動作の非対称

ファンクショナルムーブメントスクリーンに関する、セミナーのビデオからの抜粋。グレイ・クックが動作の中の非対称性に関して、様々な例と共に詳細な解説をします。

ファンクショナルムーブメントシステムズ 5:10

どこで治療が終了しコンディショニングが始まるのか?

グレイ、あなたはストレングスコーチでもあり理学療法士でもありますね。あなたの考えでは、スポーツに戻るためのリハビリという点からみて、理学療法をどこで終わらせ、ストレングス&コンディショニングをいつ始めますか? とても興味深い質問ですね。 グレッグ・ローズがタイトリストパフォーマンス研究所の枠組みを整えるために多くのひな形を構築していた時、グレッグと私もこの疑問に直面しました。私たちは、ゴルファーを医療やリハビリテーション、筋骨格系または整形学的対象として扱うのか? それとも、ゴルファーをひとりの人間として扱うのか? ゴルフで観察される特有のニーズやケガに対して私たちは非常に敏感ではありますが、グレッグと私は、それが本末転倒であることに気がつきました。 スポーツの基盤を支えている人間の基本的な動作要素が私たちに備わっていなければ、苗を植えようとしている土壌に、苗が根付くために必要なすべての要素が備わっていないことと同じで、ゴルフの技術を支えることはできないでしょう。それでもゴルフの技術をなんとか教えることができるのでしょうか? イエス。それだけで継続可能ですか? それは、たぶんノーです。負傷したゴルファーにどう対応しようかと取り組み始めた頃、部位の相互依存を示す窮屈な整形外科的処置にとらわれていました。しかし、ゴルファーもあらゆる整形外科の患者においても、症状がある部位と機能障害を起こしている部位が同じであるとは決して考えません。 SFMAは、動きの医学的または臨床的スクリーニング方法および評価方法であり、動きを4つのカテゴリーに分けます。 1) ファンクショナル・ノンペインフル(機能的で痛みなし)は、みなさんがこうであって欲しいと願うカテゴリーです。基本的な環境の変化に適応し、適切に反応するのに十分な症状のないパターンです。 2) ファンクショナル・ペインフル(機能的ではあるが痛みを伴う)では、動きのパターンをやってのけることはできます。動作中にどう感じているかを彼ら自身が表現しなかったり、不快感のサインを見逃したら、痛みを伴っているかどうか気づかないかもしれません。 彼らが紙袋を頭からかぶっていたら、ランジに問題があるでしょうか? あるいは、完璧なランジであったにも関わらず、彼らが膝の痛みを訴えて初めて問題に気が付くのでしょうか? 私たちは皆、膝の外反に気づくことはできますが、これらの兆候に気づかず見逃したしまうことも多くあります。 もし、彼らが痛みを感じていることを教えてくれるならば、ファンクショナル・ペインフルであることが分かります。これらをマーカーとして利用します。この時点では強化したりストレッチしたりする部位は特にないので、治療を行う必要はありませんが、動作パターンが症状を誘発するということは知っておくべきでしょう。マーカーとして頭に置いておいておきましょう。 さらに、痛みと動作が相互作用するカテゴリーが他にも2つあります:ディスファンクショナル・ノンペインフル(痛みを伴わない機能不全)とディスファンクショナル・ペインフル(痛みを伴う機能不全)です。 3) ディスファンクショナル・ペインフル(痛みを伴う機能不全)は、痛いので遂行することができないということを示しています。パターンが痛みを誘発しているのか、痛みが機能不全パターンを誘発しているのかは分かりません。ここでは2つのことが考えられます。この領域は、私たちが痛みを伴う人たちへの対応に関して、経験豊富な専門家でない限り、直接携わることはありません。片脚立ちや前屈、後屈から始まりすべての動作パターンを実施したら、これら4つのカテゴリーに分布されるのが分かるでしょう。最後に、ディスファンクション・ノンペインフルというカテゴリーがあります。 4) ディスファンクショナル・ノンペインフル(痛みを伴わない機能不全)は、ストレングス&コンディショニングと理学療法が交差するところです。私がこれらの2つを繋げるとは思わなかったでしょう? ここでは、スクワットやランジ、片脚立ち、体幹の回旋、コアの安定化における基準を、私たちがお互いに最低限理解している必要があります。ディスファンクショナル・ノンペインフルは、無症状の状態ですが、動作の状況として見逃せない重要な兆候です。 ストレングスコーチ、パーソナルトレーナー、体育の教員など、私たちは皆、ムーブメントスクリーニングで4つのカテゴリーに当てはめることができます。しかし、臨床でいくつかの動作は痛みを伴い、いくつかの動作では痛みがなく、しかも顕著な機能不全がみられる場合、素早く自分の役割を考えましょう。 これらのポジションを利用したり、手技療法やリセットやテーピングなどを施したりしてみることができます。無症状の機能不全パターンに対してさまざまな対処ができます。微調整してみて、そして、もう一度ファンクショナル・ペインフルのパターンを行い改善しているかどうかチェックします。機能不全が問題を引き起こしていると提言しているのではありません。そうでないと証明できないということを言っているのです。 症状を悪化させるパターンよりも症状を悪化させないパターンに遭遇することの方が多いので、ここでは症状を悪化させないパターンをみてみましょう。症状を直接刺激することなく隠して分からなくし、間接的にこれらの症状に影響を及ぼすことができるかみてみます。このような現象はよくあることです。 では、他の方法を試してみましょう。ディスファンクション・ノンペインフルのパターンで合意し、窮地から脱するためのコレクティブエクササイズで意見が一致することは、理学療法士やストレングスコーチ、パーソナルトレーナー、体育の教員の互いの仕事の領域を尊重することになります。私たちは皆、動作を改善することができますが、痛みによって症状が複雑化し悪化するようであれば、全く異なる尺度で状況を読み取る必要があります。まったく異なるレベルの責任が発生し、上手くいかないことも多くなるかもしれません。 痛みを伴う状況では、たいていの運動反応は予測不能で一貫性がないことを覚えておいてください。これが学習環境だとは考え難いですね? 線引きはここにあります。痛みを伴う場合、適切に対処できる誰かに任せなければなりません。そして、戦略を理解してくれる誰かに任せ、さらに、症状がなくなったならば次の戦略を立てるまた別の誰かが必要となります。ここでみんなが協力し合うのです。

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自己制御式エクササイズの価値

著書である“ムーブメント”では、自己制御式エクササイズとは何か、そしてこのタイプのトレーニングがいかに私達の弱点や欠点を暴くかを説明していますが、昨今のフィットネスやスポーツ文化において、どのようにこの専門技術を、患者やアスリート達に浸透させればよいのでしょうか? ケトルベル運動の1つである、ターキッシュゲットアップにまつわる話から始めましょう。 遠い遠い昔、ストレングスの学校に行ったとすれば、そこには、とてつもなく強靭な人達が集まっていたことでしょう−高重量の物を持ち上げて、あなたは、”先生、どうか重い物の挙げ方を教えて下さい”と尋ねます。そこで教わるのは、ターキッシュゲットアップでしょう。 あなたがターキッシュゲットアップで、左右共にかなりの高重量を扱えるまで、彼らは何も教えてくれないでしょう。そして “片側で重い負荷を持ち上げて立ち上がることができ、向きを変えて逆側でも持ち上げて立ち上がることができれば、私達の所へ戻ってきなさい。超高重量の持ち上げ方を教えよう”と言うでしょう。 言い換えれば、”モビリティ、スタビリティと左右対称性をしっかりと備えなさい。キャリーが習得でき、適切な柔軟性を獲得できれば、強くなることを助けてあげましょう。なぜなら作業の90%はそれで完結するからです。私たちはただ、あなたが数年かけて自分で覚えるテクニックをいくつか見せるだけです。”これが教育というものなのです−あなたが私達の話に耳を傾け、そして実行した試してみた時により良い方法を教えることなのです。 こういった昔話には、人生の教訓が詰まっています。映画””ベストキッド”を思い出してください(どの作品でも大丈夫)。あなたはただやみくもに壁を塗っているわけでも、車のワックスをかけているわけでも、庭に砂を撒いているわけでもありません。動きのパターンを学んでいるのです。これらのパターンを、後に攻守一体となった闘争的な動きに役立たせる為に使うのです。 この比喩表現が理解できない患者さんもいるでしょう;現実においては厳しくしなくてはいけないこともありますし、次のレベルに進むのを制限しなければいけないこともあります。プログレッションは潜在的リスクを背負うこともありえ、かなりの規模で適合能力に欠けてしまうこともあるでしょう。 能力に制限があると、次のレベルに適応することは難しくなります。ですから次のレベルで受けるストレスや要求される複雑性、能力へのアクセスを制限するのです。そのレベルは統計的に見ても適応には向いていません。今のレベルでやるべきことがいくらでもあるのですから。 自転車の補助輪はあなたをより良いサイクリストにしてくれるわけではありません。とも言えます。ただ単に、トレーニング量を増やし、自信をつける段階で怪我をしないようにしてくれるだけです。補助輪は、あなたの自転車に乗る能力を修正してはくれません。一つのレベルであなたを怪我から守るのです。補助輪を取り除くまで自転車の乗り方は覚えられません。なぜなら補助輪がある限りバランスは重要ではないからです。 一般的な西洋的メンタリティーを考えてみてください。私達はバランスよりも前方に推進することを重んじます。前方推進力は大切です。いかにバランスを保つかなわけですが、もしバランスをとらずに前に進もうとすれば、きっとうまくいかずに何度か転ぶでしょう。私たちは、そうやって学んでいくのです。 アリストテレスは、”痛みなくして学び無し”と説いています。自分の子供達のために環境を設定する時、アクシデントは起こるものです。私達はアクシデントの度合いをコントロールできますし、学びの度合いもコントロールできるのです。 私はよく、沢山の高齢者が片脚バランスの取り方を学ぶ為に、この “ストーク”トレーニングを行っているのを目にします。床から 1.5cmから3センチの高さの小さなバランスビームを置いて、スキーのスティックやステッキ、杖のような物を使って歩かせることもできます。5mを歩き終わったら、ピボットして向きを変えて、スティックを床に置くように指示するでしょう。彼らは完璧なフィードバック・ループを持っています。”何回バランスを失ったか?”と聞けば、彼らは正確に何回か答えるはずです。 成功と失敗は表裏一体であり、これこそ脳が求める学習法なのです。 私達は能力というものをはっきりと定義づけ、セラピストと患者が互いにこの能力に同意したときに、自己制御ドリルを設定するのです。もし患者がセラピストのコレクティブエクササイズでフィードバックを得られなければ、それは評価の一部となります。もしあなたが出したホームエクササイズで患者がフィードバックループを得られなければ、ただ紙一面に書かれた数字、セット数、回数を渡しているだけ担ってしまいます。それでは人を動かすことはできません。 計画的なトレーニングの状況で、人を動かすことができるのです。計画的トレーニングは自己制御エクササイズです。行き当たりばったりではいけません。しっかりとした目標に向かって球を打つのです;いつ的を打つのか、またいつ的を打たないのかを認識しなければなりません。計画的トレーニングの本でお薦めの2冊は:ザ・タレント・コードとタレント・イズ・オーバーレーティッドです。 もしあなたが愛する家族の為にトレーニングメニューを作るのであれば、セラピーにおける多くのエクササイズプログラムがこういった形で作られるでしょう。ですから誰に対しても大切な家族として扱うというのが私からのアドバイスです。感覚に富んだ環境、ゆっくりと確実なプログレッション、独立的で持続的であれは全てうまくいくことでしょう。私があなたの母親を自分の母親のように接し、もしあなたも同じように接するのであれば全てがうまく行きます。 そこには、我々が理解すべき倫理と同意すべき基準があります。もしあなたが倫理的にその基準を保持しないのであれば、職業があなたに対して対応するでしょう(もしくは生活、社会または商業的なものが対応するでしょう)。あなたは容認可能な仕事のレベルを最低限に落とすこともできますし、自分で基準を引き上げて、コミュニティーがそれを受け入れるのを見ることもできます。 私は交渉を避けるために、これらの自己制御エクササイズを使っています。人は交渉に持ち込むことを好むのです(あなたが自分のダイエットプランを作成する人とバトルすることを想像して下さい)。これは出来る?あれはどう?両方出来ますか? ムーブメントにおける我々の第2の原則は “修正する前に保護し、発達させる前に修正する”ことです。あなたを守らなければならない。何よりまずあなたを私とその環境から守らなければいけません。次に、何が正しくて何が悪いのかを理解する必要があります。なぜならあなたは、実際にできないスクワットや取れないバランスをできると思い込んでいるからです。 あなたは地域歩行者で、片脚立ちでは10秒以下だとします。地域を歩き回ることが可能であり、実際練習においては歩けるので地域歩行者であると思っています。しかしあなたはとても高いリスクを背負っているのです−あなたが転ばないことに賭けることはないでしょう。これが私達のやり方なのです−率直な会話。強硬派です。 生命兆候が我々に与えてくれるものは、これなのです。視覚検査においては強硬でなければなりません。正常の視覚から離れているときに何をするのか、私達は知っています。動作が受け入れ可能な生命兆候や標準から程遠い場合、何をすべきかをはっきりと理解する必要があります。もしコンプライアンスに問題がある場合は、単にさらなる話し合いの場を持つか、あるいは患者を解雇します。シンプルなことです。 多くの人が笑い飛ばすでしょうが、私達がセラピーやコーチング、そしてトレーニングですることの多くは、単に理にかなったアドバイスです。どこかのポイントでそのアドバイスが受け入れられなかった場合、特にそれが患者にとってのリスクになる場合、あなたのアドバイスに価値を見出さなかった患者との関わりを持つのを望まないということを表明することは重要です。 それでは、私は誰かを首にする必要があったでしょうか?ありません。以下のような話し合いを持つだけです。 “もちろんあなたを好きなようにさせてくれるドクターは沢山いますが、あなたはここに来るまでに自分の好きなようにやってうまくいかなかった。ですからここは私に任せて下さい。何をどうやって変えるのかをお見せします。変化がなければ正直に伝えますし、またその変化をどうやって計測することができるかもお見せします。” “私達はただあなたの症状を計測しているわけではありません。症状に加えてあなたの機能を計測して、機能と症状は関連性を持っていることを表明しようとしています。なぜなら症状がムーブメントや機能との関連性を持たなければ、ムーブメントベースのセラピストがあなたに適しているかどうかもわからなくなってしまいます。もし私があなたの症状にムーブメントの要素が関わっていることが証明できなければ、他の専門家への照会を考え始めなければならないでしょう。”

