究極のコンディショニングガイド パート2/2

8つの基本的なコンディショニングの原則(続き) 高強度&低強度を使う ここ数年間、“痛みなくして得るものなし”の教義が、カルト的に盛り上がっているようです。これに平行して、強度が高ければ高いほど良いという考え方が出てきました。 反対に、低強度メソッドは評判が悪くなっていきました。高強度を使い、半分の時間で同じ効果を得る事ができるなら、なぜ“低負荷、低速度”でトレーニングするのでしょうか? 高強度、低強度のどちらも使うタイミングと場所があるというのが真実です。 どちらの方法も使用するべきであるだけでなく、高強度と低強度の方法を組織化する方法もまた重要になります。 例えば、低強度トレーニングは、かなり疲れる高強度の日の後の神経系システムの回復を助けてくれますが、それのみをトレーニング手段として使用してしまうと、オーバーユーズ障害を引き起こし、更なる向上の妨げにもなりかねません。 同様に、高強度のトレーニングでは、コンディションを向上させ、無酸素パワーの貯蔵量を増加するために十分な刺激を与える事ができますが、常にそればかりを使用すると、オーバートレーニングになり、パフォーマンスを低下させることもあります。 私は、ロードワーク2.0のような記事や、自書アルティメットMMAコンディショニングによって低強度の方法を再び話題にした者として知られていますが、本当は、どんなスポーツでもストレングス、パワー、持久力のバランスが必要であり、複数のレベルの強度が必要になるのです。 ここ数年、低強度により多くの注目を寄せているのは、単に低強度トレーニングが最も非難を浴びているからです。 後進的に聞こえるかもしれませんが、誰かに持続可能なトレーニングと長期的計画性の重要性を納得させることは、なんとしてでもワークアウトを終了するように盛り上げることよりも難しいことなのです。 ポイントとなるケース:クロスフィットの流行 常に高強度のトレーニングを数ヶ月以上続けると、必然的にプラトーに到達するか、遅かれ早かれ傷害に繋がってしまうため、幸運なことに、この波は後退し、よりバランスのとれたアプローチになってきているようです。 より賢く、より理にかなったトレーニングのアプローチとは、様々な強度を時間をかけて賢く使用し、徐々に身体を壊してしまうことなく強化していくことなのです。 健康でいること まず何よりも、傷害予防の鍵となるのは、多面的なアプローチをすることでそれを達成できるということを理解することです。 フォームローリング、ストレッチ、徒手療法、修正エクササイズなどはどれも重要なパズルのピースの一つですが、全般的なストレス管理、トレーニングのモニタリング、良質な栄養プログラム、十分な睡眠などの価値は、健康でいることと傷害予防に関して言い過ぎることはないでしょう。 傷害予防には本当にこの2つのことが重要ですーすべてを正しい考え方で始め、身体を理解することです。身体がどのようにトレーニング、睡眠、栄養、精神的ストレス、遠征などに反応するのかに注意を払うことで、身体を理解することになります。 すべてのアスリートは、これらの要素を記録し、詳細なトレーニング日誌を時間をかけてつけ続けるべきです。 考え方についてもっとも大きなものは、“より多いことが常に良い”という、かなり多くのアスリートのトレーニングプログラムにこびり付きすぎている考え方を避けることです。適量で十分であり、それを超過した量は、有益というよりむしろ有害になることがほとんどです。 では、“適量”とは正確にどれくらいなのかをどのように知るのでしょうか? それでは、次に話す原則から始めます:モニターし管理する。 モニター&管理 今日、着用可能な機器技術が安価で手に入れやすくなり、急速に広まったため、プログラムをより効果的にするためにすべてのアスリートが自分たちをモニターすることが可能になってきています。 心拍モニター、心拍変動、活動追跡機、GPS、PUSHバンドなどのおかげで、身体について理解し、個人に特化したプログラムを作成するために使用できる不変的なバイドフィードバックをモニターし、管理し、収集することが以前よりも簡易になりました。 この種の技術が機能するためには、2つの真に重要な鍵があります: 最初に、何から何まですべてモニターすることから始めてはいけません。どうするべきかわからない程のデータを収集することは、何よりも更なる混乱へと導きます。時間をかけて、より多くの道具をモニタリングツールボックスに組み入れることができますが、簡単なものから始めましょう。 1つのモニタリングツールを始めたいのであれば、バイオフォースHRVのような心拍変動が始めるのに最も適しています。というのも、それは“トレーニングへのレディネス”を計測し、トレーニングから栄養、睡眠まですべて野影響を1つの数字で正確に計測するのに役立つからです。 そこから、次に追加するツールは、トレーニングセッションの量、強度、ストレスを正確に計測できるものが良いでしょう。PUSHバンドとポーラーRS300のような心拍モニターは、このカテゴリーにおける最良の2つの製品です。 心拍モニターは、すべての心臓血管系のトレーニングの効果を正確に計測できますし、ストレングストレーニングに関しては、PUSHバンドで同じことが言えます。 この種の技術を機能させるための2つ目の鍵は、実際にそれを使い始めることです。 目的地への到達をサポートしてくれるGPSを使用しなければ、全国横断できないのと同じように、実際にいつ結果が現れるのかを思案しながら、毎日漠然とプログラムを行う必要はありません。 チームでも個人でも、多くのデータを収集しているにも関わらず、実際にそれを利用できていないことが多すぎます。費用と時間をかけてデータを収集するのであれば、それを実際に利用することで、結果を向上させたほうがよいでしょう。 ほとんどのトレーニングプログラムで行われている憶測の量を減らすことで、モニタリングと管理戦略が効果的に機能するはずです。今日するべきことを推測する、あるいは、本当に向上するのかどうか迷ったりするべきではありません。 目的地への到達をサポートしてくれるGPSを使用しなければ、全国横断できないのと同じように、実際に結果が現れる時を思案しながら、毎日漠然とプログラムを行う必要はありません。 今あなたがするべきことはこれです。 15年以上、私が上記に記した原則に従うのみで、それ以上のことはせず、すべてのレベルのアスリートのコンディショニングを向上させる手伝いをしてきました。 コンディショニングに関して言えば、魔法の公式も、極秘のエクササイズも、魔法の薬もありません。ただ、これらは本当に必要ではないということが真実です。なぜなら、私が上記に記したアウトラインに沿えば、基本は信じられないくらい効果的なのです。 時間をかけて、ご自身のプログラムに何が足りていないのかを評価してみてください。 あなたが準備する必要のある特別な要求を本当に理解していますか? あなたが使っている方法は確かな科学に基づいていて、身体を正しい方向に適応させていますか? 現在、HRVのような最新技術の有利性を活かして、推測を無くし時間を無駄にしないようにしていますか? これらの質問のどれかに対する答えがいいえであれば、一歩ずつプログラムを変えることから始めてみましょう。コンディショニングを妨げている原因を見つけ、それを改善するために必要なことから変えていきましょう。 目的や能力に関係なく、コンディショニングは改善できることに疑いは無く、この記事の中で記してきた簡単な原則に従うだけで、素早く改善することができます。 さあ、仕事に取りかかる時間です。

