膝関節は3D

蝶番関節と思われがちな膝関節。勿論、一番大きな動きは矢状面で起きていますが、前額面や横断面の動きはどうなのでしょうか?ViPRの創始者であるミショールの、短いけれど分かり易いビデオです。

ミショール・ダルコート 2:09

骨と骨の接触なしで立っていられるのは?

関節面同士を観察した時に、骨と骨が直接触れあった構造になっていないにも関わらず、私達が体重を支えて立っていられるのはなぜなのでしょう?身体構造を支えるモデルの考え方をViPRの創始者であるミショールが分かり易く解説してくれます。

ミショール・ダルコート 1:56

筋限界に至るまでのトレーニングは更なる筋肥大につながるか? パート1/2

限界に至るまでトレーニングを行うべきか否か、というフィットネス業界における大きな議論にもかかわらず、研究者たちはこの問題を十分に調査していない。実際に多くの人が信じてはいることとは裏腹に、限界(もしくは重度の疲労)に至るまでのトレーニングが筋力強化や筋肥大にとって望ましいかどうかということに関する、量を適合させた長期のトレーニングの研究は、非常に希である。下記のものは我々の知識の要約である。 背景 瞬間的な筋限界までのトレーニングは、フィットネス業界における一般的な概念であり、ほとんどのトレーニング中級、上級の人たちは、セットを行っている際に限界に近づいていることを本能的直感により感知する。また、多くのアスリートが定期的に限界に至るトレーニングを行っているが、パワーリフターやボディビルダーなどを含むかなりの割合の人たちは、ワークアウトにおいて常に限界に至るまで行っているわけではない。 しかしながら、ある一定期間のトレーニング後の筋力と筋肥大を調査した研究論文においては、一般的に全てのセットが限界に至るまで行われている。研究論文が伝えていることと、トレーニングを行う人達によって実際に行われているであろうことの間で矛盾が生じている。 それに加え上述の通り、一方のグループが限界までセットを行い、他方のグループが同量のプログラムを限界以前で行うという量を適合させたトレーニング方法の比較をした研究は希である。ゆえに、この短い総括には、これらの研究と量を適合させたプロトコールでの異なる疲労度合いの違いについて調査したものがいくつか含まれている。これは理想的ではないかもしれないが、より充実した全体像を提供しており、下記に詳細が述べられているサンドストラップ(2012年)の発見に基づいて、有効なものであると思われる。 幾人かの研究者と限界までトレーニングを行うことの支持者は、限界に至るまでトレーニング行うことは、全ての運動単位を動員するために必要であると提言しているが、研究者たちはその見解を十分に支持しているわけではない。サンドストラップ(2012年)は、限界に至るまで行われた15RMでの各レップにおけるラテラルレイズの筋電図活動を調査した。彼らは、筋活動のプラトーへは15RMの負荷での10-12レップで達するということを発見し、それは少なくともトレーニングを行っていない個人においては、全ての運動単位を完全に動員するために完全なる限界までトレーニングする必要はないということを意味すると解釈した。 *** 筋限界の筋肥大に対する効果は何か? 下記のトレーニング研究は、多様な異なる方法を用い、量を適合させた同じエクササイズを筋限界へ至らぬ程度まで行った(もしくはより少ない疲労)グループと比較し、筋限界(もしくは多大な疲労)までエクササイズを行ったグループの筋力に対する効果を調査している。 ゴトウ (2005年)は同量の大腿四頭筋のレジスタンストレーニングの組み合わせの中での、大腿四頭筋の筋肥大に対する限界の効果を調査した。各トレーニンググループが、ラットプルダウンとショルダープレスを10RMで3セットと、両脚でのニーエクステンションを10RMで5セット行ったが、一方のグループは、エクササイズ実行中にはレストを取らず、各エクササイズの間、及びセット間に1分のレストを入れ、もう一方のグループは1分のレストに加え、各セットの半分のところで、更に30秒のレストを取った。研究者たちは、セットの間にレストを入れたグループはレストを取らなかったグループに比べより少ない筋肥大を示しており、それは筋限界が筋肥大の重要な修正因子であるかもしれないということを示していると発見した。しかしながら、このような結果が起こった正確なメカニズムは明確ではない。 ショット (1995年) - 研究者たちは7名の被験者において、14週間に渡り週に3回、最大随意等尺性収縮(MVIC)の70%での、短く断続的な筋収縮(より少ない疲労グループ)と、長く継続的な筋収縮(より大きな疲労グループ)という2つのタイプの等尺性ストレングストレーニングによる適応を比較した。右脚のトレーニングとして、各筋収縮の間に2秒のレストとセット間に2分のレストを入れた、3秒間の筋収縮が10回4セット行われ、左脚のトレーニングとして、セット間に1分のレストを入れた30秒の筋収縮が4セット行われた。研究者たちは短く断続的な収縮よりも長く継続した収縮での方が、筋肉の断面積の増加が著しく大きいことを発見した。 研究の少なさにより結論を出すことは多少困難ではあるが、要約すると、限界まで至らないトレーニングに比べ、限界に至るトレーニングでは筋肥大に著しい向上がみられるようである。しかしながら筋肥大の追求において、より多くのトレーニング量をこなすことを支持するエビデンスがとても多く、トレーニングの量と筋力がたびたび互いに相反しているため、現在のエビデンスは、適切な回復が可能な範囲での筋限界を伴う、より多量のアプローチを支持しているようである。

