マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてポイントとコインを獲得すれば理解も深まります。
機能のために重要なエビデンス:股関節置換手術後1年目の階段昇降
Quenn RM, Attarian DE, Bolognesi MP, Butler RJ. Bilateral symmetry in lower extremity mechanics during stair ascent and descent following a total hip arthroplasty: A one-year longitudinal study. Clinical Biomechanics, 2015, 30:53-58. 「股関節置換手術後の階段昇降中の下肢メカニクスにおける両側性対称性:1年間の追跡調査」 この研究では、手術前、手術後6週間、手術後1年後という3つの異なった状況における42人の患者の階段昇降中の運動学的データ、動的データを記録しています。この記事では、3つのデータ集積インターバルにわたり階段上行中における手術肢、非手術肢の比較データに注目をします。 著者達は、矢状面および前額面における股関節の動きと筋モーメントを報告しています。手術に先がけて、手術肢と非手術肢を比較した時の差異が確認されていました。経時的な手術肢の特徴の分析においては、患者の手術前と手術後6週間のインターバル間での階段の登り方の間で、計測された大部分の変数要素には違いが見られませんでした。統計的に有意な違いが起こったのは手術後6ヶ月から1年の間でした。これは驚くようなことではないのですが、この変化の性質は、より良い階段昇降およびより良い生活の質を促進するための手術後のリハビリプログラムのためのガイダンスを提供してくれるものでもあります。 矢状面において、最大伸展量が増加するにつれて、階段上行で使用される股関節屈曲量は低下しました。股関節伸展筋群によって生み出されるモーメントは増大しました。これを補足し合う2つの解説が存在します。この実験において、弱い股関節伸筋を持つ被験者達は、階段上行をより容易にするために手術肢側の股関節をより屈曲したのかもしれません。屈曲位が重心を前方に動かしますが、これはまた股関節伸展筋群を伸長することにもなります。伸長されたポジションにおいて、伸筋群はより大きなトルクを生み出すことができます。股関節伸展筋群が筋力を獲得することで、屈曲へのニーズは低下し、筋肉からのより大きな伸筋トルクは、股関節をより伸展したポジションへと駆動します。 股関節伸展筋群の筋力向上が機能向上を促進するという知識は、特に驚くべきことではありませんが、この向上が起こるまでの時間を低減するための戦略を提供してくれるものです。股関節伸展筋群が活性化することを要求するトレーニングムーブメント(アクション)は、数多く存在します。スクワット、非手術肢を伴うランジ、そして手術肢を伴うランジは、股関節伸展筋群の活性化に要求される股関節屈曲を生み出します。股関節屈曲のみでなく、股関節内転や股関節内旋を生み出すためには特定の種類のランジが選択されるでしょう。これら3つの動きは全て、股関節後面外側の筋肉群をローディングします。これは、すべての臀筋群、ハムストリングス、そして内転筋群を含みます。すべての股関節後面外側の筋群は、教科書に示唆されているような単一面での孤立化した動きではなく、動きの三面全てにおいて働きます。 腕のリーチが筋群を伸長することができる(そしてトルク生成を向上する)ことを認識して、スクワットやどちらかの脚からのランジと両腕、または片腕の3つの運動面へのリーチの組み合わせは、筋群の“スイッチをオン”にします。このトルク増大というトゥイーク(微調整)は、患者達が術後6週間で提示したことを模擬するものでもあります。一旦、股関節後面外側の筋群が筋力を獲得すれば、各運動面に向かっての腕のリーチによって生み出された増大は減少していくでしょう。リーチの低減は、階段上行の運動学をより本質的なものにします。アプライドファンクショナルサイエンスの「トゥイークイン」と「トゥイークアウト」という戦略に沿って、最終的には腕のリーチの方向を逆に向ける、つまり股関節後面外側の筋群が不利な立場となるために、股関節やそのほかの下肢へのチャレンジが増大するようにすることもできます。 この研究に記録されている、より大きな股関節屈曲から、より少ない股関節屈曲へのプログレッション、そして、より少ない股関節伸展位からより大きな股関節伸展位へのプログレッションは、タスクを達成するために身体がリソースを利用する能力を展示しています。リソースが変化すると(より大きな伸筋トルク)、システムは部分間のコーディネーションを修正します。このプログレッションを促進するために、リハビリテーションの動きを動きの三面においてトゥイークするプロセスは、グレイインスティチュートのすべての教育コースにおける基礎となるものです。
エクササイズの組み合わせ方法 VOL 2
リハビリにおいてもパフォーマンス向上においても、トレーニング効果を最大限に引き出すためには、適切なエクササイズの組み合わせをすることがとても重要です。 エクササイズの組み合わせ方法は、クライアント、患者、アスリート、その対象者が誰であれ、彼らが達成しようとするゴールへの到達をサポートするためのものでなければなりません。 組み合わせるエクササイズは何か? KB | スナッチ
機能のために重要なエビデンス:股関節置換手術後1年目の階段昇降(ビデオ)パート1
股関節置換手術の前、術後6週間、術後1年間という時期の患者の階段昇降、特に階段上行の動きにおける左右差を記録したリサーチデータをもとにした記事に続く、ビデオでの具体的な解説シリーズ。成功の上に成功を積み重ねていく方法とは?