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究極のコンディショニングガイド パート1/2

世界中の様々なスポーツのトップアスリートたちと15年以上一緒に仕事をしてきた経験から抽出された8つの基本的なコンディショニングの原則があります。 そのスポーツの要求を知ること これは単純に思えますが、かなり多くの人がそれぞれのスポーツにおいて間違ったエネルギーシステム(このことについては、#5で詳細に話します)のトレーニングに焦点を当てていることには驚かされます。そのスポーツが身体に課す特別な要求はなんでしょうか? それは、主に短時間で爆発的に出力するものか、または、小さなパワーをより長い時間かけて出力するものか、それとも、その両方でしょうか? すべての原則のなかで最初の最も重要なものは、そのスポーツ、または、特定の目的の要求するエネルギーシステムを完全に理解することから始めなければならないということです。 ここにヒントがあります:そのスポーツにおいて60秒以上の活動があるのであれば、それは有酸素の要素を多くもっていることになるでしょう。 すべての原則のなかで最初の最も重要なものは、そのスポーツ、または、目的の要求するエネルギーシステムを完全に理解することから始めるべきだということです。 言い換えれば、格闘家で5分間3ラウンドの準備をするのであれば、なぜ8-10ラウンドのスパーリングを続けてするのでしょうか?8-10ラウンド行いたいのであれば、まず5分間3ラウンドのトレーニングを行い、10-15分、あるいはそれ以上の休息をおいて、また3ラウンドを行うというようなものが、より適した方法でしょう。 総エネルギー必要量と、そのスポーツの環境を完全に理解し、そしてそれに合わせた身体の準備を行えば、さらに大きなトレーニング効果を得られるでしょう。 そのスポーツがなにを要求しているのかを理解すれば、どこを向上させる必要があるのか判別することができます。これが次のポイント2に導いてくれます。 弱点を評価する 私たちは自分たちの優れているところを強化することを好みますが、それではバランスのとれたコンディショニング全体を考慮していることにはなりません。彼らは自分たちのすでに得意なところのトレーニングのみに時間を費やし、最も苦手としている部分を無視してしまうがために、長年成長できていないアスリートがあまりにも多く存在するのです。 これは、厳しいけれど、賢くないトレーニングの為の素晴らしいレシピになってしまいます。 フィットネスを評価することは、非常に重要であり、そのスポーツの範疇における弱点を理解し最小化することができます。 繰り返しになりますが、そのスポーツが要求するものを集中的にトレーニングするべきであり、評価で持久力欠如が見つかったとしても、砲丸投げのトレーニングをしているのであれば、長距離のランニングをすることには、意味がありません。 評価はどのようなものであるべきか? それぞれのスポーツによって異なる、というのが答えになります。しかし、心にとめておく最も重要なことの1つは、その評価がそのスポーツのパフォーマンスに関連がある、あるいは、目標と相関があるべきだということです。結果が現実世界のパフォーマンスと全く関連しなければ、すべてのテストも評価も意味はないのです。 トレーニングプログラムに従う 行きたい場所への計画図なしに、盲目的に進めていくことは時間の無駄です。トレーニングし、望んでいる結果を得るための、はるかに効果的な方法があります。 トレーニングは組織化されるべきであり、そうすることで、それぞれのワークアウトの利点が時間と共に積み重なっていきます。つまり、日々のワークアウトの裏にある理論的根拠と、それがより大きな全体像においていかに適合しているのかを、ジムに行く前に明確に定義するべきであるということです。 ただジムに行き、一生懸命トレーニングして、結果がでることを期待しているだけでは決して十分ではありません。それはまるで、株式市場にお金をやみくもにつぎ込み、ただ投資をしているというだけで、大きな見返りを期待しているようなものです。 成功するには、知的なアプローチをするべきで、お金を増やしたいのであれば、賢くお金を投資する必要があるように、あなたが本当にコンディションを向上させたいのであれば、賢く時間を使う必要があるのです。 どこかの誰かがオンラインにアップしている“すべての人に適した”トレーニングを使用することは、決して最も効果的なトレーニング方法ではありません(そして、多くの場合、危険です)。あなたのプログラムは、シーズンや、身体的制限、傷害歴などを含め、あなたの目的に特異的であるべきなのです。 要するに、あなたのために設計されているプランを立てることです。 方法と目的が合致する 単純な真実です:すべての方法が平等に作られているわけではない。 かなり多くの人達が、プログラムを設計する過程を、エクササイズを選ぶことのように考えていて、エクササイズの魔法のコンビネーションさえあれば、全て上手くいくかのように考えているようです。 しかし、真実としては、エクササイズとは正しく適応されたときにだけ効果的であり、だから、トレーニング方法が有用になるのです。 方法とは、エクササイズをどのように行うべきなのかを定義しており、それはつまり、最終的にそれらが産み出す効果を決定づけます。 パフォーマンスの目的、能力、使用できる道具などにもよりますが、あなたが達成したい目的に対して最も適した方法があると同時に、単純に適していない方法があるのです。 そのトレーニング方法がどのようなものなのか、それが何を変化させるのか、身体がどのように反応するのか、トレーニングプログラムの中にどのように適合するのかなどについて理解するところから始めるべきです。 それだけではなく、これらの方法はどのトレーニング時期であるかによって変化させるべきです。 動きを改善する フィットネス業界ではここ数年の間、基礎的にしっかりとした動きの重要性というものがかなり高まってきています。ほぼ一夜にして、“ファンクショナルトレーニング”という言葉が業界に席巻し始めたようです。 様々な意味で、強調されることが変化したことで、悪いことよりも良いことに繋がったことは疑いありませんが、現実世界におけるパフォーマンスやコンディショニングに移行できない動きの部分に焦点を当てる傾向もあります。 つまり、負荷のない自重での動きを改善するために評価し、トレーニングすることは確かに意味があり、よいフィードバックもありますが、動きの質はまた、高負荷で、疲労度の高い状態で、実際のスポーツの動きの中で評価される必要があります。 すべての動きにおいて、より基本的に正しく、効率的であることがコンディションを改善させることには疑いはありませんが、それらの動きについて最も重要なことは、その動きが実際のスポーツのなかで行われるのかということなのです。 つまり、幅広く一般的な動きのパターンだけでなく、スポーツや目的に本質的に特化した動きを含んだ動きの評価をするべきだということです。 これがもう一つの大きなヒントであり、今後の記事でより多く語ろうとしていること:疲労状態での身体の動きはトレーニング可能である。疲労した状態へ身体を追い込むことは、メンタルタフネスの挑戦だけではなく、むしろ身体が疲労にどのように反応するのかを再検討する機会を与えてくれると考えるべきです。 これはつまり、真の“ファンクショナルトレーニング”とは何なのか、あるいは、少なくともどうあるべきかということになります。

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燃料切れを予防するための3つのヒント パート2/2

最良のファイターは、最後まで戦い続けることを望むのであれば、そのために維持できるペースを知っています。彼らはいつ爆発させ、とどめを刺しにいくか、いつエネルギーを温存するのかを知っています。 一方で、経験も知識も浅いファイターは非効率的にエネルギーを消費してしまい、不必要なときにも常に無酸素パワー予備力を引き出してしまうために、結果として燃料切れに陥ってしまいます。 不注意な燃料切れを避けるためには、その個人のコンディションのレベルに関わらず、ゴングからゴングまで正しい方法でエネルギーを管理し、正しいペース戦略を構築していくことがシンプルな鍵になります。 1. 心拍数をモニターする メンタルノートをとることとペースに注意するということは別にして、心拍数モニターを使用することは運動量とペースに関してのしっかりとしたフィードバックを提供してくれるので、非常に価値があります。 それぞれのアスリートはエネルギーの産生バランスに違いがあり、異なったポイントで無酸素的パワー予備力を利用するのですが、燃料切れをすぐに起こし始めることなく、心拍数を170台後半から180台に維持できるファイターはほとんどいません。 シンプルな心拍数モニターを使用することで、どれだけハードに動いているのかを正確に計測でき、ペースの動向をおさえることができるでしょう。 トレーニングをハードに行い、心拍数が最大心拍数の90%以上の最高位ゾーンまで上昇していることに気づいたときは、心拍数が落ちるまで、ペースを落とす時だということが分かるでしょう。 ほとんどの心拍数モニターでは、ある特定の心拍数に達したら、音のなるアラームで知らせてくれるようセッティングすることもできるでしょう。このタイプのモニターではトレーニング中のリアルタイムなフィードバックを提供してくれますし、微調整し、自身のペース戦略を最大限にすることに本当に役立ちます。 2. 正しいバランスを見つける 先に述べたように、すべての格闘スポーツは有酸素、無酸素両方のエネルギーの絶妙なブレンドが必要になります:無酸素系では爆発的なパワーと強さを提供する一方で、有酸素系ではゴングからゴングまで戦い続けるのに必要な持久力のサポートに大きな責任があります。 試合を通してすべてのタイミングで、両方のシステムが、ファイターが爆発的な一撃をお見舞いする、テイクダウンをとる、ダウンすることを防ぐ、ギブアップをとる時などに必要になるエネルギーをファイターに提供することに貢献しています。 両方のシステムを最大限まで高めることが可能であれば、コンディショニングが問題になることは決してないでしょう。残念なことに、人間の身体は単にそのようには働かず、1つのシステムを高めることは、他方のシステムを犠牲にすることになります。 そのため、ほとんどの無酸素パワーを使うことのできる、大きく力強いファイターは、コンディショニングに大きな問題を抱えている場合が多いのです。 一方で、持久力がかなり高いファイターは、無酸素性に適応している正反対のファイターよりも、爆発力にかなり劣っている傾向があります。 これはつまり、爆発的な能力を維持しながら、ゴングからゴングまで戦い続けること可能にするには、エネルギーシステム向上に絶妙なバランスを見つけるということが大きいということになります。 どちらか一方のエネルギーシステムが過多になり、試合中に穴が開いてしまうようであれば、相手を倒し、試合を支配でき流強さとパワーに欠けてしまうか、燃料切れを起こすことなく試合を最後まで戦いきることができなくなるかのどちらかでしょう。 勝つために必要なペースの維持を可能にするには、効果的なトレーニングプログラムを通して、2つのシステム間の正しいバランスを見つけることが、間違いなく必要不可欠なのです。 3. エネルギーを賢く使う 疑問の余地なく、効果的なペース戦略にとって最も重要な要素は、エネルギーを賢く使用することです。無酸素パワー予備力に切り替える正しい瞬間を選択する洞察力を示さなければなりません。無尽蔵な資源ではないのです。 いつ爆発的に力を発揮するのか、KOやギブアップをとりにいくのか、あるいは、ダウンをとりにいくことを諦めたり、ギロチン技を緩めることを知っていることは、燃料切れを起こすか次のラウンドまで続けるのかという違いであることが多いのです。 残念なことに、効果的なエネルギーの使用は、多くのファイターが一番大きな間違いを犯すエリアです。 一発のパンチに全力を傾ける、間違ったタイミングでギブアップを取りに行く、ギブアップしない相手にダウンをとるためにエネルギーを浪費する、エネルギー消費に概して注意を払わないことが、一般的に状態の良いファイターが燃料切れに終わってしまう一番の原因なのです。 これが起こった時に、それを学び、より賢明になり、どのようにエネルギーを使用したらよいかにより注意を払うようになるファイターもいますが、そうでないファイターもいます。 試合の最後まで戦い続けることを望むなら、いつ爆発し、いつ温存するのかを学ばなければなりません。