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学校体育:子供達に運動をさせる理由とは?

アメリカでの学校体育は至るところで、その牽引力を失っています。これは恐らく良い事なのでしょうが、少し振り返ってみてみることにしましょう… 学校体育とは、バランスのとれた身体的チャレンジの表象の場であるべきです。これらのチャレンジは測定可能であり、健康的で有能な人間を作り出すためにデザインされています。それらは斬新でバリエーションに富み、時に失敗する機会も与えてくれます。 しかし、この失敗というのは管理可能なものです。失敗は管理可能なだけでなく、生徒達が発見するという教育的な道のりでもあります–とても良く考えられたフィードバック・ループなのです。 答えが与えられるわけではありませんが、でもすぐそこにあるのです。高レベルの身体スキルの獲得と共に、より大きなチャレンジが身体問題の解決能力と肉体強化の為に課せられます。 今日の環境は、存在する生命体に左右非対称のチャレンジを提供します。 物理的な存在というものは成功するためにもう必要不可欠ではないのですが、物理的存在はバランスのとれた人間である為には必須なのです。 バランスのとれた人間であれば、一つの活動を強化する為に他の活動を排除する必要はありません。そういったことは強さが不自然でアンバランスな方法で得られた時にのみ生じます。全てのエリアにチャレンジすることは、その得意な効果よりもはるかに優れた方法で全体を構築してくれます。 最初の話に戻りましょう…アメリカの学校体育は至る所で、その牽引力を失いつつあり、そしてそうです、私は、それは良い事であると言いました。 学校体育は滅びつつあります。なぜならその目的である「身体的自立」を満たせなくなっているからです。Dr.エド・トーマスはこれを教育全体へ結びつけるフィジカル・リテラシー(身体能力)と呼んでいます。 なぜ子供達に足し算をさせるのでしょうか?なぜ子供達に読ませるのでしょうか?そうすることによって、彼らの生活に役立つ必要不可欠なスキルを使い続けることができるからです。 それではなぜ子供達に運動させるのでしょうか? 1950~70年代の学校体育を考えてみて下さい。この年代に学校体育に出会った人達のほとんどは、現在自分達の健康やフィットネスを自分で管理する方法をわかっていません。ほとんどの人が基本的な健康とフィットネスの基礎において他者に過度に依存しています。その学校体育は効果がありませんでした。 彼らの人生の初期段階における学校体育の効果とは何だったのでしょう?それは生涯を通じた健康とフィットネスを管理する為の、身体的な自立と先を見越した行動を提供するために作られたのでしょうか? または様々なスポーツで使う様々なサイズのボールを紹介する為でしょうか? もし遊び、練習、トレーニングの最適な定義を思い起こすのならば、人生の初期段階において、私達のアクティビティのほとんどを占めるのは、遊びであるとわかるでしょう。 その遊びのほとんどは自然で教育的です。失敗を通しての教育であり、時に落下したり、切ったり、擦りむいたり、痣ができたりして痛みを伴います。遊びは引退して自由な時間ができた(願わくば)人生の後半においてもとても興味深いものです。私達は再び痛みに襲われるでしょうが、これは環境に関わるためではありません。痛みをすでに、そこにあるのです–私達の健康への管理不足により、遊びはもはやオプションではなくなっているのです。 遊び、おそらく身体をより調和のとれたバランスで回復させる方法のひとつ、これにアクセスをすることができなくなる。なぜなら痛みは運動制御をランダムに、そして予想のつかない方法で変化させてしまうからです。 人生の初期の教育的な痛みは、環境が私たちの動作を研ぎ始めることによって、その人生にこっそりと戻ってきます。私達はそれを調和のとれた方法で管理するのではなく、抑制してしまいます。抑制することで、そのシグナルを無視するのです。シグナルを無視することで、非効率性や機能不全、障害などが私達にその力を押し付けるのです。それらは私達の構造を変化させ機能を破壊します。 もしこの不自然な過程が、ゆっくりと継続して起こるとすれば、私たちは、起こっているこの衰えを認識することもないでしょう。そしてある時、スナップ写真やビデオで見たことのあるような能力は、もう発揮できなくなっているのです。その記憶は、あなたの頭の中よりも写真の中にハッキリと写っているのです。 動く能力を失ってしまったのです。 どういうわけか、フィットネス、スポーツパフォーマンス、減量、一般的な身体準備、戦術訓練やその他全てのフィジカルコンディショニングにおいて、私たちは機能より外見に注目するようになってしまいました。機能に目を向けなければ、健康とフィットネスという2つの分野において一貫した確固たる機能的問題点を理解することはできないでしょう。 もしもエクササイズが、日常活動がバランスのとれたフィットネスを生み出さない場合の効果的なサプリメントであるとするならば、なぜそれがこんな残念な副作用が起きるのでしょう? 今やエクササイズ自体が怪我のリスクファクターなのです! よりエクササイズに参加する人ほど、より頻繁に怪我をするのです。 エクササイズに接する機会が多い、つまりは機会が多い分怪我する割合も増えると論争することもできます。エクササイズに触れる事自体、価値のあるものだとしても、動きが管理されていなかったり洗練されていないと、やはりそれは良い事ではなく悪い事にもなり得るのです。 そうです、「正しく動く」前に沢山動くのは問題なのです。 なぜって?じゃあ身体の特性もしくは活動で、バランスが取れていないのに負荷をかけるべきもの、ストレスをかけるべきものの名前を上げてみて下さい。私達のシステムは、バランスがとれて機能的であれば、ストレスをかけることで成長します。しかし、もしそれがアンバランスで機能的でない場合には、あまりに長いチャレンジを強いられ、回復を超えて怪我になるか、完全に壊れてしまいます。 医療科学は、ムーブメントを含まない一連のバイタルサインを発展させてきました。なぜ私達はムーブメントを他の身体のシステムと同じように扱わないのでしょう? 血圧の重要性は、私達が確実で実践的にテストする能力を得る100年前から認識されています。私達は今、ムーブメントの問題を一貫して効果的に区別できる所にきているのです。能力はすべてのレベルのフィットネス教育において得ることができ、そこには密接に結びついたヘルスケアとパフォーマンスモデルがあるのです。 システムはムーブメントフィットネスが構築される基盤として ムーブメントヘルスを生み出す為に作られています…そしてムーブメントフィットネスこそが学校体育が作られた目的なのです。 ではなぜムーブメントにはバイタルサインがないのでしょう?この間違いを続けていくわけにはいかないのです。

