マイクロラーニング
隙間時間に少しずつビデオや記事で学べるマイクロラーニング。クイズに答えてXPとKoinを獲得すれば理解も深まります。
構造・機能・環境~筋緊張との戦いをやめる:首・肩こり編 パート1/3
頑固な首・肩こりに対して、ストレッチやマッサージ(または何かしらのリリース・テクニック)をする。 一時は楽になってもまたしばらくして症状がぶり返す。そしてまたストレッチやマッサージを繰り返す。 そのようなケースで、終わりのない戦いをしていると感じることはないでしょうか? 2015年9月、セントルイスでの講義で講師のPavel Kolarは、 “Tightness is not in the muscle. It’s in the brain”~“筋緊張は筋肉ではなく頭にある”と述べました。 また以前から、Dr. Vladimir Janda(ヤンダ博士)、Karel Lewit(レヴェット博士)Václav Vojta(ボイタ博士)ら沢山の臨床家や研究者から神経学的(機能的)アプローチの必要性は訴えられています。 “構造(ハードウェア)+機能(ソフトウェア)によってより効果的なアプローチができる”ことは明白ですが、私はこれにもう一つの要素を加えることにしています。 これから数回に分けてご紹介する内容は、筋緊張に対しての『構造』、『機能』、そしてもう一つの要素である『環境』の3つを統合したアプローチ法です。 首・肩こりを例にすると、 頸部の筋群(ハードウェア)が健康的であり、その筋群を扱う動作パターン&呼吸パターン(ソフトウェア)が正しく働き、“その動作&呼吸パターンが発生する為の姿勢、アラインメント、関節のポジション、心理的状態(ここではこれらを総合して『環境』と表す)を有している“ ということです。 以下に肩こりの“構造的問題”“機能的問題”“環境的問題”の例をあげます。 構造的問題の例 1. 組織の損傷 2. 癒着、滑走不全 3. 血液循環不全 機能的問題の例 1. 筋発火パターン不全(弱化も含む) 2. 呼吸パターン不全 3. 動作パターン不全 環境的問題の例 1. 頸部・胸郭・肩甲骨のポジション 2. 姿勢不全 ※姿勢はポジションの集合体と考えるため、環境的問題とする 3. 不適切な靴、装具、接地面など 4. 心理的ストレス 今回は首・肩こりを“環境的な問題“から考察してみます。 構造的、機能的アプローチが充分な効果を発揮しない場合には、筋が“緊張しなくても良い環境”をつくることで、筋緊張との戦いを終わらせることが出来るかもしれません。 『肩甲骨のポジション不全による胸鎖乳突筋の緊張』 ※関連する筋:肩甲挙筋 胸鎖乳突筋 近位付着部:胸骨頭(胸骨柄の上縁)・鎖骨頭(鎖骨内方の1/3) 遠位付着部:側頭骨乳様突起・後頭骨上項線 胸鎖乳突筋の働き: 胸骨・鎖骨が固定されている場合:頭部の対側への回旋。同側への側屈 頭部が固定されている場合:胸骨と鎖骨の挙上 肩甲挙筋 近位付着部:C1~C4の椎体の横突起 遠位付着部:肩甲骨の上角、内側縁の上部1/3 肩甲挙筋の働き: 1. 頸部が固定されている場合:肩甲骨の挙上、肩甲骨下角の内側への回旋 2. 肩甲骨が固定されている場合:頸椎の伸展、同側への側屈 写真を見てもわかるように、肩甲挙筋は“ねじれ”ています。 この“ねじれ”によって肩甲骨~頸椎&頭蓋骨の位置を適切にコントロールしています。 では、例えば右側の肩甲骨が外転し、さらに内側縁が後退して翼状肩甲に近い状態になると“ねじれ”はどうなるでしょうか? 少しイメージがつきにくいかもしれませんが(肩甲挙筋の写真を見てください)ねじれは解かれて肩甲挙筋の肩甲骨付着部は頸椎方向に動きます。 簡単に言ってしまうと、右側の肩甲挙筋が頸椎方向に“緩んだ”状態です。 この“緩み”により、本来適度に右回旋方向に引っ張られていた頸椎は左回旋方向に向くことが容易になり、頚椎&頭部はやや左回旋位に位置します。 これが頭部の左方向への回旋筋である右側胸鎖乳突筋にレバーを与え”過剰に働きやすい環境”を作り出してしまいます(これに加え呼吸パターン不全によって胸鎖乳突筋が“鎖骨の挙上筋”としても過活動になれば更に緊張は増します)。 この左向きの頸椎によって右側胸鎖乳突筋に回旋筋としての緊張状態が続き“首こり”“肩こり”の症状が現れたとします。 このケースにおいて、 1. 緊張している右側胸鎖乳突筋のストレッチは効果的でしょうか? 2. 深部頸部屈筋の促通は効果的でしょうか? 3. 単純な呼吸パターンへの介入は最高の効果を発揮するでしょうか? (※効果的かもしれません(/・ω・)/テヘ) このケースでは、胸鎖乳突筋のストレッチ(またはリリース)ではなく、“胸鎖乳突筋が過度に働かなくても良い環境“をつくる、すなわちこのケースであれば右側の肩甲骨のポジションを正し、右側肩甲挙筋の”ねじれ“を取り戻すことが最も効果的だと考えます。
ランドマインプレス
全身を連動させて効果的にプレスの動きを行うランドマインプレスは、エリックが指導するアスリート達のほとんどに指導するエクササイズのひとつです。ランドマインプレスの、見落しがちだけれど重要なキューイングを再確認しましょう。
ジム内・外におけるパフォーマンス効率の為の呼吸 パート2/2
ケリー・スターレットは “Becoming a supple Leopard(しなやかなヒョウになる)”の著者であり、ウェブサイト“Mobility WOD(モビリティWOD)”を運営しています。ケリーが効果的な呼吸や腹部の運動について尋ねられた時、彼は “Belly Wack”テストというテストを戦略として使っています。このテストは一日を通じて友達に腹部を軽く叩いてもらい、常に身体の軸を感じながら腹部の圧を保つというものです。 どれくらいの腹部の収縮が必要なのかは一日を通して変わります: 立位の場合や歩行の場合、だいたい15~30パーセントの収縮が必要になります。 プッシュアップや近隣でのジョギングでは、腹部複合体全体に40~60パーセントの収縮が必要になるでしょう。 50メートルの全力失踪やマックスのデッドリフトでは、100パーセントの腹部の固定力が必要です。 ですから、私達の呼吸レートや深さに必要とされる異なる腹部圧の範囲は、これらの要求に応じて変化するのです。 呼吸レートは効率性の向上の為、私達が直面する環境に応じて頻繁に変化します。スイマーを例にとってみた場合;ジムで活用しているような一般的な呼吸パターンは、彼らには適応しません。これを少し考えてみましょう;スイマーは、顔が水上に出ている時よりも、より多くの時間を顔が水中にある状態で過ごしています。これは彼らの呼吸に多大な影響を与えます。能力の高いスイマーはたいてい、パワフルな2秒間の吸気と、頭が水中にある間に6~8秒間の呼気をおこなっています。もしプールで活動するスイマーに効果的なトレーニングをジム以外でおこないたいのなら、これは考慮すべき問題でしょうか?-もちろんです! 呼吸の鍛錬、あるいは呼吸のラダーはロブ・ローレンスによって開発されました。少し考えてみましょう;高強度のケトルベルスイングをおこなった後に次のセットにいくまでの間に、決められた呼吸数しかできません。このアプローチはあなたの呼吸数と生理機能をスローダウンするように鍛錬するのです。これで基本的にパニックを免れることができますし、休む時間内でより確実に回復することができます。 下にある動作別/強度別の呼吸パターンガイダンスを見てみましょう: 注意:異なった場面や幾つかの特異的な動作には、最大力を作り出す為に呼吸を止めるバルサルバ法が必要とされます。もしもクライアントが心臓や循環器機能不全、または高血圧の履歴があるならば、上に記したような高強度の運動への関わりを慎重に進めていくことを推奨します。 