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燃料切れを予防するための3つのヒント パート1/2

ファイターが燃料切れになって、キャンバスにうつ伏せに倒れるときはいつでも、原因はコンディショニング不足であると指摘することは至極単純な反応です。フォーラム戦士から格闘コメンテーターのような人たちは皆は等しく、選手は十分にハードな練習を積んでこなかったに違いない、または、試合の最後まで戦いきるための十分なコンディショニングワークをしてこなかったという結論に達することがしばしばあります。 そのような分析は、表面上完全に理にかなっているように見えますが、結局のところ、皆ファイターが燃料切れに陥ったときどのように見えるかは知っているわけで、真実としては、人々に信じている以上に、コンディショニングとははるかに複雑であり、試合には複数の側面があるのです。 なぜそうなのか、ファイターが“燃料切れ”を起こす原因を暴こうとすることが、見た目ほど簡単でないのかを理解するために、まず最初に、コンディショニングとは何であって、何でないのかを明確にする必要があります。 コンディショニング101 まず最初に、コンディショニングについて理解する必要があるのは、実は、一人一人すべてのファイターはゴングがなってからゴングがなるまで燃料切れを起こすことなく戦うことのできる能力を持っていて、唯一の違いは彼らが望んでいるペースを維持できるか否かということになります。 わかりやすく言えば、ほぼ誰でも1マイル歩くことはできますが、4分未満で走ることができる人はほんの一握りしかいないということです。 同じように考えると、すべてのファイターは3-5ラウンドを通して戦うことはできますが、高いコンディションレベルを持つファイターのみしか、高強度のパワーを維持しながらすべてのラウンドを戦うことはできません。 言い換えると、格闘技の試合では、コンディションとは実に、その試合を通してどれだけ高いパワーを維持できるかということの目安なのです。 ワールドクラスのコンディションをもっているファイターは、ペースを落とすことなくかなり高いパワーの出力を維持することができます。まるで、ランス・アームストロングが、ほとんどの人が1、2分しか出すことのできないスピードで最後まで何時間もバイクをこぐことができるように。 一方で、コンディションの低いファイターは、それよりもかなり低出力のスピードと低レベルのパワーしか維持することができず、高いギアに入れようとすると、すぐに疲労し燃料切れになってしまいます。 無酸素的パワー予備力 なぜあるファイターは試合を通してかなり凄まじいペースを維持できるのに対して、1ラウンドで燃料切れに終わってしまうファイターがいるのかを理解する最も簡単な方法は、“無酸素的パワー予備力”と呼ばれる概念について考えることです。 しっかりと開発され、研究にも裏付けされたこのシンプルなモデルは、すべてのファイターが最大有酸素パワーと呼ばれる、有酸素的に産出することのできる、あるレベルのパワーを持っていることを示しています。 それ以上のパワーを産み出す必要がある場合はいつでも、“無酸素的パワー予備力”と呼ばれるものを利用しなければなりません。そして、それはジェット機の再燃焼装置や車の亜硝酸とかなり似ています。 しかし、この無酸素的エネルギー予備力は使われ始めるとすぐに、そのことが疲労につながり、これを長い時間使用すればするほど、選手は疲弊していきます。この状態を避ける唯一の方法は、パワーの出力を下げ、有酸素的パワーゾーンに戻ることです。 格闘スポーツはもともと、爆発的でダイナミックである、ため、すべてのファイターは試合中を通して、常に無酸素的パワー予備力を利用しなければなりません。しかし、違いはどれだけ、そして、どのくらいの時間それを利用しなければならないのかなのです。 例えば、高いレベルのを産出できるファイターであれば、有酸素パワーレベルがかなり低いファイターほど、無酸素的パワー予備力を利用しなければならない頻度も時間も多くはないでしょう。 もちろん、それぞれのファイターがどれだけのエネルギーを消費するのか、すべてを一発のパンチに費やすのか、あるいは、少し残しておくのかを選択することも可能です;相手の防御がとても上手である時にダウンをとりにいくのかどうか;ありったけのエネルギーを費やして、勝ちにいくのかどうか、あるいは、それが正しいタイミングではないのかどうか。 これらすべてのことが意味していることは、燃料切れは無酸素的パワー予備量をあまりに頻回に、または、あまりに長い時間、使い過ぎてしまった結果だということです。 かなり豊富に有酸素パワーを産出できるファイターもいますし、彼らは頻繁に再燃焼装置に発火させる必要はありません。有酸素パワーの産出が低いファイターもいて、彼らはほとんど常に無酸素パワーを利用することになってしまいます。 どちらのケースでも、ペースをコントロールすることはできますし、どれだけエネルギーを消費するか、さらには、いつそれを消費するのかを選択することができます。 持っているすべてを使い切る最適な瞬間まで待つ、相手がバランスを崩すのを待ってテイクダウンするという選択をすることができます。そうではなく、不注意にエネルギーを浪費していまい、すべてのパンチを強打し、そのタイミングではないのに関節技に入ってしまうこともあります。 言い換えれば、ペーシングとは、いつ無酸素的パワー予備力を使用し、どれだけの時間それを使い続けるのかを選択するということなのです。

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HRVでストレングスをハックする パート2/2

自律神経性過負荷 ここまでのところで、自律神経系は中枢神経系同様、ストレングスを築くために欠かせないということが明確になったと思います。交感神経枝は、筋肉が高いレベルで確実に力を発揮するために重要であり、筋肉が適応するために必要な十分に強い刺激を与えています。副交感神経系は成長に必要な同化環境を創り出すことによりその適応を促進します。 問題は、そしてストレングスの向上がしばしば停滞する一つの大きな理由は、これらの二つのシステムが必要なバランス状態にないことから来ています。 ほぼ全ての人が「副腎疲労」という言葉を聞いたことがある一方で、その状況こそまさに自律神経の不均衡の最終状態であることは知られていません。この不均衡は、副腎(交感神経の活性を通じてストレスホルモンが放出される場所)の機能停止が始まるレベルまで交感神経系が過負荷になった結果として起こっているのです。 大抵の場合、真の副腎疲労が起こる前に、単に激しくトレーニングすることをやめたり、長く休息をとったりしますが、実際のところ、完全な副腎疲労でなくとも、トレーニングやストレングスの獲得を妨げてしまうのです。 事実、交感神経過負荷は、身体が慢性的なストレスにさらされ、交感神経系が力の発揮を高める能力を失い始めている状態です。これは驚くほど頻繁に起こっており、多くの人がストレングスに対する目標を達成するのに失敗している一つの大きな理由でもあります。 ストレングスと強度 交感神経過負荷と共にいったい何が起こっているのかを理解するために、二週間毎日スクワットマシンで1RMを10回繰り返して、わざと交感神経過負荷を起こしたグループの研究を取り上げてみましょう… 当然のことながら、この研究では最大筋力に5%の低下、パワーには驚くべき36.3%の低下が見られました! ストレングスやパワーの低下は、この研究において最も興味深い事実ではなく、その低下の理由がより興味深いのです。この理由を探るために、研究者たちは筋肉内にあるアドレナリン(β2アドレナリン受容体として知られる)のような、ストレスホルモンと結合する受容器の数の変化を計測し、これらの受容器の密度がなんと37%も大幅に低下していたことを発見しました! 言い換えれば、受容器の低下が筋肉に結合するストレスホルモンを減少させ、最大筋力とパワーを発揮する能力を著しく低下させたのです。 もちろん、高重量のトレーニングを毎日ではなく、週に2回行ったコントロールグループにおいては受容器の低下は全く見られませんでした… 1RMのスクワットを毎日10回行うことは、恐らくないと思いますが、筋力向上のためにトレーニングを頑張っているのであれば、少なくとも週に3-4回、高強度で重いウエイトを挙げ、激しくトレーニングを行っている可能性は高いでしょう。 日常生活で直面する、交感神経系の全てのストレス(渋滞、仕事、お金、家族などを考えてみてください)の上にトレーニングのストレスが加わった結果、慢性的な低度の交感神経過負荷状態に陥り、筋肉が大きく、強くなり続けるために必要な力を十分に発揮することを阻害され、かなり多くの人が自身のストレングス目標の達成に失敗しています。 さらに言えば、強くなればなるほど、このシナリオはより顕著になります。これはサイズやストレングスが高まるほど、さらに成長し続けるためにより多くのストレスが必要になるからです。例をあげれば、初心者は数週間から数カ月で筋力を二倍にできるようであるのに対し、何年もトレーニングを行っている人は、例えば一つの種目の重量をたった2-4kg上げるだけでも、何か月もかかったりします。 強くなるということは、成長し続けるためのより高いレベルの強度、量、頻度が必要なことを意味します。しかし同時に、そのようなトレーニングの一部である高いレベルの交感神経の活動は、本質的に交感神経過負荷の状態になりやすくしているのです。 それはまるで、あなたの身体があなたに対して強くなりすぎないようにしているようであり、実際多くの場合においてそれが事実です。 あなたが 一週間か二週間、重いリフティングから離れることを余儀なくされた経験があるとすれば、ジムに戻ったときに弱くなるどころか、驚くほど強くなっていたと思います。これこそまさに、あなたが継続的な過負荷の状態でトレーニングをしていた証拠です。 幸運なことに、私たちは強くなるために仔牛を担ぐような暗い時代にはおらず、ミロのような古代のストロングマンが想像もできなかったようなテクノロジーをスマートフォンに備えています。この近代のテクノロジー、特に心拍変動を使うことで、リアルタイムでこのプロセスが起こっている状況を見ることができ、交感神経過負荷の状態に陥る前に止めることができるのです。 HRVとストレングス ここ数年で、トレーニングにおけるHRVの利用は劇的に高まってはいるものの、いまだに多くの人がHRVはストレングスよりもコンディショニングに興味があるアスリートのためのものだと思っている節があります。 私は、自らが作り上げた バイオフォースHRVシステムをウエイトリフターから、パワーリフター、ストロングマンなど、ほぼ全ての種目の数えきれないほどのストレングス、パワー系アスリートに使用し、大きな成果を得てきています。 ストレングスの強化においてHRVが強力なツールとなる理由は、HRVが実際に、身体が交感神経過負荷あるいは副交感神経系過負荷になり始めている兆候を示してくれるからです。 自律神経のバランスが崩れていることを知るのに、筋力の伸び悩みや、更に悪いケースでは怪我を経験するまで待つ必要はなく、HRVにより、リアルタイムでバランスが崩れていることに気づいて、バランスを取り戻すために必要な行動をとることができるのです。 HRVをうまく使う鍵は、交感神経過負荷の状態になることなくストレングスを向上させるために、正しい方法でHRVを使う方法を正確に理解することです。このシリーズの次のパートでは、実際のストレングスアスリートが、自律神経系に対抗するのではなく、いかに自律神経系の働きを利用して強くなったのかのケーススタディをご紹介します。 ジョール・ジェイミソンのバイフォースHRVシステムの、新しいセンサーとパワーアップした最新アプリケーションが日本にも近日上陸します!バイオフォースHRVに関する最新情報のお知らせを希望される方は、是非こちらのリンクからメッセージをお送りください。

