は、一見したところ、主な焦点は腹横筋に合わせられ、腰痛患者の痛みの経験の一要素であると仮定されました。これは、腰椎の安定と‘不安定性’と痛みを軽減するために、腹横筋とその他の腹筋群の活性化の開始を向上させるためのエクササイズの実施につながり ます。 私達が問うべき最初の疑問の一つは、タイミングの遅延は、痛みの原因なのか、あるいは痛みの影響なのかということです。もしそれが影響なのであれば、筋肉の活性化に焦点を合わせることは、無駄な努力であることを証明しているかもしれません。それが、有効性の指標として、私達が理論だけでなく研究にも着目しなければならない理由なのです。私達は、因果関係ではなく、相互関係をみているのでしょうか? 症状のある患者と症状の無い患者の間に存在したタイミングの差は、例外的に小さな時間の単位で、50分の1秒、すなわち約20ミリ秒でした。‘コア・ストレングスニング(体幹強化)’という用語もまた人気を集めましたが、測定はすべてストレングスではなく、タイミングを中心に行われたということを指摘しておきます。私の知る限りでは、ストレングスの向上がタイミングの改善を意味するわけではありません。そのような小さな時間の単位では、患者の意識的な制御の域を超えているかもしれず、意識的、あるいは意志に基づく活性化に焦点を合わせたエクササイズを行うのは厳しいかもしれません。 また、どのように体幹筋群が活性化するのかを測定することと、体幹の臨床的パフォーマンスと同様に機能的パフォーマンス像を作り上げるために、異なる運動パターンにおける相対的なタイミングを測定することは、価値のあることでしょう。これは、体幹の活性化に関する、包括的な理解を私達に与えてくれるかもしれません。 Vasseljenとその他 (2012年)は、“Effect of core stability exercises on feed-forward activation of deep abdominal muscles in chronic low back pain: a randomized controlled trial(慢性腰痛における深部腹筋のフィードフォワード活性化を用いたコアスタビリティ・エクササイズの影響:無作為化比較試験)”において、低負荷コアスタビリティ・エクササイズ、あるいは高負荷スリング・エクササイズから構成されるコアスタビリティ・プログラムを実施し、8週間以上にわたり体幹筋肉群の活性化の変化に着目しました。変化は、一般的なエクササイズを行った対照群と同様でした。彼らは、それから、体幹筋群のフィードフォワード活性化を、Hodgesの最初の研究で行われたものと同様の腕の運動で比較しました。 8週間にわたる低負荷コアスタビリティ群、高負荷スリング・エクササイズ群、一般的エクササイズ群を含む無作為化比較試験(RCT)の後、腹筋群活性化の開始は、低負荷コアスタビリティ群、および一般的エクササイズ群と比べて、高負荷スリング・エクササイズ群、15ミリ秒から19ミリ秒のみ変化しました。 どのグループにおいても、痛みに関して実際の変化は報告されませんでした。 彼らは下記のように結論を出しました: “慢性腰痛患者における8週間のエクササイズは、腹筋群活性化の開始にあまり影響を与えなかった。活性化開始の変化と腰痛の間に、関連性は無い”

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動作をスクリーニングするべきか? パート2/2

スクリーニングの事例研究 動作だけでなく、私達の持っている情報を集め、スクリーニングを発展、あるいは調整するために、その情報を利用することができるでしょう。そうすれば、スクリーニング電池のように、身体的資質を反映するスクリーニングを集積していくことができるのです。 前十字靭帯損傷はかなり手に負えないもので、シーズン中で最も重要な時期にスタープレーヤーを外すことになるかもしれないわけですから、前十字靭帯損傷の危険をもたらす可能性のある状況に対応する方法に関して情報を与えてくれる何らかのスクリーニングには行う価値があります。 この分野に関する研究は数多く存在しますから、私達が利用可能ないくつかの基準を得ることは容易なはずです。 では、私達は前十字靭帯損傷について、何を知っているのでしょうか? 前十字靭帯損傷は、片脚に発生する 前十字靭帯損傷は、より高速度/高出力が掛かった際に発生する 前十字靭帯損傷は、膝の三平面全てに作用する力によって発生する 一般的に、着地時、あるいはカッティング/方向転換時に発生する 前十字靭帯損傷の危険性を調べるためのスクリーニングを開始するにあたり、私は動作に基づいたいくつかの基準を持っています。