マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてポイントとコインを獲得すれば理解も深まります。
ムーブメントスクリーニング
近年、私はムーブメントスクリーニングやオーバーヘッド・スクワット、シングルレッグ・スクワットのような特定の“ファンクショナル・テスト”に関して、数多くの刊行物に目を通しています。これらの成果を褒め称える人達も、また、これらの有効性について、確信を持てていない人達もいるようです。 これらのスクリーニングに関しての、私の見解を加えてみようと思いました。問題の一つめは、私達がファンクションを一握りの評価の中に押し込もうとしていること。数えきれないほど多くのファンクション=機能を考慮する際、これはかなり難しい注文でしょう。もう一つの問題は、人間のファンクションを“定義”しようとしていること。“ファンクショナル”トレーニングにおいて、これは常に問題であり、クライアントの必要な機能がファンクションを定義づけるのではなく、トレーナーたちが、クライアントのファンクションを定義する傾向にあります。容易ではありませんが、成功するアプローチとは、その人のファンクションの背景にある生体力学を、私達に理解させる思考過程を持つことと、 その人がいかに良く機能的活動と関わるかを私達に示してくれるテストを考案することができることです。コーキネティックにおいて、これは私達がどのように身体にアプローチし、どのようにクライアントに身体へのアプローチを指導するかの基礎、もしくは基本原則を形成しています。 あなたはテストをテストしているのですか?それとも、その人のファンクショナル・ニーズ=機能的必要性をテストしていますか?それが、あなたが自分に問いかけなければならない質問です。テストがクライアント、もしくは選手のニーズと無関係であれば、そのテストの答えにどんな有効性があるというのでしょうか?私達はただ単に、テストをテストしているのです。 全ての動作は、特定の技能です。スポーツの多くの動作は、長年にわたって磨かれた非常に特定な技能です。練習していなかった動作のテスト結果が思わしくないのは、ただその動作の洗練に時間を費やすことがなかったために技能に乏しいのではないでしょうか?動作の上達は技能ベースなのでしょうか?もしそうであるならば、そのスポーツに本当に必要な技能を実践するために時間を費やすべきではありませんよね?これら全てが、私達が問うべき質問です。 動作パターンは脳内に存在し、1千億から1千2百億個のニューロンがあり、それぞれに1万個の神経連絡があるため、私達がどのように機能するかを定義する多くの動作を保持するために、神経系の不動産を脳内に持っているということは、まず間違いないと思います。 テニスはラグビーのように見えますか?そのように見えなければ、これらを具体的にスクリーニングする方法を見つける必要があります。 シングルレッグ・スクワットは、機能的な思考過程を、少し取り込むことができます。歩行において、立脚相(シングルレッグ)が50~85%(諸説ある)を占めるという事実には、特異性が少しあります。私は、歩行の場合は50%に近く、ランニングの場合は85%に近いとおもいますが、歩行時のスクワットの総量は、わずかにすぎないでしょう。 これは人間の歩行の逆振子モデルで、重心を移動させるために、私達は効率的に重力を利用することができることを意味します。これは、ランニングのばね質量モデルの反対です。歩行の目的は、過度にスクワットをするためや、重心を下げるためではありません(ファーリー 1998)。 スクワットの深さは大きくないかもしれませんが、シングルレッグ・スクワットは、ランニングにおいては、よりファンクショナルであって、歩行においてはそうではないかもしれません。ファンクションのバリエーションがわかれば、私達の“機能性”を定義するために、たった1つのテストだけでは、その価値が限られてくるかもしれません。より有効な過程は、私の目の前に立っている、クライアントのファンクションのバリエーションを理解することなのかもしれません。 歩行とランニングのファンクションにおける主要因子は、重心を効果的に動かすことができることです。平行移動させる能力は、回旋と同様に、人間動作の重大な構成要素です。ほぼすべての“ファンクショナル”テストは、私達がどこかに移動したいのであれば、少なくとも同程度に重要である水平面ではなく、矢状面での垂直成分における私達の運動能力を評価しているように見えます。ダイナミックな重心の移動・制御能力は、いかなる“ファンクショナル”テスト・スクリーニング、もしくはプロトコールの原則部分であるべきです。 これは、シングルレッグ・スクワットが示すことではないものの、私達が実施することのできる最も重要な“ファンクショナル”テストの中の1つということなのです。また、シングルレッグテストによって、シングルレッグ姿勢において、大腿骨に対して骨盤がどのように回旋して、股関節に相対的な内旋を作り出すのか?を解明することはより効果的な適合ではないでしょうか?これは、歩行とランニングの両方においてより“ファンクショナル”でしょう。シングルレッグ姿勢において、私達が切望する安定性は、数多くの外旋筋群と内転筋群(内旋時に伸長されている筋肉)の遠心性収縮の張力によって生成されているかもしれません!骨盤の回旋がなければ、この安定性も損なわれてしまうかもしれず、歩行時のシングルレッグにおける骨盤の回旋が無い状態でのテストは、自動車にタイヤを3輪付けてのテスト走行のようなものです!!!ファンクションは特異的で、私達が“ファンクショナル”になりたければ、より特異的になる方法も習得しなければなりません。 