スクワットで内側広筋のアクティベーションを強調することはできるのか? パート1/2

一部のストレングスコーチたちは、ナロースタンスで、あるいは踵を高くしてスクワットをすると、内側広筋優位な筋肥大を引き起こすことができると示唆してきました。 彼らは、スクワットのボトムポジションでは、内側広筋がその他の大腿四頭筋よりもより重要であると信じているため(それが本当に真実かどうかは別な問題ですが)、内側広筋をトレーニングすることは必須であると主張しています。 しかし、私たちはスクワットで内側広筋のアクティベーションを強調することができるのでしょうか? そしてもしそうならば、スタンスの幅を変えたり、あるいはヒールリフトを加えることによってできるのでしょうか? 見てみましょう! ナロースタンスは内側広筋のアクティベーションを増加させるのか? 過去20年以上に渡り、複数の研究がナロースタンス・スクワットとワイドスタンス・バーベルバックスクワットの間には一般的に大腿四頭筋のアクティベーション(特に内側広筋のアクティベーション)の差がないことを筋電図(EMG)振幅を用いて発見しています(McCaw & Melrose 1999; Escamilla et al. 2001a; Paoli et al. 2009)。 さらには、Ninos et al.(1997)は、2つの異なる股関節回旋角度(つま先が外側を向いている・つま先が前方を向いている)を用いたバーベルバックスクワットにおいて、両者の間に内側広筋のアクティベーションの差はなかったことを発見しました。そしてMurray et al.(2013)は、3つの異なる股関節回旋角度(つま先が外側を向いている・つま先が前方を向いている・つま先が内側を向いている)での負荷がかかったマシンスクワットを調査した際、内側広筋のアクティベーションには差がなかったことを発見しました。 つまり、私たちが純粋なワイドスタンス・スクワットについて話しているにしろ、あるいはただつま先を真正面にするのではなく足部を外側に回旋させるということについて話しているにしろ、バーベルバックスクワットのスタンスの幅によって内側広筋のアクティベーションが変わることはないのです。 事実、股関節回旋角度が内側広筋対外側広筋のアクティベーション比率に及ぼす影響を調べるとき、「影響なし」以外のものを見つけるには、自重スクワットに関する研究例のある理学療法の文献をかなり深く掘り下げなくてはなりません。 それでも、ニュートラルポジションの有益な効果を報告している研究もあれば(Kim & Song, 2013)、内側に回旋されたポジションがもっともよいと報告している研究もあることに気が付くでしょう(Lam & Ng, 2001)。つまり、明確な答えはないのです、実際のところ。 従って、スタンスの幅は、恐らく内側広筋のアクティベーションには影響を与えないでしょう。 踵を高くすることは大腿四頭筋のアクティベーションを増加させるのか? スクワットで踵を高くすることが内側広筋を優位にアクティベートさせることができるかどうかを見る前に、まずヒールリフトを加える、あるいはデクラインボードを用いると大腿四頭筋のアクティベーション全体に何が起こるかを見てみましょう。 研究の中には1,2個のヒントがあります。 複数の研究が、片脚エキセントリックデクラインスクワット(25度という急な傾斜のデクラインボードがもっともよく用いられた)について調査してきましたが、その多くはそのエクササイズが膝蓋腱障害を治療するためにより優れた治療効果があるかどうかを見出すことが目的でした(Purdam et al. 2004; Young et al. 2005)。 これらの研究の結果として、私たちは片脚スクワット中に傾斜(デクライン)を用いることが膝関節伸展モーメントを増加(そして大腿四頭筋EMG振幅を増加)させる傾向があり、同時に股関節伸展モーメントを減少させ、エクササイズをより膝優位なものにすることを見ることができます。これは、大腿四頭筋がより働かなくてはならないことを意味しています(Kongsgaard et al. 2006; Zwerver et al. 2007; Frohm et al. 2007)。 それゆえに、私たちはデクラインボード(つまり高くなった踵)が、両脚スクワットにおいてもより大きな大腿四頭筋アクティベーションを生み出すと予測するでしょう。 次に、異なる種類のフットウェアを比較したバーベルスクワットの研究から、踵の挙上が膝屈曲をより大きくすることを可能にしているのを見ることができます(Sato et al. 2013; Sinclair et al. 2014; Southwell et al. 2016)。より大きな膝関節屈曲ピーク角度は、その他の条件が同じである場合、大腿四頭筋をより働かせる(そのためにより高いアクティベーションを表す)ことになるでしょう。そしてより高い踵のフットウェアは、より平らなフットウェアと比べ、より大きな純膝関節伸展関節モーメントを生み出すようです(Southwell et al. 2016)。 つまり、デクラインボード(つまり高くなった踵)は大腿四頭筋がより働くことにもつながりそうです。実際、バーベルバックスクワット中に踵を高くすることに注目した最近の研究は、体幹の傾きがより小さいため、より小さな股関節屈曲ピーク角度を伴ってより大きな膝関節屈曲ピーク角度を生み出しているように見えます(Charlton et a. 2016)。 異なる種類のフットウェアかヒールウェッジのどちらかを用いての大腿四頭筋のEMG振幅に実際注目した研究はほとんどありませんでしたが、デクラインボードを用いて踵を高くすることは大腿四頭筋のアクティベーションを高めているようです(Edwards et al. 2008; Ki et al. 2014; Yu et al. 2014; Lee et al. 2015)。