スクリーニングは、迅速かつ簡単に実施でき、できれば複雑すぎる説明、あるいは機器を必要としないものが望ましいですが、これらは必要であれば、後で行う本格的な評価において使用することができます。 始めるにあたり容易であるように、荷重分配の大部分を片脚に置きます。つまり、これは片脚制御の生体運動の分野にあたります。 前十字靭帯損傷が発生する際に反映される、膝に作用する力の向きをいかにうまく制御するのかを見たいと思います。結局のところ、ただ真っ直ぐなラインを上下に、あるいは中へ外へと移動するだけで、膝を負傷にする人は多くはありません。よって、私達は、これらの力を発生させる運動/運動学を取り入れるのです。 基本的な片脚スクワットパターンは、前十字靭帯損傷の原因となる足が地面に着いている状態でのカッティング、あるいは着地動作の際にしばしばみられる、固定された脛骨に対する大腿骨のトップダウンの影響を与えてはくれないでしょう。ここで固めることは好ましいことではありませんが、必然的に経験する関節可動域をどのように制御すれば良いのでしょうか。 選手たちが低速度と高速度において、何を行う能力があるのかを見ることができるようになりたいのです。異なる速度で観察された制御と資質において、大きな差異はあるのでしょうか?また、スポーツにおける傷害や疲労は、しばしば前半と後半の終盤にかけて発生します。 本質的に、スポーツに関連する運動において見られるような、骨盤の運動を経由して膝に作用している、異なるトップダウンの力を提供するように調節された片脚の評価に辿り着くのです。 私達は、膝に作用している力を効果的に減速させる、制御のきいた運動学的な領域を経験することよりも、剛性と硬直を‘制御’として提示することを人々に期待していると、よく思います。 私達は何を期待することができるのでしょうか? 骨盤に対しての膝の位置(第一趾よりもやや内側) 股関節優位の戦略と膝浅屈曲位 − 負荷は下腿の関節に拡散 制御されていない強い膝の外側偏位、あるいは内側偏位 脚/膝の過度な硬直 下腿の運動戦略の過度な変動性 体幹の位置 運動方向が変化する際、必須とされる外反膝制御の度合は著しく変化します。この映像は、前十字靭帯再建術の5年後のものであり、回転力の要素を含む片脚スクワットを制御している際に、明らかな制御の欠如(明らかな内側偏位)が見られます。

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動作をスクリーニングするべきか? パート1/2

FMSに関しての多くの議論において、先週、私と同じくらいに自説を曲げない人が、大して価値も無い私のブログに、どうしても干渉せずにはいられないらしいので、このブログを書くことにしました。 かなり以前に、ムーブメントスクリーニングについて書きました(ここをクリックしてください)。 恐らく、私達はスクリーニングがああでもない、こうでもないと話をするのではなく、何のためにスクリーニングをすべきなのかに着目するべきなのです。これは、何かを批判するということではなく、異なる視点を示しているのです。 スクリーニングは迅速に実施できて、特定の部位における身体能力に関する見解を私達に与えるべきものです。私達はしばしば、スクリーニングに期待をし過ぎてしまいます。スクリーニングは何が間違っているとか、時には‘理想’に不具合があることを示すかもしれせんが、恐らく、正確にそれが何であるのか、それを矯正する方法については示していませんし、どうするべきであるのかに関しても示していません。そ、うではなく、スクリーニングは、何かをさらに詳しく評価するきっかけになるべきなのです。もしかすると、何かこのように。 スクリーニングにおける低い得点は、より詳細な評価やビデオやセンサー技術の使用を含む、より深い評価プロセスへと導きます。 動作をスクリーニングするべきか? この記事の要点をまとめるとすれば、答えは、とりあえず、明確な!というところかもしれません。 私の個人的見解では、身体的資質は、恐らく個々の動作よりも重要です。私達が高いレベルの能力で操作する必要があるかもしれない、数多くの資質があり、もしかすると、かなり高い可能性で、これらは傷害の危険性を減少させるかもしれません。これらについては、後ほど説明します。 正しく遂行する運動をいくつも‘選定’することに関る問題は、万人にとっての正しい運動というものは無く、同じ運動を二回繰り返しても、全く同じであるということはほとんどないということです。 