オーバーヘッド・スクワットは、もう一つの“ファンクショナル”テストですが、ファンクショナルな活動において、私達は左右対称に、もしくは頭上で何かをするような動作を行いますか? 全員に共通する歩行のファンクションに戻ってみましょう。2本の腕が異なった動きをするのがわかります。片側は屈曲し、反対側は伸展しています。片側は外旋し、反対側は内旋しています。これは、肩甲骨も挙上、下制、後退、前突と左右異なる動きをすることを意味しています。実際、回旋を含むいかなるファンクションにおいて、(ほぼ全ての動作)、これは、関節窩上腕関節、肩甲骨胸関節において生じます。このことを考慮に入れることを失敗したテストは、単一面で行われるオーバーヘッド・スクワットから、身体の機能不全の動作パターンを予測するために信頼できるものなのでしょうか?日々のファンクションにおいて、私達は他の誰かによって定義された、不自然な姿勢からスクワットをすることは滅多にありません。庭仕事をするとき、もしくは冷蔵庫から何かを取り出すときにしゃがみ込む際、ジムで行うように骨盤はニュートラルではなく、つま先も外向きではなく、直線的な動きでもないことを保証します。このように評価・トレーニングし、それを“ファンクショナル”と定義することは、思考過程と有用性の両方において的確ではありません。足の位置の変化、それに基づく股関節の位置の変化、3つの面全てにおける変化は、ファンクショナルなスクワットにおいて、大きな影響力を持ちます。機能不全、もしくは痛みは、この不自然な位置のせいで生じているのかもしれません。そして、ひとつの動作において、より多種多様な位置でのテストを可能にさせる思考過程が、私達により多くの情報を与えてくれるのかもしれません。 最後に、一平面における筋肉の可動域は、三次元的な張力と圧縮力が筋線維に作用している際に、自然に緩和されているのかもしれません。単純に構造は、別の方向や平面によって引っ張られた際に、一平面において十分な長さを得ることができないのかもしれません。よって、一度に単一面しかテストできないテストも、三次元のファンクショナルな筋動作と一致しない情報を与えてしまうかもしれません。これは、力が三平面にわたって、バランスと取らなければならない三次元の環境では適合しない、単一面の力発生(孤立した)と類似しています。 いつものように、これは明確な回答が無く、多くの疑問だけが残ってしまう、複雑なテーマに関する私の見解です。
ストレングス&コンディショニング:2013年に学んだこと。
前年度に発見したことを記事でおさらいするのは、今年で8年目になります。振り返ってみると、過去7年間の内容が、現在の選手の指導とプログラム作製に与えた影響は計り知れないものがあります。そういう意味で、今回の2013年度のおさらいを通じ、皆さんが即座に応用することのできる、貴重な知恵のいくつかを提供できればと思います。 1) 筋膜リリースは一日を通して高頻度で行うのベスト フォームローラー、マッサージ、補助器具などを使った軟部組織へのアプローチがなぜ効果があるのか、明確には理解できていないものの、実施すると身体が楽になり、動きやすくなることは明らかです。不快感をできるだけ少なく、より迅速に結果を出す方法を、我々は常に模索し続けています。 今年の前半、クレッシーパフォーマンスのマッサージセラピストであるクリス・ハワードが、昔のマッサージセラピーの教科書に目を通している際、ちょっとした貴重なものをみつけました。それは「筋膜リリースは、短時間高頻度に行う方が長時間低頻度で行うよりも効果的である」というものです。人の身体は頻繁に変化にさらされたほうが”学習”し適応することができるという性質を考えると、理にかなったアプローチといえます。
股関節全置換後の機能回復 パート2/2(ビデオ)
損傷した股関節を、人工股関節に置き換える股関節全置換術を受けた後の股関節。日常生活やスポーツを楽しむことができる本来の機能を取り戻すために必要なリハビリは、仰向けやサイドラインで行うエクササイズのみで充分なのでしょうか?自重が負荷としてかかった状態で、本来楽しみたい動きに近い動きを行うことの重要性を、ギャリーが解説してくれます。
まずは矢状面
“人生は3D!” “スポーツをするためには回旋が必要!” “本当のトレーニングは前額面、横断面上で始まる!” もしこのセリフを以前にいくつか(あるいは、すべて)聞いたことがあるなら私を止めてください。 今日の投稿の目的は、トレーニングをつまらなくするためではありません。この目的はあなたができないことを伝えることでもないのです。 むしろ、皆さんがプログラムに、より画期的なものをとり入れる前に、するべきことを伝えることを目指しています。 学校にいくと、まず、足し算や引き算といった算数の基礎を習います。 それらをマスターしてから、今度は代数学、幾何学、微積分などのより難しい分野に移っていきます。 つまり、これら算数の基礎は、より高次元の数学において習うことを適切に用いるために、前もって知っておく必要がある必須条件なのです。 そして、われわれのトレーニングにおいても、必須条件があるというのが私の意見です。 とても単純なことですが、最も基本的である、矢状面での動きをマスターしていないクライアントがほとんどであるのに、なぜ私たちはこれほど多くの時間を前額面、横断面上でのトレーニングにあてているのでしょう? 各面上での動きの簡易入門 この投稿を書き始めてから、各面上での動きについてあまり良く理解していない方もいるだろういうことに気づきました。皆さんが理解していると推測するのではなく、簡単な説明が役に立つのではないかと思います。 矢状面 ― 前後で起こる動き。スクワットやデッドリフトなどを考えてください。 全額面 ― 左右で起こる動き。ラテラルランジ、または、サイドステップを考えてください。 横断面 ― 回旋を伴って起こる動き。