生体力学的な例:ケトルベルスイングの際、下げる時に鼻から短く強く息を吸って上がる時に何かを打つような感覚で息を吐く。生体力学的呼吸には様々な形があります。 呼吸パターンを向上させる効果的な練習やガイダンス: 今までに挙げてきたような呼吸法は、もしあなたがスイマーなら、ヨガをするなら、ウェイトをスイングしたり持ち上げるなら、といったように、その状況に合った安全で効率的、そして効果的なエクササイズを行うことを可能にしてくれます。これら全てのトレーニンングには適切な割合のコアの収縮を伴う呼吸レートが要求されます。 呼吸の生理学的な利点に加えて、ストレスの軽減という心理学的要素もあります。興味深いことに、ストレスは私達の健康に身体的、心理的両方の側面で影響を与えます。もしそうであれば、呼吸は確かに私達の神経システムや精神状態へ沈静効果をもたらすはずです。 あなたの精神状態にプラスに働き、安定したリズミカルな呼吸パターンがいくつか(これがすべてではない)あります: 歩行瞑想 これは歩行量に合わせてシンプルに呼吸をする、禅仏教の教えです。例えば6歩歩いたら、最低でもその倍息を吐く、この場合12歩分息を吐きます。これは集中力と心を静めるのに素晴らしい方法で、スイマー等身体の機能的観点で見た場合にも、最高の身体準備となるのです。 これを実行すると、腕を自由に動かし、“悪しきストレス”に繋がる短くて小刻みな胸式の浅い呼吸ではなく、横隔膜を使った深い呼吸を与えてくれます。 静的呼吸 両膝を曲げて仰向けに寝ます。片手をお腹に乗せてもう片方の手は胸の上に乗せます。息を吸うと同時に、胸を膨らませてお腹も空気で蒸留されたら、お腹からゆっくりと息を吐きながら胸に残った息も吐き出していきます。一定のペースでこれを10回繰り返して下さい。 これによってコアの固定筋群が刺激され、激しいエクササイズをする前にスイッチをオンにする一方で、日常やエクササイズから生まれるストレスに対してリラクゼーション効果を与えてくれるのです。これは、ヨガにおいて、セッションの最後に行われる“シャバアサナ”として知られています。
ジム内・外におけるパフォーマンス効率の為の呼吸 パート1/2
呼吸は生存のためにだけでなく、効果的なコア機能やスタビリティのためにも必要不可欠です。ポール・チェックをご存知の方は、呼吸は生存のトーテムポールの1番頂上に来る事をご存知でしょう。 フィットネス業界において、エクササイズ中におけるベストな呼吸法は、たいてい曖昧になってしまっています。ヨガにおいては数百年もの間、呼吸と身体に課された要求に対応する神経システム能力の重要性が理解されています。30年のヨガ指導歴を持つジュリアン・カルボは呼吸についてこのように話しています: ‘息を吸いながら、ポーズの中にスペースを作り、息を吐きながら、そのスペースの中に入っていく’ ポーズをとりながら息を止めることで身体は硬くなり、筋が適切な長さを得たり、関節が最適な可動域に必要なモビリティを獲得することを妨げてしまいます。 呼吸の認知というものはヨガにおいては必須の訓練であり、身体の内外から心にアプーチし、ヨギが美しくバランスのとれたポーズをおこなうことを可能にするのです。 呼吸のレートは興奮させることもあれば、落ち着かせることもできます。あなたはクライアントに効果的な呼吸パターンをどの程度強調して教えていますか? フィットネス業界における呼吸の典型パターンとしては、力を入れる時に息を吐き、運動における回復期の一環として息を吸っています。ここで少し難しいのは効果的な呼吸と共に、脊柱を守る為にどのように腹腔内圧を保持するかということです。 ストロングマンや吊り輪を使う体操選手などを見たとき、長時間最大限のテンションを維持していることに気がつくでしょう。彼らは上手に呼吸をするということをマスターしているのです。彼らのようなアスリートは、腹腔内圧を保ちながら、かなり小刻みな横隔膜呼吸をしています。 呼吸についてわかっているのは、様々なエクササイズ強度や異なる環境において、適応しなければならないということです。 オリンピックのウェイトリフティングのように、エクササイズで高いサポート能力を必要とされる程より高い腹腔内圧が必要となります。それゆえより少ない呼吸となるのです。もし最大下有酸素能力、例として自覚的運動強度が6/10でバイクを漕いだ場合、呼吸は比較的スムーズでしょう。おそらく3秒で息を吸い、少し止めてから3秒で吐くかもしれません。強度を上げ始めると、呼吸のレートは変わり始めます;自然とより強い力で息を履くようになります。 ストレスは呼吸の仕方に関して、とても大きな役割を担っています。ストレスを受けたとき、呼吸が短く小刻みになったり、もしくは過呼吸になっていることに気づいた事はありませんか?常にある程度のストレスを受けている人もいるのです!ですから場合によっては、理学療法士のような方達に診てもらい、横隔膜式呼吸を学ばなくてはならない時もあります。はよく、患者が仰向けになって片手は胸、もう片方の手はお腹に乗せるといった、横隔膜呼吸をご覧になったことがあるかもしれません。そして腰部(腰椎)を床につけたまま、呼吸のサイクルに合わせて腹部を膨らませたりへこませたりします。この方法で肩が上がる呼吸の癖や胸郭が過剰に広がることを防ぎます。 他にも沢山の要素が私達の呼吸に影響しています。寝ている赤ん坊を見るとお腹を動かしているのがわかると思いますが、これは生まれながらに横隔膜を使っての呼吸がプログラムされているからです。成長して、身体を気にし始めると、人々は見た目の美しさの為に首や肩、肋骨での呼吸を始めます。問題なのは、このパターンを繰り返し続けてしまうと身体にこの呼吸パターンが自然と染み付き - 酸素摂取や筋骨格系システムにおいて非常に非効率的になっていくということです。息の吸い方も、酸素摂取に影響を与える可能性のあるものです。 90年代に行われたシドニー大学の研究によると、ヴェントリンに依存する喘息持ちの人々は頻繁に口から呼吸する傾向があることを示しています。そのリサーチではその患者の人達の口にテープを貼り、鼻呼吸を促進させました。食事の時にのみテープを外し、そのテストは24時間に渡り続けられました。結果は驚くべきものでした。被験者のヴェントリン依存が3/2にまで減少したのです!つまり実験で鼻呼吸をした被験者のヴェントリンの使用量が口から呼吸する時と比べて1/3の量になったのです。 これを持久性という観点から考えてみましょう。もし鼻からの呼吸を習った場合、私達はより多くの酸素と少ない二酸化炭素を摂取することになり、私達の呼吸システムは口腔よりも鼻腔から吸い込むほうが呼吸機能にとっては最適であると結論づけられます。 過去20年以上もの間、呼吸はケトルベルのようなファンクショナルツールにおいてベストとなる方法解明の為に多くの科学的研究がなされてきました。パベル・タソリンのようなマスターはケトルベルスイングにおける生体力学的呼吸を紹介しています。ケトルベルが両脚を通ってヒップヒンジに向かう時に、短く小刻みに息を吸い股関節の伸展と同時に短く小刻みに息を吐きます。フィニッシュポジションが脊柱の過伸展を防ぐ為に体幹部の固定を再構築させてくれます。 サンドバッグなどのツールでオーバーヘッドスナッチを行うことを考慮した場合、大抵多くの人々がパワーバックを腕の高さまで引き上げる際に体幹を固定するのを見かけるでしょう。問題はこの人達がオーバーヘッドのフィニッシュポジションに到達したとき、彼らの体幹がスイッチオフになることがあり、腰椎過伸展の原因となってしまうことです。
自己効力感:よく使われる用語ではあるが、十分に理解されているのか?