機能のために重要なエビデンス:股関節置換手術後1年目の階段昇降(ビデオ)パート2
股関節置換手術の前、術後6週間、術後1年間という時期の患者の階段昇降、特に階段上行の動きにおける左右差を記録したリサーチデータをもとにした記事に続く、ビデオでの具体的な解説シリーズ。成功の上に成功を積み重ねていく方法とは?
Kaori's Update #47 - 栄養学の基本の基本
私たちの身体は、食べたものから作られています。つまり、何を身体に入れるのかはとても重要なのですが、健康を維持するために、何を食べたらいいのか?アメリカ育ちで、アメリカの公認管理栄養士の資格を持つ讃井友香さんは、難しく考えがちな栄養学の基本の基本を、誰にでもわかりやすくまとめたコンテンツを提供してくれます。
ベアクロールとあなた
もし私が、無料ですぐに利用できる素晴らしいトレーニングのアイデアについて話しますよと言ったら、この取引の落とし穴は何だろうかと思うかもしれません。次のように言わせてください:現在の定義が何であれ“コンディショニング”と基本的な上肢のストレングストレーニングにとって、レスリングやフットボールの標準ドリルであるベアクロールに勝るものはないかもしれません。 教え方は単純です:両手を地面に置いて、足趾と手を地面に接し続け、熊のように四つ這いで前に進みます。それをすべてやってくれれば、それで十分です。我々がこのように動くことは非効率的であり、そのためカロリーを消費しますが、呼吸はまた難しくなり、単に進んでいく方向を見るたけでも積極的に背骨を動かす必要があります。 時間がないときに、この単純な動きを楽しいフィニッシャーにする、あるいは、素早いワークアウトに変えるための提案があります。まず、単に前にだけ進むということをしないようにしましょう。横に動くことで少し難しくなりますが、気品と威厳をもって後ろに進むためには少し労力が入ります。友人に“前、左、右、あるいは後ろ”と1分間までコールアウトさせてください。手袋をつけることをお薦めします;地面に何があるか分からないので、庭作業で通常使用するようなものを使います。小さい石を手のひらで思い切り押し潰すのは、思っているよりも痛いものです。 私のお気に入りコンボは「ベア/ベア」です。パートナーと、ウエイトプレート(多分45)、あるいは重いバッグ(私は、150ポンドまでの硬水軟化剤塩が詰まったダッフルバッグを使っています)を見つけ、それをベアハグします。歩き始めます。パートナーはあなたの隣でベアクロールをしながら進みます。目標の半分あたり、例えば100ヤードで交代します。ゴールにたどり着いたら、少し休み、役割を入れ替えて終了します。呼吸への影響は、驚くべきものです。 フットボール選手には、あなたも役立つと思うであろうバリエーションを使用します。フットボールはレベルが代わるゲームなので、デッドリフトとベアクロールを組み合わせます。組み合わせは単純ですが、デッドリフトのセットの消耗の後にベアクロールすることは最初かなりの負担になります。デッドリフトを相応の負荷で5セット行い、ベアクロールで、できるだけ早く進み、スピードやテクニックが乱れ始めたら止まります。 ベアクロールは無料で、どこでもできます。トレーニングに少し追加し、新たなバリエーションを思いつくか考えてみてください。
エクササイズ誘発による鎮痛
なぜエクササイズは気分を良くするのでしょうか?よく耳にする考え方は、エクササイズは“エンドルフィン”を与えるというものであり、この説明は実際に的外れではないようです。エンドルフィンという言葉は、内因性のモルヒネの略です。内因性のモルヒネは、動くと分泌されるかもしれない、オピオイド“薬物”です。この投稿では、身体の疼痛抑制システムの活性化を含む、“エクササイズ誘発による鎮痛”のさまざまなメカニズムについて詳しく説明します。このシステムは、ランナーズハイを得るためだけでなく、慢性的な痛みを防ぐためにも十分に機能する必要があります。定期的な身体活動は、その健康と適切な機能を維持するための最良の方法かもしれません。 痛みのトップダウン制御:下行性抑制 エクササイズ誘発による鎮痛の重要なメカニズムのひとつは、特定の脳領域が脊髄の侵害受容性信号を抑えるときに起こる、侵害受容の下行性抑制です。身体からのボトムアップ信号を受動的に反映するのではなく、脳には痛みを発生するかどうかについて能動的に発信する機能があることから、これは痛みの“トップダウン”制御と呼ばれています。 たとえば、緊急時に脳が生存のために走ることが必要であると認識したら、侵害受容を抑える下行性抑制システムを活性化させます(興味深いことに、この抑制は選択的であり、伝導速度が速いA線維よりもC線維が優先されます)。つまり、既存の組織損傷に関する“古い情報”は効果的に無視されますが、システムは新しい損傷に関する知覚情報には注意を払い続けます(Heinricher 2010) 。 