ストレングス・コンディショニング・リサーチ 2198字

筋限界に至るまでのトレーニングは更なる筋肥大につながるか? パート2/2

筋力強化に対する筋限界の効果は何か? 下記のトレーニング研究は、様々な異なるアプローチを用い、同じエクササイズを筋限界に至らぬよう(もしくは少々の疲労程度まで)行った量を適合させたグループと比較して、筋限界(もしくは単に重度の疲労)に至るまでエクササイズを行ったグループの筋力への影響について調査している。 イスキエルド (2006年) – 研究者たちは身体的に活発な42名の男性において、11週間に渡るレジスタンストレーニングと、それに続く5週間の全く同じ最大筋力及びパワートレーニングを、限界に至るまで行うこと、もしくは限界に至らぬよう行うことによる効果を評価した。最初の11週間の段階では、研究者は、両方のグループが1RMのベンチプレスとスクワットにおいて同等の向上を示し、スクワットの際の最大レップにおいて同等の向上を示したが、限界に至るまでトレーニングを行ったグループは、ベンチプレスの際の最大レップにおいてより大きな向上を示したということを発見した。しかしながら5週間のピーク段階では、限界にまで至らなかったグループが、下半身における下肢のより大きな筋出力を示し、ベンチプレスを行う際の最大レップにおいてもより大きな向上を示した。研究者たちは、限界に至るまでのトレーニングが筋持久力を高める可能性があるのに対し、限界にまで至らないトレーニングには最大筋力とパワーへの恩恵があるかもしれないと示唆している。 ドリンクウォーター (2006年) – 研究者たちは、エリートジュニアアスリートにおいて、6RMのベンチプレスと40キロでのベンチスローパワーに対する、レップの限界に至るまでのトレーニングの効果について評価した。2つのグループの被験者は、6週間に渡り週に3回のベンチプレストレーニングを同量行った。一方のグループは260秒毎に6レップを4セット行うことで、レップの限界に至るまでトレーニングを行い、他方のグループは113秒毎に3レップを8セット行うことにより、総合的には同量のレップ数ではあるが、限界にまでは至らぬようトレーニングを行った。研究者たちは、限界までトレーニングを行ったグループがレップの筋力とベンチスローのパワーの両方においてより大きな向上を示したことを発見した。 ロートン (2004年) – 研究者たちは、26名の男性エリートジュニアバスケ選手とサッカー選手における2つのトレーニング方法の影響について比較した。2つのグループにおいて被験者は、6週間に渡り6レップを4セット、もしくは3レップを8セットのベンチプレスを行った。より疲労度が大きかった6レップを4セット行ったグループは、3レップを8セット行ったグループ(4.9%)に比べ、6RMの筋力が著しく向上した(9.7%)が、パワーの向上に関しては2つのグループの間で著しい違いは無かった。 フォランド (2002年) – 研究者たちは、健康な23名の成人における2つのトレーニング方法の効果を比較した。一方のグループはセット間に30秒のレストを挟んで10レップを4セット(より大きな疲労のグループ)、他方のグループは各レップ間に30秒のレストをとりながら、40レップ(より少ない疲労のグループ)の両側ニーエクステンションマシーンを使用したトレーニングを、平均1RMの73%で週に3回行った。9週間に渡るトレーニングの後、研究者たちは、最大等尺性膝伸展筋力の測定において両方のグループで類似した向上が見られたということを発見した。 ルーニー (1994年) – 研究者たちは、量を適合させたプログラムの中において、42名の健康な被験者に対しセット内のレストが筋力に及ぼす影響を評価した。