自己効力感は、最近、特にリハビリへのよりアクティブなアプローチが受け入れられるようになったことで、治療の現場でもかなり一般的に使われている用語です。 そこで、一体それがどのような意味なのか、なぜ重要なのか、そして、どのように高められるのか?などを明確にしなくてはなりません。 実は、私がこのブログを書いている最中に、私のツイッター友達でもあり同僚でもあるジェリー・ダラムが、その質問をしてきたので、この題材にちょうど良いタイミング!と思ったわけです。そしてこれはまた、頻繁に使用する用語に対して、しっくりくる定義がないということも表しています。 まず、それがどのような意味なのか?から取りかかりましょう これは、70年代にバンドゥーラによって作られた用語で、彼はそれを、‘特定の活動に関連したある行動を遂行する能力があるという信念’と説明しました。 また、自己効力感は、‘レジリエンス(立ち直る力)のある自己信念システム’とも説明されました。 私は、これを“私に任せて”や“私にできる”という感覚だと説明したいと思います。 たとえ痛みがあっても、日常生活の活動を実行したり、機能性を維持したりする能力の認識、あるいはするなどは、痛みに関しての自己効力感となり得、また、特定の運動やエクササイズといった運動療法にもなり得ます。 そこで、もし、あなたの親切なセラピストが、腰痛の改善のために散歩に出かけることを提案したとして、あなたはそうしてみようと思うでしょうか? やる気が起こらないかもしれませんね? おそらく体力的にできるのかどうか自信がないかもしれませんね? 忙しくて、そのようなことをする時間が取れないと思うかもしれませんね? 低い自己効力感は、克服できることではなく回避すべき恐怖としてとらえる行動の変化という結果的に厳しい状況に陥ることがあります。 バンドゥーラは、認知的、動機付け的、情動的(感情的)といった、自己効力感に関与する多くの心理的過程を明らかにしました。価値のある目標を持つことや活動をすることも、これらの要因に関連しているようです。自己効力感やレジリエンス(立ち直る力)に関する文献は、この過程の重要な部分である価値のある活動を重視しています。ここをクリック さらに、バンドゥーラは、自己効力感を生み出す4つの源を明示しました。 熟達 活動や動作にどれだけ熟達しているかは、将来の能力への認識に影響を及ぼします。人間は、周囲で起こる不確実なことに対して、過去の経験をもとに推測し見当をつけるものであることが分かり始めています。私たちは、過去に何らかの成功を経験していれば、再び克服できると知覚する傾向にあります。これは、成功のしやすさにも関係します。その成功が容易だった場合、いざ困難に直面したらすぐに辞めてしまうかもしれません。また、それが成功しづらかった場合には、目の前に立ちはだかるどんな困難も乗り越えることに慣れているかもしれません。 このように見てみると、これまでのエクササイズの継続や積極的な取り組みが、将来のエクササイズの継続にとって重要であることが分かります。ここをクリック 経験 私たちを取り巻く環境も、能力に対する認識に影響します。あなたと似た境遇にいる、つまり自分が成し遂げようとしていることと似ていることにチャレンジしている人が周囲にいたならば、このような目標は達成可能であるとあなたは認識するでしょう。これは、私たちが目にするメディアから所属している社会活動や家族までの幅広い環境であるかもしれません。このことは、痛みの社会的側面を強調しており、非常に重要と思われます。 痛みの社会的要因に関する最近の素晴らしい論文があります。ここをクリック 説得 さて、これはプラスにもマイナスにもなり得ます。もちろん、プラスによりもマイナスに影響されやすいものです!しかし、特にこれまでの成功体験を重要な要素として捉えるならば、ある作業を成し遂げる能力があることを口頭や経験で説得されると、その人は、その作業を遂行することができる傾向にあります。 ネガティブな感情 ある活動に抱いている強烈なネガティブ感情やその活動にまつわるマイナスの認識も、その人が持っている自己効力感の程度に影響するでしょう。自信喪失は、たいてい行動にマイナスに働く感情です。 そこで、なぜそれが重要であるのか? これも確認しておかなくてはなりません。 複数の論文において、自己効力感は、さまざまな障害や疼痛の尺度において、よりよくない結果にリンク付けされているように見受けられます。現時点では、これが要因であるとか、自己効力感を高めれば、アウトカムも改善することに繋がるとは単純には言えません。しかし、もし危険を承知で言うなら、特に、治療の一環としてアクティブアプローチをより推奨しているのであれば、やはり因果関係はあると思うのです。 もちろん治療のためのエクササイズは、実施されなければ意味がありません。そして、もし、私たちがその治療を患者に施せなければ、エビデンスに基づく医療はうまくいきません。 2010年、フォスターは、通常の活動を行う能力に対して低い自信や低い自己効力感を持つ腰痛患者において、6ヶ月で障害が悪化すると予測されることを明らかにしました。実際、不安回避や破局的思考、鬱よりも良かったとされています。ここをクリック 2014年、キーディは、痛の管理に関連した行動に着手する能力、痛みに関する自己効力感がないことは、腰痛のためのリハビリテーションの結果に関係していることを示しました。ここをクリック 2018年のチェンによる腰痛に関する5年間のフォローアップでは(ここをクリック)、消極的行動尺度が大きいほど結果が悪くなることも判明しました。消極的な対処方法は、痛みを制御するために、自己効力感にも影響する信念システム(ここをクリック)のような内的要素よりも外的要素に頼ってしまいます。 自己効力感は、エクササイズによる介入の継続に必須であるとされています。これらの研究では、低い自己効力感は、ホームエクササイズプログラムを組んでも継続しない予測因子でした(ここをクリック & ここをクリック)。エクササイズの根本に目を向けてみると、もし本人がそのエクササイズをできる気がしないのであれば、全く無駄な過程になってしまいます。セット数やレップ数に注目するよりもこの領域に時間を費やした方が、エクササイズの継続を劇的に改善でき、結果にもつながるかもしれません。 私はこれを、ドーナッツ本体ではなくその穴に注目する、と言っています。 それを変えるためには何ができるでしょうか? 成功! 最初のステップは、単純に成功体験を作ることかもしれません! これまでにエクササイズが継続できたことや改善できたという成功は、自己効力感を高めることにつながっており、人間の機能に関するベイズの観点と結びつきます。ですから、私たちのねらいとして、低い自己効力感を示す人たちに対し、容易に適応でき改善が早く見られるように、活動の閾値を低く設定するべきかもしれません。私たちは、たいてい身体的な負荷とその適応が期待できる活動の量にばかり気を取られてしまいます。これは、人によっては潜在的にマイナスの経験を引き起こしており、治療への参加を促す妨げとなるかもしれません。初期のプラスな経験がなければ長期的に継続可能な成功に達することができないかもしれません。つまり、短期的には、生理学的にはそれほどではなくとも、心理学的には良いことなのかもしれませんが、治療への参加を継続することによって長期にわたりもっと素晴らしい生理学的効果を期待できるかもしれません。 エクササイズセッションを退屈しない楽しいものにするだけで、非常に効果のある結果が出せるのかもしれません。しかし、たいてい西洋医学の分野では、このようなことをあまり重要視していません。人はなぜスポーツをするのでしょうか? 単なる身体運動ということ以上に、いろいろな側面を楽しむためでしょう。 多くの場合人々は、チャレンジや面白さ、競争などに駆動されますが、このような側面をトレーニングにどのぐらいの頻度で取り入れますか? エクササイズや運動に関しての自己効力感を測定するために私がよく尋ねる質問は: 「動くことやエクササイズすることに対して自信を持っていると思いますか?」 「あなたは必要に応じて活動レベルを上げることができると思いますか?」 「運動やエクササイズをすることに対してやる気があると思いますか?」 動機付け 動機付けもまた、自己効力感の重要な側面でもあるようです。実際に動機付けになる何かを探す手助けをすることも重要かもしれず、またこれは、価値のある運動を特定する目標設定の過程で行われるかもしれません。そして、私たちは、それを達成可能なものに細かく分け、その人に動機付けを与えられるような小さな成功を生み出していきます。