下行性抑制システムは、一般的に激しい身体活動によって活性化されます。マラソン中(軽度の緊急事態と認識されるかもしれないもの)、足と膝は多くの侵害受容を発生しているかもしれませんが、高次脳センターがマラソンを完走することが価値のある目標であると判断した場合、その多くは抑制されます。驚くべきことでもありませんが、トライアスリートは、過給された下行性抑制システムを備えています:彼らはランニングから、本当の意味でのハイを得るのです。慢性疼痛や線維筋痛症の人たちは、このスペクトルの反対側にいます。- 彼らの下行性抑制システムはまったくうまく機能しないため、身体活動中に気分が良くなるどころか悪化すると感じることがよくあります。多くの専門家は、下行性抑制システムの挙動が、慢性疼痛を説明する上で重要な要素であると確信しています(Ossipov 2012、2015)。 下行性抑制に関与する主要な解剖学的構造 中脳水道周囲灰白色(PAG)は、その刺激が即時に疼痛緩和をもたらしたため、内因性の疼痛抑制システムを活性化することが最初に示された脳領域です(Kwon 2014)。PAGは、大脳辺縁系の一部や、感情、恐怖、および動機の処理に関与する脳領域から入力を受け取ります。これらのつながりは、思考や感情が痛みに影響を与えるメカニズムであると理解されています。たとえば、PAGはプラセボ反応に役立ちます。 PAGは、主に吻側腹内側延髄(RVM)への接続を介して下行性抑制に影響を与えますが、侵害受容を促進してしまうこともあります。侵害受容を促進するか抑制するかに関する判断は、侵害受容の意義とそれに対応する方法について、より高次の脳領域がそれをどう捉えるかによります(Melzack and Wall 2014)。 生命の維持のために痛みの反応や回復行動が起こるのを回避しなければならない、非常にストレスの多い危険な状況では、痛みの抑制が有益になることがあります。同様に、差し迫ってはいないが脅威が存在しうる状況では、痛みの促通は病気を患っている時には回復行動を促進し、警戒を高めることがあります(Heinricher 2009)。 RVMでは、痛みの調節を担っている2種類のニューロンが確認されています:オン細胞(on-cell)とオフ細胞(off-cell)です。オフ細胞は下行性抑制を担い、オン細胞は下行性促進に関与します(Kwon 2014)。オンとオフの動的バランスは、行動の優先順位、恐怖、および脳の高次構造によって評価されるその他の要因によって決定されます(Heinricher 2009)。促進に対するバランスの崩れが病理学的な痛みの状態の根底にある可能性があることが示唆されています(Ossipov 2012)。 下行性調節の主要なターゲットは、脊髄後角であり、末梢神経が脊髄に接続するところです。後角は侵害受容の“ゲート”として機能します。なぜなら、その感度は、侵害受容が身体から脳に伝達するかどうかを判断するのに役立つからです。感度は、上行性の感覚情報(末梢からの侵害受容の量)によって部分的に決定されますが、PAG-RVMシステムからの下行性調節によっても決定されます。したがって、不十分な抑制は、中枢感作および慢性疼痛に陥る重要な原因である可能性があります(Ossipov 2012)。 内因性オピオイド、カンナビノイド、セロトニン、カテコールアミンなど、侵害受容を抑制する働きをする化学物質は多種多様です。たとえば、オピオイドペプチドは、中枢神経系および末梢神経系の多くの部分でオピオイド受容体に結合し、これにより侵害受容器の興奮を低下させ、その発火を抑えます(Da Silva 2018)。 免疫系の変化 身体活動は、免疫系の挙動に局所的および全体的に複雑な変化を起こすことによって痛みに影響を与えることがあります(Petersen 2005; Sluka 2018)。たとえば、運動は筋内のマクロファージの表現型を調節することができ、炎症性サイトカインとは対照的な抗炎症サイトカインを放出する可能性を高めます。定期的な運動は、線維筋痛症患者および、健常対照群の血中の炎症性サイトカインのレベルを低下させる可能性があることを示す研究があります。他の研究は、定期的な運動が中枢神経系のグリア細胞の活性化を減少させ、炎症性サイトカインを減らし、後角の抗炎症性サイトカインを増加させる可能性があることを示しています(Sluka 2018)。 コンディション・ペイン・モジュレーション(CPM) 運動が痛みを消してくれるかもしれないもうひとつの理由は、コンディション・ペイン・モジュレーション、または“CPM”(広汎性侵害抑制調節または対向刺激とも呼ばれる)によるものです。 CPMは、“痛みが痛みを抑制する”現象を説明しています。 CPMはかなり研究が容易であるため、少なくとも70年間研究されてきました。実験は通常、次のようになります:(1)まず侵害刺激(圧力など)を受け、痛みのレベルを報告します。