メディスンボールエクササイズやロシアンツイストを考えてみてください。 では、ここでもっとも重大は誤解の一つは、トレーニング効果を得るためには示された面上で実際に動かなければならないということです。 例えば、前額面上でトレーニングをしたいなら、ラテラルランジをしなければいけないとトレーナーやコーチから言われるかもしれません。 しかし、一般的なランジやスプリットスクワットをするとき、あなたは自分の膝をコントロールし、膝が左右に振れないように、または、内や外に回旋しないようにしているという事実があります。つまりそれは、文字通り、前額面と横断面上の動きをコントロールするようにトレーニングしていることになります。 すべてのエクササイズは矢状面、前額面、横断面上での動き、または、安定性の要素を持っているということを主張したいと思います。 高重量のランジにおいては、すべての面上での安定性が必要になると言えるでしょう。 重要なのは、スクワットやデッドリフトのようなパワフルな動きでは、矢状面での動きに焦点が当たっているものの、それらの動きには、常に前額面、横断面上における安定性の要素が幾らかあるということです。 これに対して、スプリットスタンスや片脚支持でのリフト動作では、矢状面での動きになるものが多いとしても、バランスをとるために、前額面、横断面における安定性がより必要になります。 なぜ矢上面が先なのか。 ここで、ちょっと私に調子を合わせてみてください。新しいクライアントがあなたのところに現れます。クライアントの姿勢を評価し、骨盤の顕著な前傾と腰椎の前湾増加を見つけます。 前額面、横断面における動きの制御の仕方に関する、素晴らしい週末のコースに参加したところです。そこでは、すべての3Dの素晴らしい動きをプログラムに組み入れる方法も習いました。 さて、どうしますか? これをすぐにトレーニングに活用したくなる要求に抵抗してほしいと、切に願います。その代わり、第一に、直すべき必要があるところを直してほしいのです。 機能的な観点からこのことを考えてみてください。 骨盤の前傾や腰椎の前湾がある場合、その人がどのように回旋をおこし、また、コントロールするかに関する数多くの側面を変化させます。 骨盤の前傾は大殿筋を伸長し、そのため、外旋の力を効果的に発揮できなくなります(または、内旋のコントロールを効果的にできなくなります) 内側と外側のハムストリングス、内転筋と外転筋などのアンバランスを見つけるでしょう。 “コア”を安定させるために、腰椎周りの筋肉を能動的に動員する(動的安定性)のではなく、腰椎自体が働いてしまいます(静的安定性)。 これらは、ほんの幾つかのことですが、更に大きなことに繋がっていきます: 矢状面で上手に動けなければ、前額面、横断面上でも上手に動くことができないと断言できます。 前後に上手に動けることは、左右、または、回旋を伴った動きを上手に行うための必須条件になります。 トレーニングのスペクトラムのどこに位置しているかにかかわらず、これは非常に重要なことです。 傷害予防の観点から考えると、骨盤や腰椎をニュートラルに近い状態にすることは腰や股関節、膝へのストレスの軽減につながります。 パフォーマンスの観点から考えると、スポーツパフォーマンスに関する2つの重要なエリアを解き放ったことになります:強く安定したコア、可動性がよく、大殿筋が駆動する股関節。 しかし、スポーツに関してはとはどういうことでしょう? おそらく皆さんがこの質問をするでしょうから、今からそのことについて話しましょう。 もし選手(減量したいクライアントとは対照的に)が上記の姿勢でやってきたとしたら、すぐにトレーニングの仕方を変えたりはしません。 考えてみてください:ウエイトルームで人々をトレーニングするもっとも大きな理由は、修正が必要なところを修正するためかもしれません。 もし彼らが前額面、横断面で上手に動いていないとしても、改善させることを望んで、その面で彼らをトレーニングし続ける必要があるのでしょうか? 実際に改善をみることはできるでしょうか?もちろん見られます。単純にだれかの動きを適切にトレーニング、または指導することは、示された動きを改善することに役に立つでしょう。 しかし、私は、まず最初に、彼らの矢状面における姿勢、アラインメント、安定性を改善することができれば、それ以外のことは、ほんの少し、あるいはまったく指導しなくても改善されてくることを知っています。 このことが、私がトレーニング初期にポジションの後退を使うのが大好きな理由の1つです。両膝立ち、片膝立ち、四つ這い、または、仰向け、うつ伏せであっても、矢状面でコントロールさせることで、それが異なった姿勢やポジションに影響していくことを知っています。 まとめ トレーニング(クライアントや選手のトレーニング)を段階的に考え始める。 その段階の一つは動きの面であり、矢状面の安定性と制御が基本になります。 最初に矢状面の動きをマスターする。そうすることで、それ以外の2つの面上での動作が上手になり始めることに驚かされるでしょう。
ランジモビリゼーション 3
(パート2はこちらへ) 自分自身の身体の質量とそれに伴うモメンタムを効果的に減速できることは、怪我の予防に重要な役割を果たします。ランジモビリティードリルのシリーズに、今回は腕をドライバーにした回旋の動きを加えることで、自身の体重とモメンタムをコントロールする要素がプラスされています。オリジナルの映像サイズがとても小さいのですが、レニーの分かり易い解説が補ってくれています。
TRXピラティスエクササイズ(ビデオ)
TRXインストラクターのPJオクレアーが、TRXを使用したピラティスエクササイズを紹介してくれます。ピラティスのクラッシックなエクササイズにTRXサスペンショントレーナーを加えることで、動きの安定性が変化し、それと共に難易度も変化します。試してみてくださいね。