ただ、1、2個の例外はあります(Chae et al. 2007; Alves et al. 2009; Dionisio et al. 2013)。 しかしながら最終的には、膝関節屈曲における効果、そして全体的な身体の動作パターンの変化によって生じる股関節から膝関節への明確なシフトを考慮すると、デクラインボードあるいは高くされた踵が、スクワット中の全体的な大腿四頭筋のアクティベーションの増加を導くだろうということは非常に論理的であるようです。 トレーニングプログラムを計画する時にそのことを知っておくとよいでしょう。 踵を高くすることは内側広筋のアクティベーションを増加させるのか? それでは、スクワット中踵を高くすることが大腿四頭筋のアクティベーションを全体的に増加させるようであることはわかりますが、内側広筋、そして外側広筋のEMG振幅はどうでしょうか? それらは同じような反応を示すのでしょうか?あるいは、踵を高くすることが内側広筋対外側広筋のアクティベーション比率を変えるのでしょうか? 現在のところ、ヒールリフトが大腿四頭筋のアクティベーションに及ぼす影響について調べた研究の大多数(Chae et al. 2007; Edwards et al. 2008; Alves et al. 2009; Dionisio et al. 2013; Ki et al. 2014; Yu et al. 2014; Lee et a. 2015)は、ヒールリフトを高くすることにより内側広筋と外側広筋のEMG振幅が互いに対してどれだけ変化したかについて、大きな差がなかったことを発見しています。 その二つの筋群が、ヒールリフトの変化によりとても互いに似た傾向を表すことが、下の表で見ることができます(Ki et al. 2014)。 更に最近では、Slater & Hart (2016)がトレーニングをしていないが健康な被験者において、自重スクワットで踵を上げる(つま先立ちで)ことによる影響を評価しました。彼らは踵を上げることが内側広筋のアクティベーションを減少させると同時に、外側広筋のアクティベーションを増加させることを発見しました。つま先立ちになることはインクラインスロープの効果を計測することとは同様でないものの、もし内側広筋のより大きなアクティベーションを意図するのであれば、踵を高くすることは望ましい結果を達成しないだろうとその研究は示唆しています。 つまり、内側広筋と外側広筋の間のアクティベーションのバランスは、スクワット中に踵を上げることでは変わらないようです。 スクワットにおいてROMは大腿四頭筋にどのように作用するのか? 私が先に触れたように、一部のコーチたちはボトムポジションにおいて内側広筋が重要であると信じているため、スクワット中の内側広筋のアクティベーションによく関心が持たれています。 スクワットにおける足首、膝、そして股関節の外的モーメントアームの長さを注意深く見ると、スクワットはボトムポジションでもっともきつく、よりトップに近いところでもっとも楽であることがわかるでしょう(Escamilla et al. (2001b)。下の図で股関節及び膝関節の関節モーメントアームの長さを見ることができます: もしあなたがこれまで重いバーベルでスクワットをしたことがあるのならば、すでにこのことをご存知でしょう。  エクササイズのボトムが近づくにつれて全ての主働筋がアクティベーションを増加させることは完全に納得がいきますし、事実これがまさに起こっていることなのです(Escamilla et al. 1998)。 しかし、内側広筋はそのアクティベーションを更に増加させるのでしょうか? 参照 Alves, F. S. M., Oliveira, F. S., Junqueira, C. H. B. F., Azevedo, B. M. S., & Dionísio, V. C. (2009). Analysis of electromyographic patterns during standard and declined squats. Brazilian Journal of Physical Therapy, 13(2), 164-172. Andersen, L. L., Magnusson, S. P., Nielsen, M., Haleem, J., Poulsen, K., & Aagaard, P. (2006). Neuromuscular activation in conventional therapeutic exercises and heavy resistance exercises: implications for rehabilitation. Physical Therapy, 86(5), 683-697. Cerny, K. (1995). Vastus medialis oblique/vastus lateralis muscle activity ratios for selected exercises in persons with and without patellofemoral pain syndrome. Physical Therapy, 75(8), 672-683. Chae, W. S., Jeong, H. K., & Jang, J. I. (2007). 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ストレングス・コンディショニング・リサーチ 4164字

