マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてポイントとコインを獲得すれば理解も深まります。
TRX 40/40チャレンジ(ビデオ)
TRX 40/40チャレンジは、TRXアトミックプッシュアップとTRXローロウという2つのエクササイズを組み合せて行います。運動強度の高い複合的な種目を、誰もが確実に成功しつつ漸進することができる、効果的なリグレッションの方法を、ダン・マクドウが指導してくれます。
受動的な股関節内旋及び外旋のアセスメント
2013年11月9日&10日の2日間、SYNERGYで開催したITTピラティスの創始者、ジーン・サリヴァンのアセスメントWSから、仰臥位での股関節屈曲位において、また伏臥位での股関節伸展0度においてのパッシブな内旋及び外旋の可動域のアセスメントをご紹介します。
クロスパターンの強化トレーニング
反対側の四肢が恊働する、クロスパターンのシステムは、身体の前面、後面、側面に様々なパターンで存在します。アルティメイトサンドバッグを道具として用いながら、身体と負荷のポジションと動きによって、クロスパターンを強化するエクササイズをご紹介します。
筋肉の実際の働き方
このシリーズの最終回として、筋肉に関する話題に戻ってみたいと思います。以前の記事において、身体がどのようにして、筋肉ではなく、動作を認識するのか、そして、これがどのように、最も重要なファンクションの基本原則の一つを形成するのかについてお話ししました。また、筋肉が、動作を作り出すというよりも、いかに動作に反応するのかについても触れました。この概念は人によっては理解しづらいものです。今回のレッスンにおいては、筋肉の実際の動き方について説明してみようと思います。 ほとんどの人達が一度も教えてもらわなかったことの最初の一つは、機能において、筋肉は収縮する前に伸長するということです。この点を説明するために、ジャンプしていただきたいと思います。そして、“どのようにジャンプしたのか?”と自問してみてください。最初に、沈み込み、それから跳び上がりました。あなたの意図は跳び上がることでしたが、身体は、最初に、筋肉に負荷をかける必要がありました。伸筋群は、爆発して伸展の状態になる前に、負荷をかけるために、屈曲の状態になる必要がありました。ボールを投げようとする時にも、同様のことが起こるでしょう。最初に、私達は反対方向へ回旋します。もし回旋しなければ、とんでもない投球になることでしょう。 このように、実際、筋肉は、私達が教えられたものとは反対の動作を行いたい、と言えるかもしれません。もしこれが筋肉の真の活動の仕方ならば、私達がクライアントを評価、治療、トレーニングする際に、考慮に入れているかどうか?クライアントの求心性収縮的に爆発する能力と同様に、遠心性収縮的に負荷をかける能力に、目を向けているかどうか?を自分自身に問いかける必要があります。もし負荷をかける能力が、爆発する能力を決定づけるのであれば、これは、クライアントの痛みの理解とパフォーマンスの向上において、欠けている部分なのかもしれません。 筋肉は、常に、私達が教えられてきたように活動するのでしょうか?私は、常に、ハムストリングスは、膝の屈曲時に短縮性収縮すると教わりました。これを機能的背景に置き換えてみるとするなら、歩行のような場合には当てはまりません。脛骨は、前足が地面に接地する際に、骨盤の前方回旋よりも素早く後方に回旋しています。これは、ハムストリングスの伸長を作り出しますが、膝は屈曲しています。ハムストリングスは、膝が伸展する際にも、短縮性収縮をすることができます。もし骨盤が、脛骨の前方回旋よりも素早く後方回旋するならば。これは筋肉の機能的背景が、筋肉が伸長、もしくは短縮するかどうかを、決定づけているということを示しています。 ハムストリングスを治療、もしくはトレーニングするとすれば、ハムストリングスをトレーニングする理由と、ハムストリングスの反応の仕方を知りたいでしょうか?もちろんです!これは、皆さんのクライアントのニーズを援助するための、最速で最も効果的な方法です。私を信頼してください。クライアントの方々は、皆さんに感謝してくれますよ。ただ単に、レッグカールやトータッチを行わせるのではなく、少し時間を取って、この状況下で、ハムストリングスが何をするかを考えてください。クライアントがランナーならば、彼らのハムストリングスは、本質的で効果的であるために、膝の屈曲時に伸長する必要があるでしょう。何人の人達が、ハムストリングスの柔軟性に変化が無いのに、ストレッチをしているでしょうか?答えは、“大勢の人達”です!筋肉がどのように働くかを本当に理解するためには、生体力学と筋肉の機能をもう少し知る必要があります。これは、コーキネティックにおいて、私達が重点的に取り組んでいることなのです。