テンセグリティーの解説
私達の身体は、石やブロックを積み重ねて構築されるような構造ではなく、圧縮する要素(骨)と張力の要素(軟部組織)のバランスの基に成り立っている構造をしています。圧縮と張力のバランスに関して、石やボール、テンセグリティーモデルを使ってトムが分かり易く解説をしてくれます。
野球シーズン中のストレングスとコンディショニング
野球選手のシーズン中のストレングスとコンディショニングについて、ここ数週間で、何十件ものメールやFacebookのポスト/メッセージ、ツイッター、電話などを受け取りました。このテーマについて考えをまとめるのは、困難を伴う作業でしたが、同時に嬉しく思いました。なぜなら、これらの問い合わせが寄せられるということは、つまりシーズン中のストレングスとコンディショニングが、極めて重要であることをやっと関係者が理解し始めたということを示しているからです。 これを受けて、シーズン中の投手と野手のストレングスとコンディショニングへの取り組み方を概説していきます。当然、選手には個人差もあり、スケジュールも異なるので、皆さんにとって上手くいくように手直しを加えていく必要があるでしょう。 私が「あえて実施しないこと」にみなさんが驚かれるかもしれないので、参考までに述べておきます。シーズン中のストレングスとコンディショニングにおける私の方針は、下記の項目において他の多くの人とは異なります: 1.私は、フィールドでバンドやチューブを使うことをあまり好みません。一言で言えば、週2回の「従来の」回旋腱板エクササイズ(主に外旋)と週2回のリズミックスタビリゼーションの練習にこだわる傾向にあります。他にも、複合上半身ストレングスエクササイズ(特に水平プルと垂直プルエクササイズ)や、減速キャッチ、コアスタビリティドリル、下半身ストレングスエクササイズ、軟部組織アプローチ、モビリティードリルなどを含めた、他のすべてのプログラムと併用しながら、腕の健全な状態を維持するために必要なことを、できる限り実施します。すでに投球量や強度、頻度を増やしているのに、それ以上どうしてバンドを使った回旋腱板エクササイズをプログラムに加える必要があるでしょうか? 回旋腱板はもう酷使されているのです。血液循環を良くする目的で、かつ、とてつもなく軽い負荷でない限り、日課としてチューブサーキットを行って回旋腱板をさらにダメにする必要はないのです。 多くの投手達(野手も同様に)は、シーズン中に腕を酷使していると私は確信します。それは、投球時の腕にかかる遠心性の莫大な負荷に充分な理解がないまま、次から次へとプログラムを追加するからです。シーズン中に、回旋腱板エクササイズのおかげで健全を保てると主張するコーチに、私は反論するでしょう。それは、オフシーズンに終わらせることができなかった単なる準備不足だろうと。 2.私は、シーズン中にはあまりメディスンボールトレーニングを使用しません。 シーズン中の選手は、すでにバッティングや投球、スプリンティングなどを行うことでスペクトラムの「絶対速度」の活動領域に限りなく近づいているはずだからです。もし、「不本意」で過剰なパワートレーニングが行われているならば、むしろスペクトラムの反対端に留まっておいた方が良いと思います。オフシーズンならば、スペクトラムの中間域により多くの時間を費やすことができるでしょうが。 先ほどメディスンボールは、あまり利用しないと言いましたが、シーズン中に若干使用することもあります。たいてい、選手のスイングや投球とは左右逆に行います。つまり、右打ちの選手は左手でメディスンボールを投げることになります。また、オーバーヘッド練習も軽く行います。これは、この可動域内でのパワーを維持するためです(それに伴った胸椎と肩の屈曲モビリティーも行います)。 3.私の担当する選手には、長距離ランは行いません。すでに仕上がっているのですから、わざわざ一からやり直す必要はないのです。この時点では、私は単に選手に磨きをかける仕上げ作業に徹します: 野球選手に長距離ランをさせるコーチがいたならば、それは手抜きまたは無知(もしくは両者)以外のなにものでもないでしょう。 4.シーズン中のトレーニングは、まさに“less is more”(控えめの方がより効果的)と“quality over quantity”(量より質)という言葉がぴったりです。シーズン中のストレングストレーニングのプログラムが35−40分以上続くことはまれで、だいたい10−14セットで十分です。ただし、フォームローラーを使用したり、モビリティードリルをしたりして、それよりも長い時間ジムにいる選手もいます。 5.シーズン中のストレングストレーニングのプログラムとして、第1週目には量と強度は低めに設定しますが、その後上げていきます。初期の筋肉痛を抑えるためにも、私は通常量と強度をプログラムの第1週目では低くしておくのです。それから、エクササイズに慣れてきた頃、第2−4週(または、プログラムがやや長めに設定されていれば第2−6週)で徐々に上げていきます。 6.ストレングスエクササイズの選択種目は、シーズン中に変えますが、基本は同じです。総合的な複数関節のストレングスエクササイズを多く取り入れるという基本はそのままですが、いくつかの修正は加えます。 シーズン中には、私は垂直プル(プルアップ/チンニング)よりも水平プル(ロウ)を利用します。一年を通してかなりの量の垂直プルをしてきていますが、シーズン中は週1回、それ以上は決して行いません。なかには、難易度を上げるためにかける負荷により、肘を壊す選手もいます。肘を傷めず効果を出すには、クロスオーバー・リバース・フライをプログラムに組み込めばよいのです。
スプリンター、オリンピックリフター、パワーリフターのストレングス特性はどのように異なるのか?