次に、(2)手を冷たい水に浸すなど、被験者を痛みを伴う“条件刺激”にさらします。そして(3)最初と同じ侵害刺激を与えることを繰り返し、その痛みのレベルを報告します。通常、2回繰り返すと痛みが薄れてきます。痛みの軽減の程度は、下行性抑制システムがどの程度機能しているかを示す尺度と考えられます。 CPMに関するいくつかの興味深い事実があります: CPMは、深部組織のマッサージや鍼、ドライニードル、補助器具を利用した軟部組織のマニピュレーション、フォームローラーなど、さまざまな徒手療法で痛みを軽減するためのメカニズムとして考えられます。これらの療法のいずれかがあなたの痛みを和らげてくれるのであれば、あなたは適切な運動から似たような効果を得ることができるでしょう。 CPMは、過敏性腸症候群(IBS)や顎関節症(TMJ)、緊張性頭痛、線維筋痛症、うつ病の患者では効果が低くなります(Yarntisky 2010)。 術前のCPMの有効性は、術後の痛みのレベルを予測するとされています。どのような患者が急性から慢性の痛みに移行してしまうかを予測します。(Yarnitksy 2010)。 CPMの効率は、エクササイズによる鎮痛作用の効き目を予測します。おそらく少なくともいくつかの共通のメカニズムよるものでしょう(Stolzman 2016)。 活発な活動を頻繁に行っている人は、活動が少ない人と比べCPMが向上しています(Sluka 2016)。 エクササイズによって下行性抑制を改善できるのでしょうか? 運動不足は慢性疼痛の危険因子であることや、運動が疼痛調節システムを刺激すること、および慢性疼痛を回避するためには健全なバランスがとれたシステムが必要であることは知られています。これは、定期的なエクササイズが疼痛抑制システムの適切な機能を維持したり回復させたりするひとつの方法であるかどうかという問題を提起します。 Sluka氏と同僚らは、その答えはイエスだと提言しています。 定期的な身体活動で、中枢性疼痛抑制経路と免疫系の状態を変化させ、その結果、末梢からの侵襲に対する保護効果をもたらします。 この議論を支持する根拠は、混乱と矛盾を招いていますが、いくつかの有望な結果があります。上記の研究に加えて、定期的な有酸素運動は線維筋痛症の効果的な治療であり、健康な人の虚血性疼痛に対する耐性を高めることができることも示されています(Sluka 2016、Ellingson 2016)。一方、有酸素能力は受けた刺激に応じた痛みのレベルを予測しないことがわかっており、いくつかの研究はエクササイズが線維筋痛症の痛みを引き起こしたり再発させたりする可能性があることを示しています(Ellingson 2016)。一般に、ほとんどすべての種類のエクササイズは、ほとんどすべての種類の慢性疼痛に役立つようですが、効果は小さい傾向にあります。 まとめ エクササイズ誘発による鎮痛は、ジョギングやウェイトリフトなどのセッションから一時的に心地よい化学物質を得ることだけではありません。むしろ、常に気分を良くするために適切な機能が必要なシステムを調整することなのです。 ここで説明されている生理学に関する注意事項:下行性抑制システムにおいてマイクロレベルで役割を果たしているそれぞれの物質のすべてについて学ぶことは非常に興味深いですが、それらはとても動的で複雑な方法で相互に作用していることを忘れてはなりません。したがって、個別の物質で分析しても、それらの集合的な影響を予測することは非常に難しいかもしれません。たとえば、セロトニンは状況によっては痛みを抑制しますが、他の状況下ではそれを促進します。これが、非常に特定の標的を狙った療法(特に薬物療法)にも関わらず意図しない効果をもたらしたり、むしろ意図した効果と逆の効果をもたらしたりする理由です。 私の考えでは、潜在的な身体的危険に直面したときに、自身に有益な動作を行うのに役立つという、下行性抑制システムが進化してきた意味に留意することが、より実用的な見方であると思います。下行抑制は、動きが侵害受容を引き起こしている場合でも、それらの動きに意味があり、本質的に動機を与えてくれる場合に、動き続けるためのものです。システムを正常な状態に保つには、可能な限り日常的にゴールディロックレベル(つまり、程よい強度)で、この機能を実行するようにし、その機能が向上しているか適応性を確認しましょう。 これは、筋や腱、骨、心血管系など、私たちが活動するための身体のすべてのシステム機能を改善する方法です。それらのシステムが上手く機能するための適切なレベルのチャレンジやストレスを与えられれば、それに対して機能はさらに向上されます。おそらく、同様のことが下行性抑制システムにも当てはまると言えるでしょう。心地よく、または少なくとも“良い痛み”を感じられる程度の運動を見つけ、それを頻繁に行いましょう。 