ジョール・ジェイミソン 2654字

HRVでストレングスをハックする パート1/2

トレーニングは、何年もの時を経て劇的に変化してきました。紀元前6世紀には、クロトナのミロは、仔牛が成長した牡牛になるまで毎日肩に担いで運びました。知らず知らずのうちに、ミロは漸進性過負荷の法則を発見する過程にいたのです。簡潔に言えば、時間が経つにつれ仔牛は大きくなり、ミロはその重さに対応しなければなりませんでした。労苦の結果としてミロは、負荷に順応し、彼の筋肉は肥大し、強化されたのです。 ありがたいことに、現代の世界では、強くなるために動物を担ぐことに頼る必要はありませんが、私たちの身体は、本質的には昔と同じ方法で、現代のトレーニングに順応しています。ミロが成長していく仔牛を担ぎながら発見したことは、漸進性過負荷という、今日においてもトレーニングプログラムの最も大切な根本的要素です。 悲しいことに、この概念は数百年前に発見されているのにもかかわらず、効果的に応用するとなると、多くのトレーニングプログラムは今も暗黒時代の最中にあります… ミロの世界では、漸進性過負荷はシンプルでした。仔牛はどんどん重くなるため、ミロの身体は重くなっていく負荷に順応することを余儀なくされました。ミロは、重さの異なる様々な動物の中からどれかを選ぶ必要はありませんでしたし、仔牛を持ち上げる無数のバラエティーなども持ち合わせていませんでした。 ミロにとっては、強くなることは、どんどん重くなっていく仔牛を担ぐという単純なことでした。今日では、正確に何キロのウエイトを挙げ、どのくらいの頻度で行い、最も高いレベルの強さを築くための効果的なプログラムを作成する方法を解明することは格段に複雑になっています。 現代には、量、強度、頻度、トレーニング負荷、ピリオダイゼーションといったストレングスプログラムを作成するのに使う変数があります。問題は、大半の人がこれらの要素全てをどのように組み合わせるかに苦労し、結果として多くのストレングスプログラムが効果を発揮することに単純に失敗してしまっていることです。 幸運なことに、そのプロセスがどのように働くのか、現代のテクノロジーが古くからの問題をどう解決できるかをひとたび理解することができれば、強くなることはそれほど難しいことではありません。 ストレングス(強さ)とは何でしょう? 単純な言葉でいえば、ストレングスとは働いている筋肉による力の生産量です。現代の生理学の教科書を開けば、中枢神経系がどのように筋骨格系システムの数百万の筋繊維の収縮および短縮を起こす小さな電気刺激を運んでいるのか、の詳細な記述を見つけることができるでしょう。 この収縮が、四肢を加速する筋力を作りだし、それによって私たちは歩いたり、走ったり、跳んだり、投げたり、ウエイトを持ち上げたりできるのです。 この筋肉や筋力がどのように働いているのかに関するシンプルな見方は正しい一方で、かなり不完全でもあります。この見方や、無数の本、記事などで欠如していることは、それらが私たちの他の神経系の枝を完全に無視していることです。 この枝は紛れもなく筋肉を発火させる中枢神経系同様に大切です… ストレングスと自律神経系 トレーニングとなると、中枢神経系に比べてあまり注目されることがありませんが、自律神経系は強くなるための一つの重要な要素です。さらに言えば、多くの人が継続して強くなることに失敗している単純な理由が、中枢神経系ではなく自律神経系の内部の働きにあります… 中枢神経系の役割が、主に神経筋系を刺激して私たちを動かすことであるのに対し、自律神経系は私たちが生きるために必要な、その他全てのことを担っています。エネルギー生産、プロテイン合成、ホルモン生産、血圧、栄養素の消化および吸収、心拍数などを司っているのが自律神経系です。 私たちは、中枢神経系が適切に機能することなしに動くことはできません…しかし、自律神経系なしには、生きることができません。 自律神経系は、交感神経系と副交感神経系という二つの対照的な枝を通して、私たちが生き続けるために必要な複雑な仕事を行っています。筋力、あるいはフィットネスのあらゆる要素を高めることにおいて、この二つの枝はどちらも非常に大切です。 まずは交感神経側を見てみましょう。多くの人が、交感神経系が「闘争-逃走」システムとして説明されるのを聞いたことがあると思います。このキャッチフレーズが示しているように、交感神経系は、身体が闘争、あるいは逃走、また、トレーニングや、パフォーマンスをするための準備をすることにの責を担っています。 身体にとっては、闘争も逃走も、トレーニングもパフォーマンスも全て同じエネルギーと力の生産の劇的な増加を必要とする出来事の一つなのです。身体がその時々で必要な力を発揮できるように、交感神経系はアドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾール、そしてテスタステロンまで、様々なストレスホルモンの放出を誘導しています。 これらの異なるストレスに反応するたくさんのホルモンが一緒になって心拍数を上げ、エネルギー生産を高め、心臓や筋肉の細胞に直接結合して、筋肉が発揮できる力を劇的に増加させます。こういったホルモンの大量放出のおかげで、緊急時に赤ん坊がつぶれないように車を持ち上げるような、驚くべき力を発揮するようなエピソードがしばしば聞かれるのです。 しかし、多くの人が気づいていないのですが、アドレナリンやその他のホルモンをほぼ最大値まで高めるためには、このような過度な緊急事態は必要ありません。実際のところ、トレーニング時にはいつも起こっていることなのです。 交感神経系なしには、ストレスホルモンの助けにより簡単に持ち上げることのできるウエイトも持ち上げることはできないでしょう。 これこそまさに、とても多くの人々がワークアウト前に飲み物や刺激物を取り込まずにはいられない気分になる理由です。こういった刺激物が効く理由は、交感神経系を刺激して、どんどん高いレベルでストレスホルモンを放出させるからです。 表面的にはいいことのように感じますが、交感神経系を過度に刺激し続けた時、問題が起こります。 私が何を言っているかを理解するには、方程式の反対側にある副交感神経系を考える必要があります。交感神経系に対し、副交感神経系の仕事はエネルギーや力の生産を増すことではなく、エネルギー貯蔵や組織の修復及び成長を刺激することです。 ワークアウトの後、あるいはあらゆる種類のストレス要因を受けた後、身体はグリコーゲンレベルの復元、栄養素の貯蓄、プロテイン合成の増加などを始めます。この際に副交感神経系が働き、身体がカタボリック(異化)状態ではなく、アナボリック(同化)状態(エネルギー貯蓄)にいられるよう交感神経系の働きを最小限に抑えるのです。 交感神経系と副交感神経系はともに働くことで、筋肉が発揮できる力(ストレングス)を劇的に高めると同時に、素早く回復して、また力を作り出すことができるようにしています。この二つの関係とプロセスが、時間をかけて大きく、強く、パワフルな筋肉を築く働きをしているのです…少なくとも自律神経のバランスが正常である時には… ジョール・ジェイミソンのバイフォースHRVシステムの、新しいセンサーとパワーアップした最新アプリケーションが日本にも近日上陸します!バイオフォースHRVに関する最新情報のお知らせを希望される方は、是非こちらのリンクからメッセージをお送りください。