ランジモビリゼーション
(パート2はこちらへ) 矢状面、前額面、横断面、動きの面それぞれにおいて、より一般的な方向に向けて体重移動をするランジのパターンを行うことで、よりグローバルにダイナミックに可動性を高めるためのシンプルなモビリゼーションをご紹介します。オリジナルのビデオファイルのサイズがかなり小さいため、多少画像が見えづらいところがあることをご了承いただけますようお願いいたします。
トミージョン手術の神話 パート1/2
2014年、全米スポーツ医学機構主催の、野球における傷害セミナーでの大きな話題の一つは、トミージョン手術として広く知られている、肘内側側副靭帯再建手術の術後経過に関する理解の進化であった。我々は、初めてフランク・ジョーブ博士が手術を行って以来、トミージョン手術を受けたことのある選手の手術結果に関するデータを毎年蓄積し続けてきた。 ジェームス・アンドリュー博士とフランク・ジョーブ博士 過去数年間、我々は、間違いなく世界中で、最もトミージョン手術を行っている医師であるジェームズ・アンドリュー博士による、とても重要な研究結果を見てきた。2010年に彼らは、19年以上にわたって調査してきた1281名のアスリートの2年間の短期的結果を発表した。さらに最近では、少なくとも10年以上前に手術を受けている256名の、10年間以上のフォローアップの結果を公表した。 これらの画期的な研究から得られる情報をもとに、現在我々は、トミージョン手術の結果についてより多くのことを理解している。しかし、トミージョン手術に関する一般の理解は正しいのだろうか、また、我々の見解はメディアで騒ぎたてられている情報に左右されていないだろうか? ニューヨークヤンキースのクリス・アマッド博士はトミージョン手術についての 、選手、コーチ、両親の見解を調査し最近その論文を公表した。著者の言及によると: 28%の選手と20%のコーチは、トミージョン手術を受けることで競技力が向上するだろうと考えている。 23%のユース世代、32%の高校生、53%の大学生投手、33%のコーチ、そして、36%の両親がトミージョン手術後に球速が上がると考えている。(私は昨日ツイッターとフェイスブックのフォロワーにも調査し、大多数の人々がトミージョン手術後球速が上がると考えているという結果を得た) 24%の選手、20%のコーチ、そして44%の両親が9カ月以内に復帰できると考えている。 もっとも衝撃的なものとしては: 33%のコーチ、37%の両親、51%の高校生選手、26%の大学生選手が、肘の傷害がなくても、パフォーマンス向上のためにトミージョン手術を受けるべきだと考えている。 これはまったく的外れである! この話題におけるアマッド博士の研究と最新の調査に基づいて、これらの考えに関して討論し、これらの考えの多くが間違っているということを人々に理解していただきたい。 選手、コーチ、両親が正しく理解すべきトミージョン手術に関する間違った神話は以下のとおりである。 すべての選手がトミージョン手術から復帰する 肘の傷害がなくてもトミージョン手術を受けるべきだと、37%の両親と51%の高校生選手が考えているとすると、その考えではすべての選手が元通り投球できると推測しているわけだが、本当にそうだろうか? まず、大リーグ関係者は同意しない。ロサンジェルスドジャーズのヘッドアスレティックトレーナーであるスタンカントが、2014年全米スポーツ医学機構主催の野球における傷害のセミナーで興味深いデータを公表している。 その中で、メジャーリーグ、マイナーリーグを合わせたすべてのプロ野球投手のうち16%の投手が、そしてメジャーリーグ投手の25%がトミージョン手術を受けていると言及している。仮にトミージョン手術が確実な方法であるなら、その数字はほぼ100%近くになっているはずである。 アンドリュー博士が行った短期的、長期的研究のどちらにおいても、83%の投手が手術前とほぼ同レベルか高い水準で競技復帰している。83%はとても良い結果であるが、100%ではない。 必要としない限り、だれもトミージョン手術を受けようとは思わないということが言える。手術からの復帰は保障されているわけではない。 トミージョン手術では合併症がない 良質な手術とリハビリテーションで、合併症というものは最小限に抑えることができるということに賛成しているが、トミージョン手術が常にうまくいくわけではなく、合併症が起こることもあるということ忘れてはいけない。 上記に言及されているケイン博士とアンドリュー博士が行った研究では、アンドリュー博士が執刀したすべての手術において20%の合併症が発症し、そのうち16%は深刻な合併症ではなかった。これらの合併症は尺骨神経の問題から感染症、さらには移植片不全にいたる。 この合併症の発生率は、この術式において最高と考えられ、もっとも多くトミージョン手術を行っている医師によって報告されていることを忘れないこと。 100%完璧な手術などはなく、常に合併症が起こるリスクがある。 トミージョン手術
