トム・マイヤーズは、アイダ・ロルフ博士、モーシェ・フェルデンクライス、そしてバックミンスター・フラーから直接指導を受け、またジュディス・アストン、エミリー・コンラッドといったムーブメント指導者達から、そして武道の世界からも学びを得る。
彼のアプローチは、欧州オステオパシースクールで学んだ、頭蓋仙骨、内臓、及び内在的動きの研究からも影響を受けている。
過去35年間以...
最近は良くなってきていますが、多くの医者は、(もし彼らが筋膜という言葉を聞いたことがあるとしたら )「筋膜切開」と呼ばれる処置の一環としてしか筋膜を知りませんでした。気管切開が気管を切って開くことであるように、筋膜切開とは筋膜を切って開くことです。でもなぜ筋膜を切り開くのでしょうか?
血管や神経は、神経血管の束として筋膜のスリーブに覆われた状態で、四肢に張り巡らされています。このような束は、片手の親指を反対側の脇の下に入れて、上腕骨(上腕骨の中央)の内側の表面に向かって押し出すことによって感じることができます。親指の腹を行ったり来たりさせて神経の束を感じてみてください;この束は、上は腕神経叢、下は肘頭まで辿ることができます。
これらの束になっているけれども、もろい「内臓器官」は、四肢の骨、筋肉、関節をとても巧妙に張り巡っています。神か、母親か、ダーウィンか(あなたの信じるものを選んでください)が作り出した賞賛に値するデザインにより、この束は直接の圧力や外部からの攻撃から逃れ、私たちが普段、四肢にかけている相当な負担も、この束の主要な役割である、手や足に向けての、そして手や足から向けられる血液の運搬や信号の発信を阻害することはまずありません。確かに、腕を枕にして寝て、しびれが切れてしまうことや、椅子の角に肘(尺骨神経)を打つこともありますが、こういった些細な不快感は、筋膜切開が必要になるほど長くは続きません。