ストレングス&コンディショニングコーチは多くの場合、アスリートの筋力、パワー、スプリント能力を養うために陸上競技スプリンター、パワーリフター、オリンピックリフターによって使われているトレーニング方法を活用する。 しかしこれらのトレーニング方法は、どのような特性を養うのだろうか? パワーリフターやオリンピックリフター、もしくはスプリンターのようなトレーニングを行うと何が起きるのだろうか?それを解明する一つの方法は、これらのアスリートのストレングス&パワー特性を評価することである。この研究は遺伝性素因のコントロールは行っていないが、トレーニングがもたらす結果についての概要を与えてくれる。 研究論文: パワーリフター、オリンピックリフター、スプリンター間のストレングス&パワー特性の比較、マックブライド、トリプレットーマックブライド、デービー、ニュートン、ストレングス&コンディショニングリサーチジャーナル、1999年. *** 背景 パワーを生成する能力はスポーツパフォーマンスにおける主要な要素である。パワーは一般的にストレングスよりも重要であると考えられている。ゆえにアスリートのパワーを向上するために、ストレングス&コンディショニングコーチにより様々なトレーニング方法が使われてきた。そのようなプログラムは多くの場合、スプリンターのみならず、パワーリフターやオリンピックリフターのような純粋なストレングス&パワーアスリートのトレーニングプログラムからも取り入れられている。 しかし、そのような様々なトレーニング方法からもたらされる正確な結果は不明である。トレーニング方法の成果を評価するための興味深い方法の1つは、彼らのパフォーマンスを確認するために、純粋なストレングス&パワーアスリートが持つ資質を見ることである。この点においては、スクワットは下半身の筋力を評価する一般的な方法であり、ジャンプスクワットやカウンタームーブメントジャンプは下半身のパワーの一般的指標であり、いくつかのスポーツ動作とも一致する。 *** 研究者たちは何を行ったのか? 研究者たちは、多様に異なるストレングス&パワーアスリートのグループ(パワーリフター、オリンピックリフター、スプリンター)において、様々な負荷でのジャンプスクワットの能力を調査したいと考えた。これはこれらのタイプのアスリートのストレングス、パワー、スピードに対する異なる必要性を評価するためであった。 研究者たちは、パワーリフターは主に高負荷、低速でのレジスタンストレーニングを行い、オリンピックリフターは主に高負荷、高速でのレジスタンストレーニングを行い、スプリンターは高負荷、低速のレジスタンストレーニングと低負荷、高速のプライオメトリックトレーニングの両方を行っていると記述している。 ストレングス、パワー、スピードの標準的な定義が使用された。ストレングスは最大力産出と定義され、パワーは最大出力(パワー=力/時間)と定義され、スピードは最大速度を算出する能力と定義されている。 研究者たちは、期待通りに、パワーリフターは低速において高レベルの力を産出し、オリンピックリフターは高速において高レベルの力を産出し、スプリンターは高速において低レベルの力を産出するのかどうかということを確認するために、3種のアスリートのグループを比較しようと試みた。これらの特性をテストするために研究者たちは、スミスマシンでのスクワットタイプのエクサイサイズ、スミスマシンジャンプスクワット、及びカウンタームーブメント垂直跳びにおける被験者のパフォーマンスを測定した。 スクワットはスミスマシンでの1RMが行われ、カウンタームーブメントジャンプでは、被験者は自重のみ、自重プラス20キロ、自重プラス40キロでのジャンプを行い、最大跳躍の高さを測定した。ジャンプスクワットでは、被験者はスミスマシンにおける1RMの30%、60%、90%にて最大跳躍の高さのジャンプを試みた。この研究では1RMの計算方法についての規定はされていなかった。 *** 何が起こったのか? 垂直跳びの結果 研究者たちは、垂直跳ではスプリンターとオリンピックリフターの両方がパワーリフターやコントロールグループよりも高くジャンプしたことを確認した。下記のグラフは、各グループのジャンプの高さの差を示している。 グラフはスプリンターが最も高くジャンプしたことを示しており、僅差でオリンピックリフターが続き、かなり離れて3位に、パワーリフター、そしてコントロールグループと続いている。沢山の人達がオリンピックリフターたちは最高の垂直跳びをする、という信念のもとにあるため、この発見は私にとってはとても興味深いものであった。 しかしながらスプリントには主に水平の力産出が必要であり、オリンピックリフトには主に垂直の力産出が必要であるという事実にもかかわらず、スプリンターのより大きな、パワー対重量の比率は、垂直方向への高さを出すことに対し効果的であったようである。自重のみでのジャンプにおいて、スプリンターは63.8W/kg、オリンピックリフターは63.0W/kg、パワーリフターは56.9W/kg、コントロールグループは49.5W/kgを産出した。 一方当然のことだが、オリンピックリフターは垂直力の産出に最も長けていた。下記のグラフは同じシリーズのジャンプにおける最大出力を示している。 *** スミスマシンスクワットの結果 スミスマシンでのスクワット型のエクササイズにおいて研究者たちは、パワーリフターは平均225.5kg(平均体重は78kg)、オリンピックリフターは平均243kg(平均体重85kg)、スプリンターは平均204.3kg(平均体重77kg)を持ち上げることを確認した。 