トミージョン手術の神話 パート2/2
トミージョン手術からの復帰は早く簡単である 何年にもわたって一般の人々がこのような間違った安心感を得るようになったのは、手術からの復帰が早く、かつ簡単であると一般には考えられているからである。繰り返しになるが、アマッド博士の報告では、44%の両親が9カ月以内に投球できるまでに回復すると考えているのである。 一般的に、復帰までは9-12カ月かかります、と我々はいつも伝えている。これは過去の研究において、この期間が一般的であると示されているためである。野球界では早めに、9カ月に近い時期に復帰を試みる傾向があるということを認めざるをえない。 アンドリュー博士の研究結果では、競技復帰までの平均期間は11.6カ月であると報告されている。 安全な復帰時期がいつであるかを決定するには、個々の選手において数多くの要因がある。年齢、競技レベル、手術の時期、そしてどれだけ円滑にリハビリがすすめられているかなどがこの要因に含まれる。正直に言うと、9カ月で復帰した選手を今思い出すことができない。私が担当したトップレベルのメジャーリーガーの選手は、大体術後10.5から11.5カ月で復帰しているが、もっと若い選手達に、この期間で復帰することは奨励しない。 個人的には9-12カ月と書くことをやめようと思っている。というのも、この表記は、多くの人々に間違った希望や情報を与えてしまうと感じるからである。私個人としては、単純にトミージョン手術からの復帰には1年かかります、と伝え始めるつもりだ。これを基準としながらも各個人に合わせていくことになるが、トップレベルの選手であれば復帰まで約11カ月、アマチュアの選手であれば約12カ月というのがおそらく選手達にとって最良であろう。 手術をするということは、競技に復帰するまで12カ月かかるということになる。 トミージョン手術後球速が上がる これまで話してきた神話のなかで、術後に球速が上がるというという思い込みを否定することがもっとも重要だと考える。これは、長年にわたってメディアで取り上げられ騒がれてることなのである。 最近、メジャーリーガー投手におけるトミージョン手術前後の球速を計測する、2つの予備研究が行われている。レベッカ・フィッシュビンが2013年、ボストンでのサバーメトリクスセミナーで結果を公表している。彼女は、2007年から2011年の間でトミージョン手術を行ったメジャーリーガー投手44名の、術前と術後の球速を解析した。 術後の球速には有意差はなかったと報告した(実際には時速0.875マイルの減速がみられたが、大幅に下がったわけではない。)スタン・コンテは2014年の全米スポーツ医学機構、野球における傷害のセミナーにおいて、2007年から2012年の間に32名の選手を調査し、同様な結果を報告している。スタンの研究においても、術前と術後で有意な差はなかった(時速0.79マイルの減速がみられたが、これも大幅な減少ではなかった)。 私個人として、術後に球速が上がった選手を数多く見てきたが、ここで重要なことは平均では球速に変化がなかったということである。なぜ球速の上がる選手がいるのかについては、多くの理由がある。おそらく、長い間、靭帯が機能不全の状態で、あるいは痛みのあるなかで投球していて、手術前はろくにトレーニングができなかったのか、あるいは、リハビリをしている間に急激に成長したのかもしれない。 一般的に信じられていることとは異なり、メジャーリーグの投手では、術後に球速が上がるとは示されていない。 すべてのトミージョン手術のリハビリは同じである 最後の神話は、私にとって個人的な意味合いを持つ神話である。野球の投手達はとても独特のアスリートで、最高の結果を出すためには優れた経験をもつスタッフと共同して取り組まなければならない。多くのことを注意してみなければならず、それを見落とすと簡単にリハビリが停滞してしまうことがある。 私は、自身のキャリアの全てを、野球選手との仕事に費やしてきた。