ジョール・ジェイミソン 3038字

コンディショニングが命を救い得る理由 パート4/4

ポイント#2: 体系的炎症の指標を記録し続ける 母が脳卒中にかかった後で、私が最初にしたことの一つは、心拍変動(HRV)の使用に加え、自分の炎症指標を定期的に確認することでした。 HRVと寿命の強い相関性は、私がバイオフォースHRVの製作を始めた主な理由の一つです。バイオフォースHRVは、市場において本当に手に入りやすく、簡単に使えるシステムの先駆けでした。 ご存知ない方のために短く説明すると、HRVは迷走神経の全体的な機能を示す最も優れた指標です。この機能により、HRVは体系的炎症の驚くほど強力な尺度になっています。 毎日たった数分でHRVを計ることができるのなら、健康とウェルネスに価値を見出している人は誰でも取り組むべきです。 これに加え、私は四半期に一度、高感度CRP(高感度C反応たんぱく質)やホモシステイン、線維素原、その他標準的なコレステロール指標など、組織的炎症の指標を確認する血液検査をするようになりました。 これは私が残りの人生の間ずっと行うことであるとともに、35歳あるいは40歳以上の人、特に私のように家族が心臓血管系の疾患や脳卒中を患ったことがある人に強く勧めたいことです。 血液検査に関しては、いい医者に相談するのが一番です。ポイントは、健康に率先的でいることで、何かが悪くなるまで待たないことです。 長期的に炎症の指標を確認することは、自分の健康状態が悪い方向に向かっていないかを確かめ、トレーニングから栄養、人生のストレスまであらゆるものの結果を評価するのに、非常に効率的で大切な方法です。 ポイント#3: 交感神経系を静める方法を学ぶ ここまでくれば、必要ないときに交感神経系を静める能力が重要だということがわかっていると思います。実際、有酸素性フィットネスを発達させることと、身体が炎症を抑える能力を発達させることは同じくらい大切です。 この能力は過小評価されています。そして他のスキルと同様に習得するには努力と練習が必要です。 この能力を発達させるためには、まずワークアウトの終わりの時間を使います。心拍計を使って、クールダウンを行い、できるだけ早く心拍数を休息時の通常のレベルに下げるようにしてください。90/90呼吸ドリルを行い、どのくらい早く心拍数を落とせるかを確認してください。 意識的にエネルギー消費をコントロールし、交感神経系の活動を減少する方法を学ぶことが重要です。少しの練習で、最短3-5分程度で休息時心拍数の+/-5~10以内に戻すことができるようになるでしょう。 これが難しい場合には、PRIの呼吸エクササイズを行うのが最適です。自分自身でコースに参加するか、経験したことのある誰かに教えてもらい、最大限の効果を得てください。 運動後に交感神経系の活動を素早く静めることは、価値ある能力を発達できるだけでなく、回復を早めるのにも役立ちます。交感神経系が静まるのが早ければ早いほど、副交感神経系が素早く活動的になり、炎症を抑えて、回復と再生を促進してくれるのです。 ワークアウトの後に交感神経系を静める方法を学ぶことができたら、次のステップは、毎晩眠る前に同じ練習をすることです。これは、長期的に、炎症の抑制、回復の促進の大きな役割を担っている睡眠の質を高めることにつながります。 また、ワークアウトの後および就寝時間の数時間前にはできる限りカフェインを避けることが重要です。刺激物は交感神経系の働きを強め、前述の通り、この交感神経系の活動が炎症を促進します。 ワークアウトの後、ベッドに入るまでの数時間は、交感神経系の働きを促進するものを一番避けたい時間です。アメリカの人口の3/4が継続的にカフェインを摂取して暮らしていると聞きます。もしあなたもその一人だとしたら、その習慣を変えることを強く推奨します。 より良く食べ、より賢くトレーニングをし、交感神経系を意識的に静めるために何かをすることは、健康とウェルネスをコントロールする為の非常に強力な方法です。 全てが良ければ、終わりも良いーある程度は 残念な事に私の母は完全には回復していませんが、誰もが経験できるわけではない最も困難なことは乗り越えることができ、死を免れました。母は現在、退職者コミュニティーで多くの友達を作り、幸せそうに生きています。客室乗務員の仕事に戻ることはできませんでしたが、ソーシャルメディアを発見し、絵文字の使い方を学び、みんなとつながりを持ち続けています。 母は、私が望んでいるほどには外出していませんが(およそ半分の時間をアマゾンに頼って生きていることもそれを助長していますが)、少なくとも週に3日はジムに行き、活動的でいるための努力を続けています。 栄養面も劇的に改善され、十分すぎるほどの睡眠も得られています。母にとっては、今でもこの変化は楽なものではありませんが、前に進む為に前向きな見通しを持っています。 私の母の話は、ありふれたものの一つに過ぎません。この国では4分ごとに誰かが脳卒中で亡くなっています。それは、この記事を読んでいるほぼすべての人が、少なくともどこかの時点で友達や愛する人が似たようなことを経験するような確率です。 この悲しい真実は、避けられないわけではありません。研究では、心臓の病気や脳卒中に関連する死の最大80%は、予防できる原因に起因していることが示されています。 このような個人的な話を共有したのは、愛する誰かがあまりにも多くのストレスと、コンディショニングを軽視した生活による必要ない結末を経験するのを目の当たりにした私の経験を追体験してもらうためです。 私が人生で学んだ教訓を共有することで、ストレスに対する見方を変え、コンディショニングの真の価値と健康に与える影響を認識していただければ幸いです。 コンディショニングは魔法の薬ではないかもしれませんが、現時点ではその魔法の薬に一番近いものなのです。

ジョール・ジェイミソン 2522字

コンディショニングが命を救い得る理由 パート3/4

有酸素性フィットネスの利点―コンディショニングがアスリートのためだけのものではない理由 ここまで読んでくださったのなら、身体が生きるために必要な炎症促進力および抗炎症力を均衡に保つ大切さがわかっていただけると思います。急性の炎症が、慢性的、体系的、及び、低度な炎症へと移行するのを防ぐことが、社会を停滞化する多くの病気を予防するために、愛する多くの人々を救うために、絶対的に必要なのです。 科学は、なぜ、どのように、に対する完璧な答えを示せてはいませんが、一つだけはっきりわかっていることは、高いレベルの有酸素性フィットネスが、身体が炎症を静める能力を高めることのできる最も強力な武器であるということです。これは、有酸素性フィットネスが、迷走神経緊張と呼ばれる休息時の迷走神経の全体的な機能に直接関係しているからです。 このことを確かめるために、寿命と身体的運動に関する11の論文の興味深いレビューを見ることができます。 持久性はまさに命を救うことができる “Does Physical Activity Increase Life Expectancy? A Review of the Literature(身体的運動は寿命を延ばすか?文献レビュー)“という論文では、一般的に活動的であることは寿命を延ばすかどうか、そしてアスリートであるということがそこにさらなる違いをもたらすかについて考察しています。 皆さんが想像する通り、この論評では、活動的な人はそうでない人に比べ、0.4年から4.2年ほど長く生きることがわかりました。ここには大きな驚きはありません。 しかし、驚いたことに、様々なアスリート(大半は一流のアスリート)の寿命を見てみると、平均的な人よりも一貫して長生きだった唯一のグループは持久系アスリートでした。実際、持久系アスリートは、平均的な人よりも4.3年から8年も長く生きるとされています。 さらに興味深いことには、この論評で扱われた研究のいくつかでは、チームスポーツアスリートの寿命は、程よく活動的な人の平均に比べ、最大5年も短いことがわかりました。 もちろんこのレビュー以外にも、高い有酸素性フィットネスを持つ人は、心臓血管系疾患、脳卒中、糖尿病などにはなりにくく、認識機能などが高いことを支持する研究が豊富にあります。従来は、この関係は、心臓血管系システムの変化そのものによると思われていました。しかし、高い有酸素フィットネスが多くの病気のリスクを下げる大きな理由は、それが身体を慢性的な炎症から守っているからだということが明らかになってきました。 例えば、“Markers of inflammation are inversely associated with V̇o2 max in asymptomatic men”(炎症の指標は、症状のない人のVO2 maxと反比例する)という研究では、有酸素性フィットネス(VO2 max)とC反応たんぱく質や線維素原などの炎症指標の間には、驚くほどはっきりとした比例関係があることを示しています。 研究を掘り下げていくと、有酸素性フィットネスを高める最も大切な利点は、その過程で起こる抗炎症性能力にあることが明らかになっています。この大切さは強調してもしきれません。 大きくて強いことはかっこいいかもしれませんが、コンディショニングは生死を分けるものにさえなります。 私が優先順位を考え直した理由-あなたも考え直した方がいいかもしれない理由 ストレス、炎症、病気に関する事柄を集め、私の母のような一見何の問題もない人がどのようにして脳卒中を患うのかを理解すればするほど、私は、私自身のトレーニングやライフスタイルを見直し始めました。 自分自身の死を実感することよりも強い変化の薬はありません。 私は自分の優先順位を変え、トレーニングを見直す必要があるとわかっていました。ハイレベルの格闘家たちのコンディショニングには慣れていたものの、自分自身のトレーニングは、主にウエイトリフティングとほんの少しまたはゼロの有酸素運動で成り立っていました。 さらに悪い事に、母の脳卒中のケアから来るストレスと、母を数カ月にわたって医者から医者へと連れて行くストレスからも大きな打撃を受けていました。 食習慣および睡眠も相当悪化していました。気分が優れず、私の体重は脂肪だけで5-7kgほど増加しており、この生活を変えなければいけないことは自覚していました。 その2008年の悲惨な一日から数週間、数か月、数年を経て、私のトレーニングと優先順位は劇的に変わりました。私にとってどれだけのウエイトを持ち上げられるかはどうでもいいことになり、コンディショニングはトレーニングの日課になりました。 これまでに格闘家が試合でパフォーマンスを発揮するのをサポートするために、相当な時間をコンディショニングの勉強に費やしてきたのにもかかわらず、自分自身のコンディショニングを改善したい、健康でありたいという願望が、もっと研究をしたいという思いを強くしました。 一年後の2009年、私はこのウェブサイトを始め、コンディショニングについて書いたり話したりすることを始めました。 そうして私は、目指しているフィットネスの目標が何であっても、健康で長生きしたいと考えるのなら誰もが行うべき3つの結論に達しました。 これらの3つの領域は健康とウェルネスの出発点だと考えています。あなたが先ほどの統計の数字の一部になることを避けたければ、これらは間違いなく非常に重要なことです。 ポイント1:高強度トレーニングをやり過ぎない。80/20ルールに従う。 コーチとして15年間以上活動し、数千人の人々を見てきた中で私が学んだことは、長期間にわたる成功には、強度よりも一貫性の方がはるかに大事だということです。 ここ5年間くらいで、ほぼ全ての人が高強度という流行の波に乗りました。米国中の人々がみな、理想の身体を手に入れたければ、ジムでは毎回死ぬほど追い込まなければいけないと信じるようになりました。 私は過去にもこのことについてたくさん書いてきましたが、この傾向は一向に減りません。確かに強度は大事ですが、大事なのはそれだけではないのです。 高強度の一番の問題は、それにより全ての組織や免疫システムに多大なストレスがかかり、それが炎症を起こす大きな元凶になるということです。 長期的な成功のためには、強度よりも一貫性が圧倒的に重要なのです。 これこそ、強度が強すぎると簡単にトレーニングのやりすぎになってしまう理由です。慢性的な低レベルの炎症を加速し、放っておけばプラトーや、怪我などにつながってしまうのです。 前回の記事では、クロスフィットがした正しいことと、何がクロスフィットを成功させたのかについて話しました。しかし、クロスフィットの高強度への飽くなき執着は、完全に間違ったものであり、為になるどころか害にさえなっています。 母の脳卒中の後、私は高強度トレーニングを行うのをせいぜい週に2日までに減らしました。また、量よりも質を重視する一方で、定期的にスイミングなど低強度でストレスを低減するトレーニングを始めました。 先に紹介した文献では、持久系競技のアスリートは一貫して低い疾患率を持ち、長生きをしていることがわかりました。私の目標が同じ利益を享受することだとすれば、彼らがどのようにトレーニングをしているのかを知る必要がありました。 この話題に関する素晴らしいレビューが、“Intervals, Thresholds, and Long Slow Distance: the Role of Intensity and Duration in Endurance Training.(インターバル、限界、長距離:持久性トレーニングにおける強度と時間の役割)です。 このレビューによると、成功している持久系アスリートのほぼ全ての強度の分布をみると、魔法の割合は80%の低強度と20%の高強度でした。 世の中で推奨されている多くのプログラムはその全く逆で、80%の高強度と20%の低強度です。そしてなぜパフォーマンスが上がらないかを疑問に思い、関節を痛めています。 あなたは持久系のアスリートになりたいとは思っていないかもしれませんが、病気をせずに健康で長生きすることが目標であるのなら、こういったアスリートのようにトレーニングをすることには大きな意味があります。