いわゆる、彼らの‘なぜ’を見つける手助けです。 エクササイズをする人が関心を持たないようなエクササイズプログラムがたくさんあります。特に、これまでにひとつもプログラムに参加したことがければ、そのエクササイズは彼らにとって十分な‘なぜ’ではありません。 私たちは、次のように質問してみます“活動に関して、あなたにとっての完璧な日とはどのようなものですか?”または、“あなたがしない、またはできないことでやってみたいことは何ですか?” また、自立性は、エクササイズの成功に関連するもう一つの要素であるため(ここをクリック)、‘これはあなたがやらなければならないエクササイズですよ’というアプローチよりも、選択肢やオプションを提供することが有効です。 計画 いつ頃どの程度行うのかを一緒に計画を立ててみることもまた、自己効力感に影響を与えるかもしれません。何らかのガイダンスがなければ、彼ら自身でそれが行なえるようになることは、制限因子となるかもしれず、運動への参加は、非常に大きな挑戦のように感じるかもしれません。 ベストな日はいつですか? 1日のうちで何時ぐらいにしますか? どのようなタイプにしますか? どのぐらいの時間行いますか? どのぐらいの強度にしますか? スマートフォンにリマインダーを設定しますか? どのように進めていきますか? これが成功しない場合の他の選択肢は何ですか? 結論 これまでの行動の経験は、将来の自己効力感に影響します。 社会的環境と支援は重要です。 自己効力感は、治療への積極的な参加を促したり妨げたりします。 自己効力感は、痛みや障害の結果に関与します。 自己効力感は、エクササイズの継続にとって重要です。 行動に関する勝利や良い経験を作りましょう。 自己効力感が低い場合、計画と動機付けという観点から、あなたが発信する情報が肝要となります。
重量不足
時に、何かが不足していることは新しい洞察を導きます。私は1965年にウエイトリフティングを始め、想像し得る最良の施設を持っていました。私はまた、より厳しい状況でもトレーニングをしてきました。 スポーツパフォーマンスを提供するワールドクラスのジムが、ボックスジムによって倒産に追いやられてしまうことがしばしばあります。トム・プラマーが言うように、“すべてのジムが行っていることがトレッドミルをレンタルすることであれば、顧客は最も安い値段の場所を探します。”オリンピックリフティングプラットフォーム、ケトルベル、スレッドは裕福なクライアントを数多くは惹きつけません。 そのため、数年に一度、気がつくと私は制限あるリソースである自分のガレージに立ち戻っています。奇妙なことに、これは自分が最も成長するタイミングでもあります。世界中のあらゆるジム、あるいは、状況で私が教わってきた最良のレッスンを模倣することができます。 限られた道具では、負荷に限度があります。そしてこれこそ、隠れた素晴らしい価値を持っているのです:この“固定された”ウエイトで、素晴らしいストレングストレーニングの伝統である筋力を最初に、そしてパワー、それから筋肥大(ボディービルディング)を探求することができます。今日、多くの鍛錬者はこのステップ1と2を飛ばしています。これらの段階を飛ばした結果は明白です:あなたは週3回ジムでトレーニングをしているかもしれませんが、誰にもそれがわからないのです! 私は“固定されたウエイト”と呼ばれるものとともに成長しました。多くのジムには大抵、重さが大体15ポンドから150ポンドくらいまでがセットになったバーベルのラックがありました。ケトルベルが最初に再認識された15年前、ほとんどサイズの種類はありませんでした。限られた選択肢では、次に進む前に、その重さをマスターしなければなりません。 家での限られた選択肢では、110ポンドのシアーズのテッドウィリアムバーベルを数週間プレスすることになるでしょう。重さを加えることなく、さらなる筋力をつけるために、数日間練習することになるでしょう。 かなり単純なのですが、これもまた我々がストレングスを構築してきた方法でなのす。ゆっくりとその負荷で回数を増やします。たった1つの負荷では慌てて進んで新しい道具を探すことはできません。 回数を増やすにつれ、ほとんどのスポーツに繋がるパワーがゆっくりと向上します。回数を8回から、12回、15回と徐々に上げることで、筋肥大(除脂肪量の増加)というご褒美も得られるでしょう。 私の最良のトレーニングとなる経験は、転居して、28キロのケトルベルのみでケトルベル資格取得のためのトレーニングを行っていた時に起こりました。軽いベル(24キロ)で100回スナッチをする必要がありましたが、私は自分の持っているベルしか持っていませんでした。リンドン・ジョンソンが大統領であった間、兄とガレージでトレーニングしたように、ガレージに閉じこもって、回数をこなし始めました。 これはケトルベルスナッチの例ですが、単一の重さとそれを何回も繰り返し行うことで見つけた原則は、すべての目的に効果的であることを発見しました。大きく、身体全体の動きであるエクササイズを選んでください: ミリタリー(オーバーヘッド)プレス ベンチプレス スクワット系 デッドリフトとそのバリエーション プルアップ(負荷はまさにあなたでしょう!) バーベルカール 最後のエクササイズである、カールは“パンプ”させるためにかなりおおくの回数を行うことが多いものです。リフターによっては、それはエンジンやホイールのない車に新しいペンキを塗ることにもにています。大学で、225ポンドのストリクトカールができるフットボール選手がいました。信じてください、彼は“でっかい上腕二頭筋”を持っていました。 つまり、本当に自分の限界をテストするウエイトを探し、時間をかけてそのテストしたウエイトで回数を増やしていくことです。我々の多くにとって、200ポンドのベンチプレスや“2つの大きいプレート”、225ポンドが自然な数値になることでしょう。 正に、負荷を増やす、、、より多くのプレートで、重さを増やす…ことには素晴らしい価値があります。しかし、私達は、ある一定の重さで回数を増やしていくというこの素晴らしいことを忘れてしまっていると思います。
安定性=パフォーマンス
私が覚えている限り、コアトレーニングは常にワークアウトの重要な一部でしたが、経験を積むにつれて、『コアトレーニング』は、それぞれ重要な構成要素へと分類されてきました。これらの要素を理解することは、誰かにエクササイズプログラムを提供する際に非常に重要です。 よくトレーニングされたコアは、最適なパフォーマンスと傷害予防に不可欠です。 この記事は、コアとは何か、それがどのように機能するのか、安定性と強さの違い、そしてそれがパフォーマンスのためのトレーニングまたは傷害予防にどのように関連しているのかを理解するのに役立つでしょう。 「コアの安定性」は、統合された運動活動において、末端部分への力と動きを最適に生成、伝達、及び制御するために、骨盤上の体幹の位置や動きを制御する能力と定義されます。(Kibler) コア・ユニットとは何か? はじめに、「コア」とは何か、そしてその主な機能を明確に理解しましょう。 三次元空間であるコアは、腰部・骨盤・股関節複合体とも呼ばれ、腰椎、腹壁の筋肉、背部伸筋群、そして腰方形筋で構成されています。また、コアを通過して、骨盤、脚、肩、そして腕につながる広背筋や腰筋のような多関節筋も含まれています。骨盤との力学的な協働を考えると、殿筋も含まれていると考えてよいでしょう。 体幹及び骨盤のコアの筋肉は、脊柱と骨盤の安定性を維持する役割を担っており、大きな身体の部位から小さな部位へのエネルギー/力の生成及び伝達を助けます。 フィットネス・コミュニティ内では、コアをトレーニングするためのエビデンスに基づくアプローチや理解が欠けています。たとえば、腹直筋をトレーニングするには、脊柱の屈曲(クランチ)を繰り返すのが良い方法だと信じている人もいます。興味深いことに、この筋肉がこのように使われることはほとんどなく、それらは動きに抵抗したり止めたりする中でブレーシングする、具体的には腰椎の過伸展を防ぐためにより頻繁に使われます。それらは屈筋というよりも安定筋なのです。さらに、椎間板への反復する屈曲や圧迫は、有力な受傷メカニズムです。(Callaghan JP and McGill SM) 誤った行為の他の例は、アスリートが、おへそを脊柱に向かって引っ込めてコアをブレーシングするように指示されることです。これは主な脊柱安定筋を使うための方法ではありませんし、コアの安定性を測定した多くの研究が、もっとも重要な安定筋群の活性化はタスク固有のものであると示しています。 