そして、今でも常に、何が彼らを特別にするのかに関して多くのことを学び続けている。何かを解明したと思った途端、誰か選手がやってきて、彼らの身体で何ができるのかに関して驚かされてしまうというような。 トミージョンのリハビリテーション トミージョン手術のリハビリにおいては、野球の投手がもつ独特の特性を理解すること、どのようにこれらの傷害が起こったのか、その本質を理解すること、そして、復帰までの間、投球時にかかる身体へのストレスについての理解が要求される。プロトコールに従って進めることは誰でもできるが、ジェットコースターのようにプログラムがスピードアップしたりスローダウンしたりしないよう、各個人に合わせてプロトコールをどのように調整するかを理解する必要がある。 可動域の減少は問題となり、尺骨神経にストレスを与えないでおくことは重要であり、投球を開始するのに靭帯の回復が間に合っているのかを確認しながら、徐々に活動レベルを上げていくことはとても重要であり、また、投球プログラム強度を徐々に上げながら、ストレングストレーニングの運動強度をコントロールするためには、技術と経験を要する。 トミージョン手術後のリハビリにおいては、誰しも悪い日、あるいは悪い週がある。これらの時期をいかに乗り切っていくかが、安全で効率のよい競技復帰に導くのである。 まとめ 結論として、トミージョン手術を受けたなかで83%の選手が、手術をする前と同等かそれ以上のレベルで、球速の向上はなく、術後11.6ヶ月で復帰している。 トミージョン手術は、確実に回復するという方法ではなく、最良な選択は、常に極力手術を避けるようにすることである。これがいつも可能であるわけではないが、競技力を向上させるだけでなく、野球選手の傷害を減らすためのプログラムを構築していくべきである。 一般に信じられていることとは異なり、トミージョン手術を受けた場合、合併症なしに手術前の競技レベルで復帰できる保証があるわけではなく、また、リハビリも短期で簡単なものではなく、結果として球速が上がるというわけでもない。
プライオメトリクスのボリューム
マイク・ボイルのMBSCにおいて、プライオメトリクスのプログレッションがどのように実施されているのか?膝蓋大腿の障害の発生率を最小限に抑えるために、何に注意をしているのか?今週土曜日、2014年3月1日は、マイクの右腕として指導に大活躍中のケビン・ララビーが東京にて1日セミナーを指導します。ビデオ収録もお楽しみに!
学習に混沌は必要か?
私の大学生活はじめの数年間と実習生をしていた頃、先生から常にスキルを細分化するように言われていた事をはっきりと覚えています。そうすることで学生達はスキルの組み立て方が腑に落ちるようになるから、と。最初の数年間、私はそのコンセプトに従っていました。何故かははっきりと分からないままに。なぜならそれによって常に成功に導けていたわけではなかったのです。 自由な遊び それから何年もたち、私はストレングストレーニングパターン、多方向へのスピード、そしてそれらの間にあるもの全てに関わる形で、ムーブメントのコーチングをしています。“自由な動き”やスポーツの試合の勝負を見ることで発見したのは、アスリートは多くのスピードスキルやストレングスパターン動作をランダムに、そして非常に効率的に行っているということです。もちろん、乏しいパターンを露呈しているアスリートも中にはいます。しかし多くの場合は素晴らしいものです。私が焦点をあてる、この“自由な遊び”とスポーツの試合の動作の側面は、短い時間枠の中での数多くの動作のランダム性です。アスリートは、その瞬間のニーズによって動いているのです。 試合を習得 ランダム性は特定のパターンを教えるのに重要なツールだと、私は常に思っていました。私の主なリソースは私の幼少期と友人でした。成長の過程において、私達のスポーツにスキルコーチはいませんでしたが、私達は高い技術を持っていたのです。なぜなら私達が目覚ましく向上した様々なスポーツにおいて、数多くの動作パターンと特定のスキルに何時間もさらされていたからです。私の数人の友人と私はテニスをしていました。ご存知のようにテニスは、単に“習得する”というのが非常に難しいものです、しかし私達はとても上手でした。実際私達は、大学は言うまでもなく、いくつかのトーナメントでプレーをし、かなりの高いレベルにおいて勝利を収めていました。私達には、テニスに特化したドリルのコーチはいませんでした。私達は、単に自分たちより上手な選手達とプレーをし、そこに身をさらすことで学んできたのです。私が育ってきた過去の経験から、事例を述べ続けていくことはできますが、大事なことは、実際の試合や活動での経験を、教えとして使っているということです。