参照 Da Silva Santos R, Galdino G. Endogenous systems involved in exercise-induced analgesia. J Physiol Pharmacol. 2018;69(1):3-13. doi:10.26402/jpp.2018.1.01 Kwon M, Altin M, Duenas H, Alev L. The role of descending inhibitory pathways on chronic pain modulation and clinical implications. Pain Pract. 2014;14(7):656-667. doi:10.1111/papr.12145 M.M. Heinricher, Tavares I, Leith JL, Lumb BM. Descending control of nociception. 2010;60(1):214-225. doi:10.1016/j.brainresrev.2008.12.009.Descending Ossipov, Morimura. Descending pain modulation and chronicification of pain. Curr Opin Support Palliat Care. 2015;9(1):38-39. doi:10.1097/SPC.0000000000000055 Petersen AMW, Pedersen BK. The anti-inflammatory effect of exercise. J Appl Physiol. 2005;98(4):1154-1162. doi:10.1152/japplphysiol.00164.2004 Polaski AM, Phelps AL, Kostek MC, Szucs KA, Kolber BJ. Exercise-induced hypoalgesia: A meta-analysis of exercise dosing for the treatment of chronic pain. PLoS One. 2019;14(1):1-29. doi:10.1371/journal.pone.021041 Price TJ, Ray PR. 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ケトジェニックダイエット:アスリートパフォーマンスは向上するのか?
ケトジェニックダイエットというと何を思い浮かべますか? 痩せる、ダイエット、副作用が心配。実際どうなのか。根拠があるのか、といろいろな疑問があると思います。今回はそのあなたの疑問を解いていきます。 注意事項:ダイエットの本当の意味 まず最初に注意して欲しいのは「ダイエット」の本当の意味。日本で「ダイエット」というと「減量方法」や「痩せる食事方法」と勘違いする人が多いと思います。 しかし、実際ダイエットという意味は「食事方法」という意味で、減量や痩せることと全く関係ないんです。 では、どうして「減量」や「痩せる食事方法」のことをダイエットと言うのでしょう? 食事方法があるのは、何か目的があるから。 それは痩せる目的、パフォーマンス向上、健康のため、など人それぞれ目的に合わせた食事法が本当の「ダイエット」です。 日本は痩せる方法に注目を浴びすぎていて、いつの間にか「ダイエット」=「痩せる方法」というような使い方でダイエットという言葉を無意識に使っている人がいると思います。今後ダイエットという言葉を使うときは、気をつけてください! そして、ケトジェニックダイエットも、複数の目的を達成するために作られた食事方法。それでは、ケトジェニックダイエットの食事方法を探ってみましょう! ケトジェニックダイエットとは ケトジェニックダイエットというのは、簡単にいうと超低糖質・高脂質ダイエット。普段、食べた炭水化物がブドウ糖に変わり、そのブドウ糖が人間の脳と筋肉のエネルギーに変わります。しかし、ケトジェニックダイエットで糖質が不十分のため、脂質がケトンという成分に変わり、ケトンが体のエネルギーとして使用されます。そのため、効率良く脂質をエネルギーに変えることかできるということで、注目を浴びています。 ケトジェニックのメカニズム ケトジェニックの食事法は体の中に入るとどうなるの? まず、人間の体はみんなブドウ糖とグリコーゲンの貯蔵からエネルギーに変えています。 そう、これはみんなが大好きな炭水化物。パン、うどん、ごはん、それからチョコレート、フルーツ、乳製品も炭水化物が含まれていて、食べた炭水化物が体の中でエネルギーに変わります。 しかし、ケトジェニック法は炭水化物を一気に無くし、ブドウ糖やグリコーゲン貯蔵を一気に無くします。 1日にどのくらいエネルギーを消費するかによりますが、ブドウ糖がなくなると体はサバイバルモードに入り、ブドウ糖の役割を探します。