あらゆるスポーツの試合をビデオで見て、実際に試合中に行われているバリエーション豊富なスクワットやランジを分析してみると、時には可動域の途中まで、時には最終可動域まで達しますし、またある時には素早く、ある時にはそこまで素早くなかったりします。スクワットやランジは、多様な角度と異なる荷重分配で行われています。 では、制御されたジムの環境下で一般的に行われる動きの、とても厳しく規制され不自然なバージョンの動作を使って、私は実際に何をスクリーニングしているのでしょうか?その動作をその方法で実施することができる能力、そのものをスクリーニングしているのです! もちろん、ウェイトルームが個人の活動において、主要な環境である場合を除いて、個人的には、ウェイトルーム内ではなく、フィールド上で発生する動作をスクリーニングしたいのです。 本質的に、着目すべきいくつかの基準があれば、いかなる運動もスクリーニングなのですが、多くの人にとって、あまりにも多くのものを示し過ぎているかもしれません。ですから、何かより組織的にまとめられたものへのニーズは常にあるでしょう。 毎回あなたが誰かにエクササイズを教えるたびに、本質的に、あなたが出す指示に対する彼らの理解に基づいて、あなたはスクリーニングをし、適正な負荷を選択するでしょう。その通りです…スクリーニングです! もしうまくいけば、ただより重いウェイトを選ぶだけかもしれません。私達は、推測をしないように注意しなければなりませんが、負荷とスピードは、“この研究”からわかるように、運動のパフォーマンスに影響を及ぼします。負荷を増やす理由もまた、スクリーニングそのものなのです。 私の考えでは、危険性と動的活動能力の両方を最も反映する生体運動能力は、下記のとおりです: 方向転換 片脚着地/減速 重心の移動とその減速 三平面にわたる片脚バランス制御 片脚のパワー出力 これらの資質の全てが、傷害、受傷後に影響する資質、あるいは運動能力に必須であるというデータがあります。傷害の既往全てが、今後の傷害に関する最も大きな指標になります。 身体的欠陥をスクリーニングすることによって、今後の傷害の発生、あるいは再発を減らすことができるでしょうか?例として、前十字靭帯損傷を持つ女子サッカー選手の着地時の膝制御のための神経筋トレーニングに関して、これが可能であることは確実に理解できます。 そこで、評価のために、これらの資質それぞれをまとめる必要があります。これは、評価される生体運動スキルにチャレンジするために、適正な力のレベルを提供するホップ、着地、ランジのような運動を通して行うことができます。 また、これらの運動が、疲労感、スピード、負荷、あるいは慣れないポジションの増加のような、さまざまな状況で、どのように行われるのかをみることができる必要があります。 問うべきもう一つの質問は、低負荷で、厳格に行われている動作が、その人が試合の中で傷害の危険に晒されているのかどうか、そして、私達が評価プロセスをより深く掘り下げて調べる必要があるのかどうかということを、如実に示してくれているのか?ということです。

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運動の変動性と痛みやリハビリテーションへの関連 パート2/2

リハビリテーションに必要不可欠なもの では、いったいなぜこれがリハビリテーションにとって重要なのでしょうか? 簡単に言えば、痛みは運動を変化させるのです。 私達が重要な関係性を発見した、運動の変動性に対する痛みの影響に着目することから始めましょう。いかなるリハビリテーションプログラムも、個人のその後の機能における痛みの影響に着目すべきです。研究によって浮き彫りにされた機能性の欠如を対象にすることは、リハビリテーションにおいて、‘最良の実践’と考えられるべきです。 痛みのある状態での運動への適合は、しばしば有益です。足を引きずることは、運動パターンの変化を通して、傷害組織への負荷を軽減させる絶好の例です。これらの変化は、回避の特異的パターンにおける場合だけではなく、運動のスピード、範囲、変動性においてもみられるかもしれません。身体のシステムは、傷害部位とそれに関連する部位に起こる、機械的剛性の増大、運動の変動性の減少を通して、‘防御’を作り出します。  これらの変化における概要をより詳しく述べたHodgesの新しい研究論文は、*ここをクリックしてください*。 