ジョール・ジェイミソン 3613字

コンディショニングが命を救い得る理由 パート2/4

ストレス、サバイバル、炎症の生態学 ― あなたを生かすシステムが、あなたを殺すこともある 「ストレス」という言葉は広く知られていますが、多くの人は、ストレスが身体にとってどういう意味があって、炎症とどう関係しているかについては理解していません。ストレスと炎症の関係は、生きるため、そしてどのようにして米国で3人に1人が最期を迎えているのかにとって、非常に重要なものです。 炎症がどのように働いているのか、どのようにして人を死に至らせ得るのかを深く追究する前に、自律神経系(ANS)について少しお話する必要があります。あまりご存知ない方のために説明しますと、自律神経系は生存に直接関係する二つの主要な役割を担っています。 第一に、自律神経系は身体の内的環境の構成要素を確認しています。血圧から、血糖値、酸素レベルまで、あなたが何をしている時でも、これらの指数が通常の範囲にあるかをチェックします。 ウエイトリフティングやスプリントをする時も、寝ている時も、断食している時も、すべての時間で、自律神経系は、どこにも異常がないか監視しています。もし自律神経系のこの働きがなくなれば、あなたはそう長くは生きていられないでしょう。 自律神経系の二つ目の役割は、一つ目にも直接関連していますが、エネルギー生産とエネルギー貯蓄を管理することです。これも生きるために非常に重要な要素であり、特に進化系生物学の観点からも重要です。 野生の動物にとって、生き延びるためには、エネルギーをコントロールすることが何にも増して大切です。このトピックについては前回クロスフィットに関して書いた記事で説明しました。 動物が餌を捕まえるために走るとき、あるいは餌にならないように逃げるとき、生き延びるために必要なのは、出来るだけ素早く大量のエネルギーを発揮する能力です。 自律神経系は、交感神経系と副交感神経系という二つの枝を通してエネルギー管理を効率的に行っています。交感神経系の働きでエネルギー生産を高める一方で、副交感神経系の反対の作用を通じて、エネルギー生産を弱め、エネルギー貯蓄を高めます。 下記のチャートでは二つのシステムがどのように共同して働いているかを見ることができます。 なぜこれを理解することが重要なのでしょうか?このことが生死に関してどれほど重要なのでしょうか? 答えは単純です。自律神経系の二つの枝は、エネルギーだけではなく、炎症もコントロールしているからです。そして炎症こそが、生活のストレスが時間とともにあなたを死に至らせる原因になるものなのです。 人生―ストレスの諸刃の剣 自律神経系がどのように炎症を調節しているかを理解するために、交感神経系と副交感神経系が、生きるため欠かせない役割を果たす特定のホルモンの放出を刺激する方法について見ていきます。 この図の通り、交感神経系はいわゆるアドレナリン作動性炎症誘発経路の一部であり、大食細胞と呼ばれる免疫細胞の受容器と結合するホルモンを放出します。この結合が身体に増幅された免疫反応をもたらします。つまり、交感神経系が活性されると、身体は本質的に炎症誘発性状態になります。 生存に関わる自律神経系の役割に話を戻すと、エネルギーの要求が高まった時に免疫システムを高反応状態にすることが有益であるというのは理にかなっています。交感神経系は、「闘争―逃走」反応を必要とする時に働きます。この状態では、危険な病原菌にさらされる可能性だけでなく、組織の修復が必要となるストレスがかかる可能性も高まります。 これがそもそもの炎症反応の大部分です。 例えばワークアウト中には、様々な組織に代謝および機械的なストレスが発生します。このストレスが炎症につながり、その炎症が脳に信号を送り、より大きく、強く、機能的な組織を作るための修復プロセスが始まります。 炎症なしには、このプロセスは起きず、私たちが環境に適応する能力もなかったでしょう。 すなわち、炎症は適応と生命維持において欠かせないものです。しかし、炎症は諸刃の剣にもなりえます。 急性の炎症は身体を守るものです。それに対し慢性的炎症は、私たちをゆっくりと心臓血管系の病気や死へと誘うもので、これこそがアメリカ人のほぼ3人に1人に起こっていることなのです。 炎症を抑えるー健康、ウェルネス、長寿の鍵 炎症があなたの味方になるか、それともあなたをその3人のうちの1人にするかは、必要がなくなった時に炎症を止めることのできる能力にかかっています。このプロセスをコントロールする自律神経系のもうひとつの側面は、コリン作動性抗炎症経路として知られています。 この経路は、免疫細胞の特定の受容器に結合する、アセチルコリンを放出することによって炎症を妨げます。これらの受容器に結合することで、サイトカインと呼ばれる炎症誘発性プロテインの放出を止めます。下記の図からわかる通り、炎症それ自体が抗炎症経路を引き起こすものでもあるのです。下記で言及されている迷走神経は、副交感神経系の主要な神経です。 迷走神経の求心性枝が炎症を察知すると、迷走神経が脳に信号を送り、背側運動核(DMN)と呼ばれるエリアに作用し、遠心性迷走神経からアセチルコリンが放出されます。本質的にこれが炎症を「止め」ます。この炎症反射が、身体が炎症をコントロールできなくならないように保っています。―少なくともそうするようにできています。 炎症が悪い方向へ向かう時 完璧な世界では、身体がストレスにさらされて炎症が起こり、炎症はその役割を果たした後に収まり、すべてが完璧に働きます。しかし問題は、私たちは完璧な世界には生きていないということで、私たちの多くが日常的に自分自身にさらしているストレスが、やがて大きな打撃を与えることになるのです。 死なない程度に辛いことが私たちを強くする、という考えに傾倒するのは簡単です。しかし、ストレスが大きくなりすぎると、今すぐに、ではないだけで、死に至り得るのです。 私の母のケースでは、客室乗務員という彼女の仕事のストレスが、一番の元凶でした。実際、母が病気に至るまでの過程は、母の人生に多大なるストレスを与えた特定の変化をたどっていくことで、はっきり見えてきました。 母は長い間、シアトルに住みながらもサンホゼを仕事の拠点として生きていました。それはつまり、月に数回片道1時間半かけて通勤していたということです。にもかかわらず、9月11日の事件があった後で、航空会社は母を含む数千人の人を解雇しました。 母は2~3年後に仕事に復帰することができましたが、ニューヨークに拠点を置くことを余儀なくされました。引越しをする代わりに、通うことを決めた母は、仕事のためだけに国の横断を繰り返すことになりました。 繰り返される移動のストレスと、断続的な睡眠習慣、空港での食事など、彼女の身体には、単に大きすぎるストレスがかかっていたのです。何の明らかな症状も従来の危険因子もなかったのにもかかわらず、母は数年で脳卒中を患い、病院にかかることになりました。 もちろん遺伝的な原因もあるのは確かですが、母の例は、慢性的なストレスを身体にかけ続けた代償について認識する重要性を物語っています。 ほとんどの人は、そしてジムで何時間も費やすような人は特に、トレーニングが身体に与える影響を感じることによって知っています。しかし、精神的ストレス、栄養的ストレス、環境的ストレスなどが与える本当の影響については知らないのです。 実際は、週に数時間ジムで死ぬほどトレーニングをしてもーもちろん私が勧めていることではありませんーその数時間でかかるストレスは、日常生活の中で直面するストレスを総合したものとは比較になりません。 トレーニングは1時間か2時間ですが、人生は24時間毎日です。これは私の母を含めて多くの人が気づいておらず、気づいた時にはもう遅いのです。 慢性的な、低レベルの炎症は、多くの人にとって感じられるものではありません。実際の症状が現れ始めるまで、あるいは健康診断で何かが悪いとわかるまで、ダメージが蓄積されていきます。 幸い、物語はこのような結末で終わらなくても良いのです。悲劇を避けるために、潜在的な人生のストレスと闘うために、すべての人がそれぞれできることがあります。