コアの安定性対コアの強さ 私がコアトレーニングではじめに目からうろこだったことの一つは、コアの安定性とコアの強さの違いを発見したことでした。 その違いとは、コアの安定性が協調された筋活動の結果として脊柱を安定させる能力を指すのに対し、コアの強さは、筋肉の収縮する力と腹腔内圧によって力を生成する能力を指すということです。(Faries & Greenwood) コアの安定性は、受動的、能動的、そして神経制御の3つの相互依存的なサブシステムに分類されます。 (Panjabi) どのサブシステムも、他のサブシステムと別々に作用したり働くことはありません。受動的システムには、椎骨、椎間板、靱帯、関節包、そして筋肉の受動的特性が含まれます。これらの組織の主な役割は、張力が増加し、運動に対する抵抗が生じるとき、可動域の最終域を安定させること、そして機械受容器を介して位置や負荷の情報を神経制御システムに伝達することです。 能動的サブシステムはコアの筋肉で構成され、脊柱に動的な安定性を与え、神経制御システムに運動の情報を提供します。神経制御サブシステムは、最終的にコアの安定性を生み出し維持する、入力および出力信号の拠点です。 これら3つのサブシステムが一緒になって、瞬時に変化を起こし、剛性(つまりコアの安定性)のために適切な筋動員の組み合わせや強度を実行するのです。 コアの強さとは、エネルギー漏れを起こさずに、腹腔内圧に対抗して、このように協調された筋動員パターンによって生成または伝達される力の大きさと言えるでしょう。 アスリートが、コアが協調/安定できる以上の力を発揮すると、エネルギー漏れが生じ、四肢のオーバーユース障害が起こります。 たとえば:野球の投手が、コア・ユニットが下肢で生成された力を効果的に協調及び安定させ、肩へと伝達することができない結果、肩のローテーターカフ損傷(受動的サブシステム)が定期的に起こるかもしれません。肩の筋肉が、この失われたパワーを補わなくてはならないからです。 アスレティック・パフォーマンスのためのコアの強さ 経験を積むにつれ、私は誰かをリハビリテーションのためにトレーニングするのか、またはパフォーマンスのためにトレーニングするのかによって、コアトレーニングが少し異なることにも気が付きました。 先にも述べたように、コアが身体に対して弱いと、アスリートは、あらゆる動きにおいて必要な力を発生させるために、常習的にほかの筋群を酷使してしまうのです。そのため、パフォーマンス向上のためのトレーニングには、コアを介して伝達される力の量を増加させようとすることと、エネルギーを漏らさないようにすることが含まれます。 コアを強化するエクササイズは、完璧なテクニックを維持し、パフォーマンス成果を上げるために必要な力を発生させる能力を本当に試すものであると言えるでしょう。 リハビリテーションのためのコアの安定性 リハビリテーションのためのトレーニングとは、コアの協調性及び安定性を回復し、痛みを伴わずに日常生活のタスクを実行できるようにすることです。そのため、リハビリテーションにおける安定性とは、パフォーマンスのための筋力トレーニングのような結果の出る課題に取り組むのではなく、小さな運動単位の動員や同期された活性化パターンを増加させようとすることだと言えるでしょう。その結果、中枢神経系のコントロールが向上し、安定性(上記のすべてのサブシステム)が高まり、受傷リスクが減少するのです。 安定性のためのコアトレーニングと不安定面上のトレーニング あるトレーナーが、コア・ユニットのポステリア・チェーン要素を刺激するような動きを取り入れたいとしましょう。彼らは、その人にとっての適切な負荷はどれくらいかと悩んでいるかもしれません:エンプティ・バー(プレートなしでバーベルバーのみを使った)でのヒップ・ヒンジパターン?バードドッグ・エクササイズ? その選択は、アスリート/クライアントの許容範囲や能力によって決まります。コーチは、処方されたエクササイズの量がクライアントに見合っているかを確認しなくてはなりません。各々のアスリートにはそれぞれ負荷の許容範囲があり、それを越えてしまうと、痛みを生じ、最終的に組織の損傷を引き起こします。たとえば、あるアスリートは先に述べたバードドッグの動作には十分耐えられるかもしれませんが、腰椎に2倍の圧縮力がかかるバランスボール上でのバック・エクステンションには耐えられないかもしれません。しかしそのまた一方で、ジムでトレーナーとトレーニングしているほかの誰かは、片脚でのエンプティ・バー・ヒップヒンジをいとも簡単にこなすことができるのです。よりトレーニングを積んだ人ほど、その許容範囲は高くなります。人の能力とは、痛みや損傷を起こさずにその人が行うことのできる累積運動です。(McGill, Stuart PhD) コアの安定性エクササイズは、バランスボールまたはウォブルボードの上でバランスを保つ能力とはほとんど関係がありません。これはただ身体のバランスを維持する能力を試しているだけであり、不安定な脊柱とはほとんど関係がないのです。安定性のためのトレーニングは、「ブレーシング」するコアの筋動員、つまり剛性効果によって達成されます。 単一のコアの筋肉(たとえば腹斜筋)に焦点を当てることは、一般的には安定性を高めるのではなく、測定したときに安定性が低くなるような動作パターンを作り出したり強要します。腹横筋や多裂筋のような筋肉を単独でトレーニングすることは不可能であり、人々はこれらの筋肉を単独で活性化することはできません。そうではなく、安定性は腹部のブレーシングによって高めることができるのです。 一方で、バランスボールのような道具、またはその他の不安定面上でのトレーニング機器を使うと、非常に役に立つ場合があります。バランスボールは不安定な表面を与え、ブレーシング・エクササイズと組み合わせると、筋動員はかなり難しくなります。バランスボールを使うことは、固有受容器の能力、身体の安定性やバランスをとる能力を高めることはできますが、筋力を高めることはできません。したがって、それはコアの安定性のためのサブシステムやリハビリテーションに適しているのです。(Behm et al.) コアの安定性が高まると、その上にコアの強さが構築できるでしょう:コアを介して伝達される力の量を増やし、エネルギーを漏らさないようにすることによって。
スピードプログラムのデザイン方法 パート2/2
2回目の3週間サイクル 2回目の3週間サイクルは最初のサイクルとほぼ同じような流れで行われます。ウォームアップは同じものを行うことで、アスリートが充分に習得することができます。身体にとってチャレンジがあり、アスリートを集中させるのに充分な種類が含まれています。 着地/減速、もしくは衝撃吸収においても3週目と似通ったことを行います、しかし着地時にポステリアチェーンにストレスをかけるために、低ー中重量のメディシンボールを加えます。 スピードトレーニングは、エクササイズという点においては同じになりますが、より良いリアクションを引き出す為に、ランダムなキューイングが加えられます。キューイングは、言語的、視覚的、またはこれらを組み合わせたものが用いられます。 ストレングストレーニングは両側性から片側性に移行するため、全ての下半身、及び上半身のエクササイズは非対称的に行われます。 3回目の3週間サイクル ウォームアップは同じものを行います。必要であればエクササイズを加えることもできますが、構造は同じです。 これからの3週間における衝撃吸収ドリルの際、アスリートはその日に行う面での動きを行う際に、矢状面、前額面、水平面のドライバーが加わります。 もしも矢状面での跳躍を行っているのであれば、バランスと安定性を生み出すために、身体からのリアクションを誘導する目的で、腕を3つの面のどこかでどのようにドライブするか(動かすか)を学ぶことになります。全てのドライブは腕/手によって行われ、このサイクルにおいては外負荷は加えられません。 スピードトレーニングにおいては、ここから軽めのチューブやスレッドによる抵抗といった外負荷を加えます。このサイクルでの目的はテクニックをかえることなく、力発生を増加させることになります。もしもこの抵抗力により、アスリートが抵抗のない状態と比較して、スキルを大幅に変更しているのであれば、それは抵抗が重すぎるということになります。 アスリートには軽めのチューブが、これにより加えられた牽引がある中で行う減速、もしくは減速への一助として用いられます。