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原始パターンの重要性

原始動作パターンは、多くの場合パフォーマンス向上とフィットネスにとってあまり重要なものとして捉えられてはいません;しかし、これらのパターンの動作に対しての影響は決して見落とせないものです。原始動作パターンは、ほとんどの人間の発育と発達の過程における動作を説明する為に使われていました。これらの基礎的動作はローリング、押し上げ、四つ這い、そしてクローリングを含みます。クローリングやローリングのような動きがいかにしてフィットネスやパフォーマンス向上、そして一般的な健康へと繋がるのかを理解するのは難しいかもしれませんが、簡単に答えれば、それは全てなのです。基礎的動作の向上は効果的なファンクショナルムーブメントへと導く基礎となります。その基礎は、機能向上やパフォーマンス向上におけるエクササイズプログラムのアプローチではしばしば忘れられがちです。 ファンクショナルパフォーマンスの最初のルールは、まず基礎を忘れないことです。私達は、可動制限のない赤ん坊としてこの世界に入ってきます;それから自分たちの過可動なシステムを安定させる方法を学び、すぐさま動作へと発展させます。私達は一般的に、フィットネスやパフォーマンス向上において原始パターンと考慮されるポジションを毎日使っています。ブリッジ、プランク、四つ這いやあらゆる仰向けまたはうつ伏せでのアクティビティは原始パターンであると考えられるでしょう。赤ちゃんはこういったタイプのモビリティーとスタビリティのポジションをハイレベルのファンクショナルムーブメントとロコモーションの為に成長過程において探求するのです。 多くのフィットネス専門家の方々は、プログラムのなかで特定の原始動作を使ってはいますが、こういった動作はたいていパフォーマンスの全体的なボリュームを向上させる為に利用されていて、質や効率性の為ではありません。多くの場合、私達はブリッジやプランクを取り入れてますが、片脚ブリッジやサイドプランクの能力を評価して左右差をチェックしたことはあるでしょうか?四つ這いでの対角線パターンはチェックしますが、回数を数えて両側の質を観察するでしょうか?クライアントやアスリートが、片側は努力無しでローリング出来ても反対側では全く違った動作パターンで苦労していることを考慮したことがあるでしょうか? フィットネスとパフォーマンス向上の専門家は、基礎的動作を見落とすことが多くありすぎます。なぜなら一般的なフィットネスやアスレチックな対象者においては、多くのハイレベルな動作を容易に目につく欠点なく実行できてしまうからです。多くの場合、人は制限と非対称性のために、代償パターンや非効率的な動作パターンを使って動作を行っています。ファンクショナルムーブメントスクリーンは、最初に、これらの制限や非対称性を識別することで、原始パターンに関連する優れた考察を与える為に紹介されたのです。 基本的な原始動作パターンは、理学療法において脳卒中のリハビリテーションの一部として長い間使われてきました。理学療法士は、もし脳が制限を認知しなければその周りで代償作用が起きることを理解して、神経系の問題を扱っています。代償とは生存メカニズムであり、あなたがクライアントやアスリートのモビリティとスタビリティの問題への識別を怠った時、彼らは代償という道を選択するでしょう。大きな筋群や主動作筋群を使って、これらの原始パターンを様々なレベルの効率性とクオリティーを伴って遂行することは、まず不可能でしょう。主動作筋群を排して、安定筋が実際の生活環境で機能するように観察することが良いでしょう。私達が犯す最大の過ちの一つは、従来のストレングス&コンディショニングの常識を安定のためのトレーニングに持ち込んでしまうことです。安定筋は、毎日ほとんどの場面で静的なポジションで活動するように作られていて、関節のアライメントと身体の姿勢を保持しています;10回3セットや従来のストレングストレーニングには反応しないのです。安定筋はエクササイズで肥大するようにはデザインされていませんが、正しいボリュームのトレーニングによって、筋骨格系をサポートし関節を保護してくれます。これにより、より優れた主動作筋群や大筋群によるパフォーマンスが可能となるのです。 安定筋のトレーニングにおける1番の誤解は、エクササイズの意識的な実行です。サイドプランクやシングルレッグブリッジ、またはローリングをおこなう為に色々と考えるべきではありません。こういった動きはコーチングされるべきではないのです。もし反射安定を見ることがなければ、あなたのクライアントやアスリートが安定を効果的、または効率的に使えていない可能性が高いのです。反射安定は動作や活動を見越した、安定筋による自然で自動的な反応(コーチングやキューイング無し)なのです。 反射安定が起きる為には、何らかの柔軟性アプローチで、まず適切なモビリティが確立されなければいけません。適切なモビリティが確立されたならば、適切な反射安定を妨げる制限と非対称性を改善する為に原始パターンを利用すべきです。 例えクライアントやアスリートが、中殿筋や腹横筋のような重要な筋群を収縮して孤立化できたとしても、彼らがそれらの筋群を機能的シチュエーションで効果的に使えるという保証はありません。効果的な動きやシステムのスタビライズの為に、筋肉と関節は適切なタイミング、コーディネーションとコミュニケーションで使われなければいけないのです。ただ単に筋を収縮させることは、その筋が適切に働くことを示しているではありません;これは、筋と脳がどうにかして繋がっているということを示しているだけです。私達はこの仮説を大昔に立てました。エクササイズ能力と安定筋の収縮能力は、単にそれに活動能力があることを示すのみであり;これは安定させるという最も重要な役割を実行する能力を示すものではありません。 次に機会があるときに試すことができる、原始パターンの安定テクニックをチェックする簡単な方法は下記の通りです。 シングルレッグブリッジの観察、左右両側、最初は静的なホールドの質、それから左右を比較して連続した反復の質をチェックする。 サイドプランク能力の観察、質とアライメント両方、そして次に量として、ホールドの秒数チェック。 よりアドバンスのクライアントやアスリートのプッシュアップの観察。プッシュアップのスタートポジションにつくように指示する:肘は伸展し、脊柱ニュートラルで右脚を持ち上げる。右脚を上げたままプッシュアップを連続して行い、骨盤と肩の間の安定性の低下をチェックする。難しさや安定性の低下が見られたとき、完遂したレップ数を記録し、その後左脚を上げて同様に行う。シングルレッグプッシュアップは上肢の運動中の胴体と股関節における安定への努力度を示します。これはレップ数や疲労を通してどのように安定性が低下していくかの素晴らしい展示となります。 四つ這いでの対角線はの可塑性をチェックできるもうひとつの運動です。この運動では、対角線パターンを作る為に左右逆の上肢と下肢を持ち上げます。私達はこれを、適度な抵抗と下背部にフォームローラーや丸めたタオルなどを置いて自然な脊柱のカーブを作る指示をして行うことを薦めています。あまり脊柱のニュートラルにこだわり過ぎないようにして下さい;クライアント又はアスリートには、シンプルにレップの進行中にロールを落とさないように指導しましょう。クライアントやアスリートにはゆっくりと、安定してレップをこなすように促し、腕と脚はしっかりと伸ばした長さに設定して、そこから軽度~中強度の抵抗でのレップ数を記録します。質とレップの数両方共に、反対側の対角線パターンと比較します。理想的なテスト状況はその人が20~40回の間でできることです;それゆえ、それに沿った抵抗を選択してレップ数とレップの質を反対側と比べます。その人のレベルやエクササイズの経験に関係なく、右と左の能力の違いに驚かされることでしょう。 原始パターンを考慮することは、あなたをより直感的で知性あるフィットネス専門家にする手助けとなります。私達はしばしば発育と発達を考慮することなくエクササイズのエキスパートになりますが、それこそが動作の基礎が最初に確立されるポイントなのです。例えば、クローリングを最初に確立せずに歩く子供はいません。しかし私たちはしばしば、理論上クローリングパターンの表象である四つ這いの対角線パターンすら考慮せずに、スクワットやランジ、デッドリフトを指導し過ぎる傾向にあるのです。 子供は適切な安定性を持ち、モビリティの制限なしに、自然に対称的に成長します。優先的な活動や怪我が、ほとんどのフィットネス専門家やパフォーマンス専門家が人が歳を重ねる毎に向き合うこととして納得しているアンバランスさや非対称性を生み出します。残念な事に、こういった問題を無視したり見落として、更なる代償作用や非対称性を作り出しているトレーナーやコーチ達は沢山います。 もっとも知的なフィットネスやパフォーマンス専門家はこういった非対称性や制限を見逃しません;彼らはこれらに真っ向から立ち向かいます;負荷を変化させて、ポジションにより負担を減らして問題の原因を修正する為に原始パターンさえも使うのです。 現代のフィットネスとトレーニング科学は、極度に乏しい機能不全が存在するなかでフィットネスを生み出す能力を与えてしまっています。ここでいう機能不全とは基礎的な動作パターンが制限されていたり、非対称的、またはかろうじて存在している程度であるという意味です。クライアントを、この機能不全の上に強化させることができたとしても、それは正しいことではないでしょう。座位で使用する固定された軸を持つ用具は、機能的パフォーマンスを向上させることなしにフィットネスという錯覚を与えてしまいます。機能不全の上にフィットネスを加えることは間違いなく可能ですが、それでは問題は解決しません。その人の機能不全を見破るあなたのツールを全て活用し、その修正に取り組んで下さい。その成果は、その人がより効率的に動くことができ、それゆえに、より効果的なストレングス、持久性とパワートレーニングの基礎を作り出すこととして現れることでしょう。