被験者たちは、レスト無しグループ、レストグループ、コントロールグループへと振り分けられた。2つのトレーニンググループは6週間に渡り、週に3回、6RMの負荷にて6-10回のカールを行うことにより上腕二頭筋のトレーニングを実施した。レスト無しグループは全てのレップをレスト無しで行い、レストグループは各レップ間に30秒のレストを入れた。研究者たちは、限界に至るまでトレーニングを行ったグループは著しく大幅な筋力の増加を示したと発見している。しかしコントロールグループと比較すると両方のトレーニンググループともに、筋力は増加していた。 ショット (1995年) – 研究者たちは、7名の被験者において、14週間に渡り週に3回、最大随意等尺性収縮(MVIC)の70%での、短く断続的な筋収縮(より少ない疲労のグループ)と長く継続的な筋収縮(より大きな疲労のグループ)という2つのタイプの等尺性ストレングストレーニングによる適応を比較した。右脚のトレーニングとして、各筋収縮の間に2秒のレストとセット間に2分のレストを入れた、3秒間の筋収縮が10回4セット行われ、左脚のトレーニングとして、セット間に1分のレストを入れた30秒の筋収縮が4セット行われた。研究者たちは、短い断続的な筋収縮よりも、長く継続的な筋収縮の方がより著しくMVICを向上させると発見した。 研究プロトコールと結果の評価基準のばらつきにより、結論を出すことは多少困難ではあるが、要約すると、限界まで至らぬよう(もしくはより少ない疲労)トレーニングを行った際に比べ、限界まで(もしくはより大きな疲労)トレーニングを行った際の方が、ほとんどの測定値において、その筋力は、より大幅に向上しているようである。しかしながら、全ての研究が全ての筋力の測定値に対してこれを示しているわけではない。例えばフォランド(2002年)は、2つのトレーニング方法においてMVICの筋力に差異はないと報告しており、イスキエルド(2006年)は1RMの筋力に関する限りでは違いはないと発見している。 加えてドリンクウォーター(2007年)は、4x6,8x3,もしくは12x3(セットxレップ)のベンチプレスを週に3回、6週間に渡りトレーニングを行った22名のチームスポーツ選手において、限界を超えたトレーニングが限界に至るまでのトレーニングよりも優れた結果を生み出すかどうかを評価した。8x3のプログラムと比較し、4x6のプログラムにはより長いインターバルが含まれており、12x3のプログラムにはより多いトレーニング量が含まれていた。ゆえにこれら両方のプログラムは、望ましいレップ数を完了するためにより多くの強制的なレップを行うようデザインされていた。研究者たちは、レップの限界には達したものの、追加の強制的なレップも追加のセット量も、基本の8x3のプログラムに比べ、更に大きな筋力の獲得へは繋がらなかったということを発見した。 *** 実践的な意義は何か? ストレングスアスリートに対して ストレングスのアスリートに対しては、限界に至るトレーニングを組み込むことが、より筋力の増加につながり得るという根拠のあるエビデンスがある。しかし、限界までのトレーニングは回復に影響を及ぼし得ることから、各アスリートにふさわしい限度内で慎重に使われるべきである。 ストレングスアスリートとボディビルダーに対しては、限界に至るトレーニングを組み込むことは、より大きな筋肥大につながる可能性があるといういくつからの限られたエビデンスがある。しかしながら、おそらくトレーニング量がより重要な要素であるため、筋限界は回復が確実に行われることができる範囲で使われるべきである。