アスリートが、外力を伴って非常に効率的に動くために、身体ポジションに集中していられるようにすることがゴールとなります。 ストレングストレーニングは両側性の負荷へと戻りますが、パワーの導入が加えられます。アスリートはリフトの求心過程において、外部加重や自重の加速方法を学びます。また遠心性の部分において、負荷をコントロールするように指示されます。 ゴールは神経駆動の向上、より早い動きの中で正しい姿勢を保持すること、そして動きの遠位において負荷が素早く離れていく際の減速方法をアスリートに教えることになります。 4回目の3週間サイクル 今回もウォームアップは、ほぼ同じになります。最後の3週間における衝撃吸収のドリルにおいて、アスリートは着地を異なった面で行う際に、3次元的なドライブをシンプルに繰り返しますが、ドライブの際に再びメディシンボールによる負荷が加えられます。 メディシンボールは手で持っていても、面上に沿って腕をドライブしている時に受け取っても構いません。スピードトレーニングは、最後の3週間サイクルでは異なったことを行います。アスリートは多方向への動きを行います。言い換えれば、直線と側方への動きが結びつけられるということです。例として、アスリートは直線のダッシュを行い、すぐさまラテラルシャッフル(側方へのシャッフル)に切り替え、クロスオーバーをして後退(バックペダル)しスタート地点に戻る、というものがありえます。 このサイクルでの目的は、アスリートがいかに身体を上手く操作できるかを、コーチが評価することです。それぞれのワークアウトはコーンを用い、アウトライン化された、もしくは予行演習的に行うことで、アスリートは正確に何を行うべきかを知ることができます。次のワークアウトでは、アスリートはどこに向かい、どのように動くかをランダムな指示出しのもとで行います。 それぞれのワークアウトは、予行演習とランダムを織り交ぜます。適切な時に、軽めのチューブによる抵抗といった外力を加えることもできます。ストレングストレーニングは、パワーに焦点を当てた片側性のトレーニングに戻ります。アスリートはどのように爆発力を出すかを引き続き学びますが、身体を通じてより非対称的な負荷がかかります。 これが、私が若いアスリートのグループに用いる、12週間トレーニングの基本的なプログラムデザインのアウトラインです。より多くのオプションがあると思いますが、私は、自分自身とアスリートにとってバラエティー豊かにチャレンジする為に、より短いサイクルを好みます。主なゴールは技術面の習熟でなければなりません。ストレングスとスピードはいずれついてきますが、乏しい動きの基礎の上に積み上げたくはないですよね。
スピードプログラムのデザイン方法 パート1/2
どのようにスピードプログラムをデザインするのですか?これは私が本当に良く聞かれる質問です。通常そのような時、私は望まれていない答えを伝えなければなりません。“時と場合によります”と。なぜなら、そもそも本質的にこの質問が非常に曖昧だからです。 では、誰かが私の所にやってきて“7年生(中学1年生)の女子バスケットボールチームへの3ヶ月のスピードプログラムはどうデザインしますか?”と聞いたとしましょう。 間違いなく、私はここで、いくつかの明確な答えを与え始めることができるでしょう。その質問に週に何日トレーニングをする計画なのか、使える時間、ウェイトルームなどといったリソース(資源)があるかが含まれていれば、より答えやすくなります。 ここでは12−14歳のアスリートへの普遍的なプログラムをどのようにデザインするかを記述します。なぜならこれは普遍的なものなので、どのアスリートやスポーツにも適用できるからです。覚えておいてください、12−14歳の子供達には発育において大きな個人差があります、男女間での差は言うまでもありません。 日数/週:3日 時間/日:45分 連続しない曜日で:月ー水ー金 オフシーズン:これらのアスリートはスポーツにおけるシーズンの最中ではないけれど、いくらかスポーツには参加しており、単に練習のみをしているわけではありません。 12週のプログラム(3週間の4サイクル):3週間のサイクルを選んだ理由は、このプログラムは普遍的なものであり、異なった変数にさらせばさらす程、アスリートにとってはより大きなチャレンジとなるからです。このプログラムは普遍的なものであるため、エクササイズは3週間のサイクルで習熟されます。 1日目: 20分のウォームアップに続き、以下の基本的なシークエンスを行います: フォームローラー、スティック、またはテニスボールによる、筋肉の準備 機能的柔軟性から3次元的ストレッチとモビリゼーション ダイナミックアクティベーション/ランニング ー ランニング、スキップ、ランジ、シャッフル、スクワット、ベンディング(屈曲)... ファストフィート ー 縄跳び、ラダー、ドットドリル、ラインドリル、ローボックスドリル… 5分間の着地、減速(衝撃吸収のメカニクス): ロージャンプ、跳躍、ホップ及びホールド 1日目は固有受容感覚に挑戦する為に、全て矢状面で行う 1−2つのエクササイズを選び、5−10回を2−3セット行う。 10分間の直線加速トレーニング: ウォールラン、アームドリル、様々なスタンスからのスタート、片膝立ちのスタート、起き上がり… 全てのエクササイズは加速の技術的側面に重点がおかれる。 2つの異なったエクササイズを選び、3−4セットをドリルによって、また最初の3週間のサイクルで生じた指導の量により、異なった回数で行う。 25分間のストレングストレーニング(最初の3週間は全て両側の動き): 4つのエクササイズを選び、スーパーセット方式で行う。 エクササイズにより5−12回の3−4セットで行う。 分解と漸進の時間。 全てのストレングスエクササイズを分解し、アスリートがメカニクスを理解できるようにする。 多くの焦点は、自体重を扱うTRXなどのサスペンションシステムやジャングルジムストラップ、そしてチューブ、メディシンボール、ダンベル、ケトルベルといったものに置かれます。 2日目: 20分のウォームアップに続き、以下の基本的なシークエンスを行います: フォームローラー、スティック、またはテニスボールでによる、筋肉の準備。 機能的柔軟性から3次元的ストレッチとモビリゼーション。 ダイナミックアクティベーション/ランニング ー ランニング、スキップ、ランジ、シャッフル、スクワット、ベンディング(屈曲)... ファストフィート ー 縄跳び、ラダー、ドットドリル、ラインドリル、ローボックスドリル… 5分間の着地、減速(衝撃吸収のメカニクス): ロージャンプ、跳躍、ホップ及びホールド 2日目は固有受容感覚に挑戦する為に、全て前額面で行う 1−2つのエクササイズを選び、5−10回を2−3セット行う 10分間の側方加速トレーニング: 焦点は加速に置かれている為、アスリートはパワーの生成、及び加速時における身体の水平性を保つことを学びます。 ラテラルシャッフルとクロスオーバーが主な焦点となります。 2つのエクササイズを選び、3−5セット行う。左右を考慮しなければなりません。 25分間のストレングストレーニング: 4つのエクササイズを選び、スーパーセット方式で行う。 エクササイズにより5−12回の3−4セットで行う。 異なったムーブメントパターン、及び/もしくはバリエーションのエクササイズを行う。 分解と漸進の時間。 全てのストレングスエクササイズを分解し、アスリートがメカニクスを理解できるようにする。 多くの焦点は、自体重を扱うTRXなどのサスペンションシステムやジャングルジムストラップ、そしてチューブ、メディシンボール、ダンベル、ケトルベルといったものに置かれる。 3日目: 20分のウォームアップに続き、以下の基本的なシーク案素を行う: フォームローラー、スティック、またはテニスボールで、筋肉の準備。 機能的柔軟性から3次元的ストレッチとモビリゼーション。 ダイナミックアクティベーション/ランニング ー ランニング、スキップ、ランジ、シャッフル、スクワット、ベンディング(屈曲)... ファストフィート ー 縄跳び、ラダー、ドットドリル、ラインドリル、ローボックスドリル… 5分間の着地、減速(衝撃吸収のメカニクス): ロージャンプ、跳躍、ホップ、そしてホールド 3日目は固有受容感覚に挑戦する為に、全て水平面で行う 1−2つのエクササイズを選び、5−10回を2−3セット行う 10分間の直線、及び側方への方向転換トレーニング: アスリートは直線方向へのランからの減速、そして側方への動きを習得する。 後退(バックステップ)が直線の中に含まれる。 直線パターンから一つ、そして側方パターンから一つ選びそれらを細分化して行う。 エクササイズによって3−5セットを行い、側方の減速を行う場合には身体の左右両側を考慮する。 25分間のストレングストレーニング: 4つのエクササイズを選び、スーパーセット方式で行う。 エクササイズにより5−12回を3−4セット行う。 1日目に行ったのと同じエクササイズが再び指導される。翌週の1日目が、この最初の週の2日目となります。こうすることで全てのパターンがほぼ同等の時間実行されることになります。 分解と漸進の時間。 全てのストレングスエクササイズを分解し、アスリートがメカニクスを理解できるようにする。 多くの焦点は、自体重を扱うTRXなどのサスペンションシステムやジャングルジムストラップ、そしてチューブ、メディシンボール、ダンベル、ケトルベルといったものに置かれる。 最初の3週間サイクルが終わる頃には、アスリートは処方されたエクササイズを正しく行う方法を基本的に理解しているはずです。最初の3週間サイクルではあまり多くのエクササイズが選ばれていませんが、ここで習得されたパターンにより新しいエクササイズも簡単に実施することができます。