下記は、私のお気に入りの引用文の一つです: “痛みへの適合は多くの短期的な効果をもたらすが、長期的な影響をもたらす可能性がある” ~P Hodges - Moving differently in pain ( 2011年)より 短期的な効果がもはや有益でなくなる際に、問題は発生します。これは、不適合と称されるかもしれません。防御の目的は必要なくなりましたが、誰もシステムに対して、もう充分だと知らせていないのです!特に、もしこの戦略が不変になるのであれば、組織レベルにおける運動の不適合による長期的な影響は、特定の組織への負荷の増大と、あまり使われなくなった組織における失調となり、従って、過負荷のリスクは増大します。 認知レベルにおいて、私達は、恐怖回避行動のような要因が人の運動の変動性を縮小するのを理解し始めるかもしれません。トップダウン(認識)に基づいたアプローチもまた、再度、より変動的になる手助けをするのに有益かもしれません。トップダウンとボトムアップ(身体運動に基づいたもの)が一体化したアプローチは、良好なリハビリテーションに関係する2つの要因に取り組むための、成功を期待できる方法です。 Zusmanは、この研究*ここをクリックしてください*で、優れたプロセスの概要を説明しています。使用される新しい、異なる、今までにない記憶を作り出すことは、この一体化したプロセスを使用しているリハビリテーションの目的なのです。Nijsおよびその他もまた、この研究*ここをクリックしてください*において、同様の概要を説明しています。 不変の戦略はまた、疼痛経験とその痛みの維持を強調する神経系レベル(神経タグ)において、痛みと特定の運動が一体となっている反復的な固有感覚情報を引き起こすかもしれません。私は、‘痛みの記憶’の概念について、この記事*ここをクリックしてください*で考察しています。 Moseley と Hodgesは、運動の変動性は認知的要因と関連があるということを発見しました。そして彼らは、実験的な痛みを経験した後の姿勢の変動性の低下を経験した人たちにとって、元の姿勢の戦略における正常な解決が起こらず、腰痛に関する認知的効果にも関連していたことを発見しました。 これは、腰痛の存続と再発の両方に影響を与える可能性があり、慢性腰痛の発生における潜在的な危険因子に関する研究論文において議論されています*ここをクリックしてください*。また、Jacobsおよびその他による研究論文*ここをクリックしてください*においてもみることができます。 一貫して文献で述べられているように、運動の変動性の低下は慢性痛と関連しています。よって、私はこのことに関して、下記でより詳しく検証してみたいと思います。急性痛は運動の変動性の増加と関連しています。これは、痛くない運動の変化を見つけようとしている運動系によるものであると、理論化することができます。もしある人のシステムが、その運動を変化させる能力を持っていなければ、代わりの戦略を見つけることには、問題があるかもしれませんし、これが慢性化の原因になるかもしれません。 傷害の慢性化における潜在的な素因として、私達は、慢性傷害において鍵となるリハビリテーションの構成要素として、そして、慢性化への移行を阻止する手助けをするための予防対策としても、その素因を見なければなりません。確実にその素因は、既往症が今後の類似した傷害に影響を与える理由に関するいくらかの洞察を私達に与えてくれるでしょう。 Debra Fallaのグループ*ここをクリックしてください*は、19名の慢性腰痛患者を集め、彼らを同年代同性からなる対照群と、箱の持ち上げ作業の繰り返しで比較しました。慢性腰痛群は、脊椎部硬直の増大に起因しているものと仮定される、脊椎からの運動減少を含む運動の変化を示しました。彼らが用いたもう一つの評価基準は、腰部脊柱起立筋の異なる部分の筋電図の活動です。彼らは、慢性腰痛群は、筋肉の同じ部分を使って作業を行っていたことを発見しました。その一方で、対照群は作業の間、筋肉の異なる部位を異なるタイミングで活性化させていました。慢性腰痛群の不変の戦略は、腰部における圧痛感受性の増大と関連していました。彼らは、下記のように仮説を立てました: “筋活動の変動性の低下は、腰痛の誘発と再発に関して重要な意味を持つであろう” この研究論文*ここをクリックしてください*において、著者は12名の慢性アキレス腱障害群と12名の健康なランナーの対照群における、ランニングの運動学に着目しました。彼らは、アキレス腱障害群の全員が、“荷重の独特で一致したパターン”を示した一方、対照群はレベルが増加するにつれて、著しく異なる変動パターン、本質的により高い変動性を示すことを発見しました。 