ストレングス・コンディショニング・リサーチ 3185字

膝のセルフモビリゼーション

組織を回復に向わせるには、そのエリアに、様々な角度から血液の循環を高めるアプローチをすること。ジャンパーズニーと呼ばれる膝蓋腱炎のような、膝関節周辺の軟部組織に炎症や痛みを持つ人にとっても、自分自身で行えるセルフケアをレニーが紹介してくれます。

レニー・パラシーノ 3:46

地面を基盤としたコアトレーニング パート1/2

「スポーツは立ってプレイするものだ!」 「立っていなければ、機能的ではない!」 「生活は3次元 - 回旋動作を忘れるな!」 ある程度の期間トレーニングを続けている人ならば、上記の一つ(あるいは全て)のようなを言葉を聞いたことがあるでしょう。 誤解しないでください – これらの文章には間違いなく正しい部分があります。 でも全てが正しいわけではなく、これは誰にでも当てはまることです。 では、なぜ地面を基盤としたコアトレーニングが多くのアスリートにとって良い考えであるのか、そして、ジムで今日から使えるエクササイズをいくつか紹介していきます。 コアトレーニングのプログレッション 私たちすべてにとって、最終的な目標は、実生活に役立つ「コア」エクササイズをすることです。 スクワット デッドリフト オーバーヘッドプレス これらについては議論の必要はないでしょう。でも、次のような疑問が浮かびます: クライアントは身体的にこのエクササイズをする準備ができているのか? クライアントはコアを安定させるのに最適な方法を身につけているか? 股関節屈筋や脊柱起立筋を主要筋として使い、伸展位に固まってしまっていないか? この状況は、「オープン」や「はさみ」姿勢と呼ばれるもので、身体の後面の筋群のみを使っているだけではなく、身体を安定させようとして、脊椎の後面(椎骨と椎間板)を押しつぶしてしまうため、理想的ではありません。 あなたやあなたのクライアントがこれに当てはまるのなら、コアを安定させる技術をしっかり築く必要があります。 典型的な、プログレッションの段階は下記のように表せます。 伏臥位/仰臥位  ・ 四つん這い ・ 片膝立ち/両膝立ち ・ 直立 見ればわかる通り、最終的な目標は立つこと、または、スクワット、デッドリフト、オーバーヘッドプレスのように垂直姿勢でのコアエクササイズを行うことです。同様の記事をこちらからも読むことができます。 でも、もしこれらのエクササイズにより痛みが生じるとしたらどうでしょう? あるいは単純に、効率が悪く、全然進歩できていないとしたら? そのときは、進めてきた段階を逆戻りするときだと思います。 片膝立ち、および、両膝立ちの姿勢は、代償動作を避け、最適な安定性のパターンを築かせるための素晴らしいポジションです。こちらは、両膝立ちのポジションや、片膝立ちのポジションが良く分からない方のための短いビデオです。 これでも上手くできない人がいます。指導をする際に、しつこくポイントを指導し続けなければならず、それでもなおできないという場合には、四つん這いのポジションに戻ります。 もし、四つん這いのポジションでもできないとしたら?それが、最初の一歩:うつ伏せと仰向けのエクササイズに戻るときです。 なぜうつ伏せや仰向けでのコアエクササイズをするのか? うつ伏せや仰向けでのコアエクササイズは、地面を通じて、外部からの安定性がかなり得られるため、理想的です。 考えてみてください。立位では、身体が空間のどこにあるかを感じることができる唯一の「外部」からの手がかりは、足です。足で感じることができなければ、身体がどこにあるかわかりません! 上記で紹介したプログレッションを逆向きに遡っていくと、身体が空間のどこに位置しているのかを理解するのに役立つ、外部から得られるフィードバックがどんどん増えていきます。 うつ伏せや仰向けのポジションは、外部からのフィードバッグがたくさん得られるだけでなく、外部からの安定性も得ることができるため、その際たるものです! 上記で述べたプログレッション(垂直姿勢、両膝立ち、片膝立ちなど)は、赤ん坊が最初の一年で経験する成長の過程にも当てはまります。私は、この分野の専門ではありませんので、詳細ついては、ビル・ハートマンやグレイ・クック、チャーリー・ウェイングロフらに任せたいと思います。 ここでのポイントは、まず矢状面の動きを習得することです。たとえば、テーブル上で、クライアントやアスリートを評価するとき、股関節の内旋が不足していたとします。 従来のアプローチでは、単純に内旋を増やすためのストレッチをして、動きを取り戻そうとします。これは、可動域は増えるかもしれませんが、靭帯や関節包のような受動的な制限を取り払った代償としてかもしれません! 私たちはよく、可動域の制限を見ずに、動きを制限している悪いスタートポジションだけを見てしまっています。 そこで、ストレッチをする代わりに、まずエクササイズの開始位置を変える、または、「リセットする」ことを試みてみます。これは、骨盤や腰椎をより理想的な位置に持っていくためです。こうすることにより、すぐに可動域が変わるのであれば、まずポジションを正す必要があるということがわかります。 かなり遠まわしな言い方になりましたが、関節(この場合、骨盤と腰椎)を通じて、理想的な矢状面の機能がなければ、前額面や水平面の可動域を十分に得ることは難しいでしょう。 次回の記事では、コアの前面を発達させるのに有効な、仰向けのエクササイズに重点をおきます。多くのクライアント(およびアスリート)は、様々な角度の、腰椎伸展/前傾がありますが、コアの前面が強く安定していれば、これを正し、伸展をうまくコントロールすることができるようになります。