最も達成困難なこと・・・しかも、みんながしたいこと!

人間の身体のために行う最も難しい2つのことは、脂肪を減らすことと筋肉をつけることです。そして実際に、脂肪も減らし筋肉もつけたいというのが、成人男性から常に問われる課題でもあります。 これは、誰もが理解していることです。まったく正反対な2つのことを同時に進行しようとすることのプロセスを、じっくりと考える人はほとんどいないでしょうが、より可動性と柔軟性(ストレッチ!)を得るためにお金を払う人はまずいないでしょう。 もし、ウエストラインが身長の半分を超えていると気がついたら、あなたは身体組成のクライアントとなるでしょう。そんなあなたに2つの簡単なツールを紹介します。 カロリー制限(なんらかの種類の) 非効率なエクササイズ 率直に言って、どんなダイエットでも効果はあります。順守が問題ではありますが、実際“悪いものよりもより良いもの”を継続的に選択し続ける習慣を学ぶことです。私たちの専属の栄養士であるマーク・ハルパーンは、右を指している簡単な矢印スケールで説明しています。矢印が指し示している方向は、“完璧”ですが、マークによるとルールその1は、“完璧は忘れなさい!”ということです。反対側の左端は、ソーダやチップスなどのジャンクフードです。野菜やたんぱく質、汚染されていない水、汚染されていない自然なホールフード(丸のままの食品)を選択することにより“右へ移動します”。 完璧にしなくてはいけないと心配する必要はありません。 すべての食べ物と飲み物を文字通り“ハンズオン(手を置いてみる)”方法で選択しているという男性にオーストラリアで会いました。彼は、すべての食べ物と飲み物に外から両手を当ててみるようクライアントに指導しています。左手は“ゴールから離れる”そして、右手は“ゴールに近づく”ことを示します。今、決定しようとしている選択は、自分をどちらの方向に移動させるのか?これは単純なやり方ですが、効果があります。 非効率なエクササイズとは、たくさんの動きと呼吸を伴う割には、たいした結果がでない運動のことです。もし、水泳やダンスが苦手であれば、水泳やダンスをしましょう。 非効率なエクササイズの大部分は、かなり大きな動きであるべきです。そうすることで、自然に身体は深呼吸するでしょう。鞴(ふいご)としての肺のトレーニングにもなるはずです。KBスウィングやゴブレットスクワット、バーピー、あるいは身体を上下や前後に動かすトレーニングなら何でもよいでしょう。 私は、トレーニングのためのスティーブ・マフェトンの指標をお勧めします。とても簡単です。彼は、心拍数の高域を求めるために180から年齢数(いくつか変則はあります)を引くという公式を使います。心拍数が、「160 - 年齢数」の値を下回ったら、運動を再開するタイミングです。トレーニングプログラムを制御するために心拍数モニターを使用する場合、反復数とセット数は変化するでしょう。心拍数が「180 - 年齢数」の値を上回ったら、ストップ。また、「160 - 年齢数」の値を下回ったら、ゴーサインです。 