ゆえに研究者たちが記述した通り、オリンピックリフターが最も強靱であるとするのは技術的に正しくはあるものの、オリンピックリフターは体重の2.86倍を持ち上げ、それに比べパワーリフターは体重の2.89倍の重さを持ち上げたと記述する方がより適切であろう。相対的な強さは下記のグラフに示されている。 これは、パワーリフターとオリンピックリフター両方の強度は実際にはほぼ同等か、むしろパワーリフターの方が多少上回っていたということを示唆している。更に驚くべきことは、コントロールグループ(平均体重75Kg)が1RMとして160Kgを持ち上げたこと、つまり全くレジスタンストレーニングの経験がないグループが、体重の倍の負荷を持ち上げたということである。どのようにしてこれが起こったのかは明確ではない。 *** スミスマシンジャンプスクワットの結果 ジャンプスクワットで最も高く飛んだという点では、ここでもまたスプリンターたちが最も成功したグループであり、下記のグラフに示されている通り様々な異なる負荷において(1RMの30%、1RMの60%、1RMの90%)オリンピックリフター(第二位)やパワーリフター(第三位)よりも著しく高く飛んだことが示されている。 ここでもまた、スプリントは主に水平の力産出を必要とし、オリンピックリフトは主に垂直の力産出を必要するという事実にもかかわらず、スプリンターのより大きな、パワー対重量の比率が、垂直方向への高さを出すことに対し効果的であったようである。しかしながら、下記のグラフで示されているように、ジャンプスクワットの際は、オリンピックリフターが最大の力とパワーを産出している。 研究者たちはどのような結論に達したのか? 研究者たちは、パワーリフター、オリンピックリフター、スプリンター、そして通常のコントロールグループの間で、ストレングス、パワー、ジャンプパフォーマンスが著しく異なると結論付けた。 彼らはまた、パワーリフター、オリンピックリフター、スプリンターには同等な強度があり、オリンピックリフターとスプリンターは同等に高く飛ぶ能力を有し、オリンピックリフターは最も大きな出力を産出できるという結論を出した。 *** 制限要素は何か? この研究には下記のような点において制限があった。 この研究はパワーリフター、オリンピックリフター、スプリンター、コントロールグループというグループのパフォーマンス特性しか示していない。被験者たちは比較的年齢(19.8歳から24.1歳までの範囲)や身長は近いが体重に、かなりのばらつきがあった。体重が異なるアスリートたちの強度とパワーの質を比較するには正規化が有益であるため、これは完全な成功とは言いがたい。 この研究では、彼らがそれぞれ秀でているスポーツに向かう傾向にあるという、アスリートの遺伝的素因を考慮していなかった。例えば、高速での動きを行う能力の無いストレングス&パワータイプの人は、パワーリフティングを行う方向へ進む可能性があり、ゆえに、その他のタイプの人達が、パワーリフティングトレーニングが、爆発的な強度を生み出す能力に関して、真実を伝えられていないかもしれない。 パワーリフターは、必要とされる高いバーポジションにおいては、最大股関節伸展トルクが得られないということ、またオリンピックリフターやスプリンターの方がよりその動きに慣れ親しんでいるという強みがあるということから、スミスマシンスクワットにおいては著しく劣っているようである。 パワーリフターは、彼らの自然な動きが股関節主導であるということによって、膝関節主導のパターンを含むジャンプテストでテストされる際、不利になりがちであり、膝関節主導の動きに慣れているオリンピックリフターと比較してパフォーマンスが劣りがちである。ヘックスバーでのデッドリフトジャンプスクワットや最大下負荷でのデッドリフトのテストではパワーリフターに対して有利な結果となり得るであろう。 スプリンターは主に水平方向へのパワーを使用するため、条件的に不利であったようである。ゆえにテストがジャンプスクワットではなくケトルベルを含むものであったならば、彼らは著しくより良いパフォーマンスを示したかもしれない。 *** 実践的意義は何か? アスリートに対して スプリンターは高負荷、高速のトレーニング(高負荷でのスクワットやプライオメトリックなど)を使うため、これは、高速で自重での動きを含むアスレチックパフォーマンス(ジャンプやスプリントなど)に対してはおそらく高負荷、高速でのトレーニングが最適、もしくは少なくとも十分であろうということを示唆している。 外部負荷や相手を持ち上げることを必要とする力強い動きを含むパフォーマンス(ラグビーのタックル、アメリカンフットボールのブロッキング、砲丸投げ、又は丸太投げなど)のためには、出力を増加するためにオリンピックリフターが使用しているような高負荷、高速を組み合わせたトレーニングが有益かもしれない。
DVRT ハイブリットコンプレックス
4つの異なったエクササイズを、1種ずつ完結させて、エクササイズ間の休憩時間をできるだけ短くして組み合せたハイブリッドのエクササイズシリーズです。基本的な動きも、フォームを確実に、間に入れる休憩を最小限にして組み合せると、驚く程に強度を上げることができます。試してみてくださいね。
強い膝の3S パート1/2