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トウタッチプログレッションの分解

“ハムストリングスがとてつもなく硬くて、つま先にタッチできることは決してないでしょう。” “何年もつま先にタッチすることが出来ていません。股関節が悪いからです。” ヘルス&フィットネスの専門家として、こういった言葉はいつも耳にします。何年もつま先に触ることができていないアスリートやクライアントの方達は、即座に、軟部組織の質の悪さか筋の長さのせいだと憶測します。 これはパターンではなくパーツに、ソフトウェアではなくハードウェアに着目してしまうという典型的な例です。 多くの人達がつま先に触れる事ができない理由は、ハムストリングスの柔軟性とは何の関係もなく、ただ地面に向かう動作の順序が原因なのです。簡単に治せるように聞こえますか?事実、簡単なのです。 FMSやパフォームベターサミットでレクチャーをする際、グレイとリーは壇上につま先タッチができない人を連れてきて、わずか数分で、それができるようになる方法を指導します。私達はこれをトウタッチプログレッションと呼んでいます。 ここには、ストレッチや軟部組織モビリゼーションは含まれていません。ここでのゴールは、動作は、私達が考えるより格段に素早く変化することを証明することです。 トウタッチプログレッションの流れは以下の通りです: 1. つま先が上がり踵は下がるように、ボードの上に立ちます。つま先に触れないことの大きな要因の一つは、後方への体重シフト不足です。 もしもあなたの上半身が前方に傾く時に後方に重心をシフトできなければ、バランスを崩して前方に倒れることを防ぐ為、ハムストリングスが過剰に収縮するでしょう。この場合、ハムストリングスは、怪我をするのを防ぐ為に、ただパーキングブレーキとしてのみ働くのです。ボードの上に立つ事で踵は下がってつま先が上がり、後方への体重移動が強いられることになります。これにより身体をキープするための下半身への依存は減り、バランスを保つ体重シフトに必要なコアを使えるようになるのです。 2. タオル、又はフォームローラーを膝の間に挟む。両足を揃えて、膝を開き、ローラー又はタオルを膝の間に挟みます。膝は軽く屈曲させます。床に向かって、できるだけ遠くに手を伸ばします。最初に筋緊張を感じたら、できるだけ強く両膝でタオル/ローラーを挟んで下さい。これによってコアが活性されます。内転筋群を発火させることは、腹筋群を発火させることに繋がるからです。内転筋群と腹筋群が活性すれば、股関節伸筋と背部伸筋の相反性抑制が起こります。それらの筋群がリラックスすれば、動作同士が “喧嘩する”のを防ぐことができます。両膝を締めることにより、身体の防御機構を上書きすることができるのです。 3. 毎回、膝を曲げて手で床を触ります。パターンを壊します。 4. 下がりながら息を吐く。グレイ・クックの言うように“呼吸を動作と切り離してはなりません。まず始めに呼吸をして、それから動作を行います。” 5. つま先を下へ、踵を上げるように、ボードの上に立ちます。上記の動作を繰り返しましょう。 グレイは、多くの場合3分以内に被験者のつま先タッチを可能にします。どうしてこんなにすぐ修正することができるのでしょう?なぜならハードウェアの問題ではなく、ソフトウェアの問題にアプローチするからです。 もし機能障害に遭遇するたびに、解剖学のことしか考えていないとすれば、根底となる原因を見落としている可能性があります。 トウタッチパターンの問題は、様々な人達に見受けられます。座位での生活が多い人からアスリートまで様々です。彼らには、スタビリティとしてコアを使う代わりに脚を使う傾向があります。これは望ましいパターンではありません。 硬さを取り除いた時は、新しい動作パターンを入力するチャンスです。硬さは、いわば自転車の補助輪のようなものです。 パターンを打ち破れば、ちょっとしたチャンスが訪れます。それを活用して下さい。もしもデッドリフトのパターンをトウ・タッチに再導入するのであれば、トウ・タッチのプログレッションは、さほど必要でないことに気がつくでしょう。リセットを引き起こすための必要性が少なくなるのです。 コレクティブ戦略にあまり長い時間を費やすのは好ましくありません。パターンを打ち破った途端、テクニック、可動性、安定性、動的な安定化、適切な呼吸等が必要とされる新しい情報をアップロードしようとします。 トウタッチのプログレッションがうまくいく理由は、パターンにチャレンジをしているからです。座位での生活が多い人も高度に鍛えられたアスリートも、グローバル筋や主動筋を安定筋として使っています。ローカル筋/安定筋が、本来の仕事をしていません。安定筋が正しく機能しなければ、広背筋や臀部、そしてハムストリングスを使って身体を支えようとします。これはストレッチや筋力トレーニングの問題ではなく、パターンを変えるということなのです。

ファンクショナルムーブメントシステムズ 2106字

個人的なこと

私は、ファンクショナル・ムーブメント・スクリーニング(FMS)をよりよく理解するためにはどうすればいいかとよく聞かれます。本質的に、どこから介入すればいいのかということ。そのあとに引き続きの質問が来ます:FMSを以前利用されていないヘルスケアやトレーニング・コンディショニングの仕事場にどのように紹介すればいいのか。 これは、物事を新しく見るようなもの。全てを含むファンクショナルアセスメントの代わりに、我々は単にスクリーンを行い、一番簡単なことを扱い、運動発達の基礎的で機能的な段階をシステムを通して前に進むわけです。 リー・バートンと私がFMSレベル1のライブコースを教えていた昔、いつも勧めていたのは:“あなたたちは練習しなければならない。”ということ。 その後強化していたのは:“あなたたちは練習しなければならない。”ということ。 私たちはそれを言ったのですが、ほとんどの人は、これを私たちの別れの言葉としてしか聞こえていなかったと思います。その週末に学んだ全てのことを思いながら、私たちが何を意図してそう言ったのかを理解していなかったのです。機能的な“真珠”を見せびらかしたいことに興奮していて、その内容をつなげているストリング…システム自体に気づいていなかったのです。 一つ目:これは個人的なことであるべきです。FMSでパーフェクトなスコアを得る人はほとんどいません。みんな何か問題があり、みんなもう少しいいパフォーマンスができればと望んでいます。あるいは少なくとも現時点の状態を保ちたいと思っています。 でも、それは常に変化しています。特にあなたが活発であればあるほど。血圧や視力と同様、ムーブメントスクリーンも変わり、生活習慣とあなたの選ぶ環境も確実にあなたの動き方に影響し刻印します。 個人的に扱うこと・・・コレクティブがあなたにとって効果的か確かめること。自分のFMSスコアと自分を並び合わせて、最もはっきりとしているコレクティブ戦略を見出します。エクササイズを正しく行なっていることを確認し、管理可能な時間内にスコアを変えられるか見てみましょう。エクササイズの直後だけではなく、時間をかけて自分のための介入としてこれらのコレクティブを行いましょう。ウォームアップやクールダウン、あるいは好みのストレッチやムーブメントプレップのルーティンとして組み込んでもいいでしょう。 推測しないこと。 システムに従うこと。 主要な項目を学ぶこと。 練習して再びスクリーンを行うこと。 より効率的でより効果的になるためにフィードバックを使うこと。 これらの順序に従って、自分のベースラインのスコアが変化するか確認すること。 二つ目:自分のみにコレクティブを練習しないこと。ムーブメントスクリーンを練習する必要があります。ムーブメントスクリーンの練習に使えない唯一の人は自分自身です。このテストはテスト実施人が他の人に施すようにデザインされています。過去5年間に渡り目撃してきた大きな問題は:ほとんどの人はムーブメントスクリーンを見たり聞いたり、私たちの成功談をいくつか聞いたりしたしたことでやる気になっていますが、そのやる気はどこへ行くのでしょうか? たいていの場合、パーソナルトレーナーやストレングスコーチたちは習ったばかりのムーブメントスクリーンを、最も難しいプロジェクトに使おうとしています;他の人なら効果を現すことに反応しない、最も難しいアスリートやクライアントに対して。 彼らは、これを理解する助けとしてムーブメントスクリーンを使うべきなのです。実は、これは経験豊かな手(これは初心者の定義ではない)によってそう使われようにデザインされているのです。 これは、かなり野心的だと思います。ムーブメントスクリーンの経験が豊富な人は、ただムーブメントスクリーンを見るだけでなく、その人がなぜプログラムに好反応を示さないのかその他の要因を考慮するでしょう。 単純に言えば:新しいムーブメントスクリーンの技術を、あなたが最も自信のあるクライアントやアスリートたちに使ってみるべきです。彼らがよくできることはかなり確信しているでしょう。彼らは新しいプログラムを学び、効果を現し、減量もし、筋力も強化し、より速くなり、あなたが彼らにして欲しいことや彼らがやりたかったことを全て成し遂げてきて・・・よくできていました。 そしてムーブメントスクリーンもよくできるとあなたは考えています。 私は、それらの人たちにまずムーブメントスクリーンを行うべきだと考えています。 あなたが未熟でも、新しいことを紹介する時に彼らは許してくれるでしょう。忘れないでください。彼らはあなたと共にたくさんの成功を経験していますから、新しいことを彼らにやってみるのを歓迎してくれるでしょう。彼らは自分たちが獲得して、次の最良のアップグレードをあなたが探していることに彼らは気付くでしょう。 あなたの信頼度の高い人のムーブメントスクリーンの結果を見てください。あなたの信頼度を客観的測定規準とならべると、知らないうちにあなたの信頼度と客観的測定規準がそろってくるものです。 私たちがワークショップ、講習会、ステージの上で行うことをどうやってやり遂げるのか、人々はよく不思議に思うようです。それはなぜかというと私たちの信頼度は客観的なデータと揃うまで常に変化してきたからです。少し考えてみましょう・・・あなたのベストな仕事に対して効果を現していないクライアントやアスリートたちに対して、あなたには自信が全くない。何をしていいか全くわからない。まずするべきことは、自己制御式のムーブメントパターンの範囲を通して重要なフィードバックを与えてくれる新しい検査でたくさん経験を積むことでしょう。 トレーナーやストレングスコーチたちが、ムーブメントスクリーンを最も大きな問題を抱えているケースに使おうとすることはよくあります。そして真実をそのまま見つけるのです。 真実とは何か?パフォーマンスプログラムやフィットネスプログラムに好反応しない人の多くは、健康問題が根底にあります。スクリーンは基本的にムーブメントパターンに痛みがあると示し、このケースにおいては、ムーブメントの健康を評価するためにさらに深く見る必要があります。 もしスクリーンを行うと決めた最初の6人が最も難しい6人であれば、スクリーンはたぶんデザイン通りのことを示すでしょう:そのグループのほとんどは、フィットネスやパフォーマンスの問題の下に健康の問題があることを警告します。 ムーブメントスクリーンを行う人みんなが徹底した評価を必要とし、健康や筋骨格系の問題があるように見えるでしょうが、そうではないのです。 ムーブメントスクリーンを紹介した人たちを選んだあなたの判断が、実は非常に片寄っていたのです。成功しているクライアントやアスリートたちにさらなる方向づけの必要はないと感じているでしょうが、その信頼度が時にあなたをつまづかせてしまうのです。 最も信頼度の高いクライアントやアスリートたちを取り上げて、客観性を並べることはとても重要です。まず、あなたの優れた技術がまだ見つけていないクライアントの一つの弱点を見つけることは競技的な強みでしょう。二つ目に、あなたは彼らときっと素晴らしい関係を持ちいい成績を残しているでしょうから、最も簡単で問題の少ないケースの中のクライアントやアスリートたちにムーブメントスクリーンを始め、彼らのスコアを予測してみましょう。 あなたが、取り扱い件数にムーブメントスクリーンをより深く取り入れるようになれば、徐々に自信をつけて、全ての人が痛みが原因でムーブメントスクリーンに失敗するわけではないこと、全てのクライアントが複雑ではないことに気づくでしょう。彼らの最も弱い部分を象徴しているムーブメントパターンをあなたが見つけ、コレクティブを紹介し、そのコレクティブをワークアウト・休養日・スーパーセットに取り入れ、単にムーブメントの癖を変えることで非常にいい効果を発揮します。 もし健康上の問題が根底にある場合、あなたはおそらくそれを見つけるでしょう。ほとんどの場合、あなたの問題ケースのほとんどは健康問題を抱えており、リハビリを無責任にやっていた、あるいはリハビリを担当していた人が無責任であった、あるいは生活習慣やワークアウトの癖や問題の一部となる意見を持っている人たちなのです。 いずれにしろ、彼らの機能とフィットネスについての観点は話し合うべきでしょう。 それらの問題に新しい技術で対決してはなりません。新しい技術でまずすべきなのは、個人として受け入れることです。自分にとって使えているか確認してください。自分自身の経験は、一番有効な名刺となるでしょう。その後、自分に近い存在の人に試してみます。 その後、高いムーブメントスクリーンスコアを持っていそうな人に行い、それぞれのパターンを推測して、あなたの自信が真実に近いかどうかを確認します。ゆっくりと技術を磨き、フィードバックから学ぶのです。 難題に取り組む準備ができる時がいつなのかは、自分でわかるでしょう。 これらの意見は、ヘルスケアや臨床家のためのセレクティブ・ファンクショナル・ムーブメント・アセスメント(SFMA)や、FMSを理解しているトレーナーや臨床家で現在ファンデメンタル・キャパシティー・スクリーン(FCS)を勉強している人にも適用されます。 常に新しい技術は、すでに自信のあるところで使い始め、信頼度と客観的な測定が一致することを確実にしましょう。