その第二のエネルギーになるのが、脂質です。脂質がエネルギーとして使われるのがケトン。そしてそのように体のエネルギーをケトンに使わせるために誘導させる食事法がケトジェニックダイエットです。 ケトン合成が急増するとき、インスリンの値は低く、グリコーゲンとインスリンと関連してるエピネフリンというホルモンの値は通常です。この3つの値のコンビネーションが脂肪細胞から脂肪が釈放される要因と考えられます。 この写真はUniversity of California San Francisco の糖尿教育センターの資料です。 脂肪は血を回り、肝臓に辿り着き、ケトンにプロセスされます。そして、このケトンはまた血の中に回り、筋肉や組織がピックアップして、体の代謝のエネルギーとして使われます。 ケトジェニックダイエットのリスク 自分の脂肪がエネルギーに変わると思うと、とっても効率的!と思った人もいると思います。しかし、ケトジェニックは良いことばかりではありません。 まず、どのくらい炭水化物を抜くのか? 人にも寄りますが、現在人の体がケトンを使用するためには炭水化物摂取を<5%エネルギーに制限する必要があります。 つまり、1日の総炭水化物摂取量を食事に変えると、バナナ1本で制限オーバーです。 そして、ケトンをエネルギーとして使う体になるには、平均的に2−3日かかり、これは運動や毎日のエネルギー消費量・摂取量により変わります。体はブドウ糖が一番好きなので、少しでも炭水化物があったら、それを優先的に使おうとします。そのため、ケトジェニックの効果が欲しいのであれば、継続的にケトジェニックの食事を摂取しないといけません。1日だけの「チートデイ」は、ブドウ糖を自分の体内に入れるため、ケトジェニック体にはなりません。 改めて、この食事法は無理やりブドウ糖からケトンに自分の主なエネルギーを変える方法です。体はそれに批判し、副作用もついてきます。炭水化物を摂取しないため、低血糖、電解質アンバランス(炭水化物は水分を保持するため)、“Keto Flu”という、ケトジェニック体に体が変わる時に経験するインフルエンザみたいな症状も出ます。 主な症状: 疲労 空腹感 不機嫌·憂慮·イライラ感 頭痛 吐き気·嘔吐 便秘 虚弱 エビデンスは? こんなに大変でリスクが高いケトジェニック法、これはただのまた誰か根拠なく作ったダイエット法なんじゃないの?と思った人もいるかもしれません。 しかし、実際ケトジェニックダイエットは1920年代からある過去にもたくさん研究をされているんです。 以下は今までケトジェニックについて研究されてきた文献の一部です。これ以外にもまだまだたくさんあります。 それでは、どういったエビデンスがあるのでしょうか? 神経障害: まず、ケトジェニックダイエットは、1921年にDr. Russel Wilderという人が神経障害の転換の発作を防止する目的として開発されました。そのため、神経障害の人のためのケトジェニック法の利点が、短期間から長期間での研究結果が複数の文献で証明されています。 ケトジェニックを継続したことで、子供たちが制御するのが難しい発作をコントロールする効果、発作の減少、薬摂取量の減少なども見られました。 その他にも、アルツハイマー病やパーキンソン病の症状を抑える効果も証明されました。このメカニズムはまだ明確には把握できていないのですが、もしかしたらケトジェニック体がストレスを防止して、神経変性や脳炎症を予防できるのからではないかという解説があります。 糖尿病予備軍・糖尿病: 炭水化物を摂取しないため、血糖値が下がり、インスリン感受性が向上するという研究結果が出ています。また、ケトジェニック法で減量にも効果があり、余分な脂肪を無くすことは糖尿病と密接に関連しているため、その効果も糖尿病の人に効果があると言われています。その他にも、薬摂取量の減少、A1Cや体重、またその他の数値が改善されることが複数の研究で証明されました。 しかし、いろいろな研究がほとんどが短期間のケトジェニック法で、長期間のケトジェニック法によるリスクなどまだ研究では明確ではないところもあります。 減量: そして、今話題となっているケトジェニック法での減量。現在、ケトジェニック法は低脂肪ダイエットよりも優れていて、効果的ということが研究でわかっています。メカニズムとしては、効率的に脂肪がエネルギーに変わる以外に、インスリン感受性の向上、血糖値の改善、ケトン値の増加なども理由として述べられます。 こちらも複数の文献がありますが、研究対象がすでに肥満で糖尿病などの併存疾患を持っている人た血で、短期間の物ばかり。こちらも長期間のケトジェニック法にリスクなど明白ではありません。 ケトジェニック法はただの一つのダイエットではありません。神経障害のために作られたダイエッ トは今では糖尿病や減量にも利点がある、とても面白い食事法です。 では、アスリートにはどうでしょう?