ジョール・ジェイミソン 3537字

コンディショニングが命を救い得る理由 パート1/4

2008年4月25日は、私にとって決して忘れられない日です。それは私の人生で最悪の日であり、なぜ詳細まではっきりと私の心に刻み込まれているのかは疑問の余地もありません…これからお話しすることは、これまで私がシェアしてきた中でも最も個人的な話です。それでもこの話をするのは、この話が非常に重要な教訓であり、文字通り全ての人がこの話から恩恵を受け、学ぶことがあると考えているからです。 最後まで読むと、コンディショニングというものがどれだけ大切なのかについて、さらに、より良いパフォーマンスをするためだけでなく、より良く生きるために、あなた自身(またはあなたのクライアント)のコンディショニングを向上させる方法について、全く新しい認識を得ることになるでしょう。 電話を受ける その電話がなったのは、郵便物を取りにジムの外へ行こうとした午後12時半ごろだったと記憶しています。電話は私の知らない市外局番からで、いつもならそのような電話には出ないのですが、そのときはなぜかその電話を取りました。 その声が「ジョール・ジェイミソンさんですか?」と聞くので、 私は「そうですが、どちら様ですか?」と聞き返しました。 「私の名前はジェニファー、マイアミのドクターズ病院の集中治療室で看護師をしています。あなたのお母様が脳卒中になり、今私たちと一緒にいることを知らせるために電話をしています。」 このような電話を受けたことがある人なら誰もが、本当に呼吸が止まりそうになると言うでしょう。ショックと困惑が強すぎて、今聞いたばかりの言葉が頭に入ってきません。 私はその前夜に母親と話をしたばかりで、その時は何の問題もありませんでした。母は基本的に健康に見えました。何の病気や兆候もなく、服用している薬もなければ、過体重でもなく、お酒も飲まずたばこも吸いませんでした。 確かに、大多数の人と同様に、トレーニングはしていませんでしたし、食生活は確実に改善できたと思います。でも、母は航空会社の客室乗務員であり、非常に活動的で、乗り継ぎの場所ではあちらこちらに出かけるのが常でした。脳卒中を患ったのも、彼女が乗り継ぎでマイアミにいたときでした。 その時の状況では、母が飛行機事故に巻き込まれたという電話を受けた方が驚かなかったでしょう。母が脳卒中を患うよりも、その方が統計学的には起こりづらいことだとしても。 人生で最も過酷な12時間 -そして答えを探す機会 その電話を受けてから数時間以内に、私は空港にいて、シアトルからマイアミへの飛行機に乗ろうとしていました。その電話を受けただけでもよくなかったのに、更に事態を悪くしたのは、看護師が脳卒中の深刻さに関わる詳細も、今後の予期についても何も言ってくれなかったことです。私が知っていたのは、母は集中治療室にいて、意識がないということだけでした。 何を考えればいいのかもわからず、病状がどれだけ悪いのかを知るすべもなく、ましてや母が生き延びられるのかもわかりませんでした。私にできることは、そこからのフライトと乗り継ぎの12時間を、母の状態がどのくらい悪いのかについて頭を悩ませながら過ごすことしかありませんでした。 もし母が生き延びられなかったとしたら、あるいは生き延びられたとしても、歩けなくなったり、話せなくなったり、何も覚えることができなくなったとして、どうしたらいいのか、私には全く分かりませんでした。 それは私の人生の中で、最も過酷な12時間でした。 そして、それこそ一睡もせずに、やっとの思いで翌朝8時ごろに病院につきました。母が意識を取り戻したことを知り、医者から母が生き延びられる可能性は高いと聞いて、かなり安心しました。しかし、保証はありませんでした。そこからの48-72時間が非常に大切で、母は集中治療室に留まる必要がありました。 それから3日間、ほぼ眠ることなく、18.5㎡ほどの集中治療室で過ごしました。ほぼ全ての時間を、母の血圧から体温まで、モニターに映し出される様々な数値を凝視して過ごしました。数時間おきにどれかのアラームが鳴り、そのたびに看護師か医者がやってきて状態を確認し、アラームをセットし直しました。 看護師や医者は私に、母の状態は完全に「ノーマル」だと言いきかせましたが、母があらゆる薬を投与され、意識と無意識の状態を行ったり来たりしているのを見ていると、私にとっては何も「ノーマル」には感じられませんでした。 母が起きているときは、少し話をすることができましたが、母の身体と顔の右半分が麻痺していることは明らかでした。その麻痺と薬づけの状態は、何もかもがまた元通りうまくいくようになると確信できるには程遠いものでした。 「統計」が自分に関するものになったとき-健康な人間がいかにして脳卒中を患うのか? 集中治療室での苦しい三日間を過ごした後、母はようやく通常の病室に移ることができ、そこで7日間を過ごしました。その後は、リハビリ施設へ移動して2週間、身体の右半分のコントロールを取り戻すためのトレーニングをしました。「すべて元通り」ということでは全くありませんでしたが、少なくとも危険を逃れた感はありました。 脳卒中を患う前とはかなり異なる生活になるとしても、母が生き延びるであろうことは明白でした。 母に必要な治療を確実にすること以外に、私にとって大切なことは、どうしてこのようなことが起きたのかを理解することでした。健康で活動的であり、医学的な問題や既往歴も抱えていないように見える人が、どのようにして、突然何の予兆もなく生命の危険すらある脳卒中を患うのでしょうか? 私はまず統計を調べました。結果は非常に厳しいものでした。 米国では、脳卒中は3番目に多い死因であり、毎年14万人以上の人が脳卒中により亡くなっています。また、脳卒中は、身体障害をもたらす一番の元凶であり、母は生涯、その障害と付き合っていかなければなりません。脳卒中を心臓血管系の疾患の問題の一部として考えると事態はさらに深刻です… 心臓血管系の病気(脳卒中、冠状動脈性心臓病など)に関連した状態は、あらゆる癌による死者の総数よりも多くの死人を出しています。見方を変えれば、米国の女性の31人に1人が乳がんで亡くなっている一方で、3人に1人が心臓血管系の疾患により亡くなっているのです。 正直に言うと、私は以前にもこういった統計を読んだことはありましたが、愛する人や友人がその一部になる前は、その統計はページに記された数字に過ぎませんでした。母が脳卒中になる前は、心臓発作や脳卒中について考える時には、過体重で、食習慣が悪く、喫煙をし、酒も飲んでいるような人を連想し、母のような人を思い浮かべることはありませんでした。 私は統計の数字以上のものを知る必要がありました。原因を理解する必要があったのです… 炎症に関する真実-あなた及びあなたの知っている全ての人々にとって炎症がなぜ重要なのか 私は何カ月にもわたって、心臓血管系の疾患、脳卒中、ストレス、炎症、それらに関わるもの全てについての本や研究論文を、手に入るものは全てくまなく読みました。読めば読むほど、非常に興味深く、読み続けたくなりました。 やがて私は、健康、ウェルネス、病気に関して異なる見解を抱くようになりました。私の母のように健康にみえる状態から、どのようにして、ある日突然、病院で生命の危機にさらされている状態になるのかが、はっきりわかってきました。 こういったことがどのようにして起こるのかは、ストレスと炎症の関係に隠されています。炎症は、ほぼ誰にでも馴染みあるものでしょうが、炎症が一体どのようにして起き、どんな役割をしているのかについては、多くの人にとっては未知のものでしょう。研究の観点からしても、炎症については、ここ10年間くらいでようやくいろいろなことが明らかになってきています。 神経免疫学の比較的新しい分野により、ストレスと炎症が身体にどのような影響を与え、時間と共にどれほど悪い影響を与え得るのかを解明するパズルのピースが埋められてきています。