私達は順応することを学ぶか、さもなければ失ってしまうかのどちらかなのです。 私には、小さな裏庭で横幅の狭い中でフットボールゲームをし、タックルをされないように避ける術を学んでいた鮮明な記憶があります。繰り返しになりますが、順応するか失うかなのです。より多くの露出と経験をすることにより、私達は何が上手くいって、何が上手くいかなかったかを見つけてきました。この経験は反応し、動くという能力を築いてくれました。 部分と全体の動き 私達は、避け方を学ぶ為に動作スキルの一部を細分化する必要はありませんでした。経験が私達に教え、より多くの露出により解明する可能性が与えられていました。 動き方を学習する際の神経系システムは、混沌とした状況を好みます。私がこれを真実だと思う理由は、反射的動作というのは、人類の夜明けから、我々が生存するために使ってきたものだからです。我々の存在は闘争、または逃走することができるかどうかにかかっていたのです。反射的ではあるものの、フットワークのランダム性は、素早く身体を動かし“生存”するために非常に精密なものです。神経系システムは俊敏な退避、もしくは攻撃を必要とする予測不能な混沌状況を取り扱えるように張り巡らされていると信じています。それはスポーツと人生にも言えることではないでしょうか。 赤ん坊は、いくつもの全体の動作パターンを通して歩行を学びます。これらの動作パターンは、その初期において完全なる歩行ではないかもしれませんが、伸展パターン、屈曲パターン、そして回旋パターンが必要性、もしくは興味によっておこります。時間の経過と共に、赤ん坊は、自分が空間の中のどこにいるのかに基づいた感覚入力に対する、連続した反応によって歩行を習得します。つまずいた時は、バランスを得るために一歩踏み出し、横によりかかりはじめ、臀部と足をシフトさせます。私達は何かを成し遂げるために動くのです。アスリートは何かを成し遂げるために動きます。アスリートは部分的な動きではなく、全体的な動作で動くのです。 全体の動きは、非常にダイナミックなものではないかもしれません(ボクシングでジャブを避ける頭の動き)。動作は常に大きいわけではありませんが、常に全体性をもつのです。もし動作を区分けしたならば、闘争・逃走反応に基づいた神経系システムの発火パターンにとって、本能的に意味をなさない無益な反応となります。私は乏しい、もしくは活動的ではない筋肉グループ(神経系の発火)を再教育するために区分けをするべきではない、と言っているわけではありません。シンプルに、多方向的なスピードに関連する全体的な動作を学ぶことについての話を使用としているのです。 動作トレーニングに対する私のアプローチ 長年、私は多方向性のスピードスキルを細分化した動作パターン(部分)をスピードを教える初期のアプローチとして教えていました。その後長年に渡り、最初にスキル全体を正しく行うことができない場合にのみ、細分化したり、もしくは部分的なもの修正方法として指導してきました。繰り返しますが、わたしは多方向への動作スキルについて述べているのであり、ボールをシュートすることや、フットボールをパントするといったスポーツに特定されるスキルについて述べているのではありません。 混沌的トレーニングは私達の脚、腕、そしてコアに対して選択的に反射動作が起こせるよう即座に調整するように神経系に働きかけます。スポーツや人生のようですね。 私が追われたり追ったりしている時に、動きを部分に分解したりすることなく、助けを得ることなく歩ける方法を学ばせてくれる、素晴らしくデザインされた複雑なシステムを、なぜ私は取り入れたいのでしょうか?もし私の動作システムが、数回の試行の後でも失敗してしまうとしたら、その時私は部分の分解します。必要のある時のみです。 この信念システムが、私が競争的なドリルを、反応スピードをあげる導管としてスキルトレーニングに組み込んでいる理由です。例えば、もし私が5ヤードの加速能力を鍛えたいならば、私は選手にボールを最初のバウンドでキャッチする、もしくはパートナーを追いかけさせます。この方法は、我々皆に組み込まれている闘争・逃走メカニズムを使用しています。この方法を通じて、私はフィードバックを与えることができます。例えばもっと腕の動きが欲しいとか、より良い身体の傾斜といったものです。この方法が非常に効果的な理由は、私の意見と経験からですが、 選手はその瞬間の中にいて、正しい腕の動き、もしくは身体の傾斜がない状態で走ることがどういったものかと感じているからです。