アスリートがケトジェニック法で食事をすると、どのようにパフォーマンスに影響するのでしょうか? 仮説としては、RER(呼吸数)で考えると、 上記のような表になります。運動強度が高ければ高いほど、炭水化物の貢献、つまり自分の体を使っているエネルギーが炭水化物から来てる方がよっぽど大きい。一方で、運動強度が低ければ低いほど、脂肪の貢献、つまり自分の体を使っているエネルギーが脂肪からの方が大き い、ということになります。なら、運動強度が割と低い持久力スポーツ選手らはケトジェニックダ イエットでパフォーマンス向上になるのではないのか?というのが仮説です。 現在の最新の研究では 、エリートレベルの競歩選手のケトジェニックダイエットの食事とパフォーマンスへの影響について、複数の文献が出ています。 ケトジェニック法は筋肉に必要な炭水化物を摂取しないため、Keto Fluの症状の現れが観察されました。その上、ケトジェニック法は脂肪酸かを増加させますが、エリートレベルの持久力スポーツに必要な高強度なエネルギーを炭水化物よりも早く生み出すことができないことがわかりました。 それにより、ケトジェニック法は持久力アスリートのパフォーマンスを損ない、結果にも悪影響を与えた。 つまり、現在の研究結果では、低強度の運動のパフォーマンスはケトジェニック法はありかもしれないが、エリートレベルの持久力スポーツはケトジェニック法は適してないということが分かりました。 おわりに 今はまだアスリートにはケトジェニックが適してないということが分かっています。しかし、それ以外の神経障害や糖尿病、減量となる目的のための食事方法として、利点があるというのが、現在ケトジェニックダイエットについて分かっていることです。 もしもこの食事法に興味があって、実践したいと思っている人、まずこのダイエットを始める前に、このダイエットは現実的か、最低1ヶ月は継続できるか、伴うリスクなど、考慮してから実践してください。もしも持病をお持ちの方がいましたら、医師にご相談ください。
加齢とともにトレーニングを修正する方法
40代、60代と年齢が変化しているのに、トレーニングの内容や割合は20代の頃のままだとしたら、同じように結果を得ることは難しいですよね?生涯健康で強くいるためのトレーニング内容の考え方をマイク・ロバートソンがシェアします。
健康な指と足趾をリストアする
指や足の指の動きは、日常生活における様々な機能に重要な役割を持っているものですが、あえてそれらの動きの機能を維持しようとするようなドリルってあまり行っていないのが現状ではないでしょうか?簡単に行えるドリルを試してみてください。
股関節屈筋群ロードシェアリングペンジュラム
股関節屈筋群が、タイトになっているから、と繰り返し繰り返し股関節を過度に伸展して、あるいは腰椎を過度に前弯して無理にストレッチを行ったりしていませんか?股関節屈筋群をより安全に効果的にオープンな状態にするための効果的な方法を、Dr.ドゥーリーがシェアします。
腸内環境とグルテン
今はこんな時期だからこそ、免疫力を高めよう! 最近、腸内環境を整えることが「腸活」と呼ばれ、腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスを整え免疫力を強めることで注目されています。今回は、腸活のエビデンスベースの利点、実際のメカニズム、そしてヨーグルト以外何を食べれば良いのか、など腸内環境のことについてエビデンスベースの情報をご紹介いたします。 まず、腸の事を話す時に、頻繁にGut Microbiome(腸内微生物叢) という言葉が出てくるので、このフレーズについてご説明させていただきます。Gut Microbiome (今後からは「腸内マイクロバイオーム」と表示)とは、胃腸の中で生きている微生物で、もう一つの臓器とも言われています。主に、腸の中に1000種類以上存在していて、消化を助け、脳機能のサポート、腸粘膜の保護、健康な免疫の維持など、複数の身体機能の役割を担っています。そのため、今の時期、健康な腸内マイクロバイオームを維持することが、いろんな病気の感染防止にもつながります。 そんな腸内マイクロバイオームは、食べるものに影響されていて、そして腸を整える役割もあり、それが日本では腸活と呼ばれています。 それでは、腸活をすることによって、どういう利点があるの?実際のメカニズムはどうなの?ヤクルト以外は何を食べればいいの?ということをお伝えいたしましょう。 腸内マイクロバイオームのメカニズム: まずは、もしも腸内マイクロバイオームが乱れたら、どうなるの? 上の写真に、図にして簡単に描いてみました。 人間の体内に存在する細菌には、善玉菌と悪玉菌がいるって言うことを聞いたことがあると思います。胃腸微生物がアンバランスであるということは、悪玉菌の方が善玉菌よりもがたくさんあり、腸の状態が乱れるということです。