これはスキップでもできますし、ランニングや縄跳び、ハイキング、ブレードなど、自分が好きなことならなんでも行うことができます。私は、ケトルベルスウィングを制御するのが好きで、ブザーが鳴ったら、ストップするかスタートするかしますが、人は皆それぞれ異なっています。 非効率なエクササイズとして、標準的な心血管系トレーニングマシーンの使用を促すこともあります。約2分間のエクササイズを数回行えば、ストレングスやパワーなど他の要素にそれほど影響を与えることなく、心拍数と体温、呼吸の促進に良い影響を与えそうです。今のところ、心血管系トレーニングの器具を使って約2分間ずつ2回行うのは、毎日繰り返し行うことができそうです。この2つの取り組みを加えることにより、残りのトレーニングをより非効率的なものにできます。 下記は、素晴らしいトレーニングです: スウィング 100回 500m ローイング スウィング 100回 500m ローイング スウィング 100回 先に挙げた栄養の矢印スケール(および、手を当てて選択する方法)を実施しながらの非効率なエクササイズは、脂肪を減らすというゴールに導いてくれるでしょう。週3日、余分なカロリーを燃焼しましょう。ただ、シックスパックの腹筋は台所(食生活)で作られるもの、であることを常に覚えておいてください。 筋の増量のためには、まず脂肪を減らすように私は指導します。それから、筋増量をします。ひとつのパターンを一日おきに繰り返し行うことが私は好きです: 週に2日または3日 ワークアウトA ベンチプレス 懸垂 バックスクワット ワークアウトB ミリタリープレス ローイング フロントスクワット 非効率なエクササイズを行い、時間があれば、これら2つのトレーニングを同じ日に行っても、交互に行っても良いでしょう。 セット数と反復回数に関しては、ジョシュ・ヒリスの楽しいプログラムを試してみてください: 最初のワークアウトとして、各エクササイズを1セットX20回(つまり、ベンチプレス1X20、懸垂を合計20回、バックスクワット1X20)。Aを行ったら、1日か2日間休み、それから1X20でBを行う。 次のワークアウトでは、2X12。そして、また1日か2日間休み、それからワークアウトBを行う。 3回目では:3X8。そして、また1日か2日間休み、それからワークアウトBを行う。 4回目では:4X5。そして、また1日か2日間休み、それからワークアウトBを行う。 その次には、1X20に戻る。負荷は、セット数が減るたびにウェイトを増やしましょう。ワークアウトを繰り返すたびに、前回よりも少し負荷を増やします。 これらを行うことはとても単純ですが、簡単ではないかもしれません。 これは、合理的で、単純なプログラムなだけに行いやすく、脂肪を減らすだけではなく筋肉をつけるという目標を達成させてくれるでしょう。

ダン・ジョン 2577字

股関節内旋筋としての外側広筋

外側広筋の筋繊維の方向を考えれば、外側広筋が関わる関節の動きはより立体的であることが理解しやすくなりますが、股関節の内旋、外旋と言った動きにどの程度関わってくるのか?骨盤の前傾や後継との組み合わせでどのような変化があるのか?考えたことはありますか?