彼らが、より効率的なテクニックを次のレップで使用した時は、瞬間的に正しい感覚があるものです。彼らが経験をする前に私がアスリートに使用して欲しい全てのテクニックを細分化し、フィードバックを与えていたならば、同じような繋がりはうまれないでしょう。 もしあなたがトレーニングシステムをライブで、活動的で競争的な状況で発展させる事ができるならば、フィードバックとともに肉体的、精神的コンプライアンスをかなり楽に得ることができます。問題を解決するのにどの道具を使えばよいかわかるということは言う間でもありません。もしもあなたが先回りして問題を解決しようとするならば、選手にとって修正するテクニックを築き上げるための“過去の経験”が無くなってしまいます。 私のビデオの多くは、プログレッションに基づいており、矯正という観点からあなたの選手に与えることができるものとなっています。これらはあなたが見るべきこと、そして許容するべき自然に起こることを知ることができるツールとなっています。私のビデオは、動作がどうあるべきかというアセスメントのツールであり、段階的に前進するシステムでもあります。全ての状況は異なっています。だからこそ求めているものは何かを理解する必要があり、そうすることで必要性を見つけられた時に修正をすることができるのです。
ゴブレットスクワットよりも効果的な指導法
基礎の動きの一つである、しゃがむ動き=スクワット。基本的な動きであるにも関わらず、正しいアライメントでの実行を指導するのが難しい動きの一つでもあります。アルティメイトサンドバッグを用いることで、スクワットの姿勢を、自然に矯正するための方法とプログレッションを、DVRT開発者のジョシュ・ヘンキンがご紹介します。
すべての患者やクライアントに共通して行うべきこと
私のセミナーに参加される方から、よく聞かれることがある。「あなたが行っている事の中で、最も効果が出ると思われることをひとつ挙げるとしたら何ですか?」。なんと悩ましい質問であろう。そんな手品のようなテクニックを皆さんに教えられるほど単純であればよいのだが。数ヶ月間この問題を考え続けて、その答えをポストに書こうと計画してきた。この質問に対してどのように回答したいかを考えつくのに時間がかかったが、やっと答えが見つかった気がする。 私の行っていることで最も効果的なこと 私の行っていることで最も効果的だといえることは、恐らく私達皆が、全てのひとに対してするべきことだと思う。それはストレッチでもなければ、エクササイズでもない。最新式の流行の器具でもなければ、最先端の徒手テクニックでもない。あまりにも単純すぎて、答えを見つけるまでに時間がかかってしまったこと。それは、評価と再評価である。 適切な評価と再評価こそが、すべての患者またはクライアントにできる最良のことである。患者やクライアントに何が必要で何が効果的なのか、その個人を理解することがカギとなる。すべてはまず適切な評価から始まる。それから治療やトレーニング、その後、再評価が必要である。患者やクライアントを施術する際には、毎回この評価を行うこと。セッション中何回行っても構わないであろう。 まず、“主な愁訴は何か?”をたずねる。評価し、それを定量化し、治療し、再評価する。 この単純な概念には、大きな意味がある。最も単純なレベルでは、たとえば、体重減少を目指しているクライアントを指導しているにもかかわらず、体重を計測していなかったとすれば、何に効果があり何に効果がなかったのか知ることができるのであろうか?その場合、どれぐらい改善しているのかどのようにして知ることができるのであろう? 臨床医には、たとえば可動域、関節可動性、筋力、柔軟性など、他にも多くの評価方法と検査手段がある。しかし、これらの評価は患者にとって、ちぐはぐな定規に過ぎない。実際、患者は可動域が10°増えようが増えまいが気にしてはいない。彼らは単に快適に動けてパフォーマンスを向上したいだけなのである。 「肩が痛いんですね。どんな時に痛みますか?同じ痛みを再現できるような動きをしてもらえますか? いいですね」。と、ここで、今後再評価するための基準となる指標を設定したことになる。誤解してほしくないが、客観的な指標も必要ではあるのだが、ここでは実際に患者が感じていることを基準としての基礎的な評価を得ているのである。 FMSとSFMAのような手段が有用である理由がここにあるわけだ。動きを評価する体系的な方法である。評価に限度があるフィットネス界では特に必要だ。動きの質や主観的な感じ方を定量化すれば、その後の変化を測定することができる。 最終的に、これは必ずと言ってよいほどよい結果をもたらすことが多い。