マイク・ロバートソン 2425字

地面を基盤としたコアトレーニング パート2/2

地面を基盤としたコアエクササイズ 一週間少し前に、IFAST(著者のトレーニング施設)で、新しい遠距離のクライアントのトレーニングを見ていました。彼女には、まず矢状面の動きを習得してもらいたかったため、常に仰向け/地面を基盤としたコアエクササイズを、かなり多くプログラムに取り入れていました。

マイク・ロバートソン 874字

遊ぶことで変化を(ビデオ)

TRXトレーニングの教育部門最高責任者であるフレイザーが、運動を愛する人として、そしてフィットネス業界を代表するひとりとして、これから私達が眼を向けるべきことへの彼の考えをシェアしてくれています。同感同感。

TRXトレーニング 10:55

股関節内転・股関節外転アセスメント

2013年11月9日&10日の2日間、SYNEGRYで開催したITピラティスの創始者ジーン・サリヴァンのアセスメントWSから、仰臥位でのパッシブな股関節内転、股関節外転の動きのアセスメントをご紹介します。

ジーン・サリヴァン 9:06

ファンクショナル・トレーニングとは?

単純な質問をしたいと思います。ファンクショナル(機能的)とは何ですか? ‘ファンクショナル’は、様々な人にとっての、様々なことを意味していることから、私はこの問いかけをするのです。よく使用される用語でありながら、はっきりとした明確な意味を持たず、多くの誤解があるようです。コーキネティックでは、ファンクショナルという用語は、ひとつの意味を持っているものではなく、あなたの目の前に立って、あなたが評価、治療、トレーニングをしようとしている人に関連しているものです。 質問は、ただ単にファンクショナルというのではなく、“何のためにファンクショナルなのか?”、“誰のためにファンクショナルなのか?”である必要があります。BOSUの上で3つのダンベルをジャグリングしたり、スイスボールの上で膝立ちしたりすることは、ファンクショナルに対する、私の見解ではありません。あなたが、誰かがBOSUの上でテニスをしたり、スイスボールと共にランニングしたりするのを、最後に見たのはいつのことですか? ファンクショナルムーブメント=機能的な動きは、数えきれないほど存在しますから、様々なハードルや棒を用いる5~6種のスクリーニングでファンクションを定義しようとすることが、ファンクションが何であるかについての真の見識を与えてくることは決して無いでしょう。質問は、“あなたはファンクション(機能)をテストしていますか?それとも、ただ単にテストをテストしていますか?”ということです。あなたの行っているテストは、個人のファンクションに関連がありますか?他に行うべきテストが無いからといって、そのテストを行っていませんか? 私達は、身体の生体構造を鍛えることに、多くの時間を費やしています。これから、私達は、人々のファンクション=機能を鍛え始めなければなりません。生体力学や筋機能といった動きの解剖学は、それぞれの異なる機能において変化をするでしょう。単純な解剖学的モデルは、21世紀では、もはや有効ではないのです。私は、ボクサーにランナーと同じようなトレーニングや治療を施したいのでしょうか?決してそんなことはありません!研究を伴う特異性の原理は、一般的に、特定の動作パターンをトレーニングすることによる影響が、他の動作パターンに及ぶことは、ほとんどないことを示しています。これは、ボクシング特有のトレーニングは、ランニングパフォーマンスの向上には、ほとんど影響しないであろうということを意味しています。そして、それは、ベンチプレス、もしくはラット・プルダウンが、ボクサーやランナーに与える影響は、更に少ないということを意味しています。ただ単に生体構造を鍛えることが、トレーニング効果の繰り越しを生むことはほとんどありません! それが、私達が、コーキネティックにおいて、クライアントが自ら、彼らにとってのファンクションを明確にすることを好む理由なのです。クライアントの個人的なファンクショナル・ニーズを理解することによって、あなたは 極めて適切な、正真正銘の、特定のリハビリテーション、トレーニング、パフォーマンス・プログラムを作り出すことができます。クライアントを関わるトレーニングが本当の意味での、パーソナルトレーニングになるのです。 コーキネティックにおいて、私達が唱えるファンクショナル・ムーブメントの基本原則が、何がファンクショナルであるかを定義する手助けをしています。ファンクショナル・ムーブメントの基本原則の数例を挙げるならば、私達は、ファンクションは統合的、3次元的、タスク駆動的、動的であると信じています。これに生体力学の知識と加えることにより、私達は、クライアントのファンクションを本当に理解し始めることができます。速く、動的に、楽しく工夫された評価技法を用いて、実際にクライアントに動いてもうことによって、私達は人々の動作を評価することができます。それが、動作問題解決のプロセスであり、本質的かつ、特有のトレーニングなのです。

ベン・コーマック 1718字

股関節全置換後の機能回復 パート1/2(ビデオ)

損傷した股関節を、人工関節に置き換える股関節全置換術を受けたあとの股関節にとって、私達の身体が本来必要とする動きを取り戻すには、どのようなリハビリを行う必要があるのでしょうか?股関節の内旋や内転は、どのような場合にも避けるべき動きなのでしょうか?