マイケル・ムリン 2:46

気道をクリアに保つ

COVID-19の爆発的感染拡大の影響を受けているニューヨークに在住のDr.キャシー・ドゥーリーから、肺や気道をクリアに保ちストレス反応を低下させるためにも、呼吸をしっかりと行うことがいかに大切かというメッセージを込めたビデオが届いています。皆さんも是非ご自身の呼吸に注目をしてみてください。

キャシー・ドゥリー 1:08

SLAP損傷とは一体何か?上方関節唇損傷についてあなたが知っておくべきことトップ5

SLAP損傷は、肩関節関節唇の上方部分の怪我です。SLAPという単語は、上方関節唇(Superior Labrum ) の前方から後方にかけて(Anterior to Superior )の損傷を略したものです。これは肩関節傷害で非常によく見られる診断です。SLAP損傷には、重症度や治療ストラテジーが異なる多くの様々なバリエーションがあります。過去において、外科医はすべてのSLAP損傷を手術したがりましたが、私たちは手術なしでもうまくいくものもあることを学びました。事実、いくらかのSLAP損傷は心配する必要さえないのです。 SLAP損傷がどのように起こるのか、そして病理学的には一体何が起こっているのかを理解することは、これらの肩関節傷害を適切に診断し治療するために非常に重要です。 SLAP損傷の分類 図で見られるとおり、上腕二頭筋長頭腱は上方関節唇に直接付着しています。上腕二頭筋腱が付着する上方関節唇に起こりうる怪我には、いくつものバリエーションがあります。 700件の肩関節内視鏡の遡及的検討(レトロスペクティブレビュー)に続いて、Snyder et al: Arthroscopy 1990は、上腕二頭筋腱に関わる上方関節唇損傷を4つのタイプに識別しました。彼らは、解剖学的位置を参考に、これらのSLAP損傷をまとめてこのように名付けました:前方から後方にわたる上方関節唇。これが当初の定義でしたが、私たちがSLAP損傷についてもっと学び続けていくと、それらは必ずいつも前方から後方にかかっているというわけではないのです。しかし、知っておくべき最も重要なコンセプトは、SLAP損傷は上腕二頭筋腱付着部付近の上方関節唇の怪我であるということです。 タイプI SLAP損傷 タイプI SLAP損傷は、関節唇がしっかりと関節窩に付着した状態で、上方関節唇のみが擦り切れているものを示すとされています。これらの損傷は通常自然に起こる変性です。今のところ、活動的な人たちの大部分がタイプI SLAP損傷を持っていると現在は考えられており、多くの外科医は大抵これを病理的だと考えてさえもいません。 タイプII SLAP損傷 タイプII SLAP損傷は、上方関節唇と上腕二頭筋長頭腱起始部が関節窩から剥離し、上腕二頭筋腱及び関節唇が付着している部分が不安定になっているという特徴があります。これらはSLAP損傷の最もよく見られるタイプです。私たちが外科医から「SLAP損傷」を治療するようにという処方箋を受け取るとき、彼または彼女は、十中八九タイプII SLAP損傷、そして関節唇と上腕二頭筋腱の縫合手術について話しています。 タイプII SLAP損傷の異なる3つのサブカテゴリーが、Morgan et al: Arthroscopy ’90によってさらに識別されています。彼らは関節内視鏡評価を受けた一連の102人の患者のうち、37%に前方上方部の損傷が見られ、31%に後方上方部の損傷、そして31%に前方及び上方部を合わせた損傷が見られたと報告しました。 これらの発見は、私の患者の臨床的観察とも一致しています。患者のタイプや受傷機転の違いが、わずかに異なるタイプII SLAP損傷をもたらすのです。たとえば、オーバーヘッドアスリートの大部分に後方上方部の損傷が見られる一方、外傷性のSLAP損傷を持つ人々には通常前方上方部の損傷が見られます。これらのバリエーションは、患者の既往歴及び受傷機転に基づき、どのスペシャルテストを行うか選択する際に重要です。 タイプIII SLAP損傷 タイプIII SLAP損傷は、上腕二頭筋停止部が付着している状態での、関節唇のバケツ柄状断裂によって特徴づけられます。