治療に関する議論が嫌いな理由
私がネットで見る、あるいは関わるのが最も嫌いな議論は、治療に関するものです。治療が大事なのはわかりますが、これは本当にセラピストの間で最大の争点になっているようです。このテーマは、確かに人々が非常に熱くなり、あえて言うなら、少し身構えているような気もします。これは、議論、あるいは議論になりがちな不確実性の大きな領域です。議論の展開によっては、「何もかも」うまくいかないように思えたり、「何でもかんでも」うまくいくように思えたりして、少し不満や失望を感じることがあるでしょう。 しかし、ここからが私の問題なのです... 私が本当に不思議に思うのは、なぜ人は、問題を抱えた人をどう扱うのかではなく、問題をどう扱うかに熱狂し、アイデンティティを形成してしまうのか、ということです。これらの論議は、クライアントとのセッション中に起こる他のすべてのことを考慮しているようには決してみえません。もし、あなたが治療によって自分を定義し、それが「うまくいかない」としたら、そしてそれはかなりの割合の人にとってそうだとすれば、それから一体どうするのでしょうか? 私としては、これこそが、誤用されがちなBPS(Biopsychosocial/生物心理社会的)モデルのポイントだと考えています。BPSモデルは、問題そのものよりも、問題を抱えた人について考えることを意図しています/していました。 私は痛みを治療するのではなく、痛みを持つ人を治療するのです。それは、痛みがその人の人生や感じ方に大きな影響を与えることを認識すること、つまり、彼らの身に起きていることすべてに対する考えや気持ちを理解することです。それは、私がどのような介入、治療、モダリティなどを使って痛み(またはその他の結果指標)を治療するかということではなく、治療の全プロセスをどのように進めるかということなのです。 これは、もう少しリサーチ・リテラシーを高めるための良い理由になるかもしれません。治療のエビデンスをめぐっては、多くの大きな意見があり、実際に何がどの程度効果があるのか、そして更に重要なことに何が実際に効果があるのか、に関するバランスのとれた見解を得ることは難しいかもしれません。また、臨床で起こることと、コントロールされた研究で集団レベルで起こることは異なるかもしれないということも覚えておく必要があります。これは、研究を臨床に取り入れる際に常に問題となることです。私の臨床実践では、エビデンスを指針にしながらも、必要に応じて変化し、その人に合わせていくようにしています。 医療との出会いの中で、人々が経験するプロセスを考えたとき、アウトカムには実にさまざまなものが関わっているはずです。 それらは下記のようなものかもしれません: アセスメント(病歴&身体所見) コミュニケーションスタイル 私たちの説明と安心感 私たちが提供するサポートとガイダンス 行動変容の実施 治療はセッションのほんの一部に過ぎないことが多く(私にとっては)、これら他のことの全ては、頻繁に治療の寄せ集めの中に関与し、結果に影響を与える可能性があるのです。 実際、私たちがコントロールすることのできない多くのことが結果に影響するため、結果のうちどれだけが実際に私の治療なのかは、よくわからないことが多いのです。私たちに影響を与えるものの多くは、私たちが存在するシステムや社会に根ざしているのです。特定の治療法の結果にこだわるのではなく、私たちがコントロールできること、例えば、その人とどのようなプロセスを経て、どのような働きかけをするかということに、もっと関心を持つべきかもしれません。私は、適用されるものが何であれ、盲信するよりも、その方がずっと安心です。 ある人は健康状態を、ある人は手技を、ある人は基本的な安心感を、またある人は自分の動きに自信を取り戻すことを、あるいは上記のすべてを組み合わせて必要とするかもしれません。痛みの複雑さや人々の個体差を考えれば、なぜすべての人がたった一つのものを必要とすると期待できるでしょうか?
何故スプリントコーチは水平力について知る必要があるのか?
ストレングス、コンディショニングの分野において、スプリントのスピードに対して垂直床反力の大切さを信じているコーチや研究者たちと、水平床反力の大切さを信じているコーチや研究者たちとの間で、激しい議論の一つが続いています。 何についての議論なのでしょうか?そうですね、この総説がその争点について解説をし、水平力の大切さについて論証することになるでしょう。 研究論文:スポーツパフォーマンスへの強度の移行とパワーの適応 – 水平、垂直力の生産 ランデル、クローニン、キオウ、ギル ストレングス、コンディショニングリサーチ2010 *** 背景 ストライドの長さと頻度 スプリントや速いランニングは、陸上競技やほとんどのチームスポーツにおいて選手達の重要な特性です。より速いランニングの速度は、歩長を大きくするか、その頻度を高めるか、もしくはその両方によって達成することができます。 ストライド頻度とより速いランニング ストライド頻度は1つの歩行周期を行うためにかかった時間の逆数です。それゆえ、ストライド頻度は、ランニングストライドを行うためにかかった時間に依存しています。ストライド全体の時間はさらに、滞空時間とスタンス時間の2つに分けることができます。評論家たちは、ランニングのトップスピードにおいて、その2つの部分それぞれの時間の長さは等しくはなく、滞空時間は全体のストライド時間の約75%になると説明しています。 しかし、速いランニングから、更に速いランニング速度へ移行する間では、ストライド頻度の大幅な増加は起こりません。評論家たちは、ウェイアンド(2000)が、滞空時間の増加が、より速い速度でのランニングスピードとは関連していないと発見したことを記述しています。 また一方で評論家たちは、ヌメラ(2007)、Kyröläinen(2001)、マンロウ(1987)全てが、スタンス時間の減少とランニング速度の上昇の関係を発見したことに注目しています。 スタンス時間は、全てのストライドの時間の中のほんの一部でしかないため、スタンス時間のみがランニング速度と関係しているという事実は、より速い速度において、何故全体のストライド頻度がランニング速度の上昇と強く結びつかないのか、ということを説明しているかもしれません。 ストライドの長さとより速いランニング ストライド頻度のように、ストライドの長さも、いくつかの段階に分けることができます。ストライドの長さの合計は、テイクオフの距離、滞空距離、着地の距離からなっています。その中でテイクオフと着時の距離は、合わせてスタンスの距離とすることが出来ます。しかしながら、ストライドの長さの合計は、ストライドの頻度とは異なり、より速い速度において、走る速度の上昇と関連があります。評論家たちは、ウェイアンド(2000)が、ストライドの長さが6.2m/sと比較して、11.1m/sにおいては1.96倍も長かったことを発見したと述べています。その一方、評論家たちはストライドの頻度とは違い、スタンスの距離の変化は走る速度とは関連がないとも解説しています。 床反力とストライドの制限要因 床反力は、通常フォースプレートを使って研究者たちにより測定されます。フォースプレートは、床に足を着いた時にアスリートの足に対して床から生み出された力を記録します。それゆえ、床反力と言うのです。