ファンクショナルムーブメントシステムズ 4059字

ローデットキャリー

下記は、グレイ・クックとダン・ジョンがケトルベルキャリーのドリルのシリーズを紹介したライブイベントからの抜粋となります。”ローデットキャリー”がいかに作業能力や姿勢の統合性に関連するかを解説しています。 作業能力 グレイ・クック:作業能力はウエイト重量に加えて時間も関わります。 これらのローデッドキャリーにはいくつかの基準があります:そのポジションをコントロールする必要があること。選択されたケトルベルをまず右手で持ってオーバーヘッドで歩きます。 しばらくその状態で歩き続けますが、自らの意思でベルのポジションを変えることができます。毎回ポジションを変えるたびにその前のポジションよりも楽なポジションに変えるように。 止る必要がないように。このウォークが12~15分の長さになったとしても、会話ができる程度の持久力負荷になるように。 コーチとして気づいたこととして、話ができる程度の負荷であれば聞くことができるけれど、呼吸が激しくなるような負荷では私の言っていることを何も聞き取れなくなってしまうということ。話し続けることはできるけれど、意味がなくなってしまいます。 ローデッドキャリー この部屋の両端に、それぞれ1人ずつ2人のケトルベルインストラクターがいます。オーバーヘッドキャリーがうまくできていなければ、彼らはあなたに”下ろせ”と言うでしょう。ラックポジションに下ろすということです。 もしあなたのラックポジションがうまくできていなければ、彼らはあなたに”下ろせ”と言うでしょう。スーツケースキャリーに下ろすということです。 それがもうできなくなったら、左のオーバーヘッドに変えて、それから左のラックポジションへ、そして左のスーツケースキャリーへ。 言われてポジションを変えるよりも、早めのタイミングで変えられる方が良いと思います。そうすれば、目に見えてわかるよりも前に、自分自身の統合性の不足を自らが認識しているということになるからです。80%程度の努力を費やした時に、ベルのポジションを一つ下げるようにします。 もしコーチ達にポジションを下げるように3回指示をされたら、それはあなたが負荷を持った状態でのアライメントの統合性への気づきに欠けていることを意味します。 もしベルをオーバーヘッドでキャリーするのがうまくできないようであれば、右のラック、右のスーツケースキャリー、左のラック、左のスーツケースキャリーで距離をカバーしなければなりません。 オーバーヘッドの際、肘はまっすぐ伸ばすように。手首もまっすぐ伸ばすように。それが感じられなければ下ろしてください。このドリルはクオリティーをコントロールできて初めて効果的なものです。 持久力、コアの安定&姿勢 ダン・ジョン:オーバーヘッドとラックポジションからのみでも、上半身のモビリティーの問題が少しわかりますね。身体と腕の間にトランプが挟めるようでなければ。タイトでなければね。上腕二頭筋は耳についているように。でもそれができないとすれば何故できないのか?と。 グレイ: ウォームアップの間に言い続けたのは”押し下げろ、押し下げろ”ということ。どのポジションであっても、ケトルベルを地面にひきおろすように。身体の横でキャリーする際にも地面を押すようにしますが、かと言ってアライメントは崩さないようにします。 こういうことが起きるのです:持ち上げようとすればウエイトは重くなり始める。 私がオーバオヘッドでキャリーをする時、天井に向けて持ち上げようとはしていません。統合性を持って頭上で運ぼうとしているのです。ラックポジションの時、お盆に乗せたドリンクを運ぶようにするのか、それとも自分の中心に向かって引き寄せるようにするのか?引き寄せるのです。肩をパッキングして引き寄せて引き下ろす。 これは西洋のフィットネスの大きな問題の一つです:キャリーの許容量を得る前にものを持ち上げようとしてしまうこと。 リフトしたい重さのウエイトをキャリーで運んでみましょう。負荷がかかった状態でアライメント維持して統合性を維持してキャリーします。 私たちがリフトよりもキャリーをしっかりと行えば何が起こると思いますか?コレクティブエクササイズを探さなくなる。 これは持久力を向上させ、コアのスタビリティーを向上させ、姿勢を向上させます。 ここからバランスがスタートするのです。キャリーから;デッドリフトではなく、ベンチプレスではなく、シングルレッグデッドリフトではなく、ターキッシュゲットアップではなく、スイングでもプッシュプレスでもなく。 バランスは作業能力からスタートします。 統合性をもったアライメントは良いバランスです。このための必須条件として床の上でのバランスビームがありますが、ここでは負荷をかけた状態での統合性を持つアライメントが良い反証でしょう。 ローデッドキャリーの観察 ダン:私たちの観察では、筋量の多い人達は、ベルをMr. ユニバースのようにホールドしようとして、ローデッドキャリーのラックポジションに手こずっているようです。アライメントがうまく支えるのではなく、早めに姿勢を崩してしまう。 他にも、多くの人達が、特に衝突するスポーツに関ってきた人達がオーバーヘッドキャリーに苦労するのに気づくでしょう。彼らはミリタリープレスや片腕のプレスはOKかもしれませんが、歩き始めた途端にちょっとしたスパイラルが起こるのです。これによって問題への洞察が与えられます。プログラムにウエイターウォークを取り入れる必要がありそうですね。 グレイ:これを一度も行ったことがない新しいグループは、キャリーを通常10~15分程度行えるでしょう。 最初に、これらの皆さんが距離をカバーするのにOKであるように私は何をしましたか?彼らにボトムアッププレスをさせましたね。”好きな重さのベルを手にとって”とは言いませんでした。 ケトルベル選択の唯一の基準は:左右それぞれでボトムアップキャリーができること。その重さで両側でボトムアップキャリーができないのであれば、重量を下げる必要があります。 左右のボトムアップでのケトルベルの強さが、身体をいかにうまく使えるかということを伝えてくれます。両側でうまくコネクトできる軽い重量のケトルベルを選んで、そこで仕事負荷を開発するようにします。 最初にボトムアップテストを行わなければ、このドリルに成功することはないでしょう。神経系の統合性を見ることさえできれば、これは拡張可能なのです。 このようにしてウエイトを選択します。テストをするウエイトではなく、トレーニングするウエイトです。 コーチングすることなしにクライアントにこれを行わせないでください。彼らは統合性が失われた時にポジションを変えることをしません。彼らは疲れた時にポジションを変えるのですが、これはクオリティー重視のドリルですから、統合性を失う前に下ろさなければならない。 ダン:私達はこれらのローデッドキャリーを”クックドリル”と呼んでいます。月曜は:何かバックアップを。ゴブレットスクワットとキャリーをやってみよう。 ローデッドキャリーのポイント 作業能力のためのローデッドキャリー 両側でボトムアップキャリーできる重さのケトルベルを選択する。これがキャリーのドリルに最適なウエイトの選択方法。 これは右手のオーバーヘッドキャリーでスタートするウォーキングループである。オーバーヘッドキャリーの統合性が失われ始めたらすぐにラックポジションに変える。 ラックポジションでの統合性が失われ始めたらすぐに下向きのスーツケースポジションに変える。 スーツケースポジションでのアライメントが崩れ始めたらすぐに、ケトルベルを左手に持ち替えてオーバーヘッドにする。 使用するクライテリアは80%. アライメントが最適の80%に下がったら、次に低いレベルに変える。オーバーヘッドのポジションで統合性を維持できなくなればラックポジションでキャリーする。 オーバーヘッドでの統合性とは、肘と手首がまっすぐで、肩がパッキングされ腕が耳の近くにある状態である。