グレイインスティテュート 8:21

広背筋:味方か敵か?パート1/2

広背筋はよく深く崇拝される筋肉のグループです。 ほとんどの男性はあの“先細りしたVの型”でムキムキに見られることに夢中です。 女性にとっては、自分の体重を動かせるという事がとても力づけられることのようで、IFASTを訪れる女性には、懸垂をできるようにゴール設定している方が非常に多いのです。 しかし、全ての広背筋はキレキレでなければいけないのでしょうか? そして、もし広背筋を取り囲む前後にある他の筋肉とバランスをとらなければどうなってしまうでしょう? それでは広背筋通りを旅して、何が学べるかみてみましょう! 広背筋の解剖学と機能 広背筋は身体の中で最も大きな筋肉グループのひとつです。付着部位のひとつは上腕骨の前面にあり(上腕の骨)、他の付着部は、胸腰筋膜を横切り、腰部、骨盤上部、そして仙骨になります。 もしインターネットで、広背筋が行うことの情報を調べてみようとすると、おそらくこのような事を見つけるのではないかと思います。 肩の内旋 – 腕/手を内側にまわす。 肩の伸展 – 頭上の位置から腕を下/後ろに降ろす。 肩の内転 – 腕を身体の中心線に向けて動かす。 しかしこれらは非常に限られた考え方です。多くの場合我々は筋肉が遠心性(筋肉の伸長時)において行うことよりも、単に求心性(筋肉の短縮時)に注目しすぎてしまっているのです。 上記のものは全てその通りなのですが、広背筋はこうでもあると言えます: 肩の外旋に抵抗、もしくはコントロールする。 肩の屈曲に抵抗、もしくはコントロールする、そして 肩の外転に抵抗、もしくはコントロールする。 しかしこの見方でさえも、広背筋が行うことを公平に表してはいません。単純に腕の動きをみるのではなく、広背筋が骨盤や腰椎に与える影響を見てみてはどうでしょうか? 広背筋の腰部や骨盤への連結により、腕を頭上にあげた時(懸垂やオーバーヘッドプレスを行うような時)、あなたは広背筋をストレッチ、もしくは伸長させています。 もしあなたが腰部や骨盤を適切にコントロールできないとしたら、何が起こるのでしょうか? もし広背筋が固すぎたら? 答えは単純:骨盤が前傾し、腰椎前弯が増加します。 皆さんお分かりでしたよね?そうだと思いましたよ! あなたは機能不全ですか? 腰椎前弯のクライアントやアスリートは、一般的に広背筋も固いですが、どうすれば、これを確実に知ることができるでしょうか? 不十分な頭上への挙上 もし手軽な評価方法を自分自身に行いたいのであれば、これを試してみてください。鏡に対して90度の角度で立ち、腕をできるだけ高く持ちあげてください。 コアや腰椎の位置を犠牲にすることなく、腕を完全に頭上に挙上(~180度)させることができるべきなのです。 もし、頭上への挙上ができたけれど、腰をそらしたり、届かせる為に肋骨下部を広げたりしたのであれば、申し訳ないですが、あなたにはやらなければならないことがありますよ。 