ニュートンの第三の法則によると、この力はアスリートによって生み出された力と等しく、それぞれの方向において相反する方向に向かうべきです。ランニング時、アスリートは上下に動くため、その力は垂直、そして水平にかかることとなるでしょう。その一方で、垂直跳びにおける水平力は最小となります。 基本的な物理原理と同じく、一般的に、ランニングにおけるストライドの長さとストライド頻度は、より大きな床反力の結果として増加します。しかし、評論家たちは、コーチと研究者たちの間で、ランニングのスピードを上げるために大切なのは、垂直床反力なのか、水平床反力なのかについて激しい論争が繰り広げられていると解説しています。 *** 垂直床反力はより速いランニングの要因となるのか? ある研究者たちとコーチたちは、一定の速度でのランニングや、より速い速度でのランニングにおいても、少ない水平抵抗しかないと信じています。それゆえ、彼らは一定の速度において水平の推進力の必要性は、制動力に対抗するのに必要なだけでよいと提唱しています。それゆえ、彼らは垂直力の方がより大切だと提案しているのです。 例えば、ウェイアンド(2000)は、垂直床反力の増加は、ランニングの速度を速くするための重要な要素だと示唆しています。評論家たちは、ウェイアンドは、最高速度において、相対的な垂直床反力は、遅いランナーに比較して速いランナーでは1.26倍の大きさだったことを発見した、と記述しています。下記のグラフで示されているように、最大下速度から他へと増加する中で、同じ要因が数名の研究者たちによって観察されています。(薄い青色の棒は遅い速度、濃い青色の棒は速い速度を示します) ランニングの速度が上昇するに従い、時には著しく水平力も増えていることが、グラフから読み取れます。水平力が垂直力よりも上昇していることも予想できますが、次のセクションで更にみていくことにしましょう。更に詳細な内容を知りたい読者の皆さんには、ランダル及びその他、マンロウ(1987)、Kyröläinen(2001)、Kyröläinen(2005)、ベリ(2002)によって参照された文献を読まれることをお薦めします。 *** 水平床反力はより速いランニングの要因となるのか? その他の研究者たちは、より大きな水平力がより速い走りの速度には必要だと提唱しています。一体何を言おうとしているのか説明する必要がありますね。この時点では、より速いランニングの速度へ加速することについて話しているのではなく、単に、加速した後にそのより速いランニングの速度で動くことに関して述べています。そのことを頭に置いておくと、一定のスピードにおいては、水平推進力と水平制動力は等しくあるべきであるということになります。そうでなければ、速度は一定になりません。 そうはいっても、ある速度において力が同等であるからといって、それよりも遅い速度での力よりもその速度での力の方が大きいということにはなりません。より速い速度においては、より大きな水平制動力を予想することができ、それゆえ、より大きな水平推進力が必要となり、そして、推進力と制動力を合わせた総水平力がより大きいということになります。 しかしながら、これが実際にそうであるのかどうかは、研究の結果をみることによってしかわかりません。下のグラフはランニングの速度の上昇と水平力の変化を表しています。(薄い青色の棒は遅い速度を示し、濃い青色の棒はより速い速度を示しています) グラフから、垂直床反力はランニングの速度の上昇と共に増すことがわかります。更に詳細を知りたい皆さんには、ランダル及びその他、マンロウ(1987)、ニグ(1987)、Kyröläinen(2001)、Kyröläinen(2005)、ベリ(2002)によって参照された文献を読むことをお薦めします。 *** 垂直床反力と水平床反力の比較 評論家たちは、水平力と垂直力に関して2つの重要な違いがあると記述しています。最初の点は、垂直床反力は、ほぼ常に水平力よりもかなり大きいということです。これは重力によるものです。もう一つは、下のグラフが示しているように、水平力はランニングの速度の上昇と共により大きくなるようにみえるということです。 グラフは、4つ全ての研究において、水平力の増加の割合は、ランニングの速度の上昇と共に同等に上昇した垂直力よりも、はるかに大きかったことを示しています。(全てのデータは同じ速度範囲でセットされています) *** 垂直力の増加はランニングの速度の上昇と共に小さくなるかもしれない 評論家たちは、いくつかの研究では、ランニングの速度が速くなるにしたがい垂直床反力の増加が小さくなることを示していると記述しています。(言い換えれば、垂直床反力の上昇は直線ではないということです)しかし、これは水平力の場合は同じではないようです。 マンロウ(1987)とニグ(1987)による早期の研究では上昇は直線的であると提唱していますが、Brughelli(2011)を含めるその後の研究では、同じような関係性は発見されていません。下のグラフではBrughelliのデータが示されており、水平力の増加がどの速度においても概ねなだらかな一方、垂直力の上昇がいかに急激に減少しているのかをはっきりと示しています。 このグラフでは、垂直床反力の増加は主に、ランニングの最高速度の40%-60%の間で起こっていることが示されています。ランニングの最高速度の60%-100%では顕著な垂直床反力の上昇とは関わりがないように思われます。 *** 評論家たちはどのような結論に至ったのでしょうか? 評論家達は、垂直面、水平面の両方における力の生産が必要とされることが明白ではあるが、速いスピードでのランニングにとっては水平力がより重要であると結論づけた。 現在ほとんどのストレングスコンディショニングプログラムは、スクワットやデットリフトによる、垂直力の生産にフォーカスをおいて実施されているが、彼らはまた、この結果が、スプリントパフォーマンスのサポートとして使用されるストレングストレーニングのルーティンに関して重要な派生効果をもたらすであろうとも結論づけている。彼らはまた水平方向のエクササイズはより上位の、あるいは相補的な結果をもたらすであろうことを示唆している。 研究論文は下記のような制限がありました: 水平力を基にした筋力トレーニングがスプリントの動作に有益がどうか評価するための、スプリント選手におけるストレングスを介入したテストが行われていないため、実践におけるアドバイスは困難です。 ランニングやスプリント中の床反力の測定は、違う速度を比較した時、ほとんど統一されていません。スプリントは通常最高速度で行われますが、人によってその速度はまちまちであり、ランニングの速度は、他の研究と統一するというよりも、むしろ実験の目的によって選ばれることが多いため、異なった研究間でのそれぞれの速度における力の増加を比較することは、必ずしも正しいわけではありません。 参照されたある研究はその分析にトレッドミルを使っており、それらの研究からのデータを基にした推測は有効でないかもしれません。 この総説の作成以降、Brughelli(2011)、カワモリ(2012)、モーリン(2011)、モーリン(2012)を含むいくつかの研究が出版されていますが、水平力の大切さに関して、これらの研究論文はこの総説内のランダル及びその他によって導き出された結論を支持しています。 *** 実践的な意義は何でしょう? スプリントアスリートに対して: スクワットやデッドリフトなどのように、垂直力の発達を含む筋力トレーニングのプログラムは、最高速度でのスプリントのための筋肉の強化をするには適していないか、もしくは十分ではないかもしれません。 同様に、ジャンプスクワット、垂直跳び、その他の垂直プライオメトリックなどの動きを使ってのパワーの向上は、最高速度でのスプリントをするための筋肉の最大出力をトレーニングするためには適していないか、もしくは十分ではないかもしれません。 臀筋のブリッジ、ヒップスラスト、水平バックエクステンション等の水平方向のレジスタンストレーニングは、最高速度でのスプリントのために最適な水平力を生み出すために、スクワットやデットリフトに加えて行うことが必要かもしれません。 ケトルベルスイングなどの、水平方向のパワーを基にしたエクササイズは、最適な水平力を生み出すために、スクワットやデットリフトに加えて行うことが必要かもしれません。
筋膜の粘性、弾性、塑性
アリゾナ州フェニックスで開催されたアナトミートレイン解剖コース初日の朝。ラボでの実際の人体解剖に先駆けた朝のセミナーから、筋膜の粘性、弾性、塑性の性質についてトムがわかりやすく解説します。