ダン・ジョン & ファンクショナルムーブメントシステムズ 3467字

インディアンクラブ:歴史と応用

インディアンクラブのスイング:簡潔な歴史 インディアンクラブのスイングはヒンズー教の伝統であり、数千年までさかのぼります。彼らの伝統において、クラブは神からの贈り物と考えられていました。英国はインドからインディアンクラブをもたらし、主に軍人や警察官の訓練のためのツールとして利用していました。実際、英国海軍の身体トレーニングインストラクターは、今でも“クラブ”として知られています。インディアンクラブは19世紀にアメリカに紹介され、特にビクトリア朝時代のフィットネス運動の時期に流行しました。クラブは、アメリカの学校の体育プログラムから軍隊教育まで幅広く使われました。 我々のパートナーであるクラブスイング・エッセンシャルのEd Thomas博士は、1950年代からインディアンクラブの技術を学び実践してきた、クラブスイング随一のエキスパートです。彼は、クラブスイングの進化をこのように説明しています: "輸入されたヨーロッパの機能的身体トレーニングシステムが、1800年後半から1920年あたりにかけてアメリカの身体文化に強く影響しました。当時の初期のシステムにおいては”ワークアウト“が目標ではなかったのです。 ジムは、教師たちが理論と段階的に更に困難な運動スキルの実践的応用法を教える学校だったのです。これは多くの場合、回復、武道、そして教育(学校を基にした)の3つの内容に分割され、これらの非常に進化したシステムは合理的な漸進、多様性、そして精密性を強調しました。国に貢献するという高潔な目標が、身体構造、機能、および運動を理想的に発達するために必要な膨大なる焦点、エネルギー、そして時間を供給しました。現在新興しているファンクショナルな身体トレーニングは、これらの初期のルーツに遡ることができます。 歴史の重要性が現在を造り直し、将来の文化的要求に対応することを十分に理解し始めることができれば、あるいは、その時、過去からさらに情報を得ることができるでしょう。" クラブスイングは、オリンピックで2度競技されました(1904年と1932年)。リズム体操に先駆けた競技であり、近代のオリンピックで使われているロープ、リボン、そしてボールなどの代わりに1.4kgのクラブが使われていたのです。 20世紀では、インディアンクラブがトレーニングや体育から次第に薄れていき、スポーツやその他の競技が支持されてきました。 現代のインディアンクラブの応用 私はインディアンクラブを上肢の縄跳びと同様に考えています。縄跳びは、コーチングをする必要なく姿勢を修正します。前かがみのままジョギングはできますが、その状態で縄跳びをすることには自己制限がかかります。インディアンクラブも同様です。 自己制限のエクササイズは、単にある程度の身体的適応なしに発展することを、自然に妨げる活動です。人間のシステムは二つのユニークな適応能力を持っています。ハードウェア(身体的構造)やソフトウェア(運動制御、協調とパターンの洗練)を改善する能力は、お互いに織り合わされた補足的な自然の力です。我々の歴史のどこかで、自然の力に対する基本的な苦闘は有力な教師だったのです。 自己制限のエクササイズと活動を、ストレスをマルチタスクする機会と呼びましょう。適度な量を選び、うまくできるまでとにかく練習すればいいのです!難しいターキッシュ・ゲットアップはマシンを使った難しいショルダープレスよりも軽いウェイトを使います。なぜなら、ショルダーマシンは、前もって決定された万人受けの運動についてくる、下方へ押す抵抗以外の全てのストレスを管理するからです。姿勢の変化、瞬時のバランス反応、そして感覚の気づきの責任が取り除かれているため、その他の責任が取り除かれることでウェイトを増加することができます。 エクササイズの複雑性が軽減すると、運動の知覚と運動の行動の回路が低減します。仕事は行われ、カロリーは消耗されますが、学習と適応性は主要なストレスではありません。 欧米の文化は、我々の真正なあるいは自然な運動モデルが欧米の文化に影響したよりも、はるかに大きく我々のフィットネスモデルに影響しました。我々は欲するものを欲し、とにかく今すぐ欲しがります。多くの場合、それが無責任な身体教育をもたらしてしまったのです。 拡張性のある自然の感覚経験は、何千年それどころか何百万年も遡ります。我々の祖先たちは、私たちに環境を変える能力があることを知っており、また、適応する自然な能力を持っていることも知っていました。 彼らは、身体の適応性と環境の修正との間のデリケートなバランスを考慮していました。彼らは、簡単になりすぎるように作られた物は、あまり頑丈な身体につながらず、困難すぎるように作られた物は、単に不必要なリスクを作るだけだということを直感的に知っていました。私たちは彼らから学び、自然と真正のチャレンジに照準を合わせるべきです。 私たちは歴史上の自然な発展から学び、ほんの1世紀前に示されている叡智を見てみるべきです。その情報を持てば、無知と知能のギャップは知能と実行力のギャップに比べてはるかに小さいことに気づくでしょう。 インディアンクラブの話題に入ります。Ed Thomas 博士は、これを脳トレーニングと呼んでいます。反対の、交互の、および対称的なパターンを行うことは、神経の空間を輝かし、学習の機会を作ります。 ストレングスコーチとして、私はコーチされた安定性よりも反射的安定性を作り出したい。我々は運動パターンをコーチしますが、バランスや真正なコアの反射はコーチしなければならないことではないはずです。 ほとんど身体を動かさない文化では、 一方向へ過剰にトレーニングしている人々や全くトレーニングしていない人々は、上位交差症候群と下位交差症候群と呼ばれる症候群になりがちです。基本的に何が起こるのかというと、主動筋群が安定筋群となりすまし、安定筋群が休暇を取っている状態です。 では、インディアンクラブがどのように役立つのでしょうか?聞いてくださって嬉しいです。 我々は、ハーフニーリングの姿勢の様々なバリエーションでインディアンクラブを練習することが大好きです。ハーフニーリングの状態では、姿勢を維持するために姿勢の筋群を使わざるをえません。大腿四頭筋で安定しようとすると、トールニーリングを維持できなくなるのですぐにわかってしまいます。立位では、常に最適とは言えない、沢山の筋群を使って姿勢を保ててしまいます。ハーフニーリングの場合、私が股関節を使って姿勢を維持しているのか、安定性で姿勢を維持しているのかがすぐにわかります。 皆誰も、軽い重量から始めます。インディアンクラブは、動きの素早いツールです。あまりウェイトを気にしないでおきましょう。遠心力が働きます。 Brett Jonesがこう言っています。“自分のトレーニングでは十分‘重い’ことをやっている。他にまた重いことを増やす必要はない。自分の肩を統合し、柔軟にし、効率的にするような回復的な技が必要だったのだ。”

ファンクショナルムーブメントシステムズ 3006字

また…私の身体が私をがっかりさせた

こう思ったことがあります…もしかしたら口に出してさえもいたかもしれません。 「私の身体が私を失望させた」 私の個人的な使用だけでなく、コーチ、そして理学療法士として非常に良く聞く声です。よく人々が、期待通りではない水準のパフォーマンスや不測の怪我について言及する方法でもあります。 健康的な考え方のために、その発言を裏返すこともできます。もしかしたら、あなたがあなたの身体を失望させたのかも?もしかしたらあなたの身体はかなり長い間に渡って、いつも疲労を感じている、理想のエネルギーに満たない、柔軟性の不足、片側の問題や単純な動作での痛みなど、何かが正しくないというシグナルを送ってきたのかもしれません。これらはすべてシグナル、つまりあなたの身体があなたに伝えるための、本当に唯一の方法なのです。 シンプルなチェックリストが、あなたの身体の問題の原因を素早く定めることを助けてくれるでしょう。 チェックのつかない項目がありましたか? 現代の非常に定量化された生活において、あなたの身体の自然なリズムや頻度、傾向を解析するFitbit(フィットビット)やあらゆる類の器具を使っても、あなたが気づきそびれている一つのことは、自己認識の必要です。あなたはもしかしたら自己調整する生物ではないのかもしれません。歴代のベストアスリートの何人かは、自身の身体を非常に良く知っていて、Fitbitなど必要としません。まぁ、あなたはそのレベルの自己調整に到達するために、Fitbit(あるいはそれに似たデバイス)を使うことができるでしょう。 デバイスをチェックし、デバイスがあなたがよく眠れたと言っているかどうかを見る前に、自分が夜よく眠れたかどうかを書きだすことから始めましょう。最適な心拍数と回復を見る前に、あなたが実際(時間と感覚両方において)素晴らしいトレイルランをしたか見ましょう。あなたは新しいアプリが心拍変動や現在の準備度を伝える前に、自分の準備の出来具合を推測することが出来ますか? あなたがあなたの身体を失望させているのかどうかを知るために、デバイスは必要ありません。もし単純な動作やエクササイズ中に痛みがあって、それに関して何もしなかったとしたら、あなたはあなたの身体を失望させているでしょう。そのパターンで、あなたの身体があなたに話しかける唯一の方法なのです。良くない動作パターンに対するあなたの気づきがなさすぎるために、あなたの身体は最終的にあなたと交信するべく最大音量を使わなくてはならなくなったのです。 デバイスが睡眠の量や質について何というかに関わらず、朝起きた時に疲れていたら、ベッドから出て太陽礼拝のポーズやいくつかの簡単なストレッチのようなものを3,4分間やりましょう。床の上でごろごろしてみましょう。約2,3分後には、全く疲れていないことに気が付くでしょう。あなたは十分に休んだのです。ただ、とても下手に推移していたのです。あなたの身体があなたにシグナルを発信している中で、身体を進めジャンプスタートさせて身体にシグナルを送るための窓を逃していていたのです。身体と調和して生きることを学びましょう。 私たちは沢山のシグナルを見ています。ファンクショナルムーブメントスクリーンやYバランステスティングを用いて、私たちは、あなたの身体機能が、実際あなたがやろうと準備している行動に対して自身の予想を下回っている時、容易に見てとることができます。それはあなたが怪我をするということでしょうか?違います。それはあなたがもっと良くなるための最適な機会が少なくなるかもしれないということでしょうか?そうかもしれません。 ムーブメントスクリーニングやムーブメントテスティングの研究において、常に循環しているテーマがあります:多くのグループの大半に対して最も劣っていると比較された人々は、大多数と同じ結果を達成するためにより多くの方策を要します。 足首のモビリティは、フィットネスやアスレティックコミュニティにおいて、非常に重要な要素です。今すぐに判断することができる兆候とは何でしょうか?もしあなたが、リビングルームや屋外でシューズを履き、または履かない状態で、重りを持たずにお尻がほぼかかとにつく位に深く座る能力、つまりディープスクワットができなくなっていたら、足首のモビリティに問題があるでしょう。ですから、もしあなたがディープスクワットをできなくなっていたら、それはあなたがもう祖先のように、あるいは三歳児のように確実には動けないのだという最初のシグナルなのです。第二に、もし激しい動作ではない動き(つらい動きではなく、負荷のかかった動きでも激しい動きでもなく、単純に平均的な動作パターン。例えばつま先を触ったり、それぞれの側でランジをしたり、膝をついて立ち上がったり)で痛みがあるなら、あなたの身体はあなたにシグナルを送っているのです。 動作パターンを行い、身体を完全に普通の形状や姿勢にする能力がないというのは、そこに機能不全があるという兆候です。他の人が動いているのを見たり、教科書上の動作の写真を見てみましょう。その動作を再現することができますか?動作パターンの言語を読んだり書いたりできますか? もしあなたがスクワットを見て、一度試してみて、そして実際にヒップヒンジを行ったとしたら、あなたは動作パターンを読んだり書いたりできないとうことになります。 もしこれが英語の授業だったら、私はあなたの読み書きの能力と基礎を問うでしょう。しかし、もしこれがジムでのある一日だったら、私たちは論理を禁じ、ただウエイトの負荷を与えて、あなたがどれだけ押せるか見て…そしてその経験をFacebookに投稿します。 あなたの身体が送っているシグナルを聞きましょう。もしあなたがそれらのシグナルを読みとるのに手間取っているのなら、助けを乞いましょう。ファンクショナルムーブメントスクリーンは、会話を始めるのを助けるためにデザインされました。多くの人々は、会話を終わらせるためにデザインされたと思っています。そうではないのです。もしあなたのムーブメントスクリーンが普通であるとして、それですべてのことがいいということではないのです。あなたのパフォーマンスと耐久性を固めるために行わなくてはならない他のテストがたくさんあります。もしあなたのムーブメントスクリーンがクリアにも関わらず、フィットネスの問題があるのであれば、私たちは実際にあなたのフィットネスと基礎能力をスクリーニングできます。もしあなたのムーブメントスクリーンが機能不全であれば、私たちはあなたのフィットネスゴールを脇にちょっと置き、コレクティブストラテジーを強固に約一週間行い、そして私たちがあなたのムーブメントスクリーンを実際変えられたかどうか見ます。もしそれが変えられていたら、私たちは元に戻って、あなたに問題を与えていたフィットネス課題を判断することができるでしょう。もしそれがなくなっていたら、あなたがフィットネスの問題だと思っていたのは、単なる機能問題だったということです。 これは私たちのFCSコースで参加者によく起こり、やらせのようにも見えます。そうではないと保証しますが、これは私たちがすべての潜在的な原因や複雑な要素を評価したりベースラインを定める前に、問題を決めているということを明らかにしています。 最後に忘れてはいけないのが、もしあなたがムーブメントスクリーニング中に痛みを覚えたら、ムーブメントスクリーンはその役目を果たしたということです。それは痛みについて、どこに痛みがあるか、そしてその症状を引き起こした動作パターン以外、それ以上のことはあまり伝えません。その観点から、私たちは良い安全策を手に入れています。SFMAを習得したカイロプラクターや公認アスレティックトレーナー、理学療法士、または医師のようなプロフェッショナルは、私たちが単にあなたを身体のパーツの集まりのように見るのではなく、あなたの動作パターンの習性に基づいてフィットネスを設計し、実際にリハビリテーションプランを立てるためのムーブメントスクリーンにおいて用いる同じ動作パターン言語を用いることができます。 もしあなたがどうやって身体に耳を傾けるのか知りたいのであれば、ただ身体に耳を傾けることを始めてみましょう。私が述べてきたシグナルに耳を傾けるのです。私が示したガイドラインのいくつかに従ってみてください。もしあなたが自分自身の身体に再度紹介するのに手間取っているのなら、時にはムーブメントスクリーンの1セッションが全く同じプロフェッショナルから受ける10ワークアウトに値する、という時なのです。誤った方向への1歩は簡単に修正できますが、誤った方向への2,000歩は修正するのに深刻な時間とエネルギーを要するでしょう。 地図を作る人と地理学者はあなたにこう伝えるでしょう。「地図は領域ではありません。単なる描写なのです。領域は大きく異なり、もっと多様で、絶えず推移するものです。地図は単に領域に関連している固定した図の集まりです。」解剖の本を見て、痛みのある身体の部分を指さすことは、地図で遊んでいることです。ムーブメントスクリーンを行い、コレクティブストラテジーを行い、あなた自身の不適切な動作の習性と向かい合う…それは領域に踏み入ることです。それはあなたの足が少し泥だらけになって、手に少しマメを作ることを要します。最後には、あなたとあなたの身体は共に話をしているでしょう。あなたとあなたの身体は、統合性を伴って馴染みのあることと、馴染みのないことに関わっているでしょう。 あなたが身体のシグナルに耳を傾けて、その評価された現実に対するあなたの認識を測定するためのいくつかの計測補助を使い始めるかどうか。あるいは、あなたがトレーニングゴールを追及するためにあなたのムーブメントリテラシーが恐らく十分なところ、またはそれが不十分なところを見つけるために、ムーブメントスクリーンのプロフェッショナルを探し出したいかどうか。まず動作パターンをどう読み書きするかを学ばない限り、恐らくあなたは決してゴールを見ることはないでしょう。それはあなたが上に積み重ねるフィットネスストラテジー、あるいはパフォーマンスストラテジーに取って代わるものではありません。しかしながら、エリートレベルの多くのコーチたちは、不適切な動作パターンに不必要なフィットネス負荷をかけるには、はるかに賢すぎるのです。ムーブメントスクリーンは、私たちが成功し賢くなるよりずっと前の、この既得の知恵を利用するためのシンプルな方法でした。 もしあなたが、知覚が行動を駆動すると信じるなら、必然的帰結を受け入れましょう:自己認識は自己調整への第一歩です。 もし10分間あるなら、身体と握手を交わしましょう。なぜならあなたは全く異なる方法でコミュニケーションを取り始めようとしているのですから。理解することから始めましょう。耳を傾けることから始めましょう。もしかしたらあなたが身体を失敗させていて、身体はあなたを失敗させていなかったのかもしれません。