ジョール・ジェイミソン 3419字

HRVスコアを向上させる5つの秘訣 パート2/2

秘訣4:有酸素性運動能力を向上させる HRVと最大酸素摂取量(VO2 max)、そして無酸素性作業閾値に直接的な関連があるのには理由があります。なぜならミトコンドリア(細胞の中にあるエネルギー生産所)の量が増え、機能が向上すると、HRVスコアも高くなるからです。 これは、有酸素性能力の高い持久系スポーツのアスリートが、高いHRVスコアを持っている所以でもあります。 あなたは持久系スポーツのアスリートになることを望んでないかもしれません、しかし疑問の余地なく、HRVを向上させる最速の方法は、コンディショニングを向上させることなのです。 多くの人が沢山のウェイトを持ち上げるようなストレングスやパワーの向上とコンディショニングの向上を同時にすることができると考えていることには、考慮の必要があります。全くの初心者以外において、これはうまくいきません。 フィットネスレベルがある程度のものになれば、トレーニングプログラムはより特化したものになる必要があります。HRVスコアを向上させようとしているのであれば、ストレングスは維持をする程度が好ましいでしょう。多くの方にとって、一般的に週3日40分~60分のストレングストレーニングで、これが可能となります。 フィットネスの能力のエリアを全て同時に向上できると言う人は、座ってばかりの怠け者をトレーニングしてきたか、またはあなたに何かを売りつけているかのどちらかでしょう。人間の身体はそのように単純に働くシステムではないのが真実だからです。 私たちの身体は遺伝子学的に、トレーニングのターゲットが、ストレングスと持久力の連続体のどちらか片方のサイドに絞られた時、より早く能力を向上できるようにできています。もしあなたのゴールがHRVスコアを向上させることなら、一旦、ストレングスをメンテナンスモードにして有酸素性能力の向上に集中した方がいいでしょう。 秘訣:1を参考にするのに加えて、コンディショニングを向上させる方法について書かれている、『The Ultimate Conditioning Guide/究極のコンディショニングガイド』を読んでみてください。 秘訣5:リラックスする 最終的に、より良いフィットネス、より大きい筋肉、より少ない体脂肪などに繋がる、すべての生理学的変化について考えてみれば、これらはトレーニングをしている時に起こるのではなく、休息をとっている時に起こることです。多くの人がトレーニングにどれほどの努力をつぎ込んでいるにもかかわらず、休息や回復に気を配っている人がいかに少ないのかを考えると驚くべきものがあります。 このため、どのような目的のためのトレーニングにおいても、黄金律の一つとして、トレーニングと同じくらいに休息をとることに気を配るべきです。HRVを向上させる場合には、回復を向上させるために一週間のうち少なくとも数時間費やす努力をする必要があるということを意味します。 では、それをどのように行いましょうか? まず最初に、精神的にリラックスできる方法を見つけてください。朝静かに瞑想をしてみたり、気持ちいマッサージを受けたり、暖かいお風呂に入ってみることかもしれません。 重要なのは、リラックスは自然におきることではないということを認識することです;リラックスをするためには、実際に努力をすることが必要であり、それを実際に行っている人がいかに少ないのかに驚かされてしまいます。 まず、あなたが個人的にとてもリラックスできることを3つか4つあげてリストを作ってください。次にスケジュールを見て、いつワークアウトをするのか計画をするように、回復のためのセッションのスケジュールを立ててください。 もしスケジュールの中で、回復のための時間を取っておかなければ、実際に行うことはないでしょう。休息をとることをオプションとして考えるのではなく、トレーニングのセッションと同じくらい重要なものとして考える必要があります。実際、同じように重要なものなのです。 トレーニングでのストレス、もしくは日常生活からの全般的ストレスかどうかに関係なく、過度なストレスは将来、極めて有害なものになるに違いありません。ストレスを減らし、回復と休息を増やすことは単にHRVスコアのために重要なだけではなく、あなたの人生において重要なことなのです。 あなたのHRVスコアはどうあるべきでしょうか? 数え切れないほどのアスリートにHRVを使い、実際に何千もの心拍変動の計測を15年行ってきた経験からはっきりしているのは、HRVスコアはあなたの設定するゴールによって決定されるものだということです。全ての人に違いがあり、全ての人が同じ範囲に入るわけではありませんが、ここにあなたのバイオフォースHRVスコアがどれくらいであるべきかを示す一般的なガイドラインを提示します。 トレーニングゴール バイオフォース HRV 範囲 持久系スポーツ 90 – 100 格闘技系スポーツ 85 – 95 チームスポーツ 80 – 90 身体組成改善 75 – 85 健康増進 75 – 85 ストレングススポーツ 70 – 80 これらはあなたの平均HRVスコアが、ほぼここにあるべき、あくまで一般的な範囲だということを覚えておいてください。日々のスコアに変動があることは正常であり、範囲外になることもありますが、平均値は常にこの範囲内に留まっているべきです。 もしあなたのHRVスコアがすでにこの範囲にあるのであれば、スコアを落とさず維持をしながらパフォーマンスのストレングスやパワーのエリアを向上させるべきです。しかしながら、常にこの範囲を下回っているのであれば、他のことにフォーカスを置く前に、平均値をできる早く適切な範囲にもっていくことが最も重要です。 これまでの5つの秘訣に従いHRVスコアとともに、素早く向上していくその結果を見ていてください。 まだHRVを使っていない方、もしくはどうすれば良い結果を出せるのかをもっと学びたい方は、モーフィアスをご覧ください。

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HRVスコアを向上させる5つの秘訣 パート1/2

フィットネスのテクノロジーは、とてつもなくパワフルでより良い結果をもたらすものにもなりえ、あるいは完全なる時間とお金の浪費ともなりえるでしょう。その違いは、自分にとってそれが役立つものにする方法を理解することによって生まれます。世にあるフィットネスのテクノロジーの中でも最も価値のある物の一つである、心拍変動(HRV)を最大限に活用するために、これから述べるシンプルで効果的な5つの秘訣に従い、あなたのフィットネスが内側から変革するのを観察してみてください。 秘訣1:強度よりも頻度 フィットネスを向上させようとするとき、ほとんどのフィットネスの専門家はただ単純に”もっとハードにトレーニングを”と提案します。トレーニング強度の増強は、適切に用いれば重要なツールになりますが、多くの人は完全にトレーニング”頻度”の重要性を軽視しています。 HRVの向上において、特にもしあなたが特定のスコアの幅から数値を変えることができない状態なのであれば、解決する最も簡単な方法の一つは、トレーニングの”頻度”を増やすということです。一旦、あなたの平均HRVスコアが80台前半あたりになれば、少なとも1週間のうち5回(6回が好ましい)トレーニングすることでスコアの継続した向上がみられるでしょう。 それほどの頻度でトレーニングすることは難しいことだ、と思われがちですが、それはおそらく、今までのトレーニング強度が高すぎるからでしょう。 多くのクロスフィッター達が辛い思いをして発見したように、1週間のうちの5日または6日間、高強度でトレーニングすることは、単に不可能です。ここでお話したように、強度の高い運動と低い運動を組み合わせることが、答えになります。 トレーニング強度を低減させながら、頻度を増加させることを試してみてください。HRVスコアを数週間で少なくとも4~6ポイント向上させる見込みは十分にあります。 秘訣2:炎症のサイクルを打破するために栄養学を用いる もしあなたが努力しているにもかかわらず、低いHRVの数値(70以下)のまま停滞しているなら、少なくとも幾らかの慢性的な炎症が起きている可能性があります。 これは、HRVによって計測される副交感神経の働きの一つには、交感神経系によってもたらされる炎症を抑え、制御するということがあるからです。 交感神経によって大きすぎる炎症が引き起こされれば、その結果としてHRVスコアは慢性的に低くなります。これは、HRVスコアが、私たちの健康状態、そして寿命をも予測し得る強力な指標である所以の大きな部分です。 慢性的な炎症は、心臓血管系疾患や脳卒中、そして、体重増加や肥満に至るまで、私たちの身体にとっての殺害者となり得るものだからです。 高いHRVスコアを持つ人は、炎症を制御し鎮静するための能力が良好な状態を意味しており、より健康な状態で、より長生きできる可能性を示す指標となります。 適切なトレーニング管理に加えて、HRVスコアを向上させるもうひとつのシンプルな方法は、栄養の力です。まず分かりきったことですが、まずは高脂肪、高糖質なジャンクフードを減らすもしくは排除し、それらをより健康的なものにおき変えてください。 多くの人は、少量であったとしても、よくない反応を示す食べ物の影響に対して気づいていないようですが、これらを排除することで、即座にHRVのスコアを向上させることができるのです。 何らかのタイプの排除ダイエットや、間欠的なファスティングからスタートしてみるのも良いでしょう。 次に、オメガ3脂肪酸やウーブエンザイム(Wobenzyme)といった抗炎症作用のあるサプリメントを試してみるのもいいでしょう。これら2つのサプリメントを一緒に摂取することで、炎症の軽減を助けることができ、食餌法とともにHRVスコアの向上を刺激してくれるでしょう。 HRVスコア向上させるもう一つの必要不可欠な要素である、ミトコンドリアの機能向上に働きかける幾つかの重要なサプリメントもあります。 秘訣3:睡眠の質を向上させる 毎日の睡眠の量と質がHRVスコアに影響する最も大きな影響であることに疑いの余地はありません。“もっと睡眠をとるように”という当たり前のお説教以外にも、睡眠量にかかわらず、睡眠の”質”を向上するためにできることはたくさんあります。 まず最初に、寝室を完全に暗くすることのできる遮光ブラインドを購入することを強く推奨します。これらは、高価でもなく、簡単につけることができます。もしあなたの寝室がたくさん朝日の入る部屋なら、遮光ブラインドをつけることで睡眠の質をかなり違ったものに変えることができるでしょう。 次に、これもまた分かりきったことかもしれませんが、驚くほど少数の人しか試していないことです。あらゆる手段を用いて、あなたを目覚めさせる可能性のある騒音を最小化すること。私はいつも、コンピューターのボリュームをオフにして、携帯電話もサイレントモードに設定しています。 一晩中なり続ける小さなお知らせ音ほど、睡眠を妨げるものはありません。たとえその音で完全に起こされなくても、睡眠をより浅いものにしHRVスコアを減少させます。”サイレントモード”を毎晩の通過儀礼にしてください。 最後に、これは重要な事ですが、質の良いベッドにできるだけの投資をしてください。 多くの方がトレーニングやサプリメント、トレーニングウェア、ジムの会費、食べ物など、見ためや感覚などには沢山の投資をするにもかかわらず、8時間もしくはそれ以上の時間を、質の悪い安価なマットレスの上で費やしているということには驚かされます。 考えてみてください:人生の3分の1近くは、ベットに横たわって過ごしているのです。適切なベットは人生を変えるような違いを生み出し、健康とフィットネスのための最大の投資となるでしょう。

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