この研究*ここをクリックしてください*において、著者は、以前に脛骨疲労骨折を経験したことのある女性ランナーに着目し、走行距離が同じで脛骨疲労骨折を経験していない女性ランナーからなる対照群と比較しました。彼らは、女性ランナーの両脚間の変動性(協調的変動性)に着目しました。既往症のあるランナーは、健側と比較した際に、患側において股関節−膝関節、膝関節−足関節(最大の影響)の変動性低下を示しました。対照群は両脚間の差異を示しませんでした。 変動性の低下は、潜在的に痛みの原因と結果の両方でありえます。Stergiouは、彼の研究論文“Human movement variability, nonlinear dynamics, and pathology: Is there a connection?(人間の運動の変動性、非線形力学、病理学:関連性はあるのか?)”において、この疑問を検証しました。既往傷害が無い場合の原因要素としての変動性の低下は、今後の前向き研究を通しての調査を確実に必要としています。この研究論文*ここをクリックしてください*は、画一的な職業活動における運動の変動性と、変動の低下がもたらすかもしれないリスクに着目しました。 多様性を持つために、恐らく私達は、固有受容感覚系や大脳皮質の運動野のような正しく機能していて、かなり正確な基本運動ハードウェアを必要とするでしょう。研究論文には、これら両方が痛みに影響されているということがよく解説されています。そして、私達はこれを運動経験の記憶の貯蓄と、私達が変動的で異なる状況と変動する刺激に適合する手助けを可能にする、私が基本的な‘運動の語彙’と称しているものを形成する機能と一体化する必要があります。特に慢性傷害や痛みを持つ人達においては受傷後、これらの基本的な運動の技能もまた、しばしば欠落しているのです。

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運動の変動性と痛みやリハビリテーションへの関連 パート1/2

この1年間、運動の変動性は、より注目を集めており、ますます運動に関する議論に加わってきています。このブログに注目してきた方達は、過去数年にわたり、このテーマが定期的に言及されてきたことにお気づきでしょう。もし私達がこの分野に対する研究を探索すれば、トレーニングやリハビリテーションプログラムには、氷河のようにゆっくりと浸透しているものの、学界においては、かなり長い間、注目されているということを理解されるでしょう。 私達の人体に関する理解は、力学的な観点から離れ、より生物学的な観点に移行し始めてることを望んでいます。これは、身体の一般的な姿勢の変化や‘バランスの悪さ’は、実際には、純粋に力学系で問題になるほどには重要でないということを理解する手助けをしてくれるかもしれません。人間の生体系の耐性は、恐らく、私達が評価しているよりも優れているのです。 機構に対する怒り 今日教えられている主たる考え方である力学系の枠組みの中では、身体の操作は、精密機械と見なされています。もし機構の一部が破損、あるいは操作のために設定された正確で制限されたパラメーターから外れて操作されれば、それが機構全体に災いを及ぼします。私達はしばしば、そこに明らかな相関関係が無いときにも、はっきりと定義されていない理想と、様々な傷害や疾病に関わる体内での理想的な関係性からの逸脱に責を求めます。 痛みと痛みと姿勢の関連は、‘過回内’や筋発火パターンとタイミングのような概念のように、申し分のない例です。運動は全く同じで、客観的に定義されている‘正しい’運動の方法が多くないために、非難され、その代わりに、私達は広範なパラメーターの‘標準’を持っているのです。 人間は、単に機械の様なものではなく、異なる耐性、適合、適合率のように、身体を操作する多種多様な方法を持っています。生物有機体としての人体は適合し、その耐性を増大させる一方、金属には破損する限界点があります。ウォルフの法則は、ジムに通うことのように好例です。必要以上に私達の適応機構に頼っていると、時折、私達はこれらの耐性を超えることもあります。 運動の中の変動は、従来、‘エラー’と見なされていました。これらの‘エラー’は、余剰で、もはや必要とされていないものとして見られ、実践を通した従来の運動制御モデルにおいて、このエラーは排除されれば良いと考えられていました。現在、運動‘過剰’の概念という、全く異なる見解が提案されています。