ファンクショナルムーブメントシステムズ 4675字

徒手療法における革新

特定のスキルセットや実践における革新を理解する最良の方法は、その実践の基礎において優れた基盤を持つことです。 軟部組織マニピュレーションやドライニードリングのような徒手療法方法論の最近の流行は、しばしば物議を醸し広く誤解されています。 もしあなたが関節や組織のマニピュレーション(関節や組織のモビライゼーションやストレッチング)を実践する徒手療法の知識や技能を持っているなら、もしあなたが組織をテーピングしたり、こすったり、圧迫したり、または牽引することが出来て、あるテクニックが別なテクニックよりも重要であるという時に必要とする評価を理解しているなら、あなたは徒手療法の緻密な術を理解しているでしょう。主観性というより客観性に基づく、しっかりとした信頼できるフィードバックループと組み合わされた、技術上の手先の器用さと正確さです。 精通者である人があなたのテクニックにうなずくほど、あなたは行う施術においてとても優れていなくてはなりません。あなたには患者の主観的情報からかなり保護されたプレテストー再テストのフィードバックが必要であり、同時に非常に重要なのは、それが兆候ではなく症状だと考慮されるべきだということです。 毎回の徒手療法介入後、私たちは兆候と症状の両方のベースラインに対して再テストを行えるべきですが、もし客観的兆候を欠き、大幅に症状に基づいて施術を実践しているなら、私たちは知っていると思っているテクニックの良さを十分に発揮させていないかもしれません。 マイク・リーヒー氏のアクティブリリーステクニック(ART)、そしてエド・ジルストラ氏のキネタコア・ドライニードリングワークショップは、その道の達人の2つの主な例でしょう。 リーヒー氏は、臨床家の手が持つ器用さと治癒力を受け入れています。彼のカイロプラクターとしてのバックグラウンドが、彼を筋骨格系医学とフィードバックループへと向かわせましたが、科学的客観性と組み合わされた彼のART創造性が、テクニックを洗練し実際に新しいものをもたらすことになりました。 エド・ジルストラ氏は、ドライニードリングの効果性の理解を高めた優秀な徒手療法セラピストです。間違いなく、彼は鍼を持ちだしそのテクニックを実践した第一のクリニシャンではありませんが、皆さんがドライニードリングのような他のテクニックを知り楽しむ前に、徒手療法のスタンダードに従うよう計らった数少ない人達のなかの一人です。 ARTとキネタコアは、動作パターンを見て、そして障害計測―よりはっきりとした道筋を築く助けとなる患者の治療前と後の症状にありうる兆候の収集ーへと落とし込むその両方の能力ゆえに、SFMAモデルを取り入れています。 プロフェッショナルとして私が言えることは、方法論を開発したのと同じ人が、その方法論が働いているかどうかを知る評価を開発した時にうんざりするということです。ARTとキネタコア両方とも、客観的な動作スタンダードとしてそれぞれにSFMAを取り入れており、彼らのテクニックの効果性を披露しています。 それは信じられないほど大胆な行動です。しかしながら、もしあなた自身が教えているテクニックにおいて非常に有能であるならば、あなたはあなたの創造性と直感から生まれた本質的な部分を証明するための、よりしっかりとした客観的なフィードバックループを常に探しているでしょう。基準はまた、どうやってより良くなるかを理解させてくれます。 グレッグ・ローズ博士とカイル・キーセル博士を通じて、私は個人的にマイク・リーヒー氏が彼のARTテクニックとともにSFMAを用いているのを目撃しました。カイル・キーセル博士とエド・ジルストラ氏も、同じ方法でSFMAのフローチャートにおける効果的な分析に対しドライニードリング・テクニックを使っています。 SFMAのリードインストラクターであるキーセル博士とジルストラ氏の両氏は、いかに速くベースラインが変化出来るかを表す方法を与えるテクニックを取り入れています。徒手療法教育の現場で競い合う人々の多くは一貫したベースラインを取り入れませんが、もしあなたがベースラインをはじめに設けなければ、ベースラインを変えることは不可能なのです。多くの人々は彼ら自身のモデルを開発し、彼らのモデルは常に成功しているように見えるようにするのです。 これは許すことのできる新人の過ちです。私たちは皆、自らのゲームを審判しようとしたことがあります。覚えておいてください、部屋の中にいる最も客観的な人物は、彼らが客観的でないと知っていて、彼ら自身を自らの偏見から守るためのシステムと方法を作り出す人です。 これが概して、SFMAにおける私たちの意図です。多くの多岐にわたる臨床方法論を用い、それらを一緒にまとめることで、治癒の行程における最良なタイミングで、最良の人のための最良のテクニックが注目され、兆候と症状両方の平等な評価をさせるテスト―再テストのプラットフォームによって導かれるでしょう。 もし私たちが理学療法において何か罪を犯しているならば、それは、まずそれらの症状を引き起こしうる筋骨格系の兆候と関連付けもせずに患者の症状に強く注目してしまうことです。患者が良くなりかけているとき、調子の良くない日があり、彼らが実際にそう感じていない日でも、もしかすると彼らは悪くなりかけているかもしれないことも多くあります。 私たちは、筋骨格系動作パターンの兆候と障害計測により与えられる等しい類似点を挙げつつ、主観的なフィードバックを取り入れる臨床家でなければなりません。両者は、症状の誘発と顕著な動作機能障害の鑑識の両方に関わる、最も根本的に影響を受けた動作パターンに基づいた意思決定の樹状図です。 ドライニードリングに取り組む最良の方法、そして軟部組織マニピュレーションに取り組む最良の方法は、優れた徒手療法のバックグラウンドを持つことと、すでにその他の徒手療法のクラスを受講していることです。もしあなたがまだ卒業したてで、徒手療法に注目した継続教育を何も受けたことがないのであれば、マイク・リーヒー氏のARTやエド・ジルストラ氏のキネタコア以上にお勧めできるものは他にないでしょう。 なぜか?それは両方ともフィードバックループを非常に尊重して、彼らが作ったものではない独立したモデルを取り入れており、そして彼らの仕事は客観的な尺杖をもってその効果性を示しているからです。彼らは、彼らのスキルセットに偏って取り組むことも容易に出来たのですが、それぞれあまり踏み固められていない道をとりました。彼らは内側に目を向けたのです。彼らはSFMAに深く目を向けました。彼らは私たちのリードインストラクターの一人に連絡を取り、こう言ったのです。「もっと見せてください。あなたのベースラインが好きで、私にはそれを変えることができる自信があります。」 私たちのベースラインは、いつあなたが効果的な違いをもたらしているかを理解させてくれるだけではありません。それはまた副作用やベースラインとされるべき他の動作パターンに対してあなたに警告し、そのおかげで私たちはそれらを並行して見ることが出来ます。私たちは別な方向から奪い取って一方向だけの動作を作りたくはありません。それゆえに、包括した動作アプローチー動作パターンに基づいたアプローチーが出発点なのです。 もしあなたがドライニードリングや軟部組織マニピュレーションに取り組もうとしていて、革新を探しているなら、評価より優れているわけではないけれども、互いを補足し容易に独立することができる二つの優れたテクニックを伴って、近代科学と革新に負けない旧式の徒手療法の客観性と出会うでしょう。それらは評価とともに存在するのです。