単に治療やエクササイズを適用し、効果がありますようにと祈るよりも、何で効果が出るのかを評価し、必要に応じて調節すればよいのである。 評価と再評価 では、どのようにすればよいのだろうか?悪い例として、背中が痛いと訴えているクライアントをすぐにマッサージテーブルに乗せて施術し始め、いくつかのマッサージ・テクニックやエクササイズに飛びついて処方するのでは、何の評価もなしに治療をしていることになる。評価もなく治療のみで、どうやって再評価をするのだろうか?痛みを基準にしてよいのであろうか?痛みはたいてい最良の評価にはならない。 より良い例は、いつ背中が痛くなり、どのように痛いのかを評価することかもしれない。どのような動きで問題が発生するのか?どのような動きに制限があるのか?そうした上で施術をし、いま観察した動きを再評価する。その患者が立ち上がり動いてみたとき「すごい、つま先に手がとどくようになった。効きますね。」と言った場合、いたって単純ではあるが説得力がある。 私が先日評価した患者を例に挙げよう。彼は左中背部と肋骨に放散する痛みを訴えていた。総合評価をしたが、ここでは重要な項目の追跡とアウトラインのみ紹介する。彼の愁訴は痛みだった。症状を軽減するためにその部位のみの治療を始める、つまり「痛みを追いかける」こともできたが、私の主な焦点は、彼の複数分節においての左回旋制限にあった。 複数分節の回旋といっても充分ではないので、詳細を調べてみた。胸椎の左回旋の動きが中程度減少していた。症状のあるその部位だけを治療することもできたが、さらに慎重に観察した結果、関節の可動性には問題がないものの、骨盤が左前方への傾斜をともなう変位を起こしていた。つまり彼の骨盤全体と仙腸関節は右回旋していたのである。それに伴って腰椎もやや右回旋位になっていたので、彼の「正中位」は、実際やや右に回旋していたわけである。結果、左回旋制限という所見になってしまった。 まずは胸椎モビリティ・エクササイズで評価しようと思い、胸椎のチェックからスタートしてみた。胸椎が何パーセント問題に関与しているかを調べ、軟部組織と関節可動性、そしていくつかの胸椎モビリゼーション・コレクティブ・エクササイズに取り組んだ。この時点の再評価で、胸椎の左回旋にかなり大きな改善が見られた。ここで終了することもできたが、さらに複数分節における左回旋をチェックしたところ、約50%しか左回旋が改善していなかった。 ここで治療を終了してしまっていたら彼の機能不全の半分しか回復させてあげられず、活動を始めればすぐにまた前の状態に戻ってしまっていたかもしれない。 次に骨盤に取り組んだ。いくつかのエクササイズと徒手療法で骨盤の配列を整えた。胸椎と複数分節の回旋を再評価した結果、正常な左右対称の動きが戻り、必然的に彼が訴えていた痛みの軽減に繋がった。 これが評価と再評価のパワーである。セッション中に、一度だけではなく幾度も繰り返し行うことにより、それぞれのテクニックの有効性を、可能な限り絞り込むことができる。 再評価のパワー 以上のことは、私がどのように評価と再評価によって問題を絞り込み、治療の向上を図ったのかを紹介する良い一例である。重要なポイントを下記にまとめると: 患者やクライアント各人に対して、何がどのくらい有効であるかを見極めることができる。これは簡単な概念であり、実施直後に改善が見られたならば、その時行ったことと直接関連付けることができる。 その個人に有効でないものを見つけることができる。 これは軽視されがちだが、適切な評価と再評価を行うことで、効果の低いものが分かってくる。有効な方法を見つけるのと同様の価値のある手順で、有効でないことが分かればアプローチの方法を切り替えればよいだけである。 診断に繋げることができる。 何が有効で何が有効でないかを評価しながら、機能障害を正確に鑑別できる。胸椎の回旋制限は関節の可動性の問題ではなく、軟部組織に起因するものであるかもしれない。 患者やクライアントから信頼を得ることができる。 最後になったが、最も重要なこととして、評価と再評価によって患者から信任、信頼、コンプライアンスを得ることができる。行ったことによる改善を、即座に患者自身が体験するからである。
アセスメントとコレクション ケーススタディ
2013年11月9日&10日の2日間、SYNERGYで開催したITTピラティスの創始者、ジーン・サリヴァンのアセスメントWSから、立位での、股関節、骨盤のアセスメントと、コレクティブエクササイズの実践、そして再アセスメントの模様をお届けします。2014年6月、ジーンの再来日が決定いたしました!詳細が決定次第、お知らせしますね。