半月板と同じように、関節唇は損傷し関節の中に入り込んでしまいます。ここで重要なコンセプトは、タイプIIとは異なり、上腕二頭筋腱は付着しているということです。 タイプIV SLAP損傷 タイプIV SLAP損傷では、関節唇が上腕二頭筋腱にかけてバケツ柄状に断裂しています。この損傷では、タイプII SLAP損傷で見られるのと同じように、上腕二頭筋腱及び関節唇が付着する部分に不安定性も見られます。これは基本的にタイプII損傷とタイプIII損傷の組み合わせです。 この分類システムの複雑なところは、タイプIからIVのスケールは漸進的により重症となるというわけではないという事実です。たとえば、タイプIII SLAP損傷はタイプII SLAP損傷よりもより大きいまたはより重症である、あるいはより病理的だということではありません。 さらに複雑なことに、Maffet et al: AJSM ’95は、彼らの712件の関節内視鏡のレトロスペクティブレビューの中で識別されたSLAP損傷のうちの38%は、以前Snyderによって定義されたIからIVという専門用語を用いて分類することができなかったと記しました。彼らは、SLAP損傷の分類スケールを、タイプVからVIIという種類を加えた合計7つのカテゴリーに拡張することを提案しました。 タイプV SLAP損傷は、前方上方関節唇にかけて前方関節包のバンカート病変が見られるという特徴がある。 タイプVI SLAP損傷は、前方あるいは後方の上方関節唇のフラップ状断裂を伴う上腕二頭筋腱付着部の断裂を含む。 タイプVII SLAP損傷は、中関節上腕靭帯の下方領域を含む前方SLAP損傷の延長として説明される。 これらの3つのタイプは、通常SLAP損傷に伴う合併症を含んでいます。彼らは追加的な分類を提供してくれたものの、この専門用語は受け入れられず、あまり使われていません。たとえば、多くの人々はタイプV SLAP損傷をバンカート損傷を伴うタイプII SLAP損傷というでしょう。 それ以降、私が知っているだけでも少なくとも10個のさらに多くの分類タイプが文献で説明されてきましたが、心配はいりません、誰も実際にそれらを使ってはいませんから。 SLAP損傷の分類についてあなたが知っておくべきことトップ5 SLAP損傷の分類についてあなたが知っておくべきことは: タイプIからIVのSLAP損傷だけ考えましょう。そしてタイプIV以上のあらゆる分類システムは、単にSLAP損傷に加えて付随する怪我があることを意味しているのだと理解しましょう。 タイプIとタイプIII損傷を分解して一緒のグループにすることができます。どちらも関節唇の変性を含みますが、上腕二頭筋腱は付着しています。したがって、これらは不安定なSLAP損傷ではなく、手術で縫合されるものではありません。これは手術(ただの単純な創面切除術)や理学療法を容易にしてくれます。 また、タイプIIとタイプIV損傷を分解して一緒のグループにすることもできます。どちらも上腕二頭筋腱の剥離を含み、上腕二頭筋腱を安定させる手術が必要となります。タイプIV損傷はより極めてまれであり、バケツ柄状断裂の縫合および創面切除術を含むでしょう。 タイプII損傷は、あなたもクリニックで見ることがあるでしょうが非常によくあるタイプで、外科医が「SLAP縫合」について話しているとき、ほとんどの場合はこのタイプを言及しています。とは言いながらも、タイプII SLAP損傷がかつて予想されていたよりも一般的である可能性があることから、それらを縫合しないという傾向が見られます。これはオーバーヘッドアスリートにおいて特に当てはまります。 私たちは皆タイプI SLAP損傷を持っているかもしれません。それは基本的に単なる関節唇の擦り切れや変性です。

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グレイインスティテュート 6:34

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