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動きの癖とパターンの再獲得

股関節を左右比較して片方が回旋しやすいというような傾向にトレーナーが気づく時、ここで常に問題になることは、それをどのように修正していくかということです。しかし、私は、いかなる"修正"を施す前に、パフォーマンスに影響するようなライフスタイルの要因や非対称的な回旋をする傾向があるかどうか、特に姿勢やパソコン使用、職業関連において知りたいと思っています。 私たちが修正したとしても、それは維持されるのでしょうか? もし、悪い動きの癖を強調するような問題がライフスタイルにあれば、答えは"ノー"となるでしょう。 この職業に長年携わっていると、職場まで毎日1時間も運転することなどをクライアントは伝えてくれないことに気づくことがあります− アクセルがどちら側についているか認識していないように。つまり、運転中の片側のハムストリングは、ずっと伸長したままになっています。もう一方の脚は、その脚の下で手前に引き寄せられているという場合もあります。何かピンときませんか? 仙腸関節の問題が、右利きか左利きかという利き側に関係するということは分かります。コンピューターの画面やキーボードがどう配置されているかによって、コンピューターが問題を引き起こすことも分かります。 もちろん、これらは潜在的な問題です。 ライフスタイルが姿勢やパフォーマンスへ与える影響は、ワークアウトのやり方が与える影響と同等かそれ以上に大きいというのが私の見解です。あなたには、どんなプログラムが必要ですか? エクササイズの選択肢を選ぶ前にライフスタイルを見直してみませんか? このことを理解していない人がいますが、身体を動かすときの自分の癖や傾向は、ワークアウトではほぼ対抗できません。もし、背中を丸めて8時間もコンピューター前に座っていたとして、それからバックエクステンション10回を3セットするとします− そう、簡単に計算できますね。何かを変えられるとは思えません。 ライフスタイルは、姿勢や身体ポジション、固有受容感覚に莫大な影響を及ぼします。自分の身体をどのように使うかという選択は、ほぼ無意識のレベルで行われます。まず、腰を曲げるのか、それとも股関節を屈曲するのか? 脊柱を回旋するのか、股関節で回旋するのか? あなたのクライアントにコンディショニングやリハビリテーションを指導していると、必ず彼らのワークアウトやエクササイズの傾向が大きく影響してきます。彼らのライフスタイル、姿勢、人間工学、寝姿勢など彼らが行う他の活動も、大きく影響します。 さて、ワークアウトでどのようなことをしますか? 私たちは、ライフスタイルで欠けているものを補おうとします。あるパターンを十分行っていないとしたら、たいていワークアウトで私たちはそのパターンを再活性化しようとしているのです。こうしたことは頻繁に見受けられます。 デスクワークから解放されたいがためにランニングにでかけたいと思う人は多いものです。しかし、デスクにかじりついていたため肩は丸くなり頭は前方に出ている彼らの姿勢を見れば、よほど優れた短距離走のメカニクスと持久力を持っていない限り、長距離走とその姿勢は、今さっきまでパソコンに向かっていたものとほぼ同じなのです。 コンピューターにかじりついているような人たちがランニングを楽しめるようにプログラムを組む際には、長距離の日を入れたら、何日か短距離も組み込むようにします。400mのダッシュが必要です。アップヒルランニングやアジリティートレーニングなども必要です。 この人がランニングを楽しんでいることは分かるのですが、あたかも車の全自動クルーズコントロール機能が作動しているように長距離を走るのは、実際悪い姿勢を長引かせることになります。一方、短距離走をしたり、速く走ったり、インターバルなどを行ったりする時は、肩を後ろに引いて姿勢は真っすぐ起き上がるようになります。 それから、短距離走と胸椎の回旋や股関節の可動性の運動をスーパーセットにします。このような走り方を間に挟めば、長距離ランニングの日をこれまで以上に楽しむことができるでしょう。 その人が好んで行っていることをやめさせる必要はありませんが、変更を加えることはできます。耐久性エクササイズに興味がある人が、縄跳びをより多く行ったり、あるいはランニングに相当するぐらい縄跳びをしたりすることに対して、私は大いに賛成です。単に縄跳びでは背中を丸めた姿勢になりにくく、一方、ジョギングではなり得るという理由があるからです。 これは、クオリティトレーニングの自己制御式側面です。 次に考えるべきことは、パターンの再獲得です。時に、私がエクササイズを話に出すと、セットや回数について話していると思われることがあります。そうではありません。私は、パターンの再獲得までコレクティブエクササイズをする方針です。それが10,000回であろうが10回であろうが私は気にしません。そんなことがは重要なのではなく、私は変化を求めているのです。 私は、クリップボードを眺めながらただプログラムを与えているのではありません。しっかり反応を観察しています。反応がみられたらならば、適応のためのトレーニングができるのです。 私のやり方は、そこが違うところです。私は、スクリーニングした後、最も不足し制限されている非対称なパターンに取り組むことにしています。もうチェック済なので分かっていますから。 そのパターンに取り組み始めたら、モビリティの制限がないことを確認しなければなりません。そこで、モビリティに制限が見られたら、それらを安定性やパターンのトレーニングに入る前に100%変えなくてはならないということでしょうか? もちろん、そういうことではありません。たとえ背屈が5度しか増えなくても、また、股関節の内旋が10度しか改善できなくても、私は間違えなくそれらを機能パターンにと取り入れていきます。 では、モビリティのトレーニングはこれで終わりになるのでしょうか? もちろん違います。いくらかのモビリティやパターンの再構築、安定化を得たら、また、繰り返しモビリティ、パターンの再構築、安定化を図って行きます。 次のトレーニングでパターンに変化が起きているかどうかチェックし、変化が確認されるまでこれらすべてを繰り返します。1ヶ月経過しても、それが最も不足しているパターンかもしれませんが、それでもこのトレーニング計画を変えるつもりはありません。なぜなら、最も弱いリンクに取り組んでいれば、他のすべての問題も改善されていくからです。 弱いリンクは制限の要因となる。 パターンの再獲得は、私たちのやり方です。もし、モビリティをさらに増やすことなくパターンの再構築を試みているのであれば、変化をもたらすことはできないでしょう。その人は、すでに不自然な支点や制限を軸に動いたりトレーニングしたりしていることになります。中枢神経系は制限を回避しようと働くようになり、克服しようとはしません。 私はクライアントに、少しずつ問題を乗り越えて行くか、それとも最初から制限の原因となるものを取り除くか、どちらかを選択する機会を与えています― 関節を安定させる筋群にある不適切なトリガーポイントや全体的なこわばりがあるのかもしれません。アライメントの悪さが共通する原因なのかもしれません。股関節のアライメントを整えるだけで足首の背屈に変化を見ることができます。 スクワットやデッドリフトにおいて、外反へ崩れる膝や回内してしまう足をよく目にします。これは背屈制限が原因であるとたいていの人は考えますが、もし、膝を外方に向けさせ、足の第1趾列と母趾と踵は床に着けたまま、少しずつ膝を内反の位置へと適応させると、背屈は直ぐに5度ぐらい増えます。その理由として、みなさんは、関節の動きが良くなった時、これは大腿骨を回旋することによって脛骨に回旋が起きたからだと考えるでしょう。その通りです。そのためのものです。しかし、なぜこうなったのかを説明するより、結果が伴うセットアップをしてあげることの方が重要です。 多くの人たちは、足や股関節が協働するポジションをとるためにスクワットやデッドリフトをどのようにセットアップするかを学ぼうとするより、ある事象がなぜ起こるのかということを討論したがります。この構図はおかしくないでしょうか? コレクティブトレーニングについて私たちが口にする時、たいてい出てくる一般的な質問は、量についてです。私は、最初に見られるプラスの反応を基に量を決めます− プラスの反応を得るために必要な量です。 次に、私はスーパーセットに気を使うほどには、セット数や回数については心配しません。パターンの再構築トレーニングのセットとセットの間にあなたは何をしますか? 私のクリニックでは、床の上でのモビリティワークに取り組みます。スティックやフォームローラーを使用したり、静的ストレッチや動的ストレッチなどいろいろです。 再構築されたパターンをもっと自然に感じ、制限を減少させるためにも、私は固有受容性バリアを開くように試みます。 反射性神経筋トレーニングをするとき、私はパターンをトレーニングしているわけではありません。ここでは、パターンを分解し、一部に負荷を利用し、反射的に正常な安定化をするような反応や対応を違った方法で練習させることにより、不足しているパターンを再構築するのです。 身体は欠如に対して無知です。私たちが行っていることは、それを固有受容性レベルまで持ち上げることで、その人がそれに対して何かしらのアクションを起こせるようにすることです。 癖やライフスタイルは、私たちの動き方に影響するでしょうか? もちろん影響します。トレーニングのみでなく、常にこのことを考えてみてください。ここで覚えておきたいことは、パターンの再獲得とは、修正したことがごく自然に起こるようになるまで、その動作を正しく行うということです。 いずれの提案も、みなさんのトレーニングプログラムの効果を上げ、将来的には生涯にわたってクライアントのトレーニングに役立つことにつながります。

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