このアンバランスが引き金となり、体の免疫系が働いて、免疫反応を起こします。これにより、身体は慢性炎症を起こします。胃腸が炎症を起こし、腸の透過性(intestinal permeability)というものが高まります。 腸の透過性とは? この写真の中で、ピンクの部分は、腸の粘膜です。本来健康的な腸の粘膜は、図の左側のように隙間がないのが理想です。しかし、IP(腸の透過性)が高くなると、図の右側のように隙間ができてきます。隙間ができることを「胃腸の透過性が高くなる」と言います。隙間ができると、悪玉菌、毒素、消化してない食べ物の粒子などが胃腸の外に漏れ、血流に流れ、全身性炎症が起こります。この胃腸粘膜からの漏れで全身炎症が起こる現象をリーキーガットシンドロームと言います。リーキーガットというのは、お腹から漏れるという意味です。つまり、IPが高まれば、高まるほど外からの物質が入ってきて、リーキーガット症候群がもっとひどくなり、結果的に、食物反応、免疫系が損傷し、そして栄養吸収不良にもなります。 リーキーガットシンドロームの症状 症状としては、以下のことがあります。腸粘膜から血流に漏れて、栄養が吸収されないため、栄養不足になる可能性や、全身性炎症が原因で様々な症状がでてきます。 下痢・便秘・膨満腹 栄養不足 疲労 頭痛 混乱 集中力低下 肌あれ・ニキビ・発疹・湿疹 関節痛 広範な炎症 それ以外にも、腸は体のいろいろなところに影響を及ぼします。 原因 そもそも、人間は、ある程度腸粘膜が漏れている(IPが高まっている)ということが研究では示されています。それが重度化すると、リーキーガットシンドロームと診断されると言われています。不規則な食事、アルコール、ストレスなど日々の日常的な行動が、リーキーガットの要因になり得ると言われていますが、まだ研究では謎な部分がたくさんあります。 栄養不足・不規則な食事 長期間の抗炎症剤(NSAIDS)の使用 アルコール 感染 自己免疫障害 糖尿病 ストレス では食事の何が原因なの? 複数の研究でグルテンの影響が関わっているのかもしれないと言われてきました。つまり、グルテンがIPを高める原因なのではないか?という研究結果が出ていました。しかし最近分かったのは、グルテンが影響するのはグルテン関連の病気を持っている人のみで (Sander, GR, et al. 2005)、グルテン関連の病気を持っていない人はIPを高めるというエビデンスはなかったのです。その他にも、グルテンの不耐性を持っている人においては、混合した発見がありました (Biesiekierski, JR, et al. 2011)。 その他、日々の食事でリーキーガットシンドロームに関連する食品はこちら。様々な食品添加物は、私たちが日々スーパーなどに目にする製品にもたくさん入っています。特に、日本は乳化剤に対する規制の緩い国なので、原料名には「乳化剤」としか記載されておらず、具体的な乳化剤の種類などは書かれていません。 食品で表すと: 精製された炭水化物(チップスやお菓子など) サラダ油 砂糖 人工甘味料 加工食品 加工肉 などの、美味しくてついつい手が出ちゃう加工製品や、安くて美味しい食品などにたくさん入っています。こういった食品の中に含まれている添加物は、主に腸粘膜を損傷し、善玉菌に悪影響を及ぼし、体に炎症を起こすと言われています。しかし、現実的に考えると、こういった添加物はいろんな食べ物に入っていますよね。 ここで注意して欲しいことは、これを食べたからといって、リーキーガットシンドロームに必ずしもなるというわけではありません。しかしこの過去10年間においても、グルテン過敏症やセリアック病は急激に増加しています。最近、グルテン過敏症やセリアック病が増えてきたのは、現代において、小麦粉ベースの製品の摂取量が急増、添加物が入っている製品の摂取量が急増したからではないか、という研究討論がされています。 現在の推奨事項 それでは、現在の時点で、腸の働きを改善するための推奨事項にはどういうことがあるのか?以下の推奨事項があります。 発酵食品を食べよう:ヨーグルト、キムチ、ザワークラウトなどに含まれている善玉菌は胃腸疾患に有益であることが示されています。 人工甘味料摂取を制限しよう:過剰摂取は、腸バリア機能を損傷する恐れがあります。 プリバイオティクス(食物繊維)を食べよう:果物・野菜・穀物などに含まれているプリバイオティクスはプロバイオティクスの餌になるため、腸の活性にも繋がります。 プロバイオティクスサプリメントを摂取しよう:プロバイオティクスは消化器疾患に有益であることが示されています。 必要な時だけ抗生物質を取ろう:イブプロフェンのようなNSAIDの長期使用は、リーキーガットシンドロームの一因となります。 腸内の善玉菌を増やすと、腸の健康が改善し、リーキーガットシンドロームを防ぐのに役立ちます。 次回、グルテンに関する病気についてお話ししたいと思います。お楽しみに!