次の質問は必然的に “どうしてこんなことになったのか?”、もしくは“こんなことになるのに、一体何をしたのか?”となります。 明らかな最初の選択はプログラミングでしょう。背面上部と広背筋を鍛えるのに多くの時間を費やしてきた殆どの人は、その部分が固くなっています。これはかなり明らかなことでしょう。 しかし、時には、広背筋は道連れになっていることで固くなるということもあります。 もしあなたが、腰椎の伸展を強調したリフト(デッドリフト、グッドモーニング、RDL、バックスクワット、など。)を非常に多くの回数行っているとしたら、広背筋はそれらの副産物として固くなり得ます。 こう考えてみてください。もしあなたが、常時骨盤前傾で、腰椎前弯が強調されているとすれば、どこかの時点で、あなたの身体はこれが普通だと判断するようになります。ですから脊柱起立筋が固く短くなるのと同じように、広背筋も固くなり得るのです。 最後に、もし呼吸が上手に出来ないのであれば(股関節屈筋群/傍脊柱筋優位の戦略を使っている)、繰り返しになりますが、常に悪い位置に置かれている副産物として広背筋は短縮位に固められてしまっているのです。 その上で20,000回の呼吸を一日に行うわけです。もし呼吸に問題があるのであれば、明らかにこれも対処をしなければならないことになります。 あなたが機能不全かどうかに対して、より良いアイデアを持つことができたところで、今度は、少し構造のバランスが大事であるということについて話をしましょう。 良い状態の広背筋が悪くなるとき 最近、肩のモビリティーがとてつもなく悪いクライアントが沢山、私のジムを訪れています。 最も明らかな例としては元IFASTのインターンであるパトリック・カスティリャ、またの名を”パット ザ ラット(広背筋のパット)です。パトリックは、どんな時でも15-20回の懸垂ができました。さらに彼は、インターンを終える頃には、ベルトなしで500パウンドのデッドリフトも行っていました。 彼は明らかに強いわけですが、彼の動きの質は、望んでいるものには、まだ何かが足りませんでした。 このインターンシップの終わりに向けて、我々は彼の肩のモビリティーを取り戻すことに、朝の時間全てを費やしました。エリック・オッターと私はアセスメントルームにこもり、彼の肩のモビリティーを再発達させる為にできることを全て行いました。 そして、テーブルの上で、彼は全てのモビリティーを取り戻しました。私達は全ての多様な肩の可動域を通して彼の肩を動かしましたが、彼は大丈夫だったのです。 しかし、彼が再び床の上に立ち、活動的に彼自身を安定させる為にコア/体幹を使い始めると、すぐに彼はそれを“失って”しまいました。 この話の教訓はこうです: 大きく、固い広背筋を埋め合わせる、強く安定した腹筋がなければ、あなたはトラブルにまきこまれる。

マイク・ロバートソン 2648字