8年前、膝に怪我を負ったことにより、私の身体に対する考えは劇的に変化しました。 若く健康的な時は、それを当たり前のように受け止めてしまうのかもしれません。 しかし、もしもあなたが身体の関節になんらかの問題を抱えた経験があるならば、身体をきちんと動かせて、気分良く居られることの重要性にすぐに気づくのではないでしょうか。どの関節であっても、そしてそれが軽度の怪我であっても、日々の生活における身体機能に、かなり大きな影響を与えうるのです。 最近あまり話をすることはありませんでしたが、私は人々の膝の機能を向上させることに対し、以前と変わらぬ情熱を持ち続けています。そして過去数年間に、膝の機能を最適化することについて、何かしら有益なことを学んだと思います。 長い前置きでつまらなくしてしまうよりも、早速記事の主要部分に触れていきましょう。もしあなたが防弾仕様の膝を望んでいるなら、あなたは適切な場所にきているのです! 私は、誰かの静的姿勢のアライメントを見るだけで、その膝について多くのことを把握することができます。 多くの人が膝だけに目を奪われがちですが、私は、膝を気持ち良く動かすための基盤があるかどうかを判断するためには、膝よりも上位と下位の部分に着目する必要があると考えています。 新しいクライアントの静的姿勢を見る際に、下記の関節をすべて見るようにします: 腰椎 骨盤 股関節 膝 足首と足部 全身は継ぎ目のない、結合した単位として活動しているので、膝の機能は膝の上位と下位の部位の問題により大きく影響を受けます。 アラインメントを向上させるため、私は、健康な膝の”3S”というアイデアを使ってみたりしています。その3Sとは: 矢状面で積み重ね (STACK) 前額面で滑らせ (SLIDE)、そして 水平面で回旋する (SWIVEL)、ことです。 それではこの3つについて、もう少し深く触れていきましょう。 #1 – 膝を積み重ねる 足首、膝、股関節を矢状面で正しく積み重ねることが、最適な膝の機能を得るための最初のステップです。 もし、骨盤が前傾していて、股関節がかなり屈曲してしまい、膝が真っすぐに伸びない状態であれば、間違いなく膝を痛めることでしょう。 膝は馬鹿な関節だ、というのは、私が何年も使い続けている表現です。股関節と足首・足部の複合体は、膝の位置を決定づけるのみでなく、何が出来るかということも決定つけます。 このようにも考えられます: 私たちは皆この言い習わしを聞いたことがあるでしょう。「母の機嫌が悪ければ、皆の機嫌も悪い」 これを膝に例えると、「あなたの股関節と足首の機嫌が悪ければ、膝の機嫌も悪い」 股関節伸展と膝屈曲の不足 これに関しては、膝の強化エクササイズに関するブログでも既に広範囲に記述をしましたが、ここでもう一度まとめてみましょう。 目標は、骨盤、股関節、膝、足首をそれぞれの上にしっかりと積み重ねることです。 これら全ての関節で、充分な可動域と筋力、矢状面でのコントロールができればハッピーな膝を得る基礎を築くことになります。 残念なことに、何年もの間私がみてきたクライアント達は股関節の伸展の制限を克服するのに苦労してきました。私のクライアントの多くは股関節の屈曲筋と腰椎の伸展筋をそれぞれ毎日2万回呼吸するために使っているわけですから、股関節の伸展を充分に得るのは簡単なことではありません。 呼吸にフォーカスを当て、改善させるということはIFASTにおいて大きく流れをかえるものでした。 3、4年前、私たちは適切なことを沢山おこなってはいたものの、呼吸は失われたリンクとなっていたのです。 もしあなたが真剣に股関節の伸展を改善させようとしているならば、まずは呼吸の改善をしなければなりません。もし呼吸が改善できないとしても、ある程度までは漸進するかもしれませんが、最終的には、達成可能なことへの限界がきてしまいます。 座ってこの記事を書いていると、より頭の中がはっきりしてきます。この過程は段階的に進んでいきくのです。 呼吸のパターンを改善させます。そうすることにより股関節の屈曲筋や紡脊柱筋を呼吸のために使わなくてすむようになります。まずこれがによって基礎が築かれます。 股関節の屈曲筋と傍脊柱筋を、フォームローラーで弛めたり、ストレッチしたり動かします。呼吸が最適化されているために、これらもより効果的になります。 最後に臀筋、ハムストリングス、体幹の前面を強化します。 私たちは常に2と3は行っていましたが、1を最初に入れることにより、その後のアプローチのための確かな基礎を手に入れることができるようになりました。 そしてもっと重要なことは、根底にある問題を取り扱うことで、あなたが実現使用としている変化そのものをより定着させることを可能にします。 股関節の伸展は重要ですが、膝の伸展もかなり重要であるということを強調したいと思います。 膝に問題があるクライアントの評価において、膝の可動性がとても悪いケースがとても多くみられます。 膝関節では5-10度の過伸展が得られるべきであり、そのエンドフィールは柔らかくあるべきです。 膝に問題がある人達は可動域が充分にないだけでなく、エンドフィールが硬くスムーズではありません。 膝の伸展制限はいくつかの問題に起因します: 骨盤のアライメントの悪さ(過度の後傾あるいはスウェイバックの姿勢) 大腿四頭筋の筋力不足 ハムストリングスの硬さ ふくらはぎ(腓腹筋)の硬さ または スーパーフィシャルバックライン(筋膜)の硬さ もちろんそれ以外にもあるでしょうが、要点はわかっていただけたと思います。要因は沢山あり得るのです! 誰かがこのような状態を呈している、その理由は何かということを100%間違いなく知りたいと思いつつも、最終的に、私の一番のフォーカスは、その人の膝の伸展を何としてでも取り戻す、ということにあります。 私が膝伸展に制限を持つ人を指導する場合、下記の様式を導入したいと思います:
強い膝の3S パート2/2