余剰な要素が、むしろ利用されるべき身体能力のプラス面として理解され、実際、運動に極めて重要なのです。このLatash氏の論文、“The bliss (not the problem) of motor abundance (not redundancy)((余剰ではなく)運動過剰の(問題ではなく)至福)”*ここをクリックしてください*が、この新しい見解の概要を見事に説明しています。 私達がエクササイズを教えられる際に、静的な解剖学に基づいた筋収縮で、定着した‘的確な’方法に基づいた筋肉を対象にすることを目的とした‘正しい’テクニックを見せられます。そのエクササイズは、繰り返されることを目的とし、柔軟性に欠け、特異的な結果に対して恒常的です。特異的で不変な過負荷は、より大きく、より強いものを作るときの狙いです。もし運動が可変的ならば、そうなるために筋肉は機能しなければなりません!私達が解剖学と運動に関して教えられる際に、この基本的現実は省略されています。恐らく、力学モデルには複雑すぎるのかもしれません。 1930年代のBernsteinによる、金槌でのみを打つ鍛冶屋を対象にした研究において、経験豊富な、作業に基づいた職工は、“反復の無い反復”を示し、金槌による打撃の軌道は、安定した反復可能なパフォーマンスに必要な低い変動性を示したことを発見しました。技能の終点は同じでしたが、関節の角度や部分的な変動性は高かったのです。 この部分的な変動性は、協調変動性*ここをクリックしてください*と呼ばれています。これは、反復される技能のパフォーマンスと、その特異的過負荷に対してパフォーマンスを維持し、その崩壊を防ぐ能力にとって必要不可欠です。例として、これはランニングと変動性の減少に非常に関連していて、膝蓋大腿関節痛に関して議論されています*ここをクリックしてください*。健康なグループにおいて、疎結合が基準でしたが、 膝蓋大腿関節痛を患っているグループのランナー達は、部分間で密結合(低変動性)を示しました。 Seayおよびその他*ここをクリックしてください*は、現在腰痛を患っている被験者のグループと、腰痛を一度経験している被験者、腰痛を過去一度も患ったことの無い被験者のグループ間で、変動性における差異を発見しました。受傷者、あるいは傷害から回復した被験者と、過去一度も患ったことの無い被験者のグループの間の変動性における差異は、リハビリテーションにおいて、私達が注目する必要があるかもしれない要因において、価値ある洞察を私達に与えてくれるかもしれません。 このことに関する更なる詳細は、後ほど述べます。 彼らの結論は、下記のとおりです: “これらを基に、データは、一度の腰痛発作にさえ関連するパフォーマンスの欠如と傷害リスクの増大への洞察に役立ち、臨床医は腰痛のためのリハビリテーションを処方する際に、痛みの解決のその先を見る必要がある” 運動の変動性は、生体系の中に本来備わっています。本来備わっているだけでなく、過負荷によるリスクの減少にとって有益で、その能力が、私達を取り巻き、絶え間なく変わる環境の中で発生する事象への適応を可能にしています。一流のアスリートが、何時間も熱心な練習を行っても、精密で不変の運動を繰り返し再生することはできません。最良の運動をする人達は、パフォーマンスの制約と前後関係による数多くの多様性を用いて、同様の安定した終点技能を遂行することができます。弾力的で強固であることの一部は、変動性の中にあるのかもしれません。負荷への耐性能力は、私達の協調変動性を介して、幾分、内部で必要な処理が行われる方法に関わっているかもしれません。 運動が研究され、その研究されたグループの手段を反映するために、しばしばデータは均質化されます。この飲み込まれてしまった重要なデータではなく、*ここをクリックしてください*存在する広範囲の運動変動と、これが私達に示しているかもしれないことをより理解するために、私達はまた、人同士の相互関係(人と人の間)と情報の内部(タスク間変動)に着目すべきです ここに私が集めた、運動センサーを着用した同一人物による、5回のシングルレッグ・スクワットの例があります。それぞれのスクワットは、計測によって微妙に異なります。 自分で行う小さな実験として、あなたの名前を同じ場所に10回繰り返し書いてみてください。そのうち何回、寸分違わずに書けましたか?どれも大体同じような輪郭を描いていますが、ピッタリと重なることは絶対になく、あなたが何千回も練習している運動でも同じことでしょう。

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