#2 – 膝を滑らせる 矢状面での動きを習得してしまえば、次に前額面での動きに進む必要があります。ある人の膝のアライメントを横から見たときには良くて、正面から見ると明らかに前額面、水平面での機能不全があるというケースがよくあります。 これは以前IFASTで私達が指導していたクライアントの写真です。 この若い男性は「ハムストリングスの固さと成長期痛」があると有名な膝専門医に診断されましたが、あくまでその評価は膝の関節にのみ焦点を当てたものでした。 ハムストリングスの固さと成長期痛? もし一歩下がって大局的に見ることができれば、彼には、私達が取り扱い、改善することができるアライメントの問題があることに、皆さん同意されることと思います。 前額面を見る際には、骨盤と股関節の真下に膝関節がくるようにすることがゴールになります。 もしそれが前額面だけの問題であれば、股関節外転筋群と内転筋群のバランスをとることができれば充分でしょう。簡単に説明すると、前額面での機能障害は2つのカテゴリーのうちのどちらかに当てはまります。 外転筋群の硬さ/短縮、内転筋群の伸張/弱さ 内転筋群の硬さ/短縮、外転筋群の伸張/弱さ 例えば、あなたの左の股関節の外側が硬いと、左の股関節の外転筋群が身体を右側に押し出します。そして、これが左股関節の内転筋群を伸張させます。右側では逆のことが起こります。 この問題に気づけば、私達のスタンダードなツールボックスが 適切な筋肉の状態を取り戻す為の基礎(軟部組織ワーク、活性化ドリルなど)を築くことを助けてくれます。 しかし、重りを持つような、楽しいことを実際にする場合に何が起こるでしょうか? 自然な考えとしてはもっと片脚での運動を行う、ですよね? 何といっても、片脚での運動は前額面と水平面での発達を最大化してくれますよね? これは正しいことなのですが、そして、それがまさしく何故私がそこからスタートしない理由なのです。 片脚の運動は安定性の必要性を最大化します。支持基底面が大変小さいために、身体は安定性を自ら“作りだす”ことを要求されるのです。 しかし、もしあなたがその安定性を持っていない、もしくはたった今習得したばかりであるとすれば、片脚での環境は難しすぎるか早すぎるというケースになるでしょう。最適な安定化のパターンを使う代わりに、古くて効果的ではない元のパターンに頼ってしまうことでしょう。 私は、進む段階のスピードを落として、正しい動きができるようになることを確かめたいと思います。 あなたが前額面での機能不全に取り組むにあたり、両脚平行の姿勢から始めることは助けになるでしょう。 両脚スクワット 両脚でのRDL 両脚でのデッドリフト 両脚の姿勢で効果的に両方の脚を使い始めることができれば、片脚での安定とコントロールに段階的にチャレンジしていきます。 片脚での運動にすぐさま飛び移るのは、大惨事の元です。自身の身体に対する安定とコントロールの能力を越えてしまい、思っているような効果は得られないでしょう。 前額面での機能不全に取り組む際には、片脚トレーニングにもっと段階的でスムーズに移行する為に下記の図表をガイドラインとして使用してください。 両脚スタンス・腰幅のスプリットスタンス・インラインのスプリットスタンス・片脚 #3 – 大腿骨と脛骨を回旋する 最後にはなってしまいましたが、大腿骨と頸骨のアライメントを整えられるように、そしてそれらが股関節に対してニュートラルであるように、私たちは大腿骨と頸骨を回旋する必要があります。 これは、ポスチュラルリストレーションインスティチュート(PRI)のインピンジメントと不安定性の講習を受講を終えたときに「なるほど」と思ったことです。 PRIの方々は膝関節を通じてアライメントを最適化することに重点を置いていますが、彼らの考えは、半月板や膝蓋大腿骨間の問題について多くのことを説明できると思います。 このように考えてみてください: 頸骨に対する大腿骨の捻れ 同側の脚において、もし大腿骨が内旋し、頸骨が外旋すれば、膝に対して大きなトルクがかかります。 膝には多少の回旋の容量はありますが、立位の状態で回旋するべきではありません。 頸骨大腿骨関節にトルクが発生すれば、半月板の怪我の受傷発生率は高まります。これを裏付けるリサーチ資料は持っていませんが、常識的に考えれば分かることだと思います。 ですから、私たちは頸骨と大腿骨のアラインメントを揃えるため、頸骨と大腿骨を(相対的に)回旋させる必要があります。 大腿骨と腓骨のアラインメントが揃ったら、次のゴールは、これらを股関節に対してニュートラルにすることです。 膝蓋骨を見ると、大腿骨の滑車溝に固定されていることが分かります。”膝蓋骨のトラッキング”について聞いたことがある内容に関わらず、私たちの多くが、膝のアラインメントのずれを見た時に、大腿骨の位置を戻すことのみに重点を起きがちなのではないでしょうか。 膝蓋大腿骨関節を評価する際には、大腿骨の位置と膝蓋骨の位置の間に、逆の関係性がある事に注意しなくてはいけません。 正常な膝のアライメント 対 膝の外側の “トラッキング” 大腿骨を内旋すると、膝蓋骨は自然に外側に"追従=トラッキング"します。その逆もまたしかり。大腿骨を外旋すると膝蓋骨は内側に追従します。 股関節に対して大腿骨を真っ直ぐにすることが重要であるとされるのはこのためです。そうしなければ、あなたはいずれ膝蓋大腿骨関節の問題に悩まされることになるでしょう。 残念ながら、具体的なアドバイスの紹介となると、一つのブログ記事の範疇を越えてしまいます。今回は、大腿骨と脛骨の回旋によって、お互いのアライメントを整えそれを股関節に対してニュートラルにできれば、膝を長期に渡りハッピーにできる、とだけ言っておきましょう。 まとめ 皆さんのゴールが、競技場を制圧する、高重量のスクワットやデッドリフトを行う、あるいは、ただ単に痛みなく身体を動かす等、どのようなものであったとしても、3Sアプローチに沿うことは、あなたの膝の機能を最大化させてくれるでしょう。